説明

トンネル内排気ガス浄化装置

【課題】 ディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれるDEP、NO、SO、CO等の有害物質を除去することができ、エネルギー消費量が少なくて安価に且つコンパクトに構成可能であり、道路トンネル内への設置に適した排気ガス浄化装置を提供すること。
【解決手段】 排気ガスを内部に取り入れる吸気口と、吸気口から取り入れられた排気ガスを、排気ガス中に含まれる浮遊粒子状物質の凝集を引き起こす機能性溶液と接触させる接触部と、接触部において機能性溶液に接触した排気ガス中に含まれる浮遊粒子状物質が200μm以上の大きさとなるまで凝集する流通時間を確保するガス通路と、ガス通路を流通して200μm以上の大きさとなった粒子を捕捉し、浮遊粒子状物質と清浄空気とに分離する分離装置と、分離装置にて得られた清浄空気を排出する排気口を具備し、機能性溶液がオイゲノール及び/又はモノテルペンを含む液である浄化装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は排気ガス浄化装置に関し、より詳しくはディーゼルエンジンの排気ガスを浄化するためにトンネル内に設置される排気ガス浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジンの排気ガス中には、ディーゼル排気微粒子(Diesel Exhaust Particulate)(以下、DEPと略)や、NO、SO、CO等の人体に悪影響を及ぼす有害物質が多く含まれている。
中でも、沿道の浮遊粒子状物質(Suspended Particulate Matter)(以下、SPMと略す場合がある)のかなりの部分を占めていると言われているDEPが人体に及ぼす影響は深刻であり、肺がん・気道炎症等の呼吸器疾患や、内分泌作用錯乱及び花粉症等のアレルギー性疾患の主原因となっていると考えられている。
【0003】
しかし、近年の道路網整備の進展と相まって高度化・広域化する自動車物流を支えるディーゼルトラックは増加の一途を辿っている。
このような背景を受けて、平成13年6月に自動車NO法の改正法(自動車NO・PM法)が成立し、大都市部の指定地域内での車種別規制が実施されることとなり、発生源に関する対策が技術革新を含めて開始された。
【0004】
その一方で、発生源対策とは別に、都市部交差点や道路トンネル内などの局所部における高濃度汚染対策についても、近隣居住者や利用者等の健康被害防止に向けて早急な取り組みが求められている。
既存の道路トンネルにおける対策としては、ファンによって汚染空気を強制的にトンネル外へと排出する強制換気方式と、電気集塵機によってSPMを回収する電気集塵方式が存在している。
【0005】
しかしながら、前者の方式では、既に環境基準の限界レベルにある周辺地域の汚染状況を更に深刻化させてしまうだけでなく、トンネル利用者(自動車運転者、自転車運転者、歩行者)への生体障害といった影響も懸念されるし、後者の方式では、NO除去ができないため、別途NO対策が必要となり、根本的な問題解決を導くことができない。
【0006】
他の対策としては、従来からディーゼル車等に取り付けられている高温焼却セラミックフィルタ方式の採用も考えられるが、捕集したSPMを高温焼却する時にNOが増加するため不適当であり、しかもエネルギー消費量が多く、装置も高価であるという欠点を有している。
【0007】
上記した既存の方式とは異なる原理を利用した排気ガスの浄化装置が下記特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示された浄化装置は、排気ガスを底部に排気ガス吸収性薬液が貯留された容器内部に導入して、毛細管現象により排気ガス吸収性薬液を吸収したそらせ板に接触させることにより、排気ガスを浄化する装置であって、ヒノキ油含有水溶液等を排気ガス吸収性薬液として用いるものである。
【0008】
しかしながら、この浄化装置は、単に排気ガスをヒノキ油含有水溶液に接触させることのみを目的とした構造であるから、排気ガス中に含まれるDEPを装置内において確実に分離捕集することが困難である。
これは、特許文献1に記載された発明が、排気ガスを単にヒノキ油含有水溶液に接触させるだけで、排気ガス中に含まれるDEPを除去できるという誤った技術的知見を前提としていることに起因するものである。
すなわち、排気ガスに含まれるDEPは、ヒノキ油含有水溶液と接触させることのみで除去できる訳ではない。DEPは、ヒノキ油含有水溶液と接触することにより凝集(造粒化)を開始し、所定時間経過することで清浄な空気と分離可能な大きさまで成長し、このように分離可能な大きさに成長した粒子に対して分離処理を施すことで、はじめてDEPと清浄な空気を分離してDEPを捕集することが可能となるものである。
しかしながら、特許文献1に開示された装置には、上述した分離可能な大きさへと至る造粒化のための構成も、造粒化の後の分離処理を行うための構成も具備されていない。
【0009】
