説明

トルクレンチを検査するための操作装置

【課題】従来技術における欠点を排除してトルクレンチの安価で正確な検査を達成する。
【解決手段】トルクレンチ26を検査するための操作装置10であって、検査されるトルクレンチ26を固定するための保持体12と、該保持体に配置されていて、検査されるトルクレンチ26のヘッド24と連結される測定値センサ16と、保持体12に配置されていて、検査されるトルクレンチ26のグリップ42を固定するためのグリップホルダ36と、検査されるトルクレンチ26のヘッド24にトルクを加えるための変位機構52とが設けられている形式のものにおいて、グリップ42の摩擦のない滑動のために働く滑り機構68が、グリップホルダ36に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルクレンチを検査するための操作装置であって、
a)検査されるトルクレンチを固定するための保持体と、
b)該保持体に配置されていて、検査されるトルクレンチのヘッドと連結される測定値センサと、
c)保持体に配置されていて、検査されるトルクレンチのグリップを固定するためのグリップホルダと、
d)検査されるトルクレンチのヘッドにトルクを加えるための変位機構とが設けられている形式のものに関する。
【背景技術】
【0002】
トルクレンチによって、所定のトルクを、ねじ又はナットのような結合エレメントに加えることができる。そのためにトルクレンチは、グリップを備えたレンチレバーと、レンチヘッド(以下においては単にヘッドとも呼ぶ)とを有している。しばしばレンチヘッドには、四角形ピンとして形成された、工具受容のための連結部が設けられている。四角形ピンには、ねじ又はナットを回転させるための種々様々な差込み工具を差し込むことができる。使用者によってグリップに操作方向で加えられた力は、スパナレバーからスパナヘッドに伝達され、差込み工具によってねじ又はナットにおいてトルクを生ぜしめる。加えられるトルクを測定するために、トルクレンチは測定装置を有している。別の装置によって、測定されたトルクは連続的に表示されるか又は所定のトルクに達したことを信号化することができる。
【0003】
トルクレンチの測定装置には、通常の摩耗現象や疲れ現象が生じる。測定装置によって測定されたトルクが加えられたトルクと一致しているか否かを検査するために、トルクレンチは時々操作装置によって校正され、かつ場合によっては調整されねばならない。そのために操作装置には、測定値センサ及びグリップホルダを備えた保持体が設けられている。トルクレンチのヘッドは、例えば四角形ピンを用いて、測定値センサと堅く連結される。トルクレンチのグリップはグリップホルダによって固定される。
【0004】
次いで変位機構によって、トルクレンチのヘッドにトルクが加えられる。このトルクは測定値センサによって測定され、操作装置において例えば測定値センサに設けられたディスプレイを用いて表示される。トルクレンチによって表示されるトルク、又はトルクレンチに所定されたリリースのためのトルクは、ディスプレイに示されたトルクとの比較によって検査可能である。
【0005】
トルクレンチを検査するための公知の操作装置では、トルクを生ぜしめるための種々様々な変位機構が使用される。原理的に、トルクレンチのヘッドにおいてトルクを生ぜしめるためには、2つの実施形態が可能である。すなわち測定値センサが保持体に回転可能に取り付けられていて、グリップホルダが保持体に堅く結合されているか、又はその逆に、測定値センサが保持体と堅く結合されていて、グリップホルダが保持体に可動に取り付けられている。
【0006】
保持体に対して可動のグリップホルダを備えた操作装置は、スピンドル及びクランクを備えたリニア駆動装置を有している。クランクを用いたスピンドルの回転によって、グリップホルダひいてはトルクレンチのグリップは、保持体に対して直角に変位される。これによって、測定値センサに固定されたヘッドに対して作用するトルクが生ぜしめられる。トルクレンチはこの場合、測定値センサの軸線を中心にして旋回させられる。グリップは、グリップホルダの直線的な運動とは異なり円形に運動するので、グリップホルダによって可動に保持されねばならない。
【0007】
定置の保持体に堅く取り付けられたグリップホルダを備えた操作装置は、保持体に回転可能に固定されていて変位レバー及び伝動装置を備えた測定値センサを有している。検査されるトルクレンチのヘッドは、測定値センサの受容部を用いて該測定値センサと堅くロックされ、それに対してトルクレンチのグリップはグリップホルダによって保持される。変位レバーに対する力作用又は伝動装置の回転運動によって、トルクが測定値センサを介してヘッドに加えられる。この加えられたトルクは、測定値センサによって測定され、検査のために、トルクレンチによって表示された又はトルクレンチに所定されたトルクと比較される。
【0008】
両方の形式の操作装置のグリップホルダは、鋼製であるか又はプラスチックによって被覆された支持面を有している。検査されるトルクレンチは通常、プラスチックグリップを有していて、丸いもしくはほぼ丸いグリップを備えている。測定時にグリップはグリップホルダ内において水平方向で変位される。この際に、グリップ表面と支持面との間には大きな摩擦が生ぜしめられる。それというのは、加えられるトルクの一部はグリップと支持との間における摩擦を克服するからである。その結果、トルクレンチの変位時に急激な運動が生ぜしめられ、このような運動は誤った測定結果の原因となる。特に極めて小さな検査トルクでは、許容誤差範囲外に位置する測定値の甚だしい劣化が発生する。
【0009】
