説明

トンネル入口部照明システム

【課題】入口照明に人工照明を用いるトンネルにおいて、入口照明としての性能を維持しつつ、大幅な省エネルギを実現する。
【解決手段】トンネル10の坑口10aの手前側に設けられ、複数の太陽電池パネル21からなり、個々の太陽電池パネル21の調光間隙21aによって自然光901から間接光902を生成して、道路11の、坑口10aに向かう方向に漸減する路面輝度分布を制御する予順応区間LAを構成する予順応構造物12Aと、トンネル10の坑口10aの内部近傍に設けられ、太陽電池パネル21から配線23を介して供給される電力で点灯する複数の照明灯具22でトンネル入口部照明システム20Aを構成する。配線23と個々の照明灯具22を接続する個々の分岐配線23aには、坑口10aからトンネル10の進行方向に漸減する路面輝度分布を有するように、異なる負荷抵抗RWを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル入口部照明技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、昼間、トンネル入口部において生じるブラックホール現象と運転者の眼の順応の遅れ現象を緩和するため、非特許文献1等に記載されるようにトンネル入口部照明が設けられる。
【0003】
このトンネル入口部照明は、昼間、運転者がトンネルに接近する際に生じる急激な輝度の変化と、トンネル内進入直後から起きる眼の順応の遅れを緩和するための照明である。入口部照明は入口照明と基本照明を加えたものをいう。
【0004】
入口照明は、人工照明のみによる方法が一般的であるが、自然光を利用する方法(自然光照明)もある。例えば、特許文献1では、太陽光収集装置から光導体を用いてトンネルの入口内に自然光を導くことでトンネル入口照明を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭59−226403号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】日本道路協会、2007年10月発行、「道路照明施設設置基準、同解説」、p62およびp79。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
トンネル入口部照明の設置規模は、当該トンネルの設計速度と野外輝度によって決定される。ここで、野外輝度は、例えば、トンネル坑口手前150m地点から見た視角20度の円形視野内の平均輝度であり、野外輝度L20等と表現される。
【0008】
従来の入口照明における自然光の利用は、入口照明における人工照明の一部を自然光によって代替しようとするものであった。したがって、入口照明の設置規模自体は不変であり、これを人工照明、自然光の何れの手段によって実現するかの選択のみであった。
【0009】
本発明の目的は、入口照明に人工照明を用いるトンネルにおいて、入口照明としての性能を維持しつつ、省エネルギを実現することが可能なトンネル入口照明技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、トンネル坑口手前の道路に設けられ、自然光による路面の自然照明光量(照度又は輝度)が進行方向に漸減する予順応区間を構成する予順応構造物と、
前記トンネル坑口手前の予順応構造物内における前記自然照明光量に応じたトンネル進行方向の照明光量分布を形成する入口照明手段と、
を具備したトンネル入口部照明システムを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、入口照明に人工照明を用いるトンネルにおいて、入口照明としての性能を維持しつつ、大幅な省エネルギを実現することが可能なトンネル入口照明技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態であるトンネル入口部照明システムの原理的な構成の一例を示す略断面図である。
【図2】予順応区間における坑口からの距離と所要照明レベル(路面輝度)との関係を示す照明曲線図である。
【図3】予順応区間を設置しない従来の場合の、国際照明委員会が推奨する入口部照明曲線を示す線図である。
【図4】従来の入口部照明曲線と本実施の形態による入口部照明曲線を比較して示す線図である。
【図5】本発明の実施例1であるトンネル入口部照明システムの構成を示す略側断面図である。
【図6】本発明の実施例2であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【図7】本発明の実施例3であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【図8】本発明の実施例4であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【図9】本発明の実施例5であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【図10】本発明の実施例6であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【図11】本発明の実施例7であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【図12】本発明の実施例8であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【図13】本発明の実施例9であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【図14】本発明の実施例10であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【図15】本発明の実施例11であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【図16】本発明の実施例12であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【図17】本発明の実施例13であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【図18】本発明の実施例14であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施の形態の第1の態様のトンネル入口部照明技術は、従来のトンネル入口部照明の手前に予順応区間、すなわち運転者の眼の順応輝度を減少させるための構造物を設置するものである。
