トレンチ基板及びその製造方法
【課題】メッキ偏差を減少させることができるトレンチ基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ベース基板102、前記ベース基板102の一面または両面に積層され、回路領域を含み製品縁部のダミー領域にトレンチが形成された絶縁層112、及び前記回路領域に形成されたトレンチの内部にメッキ工程で形成された回路パターン及びビアを含む回路層124を含む。製品縁部のダミー領域及び製品間の切断領域にメッキ偏差の改善のためのトレンチが形成されることにより、メッキ工程の際、絶縁層上に形成されるメッキ層の偏差を改善することができる。
【解決手段】ベース基板102、前記ベース基板102の一面または両面に積層され、回路領域を含み製品縁部のダミー領域にトレンチが形成された絶縁層112、及び前記回路領域に形成されたトレンチの内部にメッキ工程で形成された回路パターン及びビアを含む回路層124を含む。製品縁部のダミー領域及び製品間の切断領域にメッキ偏差の改善のためのトレンチが形成されることにより、メッキ工程の際、絶縁層上に形成されるメッキ層の偏差を改善することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトレンチ基板及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体チップの高密度化及び信号伝達速度の高速化に対応するための技術として、半導体チップをプリント基板に直接実装する技術に対する要求が増大している。これに応じて、半導体チップの高密度化に対応することが可能な高密度及び高信頼性のプリント基板の開発が要求されている。
【0003】
高密度及び高信頼性のプリント基板に対する要求仕様は半導体チップの仕様に密接に関連しているが、回路の微細化、高度な電気特性、高速信号伝達構造、高信頼性、高機能性などの多大な課題がある。このような要求仕様に対応した微細回路パターン及びマイクロビアホールを形成することができるプリント基板製造技術が要求されている。
【0004】
通常、プリント基板の回路パターンを形成する方法は、サブトラクティブ法(subractive process)、フールアディティブ法(full additive process)、及びセミアディティブ法(semi−additive process)などがある。このような方法のうち、回路パターンの微細化が可能なセミアディティブ法が現在注目を浴びている。
【0005】
図1〜図6は従来の一例によるセミアディティブ法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図であり、これを参照して回路パターンの形成方法を説明すれば次のようである。
【0006】
まず、図1に示すように、一面に金属層14が形成された絶縁層12にビアホール16を加工する。
【0007】
ついで、図2に示すように、ビアホール16の内壁を含み絶縁層12上に無電解メッキ層18を形成する。この際、無電解メッキ層18は以後に行われる電解メッキ工程の前処理工程の役目をする。電解メッキ層24を形成するためには、一定厚さ以上(例えば、1μm以上)の無電解メッキ層18を形成しなければならない。
【0008】
ついで、図3に示すように、ドライフィルム20を積層し、回路パターン形成領域を露出させる開口部22を持つようにパターニングする。
【0009】
ついで、図4に示すように、ビアホール16を含み開口部22に電解メッキ層24を形成する。
【0010】
ついで、図5に示すように、ドライフィルム20を除去する。
【0011】
最後に、図6に示すように、フラッシュエッチング(flash etching)、クィックエッチング(quick etching)などによって、電解メッキ層24が形成されない無電解メッキ層18を除去することで、ビア26を含む回路パターン28を形成する。
【0012】
しかし、従来のセミアディティブ法で形成された回路パターン28は、絶縁層12上に陽刻部の形状に形成されているから、絶縁層12から分離される問題点があった。特に、次第に回路パターン28が微細化していくにつれて絶縁層12と回路パターン28間の接着面積が減少して接着力が弱化し、回路パターン28の分離が酷くなる問題点があった。
【0013】
近年には、このような限界を克服するために新工法が提案されている。その一つとして、絶縁層上にレーザーでトレンチ(trench)を形成し、メッキ、研磨、エッチングの工程によって回路パターンを製造するLPP法(Laser Patterning Process)が注目を浴びている。
【0014】
図7〜図10は従来の他の例によるLPP法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図であり、これを参照して回路パターン形成方法を説明すれば次のようである。
【0015】
まず、図7に示すように、一面に金属層54が形成された絶縁層52に回路パターン用トレンチ56a及びビア用トレンチ56bを含むトレンチ56を加工する。
【0016】
ついで、図8に示すように、トレンチ56の内壁を含み絶縁層52上に無電解メッキ層58を形成する。
【0017】
ついで、図9に示すように、無電解メッキ層58上に電解メッキ層60を形成する。
【0018】
最後に、図10に示すように、エッチング工程またはグラインディング工程によって、絶縁層52の上部に突出した無電解メッキ層58及び電解メッキ層60を除去してビア62を含む埋込型回路パターン64を形成する。
【0019】
しかし、図9から分かるように、トレンチ56の内部を含み絶縁層52上に形成される電解メッキ層60は、トレンチ56が形成される領域とそうではない領域の間で高低差(メッキ偏差)を持つことになる。よって、エッチング工程またはグラインディング工程で絶縁層52の上部に突出した無電解メッキ層58及び電解メッキ層60を除去しても均一な高さを持つようにすることに限界があった。
【0020】
特に、トレンチ56が形成された領域に比べ、トレンチ56が形成されない領域は絶縁層52の上部に相対的に高く電解メッキ層60が形成されるから、その除去工程で電解メッキ層60がすっかり除去されなくて回路パターン64が互いに分離されない問題点が発生するか、これを過度に除去する過程で回路パターン64及びビア62の電解メッキ層60が除去されて消失される問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
したがって、本発明は前記のような問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、メッキ偏差を減少させることができるトレンチ基板及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記目的を達成するために、本発明の一面によるトレンチ基板は、ベース基板;前記ベース基板の一面または両面に積層され、回路領域を含み製品縁部のダミー領域にトレンチが形成された絶縁層;及び前記回路領域に形成されたトレンチの内部にメッキ工程で形成された回路パターン及びビアを含む回路層;を含んでなる。
【0023】
前記トレンチ基板は、前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチの内部を含み前記絶縁層に積層された外層絶縁層をさらに含むことができる。
【0024】
前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチは、線形、円形、三角形、四角形、十字形、または多角形の形状を持つことができる。
【0025】
前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチは、陰刻部または突起が形成された陰刻部であることができる。
【0026】
前記目的を達成するために、本発明の他の面によるトレンチ基板は、ベース基板;前記ベース基板の一面に積層され、回路領域を含み製品縁部のダミー領域にトレンチが形成された第1絶縁層;前記ベース基板の他面に積層され、回路領域にビアホールが形成された第2絶縁層;前記第1絶縁層の前記回路領域に形成されたトレンチの内部にメッキ工程で形成された回路パターン及びビアを含む第1回路層;及び前記第2絶縁層に形成されたビアを含む第2回路層;を含んでなる。
【0027】
前記トレンチ基板は、前記第1絶縁層の前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチの内部を含み前記第1絶縁層に積層された第1外層絶縁層;及び前記第2絶縁層に積層された第2外層絶縁層;をさらに含むことができる。
【0028】
前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチは、線形、円形、三角形、四角形、十字形、または多角形の形状を持つことができる。
【0029】
前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチは、陰刻部または突起が形成された陰刻部であることができる。
【0030】
前記目的を達成するために、本発明の他の面によるトレンチ基板の製造方法は、(A)ベース基板の一面または両面に積層された絶縁層の回路領域を含み製品縁部のダミー領域及び製品間の切断領域にトレンチを加工する段階;(B)前記トレンチの内部を含み前記絶縁層にメッキ層を形成する段階;(C)前記絶縁層上部に過剰に形成された前記メッキ層を除去する段階;及び(D)前記回路領域にエッチングレジストを塗布し、前記製品縁部のダミー領域及び製品間の切断領域に形成された前記メッキ層を除去した後、前記エッチングレジストを除去する段階;を含んでなる。
【0031】
前記方法は、前記(D)段階の後に、(E)前記製品間の切断領域に沿ってダイシングを行って個別トレンチ基板にする段階を含むことができる。
【0032】
前記方法は、前記(D)段階の後に、(E)前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチの内部を含み前記絶縁層に外層絶縁層を積層する段階を含むことができる。
【0033】
前記(A)段階において、前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチは、線形、円形、三角形、四角形、十字形、または多角形の形状を持つことができる。
【0034】
前記(A)段階において、前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチは、陰刻部または突起が形成された陰刻部であることができる。
【0035】
前記目的を達成するために、本発明の他の面によるトレンチ基板の製造方法は、(A)ベース基板の一面に第1絶縁層を積層し、前記ベース基板の他面に第2絶縁層を積層する段階;(B)前記第1絶縁層の回路領域を含み製品縁部のダミー領域及び製品間の切断領域にトレンチを加工し、前記第2絶縁層の回路領域にビアホールを加工する段階;(C)前記トレンチを含み前記第1絶縁層に第1メッキ層を形成し、前記ビアホールを含み前記第2絶縁層に第2メッキ層を形成する段階;(D)前記第1絶縁層の上部に過剰に形成された第1メッキ層を除去する段階;(E)前記第1絶縁層の回路領域に第1エッチングレジストを塗布し、前記第2絶縁層に回路形成用開口部を持つ第2エッチングレジストを塗布する段階;及び(F)前記第1絶縁層の前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記第1メッキ層及び前記回路形成用開口部によって露出した前記第2メッキ層を除去した後、前記第1エッチングレジスト及び前記第2エッチングレジストを除去する段階;を含んでなる。
【0036】
前記方法は、前記(F)段階の後に、(G)前記製品間の切断領域に沿ってダイシングを行って個別トレンチ基板にする段階;を含むことができる。