トルクレンチグリップ用の公知の支持装置には次のような欠点、すなわち支持装置が測定時にグリップを摩擦なしに運動させることができず、トルクレンチグリップの急な運動によって測定結果を不良にする、という欠点がある。このような欠点は特に、軽いグリップを備えたトルクレンチにおいて発生する。それというのは、このようなトルクレンチは測定中における支持面上での極めて小さな摩擦に対して特に抵抗力がないからである。例えば異なったプラスチックから成る2成分製の軟質のグリップを備えたトルクレンチもまた、上述のような不都合かつ急な運動をグリップホルダにおいて生ぜしめる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ゆえに本発明の課題は、従来技術における上述のような欠点を排除すること、並びにトルクレンチの安価でかつ正確な検査を達成することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題を解決するために本発明の構成では、冒頭に述べた形式の、トルクレンチを検査するための操作装置において、
e)グリップの摩擦のない滑動のために働く滑り機構が、グリップホルダに設けられているようにした。
【発明の効果】
【0012】
本発明のように構成されていることによって、トルクレンチの校正を正確に実施することが可能である。本発明による滑り機構によって、グリップホルダにおけるトルクレンチのグリップのための支持面は、トルク測定時に不都合な摩擦が発生しないように、構成されている。操作装置に挿入されたトルクレンチは、グリップがグリップホルダにおいて運動する場合に、発生する摩擦力に対して、力が極めてニュートラルである。少なくとも力は校正可能もしくは検出可能であるので、この力の影響は、トルクレンチの測定結果から排除することができる。トルクレンチのグリップのためのグリップホルダは、水平方向の支持面と鉛直方向のストッパとを有している。測定の初めに、グリップは鉛直方向のストッパの方向で案内される。この場合従来公知の操作装置では摩擦によって、測定結果に対して影響を及ぼすグリップの急な運動の発生することがある。このような急な運動の散発的な発生によって、このような影響を測定結果から排除することは極めて困難である。このような影響は本発明による滑り機構によって十分に回避される。グリップに対して作用する摩擦力は、本発明の機構によってほぼ排除されるか、又は計算可能な値として消去することができる。これによって、特に軽量のトルクレンチの極めて小さな検査トルクをも、正確に校正することができる。軽量のトルクレンチにおける測定は、従来しばしば、許容誤差範囲の枠外にあった。今や本発明によって、トルクレンチの校正は再現可能に実施することができる。それというのは、自然発生的に生じる不都合な摩擦力がトルクレンチのグリップに対して作用することはないからである。もちろん、このような操作装置はその方向付けを、例えば90°回動させて、使用することも可能である。
【0013】
トルクレンチを検査するための公知の操作装置では、トルクを加えるために種々様々な変位機構が使用される。原理的には、トルクレンチのヘッドにおいてトルクを生ぜしめるために、2つの実施形態が公知である。すなわち測定値センサが保持体に回転可能に取り付けられていて、グリップホルダが保持体に堅く結合されているか、又はその逆に、測定値センサが保持体と堅く結合されていて、グリップホルダが保持体に可動に設けられている。両方の形式の操作装置に、本発明による滑り機構を設けることが可能である。測定時に生じる急な運動は、本発明による滑り機構を備えた両方の実施形態において排除され、その結果極めて小さな検査トルクを確実かつ正確に検査することが可能になる。
【0014】
本発明の有利な構成では、グリップの摩擦のない水平方向における滑動のために働く水平方向の滑り機構が、グリップホルダにおいてストッパにまで達している。操作装置において、トルクレンチのグリップは水平な支持の上に位置している。トルクレンチの正確な検査のために、トルクレンチは水平方向において操作されねばならない。水平方向の滑り機構によって、特に軽量及び小型のトルクレンチにおいても、検査過程中における、グリップのための材料又は重力の影響を排除することができる。水平な滑り機構は、トルクがトルクレンチに対して作用する場合に、ストッパの方向において生じる横方向のギクシャクした動きを阻止する。そしてこのような処理によって、トルクレンチの正確な測定が可能になる。
【0015】
測定過程中に、グリップホルダにおいてはスリップとストッパとの間において、鉛直方向の力も発生する。このような鉛直方向力もまた、測定過程を同様に損なうことがある。本発明の別の有利な構成では、グリップの摩擦のない鉛直方向における滑動のために働く鉛直方向の滑り機構が、グリップホルダもしくはストッパに設けられている。操作装置ではスリップは測定中に、グリップホルダの鉛直方向のストッパと接触する。この際に、正確な測定に影響を及ぼす横方向力が発生する。このような横方向力は、例えばトルクレンチの弾性的なプラスチックグリップ外装に基づいて生じる。ストッパにおける鉛直方向の滑り機構によって、このような力は減じられ、トルクレンチの測定は、摩擦に関して、エラーなしに実施されることができる。鉛直方向の滑り機構はさらに、種々異なったグリップ太さを備えたトルクレンチの使用を助成し、これによってこのようなトルクレンチを摩擦なしに校正することができる。
【0016】
