トランスポート制御サーバ、トランスポート制御システム、及び、トランスポート制御方法
【課題】ネットワーク全体を考慮して輻輳に関係のあるトラフィックを抽出する。
【解決手段】複数のノードから、受信された複数のトラフィックが各ノードを通過する際の帯域量の情報から、各トラフィックが最初に通過する始点ノードと、各トラフィックが最後に通過する終点ノードとにおける各トラフィックの帯域量とを各々抽出し、抽出された始点ノードと終点ノードとにおける各トラフィックの帯域量とに基づいて、各トラフィックが複数のノードを通過する際に廃棄される帯域量を算出し、算出された廃棄される各帯域量と所定の第1の帯域量とを比較することによって、廃棄される帯域量が大きい一つ以上の第1のトラフィックを抽出し、帯域の情報に基づいて、抽出された各第1のトラフィックが通過する二つ以上のノードにおいて廃棄されるトラフィックの帯域量が、所定の第2の帯域量を超える第2のトラフィックを、第1のトラフィックから抽出する。
【解決手段】複数のノードから、受信された複数のトラフィックが各ノードを通過する際の帯域量の情報から、各トラフィックが最初に通過する始点ノードと、各トラフィックが最後に通過する終点ノードとにおける各トラフィックの帯域量とを各々抽出し、抽出された始点ノードと終点ノードとにおける各トラフィックの帯域量とに基づいて、各トラフィックが複数のノードを通過する際に廃棄される帯域量を算出し、算出された廃棄される各帯域量と所定の第1の帯域量とを比較することによって、廃棄される帯域量が大きい一つ以上の第1のトラフィックを抽出し、帯域の情報に基づいて、抽出された各第1のトラフィックが通過する二つ以上のノードにおいて廃棄されるトラフィックの帯域量が、所定の第2の帯域量を超える第2のトラフィックを、第1のトラフィックから抽出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスポート制御サーバ(TCS:Transport Control Server)に関し、特に、トラフィックの帯域を制限するためのトランスポート制御サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のトランスポート制御システムにおいて、MPLS(Multi−Protocol Label Switching)などのパスを設定及び制御する場合、パスの経路を自動的に設計するための様々な技術が用いられている。
【0003】
ユーザが使用する従来のネットワークにおいて、ネットワークに流れるトラフィックの状態に柔軟に対応して、トラフィックを動的に制御するLAN型ネットワーク制御装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のLAN型ネットワーク制御装置は、LAN型ネットワーク制御装置を通過するパケットに関するトラフィック量が閾値を超えた場合、パケットの情報を保持するデータベースに基づいて各ユーザの情報を分析し、その分析結果に適合した帯域制御方法を選択する。そして、選択された帯域制御方法を用いて、帯域制御の実行し、又は、帯域制御を解除することによって、ネットワークの帯域を動的に制御する。
【0004】
また、受信したパケットの廃棄数と平均キュー長とを用いて、受信するパケットを廃棄するか否かを判定する装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2の装置は、装置が受信したパケットの廃棄数と平均キュー長とに基づいて、廃棄サイクル保持値を算出し、装置に備わる廃棄判定比較部によって、パケットの廃棄数と廃棄サイクル保持値とを比較する。そして、この比較の結果によって、受信したパケットを廃棄するか否かを判定し、パケットを廃棄する場合、パケット廃棄処理部によってキューに入力する前のパケットを廃棄する。これによって、特許文献2の装置は、高速かつ高効率に、パケットの輻輳を制御する。
【0005】
また、帯域情報だけでなく、パケットの処理性能を考慮することによって、呼の受付を制御する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
また、VoIPサービスなどの各種の通信サービスを提供するIPネットワークにおいて、IPネットワークに備わるサービスネットワークの輻輳を、効果的に制御するシステムが開示されている(例えば、特許文献4参照)。特許文献4のシステムは、輻輳制御サーバが制御メッセージのルーティングを規制する指示を、エッジノードに送信することによって、加入者収容ノードへの入力を規制する。これによって、特許文献4のシステムは、効果的に輻輳を制御する。
【0007】
また、ネットワークに備わる装置の空き容量推定部が、装置に備わるバッファーの空き容量を、現在の空き容量と、上流ノードからの最大データ量と、下流ノードへのデータ量とから推定することによって、ネットワーク全体のスループットを高く維持しつつ、輻輳の広がりを抑え、かつ、ネットワーク全体を輻輳状態から回復するための輻輳制御方法が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
【0008】
また、ネットワークに備わる装置の制御部が、装置の受信部によって受信された輻輳状態確認信号に基づいて、ユーザデータの輻輳が、ユーザデータの通過する経路上で発生しているか否かを判定し、これによって、ユーザデータの輻輳を正確に検出するネットワークシステムが開示されている(例えば、特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−217842号公報
【特許文献2】特開2005−094392号公報
【特許文献3】特開2010−004495号公報
【特許文献4】特開2008−172517号公報
【特許文献5】特開平9−224025号公報
【特許文献6】特開2010−028185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
複数のネットワーク装置が備わるネットワークにおいて、各ネットワーク装置を通過するトラフィックの輻輳を抑える場合、各ネットワーク装置における輻輳を考慮するだけでなく、ネットワーク全体を考慮する必要がある。すなわち、一つのネットワーク装置において発生する輻輳が、他のネットワーク装置に流れるトラフィックに与える影響を最小限にとどめるためには、ネットワーク全体のリンクを考慮し、輻輳に関係があり、他のトラフィックに影響を与えうるトラフィックのみを、帯域制御する必要がある。しかし、特に前述の従来技術の帯域制御及び輻輳制御において、ネットワーク全体のリンクは考慮されていない。
【0011】
さらに、同じネットワーク内で、異なるサービスレベルの通信を提供するためには、QoS制御の一つである、優先度の制御を考慮する必要がある。しかし、従来技術においてはQoS制御の優先度は考慮されていない。
【0012】
また、ある一定の帯域まで保障しつつ、輻輳の影響を最小限にとどめるためには最低保障帯域を考慮する必要がある。しかし、従来技術において、最低保障帯域は考慮されていない。
【0013】
さらに、これらを考慮した帯域制御を行うために、一つのネットワーク装置内だけではなく、ネットワーク全体のトラフィックを分析し、分析結果に基づいて帯域を計算する必要がある。しかし、ネットワーク全体のトラフィックをすべて分析する場合、分析対象が膨大になるため、トラフィックを分析するための制御サーバのプロセッサ(CPUを含む)及びメモリを圧迫する。
【0014】
本発明は、ネットワーク全体を考慮して、輻輳に関係があり、かつ、他のトラフィックに影響を与えうるトラフィックのみを抽出することを目的とする。そして、抽出されたトラフィックの帯域を制御することによって、プロセッサ及びメモリを圧迫することなく、抽出されたトラフィックが他のトラフィックに対して与える影響を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の代表的な一例を示せば以下のとおりである。すなわち、複数のトラフィックが各々通過する複数のノードに接続されるトランスポート制御サーバであって、前記複数のノードから、前記複数のトラフィックが前記各ノードを通過する際の帯域量の情報を受信し、前記受信された帯域量の情報から、前記各トラフィックが最初に通過する始点ノードにおける前記各トラフィックの帯域量と、前記各トラフィックが最後に通過する終点ノードにおける前記各トラフィックの帯域量とを抽出し、前記抽出された始点ノードにおける各トラフィックの帯域量と、前記抽出された終点ノードにおける各トラフィックの帯域量とに基づいて、前記各トラフィックが前記複数のノードを通過する際に廃棄される前記各トラフィックの帯域量を算出し、前記算出された廃棄される各トラフィックの帯域量と所定の第1の帯域量とを比較することによって、前記算出された廃棄される帯域量が大きい、一つ以上の第1のトラフィックを抽出し、前記受信された帯域の情報に基づいて、前記抽出された各第1のトラフィックが通過する二つ以上の前記ノードにおいて廃棄される前記トラフィックの帯域量が、所定の第2の帯域量を超える第2のトラフィックを、前記第1のトラフィックから抽出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施形態によると、輻輳に関係があり、他のトラフィックに影響を与えるトラフィックのみを抽出することができる。そして、制御サーバのプロセッサ及びメモリを圧迫することなく、帯域制御をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態のネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態のトラフィックを制御する例を示す説明図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のノードの論理的な構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態のトランスポート制御サーバの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態のトラフィック情報テーブルを示す説明図である。
【図6】本発明の第1の実施形態のノード帯域情報テーブルを示す説明図である。
【図7】本発明の第1の実施形態のトポロジ情報テーブルを示す説明図である。
【図8】本発明の第1の実施形態のノード経路情報テーブルを示す説明図である。
【図9】本発明の第1の実施形態の帯域制御をするトラフィックを抽出し、帯域制御する処理を示すシーケンス図である。
【図10】本発明の第1の実施形態の帯域を制御するトラフィックを抽出する処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施形態の制限帯域を算出する処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施形態の設定情報を生成する処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第1の実施形態の設定情報を事前に生成する処理を示すシーケンス図である。
【図14】本発明の第1の実施形態の事前に生成された設定情報を用いて帯域制御する処理を示すシーケンス図である。
【図15】本発明の第2の実施形態のリンクの増設個所を特定する処理を示すシーケンス図である。
【図16】本発明の第2の実施形態の仮想的な目標廃棄率を算出する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るネットワークシステムを図面に示した実施の形態を参照してさらに詳細に説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態のネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【0020】
第1の実施形態のネットワークシステムは、トランスポート制御サーバ100、及び、ノード111(ノード111−1〜111−n)を備える。第1のネットワークシステムに用いられるネットワークは、WAN、又は、インターネットなどの、複数のネットワーク装置を備えるネットワークである。また、本実施形態のネットワークは、仮想的に実装されたネットワークでもよい。
【0021】
トランスポート制御サーバ100は、ネットワークを通過するトラフィックを制御するための計算機である。トランスポート制御サーバ100は、画面表示及びシステム操作の手段を、管理者等に提供する管理端末を備える。
【0022】
トランスポート制御サーバ100は、複数のノード111に接続される。トランスポート制御サーバ100は、各ノード111を接続するパス(すなわち、経路)を設定する。パスを設定する技術には、例えば、MPLS(Multi−Protocol Label Switching)、MPLS−TP(MPLS Transport Profile)、PBB−TE(Provider Backbone Bridge Traffic Engineering)などがある。ノード111を接続するパスは、各ノード111が保持するVPN、音声、又は、動画などのサービスに対応して設定される。
【0023】
ノード111は、トランスポート制御サーバ100によって管理されるネットワーク装置である。ノード111は、トラフィックが通過するための経路を、MPLS等によって選択する、ルータ又はスイッチ等のネットワーク装置である。また、本実施形態のノード111は、仮想的に実装されたスイッチ等でもよい。
【0024】
本実施形態のトランスポート制御サーバ100は、各ノード111から送信されるトラフィックの量をノード111に指示することによって、ネットワークを通過するトラフィックの帯域を制御する。
【0025】
本実施形態のトランスポート制御サーバ100は、特定のトラフィックを制御する際に、ネットワークの入口及び出口における特定のトラフィックの帯域を考慮するだけでなく、特定のトラフィックが通過するノード111又はリンクを、特定のトラフィックと共に通過する他のトラフィックの帯域についても考慮する。また、各ノード111毎、又は各トラフィック毎にあらかじめ定められた、帯域量を考慮する。
【0026】
図2は、本発明の第1の実施形態のトラフィックを制御する例を示す説明図である。
【0027】
図2に示すネットワークには、第1の実施形態のノード111−1〜ノード111−6が備わる。ノード111は、リンクa〜リンクdによって各々接続される。ノード111−1とノード111−2とは、リンクaによって接続され、ノード111−2とノード111−4とは、リンクbによって接続され、ノード111−3とノード111−4とは、リンクcによって接続され、ノード111−4とノード111−5とは、リンクdによって接続され、ノード111−4とノード111−6とは、リンクeによって接続される。
【0028】
ここで、図2に示すネットワークにおいて、例えば、リンクb及びリンクdにおける帯域使用率又は廃棄率が高く、リンクbの余剰帯域が50Mbpsであり、リンクdの余剰帯域が10Mbpsであり、他のリンクの帯域使用率又は廃棄率が低い。余剰帯域とは、他のトラフィックを考慮した際にまだ流せるトラフィックの帯域である。
【0029】
さらに、図2に示すネットワークには、トラフィック1とトラフィック2とが通過する。トラフィック1は、ノード111−1からネットワークに流入し、ノード111−5を介してネットワークから流出する。ノード111−1及びノード111−5は、トラフィック1の端点、すなわち、エッジノードである。
【0030】
トラフィック1は、ノード111−2及びノード111−4を経由する。トラフィック1は、ノード111−1に流入する際、500Mbpsである。また、ノード111−5から流出する際、10Mbpsである。
【0031】
トラフィック2は、ノード111−1からネットワークに流入し、ノード111−6を介してネットワークから流出する。ノード111−1及びノード111−6が、トラフィック2のエッジノードである。
【0032】
トラフィック2は、ノード112及びノード114を経由する。トラフィック2は、ノード111に流入する際、40Mbpsである。また、ノード111−6から流出する際、4Mbpsである。
【0033】
図2に示すネットワークの例において、トラフィック1は、ノード111−5に接続されるリンクeの余剰帯域(10Mbps)が小さいため、ノード111−4において帯域を制限される。このため、ネットワークにおけるエッジノードからエッジノードまで(以下、End−to−Endと記載)、10Mbpsしか流れない。
【0034】
一方、ノード111−2は、トラフィックがネットワークにおいて経由するリンクbに、500Mbpsのトラフィック1を流そうとするため、リンクbの余剰帯域が枯渇する。そして、リンクbの余剰帯域が枯渇するため、ノード111−2は、トラフィック2の帯域をトラフィック1の帯域と共に制御してしまう。
【0035】
すなわち、トラフィック2は、ノード111−1からノード111−6までを通過するリンクa及びリンクeに十分な帯域があるにもかかわらず、トラフィック1から受ける影響によって、ノード111−2において、40Mbpsから4Mbpsに減らされてしまう。
【0036】
ここで、トラフィック1を、End−to−Endで流すことができる10Mbpsと同程度の帯域によって、リンクa及びリンクbを通過するように制御すれば、リンクbにおける余剰帯域は枯渇せず、トラフィック1がトラフィック2へ与える影響を抑えることができる。すなわち、ノード111−1がトラフィック1の帯域を、ノード111−5における帯域にあらかじめ制御しておけば、トラフィック1は、他に流れるトラフィックに影響を与えにくくなる。
【0037】
そして前述のようにノード111−1に、トラフィック1を制御させることによって、トラフィック1はEnd−to−Endにおいて流せる帯域を、10Mbps、すなわち、制御前の帯域にすることができる。さらに、リンクbの余剰帯域は、トラフィック1の帯域(10Mbps)の他に、40Mbpsの帯域が残される。このため、トラフィック2は、ノード111−2において、トラフィック2に含まれるパケットの一部を廃棄されることなく、ネットワークのEnd−to−Endにおいて40Mbpsの帯域によって通過することができる。
【0038】
ここで、前述のトラフィック1は、トラフィック2の帯域に影響を与える場合、ノード111−2とノード111−4との二つのノード111によって、帯域を減らされた。このため、第1の実施形態のトランスポート制御サーバ100は、End−to−Endにおいて減少する帯域を大きく、かつ、二つ以上のノード111において帯域に含まれるパケットを廃棄されているトラフィックを、本実施形態の帯域の制御対象とする。
【0039】
図3は、本発明の第1の実施形態のノード111の構成を示すブロック図である。
【0040】
ノード111は、前述のとおり、ネットワークにおけるトラフィックの経路を選択するためのネットワーク装置である。ノード111は、プロセッサ(CPUを含む)及びメモリを備える。プロセッサは、ノード111が保持する機能をメモリに読み込むことによって、ノード111が保持する機能を実行する。
【0041】
ノード111は、ノード111に接続されるリンクを介してトラフィックを受信し、トラフィックが次に送信されるリンクにおけるトラフィックの帯域を算出した後、算出された帯域によって、次のリンクへトラフィックを送信する機能を保持する。ノード111は、基本ユニット121、増設ユニット131、及び、それらを接続する共通部127などの要素を備える。
【0042】
基本ユニット121は、ノード111にあらかじめ備わるユニットである。基本ユニット121は、リンクを介して他のノード111から送信されたトラフィックを受信し、また、リンクを介して他のノード111にトラフィックを送信する。基本ユニット121は、インターフェース122(122−1、122−2)、インターフェース123(123−1、123−2)及び、共通部126を備える。
【0043】
共通部126は、インターフェース122と、インターフェース123とを接続する、スイッチングファブリック(FW)である。インターフェース122及びインターフェース123は、トラフィックを受信するためのインターフェースであり、各々一つ以上のポートを備える。インターフェース122は、例えばNNI(Network Network Interface)であり、インターフェース123は、例えばUNI(User Network Interface)である。
【0044】
ノード111に受信されたトラフィックは、インターフェース122又はインターフェース123に備わるポートによって受信され、共通部126を介して、他のインターフェース122又はインターフェース123に備わるポートから送信される。トラフィックによって、経由するインターフェース122、インターフェース123、及び、共通部126は異なる。インターフェース122、インターフェース123、及び、共通部126は、各々通過させることが可能なトラフィックの帯域を保持する。
【0045】
増設ユニット131は、必要に応じて、ノード111に増設されるユニットである。増設ユニット131は、インターフェース132(132−1、132−2)を備える。インターフェース132は、インターフェース122又はインターフェース123と同じであり、例えばNNIである。
【0046】
各トラフィックに対するノード111における余剰帯域は、トラフィックが経由するインターフェース122、インターフェース123、及び共通部126などの要素における、パケット処理速度及びバッファーサイズによって算出される。なお、トラフィックが経由するインターフェース122及びインターフェース123が定められると、トラフィックが通過するリンクが一意に決まるため、リンクにおける余剰帯域は、ノードにおける余剰帯域を算出することによって算出される。
【0047】
図4は、本発明の第1の実施形態のトランスポート制御サーバ100の構成を示すブロック図である。
【0048】
トランスポート制御サーバ100は、トラフィックの帯域を、ノード111に指示する計算機である。トランスポート制御サーバ100は、通信IF210、データ記憶部211、及び、制御処理部200を備える。また、トランスポート制御サーバ100は、プロセッサ、揮発性の記憶装置(メモリなど)、及び、不揮発性の記憶装置(ハードディスクドライブなど)等を備える計算機である。
【0049】
通信IF210は、直接あるいはEMS(Element Management System)を介して、ノード111にパスを設定、削除、又は変更する。また、通信IF210は、ノード111が保持する情報を送信する指示を含むメッセージを、ノード111に送信する。そして、情報を含むメッセージをノード111から受信する。
【0050】
データ記憶部211は、制御処理部200によって値を参照されたり、値を更新されたりする。データ記憶部211は、トランスポート制御サーバ100に備わる不揮発性の記憶装置等に格納される。データ記憶部211は、トポロジ情報記憶部209、帯域情報記憶部212、及び、トラフィック情報記憶部213を備える。
【0051】
トポロジ情報記憶部209は、各ノード111が接続されるリンク及び他のノード111を示す情報を保持する記憶部である。トポロジ情報記憶部209は、後述するトポロジ情報テーブル530を保持する。
【0052】
帯域情報記憶部212は、各ノード111に備わる要素に関する情報を保持する記憶部である。帯域情報記憶部212は、後述するノード帯域情報テーブル520及びノード経路情報テーブル540を保持する。
【0053】
トラフィック情報記憶部213は、ネットワークにおける各トラフィックの情報を保持する記憶部である。トラフィック情報記憶部213は、後述するトラフィック情報テーブル500を保持する。
【0054】
制御処理部200は、データ記憶部211に保持される値を参照し、各トラフィックの帯域を算出し、算出された各トラフィックの帯域をノード111に指示する機能である。制御処理部200は、パス設定部201、サービス受付部202、経路・リソース計算部204、通信特性計算部205、通信特性測定部207、及びメッセージ送受信部206の機能を含む。制御処理部200に含まれる機能は、トランスポート制御サーバ100に備わる不揮発性の記憶装置に保持されたプログラムが、プロセッサによって揮発性の記憶装置において実行されることによって、実現される。
【0055】
パス設定部201は、各トラフィックの帯域を示す情報に基づいて、トラフィックの帯域を設定するためのデータを生成するための機能である。パス設定部201によって用いられる情報が示す各トラフィックの帯域は、経路・リソース計算部204によって算出される。
【0056】
経路・リソース計算部204は、各トラフィックの帯域を算出し、算出されたトラフィックの帯域を、データ記憶部211に格納するための機能である。経路・リソース計算部204が帯域を算出するトラフィックは、通信特性計算部205によって抽出されたトラフィックである。
【0057】
通信特性計算部205は、入口及び出口のトラフィックの帯域情報と、各リンクの帯域使用率及び廃棄率とに基づいて、帯域を算出するトラフィックを抽出するための機能である。通信特性計算部205によって用いられるトラフィックの帯域情報等は、通信特性測定部207によって測定される。
【0058】
通信特性測定部207は、ネットワーク通過するトラフィックの、各エッジノードにおける帯域と、各リンクの帯域使用率及び廃棄率とを測定するための機能である。
【0059】
サービス受付部202は、トランスポート制御サーバ100に接続される管理端末のGUI等を介して、トラフィックの帯域を表示するための機能である。サービス受付部202は、パス設定部201によって帯域を設定するためのデータが生成され、帯域制御に関する情報を表示するよう、ネットワーク運用管理者によって要求された際に、トラフィックの帯域を表示してもよい。また、帯域を制限することによって帯域制御をしたトラフィックを示す情報、及び、制限した帯域を表示してもよい。
【0060】
メッセージ送受信部206は、パス設定部201によって生成されたデータに基づいて、トラフィックが通過するパスを設定、変更、又は、削除するためのメッセージを作成し、通信IF210を介してノード111に送信する。
【0061】
また、メッセージ送受信部206は、通信IF210がノード111の情報に関するメッセージを、ノード111から収集した際、収集されたメッセージを解釈し、経路・リソース計算部204、又は通信特性計算部205に送信する。
【0062】
第1の実施形態のトランスポート制御サーバ100は、ノード111に備わる要素毎に、帯域使用率及び廃棄率を算出することによって、ノード111における帯域使用率及び廃棄率を、トラフィック毎に測定していない場合も、ノード111の実装状況に従って、正確な廃棄率の算出が可能になる。
【0063】
また、ノード111を複数の仮想ネットワークに属する複数の仮想ノードとして認識し、仮想ネットワーク毎にノード111のリソースが分割されることによって、ノード111を仮想化ネットワークに適用可能になる。さらに仮想ネットワーク毎のリソースを考慮してトラフィックを抽出し、抽出されたトラフィックを制限する帯域を算出することによって、仮想ネットワーク毎に異なるポリシーを反映した帯域制限が可能になる。また、ノード111の要素単位で仮想ネットワークの帯域を算出することによって、ノード111に備わる要素毎に仮想ネットワークに分割することができ、フレキシビリティの高いトラフィックの分析、及び、それに対応した制限帯域の算出が可能である。
【0064】
次に、データ記憶部211が保持するテーブルを示す。
【0065】
図5は、本発明の第1の実施形態のトラフィック情報テーブル500を示す説明図である。
【0066】
トラフィック情報テーブル500は、トラフィック情報記憶部213に格納される。トラフィック情報テーブル500は、トラフィックID501、仮想NWID502、端点ノードID503、最低保障帯域504、経由ノードID505、経由リンクID506、測定帯域507、オーバーフローフラグ508、帯域制御状態513、制限帯域509、平均差分帯域510、バースト差分帯域511、及び、制限差分帯域512を含む。
【0067】
トラフィックID501は、ネットワークを通過する各トラフィックを、一意に示す識別子である。仮想NWID502は、ネットワークに実装される仮想ネットワークを一意に示す識別子である。
【0068】
なお、本実施形態のネットワークは、仮想ネットワークを実装されなくてもよい。仮想ネットワークが実装されない場合は、仮想NWID502及び後述する仮想NWID523、及び仮想NWID542は不要である。
【0069】