【0037】
前記方法は、前記(F)段階の後に、(G)前記第1絶縁層の前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチの内部を含み前記第1絶縁層に第1外層絶縁層を積層し、前記第2絶縁層に第2外層絶縁層を積層する段階;を含むことができる。
【0038】
前記(B)段階において、前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチは、線形、円形、三角形、四角形、十字形、または多角形の形状を持つことができる。
【0039】
前記(B)段階において、前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチは、陰刻部または突起が形成された陰刻部であることができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、回路及びビアが形成される回路領域だけではなく製品縁部のダミー領域及び製品間の切断領域にトレンチが形成された状態でメッキ工程が行われるので、メッキ偏差が改善され、これによって絶縁層の上部に過剰に形成されたメッキ層の除去も容易に行える。
【0041】
また、本発明によれば、メッキ偏差の改善のために、製品縁部のダミー領域及び製品間の切断領域に形成できる多様な形状のトレンチ構造を提供する。
【0042】
また、本発明によれば、一面の製品縁部のダミー領域及び製品間の切断領域に第2トレンチを形成してメッキ偏差を改善した状態で、他面の一般的な回路形成工程に適用されるエッチング工程で第2トレンチに形成されたメッキ層を除去するので、第2トレンチに形成されたメッキ層の除去に別途の工程が不要であるだけでなく、製品間切断工程を行うとき、切断器具にかかる負荷の増加を防止することができる。
【0043】
本発明の特徴及び利点は添付図面に基づいた以降の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【0044】
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び請求範囲に使用された用語や単語は通常的で辞書的な意味に解釈されてはいけなく、発明者がその自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】従来の一例によるセミアディティブ法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図である。
【図2】従来の一例によるセミアディティブ法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図である。
【図3】従来の一例によるセミアディティブ法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図である。
【図4】従来の一例によるセミアディティブ法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図である。
【図5】従来の一例によるセミアディティブ法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図である。
【図6】従来の一例によるセミアディティブ法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図である。
【図7】従来の他の例によるLPP工法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図である。
【図8】従来の他の例によるLPP工法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図である。
【図9】従来の他の例によるLPP工法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図である。
【図10】従来の他の例によるLPP工法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図である。
【図11】本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の断面図である。
【図12】本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の断面図である。
【図13】本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図14】本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図15】本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図16】本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図17】本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図18】本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図19】本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図20】本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図21】本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図22】本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図23】本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図24】本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図25】本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図26】本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図27】本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図28】本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図29】本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図30】本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図31A】本発明の好適な実施例によるトレンチの形状を示す図である。
【図31B】本発明の好適な実施例によるトレンチの形状を示す図である。
【図31C】本発明の好適な実施例によるトレンチの形状を示す図である。
【図31D】本発明の好適な実施例によるトレンチの形状を示す図である。
【図32A】本発明の好適な実施例によるトレンチの加工位置を示す図である。
【図32B】本発明の好適な実施例によるトレンチの加工位置を示す図である。
【図32C】本発明の好適な実施例によるトレンチの加工位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明の目的、利点及び特徴は添付図面を参照する以下の詳細な説明及び好適な実施例からもっと明らかになろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際して、同じ構成要素には、たとえ異なる図面に表示されていても、できるだけ同一符号を付けることにする。また、本発明の説明において、関連の公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにすることができると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0047】
以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
【0048】
トレンチ基板の構造−第1実施例
図11は本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の断面図である。以下、同図を参照して本実施例によるトレンチ基板100aについて説明する。
【0049】
図11に示すように、本実施例によるトレンチ基板100aは、ベース基板102の一面または両面に回路領域Pを含み製品縁部のダミー領域Dにトレンチ114a、114bが形成された絶縁層112が積層され、回路領域Pに形成されたトレンチ114a、114bの内部に、メッキ工程で形成された回路パターン及びビアを含む回路層124が形成されたことを特徴とする。
【0050】
ベース基板102は、例えばコア回路層106が両面に形成されたコア絶縁層104に内層回路層110が形成された内層絶縁層108が積層され、前記内層回路層110はコア絶縁層104及び内層絶縁層108を貫いて形成された内層ビア110aを介して連結された構造を持つ。もちろん、図11に示すベース基板102は例示のためのものに過ぎなく、多様な構造が採用できることは明らかである。
【0051】
絶縁層112はベース基板102に積層され、回路領域Pを含み製品縁部のダミー領域Dにトレンチ114a、114bが形成されている。ここで、トレンチ114a、114bは、絶縁層112の回路領域Pに形成された回路パターン及びビア形成用第1トレンチ114a、及び絶縁層112の製品縁部のダミー領域Dに形成されたメッキ偏差の改善のための第2トレンチ114bでなる。この際、第2トレンチ114bはメッキ偏差の改善のために製品縁部のダミー領域Dに形成されるもので、最適のメッキ偏差の改善のために、多様な形状、直径、間隔、深さなどを持つことができる。これについては、図31A〜図31D及び図32A〜図32Cを参照する説明部分で詳細に説明する。
【0052】
ここで、第2トレンチ114bは、全体が陰刻部に形成されるか、あるいは陰刻部の内部の一部領域は除去しないことにより突起が形成された陰刻部に形成されることができる。すなわち、第2トレンチ114bが広い陰刻部に形成される場合、突起をその内部に形成することで、広い陰刻部の全領域に一定厚さのメッキ層の確保が可能になる。
【0053】
回路層124は、製品縁部のダミー領域Dの第2トレンチ114bを除き、回路領域Pの第1トレンチ114aの内部にメッキ工程で形成される。ここで、回路パターン及びビア形成用第1トレンチ114aの内部にメッキ工程が行われて、回路及びビアを含む回路層124が形成される。
【0054】
一方、絶縁層112に、かつ製品縁部のダミー領域Dに形成された第2トレンチ114bの内部には外層絶縁層126が積層される。ここで、外層絶縁層126はソルダーレジスト層または多層構造のビルドアップ層を含む概念に理解しなければならない。
【0055】
また、図11にはベース基板102の両面にトレンチ回路が形成されたものが示されているが、ベース基板102の一面にだけトレンチ回路を形成することも本発明の範疇内に含まれるものである。
【0056】
トレンチ基板の構造−第2実施例
図12は本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の断面図である。以下、これを参照して本実施例によるトレンチ基板について説明する。
【0057】
