説明

トンネル壁を被覆するための装置

本発明は、トンネル区分の内面に吹付けコンクリートを被覆するための装置であって、吹付けランス(4)と吹付けノズル(7)とを有しており、これらの吹付けランス(4)と吹付けノズル(7)とが、それぞれジョイントによってあらゆる方向に可動になっており、この場合に第1の制御装置が吹付けランス(4)の操作のために設けられており、かつ第2の制御装置が吹付けノズル(7)のための設けられている形式のものに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル区分の内面を被覆するための装置、車両、トンネル区分の内面を被覆するための方法及び前記装置の使用法に関する。
【0002】
ライニング層の形成並びに遮断目的のためにトンネル空隙の岩を固定するためには、通常は吹付けコンクリート層が粗構造の状態にあるトンネルの内壁に塗布される。トンネル空隙とは、この場合には爆破又は切削により岩が破壊されて生じた自由な空間のことである。この場合、空隙長さは、特に岩質に関係している。通常の空隙長さは、トンネル及び坑道構造では1〜6メートルまでの間である。
【0003】
コンクリートを吹き付けるための装置が公知である。これらの装置は、トンネル及び坑道構造内でも、掘削溝及び斜面を固定するためにも使用される。この場合に公知の1装置は、担体車両に構成された吹付けロボットを有しており、この吹付けロボットは、処理したい表面に吹付けコンクリートを塗布する場合にコンクリートを吹き付けるために働く吹付けノズルの案内を機械化し、これにより、工事作業員のための作業安全性と作業条件を改善するために役立つ。
【0004】
このような装置は、有利には水平方向及び鉛直方向に可動な支持アーム並びにこの支持アームに固定された、延長可能で、同様に自由に可動な吹付けランスを有している。この吹付けランスは一方の端部に、コンクリート搬送導管に接続された、コンクリートを吹き付けるために働く吹付けノズルを有している。この場合、この吹付けノズルは吹付けランスの軸線を中心として周囲で可動な回動ヘッドに固定されており、これにより、吹付けノズルから出てくるコンクリート噴射流の軸線を吹付け工程の間に表面に対して常に最適な角度で保持することができる。吹付けロボットの全ての可動なエレメントの制御は遠隔操作により行われる。この場合に、ルーチン運動、例えば吹付けランスの水平方向の運動を自動化することができる。
【0005】
トンネル又は坑道の内面に塗布されるコンクリート層の種々異なった特性、例えば耐圧性及び付着特性は、吹付け角度及び吹付け間隔に大きく関係している。この場合に最適な被覆は、吹付けノズルと壁との間隔が、岩の種類に関連して、有利には1〜2メートルまでであり、吹付けノズルから出てくるコンクリート噴射流の軸線がトンネル壁に対してできるだけ垂直に位置している場合に得られることが公知である。この方法パラメータが保持されない場合には、跳返り材料の割合が極めて大きい。この場合に跳返り材料とは、壁に付着したまま留まらずに、ひいては使用されずに失われてしまう吹付け材料の量のことである。吹付けコンクリートの跳返りにより、使用不能な吹付けコンクリートのためのコスト並びに材料摩耗及び材料除去に基づく高い運転コストが生じる。さらに前に述べた方法パラメータが保持されない場合には、吹付け工程ののちに実際にトンネル内面に残っているコンクリート量は、跳返り材料の量が手間をかけてのみ測定可能であり、したがってたいていは不明であることに基づき、もはや測定することができない。
【0006】
吹付けコンクリートにより被覆しようとするトンネル壁は、一般に極めて不規則な状態になっている。それ故、上に述べた装置の主な欠点は、吹付けノズルを岩表面に対してちょうど垂直に向けて、この岩表面に対して理想的な間隔を保持することが必ずしも容易ではないことである。さらに公知の装置により塗布されるコンクリート層の壁厚さも、たいていは不規則なトンネル壁及び場合によっては著しい材料摩耗に基づきもはや測定することができない。
【0007】
最後に吹付けランスの制御及び回動ヘッドの最適な調整は、実質的に少なくとも1人の人員の協働作業下にのみ実施可能な面倒で時間のかかる比較的多くの作業工程を必要とする。
【0008】