端点ノードID503は、トラフィックがネットワークへ流入する際のエッジノード(以下、入口エッジノードと記載)と、トラフィックがネットワークから抽出する際のエッジノード(以下、出口エッジノードと記載)を一意に示す識別子である。
【0070】
最低保障帯域504は、各ノード111が各トラフィックに最低限保障しなければならない帯域(Mbps、Gbps)である。各トラフィックは、最低保障帯域504が示す帯域よりも低い帯域によって、ネットワークを通過しないように制御される。
【0071】
最低保障帯域504を保持することによって、本実施形態のトランスポート制御サーバ100は、各トラフィックに最低保障帯域504に示す帯域を保障し、さらに、制御対象のトラフィックの制限帯域509を算出することができる。
【0072】
経由ノードID505は、ネットワークにおいて各トラフィックが経由するノード111を一意に示す識別子である。図5に示す経由ノードID505には、端点ノードID503に含まれるノード111も含め、ネットワークにおいてトラフィックが経由するすべてのノード111の識別子が格納される。
【0073】
経由ノードID505を保持することによって、本実施形態のトランスポート制御サーバ100は、トラフィックの経路を考慮して、制御対象のトラフィックを抽出することが可能になる。また、トラフィックが制御された後の、各ノード111における帯域量(後述する制御時使用帯域529)を算出することが可能になる。
【0074】
経由リンクID506は、トラフィックが経由するリンクを示す識別子である。経由リンクID506を保持することによって、本実施形態のトランスポート制御サーバ100は、トラフィックが経由する経由ノードID505の、どの経路を経由するかを考慮して、制御対象のトラフィックを抽出することが可能であり、また、制限帯域509を算出することが可能である。
【0075】
トラフィックID501、仮想NWID502、端点ノードID503、最低保障帯域504、経由ノードID505及び経由リンクID506には、あらかじめ管理者等によって値が格納される。
【0076】
なお、経由ノードID505及び経由リンクID506に格納される値は、トラフィックがノード111又はリンクを通過する順に格納されてもよい。すなわち、トランスポート制御サーバ100が、トラフィックが通過する順番を識別できるように、トラフィックが通過する順に格納されてもよい。又は、トラフィックが通過する順番を示す符号を、各々付加されてもよい。
【0077】
測定帯域507は、入口エッジノードと出口エッジノードとにおける各トラフィックの帯域である。入口エッジノードと出口エッジノードとの両方の帯域を測定することによって、本実施形態のトランスポート制御サーバ100は、トラフィックの帯域だけでなく、トラフィックの廃棄率も算出することができる。そして、廃棄率を考慮して、制御するべきトラフィックを抽出することが可能になる。
【0078】
オーバーフローフラグ508は、入口エッジノードと出口エッジノードとにおいて、測定された帯域の差が大きいトラフィックのうち、帯域使用率又は廃棄率の高いリンクを複数回経由するトラフィックか否かを示すフラグである。
【0079】
すなわち、オーバーフローフラグ508が、”Yes”である場合、該当するトラフィックID501が示すトラフィックは、本実施形態の制御対象であることを示し、トランスポート制御サーバ100は、該当するトラフィックID501が示すトラフィックの帯域を、入口エッジノードにおいて制御する指示を生成する。
【0080】
そして、オーバーフローフラグ508が、”No”である場合、該当するトラフィックID501が示すトラフィックは、本実施形態の制御対象ではない。
【0081】
帯域制御状態513は、入口エッジノードにおいて、トラフィックの帯域を制御しているか否かを示すフラグである。すなわち、トラフィックに本実施形態の帯域の制御をしたか否かを示すフラグである。
【0082】
帯域制御状態513が”OFF”である場合、該当するトラフィックID501が示すトラフィックは、入口エッジノードにおいて帯域を制御されていないことを示す。また、帯域制御状態513が”ON”である場合、該当するトラフィックID501が示すトラフィックは、入口エッジノードにおいて帯域を制御されていることを示す。
【0083】
トランスポート制御サーバ100は、オーバーフローフラグ508と帯域制御状態513とを各々保持することによって、帯域制御に長い時間がかかり、トラフィックが本実施形態の制御対象であるか否かの判定の周期と、トラフィックの帯域を制御する周期とが異なる場合においても、ネットワークの状況に従ってオーバーフローフラグ508の最新の情報を保持することができる。
【0084】
制限帯域509は、入口エッジノードにおいて、制御対象のトラフィックを制限する帯域量を示す。トランスポート制御サーバ100は、制限帯域509が示す帯域量に、入口エッジノードにおけるトラフィックの帯域量を制限する。
【0085】
平均差分帯域510は、入口エッジノードと出口エッジノードとにおけるトラフィックの帯域の差分の時間平均である。
【0086】
バースト差分帯域511は、トラフィックの、入口エッジノードにおける帯域と出口エッジノードにおける帯域との差分の、一定時間内における最大値である。平均差分帯域510とバースト差分帯域511との両方を保持することによって、トランスポート制御サーバ100は、制限帯域509に格納される値を、より正確に算出することが可能になる。
【0087】
制限差分帯域512は、トラフィックを帯域制御する対象とするか否かを判定するための指標である。トランスポート制御サーバ100は、入口エッジノードと出口エッジノードとにおけるトラフィックの帯域の差分と、制限差分帯域512とを比較することによって、トラフィックを帯域制御する対象とするか否かを判定する。
【0088】
測定帯域507に格納される、入口エッジノードにおける帯域と出口エッジノードにおける帯域との差分が、制限差分帯域512を超えている場合、トランスポート制御サーバ100は、トラフィックがネットワークにおいて過剰に廃棄されていると判定する。制限差分帯域512には、管理者等によって、あらかじめ値が格納される。
【0089】
制限差分帯域512を、トラフィック毎に管理することによって、トランスポート制御サーバ100は、トラフィック毎に柔軟に帯域制御することが可能になる。また、トランスポート制御サーバ100は、制限差分帯域512を、廃棄される帯域量の下限とすることによって、各トラフィックのQoSを制御することができる。
【0090】
さらに、トランスポート制御サーバ100は、仮想NWID502毎に制限差分帯域512を管理することによって仮想NW毎に帯域を制御することができる。
【0091】
図6は、本発明の第1の実施形態のノード帯域情報テーブル520を示す説明図である。
【0092】
ノード帯域情報テーブル520は、トポロジ情報記憶部209に保持される。ノード帯域情報テーブル520は、ノードID521、構成部522、仮想NWID523、処理速度524、収容率525、廃棄率526、使用帯域527、制御時使用帯域529、目標収容率5201、及び、目標廃棄率5202を含む。ノード帯域情報テーブル520によって、各要素における廃棄率526に基づいて正確に制御対象のトラフィックを抽出することが可能である。
【0093】
また、本実施形態において、各ノード111の各経路におけるトラフィックの廃棄率は、ノード111によって測定されない。しかし、ノード帯域情報テーブル520によって、トランスポート制御サーバ100は、各ノード111の各経路におけるトラフィックの廃棄率を算出することができる。
【0094】
ノードID521は、ノード111を一意に識別するための識別子である。図5に示す端点ノードID503及び経由ノードID505に格納される値は、ノードID521に格納される値に相当する。
【0095】
構成部522は、ノード111に備わる各要素を一意に識別する識別子である。構成部522に格納される値は、例えば、図3に示すインターフェース122、123、及び132に備わるポートと、共通部126、127とに対応する。
【0096】
例えば、ノード111のインターフェース122に備わるポートの一つの識別子が”1”である場合、522に格納される値は、”ポート1”である。また、ノード111の共通部126の識別子が”共通1”である場合、構成部522に格納される値は、”共通1”である。
【0097】
仮想NWID523は、ノード111が含まれる仮想ネットワークを、一意に識別するための識別子である。仮想NWID523は、図5に示す仮想NWID502の値に相当する。
【0098】
ノード111は、仮想ネットワークを、各ノード111における経路毎に割り当てることが可能である。すなわち、各ノード111の各要素は、仮想的に分割することが可能である。そして、処理速度524、収容率525、廃棄率526、使用帯域527、制御時使用帯域529、目標収容率5201、及び、目標廃棄率5202は、仮想ネットワーク毎に値を格納されることが可能である。
【0099】
なお、ノード111に仮想ネットワークが割り当てられない場合、仮想NWID523は削除されてもよい。
【0100】
処理速度524は、各要素において処理可能な一つ以上のトラフィックの帯域量である。各要素において処理されるトラフィックは、複数であってもよい。処理速度524には、管理者等によってあらかじめ値が格納される。
【0101】
収容率525は、各要素の処理速度524に対する、使用帯域527の割合である。すなわち、各要素が処理できる帯域量に対する、各要素を通過する一つ以上のトラフィックの帯域量を示す。廃棄率526は、トラフィックに含まれるパケットが各要素において廃棄される割合である。
【0102】
使用帯域527は、構成部522が示す要素を通過するトラフィックの帯域量である。使用帯域527は、リアルタイムのトラフィックの帯域量の値、時間平均のトラフィックの帯域量の値、又は、一定時間内の最大トラフィックの帯域量等の値のいずれであってもよい。
【0103】
制御時使用帯域529は、本実施形態によって算出された制限帯域509の値によって、入口エッジノードにおいてトラフィックの帯域が制限された場合の、使用帯域である。
【0104】
目標収容率5201は、各要素が目標とするトラフィックの使用帯域の割合である。目標収容率5201には、管理者等によってあらかじめ値が格納される。収容率525が、同じ行の目標収容率5201より大きい場合、同じ行の構成部522が示す要素には、過剰のトラフィックが通過していることを示す。
【0105】
目標廃棄率5202は、目標収容率5201が示す値によって、トラフィックの帯域を制御した場合に予想される廃棄率である。目標廃棄率5202も、目標収容率5201とともに、管理者等によってあらかじめ値が格納される。
【0106】
目標収容率5201及び目標廃棄率5202を各ノード111の仮想NWID523、又は、構成部522毎に管理することによって、要素毎に廃棄率526を算出したり、制御時使用帯域529を算出したりすることが可能になり、トランスポート制御サーバ100は、トラフィックの帯域を細かく制御することができる。
【0107】
図7は、本発明の第1の実施形態のトポロジ情報テーブル530を示す説明図である。
【0108】
トポロジ情報テーブル530は、トポロジ情報記憶部209に保持される。トポロジ情報テーブル530は、ノードID531、ポートID532、接続リンクID533、隣接ノードID534、及び、接続ノードのポートID535を含む。
【0109】
ノードID531は、ノード111を一意に識別するための識別子である。ノードID531は、図6に示すノードID521の値、並びに、図5に示す端点ノードID503の値及び経由ノードID505の値に相当する。
【0110】
ポートID532は、ノードID531が示すノード111に備わるポートを、一意に識別するための識別子である。ポートID532の値は、図6に示す構成部522の値に相当する。
【0111】
接続リンクID533は、ポートID532が示すポートに接続されるリンクを、一意に識別するための識別子である。接続リンクID533の値は、図5に示す経由リンクID506の値に相当する。
【0112】
隣接ノードID534は、同じ行の接続リンクID533を経由して、同じ行のノードID531に接続されるノード111を示す識別子である。隣接ノードID534の値は、ノードID531の値、図6に示すノードID521の値、並びに、図5に示す端点ノードID503の値及び経由ノードID505の値に相当する。
【0113】
接続ノードのポートID535は、同じ行の隣接ノードID534が示すノード111が備えるポートのうち、同じ行の接続リンクID533に接続されるポートを一意に示す識別子である。接続ノードのポートID535の値は、ポートID532の値、及び、図6に示す構成部522の値に相当する。
【0114】
なお、図7に示すトポロジ情報テーブル530は、図2に示すノード111−1〜ノード111−6とリンクa〜eとを備えるネットワークのトポロジに相当する。
【0115】
図8は、本発明の第1の実施形態のノード経路情報テーブル540を示す説明図である。
【0116】
ノード経路情報テーブル540は、帯域情報記憶部212に保持される。ノード経路情報テーブル540は、ノード111においてトラフィックが経由する要素の組み合わせ毎の廃棄率を示す。
【0117】
ノード経路情報テーブル540を保持することによって、トランスポート制御サーバ100は、ノード111の経路毎のトラフィックの廃棄率を、各経路に含まれる要素の廃棄率から再度算出することなく抽出することができる。ノード経路情報テーブル540に示す廃棄率は、複数のトラフィックがノード111の経路において廃棄される廃棄率である。
【0118】
ノード経路情報テーブル540は、ノードID541、仮想NWID542、ポートID543、経由構成部544、廃棄率545、輻輳フラグ546、制御対象トラフィックID547、及び、目標廃棄率548を含む。
【0119】
ノードID541は、ノード111を示す識別子である。そして、図7に示すノードID531の値、図6に示すノードID521の値、並びに、図5に示す端点ノードID503の値及び経由ノードID505の値に相当する。
【0120】
仮想NWID542は、仮想ネットワークを示す識別子である。そして、図6に示す仮想NWID523、及び、図5に示す仮想NWID502の値に相当する。なお、ノード111に仮想ネットワークが割り当てられない場合、仮想NWID542は削除されてもよい。
【0121】
ポートID543は、ノード111に備わるポートの識別子であり、図7に示すポートID532、及び、接続ノードのポートID535に相当する。ポートID543には、二つのポートIDが含まれ、一つ目のポートIDは、トラフィックがノード111に入力される際のポート(以下、入口ポートと記載)を示し、二つ目のポートIDは、トラフィックがノード111から出力される際のポート(以下、出口ポートと記載)を示す。
【0122】
経由構成部544は、ポートID543が示すノード111の入口ポートと出口ポートとの間の、トラフィックが通過する要素を示す。経由構成部544は、図6に示す構成部522に相当する。
【0123】
ポートID543と、経由構成部544との組は、各ノード111においてトラフィックが通過する経路を示す。
【0124】
廃棄率545は、ポートID543が示す入口ポートと出口ポートとの間における廃棄率である。廃棄率545は、同じ行の経由構成部544に対応する、図6に示す構成部522の廃棄率526を加算することによって算出される。
【0125】
輻輳フラグ546には、ポートID543が示す入口ポートと出口ポートとの間における廃棄率が、ある所定の閾値以上の場合、輻輳状態を示すフラグが格納される。本実施形態の輻輳フラグ546には、廃棄率545が目標廃棄率548を超えた場合、輻輳状態であることを示す”YES”が輻輳フラグ546に格納される。そして、廃棄率545が目標廃棄率548を超えない場合、輻輳状態ではないことを示す”NO”が輻輳フラグ546に格納される。
【0126】
輻輳フラグ546を保持することによって、トランスポート制御サーバ100は、廃棄率545が短い時間間隔で更新される場合も、廃棄率545が更新される時間間隔よりも長い時間において輻輳状態を判定することが可能になる。すなわち、短い時間間隔によって輻輳状態を判定する必要がないため、トランスポート制御サーバ100に備わるプロセッサ及びメモリの処理の負担を軽減できる。
【0127】
制御対象トラフィックID547は、ポートID543が示す入口ポートと出口ポートとの間を通過するトラフィックのうち、同じ行の輻輳フラグ546が輻輳状態を示す場合において、制御対象になるトラフィックの識別子を示す。制御対象トラフィックID547の値は、図5に示すトラフィックID501の値に相当する。
【0128】
制御対象トラフィックID547を保持することによって、トランスポート制御サーバ100は、輻輳フラグ546が更新された際、制御対象のトラフィックを再度判定することなく、速やかに帯域を制御するトラフィックを抽出することができる。そして、その結果トラフィックの帯域の制御が可能になる。
【0129】
目標廃棄率548は、各経路において目標となる廃棄率であり、あらかじめ管理者等によって値が格納される。廃棄率545に示す値が目標廃棄率548の値を超える場合、トランスポート制御サーバ100は、同行のノードID541の仮想NWID542のポートID543が示すポートを、輻輳状態になっていると判定する。目標廃棄率548は、各経路において輻輳が発生しているか否かを判定するための閾値である。
【0130】
目標廃棄率548をノードID541、仮想NWID542、及び、ポートID543毎に管理することによって、トランスポート制御サーバ100は、ノード111が備える装置などを考慮し、柔軟に目標廃棄率548を設定できる。
【0131】
図9は、本発明の第1の実施形態の帯域制御をするトラフィックを抽出し、帯域制御する処理を示すシーケンス図である。
【0132】
図9に示す処理はトランスポート制御サーバからの指示によって開始されてもよいし、いずれかのノード111において、輻輳状態が発生し始めた時に開始されてもよい。図9に示すノード111は、五つであるが、本実施形態のノード111は一つ以上であればいくつであってもよい。
【0133】
なお、ノード111は、ノード帯域情報テーブル520の目標廃棄率5202をあらかじめ保持し、ノード111に備わる要素のうちいずれかの要素における廃棄率が目標廃棄率5202を超えた場合に、輻輳状態であると判定してもよい。
【0134】
シーケンス305において、ノード111−1〜ノード111−5は、仮想ネットワーク毎、及び、ノード111に備わる要素毎に、自らを通過するトラフィックの帯域量及び廃棄率を測定する。また、各トラフィックのエッジノードであるノード111は、入口エッジノードにおけるトラフィックの帯域と、出口エッジノードにおけるトラフィックの帯域とを測定する。シーケンス305において測定された情報を、以下において測定値情報と記載する。
【0135】
シーケンス305において、トラフィックの量が多いことなどの理由によって、すべてのトラフィックの帯域を測定しきれない場合、ノード111は、いくつかの主要なトラフィックのみを抽出し、抽出されたトラフィックを測定する。ここで、抽出される主要なトラフィックは、トラフィック量が多いトラフィックであってもよい。
【0136】
また、ノード111は、シーケンス305において、各トラフィックが通過するノード111と、リンクと、ノード111に備わる要素との接続関係を、測定値情報に加えてもよい。
【0137】
シーケンス310においてノード111−1〜ノード111−5は、シーケンス305において取得された測定値情報を、トランスポート制御サーバ100のメッセージ送受信部206に送信する。シーケンス315において、メッセージ送受信部206は、ノード111から送信された測定値情報を、通信特性測定部207に送信する。
【0138】
シーケンス320において、通信特性測定部207は、メッセージ送受信部206から受信した測定値情報から、トラフィック情報テーブル500の測定帯域507、並びに、ノード帯域情報テーブル520の収容率525、及び廃棄率526に相当する値を抽出する。そして、抽出された値によって、データ記憶部211に保持されるトラフィック情報テーブル500とノード帯域情報テーブル520とを更新するよう、データ記憶部211に指示する。
【0139】
なお、通信特性測定部207は、データ記憶部211に各テーブルを更新するよう指示する際に、処理速度524と収容率525とを乗じることによって、使用帯域527を算出してもよい。そして、算出された使用帯域527を格納するよう、データ記憶部211に指示してもよい。
【0140】
また、通信特性測定部207は、シーケンス320において、メッセージ送受信部206から受信した測定値情報から、トラフィック情報テーブル500の端点ノードID503、経由ノードID505、及び経由リンクID506と、トポロジ情報テーブル530と、ノード経路情報テーブル540のポートID543、及び経由構成部544とに相当する値を抽出してもよい。そして、抽出された値によって、トラフィック情報テーブル500、トポロジ情報テーブル530、ノード経路情報テーブル540を更新するよう、データ記憶部211に指示してもよい。
【0141】
シーケンス324において、データ記憶部211は、通信特性測定部207から、抽出された値を受信した後、トラフィック情報テーブル500、ノード帯域情報テーブル520、トポロジ情報テーブル530、及び、ノード経路情報テーブル540を更新する。
【0142】
シーケンス330において、通信特性計算部205は、データ記憶部211を参照し、トラフィック情報テーブル500、ノード帯域情報テーブル520、ノード経路情報テーブル540、及び、トポロジ情報テーブル530を取得する。
【0143】
シーケンス335において、通信特性計算部205は、データ記憶部211から取得されたトラフィック情報テーブル500、ノード帯域情報テーブル520、トポロジ情報テーブル530、及び、ノード経路情報テーブル540に基づいて、トラフィック情報テーブル500のオーバーフローフラグ508、ノード経路情報テーブル540の廃棄率545、輻輳フラグ546、及び、制御対象トラフィックID547を更新する。
【0144】
シーケンス335の処理の詳細を、図10を用いて説明する。
【0145】
図10は、本発明の第1の実施形態の帯域を制御するトラフィックを抽出する処理を示すフローチャートである。
【0146】
(ステップ1005)
通信特性計算部205は、ステップ1005において、ノード経路情報テーブル540の各行のうち、一つの行のノードID541、仮想NWID542、及び、経由構成部544を抽出する。そして、通信特性計算部205は、抽出されたノードID541、経由構成部544及び仮想NWID542に相当する、ノード帯域情報テーブル520のノードID521、構成部522及び仮想NWID523を含むノード帯域情報テーブル520の行を抽出し、抽出された行の廃棄率526を抽出する。すなわち、通信特性計算部205は、各ノード111の各要素における廃棄率526を抽出する。
【0147】
ここで、抽出された経由構成部544に複数の識別子が含まれる場合、通信特性計算部205は、すべての識別子に対応する廃棄率526を抽出する。そして、抽出された廃棄率526に基づいて、各経由構成部544の廃棄率545を算出する。各経由構成部544の廃棄率545は、抽出された廃棄率526を、式1によって処理することによって算出される。
【0148】
抽出された各廃棄率526を、ρ1、ρ2、ρ3、・・・、ρN(0<ρ<1)とした場合、各経由構成部544における廃棄率Ρは、例えば式1によって算出される。
【0149】
Ρ=1−(1−ρ1)*(1−ρ2)*(1−ρ3)*(1−ρN)・・・(式1)
通信特性計算部205は、算出された廃棄率Pを、ノード経路情報テーブル540の各経由構成部544の廃棄率545に格納する。
【0150】
さらに、通信特性計算部205は、算出された廃棄率545と、廃棄率545が算出された行の目標廃棄率548とを比較する。そして比較の結果、目標廃棄率548より廃棄率545が高い場合、同じ行の輻輳フラグ546に”YES”を格納する。輻輳フラグ546に”YES”が格納される場合、前述のとおり、対応する行が示す経路において、輻輳状態が発生していることを示す。
【0151】
また、目標廃棄率548より廃棄率545が低い場合、同じ行の輻輳フラグ546に”NO”を格納する。輻輳フラグ546に”NO”が格納される場合、前述のとおり、対応する行が示す経路において、輻輳状態が発生していないことを示す。
【0152】
そして、通信特性計算部205は、ステップ1005における前述の処理によって、ノード経路情報テーブル540のすべての行の廃棄率545を算出し、輻輳フラグ546に値を格納する。
【0153】
輻輳フラグ546が輻輳状態を示す場合、同じ行のポートID543及び経由構成部544が示す経路は、帯域が枯渇し、かつ、トラフィックが廃棄されている経路である。すなわち、輻輳フラグ546が輻輳状態である経路は、ボトルネックであることを示す。ステップ1005において、通信特性計算部205は、ボトルネックとなる経路を抽出することができる。
【0154】
(ステップ1010)
ステップ1005の後、ステップ1010において、通信特性計算部205は、トラフィック情報テーブル500の各行のうち、一つの行の測定帯域507及び制限差分帯域512を抽出する。そして、抽出された測定帯域507に含まれる入口エッジノードにおけるトラフィックの帯域から、測定帯域507に含まれる出口エッジノードにおけるトラフィックの帯域を減算することによって、ネットワークにおいてトラフィックが廃棄された量を算出する。そして、トラフィックが廃棄された量と、抽出された制限差分帯域512とを比較する。
【0155】
そして、比較の結果、ネットワークにおいてトラフィックが廃棄された量が大きい場合、抽出された測定帯域507を含む行は、廃棄率が高いトラフィックの情報を示す。このため、通信特性計算部205は、抽出された測定帯域507を含む行と同じ行のトラフィックID501を抽出する。
【0156】
さらに、通信特性計算部205は、トラフィック情報テーブル500のすべての行に、ステップ1010の前述のように処理する。すなわち、通信特性計算部205は、ステップ1010において、ネットワークを通過する際の廃棄率が高いトラフィックを抽出する。
【0157】
なお、通信特性計算部205は、ステップ1010において、トラフィックが廃棄された量と制限差分帯域512とを比較する際、平均差分帯域510又はバースト差分帯域511を、トラフィックが廃棄された量として用いてもよい。平均差分帯域510及びバースト差分帯域511は、ノード111から測定値情報を受信した後、トランスポート制御サーバ100の通信特性測定部207等によって算出されてもよい。
【0158】
(ステップ1015)
ステップ1010の後、ステップ1015において通信特性計算部205は、ステップ1010において抽出されたトラフィックID501と同じ行の仮想NWID502と、経由ノードID505と、経由リンクID506とを、さらに抽出する。そして、抽出された経由ノードID505及び経由リンクID506に相当する、トポロジ情報テーブル530のノードID531及び接続リンクID533を含む行を抽出し、ノードID531とポートID532との組を抽出する。
【0159】
すなわち、通信特性計算部205は、廃棄率が高いトラフィックが、ネットワークにおいて通過するノード111と、リンクと、ポートとの組を抽出する。
【0160】
なお、抽出された経由ノードID505及び経由リンクID506に、複数の値が格納される場合、ノードID531とポートID532との組も複数抽出される。具体的には、経由ノードID505の値が、端点ノードID503に含まれる値と同じである場合、抽出された経由ノードID505は、エッジノードを示すため、一つのノードID531に対して一つのポートID532が抽出される。そして、経由ノードID505の値が、端点ノードID503に含まれない場合、一つのノードIDに対して二つのポートID532が抽出される。
【0161】
そして、通信特性計算部205は、抽出されたノードID531とポートID532との組と、抽出された仮想NWID502に相当する、ノード経路情報テーブル540のノードID541とポートID543との組と、仮想NWID542とを含む行をノード経路情報テーブル540から抽出する。
【0162】
すなわち、通信特性計算部205は、廃棄率が高いトラフィックが通過する各ノード111の経路を示す、ノード経路情報テーブル540の行を抽出する。ここで抽出される行は、複数でよい。