図12に示すように、本実施例によるトレンチ基板100bは、ベース基板102の一面には、回路領域Pを含み製品縁部のダミー領域Dにトレンチ114a、114bが形成された第1絶縁層112aが積層され、ベース基板102の他面には、回路領域Pにビアホール114cが形成された第2絶縁層112bが積層され、第1絶縁層112aの回路領域Pに形成されたトレンチ114aの内部にメッキ工程で形成された回路パターン及びビアを含む第1回路層124aが形成され、第2絶縁層112bに形成されたビアを含む第2回路層124bが形成された構造を持つ。
【0058】
すなわち、本実施例は、ベース基板102の一面には第1実施例と同一構造のトレンチパターンが形成され、ベース基板102の他面には一般的な回路層が形成されたことを特徴とする。これを除き、第1実施例と同一であるので、その重複説明は省略する。
【0059】
トレンチ基板の製造方法−第1実施例
図13〜図21は本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。以下、これを参照して本実施例によるトレンチ基板の製造方法を説明する。
【0060】
まず、図13に示すように、ベース基板102の両面に絶縁層112を積層する。
【0061】
ここで、図13には、ベース基板102が、コア回路層106が両面に形成されたコア絶縁層104に内層回路層110が形成された内層絶縁層108が積層され、前記内層回路層110はコア絶縁層104及び内層絶縁層108を貫いて形成された内層ビア110aを介して連結された構造を持つものとして示されているが、これは例示的なものに過ぎない。例えば、ベース基板102として絶縁層が使用されることも可能であり、この場合は、更なる絶縁層の積層工程なしに次の工程が進むことができる。
【0062】
一方、図13にはベース基板102の両面に絶縁層112が積層されたものが示されているが、ベース基板102の一面にだけ絶縁層112を積層した状態で次の工程が進むことも本発明の範疇内に含まれる。以下では、説明及び図示の便宜上、ベース基板102の両面に絶縁層112を積層した状態で、トレンチ基板を製造する方法について説明する。
【0063】
ついで、図14に示すように、ベース基板102に積層された絶縁層112の回路領域Pを含み製品縁部のダミー領域D及び製品間の切断領域Sにトレンチ114a、114bを加工する。この際、製品間の切断領域Sは多数の単位基板(個別トレンチ基板)を含むパネルにおいて、各単位基板の間の領域であり、以後のダイシング(dicing)工程で切断される領域を意味する。
【0064】
ここで、トレンチ114a、114bは絶縁層112の回路領域Pに形成された回路パターン及びビア形成用第1トレンチ114a、及び絶縁層112の製品縁部のダミー領域D及び製品間の切断領域Sに形成されたメッキ偏差の改善のための第2トレンチ114bを含んでなる。
【0065】
この際、トレンチ114a、114bは当業界に知られたものであれば特に限定されないが、例えばインプリント法またはレーザー法(例えば、Nd−YAG(Neodymium−doped Yttrium Aluminum Garnet)レーザー、CO2レーザー、パルスUV(ultra−violet)エキシマーレーザー)によって加工される。
【0066】
ついで、図15に示すように、トレンチ114a、114bの内壁を含み絶縁層112に無電解メッキ層116を形成する。
【0067】
この際、無電解メッキ層116は、触媒を絶縁層112の表面に吸着した後、無電解メッキ液の構成成分が還元剤から電子を受けて銅として析出する原理で形成される。
【0068】
この際、触媒の吸着は、クリーナー−コンディショナー過程→予備触媒処理過程→触媒処理過程→触媒還元過程で行われる。クリーナー−コンディショナー過程は、絶縁層112に残存し得る有機物を除去して湿潤性を良くし、界面活性剤を用いて表面張力を低めることで水溶性薬品が絶縁層112に内壁によく付くようにする過程であり、予備触媒処理過程は、触媒処理に先立ち、低濃度(一般的に1〜3%希薄した触媒薬品)の触媒薬品に絶縁層112を漬けることで、触媒処理過程で使用される薬品が汚染するか濃度が変わることを防止するための過程であり、触媒処理過程は、絶縁層112に例えばPd−Sn(パラジウム−スズ)またはPdイオン錯化合物のような触媒粒子を加える過程であり、触媒還元過程は、実際に触媒として作用するPd金属を得るための過程である。
【0069】
ついで、図16に示すように、無電解メッキ層116上に、トレンチ114a、114bの内部を含み絶縁層112に電解メッキ層118を形成する。以下では、説明の便宜上、無電解メッキ層116及び電解メッキ層118をメッキ層120と総称する。
【0070】
この際、トレンチ114a、114bの内部をメッキする過程で絶縁層112の上部にもメッキ層120が形成される。
【0071】
ここで、トレンチ114a、114bが形成された領域とそうではない領域との間にはメッキ偏差が発生するしかない。すなわち、トレンチ114a、114bが形成された領域にはもちろん、トレンチ114a、114bの内部にもメッキ層120が形成されるので、トレンチ114a、114bが形成されない領域はトレンチ114a、114bが形成された領域より絶縁層112の上部に高くメッキ層120が形成される。従来には、回路パターン及びビア形成領域にだけ第1トレンチ114aを加工したため、第1トレンチ114aが形成されない領域に比べてメッキ偏差が高い問題があった。特に、製品縁部のダミー領域D及び製品間の切断領域Sはトレンチが形成されないため、絶縁層112の上部にメッキ層120が過剰に形成され、これを除去するのに長時間がかかる問題点があり、これを除去する過程で、第1トレンチ114aの内部に形成されたメッキ層120が一緒に除去される問題点があった。
【0072】
しかし、本実施例においては、製品縁部のダミー領域D及び製品間の切断領域Sにメッキ偏差の改善のための第2トレンチ114bを加工することにより、従来に比べてメッキ偏差が改善される。この際、第2トレンチ114bは、回路パターン及びビアのように加工形状などが決まっていないので、最適のメッキ偏差改善のために多様な形状を持つことができ、第2トレンチ114bの直径、第2トレンチ114b間の間隔、深さなどは制御可能である。これについては、図29A〜図29D及び図30A〜図30Cに基づく説明部分で詳細に説明する。
【0073】
ついで、図17に示すように、研磨工程を行うことで、絶縁層112の上部に過剰に形成されたメッキ層120を除去して平坦化する。
【0074】
この際、研磨工程は、バフ(buff)研磨、サンドベルト(sand belt)、ポリシング研磨を含む各種の機械的研磨またはこれらを組み合わせて使用するか、化学的研磨、またはCMP研磨を適用することができる。さらに、機械的研磨及び化学的研磨を連携して行うことができる。
【0075】
本段階は、第2トレンチ114bによってメッキ偏差が改善された状態で実施されるので、従来に比べて回路パターンが分離されない問題及び回路パターンの消失される問題などが発生しなくなる。
【0076】
ついで、図18に示すように、エッチングレジスト122を絶縁層112の回路領域Pに塗布する。すなわち、製品縁部のダミー領域D及び製品間の切断領域Sを露出させるように、エッチングレジスト122を絶縁層112に塗布する。
【0077】
ついで、図19に示すように、製品縁部のダミー領域D及び製品間の切断領域Sの第2トレンチ114bの内部に形成されたメッキ層120をエッチングで除去し、エッチングレジスト122を除去する。
【0078】
ここで、第2トレンチ114bに形成されたメッキ層120が除去されるので、各単位基板を分離するダイシング工程で、メッキ層120による工程負荷の増加のような問題は発生しなくなる。
【0079】
ついで、図20に示すように、第2トレンチ114bの内部を含み絶縁層112に外層絶縁層126を積層する。この際、半硬化状態の外層絶縁層126を絶縁層112に積層することにより、第2トレンチ114bの内部の空間にも外層絶縁層126が流入される。ここで、第2トレンチ114bは、絶縁層112と外層絶縁層126の接触面積を増大させることで接着性能を向上させる役目をする。
【0080】
最後に、図21に示すように、製品間の切断領域Sに沿ってダイシング工程を行って個別トレンチ基板100aに分離する。上述したような製造工程によって図11及び図21に示すようなトレンチ基板100aが製造される。
【0081】
トレンチ基板の製造方法−第2実施例
図22〜図30は本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。本実施例は、一面の回路層はLPP工法を利用して形成し、他面の回路層は一般的な回路形成工法を用いて形成するものであり、他面の回路層形成工程で、第2トレンチに形成されたメッキ層をいっぺんに除去することができるトレンチ基板の製造方法を提供することを特徴とする。以下、図22〜図30を参照して本実施例によるトレンチ基板の製造方法を説明する。
【0082】
まず、図22示すように、ベース基板102の一面に第1絶縁層112aを積層し、ベース基板102の他面に第2絶縁層112bを積層する。
【0083】
ついで、図23に示すように、ベース基板102に積層された第1絶縁層112aの回路領域Pを含み製品縁部のダミー領域D及び製品間の切断領域Sにトレンチ114a、114bを加工し、第2絶縁層112bの回路領域Pにビアホール114cを加工する。
【0084】
ついで、図24に示すように、トレンチ114a、114bの内壁を含み第1絶縁層112aに第1無電解メッキ層116aを形成し、ビアホール114cの内壁を含み第2絶縁層112bに第2無電解メッキ層116bを形成する。
【0085】
ついで、図25に示すように、トレンチ114a、114bの内部を含み第1無電解メッキ層116aに第1電解メッキ層118aを形成し、ビアホール114cの内部を含み第2無電解メッキ層116bに第2電解メッキ層118bを形成する。すなわち、第1絶縁層112aに第1無電解メッキ層116a及び第1電解メッキ層118aからなる第1メッキ層120aを形成し、第2絶縁層112bに第2無電解メッキ層116b及び第2電解メッキ層118bからなる第2メッキ層120bを形成する。
【0086】
ついで、図26に示すように、研磨工程を行うことで、第1絶縁層112aの上部に過剰に形成された第1メッキ層120aを除去して平坦化する。
【0087】
本段階で、第2回路層124bの厚さを考慮して、第2絶縁層112bに形成された第2メッキ層120bの一部を幅方向に除去することができる。
【0088】
ついで、図27に示すように、第1絶縁層112aの回路領域Pに第1エッチングレジスト122aを塗布し、第2絶縁層112bにパターニングされた第2エッチングレジスト122bを塗布する。ここで、第2エッチングレジスト122bは、第2回路層124bを除く領域を露出させるオープン部を持つようにパターニングされている。
【0089】
ついで、図28に示すように、第1エッチングレジスト122a及び第2エッチングレジスト122bが形成されないで露出した第1メッキ層120a及び第2メッキ層120bを除去して、第1絶縁層112aにトレンチ回路パターン及びトレンチビアを含む第1回路層124aを形成し、第2絶縁層112bに第2回路層124bを形成する。
【0090】
この際、第2回路層124bを形成するのに使用されるエッチング工程で、第1メッキ層120aもともに除去されるので、第1絶縁層112aの製品縁部のダミー領域D及び製品間の切断領域Sの第2トレンチ114bに形成された第1メッキ層120aを除去するための別途の工程が不要になって、工程の効率性を高めることができる。
【0091】
ついで、図29に示すように、第1絶縁層112aの第2トレンチ114bの内部を含み第1絶縁層112aに第1外層絶縁層126aを積層し、第2絶縁層112bに第2外層絶縁層126bを積層する。
【0092】
最後に、図30に示すように、製品間の切断領域Sに沿ってダイシング工程を行って個別トレンチ基板100bに分離する。上述したような製造工程によって図12及び図30に示すようなトレンチ基板100bが製造される。