本発明の別の有利な構成では、滑り機構が、支持として形成された滑り体を有していて、該滑り体が滑りガイド上又は滑りガイド内において案内されている。検査されるすべてのトルクレンチは、そのグリップが滑り体の上に載っている。滑り体は、同じ摩擦を有する滑りガイド上又は滑りガイド内において運動する。従ってどのような測定も、許容誤差範囲の枠内において等しく実施されることができる。この本発明による処置によって、トルクレンチのトルク測定を再現可能に実施することができる。
【0017】
本発明の別の有利な構成では、滑り機構が玉軸受もしくはころ軸受を有しており、この玉軸受もしくはころ軸受は、測定中にトルクセンサの無視できるほどの摩擦しか生じない滑動を保証する。玉軸受もしくはころ軸受を備えた滑り機構によって、トルクレンチのグリップは測定中に操作装置において均一にかつ摩擦なしに運動する。トルクレンチの滑動は、直接又は間接的に玉軸受もしくはころ軸受を介して行われる。直接的な玉軸受もしくはころ軸受では、この玉軸受もしくはころ軸受はグリップのための支持面として働き、そしてグリップはこの玉軸受もしくはころ軸受の上を滑動する。間接的な軸受では、例えば支持面として形成された滑り体が、玉軸受もしくはころ軸受を使用して相応な保持領域にわたって滑動する。玉軸受もしくはころ軸受のほぼ摩擦のない運動によって、この有利な構成では特に簡単に、トルクレンチを正確かつ迅速に校正することができる。
【0018】
本発明の別の有利な構成では、滑り体がスリーブとして形成されていて、該スリーブが、滑りガイドとして形成されたピンを取り囲んでいる。このスリーブは、トルクレンチのグリップのために、支持面を形成している。このスリーブは常に等しい摩擦でピンに沿って運動する。これによって、検査過程中における測定値センサにおける摩擦力は、一定に保たれる。スリーブによって、硬い支持面上におけるグリップの急な運動に起因する測定エラーは、十分に補償もしくは回避される。そのために設計されたスリーブは、ピンの上を該ピンに沿って滑動する。スリーブは、該スリーブが玉又はころを用いてピンに支承されているように、形成されていることができる。トルクレンチの検査はこのような校正によって最適化される。
【0019】
本発明の別の有利な構成では、滑り体が滑りキャリッジとして形成されていて、滑りガイドが、相応なガイド面によって形成されている。このような構成は、スリーブを用いた構成に対して択一的な構成と見なすことができる。しかしながら両方の構成を組み合わせて使用することも可能である。キャリッジとして形成された滑り体には、トルクレンチの測定を迅速かつ簡単に実施できるという利点がある。測定中に、トルクレンチはキャリッジ状の滑り体の上に載っており、この滑り体はほぼ摩擦なしにガイド面上を運動する。キャリッジ状の滑り体は、簡単に製造することができる。従って、場合によってはこのような滑り体を汎用の操作装置に後から装着することも可能である。この後装着は、最小の手間で短時間に実施することができる。ガイド面内もしくはガイド面上におけるキャリッジの滑動によって、このような構成は特にメンテナンスが容易になり、トルクレンチの検査を最適に実施することが可能になる。キャリッジ状の滑り体は、僅かな摩擦でもって運動できるようになる例えばころ又は玉を有することができる。
【0020】
本発明の別の有利な構成では、変位機構が、トルクレンチを変位させるための装置を有している。このように構成によって、操作装置内に挿入された検査されるトルクレンチが操作される。トルクがヘッドにおいて生ぜしめられ、このトルクは操作装置の測定値センサによって検出される。トルクレンチはこの場合ヘッドにおける軸線を中心にして旋回させられる。多くの操作装置においてトルクレンチのグリップは円形に運動するが、これとは異なり、グリップホルダは直線的な運動を実施する。従って異なった運動形式に基づいて、グリップはルーズにかつ可動にグリップホルダ内に保持されねばならない。滑り機構によってトルクレンチのグリップの運動は、固定されたトルクレンチのヘッドを中心にして特に僅かな摩擦で実施されることができる。測定結果を劣化させる横方向力は、滑り機構によって十分に排除されており、得られる測定結果は正確かつ再現可能である。
【0021】
本発明の別の有利な構成では、変位機構が変位レバーとして形成されていて、該変位レバーが、検査されるトルクレンチのヘッドに対して作用し、保持体が変位レバーに対して定置に設けられている。検査されるトルクレンチのヘッドは、測定値センサの受容部を用いて堅くもしくは不動に該測定センサにロックされ、これに対してトルクレンチのグリップはグリップホルダによって保持される。変位レバーに対する力の作用によって、トルクが測定値センサを介してヘッドにもたらされる。このもたらされたトルクは測定値センサによって測定され、検査のために、トルクレンチによって表示された又はトルクレンチにおいて所定のトルクと比較される。
【0022】
グリップホルダは検査過程時に運動されないので、グリップにおける力作用点もしくは保持ポイントは検査中にわたって変化しない。これによって、等しいままのレバーアーム長さによる測定が可能になる。さらに変位レバーの使用によって、保持体全体を旋回させるための機構もしくは伝動装置は不要になる。そしてトルクレンチを検査するための測定装置の構造は、僅かな部材数でコンパクトかつフラットに構成可能である。部材数が僅かであることに基づいて、構造はさらに安価に製造可能であり、かつ故障の発生が少なくなる。
【0023】
本発明による滑り機構によって、トルクレンチが保持体と堅く結合されている操作装置におけるトルク測定を、摩擦なしに実施することが可能になる。この場合トルクレンチのグリップとグリップホルダの支持面との間において生じる摩擦は、滑り機構によってほぼ回避される。測定中に従来発生していたトルクレンチの急な運動は、このような操作装置では効果的に阻止され、その結果測定結果は正確かつ再現可能になる。
