説明

トラックボール

【課題】機器自体の高さをボールの直径に近似した高さとして小型化し、ケース内に支持されるボールの回転量を検出する光学式の検出デバイスを直交二軸方向に1個ずつ設けてボールの回転検出を確実とする。
【解決手段】回転操作して情報入力するためのボール2と、このボールが嵌まり得る凹球面を有しその内周側に前記ボールを回転可能に支持するケース3と、このケースに設けられ前記ボールに向かって光を照射する投光部及び該ボールから反射された光を検知する受光部を有して前記ボールの回転量を検出する検出デバイス4とを備えたトラックボールであって、前記検出デバイス4を、ボール2の真下を除くケース3の下半部にて該ボール2の中心を通る一平面内で直交する二軸方向に1個ずつ設け、これら2個の検出デバイス4で個別にボール2の回転量を検出し、2個の検出デバイス4の検出信号を合成した値によってボール2の回転量を検出するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の情報処理装置の入力操作部として用いられるトラックボールに関し、詳しくは、機器自体の高さをボールの直径に近似した高さとして小型化すると共に、ケース内に支持されるボールの回転量を検出する光学式の検出デバイスを直交二軸方向に1個ずつ設けてボールの回転検出を確実とするトラックボールに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の情報処理装置、例えば医用画像診断装置、内視鏡装置、船舶誘導装置又は航空監視システム等の入力操作部として用いられるトラックボールは、指などで操作するための操作部材となる球体と、上記球体を回転可能に支持する支持部材と、上記球体に向かって光を発する発光部と、上記発光部から発せられた光に対し、上記球体により反射された反射光を検知する検知部とからなり、上記球体は、上記光の一部分が透過する材質で構成され、上記球体において、上記発光部からの光を透過させることにより、上記球体の照光を図るようにした光学式トラックボール装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−38368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記特許文献1に記載の光学式トラックボール装置においては、上記球体の下方に配されたLEDなどの発光部から発せられた光に対し、上記球体により反射された反射光を検知部で検知して上記球体の回転操作状態を検出するようになっているので、上記球体の下方に発光部及び検知部を配設するためのスペースを設けなければならず、トラックボール自体の高さがボールの直径と発光部又は検知部の配設スペースとを合わせた高さになり、トラックボール全体が大型化するものであった。したがって、そのトラックボールを例えばキーボード等に搭載する際に、該キーボード等の厚みが大きくなることがあった。
【0005】
また、上記球体により反射された反射光を検知する検知部が1個しか設けられていないので、その検知部が何らかの事情により機能しなくなった場合は、上記球体の回転操作状態を検出することができなくなり、情報処理装置の入力操作部として使用することはできなくなるものであった。
【0006】
このような問題点に対処し、本発明が解決しようとする課題は、機器自体の高さをボールの直径に近似した高さとして小型化すると共に、ケース内に支持されるボールの回転量を検出する光学式の検出デバイスを直交二軸方向に1個ずつ設けてボールの回転検出を確実とするトラックボールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明によるトラックボールは、回転操作して情報入力するための操作部材となるボールと、このボールが嵌まり得る凹球面を有し、その内周側に前記ボールを回転可能に支持するケースと、このケースに設けられ、前記ボールに向かって光を照射する投光部及び前記ボールから反射された光を検知する受光部を有して前記ボールの回転量を検出する検出デバイスと、を備えたトラックボールであって、前記検出デバイスを、前記ボールの真下を除くケースの下半部にて該ボールの中心を通る一平面内で直交する二軸方向に1個ずつ設け、これら2個の検出デバイスで個別にボールの回転量を検出し、2個の検出デバイスの検出信号を合成した値によってボールの回転量を検出するようにしたものである。
【0008】
このような構成により、回転操作して情報入力するための操作部材となるボールの真下を除くケースの下半部にて該ボールの中心を通る一平面内で直交する二軸方向に1個ずつ設けられた2個の検出デバイスで、個別にボールの回転量を検出し、前記2個の検出デバイスの検出信号を合成した値によって前記ボールの回転量を検出することで、ボールの回転検出を確実とする。
【0009】
また、前記2個の検出デバイスは、前記ボールの回転方向のX軸方向とY軸方向とに対応させて、該ボールのX軸方向の回転量を検出するX軸検出デバイスと、Y軸方向の回転量を検出するY軸検出デバイスとを設け、X軸検出デバイスとY軸検出デバイスとで個別にボールの回転量を検出し、また、X軸検出デバイス及びY軸検出デバイスのうち一方の検出デバイスの回転量の検出が停止した時には、他方の検出デバイスが両軸方向の回転量を検出するようにしたものである。
