説明

トラップ装置および処理装置

【課題】 本発明は、ガス中の捕集物のトラップ性能を向上できるトラップ装置を提供する。
【解決手段】 トラップ装置20は、排ガス6内のリン7を捕集可能な捕集ユニット30を備える捕集部200を備える。捕集ユニット30は、内面38の少なくとも一部が湾曲面であるユニットハウジング31と、ユニットハウジング31内に形成されて排ガス6が流動可能であって、湾曲面によって規定される湾曲した第1の流路部53と、第1の流路部53の下流に位置して内面38から突出する第2のフィン52によって屈曲される屈曲部56とを具備する流路部50を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス中の捕集対象物である例えばリンをトラップする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LED用のMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置は、排ガス中に含まれる副生成物が排気系の配管やポンプに堆積して排気系を閉塞することを抑制するために、装置の排気系中に、反応副生成物を捕集する処理装置が設けられている。副生成物としてリンがある。
【0003】
この種の処理装置は、トラップ板を備えており、当該トラップ板に排ガスを当てることによって、排気ガス中のリンをトラップする(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、処理装置の他の例として、排ガスの流路を螺旋状に形成し、排ガスが当該流路内を流れる過程でリンをトラップする装置が提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。
【0005】
また、処理装置の他の例として、排ガスの流路に複数の屈曲を設けて、当該屈曲した部分においてリンをトラップする装置が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−140357号公報
【特許文献2】特開2001−149723号公報
【特許文献3】特開平11−233498号公報
【特許文献4】特開2006−5258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示される装置では、トラップ板に排ガスが当たる構造であるので、当該接触が排ガスの流れの抵抗となり、排ガスがスムーズに流れにくくなることが考えられる。排ガスがスムーズに流れないことによって、排ガス中のリンのトラップ性能が低下する。
【0008】
また、特許文献2,3のように、排ガスを螺旋状に流す構造であると、排ガス中のリンのトラップが不十分になり、それゆえ、外部へ排出された排ガス中にリンが残されることが考えられる。
【0009】
また、特許文献4のように、複数の屈曲を設ける構造であると、排ガスがスムーズに流れにくくなり、それゆえ、排ガス中のリンのトラップ性能が低下することが考えられる。
【0010】
本発明は、ガス中の捕集物のトラップ性能を向上できるトラップ装置を提供することを目的とする。他の発明は、ガス中の捕集対象物の捕集性能を向上できるトラップ装置を備える処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明のトラップ装置は、捕集対象物を含むガス内の前記捕集対象物を捕集可能な捕集ユニットを具備する捕集部を備える。前記捕集ユニットは、内面の少なくとも一部が湾曲面であるユニットハウジングと、前記ユニットハウジング内に形成されて前記ガスが流動可能な流路部であって、前記湾曲面によって規定される湾曲した湾曲流路部と、前記湾曲流路部の下流に位置して前記内面から突出する突出部によって屈曲される屈曲部とを具備する流路部とを備える。
【0012】
また、本願発明のトラップ装置は、上記に記載のトラップ装置と、前記トラップ装置を周囲から冷却する冷却部とを備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、ガス中の捕集対象物の捕集性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る処理装置を概略的に示す斜視図。
【図2】図1に示されたトラップ装置が分解された状態を示す斜視図。
【図3】図1に示された補修ユニット内を示すとともに、排ガスの流れを示す平面図。
【図4】図2中に示されるF4−F4線に沿って示すトラップ装置の断面図。
【図5】図1に示された捕集ユニット内でのリンの付着の様子を示す平面図。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る処理装置のトラップ装置が分解された状態を概略的に示す斜視図。
【図7】図6に示されたトラップ装置が第1〜7の捕集ユニットの積層方向に断面された状態を示す断面図。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る処理装置のトラップ装置が第1〜7の捕集ユニットの積層方向に断面された状態を示す断面図
【図9】本発明の第4の実施形態に係る処理装置のトラップ装置が第1〜7の捕集ユニットの積層方向に断面された状態を示す断面図。
【図10】本発明の第5の実施形態に係る処理装置のトラップ装置を示す断面図。
【図11】図10に示されたトラップ装置が分解された状態を示す斜視図。
【図12】図10に示された捕集ユニット内を示す平面図。
【図13】本発明の第6の実施形態に係る処理装置のトラップ装置が第1〜7の捕集ユニットの積層方向に断面された状態を示す断面図。
【図14】図13に示された第2のフランジの構造を示す斜視図。
【図15】本発明の第7の実施形態に係る処理装置のトラップ装置を示す断面図。
【図16】図15に示されたトラップ装置が分解された状態を示す断面図。
【図17】本発明の第8の実施形態に係る処理装置のトラップ装置を示す断面図。
【図18】図17に示されたトラップ装置内の排ガスの温度を示すグラフ。
【図19】図17に示されたトラップ装置内でのリンの析出量を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の第1の実施形態に係る処理装置を、図1〜5を用いて説明する。本実施形態では、処理装置10は、一例として、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置の排気系4に組み込まれており、MOCVD装置から排出される排ガス6中のリン7を捕集する機能を有する。排ガス6は、本発明で言うガスの一例である。リン7は、本発明で言う捕集対象物の一例である。
【0016】
図1は、処理装置10を概略的に示す斜視図である。図1に示すように、処理装置10は、排ガス6中のリン7をトラップするトラップ装置20と、トラップ装置20を冷却する冷却装置60とを備えている。
【0017】
冷却装置60は、タンク61と、タンク61内に収容される冷媒62とを備えている。タンク61は、断面形状が凹状であって一端が開口するタンク本体63と、タンク本体63の開口を気密にかつ液密に閉塞するタンク蓋部材64と備えている。冷媒の62一例はフロリナートである。冷媒62は、一例として−30度である。
【0018】
なお、冷却装置60の上記構造は、一例である。要するに、冷却装置は、後述されるトラップ装置20を周囲から冷却する機能を有していればよい。冷却装置60は、本発明で言う冷却部の一例である。