【0024】
本発明の別の有利な構成では、操作装置にスピンドル装置が設けられていて、該スピンドル装置が保持体に配置されており、スピンドル装置のスピンドルに配置された連行体が、回転可能に支承されたスピンドルの操作時に、変位レバー又はトルクレンチを変位させるようにした。この場合、スピンドル装置のスピンドルに配置された連行体が、回転可能に支承されたスピンドルの操作時に変位レバーを変位させる。クランクとスピンドルとの間における減速機構によって、使用者が最小の力を要するだけで、トルクの微調整と均一な締め付けとが可能になる。僅かな数の可動部分の使用によって、操作装置は極めてフラットかつコンパクトに実現することができる。そして操作装置は僅かな作業空間しか必要とせず、可動部材の数が僅かであることに基づいて、故障しにくくなり、保守の必要性も僅かになる。
【0025】
本発明による操作装置の別の有利な構成では、スピンドル装置のスピンドルがモータ、特に電動モータを介して駆動可能に形成されている。モータを使用することによって、使用者はクランクの操作から解放され、作業が楽になり、使用者の疲労がなくなる。そして使用者は検査過程により集中することが可能になる。そして、例えば締め付け速度のばらつきのような、使用者の不注意による測定エラーは、回避される。モータの適宜な制御によって、測定過程を簡単に自動化することができる。
【0026】
本発明の別の有利な構成では、操作装置において保持体に、固定されるトルクレンチの長手方向において調節可能に配置されたグリップホルダが、設けられている。これによってグリップホルダは、種々異なる長さの様々なトルクレンチに調節することができる。そして操作装置を、大きな手間をかけることなしに、種々異なる長さのトルクレンチに適合させることができる。この場合、力作用点もしくは保持ポイントが常にグリップの中心に位置することが保証される。
【0027】
本発明の別の有利な構成では、信号処理装置が設けられていて、該信号処理装置が測定値センサの測定信号を処理、特にデジタル化して、記憶装置内に格納し、かつディスプレイにおいて表示する。測定信号の処理は、例えば検査中における系統だった測定エラーの考慮を可能にする。そしてデジタル化された測定値は、さらなる処理、表示及び格納の簡単な実施が可能である。加えられたトルクをディスプレイによって連続的に表示することによって、使用者のためのトルクレンチの正確な検査を目的としたトルクの微調整が実施可能である。測定されたトルク値の格納は、使用者に検査過程の記録を容易にし、トルクレンチのヘッドに加えられたトルクと共に検査過程の保管を可能にする。リリースするトルクレンチは、リリース前に最大に加えられるトルクの格納によって良好に検査可能である。
【0028】
本発明のさらに別の有利な構成では、保持体が延長可能に形成されている。操作装置は延長された保持体によって、極めて長いトルクレンチの検査にも適する。小さなトルクレンチの検査時には、装置は相応にスペースを節減して設置されることができ、小さな作業空間しか要しない。さらに、操作装置の搬送もしくは運搬は、保持体の相応な短縮によって、ひいては所要スペースの節約によって容易になる。
【0029】
次に図面を参照しながら本発明の実施例を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】トルクレンチを検査するための、変位レバーを備えた操作装置の1実施例の原理を示す斜視図である。
【図2】トルクレンチを検査するための、可動のガイドレールを備えた操作装置の1実施例の原理を示す斜視図である。
【図3】公知形式のグリップホルダを示す図である。
【図4】本発明による滑り機構を備えたグリップホルダを示す図である。
【図5】測定過程中におけるグリップホルダを示す図である。
【図5a】測定過程中におけるグリップホルダを示す第2の図である。
【図5b】測定過程中におけるグリップホルダを示す第3の図である。
【図6】玉軸受もしくはころ軸受として形成された滑り機構を備えたグリップホルダを示す図である。
【図7】スリーブとして形成された滑り機構を備えたグリップホルダを示す図である。
【図8】キャリッジとして形成された滑り機構を備えたグリップホルダを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1には、トルクレンチ26を検査するための操作装置10が示されており、この操作装置10は、変位レバー52として、トルクレンチ26のヘッド24に力を加える変位機構を備えている。保持体12と堅固につまり不動に結合されたグリップホルダ36は、本願発明による滑り機構68を備えている。
【0032】
操作装置10の保持体12は、場合によっては高さ調節可能な2つのスタンド基部14を備えている。両スタンド基部14は、操作装置10の確実で水平な状態を保証し、かつ場合によっては支持体とねじ結合されることができる。保持体12には測定値センサ16が回転可能に取り付けられている。そのために測定値センサ16は回転ピン18を有しており、この回転ピン18は、保持体12の切欠きを貫いて案内されていて、支承装置20で保持体12に回転可能に保持される。さらに測定値センサ16には受容部22が設けられている。この受容部22によってトルクレンチ26のヘッド24は四角形ピンを介して、測定値センサ16と堅く連結される。択一的に、ヘッド24に固定される別の工具のための受容部22を選択することも可能である。保持体12に堅く取り付けられたグリップホルダ36は、2つのピン38,38aを有しており、両ピン38,38aはブリッジ40を介してU字形に配置されている。検査される回転方向に応じて、ピン38,38aのうちの1つが、トルクレンチ26のグリップ42のためのストッパとして働く。