【0163】
そして通信特性計算部205は、抽出された行の輻輳フラグ546を参照する。すなわち、通信特性計算部205は、廃棄率が高いトラフィックが通過する各ノード111の経路の中で、どの経路において輻輳状態が発生しているか否かを示す情報を参照する。
【0164】
さらに、通信特性計算部205は、ステップ1010において抽出されたトラフィックID501と同じ行の経由ノードID505及び経由リンクID506に含まれるすべてのノードID及びリンクIDに対して、前述の処理を行う。これによって、ステップ1010において抽出されたトラフィックID501が示すトラフィックに関する、ノード経路情報テーブル540のすべての輻輳フラグ546を参照することができる。
【0165】
そして、参照の結果に基づいて、ステップ1010において抽出されたトラフィックID501が示すトラフィックに関して、”YES”を示す輻輳フラグ546の数を算出する。
【0166】
一つのトラフィックに関する輻輳フラグ546が”YES”である回数が2以上の場合、そのトラフィックは、ネットワーク内を通過する際に、二箇所以上のノード111の経路(すなわち、リンク)において輻輳状態が発生するトラフィックである。このため、通信特性計算部205は、トラフィック情報テーブル500のうち、ステップ1010において抽出されたトラフィックID501と同じ行のオーバーフローフラグ508に”YES”を格納する。
【0167】
また、通信特性計算部205は、一つのトラフィックに関する輻輳フラグ546が”YES”である回数が2よりも下まわる場合、オーバーフローフラグ508に”NO”を格納する。これによって、通信特性計算部205は、廃棄率が高く、かつ、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生しているトラフィックを抽出することができる。
【0168】
さらに、オーバーフローフラグ508に”YES”が格納された場合、通信特性計算部205は、オーバーフローフラグ508が”YES”であるトラフィックが通過するノード111の経路を含むノード経路情報テーブル540の行を抽出し、抽出された行の制御対象トラフィックID547に、オーバーフローフラグ508が”YES”であるトラフィックの識別子を格納する。
【0169】
具体的には、通信特性計算部205は、オーバーフローフラグ508に”YES”が格納された行の経由ノードID505、仮想NWID502及び経由リンクID506と、トポロジ情報テーブル530とに基づいて、トラフィックが通過するポートID532を抽出する。そして、抽出されたポートID532と、経由ノードID505及び仮想NWID502とに相当する、ノード経路情報テーブル540の行を抽出し、抽出された行の制御対象トラフィックID547に、トラフィックID501を格納する。
【0170】
これによって、通信特性計算部205は、廃棄率が高く、かつ、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生するトラフィックが、通過するすべての各経路に対応する制御対象トラフィックID547に、トラフィックの識別子を格納する。
【0171】
(ステップ1020)
ステップ1015の後、ステップ1020において通信特性計算部205は、トラフィック情報テーブル500に格納されるすべてのトラフィックID501に、ステップ1010とステップ1015との処理を繰り返す。
【0172】
なお、通信特性計算部205は、図10に示す処理を実行する際、すべてのトラフィックに対して処理しなくてもよい。すなわち、通信特性計算部205は、トラフィック情報テーブル500の平均差分帯域510が制限差分帯域512よりも十分に小さいトラフィックについて、シーケンス335が実行される都度処理せずに、数回に一度ステップ1010及びステップ1015の処理をすればよい。通信特性計算部205は、平均差分帯域510を用いることによって、処理対象とするトラフィックの数を減らすことができる。
【0173】
前述の図10に示すシーケンス335の処理によって、通信特性計算部205は、以後の処理において帯域を算出する対象のトラフィックを抽出することができる。
【0174】
シーケンス335の後、通信特性計算部205は、シーケンス340において、シーケンス335において更新されたトラフィック情報テーブル500、ノード帯域情報テーブル520、トポロジ情報テーブル530、及び、ノード経路情報テーブル540をトラフィック情報として、経路・リソース計算部204に送信する。
【0175】
シーケンス345において、経路・リソース計算部204は、トラフィック情報テーブル500、ノード帯域情報テーブル520、トポロジ情報テーブル530、及び、ノード経路情報テーブル540を参照して、トラフィック情報テーブル500の制限帯域509を算出する。
【0176】
シーケンス345の処理の詳細について図11を用いて説明する。
【0177】
図11は、本発明の第1の実施形態の制限帯域509を算出する処理を示すフローチャートである。
【0178】
(ステップ1100)
経路・リソース計算部204は、ステップ1100において、トラフィック情報テーブル500のオーバーフローフラグ508を参照する。そして、オーバーフローフラグ508に”YES”が格納されている行のトラフィックID501、仮想NWID502、経由ノードID505、経由リンクID506、及び、測定帯域507を抽出する。すなわち、経路・リソース計算部204は、ネットワークを通過する際に、廃棄率が高く、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生しているトラフィックに関する情報をトラフィック情報テーブル500から抽出する。
【0179】
そして、経路・リソース計算部204は、抽出された経由ノードID505、及び、経由リンクID506に相当する、トポロジ情報テーブル530のノードID531、及び、接続リンクID533を含む行を抽出し、抽出された行のポートID532を抽出する。すなわち、経路・リソース計算部204は、トラフィックがネットワークにおいて通過するポートを抽出する。
【0180】
そして、経路・リソース計算部204は、抽出されたノードID531(経由ノードID505)、仮想NWID502、及びポートID532に相当する、541のノードID541、仮想NWID542、ポートID543を含む行を抽出し、抽出された行の廃棄率545を抽出する。すなわち、経路・リソース計算部204は、トラフィックが通過する各ノード111の経路における廃棄率545を抽出する。
【0181】
ステップ1100において、経路・リソース計算部204は、抽出された経由リンクID506、測定帯域507、及び、廃棄率545に基づいて、各リンクを通過するトラフィックの帯域を算出する。
【0182】
ノード経路情報テーブル540の各行は、各ノード111内の経路を示し、各ノード111内の経路は、それぞれ一つのリンクに接続される。このため、各リンクにおける帯域は、トラフィックの入口エッジノードにおける帯域と、トラフィックが通過する各ノードの経路における廃棄率545とによって、算出される。
【0183】
トラフィックがネットワークのエッジノードから流入してから、hホップ目のリンクを通過するトラフィックの帯域Bhは、例えば式2によって算出される。
【0184】
Bh=Πhi=1(1−Ρi)*Bin ・・・(式2)
式2において、hは、入口エッジノードから、帯域を算出されるリンクまでのホップ数を示す。Piは、入口エッジノードからホップ数iのリンクに接続される各ノード111の経路における廃棄率545である。すなわち、Piは、入口エッジノードを一つ目とした場合、i個目にトラフィックが通過するノード111の経路の廃棄率である。Binは、入口エッジノードにおける帯域である。Πhi=1(Xi)はi=1からi=hまでのXiの積を示す。
【0185】
Piは、ノード経路情報テーブル540の廃棄率545の値である。また、Binはトラフィック情報テーブル500の測定帯域507の値である。
【0186】
経路・リソース計算部204は、前述のステップ1100における処理を、トラフィック情報テーブル500のオーバーフローフラグ508に”YES”が格納されているすべてのトラフィックに実行する。
【0187】
(ステップ1105)
ステップ1105において、経路・リソース計算部204は、トラフィック情報テーブル500のオーバーフローフラグ508に”YES”が格納されている行のトラフィックID501、仮想NWID502、経由ノードID505、経由リンクID506、及び、測定帯域507を抽出する。すなわち、経路・リソース計算部204は、ネットワークを通過する際に、廃棄率が高く、かつ、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生しているトラフィックに関する情報をトラフィック情報テーブル500から抽出する。
【0188】
そして、経路・リソース計算部204は、抽出された経由ノードID505、及び、経由リンクID506に相当する、トポロジ情報テーブル530のノードID531、及び、接続リンクID533を含む行を抽出し、抽出された行のポートID532を抽出する。すなわち、経路・リソース計算部204は、トラフィックがネットワークにおいて通過するポートを抽出する。
【0189】
そして、経路・リソース計算部204は、経路・リソース計算部204は、抽出された経由ノードID531、仮想NWID502、及びポートID532に相当する、ノード経路情報テーブル540のノードID541、仮想NWID542、ポートID543を含む行を抽出し、抽出された行の経由構成部544を抽出する。すなわち、経路・リソース計算部204は、廃棄率が高く、かつ、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生しているトラフィックが、通過する各ノード111の経路を抽出する。
【0190】
ステップ1105の前述の処理は、ノード経路情報テーブル540の各行における制御対象トラフィックID547、及び、同行のノードID541、仮想NWID542、経由構成部544を抽出し、トラフィック情報テーブル500のトラフィックID501が、抽出された制御対象トラフィックID547と同じ行の測定帯域507を参照することによって代替することができる。これによって、トランスポート制御サーバ100は、制御対象トラフィックの数が多い場合などに処理を軽減することができ、トランスポート制御サーバ100のプロセッサ及びメモリの消費を防ぐことができる。
【0191】
次に、経路・リソース計算部204は、抽出されたノードID541、仮想NWID542、ポートID543、及び、経由構成部544に相当する、ノード帯域情報テーブル520のノードID521、仮想NWID523、及び、構成部522を含む行を抽出し、抽出された行の使用帯域527を抽出する。すなわち、経路・リソース計算部204は、廃棄率が高く、かつ、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生しているトラフィックが通過する、各ノード111の経路における、トラフィックの使用帯域527を抽出する。
【0192】
そして、経路・リソース計算部204は、ステップ1100において算出された各リンクを通過するトラフィックの帯域(Bh)を、ステップ1105における前述の処理によって抽出された使用帯域527から減算する。そして、減算された結果に、測定帯域507の出口エッジノードにおける帯域を加算する。そして、加算された結果を、ノード帯域情報テーブル520の使用帯域527に対応する制御時使用帯域529に格納する。
【0193】
具体的に、図2のようなネットワークを、トラフィック(トラフィックID501が”1”であるトラフィック、以下トラフィック1と記載)が、ノード111−1、ノード111−2、ノード111−4、及び、ノード111−5を経由して通過する場合を例に説明する。経路・リソース計算部204は、ステップ1100において、ノード111−2の出口ポートに接続されるリンクb(入口エッジノードからのホップ数が”2”)における、トラフィック1の帯域B2を算出する。
【0194】
そして、経路・リソース計算部204は、ステップ1105において、ノード111−2の各構成部522における使用帯域527からトラフィック1の帯域B2を減算する。使用帯域527には、トラフィック1以外のトラフィックの帯域も含まれるため、リンクbにおけるトラフィック1の帯域B2を用いることによって、ノード111−2の構成部522の使用帯域527から、トラフィック1の帯域のみを減算することができる。
【0195】
そして、経路・リソース計算部204は、各構成部522の使用帯域527から、リンクbにおけるトラフィック1の帯域B2を減算した値に、出口エッジノードであるノード111−6のトラフィック1の帯域を加算する。そして、加算された結果を、制御時使用帯域529に格納する。これによって、ネットワークのEnd−to―Endにおいて、出口エッジノードから流出するトラフィック1の帯域を、各構成部522に保持させることができる。
【0196】
次に、経路・リソース計算部204は、ステップ1105における前述の処理を、トラフィック情報テーブル500のオーバーフローフラグ508に”YES”が格納されているすべてのトラフィック、又は、ノード経路情報テーブル540の制御対象トラフィックID547に含まれるすべてのトラフィックに実行する。
【0197】
(ステップ1110)
ステップ1105の後、ステップ1110において経路・リソース計算部204は、ノード帯域情報テーブル520の行のうち、ステップ1105において更新された制御時使用帯域529を含む行を抽出する。そして、抽出された行の使用帯域527、制御時使用帯域529、及び、目標収容率5201を抽出する。すなわち、廃棄率が高く、かつ、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生するトラフィックが、通過する各要素の情報を抽出する。
【0198】
そして、経路・リソース計算部204は、抽出された制御時使用帯域529と、同じ行の目標収容率5201とを比較する。比較の際、経路・リソース計算部204は、目標収容率5201に、同じ行の処理速度524を乗じることによって、目標使用帯域を算出する。そして、制御時使用帯域529と、算出された目標使用帯域とを比較する。
【0199】
(制御時使用帯域529が、目標収容率5201が示す目標使用帯域よりも大きい場合)
比較の結果、制御時使用帯域529の方が同じ行の目標収容率5201が示す目標使用帯域よりも大きい場合、トラフィックの帯域を制御すると、目標収容率5201が示す目標使用帯域よりも大きい帯域によってトラフィックが通過することを意味する。このため、トラフィックの帯域を、目標収容率5201が示す目標使用帯域に近づけるため、経路・リソース計算部204は、同じ行のノードID521、構成部522、及び、仮想NWID523を抽出する。
【0200】
すなわち、経路・リソース計算部204は、制御時使用帯域529が示す帯域によってトラフィックが流れた場合、目標収容率5201を超えた帯域によってトラフィックが通過する要素を、制御時使用帯域529が更新された要素から、抽出する。
【0201】
そして、経路・リソース計算部204は、抽出されたノードID521、及び、仮想NWID523に相当する、ノード経路情報テーブル540のノードID541、及び、仮想NWID542を含む行を抽出する。そして、抽出された行のうち、経由構成部544に前述において抽出された構成部522を含む行をさらに抽出する。そして、抽出された行に含まれる制御対象トラフィックID547を抽出する。すなわち、制御時使用帯域529が目標収容率5201よりも高い構成部522を流れ、かつ、廃棄率が高く、かつ、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生しているトラフィックの識別子を抽出する。
【0202】
そして、経路・リソース計算部204は、抽出された制御対象トラフィックID547に相当する、トラフィック情報テーブル500のトラフィックID501を含む行を抽出する。そして、抽出された行に含まれる、測定帯域507の出口エッジノードにおける帯域と、最低保障帯域504とのうち、小さい方の帯域を抽出する。
【0203】
経路・リソース計算部204は、抽出された小さい方の帯域を、制限帯域509に格納する。経路・リソース計算部204は、測定帯域507の出口エッジノードにおける帯域と、最低保障帯域504とを比較し、小さい方を制限帯域509に格納することによって、最低帯域を保障する範囲で帯域制限することができる。
【0204】
また、経路・リソース計算部204は、小さい方の帯域を抽出する際、測定帯域507の出口エッジノードにおける帯域に重み係数を乗じ、乗算された結果を、制限帯域509に格納してもよい。重み係数を1より大きい値にすることによって、統計多重効果を考慮した帯域制限が可能になる。
【0205】
(制御時使用帯域529が、目標収容率5201が示す目標使用帯域以下である場合)
前述の制御時使用帯域529と、同じ行の目標収容率5201が示す目標使用帯域との比較の結果、制御時使用帯域529が、同じ行の目標収容率5201が示す目標使用帯域以下である場合、経路・リソース計算部204は、同じ行のノードID521、構成部522、及び、仮想NWID523を抽出する。すなわち、経路・リソース計算部204は、制御時使用帯域529が更新された行のうち、制御時使用帯域529が示す使用帯域によってトラフィックが通過した場合、目標収容率5201以下の使用帯域によってトラフィックが通過する構成部522を抽出する。
【0206】
抽出された構成部522は、トラフィックが制御された場合、目標収容率5201より低い帯域によってトラフィックが通過するため、帯域に余裕がある構成部522である。このため、抽出された構成部522を通過する他のトラフィックの帯域を、増やすことができる。
【0207】
経路・リソース計算部204は、以降の処理によって、帯域を増やすことができる他のトラフィックを抽出し、抽出された他のトラフィックについて増やすことができる帯域を算出する。
【0208】
経路・リソース計算部204は、抽出されたノードID521、及び、仮想NWID523に相当する、ノード経路情報テーブル540のノードID541、及び、仮想NWID542を含む一つ以上の行を抽出し、それらの行のうち、ポートID543又は経由構成部544に、抽出された構成部522を含む一つ以上の行を抽出し、さらに抽出された行に含まれる一つ以上の制御対象トラフィックID547を抽出する。
【0209】
そして、経路・リソース計算部204は、抽出されたノード経路情報テーブル540の一つ以上の行のうち、抽出された制御対象トラフィックID547を含む行とは、異なる行であり、かつ、輻輳フラグ546に”YES”が格納される一つ以上の行を選択する。そして、抽出された制御対象トラフィックID547に含まれる識別子のうち、選択された行の制御対象トラフィックID547に格納される値に含まれない制御対象トラフィックID547(以下、帯域増加可能トラフィックIDと記載)を抽出する。これによって、経路・リソース計算部204は、帯域増加可能トラフィックIDの個数を算出する。
【0210】
具体的に、制御時使用帯域529が更新された行が、ノードID521が”1”(以下、ノード111−1と記載)であり、構成部522の識別子が”共通1”であり、仮想NWID523が”1”である場合を説明する。経路・リソース計算部204は、制御時使用帯域529が更新された行に相当する、ノードID541が”1”であり、仮想NWID542が”1”であるノード経路情報テーブル540の行を抽出する。この結果、例えば、図8に示すノード経路情報テーブル540の行5401、5402、及び、5403が抽出される。
【0211】
さらに、経路・リソース計算部204は、抽出された行5401、5402、及び、5403の制御対象トラフィックID547の値(1、2、3、5、8、11)を抽出する。そして、行5401、5402、及び、5403以外の行であり、輻輳フラグ546に”YES”が格納される行5404を選択し、行5404の制御対象トラフィックID547の値(13、16)を抽出する。
【0212】
ここで、行5401、5402、及び、5403の制御対象トラフィックID547の値(1、2、3、5、8、11)のうち、行5404の制御対象トラフィックID547の値(13、16)以外の値は、”1”、”2”、”3”、”5”、”8”、”11”である。このため、経路・リソース計算部204は、トラフィックID”1”、”2”、”3”、”5”、”8”、”11”を、帯域増加可能トラフィックIDとする。
【0213】
次に、経路・リソース計算部204は、更新された制御時使用帯域529の割合が目標収容率5201以下の行の、目標収容率5201と処理速度524とを抽出する。そして、抽出された目標収容率5201と処理速度524との積を算出し、積の結果から、制御時使用帯域529を減算する。さらに減算された結果を、前述によって算出された帯域増加可能トラフィックIDの個数によって除算する。以下において、除算された結果を増加帯域と記載する。
【0214】
経路・リソース計算部204は、トラフィック情報テーブル500のトラフィックID501が帯域増加トラフィックIDである行の測定帯域507の出口エッジノードにおける帯域と、同じ行の最低保障帯域504を抽出する。そして、同じ行の制限帯域509に測定帯域507の出口エッジノードにおける帯域と増加帯域とを加算し、加算された結果と、同じ行の最低保障帯域504とを比較する。比較の結果、経路・リソース計算部204は、大きい方を制限帯域509に格納する。
【0215】
なお、前述の比較の結果、制御時使用帯域529が、目標収容率5201が示す目標使用帯域と同じである場合、経路・リソース計算部204は、出口エッジノードにおける帯域を制限帯域509に格納してよい。
【0216】
前述のステップ1110によって、経路・リソース計算部204は、目標収容率5201により近い帯域によって、トラフィックを制御できるような帯域の値を、制限帯域509に格納する。また、最低保障帯域504以上の帯域を、制限帯域509に格納する。
【0217】
なお、経路・リソース計算部204は、測定帯域507の出口エッジノードにおける帯域、及び、増加帯域に、それぞれ重み係数を乗じてもよい。増加帯域の重み係数を1よりも小さい値に設定することによって、一部のトラフィックに、現在通過する帯域よりも大きな帯域によって通過させることによって他のリンク(すなわち、経路)の帯域が枯渇する可能性を軽減できる。
【0218】
また、前述のステップ1110において、制御時使用帯域529が、目標収容率5201を比較する際、目標収容率5201が示す目標使用帯域を算出することによって制御時使用帯域529と比較したが、制御時使用帯域529を処理速度524によって除算した結果と、目標収容率5201とを比較してもよい。
【0219】
また、前述のステップ1110において、制御時使用帯域529と目標収容率5201とを比較したが、制御時使用帯域529を処理速度524によって除算することによって制御時の廃棄率526を算出し、算出された制御時の廃棄率526と目標廃棄率5202とを比較してもよい。
【0220】
シーケンス345において制限帯域509が算出された後、経路・リソース計算部204は、図9に示すシーケンス350において、パス設定部201に、設定関連情報として、トラフィック情報テーブル500、ノード帯域情報テーブル520、トポロジ情報テーブル530、及び、ノード経路情報テーブル540を送信する。
【0221】
次に、パス設定部201は、シーケンス350において受信した設定関連情報に基づいて、ノード111が制御するトラフィックの帯域をノード111に設定するための情報(以下、設定情報と記載)を生成する(355)。
【0222】
シーケンス355の処理の詳細について図12を用いて説明する。
【0223】
図12は、本発明の第1の実施形態の設定情報を生成する処理を示すフローチャートである。
【0224】
(ステップ1200)
パス設定部201は、ステップ1200において、トラフィック情報テーブル500のオーバーフローフラグ508に”YES”が格納されており、かつ、帯域制御状態513に”OFF”が格納されている行のトラフィックID501、仮想NWID502、端点ノードID503及び制限帯域509を抽出する。すなわち、パス設定部201は、廃棄率が高く、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生しており、かつ、帯域を制御していないトラフィックを抽出する。抽出されたトラフィックID501を、以下において、制限開始トラフィックIDと記載する。
【0225】
また、パス設定部201は、トラフィック情報テーブル500のオーバーフローフラグ508に”NO”が格納され、かつ、帯域制御状態513に”YES”が格納されている行のトラフィックID501、仮想NWID502、及び、端点ノードID503を抽出する。抽出されたトラフィックID501を、以下において、制限解除トラフィックIDと記載する。
【0226】
(ステップ1205)
ステップ1200の後、ステップ1205において、パス設定部201は、トラフィック情報テーブル500の、トラフィックID501が制限開始トラフィックIDである行の、仮想NWID502、端点ノードID503に含まれる入口エッジノードの識別子、制限帯域509、及び経由リンクID506に含まれる一つ目のリンクの識別子を抽出する。
【0227】
さらに、パス設定部201は、抽出された入口エッジノードの識別子と、抽出された一つ目のリンクの識別子に相当する、トポロジ情報テーブル530のノードID531、接続リンクID533を含む行を抽出する。そして、抽出されたトポロジ情報テーブル530の行のポートID532を抽出し、抽出された各情報に基づいて、設定情報を生成する。すなわち、パス設定部201は、シーケンス345によって算出された制限帯域509によって、入口エッジノードにおけるトラフィックを制御するための設定情報を生成する。
【0228】
生成される設定情報は、例えば、設定対象である端点ノードID503の入口エッジノードの識別子、ポートID532、仮想NWID502、及び、制限帯域509を含む。制限帯域509の値は、入口エッジノードであるノード111へ設定する項目である。また、制限帯域509を関数としたトークンバケット、又は、リーキーバケットの設定値を算出し、設定情報に含めてもよい。
【0229】
さらに、パス設定部201は、トラフィック情報テーブル500の、トラフィックID501が制限解除トラフィックIDである行も、制限開始トラフィックIDと同様に、仮想NWID502、端点ノードID503の入口エッジノードID、及び、トポロジ情報テーブル530のポートID532を抽出する。そして、抽出された情報に基づいて設定情報を生成する。パス設定部201は、制限解除トラフィックIDの制限帯域509を設定情報から除外するか、又は、帯域を制御する前の値を設定情報に含める。
【0230】
シーケンス355において設定情報を生成した後、パス設定部201は、シーケンス360において、メッセージ送受信部206を介して、各ノード111に設定情報を送信する。なおこの時、パス設定部201は、入口エッジノードであるノード111にのみ、設定情報を送信してもよい。
【0231】
ノード111は、設定情報を受信した後、シーケンス360においてトランスポート制御サーバ100から受信した設定情報に従って、トラフィックの帯域を制限する(365)。なお、シーケンス365においてトラフィックの帯域を制限するノード111は、入口エッジノードのみでもよい。
【0232】
パス設定部201は、データ記憶部211にトラフィック情報テーブル500、ノード帯域情報テーブル520、トポロジ情報テーブル530、及び、ノード経路情報テーブル540の情報を送信し、各テーブルの更新を要求する(370)。
【0233】
データ記憶部211は、シーケンス370において受信した情報に基づいて各テーブルを更新する(375)。具体的には、データ記憶部211は、トラフィック情報テーブル500のトラフィックID501が、制限開始トラフィックIDである行の帯域制御状態513に”ON”を格納し、トラフィックID501が制限解除トラフィックIDである行の帯域制御状態513に”OFF”を格納する。また、その他の各テーブルの値を更新する。
【0234】
