説明

トグルスイッチ

【課題】従来のトグルスイッチでは、レバーをロックする誤動作防止機能を備えていたが、レバーをロックすることは可能であるがスイッチ本体からツマミが突出したままであった。また、レバーを突出させないように着脱自在としたものもあったが、レバーを紛失してしまう可能性があった。そこで、操作性を損なうことなく誤動作防止機能を備えたトグルスイッチを提供することを目的とする。
【解決手段】ケース内に固定接点を配設するとともに前記ケース内を傾動する転換子により可動接片を傾動させて電路の切換えを行うスイッチにおいて、レバーを直立位置または傾倒位置で保持し、傾倒位置にあるときにはカバーから突出しないように収納される構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバーを傾動操作して、スイッチ本体内に配備した接触機構部を作動させ
て電路の開閉を行うトグルスイッチに係り、誤動作防止機能を備えたトグルスイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のトグルスイッチは誤動作防止として、突起と切欠の係合によってレバーをロックするもの(下記特許文献1)や、レバーを分離可能としたもの(下記特許文献2)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭63−89643号
【特許文献2】特開昭61−243625号
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来のトグルスイッチは、ロック機構を備えたものは、レバーが突出したままであり、レバーを突出させないように分離可能としたものは、レバーを紛失する可能性があった。このように、ロック機能を備えてもツマミは突出したままであり、操作性を損なうことなく誤動作防止を実現させることは困難であった。
【0006】
そこで本発明は、上記状況に鑑みて、操作性を損なうことなく、誤動作防止機能を備えたトグルスイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、
ケース内に固定接点を配設するとともに前記ケース内を傾動する転換子により可動接片を傾動させて電路の切換えを行うスイッチにおいて、上面に突片を形成するとともに該突片の上面および側面に凹部を形成した連結子を前記転換子に嵌合し、前記連結子に弾性部材を介して滑動棒を内設したレバーを結合し、該レバーは前記連結子の傾動操作方向と直交する方向に傾倒可能であって、前記凹部と滑動棒の係合によって前記レバーが直立位置または傾倒位置で保持され、傾倒位置にあるときにはカバーから突出しないように収納されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)操作時にはレバーがカバーから突出して直立しているが、操作後はレバーを傾倒してカバー上面からレバーが突出しないように収納できるので、操作性を損なうことなく誤動作が防止できる。
(2)レバーが突出せずにカバーに収納できるのでデザイン性が向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例を表すトグルスイッチの斜視図である。
【図2】本発明の実施例を表すトグルスイッチのレバーを傾倒したときの斜視図である。
【図3】本発明の実施例を表すトグルスイッチの分解斜視図である。
【図4】本発明の実施例を表すトグルスイッチの平面図である。
【図5】本発明の実施例を表すトグルスイッチのレバーを傾倒したときの平面図である。
【図6】本発明の実施例を表すトグルスイッチの側面図である。
【図7】本発明の実施例を表すトグルスイッチのパネルに取付けたときの正面図である。
【図8】本発明の実施例を表すトグルスイッチのA−A断面図である。
【図9】本発明の実施例を表すトグルスイッチのB−B断面図である。
【図10】本発明の実施例を表すトグルスイッチのC−C断面図である。
【図11】本発明の実施例を表すトグルスイッチのD−D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、ケース内に固定接点を配設するとともに前記ケース内を傾動する転換子により可動接片を傾動させて電路の切換えを行うスイッチであって、レバーと連結子にロック機構を設け、レバーを直立位置または傾倒位置で保持することができ、傾倒位置にあるときにはカバーに収納される構成とする。よって、レバーを傾倒したときはカバー上面から突出しないため誤動作が防止できる。
【実施例】
【0011】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の実施例を表すトグルスイッチの斜視図、図2は本発明の実施例を表すトグルスイッチのレバーを傾倒したときの斜視図、図3は本発明の実施例を表すトグルスイッチの分解斜視図、図4は本発明の実施例を表すトグルスイッチの平面図、図5は本発明の実施例を表すトグルスイッチのレバーを傾倒したときの平面図、図6は本発明の実施例を表すトグルスイッチの側面図であり、図6(a)はそのレバーの通常状態を、図6(b)はそのレバーを傾倒したときの状態を示している。図7は本発明の実施例を表すトグルスイッチのパネルに取付けたときの正面図、図8は本発明の実施例を表すトグルスイッチのA−A断面図、図9は本発明の実施例を表すトグルスイッチのB−B断面図、図10は本発明の実施例を表すトグルスイッチのC−C断面図、図11は本発明の実施例を表すトグルスイッチのD−D断面図、である。
【0013】