【0014】
本実施の形態の第2の態様のトンネル入口部照明技術は、予順応区間の延長を設計速度に応じた視距とするものである。
本実施の形態の第3の態様のトンネル入口部照明技術は、0.01<k<0.1の係数kを用い、予順応区間の前半1/2の区間の路面輝度は野外輝度L20×k、予順応区間の後半1/2の区間の終端の路面輝度は野外輝度L20×0.4kとするものである。
【0015】
本実施の形態の第4の態様のトンネル入口部照明技術は、入口部照明の境界部の所要輝度は野外輝度L20×0.2kとするものである。
本実施の形態の第5の態様のトンネル入口部照明技術は、予順応区間を自然光により照明するものである。
【0016】
本実施の形態の第6の態様のトンネル入口部照明技術は、予順応区間においてルーバにより自然光を採光するものである。
本実施の形態の第7の態様のトンネル入口部照明技術は、予順応区間においてシェードにより自然光を採光するものである。
【0017】
本実施の形態の第8の態様のトンネル入口部照明技術は、予順応区間に光ダクトの採光部を設置するものである。
本実施の形態の第9の態様のトンネル入口部照明技術は、光ダクトの光出力部を予順応区間の一部とし、当該区間をトンネル内に設置するものである。
【0018】
本実施の形態の第10の態様のトンネル入口部照明技術は、光ダクトの光出力部をトンネル入口部照明の一部とするものである。
本実施の形態の第11の態様のトンネル入口部照明技術は、予順応区間に太陽電池を設置するものである。
【0019】
本実施の形態の第12の態様のトンネル入口部照明技術は、入口照明の光源を可変光量照明灯具とし、予順応区間に設置した太陽電池の発電電力により、入口照明の可変光量照明灯具を点灯するものである。
【0020】
上述の本実施の形態の各態様によれば、一例として、次のような効果を奏する。
本実施の形態の第1の態様によれば、予順応区間を設置することにより、トンネル入口部照明区間に進入する以前(坑口手前)の運転者の眼の順応輝度を低減することができる。
【0021】
本実施の形態の第2の態様によれば、予順応区間の延長を設計速度に応じた視距とすることにより、トンネル坑口より視距に相当する距離手前から運転者の眼の順応輝度を低減することができる。
【0022】
本実施の形態の第3の態様によれば、予順応区間の前半1/2の区間の路面輝度LPA1を野外輝度L20×k、予順応区間の後半1/2の区間の終端の路面輝度LPA2を野外輝度L20×0.4kとすることにより、予順応区間に進入する運転者の視認性を確保することができる。
【0023】
本実施の形態の第4の態様によれば、入口部照明の境界部の所要の路面輝度LthBL0を野外輝度L20×0.2kとすることにより、トンネルに接近し進入する運転者の視認性を確保するとともに、予順応区間を設置しないトンネル入口照明と比較して、境界部の路面輝度Lthを1/5に低減することができる。
【0024】
本実施の形態の第5の態様によれば、予順応区間を自然光により照明することにより、人工照明を不要とすることができる。
本実施の形態の第6の態様によれば、予順応区間においてルーバにより自然光を採光することにより、人工照明を不要とすることができる。
【0025】
本実施の形態の第7の態様によれば、予順応区間においてシェードにより自然光を採光することにより、人工照明を不要とすることができる。
本実施の形態の第8の態様によれば、予順応区間に光ダクトの採光部を設置し、採光した光を予順応区間の一部として、あるいはトンネル入口部照明の一部として使用することにより、人工照明を不要とし、あるいはその一部を省略することができる。
【0026】
本実施の形態の第9の態様によれば、光ダクトの光出力部を予順応区間の一部とし、当該区間をトンネル内に設置することにより、予順応区間のトンネル外に設置する延長を短縮することができる。
【0027】
本実施の形態の第10の態様によれば、光ダクトの光出力部をトンネル入口部照明の一部とすることにより、人工照明の一部を省略することができる。
本実施の形態の第11の態様によれば、予順応区間に太陽電池を設置することにより、予順応区間の構造物を多目的に活用するとともに、太陽電池により発電した電力を使用することができる。
【0028】
本実施の形態の第12の態様によれば、入口照明の光源を可変光量照明灯具とし、予順応区間に設置した太陽電池の発電電力により、入口照明の可変光量照明灯具を点灯することにより、商用電源の一部またはすべてを省略することができる。
【0029】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態であるトンネル入口部照明システムの原理的な構成の一例を示す略断面図である。
【0030】
図2は、予順応区間における坑口からの距離と所要照明レベル(路面輝度)との関係を示す照明曲線図である。
本実施の形態の一般的なトンネル入口部照明システム20では、道路11の経路上に存在するトンネル10の坑口10aの手前に予順応区間LAを構成する予順応区間照明曲線C1のような路面輝度分布を実現する予順応構造物12(後述の予順応構造物12A〜予順応構造物12R)を設置する。