アメリカ特許第5,851,580号明細書が、オートマチック式の制御によりトンネル表面に施される吹付けコンクリートの塗布が制御される方法を記載している。このように自動的な制御は複雑な技術に基づいており、それ故、対応した被覆装置は構成に手間がかかり、それ故、コストに関しても不利である。このことはとりわけ対応した装置が通例では高いジョイント数(少なくとも7つ)を有しており、全てのジョイントに測定システム及び制御装置が設けられていなければならないことをもたらす。
【0009】
本発明の課題は、トンネル内面を被覆するための装置において、吹付けコンクリートを一様に、かつわずかな材料損失により塗布可能なものを提供することである。この場合に装置が入手及び運転時に経済的であることが望ましい。
【0010】
この課題の解決は、トンネル区分の内面に吹付けコンクリートを被覆するための装置であって、次のもの、すなわち、
a)吹付けノズル、
端部に吹付けノズルa)を配置された吹付けランスb)、
吹付けランスb)を固定されたキャリアc)、
及び有利には吹付けノズルa)に位置している、吹付けコンクリートを搬送するための接続導管のための接続箇所d)、
を有しており、この場合に吹付けランスb)及び吹付けノズルa)がそれぞれジョイントにより可動になっている形式の装置から出発する。
【0011】
この課題の本発明による解決手段は、次のもの、すなわち、
キャリアc)と吹付けランスb)とを互いに結合し、吹付けランスb)が垂直方向の軸線を中心として回動可能であるように吹付けランスb)を支承するジョイントe)、
吹付けランスb)の、吹付けノズルa)に向いている方のセグメントを上方へ持ち上げ下方へ下げることのできるジョイントf)、
吹付けランスb)の、吹付けノズルa)に向いている方のセグメントをテレスコープ状に延長可能又は短縮可能にするジョイントg)、
吹付けノズルa)を、吹付けランスb)の、吹付けノズルa)に向いている方のセグメントの長手方向軸線を中心として回動可能にするジョイントh)、
吹付けノズルa)を次のように可動にする、すなわち、吹付けノズルa)の流出開口が、吹付けランスb)の、吹付けノズルa)に向いている方のセグメントの長手方向軸線に接近するか、又は遠ざかることができるように可動にするジョイントi)、
が提供されており、この場合に、吹付けランスb)の運動をジョイントe),f)及びg)を介して統制可能な制御装置k)と、吹付けノズルa)の運動をジョイントh)及びi)を介して統制可能な制御装置l)とが設けられていることを特徴としている。
【0012】
定義によれば、トンネル区分とは、通常の言語慣用ではトンネルとは呼ばれない中空室の区分、例えば坑道又は掘削溝をも意味する。
【0013】
制御装置k)と制御装置l)とが互いに無関係に作業するか、若しくは互いに無関係に操作可能であることが重要である。しかしながら、制御装置k)と制御装置l)とが、共通の操作装置に互いに隣接して配置されていることが可能である。
【0014】
本発明による装置が5つのジョイントのみを有しており、これにより、比較的容易に制御可能であることは有利である。ジョイントのこのようなわずかな数が、比較的簡単な構造をももたらし、これにより、本発明による吹付け装置は特に経済的になる。互いに独立して作業する2つの制御装置に対するジョイントの、本発明による対応配置が、比較的簡単な操作性を保証する。このような容易な操作性及び高い経済性にもかかわらず、本発明による装置は、吹付けコンクリートの一様な塗布を、しかもわずかな材料損失により可能にする。
【0015】
本発明の有利な1構成では、制御装置k)及び制御装置l)は、それぞれマニュアル式にコンピュータ支援なしに2つのジョイスティックにより運転可能であり、この場合に一方のジョイスティックは制御装置k)にのみ所属しており、かつ他方のジョイスティックは制御装置l)にのみ所属している。有利には両方のジョイスティックは共通の操作装置、例えば遠隔操作装置に配置されている。
【0016】
本発明のこの構成は、コンピュータ支援の省略により、本発明による装置の低い入手価格を保証する。しかしながら、少ないジョイント数及び本発明による制御装置に基づき、コンピュータ支援がないのにもかかわらず比較的容易な操作性が付与されている。
【0017】
本発明の別の有利な1構成では、制御装置k)はコンピュータ運転されており、制御装置l)はマニュアル式にコンピュータ支援なしにジョイスティックにより統制可能である。この変化態様は、上に述べた構成に対してさらに容易な操作性を保証する。
【0018】