また、この装置は、ヒノキ油含有水溶液を容器の底部に貯留して、毛細管現象を利用してそらせ板に吸い上げさせるという構造であるため、そらせ板の上端部に至るまで充分にヒノキ油含有水溶液を浸透させることが難しく、容器内を流通する排気ガスの全量を確実にヒノキ油含有水溶液に接触させることが困難である。
しかも、そらせ板は排気ガスの流れに対して略直角に配置されているため、排気ガス中に含まれる微粒子の付着によって目詰まりが生じ易く、浸透力が短期間で低下することは避けられない。
【0010】
【特許文献1】特開2000−246056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記従来技術が抱える問題点を解決すべくなされたものであって、ディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれるDEP、NO、SO、CO等の人体に悪影響を及ぼす有害物質を確実に除去することができるとともに、エネルギー消費量が少なくて安価に且つコンパクトに構成することが可能であって、道路トンネル内への設置に適した排気ガス浄化装置を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に係る発明は、ディーゼルエンジンの排気ガスを浄化するためにトンネル内に設置される排気ガス浄化装置であって、排気ガスを内部に取り入れるための吸気口と、該吸気口から取り入れられた排気ガスを、該排気ガス中に含まれる浮遊粒子状物質の凝集を引き起こす機能性溶液と接触させる接触部と、該接触部において機能性溶液に接触した排気ガス中に含まれる浮遊粒子状物質が200μm以上の大きさとなるまで凝集するための流通時間を確保するガス通路と、該ガス通路を流通して200μm以上の大きさとなった粒子を捕捉し、浮遊粒子状物質と清浄空気とに分離する分離装置と、該分離装置にて得られた清浄空気を外部に排出する排気口を具備し、前記機能性溶液がオイゲノール及び/又はモノテルペンを含む液であることを特徴とするトンネル内排気ガス浄化装置に関する。
【0013】
請求項2に係る発明は、前記ガス通路が、複数の方向転換部を有する通路からなることを特徴とする請求項1記載のトンネル内排気ガス浄化装置に関する。
請求項3に係る発明は、前記ガス通路が直線状通路からなり、該直線状通路の中途部には、排気ガスの流れ直交方向断面の一部を遮蔽する仕切板が配設されてなることを特徴とする請求項1記載のトンネル内排気ガス浄化装置に関する。
【0014】
請求項4に係る発明は、前記接触部が、前記機能性溶液を上面に貯留した複数のトレイと、該トレイを収容するケースからなり、前記トレイは、上面が排気ガス流通方向と平行となるように所定間隔をあけて積層配置され、上下に隣り合うトレイ間の隙間が排気ガスの流通路とされてなることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のトンネル内排気ガス浄化装置に関する。
請求項5に係る発明は、前記接触部が、内部を複数のセルに区画する複数段の棚を有するケースからなり、前記棚は、上面に前記機能性溶液を貯留する凹部を有してなるとともに、上面が排気ガス流通方向と平行となるように所定間隔をあけて配置され、上下に隣り合う棚間に形成されたセルが排気ガスの流通路とされてなることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のトンネル内排気ガス浄化装置に関する。
請求項6に係る発明は、前記セルが複数の区画に仕切られていることを特徴とする請求項5記載のトンネル内排気ガス浄化装置に関する。
【0015】
請求項7に係る発明は、前記トレイ又は棚が、前記機能性溶液が浸透可能な材料から構成されていることを特徴とする請求項4乃至6いずれかに記載のトンネル内排気ガス浄化装置に関する。
請求項8に係る発明は、前記接触部の上方に機能性溶液貯留タンクが配設され、該貯留タンクから前記各トレイ又は棚に機能性溶液を導く複数の分岐経路を有するパイプが設けられていることを特徴とする請求項4乃至7いずれかに記載のトンネル内排気ガス浄化装置に関する。
請求項9に係る発明は、複数台のトンネル内排気ガス浄化装置に対して機能性溶液を供給可能な供給装置を備え、該供給装置と各浄化装置とはパイプラインにより連結され、該パイプラインを介して機能性溶液が各浄化装置の接触部へと供給されることを特徴とする請求項4乃至7いずれかに記載のトンネル内排気ガス浄化装置に関する。
【0016】
請求項10に係る発明は、前記分離装置がサイクロン方式の分離装置であって、その下方には分離されて落下した浮遊粒子状物質を貯蔵するタンクが設置されてなることを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載のトンネル内排気ガス浄化装置に関する。