【0093】
図31A〜図31Dは本発明の好適な実施例によるトレンチの形状を示す図である。すなわち、本発明によれば、メッキ偏差の改善のために、回路領域Pを除いた製品縁部のダミー領域D及び製品間の切断領域Sに形成される第2トレンチ114bは多様な形状を持つことができる。
【0094】
図31A〜図31Dに示すように、本発明の好適な実施例による第2トレンチ114bは、円形(図31A)、三角形(図31B)、四角形(図31C)、十字形(図31D)の形状を持つことができる。一方、図示しなかったが、第2トレンチ114bは、線形または多角形の形状も持つことができる。ここで、AとBはそれぞれトレンチの直径及びトレンチ間隔を意味する。
【0095】
一方、下記表1には、トレンチ114bの形状によるメッキ厚さの偏差に対する実験結果データが開示されている。ここで、表1は回路領域が占める面積が80%であるとき、例えばトレンチ114bが100μmの直径(A)を持つとき、トレンチ形状及びトレンチ間隔によるメッキ厚さの偏差に対する実験結果データである。
【0096】
【表1】
【0097】
前記表1から分かるように、トレンチ間隔(B)がいずれも30μmであるとき、円形トレンチ形状でメッキ厚さの偏差が一番改善されることが分かる(テスト1〜4参照)。また、トレンチ形状が三角形であるときには、20μm、30μm、40μmのトレンチ間隔(B)のなかで30μmのトレンチ間隔(B)でメッキ厚さの偏差が一番され(テスト、2、5、及び6参照)、トレンチ形状が四角形であるときは、20μm、30μm、40μmのトレンチ間隔(B)のなかで20μmのトレンチ間隔(B)でメッキ厚さの偏差が一番改善されることが分かる(テスト3、7、及び8参照)。
【0098】
また、下記表2にはトレンチ形状が円形であるとき、トレンチ直径(A)、トレンチ間隔(B)、トレンチ深さによるメッキ厚さの偏差に対する実験結果データが開示されている。ここで、表2は回路領域が占める面積が80%であるとき、トレンチ直径(A)、トレンチ間隔(B)、トレンチ深さによるメッキ厚さの偏差に対する実験結果データである。
【0099】
【表2】
【0100】
前記表2から分かるように、第2トレンチ114bがない場合(テスト1参照)に比べ、第2トレンチ114bがある場合(テスト2〜8参照)にメッキ厚さの偏差が改善されることが分かる。また、トレンチ間隔(B)及びトレンチ深さがそれぞれ30μm、15μmと一定であるとき、50μm、100μm、150μmのトレンチ直径(A)のなかで100μmのトレンチ直径(B)でメッキ厚さの偏差が一番改善され(テスト2〜4参照)、トレンチ直径(A)及びトレンチ深さがそれぞれ100μm、15μmと一定であるとき、20μm、30μm、40μmのトレンチ間隔(B)のなかで30μmのトレンチ間隔(B)でメッキ厚さの偏差が一番改善されることが分かる(テスト3、5及び6参照)。トレンチ直径(A)及びトレンチ間隔(B)がそれぞれ100μm、30μmと一定であるとき、10μm、15μm、20μmのトレンチ深さのなかで15μmのトレンチ深さでメッキ厚さの偏差が一番改善されることが分かる(テスト3、7及び8参照)。
【0101】
図32A〜図32Cは本発明の好適な実施例によるトレンチの加工位置を示す図である。以下、図32A〜図32Cを参照して本実施例によるトレンチの加工位置について説明する。
【0102】
図32A〜図32Cに示すように、メッキ偏差の改善のための第2トレンチ114bは多様な位置に加工できる。例えば、第2トレンチ114bは回路領域Pを除いた領域に一定間隔で形成されるか(図32A参照)、回路領域Pに隣接した領域には一定間隔で形成されるが製品縁部のダミー領域D及び製品間の切断領域Sには全体領域にわたって形成されることができる(図32B参照)。また、製品縁部のダミー領域D及び製品間の切断領域Sが区画されるように境界部に当たる一部分を残して形成することができる(図32C参照)。
【0103】
この際、回路領域P内に形成されるトレンチ114aは、回路パターンとグラウンド間の領域分離のために、所定間隔で形成されることが好ましい。
【0104】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのもので、本発明による放熱パッケージ基板及びその製造方法はこれに限定されなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を持った者によって多様な変形及び改良が可能であろう。本発明の単純な変形ないし変更はいずれも本発明の範疇内に属するもので、本発明の具体的な保護範囲は特許請求範囲によって明らかに決まるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、メッキ偏差を減少させることができるトレンチ基板及びその製造方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0106】
102 ベース基板
112、112a、112b 絶縁層
114a、114b トレンチ
114c ビアホール
116、116a、116b 無電解メッキ層
118、118a、118b 電解メッキ層
120、120a、120b メッキ層
124、124a、124b 回路層
126、126a、126b 外層絶縁層
【技術分野】
【0001】
本発明はトレンチ基板及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体チップの高密度化及び信号伝達速度の高速化に対応するための技術として、半導体チップをプリント基板に直接実装する技術に対する要求が増大している。これに応じて、半導体チップの高密度化に対応することが可能な高密度及び高信頼性のプリント基板の開発が要求されている。
【0003】
高密度及び高信頼性のプリント基板に対する要求仕様は半導体チップの仕様に密接に関連しているが、回路の微細化、高度な電気特性、高速信号伝達構造、高信頼性、高機能性などの多大な課題がある。このような要求仕様に対応した微細回路パターン及びマイクロビアホールを形成することができるプリント基板製造技術が要求されている。
【0004】
通常、プリント基板の回路パターンを形成する方法は、サブトラクティブ法(subractive process)、フールアディティブ法(full additive process)、及びセミアディティブ法(semi−additive process)などがある。このような方法のうち、回路パターンの微細化が可能なセミアディティブ法が現在注目を浴びている。
【0005】
図1〜図6は従来の一例によるセミアディティブ法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図であり、これを参照して回路パターンの形成方法を説明すれば次のようである。
【0006】
まず、図1に示すように、一面に金属層14が形成された絶縁層12にビアホール16を加工する。
【0007】
ついで、図2に示すように、ビアホール16の内壁を含み絶縁層12上に無電解メッキ層18を形成する。この際、無電解メッキ層18は以後に行われる電解メッキ工程の前処理工程の役目をする。電解メッキ層24を形成するためには、一定厚さ以上(例えば、1μm以上)の無電解メッキ層18を形成しなければならない。
【0008】
ついで、図3に示すように、ドライフィルム20を積層し、回路パターン形成領域を露出させる開口部22を持つようにパターニングする。
【0009】
ついで、図4に示すように、ビアホール16を含み開口部22に電解メッキ層24を形成する。
【0010】
ついで、図5に示すように、ドライフィルム20を除去する。
【0011】
最後に、図6に示すように、フラッシュエッチング(flash etching)、クィックエッチング(quick etching)などによって、電解メッキ層24が形成されない無電解メッキ層18を除去することで、ビア26を含む回路パターン28を形成する。
【0012】
しかし、従来のセミアディティブ法で形成された回路パターン28は、絶縁層12上に陽刻部の形状に形成されているから、絶縁層12から分離される問題点があった。特に、次第に回路パターン28が微細化していくにつれて絶縁層12と回路パターン28間の接着面積が減少して接着力が弱化し、回路パターン28の分離が酷くなる問題点があった。
【0013】
近年には、このような限界を克服するために新工法が提案されている。その一つとして、絶縁層上にレーザーでトレンチ(trench)を形成し、メッキ、研磨、エッチングの工程によって回路パターンを製造するLPP法(Laser Patterning Process)が注目を浴びている。
【0014】
図7〜図10は従来の他の例によるLPP法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図であり、これを参照して回路パターン形成方法を説明すれば次のようである。
【0015】
まず、図7に示すように、一面に金属層54が形成された絶縁層52に回路パターン用トレンチ56a及びビア用トレンチ56bを含むトレンチ56を加工する。
【0016】
ついで、図8に示すように、トレンチ56の内壁を含み絶縁層52上に無電解メッキ層58を形成する。
【0017】
ついで、図9に示すように、無電解メッキ層58上に電解メッキ層60を形成する。
【0018】
最後に、図10に示すように、エッチング工程またはグラインディング工程によって、絶縁層52の上部に突出した無電解メッキ層58及び電解メッキ層60を除去してビア62を含む埋込型回路パターン64を形成する。
【0019】
しかし、図9から分かるように、トレンチ56の内部を含み絶縁層52上に形成される電解メッキ層60は、トレンチ56が形成される領域とそうではない領域の間で高低差(メッキ偏差)を持つことになる。よって、エッチング工程またはグラインディング工程で絶縁層52の上部に突出した無電解メッキ層58及び電解メッキ層60を除去しても均一な高さを持つようにすることに限界があった。
【0020】
特に、トレンチ56が形成された領域に比べ、トレンチ56が形成されない領域は絶縁層52の上部に相対的に高く電解メッキ層60が形成されるから、その除去工程で電解メッキ層60がすっかり除去されなくて回路パターン64が互いに分離されない問題点が発生するか、これを過度に除去する過程で回路パターン64及びビア62の電解メッキ層60が除去されて消失される問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
したがって、本発明は前記のような問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、メッキ偏差を減少させることができるトレンチ基板及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記目的を達成するために、本発明の一面によるトレンチ基板は、ベース基板;前記ベース基板の一面または両面に積層され、回路領域を含み製品縁部のダミー領域にトレンチが形成された絶縁層;及び前記回路領域に形成されたトレンチの内部にメッキ工程で形成された回路パターン及びビアを含む回路層;を含んでなる。
【0023】
前記トレンチ基板は、前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチの内部を含み前記絶縁層に積層された外層絶縁層をさらに含むことができる。
【0024】
前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチは、線形、円形、三角形、四角形、十字形、または多角形の形状を持つことができる。
【0025】
前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチは、陰刻部または突起が形成された陰刻部であることができる。