【0019】
トラップ装置20は、冷却装置60のタンク61内に収容されており、冷媒62によって周囲から冷却されている。図2は、トラップ装置20を分解して示す斜視図である。図1,2に示すように、トラップ装置20は、排ガス6中のリン7を捕集する捕集部200と、捕集部200に排気系4から排ガス6を導く導入管部32と、捕集部200を流動した後の排ガス6を再び排気系4に戻すリターン管部33とを備えている。
【0020】
捕集部200は、1つの捕集ユニット30を備えている。捕集ユニット30は、ユニットハウジング31と、ユニットハウジング31内に形成され、前記排ガス6が流動する流路部50を備えている。
【0021】
ユニットハウジング31は、筒状であって、一端が開口する断面凹形状の円筒状である本体部34と、本体部34の開口端を気密かつ液密に塞ぐ蓋部材35を備えている。
【0022】
本体部34は、平面形状が円の底壁部36と、当該底壁部36の周縁から立ち上がる周壁部37とを備えている。図3は、捕集ユニット30内を、開口側から示す平面図である。図3に示すように、周壁部37の内面38は、全域なだらか湾曲して連続している。また、周壁部37の厚みが一定であるので、内面38を開口側からみた平面形状も円である。内面38は、本発明で言う湾曲面でもある。
【0023】
図4は、図2中に示されるF4−F4線に沿って示すトラップ装置20の断面図である。図1,2,4に示すように、蓋部材35は、捕集ユニット30の開口39と略同じ大きさを有しており、開口39を気密かつ液密に塞ぐ。
【0024】
図2に示すように、捕集ユニット30の開口39の上記シール構造の一例として、Oリング40が設けられている。図4に示すように、周壁部37の開口端37aは、内側が1段下がる段状に形成されている。このように1段下がった部分は、Oリング40が設けられるOリング受け部41となっている。Oリング受け部41は、環状に形成される周壁部37の全域に形成されており、それゆえ、環状に連続して形成されている。Oリング40は、Oリング受け部41に嵌まる。周壁部37と蓋部材35との間は、Oリング40によって気密かつ液密にシールされる。
【0025】
ユニットハウジング31には、内部に排ガス6を導く際に通る流入口42と、ユニットハウジング31内を流動した後の排ガス6が外部に流出する際に通る流出口43とが形成される。流入口42は、蓋部材35に形成されている。流入口42の平面形状は、一例として円である。導入管部32は流入口42に接続されており、ユニットハウジング31内に連通している。流出口43は、蓋部材35に形成されている。流出口43の平面形状は、一例として円である。リターン管部33は、流出口43に接続しており、ユニットハウジング31内と連通している。流入口42と流出口43とは、周壁部37の近傍に配置されるとともに、ユニットハウジング31の軸心線P(蓋部材35および底壁部36の中心を通る)を挟んで互いに反対となる位置に配置されている。
【0026】
図3に示すように、捕集ユニット30内には、排ガス6が流動する流路部50が形成されている。流路部50は、周壁部37と、第1のフィン51と、第2のフィン52となどによって規定される。第1,2のフィン51,52は、流入口42と流出口43との間に配置されている。図中、流入口42と流出口43とは、2点鎖線で示されている。
【0027】
第1のフィン51は、ユニットハウジング31の内部(平面形状は円)の軸心線Pと流入口42との間に配置されている。ここで、第1の方向D1と、第2の方向D2とを規定する。第1の方向D1は、流入口42の中心42aと流出口43の中心43aとを結ぶ方向に平行な方向である。第2の方向D2は、第1の方向D1の直交する方向である。第1のフィン51は、底壁部36から立ち上がるとともに、第2の方向D2に延びている。
【0028】
第1のフィン51の下縁(底壁部36と対向する縁)は、全域底壁部36に接続されている。第1のフィン51の一端51aは、底壁部36から周壁部37の開口端まで延びおり、Oリング受け部41を除いて全域において周壁部37に接続されている。
【0029】
第1のフィン51において一端51aと反対側の部分は、第1の方向D1に軸心線Pと並ぶ位置P1から他端51bにかけて、周壁部37の内面38との間の間隔を一定に保つように、内面38に沿って湾曲している。他端51bは、第2の方向D2に軸心線Pと並ぶ位置P2まで延びている。
【0030】
第2のフィン52は、軸心線Pと流出口43との間に配置されている。第2のフィン52は、軸心線Pに対して第1のフィン51と対称になるように形成されている。具体的には、第2のフィン52は、底壁部36から立ち上がるとともに、第2の方向D2に沿って延びている。
【0031】
第2のフィン52の下端(底壁部36と対向する縁)は、全域底壁部36に接続されている。第2のフィン52の一端52aは、底壁部36から周壁部37の開口端まで延びており、軸心線Pを挟んで一端51aと反対側においてOリング受け部41を除いて全域周壁部37に接続されている。
【0032】
第2のフィン52において一端52aと反対側の部分は、第1の方向D1に軸心線Pと並ぶ位置P3から他端52bにかけて、周壁部37の内面38との間の間隔を一定に保つように、内面38に沿って湾曲している。他端52bは、第2の方向D2に軸心線Pと並ぶ位置P4まで延びている。
【0033】
第1,2のフィン51a,52aの上端(開口39側の端)は、周壁部37と同じ高さである。このため、蓋部材35によって開口39を覆うと、周壁部37の開口縁の全域と第1,2のフィン51a,52aの上縁全域とは、蓋部材35に当接する。
【0034】
第1,2のフィン51,52が上記のように形成されることによって、第1のフィン51と周壁部37との間、第1,2のフィン51,52間、第2のフィン52と周壁部37との間に、流入口42から流出口43にわたる流路部50が形成される。
【0035】
流路部50は、第1のフィン51と周壁部37との間に規定されて流入口42に連続する第1の流路部53と、第1,2のフィン51,52間に規定されて第1の流路部53の直ぐ下流に位置する第2の流路部54と、第2のフィン52と周壁部37と間に規定されて第2の流路部54の直ぐ下流に位置するとともに流出口43に連続する第3の流路部55とを有している。流路部50(第1〜3の流路部53〜55)は、平面形状がS字状である。
【0036】
第1の流路部53は、内面38の一部によって規定されており、それゆえ、なだらかに湾曲している。第1の流路部53は、本発明で言う湾曲流路部の一例である。第1の流路部53と第2の流路部54との境の部分は、第2のフィン52によって流れが急激に変化する屈曲部56となっている。第2のフィン52は、本発明で言う突出部の一例である。屈曲部56は、本発明で言う屈曲部の一例である。第2の流路部54と第3の流路部55との境の部分は、急激に流れが変化する屈曲部57となっている。
【0037】
つぎに、処理装置10の動作を説明する。図1に示すように、リン7を含む排ガス6は、導入管部32と流入口42とを通ってトラップ装置20内に流入する。図3は、トラップ装置20内での排ガス6の流れを矢印で示している。図中矢印で示すように、流入口42を通って流入した排ガス6は、第1の流路部53を通る。第1の流路部53は、なだらかに湾曲している。このため、第1の流路部53内を流れる排ガス6は、第1の流路部53内をスムーズに流れることができ、それゆえ、内面38の近傍を高速で流れる。