トランスポート制御サーバ100は、図9に示す処理を実行することによって、廃棄率が高く、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生しているトラフィックのネットワークに流入時の帯域を、ネットワークを流出時の帯域に制御させることができる。そして、流入時の帯域を流出時の帯域に制御させることによって、他のトラフィックへの影響を抑えることができる。
【0235】
トランスポート制御サーバ100は、輻輳状態が発生する前に、設定情報を生成することによって、輻輳を検知した場合において、素早くノード111を設定できる。このような、設定情報を事前に生成する処理について、図13及び図14を用いて説明する。
【0236】
図13は、本発明の第1の実施形態の設定情報を事前に生成する処理を示すシーケンス図である。
【0237】
図13に示すシーケンス305からシーケンス355と、図9に示すシーケンス305からシーケンス355とは、同じ処理である。
【0238】
シーケンス370において、パス設定部201は、データ記憶部211にトラフィック情報テーブル500、ノード帯域情報テーブル520、トポロジ情報テーブル530、及び、ノード経路情報テーブル540を送信し、テーブルの更新を要求する。シーケンス375において、データ記憶部211は、シーケンス370において受信された情報に基づいてテーブルを更新する。
【0239】
図13に示す処理は、所定の周期によって実行される。トランスポート制御サーバ100は、図13において、制限帯域509の算出までを実行し、ノード111の帯域を制限するための設定情報を、ノード111に送信しない。
【0240】
図14は、本発明の第1の実施形態の事前に生成された設定情報を用いて帯域制御する処理を示すシーケンス図である。
【0241】
図13に示す処理が所定の周期によって実行される場合において、ノード111が輻輳を検知した場合、図14に示す処理が実行される。なお、ノード111は、ノード帯域情報テーブル520の目標廃棄率5202をあらかじめ保持し、ノード111に備わる要素のうちいずれかの要素における廃棄率が目標廃棄率5202を超えた場合に、輻輳状態であると判定してもよい。
【0242】
ノード111−1は、輻輳を検知した後(336)、メッセージ送受信部206を介して、輻輳が検知されたことを経路・リソース計算部204に通知する。輻輳が検知された場合の通知には、一時的に膨大なトラフィックが発生し、突発的に廃棄率が高くなった場合に発生する臨時的な通知がある。
【0243】
さらに、臨時的な通知をノード111−1に送る場合には、トラフィックの帯域、リンクの帯域使用率、及び、廃棄率などの詳細な情報は送信せずに、廃棄率が高くなったことのみを通知する場合がある。これによって突発的なパケットの廃棄が発生した場合にも、ノード111は、速やかにトランスポート制御サーバ100に輻輳が検知されたことを通知できる。
【0244】
ステップ340において、経路・リソース計算部204は、データ記憶部211を参照し、トラフィック情報として、トラフィック情報テーブル500、ノード帯域情報テーブル520、トポロジ情報テーブル530、及び、ノード経路情報テーブル540を取得する。
【0245】
図14に示すステップ345〜ステップ375は、図9に示すステップ345〜ステップ375と同じ処理である。
【0246】
また、図13の処理によって設定情報が事前に生成され、その後、図14の処理によってノード111における帯域が制御される場合、制限帯域509を算出する処理は、図14に示すシーケンス345、又は、図13に示すシーケンス345のどちらにおいて実行されてもよい。
【0247】
(第2の実施形態)
図15は、本発明の第2の実施形態のリンクの増設個所を特定する処理を示すシーケンス図である。
【0248】
トランスポート制御サーバ100は、図15に示す処理によって、ノード111の経路のうちのどの経路(すなわち、リンク)を増設すべきかを判定するための情報を生成する。図15に示すシーケンス305〜シーケンス340と、図9のシーケンス305〜シーケンス340とは、同じ処理である。
【0249】
シーケンス380において、経路・リソース計算部204は、一つのトラフィックが廃棄されないという仮想的な状況において、ノード111の各経路(リンク)における廃棄率を算出することによって、仮想的な目標廃棄率を算出する。
【0250】
シーケンス380の処理の詳細を、図16を用いて説明する。
【0251】
図16は、本発明の第2の実施形態の仮想的な目標廃棄率を算出する処理を示すフローチャートである。
【0252】
(ステップ1400)
ステップ1400において、経路・リソース計算部204は、トラフィック情報テーブル500のオーバーフローフラグ508に”YES”が格納されている行のトラフィックID501、仮想NWID502、経由ノードID505、経由リンクID506、及び、測定帯域507を抽出する。すなわち、経路・リソース計算部204は、廃棄率が高く、かつ、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生したトラフィックに関する情報を抽出する。
【0253】
経路・リソース計算部204は、抽出された経由ノードID505、及び、経由リンクID506に相当する、トポロジ情報テーブル530のノードID531、及び、接続リンクID533を含む行を抽出し、抽出された行のポートID532を抽出する。すなわち、経路・リソース計算部204は、廃棄率が高く、かつ、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生したトラフィックが通過するポートID532を抽出する。
【0254】
経路・リソース計算部204は、抽出されたノードID531、仮想NWID502及びポートID532に相当する、ノード経路情報テーブル540のノードID541、仮想NWID542、ポートID543を含む行を抽出し、抽出された行のノードID541、仮想NWID542、ポートID543及び経由構成部544を取得する。すなわち、経路・リソース計算部204は、廃棄率が高く、かつ、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生したトラフィックが通過する、各ノード111の経路に関する情報を抽出する。
【0255】
そして、経路・リソース計算部204は、抽出されたノードID541、仮想NWID542及び経由構成部544に相当する、ノード帯域情報テーブル520のノードID521、仮想NWID523及び構成部522を含む行を抽出し、抽出された行の使用帯域527を抽出する。すなわち、経路・リソース計算部204は、二つ以上の輻輳状態が発生したトラフィックが通過する各ノード111の経路における、その他のトラフィックを含めたトラフィックの使用帯域527を抽出する。
【0256】
経路・リソース計算部204は、図11に示すステップ1100における式2によって算出された各経路を通過するトラフィックの帯域(Bh)によって、ステップ1400の前述の処理において抽出された使用帯域527を除算する。すなわち、経路・リソース計算部204は、廃棄率が高く、かつ、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生したトラフィックが通過する、各ノード111の経路における、その他のトラフィックの使用帯域を算出する。
【0257】
さらに、経路・リソース計算部204は、除算された結果に、抽出された測定帯域507の入口エッジノードにおける帯域を加算し、加算された結果を、ステップ1400の前述において抽出されたノード帯域情報テーブル520の行の使用帯域527と、制御時使用帯域529とに格納する。すなわち、経路・リソース計算部204は、輻輳が発生しない場合のトラフィックの帯域を、使用帯域527と制御時使用帯域529とに格納する。
【0258】
そして、経路・リソース計算部204は、ステップ1400の処理をトラフィック情報テーブル500のオーバーフローフラグ508に”YES”が格納されるすべてのトラフィック又はノード経路情報テーブル540の制御対象トラフィックID547のすべての行に含まれるすべてのトラフィックに対して実行する。
【0259】
第2の実施形態の制御時使用帯域529は、トラフィックの帯域を制限した場合の使用帯域ではなく、トラフィックがネットワークを通過する途中のリンクにおいて、トラフィックの廃棄が発生しないと仮定した場合の、各ノード111の経路における使用帯域を示す。
【0260】
(ステップ1405)
ステップ1400の後、ステップ1405において、経路・リソース計算部204は、ノード帯域情報テーブル520の各行のノードID521、構成部522、仮想NWID523、処理速度524及び制御時使用帯域529を抽出し、使用帯域が制御時使用帯域529である場合の目標廃棄率5202を算出する。目標廃棄率5202の算出は、例えば、式3等の待ち行列理論を用いて算出する。
【0261】
【数1】
・・・(式3)
【0262】
式3は、Bが目標廃棄率であり、aが呼量であり、Sが回線数であり、ρが使用帯域率(本実施形態の収容率525)、mがバッファー数又はキュー数であり、λが到着率であり、hがパケット伝送時間であり、Lが平均パケット長であり、vがリンクの帯域である。
【0263】
経路・リソース計算部204は、算出された目標廃棄率5202を、ノード帯域情報テーブル520に格納する。そして、すべてのノード帯域情報テーブル520の行に対して、目標廃棄率5202を算出する。
【0264】
シーケンス380の後、シーケンス385において、経路・リソース計算部204は、サービス受付部202に増設リンク情報として、ノード帯域情報テーブル520を送信する。そして、サービス受付部202は、管理端末に増設リンク情報を表示させる。
【0265】
そして、管理者等は、トランスポート制御サーバ100に接続される管理端末等を介して、増設リンク情報に含まれるノード帯域情報テーブル520の目標廃棄率5202を参照する。そして、目標廃棄率5202が大きいノードID521の構成部522の帯域が枯渇していることを認識することができる。そして、帯域が枯渇しているノード111のハードウェアを増強したり、トラフィックの経路を変更させたりすることができる。
【0266】
また、経路・リソース計算部204は、第1の実施形態における設定関連情報と、第2の実施形態における増設リンク情報とを、サービス受付部202に送信し、管理端末を介して管理者等に表示することによって、管理者に、トラフィックの帯域を制限するか、各ノード111又はリンクのリソースを増強するかを、選択させてもよい。
【0267】
第2の実施形態によれば、入口エッジノードにおけるトラフィックの帯域量によって、各ノード111における廃棄量を算出するため、どのノード111のどの要素を増強すればよいか的確に判定することができる。
【0268】
本実施形態によれば、帯域を制御すべきトラフィックを的確に抽出することができる。そして、抽出されたトラフィックの帯域を算出することによって、ネットワーク上における輻輳の影響を抑え、帯域制御に伴う制御サーバのプロセッサ及びメモリの圧迫を防ぐことができる。
【0269】
また、本実施形態のトランスポート制御サーバは、上記制御対象とするトラフィックを抽出するために、ネットワークの入口エッジノードと出口エッジノードとにおける各トラフィックの帯域の差分がある閾値以上のトラフィックであり、かつ、トラフィックが経由するノード111の経路の廃棄率545が目標廃棄率548より高いノード111の経路を2回以上経由するトラフィックを抽出する。そして抽出されたトラフィックを、ネットワークの入口エッジノードにおいて帯域を制限することによって、他のトラフィックが使用できる帯域を増やすことができる。
【0270】
さらに、本実施形態のトランスポート制御サーバは、制御対象トラフィックに対して、経由するノード111の経路における廃棄率526、制御時使用帯域529、目標収容率5201、及び、トラフィックの帯域の総和に基づいて、各ノード111の経路、すなわち、リンクに流すことが可能なトラフィックの帯域を算出することによって、一つのトラフィックのみならず、複数のトラフィックの帯域を考慮した上で、制御する帯域を算出できる。また、最低保障帯域504を考慮することによって、各トラフィックが最低限保持すべき帯域を、保持することが可能となる。
【0271】
また、本実施形態のトランスポート制御サーバは、ノード111に備わる要素毎に使用帯域527を保持することによって、トラフィックが通過する複数の要素を含む経路毎に、廃棄率を算出する。そして、各経路と、ノード111間の各リンクとが対応するため、各リンクにおける帯域をノード111の経路毎に制御することができる。
【0272】
また、本実施形態のトランスポート制御サーバは、制御対象のトラフィックを抽出することによって、トランスポート制御サーバ100及びノード111に備わるプロセッサ及びメモリに負荷をかけることによって、帯域制限をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0273】
本発明は、例えば、トラフィックの経路の候補を自動的に算出するネットワークシステムに適用することができる。
【符号の説明】
【0274】
100 トランスポート制御サーバ
111、111−1〜111−6 ノード
200 制御処理部
201 パス設定部
202 サービス受付部
204 経路・リソース計算部
205 通信特性計算部
206 メッセージ送受信部
207 通信特性測定部
210 通信IF
211 データ記憶部
209 トポロジ情報記憶部
212 帯域情報記憶部
213 トラフィック情報記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスポート制御サーバ(TCS:Transport Control Server)に関し、特に、トラフィックの帯域を制限するためのトランスポート制御サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のトランスポート制御システムにおいて、MPLS(Multi−Protocol Label Switching)などのパスを設定及び制御する場合、パスの経路を自動的に設計するための様々な技術が用いられている。
【0003】
ユーザが使用する従来のネットワークにおいて、ネットワークに流れるトラフィックの状態に柔軟に対応して、トラフィックを動的に制御するLAN型ネットワーク制御装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のLAN型ネットワーク制御装置は、LAN型ネットワーク制御装置を通過するパケットに関するトラフィック量が閾値を超えた場合、パケットの情報を保持するデータベースに基づいて各ユーザの情報を分析し、その分析結果に適合した帯域制御方法を選択する。そして、選択された帯域制御方法を用いて、帯域制御の実行し、又は、帯域制御を解除することによって、ネットワークの帯域を動的に制御する。
【0004】
また、受信したパケットの廃棄数と平均キュー長とを用いて、受信するパケットを廃棄するか否かを判定する装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2の装置は、装置が受信したパケットの廃棄数と平均キュー長とに基づいて、廃棄サイクル保持値を算出し、装置に備わる廃棄判定比較部によって、パケットの廃棄数と廃棄サイクル保持値とを比較する。そして、この比較の結果によって、受信したパケットを廃棄するか否かを判定し、パケットを廃棄する場合、パケット廃棄処理部によってキューに入力する前のパケットを廃棄する。これによって、特許文献2の装置は、高速かつ高効率に、パケットの輻輳を制御する。
【0005】
また、帯域情報だけでなく、パケットの処理性能を考慮することによって、呼の受付を制御する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
また、VoIPサービスなどの各種の通信サービスを提供するIPネットワークにおいて、IPネットワークに備わるサービスネットワークの輻輳を、効果的に制御するシステムが開示されている(例えば、特許文献4参照)。特許文献4のシステムは、輻輳制御サーバが制御メッセージのルーティングを規制する指示を、エッジノードに送信することによって、加入者収容ノードへの入力を規制する。これによって、特許文献4のシステムは、効果的に輻輳を制御する。
【0007】
また、ネットワークに備わる装置の空き容量推定部が、装置に備わるバッファーの空き容量を、現在の空き容量と、上流ノードからの最大データ量と、下流ノードへのデータ量とから推定することによって、ネットワーク全体のスループットを高く維持しつつ、輻輳の広がりを抑え、かつ、ネットワーク全体を輻輳状態から回復するための輻輳制御方法が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
【0008】
また、ネットワークに備わる装置の制御部が、装置の受信部によって受信された輻輳状態確認信号に基づいて、ユーザデータの輻輳が、ユーザデータの通過する経路上で発生しているか否かを判定し、これによって、ユーザデータの輻輳を正確に検出するネットワークシステムが開示されている(例えば、特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−217842号公報
【特許文献2】特開2005−094392号公報
【特許文献3】特開2010−004495号公報
【特許文献4】特開2008−172517号公報
【特許文献5】特開平9−224025号公報
【特許文献6】特開2010−028185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
複数のネットワーク装置が備わるネットワークにおいて、各ネットワーク装置を通過するトラフィックの輻輳を抑える場合、各ネットワーク装置における輻輳を考慮するだけでなく、ネットワーク全体を考慮する必要がある。すなわち、一つのネットワーク装置において発生する輻輳が、他のネットワーク装置に流れるトラフィックに与える影響を最小限にとどめるためには、ネットワーク全体のリンクを考慮し、輻輳に関係があり、他のトラフィックに影響を与えうるトラフィックのみを、帯域制御する必要がある。しかし、特に前述の従来技術の帯域制御及び輻輳制御において、ネットワーク全体のリンクは考慮されていない。
【0011】
さらに、同じネットワーク内で、異なるサービスレベルの通信を提供するためには、QoS制御の一つである、優先度の制御を考慮する必要がある。しかし、従来技術においてはQoS制御の優先度は考慮されていない。
【0012】
また、ある一定の帯域まで保障しつつ、輻輳の影響を最小限にとどめるためには最低保障帯域を考慮する必要がある。しかし、従来技術において、最低保障帯域は考慮されていない。
【0013】
さらに、これらを考慮した帯域制御を行うために、一つのネットワーク装置内だけではなく、ネットワーク全体のトラフィックを分析し、分析結果に基づいて帯域を計算する必要がある。しかし、ネットワーク全体のトラフィックをすべて分析する場合、分析対象が膨大になるため、トラフィックを分析するための制御サーバのプロセッサ(CPUを含む)及びメモリを圧迫する。
【0014】
本発明は、ネットワーク全体を考慮して、輻輳に関係があり、かつ、他のトラフィックに影響を与えうるトラフィックのみを抽出することを目的とする。そして、抽出されたトラフィックの帯域を制御することによって、プロセッサ及びメモリを圧迫することなく、抽出されたトラフィックが他のトラフィックに対して与える影響を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の代表的な一例を示せば以下のとおりである。すなわち、複数のトラフィックが各々通過する複数のノードに接続されるトランスポート制御サーバであって、前記複数のノードから、前記複数のトラフィックが前記各ノードを通過する際の帯域量の情報を受信し、前記受信された帯域量の情報から、前記各トラフィックが最初に通過する始点ノードにおける前記各トラフィックの帯域量と、前記各トラフィックが最後に通過する終点ノードにおける前記各トラフィックの帯域量とを抽出し、前記抽出された始点ノードにおける各トラフィックの帯域量と、前記抽出された終点ノードにおける各トラフィックの帯域量とに基づいて、前記各トラフィックが前記複数のノードを通過する際に廃棄される前記各トラフィックの帯域量を算出し、前記算出された廃棄される各トラフィックの帯域量と所定の第1の帯域量とを比較することによって、前記算出された廃棄される帯域量が大きい、一つ以上の第1のトラフィックを抽出し、前記受信された帯域の情報に基づいて、前記抽出された各第1のトラフィックが通過する二つ以上の前記ノードにおいて廃棄される前記トラフィックの帯域量が、所定の第2の帯域量を超える第2のトラフィックを、前記第1のトラフィックから抽出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施形態によると、輻輳に関係があり、他のトラフィックに影響を与えるトラフィックのみを抽出することができる。そして、制御サーバのプロセッサ及びメモリを圧迫することなく、帯域制御をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態のネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態のトラフィックを制御する例を示す説明図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のノードの論理的な構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態のトランスポート制御サーバの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態のトラフィック情報テーブルを示す説明図である。
【図6】本発明の第1の実施形態のノード帯域情報テーブルを示す説明図である。
【図7】本発明の第1の実施形態のトポロジ情報テーブルを示す説明図である。
【図8】本発明の第1の実施形態のノード経路情報テーブルを示す説明図である。
【図9】本発明の第1の実施形態の帯域制御をするトラフィックを抽出し、帯域制御する処理を示すシーケンス図である。
【図10】本発明の第1の実施形態の帯域を制御するトラフィックを抽出する処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施形態の制限帯域を算出する処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施形態の設定情報を生成する処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第1の実施形態の設定情報を事前に生成する処理を示すシーケンス図である。
【図14】本発明の第1の実施形態の事前に生成された設定情報を用いて帯域制御する処理を示すシーケンス図である。
【図15】本発明の第2の実施形態のリンクの増設個所を特定する処理を示すシーケンス図である。
【図16】本発明の第2の実施形態の仮想的な目標廃棄率を算出する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るネットワークシステムを図面に示した実施の形態を参照してさらに詳細に説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態のネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【0020】
第1の実施形態のネットワークシステムは、トランスポート制御サーバ100、及び、ノード111(ノード111−1〜111−n)を備える。第1のネットワークシステムに用いられるネットワークは、WAN、又は、インターネットなどの、複数のネットワーク装置を備えるネットワークである。また、本実施形態のネットワークは、仮想的に実装されたネットワークでもよい。
【0021】
トランスポート制御サーバ100は、ネットワークを通過するトラフィックを制御するための計算機である。トランスポート制御サーバ100は、画面表示及びシステム操作の手段を、管理者等に提供する管理端末を備える。
【0022】
トランスポート制御サーバ100は、複数のノード111に接続される。トランスポート制御サーバ100は、各ノード111を接続するパス(すなわち、経路)を設定する。パスを設定する技術には、例えば、MPLS(Multi−Protocol Label Switching)、MPLS−TP(MPLS Transport Profile)、PBB−TE(Provider Backbone Bridge Traffic Engineering)などがある。ノード111を接続するパスは、各ノード111が保持するVPN、音声、又は、動画などのサービスに対応して設定される。
【0023】
ノード111は、トランスポート制御サーバ100によって管理されるネットワーク装置である。ノード111は、トラフィックが通過するための経路を、MPLS等によって選択する、ルータ又はスイッチ等のネットワーク装置である。また、本実施形態のノード111は、仮想的に実装されたスイッチ等でもよい。
【0024】
本実施形態のトランスポート制御サーバ100は、各ノード111から送信されるトラフィックの量をノード111に指示することによって、ネットワークを通過するトラフィックの帯域を制御する。
【0025】
本実施形態のトランスポート制御サーバ100は、特定のトラフィックを制御する際に、ネットワークの入口及び出口における特定のトラフィックの帯域を考慮するだけでなく、特定のトラフィックが通過するノード111又はリンクを、特定のトラフィックと共に通過する他のトラフィックの帯域についても考慮する。また、各ノード111毎、又は各トラフィック毎にあらかじめ定められた、帯域量を考慮する。
【0026】
図2は、本発明の第1の実施形態のトラフィックを制御する例を示す説明図である。
【0027】
図2に示すネットワークには、第1の実施形態のノード111−1〜ノード111−6が備わる。ノード111は、リンクa〜リンクdによって各々接続される。ノード111−1とノード111−2とは、リンクaによって接続され、ノード111−2とノード111−4とは、リンクbによって接続され、ノード111−3とノード111−4とは、リンクcによって接続され、ノード111−4とノード111−5とは、リンクdによって接続され、ノード111−4とノード111−6とは、リンクeによって接続される。
【0028】
ここで、図2に示すネットワークにおいて、例えば、リンクb及びリンクdにおける帯域使用率又は廃棄率が高く、リンクbの余剰帯域が50Mbpsであり、リンクdの余剰帯域が10Mbpsであり、他のリンクの帯域使用率又は廃棄率が低い。余剰帯域とは、他のトラフィックを考慮した際にまだ流せるトラフィックの帯域である。
【0029】
さらに、図2に示すネットワークには、トラフィック1とトラフィック2とが通過する。トラフィック1は、ノード111−1からネットワークに流入し、ノード111−5を介してネットワークから流出する。ノード111−1及びノード111−5は、トラフィック1の端点、すなわち、エッジノードである。
【0030】
トラフィック1は、ノード111−2及びノード111−4を経由する。トラフィック1は、ノード111−1に流入する際、500Mbpsである。また、ノード111−5から流出する際、10Mbpsである。
【0031】
トラフィック2は、ノード111−1からネットワークに流入し、ノード111−6を介してネットワークから流出する。ノード111−1及びノード111−6が、トラフィック2のエッジノードである。
【0032】
トラフィック2は、ノード112及びノード114を経由する。トラフィック2は、ノード111に流入する際、40Mbpsである。また、ノード111−6から流出する際、4Mbpsである。
【0033】
図2に示すネットワークの例において、トラフィック1は、ノード111−5に接続されるリンクeの余剰帯域(10Mbps)が小さいため、ノード111−4において帯域を制限される。このため、ネットワークにおけるエッジノードからエッジノードまで(以下、End−to−Endと記載)、10Mbpsしか流れない。
【0034】
一方、ノード111−2は、トラフィックがネットワークにおいて経由するリンクbに、500Mbpsのトラフィック1を流そうとするため、リンクbの余剰帯域が枯渇する。そして、リンクbの余剰帯域が枯渇するため、ノード111−2は、トラフィック2の帯域をトラフィック1の帯域と共に制御してしまう。
【0035】
すなわち、トラフィック2は、ノード111−1からノード111−6までを通過するリンクa及びリンクeに十分な帯域があるにもかかわらず、トラフィック1から受ける影響によって、ノード111−2において、40Mbpsから4Mbpsに減らされてしまう。