【0031】
トンネル10の内部には、進行方向に複数の基本照明10cが配列され、さらに、坑口10aの近傍側では、基本照明10cに入口照明10bを付加することで、トンネル進入前に生じるブラックホール現象と、トンネル内進入直後から起きる眼の順応の遅れを緩和するための、後述の予順応区間照明曲線C1に対応した後述のトンネル入口部照明曲線C2のような路面輝度分布を有する照明を実現している。
【0032】
予順応区間LAの延長は設計速度に応じた視距とする。たとえば、設計速度100km/h、80km/hの場合、それぞれ160m、110mとなる。
本実施の形態の場合、図2に例示されるように、予順応区間LAにおけるトンネル10の坑口10aからの距離と所要照明レベル(路面輝度)との関係は、一例として、予順応区間照明曲線C1のように設定される。
【0033】
設計速度100km/hの場合、坑口10aから手前160mに予順応区間を設置し、道路11における予順応区間の前半の照明レベル(路面輝度LPA2)は野外輝度L20に係数kを乗じた値とする。図2は係数kを10%とした例である。
【0034】
ここで、野外輝度L20は設計速度に応じた視距前方から見た視角20度の円形視野の平均輝度である。野外輝度の測定距離を設計速度によらず、坑口手前150m(固定)とする場合を含む。
【0035】
本実施の形態の場合、予順応区間LAの後半の終端(すなわち、坑口10a)の照明レベル(路面輝度LPA2)は野外輝度L20に係数0.4kを乗じた値とする。
したがって、係数kが10%の場合には、坑口10aの照明レベル(路面輝度Lth)は4%となる。
【0036】
なお、予順応区間LAの照明レベル(路面輝度)は国際照明委員会(CIE)の推奨値に基づく例示であり、これらの数値に限定するものではない。
図3は、予順応区間を設置しない従来の場合の入口部照明曲線C0であり、国際照明委員会が推奨する曲線の例である。
【0037】
図4は、従来の入口部照明曲線と本実施の形態による入口部照明曲線を比較して示す線図である。
図4に例示されるように、従来は、トンネル坑口に接近し進入する運転者に対して一定の視認性を確保するため、野外輝度L20×kの路面輝度が必要であった。
【0038】
これに対して、図2に例示される予順応区間照明曲線C1を実現する予順応区間LA(予順応構造物12)を設ける本実施の形態の場合には、予順応区間LAに存在する運転者の眼は野外輝度L20×kに順応しているため、曲線C2では網膜の暗順応のみを考慮すれば良い。
非特許文献1のp79に記載されているように、トンネルに接近する運転者の眼の順応輝度と野外輝度との間にはほぼ一定の関係がある。このため、トンネル入口部照明の制御は運転者の眼の順応輝度の代替として野外輝度によってなされている。また、参考文献(国際照明委員会(CIE)、No61、Tunnel Entrance Lighting p42およびp43(1984))のp42に記載されているように、運転者の眼の順応輝度は中心窩順応輝度と等価光幕輝度に対応する輝度差弁別閾によって表わされる。前者は視線中心の視角約2度の部分の順応輝度、後者は眼球内散乱の程度を表す輝度である。上記参考文献のp43に記載されているように、両者の輝度差弁別閾の和に対して順応輝度が求められる。運転者が予順応区間に進入すると等価光幕輝度は約1/10となる。一方、中心視野内の輝度も予順応区間では約1/10となるが、中心窩は直ちにこの輝度に順応しない。これは、網膜の順応の時間遅れ、いわゆる暗順応現象があるためであり、これを考慮する必要がある。予順応区間に進入した直後の運転者の眼の順応輝度においては、等価光幕輝度に対して中心窩順応輝度が支配的になり、順応輝度は予順応区間進入前の約20%となるため、上述の順応輝度と野外輝度との間に一定の関係があることを考慮すると、曲線C2の路面輝度Lthは野外輝度L20×0.2kとなる。 本実施の形態により路面輝度Lthを1/5とすることができる。
【0039】
このため、本実施の形態の場合のトンネル入口部照明曲線C2は、従来の入口部照明曲線C0の場合よりも、全体に低輝度側にシフトさせることができ、入口照明10bの消費電力を大幅に削減できる。
【0040】
以下、予順応区間LAを構成する予順応構造物12の具体例を含む本実施の形態のトンネル入口部照明システムについて説明する。
(実施例1)
図5は、本発明の実施例1であるトンネル入口部照明システムの構成を示す略側断面図である。
【0041】
本実施例1のトンネル入口部照明システム20Aは、予順応区間LAを構成する予順応構造物12Aと、トンネル10の坑口10aの近傍の内部の天井又は側壁に設けられた入口照明10bとしての複数の照明灯具22で構成される。
【0042】
複数の照明灯具22は、道路11を走行して坑口10aからトンネル10に進入する車両の進行方向に沿って配列され、人工照明光22aを出射してトンネル10内の入口部の道路11の路面を照明する。
【0043】
この場合、照明灯具22は、例えば、発光ダイオード(LED)照明灯具や有機エレクトロルミネセンス(EL)照明灯具からなり、印加される電圧によって人工照明光22aの照度を調整可能な可変光量照明灯具となっている。
【0044】
本実施例1の場合、予順応区間LAに設けられた予順応構造物12Aは、道路11に沿って設けられた躯体21bと、この躯体21bの、少なくとも道路11の上部を覆う天井部分に、道路11の進行方向に沿って設置された複数の太陽電池パネル21を備えている。
【0045】
なお、躯体21bは、例えば、トンネル10の坑口10aを包含する矩形の門形でもよいし、坑口10aを包含するアーチ形のいずれでもよく、躯体の形状を限定するものではない。また、太陽電池パネル21の設置領域は、躯体21bの天井部にかぎらず、側面部にも配置した構成としてもよい。