【0038】
排ガス6は、流れが屈曲部56において急激に屈曲し、それゆえ、第2のフィン52に衝突する。排ガス6は、第2のフィン52に衝突した後は、第2の流路部54を流れる。つまり、捕集ユニット30内の軸心線Pおよび軸心線P近傍を流れる。排ガス6は、第2の流路部54では第2のフィン52の他端52bの近傍の湾曲に沿って進み、屈曲部57では第1のフィン51の一端51aおよび一端51aの近傍の内面38に衝突する。
【0039】
第1のフィン51の一端51aの近傍に衝突した後の排ガス6は、第3の流路部55を流れて流出口43に導かれる。第3の流路部55は、なだらかに湾曲している。このため、第3の流路部55内を流れる排ガス6は、内面38の近傍を高速で流れる。排ガス6は、流出口43からリターン管部33を通って、再び排気系4に戻る。
【0040】
ついで、排ガス6中のリン7が捕集される作用について説明する。図5は、流路部50内でリン7が捕集される様子を概略的に示している。周壁部37は、冷却装置60の冷媒62によって、略−30度に冷却されている。第1の流路部53に流入した排ガス6は、内面38の近傍を流れることによって、冷却される。このとき、排ガス6中のリン7が析出される。析出されたリン7は、排ガス6とともに流される。内面38に隣接する第1の流路部53を流れている間は、排ガス6は効率よく冷却されるので、リン7が効率よく析出される。
【0041】
ついで、排ガス6が第2のフィン52の一端52aおよび一端52aの近傍に衝突した際に、析出したリン7の一部が一端52aおよび一端52aの近傍に付着する。図中では、リン7が付着して堆積した様子を誇張して描いている。
【0042】
ついで、排ガス6が第2フィン52の一端52aおよび一端52aの近傍に衝突した際に、残りのリン7が一端52aおよび一端52aの近傍に付着して堆積する。図中、リン7が第2のフィン52の一端52aおよび一端52aの近傍に付着して堆積した様子を誇張して描いている。
【0043】
上記のようにリン7が捕集された排ガス6が第3の流路部55を通って流出口43に導かれる。処理装置10は、所定の期間使用された後、流路部50内にリン7が堆積することによって流路部50内での排ガス6の流れが悪くなりそれゆえリン7の捕集性能が低下すると、トラップ装置20が交換される。この所定期間は、予めトラップ装置の性能試験などによって把握することができる。
【0044】
このように構成される処理装置10では、排ガス6は、第1,3の流路部53,55がなだらかな湾曲状に形成されることによってスムーズに流れ、それゆえ、流速が高速になる。さらに、排ガス6が第1,2のフィン51,52に衝突することによって、排ガス6中のリン7がトラップされる。これらによって、排ガス6中のリン7が効果的にトラップされる。
【0045】
このように、本実施形態の処理装置10では、排ガス6の流速を高速に保ちつつ、かつ、内部のリン7を効果的に捕集することができるので、リン7の捕集性能を向上することができる。
【0046】
また、冷却装置60がトラップ装置20の周囲に配置され、トラップ装置20の周壁部37が冷却される構造である。このため、排ガス6が周壁部37に沿って流れる際に、排ガス6が効果的に冷却される。このため、排ガス6中のリン7が析出されやすくなり、それゆえ、排ガス6が第1,2のフィン51,52に衝突する際に、リン7が捕集されやすくなる。
【0047】
さらに、内面38の一部を流路部50に利用することによって、流路部50を規定する壁部を別途に形成することを抑制することができ、本実施形態では、第1,2のフィン51,52のみとしている。このため、捕集ユニット30の構造を簡素にすることができるとともに小型化することができる。
【0048】
つぎに、本発明の第2の実施形態に係る処理装置を、図6,7を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、捕集部200が複数の捕集ユニットを備える点が第1の実施形態と異なる。他の構造は、第1の実施形態と同様であってよい。上記異なる構造を説明する。
【0049】
図6は、トラップ装置20が分解された状態を概略的に示す斜視図である。図6に示すように、捕集部200は、複数の捕集ユニットを備えており、これら捕集ユニットは、積み重なっている。本実施形態では、捕集ユニットは、一例として、7個用いられており、第1〜7の捕集ユニット301,302,303,304,305,306,307を備えている。
【0050】
第1〜7の捕集ユニット301〜307の各々の構造は、第1の実施形態で説明された捕集ユニット30と同様の構造であってよく、同様の機能を有する構成は、捕集ユニット30と同一の符号を付して説明を省略し、異なる構造については、具体的に説明する。図6中、一部の捕集ユニットは省略されている。図7は、第1〜7の捕集ユニット301〜307が積み重ねられた状態において、トラップ装置20を第1〜7の捕集ユニット301〜307の積層方向に断面した状態を示す断面図である。
【0051】
図6,7に示すように、第1〜7の捕集ユニット301〜307は、第1〜7の順番で積層されている。本実施形態では、一例として、第1の捕集ユニット301が上流端に配置され、第7の捕集ユニット307が下流端に配置されている。
【0052】
第1の捕集ユニット301のユニットハウジング31は、捕集ユニット30と同様に、本体部34と、蓋部材35とを備えている。なお、本実施形態では、本体部34は、底壁部36が形成されていない。図7に示すように、第1,2のフィン51,52の下端は、周壁部37の下端の位置と同じである。第1,2のフィン51,52の下端の全域と周壁部37の下端の全域とは、仮想平面内に位置する。
【0053】
第2〜6の捕集ユニット302〜306は、蓋部材35を備えない点を除いて第1の捕集ユニット301と同じ構造である。第7の捕集ユニット307は、底壁部36を備えていえる点を除いて捕集ユニット302〜306と同じ構造である。
【0054】
第1〜7の捕集ユニット301〜307において、隣り合う捕集ユニット間には隔壁部が設けられている。第1,2の捕集ユニット301,302間には、第1の隔壁部71が設けられる。第2,3の捕集ユニット302,303間には、第2の隔壁部72が設けられる。第3,4の捕集ユニット303,304間には、第3の隔壁部73が設けられる。第4,5の捕集ユニット304,305間には、第4の隔壁部74が設けられる。第5,6の捕集ユニット305,306間には、第5の隔壁部75が設けられる。第6,7の捕集ユニット306,307間には、第6の隔壁部76が設けられる。
【0055】
第1〜6の隔壁部71〜76は、厚みが一定の板状部材である。隔壁部71〜76は、周壁部37の内側に嵌まる大きさを有している。このため、各隔壁部71〜76の平面形状は、略円である。また、第2〜6の捕集ユニット302〜306の第1,2のフィン51,52の開口39側の端400,401は、周壁部37の開口端よりも隔壁部71〜76の厚みだけ短く形成されている。
【0056】
図7に示すように、第1〜7の捕集ユニット301〜307が重ねられて間に隔壁部71〜76が介装されると、第1〜6の隔壁部71〜76は、互いに隣り合う一対の捕集ユニットのうち、下流側の捕集ユニットの周壁部37内に嵌まり、第1,2のフィン51,52の開口39側の端400,401上に載置される。第1〜6の隔壁部71〜76は、隣り合う一対の捕集ユニットにおいて、上流側の捕集ユニットに対しては第1の実施形態で用いられた底壁部36として機能し、下流側の捕集ユニットに対しては蓋部材35として機能する。下流側の捕集ユニットの周壁部37上に、上流側の捕集ユニットの周壁部37が載置される。