有利には、吹付けランスb)の、吹付けノズルa)に向いている方のセグメントか、又は吹付けランスb)の、吹付けノズルa)に向いている方のセグメントの少なくとも1区分がテレスコープアームの形で形成されている。
【0019】
有利には、吹付けランスb)の、噴射ノズルa)に向いていない方のセグメントは、吹付けノズルa)の方向に引出し可能になっており、これにより、対応した引出し及び押込みにより、キャリアc)と吹付けノズルa)との間の間隔が可変になっており、この場合に運転の間には吹付けランスb)の、吹付けノズルa)に向いていない方のセグメントが引き出された位置で固定されており、搬送並びに停止の間には、吹付けランスb)の、この吹付けノズルa)に向いていない方のセグメントは、対応して押し込まれた位置に固定されている。この押し込まれた位置ではキャリアc)と吹付けノズルa)との間の間隔は比較的小さくなっている。これにより、本発明による装置は容易に搬送可能であり、比較的小さい停止スペースしか必要としない。さらにこの技術は、運転の間に吹付けノズルa)とキャリアとの間に比較的大きい間隔が提供されていることを可能にする。
【0020】
通例では、本発明による装置は走行可能なシャシに配置されている。このシャシは、例えばトラックに位置していてよい。これにより、本発明は、有利にはトラックの形で提供された、上に述べた装置を有している車両にも関する。
【0021】
さらに本発明は、上に述べた装置を用いてトンネル区分の内面に吹付けコンクリートを被覆するための方法にも関する。この場合に吹付けノズルは吹付け工程の間にトンネル壁に対して直角に1〜3メートルまでの間隔を置いて保持される。これにより、跳返り材料の割合が比較的わずかであり、塗布が一様に行われることが保証される。
【0022】
最後に本発明は、トンネル及び坑道構造内に被覆層を形成するための装置の使用法にも関する。
【0023】
次に本発明の実施の形態を図面につきさらに詳しく説明する。
【0024】
図1に示した本発明による装置は、下側の領域内にキャリアc)1を有している。このキャリアc)1は、足3を介して走行可能なシャシ2(図1には示していない)に結合されている。上側の領域内では、キャリアc)1はジョイントを介して吹付けランスb)4に結合されており、この場合にこの吹付けランスb)4はジョイントe)5により次のように、すなわち、吹付けランスb)4が垂直方向の軸線6を中心として回動可能であるように支承されている。キャリアc)1の上方に配置された吹付けランスb)4は一方の端部に吹付けノズルa)7を有しており、この吹付けノズルa)に向いていない方のセグメント8並びに吹付けノズルa)に向いている方のセグメント9に分割される。吹付けランスb)4全体は、キャリアc)1の上側の回動可能な領域(回動ヘッド)にジョイントf)12を介して次のように結合されている、すなわち、吹付けランスb)4の、吹付けノズルa)に向いている方のセグメント9を上方へ持ち上げ、下方へ下げることができるように結合されている。吹付けランスb)4の、吹付けノズルa)7に向いている方のセグメント9は部分的にテレスコープアーム13の形で形成されており、これにより、吹付けランスb)4の、吹付けノズルa)に向いている方のセグメント9はテレスコープ状にジョイントg)14を介して延長可能又は短縮可能になっている。吹付けランスb)4の、吹付けノズルa)7に向いていない方のセグメント8は、吹付けノズルa)7の方向に引出し可能になっており、これにより、対応した引出し及び押込みにより、キャリアc)1と吹付けノズルa)7との間の間隔が可変になっている。ジョイントe)5,f)12及びg)14にはそれぞれ1つの距離測定システムが装着されており、これらの距離測定システムは半オートマチック式の制御のために働く。運転の間には、吹付けランスb)4の、この吹付けノズルa)に向いていない方のセグメント8は引き出された位置に固定されており、搬送及び停止の間には吹付けランスb)4の、吹付けノズルa)4に向いていない方のセグメント8は、対応して押し込まれた位置に固定されており、この位置ではキャリアc)1と吹付けノズルa)7との間の間隔は比較的小さい。図1に示した装置は停止位置に位置している。吹付けノズルa)7は、噴霧ヘッド(TCP)15の固定点で、ジョイントh)16を介してテレスコープアーム13の端部に結合されている。このジョイントh)16を介して、吹付けノズルa)7は、吹付けランスb)4の、吹付けノズルa)に向いている方のセグメント9の長手方向軸線17を中心として回動可能になっている。ジョイントh)16と吹付けノズルa)7との間には、別のジョイントi)19が位置しており、このジョイントi)19を介して吹付けノズルa)7は次のように可動になっている、すなわち、吹付けノズルa)7の流出開口18が、吹付けランスb)4の、吹付けノズルa)7に向いている方のセグメント9に接近するか、又は遠ざかることができるように可動になっている。吹付けノズルa)7には、吹付けコンクリートを搬送するための接続導管のための接続箇所(図示していない)が位置している。