【0026】
前記目的を達成するために、本発明の他の面によるトレンチ基板は、ベース基板;前記ベース基板の一面に積層され、回路領域を含み製品縁部のダミー領域にトレンチが形成された第1絶縁層;前記ベース基板の他面に積層され、回路領域にビアホールが形成された第2絶縁層;前記第1絶縁層の前記回路領域に形成されたトレンチの内部にメッキ工程で形成された回路パターン及びビアを含む第1回路層;及び前記第2絶縁層に形成されたビアを含む第2回路層;を含んでなる。
【0027】
前記トレンチ基板は、前記第1絶縁層の前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチの内部を含み前記第1絶縁層に積層された第1外層絶縁層;及び前記第2絶縁層に積層された第2外層絶縁層;をさらに含むことができる。
【0028】
前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチは、線形、円形、三角形、四角形、十字形、または多角形の形状を持つことができる。
【0029】
前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチは、陰刻部または突起が形成された陰刻部であることができる。
【0030】
前記目的を達成するために、本発明の他の面によるトレンチ基板の製造方法は、(A)ベース基板の一面または両面に積層された絶縁層の回路領域を含み製品縁部のダミー領域及び製品間の切断領域にトレンチを加工する段階;(B)前記トレンチの内部を含み前記絶縁層にメッキ層を形成する段階;(C)前記絶縁層上部に過剰に形成された前記メッキ層を除去する段階;及び(D)前記回路領域にエッチングレジストを塗布し、前記製品縁部のダミー領域及び製品間の切断領域に形成された前記メッキ層を除去した後、前記エッチングレジストを除去する段階;を含んでなる。
【0031】
前記方法は、前記(D)段階の後に、(E)前記製品間の切断領域に沿ってダイシングを行って個別トレンチ基板にする段階を含むことができる。
【0032】
前記方法は、前記(D)段階の後に、(E)前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチの内部を含み前記絶縁層に外層絶縁層を積層する段階を含むことができる。
【0033】
前記(A)段階において、前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチは、線形、円形、三角形、四角形、十字形、または多角形の形状を持つことができる。
【0034】
前記(A)段階において、前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチは、陰刻部または突起が形成された陰刻部であることができる。
【0035】
前記目的を達成するために、本発明の他の面によるトレンチ基板の製造方法は、(A)ベース基板の一面に第1絶縁層を積層し、前記ベース基板の他面に第2絶縁層を積層する段階;(B)前記第1絶縁層の回路領域を含み製品縁部のダミー領域及び製品間の切断領域にトレンチを加工し、前記第2絶縁層の回路領域にビアホールを加工する段階;(C)前記トレンチを含み前記第1絶縁層に第1メッキ層を形成し、前記ビアホールを含み前記第2絶縁層に第2メッキ層を形成する段階;(D)前記第1絶縁層の上部に過剰に形成された第1メッキ層を除去する段階;(E)前記第1絶縁層の回路領域に第1エッチングレジストを塗布し、前記第2絶縁層に回路形成用開口部を持つ第2エッチングレジストを塗布する段階;及び(F)前記第1絶縁層の前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記第1メッキ層及び前記回路形成用開口部によって露出した前記第2メッキ層を除去した後、前記第1エッチングレジスト及び前記第2エッチングレジストを除去する段階;を含んでなる。
【0036】
前記方法は、前記(F)段階の後に、(G)前記製品間の切断領域に沿ってダイシングを行って個別トレンチ基板にする段階;を含むことができる。
【0037】
前記方法は、前記(F)段階の後に、(G)前記第1絶縁層の前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチの内部を含み前記第1絶縁層に第1外層絶縁層を積層し、前記第2絶縁層に第2外層絶縁層を積層する段階;を含むことができる。
【0038】
前記(B)段階において、前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチは、線形、円形、三角形、四角形、十字形、または多角形の形状を持つことができる。
【0039】
前記(B)段階において、前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチは、陰刻部または突起が形成された陰刻部であることができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、回路及びビアが形成される回路領域だけではなく製品縁部のダミー領域及び製品間の切断領域にトレンチが形成された状態でメッキ工程が行われるので、メッキ偏差が改善され、これによって絶縁層の上部に過剰に形成されたメッキ層の除去も容易に行える。
【0041】
また、本発明によれば、メッキ偏差の改善のために、製品縁部のダミー領域及び製品間の切断領域に形成できる多様な形状のトレンチ構造を提供する。
【0042】
また、本発明によれば、一面の製品縁部のダミー領域及び製品間の切断領域に第2トレンチを形成してメッキ偏差を改善した状態で、他面の一般的な回路形成工程に適用されるエッチング工程で第2トレンチに形成されたメッキ層を除去するので、第2トレンチに形成されたメッキ層の除去に別途の工程が不要であるだけでなく、製品間切断工程を行うとき、切断器具にかかる負荷の増加を防止することができる。
【0043】
本発明の特徴及び利点は添付図面に基づいた以降の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【0044】
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び請求範囲に使用された用語や単語は通常的で辞書的な意味に解釈されてはいけなく、発明者がその自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】従来の一例によるセミアディティブ法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図である。
【図2】従来の一例によるセミアディティブ法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図である。
【図3】従来の一例によるセミアディティブ法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図である。
【図4】従来の一例によるセミアディティブ法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図である。
【図5】従来の一例によるセミアディティブ法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図である。
【図6】従来の一例によるセミアディティブ法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図である。
【図7】従来の他の例によるLPP工法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図である。
【図8】従来の他の例によるLPP工法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図である。
【図9】従来の他の例によるLPP工法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図である。
【図10】従来の他の例によるLPP工法で回路パターンを形成する方法を工程順に示す工程断面図である。
【図11】本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の断面図である。
【図12】本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の断面図である。
【図13】本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図14】本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図15】本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図16】本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図17】本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図18】本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図19】本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図20】本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図21】本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図22】本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図23】本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図24】本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図25】本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図26】本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図27】本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図28】本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図29】本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図30】本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。
【図31A】本発明の好適な実施例によるトレンチの形状を示す図である。
【図31B】本発明の好適な実施例によるトレンチの形状を示す図である。
【図31C】本発明の好適な実施例によるトレンチの形状を示す図である。
【図31D】本発明の好適な実施例によるトレンチの形状を示す図である。
【図32A】本発明の好適な実施例によるトレンチの加工位置を示す図である。
【図32B】本発明の好適な実施例によるトレンチの加工位置を示す図である。
【図32C】本発明の好適な実施例によるトレンチの加工位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明の目的、利点及び特徴は添付図面を参照する以下の詳細な説明及び好適な実施例からもっと明らかになろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際して、同じ構成要素には、たとえ異なる図面に表示されていても、できるだけ同一符号を付けることにする。また、本発明の説明において、関連の公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにすることができると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0047】