【0057】
第1〜7の捕集ユニット301〜307が積み重って固定されると、図7中に2点鎖線で示す範囲F7内に示すように、Oリング受け部40にOリング41が設けられることによって、上流側の捕集ユニットの周壁部37と下流側の捕集ユニットの周壁部37との間が液密かつ気密にシールされる。また、第1〜6の隔壁部71〜76の周縁がOリング41に当接するので、Oリング41と周壁部37との間は、以下に説明される連通口80以外の部位では気密かつ液密にシールされる。
【0058】
第1〜7の捕集ユニット301〜307は、同じ姿勢で配置される。具体的には、第1〜7の捕集ユニット301〜307が重なる方向に、各捕集ユニットの第1,2のフィン51,52が重なり、第1,2のフィン51,52の姿勢が同じとなる。また、第1〜7の捕集ユニット301〜307の各々の軸心線Pは、互いに重なる。
【0059】
第1〜6の隔壁部71〜76には、隣り合う捕集ユニットどうしを連通する連通口80が形成されている。連通口80は、第1の隔壁部71では第3の流路部55に面している。第2の隔壁部72では、第1の流路部53に面している。第3の隔壁部73では、第3の流路部55に面している。第4の隔壁部74では、第1の流路部53に面している。第5の隔壁部75では、第3の流路部55に面している。第6の隔壁部76では、第1の流路部53に面している。連通口80が上記のように形成されることによって、第1〜7の捕集ユニット301〜307は連通する。
【0060】
つぎに、トラップ装置20の動作を説明する。図7に示すように、捕集部200の流入口(本実施形態では、第1の捕集ユニット301の流入口42)から流入した排ガス6は、第1の捕集ユニット301内の第1〜3の流路部53〜55を流動する。ついで、第2の捕集ユニット302内に侵入する。第2の捕集ユニット302内では、排ガス6は、第3〜1の順番で第3〜1の流路部55〜53を流動する。第1,2のフィン51,52が軸心線Pを境に対称な形状であることによって、流路部50の形状が軸心線Pを境に対称な形状(軸心線P周りに捕集ユニットを回転しても、回転前と後での捕集ユニット内の流路部の形状が変らない)となる。このため、第2の捕集ユニット302のように第3〜1の流路部55〜53の順番で排ガス6が流れる場合では、第3の流路部55が本発明で言う湾曲流路部として機能し、屈曲部57が本発明で言う屈曲部として機能する。
【0061】
ついで、第3の捕集ユニット303内に侵入する。第3の捕集ユニット303内に侵入した排ガス6は、第1〜3の流路部53〜55を通った後、第4の捕集ユニット304内に侵入する。第4の捕集ユニット304内では、排ガス6は、第3〜1の流路部53〜51を流動し、第5の捕集ユニット305内に侵入する。第5の捕集ユニット305内では、排ガス6は、第1〜3の流路部53〜55を流動し、第6の捕集ユニット306内に侵入する。第6の捕集ユニット306内では、排ガス6は、第3〜1の流路部55〜53を流動し、第7の捕集ユニット307内に侵入する。第7の捕集ユニット307内に侵入した排ガス6は、第1〜3の流路部53〜55を流動した後、捕集部200の流出口(本実施形態では、底壁部36に形成された流出口43)を通って外部に流出する。ついで、リターン管部33を通って、排気系4に戻る。
【0062】
各捕集ユニット内でのリン7が捕集される作用は、第1の実施形態と同様である。
【0063】
なお、流出口43は、底壁部36において、軸心線Pを挟んで流入口と対称な位置に形成されており、第1の方向D1に、軸心線Pと中心42a,43aが並ぶ。
【0064】
本実施形態では、複数の捕集ユニットを備えることによって、排ガス6中のリン7を充分に除去することができる。
【0065】
また、流路部50の形状が、軸心線Pに対して対称な形状であることによって(軸心線P回りに180度回転しても、回転前後での平面形状が同じ)、同一形状の捕集ユニットを用いることができる。このため、トラップ装置20の製造コストを削減することができる。
【0066】
なお、本実施形態では、一例として第1〜7の捕集ユニット301〜302が用いられたが、これに限定されない。例えば、5つや6つなどの他の複数の捕集ユニットが用いられてもよい。
【0067】
なお、本実施形態であっても、トラップ装置20は、第1の実施形態と同様に冷却装置60内に収容される。
【0068】
つぎに、本発明の第3の実施形態に係る処理装置を、図8を用いて説明する。なお、第2の実施形態と同様の機能を有する構成は、第2の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、下流側に配置される捕集ユニットの構造が第2の実施形態と異なる。他の構造は、第2の実施形態と同様であってよい。
【0069】
図8は、本実施形態のトラップ装置20を、第1〜7の捕集ユニット301〜307が重なる方向に沿って断面した状態を示す断面図である。図8に示すように、本実施形態では、第5〜7の捕集ユニット305〜307の流路部50の高さH5〜H7(隣り合う隔壁部間の長さ)が、第1〜4の捕集ユニット301〜304の流路部50の高さH1〜H4と異なる。本実施形態では、一例として、第5〜7の捕集ユニット305〜307の高さH5〜H7は各々同じであるとともに、第1〜4の捕集ユニット301〜304の高さH1〜H4の半分である。なお、第1〜4の捕集ユニット301〜304の高さH1〜H4は、同じである(H1=H2=H3=H4)。
【0070】
第5〜7の捕集ユニット305〜307の高さH5〜H7が第1〜4の捕集ユニット301〜304の高さH1〜H4の半分であることによって、第5〜7の捕集ユニット305〜307内の流路部50の断面積(流れる方向を垂直に横切る断面)は、第1〜4の捕集ユニット301〜304内の流路部50の断面積の半分となる。
【0071】
このため、第5〜7の捕集ユニット305〜307内の排ガス6の流速は、第1〜4の捕集ユニット301〜304内の排ガス6の流速の2倍となる。この結果、本実施形態では、第1,2のフィン51,52への排ガス6の付着量が多くなるので、第2の実施形態の効果に加えて、リン7をさらに効果的にトラップすることができる。この点を、具体的に説明する。
【0072】
本実施形態では、流入口42から流入した排ガス6内のリン7は、第1の捕集ユニット301内でも充分トラップされるが、第2の捕集ユニット302内では、排ガス6がさらに冷却されることによって、排ガス6中のリン7がさらに析出される。同様に、下流に流れるにつれて排ガス6がより冷却され、リン7が析出される。このため、第2〜4の捕集ユニット302〜304内ではリン7がさらに効果的に捕集される。この結果、第5〜7の捕集ユニット305〜307では、排ガス6中のリン7の量が少なくなり、それゆえ、リン7が捕集されにくくなる。
【0073】
しかしながら、第5〜7の捕集ユニット305〜307内の排ガス6の流速を2倍にすることによって、屈曲部56,57に衝突する排ガス6内のリン7が屈曲部56,57に付着しやすくなり、それゆえ、第5〜7の捕集ユニット305〜307内でも排ガス6中のリン7を捕集することができる。