【0033】
択一的な構成では、グリップホルダ36は交換可能な1つのピン38を有し、かつブリッジ40はピン38のための2つの受容部を有している。回転方向に応じて、交換可能なピン38は相応な受容部に導入され、グリップ42をストッパとして保持する。スリーブ44がピン38を取り囲んでいる。このスリーブ44はピン38に沿って滑動する。これによって滑り機構68の鉛直方向部分が形成され、これによりグリップ42とピン38,38aとの間における鉛直方向の横方向力を減じることができる。水平方向の滑り機構68はピン38,38aの間に位置しており、これによって水平方向の摩擦を回避することができる。滑り機構68はこの場合種々異なった構成において使用することができ、例えば玉軸受もしくはころ軸受80として、滑動するスリーブ82として、又はガイドレール70として形成されていることができる。
【0034】
ブリッジ40は、例えば手によって操作可能なクランプレバーのような解除可能なロック手段50で、保持体12にロックされる。ロック手段50の解除によって、グリップホルダ36全体は、保持体12上を移動させることができ、そしてトルクレンチ26の長さに合わせることができる。保持体12は延長可能に構成されており、これによって必要な場合には極めて長いトルクレンチ26をも操作装置10によって検査することができる。
【0035】
保持体12の下に突出した回転ピン18には、トルクを生ぜしめるために、変位レバー52の一端が固定されている。変位レバー52の変位によって、回転ピン18及び測定値センサ16を介して、トルクレンチ26のヘッド24にトルクが加えられる。変位レバー52を変位させるために、スピンドル装置54が保持体12に配置されている。クランク56によって使用者は、回転可能に支承されたスピンドル58を操作する。スピンドル58は連行体60を駆動し、この連行体60は、変位レバー52の他端と可動に結合されていて、該変位レバー52を変位させる。そのために連行体60は例えば、変位レバー52の長孔内における1つのピンを有しているか、又は2つのピンを有しており、後者の場合には両ピンの間に変位レバー52の端部が支承されている。
【0036】
スピンドル装置54の代わりに、変位レバー52を操作するために別のリニア駆動装置が設けられていてもよい。操作装置10の別の構成では、スピンドル装置54を手動操作するためのクランク56の代わりに、例えば電動モータのようなモータ62が使用される。
【0037】
測定値センサ16によって測定されたトルクは、信号処理装置28に伝達され、そこで処理されかつデジタル化される。次いで測定されたトルクはディスプレイ30によって表示され、記録及び保管のために記憶装置32内に格納される。インターフェース34を介して、測定されたトルクは、さらなる処理のために外部機器に伝達されることができる。
【0038】
操作装置10を用いてトルクレンチ26を検査するために、初めに、検査される回転方向に応じて、滑り機構68を備えたスリーブ44が相応なピン38もしくは38aに押し嵌められる。次いでトルクレンチ26のヘッド24が、測定値センサ16の受容部22に連結される。ロック手段50の解除後にグリップホルダ36は、スリーブ44を備えたピン38aがトルクレンチ26のグリップ42を真ん中で保持するように、保持体12上を移動させられ、次いで再びロックされる。この場合トルクレンチ26のグリップ42は滑り機構68の上で横になる。滑り機構68を備えたスリーブ44は、小さなトルクを加えることによって高さを適正に調整され、クランプねじ47を用いて固定され、その結果、摩擦のない滑り機構68を備えた支持面46が、グリップ42を下から支持し、かつグリップ42を測定値センサ16の軸線に対して垂直に保持する。
【0039】
このような準備の後で、トルクレンチ26の本来の検査が行われる。クランク56又はモータ62の操作によって使用者は、スピンドル装置54、変位レバー52、回転ピン18及び測定値センサ16を介して、均一に増大可能でかつ微調整可能なトルクをトルクレンチ26のヘッド24にもたらす。このトルクの力によってトルクレンチ26は摩擦なしに滑り機構68の上を滑動し、ピン38と鉛直方向で接触する。通常この際に生じる横方向力は、例えばスリーブ44によって形成される鉛直方向の滑り機構68によって、排除される。加えられたトルクは、測定値センサ16によって測定され、信号処理装置28による処理の後でディスプレイ30において示される。
【0040】
使用者はいつでも、加えられたトルクを、トルクレンチ26によって表示されたトルクと比較することができ、場合によっては記憶装置32に格納することができる。リリースするトルクレンチ26のために、加えられた最大トルクが自動的に記憶装置32において格納される。このことは、トルクレンチ26に所定されたトルクと、リリース時における加えられたトルクとの比較を容易にする。
【0041】
次いで、トルクレンチ26は調整され、そして検査は、決定された誤差範囲におけるトルク値の合致が得られるまで、さらに繰り返される。検査記録のプリントアウト又は保管のために、記憶装置32内に格納されたトルク値は、インターフェース34を介して、例えばプリンタのような外部機器に伝達されることができる。
【0042】