以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
【0048】
トレンチ基板の構造−第1実施例
図11は本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の断面図である。以下、同図を参照して本実施例によるトレンチ基板100aについて説明する。
【0049】
図11に示すように、本実施例によるトレンチ基板100aは、ベース基板102の一面または両面に回路領域Pを含み製品縁部のダミー領域Dにトレンチ114a、114bが形成された絶縁層112が積層され、回路領域Pに形成されたトレンチ114a、114bの内部に、メッキ工程で形成された回路パターン及びビアを含む回路層124が形成されたことを特徴とする。
【0050】
ベース基板102は、例えばコア回路層106が両面に形成されたコア絶縁層104に内層回路層110が形成された内層絶縁層108が積層され、前記内層回路層110はコア絶縁層104及び内層絶縁層108を貫いて形成された内層ビア110aを介して連結された構造を持つ。もちろん、図11に示すベース基板102は例示のためのものに過ぎなく、多様な構造が採用できることは明らかである。
【0051】
絶縁層112はベース基板102に積層され、回路領域Pを含み製品縁部のダミー領域Dにトレンチ114a、114bが形成されている。ここで、トレンチ114a、114bは、絶縁層112の回路領域Pに形成された回路パターン及びビア形成用第1トレンチ114a、及び絶縁層112の製品縁部のダミー領域Dに形成されたメッキ偏差の改善のための第2トレンチ114bでなる。この際、第2トレンチ114bはメッキ偏差の改善のために製品縁部のダミー領域Dに形成されるもので、最適のメッキ偏差の改善のために、多様な形状、直径、間隔、深さなどを持つことができる。これについては、図31A〜図31D及び図32A〜図32Cを参照する説明部分で詳細に説明する。
【0052】
ここで、第2トレンチ114bは、全体が陰刻部に形成されるか、あるいは陰刻部の内部の一部領域は除去しないことにより突起が形成された陰刻部に形成されることができる。すなわち、第2トレンチ114bが広い陰刻部に形成される場合、突起をその内部に形成することで、広い陰刻部の全領域に一定厚さのメッキ層の確保が可能になる。
【0053】
回路層124は、製品縁部のダミー領域Dの第2トレンチ114bを除き、回路領域Pの第1トレンチ114aの内部にメッキ工程で形成される。ここで、回路パターン及びビア形成用第1トレンチ114aの内部にメッキ工程が行われて、回路及びビアを含む回路層124が形成される。
【0054】
一方、絶縁層112に、かつ製品縁部のダミー領域Dに形成された第2トレンチ114bの内部には外層絶縁層126が積層される。ここで、外層絶縁層126はソルダーレジスト層または多層構造のビルドアップ層を含む概念に理解しなければならない。
【0055】
また、図11にはベース基板102の両面にトレンチ回路が形成されたものが示されているが、ベース基板102の一面にだけトレンチ回路を形成することも本発明の範疇内に含まれるものである。
【0056】
トレンチ基板の構造−第2実施例
図12は本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の断面図である。以下、これを参照して本実施例によるトレンチ基板について説明する。
【0057】
図12に示すように、本実施例によるトレンチ基板100bは、ベース基板102の一面には、回路領域Pを含み製品縁部のダミー領域Dにトレンチ114a、114bが形成された第1絶縁層112aが積層され、ベース基板102の他面には、回路領域Pにビアホール114cが形成された第2絶縁層112bが積層され、第1絶縁層112aの回路領域Pに形成されたトレンチ114aの内部にメッキ工程で形成された回路パターン及びビアを含む第1回路層124aが形成され、第2絶縁層112bに形成されたビアを含む第2回路層124bが形成された構造を持つ。
【0058】
すなわち、本実施例は、ベース基板102の一面には第1実施例と同一構造のトレンチパターンが形成され、ベース基板102の他面には一般的な回路層が形成されたことを特徴とする。これを除き、第1実施例と同一であるので、その重複説明は省略する。
【0059】
トレンチ基板の製造方法−第1実施例
図13〜図21は本発明の好適な第1実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。以下、これを参照して本実施例によるトレンチ基板の製造方法を説明する。
【0060】
まず、図13に示すように、ベース基板102の両面に絶縁層112を積層する。
【0061】
ここで、図13には、ベース基板102が、コア回路層106が両面に形成されたコア絶縁層104に内層回路層110が形成された内層絶縁層108が積層され、前記内層回路層110はコア絶縁層104及び内層絶縁層108を貫いて形成された内層ビア110aを介して連結された構造を持つものとして示されているが、これは例示的なものに過ぎない。例えば、ベース基板102として絶縁層が使用されることも可能であり、この場合は、更なる絶縁層の積層工程なしに次の工程が進むことができる。
【0062】
一方、図13にはベース基板102の両面に絶縁層112が積層されたものが示されているが、ベース基板102の一面にだけ絶縁層112を積層した状態で次の工程が進むことも本発明の範疇内に含まれる。以下では、説明及び図示の便宜上、ベース基板102の両面に絶縁層112を積層した状態で、トレンチ基板を製造する方法について説明する。
【0063】
ついで、図14に示すように、ベース基板102に積層された絶縁層112の回路領域Pを含み製品縁部のダミー領域D及び製品間の切断領域Sにトレンチ114a、114bを加工する。この際、製品間の切断領域Sは多数の単位基板(個別トレンチ基板)を含むパネルにおいて、各単位基板の間の領域であり、以後のダイシング(dicing)工程で切断される領域を意味する。
【0064】
ここで、トレンチ114a、114bは絶縁層112の回路領域Pに形成された回路パターン及びビア形成用第1トレンチ114a、及び絶縁層112の製品縁部のダミー領域D及び製品間の切断領域Sに形成されたメッキ偏差の改善のための第2トレンチ114bを含んでなる。
【0065】
この際、トレンチ114a、114bは当業界に知られたものであれば特に限定されないが、例えばインプリント法またはレーザー法(例えば、Nd−YAG(Neodymium−doped Yttrium Aluminum Garnet)レーザー、CO2レーザー、パルスUV(ultra−violet)エキシマーレーザー)によって加工される。
【0066】
ついで、図15に示すように、トレンチ114a、114bの内壁を含み絶縁層112に無電解メッキ層116を形成する。
【0067】
この際、無電解メッキ層116は、触媒を絶縁層112の表面に吸着した後、無電解メッキ液の構成成分が還元剤から電子を受けて銅として析出する原理で形成される。
【0068】
この際、触媒の吸着は、クリーナー−コンディショナー過程→予備触媒処理過程→触媒処理過程→触媒還元過程で行われる。クリーナー−コンディショナー過程は、絶縁層112に残存し得る有機物を除去して湿潤性を良くし、界面活性剤を用いて表面張力を低めることで水溶性薬品が絶縁層112に内壁によく付くようにする過程であり、予備触媒処理過程は、触媒処理に先立ち、低濃度(一般的に1〜3%希薄した触媒薬品)の触媒薬品に絶縁層112を漬けることで、触媒処理過程で使用される薬品が汚染するか濃度が変わることを防止するための過程であり、触媒処理過程は、絶縁層112に例えばPd−Sn(パラジウム−スズ)またはPdイオン錯化合物のような触媒粒子を加える過程であり、触媒還元過程は、実際に触媒として作用するPd金属を得るための過程である。
【0069】
ついで、図16に示すように、無電解メッキ層116上に、トレンチ114a、114bの内部を含み絶縁層112に電解メッキ層118を形成する。以下では、説明の便宜上、無電解メッキ層116及び電解メッキ層118をメッキ層120と総称する。
【0070】
この際、トレンチ114a、114bの内部をメッキする過程で絶縁層112の上部にもメッキ層120が形成される。
【0071】
ここで、トレンチ114a、114bが形成された領域とそうではない領域との間にはメッキ偏差が発生するしかない。すなわち、トレンチ114a、114bが形成された領域にはもちろん、トレンチ114a、114bの内部にもメッキ層120が形成されるので、トレンチ114a、114bが形成されない領域はトレンチ114a、114bが形成された領域より絶縁層112の上部に高くメッキ層120が形成される。従来には、回路パターン及びビア形成領域にだけ第1トレンチ114aを加工したため、第1トレンチ114aが形成されない領域に比べてメッキ偏差が高い問題があった。特に、製品縁部のダミー領域D及び製品間の切断領域Sはトレンチが形成されないため、絶縁層112の上部にメッキ層120が過剰に形成され、これを除去するのに長時間がかかる問題点があり、これを除去する過程で、第1トレンチ114aの内部に形成されたメッキ層120が一緒に除去される問題点があった。
【0072】
しかし、本実施例においては、製品縁部のダミー領域D及び製品間の切断領域Sにメッキ偏差の改善のための第2トレンチ114bを加工することにより、従来に比べてメッキ偏差が改善される。この際、第2トレンチ114bは、回路パターン及びビアのように加工形状などが決まっていないので、最適のメッキ偏差改善のために多様な形状を持つことができ、第2トレンチ114bの直径、第2トレンチ114b間の間隔、深さなどは制御可能である。これについては、図29A〜図29D及び図30A〜図30Cに基づく説明部分で詳細に説明する。
【0073】
ついで、図17に示すように、研磨工程を行うことで、絶縁層112の上部に過剰に形成されたメッキ層120を除去して平坦化する。
【0074】
この際、研磨工程は、バフ(buff)研磨、サンドベルト(sand belt)、ポリシング研磨を含む各種の機械的研磨またはこれらを組み合わせて使用するか、化学的研磨、またはCMP研磨を適用することができる。さらに、機械的研磨及び化学的研磨を連携して行うことができる。
【0075】
本段階は、第2トレンチ114bによってメッキ偏差が改善された状態で実施されるので、従来に比べて回路パターンが分離されない問題及び回路パターンの消失される問題などが発生しなくなる。
【0076】
ついで、図18に示すように、エッチングレジスト122を絶縁層112の回路領域Pに塗布する。すなわち、製品縁部のダミー領域D及び製品間の切断領域Sを露出させるように、エッチングレジスト122を絶縁層112に塗布する。
【0077】
ついで、図19に示すように、製品縁部のダミー領域D及び製品間の切断領域Sの第2トレンチ114bの内部に形成されたメッキ層120をエッチングで除去し、エッチングレジスト122を除去する。
【0078】
ここで、第2トレンチ114bに形成されたメッキ層120が除去されるので、各単位基板を分離するダイシング工程で、メッキ層120による工程負荷の増加のような問題は発生しなくなる。
【0079】
ついで、図20に示すように、第2トレンチ114bの内部を含み絶縁層112に外層絶縁層126を積層する。この際、半硬化状態の外層絶縁層126を絶縁層112に積層することにより、第2トレンチ114bの内部の空間にも外層絶縁層126が流入される。ここで、第2トレンチ114bは、絶縁層112と外層絶縁層126の接触面積を増大させることで接着性能を向上させる役目をする。