【0036】
ここで、トラフィック1を、End−to−Endで流すことができる10Mbpsと同程度の帯域によって、リンクa及びリンクbを通過するように制御すれば、リンクbにおける余剰帯域は枯渇せず、トラフィック1がトラフィック2へ与える影響を抑えることができる。すなわち、ノード111−1がトラフィック1の帯域を、ノード111−5における帯域にあらかじめ制御しておけば、トラフィック1は、他に流れるトラフィックに影響を与えにくくなる。
【0037】
そして前述のようにノード111−1に、トラフィック1を制御させることによって、トラフィック1はEnd−to−Endにおいて流せる帯域を、10Mbps、すなわち、制御前の帯域にすることができる。さらに、リンクbの余剰帯域は、トラフィック1の帯域(10Mbps)の他に、40Mbpsの帯域が残される。このため、トラフィック2は、ノード111−2において、トラフィック2に含まれるパケットの一部を廃棄されることなく、ネットワークのEnd−to−Endにおいて40Mbpsの帯域によって通過することができる。
【0038】
ここで、前述のトラフィック1は、トラフィック2の帯域に影響を与える場合、ノード111−2とノード111−4との二つのノード111によって、帯域を減らされた。このため、第1の実施形態のトランスポート制御サーバ100は、End−to−Endにおいて減少する帯域を大きく、かつ、二つ以上のノード111において帯域に含まれるパケットを廃棄されているトラフィックを、本実施形態の帯域の制御対象とする。
【0039】
図3は、本発明の第1の実施形態のノード111の構成を示すブロック図である。
【0040】
ノード111は、前述のとおり、ネットワークにおけるトラフィックの経路を選択するためのネットワーク装置である。ノード111は、プロセッサ(CPUを含む)及びメモリを備える。プロセッサは、ノード111が保持する機能をメモリに読み込むことによって、ノード111が保持する機能を実行する。
【0041】
ノード111は、ノード111に接続されるリンクを介してトラフィックを受信し、トラフィックが次に送信されるリンクにおけるトラフィックの帯域を算出した後、算出された帯域によって、次のリンクへトラフィックを送信する機能を保持する。ノード111は、基本ユニット121、増設ユニット131、及び、それらを接続する共通部127などの要素を備える。
【0042】
基本ユニット121は、ノード111にあらかじめ備わるユニットである。基本ユニット121は、リンクを介して他のノード111から送信されたトラフィックを受信し、また、リンクを介して他のノード111にトラフィックを送信する。基本ユニット121は、インターフェース122(122−1、122−2)、インターフェース123(123−1、123−2)及び、共通部126を備える。
【0043】
共通部126は、インターフェース122と、インターフェース123とを接続する、スイッチングファブリック(FW)である。インターフェース122及びインターフェース123は、トラフィックを受信するためのインターフェースであり、各々一つ以上のポートを備える。インターフェース122は、例えばNNI(Network Network Interface)であり、インターフェース123は、例えばUNI(User Network Interface)である。
【0044】
ノード111に受信されたトラフィックは、インターフェース122又はインターフェース123に備わるポートによって受信され、共通部126を介して、他のインターフェース122又はインターフェース123に備わるポートから送信される。トラフィックによって、経由するインターフェース122、インターフェース123、及び、共通部126は異なる。インターフェース122、インターフェース123、及び、共通部126は、各々通過させることが可能なトラフィックの帯域を保持する。
【0045】
増設ユニット131は、必要に応じて、ノード111に増設されるユニットである。増設ユニット131は、インターフェース132(132−1、132−2)を備える。インターフェース132は、インターフェース122又はインターフェース123と同じであり、例えばNNIである。
【0046】
各トラフィックに対するノード111における余剰帯域は、トラフィックが経由するインターフェース122、インターフェース123、及び共通部126などの要素における、パケット処理速度及びバッファーサイズによって算出される。なお、トラフィックが経由するインターフェース122及びインターフェース123が定められると、トラフィックが通過するリンクが一意に決まるため、リンクにおける余剰帯域は、ノードにおける余剰帯域を算出することによって算出される。
【0047】
図4は、本発明の第1の実施形態のトランスポート制御サーバ100の構成を示すブロック図である。
【0048】
トランスポート制御サーバ100は、トラフィックの帯域を、ノード111に指示する計算機である。トランスポート制御サーバ100は、通信IF210、データ記憶部211、及び、制御処理部200を備える。また、トランスポート制御サーバ100は、プロセッサ、揮発性の記憶装置(メモリなど)、及び、不揮発性の記憶装置(ハードディスクドライブなど)等を備える計算機である。
【0049】
通信IF210は、直接あるいはEMS(Element Management System)を介して、ノード111にパスを設定、削除、又は変更する。また、通信IF210は、ノード111が保持する情報を送信する指示を含むメッセージを、ノード111に送信する。そして、情報を含むメッセージをノード111から受信する。
【0050】
データ記憶部211は、制御処理部200によって値を参照されたり、値を更新されたりする。データ記憶部211は、トランスポート制御サーバ100に備わる不揮発性の記憶装置等に格納される。データ記憶部211は、トポロジ情報記憶部209、帯域情報記憶部212、及び、トラフィック情報記憶部213を備える。
【0051】
トポロジ情報記憶部209は、各ノード111が接続されるリンク及び他のノード111を示す情報を保持する記憶部である。トポロジ情報記憶部209は、後述するトポロジ情報テーブル530を保持する。
【0052】
帯域情報記憶部212は、各ノード111に備わる要素に関する情報を保持する記憶部である。帯域情報記憶部212は、後述するノード帯域情報テーブル520及びノード経路情報テーブル540を保持する。
【0053】
トラフィック情報記憶部213は、ネットワークにおける各トラフィックの情報を保持する記憶部である。トラフィック情報記憶部213は、後述するトラフィック情報テーブル500を保持する。
【0054】
制御処理部200は、データ記憶部211に保持される値を参照し、各トラフィックの帯域を算出し、算出された各トラフィックの帯域をノード111に指示する機能である。制御処理部200は、パス設定部201、サービス受付部202、経路・リソース計算部204、通信特性計算部205、通信特性測定部207、及びメッセージ送受信部206の機能を含む。制御処理部200に含まれる機能は、トランスポート制御サーバ100に備わる不揮発性の記憶装置に保持されたプログラムが、プロセッサによって揮発性の記憶装置において実行されることによって、実現される。
【0055】
パス設定部201は、各トラフィックの帯域を示す情報に基づいて、トラフィックの帯域を設定するためのデータを生成するための機能である。パス設定部201によって用いられる情報が示す各トラフィックの帯域は、経路・リソース計算部204によって算出される。
【0056】
経路・リソース計算部204は、各トラフィックの帯域を算出し、算出されたトラフィックの帯域を、データ記憶部211に格納するための機能である。経路・リソース計算部204が帯域を算出するトラフィックは、通信特性計算部205によって抽出されたトラフィックである。
【0057】
通信特性計算部205は、入口及び出口のトラフィックの帯域情報と、各リンクの帯域使用率及び廃棄率とに基づいて、帯域を算出するトラフィックを抽出するための機能である。通信特性計算部205によって用いられるトラフィックの帯域情報等は、通信特性測定部207によって測定される。
【0058】
通信特性測定部207は、ネットワーク通過するトラフィックの、各エッジノードにおける帯域と、各リンクの帯域使用率及び廃棄率とを測定するための機能である。
【0059】
サービス受付部202は、トランスポート制御サーバ100に接続される管理端末のGUI等を介して、トラフィックの帯域を表示するための機能である。サービス受付部202は、パス設定部201によって帯域を設定するためのデータが生成され、帯域制御に関する情報を表示するよう、ネットワーク運用管理者によって要求された際に、トラフィックの帯域を表示してもよい。また、帯域を制限することによって帯域制御をしたトラフィックを示す情報、及び、制限した帯域を表示してもよい。
【0060】
メッセージ送受信部206は、パス設定部201によって生成されたデータに基づいて、トラフィックが通過するパスを設定、変更、又は、削除するためのメッセージを作成し、通信IF210を介してノード111に送信する。
【0061】
また、メッセージ送受信部206は、通信IF210がノード111の情報に関するメッセージを、ノード111から収集した際、収集されたメッセージを解釈し、経路・リソース計算部204、又は通信特性計算部205に送信する。
【0062】
第1の実施形態のトランスポート制御サーバ100は、ノード111に備わる要素毎に、帯域使用率及び廃棄率を算出することによって、ノード111における帯域使用率及び廃棄率を、トラフィック毎に測定していない場合も、ノード111の実装状況に従って、正確な廃棄率の算出が可能になる。
【0063】
また、ノード111を複数の仮想ネットワークに属する複数の仮想ノードとして認識し、仮想ネットワーク毎にノード111のリソースが分割されることによって、ノード111を仮想化ネットワークに適用可能になる。さらに仮想ネットワーク毎のリソースを考慮してトラフィックを抽出し、抽出されたトラフィックを制限する帯域を算出することによって、仮想ネットワーク毎に異なるポリシーを反映した帯域制限が可能になる。また、ノード111の要素単位で仮想ネットワークの帯域を算出することによって、ノード111に備わる要素毎に仮想ネットワークに分割することができ、フレキシビリティの高いトラフィックの分析、及び、それに対応した制限帯域の算出が可能である。
【0064】
次に、データ記憶部211が保持するテーブルを示す。
【0065】
図5は、本発明の第1の実施形態のトラフィック情報テーブル500を示す説明図である。
【0066】
トラフィック情報テーブル500は、トラフィック情報記憶部213に格納される。トラフィック情報テーブル500は、トラフィックID501、仮想NWID502、端点ノードID503、最低保障帯域504、経由ノードID505、経由リンクID506、測定帯域507、オーバーフローフラグ508、帯域制御状態513、制限帯域509、平均差分帯域510、バースト差分帯域511、及び、制限差分帯域512を含む。
【0067】
トラフィックID501は、ネットワークを通過する各トラフィックを、一意に示す識別子である。仮想NWID502は、ネットワークに実装される仮想ネットワークを一意に示す識別子である。
【0068】
なお、本実施形態のネットワークは、仮想ネットワークを実装されなくてもよい。仮想ネットワークが実装されない場合は、仮想NWID502及び後述する仮想NWID523、及び仮想NWID542は不要である。
【0069】
端点ノードID503は、トラフィックがネットワークへ流入する際のエッジノード(以下、入口エッジノードと記載)と、トラフィックがネットワークから抽出する際のエッジノード(以下、出口エッジノードと記載)を一意に示す識別子である。
【0070】
最低保障帯域504は、各ノード111が各トラフィックに最低限保障しなければならない帯域(Mbps、Gbps)である。各トラフィックは、最低保障帯域504が示す帯域よりも低い帯域によって、ネットワークを通過しないように制御される。
【0071】
最低保障帯域504を保持することによって、本実施形態のトランスポート制御サーバ100は、各トラフィックに最低保障帯域504に示す帯域を保障し、さらに、制御対象のトラフィックの制限帯域509を算出することができる。
【0072】
経由ノードID505は、ネットワークにおいて各トラフィックが経由するノード111を一意に示す識別子である。図5に示す経由ノードID505には、端点ノードID503に含まれるノード111も含め、ネットワークにおいてトラフィックが経由するすべてのノード111の識別子が格納される。
【0073】
経由ノードID505を保持することによって、本実施形態のトランスポート制御サーバ100は、トラフィックの経路を考慮して、制御対象のトラフィックを抽出することが可能になる。また、トラフィックが制御された後の、各ノード111における帯域量(後述する制御時使用帯域529)を算出することが可能になる。
【0074】
経由リンクID506は、トラフィックが経由するリンクを示す識別子である。経由リンクID506を保持することによって、本実施形態のトランスポート制御サーバ100は、トラフィックが経由する経由ノードID505の、どの経路を経由するかを考慮して、制御対象のトラフィックを抽出することが可能であり、また、制限帯域509を算出することが可能である。
【0075】
トラフィックID501、仮想NWID502、端点ノードID503、最低保障帯域504、経由ノードID505及び経由リンクID506には、あらかじめ管理者等によって値が格納される。
【0076】
なお、経由ノードID505及び経由リンクID506に格納される値は、トラフィックがノード111又はリンクを通過する順に格納されてもよい。すなわち、トランスポート制御サーバ100が、トラフィックが通過する順番を識別できるように、トラフィックが通過する順に格納されてもよい。又は、トラフィックが通過する順番を示す符号を、各々付加されてもよい。
【0077】
測定帯域507は、入口エッジノードと出口エッジノードとにおける各トラフィックの帯域である。入口エッジノードと出口エッジノードとの両方の帯域を測定することによって、本実施形態のトランスポート制御サーバ100は、トラフィックの帯域だけでなく、トラフィックの廃棄率も算出することができる。そして、廃棄率を考慮して、制御するべきトラフィックを抽出することが可能になる。
【0078】
オーバーフローフラグ508は、入口エッジノードと出口エッジノードとにおいて、測定された帯域の差が大きいトラフィックのうち、帯域使用率又は廃棄率の高いリンクを複数回経由するトラフィックか否かを示すフラグである。
【0079】
すなわち、オーバーフローフラグ508が、”Yes”である場合、該当するトラフィックID501が示すトラフィックは、本実施形態の制御対象であることを示し、トランスポート制御サーバ100は、該当するトラフィックID501が示すトラフィックの帯域を、入口エッジノードにおいて制御する指示を生成する。
【0080】
そして、オーバーフローフラグ508が、”No”である場合、該当するトラフィックID501が示すトラフィックは、本実施形態の制御対象ではない。
【0081】
帯域制御状態513は、入口エッジノードにおいて、トラフィックの帯域を制御しているか否かを示すフラグである。すなわち、トラフィックに本実施形態の帯域の制御をしたか否かを示すフラグである。
【0082】
帯域制御状態513が”OFF”である場合、該当するトラフィックID501が示すトラフィックは、入口エッジノードにおいて帯域を制御されていないことを示す。また、帯域制御状態513が”ON”である場合、該当するトラフィックID501が示すトラフィックは、入口エッジノードにおいて帯域を制御されていることを示す。
【0083】
トランスポート制御サーバ100は、オーバーフローフラグ508と帯域制御状態513とを各々保持することによって、帯域制御に長い時間がかかり、トラフィックが本実施形態の制御対象であるか否かの判定の周期と、トラフィックの帯域を制御する周期とが異なる場合においても、ネットワークの状況に従ってオーバーフローフラグ508の最新の情報を保持することができる。
【0084】
制限帯域509は、入口エッジノードにおいて、制御対象のトラフィックを制限する帯域量を示す。トランスポート制御サーバ100は、制限帯域509が示す帯域量に、入口エッジノードにおけるトラフィックの帯域量を制限する。
【0085】
平均差分帯域510は、入口エッジノードと出口エッジノードとにおけるトラフィックの帯域の差分の時間平均である。
【0086】
バースト差分帯域511は、トラフィックの、入口エッジノードにおける帯域と出口エッジノードにおける帯域との差分の、一定時間内における最大値である。平均差分帯域510とバースト差分帯域511との両方を保持することによって、トランスポート制御サーバ100は、制限帯域509に格納される値を、より正確に算出することが可能になる。
【0087】
制限差分帯域512は、トラフィックを帯域制御する対象とするか否かを判定するための指標である。トランスポート制御サーバ100は、入口エッジノードと出口エッジノードとにおけるトラフィックの帯域の差分と、制限差分帯域512とを比較することによって、トラフィックを帯域制御する対象とするか否かを判定する。
【0088】
測定帯域507に格納される、入口エッジノードにおける帯域と出口エッジノードにおける帯域との差分が、制限差分帯域512を超えている場合、トランスポート制御サーバ100は、トラフィックがネットワークにおいて過剰に廃棄されていると判定する。制限差分帯域512には、管理者等によって、あらかじめ値が格納される。
【0089】
制限差分帯域512を、トラフィック毎に管理することによって、トランスポート制御サーバ100は、トラフィック毎に柔軟に帯域制御することが可能になる。また、トランスポート制御サーバ100は、制限差分帯域512を、廃棄される帯域量の下限とすることによって、各トラフィックのQoSを制御することができる。
【0090】
さらに、トランスポート制御サーバ100は、仮想NWID502毎に制限差分帯域512を管理することによって仮想NW毎に帯域を制御することができる。
【0091】
図6は、本発明の第1の実施形態のノード帯域情報テーブル520を示す説明図である。
【0092】
ノード帯域情報テーブル520は、トポロジ情報記憶部209に保持される。ノード帯域情報テーブル520は、ノードID521、構成部522、仮想NWID523、処理速度524、収容率525、廃棄率526、使用帯域527、制御時使用帯域529、目標収容率5201、及び、目標廃棄率5202を含む。ノード帯域情報テーブル520によって、各要素における廃棄率526に基づいて正確に制御対象のトラフィックを抽出することが可能である。
【0093】
また、本実施形態において、各ノード111の各経路におけるトラフィックの廃棄率は、ノード111によって測定されない。しかし、ノード帯域情報テーブル520によって、トランスポート制御サーバ100は、各ノード111の各経路におけるトラフィックの廃棄率を算出することができる。
【0094】
ノードID521は、ノード111を一意に識別するための識別子である。図5に示す端点ノードID503及び経由ノードID505に格納される値は、ノードID521に格納される値に相当する。
【0095】
構成部522は、ノード111に備わる各要素を一意に識別する識別子である。構成部522に格納される値は、例えば、図3に示すインターフェース122、123、及び132に備わるポートと、共通部126、127とに対応する。
【0096】
例えば、ノード111のインターフェース122に備わるポートの一つの識別子が”1”である場合、522に格納される値は、”ポート1”である。また、ノード111の共通部126の識別子が”共通1”である場合、構成部522に格納される値は、”共通1”である。
【0097】
仮想NWID523は、ノード111が含まれる仮想ネットワークを、一意に識別するための識別子である。仮想NWID523は、図5に示す仮想NWID502の値に相当する。
【0098】
ノード111は、仮想ネットワークを、各ノード111における経路毎に割り当てることが可能である。すなわち、各ノード111の各要素は、仮想的に分割することが可能である。そして、処理速度524、収容率525、廃棄率526、使用帯域527、制御時使用帯域529、目標収容率5201、及び、目標廃棄率5202は、仮想ネットワーク毎に値を格納されることが可能である。
【0099】
なお、ノード111に仮想ネットワークが割り当てられない場合、仮想NWID523は削除されてもよい。
【0100】
処理速度524は、各要素において処理可能な一つ以上のトラフィックの帯域量である。各要素において処理されるトラフィックは、複数であってもよい。処理速度524には、管理者等によってあらかじめ値が格納される。
【0101】
収容率525は、各要素の処理速度524に対する、使用帯域527の割合である。すなわち、各要素が処理できる帯域量に対する、各要素を通過する一つ以上のトラフィックの帯域量を示す。廃棄率526は、トラフィックに含まれるパケットが各要素において廃棄される割合である。
【0102】
使用帯域527は、構成部522が示す要素を通過するトラフィックの帯域量である。使用帯域527は、リアルタイムのトラフィックの帯域量の値、時間平均のトラフィックの帯域量の値、又は、一定時間内の最大トラフィックの帯域量等の値のいずれであってもよい。
【0103】
制御時使用帯域529は、本実施形態によって算出された制限帯域509の値によって、入口エッジノードにおいてトラフィックの帯域が制限された場合の、使用帯域である。
【0104】
目標収容率5201は、各要素が目標とするトラフィックの使用帯域の割合である。目標収容率5201には、管理者等によってあらかじめ値が格納される。収容率525が、同じ行の目標収容率5201より大きい場合、同じ行の構成部522が示す要素には、過剰のトラフィックが通過していることを示す。
【0105】
目標廃棄率5202は、目標収容率5201が示す値によって、トラフィックの帯域を制御した場合に予想される廃棄率である。目標廃棄率5202も、目標収容率5201とともに、管理者等によってあらかじめ値が格納される。
【0106】
目標収容率5201及び目標廃棄率5202を各ノード111の仮想NWID523、又は、構成部522毎に管理することによって、要素毎に廃棄率526を算出したり、制御時使用帯域529を算出したりすることが可能になり、トランスポート制御サーバ100は、トラフィックの帯域を細かく制御することができる。
【0107】
図7は、本発明の第1の実施形態のトポロジ情報テーブル530を示す説明図である。
【0108】
トポロジ情報テーブル530は、トポロジ情報記憶部209に保持される。トポロジ情報テーブル530は、ノードID531、ポートID532、接続リンクID533、隣接ノードID534、及び、接続ノードのポートID535を含む。
【0109】
ノードID531は、ノード111を一意に識別するための識別子である。ノードID531は、図6に示すノードID521の値、並びに、図5に示す端点ノードID503の値及び経由ノードID505の値に相当する。
【0110】
ポートID532は、ノードID531が示すノード111に備わるポートを、一意に識別するための識別子である。ポートID532の値は、図6に示す構成部522の値に相当する。
【0111】
接続リンクID533は、ポートID532が示すポートに接続されるリンクを、一意に識別するための識別子である。接続リンクID533の値は、図5に示す経由リンクID506の値に相当する。
【0112】
隣接ノードID534は、同じ行の接続リンクID533を経由して、同じ行のノードID531に接続されるノード111を示す識別子である。隣接ノードID534の値は、ノードID531の値、図6に示すノードID521の値、並びに、図5に示す端点ノードID503の値及び経由ノードID505の値に相当する。
【0113】
接続ノードのポートID535は、同じ行の隣接ノードID534が示すノード111が備えるポートのうち、同じ行の接続リンクID533に接続されるポートを一意に示す識別子である。接続ノードのポートID535の値は、ポートID532の値、及び、図6に示す構成部522の値に相当する。
【0114】
なお、図7に示すトポロジ情報テーブル530は、図2に示すノード111−1〜ノード111−6とリンクa〜eとを備えるネットワークのトポロジに相当する。
【0115】
図8は、本発明の第1の実施形態のノード経路情報テーブル540を示す説明図である。
【0116】
ノード経路情報テーブル540は、帯域情報記憶部212に保持される。ノード経路情報テーブル540は、ノード111においてトラフィックが経由する要素の組み合わせ毎の廃棄率を示す。
【0117】
ノード経路情報テーブル540を保持することによって、トランスポート制御サーバ100は、ノード111の経路毎のトラフィックの廃棄率を、各経路に含まれる要素の廃棄率から再度算出することなく抽出することができる。ノード経路情報テーブル540に示す廃棄率は、複数のトラフィックがノード111の経路において廃棄される廃棄率である。
【0118】
ノード経路情報テーブル540は、ノードID541、仮想NWID542、ポートID543、経由構成部544、廃棄率545、輻輳フラグ546、制御対象トラフィックID547、及び、目標廃棄率548を含む。
【0119】
ノードID541は、ノード111を示す識別子である。そして、図7に示すノードID531の値、図6に示すノードID521の値、並びに、図5に示す端点ノードID503の値及び経由ノードID505の値に相当する。
【0120】
仮想NWID542は、仮想ネットワークを示す識別子である。そして、図6に示す仮想NWID523、及び、図5に示す仮想NWID502の値に相当する。なお、ノード111に仮想ネットワークが割り当てられない場合、仮想NWID542は削除されてもよい。
【0121】
ポートID543は、ノード111に備わるポートの識別子であり、図7に示すポートID532、及び、接続ノードのポートID535に相当する。ポートID543には、二つのポートIDが含まれ、一つ目のポートIDは、トラフィックがノード111に入力される際のポート(以下、入口ポートと記載)を示し、二つ目のポートIDは、トラフィックがノード111から出力される際のポート(以下、出口ポートと記載)を示す。
【0122】
経由構成部544は、ポートID543が示すノード111の入口ポートと出口ポートとの間の、トラフィックが通過する要素を示す。経由構成部544は、図6に示す構成部522に相当する。
【0123】
ポートID543と、経由構成部544との組は、各ノード111においてトラフィックが通過する経路を示す。
【0124】
廃棄率545は、ポートID543が示す入口ポートと出口ポートとの間における廃棄率である。廃棄率545は、同じ行の経由構成部544に対応する、図6に示す構成部522の廃棄率526を加算することによって算出される。
【0125】
輻輳フラグ546には、ポートID543が示す入口ポートと出口ポートとの間における廃棄率が、ある所定の閾値以上の場合、輻輳状態を示すフラグが格納される。本実施形態の輻輳フラグ546には、廃棄率545が目標廃棄率548を超えた場合、輻輳状態であることを示す”YES”が輻輳フラグ546に格納される。そして、廃棄率545が目標廃棄率548を超えない場合、輻輳状態ではないことを示す”NO”が輻輳フラグ546に格納される。
【0126】
輻輳フラグ546を保持することによって、トランスポート制御サーバ100は、廃棄率545が短い時間間隔で更新される場合も、廃棄率545が更新される時間間隔よりも長い時間において輻輳状態を判定することが可能になる。すなわち、短い時間間隔によって輻輳状態を判定する必要がないため、トランスポート制御サーバ100に備わるプロセッサ及びメモリの処理の負担を軽減できる。
【0127】
制御対象トラフィックID547は、ポートID543が示す入口ポートと出口ポートとの間を通過するトラフィックのうち、同じ行の輻輳フラグ546が輻輳状態を示す場合において、制御対象になるトラフィックの識別子を示す。制御対象トラフィックID547の値は、図5に示すトラフィックID501の値に相当する。
【0128】
制御対象トラフィックID547を保持することによって、トランスポート制御サーバ100は、輻輳フラグ546が更新された際、制御対象のトラフィックを再度判定することなく、速やかに帯域を制御するトラフィックを抽出することができる。そして、その結果トラフィックの帯域の制御が可能になる。