これらの図において、1はレバー、2はレバー1に内設されるコイルバネ、3はコイルバネ2を介してレバー1に内設される滑動棒、4は連結子、5は連結子4にレバー1を結合するスプリングピン、6は転換子、7は転換子6に内設されるコイルバネ、8はコイルバネ7を介して転換子6に内設される滑動棒、9はケース、10は絶縁板、11は取付板、12は取付板11に連結子4を結合するカシメピン、13は絶縁板10と取付板11をケース9に固定する固定ネジ、14はカバー、15は受部材、16は受部材15をケース9に固定する鋲、17は受部材15に支持される可動接片、18は固定接点、19は受部材15および固定接点18とそれぞれ固定される外部端子である。レバー1の下部には一対の垂下部1aが形成されるとともにこの垂下部1aを貫通する傾倒軸孔1bが形成される。連結子4の上面には突片4aが形成され、この突片4aには上面および両側面の3箇所に凹部4bが形成されるとともに略中央部に傾倒軸孔4cが形成され、胴体部には傾倒軸孔4cと直行する方向に操作軸孔4dが形成され、下面には転換子6と嵌合するための嵌合突起4eが形成される。レバー1にコイルバネ2を介して滑動棒3を内設し、垂下部1aの間に突片4aが配置されるようにレバー1と連結子4を配置し、傾倒軸孔1bおよび4cを一直線上に並べてスプリングピン5を挿設してレバー1と連結子4を結合し、嵌合突起4eを転換子6の上面に形成された嵌合孔6aに嵌合することで操作部が完成される。
【0014】
レバー1および連結子4が結合された転換子6の下部にコイルバネ7を介して滑動棒8を内設し、転換子6を接触機構部を内設したケース9に配設する。絶縁板10をケース9の上面に配置し、略中央部に設けた長孔10aからレバー1を突出させる。さらに、取付板11を絶縁板10の上面に配置し、略中央部に設けた長孔11aからレバー1を突出させ、ケース9の下方より固定ネジ13で固定する。取付板11には長側面に沿って一対の対向する軸受片11bが設けられるとともに短側面に沿って一対の対向する取付片11cが設けられている。軸受片11bに形成された操作軸孔11dと連結子4に形成された操作軸孔4dが一直線上に並ぶように配置し、カシメピン12を挿設して連結子4と取付板11を結合する。カバー14を開口部14aに設けられた操作孔14bからレバー1を突出するように被せ、側面に形成された嵌合溝14cに形成された嵌合突起14dを取付片11cに形成された嵌合孔11fに嵌合してトグルスイッチが完成される。そして、パネル20に設けられた取付孔(図示せず)にスイッチをパネル20前面から挿入し、パネル20裏面から取付ネジ21を取付孔11eに螺合してスイッチをパネル20に固定する。
【0015】
以上のように構成された本発明のトグルスイッチは、操作時にはレバー1がカバー14から突出するとともにレバー1に内設された滑動棒3と突片4aの上面に形成された凹部4bが係合することにより直立位置が保持されており、カシメピン12を支軸として傾動操作が可能であって、その操作にともなって転換子6が傾動して、内設された滑動棒8によって可動接片17が傾動することで固定接点18と接触して電路の切換えを行う。操作が完了したとき、スプリングピン5を支軸としてレバー1を傾倒すると滑動棒3が押し上げられて突片4aの上面に形成された凹部4bとの係合が解除され、突片4aの側面に形成された凹部4bに滑動棒3が係合することにより、レバー1が傾倒位置で保持される。このとき、レバー1の側面はカバー14の上面から突出することなく収納される。
【0016】
このように、本実施例に示すトグルスイッチは、レバー1が直立位置にあるときには傾動操作が可能であって、レバー1が傾倒位置にあるときにはカバー14上面から突出しないように収納されるため、操作性を損なうことなく誤動作が防止できるという特徴を有している。
【0017】
本実施例では、パネルへの取付けをネジ取付けとしたが、ケースに一体に形成した樹脂バネによる取付けとしてもよく、カバーもケースと一体に形成してもよく、種々の方法が考えられる。
【0018】
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明のトグルスイッチは、操作性を損なうことなく誤動作防止機能を備えたトグルスイッチとして利用可能である。
【符号の説明】
【0020】
1 レバー
1a 垂下部
1b 傾倒軸孔
2,7 コイルバネ
3,8 滑動棒
4 連結子
4a 突片
4b 凹部
4c 傾倒軸孔
4d 操作軸孔
4e 嵌合突起
5 スプリングピン
6 転換子
6a 嵌合孔
9 ケース
10 絶縁板
10a 長孔
11 取付板
11a 長孔
11b 軸受片
11c 取付片
11d 操作軸孔
11e 取付孔
11f 嵌合孔
12 カシメピン
13 固定ネジ
14 カバー
14a 開口部
14b 操作孔
14c 嵌合溝
14d 嵌合突起
15 受部材
16 鋲
17 可動接片
18 固定接点
19 外部端子
20 パネル
21 取付ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内に固定接点を配設するとともに前記ケース内を傾動する転換子により可動接片を傾動させて電路の切換えを行うスイッチにおいて、上面に突片を形成するとともに該突片の上面および側面に凹部を形成した連結子を前記転換子に嵌合し、前記連結子に弾性部材を介して滑動棒を内設したレバーを結合し、該レバーは前記連結子の傾動操作方向と直交する方向に傾倒可能であって、前記凹部と滑動棒の係合によって前記レバーが直立位置または傾倒位置で保持され、傾倒位置にあるときにはカバーから突出しないように収納されることを特徴とするトグルスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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