これにより、ボールのX軸方向の回転量を検出するX軸検出デバイス及びY軸方向の回転量を検出するY軸検出デバイスのうち一方の検出デバイスの回転量の検出が停止した時でも、他方の検出デバイスで両軸方向の回転量を検出することで、ボールの回転検出を続行する。
【0010】
さらに、前記2個の検出デバイスのうち一方の検出デバイスの回転量の検出が停止した時には、一方の検出デバイス停止状態信号を送出し、前記一方の検出デバイスの停止状態が復旧した時には、通常状態復帰信号により通常状態に復帰するようにしたものである。
これにより、操作者は、検出デバイス停止状態信号により一方の検出デバイスの回転量の検出が停止したことを知り、通常状態復帰信号により前記一方の検出デバイスの停止状態が復旧して通常状態に復帰したことを知る。
【0011】
さらにまた、前記2個の検出デバイスは、帯状のフレキシブル基板に搭載されており、この帯状のフレキシブル基板を前記ケースの外周側面に巻き付けて、前記検出デバイスをケースの内周側に向けて設けたものである。
これにより、2個の検出デバイスが搭載された帯状のフレキシブル基板をケースの外周側面に巻き付けて、前記検出デバイスをケースの内周側に向けて設けることで、平板状の配線基板を用いるのに比べてトラックボールを小型化する。
【0012】
また、前記検出デバイスの投光部は、光源としてランプ、発光ダイオード又はレーザ発光素子のいずれかを用いたものである。
これにより、ランプ、発光ダイオード又はレーザ発光素子のいずれかの光源を用いて検出デバイスの投光部とすることで、各種の光の特性を利用してボールの回転検出を確実とする。
【0013】
さらに、前記ケースとボールとの間には、該ボールを前記ケース内で吊下げ保持すると共にケースに着脱可能とするボール取り出しリングを備えたものである。
これにより、ボールをケースに着脱可能とするボール取り出しリングを用いてボールを前記ケース内で吊下げ保持することで、ボールをケースから容易に取り出し可能とする。
【0014】
さらにまた、前記ケース内に支持されたボールの回転操作力を調整するための操作力調整部材を設けたものである。
これにより、ケース内に支持されたボールの回転操作力を調整するための操作力調整部材を設けたことで、ボールの回転操作力を調整してボールの操作をし易くする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によれば、回転操作して情報入力するための操作部材となるボールの真下を除くケースの下半部にて該ボールの中心を通る一平面内で直交する二軸方向に1個ずつ設けられた2個の検出デバイスで、個別にボールの回転量を検出し、前記2個の検出デバイスの検出信号を合成した値によって前記ボールの回転量を検出することで、ボールの回転検出を確実とすることができる。また、2個の検出デバイスをボールの真下を除くケースの下半部に設けたことで、機器自体の高さをボールの直径に近似した高さとして小型化することができる。
【0016】
また、請求項2に係る発明によれば、ボールのX軸方向の回転量を検出するX軸検出デバイス及びY軸方向の回転量を検出するY軸検出デバイスのうち一方の検出デバイスの回転量の検出が停止した時でも、他方の検出デバイスで両軸方向の回転量を検出することで、ボールの回転検出を続行することができる。したがって、各種の情報処理装置において、トラックボールを操作して情報入力する動作を停止しないようにすることができる。
【0017】
さらに、請求項3に係る発明によれば、操作者は、検出デバイス停止状態信号により一方の検出デバイスの回転量の検出が停止したことを知り、通常状態復帰信号により前記一方の検出デバイスの停止状態が復旧して通常状態に復帰したことを知ることができる。これにより、操作者に検出デバイスのメインテナンスの必要性を知らせると共に、そのメインテナンス後の通常状態復帰を知らせることができる。
【0018】
さらにまた、請求項4に係る発明によれば、2個の検出デバイスが搭載された帯状のフレキシブル基板をケースの外周側面に巻き付けて、前記検出デバイスをケースの内周側に向けて設けることで、平板状の配線基板を用いるのに比べてトラックボールを小型化することができる。
【0019】
また、請求項5に係る発明によれば、ランプ、発光ダイオード又はレーザ発光素子のいずれかの光源を用いて検出デバイスの投光部とすることで、各種の光の特性を利用してボールの回転検出を確実とすることができる。
【0020】
さらに、請求項6に係る発明によれば、ボールをケースに着脱可能とするボール取り出しリングを用いてボールを前記ケース内で吊下げ保持することで、前記ボール取り出しリングによりボールをケースから容易に取り出し可能とすることができる。
【0021】
さらにまた、請求項7に係る発明によれば、ケース内に支持されたボールの回転操作力を調整するための操作力調整部材を設けたことで、ボールの回転操作力を調整してボールの操作をし易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明によるトラックボールの実施形態を示す平面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図1の左側面図である。