【0080】
最後に、図21に示すように、製品間の切断領域Sに沿ってダイシング工程を行って個別トレンチ基板100aに分離する。上述したような製造工程によって図11及び図21に示すようなトレンチ基板100aが製造される。
【0081】
トレンチ基板の製造方法−第2実施例
図22〜図30は本発明の好適な第2実施例によるトレンチ基板の製造方法を工程順に示す工程断面図である。本実施例は、一面の回路層はLPP工法を利用して形成し、他面の回路層は一般的な回路形成工法を用いて形成するものであり、他面の回路層形成工程で、第2トレンチに形成されたメッキ層をいっぺんに除去することができるトレンチ基板の製造方法を提供することを特徴とする。以下、図22〜図30を参照して本実施例によるトレンチ基板の製造方法を説明する。
【0082】
まず、図22示すように、ベース基板102の一面に第1絶縁層112aを積層し、ベース基板102の他面に第2絶縁層112bを積層する。
【0083】
ついで、図23に示すように、ベース基板102に積層された第1絶縁層112aの回路領域Pを含み製品縁部のダミー領域D及び製品間の切断領域Sにトレンチ114a、114bを加工し、第2絶縁層112bの回路領域Pにビアホール114cを加工する。
【0084】
ついで、図24に示すように、トレンチ114a、114bの内壁を含み第1絶縁層112aに第1無電解メッキ層116aを形成し、ビアホール114cの内壁を含み第2絶縁層112bに第2無電解メッキ層116bを形成する。
【0085】
ついで、図25に示すように、トレンチ114a、114bの内部を含み第1無電解メッキ層116aに第1電解メッキ層118aを形成し、ビアホール114cの内部を含み第2無電解メッキ層116bに第2電解メッキ層118bを形成する。すなわち、第1絶縁層112aに第1無電解メッキ層116a及び第1電解メッキ層118aからなる第1メッキ層120aを形成し、第2絶縁層112bに第2無電解メッキ層116b及び第2電解メッキ層118bからなる第2メッキ層120bを形成する。
【0086】
ついで、図26に示すように、研磨工程を行うことで、第1絶縁層112aの上部に過剰に形成された第1メッキ層120aを除去して平坦化する。
【0087】
本段階で、第2回路層124bの厚さを考慮して、第2絶縁層112bに形成された第2メッキ層120bの一部を幅方向に除去することができる。
【0088】
ついで、図27に示すように、第1絶縁層112aの回路領域Pに第1エッチングレジスト122aを塗布し、第2絶縁層112bにパターニングされた第2エッチングレジスト122bを塗布する。ここで、第2エッチングレジスト122bは、第2回路層124bを除く領域を露出させるオープン部を持つようにパターニングされている。
【0089】
ついで、図28に示すように、第1エッチングレジスト122a及び第2エッチングレジスト122bが形成されないで露出した第1メッキ層120a及び第2メッキ層120bを除去して、第1絶縁層112aにトレンチ回路パターン及びトレンチビアを含む第1回路層124aを形成し、第2絶縁層112bに第2回路層124bを形成する。
【0090】
この際、第2回路層124bを形成するのに使用されるエッチング工程で、第1メッキ層120aもともに除去されるので、第1絶縁層112aの製品縁部のダミー領域D及び製品間の切断領域Sの第2トレンチ114bに形成された第1メッキ層120aを除去するための別途の工程が不要になって、工程の効率性を高めることができる。
【0091】
ついで、図29に示すように、第1絶縁層112aの第2トレンチ114bの内部を含み第1絶縁層112aに第1外層絶縁層126aを積層し、第2絶縁層112bに第2外層絶縁層126bを積層する。
【0092】
最後に、図30に示すように、製品間の切断領域Sに沿ってダイシング工程を行って個別トレンチ基板100bに分離する。上述したような製造工程によって図12及び図30に示すようなトレンチ基板100bが製造される。
【0093】
図31A〜図31Dは本発明の好適な実施例によるトレンチの形状を示す図である。すなわち、本発明によれば、メッキ偏差の改善のために、回路領域Pを除いた製品縁部のダミー領域D及び製品間の切断領域Sに形成される第2トレンチ114bは多様な形状を持つことができる。
【0094】
図31A〜図31Dに示すように、本発明の好適な実施例による第2トレンチ114bは、円形(図31A)、三角形(図31B)、四角形(図31C)、十字形(図31D)の形状を持つことができる。一方、図示しなかったが、第2トレンチ114bは、線形または多角形の形状も持つことができる。ここで、AとBはそれぞれトレンチの直径及びトレンチ間隔を意味する。
【0095】
一方、下記表1には、トレンチ114bの形状によるメッキ厚さの偏差に対する実験結果データが開示されている。ここで、表1は回路領域が占める面積が80%であるとき、例えばトレンチ114bが100μmの直径(A)を持つとき、トレンチ形状及びトレンチ間隔によるメッキ厚さの偏差に対する実験結果データである。
【0096】
【表1】
【0097】
前記表1から分かるように、トレンチ間隔(B)がいずれも30μmであるとき、円形トレンチ形状でメッキ厚さの偏差が一番改善されることが分かる(テスト1〜4参照)。また、トレンチ形状が三角形であるときには、20μm、30μm、40μmのトレンチ間隔(B)のなかで30μmのトレンチ間隔(B)でメッキ厚さの偏差が一番され(テスト、2、5、及び6参照)、トレンチ形状が四角形であるときは、20μm、30μm、40μmのトレンチ間隔(B)のなかで20μmのトレンチ間隔(B)でメッキ厚さの偏差が一番改善されることが分かる(テスト3、7、及び8参照)。
【0098】
また、下記表2にはトレンチ形状が円形であるとき、トレンチ直径(A)、トレンチ間隔(B)、トレンチ深さによるメッキ厚さの偏差に対する実験結果データが開示されている。ここで、表2は回路領域が占める面積が80%であるとき、トレンチ直径(A)、トレンチ間隔(B)、トレンチ深さによるメッキ厚さの偏差に対する実験結果データである。
【0099】
【表2】
【0100】
前記表2から分かるように、第2トレンチ114bがない場合(テスト1参照)に比べ、第2トレンチ114bがある場合(テスト2〜8参照)にメッキ厚さの偏差が改善されることが分かる。また、トレンチ間隔(B)及びトレンチ深さがそれぞれ30μm、15μmと一定であるとき、50μm、100μm、150μmのトレンチ直径(A)のなかで100μmのトレンチ直径(B)でメッキ厚さの偏差が一番改善され(テスト2〜4参照)、トレンチ直径(A)及びトレンチ深さがそれぞれ100μm、15μmと一定であるとき、20μm、30μm、40μmのトレンチ間隔(B)のなかで30μmのトレンチ間隔(B)でメッキ厚さの偏差が一番改善されることが分かる(テスト3、5及び6参照)。トレンチ直径(A)及びトレンチ間隔(B)がそれぞれ100μm、30μmと一定であるとき、10μm、15μm、20μmのトレンチ深さのなかで15μmのトレンチ深さでメッキ厚さの偏差が一番改善されることが分かる(テスト3、7及び8参照)。
【0101】
図32A〜図32Cは本発明の好適な実施例によるトレンチの加工位置を示す図である。以下、図32A〜図32Cを参照して本実施例によるトレンチの加工位置について説明する。
【0102】
図32A〜図32Cに示すように、メッキ偏差の改善のための第2トレンチ114bは多様な位置に加工できる。例えば、第2トレンチ114bは回路領域Pを除いた領域に一定間隔で形成されるか(図32A参照)、回路領域Pに隣接した領域には一定間隔で形成されるが製品縁部のダミー領域D及び製品間の切断領域Sには全体領域にわたって形成されることができる(図32B参照)。また、製品縁部のダミー領域D及び製品間の切断領域Sが区画されるように境界部に当たる一部分を残して形成することができる(図32C参照)。
【0103】
この際、回路領域P内に形成されるトレンチ114aは、回路パターンとグラウンド間の領域分離のために、所定間隔で形成されることが好ましい。
【0104】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのもので、本発明による放熱パッケージ基板及びその製造方法はこれに限定されなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を持った者によって多様な変形及び改良が可能であろう。本発明の単純な変形ないし変更はいずれも本発明の範疇内に属するもので、本発明の具体的な保護範囲は特許請求範囲によって明らかに決まるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、メッキ偏差を減少させることができるトレンチ基板及びその製造方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0106】
102 ベース基板
112、112a、112b 絶縁層
114a、114b トレンチ
114c ビアホール
116、116a、116b 無電解メッキ層
118、118a、118b 電解メッキ層
120、120a、120b メッキ層
124、124a、124b 回路層
126、126a、126b 外層絶縁層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基板;
前記ベース基板の一面または両面に積層され、回路領域を含み製品縁部のダミー領域にトレンチが形成された絶縁層;及び
前記回路領域に形成されたトレンチの内部にメッキ工程で形成された回路パターン及びビアを含む回路層;
を含むことを特徴とする、トレンチ基板。
【請求項2】
前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチの内部を含み前記絶縁層に積層された外層絶縁層をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のトレンチ基板。
【請求項3】
前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチは、線形、円形、三角形、四角形、十字形、または多角形の形状を持つことを特徴とする、請求項1に記載のトレンチ基板。
【請求項4】
前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチは、陰刻部または突起が形成された陰刻部であることを特徴とする、請求項1に記載のトレンチ基板。
【請求項5】
ベース基板;
前記ベース基板の一面に積層され、回路領域を含み製品縁部のダミー領域にトレンチが形成された第1絶縁層;
前記ベース基板の他面に積層され、回路領域にビアホールが形成された第2絶縁層;
前記第1絶縁層の前記回路領域に形成されたトレンチの内部にメッキ工程で形成された回路パターン及びビアを含む第1回路層;及び
前記第2絶縁層に形成されたビアを含む第2回路層;
を含むことを特徴とする、トレンチ基板。
【請求項6】
前記第1絶縁層の前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチの内部を含み前記第1絶縁層に積層された第1外層絶縁層;及び
前記第2絶縁層に積層された第2外層絶縁層;
をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載のトレンチ基板。
【請求項7】
前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチは、線形、円形、三角形、四角形、十字形、または多角形の形状を持つことを特徴とする、請求項5に記載のトレンチ基板。