請求項11に係る発明は、前記分離装置がシート状のフィルタからなり、該フィルタはロール状に巻回され、その先端部が所定長さ引き出された後、巻き取りローラにより巻き取られるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載のトンネル内排気ガス浄化装置に関する。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明によれば、装置内に導入された排気ガスを、接触部においてオイゲノール及び/又はモノテルペンを含む機能性溶液に接触させることによってDEPの凝集(造粒)反応を開始させ、引き続きガス通路を流通させることによりDEPを200μm以上の大きさに成長させ、分離装置においてこの粒子を浮遊粒子状物質と清浄空気とに分離することができる。これにより、ディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれるDEPを確実に装置内に捕捉して清浄な空気のみを外気へと排出することが可能となる。
【0018】
請求項2に係る発明によれば、ガス通路内に設けられた複数の方向転換部により、排気ガスの流れが通路内において乱流化して混ざり合い、DEPの造粒効率が高められる。しかも、装置全体の長さを短くしても、確実にDEPを200μm以上の大きさに成長させ得るガス通路長さを確保することが可能となるため、長い設置スペースが確保できない道路トンネル内に設置するのに適した排気ガス浄化装置が得られる。
請求項3に係る発明によれば、中途部に設けられた仕切板により、排気ガスの流れが通路内において乱流化して混ざり合い、DEPの造粒効率が高められる。また、流通断面を大きく確保することができるため、造粒されたDEP粒子の自然(重力)分離を生じさせることが可能となる。
【0019】
請求項4に係る発明によれば、小スペースで排気ガスと機能性溶液の接触面積を大きく確保することができるとともに、排気ガスと機能性溶液とを確実に接触させることが可能となる。
請求項5に係る発明によれば、小スペースで排気ガスと機能性溶液の接触面積を大きく確保することができ、排気ガスと機能性溶液とを確実に接触させ得るとともに、部品点数を少なくすることが可能となる。
請求項6に係る発明によれば、排気ガスと機能性溶液との接触効率を更に高めることができる。
【0020】
請求項7に係る発明によれば、機能性溶液の浸透によって、トレイ又は棚の上面だけでなく下面においても、排気ガスと機能性溶液を接触させることが可能となり、小スペースで非常に高い接触効率を得ることができる。
請求項8に係る発明によれば、簡単且つコンパクトな構成にて、機能性溶液を複数のトレイ又は棚に分配して供給することができ、排気ガスと機能性溶液との接触を長期間に亘って確実に行わせることが可能な装置を得ることができる。
請求項9に係る発明によれば、1台の供給装置から複数台の浄化装置に対して機能性溶液を供給することができるので、供給作業を集中管理することが可能となる。
【0021】
請求項10に係る発明によれば、DEPを確実に短時間で分離して回収することができ、装置内の他の部分にDEPを堆積させることがない。しかも、フィルタのように目詰まりが生じないので、長期間に亘って使用を継続することができる。
請求項11に係る発明によれば、フィルタの巻き取り方向を変えることで分離装置の幅と奥行きの比率を変えることができるので、設置場所奥行きの広狭に対応することが可能となり、道路トンネル内などの限られた設置スペースに設置するのに適した装置となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明に係る排気ガス浄化装置は、ディーゼルエンジンの排気ガスを浄化するための装置であって、特に道路トンネル内に設置するのに適した構造を有する装置である。
図1乃至図5は夫々本発明に係る排気ガス浄化装置の第一乃至第五実施形態を示す概略図であって、図1乃至図4において、(a)は正面側から見た断面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図であり、図5は正面側から見た断面図である。
【0023】
先ず、全ての実施形態に共通する構成について説明する。
本発明に係る浄化装置は、1つのケーシングに、排気ガスを内部に取り入れるための吸気口(1)と、該吸気口(1)から取り入れられた排気ガスを機能性溶液と接触させる接触部(2)と、該接触部(2)において機能性溶液に接触した排気ガスが流通するガス通路(3)と、該ガス通路(3)を流通した後の粒子を捕捉して浮遊粒子状物質(SPM)と清浄空気とに分離する分離装置(4)と、該分離装置(4)にて得られた清浄空気を外部に排出する排気口(5)を備えた構造を有している。
【0024】
接触部(2)は、吸気口(1)から取り入れられた排気ガスを、該排気ガス中に含まれる粒径10μm以下のSPM(ディーゼルエンジン排気ガスの場合にはDEP)の凝集を引き起こす機能性溶液と接触させるための部分であって、機能性溶液としては、オイゲノール及び/又はモノテルペンを含む液が用いられ、具体的にはヒノキ油(ヒノキ抽出液)が好適に用いられる。
【0025】