【図4】図1及び図2の左斜視図である。
【図5】本発明のトラックボールの分解斜視図である。
【図6】図5に示すケースを上から見た平面図である。
【図7】ケースに対する検出デバイスの取り付け状態を示す説明図であり、図7(a)は検出デバイスを示す斜視図、図7(b)は検出デバイスを取り付けたケースを上から見た平面図、図7(c)は前記検出デバイスからの光がボールに照射し反射される状態を示す光経路図である。
【図8】図7に示す2個の検出デバイスを搭載する帯状のフレキシブル基板を示す平面図である。
【図9】本発明のトラックボールの実施形態を示す底面図であり、ケースの下半部の外周側面にフレキシブル基板を巻き付けて取り付けた状態を示す図である。
【図10】図5に示すボールをボール取り出しリングで吊下げ保持する状態を示す説明図であり、図10(a)は正面図、図10(b)はその中央断面図である。
【図11】ボールがケースの内周側面のボール支持体のみの支持により回転可能となった状態を示す中央断面図である。
【図12】図11に示すようにケース内に回転可能に支持されたボールの回転操作力を調整するための操作力調整部材を取り付ける状態を示す分解説明図である。
【図13】本発明のトラックボールのX軸検出デバイス及びY軸検出デバイスによるボールの回転量の検出方向を示す説明図である。
【図14】X軸検出デバイス及びY軸検出デバイスを用いて、片軸回転量検出方式によりボールの回転量を検出する通常状態を示す説明図である。
【図15】図14に示す通常時のボールの回転量検出状態から、一方のX軸検出デバイスの回転量の検出が停止した時に、他方のY軸検出デバイスが両軸方向の回転量を検出する一軸停止状態を示す説明図である。
【図16】一軸停止状態の時に、トラックボールから情報処理装置へ一軸停止状態信号を送出し、一軸停止状態が復旧した時には、情報処理装置からトラックボールへ通常状態復帰信号を送出する機能を示す説明図である。
【図17】X軸検出デバイス及びY軸検出デバイスを用いて、両軸回転量検出方式によりボールの回転量を検出する通常状態を示す説明図である。
【図18】図17に示す通常時のボールの回転量検出状態から、一方のX軸検出デバイスの回転量の検出が停止した時に、他方のY軸検出デバイスが両軸方向の回転量を検出する一軸停止状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明によるトラックボールの実施形態を示す平面図、図2はその正面図、図3はその左側面図、図4は図1及び図2の左斜視図であり、図5は本発明のトラックボールの分解斜視図である。このトラックボール1は、例えば医用画像診断装置、内視鏡装置、船舶誘導装置又は航空監視システム等の各種の情報処理装置の入力操作部として用いられるもので、ボール2と、ケース3と、検出デバイス4とを備えて成る。
【0024】
前記ボール2は、操作者が指で回転操作して情報入力するための操作部材となるもので、例えば合成樹脂又はガラスなどで製造されている。
【0025】
前記ボール2は、ケース3内に支持されている。このケース3は、その内周側に前記ボール2を回転可能に支持するもので、図5に示すように、ボール2が嵌まり得る半球状の凹球面を有して前記ボール2を嵌合するようになっており、例えば合成樹脂又は金属などで製造されている。
【0026】
前記ケース3には、検出デバイス4が設けられている。この検出デバイス4は、前記ケース3内に支持されたボール2の回転量を検出するもので、前記ボール2に向かって光を照射する投光部及び前記ボール2から反射された光を検知する受光部を有している。
【0027】
このような構成要素を有するトラックボール1は、図5に示すようにして組み立てられる。すなわち、図5において、まず、ボール2の上部に、該ボール2の直径よりも小さい内径のボール露出孔5aを有するボール保持リング5を載せる。次に、前記ボール2にボール保持リング5を載せた状態のものの上方から、ボール2を前記ケース3内に吊下げ保持すると共に該ケース3に着脱可能とするボール取り出しリング6を載せて、ボール2とボール保持リング5とボール取り出しリング6とを一体的に組み合わせる。その後、この一体的に組み合わされたボール2とボール保持リング5とボール取り出しリング6とを、前記ケース3の半球状の凹球面の上方から内周側に嵌めて、前記ボール取り出しリング6を例えば時計回りに少し回転させてケース3の引掛けミゾに掛止する。これにより、図2に示すように、ケース3の上面にボール取り出しリング6のリング部が位置し、ボール保持リング5のボール露出孔5aから上方にボール2の上部が露出した状態でトラックボール1が組み立てられる。
【0028】
以下、このようにして組み立てられるトラックボール1の各構成要素について、さらに詳しく説明する。