【請求項8】
前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチは、陰刻部または突起が形成された陰刻部であることを特徴とする、請求項5に記載のトレンチ基板。
【請求項9】
(A)ベース基板の一面または両面に積層された絶縁層の回路領域を含み製品縁部のダミー領域及び製品間の切断領域にトレンチを加工する段階;
(B)前記トレンチの内部を含み前記絶縁層にメッキ層を形成する段階;
(C)前記絶縁層上部に過剰に形成された前記メッキ層を除去する段階;及び
(D)前記回路領域にエッチングレジストを塗布し、前記製品縁部のダミー領域及び製品間の切断領域に形成された前記メッキ層を除去した後、前記エッチングレジストを除去する段階;
を含むことを特徴とする、トレンチ基板の製造方法。
【請求項10】
前記(D)段階の後に、
(E)前記製品間の切断領域に沿ってダイシングを行って個別トレンチ基板にする段階;
を含むことを特徴とする、請求項9に記載のトレンチ基板の製造方法。
【請求項11】
前記(D)段階の後に、
(E)前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチの内部を含み前記絶縁層に外層絶縁層を積層する段階;
を含むことを特徴とする、請求項9に記載のトレンチ基板の製造方法。
【請求項12】
前記(A)段階において、前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチは、線形、円形、三角形、四角形、十字形、または多角形の形状を持つことを特徴とする、請求項9に記載のトレンチ基板の製造方法。
【請求項13】
前記(A)段階において、前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチは、陰刻部または突起が形成された陰刻部であることを特徴とする、請求項9に記載のトレンチ基板の製造方法。
【請求項14】
(A)ベース基板の一面に第1絶縁層を積層し、前記ベース基板の他面に第2絶縁層を積層する段階;
(B)前記第1絶縁層の回路領域を含み製品縁部のダミー領域及び製品間の切断領域にトレンチを加工し、前記第2絶縁層の回路領域にビアホールを加工する段階;
(C)前記トレンチを含み前記第1絶縁層に第1メッキ層を形成し、前記ビアホールを含み前記第2絶縁層に第2メッキ層を形成する段階;
(D)前記第1絶縁層の上部に過剰に形成された第1メッキ層を除去する段階;
(E)前記第1絶縁層の回路領域に第1エッチングレジストを塗布し、前記第2絶縁層に回路形成用開口部を持つ第2エッチングレジストを塗布する段階;及び
(F)前記第1絶縁層の前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記第1メッキ層及び前記回路形成用開口部によって露出した前記第2メッキ層を除去した後、前記第1エッチングレジスト及び前記第2エッチングレジストを除去する段階;
を含むことを特徴とする、トレンチ基板の製造方法。
【請求項15】
前記(F)段階の後に、
(G)前記製品間の切断領域に沿ってダイシングを行って個別トレンチ基板にする段階;
を含むことを特徴とする、請求項14に記載のトレンチ基板の製造方法。
【請求項16】
前記(F)段階の後に、
(G)前記第1絶縁層の前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチの内部を含み前記第1絶縁層に第1外層絶縁層を積層し、前記第2絶縁層に第2外層絶縁層を積層する段階;
を含むことを特徴とする、請求項14に記載のトレンチ基板の製造方法。
【請求項17】
前記(B)段階において、前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチは、線形、円形、三角形、四角形、十字形、または多角形の形状を持つことを特徴とする、請求項14に記載のトレンチ基板の製造方法。
【請求項18】
前記(B)段階において、前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチは、陰刻部または突起が形成された陰刻部であることを特徴とする、請求項14に記載のトレンチ基板の製造方法。
【請求項1】
ベース基板;
前記ベース基板の一面または両面に積層され、回路領域を含み製品縁部のダミー領域にトレンチが形成された絶縁層;及び
前記回路領域に形成されたトレンチの内部にメッキ工程で形成された回路パターン及びビアを含む回路層;
を含むことを特徴とする、トレンチ基板。
【請求項2】
前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチの内部を含み前記絶縁層に積層された外層絶縁層をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のトレンチ基板。
【請求項3】
前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチは、線形、円形、三角形、四角形、十字形、または多角形の形状を持つことを特徴とする、請求項1に記載のトレンチ基板。
【請求項4】
前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチは、陰刻部または突起が形成された陰刻部であることを特徴とする、請求項1に記載のトレンチ基板。
【請求項5】
ベース基板;
前記ベース基板の一面に積層され、回路領域を含み製品縁部のダミー領域にトレンチが形成された第1絶縁層;
前記ベース基板の他面に積層され、回路領域にビアホールが形成された第2絶縁層;
前記第1絶縁層の前記回路領域に形成されたトレンチの内部にメッキ工程で形成された回路パターン及びビアを含む第1回路層;及び
前記第2絶縁層に形成されたビアを含む第2回路層;
を含むことを特徴とする、トレンチ基板。
【請求項6】
前記第1絶縁層の前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチの内部を含み前記第1絶縁層に積層された第1外層絶縁層;及び
前記第2絶縁層に積層された第2外層絶縁層;
をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載のトレンチ基板。
【請求項7】
前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチは、線形、円形、三角形、四角形、十字形、または多角形の形状を持つことを特徴とする、請求項5に記載のトレンチ基板。
【請求項8】
前記製品縁部のダミー領域に形成された前記トレンチは、陰刻部または突起が形成された陰刻部であることを特徴とする、請求項5に記載のトレンチ基板。
【請求項9】
(A)ベース基板の一面または両面に積層された絶縁層の回路領域を含み製品縁部のダミー領域及び製品間の切断領域にトレンチを加工する段階;
(B)前記トレンチの内部を含み前記絶縁層にメッキ層を形成する段階;
(C)前記絶縁層上部に過剰に形成された前記メッキ層を除去する段階;及び
(D)前記回路領域にエッチングレジストを塗布し、前記製品縁部のダミー領域及び製品間の切断領域に形成された前記メッキ層を除去した後、前記エッチングレジストを除去する段階;
を含むことを特徴とする、トレンチ基板の製造方法。
【請求項10】
前記(D)段階の後に、
(E)前記製品間の切断領域に沿ってダイシングを行って個別トレンチ基板にする段階;
を含むことを特徴とする、請求項9に記載のトレンチ基板の製造方法。
【請求項11】
前記(D)段階の後に、
(E)前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチの内部を含み前記絶縁層に外層絶縁層を積層する段階;
を含むことを特徴とする、請求項9に記載のトレンチ基板の製造方法。
【請求項12】
前記(A)段階において、前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチは、線形、円形、三角形、四角形、十字形、または多角形の形状を持つことを特徴とする、請求項9に記載のトレンチ基板の製造方法。
【請求項13】
前記(A)段階において、前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチは、陰刻部または突起が形成された陰刻部であることを特徴とする、請求項9に記載のトレンチ基板の製造方法。
【請求項14】
(A)ベース基板の一面に第1絶縁層を積層し、前記ベース基板の他面に第2絶縁層を積層する段階;
(B)前記第1絶縁層の回路領域を含み製品縁部のダミー領域及び製品間の切断領域にトレンチを加工し、前記第2絶縁層の回路領域にビアホールを加工する段階;
(C)前記トレンチを含み前記第1絶縁層に第1メッキ層を形成し、前記ビアホールを含み前記第2絶縁層に第2メッキ層を形成する段階;
(D)前記第1絶縁層の上部に過剰に形成された第1メッキ層を除去する段階;
(E)前記第1絶縁層の回路領域に第1エッチングレジストを塗布し、前記第2絶縁層に回路形成用開口部を持つ第2エッチングレジストを塗布する段階;及び
(F)前記第1絶縁層の前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記第1メッキ層及び前記回路形成用開口部によって露出した前記第2メッキ層を除去した後、前記第1エッチングレジスト及び前記第2エッチングレジストを除去する段階;
を含むことを特徴とする、トレンチ基板の製造方法。
【請求項15】
前記(F)段階の後に、
(G)前記製品間の切断領域に沿ってダイシングを行って個別トレンチ基板にする段階;
を含むことを特徴とする、請求項14に記載のトレンチ基板の製造方法。
【請求項16】
前記(F)段階の後に、
(G)前記第1絶縁層の前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチの内部を含み前記第1絶縁層に第1外層絶縁層を積層し、前記第2絶縁層に第2外層絶縁層を積層する段階;
を含むことを特徴とする、請求項14に記載のトレンチ基板の製造方法。
【請求項17】
前記(B)段階において、前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチは、線形、円形、三角形、四角形、十字形、または多角形の形状を持つことを特徴とする、請求項14に記載のトレンチ基板の製造方法。
【請求項18】
前記(B)段階において、前記製品縁部のダミー領域及び前記製品間の切断領域に形成された前記トレンチは、陰刻部または突起が形成された陰刻部であることを特徴とする、請求項14に記載のトレンチ基板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31A】
【図31B】
【図31C】
【図31D】
【図32A】
【図32B】
【図32C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31A】
【図31B】
【図31C】
【図31D】
【図32A】
【図32B】
【図32C】
【公開番号】特開2010−251676(P2010−251676A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115606(P2009−115606)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(591003770)三星電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(591003770)三星電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】
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