【0129】
目標廃棄率548は、各経路において目標となる廃棄率であり、あらかじめ管理者等によって値が格納される。廃棄率545に示す値が目標廃棄率548の値を超える場合、トランスポート制御サーバ100は、同行のノードID541の仮想NWID542のポートID543が示すポートを、輻輳状態になっていると判定する。目標廃棄率548は、各経路において輻輳が発生しているか否かを判定するための閾値である。
【0130】
目標廃棄率548をノードID541、仮想NWID542、及び、ポートID543毎に管理することによって、トランスポート制御サーバ100は、ノード111が備える装置などを考慮し、柔軟に目標廃棄率548を設定できる。
【0131】
図9は、本発明の第1の実施形態の帯域制御をするトラフィックを抽出し、帯域制御する処理を示すシーケンス図である。
【0132】
図9に示す処理はトランスポート制御サーバからの指示によって開始されてもよいし、いずれかのノード111において、輻輳状態が発生し始めた時に開始されてもよい。図9に示すノード111は、五つであるが、本実施形態のノード111は一つ以上であればいくつであってもよい。
【0133】
なお、ノード111は、ノード帯域情報テーブル520の目標廃棄率5202をあらかじめ保持し、ノード111に備わる要素のうちいずれかの要素における廃棄率が目標廃棄率5202を超えた場合に、輻輳状態であると判定してもよい。
【0134】
シーケンス305において、ノード111−1〜ノード111−5は、仮想ネットワーク毎、及び、ノード111に備わる要素毎に、自らを通過するトラフィックの帯域量及び廃棄率を測定する。また、各トラフィックのエッジノードであるノード111は、入口エッジノードにおけるトラフィックの帯域と、出口エッジノードにおけるトラフィックの帯域とを測定する。シーケンス305において測定された情報を、以下において測定値情報と記載する。
【0135】
シーケンス305において、トラフィックの量が多いことなどの理由によって、すべてのトラフィックの帯域を測定しきれない場合、ノード111は、いくつかの主要なトラフィックのみを抽出し、抽出されたトラフィックを測定する。ここで、抽出される主要なトラフィックは、トラフィック量が多いトラフィックであってもよい。
【0136】
また、ノード111は、シーケンス305において、各トラフィックが通過するノード111と、リンクと、ノード111に備わる要素との接続関係を、測定値情報に加えてもよい。
【0137】
シーケンス310においてノード111−1〜ノード111−5は、シーケンス305において取得された測定値情報を、トランスポート制御サーバ100のメッセージ送受信部206に送信する。シーケンス315において、メッセージ送受信部206は、ノード111から送信された測定値情報を、通信特性測定部207に送信する。
【0138】
シーケンス320において、通信特性測定部207は、メッセージ送受信部206から受信した測定値情報から、トラフィック情報テーブル500の測定帯域507、並びに、ノード帯域情報テーブル520の収容率525、及び廃棄率526に相当する値を抽出する。そして、抽出された値によって、データ記憶部211に保持されるトラフィック情報テーブル500とノード帯域情報テーブル520とを更新するよう、データ記憶部211に指示する。
【0139】
なお、通信特性測定部207は、データ記憶部211に各テーブルを更新するよう指示する際に、処理速度524と収容率525とを乗じることによって、使用帯域527を算出してもよい。そして、算出された使用帯域527を格納するよう、データ記憶部211に指示してもよい。
【0140】
また、通信特性測定部207は、シーケンス320において、メッセージ送受信部206から受信した測定値情報から、トラフィック情報テーブル500の端点ノードID503、経由ノードID505、及び経由リンクID506と、トポロジ情報テーブル530と、ノード経路情報テーブル540のポートID543、及び経由構成部544とに相当する値を抽出してもよい。そして、抽出された値によって、トラフィック情報テーブル500、トポロジ情報テーブル530、ノード経路情報テーブル540を更新するよう、データ記憶部211に指示してもよい。
【0141】
シーケンス324において、データ記憶部211は、通信特性測定部207から、抽出された値を受信した後、トラフィック情報テーブル500、ノード帯域情報テーブル520、トポロジ情報テーブル530、及び、ノード経路情報テーブル540を更新する。
【0142】
シーケンス330において、通信特性計算部205は、データ記憶部211を参照し、トラフィック情報テーブル500、ノード帯域情報テーブル520、ノード経路情報テーブル540、及び、トポロジ情報テーブル530を取得する。
【0143】
シーケンス335において、通信特性計算部205は、データ記憶部211から取得されたトラフィック情報テーブル500、ノード帯域情報テーブル520、トポロジ情報テーブル530、及び、ノード経路情報テーブル540に基づいて、トラフィック情報テーブル500のオーバーフローフラグ508、ノード経路情報テーブル540の廃棄率545、輻輳フラグ546、及び、制御対象トラフィックID547を更新する。
【0144】
シーケンス335の処理の詳細を、図10を用いて説明する。
【0145】
図10は、本発明の第1の実施形態の帯域を制御するトラフィックを抽出する処理を示すフローチャートである。
【0146】
(ステップ1005)
通信特性計算部205は、ステップ1005において、ノード経路情報テーブル540の各行のうち、一つの行のノードID541、仮想NWID542、及び、経由構成部544を抽出する。そして、通信特性計算部205は、抽出されたノードID541、経由構成部544及び仮想NWID542に相当する、ノード帯域情報テーブル520のノードID521、構成部522及び仮想NWID523を含むノード帯域情報テーブル520の行を抽出し、抽出された行の廃棄率526を抽出する。すなわち、通信特性計算部205は、各ノード111の各要素における廃棄率526を抽出する。
【0147】
ここで、抽出された経由構成部544に複数の識別子が含まれる場合、通信特性計算部205は、すべての識別子に対応する廃棄率526を抽出する。そして、抽出された廃棄率526に基づいて、各経由構成部544の廃棄率545を算出する。各経由構成部544の廃棄率545は、抽出された廃棄率526を、式1によって処理することによって算出される。
【0148】
抽出された各廃棄率526を、ρ1、ρ2、ρ3、・・・、ρN(0<ρ<1)とした場合、各経由構成部544における廃棄率Ρは、例えば式1によって算出される。
【0149】
Ρ=1−(1−ρ1)*(1−ρ2)*(1−ρ3)*(1−ρN)・・・(式1)
通信特性計算部205は、算出された廃棄率Pを、ノード経路情報テーブル540の各経由構成部544の廃棄率545に格納する。
【0150】
さらに、通信特性計算部205は、算出された廃棄率545と、廃棄率545が算出された行の目標廃棄率548とを比較する。そして比較の結果、目標廃棄率548より廃棄率545が高い場合、同じ行の輻輳フラグ546に”YES”を格納する。輻輳フラグ546に”YES”が格納される場合、前述のとおり、対応する行が示す経路において、輻輳状態が発生していることを示す。
【0151】
また、目標廃棄率548より廃棄率545が低い場合、同じ行の輻輳フラグ546に”NO”を格納する。輻輳フラグ546に”NO”が格納される場合、前述のとおり、対応する行が示す経路において、輻輳状態が発生していないことを示す。
【0152】
そして、通信特性計算部205は、ステップ1005における前述の処理によって、ノード経路情報テーブル540のすべての行の廃棄率545を算出し、輻輳フラグ546に値を格納する。
【0153】
輻輳フラグ546が輻輳状態を示す場合、同じ行のポートID543及び経由構成部544が示す経路は、帯域が枯渇し、かつ、トラフィックが廃棄されている経路である。すなわち、輻輳フラグ546が輻輳状態である経路は、ボトルネックであることを示す。ステップ1005において、通信特性計算部205は、ボトルネックとなる経路を抽出することができる。
【0154】
(ステップ1010)
ステップ1005の後、ステップ1010において、通信特性計算部205は、トラフィック情報テーブル500の各行のうち、一つの行の測定帯域507及び制限差分帯域512を抽出する。そして、抽出された測定帯域507に含まれる入口エッジノードにおけるトラフィックの帯域から、測定帯域507に含まれる出口エッジノードにおけるトラフィックの帯域を減算することによって、ネットワークにおいてトラフィックが廃棄された量を算出する。そして、トラフィックが廃棄された量と、抽出された制限差分帯域512とを比較する。
【0155】
そして、比較の結果、ネットワークにおいてトラフィックが廃棄された量が大きい場合、抽出された測定帯域507を含む行は、廃棄率が高いトラフィックの情報を示す。このため、通信特性計算部205は、抽出された測定帯域507を含む行と同じ行のトラフィックID501を抽出する。
【0156】
さらに、通信特性計算部205は、トラフィック情報テーブル500のすべての行に、ステップ1010の前述のように処理する。すなわち、通信特性計算部205は、ステップ1010において、ネットワークを通過する際の廃棄率が高いトラフィックを抽出する。
【0157】
なお、通信特性計算部205は、ステップ1010において、トラフィックが廃棄された量と制限差分帯域512とを比較する際、平均差分帯域510又はバースト差分帯域511を、トラフィックが廃棄された量として用いてもよい。平均差分帯域510及びバースト差分帯域511は、ノード111から測定値情報を受信した後、トランスポート制御サーバ100の通信特性測定部207等によって算出されてもよい。
【0158】
(ステップ1015)
ステップ1010の後、ステップ1015において通信特性計算部205は、ステップ1010において抽出されたトラフィックID501と同じ行の仮想NWID502と、経由ノードID505と、経由リンクID506とを、さらに抽出する。そして、抽出された経由ノードID505及び経由リンクID506に相当する、トポロジ情報テーブル530のノードID531及び接続リンクID533を含む行を抽出し、ノードID531とポートID532との組を抽出する。
【0159】
すなわち、通信特性計算部205は、廃棄率が高いトラフィックが、ネットワークにおいて通過するノード111と、リンクと、ポートとの組を抽出する。
【0160】
なお、抽出された経由ノードID505及び経由リンクID506に、複数の値が格納される場合、ノードID531とポートID532との組も複数抽出される。具体的には、経由ノードID505の値が、端点ノードID503に含まれる値と同じである場合、抽出された経由ノードID505は、エッジノードを示すため、一つのノードID531に対して一つのポートID532が抽出される。そして、経由ノードID505の値が、端点ノードID503に含まれない場合、一つのノードIDに対して二つのポートID532が抽出される。
【0161】
そして、通信特性計算部205は、抽出されたノードID531とポートID532との組と、抽出された仮想NWID502に相当する、ノード経路情報テーブル540のノードID541とポートID543との組と、仮想NWID542とを含む行をノード経路情報テーブル540から抽出する。
【0162】
すなわち、通信特性計算部205は、廃棄率が高いトラフィックが通過する各ノード111の経路を示す、ノード経路情報テーブル540の行を抽出する。ここで抽出される行は、複数でよい。
【0163】
そして通信特性計算部205は、抽出された行の輻輳フラグ546を参照する。すなわち、通信特性計算部205は、廃棄率が高いトラフィックが通過する各ノード111の経路の中で、どの経路において輻輳状態が発生しているか否かを示す情報を参照する。
【0164】
さらに、通信特性計算部205は、ステップ1010において抽出されたトラフィックID501と同じ行の経由ノードID505及び経由リンクID506に含まれるすべてのノードID及びリンクIDに対して、前述の処理を行う。これによって、ステップ1010において抽出されたトラフィックID501が示すトラフィックに関する、ノード経路情報テーブル540のすべての輻輳フラグ546を参照することができる。
【0165】
そして、参照の結果に基づいて、ステップ1010において抽出されたトラフィックID501が示すトラフィックに関して、”YES”を示す輻輳フラグ546の数を算出する。
【0166】
一つのトラフィックに関する輻輳フラグ546が”YES”である回数が2以上の場合、そのトラフィックは、ネットワーク内を通過する際に、二箇所以上のノード111の経路(すなわち、リンク)において輻輳状態が発生するトラフィックである。このため、通信特性計算部205は、トラフィック情報テーブル500のうち、ステップ1010において抽出されたトラフィックID501と同じ行のオーバーフローフラグ508に”YES”を格納する。
【0167】
また、通信特性計算部205は、一つのトラフィックに関する輻輳フラグ546が”YES”である回数が2よりも下まわる場合、オーバーフローフラグ508に”NO”を格納する。これによって、通信特性計算部205は、廃棄率が高く、かつ、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生しているトラフィックを抽出することができる。
【0168】
さらに、オーバーフローフラグ508に”YES”が格納された場合、通信特性計算部205は、オーバーフローフラグ508が”YES”であるトラフィックが通過するノード111の経路を含むノード経路情報テーブル540の行を抽出し、抽出された行の制御対象トラフィックID547に、オーバーフローフラグ508が”YES”であるトラフィックの識別子を格納する。
【0169】
具体的には、通信特性計算部205は、オーバーフローフラグ508に”YES”が格納された行の経由ノードID505、仮想NWID502及び経由リンクID506と、トポロジ情報テーブル530とに基づいて、トラフィックが通過するポートID532を抽出する。そして、抽出されたポートID532と、経由ノードID505及び仮想NWID502とに相当する、ノード経路情報テーブル540の行を抽出し、抽出された行の制御対象トラフィックID547に、トラフィックID501を格納する。
【0170】
これによって、通信特性計算部205は、廃棄率が高く、かつ、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生するトラフィックが、通過するすべての各経路に対応する制御対象トラフィックID547に、トラフィックの識別子を格納する。
【0171】
(ステップ1020)
ステップ1015の後、ステップ1020において通信特性計算部205は、トラフィック情報テーブル500に格納されるすべてのトラフィックID501に、ステップ1010とステップ1015との処理を繰り返す。
【0172】
なお、通信特性計算部205は、図10に示す処理を実行する際、すべてのトラフィックに対して処理しなくてもよい。すなわち、通信特性計算部205は、トラフィック情報テーブル500の平均差分帯域510が制限差分帯域512よりも十分に小さいトラフィックについて、シーケンス335が実行される都度処理せずに、数回に一度ステップ1010及びステップ1015の処理をすればよい。通信特性計算部205は、平均差分帯域510を用いることによって、処理対象とするトラフィックの数を減らすことができる。
【0173】
前述の図10に示すシーケンス335の処理によって、通信特性計算部205は、以後の処理において帯域を算出する対象のトラフィックを抽出することができる。
【0174】
シーケンス335の後、通信特性計算部205は、シーケンス340において、シーケンス335において更新されたトラフィック情報テーブル500、ノード帯域情報テーブル520、トポロジ情報テーブル530、及び、ノード経路情報テーブル540をトラフィック情報として、経路・リソース計算部204に送信する。
【0175】
シーケンス345において、経路・リソース計算部204は、トラフィック情報テーブル500、ノード帯域情報テーブル520、トポロジ情報テーブル530、及び、ノード経路情報テーブル540を参照して、トラフィック情報テーブル500の制限帯域509を算出する。
【0176】
シーケンス345の処理の詳細について図11を用いて説明する。
【0177】
図11は、本発明の第1の実施形態の制限帯域509を算出する処理を示すフローチャートである。
【0178】
(ステップ1100)
経路・リソース計算部204は、ステップ1100において、トラフィック情報テーブル500のオーバーフローフラグ508を参照する。そして、オーバーフローフラグ508に”YES”が格納されている行のトラフィックID501、仮想NWID502、経由ノードID505、経由リンクID506、及び、測定帯域507を抽出する。すなわち、経路・リソース計算部204は、ネットワークを通過する際に、廃棄率が高く、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生しているトラフィックに関する情報をトラフィック情報テーブル500から抽出する。
【0179】
そして、経路・リソース計算部204は、抽出された経由ノードID505、及び、経由リンクID506に相当する、トポロジ情報テーブル530のノードID531、及び、接続リンクID533を含む行を抽出し、抽出された行のポートID532を抽出する。すなわち、経路・リソース計算部204は、トラフィックがネットワークにおいて通過するポートを抽出する。
【0180】
そして、経路・リソース計算部204は、抽出されたノードID531(経由ノードID505)、仮想NWID502、及びポートID532に相当する、541のノードID541、仮想NWID542、ポートID543を含む行を抽出し、抽出された行の廃棄率545を抽出する。すなわち、経路・リソース計算部204は、トラフィックが通過する各ノード111の経路における廃棄率545を抽出する。
【0181】
ステップ1100において、経路・リソース計算部204は、抽出された経由リンクID506、測定帯域507、及び、廃棄率545に基づいて、各リンクを通過するトラフィックの帯域を算出する。
【0182】
ノード経路情報テーブル540の各行は、各ノード111内の経路を示し、各ノード111内の経路は、それぞれ一つのリンクに接続される。このため、各リンクにおける帯域は、トラフィックの入口エッジノードにおける帯域と、トラフィックが通過する各ノードの経路における廃棄率545とによって、算出される。
【0183】
トラフィックがネットワークのエッジノードから流入してから、hホップ目のリンクを通過するトラフィックの帯域Bhは、例えば式2によって算出される。
【0184】
Bh=Πhi=1(1−Ρi)*Bin ・・・(式2)
式2において、hは、入口エッジノードから、帯域を算出されるリンクまでのホップ数を示す。Piは、入口エッジノードからホップ数iのリンクに接続される各ノード111の経路における廃棄率545である。すなわち、Piは、入口エッジノードを一つ目とした場合、i個目にトラフィックが通過するノード111の経路の廃棄率である。Binは、入口エッジノードにおける帯域である。Πhi=1(Xi)はi=1からi=hまでのXiの積を示す。
【0185】
Piは、ノード経路情報テーブル540の廃棄率545の値である。また、Binはトラフィック情報テーブル500の測定帯域507の値である。
【0186】
経路・リソース計算部204は、前述のステップ1100における処理を、トラフィック情報テーブル500のオーバーフローフラグ508に”YES”が格納されているすべてのトラフィックに実行する。
【0187】
(ステップ1105)
ステップ1105において、経路・リソース計算部204は、トラフィック情報テーブル500のオーバーフローフラグ508に”YES”が格納されている行のトラフィックID501、仮想NWID502、経由ノードID505、経由リンクID506、及び、測定帯域507を抽出する。すなわち、経路・リソース計算部204は、ネットワークを通過する際に、廃棄率が高く、かつ、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生しているトラフィックに関する情報をトラフィック情報テーブル500から抽出する。
【0188】
そして、経路・リソース計算部204は、抽出された経由ノードID505、及び、経由リンクID506に相当する、トポロジ情報テーブル530のノードID531、及び、接続リンクID533を含む行を抽出し、抽出された行のポートID532を抽出する。すなわち、経路・リソース計算部204は、トラフィックがネットワークにおいて通過するポートを抽出する。
【0189】
そして、経路・リソース計算部204は、経路・リソース計算部204は、抽出された経由ノードID531、仮想NWID502、及びポートID532に相当する、ノード経路情報テーブル540のノードID541、仮想NWID542、ポートID543を含む行を抽出し、抽出された行の経由構成部544を抽出する。すなわち、経路・リソース計算部204は、廃棄率が高く、かつ、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生しているトラフィックが、通過する各ノード111の経路を抽出する。
【0190】
ステップ1105の前述の処理は、ノード経路情報テーブル540の各行における制御対象トラフィックID547、及び、同行のノードID541、仮想NWID542、経由構成部544を抽出し、トラフィック情報テーブル500のトラフィックID501が、抽出された制御対象トラフィックID547と同じ行の測定帯域507を参照することによって代替することができる。これによって、トランスポート制御サーバ100は、制御対象トラフィックの数が多い場合などに処理を軽減することができ、トランスポート制御サーバ100のプロセッサ及びメモリの消費を防ぐことができる。
【0191】
次に、経路・リソース計算部204は、抽出されたノードID541、仮想NWID542、ポートID543、及び、経由構成部544に相当する、ノード帯域情報テーブル520のノードID521、仮想NWID523、及び、構成部522を含む行を抽出し、抽出された行の使用帯域527を抽出する。すなわち、経路・リソース計算部204は、廃棄率が高く、かつ、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生しているトラフィックが通過する、各ノード111の経路における、トラフィックの使用帯域527を抽出する。
【0192】
そして、経路・リソース計算部204は、ステップ1100において算出された各リンクを通過するトラフィックの帯域(Bh)を、ステップ1105における前述の処理によって抽出された使用帯域527から減算する。そして、減算された結果に、測定帯域507の出口エッジノードにおける帯域を加算する。そして、加算された結果を、ノード帯域情報テーブル520の使用帯域527に対応する制御時使用帯域529に格納する。
【0193】
具体的に、図2のようなネットワークを、トラフィック(トラフィックID501が”1”であるトラフィック、以下トラフィック1と記載)が、ノード111−1、ノード111−2、ノード111−4、及び、ノード111−5を経由して通過する場合を例に説明する。経路・リソース計算部204は、ステップ1100において、ノード111−2の出口ポートに接続されるリンクb(入口エッジノードからのホップ数が”2”)における、トラフィック1の帯域B2を算出する。
【0194】
そして、経路・リソース計算部204は、ステップ1105において、ノード111−2の各構成部522における使用帯域527からトラフィック1の帯域B2を減算する。使用帯域527には、トラフィック1以外のトラフィックの帯域も含まれるため、リンクbにおけるトラフィック1の帯域B2を用いることによって、ノード111−2の構成部522の使用帯域527から、トラフィック1の帯域のみを減算することができる。
【0195】
そして、経路・リソース計算部204は、各構成部522の使用帯域527から、リンクbにおけるトラフィック1の帯域B2を減算した値に、出口エッジノードであるノード111−6のトラフィック1の帯域を加算する。そして、加算された結果を、制御時使用帯域529に格納する。これによって、ネットワークのEnd−to―Endにおいて、出口エッジノードから流出するトラフィック1の帯域を、各構成部522に保持させることができる。
【0196】
次に、経路・リソース計算部204は、ステップ1105における前述の処理を、トラフィック情報テーブル500のオーバーフローフラグ508に”YES”が格納されているすべてのトラフィック、又は、ノード経路情報テーブル540の制御対象トラフィックID547に含まれるすべてのトラフィックに実行する。
【0197】
(ステップ1110)
ステップ1105の後、ステップ1110において経路・リソース計算部204は、ノード帯域情報テーブル520の行のうち、ステップ1105において更新された制御時使用帯域529を含む行を抽出する。そして、抽出された行の使用帯域527、制御時使用帯域529、及び、目標収容率5201を抽出する。すなわち、廃棄率が高く、かつ、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生するトラフィックが、通過する各要素の情報を抽出する。
【0198】
そして、経路・リソース計算部204は、抽出された制御時使用帯域529と、同じ行の目標収容率5201とを比較する。比較の際、経路・リソース計算部204は、目標収容率5201に、同じ行の処理速度524を乗じることによって、目標使用帯域を算出する。そして、制御時使用帯域529と、算出された目標使用帯域とを比較する。
【0199】
(制御時使用帯域529が、目標収容率5201が示す目標使用帯域よりも大きい場合)
比較の結果、制御時使用帯域529の方が同じ行の目標収容率5201が示す目標使用帯域よりも大きい場合、トラフィックの帯域を制御すると、目標収容率5201が示す目標使用帯域よりも大きい帯域によってトラフィックが通過することを意味する。このため、トラフィックの帯域を、目標収容率5201が示す目標使用帯域に近づけるため、経路・リソース計算部204は、同じ行のノードID521、構成部522、及び、仮想NWID523を抽出する。
【0200】
すなわち、経路・リソース計算部204は、制御時使用帯域529が示す帯域によってトラフィックが流れた場合、目標収容率5201を超えた帯域によってトラフィックが通過する要素を、制御時使用帯域529が更新された要素から、抽出する。
【0201】
そして、経路・リソース計算部204は、抽出されたノードID521、及び、仮想NWID523に相当する、ノード経路情報テーブル540のノードID541、及び、仮想NWID542を含む行を抽出する。そして、抽出された行のうち、経由構成部544に前述において抽出された構成部522を含む行をさらに抽出する。そして、抽出された行に含まれる制御対象トラフィックID547を抽出する。すなわち、制御時使用帯域529が目標収容率5201よりも高い構成部522を流れ、かつ、廃棄率が高く、かつ、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生しているトラフィックの識別子を抽出する。
【0202】
そして、経路・リソース計算部204は、抽出された制御対象トラフィックID547に相当する、トラフィック情報テーブル500のトラフィックID501を含む行を抽出する。そして、抽出された行に含まれる、測定帯域507の出口エッジノードにおける帯域と、最低保障帯域504とのうち、小さい方の帯域を抽出する。
【0203】
経路・リソース計算部204は、抽出された小さい方の帯域を、制限帯域509に格納する。経路・リソース計算部204は、測定帯域507の出口エッジノードにおける帯域と、最低保障帯域504とを比較し、小さい方を制限帯域509に格納することによって、最低帯域を保障する範囲で帯域制限することができる。
【0204】
また、経路・リソース計算部204は、小さい方の帯域を抽出する際、測定帯域507の出口エッジノードにおける帯域に重み係数を乗じ、乗算された結果を、制限帯域509に格納してもよい。重み係数を1より大きい値にすることによって、統計多重効果を考慮した帯域制限が可能になる。
【0205】
(制御時使用帯域529が、目標収容率5201が示す目標使用帯域以下である場合)