図6は、図5に示すケース3を上から見た平面図である。このケース3は、前述のようにその内周側に前記ボール2を回転可能に支持するものであるが、半球状の凹球面の内周側面に、図6(a)に示すように、円周方向の例えば3等分の位置にボール支持体7が設けられている。或いは、前記ボール支持体7は、図6(b)に示すように、円周方向の例えば5等分の位置に設けてもよい。前記ボール支持体7の前記ケース3における設置位置は、図11に示すように、ケース3の高さの約1/2程度の位置に設けられている。ケース3の内側底部には、何も設けられていない。
【0029】
前記ボール支持体7は、ケース3内にて前記ボール2を回転可能に支持する部材となるもので、例えば直径の小さい球体に形成されており、各々のボール支持体7の一部が前記ボール2の表面に点接触で当接している。具体的には、小球状のボール支持体7(支持球)の材質はルビー又はジルコニアから成り、その直径は例えば1.0mmから2.0mmまでの範囲であり、実用的には直径1.2mm以上で1.75mm以下のルビーであるのが望ましい。
なお、ボール支持体7(支持球)の数は、多いほどボール2の回転操作力が軽くなるが、操作のし易さという観点から5個程度が適当である。
【0030】
図7は、前記ケース3に対する検出デバイス4の取り付け状態を示す説明図であり、図7(a)は検出デバイス4を示す斜視図、図7(b)は検出デバイス4を取り付けたケース3を上から見た平面図、図7(c)は前記検出デバイス4からの光がボール2に照射し反射される状態を示す光経路図である。検出デバイス4は、図7(a)に示すように、ベース部材8に、ボール2に向かって光を照射する投光部9と、前記ボール2から反射された光を検知する受光部10と、前記受光部10で検知した信号を処理してボール2の回転量を検出するセンサ11とを備えている。なお、前記投光部9は、光源としてランプ、発光ダイオード(LED)又はレーザ発光素子のいずれを用いてもよい。ボール2の回転検出を確実とする点では、レーザ発光素子を用いるのが望ましい。
【0031】
そして、図7(b)に示すように、前記ボール2の真下を除くケース3の下半部にて該ボール2の中心を通る一平面内で直交する二軸方向(X軸方向、Y軸方向)に1個ずつデバイス取付け窓12が設けられ、各々のデバイス取付け窓12にX軸検出デバイス4xとY軸検出デバイス4yとがそれぞれ取り付けられている。この場合、前記2個の検出デバイス4x,4yは、前記ボール2の回転方向のX軸方向とY軸方向とに対応させて、X軸検出デバイス4xでボール2のX軸方向の回転量を検出し、Y軸検出デバイス4yでボール2のY軸方向の回転量を検出するようになっている。これら2個の検出デバイス4x,4yで個別にボール2の回転量を検出し、2個の検出デバイス4x,4yの検出信号を合成した値によってボール2の回転量を検出するようになっている。
【0032】
なお、前述のボール2の真下を除くケース3の下半部にて該ボール2の中心を通る一平面とは、図11(ボール2がケース3内に嵌合した断面図)においてボール2の中心を符号13で表すと、この中心13を通る斜め方向の平面14のことである。そして、図7(b)に示すX軸検出デバイス4x及びY軸検出デバイス4yは、この平面14内にて直交するX軸方向、Y軸方向にそれぞれ設けられている。この場合、前記2個の検出デバイス4x,4yは、前記ボール2の平面14内にて、図7(c)に示すように投光部9からボール2に向かって光を照射し、前記ボール2から反射された光を受光部10で検知して、該ボール2の直交するX軸方向、Y軸方向の回転量を検出する。
【0033】
図7(b)に示す2個の検出デバイス4x,4yは、図8に示す帯状のフレキシブル基板15に搭載されている。このフレキシブル基板15は、例えば厚さ0.2mm程度のポリイミド樹脂から成り折り曲げ可能とされ、縦幅が約14mmで横の長さが約170mm程度の細長い帯状に形成されており、図8において左端部にX軸検出デバイス4xを搭載するための取付け穴16xがあけられ、右端部にY軸検出デバイス4yを搭載するための取付け穴16yがあけられている。そして、これらの取付け穴16x,16yに図7(a)に示す投光部9及び受光部10を挿入して、前記フレキシブル基板15の表面側にそれぞれX軸検出デバイス4x、Y軸検出デバイス4yが取り付けられている。なお、図8において、符号17は、フレキシブル基板15の裏面側に取り付けられた電力供給及び信号取出し用のコネクタを示し、符号18は、このフレキシブル基板15の検出デバイス、CPU、コネクタなどの部品を搭載する搭載部を裏打ち補強し、前記ケース3に巻き付けて取り付けるための板状の取付部材を示している。
【0034】
そして、前記フレキシブル基板15は、図9に示すように、前記ケース3の下半部の外周側面に巻き付けて取り付けられている。図9は本発明のトラックボール1の底面図であり、ケース3の底面部に水平方向に取り付けられた板金19を利用し、その板金19の上面に図8に示すフレキシブル基板15の取付部材18の下辺が接するように位置させて、X軸検出デバイス4x、取付部材18、コネクタ17及びY軸検出デバイス4yが前記ケース3の下半部の外周側面に位置するように、前記フレキシブル基板15の裏面側を内側にして巻き付けられている。この状態で、前記フレキシブル基板15の取付け穴16x,16yに投光部9及び受光部10を挿入して取り付けられたX軸検出デバイス4x、Y軸検出デバイス4yは、前記ケース3の内周側に向けて設けられ、図7(b)に示すように、ケース3のそれぞれのデバイス取付け窓12内に位置して前記ボール2に向かって光を照射し、該ボール2から反射された光を検知するようにされている(図7(c)参照)。