【0074】
なお、本実施形態では、第1〜7の捕集ユニット301〜307を備える構造において、第5〜7の捕集ユニット305〜307の高さH5〜H7を半分にした。しかしながら、例えば、第1〜5の捕集ユニット301〜305の高さH1〜H5を同じにして、第6,7の捕集ユニット306,307の高さH6,H7を第1〜5の捕集ユニット301〜305の高さH1〜H5の半分の高さにしてもよい。この場合、第1〜5の捕集ユニット301〜305の高さH1〜H5は、同じである。
【0075】
また、高さを変更する際に、上流側の捕集ユニット(本実施形態では、一例として第1〜4の捕集ユニット301〜304)の高さに対して下流側(本実施形態では一例として第5〜7の捕集ユニット305〜307)の高さを半分の高さにしているが、例えば、下流側の捕集ユニットの流路部の高さを、上流側の捕集ユニットの流路部の高さの1/3の高さや1/4の高さにしてもよい。これは、流路部50内の流速をどの程度早くするかによって任意に設定することができる。
【0076】
また、本実施形態では第1〜7の捕集ユニット301〜307を備える構造において第5〜7の捕集ユニット305〜307の高さを変更したが、要するに、複数の捕集ユニットを備える構造において、下流側に配置される捕集ユニットの高さを上流側の捕集ユニットの高さに対して小さくなるように変更することによって、下流側に配置される捕集ユニット内の流速部内の流速を向上することができ、それゆえ、本実施形態と同様の作用と効果とを得ることができる。
【0077】
なお、本実施形態であっても、トラップ装置20は、冷却装置60内に収容される。
【0078】
つぎに、本発明の第4の実施形態に係る処理装置を、図9を用いて説明する。なお、第2の実施形態と同様の機能を有する構成は、第2の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、処理装置10が、トラップ装置20を内側に収容する捕集部ハウジング90を備える点が第2の実施形態と異なる。他の構造は、第2の実施形態と同様であってよい。上記異なる構造を説明する。
【0079】
図9は、本実施形態のトラップ装置20と捕集部ハウジング90とが、第1〜7の捕集ユニット301〜307の重なる方向に沿って断面された状態を示す断面図である。図9に示すように、本実施形態では、トラップ装置20を収容する捕集部ハウジング90を備える。
【0080】
捕集部ハウジング90は、例えば、本体91と、蓋部材92とを備えている。本体91は、断面形状が凹状の一端が開口する筒状である。本体91の底壁部93には、リターン管部33が通る連通孔94が形成されている。リターン管部33と連通孔94との間にはOリング95が設けられており、リターン管部33と連通孔94との間が気密かつ液密にシールされている。
【0081】
本体91の開口端96は、蓋部材92によって覆われる。本体91の周壁部97の開口端には、内側が1段下がる段状の形成されており、Oリング受け部98が形成されている。Oリング受け部98に、Oリング99が嵌まる。Oリング99は、本体91と蓋部材92との間を気密かつ液密にシールする。
【0082】
蓋部材92には、導入管部32が通る連通孔100が形成されている。導入管部32と連通孔100との間にはOリング101が設けられており、導入管部32と連通孔100との間を気密かつ液密にシールしている。
【0083】
本実施形態では、第2の実施形態の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。本実施形態では、各捕集ユニット間から排ガス6が漏れた場合であっても、漏れた排ガス6が捕集部ハウジング90内にとどまり、外部に漏れることがない。
【0084】
なお、第3の実施形態で説明された処理装置10が本実施形態で説明された捕集部ハウジング90を備えていてもよい。この場合、本実施形態の効果に加えて、第3の実施形態の効果を得ることができる。
【0085】
なお、本実施形態であっても、トラップ装置20は、第1の実施形態と同様に冷却装置60内に収容される。
【0086】
つぎに、本発明の第5の実施形態に係る処理装置を、図10〜12を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、リターン管部33の構造が第1の実施形態と異なる。他の構造は、第1の実施形態と同様であってよい。上記異なる構造を説明する。
【0087】
図10は、本実施形態のトラップ装置20を示す断面図である。図11は、トラップ装置20を分解して示す斜視図である。図10,11に示すように、本実施形態では、流出口43は、底壁部36において第3の流路部55に面する位置に形成されている。リターン管部33は、流出口43を出た排ガス6を、捕集ユニット30の軸心線Pを通って流入口42側に出るように構成されている。
【0088】
具体的には、リターン管部33は、捕集ユニット30内を貫通している。リターン管部33は、側面形状がU字状の第1の管部110と、直線状の第2の管部111とを備えている。
【0089】
図10に示すように、第1の管部110は、側面形状がU字状であって、両端が開口する円筒である。第1の管部110の流路断面は、円である。第1の管部110の一端110aは、流出口43に連結されて連通している。一端110aが例えば流出口43に溶接されることによって、一端110aと流出口43との間が気密かつ液密にシールされている。本実施形態では、捕集部200は、1つの捕集ユニット30を備える構造であるので、捕集ユニット30の流出口43が本発明で言う捕集部の流出口として機能する。他端110bは、底壁部36の軸心線Pと対向する位置まで延びている。
【0090】
第2の管部111は、底壁部36と蓋部材35とを貫通している。底壁部36と第2の管部111との間は、例えば溶接されることによって気密かつ液密にシールされている。第2の管部111は、直線状である。図12は、捕集ユニット30の内部を示す平面図である。図10〜12を示すように、第2の管部111は、両端が開口する円筒状であって、内側の流路の断面の平面形状も円である。第2の管部111は、当該第2の管部111の軸心線111aが捕集ユニット30の軸心線Pと重なるように配置されている。
【0091】
第2の管部111の一端111bは、捕集ユニット30の外側において第1の管部110の他端110bに連結されており、連通している。第2の管部111の一端111bと第1の管部110の他端110bとの間は、例えば溶接されることによって、気密かつ液密にシールされている。第2の管部111の他端は、蓋部材35を貫通して外側に出ており、排気系4に連結されている。蓋部材35には、第2の管部111が通る連通孔114が形成されている。
【0092】
第2の管部111の他端111cの近傍には、周囲に張り出すフランジ112が形成されている。フランジ112には、Oリング113が設けられる。蓋部材35が本体部34の開口39を閉塞する際では、フランジ112と蓋部材35との間にOリング113が設けられ、当該Oリング113によって、第2の管部111と連通孔114との間が液密にかつ気密にシールされる。
【0093】
このように構成される処理装置10では、リターン管部33(本実施形態では第2の管部111)が捕集ユニット30内の軸心線Pを通り、それゆえ、リターン管部33は、周囲に配置される冷却装置60(冷媒62)から最も遠い位置に配置される。
【0094】