【0025】
図2は、本発明による装置を示している。この装置は、特殊なトラックに組み付けられている。吹付けランスb)4は、引き出された状態(作業位置)に位置している。引き出された吹付けランスb)により引き起こされる高いトルクに基づいて、車両は特殊な支持体を有しており、この支持体は、運転の前又は運転の間に確実な支持のために引き出すことができる。
【0026】
図2aは、車両の垂線及び長手方向軸線17により形成された平面でトンネル内壁に沿って吹付けノズルa)を案内するために行われるべき吹付けランスb)4の運動を概略的に示している。吹付けランスb)4のこれらの運動はもっぱらジョイントf)12及びg)14のみを介して制御することができる。この場合にジョイントf)12を介しては垂線に対する吹付けランスb)4の角度が変更され、ジョイントh)16を介しては、吹付けランスb)4の、吹付けノズルa)に向いている方のセグメント9の長さの変更により、トンネル内面に対する望ましい距離が保持される。吹付けノズルa)7が、上に述べた平面から外側へ運動することが望ましい場合には、ジョイントe)5を介して「回動塔」が運動せしめられる必要がある。したがって、吹付けノズルa)7が図2aに示した矢印に沿って行う運動はもっぱらジョイントf)12及びg)14を介して制御される。
【0027】
図2bには、どのようにして吹付けノズルa)7が車両の長手方向軸線17及び水平面により形成された平面で、一定の間隔をおいてトンネル内面に沿って案内されるのかが示されている。吹付けランスb)4が車両の長手方向軸線17に対して平行に、先に述べた平面で、図2bに示した矢印にしたがって行う運動は、もっぱらジョイントe)5及びg)14のみを介して制御される。これにより、これらの運動のためにはもっぱらジョイントe)及びg)のみが操作され、この場合にジョイントe)5を介して車両の長手方向軸線17に対する角度が変更され、ジョイントg)14を介して、吹付けランスb)4の、吹付けノズルa)7に向いている方のセグメント9の長さが次のように、すなわち、トンネル内面に対してほぼ一定の間隔が保持されるように変更される。前記平面から外側へ行われる運動は、ジョイントf)12を介して制御される。
【0028】
ジョイントh)16及びi)19を介して、吹付けノズルa)7の流出開口18は運転の間にトンネル内側表面に対して垂直方向に保持される。
【0029】
図3に示した、本発明による装置の遠隔操作装置が、ジョイントe)5,f)12及びg)14を介して吹付けランスb)4の運動を制御するための大きいジョイスティック20と、ジョイントh)16及びi)19を介して吹付けノズルa)7を制御するための小さいジョイスティック21と、吹付けコンクリートを供給するための制御ボタン22と、半オートマチック式/マニュアル式に運転モードを調整するための制御ボタン23と、吹付けランスb)4の、吹付けノズルa)7に向いていない方の部分セグメントを、本発明による装置の停止位置と作業位置とを調整するために走出及び走入するための制御ボタン24と、コンピュータ支援された運転中にTPC15(噴霧ヘッドの固定点)の運動経過を記憶するか、若しくはあらかじめプログラミングすることができる制御ボタン25(以下参照)と、コンピュータ支援された運転中に、制御された、若しくはあらかじめプログラミングされた運動の実施を制御することのできるロッカ26とを示している。
【0030】
運転モード「コンピュータ支援なしのマニュアル運転」では、コンピュータと距離測定システムとは作動していない。両方のジョイスティックは液圧式弁の弁ブースタを直接に制御する。
【0031】
この場合の大きいジョイスティック20による運動前規定は次のとおりである:
レバーを左右へ=ジョイントe)5;左右へ回動