ガス通路(3)は、接触部(2)において機能性溶液に接触した排気ガス中に含まれるDEPが、200μm以上の大きさとなるまで凝集(造粒化)するための流通時間を確保するための部分であって、具体的には約1秒以上、好ましくは約3秒以上の流通時間を確保できるだけの長さ及び断面積を有するように設けられる。
第一乃至第四実施形態では、ガス通路(3)を複数の方向転換部(好ましくは少なくとも3つ以上の屈曲部)を有する通路とすることによって、装置全体の長さを短くして必要な通路長さを確保しており、長い設置スペースを確保できない道路トンネル内に設置するのに適した装置となっている。
第五実施形態では、ガス通路(3)を直線状の通路として必要な長さを確保しており、比較的長い設置スペースを確保できる道路トンネル内に設置するのに適した装置となっている。
機能性溶液に接触した排気ガス中に含まれるDEPが凝集して200μm以上の大きさになる時間は通常約1〜2秒であるが、約3秒以上の流通時間を確保することによって、排気ガス中に含まれるDEPを確実に200μm以上の大きさとなるまで凝集させることが可能となる。
【0026】
本発明において、DEPを200μm以上の大きさとなるまで凝集(造粒化)させるのには、2つの大きな理由がある。
第1の理由は、DEPを200μm以上の大きさとなるまで凝集させることによって、後工程の分離装置(4)において、DEP粒子と清浄な空気とに分離することが可能となるためである。
第2の理由は、200μm以上の大きさとなるまで凝集したDEPは多孔質構造を有するため、NO、SO、CO等を吸着することができ、その結果、ディーゼルエンジン排気ガス中に含まれるDEPとNO、SO、COを同時に除去することが可能となるためである。
これらの理由(作用機能)は、本願発明者の実験的知得によってはじめて見出されたものであり、従来このような知得に基づいたディーゼルエンジン排気ガスの浄化装置は存在していなかった。
【0027】
以下、本発明の第一乃至第五実施形態に係る浄化装置の具体的構成について順次説明する。
第一実施形態に係る浄化装置(図1参照)では、排気ガスを内部に取り入れるための吸気口(1)が装置の正面下部に設けられている。
接触部(2)は、吸気口(1)の上方に設けられた貯槽からなり、吸気口(1)から取り入れられた排気ガスが貯槽内に貯留された機能性溶液の液面上を通過することによって、排気ガスと機能性溶液が接触するように構成されている。
接触部(2)の上方には前記貯槽よりも大容量の機能性溶液貯留タンク(10)が配設されており、接触部(2)を構成する貯槽内に機能性溶液が無くならないように、透水性の瀝青材等からなるフィルタ(9)を介してタンク(10)から機能性溶液が適量ずつ補給されるようになっている。
【0028】
但し、本発明では、ケーシング内に機能性溶液貯留タンク(10)を設けずに、外部に設置した供給装置から接触部に機能性溶液を供給する構成を採用することもできる。後述する第五実施形態(図5)は、ケーシング内にタンク(10)を設けない構成を採用した装置である。
この場合には、1台の供給装置と複数の浄化装置とをパイプラインにより連結し、該パイプラインを介して機能性溶液を各浄化装置の接触部へと供給するように構成するとよい。
【0029】
接触部(2)を構成する貯槽の上部にはファン(6)が配設されており、このファン(6)の作動によって、接触部(2)において機能性溶液と接触した排気ガスはガス通路(3)へと送られる。図中の符号(11)は、ファン等の駆動を操作するための操作パネルである。
ガス通路(3)は接触部(2)の側方に連続して設けられており、略W字状に屈曲した形状とされることによって、小さいスペース内で必要長さを確保している。
排気ガス中に含まれるDEPは、前述した如く、ガス通路(3)を流通する間に凝集して粒径200μm以上の多孔質構造の粒子となり、NO、SO、CO等を吸着する。
【0030】
ガス通路(3)の終端部には、サイクロン方式の分離装置(4)が配設されている。
この分離装置(5)の具体的構造は、遠心分離の原理を利用して集塵する公知のサイクロンと同様であって、その下方には分離されて落下した浮遊粒子状物質を貯蔵するタンク(7)が設置されている。
一般に、サイクロンは粒径が小さい粒子の分離には不適であり、粒径10μm以下の微粒子であるDEPを分離捕集することは困難であるが、本発明ではDEPが接触部(2)及びガス通路(3)を通過することによって凝集し、200μm以上の大きさとなっているので、サイクロン方式の分離装置(4)によっても確実にDEP粒子と清浄な空気を分離することができる。
分離装置(4)において分離されたDEP粒子はタンク(7)へと回収される。これにより、装置内の他の部分にDEPが堆積することが防がれる。また、サイクロン方式の分離装置は、フィルタのように目詰まりが生じないので、長期間に亘って使用を継続することができるというメリットがある。
【0031】
分離装置(4)によって分離回収されたDEPはNO、SO、CO等が吸着されたものであるため、DEPと分離された空気は、DEPのみならず、NO、SO、CO等の有害物質をも殆ど含まない清浄な空気となる。