図2には、トルクレンチ26を検査するための操作装置10の別の実施例が示されている。図1とは異なり、変位機構は、可動のグリップホルダ36を備えたガイドレール70から成っている。加えられるトルクの力によって、トルクレンチ26のグリップ42はガイドレール70の内部において保持体112に対して横方向に移動させられる。トルクレンチ26のヘッド24はこの場合測定値センサ16に位置しており、この測定値センサ16自体は、保持体112と堅く結合されている。滑り機構68はグリップホルダ36に、水平方向及び鉛直方向において調整されて位置している。
【0043】
操作装置110は、場合によっては高さ調節可能な2つのスタンド基部14を備えた保持体112を有している。両スタンド基部14は、操作装置10の確実な水平方向の状態を保証し、かつ場合によっては支持体とねじ結合されることができる。保持体112にはガイドレール70が設けられており、このガイドレール70は溝72を備えていて、この溝72には、自由に運動可能なグリップホルダ36が位置している。このグリップホルダ36には滑り機構68が水平方向及び鉛直方向において取り付けられている。さらに保持体112には測定値センサ16が堅くつまり不動に設けられており、この測定値センサ16は受容部22によってトルクレンチ26のヘッドを、四角形ピンを介して測定値センサ16と堅く結合している。
【0044】
ガイドレール70は、例えば手によって操作可能なクランプレバーのような解除可能なロック手段50を用いて、保持体112にロックされる。ロック手段50の解除によってガイドレール70は保持体112上を移動可能であり、そしてトルクレンチ26のサイズに適合されることができる。保持体112は延長可能に構成されており、これによって必要な場合には極めて長いトルクレンチ26をも操作装置110を用いて検査することができる。
【0045】
測定値センサ16によって測定されたトルク値は、信号処理装置28に伝達され、そこで処理され、かつデジタル化される。次いで測定されたトルク値は、ディスプレイ30において表示され、記憶装置32において記録及び保管のために格納される。インターフェース34を介して、測定されたトルク値は、さらなる処理のために外部機器に伝達されることができる。
【0046】
操作装置10を用いたトルクレンチ26の検査のために、初めに、トルクレンチ26のヘッド24が測定値センサ16の受容部22内において固定される。トルクレンチ26の長さに応じて、ガイドレール70は保持体112上において移動させられ、トルクレンチ26のグリップ42は、滑り機構68の間におけるグリップホルダ36に緩く挿入される。
【0047】
トルクレンチ26の検査は、クランク56又はモータ62の操作によって行われる。この際に生じる力は、ガイドレール70内においてグリップホルダ36を移動させる。トルクレンチ26はこの場合、測定値センサ16の軸線を中心にして旋回させられる。グリップ42は、グリップホルダ36の直線的な運動とは逆に、測定値センサ16を中心にして円形に運動し、これによりグリップホルダ36によって可動に保持されねばならない。ピン38,38aの間において水平方向及び鉛直方向に方向付けられて延びている滑り機構68によって、グリップ42の運動はほぼ摩擦なしにピン38,38aの方向で行うことができる。クランク56の導入された力によって、測定値センサ16に固定されたヘッド24に対するトルクが生ぜしめられる。同時に、加えられたトルクは測定値センサ16によって測定され、そして信号処理装置28による処理の後でディスプレイ30に伝達される。
【0048】
図3には、上に述べた操作装置10,110におけるグリップホルダ36が示されている。測定値センサ16は保持体12,112に固定されており、グリップホルダ36は保持体12と堅く結合されている(図1)か、又はガイドレール70上において可動に保持体112と結合されている(図2)。グリップホルダ36の支持46は、通常、鋼薄板から成っている。トルクレンチ26のグリップ42はこの場合、ピン38,38aの間において支持46に載っている。測定時にトルクレンチ26はグリップ42に対してトルクを加えられ、この際にグリップ42の小さな急な運動によって、エラーのある測定の生じることがある。特に、トルクレンチ26の多くのグリップ42が有している軟質のプラスチック領域66は、支持46に対して強い固着性を有していて、測定中におけるグリップ42の急な運動を強める。このような急な運動は、散発的に発生し、測定結果に著しい影響を与えることがある。このようなグリップ支持では、結果の再現性は保証されていない。このことは極めて小さな検査トルクに対して特に言えることであり、その結果トルクレンチ26の測定結果は、グリップ42及び支持46の摩擦によって、要求される精度の枠外になることがある。
【0049】
図4には、本発明による滑り機構68を備えたグリップホルダ36が示されている。トルクレンチ26のグリップ42は多くの場合軟質のプラスチック領域66を有していて、摩擦のない滑り機構68上にルーズに載っている。滑り機構68は水平方向でピン38,38aの間において、かつ鉛直方向でピン38,38aに沿って延びている。滑り機構68は種々様々な形態で形成可能である。滑り機構68は例えば、滑りガイドに沿って案内される滑り体として、又は無視できる程度の摩擦しかないグリップ42の滑りを保証する玉軸受もしくはころ軸受として形成することができる。さらに、測定中にトルクレンチ26のグリップ42がほぼ摩擦なしにその上を運動することができる、滑動するスリーブ又は滑りレールも使用可能である。操作装置10,110を用いた測定時に、トルクレンチ26のグリップ42は、ピン38,38aの方向における力を加えられる。トルクレンチ26のグリップ42のルーズな支承によって、滑り機構なしに構成された汎用の操作装置では、測定中に急な運動が発生してしまうが、このような運動は本発明による滑り機構68によって排除される。そしてトルクレンチ26の校正を正確に実施することができる。