【0046】
この躯体21bの形状や太陽電池パネル21等の配置領域の変形例については、後述の別の実施例では特に繰り返して述べないが同様である。
予順応構造物12Aの複数の太陽電池パネル21は、調光間隙21aをなして設置され、太陽900から放射される自然光901が、調光間隙21aによって、所望の透過率で道路11の路面を照明する間接光902に減光される。
【0047】
すなわち、本実施の形態1の予順応構造物12Aでは、予順応区間LAにおける間接光902による道路11の路面上の輝度分布が、上述の予順応区間照明曲線C1となるように、個々の太陽電池パネル21の間の調光間隙21a(例えば、相互の傾斜角度や姿勢等)が設定される。
【0048】
また、太陽電池パネル21は、配線23を介してトンネル10の内部に設けられた照明灯具22に接続されており、自然光901によって太陽電池パネル21の発生する電力によって照明灯具22の消費電力が賄われる。
【0049】
本実施の形態の照明灯具22の設置目的から、自然光901の強さ(すなわち、太陽電池パネル21の出力電力)と、照明灯具22に必要とされる人工照明光22aの強さ(すなわち消費電力)は基本的に比例しており、太陽電池パネル21と照明灯具22を直結しても不都合はない。
【0050】
ただし、太陽電池パネル21の開放電圧が、照明灯具22の耐圧よりも低くなるように配慮する。
本実施の形態1の場合には、配線23に対して個々の照明灯具22は分岐配線23aを介して並列に接続されている。
【0051】
特に図示しないが、分岐配線23aには負荷抵抗RWが配置され、上述のトンネル入口部照明曲線C2の輝度分布が実現されるように、しかも、太陽電池パネル21の開放電圧が照明灯具22の耐圧を超過しないように、個々の照明灯具22における負荷抵抗RWが設定される。
【0052】
このように、本実施の形態1のトンネル入口部照明システム20Aによれば、照明灯具22の消費電力は、予順応構造物12Aを構成する太陽電池パネル21が発生する電力によって賄われ、大幅な省エネルギを実現できる。
【0053】
また、トンネル10に進入する車両の運転者の眼の順応輝度を的確に制御して快適なトンネル10の通行を実現する高性能のトンネル入口部照明システム20Aを実現できる。
すなわち、本実施の形態1のトンネル入口部照明システム20Aによれば、トンネル10の坑口10aの手前に予順応構造物12Aからなる予順応区間LAを設けたことにより、入口照明としての性能を維持しつつ、省エネルギを実現することができる。
(実施例2)
図6は、本発明の実施例2であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【0054】
この実施例2のトンネル入口部照明システム20Bの予順応構造物12Bでは、予順応区間LAの任意の路側部に照度計25を設置し、トンネル入口部照明を構成する照明灯具22の照明レベルを制御する制御装置24を設けた点が、上述の実施例1と異なっている。
【0055】
なお、上述の実施例1と共通する要素には同一の参照符号を付して重複した説明は割愛する。以降の各実施例も同様である。
すなわち、制御装置24は、制御配線24aを介して複数の照明灯具22に接続され、さらに、制御装置24には、信号配線25aを介して照度計25が接続されている。
【0056】
そして、制御装置24は、照度計25によって計測される予順応区間LAにおける道路11の路面の照度に基づいて、個々の照明灯具22の人工照明光22aのレベルが、上述の図4のトンネル入口部照明曲線C2の分布を有するように制御する。
【0057】
この場合、予順応構造物12Bの太陽電池パネル21は、上述の実施例1のように照明灯具22に電力を供給してもよいし、外部の他の設備に電力を供給してもよい。
太陽電池パネル21から配線23を介して照明灯具22に電力を供給する場合には、制御配線24aや信号配線25aを省略し、例えば、電力線通信(PLC)技術を用いて計測信号や制御信号の通信を行うことで、配線を簡略化してもよい。
【0058】
この実施例2の場合には、上述の実施例1と同様の効果の他に、さらに、照度計25によって実測された予順応区間照明曲線C1の値に基づいてトンネル入口部照明曲線C2をより正確に制御して、トンネル10に進入する車両の運転者の眼の順応状態に応じ、より的確に制御して快適なトンネル10の通行を実現することができる。
【0059】
また、予順応区間LAに設けられる予順応構造物12Bの太陽電池パネル21を、発電設備としても利用でき、予順応構造物12Bの有効利用や省エネルギを実現できる。
(実施例3)
図7は、本発明の実施例3であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【0060】
この実施例3のトンネル入口部照明システム20Cでは、予順応構造物12Cにおいて、予順応区間LAの内部に輝度計26を設置し、信号配線26aを介して制御装置24に接続し、輝度計26による予順応区間LAにおける道路11の路面の輝度を測定して制御装置24に入力することにより、複数の照明灯具22における人工照明光22aの光量分布がトンネル入口部照明曲線C2となるように制御するものである。
【0061】
この場合も、上述の実施例2と同様の効果を得ることができる。
なお、実施例2、実施例3によらず、野外輝度L20によって、複数の照明灯具22における人工照明光22aの光量分布がトンネル入口部照明曲線C2となるように制御することも可能である。
(実施例4)
図8は、本発明の実施例4であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【0062】
この実施例4のトンネル入口部照明システム20Dは、上述の実施例1における太陽電池パネル21の代わりに、可動式太陽電池パネル31を備えた予順応構造物12Dを設置した点が、上述の実施例1と異なっている。