なお、前述の図2〜図4においては、ケース3の下半部の形状を見せるためにフレキシブル基板15の図示を省略している。
【0035】
図10は、図5に示すボール2をボール取り出しリング6で吊下げ保持する状態を示す説明図であり、図10(a)は正面図、図10(b)はその中央断面図である。ボール取り出しリング6は、前記ケース3とボール2との間において該ボール2をケース3内で吊下げ保持すると共にケース3に着脱可能とするもので、図10(b)に示すように、ボール2の直径よりも小さい内径のボール露出孔6aを有するリング部20と、このリング部20の対向する2箇所から所定の幅及び長さでボール2の下半部まで下方に伸びる保持アーム21とを備えている。前記保持アーム21は、ケース3内に組み込まれたボール2を該ケース3から取り出すときに実際にボール2を吊下げ保持するもので、その幅方向において前記リング部20と同心円状に湾曲しており、その下端部22はボール2の球面形状に沿って内側に円弧状に形成されている。この状態で、前記保持アーム21の2個の下端部22を円周の一部とする仮想の円を描くとき、この仮想の円がボール2の最大外周円より小さくなるように形成され、前記仮想の円がボール2の最大外周円より広がるように保持アーム21が弾性を有するようにされている。
【0036】
このようなボール取り出しリング6を用いてボール2をケース3に着脱するには、図5において、ボール2の上部にボール保持リング5を載せ、このボール保持リング5を載せた状態のボール2の上方から、図10(b)に示す2個の保持アーム21をボール2側に向けてボール取り出しリング6をボール2に押し込むと、前記保持アーム21の下端部22がボール2と接触して該保持アーム21が弾性により外側に広げられる。そして、保持アーム21の下端部22がボール2の最大外周円を通過すると、前記保持アーム21は弾性により元の形状に復元する。この状態で、ボール2は、リング部20のボール露出孔6aと2個の保持アーム21の下端部22とにより吊下げ保持される。なお、図10(b)においては、図5に示すボール保持リング5は図示を省略してある。
【0037】
次に、前記のようにボール2を保持したボール取り出しリング6を、図5においてケース3の半球状の凹球面の上方から内周側に嵌め、前記ボール取り出しリング6を例えば時計回りに少し回転させて、該ボール取り出しリング6の下部周囲に設けられた複数個の係合爪23をケース3の内周側に設けられた引掛けミゾ24に掛止する。このとき、前記ボール2は、図6に示すケース3の内周側面に3個又は5個設けられたボール支持体7で支持されるため、図10(b)に示す保持アーム21の下端部22より上方に押し上げられ、該保持アーム21の下端部22と非接触となる。この状態で、ボール2は、ボール取り出しリング6のリング部20及び保持アーム21にも接触しないでボール取り出しリング6の保持から開放され、図11に示すように、ケース3の内周側面のボール支持体7のみの支持により回転可能となる。
【0038】
次に、前記ボール取り出しリング6を用いてボール2をケース3から取り出すには、図5において、ボール取り出しリング6のリング部20を手で保持して例えば反時計回りに少し回転させて、ケース3の引掛けミゾ24に対する係合爪23の掛止を解除する。その状態で、リング部20を手で保持してボール取り出しリング6をケース3から上方に引き上げる。すると、ボール2は、2個の保持アーム21の下端部22に引っかかり、前記ボール取り出しリング6と共にケース3の上方へ取り出される。
【0039】
図12は、図11に示すようにケース3内に回転可能に支持されたボール2の回転操作力を調整するための操作力調整部材25を取り付ける状態を示す分解説明図である。この操作力調整部材25は、図6に示す複数個のボール支持体7(支持球)でケース3の内周側に支持されたボール2の回転操作力はボール支持体7の数が多いほど軽くなる傾向にあり、ボール2の操作初動のときに回転操作力が軽すぎて操作性が良くない場合があるので、操作し易い程度に回転操作力を重くするためにボール2の回転にブレーキを掛ける部材である。
【0040】
この操作力調整部材25は、図12に示すように、例えば予め定めた幅に形成され弾性を有するリング状の部材から成り、このリング状の部材(25)を、ボール保持リング5の大径部5aと小径部5bとの間の段部5cの上面に載せるようになっている。そして、前記ボール保持リング5の段部5cに操作力調整部材25を組み合わせた状態のものの上方から、ボール取り出しリング6を載せて、図5に示すと同様に、ボール2とボール保持リング5と操作力調整部材25とボール取り出しリング6とを一体的に組み合わせる。その後は、図5に示すと同様にして、前記一体的に組み合わされたボール2とボール保持リング5と操作力調整部材25とボール取り出しリング6とを、ケース3の半球状の凹球面の上方から内周側に嵌めてトラックボール1が組み立てられる。このとき、前記操作力調整部材25は、図11において、ボール2の上半部表面に接する状態のボール保持リング5の段部5cとその外側に位置するボール取り出しリング6との間の隙間26に挟み込まれた状態になる。