【0050】
図5及び図5aには、滑り機構68を備えたグリップホルダ36の1実施例が、後ろから見た図で示されている。滑り機構68はボールスリーブとして形成されていて、ピン38,38aの間において水平方向及び鉛直方向に方向付けられて延びている。図5には、測定開始時のグリップホルダ36におけるグリップ42の支承の様子が示されている。グリップホルダ36は水平方向に延びる1つのピン48と、このピン48の端部に配置された2つのピン38,38aとから成っている。ピン48はスリーブ74を有しており、kのスリーブ74は、グリップホルダ36におけるグリップ42のための支持面を形成している。別のスリーブ75はピン38,38aを有していて、トルクレンチ26の鉛直方向における高さ調整を可能にする。このスリーブ75の構成は、測定値センサ16における横方向力及びこれに起因する測定エラーを阻止するために重要である。ピン38;38aはグリップホルダ36におけるグリップ42のためのストッパを形成している。図5には、グリップ42とピン38との間における間隙76がはっきりと示されている。測定中にトルクレンチ26のグリップ42は例えばピン38の方向に運動させられる(矢印78)。この際に生じる摩擦力は、ほとんど摩擦なしに滑動するスリーブ74によって排除される。滑り機構なしに構成された操作装置は、トルクレンチの測定時に急な運動を生ぜしめ、これによって測定結果は劣化してしまう。本発明による滑り機構68は、支持の上におけるグリップの摩擦のない滑動を可能にし、その結果トルクレンチ26の正確な測定が可能になる。
【0051】
図5bには、グリップホルダ36が上から見た平面図で示されている。この図5bにおいても、グリップ42とピン38;38aとの間における間隙76がはっきりと示されている。本発明による滑り機構68は支持面46とピン38,38aとを有している。トルクレンチ26の検査時にトルクレンチ26のグリップ42とピン38,38aとの間における間隙76は、可能な限り摩擦なしに克服されねばならない。このことは滑り機構68によって保証される。滑り機構68はこの場合玉軸受もしくはころ軸受80として、又はキャリッジ状の滑りレール84として、又は滑り体82として形成されていることができる。操作装置10,110の構成に応じて、これらの実施形態を組み合わせることも可能である。
【0052】
図6には、玉軸受もしくはころ軸受80としての滑り機構68の構成が示されており、この玉軸受もしくはころ軸受80は、グリップホルダ36を水平方向及び鉛直方向において覆っている。トルクレンチ26のグリップ42はルーズに玉軸受もしくはころ軸受80の上に載っていて、トルクの測定時に自由にかつ摩擦なしに可動である。滑り機構のない汎用のグリップホルダにおいて発生する横方向力は、この構成では回避される。
【0053】
図7には、滑動するスリーブ82としての滑り機構68の構成が示されており、このスリーブ82は、滑りガイドとして形成されたガイド面88を有している。スリーブ82は、トルクレンチ26のグリップ42のために支持面を形成しており、かつこのスリーブ82が特に良好な潤滑剤例えば潤滑グリスによってガイド面88に沿って移動するように、形成されている。このスリーブ82は常に等しい摩擦で、ガイド面88上を運動する。これによって、検査過程中における測定値センサ16における摩擦力は一定に保たれる。スリーブ82によって、硬い支持面上におけるグリップの急な運動に起因する測定エラーは、この構成によって著しく補償もしくは回避される。トルクレンチ26の検査はこの構成によって最適化される。
【0054】
図8には、滑りキャリッジ84としての滑り機構68の構成が示されており、この滑りキャリッジ84はガイド面88に支承されていて、自由回転可能な皿状の支持面86を備えている。測定開始のためにトルクレンチ26のグリップ42は、滑りキャリッジ84に対して自由に可動である皿状の支持面86に固定される。これによって測定値センサ16に対するグリップ42の正確な方向付けが保証される。測定中に滑りキャリッジ84は相応なガイド面88においてほとんど摩擦なしに滑動することができる。滑りキャリッジ84は例えばころ又は玉を有しており、これらのころ又は玉によって、滑りキャリッジ84は摩擦なしに可動である。滑りキャリッジ84は実際には、すべてのグリップホルダ36のどの支持面46においても使用することができ、その構成は特に汎用の操作装置に後から設備するのに適している。
【符号の説明】
【0055】
10,110 操作装置、 12,112 保持体、 14 スタンド基部、 16 測定値センサ、 18 回転ピン、 20 支承装置、 22 受容部、 24 トルクレンチのヘッド、 26 トルクレンチ、 28 信号処理装置、 30 ディスプレイ、 32 記憶装置、 34 インターフェース、 36 グリップホルダ、 38,38a ピン、 40 ブリッジ、 42 グリップ、 44 スリーブ、 46 支持もしくは支持面、 47 クランプねじ、 48 ピン、 50 ロック手段、 52 変位レバー、 54 スピンドル装置、 56 クランク、 58 スピンドル、 60 連行体、 62 モータ、 66 プラスチック領域、 68 滑り機構、 70 ガイドレール、 72 溝、 74 スリーブ、 75 スリーブ、 76 間隙、 78 矢印、 80 玉軸受もしくはころ軸受、 82 滑動するスリーブ、 84 滑りキャリッジ、 86 皿状の支持もしくは支持面、 88 ガイド面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルクレンチ(26)を検査するための操作装置(10,110)であって、