そして、この清浄な空気は、分離装置(4)の出口に配設されたファン(8)の駆動によって、排気口(5)から外部へと排出される。
【0032】
第二実施形態に係る浄化装置(図2参照)では、排気ガスを内部に取り入れるための吸気口(1)が装置の側面上部に設けられている。
接触部(2)は、吸気口(1)から続く排気ガス流通断面の全域に亘って形成されており、機能性溶液を上面に貯留した皿状の複数のトレイ(21)を備えた接触ユニットから構成されている(図6参照)。
複数のトレイ(21)は、その上面が排気ガス流通方向(矢印)と平行となるように、所定間隔をあけて積層配置され、トレイ同士の隙間が排気ガスの流通路となる。また、その底面は周縁部において湾曲しており、排気ガスの流れを下方向に導くことができるようになっている。
【0033】
図6は接触ユニットの構成を示す図であり、図7(a)は図6の円内拡大図である。
複数のトレイ(21)は、図示の如く、トレイの左右両側縁を下方から支持するように内方に向けて突設された支持片を有するケース(22)内に所定間隔をあけて積層された状態で収容されている。
ケース(22)は、前後面のみが開放された四角筒状の箱体からなり、その側部には、積層されたトレイの最上段から最下段にまで至るとともに、各トレイに機能性溶液を導く複数の分岐経路を有するパイプ(23)が設けられている。
パイプ(23)の上端部は、接触部(2)の上方に配置された機能性溶液貯留タンク(10)と接続されており、機能性溶液貯留タンク(10)内に貯留された機能性溶液は、パイプ(23)を通って各給液ユニット(24)へと導かれた後、各トレイ(21)へと供給される。
【0034】
ケース(22)に形成された各支持片の側部には、図7(a)に示す如く、ゴムシーリング(24c)を介して給液ユニット(24)が取り付けられている。
給液ユニット(24)は、パイプ(23)の分岐経路と接続されて機能性溶液を内部に取り入れる入液口(24a)と、入液口(24a)から取り入れられた機能性溶液をろ過するフィルタ(24b)とを備えており、フィルタ(24b)を通過した機能性溶液は、ケース(22)に設けられた孔(22a)を通ってトレイ(21)の上面へと導かれる。
【0035】
図7(b)は、給液ユニット(24)の変更例である。
この変更例の給液ユニット(24)は、2本のパイプからなり、図7(a)の構成に比べて簡易な構成となっている。
ケース(22)の側面には、孔(22a)と連通する円筒状の突出部が形成され、この突出部に第1のパイプ(24d)の一端部が外嵌されている。そして、第1のパイプ(24d)の他端部には第2のパイプが内嵌されており、この第2のパイプが、上述したパイプ(23)の分岐経路と接続されて機能性溶液を内部に取り入れる入液口(24a)を構成している。
第1のパイプ(24d)内の中途部には、セラミック等からなるフィルタ(24b)が内填されており、フィルタ(24b)を通過した機能性溶液は、ケース(22)に設けられた孔(22a)を通ってトレイ(21)の上面へと導かれる。
【0036】
図8及び図9は、接触部(2)を構成する接触ユニットの異なる実施形態を示す概略斜視図である。
図8の接触ユニットは、図6及び図7に示した接触ユニットにおいて、トレイ(21)とケース(22)とを一体的に形成したものである。
図8の接触ユニットは、内部を複数のセルに区画する複数段の棚(25)を有するケース(22)から構成されており、夫々の棚(25)はその上面に前記機能性溶液を貯留する凹部(図示略)を有することによって上記したトレイ(21)と同じ役割を果たしている。
ケース(22)は前後面のみが開放された四角筒状の箱体からなり、各棚(25)は、その上面が排気ガス流通方向と平行となるように所定間隔をあけて配置され、上下に隣り合う棚間に形成されたセル(26)が排気ガスの流通路とされている。
【0037】
図9の接触ユニットは、図8に示した接触ユニットにおいて、上下に隣り合う棚の間に形成された各セルを複数の区画に仕切り、ケース内において小さいセル(27)が縦横に配列されるようにした構成を有している。
この構成によれば、排気ガスと機能性溶液との接触効率を大きく高めることができる。
【0038】
図8及び図9の接触ユニットの上面にはスリット孔(28)が開口されており、このスリット孔(28)は、各棚(25)に機能性溶液を導くことができるように下方に向けて延びている。
また、図示していないが、図8及び図9に示した接触ユニットの棚(25)への機能性溶液の供給は、図7(a)(b)に示した接触ユニットと同様の給液ユニット(24)を用いて行うこともできる。
【0039】
トレイ(21)や棚(25)は、金属や合成樹脂等の不透水性材料から形成してもよいが、機能性溶液が浸透可能な材料から構成することが好ましい。
このような材料としては、例えば含水性の瀝青材、透水性セラミックス、セラミックスぺーパー、含水性ペーパー等を用いることができる。
トレイ(21)や棚(25)として、このような機能性溶液が浸透可能な材料を用いることによって、各トレイ(21)の上面だけでなく下面においても、排気ガスと機能性溶液を接触させることが可能となり、接触面積を非常に大きくとることができる。