つぎに、本実施形態のトラップ装置20内の排ガス6の流れを、図12を用いて説明する。図10,12に示すように、流入口42から捕集ユニット30内に流入した排ガス6は、第1〜3の流路部53〜55を流動する際に周壁部37によって冷却されることによってリン7が析出し、当該析出したリン7が第1,2のフィン51,52によってトラップされる。
【0095】
ついで、捕集ユニット30内を流動した排ガス6は、流出口43からリターン管部33内に流入する。リターン管部33内に流入した排ガス6は、周囲の冷媒62によって充分冷却されている。このため、捕集ユニット30内の中央部(軸心線Pおよび軸心線Pの近傍)は、第2の管部111を通る排ガス6によって冷却される。
【0096】
このため、第2の流路部54を流れる排ガス6は、第2の管部111によっても冷却される。さらに、第2の管部111は、周囲の冷媒62から最も離れた位置に配置される。このため、捕集ユニット30内において、冷却されにくい部分が効果的に冷却される。
【0097】
本実施形態では、第1の実施形態の効果に加えて、捕集ユニット30内の中央部を流れる排ガス6を冷却することができるので、排ガス6を効果的に冷却することができ、それゆえ、リン7を効果的に捕集することができる。
【0098】
なお、本実施形態では、第2の管部111が、捕集ユニット30の中央に配置されている(第2の管部111の軸心線111aが、捕集ユニット30の軸心線Pに重なる)。この構造によって、上記のように、捕集ユニット30内において冷却されにくい中央が冷却されるのでこの構造が好ましい。しかしながら、捕集ユニットの形状や流路部の形状の要求によって、第2の管部111が中央部に配置されなくても、第2の管部111が捕集ユニット内に配置されることによって、同様の作用と効果とが得られる。
【0099】
なお、本実施形態であっても、トラップ装置20は、第1の実施形態と同様に冷却装置60内に収容される。
【0100】
つぎに、本発明の第6の実施形態に係る処理装置を、図13,14を用いて説明する。なお、第4の実施形態と同様の機能を有する構成は、第4の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、トラップ装置20の構造が第4の実施形態と異なる。
【0101】
図13は、本実施形態のトラップ装置20を示す断面図である。図13に示すように、本実施形態のトラップ装置20では、リターン管部33は、第1〜7の捕集ユニット301〜307内を通っており、第7の捕集ユニット307の底壁部36には、流出口43は形成されていない。
【0102】
リターン管部33は、両端が開口する直線の円筒状であって、流路断面が円である。リターン管部33は、その軸心線33cが第1〜7の捕集ユニット301〜307の軸心線Pに重なるように配置されている。
【0103】
第1〜6の隔壁部71〜76には、リターン管部33が通る貫通孔123が形成されている。リターン管部33の一端33aは、第7の捕集ユニット307内に位置している。リターン管部33の他端は、蓋部材35,92を貫通して外部に出ており、排気系4に連結されている。
【0104】
リターン管部33の一端33aの近傍には、周方向に広がる第1,2のフランジ120,121が形成されている。リターン管部33の他端において蓋部材35の近傍には、周方向に広がる第3のフランジ122が形成されている。
【0105】
第1のフランジ120は、リターン管部33がトラップ装置20に組み込まれた際に、第6の隔壁部76に形成される貫通孔123の縁に、第6の捕集ユニット306側から引っかかる。
【0106】
第2のフランジ121は、第6の隔壁部76を挟んで設けられる。第1,2のフランジ120,121で第6の隔壁部76を挟みこむことによって、トラップ装置20内にリターン管部33が保持される。第2のフランジ121は着脱可能である。
【0107】
図14は、第2のフランジ121の構造を概略的に示す斜視図である。図14に示すように、第2のフランジ121は、一対のフランジ片130,131がリターン管部33に組み付けられることによって構成される。一対のフランジ片130,131は、各々が半円形状であり、リターン管部33を間に挟んだ状態で互いに組み合わされて固定される。リターン管部33において第2のフランジ121が形成される箇所には、各フランジ片130,131が嵌め込まれる溝132が形成されている。フランジ片130,131は、リターン管部33を挟んで両側に1つずつ互いに連通する連通孔135が形成されている。フランジ片131の連通孔135内には、雌ねじ137が形成されている。
【0108】
ねじ136は、各フランジ片130,131は、溝132に嵌まった状態で、フランジ片130の連通孔135から挿入され、フランジ片131の連通孔135の雌ねじ137に螺合する。このことによって、フランジ片130,131がねじ136によって互いに締結される。ねじ136によってフランジ片130,131が締結されると、フランジ片130,131のうち溝132から外部に出る部分が周方向に広がり、第2のフランジ121として機能する。
【0109】
図13に示すように、第3のフランジ122には、Oリング125が設けられる。蓋部材35が第1の捕集ユニット301の開口39を閉塞すると、蓋部材35と第3のフランジ122との間にOリング125が挟みこまれ、それゆえ、蓋部材35に形成される貫通孔35aとリターン管部33との間が気密かつ液密にシールされる。第3のフランジ122は、第2のフランジ121と同様の構造である。
【0110】
第2,3のフランジ121,122のねじ136取り外すことによって、リターン管部33を第1〜7の捕集ユニット301〜307から取り外すことができる。リターン管部33は、第1〜7の捕集ユニット301〜307を固定する機能も有している。
【0111】
なお、本実施形態では、第7の捕集ユニット307には、第2のフィン52が形成されてない。これは、リターン管部33の一端33aが第7の捕集ユニット307内の中央に開口しているためであり、第1の流路部53を流動した後の排ガス6がリターン管部33に流入するようにするためである。このため、本実施形態では、第6の隔壁部76に形成される連通口80が本発明で言う捕集部の流出口として機能し、第7の捕集ユニット307とリターン管部33とが、本発明で言う内側流路部として機能する。
【0112】
リターン管部33は、第5の実施形態で説明されたリターン管部33と同様の作用と効果とを有している。本実施形態では、第4の実施形態の効果に加えて、第5の実施形態の効果を得ることができる。また、本実施形態では、第5〜7の捕集ユニット305〜307は、第3の実施形態と同様に高さが変更されている。このため、さらに第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0113】
なお、本実施形態では、第4の実施形態で説明された処理装置10が、第5の実施形態で説明されたリターン管部33を備える構造であるが、これに限定されない。例えば、第2,3の実施形態の処理装置10が、本実施形態と同様の内側流路部を備えてもよい。この場合であっても、各実施形態の効果に加えて、第5の実施形態の効果がえられる。
【0114】
なお、本実施形態であっても、トラップ装置20は、第1の実施形態と同様に冷却装置60内に収容される。
【0115】