【0041】
ここで、前記操作力調整部材25は、図11において、前記隙間26に位置するばね座金(スプリングワッシャ)のようにその弾性力でボール保持リング5の全体を押し下げ、図12に示す小径部5bの内周縁が図11に示すボール2の上半部表面に接触する圧力を大きくするようになる。これにより、回転操作されるボール2に前記ボール保持リング5の小径部5bの内周縁が接触する圧力によってブレーキが掛けられる形となり、その接触圧力を適宜選択することでボール2の回転操作力を調整することができる。
【0042】
なお、前記操作力調整部材25は、図12に示すリング状の部材(25)に限られず、前記ボール保持リング5の段部5cとその外側に位置するボール取り出しリング6との間の隙間26に挟み込まれた状態で弾性力を発揮できるものならば、どのような形状であってもよい。例えば、リング状の部材が円周方向において上下に波打った形でもよい。また、前記ボール保持リング5の段部5cの上面に、短冊形で中央部が盛り上がって形成された板ばねを適宜の間隔で複数個設けてもよい。さらに、同じくボール保持リング5の段部5cの上面に、予め定めた厚さで円周方向に伸びるスポンジなどのクッション部材を貼り付けてもよい。さらにまた、図12に示すリング状の部材(25)を設けずに、ボール保持リング5の小径部5bに、その円周方向において適宜の間隔で切り込みを入れて各切込み片が上下に弾性変形可能とし、該小径部5bの内周縁が図11に示すボール2の上半部表面に接触する圧力を大きくするようにしてもよい。
【0043】
また、前記操作力調整部材25は、図6に示す複数個のボール支持体7(支持球)の数によってケース3内に支持されたボール2の回転操作力が適当である場合は、設けなくてもよい。
【0044】
次に、このように構成されたトラックボール1において、前記2個の検出デバイス4x,4yで個別にボール2の回転量を検出し、2個の検出デバイス4x,4yの検出信号を合成した値によってボール2の回転量を検出する動作について説明する。
【0045】
図13は、前記トラックボール1のX軸検出デバイス4x及びY軸検出デバイス4yによるボール2の回転量の検出方向を示す説明図である。X軸検出デバイス4xは、前述のようにボール2のX軸方向の回転量を検出するものであるが、その検出データはCCD(電荷結合素子)カメラのように2次元(X方向、Y方向)の移動量データを含んでおり、図13(a)に示すように、X軸方向の回転量データとY軸方向の回転量データとを含んでいる。また、Y軸検出デバイス4yは、前述のようにボール2のY軸方向の回転量を検出するものであるが、その検出データは上述と同様に、2次元(X方向、Y方向)の移動量データを含んでおり、図13(b)に示すように、Y軸方向の回転量データとX軸方向の回転量データとを含んでいる。
【0046】
図14は、前記X軸検出デバイス4x及びY軸検出デバイス4yを用いて、片軸回転量検出方式によりボール2の回転量を検出する通常状態を示す説明図である。図14において、符号26は、トラックボール1内においてX軸検出デバイス4x及びY軸検出デバイス4yで検出した回転量データを入力してX軸方向の回転量データとY軸方向の回転量データとに分けて取り出し、これらを合成して出力するCPU(中央処理装置)などの制御回路を示し、符号27は、トラックボール1から出力された回転量データを入力して情報処理をする医用画像診断装置、内視鏡装置、船舶誘導装置又は航空監視システム等の各種の情報処理装置を示している。
【0047】
図14は、通常時のボール2の回転量検出状態を示している。まず、X軸検出デバイス4xの投光部9及び受光部10並びにセンサ11の動作により、図13(a)に示すX軸方向の回転量データDxxと、Y軸方向の回転量データDyxとを検出する。同様にして、Y軸検出デバイス4yの投光部9及び受光部10並びにセンサ11の動作により、図13(b)に示すX軸方向の回転量データDxyと、Y軸方向の回転量データDyyとを検出する。そして、これらのX軸検出デバイス4x及びY軸検出デバイス4yで検出されたそれぞれの回転量データは、制御回路26に入力する。
【0048】
前記制御回路26は、X軸検出デバイス4xからのX軸方向の回転量データDxx及びY軸方向の回転量データDyxを入力して、X軸方向の回転量データDxxだけを抽出する。また、Y軸検出デバイス4yからのX軸方向の回転量データDxy及びY軸方向の回転量データDyyを入力して、Y軸方向の回転量データDyyだけを抽出する。そして、この抽出したX軸方向の回転量データDxxとY軸方向の回転量データDyyとを合成して、この合成したX軸方向の回転量データDxxとY軸方向の回転量データDyyとをトラックボール1で検出した回転量のデータとして情報処理装置27へ送る。
【0049】