前述の制御時使用帯域529と、同じ行の目標収容率5201が示す目標使用帯域との比較の結果、制御時使用帯域529が、同じ行の目標収容率5201が示す目標使用帯域以下である場合、経路・リソース計算部204は、同じ行のノードID521、構成部522、及び、仮想NWID523を抽出する。すなわち、経路・リソース計算部204は、制御時使用帯域529が更新された行のうち、制御時使用帯域529が示す使用帯域によってトラフィックが通過した場合、目標収容率5201以下の使用帯域によってトラフィックが通過する構成部522を抽出する。
【0206】
抽出された構成部522は、トラフィックが制御された場合、目標収容率5201より低い帯域によってトラフィックが通過するため、帯域に余裕がある構成部522である。このため、抽出された構成部522を通過する他のトラフィックの帯域を、増やすことができる。
【0207】
経路・リソース計算部204は、以降の処理によって、帯域を増やすことができる他のトラフィックを抽出し、抽出された他のトラフィックについて増やすことができる帯域を算出する。
【0208】
経路・リソース計算部204は、抽出されたノードID521、及び、仮想NWID523に相当する、ノード経路情報テーブル540のノードID541、及び、仮想NWID542を含む一つ以上の行を抽出し、それらの行のうち、ポートID543又は経由構成部544に、抽出された構成部522を含む一つ以上の行を抽出し、さらに抽出された行に含まれる一つ以上の制御対象トラフィックID547を抽出する。
【0209】
そして、経路・リソース計算部204は、抽出されたノード経路情報テーブル540の一つ以上の行のうち、抽出された制御対象トラフィックID547を含む行とは、異なる行であり、かつ、輻輳フラグ546に”YES”が格納される一つ以上の行を選択する。そして、抽出された制御対象トラフィックID547に含まれる識別子のうち、選択された行の制御対象トラフィックID547に格納される値に含まれない制御対象トラフィックID547(以下、帯域増加可能トラフィックIDと記載)を抽出する。これによって、経路・リソース計算部204は、帯域増加可能トラフィックIDの個数を算出する。
【0210】
具体的に、制御時使用帯域529が更新された行が、ノードID521が”1”(以下、ノード111−1と記載)であり、構成部522の識別子が”共通1”であり、仮想NWID523が”1”である場合を説明する。経路・リソース計算部204は、制御時使用帯域529が更新された行に相当する、ノードID541が”1”であり、仮想NWID542が”1”であるノード経路情報テーブル540の行を抽出する。この結果、例えば、図8に示すノード経路情報テーブル540の行5401、5402、及び、5403が抽出される。
【0211】
さらに、経路・リソース計算部204は、抽出された行5401、5402、及び、5403の制御対象トラフィックID547の値(1、2、3、5、8、11)を抽出する。そして、行5401、5402、及び、5403以外の行であり、輻輳フラグ546に”YES”が格納される行5404を選択し、行5404の制御対象トラフィックID547の値(13、16)を抽出する。
【0212】
ここで、行5401、5402、及び、5403の制御対象トラフィックID547の値(1、2、3、5、8、11)のうち、行5404の制御対象トラフィックID547の値(13、16)以外の値は、”1”、”2”、”3”、”5”、”8”、”11”である。このため、経路・リソース計算部204は、トラフィックID”1”、”2”、”3”、”5”、”8”、”11”を、帯域増加可能トラフィックIDとする。
【0213】
次に、経路・リソース計算部204は、更新された制御時使用帯域529の割合が目標収容率5201以下の行の、目標収容率5201と処理速度524とを抽出する。そして、抽出された目標収容率5201と処理速度524との積を算出し、積の結果から、制御時使用帯域529を減算する。さらに減算された結果を、前述によって算出された帯域増加可能トラフィックIDの個数によって除算する。以下において、除算された結果を増加帯域と記載する。
【0214】
経路・リソース計算部204は、トラフィック情報テーブル500のトラフィックID501が帯域増加トラフィックIDである行の測定帯域507の出口エッジノードにおける帯域と、同じ行の最低保障帯域504を抽出する。そして、同じ行の制限帯域509に測定帯域507の出口エッジノードにおける帯域と増加帯域とを加算し、加算された結果と、同じ行の最低保障帯域504とを比較する。比較の結果、経路・リソース計算部204は、大きい方を制限帯域509に格納する。
【0215】
なお、前述の比較の結果、制御時使用帯域529が、目標収容率5201が示す目標使用帯域と同じである場合、経路・リソース計算部204は、出口エッジノードにおける帯域を制限帯域509に格納してよい。
【0216】
前述のステップ1110によって、経路・リソース計算部204は、目標収容率5201により近い帯域によって、トラフィックを制御できるような帯域の値を、制限帯域509に格納する。また、最低保障帯域504以上の帯域を、制限帯域509に格納する。
【0217】
なお、経路・リソース計算部204は、測定帯域507の出口エッジノードにおける帯域、及び、増加帯域に、それぞれ重み係数を乗じてもよい。増加帯域の重み係数を1よりも小さい値に設定することによって、一部のトラフィックに、現在通過する帯域よりも大きな帯域によって通過させることによって他のリンク(すなわち、経路)の帯域が枯渇する可能性を軽減できる。
【0218】
また、前述のステップ1110において、制御時使用帯域529が、目標収容率5201を比較する際、目標収容率5201が示す目標使用帯域を算出することによって制御時使用帯域529と比較したが、制御時使用帯域529を処理速度524によって除算した結果と、目標収容率5201とを比較してもよい。
【0219】
また、前述のステップ1110において、制御時使用帯域529と目標収容率5201とを比較したが、制御時使用帯域529を処理速度524によって除算することによって制御時の廃棄率526を算出し、算出された制御時の廃棄率526と目標廃棄率5202とを比較してもよい。
【0220】
シーケンス345において制限帯域509が算出された後、経路・リソース計算部204は、図9に示すシーケンス350において、パス設定部201に、設定関連情報として、トラフィック情報テーブル500、ノード帯域情報テーブル520、トポロジ情報テーブル530、及び、ノード経路情報テーブル540を送信する。
【0221】
次に、パス設定部201は、シーケンス350において受信した設定関連情報に基づいて、ノード111が制御するトラフィックの帯域をノード111に設定するための情報(以下、設定情報と記載)を生成する(355)。
【0222】
シーケンス355の処理の詳細について図12を用いて説明する。
【0223】
図12は、本発明の第1の実施形態の設定情報を生成する処理を示すフローチャートである。
【0224】
(ステップ1200)
パス設定部201は、ステップ1200において、トラフィック情報テーブル500のオーバーフローフラグ508に”YES”が格納されており、かつ、帯域制御状態513に”OFF”が格納されている行のトラフィックID501、仮想NWID502、端点ノードID503及び制限帯域509を抽出する。すなわち、パス設定部201は、廃棄率が高く、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生しており、かつ、帯域を制御していないトラフィックを抽出する。抽出されたトラフィックID501を、以下において、制限開始トラフィックIDと記載する。
【0225】
また、パス設定部201は、トラフィック情報テーブル500のオーバーフローフラグ508に”NO”が格納され、かつ、帯域制御状態513に”YES”が格納されている行のトラフィックID501、仮想NWID502、及び、端点ノードID503を抽出する。抽出されたトラフィックID501を、以下において、制限解除トラフィックIDと記載する。
【0226】
(ステップ1205)
ステップ1200の後、ステップ1205において、パス設定部201は、トラフィック情報テーブル500の、トラフィックID501が制限開始トラフィックIDである行の、仮想NWID502、端点ノードID503に含まれる入口エッジノードの識別子、制限帯域509、及び経由リンクID506に含まれる一つ目のリンクの識別子を抽出する。
【0227】
さらに、パス設定部201は、抽出された入口エッジノードの識別子と、抽出された一つ目のリンクの識別子に相当する、トポロジ情報テーブル530のノードID531、接続リンクID533を含む行を抽出する。そして、抽出されたトポロジ情報テーブル530の行のポートID532を抽出し、抽出された各情報に基づいて、設定情報を生成する。すなわち、パス設定部201は、シーケンス345によって算出された制限帯域509によって、入口エッジノードにおけるトラフィックを制御するための設定情報を生成する。
【0228】
生成される設定情報は、例えば、設定対象である端点ノードID503の入口エッジノードの識別子、ポートID532、仮想NWID502、及び、制限帯域509を含む。制限帯域509の値は、入口エッジノードであるノード111へ設定する項目である。また、制限帯域509を関数としたトークンバケット、又は、リーキーバケットの設定値を算出し、設定情報に含めてもよい。
【0229】
さらに、パス設定部201は、トラフィック情報テーブル500の、トラフィックID501が制限解除トラフィックIDである行も、制限開始トラフィックIDと同様に、仮想NWID502、端点ノードID503の入口エッジノードID、及び、トポロジ情報テーブル530のポートID532を抽出する。そして、抽出された情報に基づいて設定情報を生成する。パス設定部201は、制限解除トラフィックIDの制限帯域509を設定情報から除外するか、又は、帯域を制御する前の値を設定情報に含める。
【0230】
シーケンス355において設定情報を生成した後、パス設定部201は、シーケンス360において、メッセージ送受信部206を介して、各ノード111に設定情報を送信する。なおこの時、パス設定部201は、入口エッジノードであるノード111にのみ、設定情報を送信してもよい。
【0231】
ノード111は、設定情報を受信した後、シーケンス360においてトランスポート制御サーバ100から受信した設定情報に従って、トラフィックの帯域を制限する(365)。なお、シーケンス365においてトラフィックの帯域を制限するノード111は、入口エッジノードのみでもよい。
【0232】
パス設定部201は、データ記憶部211にトラフィック情報テーブル500、ノード帯域情報テーブル520、トポロジ情報テーブル530、及び、ノード経路情報テーブル540の情報を送信し、各テーブルの更新を要求する(370)。
【0233】
データ記憶部211は、シーケンス370において受信した情報に基づいて各テーブルを更新する(375)。具体的には、データ記憶部211は、トラフィック情報テーブル500のトラフィックID501が、制限開始トラフィックIDである行の帯域制御状態513に”ON”を格納し、トラフィックID501が制限解除トラフィックIDである行の帯域制御状態513に”OFF”を格納する。また、その他の各テーブルの値を更新する。
【0234】
トランスポート制御サーバ100は、図9に示す処理を実行することによって、廃棄率が高く、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生しているトラフィックのネットワークに流入時の帯域を、ネットワークを流出時の帯域に制御させることができる。そして、流入時の帯域を流出時の帯域に制御させることによって、他のトラフィックへの影響を抑えることができる。
【0235】
トランスポート制御サーバ100は、輻輳状態が発生する前に、設定情報を生成することによって、輻輳を検知した場合において、素早くノード111を設定できる。このような、設定情報を事前に生成する処理について、図13及び図14を用いて説明する。
【0236】
図13は、本発明の第1の実施形態の設定情報を事前に生成する処理を示すシーケンス図である。
【0237】
図13に示すシーケンス305からシーケンス355と、図9に示すシーケンス305からシーケンス355とは、同じ処理である。
【0238】
シーケンス370において、パス設定部201は、データ記憶部211にトラフィック情報テーブル500、ノード帯域情報テーブル520、トポロジ情報テーブル530、及び、ノード経路情報テーブル540を送信し、テーブルの更新を要求する。シーケンス375において、データ記憶部211は、シーケンス370において受信された情報に基づいてテーブルを更新する。
【0239】
図13に示す処理は、所定の周期によって実行される。トランスポート制御サーバ100は、図13において、制限帯域509の算出までを実行し、ノード111の帯域を制限するための設定情報を、ノード111に送信しない。
【0240】
図14は、本発明の第1の実施形態の事前に生成された設定情報を用いて帯域制御する処理を示すシーケンス図である。
【0241】
図13に示す処理が所定の周期によって実行される場合において、ノード111が輻輳を検知した場合、図14に示す処理が実行される。なお、ノード111は、ノード帯域情報テーブル520の目標廃棄率5202をあらかじめ保持し、ノード111に備わる要素のうちいずれかの要素における廃棄率が目標廃棄率5202を超えた場合に、輻輳状態であると判定してもよい。
【0242】
ノード111−1は、輻輳を検知した後(336)、メッセージ送受信部206を介して、輻輳が検知されたことを経路・リソース計算部204に通知する。輻輳が検知された場合の通知には、一時的に膨大なトラフィックが発生し、突発的に廃棄率が高くなった場合に発生する臨時的な通知がある。
【0243】
さらに、臨時的な通知をノード111−1に送る場合には、トラフィックの帯域、リンクの帯域使用率、及び、廃棄率などの詳細な情報は送信せずに、廃棄率が高くなったことのみを通知する場合がある。これによって突発的なパケットの廃棄が発生した場合にも、ノード111は、速やかにトランスポート制御サーバ100に輻輳が検知されたことを通知できる。
【0244】
ステップ340において、経路・リソース計算部204は、データ記憶部211を参照し、トラフィック情報として、トラフィック情報テーブル500、ノード帯域情報テーブル520、トポロジ情報テーブル530、及び、ノード経路情報テーブル540を取得する。
【0245】
図14に示すステップ345〜ステップ375は、図9に示すステップ345〜ステップ375と同じ処理である。
【0246】
また、図13の処理によって設定情報が事前に生成され、その後、図14の処理によってノード111における帯域が制御される場合、制限帯域509を算出する処理は、図14に示すシーケンス345、又は、図13に示すシーケンス345のどちらにおいて実行されてもよい。
【0247】
(第2の実施形態)
図15は、本発明の第2の実施形態のリンクの増設個所を特定する処理を示すシーケンス図である。
【0248】
トランスポート制御サーバ100は、図15に示す処理によって、ノード111の経路のうちのどの経路(すなわち、リンク)を増設すべきかを判定するための情報を生成する。図15に示すシーケンス305〜シーケンス340と、図9のシーケンス305〜シーケンス340とは、同じ処理である。
【0249】
シーケンス380において、経路・リソース計算部204は、一つのトラフィックが廃棄されないという仮想的な状況において、ノード111の各経路(リンク)における廃棄率を算出することによって、仮想的な目標廃棄率を算出する。
【0250】
シーケンス380の処理の詳細を、図16を用いて説明する。
【0251】
図16は、本発明の第2の実施形態の仮想的な目標廃棄率を算出する処理を示すフローチャートである。
【0252】
(ステップ1400)
ステップ1400において、経路・リソース計算部204は、トラフィック情報テーブル500のオーバーフローフラグ508に”YES”が格納されている行のトラフィックID501、仮想NWID502、経由ノードID505、経由リンクID506、及び、測定帯域507を抽出する。すなわち、経路・リソース計算部204は、廃棄率が高く、かつ、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生したトラフィックに関する情報を抽出する。
【0253】
経路・リソース計算部204は、抽出された経由ノードID505、及び、経由リンクID506に相当する、トポロジ情報テーブル530のノードID531、及び、接続リンクID533を含む行を抽出し、抽出された行のポートID532を抽出する。すなわち、経路・リソース計算部204は、廃棄率が高く、かつ、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生したトラフィックが通過するポートID532を抽出する。
【0254】
経路・リソース計算部204は、抽出されたノードID531、仮想NWID502及びポートID532に相当する、ノード経路情報テーブル540のノードID541、仮想NWID542、ポートID543を含む行を抽出し、抽出された行のノードID541、仮想NWID542、ポートID543及び経由構成部544を取得する。すなわち、経路・リソース計算部204は、廃棄率が高く、かつ、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生したトラフィックが通過する、各ノード111の経路に関する情報を抽出する。
【0255】
そして、経路・リソース計算部204は、抽出されたノードID541、仮想NWID542及び経由構成部544に相当する、ノード帯域情報テーブル520のノードID521、仮想NWID523及び構成部522を含む行を抽出し、抽出された行の使用帯域527を抽出する。すなわち、経路・リソース計算部204は、二つ以上の輻輳状態が発生したトラフィックが通過する各ノード111の経路における、その他のトラフィックを含めたトラフィックの使用帯域527を抽出する。
【0256】
経路・リソース計算部204は、図11に示すステップ1100における式2によって算出された各経路を通過するトラフィックの帯域(Bh)によって、ステップ1400の前述の処理において抽出された使用帯域527を除算する。すなわち、経路・リソース計算部204は、廃棄率が高く、かつ、二箇所以上のノード111の経路において輻輳状態が発生したトラフィックが通過する、各ノード111の経路における、その他のトラフィックの使用帯域を算出する。
【0257】
さらに、経路・リソース計算部204は、除算された結果に、抽出された測定帯域507の入口エッジノードにおける帯域を加算し、加算された結果を、ステップ1400の前述において抽出されたノード帯域情報テーブル520の行の使用帯域527と、制御時使用帯域529とに格納する。すなわち、経路・リソース計算部204は、輻輳が発生しない場合のトラフィックの帯域を、使用帯域527と制御時使用帯域529とに格納する。
【0258】
そして、経路・リソース計算部204は、ステップ1400の処理をトラフィック情報テーブル500のオーバーフローフラグ508に”YES”が格納されるすべてのトラフィック又はノード経路情報テーブル540の制御対象トラフィックID547のすべての行に含まれるすべてのトラフィックに対して実行する。
【0259】
第2の実施形態の制御時使用帯域529は、トラフィックの帯域を制限した場合の使用帯域ではなく、トラフィックがネットワークを通過する途中のリンクにおいて、トラフィックの廃棄が発生しないと仮定した場合の、各ノード111の経路における使用帯域を示す。
【0260】
(ステップ1405)
ステップ1400の後、ステップ1405において、経路・リソース計算部204は、ノード帯域情報テーブル520の各行のノードID521、構成部522、仮想NWID523、処理速度524及び制御時使用帯域529を抽出し、使用帯域が制御時使用帯域529である場合の目標廃棄率5202を算出する。目標廃棄率5202の算出は、例えば、式3等の待ち行列理論を用いて算出する。
【0261】
【数1】
・・・(式3)
【0262】
式3は、Bが目標廃棄率であり、aが呼量であり、Sが回線数であり、ρが使用帯域率(本実施形態の収容率525)、mがバッファー数又はキュー数であり、λが到着率であり、hがパケット伝送時間であり、Lが平均パケット長であり、vがリンクの帯域である。
【0263】
経路・リソース計算部204は、算出された目標廃棄率5202を、ノード帯域情報テーブル520に格納する。そして、すべてのノード帯域情報テーブル520の行に対して、目標廃棄率5202を算出する。
【0264】
シーケンス380の後、シーケンス385において、経路・リソース計算部204は、サービス受付部202に増設リンク情報として、ノード帯域情報テーブル520を送信する。そして、サービス受付部202は、管理端末に増設リンク情報を表示させる。
【0265】
そして、管理者等は、トランスポート制御サーバ100に接続される管理端末等を介して、増設リンク情報に含まれるノード帯域情報テーブル520の目標廃棄率5202を参照する。そして、目標廃棄率5202が大きいノードID521の構成部522の帯域が枯渇していることを認識することができる。そして、帯域が枯渇しているノード111のハードウェアを増強したり、トラフィックの経路を変更させたりすることができる。
【0266】
また、経路・リソース計算部204は、第1の実施形態における設定関連情報と、第2の実施形態における増設リンク情報とを、サービス受付部202に送信し、管理端末を介して管理者等に表示することによって、管理者に、トラフィックの帯域を制限するか、各ノード111又はリンクのリソースを増強するかを、選択させてもよい。
【0267】
第2の実施形態によれば、入口エッジノードにおけるトラフィックの帯域量によって、各ノード111における廃棄量を算出するため、どのノード111のどの要素を増強すればよいか的確に判定することができる。
【0268】
本実施形態によれば、帯域を制御すべきトラフィックを的確に抽出することができる。そして、抽出されたトラフィックの帯域を算出することによって、ネットワーク上における輻輳の影響を抑え、帯域制御に伴う制御サーバのプロセッサ及びメモリの圧迫を防ぐことができる。
【0269】
また、本実施形態のトランスポート制御サーバは、上記制御対象とするトラフィックを抽出するために、ネットワークの入口エッジノードと出口エッジノードとにおける各トラフィックの帯域の差分がある閾値以上のトラフィックであり、かつ、トラフィックが経由するノード111の経路の廃棄率545が目標廃棄率548より高いノード111の経路を2回以上経由するトラフィックを抽出する。そして抽出されたトラフィックを、ネットワークの入口エッジノードにおいて帯域を制限することによって、他のトラフィックが使用できる帯域を増やすことができる。
【0270】
さらに、本実施形態のトランスポート制御サーバは、制御対象トラフィックに対して、経由するノード111の経路における廃棄率526、制御時使用帯域529、目標収容率5201、及び、トラフィックの帯域の総和に基づいて、各ノード111の経路、すなわち、リンクに流すことが可能なトラフィックの帯域を算出することによって、一つのトラフィックのみならず、複数のトラフィックの帯域を考慮した上で、制御する帯域を算出できる。また、最低保障帯域504を考慮することによって、各トラフィックが最低限保持すべき帯域を、保持することが可能となる。
【0271】
また、本実施形態のトランスポート制御サーバは、ノード111に備わる要素毎に使用帯域527を保持することによって、トラフィックが通過する複数の要素を含む経路毎に、廃棄率を算出する。そして、各経路と、ノード111間の各リンクとが対応するため、各リンクにおける帯域をノード111の経路毎に制御することができる。
【0272】
また、本実施形態のトランスポート制御サーバは、制御対象のトラフィックを抽出することによって、トランスポート制御サーバ100及びノード111に備わるプロセッサ及びメモリに負荷をかけることによって、帯域制限をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0273】
本発明は、例えば、トラフィックの経路の候補を自動的に算出するネットワークシステムに適用することができる。
【符号の説明】
【0274】
100 トランスポート制御サーバ
111、111−1〜111−6 ノード
200 制御処理部
201 パス設定部
202 サービス受付部
204 経路・リソース計算部
205 通信特性計算部
206 メッセージ送受信部
207 通信特性測定部
210 通信IF
211 データ記憶部
209 トポロジ情報記憶部
212 帯域情報記憶部
213 トラフィック情報記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のトラフィックが各々通過する複数のノードに接続されるトランスポート制御サーバであって、
前記複数のノードから、前記複数のトラフィックが前記各ノードを通過する際の帯域量の情報を受信し、
前記受信された帯域量の情報から、前記各トラフィックが最初に通過する始点ノードにおける前記各トラフィックの帯域量と、前記各トラフィックが最後に通過する終点ノードにおける前記各トラフィックの帯域量とを抽出し、
前記抽出された始点ノードにおける各トラフィックの帯域量と、前記抽出された終点ノードにおける各トラフィックの帯域量とに基づいて、前記各トラフィックが前記複数のノードを通過する際に廃棄される前記各トラフィックの帯域量を算出し、
前記算出された廃棄される各トラフィックの帯域量と所定の第1の帯域量とを比較することによって、前記算出された廃棄される帯域量が大きい、一つ以上の第1のトラフィックを抽出し、
前記受信された帯域の情報に基づいて、前記抽出された各第1のトラフィックが通過する二つ以上の前記ノードにおいて廃棄される前記トラフィックの帯域量が、所定の第2の帯域量を超える第2のトラフィックを、前記第1のトラフィックから抽出することを特徴とするトランスポート制御サーバ。
【請求項2】
前記受信された帯域量の情報から、前記第2のトラフィックが最初に通過する第2のトラフィックの始点ノードにおける前記第2のトラフィックの帯域量と、前記第2のトラフィックが最後に通過する第2のトラフィックの終点ノードにおける前記第2のトラフィックの帯域量と、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおいて廃棄される前記複数のトラフィックの帯域量を示す廃棄率とを抽出し、
前記抽出された第2のトラフィックの始点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量と、前記抽出された廃棄率とに基づいて、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける前記第2のトラフィックの帯域量を算出し、
前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける前記複数のトラフィックの帯域量から、前記算出された前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける第2のトラフィックの帯域量を減算し、
前記減算された結果に、前記抽出された第2のトラフィックの終点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量を加算することによって、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける前記一つ以上のトラフィックの第3の帯域量を算出することを特徴とする請求項1に記載のトランスポート制御サーバ。
【請求項3】
前記抽出された第2のトラフィックの終点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量によって、前記第2のトラフィックの始点ノードに、前記第2のトラフィックの帯域量を制限させることを特徴とする請求項2に記載のトランスポート制御サーバ。
【請求項4】
所定の期間毎に、前記複数のノードから、前記複数のトラフィックが前記各ノードを通過する際の帯域量の情報を受信し、
前記各ノードから、輻輳状態であることを示す通知を受信した場合、前記抽出された第2のトラフィックの終点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量によって、前記第2のトラフィックの始点ノードに、前記第2のトラフィックの帯域量を制限させることを特徴とする請求項3に記載のトランスポート制御サーバ。