つぎに、本発明の第7の実施形態に係る処理装置を、図15,16を用いて説明する。なお、第6の実施形態と同様の機能を有する構成は、第6の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、トラップ装置20の構造が、第6の実施形態と異なる。他の構造は、第6の実施形態と同様であってよい。なお、ここでいう第6の実施形態とは、図13に示される構造である。
【0116】
図15は、本実施形態のトラップ装置20を示す断面図である。本実施形態では、トラップ装置20は、捕集部ハウジング90を備えていない。図16は、トラップ装置20が分解された状態を示している。図16に示すように、本実施形態では、1つのユニットハウジング500と、当該ユニットハウジング500内に収容されて排ガス6が流動する流路部を構成する収容部510とを備えている。
【0117】
ユニットハウジング500は、蓋部材501と、本体部502とを備えている。本体部502は、一端が開口する筒状である。具体的には、本体部502は、第6の実施形態で説明された第1〜7の捕集ユニット301〜307の各ユニットハウジング31の本体部34が一体になった形状と同様の構造である。なお、本体部502は、複数に分割される構造ではなく、1つの部材である。本体部502の開口縁には、全周にわたって外側に広がるフランジ部503が形成されている。
【0118】
蓋部材501は、第6の実施形態で用いられた蓋部材35と同様の構造であって、本体部502の開口504を塞ぐ。蓋部材501は、本体部502のフランジ部503の全域と重なる大きさを有している。蓋部材501は、フランジ部503に複数のボルト506とナット507とによって締結される。
【0119】
フランジ部503においてボルトより内側には、本体部502の開口504を囲むように、Oリング505が形成されている。蓋部材501がボルト506とナット507とによって本体部502に締結されると、フランジ部503と蓋部材501との間は、Oリング505によって液密にシールされる。
【0120】
収容部510は、図13に示される第6の実施形態で説明された第1〜7の捕集ユニット301〜307において各本体部34内に配置される構成要素を備えている。具体的には、第1〜7の捕集ユニット301〜307間を隔てる第1〜6の隔壁部71〜76と、リターン管部33と備えている。
【0121】
収容部510を構成する各部材の相対位置関係、および、姿勢は、第6の実施形態と同様である。すなわち、収容部510が本体部502内に収容された場合、本体部502内に形成される、排ガス6が流動する流路は、図13に示される第6の実施形態と同様になる。
【0122】
収容部510と蓋部材501とは、一体になったユニット600を構成している。具体的には、図16に示すように、各第1,2のフィン51,52と第1〜6の隔壁部71〜76とが、互いに接触するどうしが例えば溶接で固定されることによって一体になっている。リターン管部33は、第6の隔壁部76側からに貫通孔123に通される。本実施形態では、リターン管部33には、第1,3のフランジ120,122が形成されていない。このため、リターン管部33は、第2のフランジ121が第6の隔壁部76の貫通孔123の縁に当接するまで挿入される。
【0123】
リターン管部33と蓋部材501とが一体固定される。具体的には、リターン管部33を、蓋部材501の貫通孔35aを通すとともに第1,2のフィン51,52に当接する位置に位置決めする。おして、当該位置で、蓋部材501とリターン管部33とを例えば溶接により一体に固定する。
【0124】
図16は、蓋部材501と収容部510とが一体に固定されたユニット600と、本体部502とが分解された状態を示している。このように、蓋部材501と第2のフランジ121とによって、各部材が挟み込まれて一体になる。
【0125】
トラップ装置20が上記のように、ユニット600と本体部502とに分解される構成であるため、本実施形態では、第1〜6の隔壁部71〜76と、本体部502の内面38との間にOリングが形成されない。
【0126】
さらに、第1〜6の隔壁部71〜76は、収容部510が本体部502内に収容された際、本体部502の内面38との間に若干の隙間が設けられる大きさに設定されている。これは、収容部510を本体部502内に収容する際に、第1〜6の隔壁部71〜76が本体部502の内面38に接触し、当該接触に起因する摩擦によって、収容作業が困難になることを防ぐためである。なお、ここで言う隙間は、排ガス6の流れに支障をきたさない程度の隙間である。
【0127】
図15中では、第1〜6の隔壁部71〜76と内面38との間には、隙間がないよう描かれているが、実際には、若干の隙間が形成されている。若干の隙間であれば、排ガス6の流れに支障はきたさない。さらに、排ガス6が流れることによって、当該排ガス6に含まれるリンが第1〜6の隔壁部71〜76と内面38との間の隙間に析出するので、当該隙間は、析出したリンによって塞がれる。
【0128】
本実施形態では、第6の実施形態の効果に加えて、本体部502が1つの部材で形成されていることによって、捕集部ハウジング90を備えなくても、外部に排ガス6が漏れることが抑制される。
【0129】
なお、第2〜4の実施形態のように複数の捕集ユニットを備えて複数段の流路部が形成されるトラップ装置においても、本実施形態の本体部502を用いることによって、捕集部ハウジング90を備えることなく、排ガス6の漏れを抑制することができる。
【0130】
なお、本実施形態であっても、トラップ装置20は、第1の実施形態と同様に冷却装置60内に収容される。
【0131】
つぎに、本発明の第8の実施形態に係る処理装置を、図17〜19を用いて説明する。なお、第6の実施形態と同様の機能を有する構成は、第6の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。なお、本実施形態では、第1〜7の捕集ユニット301〜307に加えて、第8,9の捕集ユニット308,309を備えている。また、各捕集ユニットの高さが、図13に示される第6の実施形態と異なる。他の構造は、第6の実施形態と同様であってよい。
【0132】
図17は、本実施形態のトラップ装置20を示す断面図である。図17に示すように、本実施形態では、第1〜7の捕集ユニット301〜307に加えて、第8,9の捕集ユニット308,309を備えている。第8,9の捕集にユニット308,309は、第2〜6の捕集ユニット302〜306と同様の構造であってよい。第8,9の捕集ユニット308,309は、第6の捕集ユニット306と第7の捕集ユニット307との間に配置されており、第8の捕集ユニット308は、第6の捕集ユニット306の下方に配置され、第9の捕集ユニット309は、第8の捕集ユニット308の下方に配置される。
【0133】
本実施形態では、第6の隔壁部76は、第6,8の捕集ユニット306,308間に設けられる。第8,9の捕集ユニット308,309間には、第7の隔壁部77が設けられる。第7,9の捕集ユニット307,309間には、第8の隔壁部78が設けられる。第7,8の隔壁部77,78は、第1〜6の隔壁部71〜76と同様の構造であってよい。
【0134】
第7の隔壁部77は、第3の流路部55側に連通口80が形成される。第8の隔壁部78は、第1の流路部53側に連通口80が形成されている。第6,8の捕集ユニット306,308間においても、本体部34間にOリング40が設けられる。第8,9の捕集ユニット308,309間においても、本体部34間にOリング40が設けられる。第7,9の捕集ユニット307,309間においても、本体部34間にOリング40が設けられる。