尚、接触効率を高めるためには、各段に配置されたトレイ(21)や棚(25)の貯水量を常に略等しい量とすることが好ましい。そのため、本発明では、トレイ(21)や棚(25)の一部に不透水コーティングを施して、各トレイ又は各棚の浸透可能な面積を異ならせるようにすることが好ましい。
【0040】
更に本発明では、図8及び図9に示した接触ユニットにおいて、各セル(26)(27)の内部に透水性シートからなるカートリッジ(29)を着脱可能に装着する構成を採用することができる(図8参照)。
カートリッジ(29)は各セル(26)(27)の内面に沿うように装着され、機能性溶液が含浸される。
このようなカートリッジ(29)を用いると、セルにゴミ等が溜まったりして掃除が必要になった場合には、カートリッジを交換するだけでよいため、メンテナンスの手間を削減することが可能となる。
【0041】
ガス通路(3)は接触部(2)の側方に連続して設けられており、複数の方向転換部が形成されている。
ガス通路(3)に形成された複数の方向転換部は、排気ガスの流れを通路内において乱流化して混ざり合わせる機能を発揮し、これによってDEPの造粒効率が高められる。
また、装置全体の長さを短くしても、DEPを200μm以上の大きさに成長させ得るガス通路長さを確保できるため、長い設置スペースを確保できない道路トンネル内に設置するのに適した排気ガス浄化装置が得られる。
また、ガス通路(3)内にはファン(6)が配設されており、ファン(6)の駆動によって排気ガスの流れをつくりだしている。
排気ガス中に含まれるDEPは、第一実施形態と同様に、ガス通路(3)を流通する間に凝集して粒径200μm以上の粒子となり、その多孔質構造によってNO、SO、CO等を吸着する。
【0042】
ガス通路(3)の終端部には、第一実施形態と同構成のサイクロン方式の分離装置(4)が配設されている。
分離装置(4)では、DEP粒子と清浄な空気とが分離され、NO、SO、CO等を吸着したDEP粒子をタンク(7)へと回収し、清浄な空気を分離装置(4)の出口に配設されたファン(8)の駆動によって排気口(5)から外部へと排出する。
【0043】
第三実施形態に係る浄化装置(図3参照)は、分離装置(4)の構成のみが上記第二実施形態の装置と異なっている。
以下、説明の重複による冗長化を防ぐため、異なる点である分離装置(4)の構成についてのみ説明し、同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。
尚、厳密には、ガス通路(3)の形状も第二実施形態とは異なっているが、複数の方向転換部を有するという点において共通しており、その機能も第二実施形態と変わりないため説明を省略する。
【0044】
第三実施形態において、分離装置(4)はシート状のフィルタからなり、該フィルタはロール状に巻回されてフィルタロール(41)を構成するとともに、その先端部が所定長さ引き出された後、モータ(43)の駆動により回転する巻き取りローラ(42)により巻き取られるように構成されている。
巻き取りローラ(42)はフィルタロール(41)の上方に配置され、フィルタロール(41)に巻回されたシート状フィルタは、メッシュ体によってコの字状に形成された通路内に沿ってコの字状に引き出された後、巻き取りローラ(42)により巻き取られるようになっている。
【0045】
シート状フィルタ(41)は、その引き出されているコの字状部分の平行な上部分と下部分が、ガス通路(3)から続く通路断面の全域に亘るようになっており、ガス通路(3)を通ってきた排気ガスは、必ずシート状フィルタ(41)のコの字状の上部分と下部分とを通過する。
これによって、ガス通路(3)を通ってきた排気ガス中のDEP粒子(NO、SO、CO等を吸着した粒子)は、シート状フィルタ(41)のコの字状の内空間に捕集され、清浄な空気のみが排気口(5)に配設されたファン(8)の駆動によって外部へと排出される。
【0046】
第四実施形態に係る浄化装置(図4参照)は、分離装置(4)の配置のみが上記第三実施形態の装置と異なっており、その他の構成は第三実施形態と同じである。
すなわち、この第四実施形態も第三実施形態と同様に、分離装置(4)はシート状のフィルタからなり、該フィルタはロール状に巻回されてフィルタロール(41)を構成するとともに、その先端部が所定長さ引き出された後、モータ(43)の駆動により回転する巻き取りローラ(42)により巻き取られるように構成されている。
尚、この第四実施形態も、ガス通路(3)の形状が第二実施形態とは異なっているが、複数の方向転換部を有するという点において共通しており、その機能も第二実施形態と変わりないため説明を省略する。
【0047】
第三実施形態と大きく異なる点は、第三実施形態では、フィルタロール(41)及び巻き取りローラ(42)の中心軸の方向が、装置の手前から奥への方向(紙面垂直方向)に配置されているのに対して、この第四実施形態では当該中心軸方向が、装置の左右方向に配置されている点である。すなわち、両実施形態では、フィルタロール(41)及び巻き取りローラ(42)の中心軸の方向が90度異なっている。