図15は、図14に示す通常時のボール2の回転量検出状態から、一方のX軸検出デバイス4xの回転量の検出が停止した時に、他方のY軸検出デバイス4yが両軸方向の回転量を検出する一軸停止状態を示す説明図である。この状態においては、X軸検出デバイス4xからのX軸方向の回転量データDxx及びY軸方向の回転量データDyxが停止して出力されないので、Y軸検出デバイス4yからのX軸方向の回転量データDxy及びY軸方向の回転量データDyyだけが制御回路26に入力する。
【0050】
この場合、制御回路26は、Y軸検出デバイス4yからのX軸方向の回転量データDxy及びY軸方向の回転量データDyyとを入力して、X軸方向の回転量データDxyと、Y軸方向の回転量データDyyとに分けて抽出する。そして、この抽出したX軸方向の回転量データDxyを、前記停止したX軸検出デバイス4xが検出するX軸方向の回転量データDxxの代わりに用いて、そのX軸方向の回転量データDxyとY軸方向の回転量データDyyとを合成して、この合成したX軸方向の回転量データDxyとY軸方向の回転量データDyyとをトラックボール1で検出した回転量のデータとして情報処理装置27へ送る。
【0051】
なお、図15において、Y軸検出デバイス4yの回転量の検出が停止した時には、図15に示す状態とは逆に、X軸検出デバイス4xが両軸方向の回転量を検出して、その検出したX軸方向の回転量データDxx及びY軸方向の回転量データDyxを用いてX軸方向及びY軸方向の回転量データとして合成し、この合成したX軸方向の回転量データDxxとY軸方向の回転量データDyxとをトラックボール1で検出した回転量のデータとして情報処理装置27へ送る。
【0052】
そして、図15に示すように、2個の検出デバイス4x,4yのうち一方の検出デバイスの回転量の検出が停止した時には、図16に示すように、トラックボール1から一方の検出デバイスが停止状態であることを示す一軸停止状態信号を情報処理装置27へ送出し、前記一方の検出デバイスの停止状態が復旧した時には、情報処理装置27からトラックボール1へ通常状態復帰信号を送出して、通常状態に復帰するようになっている。これにより、操作者に検出デバイス4x,4yのメインテナンスの必要性を知らせると共に、そのメインテナンス後の通常状態復帰を知らせることができる。
【0053】
図17は、前述のX軸検出デバイス4x及びY軸検出デバイス4yを用いて、両軸回転量検出方式によりボール2の回転量を検出する通常状態を示す説明図である。図17において、符号26’は両軸回転量検出方式においてボール2のX軸、Y軸方向の回転量を合成し出力する制御回路を示し、符号27は前述と同じ各種の情報処理装置を示している。
【0054】
図17は、通常時のボール2の回転量検出状態を示している。まず、X軸検出デバイス4xの動作により、図13(a)に示すX軸方向の回転量データDxxと、Y軸方向の回転量データDyxとを検出する。同様にして、Y軸検出デバイス4yの動作により、図13(b)に示すX軸方向の回転量データDxyと、Y軸方向の回転量データDyyとを検出する。そして、これらのX軸検出デバイス4x及びY軸検出デバイス4yで検出されたそれぞれの回転量データは、制御回路26’に入力する。
【0055】
制御回路26’は、X軸検出デバイス4xからのX軸方向の回転量データDxx及びY軸方向の回転量データDyxを入力すると共に、Y軸検出デバイス4yからのX軸方向の回転量データDxy及びY軸方向の回転量データDyyを入力して、X軸検出デバイス4xからのX軸方向の回転量データDxxとY軸検出デバイス4yからのX軸方向の回転量データDxyとを加算してX軸方向の回転量データ(Dxx+Dxy)を抽出する。また、X軸検出デバイス4xからのY軸方向の回転量データDyxとY軸検出デバイス4yからのY軸方向の回転量データDyyとを加算してY軸方向の回転量データ(Dyx+Dyy)を抽出する。そして、この抽出したX軸方向の回転量データ(Dxx+Dxy)とY軸方向の回転量データ(Dyx+Dyy)とを合成して、この合成したX軸方向の回転量データ(Dxx+Dxy)とY軸方向の回転量データ(Dyx+Dyy)とをトラックボール1で検出した回転量のデータとして情報処理装置27へ送る。
【0056】
図18は、図17に示す通常時のボール2の回転量検出状態から、一方のX軸検出デバイス4xの回転量の検出が停止した時に、他方のY軸検出デバイス4yが両軸方向の回転量を検出する一軸停止状態を示す説明図である。この状態においては、X軸検出デバイス4xからのX軸方向の回転量データDxx及びY軸方向の回転量データDyxが停止して出力されないので、Y軸検出デバイス4yからのX軸方向の回転量データDxy及びY軸方向の回転量データDyyだけが制御回路26’に入力する。
【0057】
この場合、制御回路26’は、Y軸検出デバイス4yからのX軸方向の回転量データDxy及びY軸方向の回転量データDyyとを入力して、X軸方向の回転量データDxyと、Y軸方向の回転量データDyyとに分けて抽出する。そして、この抽出したX軸方向の回転量データDxyを、図17に示す通常時のX軸方向の回転量データ(Dxx+Dxy)の代わりに用いると共に、Y軸方向の回転量データDyyを、図17に示す通常時のY軸方向の回転量データ(Dyx+Dyy)の代わりに用いて、そのX軸方向の回転量データDxyとY軸方向の回転量データDyyとを合成して、この合成したX軸方向の回転量データDxyとY軸方向の回転量データDyyとをトラックボール1で検出した回転量のデータとして情報処理装置27へ送る。