レバーを前後へ=ジョイントf)12;吹付けランスb)4の、吹付けノズルa)に向いている方のセグメント9を昇降させる
ロッカ26を上下へ=非作動、運動前規定は行われない
小さいジョイスティック21による運動前規定は次のとおりである:
レバーを左右へ=ジョイントh)16;吹付けノズルa)7を左右へ回動する
レバーを前後へ=ジョイントi)19;吹付けノズルa)7を前傾させ、戻す
コンピュータ支援を伴うマニュアル運転(半オートマチック運転)時にはコンピュータ及び距離測定装置がジョイントe)5,f)12及びg)14で使用される。ロッカ26により、コンピュータ支援された運転中にTPC15の運動が次のように前規定される:
ロッカを上下へ=TPCは図2a,図2bに示された矢印に対応して前方/後方へ運動する
コンピュータ支援装置が、TCP15がスペース内で規定された直線「teach−in」に対して平行に案内されることを保証する。TCP15はあらかじめ規定された直線に沿って線状運動を行う。この直線は図2a若しくは2b内の矢印によるものであってよい。直線は操作員により「teach−inモード」で、直線の第1及び最後の点に移動せしめられることにより規定される。このことは、操作員が、空間軸線x1,y1,z1により規定された第1の点にマニュアル式に移動し、この第1の点をノブ押圧により登録することにより行われる。スペース内の別の箇所では同じようにして第2の点x2,y2,z2に移動せしめられ、登録される。特に第1及び第2の点のプログラミングによる直線の、上に述べた記憶は制御ボタン25により行われる。大きいジョイスティック20のロッカ26が運動せしめられた場合には、TCP15が対応して前後に、特にあらかじめ規定された直線に沿って運動する。別の平行に位置する全ての直線は、いまや大きいジョイスティック20により制御される。簡単ではない形式でy-軸線とz-軸線とが前後走行時に一定不変に保持されるのではなく、別の運動があらかじめ規定された直線に対して平行に行われることに注意すべきである。換言すれば、まず一度直線が規定された場合には、操作員は吹付け作業を次のように実施することができる、すなわち、吹付けランスb)4が空間的に見て上下又は左右に運動せしめられ、この場合に吹付けノズルa)7があらかじめ規定された図2a、図2bの矢印にしたがった直線に対して平行な運動を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明による装置の基本構造及び機械的な機能原理を示す横断面図並びに斜視図である。
【図2a】本発明による装置の機能形式を概略的に示す、本発明による車両の横断面図である。
【図2b】本発明による装置の機能形式を示す平面図である。
【図3】本発明による装置を運転するための、制御装置k)も制御装置l)もマニュアル式にコンピュータ支援なしに統制可能な操作装置の概略的な回路図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル区分の内面に吹付けコンクリートを被覆するための装置であって、次のもの、すなわち、
a)吹付けノズル(7)、
端部に該吹付けノズルa)(7)を配置された吹付けランスb)(4)、
該吹付けランスb)(4)を固定されたキャリアc)(1)、
有利には吹付けノズルa)(7)に位置している、吹付けコンクリートを搬送するための接続導管のための接続箇所d)、
を有しており、この場合に吹付けランスb)(4)及び吹付けノズルa)(7)がそれぞれジョイントにより可動になっている形式のものにおいて、
キャリアc)(1)と吹付けランスb)(4)とを互いに結合し、吹付けランスb)(4)が垂直方向の軸線を中心として回動可能であるように吹付けランスb)(4)を支承するジョイントe)(5)、
吹付けランスb)(4)の、吹付けノズルa)に向いている方のセグメント(9)を上方へ持ち上げ下方へ下げることのできるジョイントf)(12)、
吹付けランスb)(4)の、吹付けノズルに向いている方のセグメント(9)をテレスコープ状に延長可能又は短縮可能にするジョイントg)(14)、
吹付けノズルa)(7)を、吹付けランスb)(4)の、吹付けノズルa)(7)に向いている方のセグメント(9)の長手方向軸線(17)を中心として回動可能にするジョイントh)(16)、