a)検査されるトルクレンチ(26)を固定するための保持体(12,112)と、
b)該保持体(12,112)に配置されていて、検査されるトルクレンチ(26)のヘッド(24)と連結される測定値センサ(16)と、
c)保持体(12,112)に配置されていて、検査されるトルクレンチ(26)のグリップ(42)を固定するためのグリップホルダ(36)と、
d)検査されるトルクレンチ(26)のヘッド(24)にトルクを加えるための変位機構(52,70)とが設けられている形式のものにおいて、
e)グリップ(42)の摩擦のない滑動のために働く滑り機構(68)が、グリップホルダ(36)に設けられていることを特徴とする、トルクレンチを検査するための操作装置。
【請求項2】
グリップ(42)の摩擦のない水平方向における滑動のために働く水平方向の滑り機構(68)が、グリップホルダ(36)に設けられている、請求項1記載のトルクレンチを検査するための操作装置。
【請求項3】
グリップ(42)の摩擦のない鉛直方向における滑動のために働く鉛直方向の滑り機構(68)が、グリップホルダ(36)に設けられている、請求項1又は2記載のトルクレンチを検査するための操作装置。
【請求項4】
滑り機構(68)が、支持として形成された滑り体を有していて、該滑り体が滑りガイド(88)上又は滑りガイド(88)内において案内されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のトルクレンチを検査するための操作装置。
【請求項5】
滑り機構(68)が玉軸受もしくはころ軸受(80)を有している、請求項1から4までのいずれか1項記載のトルクレンチを検査するための操作装置。
【請求項6】
滑り体がスリーブ(82)として形成されていて、該スリーブ(82)が、滑りガイドとして形成されたピン(48)を取り囲んでいる、請求項4から5までのいずれか1項記載のトルクレンチを検査するための操作装置。
【請求項7】
滑り体が滑りキャリッジ(84)として形成されていて、滑りガイドが、相応なガイド面(88)によって形成されている、請求項4から6までのいずれか1項記載のトルクレンチを検査するための操作装置。
【請求項8】
変位機構(52,70)が、トルクレンチ(26)を変位させるための装置を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載のトルクレンチを検査するための操作装置。
【請求項9】
変位機構(52,70)が変位レバー(52)として形成されていて、該変位レバー(52)が、検査されるトルクレンチ(26)のヘッドに対して作用し、保持体(12,112)が変位レバー(52)に対して定置に設けられている、請求項1から7までのいずれか1項記載のトルクレンチを検査するための操作装置。
【請求項10】
スピンドル装置(54)が設けられていて、該スピンドル装置(54)が保持体(12,112)に配置されており、スピンドル装置(54)のスピンドル(58)に配置された連行体(60)が、回転可能に支承されたスピンドル(58)の操作時に、変位レバー(52)又はトルクレンチ(26)を変位させる、請求項1から9までのいずれか1項記載のトルクレンチを検査するための操作装置。
【請求項11】
スピンドル装置(54)のスピンドル(58)がモータ(62)、特に電動モータを介して駆動可能に形成されている、請求項10記載のトルクレンチを検査するための操作装置。
【請求項12】
種々異なった長さのトルクレンチ(26)のために、固定されるトルクレンチ(26)の長手方向において調節可能なグリップホルダ(36)が、保持体(12,112)に配置されている、請求項1から11までのいずれか1項記載のトルクレンチを検査するための操作装置。
【請求項13】
信号処理装置(28)が設けられていて、該信号処理装置(28)が測定値センサ(16)の測定信号を処理、特にデジタル化して、記憶装置(32)内に格納し、かつディスプレイ(30)において表示する、請求項1から12までのいずれか1項記載のトルクレンチを検査するための操作装置。
【請求項14】
保持体(12,112)が延長可能に形成されている、請求項1から13までのいずれか1項記載のトルクレンチを検査するための操作装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図5a】
image rotate

【図5b】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−210581(P2009−210581A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−46335(P2009−46335)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(593087949)エドゥアルト ヴィレ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (8)
【氏名又は名称原語表記】Eduard Wille GmbH & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Lindenallee 27, D−42349 Wuppertal, Germany
【Fターム(参考)】