【0048】
第四実施形態では、巻き取りローラ(42)はフィルタロール(41)の奥側に配置され、フィルタロール(41)に巻回されたシート状フィルタは、メッシュ体によって逆U字状に形成された通路内に沿って逆U字状に引き出された後、巻き取りローラ(42)により巻き取られるようになっている。
【0049】
シート状フィルタは、その引き出されている逆U字状部分の幅が、ガス通路(3)から続く通路断面の全域に亘るようになっており、ガス通路(3)を通ってきた排気ガスは、必ずシート状フィルタ(41)を通過する。
これによって、ガス通路(3)を通ってきた排気ガス中のDEP粒子(NO、SO、CO等を吸着した粒子)は、シート状フィルタの逆U字状の内空間に捕集され、清浄な空気のみが排気口(5)に配設されたファン(8)の駆動によって外部へと排出される。
【0050】
第五実施形態に係る浄化装置(図5参照)は、ガス通路(3)の形状が上記第一乃至第四実施形態と大きく異なっており、その他の構成は基本的に第三実施形態と同じである。
第五実施形態の装置は、ガス通路(3)が直線状通路とされている。
そして、この直線状通路の中途部には、排気ガスの流れ直交方向断面の一部を遮蔽する仕切板(12)が配設されている。
仕切板(12)は、ケーシングの底面から垂直上向きに立設されており、その上端部はガス通路の高さの半分よりも高くされている。
このようにガス通路(3)に設けられた仕切板は、排気ガスの流れを通路内において乱流化して混ざり合わせる機能を発揮し、これによってDEPの造粒効率が高められる。
また、ガス通路(3)を直線状通路とすることで、ケーシング内断面全体を流通断面として大きく確保することが可能となるため、図示のように仕切板(12)の手前において、造粒されたDEP粒子の自然(重力)分離を生じさせることができる。
【0051】
分離装置(4)は、第三及び第四実施形態と同様に、フィルタロール(41)及び巻き取りローラ(42)から構成されており、シート状のフィルタの先端部がフィルタロール(41)から所定長さ引き出された後、巻き取りローラ(42)により巻き取られている。そして、フィルタロール(41)及び巻き取りローラ(42)の中心軸の方向は、第三実施形態と同様に、装置の手前から奥への方向(紙面垂直方向)に配置されている。
この第五実施形態では、フィルタロール(41)と巻き取りローラ(42)は左右に距離をあけて配置されており、これらの間に直線状に張られたシート状フィルタがガス通路(3)から続く通路断面の全域に亘るようになっている。これにより、ガス通路(3)を通ってきた排気ガスは、必ずシート状フィルタ(41)を通過し、排気ガス中のDEP粒子(NO、SO、CO等を吸着した粒子)は、シート状フィルタに捕集され、清浄な空気のみが排気口(5)に配設されたファン(8)の駆動によって外部へと排出される。
【0052】
上記したように、第一乃至第五実施形態のいずれの装置においても、ディーゼルエンジンの排気ガスを、接触部においてオイゲノール及び/又はモノテルペンを含む機能性溶液に接触させることによってDEPの凝集(造粒)反応を開始させ、引き続きガス通路を流通させることによりDEPを200μm以上の大きさの多孔性粒子に成長させ、この多孔性粒子にNO、SO、CO等を吸着させて、分離装置においてNO、SO、CO等を吸着したDEP粒子を清浄空気と分離することにより、清浄な空気のみを外部へと排出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明はディーゼルエンジンの排気ガスを浄化するための浄化装置であって、特に道路トンネル内における排気ガスを浄化するために利用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る排気ガス浄化装置の第一実施形態を示す概略図であって、(a)は正面側からみた断面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図である。
【図2】本発明に係る排気ガス浄化装置の第二実施形態を示す概略図であって、(a)は正面側からみた断面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図である。
【図3】本発明に係る排気ガス浄化装置の第三実施形態を示す概略図であって、(a)は正面側からみた断面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図である。
【図4】本発明に係る排気ガス浄化装置の第四実施形態を示す概略図であって、(a)は正面側からみた断面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図である。
【図5】本発明に係る排気ガス浄化装置の第五実施形態を示す概略図であって、正面側からみた断面図である。
【図6】接触部を構成する接触ユニットの構造を示す図である。
【図7】(a)は図6の円内拡大図であり、(b)はその変更例である。