【0135】
第8の捕集ユニット308の流路部50の高さをH8とする。第9の捕集ユニット309の流路部50の高さをH9とする。本実施形態では、第1〜9の捕集ユニット301〜309の流路部50の高さH1〜H9(隣り合う隔壁部間の長さ)は、各捕集ユニットにおけるリンの析出量に応じて、設定されている。
【0136】
図18は、トラップ装置20内での排ガス6の温度を示すグラフである。縦軸は、トラップ装置20での位置を示しており、図中下側に進むにつれて、下流側の捕集ユニットを示す。縦軸には、第1〜9の捕集ユニット301〜309に対応する範囲を示している。横軸は、排ガス6の温度を示しており、図中右側に進むにつれて温度が高くなり、図中左側に進むにつれて温度が低くなる。
【0137】
図18に示すように、本実施形態では、第1の捕集ユニット301では、排ガス6は、略100度ある。排ガス6は、以降下流に流れるにつれて、温度が低下する。排ガス6は、第3の捕集ユニット303でまでに急激に温度が低下し、第3の捕集ユニット303では、0℃より下がる。ついで、排ガス6の温度は、第4の捕集ユニット304で略−30℃まで下がる。その後は、第7の捕集ユニット307まで、略−30℃を保つ。
【0138】
図19は、トラップ装置20内でのリンの析出量を示すグラフである。縦軸は、トラップ装置20内の位置を示しており、図中下側に進むにつれて、下流側の捕集ユニットを示す。縦軸において第1〜9の捕集ユニット301〜309に対応する範囲を示す。横軸は、リンの析出量を示し、図中右側に進むにつれてリンの析出量が多くなる。
【0139】
図19に示すように、温度が高い第1,2の捕集ユニット301,302では、リンは、ほとんど析出しない。温度が0℃以下となる第3,4の捕集ユニット303,304では、リンが急激に析出する。温度が略−30度と一定になる第4〜7の捕集ユニット304〜309では、リンの析出量は、緩やかになり、下流側に進むにつれて、析出量減少する。
【0140】
このため、図18に示すように、本実施形態のトラップ装置20では、温度が高すぎてリンが析出しない第1,2の捕集ユニット301,302では、流路部50の流路断面積を減縮して、流速上げ、内面38近傍の温度境界層を薄くして熱伝達率を上げてリンが析出可能な温度まで速やかに排ガス6の温度を下げるために、高さH1,H2を小さくしている。なお、一例として、H1=H2であってよい。
【0141】
リンの析出量が多くなる第3,4の捕集ユニット303,304では、析出したリンによって流路部50が閉塞することを防止するために、流路部50の断面積を拡大すべく、高さH3,H4を大きくしている。なお、一例として、H3=H4であって、H3>H1であってよい。
【0142】
リンの析出が減少する第5,6,8,9,7の捕集ユニット305〜309では、流路部50の断面積を減縮し、流速を速くしてリンのミストやダストにかかる遠心力を増してより多くのリンが析出されるようにするために、高さH5,H6,H8,H9を徐々に低くする。なお、一例として、H5>H6、H6>H8、H8=H9である。
【0143】
なお、最下段の位置する第7の捕集ユニット307の高さH7は、リターン管部33に排ガス6を導きやすくするために、大きく設定されている。例えば、一例とし、H7>H9である。
【0144】
本実施形態では、各捕集ユニットの高さが、リンの析出量に応じて設定されていることによって、排ガス6中のリンを効率よく析出することができる。
【0145】
なお、本実施形態で説明された高さH1〜H9は、一例である。トラップ装置20が本実施形態とは異なる複数の捕集ユニットを備える構造である場合には、その構造において各捕集ユニットでのリンの析出量に応じて、各捕集ユニットの高さが設定される。また、第7の実施形態のように、複数の捕集ユニットを備えずに、流路が複数段に構成される場合であっても、各段におけるリンの析出量に応じて各段の高さが設定されることによって、排ガス中のリンを効率よく析出することができる。
【0146】
また、第2,4,6,7の実施形態においても、各捕集ユニットの高さが本実施形態のように、各捕集ユニットでのリンの析出量に応じて設定されてもよい。この場合、各実施形態の効果に合わせて本実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0147】
なお、本実施形態であっても、トラップ装置20は、第1の実施形態と同様に冷却装置60内に収容される。
【0148】
この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0149】
6…排ガス(ガスの一例)、7…リン(捕集対象物の一例)、30…捕集ユニット、31…ユニットハウジング、33…リターン管部(内側流路部の一例)、38…内面(湾曲面の一例)、50…流路部、51…第1のフィン(突出部の一例)、52…第2のフィン(突出部の一例)、53…第1の流路部(湾曲流路部の一例)、55…第3の流路部(湾曲流路部の一例)、56…屈曲部、57…屈曲部、90…捕集部ハウジング、200…捕集部、301…第1の捕集ユニット、302…第2の捕集ユニット、303…第3の捕集ユニット、304…第4の捕集ユニット、305…第5の捕集ユニット、306…第6の捕集ユニット、307…第7の捕集ユニット(内側流路部の一例)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
捕集対象物を含むガス内の前記捕集対象物を捕集可能な捕集ユニットを具備する捕集部を具備し、
前記捕集ユニットは、
内面の少なくとも一部が湾曲面であるユニットハウジングと、
前記ユニットハウジング内に形成されて前記ガスが流動可能な流路部であって、前記湾曲面によって規定される湾曲した湾曲流路部と、前記湾曲流路部の下流に位置して前記内面から突出する突出部によって屈曲される屈曲部とを具備する流路部と、
を具備することを特徴とするトラップ装置。
【請求項2】
前記捕集部は前記捕集ユニットを複数具備し、これら複数の捕集ユニットの前記流路部が直列に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載のトラップ装置。
【請求項3】
前記捕集部は、前記複数の捕集ユニットを収容する捕集部ハウジングを具備することを特徴とする請求項2に記載のトラップ装置。
【請求項4】
前記捕集部内に設けられて、前記捕集部の流出口を出た後の排ガスが流動する内側流路部
を具備することを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載のトラップ装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか1項に記載のトラップ装置と、
前記トラップ装置を周囲から冷却する冷却部と
を具備する処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−67721(P2011−67721A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218700(P2009−218700)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】