【0063】
すなわち、この実施例4のトンネル入口部照明システム20Dの予順応構造物12Dでは、躯体30の天井部に、揺動軸31bを介して可動に、複数の可動式太陽電池パネル31を搭載し、複数の可動式太陽電池パネル31の調光間隙31aを調整することで、予順応区間LAにおける間接光902の照度分布(すなわち、道路11の路面輝度分布)が、予順応区間照明曲線C1の傾向となるように制御するものである。
【0064】
揺動軸31bは、可動式太陽電池パネル31の自重に耐える適宜の回動抵抗を備えており、任意の角度に手動で調整すると、摺動抵抗によって設定角度や姿勢が維持される。
また、可動式太陽電池パネル31は、太陽900の高度等が異なる季節や設置緯度等に応じて、その角度を調整して、予順応区間照明曲線C1に近似した路面輝度分布を実現あるいは維持することができる。
【0065】
すなわち、この実施例4のトンネル入口部照明システム20Dによれば、上述の実施例1の効果の他に、季節や設置場所に応じて、柔軟に、可動式太陽電池パネル31の設置姿勢を制御して、予順応構造物12Dの必要な性能を維持向上できる、という利点がある。
(実施例5)
図9は、本発明の実施例5であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【0066】
この実施例5のトンネル入口部照明システム20Eの予順応構造物12Eでは、上述の実施例4の構成に、さらに、可動式太陽電池パネル31の姿勢を制御するための傾動制御装置27を設けた構成となっている。
【0067】
すなわち、この実施例5の場合、傾動制御装置27には、季節やトンネル10の設置場所の緯度等による太陽900の日周移動軌跡の情報が記憶されている。
そして、この太陽900の日周移動軌跡の情報に基づいて、傾動制御装置27が可動式太陽電池パネル31の傾きや姿勢を、太陽900の位置に追随するように制御することで、季節やトンネル10の設置場所に影響されることなく、予順応区間LAにおける間接光902による予順応区間照明曲線C1の路面輝度分布を自動的に維持できる効果が得られる。
(実施例6)
図10は、本発明の実施例6であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【0068】
この実施例6のトンネル入口部照明システム20Fでは、予順応区間において、シェードにより自然光を採光する方式の例として、太陽電池パネル21の代わりに、透過型太陽電池パネル32を用いた予順応構造物12Fを設置するところが、上述の実施例1と異なっている。
【0069】
すなわち、この予順応構造物12Fでは、躯体30の天井部分に、複数の透過型太陽電池パネル32を敷きつめ、自然光901が透過型太陽電池パネル32を透過して、予順応区間LAにおける道路11を照明する間接光902となるようにしている。
【0070】
この場合、透過率の異なる複数の透過型太陽電池パネル32を組み合せて敷きつめることで、上述の予順応区間照明曲線C1に近似した間接光902の路面輝度分布を実現することができる。
【0071】
すなわち、予順応区間LAの入口側からトンネル10の坑口10aに向かって、透過率の低い透過型太陽電池パネル32の割合を多くするように、透過率の高い透過型太陽電池パネル32と透過率の低い透過型太陽電池パネル32を組み合せて敷きつめることで、予順応区間照明曲線C1に近似した間接光902の路面輝度分布を実現することができる。
【0072】
この実施例6のトンネル入口部照明システム20Fの場合には、上述の実施例1と同様の効果が得られるとともに、さらに、躯体30の天井部にシェードと同様、隙間なく透過型太陽電池パネル32を敷きつめることができるので、予順応構造物12Fを、防雪、暴風、防雨、落石防止等の設備と兼用することができ、予順応構造物12Fの多機能化により、設備利用効率やコストパフォーマンスが向上する。
(実施例7)
図11は、本発明の実施例7であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【0073】
この実施例7のトンネル入口部照明システム20Gでは、ルーバ41を使用する予順応構造物12Gを予順応区間LAに設けた例を示す。
すなわち、予順応区間LAに設置された躯体40の天井部には、調光間隙41aを備えたルーバ41が設けられている。
【0074】
そして、予順応区間LAの始端から終端(坑口10a)に向かう方向にルーバ41の調光間隙41aを変化させることで、自然光901が調光間隙41aを通過して形成される間接光902の路面輝度分布が、上述の図2の予順応区間照明曲線C1に近似した分布となるようにする。
【0075】
これにより、上述の図4の線図で説明したような効果が得られる。
すなわち、本実施例7によれば、入口照明に人工照明を用いるトンネルにおいて、入口照明としての性能を維持しつつ、大幅な省エネルギを実現することができる。
【0076】
また、ルーバ41は設置費用が低廉である、という利点もある。
(実施例8)
図12は、本発明の実施例8であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【0077】
この実施例8のトンネル入口部照明システム20Hでは、予順応区間LAに可動式ルーバ51を備えた予順応構造物12Hを設置し、季節毎にルーバの角度を調整可能とした例を示す。
【0078】
すなわち、この実施例8の予順応構造物12Hでは、躯体50の天井部には、複数のルーバ揺動軸52の各々を介して複数の可動式ルーバ51が設置されている。
そして、個々の可動式ルーバ51の設置角度を変化させることにより、自然光901が透過して間接光902を形成する調光間隙51aを調整し、予順応区間LAにおける間接光902による道路11の路面の路面輝度分布が、上述の図2の予順応区間照明曲線C1に近似した分布を持つように設定および制御することで、上述の図4で説明した効果が得られる。