【図8】接触部を構成する接触ユニットの異なる実施形態を示す概略斜視図である。
【図9】接触部を構成する接触ユニットの異なる実施形態を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0055】
1 吸気口
2 接触部
21 トレイ
22 ケース
23 パイプ
25 棚
26 セル
27 小さいセル
3 ガス通路
4 分離装置
41 フィルタロール
42 巻き取りローラ
5 排気口
7 サイクロンの捕集タンク
10 機能性溶液貯留タンク
12 仕切板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディーゼルエンジンの排気ガスを浄化するためにトンネル内に設置される排気ガス浄化装置であって、
排気ガスを内部に取り入れるための吸気口と、
該吸気口から取り入れられた排気ガスを、該排気ガス中に含まれる浮遊粒子状物質の凝集を引き起こす機能性溶液と接触させる接触部と、
該接触部において機能性溶液に接触した排気ガス中に含まれる浮遊粒子状物質が200μm以上の大きさとなるまで凝集するための流通時間を確保するガス通路と、
該ガス通路を流通して200μm以上の大きさとなった粒子を捕捉し、浮遊粒子状物質と清浄空気とに分離する分離装置と、
該分離装置にて得られた清浄空気を外部に排出する排気口を具備し、
前記機能性溶液がオイゲノール及び/又はモノテルペンを含む液である
ことを特徴とするトンネル内排気ガス浄化装置。
【請求項2】
前記ガス通路が、複数の方向転換部を有する通路からなることを特徴とする請求項1記載のトンネル内排気ガス浄化装置。
【請求項3】
前記ガス通路が直線状通路からなり、該直線状通路の中途部には、排気ガスの流れ直交方向断面の一部を遮蔽する仕切板が配設されてなることを特徴とする請求項1記載のトンネル内排気ガス浄化装置。
【請求項4】
前記接触部が、前記機能性溶液を上面に貯留した複数のトレイと、該トレイを収容するケースからなり、前記トレイは、上面が排気ガス流通方向と平行となるように所定間隔をあけて積層配置され、上下に隣り合うトレイ間の隙間が排気ガスの流通路とされてなることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のトンネル内排気ガス浄化装置。
【請求項5】
前記接触部が、内部を複数のセルに区画する複数段の棚を有するケースからなり、前記棚は、上面に前記機能性溶液を貯留する凹部を有してなるとともに、上面が排気ガス流通方向と平行となるように所定間隔をあけて配置され、上下に隣り合う棚間に形成されたセルが排気ガスの流通路とされてなることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のトンネル内排気ガス浄化装置。
【請求項6】
前記セルが複数の区画に仕切られていることを特徴とする請求項5記載のトンネル内排気ガス浄化装置。
【請求項7】
前記トレイ又は棚が、前記機能性溶液が浸透可能な材料から構成されていることを特徴とする請求項4乃至6いずれかに記載のトンネル内排気ガス浄化装置。
【請求項8】
前記接触部の上方に機能性溶液貯留タンクが配設され、該貯留タンクから前記各トレイ又は棚に機能性溶液を導く複数の分岐経路を有するパイプが設けられていることを特徴とする請求項4乃至7いずれかに記載のトンネル内排気ガス浄化装置。
【請求項9】
複数台のトンネル内排気ガス浄化装置に対して機能性溶液を供給可能な供給装置を備え、該供給装置と各浄化装置とはパイプラインにより連結され、該パイプラインを介して機能性溶液が各浄化装置の接触部へと供給されることを特徴とする請求項4乃至7いずれかに記載のトンネル内排気ガス浄化装置。
【請求項10】
前記分離装置がサイクロン方式の分離装置であって、その下方には分離されて落下した浮遊粒子状物質を貯蔵するタンクが設置されてなることを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載のトンネル内排気ガス浄化装置。
【請求項11】
前記分離装置がシート状のフィルタからなり、該フィルタはロール状に巻回され、その先端部が所定長さ引き出された後、巻き取りローラにより巻き取られるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載のトンネル内排気ガス浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−314895(P2006−314895A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−138846(P2005−138846)
【出願日】平成17年5月11日(2005.5.11)
【出願人】(591039425)高知県 (51)
【出願人】(504367874)有限会社グリーン (2)
【出願人】(000141521)株式会社技研製作所 (83)
【出願人】(500503676)学校法人 高知工科大学 (1)
【Fターム(参考)】