【請求項5】
前記算出された第3の帯域量と、所定の第4の帯域量とを比較し、
前記比較の結果、前記算出された第3の帯域量が大きい場合、所定の第5の帯域量によって、前記第2のトラフィックの始点ノードに、前記第2のトラフィックの帯域量を制限させ、
前記比較の結果、前記算出された第3の帯域量が小さい場合、前記所定の第5の帯域量以上の帯域量によって、前記第2のトラフィックの始点ノードに、前記第2のトラフィックの帯域量を制限させることを特徴とする請求項3に記載のトランスポート制御サーバ。
【請求項6】
前記受信された帯域量の情報から、前記各ノードに備わる要素毎に前記複数のトラフィックが廃棄される廃棄率と、前記各トラフィックが前記各ノードにおいて経由する複数の前記要素の組を示す情報とを抽出し、
前記抽出された要素毎に複数のトラフィックが廃棄される廃棄率と、前記抽出された各トラフィックが各ノードにおいて経由する複数の要素の組を示す情報とに基づいて、前記複数の要素の組において廃棄される複数のトラフィックの廃棄率を算出することを特徴とする請求項2に記載のトランスポート制御サーバ。
【請求項7】
前記受信された帯域量の情報から、前記各ノードに備わる要素が仮想的に分割された要素毎に、前記複数のトラフィックが廃棄される廃棄率を抽出し、
前記抽出された仮想的に分割された要素毎に前記複数のトラフィックが廃棄される廃棄率と、前記抽出された各トラフィックが各ノードにおいて経由する複数の要素の組とに基づいて、前記複数の要素の組において廃棄される複数のトラフィックの廃棄率を算出することを特徴とする請求項6に記載のトランスポート制御サーバ。
【請求項8】
前記減算された結果に、前記抽出された第2のトラフィックの始点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量を加算することによって、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける前記一つ以上のトラフィックの第6の帯域量を算出し、
前記第6の帯域量に基づいて、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおいて前記一つ以上のトラフィックが廃棄される廃棄率の目標値を算出し、
前記算出された廃棄率の目標値を表示するためのデータを生成することを特徴とする請求項2に記載のトランスポート制御サーバ。
【請求項9】
複数のトラフィックが各々通過する複数のノードと、前記複数のノードに接続されるトランスポート制御サーバとを備えるトランスポート制御システムであって、
前記複数のノードは、前記複数のトラフィックが前記各ノードを通過する際の帯域量の情報を、前記トランスポート制御サーバに送信し、
前記トランスポート制御サーバは、
前記受信された帯域量の情報から、前記各トラフィックが最初に通過する始点ノードにおける前記各トラフィックの帯域量と、前記各トラフィックが最後に通過する終点ノードにおける前記各トラフィックの帯域量とを抽出し、
前記抽出された始点ノードにおける各トラフィックの帯域量と、前記抽出された終点ノードにおける各トラフィックの帯域量とに基づいて、前記各トラフィックが前記複数のノードを通過する際に廃棄される前記各トラフィックの帯域量を算出し、
前記算出された廃棄される各トラフィックの帯域量と所定の第1の帯域量とを比較することによって、前記算出された廃棄される帯域量が大きい、一つ以上の第1のトラフィックを抽出し、
前記受信された帯域の情報に基づいて、前記抽出された各第1のトラフィックが通過する二つ以上の前記ノードにおいて廃棄される前記トラフィックの帯域量が、所定の第2の帯域量を超える第2のトラフィックを、前記第1のトラフィックから抽出することを特徴とするトランスポート制御システム。
【請求項10】
前記トランスポート制御サーバは、
前記受信された帯域量の情報から、前記第2のトラフィックが最初に通過する第2のトラフィックの始点ノードにおける前記第2のトラフィックの帯域量と、前記第2のトラフィックが最後に通過する第2のトラフィックの終点ノードにおける前記第2のトラフィックの帯域量と、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおいて廃棄される前記複数のトラフィックの帯域量を示す廃棄率とを抽出し、
前記抽出された第2のトラフィックの始点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量と、前記抽出された廃棄率とに基づいて、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける前記第2のトラフィックの帯域量を算出し、
前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける前記複数のトラフィックの帯域量から、前記算出された前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける第2のトラフィックの帯域量を減算し、
前記減算された結果に、前記抽出された第2のトラフィックの終点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量を加算することによって、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける前記一つ以上のトラフィックの第3の帯域量を算出し、
前記算出された第3の帯域量と、所定の第4の帯域量とを比較し、
前記比較の結果に従って、前記第2のトラフィックの始点ノードにおける前記第2のトラフィックの帯域量を制限する値を算出し、
前記比較の結果、前記第3の帯域量と、前記所定の第4の帯域量とが等しい場合、前記抽出された第2のトラフィックの終点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量によって、前記第2のトラフィックの始点ノードに、前記第2のトラフィックの帯域量を制限させることを特徴とする請求項9に記載のトランスポート制御システム。
【請求項11】
前記複数のノードは、所定の期間毎に、前記複数のトラフィックが前記各ノードを通過する際の帯域量の情報を、前記トランスポート制御サーバに送信し、
前記トランスポート制御サーバは、前記各ノードから、輻輳状態であることを示す通知を受信した場合、前記抽出された第2のトラフィックの終点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量によって、前記第2のトラフィックの始点ノードに、前記第2のトラフィックの帯域量を制限させることを特徴とする請求項10に記載のトランスポート制御システム。
【請求項12】
前記トランスポート制御サーバは、
前記算出された第3の帯域量と、所定の第4の帯域量とを比較し、
前記比較の結果、前記算出された第3の帯域量が大きい場合、所定の第5の帯域量によって、前記第2のトラフィックの始点ノードに、前記第2のトラフィックの帯域量を制限させ、
前記比較の結果、前記算出された第3の帯域量が小さい場合、前記所定の第5の帯域量以上の帯域量によって、前記第2のトラフィックの始点ノードに、前記第2のトラフィックの帯域量を制限させることを特徴とする請求項10に記載のトランスポート制御システム。
【請求項13】
前記トランスポート制御サーバは、
前記受信された帯域量の情報から、前記各ノードに備わる要素毎に前記複数のトラフィックが廃棄される廃棄率と、前記各トラフィックが前記各ノードにおいて経由する複数の前記要素の組を示す情報とを抽出し、
前記抽出された要素毎に複数のトラフィックが廃棄される廃棄率と、前記抽出された各トラフィックが各ノードにおいて経由する複数の要素の組を示す情報とに基づいて、前記複数の要素の組において廃棄される複数のトラフィックの廃棄率を算出することを特徴とする請求項10に記載のトランスポート制御システム。
【請求項14】
前記トランスポート制御サーバは、
前記受信された帯域量の情報から、前記各ノードに備わる要素が仮想的に分割された要素毎に、前記複数のトラフィックが廃棄される廃棄率を抽出し、
前記抽出された仮想的に分割された要素毎に前記複数のトラフィックが廃棄される廃棄率と、前記抽出された各トラフィックが各ノードにおいて経由する複数の要素の組とに基づいて、前記複数の要素の組において廃棄される複数のトラフィックの廃棄率を算出することを特徴とする請求項13に記載のトランスポート制御システム。
【請求項15】
前記トランスポート制御サーバは、
前記受信された帯域量の情報から、前記第2のトラフィックが最初に通過する第2のトラフィックの始点ノードにおける前記第2のトラフィックの帯域量と、前記第2のトラフィックが最後に通過する第2のトラフィックの終点ノードにおける前記第2のトラフィックの帯域量と、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおいて廃棄される前記複数のトラフィックの帯域量を示す廃棄率とを抽出し、
前記抽出された第2のトラフィックの始点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量と、前記抽出された廃棄率とに基づいて、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける前記第2のトラフィックの帯域量を算出し、
前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける前記複数のトラフィックの帯域量から、前記算出された前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける第2のトラフィックの帯域量を減算し、
前記減算された結果に、前記抽出された第2のトラフィックの始点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量を加算することによって、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける前記一つ以上のトラフィックの第6の帯域量を算出し、
前記第6の帯域量に基づいて、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおいて前記一つ以上のトラフィックが廃棄される廃棄率の目標値を算出し、
前記算出された廃棄率の目標値を表示するためのデータを生成することを特徴とする請求項9に記載のトランスポート制御システム。
【請求項16】
複数のトラフィックが各々通過する複数のノードに接続されるトランスポート制御サーバによるトランスポート制御方法であって、
前記方法は、
前記複数のノードが、前記複数のトラフィックが前記各ノードを通過する際の帯域量の情報を、前記トランスポート制御サーバに送信し、
前記トランスポート制御サーバが、前記受信された帯域量の情報から、前記各トラフィックが最初に通過する始点ノードにおける前記各トラフィックの帯域量と、前記各トラフィックが最後に通過する終点ノードにおける前記各トラフィックの帯域量とを抽出し、
前記トランスポート制御サーバが、前記抽出された始点ノードにおける各トラフィックの帯域量と、前記抽出された終点ノードにおける各トラフィックの帯域量とに基づいて、前記各トラフィックが前記複数のノードを通過する際に廃棄される前記各トラフィックの帯域量を算出し、
前記トランスポート制御サーバが、前記算出された廃棄される各トラフィックの帯域量と所定の第1の帯域量とを比較することによって、前記算出された廃棄される帯域量が大きい、一つ以上の第1のトラフィックを抽出し、
前記トランスポート制御サーバが、前記受信された帯域の情報に基づいて、前記抽出された各第1のトラフィックが通過する二つ以上の前記ノードにおいて廃棄される前記トラフィックの帯域量が、所定の第2の帯域量を超える第2のトラフィックを、前記第1のトラフィックから抽出し、
前記トランスポート制御サーバが、前記抽出された第2のトラフィックの終点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量によって、前記第2のトラフィックの始点ノードに、前記第2のトラフィックの帯域量を制限させることを特徴とするトランスポート制御方法。
【請求項1】
複数のトラフィックが各々通過する複数のノードに接続されるトランスポート制御サーバであって、
前記複数のノードから、前記複数のトラフィックが前記各ノードを通過する際の帯域量の情報を受信し、
前記受信された帯域量の情報から、前記各トラフィックが最初に通過する始点ノードにおける前記各トラフィックの帯域量と、前記各トラフィックが最後に通過する終点ノードにおける前記各トラフィックの帯域量とを抽出し、
前記抽出された始点ノードにおける各トラフィックの帯域量と、前記抽出された終点ノードにおける各トラフィックの帯域量とに基づいて、前記各トラフィックが前記複数のノードを通過する際に廃棄される前記各トラフィックの帯域量を算出し、
前記算出された廃棄される各トラフィックの帯域量と所定の第1の帯域量とを比較することによって、前記算出された廃棄される帯域量が大きい、一つ以上の第1のトラフィックを抽出し、
前記受信された帯域の情報に基づいて、前記抽出された各第1のトラフィックが通過する二つ以上の前記ノードにおいて廃棄される前記トラフィックの帯域量が、所定の第2の帯域量を超える第2のトラフィックを、前記第1のトラフィックから抽出することを特徴とするトランスポート制御サーバ。
【請求項2】
前記受信された帯域量の情報から、前記第2のトラフィックが最初に通過する第2のトラフィックの始点ノードにおける前記第2のトラフィックの帯域量と、前記第2のトラフィックが最後に通過する第2のトラフィックの終点ノードにおける前記第2のトラフィックの帯域量と、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおいて廃棄される前記複数のトラフィックの帯域量を示す廃棄率とを抽出し、
前記抽出された第2のトラフィックの始点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量と、前記抽出された廃棄率とに基づいて、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける前記第2のトラフィックの帯域量を算出し、
前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける前記複数のトラフィックの帯域量から、前記算出された前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける第2のトラフィックの帯域量を減算し、
前記減算された結果に、前記抽出された第2のトラフィックの終点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量を加算することによって、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける前記一つ以上のトラフィックの第3の帯域量を算出することを特徴とする請求項1に記載のトランスポート制御サーバ。
【請求項3】
前記抽出された第2のトラフィックの終点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量によって、前記第2のトラフィックの始点ノードに、前記第2のトラフィックの帯域量を制限させることを特徴とする請求項2に記載のトランスポート制御サーバ。
【請求項4】
所定の期間毎に、前記複数のノードから、前記複数のトラフィックが前記各ノードを通過する際の帯域量の情報を受信し、
前記各ノードから、輻輳状態であることを示す通知を受信した場合、前記抽出された第2のトラフィックの終点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量によって、前記第2のトラフィックの始点ノードに、前記第2のトラフィックの帯域量を制限させることを特徴とする請求項3に記載のトランスポート制御サーバ。
【請求項5】
前記算出された第3の帯域量と、所定の第4の帯域量とを比較し、
前記比較の結果、前記算出された第3の帯域量が大きい場合、所定の第5の帯域量によって、前記第2のトラフィックの始点ノードに、前記第2のトラフィックの帯域量を制限させ、
前記比較の結果、前記算出された第3の帯域量が小さい場合、前記所定の第5の帯域量以上の帯域量によって、前記第2のトラフィックの始点ノードに、前記第2のトラフィックの帯域量を制限させることを特徴とする請求項3に記載のトランスポート制御サーバ。
【請求項6】
前記受信された帯域量の情報から、前記各ノードに備わる要素毎に前記複数のトラフィックが廃棄される廃棄率と、前記各トラフィックが前記各ノードにおいて経由する複数の前記要素の組を示す情報とを抽出し、
前記抽出された要素毎に複数のトラフィックが廃棄される廃棄率と、前記抽出された各トラフィックが各ノードにおいて経由する複数の要素の組を示す情報とに基づいて、前記複数の要素の組において廃棄される複数のトラフィックの廃棄率を算出することを特徴とする請求項2に記載のトランスポート制御サーバ。
【請求項7】
前記受信された帯域量の情報から、前記各ノードに備わる要素が仮想的に分割された要素毎に、前記複数のトラフィックが廃棄される廃棄率を抽出し、
前記抽出された仮想的に分割された要素毎に前記複数のトラフィックが廃棄される廃棄率と、前記抽出された各トラフィックが各ノードにおいて経由する複数の要素の組とに基づいて、前記複数の要素の組において廃棄される複数のトラフィックの廃棄率を算出することを特徴とする請求項6に記載のトランスポート制御サーバ。
【請求項8】
前記減算された結果に、前記抽出された第2のトラフィックの始点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量を加算することによって、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける前記一つ以上のトラフィックの第6の帯域量を算出し、
前記第6の帯域量に基づいて、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおいて前記一つ以上のトラフィックが廃棄される廃棄率の目標値を算出し、
前記算出された廃棄率の目標値を表示するためのデータを生成することを特徴とする請求項2に記載のトランスポート制御サーバ。
【請求項9】
複数のトラフィックが各々通過する複数のノードと、前記複数のノードに接続されるトランスポート制御サーバとを備えるトランスポート制御システムであって、
前記複数のノードは、前記複数のトラフィックが前記各ノードを通過する際の帯域量の情報を、前記トランスポート制御サーバに送信し、
前記トランスポート制御サーバは、
前記受信された帯域量の情報から、前記各トラフィックが最初に通過する始点ノードにおける前記各トラフィックの帯域量と、前記各トラフィックが最後に通過する終点ノードにおける前記各トラフィックの帯域量とを抽出し、
前記抽出された始点ノードにおける各トラフィックの帯域量と、前記抽出された終点ノードにおける各トラフィックの帯域量とに基づいて、前記各トラフィックが前記複数のノードを通過する際に廃棄される前記各トラフィックの帯域量を算出し、
前記算出された廃棄される各トラフィックの帯域量と所定の第1の帯域量とを比較することによって、前記算出された廃棄される帯域量が大きい、一つ以上の第1のトラフィックを抽出し、
前記受信された帯域の情報に基づいて、前記抽出された各第1のトラフィックが通過する二つ以上の前記ノードにおいて廃棄される前記トラフィックの帯域量が、所定の第2の帯域量を超える第2のトラフィックを、前記第1のトラフィックから抽出することを特徴とするトランスポート制御システム。
【請求項10】
前記トランスポート制御サーバは、
前記受信された帯域量の情報から、前記第2のトラフィックが最初に通過する第2のトラフィックの始点ノードにおける前記第2のトラフィックの帯域量と、前記第2のトラフィックが最後に通過する第2のトラフィックの終点ノードにおける前記第2のトラフィックの帯域量と、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおいて廃棄される前記複数のトラフィックの帯域量を示す廃棄率とを抽出し、
前記抽出された第2のトラフィックの始点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量と、前記抽出された廃棄率とに基づいて、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける前記第2のトラフィックの帯域量を算出し、
前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける前記複数のトラフィックの帯域量から、前記算出された前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける第2のトラフィックの帯域量を減算し、
前記減算された結果に、前記抽出された第2のトラフィックの終点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量を加算することによって、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける前記一つ以上のトラフィックの第3の帯域量を算出し、
前記算出された第3の帯域量と、所定の第4の帯域量とを比較し、
前記比較の結果に従って、前記第2のトラフィックの始点ノードにおける前記第2のトラフィックの帯域量を制限する値を算出し、
前記比較の結果、前記第3の帯域量と、前記所定の第4の帯域量とが等しい場合、前記抽出された第2のトラフィックの終点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量によって、前記第2のトラフィックの始点ノードに、前記第2のトラフィックの帯域量を制限させることを特徴とする請求項9に記載のトランスポート制御システム。
【請求項11】
前記複数のノードは、所定の期間毎に、前記複数のトラフィックが前記各ノードを通過する際の帯域量の情報を、前記トランスポート制御サーバに送信し、
前記トランスポート制御サーバは、前記各ノードから、輻輳状態であることを示す通知を受信した場合、前記抽出された第2のトラフィックの終点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量によって、前記第2のトラフィックの始点ノードに、前記第2のトラフィックの帯域量を制限させることを特徴とする請求項10に記載のトランスポート制御システム。
【請求項12】
前記トランスポート制御サーバは、
前記算出された第3の帯域量と、所定の第4の帯域量とを比較し、
前記比較の結果、前記算出された第3の帯域量が大きい場合、所定の第5の帯域量によって、前記第2のトラフィックの始点ノードに、前記第2のトラフィックの帯域量を制限させ、
前記比較の結果、前記算出された第3の帯域量が小さい場合、前記所定の第5の帯域量以上の帯域量によって、前記第2のトラフィックの始点ノードに、前記第2のトラフィックの帯域量を制限させることを特徴とする請求項10に記載のトランスポート制御システム。
【請求項13】
前記トランスポート制御サーバは、
前記受信された帯域量の情報から、前記各ノードに備わる要素毎に前記複数のトラフィックが廃棄される廃棄率と、前記各トラフィックが前記各ノードにおいて経由する複数の前記要素の組を示す情報とを抽出し、
前記抽出された要素毎に複数のトラフィックが廃棄される廃棄率と、前記抽出された各トラフィックが各ノードにおいて経由する複数の要素の組を示す情報とに基づいて、前記複数の要素の組において廃棄される複数のトラフィックの廃棄率を算出することを特徴とする請求項10に記載のトランスポート制御システム。
【請求項14】
前記トランスポート制御サーバは、
前記受信された帯域量の情報から、前記各ノードに備わる要素が仮想的に分割された要素毎に、前記複数のトラフィックが廃棄される廃棄率を抽出し、
前記抽出された仮想的に分割された要素毎に前記複数のトラフィックが廃棄される廃棄率と、前記抽出された各トラフィックが各ノードにおいて経由する複数の要素の組とに基づいて、前記複数の要素の組において廃棄される複数のトラフィックの廃棄率を算出することを特徴とする請求項13に記載のトランスポート制御システム。
【請求項15】
前記トランスポート制御サーバは、
前記受信された帯域量の情報から、前記第2のトラフィックが最初に通過する第2のトラフィックの始点ノードにおける前記第2のトラフィックの帯域量と、前記第2のトラフィックが最後に通過する第2のトラフィックの終点ノードにおける前記第2のトラフィックの帯域量と、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおいて廃棄される前記複数のトラフィックの帯域量を示す廃棄率とを抽出し、
前記抽出された第2のトラフィックの始点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量と、前記抽出された廃棄率とに基づいて、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける前記第2のトラフィックの帯域量を算出し、
前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける前記複数のトラフィックの帯域量から、前記算出された前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける第2のトラフィックの帯域量を減算し、
前記減算された結果に、前記抽出された第2のトラフィックの始点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量を加算することによって、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおける前記一つ以上のトラフィックの第6の帯域量を算出し、
前記第6の帯域量に基づいて、前記第2のトラフィックが通過する各ノードにおいて前記一つ以上のトラフィックが廃棄される廃棄率の目標値を算出し、
前記算出された廃棄率の目標値を表示するためのデータを生成することを特徴とする請求項9に記載のトランスポート制御システム。
【請求項16】
複数のトラフィックが各々通過する複数のノードに接続されるトランスポート制御サーバによるトランスポート制御方法であって、
前記方法は、
前記複数のノードが、前記複数のトラフィックが前記各ノードを通過する際の帯域量の情報を、前記トランスポート制御サーバに送信し、
前記トランスポート制御サーバが、前記受信された帯域量の情報から、前記各トラフィックが最初に通過する始点ノードにおける前記各トラフィックの帯域量と、前記各トラフィックが最後に通過する終点ノードにおける前記各トラフィックの帯域量とを抽出し、
前記トランスポート制御サーバが、前記抽出された始点ノードにおける各トラフィックの帯域量と、前記抽出された終点ノードにおける各トラフィックの帯域量とに基づいて、前記各トラフィックが前記複数のノードを通過する際に廃棄される前記各トラフィックの帯域量を算出し、
前記トランスポート制御サーバが、前記算出された廃棄される各トラフィックの帯域量と所定の第1の帯域量とを比較することによって、前記算出された廃棄される帯域量が大きい、一つ以上の第1のトラフィックを抽出し、
前記トランスポート制御サーバが、前記受信された帯域の情報に基づいて、前記抽出された各第1のトラフィックが通過する二つ以上の前記ノードにおいて廃棄される前記トラフィックの帯域量が、所定の第2の帯域量を超える第2のトラフィックを、前記第1のトラフィックから抽出し、
前記トランスポート制御サーバが、前記抽出された第2のトラフィックの終点ノードにおける第2のトラフィックの帯域量によって、前記第2のトラフィックの始点ノードに、前記第2のトラフィックの帯域量を制限させることを特徴とするトランスポート制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−65135(P2012−65135A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−207607(P2010−207607)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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