及び吹付けノズルa)(7)を次のように可動にする、すなわち、吹付けノズルa)(7)の流出開口(18)が、吹付けランスb)(4)の、吹付けノズルに向いている方のセグメント(9)の長手方向軸線(17)に接近するか、又は遠ざかることができるように可動にするジョイントi)(19)が
提供されており、吹付けランスb)(4)の運動をジョイントe)(5),f)(12)及びg)(14)を介して統制可能な制御装置k)と、吹付けノズルa)(7)の運動をジョイントh)(16)及びi)(19)を介して統制可能な制御装置l)とが設けられていることを特徴とする、トンネル区分の内面に吹付けコンクリートを被覆するための装置。
【請求項2】
制御装置k)及び制御装置l)が、それぞれマニュアル式に、コンピュータ支援なしに2つのジョイスティックを用いて運転可能であり、一方のジョイスティックが、制御装置k)にのみ所属しており、かつ他方のジョイスティックが、制御装置l)にのみ所属している、請求項1記載の装置。
【請求項3】
制御装置k)が、コンピュータ運転されており、制御装置l)が、マニュアル式に、コンピュータ支援なしに、ジョイスティックを用いて運転可能である、請求項1記載の装置。
【請求項4】
キャリアc)(1)が、走行可能なシャシ(2)に配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
吹付けランスb)(4)の、吹付けノズルa)に向いている方のセグメント(9)が、テレスコープアーム(13)の形で形成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
吹付けランスb)(4)の、噴射ノズルa)(7)に向いていない方のセグメント(8)が、吹付けノズルa)(7)の方向に引出し可能になっており、これにより、対応した引出し及び押込みにより、キャリアc)(1)と吹付けノズルa)(7)との間の間隔が可変になっており、運転の間には吹付けランスb)(4)の、吹付けノズルa)(7)に向いていない方のセグメント(8)が引き出された位置で固定されており、搬送並びに停止の間には、吹付けランスb)(4)の、吹付けノズルa)(7)に向いていない方のセグメント(8)が、対応して押し込まれた位置に固定されており、該押し込まれた位置では、キャリアc)(1)と吹付けノズルa)(7)との間の間隔が比較的小さくなっている、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
車両であって、請求項1から6までのいずれか1項記載の装置を有していることを特徴とする、車両。
【請求項8】
請求項1から6までのいずれか1項記載の装置を用いてトンネル区分の内面に吹付けコンクリートを被覆するための方法において、吹付け工程の間に吹付けノズルa)(7)をトンネル内壁に対して直角に1〜3メートルまでの間隔をおいて保持することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の装置を用いてトンネル区分の内面に吹付けコンクリートを被覆するための方法。
【請求項9】
請求項1から6までのいずれか1項記載の装置の使用法において、トンネル及び坑道構造内に被覆層を形成するために使用することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の装置の使用法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−538178(P2007−538178A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503214(P2007−503214)
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001608
【国際公開番号】WO2005/095759
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(503343336)コンストラクション リサーチ アンド テクノロジー ゲーエムベーハー (139)
【氏名又は名称原語表記】Construction Research & Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Dr.−Albert−Frank−Strasse 32, D−83308 Trostberg, Germany
【Fターム(参考)】