【0079】
さらに、上述の実施例1の効果の他に、季節やトンネル10の設置場所(緯度)等に応じて、柔軟に、可動式ルーバ51の設置姿勢を制御して、予順応構造物12Hの必要な性能を維持向上できる、という利点がある。
(実施例9)
図13は、本発明の実施例9であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【0080】
この実施例9のトンネル入口部照明システム20Jにおける予順応構造物12Jは、上述の実施例8の予順応構造物12Hにおいて、個々の可動式ルーバ51の角度を自動的に制御する傾動制御装置27が設けられた構成となっている。
【0081】
そして、傾動制御装置27は、上述のように太陽900の日周移動軌跡の情報に基づいて、可動式ルーバ51の傾きや姿勢を制御することで、季節やトンネル10の設置場所に影響されることなく、予順応区間LAにおける間接光902による予順応区間照明曲線C1の路面輝度分布を自動的に最適に維持するように動作する。
(実施例10)
図14は、本発明の実施例10であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【0082】
この実施例10のトンネル入口部照明システム20Kにおける予順応構造物12Kは、上述の図11に例示した実施例7の予順応構造物12Gにおいて、ルーバ41の代わりに太陽電池一体型ルーバ61を用いる構成となっている。
【0083】
すなわち、躯体60の天井部に設置された複数の太陽電池一体型ルーバ61は、個々の調光間隙61aによって自然光901から、上述の予順応区間照明曲線C1のような間接光902の路面輝度分布を得るとともに、自然光901の照射による発電を行うものである。
【0084】
この実施例10のトンネル入口部照明システム20Kによれば、上述の実施例7の効果の他に、予順応構造物12Kが太陽電池一体型ルーバ61を備えたことにより、発電設備として利用できる利点がある。
(実施例11)
図15は、本発明の実施例11であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【0085】
この実施例11のトンネル入口部照明システム20Lでは、予順応構造物12Lとして、躯体60の上部に、ルーバ揺動軸63を介して太陽電池一体型可動式ルーバ62を配置した構成を例示する。
【0086】
ルーバ揺動軸63は太陽電池一体型可動式ルーバ62の自重に耐える適度な回動抵抗を有して太陽電池一体型可動式ルーバ62を支持しており、手動操作により、任意の角度で個々の太陽電池一体型可動式ルーバ62を固定することが可能となっている。
【0087】
この場合、太陽電池一体型可動式ルーバ62を、配線23および分岐配線23a(負荷抵抗RW)を介して照明灯具22に接続し、太陽電池一体型可動式ルーバ62で発電された電力によって照明灯具22を点灯させる点は、上述の図5に例示されたトンネル入口部照明システム20Aと同様である。
【0088】
この実施例11のトンネル入口部照明システム20Lによれば、上述の実施例10と同様の効果の他に、季節ごとの太陽900の高度の変化に応じて、個々の太陽電池一体型可動式ルーバ62の取り付け角度を調整し、調光間隙61aを変化させることで、自然光901が調光間隙62aを透過して道路11に照射される間接光902の路面輝度分布が、上述の予順応区間照明曲線C1が近似されるように制御できる効果がある。
【0089】
また、間接光902の路面輝度分布の上述の予順応区間照明曲線C1に対する近似を損なわない範囲で、太陽電池一体型可動式ルーバ62から発電される電力が最大となるように、太陽電池一体型可動式ルーバ62の角度を調整することもできる。
(実施例12)
図16は、本発明の実施例12であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【0090】
この実施例12のトンネル入口部照明システム20Mの予順応構造物12Mでは、上述の実施例11に例示した太陽電池一体型ルーバ61の角度を自動的に制御する傾動制御装置27を備えた点が異なり、他の構成は実施例11と同様である。
【0091】
すなわち、この実施例12の場合には、傾動制御装置27は、季節やトンネル10の設置場所の緯度等による太陽900の日周移動軌跡の情報が記憶されている。
そして、この太陽900の日周移動軌跡の情報に基づいて、傾動制御装置27が太陽電池一体型可動式ルーバ62の傾きや姿勢を、太陽900の位置に追随するように制御することで、季節やトンネル10の設置場所に影響されることなく、予順応区間LAにおける間接光902による予順応区間照明曲線C1の路面輝度分布を自動的に維持できる効果が得られる。
【0092】
また、傾動制御装置27は、予順応区間照明曲線C1に対する間接光902の路面輝度分布の近似を損なわない範囲で、太陽電池一体型可動式ルーバ62から得られる発電量が最大となるように、太陽電池一体型可動式ルーバ62の角度を制御することもできる。
(実施例13)
図17は、本発明の実施例13であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【0093】
この実施例13のトンネル入口部照明システム20Qは、光ダクト71からなる予順応構造物12Qを備えたところが、上述の実施例1と異なっている。
すなわち、予順応区間LAに設けられた予順応構造物12Qは、躯体70の天井部に、光ダクト71を搭載した構造となっている。
【0094】
この光ダクト71は、上下方向に、坑口10aに向かって対向間隔が漸減するように略筒型に配置された上部反射板71aと下部反射板71bを備えている。