【0058】
なお、図18において、Y軸検出デバイス4yの回転量の検出が停止した時には、図18に示す状態とは逆に、X軸検出デバイス4xが両軸方向の回転量を検出して、その検出したX軸方向の回転量データDxx及びY軸方向の回転量データDyxを用いてX軸方向及びY軸方向の回転量データとして合成し、この合成したX軸方向の回転量データDxxとY軸方向の回転量データDyxとをトラックボール1で検出した回転量のデータとして情報処理装置27へ送る。
【0059】
そして、図18に示す一軸停止状態の場合も、図16に示すと同様に、トラックボール1から一方の検出デバイスが停止状態であることを示す一軸停止状態信号を情報処理装置27へ送出し、前記一方の検出デバイスの停止状態が復旧した時には、情報処理装置27からトラックボール1へ通常状態復帰信号を送出して、通常状態に復帰するようになっている。これにより、操作者に検出デバイス4x,4yのメインテナンスの必要性を知らせると共に、そのメインテナンス後の通常状態復帰を知らせることができる。
【符号の説明】
【0060】
1…トラックボール
2…ボール
3…ケース
4…検出デバイス
4x…X軸検出デバイス
4y…Y軸検出デバイス
5…ボール保持リング
6…ボール取り出しリング
7…ボール支持体
9…投光部
10…受光部
11…センサ
15…フレキシブル基板
21…保持アーム
22…保持アームの下端部
25…操作力調整部材
26,26’…制御回路
27…情報処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転操作して情報入力するための操作部材となるボールと、
このボールが嵌まり得る凹球面を有し、その内周側に前記ボールを回転可能に支持するケースと、
このケースに設けられ、前記ボールに向かって光を照射する投光部及び前記ボールから反射された光を検知する受光部を有して前記ボールの回転量を検出する検出デバイスと、を備えたトラックボールであって、
前記検出デバイスを、前記ボールの真下を除くケースの下半部にて該ボールの中心を通る一平面内で直交する二軸方向に1個ずつ設け、これら2個の検出デバイスで個別にボールの回転量を検出し、2個の検出デバイスの検出信号を合成した値によってボールの回転量を検出するようにしたことを特徴とするトラックボール。
【請求項2】
前記2個の検出デバイスは、前記ボールの回転方向のX軸方向とY軸方向とに対応させて、該ボールのX軸方向の回転量を検出するX軸検出デバイスと、Y軸方向の回転量を検出するY軸検出デバイスとを設け、X軸検出デバイスとY軸検出デバイスとで個別にボールの回転量を検出し、また、X軸検出デバイス及びY軸検出デバイスのうち一方の検出デバイスの回転量の検出が停止した時には、他方の検出デバイスが両軸方向の回転量を検出するようにしたことを特徴とする請求項1記載のトラックボール。
【請求項3】
前記2個の検出デバイスのうち一方の検出デバイスの回転量の検出が停止した時には、一方の検出デバイス停止状態信号を送出し、前記一方の検出デバイスの停止状態が復旧した時には、通常状態復帰信号により通常状態に復帰することを特徴とする請求項2記載のトラックボール。
【請求項4】
前記2個の検出デバイスは、帯状のフレキシブル基板に搭載されており、この帯状のフレキシブル基板を前記ケースの外周側面に巻き付けて、前記検出デバイスをケースの内周側に向けて設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトラックボール。
【請求項5】
前記検出デバイスの投光部は、光源としてランプ、発光ダイオード又はレーザ発光素子のいずれかを用いたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のトラックボール。
【請求項6】
前記ケースとボールとの間には、該ボールを前記ケース内で吊下げ保持すると共にケースに着脱可能とするボール取り出しリングを備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のトラックボール。
【請求項7】
前記ケース内に支持されたボールの回転操作力を調整するための操作力調整部材を設けたことを特徴とする請求項6記載のトラックボール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−134148(P2011−134148A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293722(P2009−293722)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(510140847)エフアンドエフ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】