光ダクト71の予順応区間LAの入口側には、自然光901を取り込むための採光開口部72が上向きに形成され、反対側の坑口10aの近傍には、光出射開口部73が下向きに形成されている。
【0095】
そして、採光開口部72から光ダクト71に取り込まれた自然光901は、上部反射板71aと下部反射板71bの間で反射して減衰しながら光出射開口部73に導かれ、導入間接光903として坑口10aに照射され、トンネル10の内部における坑口10aの近傍の道路11の路面が照明される。なお、光ダクトにおける光の反射方向を上下に限定するものではない。
【0096】
このため、本実施例13のトンネル入口部照明システム20Qの場合には、トンネル10における複数の照明灯具22のうち、坑口10aの近傍側の導入間接光照射範囲LBでは照明灯具22の設置が省略されている。
【0097】
すなわち、本実施例13の予順応構造物12Qでは、道路11において、光ダクト71の陰になる領域の路面では間接光902によって照明され、光出射開口部73の下側およびトンネル10の坑口10aの近傍では導入間接光903によって照明される。
【0098】
本実施例13の場合、導入間接光903は間接光902よりも弱くなるように、光ダクト71の形状が設定されている。
これにより、予順応区間LAにおいては、間接光902および導入間接光903によって、上述の図4の予順応区間照明曲線C1に近似した路面輝度分布が実現され、さらに、トンネル入口部照明曲線C2のうち、坑口10aに近い側の導入間接光照射範囲LBの路面輝度分布が導入間接光903によって賄われる。
【0099】
すなわち、本実施例13の光ダクト71を含む予順応構造物12Qを備えたトンネル入口部照明システム20Qによれば、入口照明に人工照明を用いるトンネルにおいて、図4に例示される予順応区間照明曲線C1とトンネル入口部照明曲線C2の関係を光ダクト71の設置によって実現して、入口照明としての性能を維持しつつ、大幅な省エネルギを実現することが可能なトンネル入口照明技術を提供することができる。
【0100】
また、坑口10aの近傍の照明灯具22の設置を省略できるので、トンネル10の照明設備の設置費用や、維持管理費用も削減される。
(実施例14)
図18は、本発明の実施例14であるトンネル入口部照明システムの構成例を示す略側断面図である。
【0101】
この実施例14のトンネル入口部照明システム20Rは、上述の実施例13の予順応構造物12Qとしての光ダクト71の光出射開口部73の側を、トンネル10の坑口10aから、所定の挿入距離LCだけ差し入れるように配置した予順応構造物12Rを備えている。
【0102】
すなわち、この実施例14の予順応構造物12Rの場合には、光ダクト71が坑口10aの内部に差し入れられる挿入距離LCの分だけ、トンネル10の外側における予順応区間LAの距離を短縮できる、という利点がある。
【0103】
また、上述の導入間接光照射範囲LBと挿入距離LCの和の分だけ、トンネル10における坑口10aの近傍の照明灯具22の設置を省略して導入間接光903に置換でき、省エネルギおよび設置コストの削減を実現できる。
【0104】
上述の説明では、便宜上、個々の実施例を個別に説明したが、複数の実施例を組み合わせることも可能である。
たとえば、上述の図6に例示した太陽電池パネル21を、上述の図11に例示したルーバ41に置き換えた構成としてもよい。
【0105】
また、上述の図6に例示した太陽電池パネル21を、上述の図14に例示した太陽電池一体型ルーバ61に置き換えた構成としてもよい。
上述の図7に例示された太陽電池パネル21を、上述の図11のルーバ41に置き換えた構成としてもよい。 上述の図7に例示された太陽電池パネル21を、上述の図14に例示した太陽電池一体型ルーバ61に置き換えた構成としてもよい。
【0106】
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0107】
10 トンネル
10a 坑口
10b 入口照明
10c 基本照明
11 道路
12 予順応構造物
12A 予順応構造物
12B 予順応構造物
12C 予順応構造物
12D 予順応構造物
12E 予順応構造物
12F 予順応構造物
12G 予順応構造物
12H 予順応構造物
12J 予順応構造物
12K 予順応構造物
12L 予順応構造物
12M 予順応構造物
12Q 予順応構造物
12R 予順応構造物
20 トンネル入口部照明システム
20A トンネル入口部照明システム
20B トンネル入口部照明システム
20C トンネル入口部照明システム
20D トンネル入口部照明システム
20E トンネル入口部照明システム
20F トンネル入口部照明システム
20G トンネル入口部照明システム
20H トンネル入口部照明システム
20J トンネル入口部照明システム
20K トンネル入口部照明システム
20L トンネル入口部照明システム
20M トンネル入口部照明システム
20Q トンネル入口部照明システム
20R トンネル入口部照明システム
21 太陽電池パネル
21a 調光間隙
21b 躯体
22 照明灯具
22a 人工照明光
23 配線
23a 分岐配線
24 制御装置
24a 制御配線
25 照度計
25a 信号配線
26 輝度計
26a 信号配線
27 傾動制御装置
30 躯体
31 可動式太陽電池パネル
31a 調光間隙
31b 揺動軸
32 透過型太陽電池パネル
40 躯体
41 ルーバ
41a 調光間隙
50 躯体
51 可動式ルーバ
51a 調光間隙
52 ルーバ揺動軸
60 躯体
61 太陽電池一体型ルーバ
61a 調光間隙
62 太陽電池一体型可動式ルーバ
63 ルーバ揺動軸
70 躯体
71 光ダクト
71a 上部反射板
71b 下部反射板
72 採光開口部
73 光出射開口部
900 太陽
901 自然光
902 間接光
903 導入間接光
C0 トンネル入口部照明曲線(従来例)
C1 予順応区間照明曲線図
C2 トンネル入口部照明曲線(本発明)
20 野外輝度
LA 予順応区間
LB 導入間接光照射範囲
LC 挿入距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル坑口手前の道路に設けられ、自然光による路面の自然照明光量が前記トンネル入口部に向かう方向に漸減する予順応区間を構成する予順応構造物と、
前記トンネル坑口手前の予順応構造物内における前記自然照明光量に応じてトンネル坑口より進行方向の照明光量分布を形成する入口照明手段と、
を具備したことを特徴とするトンネル入口部照明システム。
【請求項2】
請求項1記載のトンネル入口部照明システムにおいて、
前記予順応構造物は前記自然光によって電流を発生する太陽電池からなり、
前記入口照明手段は、前記太陽電池に接続され、前記トンネル奥行き方向に配列された複数の可変光量照明灯具からなることを特徴とするトンネル入口部照明システム。
【請求項3】
請求項2記載のトンネル入口部照明システムにおいて、
さらに、前記入口照明手段は、前記トンネル入口部における前記路面の明るさを検出する光センサと、前記光センサから検出される前記路面の明るさに基づいて前記可変光量照明灯具の発光量を制御する制御装置とを含む、
ことを特徴とするトンネル入口部照明システム。
【請求項4】
請求項1記載のトンネル入口部照明システムにおいて、
前記予順応構造物は、取り付け角度が可変な可動式太陽電池からなり、
前記入口照明手段は、前記太陽電池に接続され、前記トンネル奥行き方向に配列された複数の可変光量照明灯具からなることを特徴とするトンネル入口部照明システム。
【請求項5】
請求項4記載のトンネル入口部照明システムにおいて、
前記自然光の照射方向の時間的な変化に応じて前記可動式太陽電池の前記取り付け角度を変化させる角度制御装置を備えたことを特徴とするトンネル入口部照明システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れか1項に記載のトンネル入口部照明システムにおいて、
前記太陽電池は、透過型太陽電池パネルからなり、透過率の異なる複数の透過型太陽電池パネルを組み合わせからなることを特徴とするトンネル入口部照明システム。
【請求項7】
請求項1記載のトンネル入口部照明システムにおいて、
前記予順応構造物は、ルーバからなることを特徴とするトンネル入口部照明システム。
【請求項8】
請求項7記載のトンネル入口部照明システムにおいて、
前記ルーバは、取り付け角度が可変な可動式ルーバからなることを特徴とするトンネル入口部照明システム。
【請求項9】
請求項8記載のトンネル入口部照明システムにおいて、
前記自然光の照射方向の時間的な変化に応じて前記可動式ルーバの前記取り付け角度を変化させる角度制御装置を備えたことを特徴とするトンネル入口部照明システム。
【請求項10】
請求項7から請求項9のいずれか1項に記載のトンネル入口部照明システムにおいて、
前記ルーバは太陽電池パネルで構成されることを特徴とするトンネル入口部照明システム。
【請求項11】
請求項1記載のトンネル入口部照明システムにおいて、
前記予順応構造物は、前記自然光を取り込む採光部および前記採光部から取り込まれた前記自然光を前記トンネル坑口の前方路面に照射する光出力部を具備した光ダクトからなることを特徴とするトンネル入口部照明システム。
【請求項12】
請求項11記載のトンネル入口部照明システムにおいて、
前記光ダクトの前記光出力部は、前記トンネル坑口よりもトンネル内部側に挿入され、前記入口照明手段の一部を構成することを特徴とするトンネル入口部照明システム。
【請求項13】
請求項11記載のトンネル入口部照明システムにおいて、
前記光ダクトの前記光出力部は、前記トンネル坑口よりもトンネル内部側に挿入され、前記予順応区間の一部を構成することを特徴とするトンネル入口部照明システム。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のトンネル入口部照明システムにおいて、
前記予順応区間の延長を、前記道路を通行する車両の設計速度に応じた視距とすることを特徴とするトンネル入口部照明システム。
【請求項15】
請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のトンネル入口部照明システムにおいて、
0.01を超え0.1未満の係数をkとするとき、
前記予順応区間は前半1/2の区間の路面輝度は野外輝度L20×k、前記予順応区間の後半1/2の区間の終端の路面輝度は野外輝度L20×0.4kとすることを特徴とするトンネル入口部照明システム。
【請求項16】
請求項15記載のトンネル入口部照明システムにおいて、
前記トンネル入口部に最も近い前記入口照明手段の所要輝度は野外輝度L20×0.2kとすることを特徴とするトンネル入口部照明システム。

【図2】
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【図5】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【図18】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図13】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−216475(P2012−216475A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82178(P2011−82178)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(593093858)西日本高速道路エンジニアリング関西株式会社 (11)
【Fターム(参考)】