トンネル水噴霧設備
【課題】簡単な構成で水噴霧ヘッドの実放水による点検や予告放水を可能とするトンネル水噴霧設備を提供する。
【解決手段】トンネル壁面10に水噴霧配管16に接続した水噴霧ヘッド18を配置し、火災時に水噴霧ヘッド18から加圧消火用水を車両走行空間に放水する。水噴霧ヘッド18には、点検時に、水噴霧ヘッド18を車両走行空間に向かう放水方向からトンネル壁面に向かう放水方向に旋回させる旋回部を設ける。旋回部によりトンネル壁面に向けて旋回した水噴霧ヘッド18は集水バケット20に収納され、点検時に周囲への放水を規制する。
【解決手段】トンネル壁面10に水噴霧配管16に接続した水噴霧ヘッド18を配置し、火災時に水噴霧ヘッド18から加圧消火用水を車両走行空間に放水する。水噴霧ヘッド18には、点検時に、水噴霧ヘッド18を車両走行空間に向かう放水方向からトンネル壁面に向かう放水方向に旋回させる旋回部を設ける。旋回部によりトンネル壁面に向けて旋回した水噴霧ヘッド18は集水バケット20に収納され、点検時に周囲への放水を規制する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル内に設置された水噴霧ノズルに消火用水を供給して放水させるトンネル水噴霧設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車専用道路等のトンネルには、トンネル内で発生する火災事故から人身及び車両を守るため、非常用設備が設置されている。このような非常用設備としては、火災の監視と通報のため火災検知器や非常電話が設けられ、火災の消火や延焼防止のために消火栓装置やトンネル防護のための水噴霧ヘッドから加圧消火用水を放水させる水噴霧設備が設けられる。
【0003】
水噴霧設備は50メートル間隔の放水区画単位に1台の自動弁装置が設置され、5メートル間隔に配置した複数の水噴霧ヘッドに対し自動弁装置から加圧消火用水を供給して一斉に放水させる。また水噴霧設備は非常時に備えて、水噴霧ヘッドから実放水を行う定期点検を実施している。
【0004】
しかしながら、実放水を行う定期点検の際には、トンネル内の交通を全面遮断して水噴霧ノズルから実際に水を放水しており、多くの人員と放水後の復旧処理を含めて作業時間が多くかかる。
【0005】
このような問題を解決するため、従来、専用の集水車を使用し、各水噴霧ヘッドを集水車に搭載した容器で覆い、水噴霧ヘッドから放出された水をトンネル内に放水することなく全て採取し、集水した水から放水量を計測して放水性能を確認し、交通遮断を必要とせずに簡単に点検できるようにしている(特許文献1)。
【0006】
また別の方法として、点検時に水噴霧ヘッドを点検時にトンネル壁面に向けて実放水を行い、交通遮断を必要とせずに少ない人員で点検できるようにしている(特許文献2)。
【0007】
また水噴霧設備には水噴霧ヘッドからの本格放水がおこなわれることを警告するため、本格放水に先立って小容量の予告放水をする予告放水機能が設けられている。
【0008】
予告放水の方法は、自動弁に対する1次側の流量を小流量とする方法、圧力を低圧とする方法、自動弁で低圧から通常圧力に段階的に切替える方法、自動弁の2次側の制水弁の開度を2段階に切替える方法などがある(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−319140号公報
【特許文献2】特開平11−004908号公報
【特許文献3】特開2002−355324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、集水車を使用する点検にあっては、集水車のアームに設けている容器を複数の水噴霧ヘッドにセットするのに時間がかかり、また交通の全面遮断は必要ないが集水車の設置場所を安全に確保するため、壁面寄りの1車線につき交通規制を必要とする問題がある。
【0011】
また水噴霧ヘッドをトンネル壁面に向けて実放水する点検にあっては、広い放水領域を確保するために複数のノズルを装着したマルチヘッドの場合、ヘッド後方のトンネル壁面方向に放水するノズルは、水噴霧ヘッドを逆向きに旋回すると、トンネル走行空間に向いて放水するため、車線規制や交通遮断が必要になるという問題がある。
【0012】
また本格放水前に予告を行うトンネル水噴霧設備にあっては、基本的に水噴霧ヘッドをそのまま使用し、水噴霧ヘッドに供給する加圧消火用水の圧力又は流量を下げて小容量の予告放水を行っていたため、消火用水の圧力または流量を2段階に調整する機構や設備が必要となり、自動弁の二次側に接続された全ての水噴霧ヘッドに規定量を供給するための扱い流量が非常に多い自動弁及びその関連設備を制御する必要があるため、設備構成が複雑化してコストアップになる問題がある。
【0013】
本発明は、簡単な構成で水噴霧ヘッドの実放水による点検及び予告放水から本格放水への変更を可能とするトンネル水噴霧設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、トンネル内に水噴霧配管に接続した水噴霧ヘッドを配置し、火災時に前記水噴霧ヘッドから加圧消火用水をトンネル内の放水対象空間に放水するトンネル水噴霧設備に於いて、
水噴霧ヘッドを前記放水対象空間に向かう放水位置から旋回させる旋回部と、
旋回部により旋回した前記水噴霧ヘッドを収納して周囲への放水を規制する集水バケットと、
を設けたことを特徴とする。
【0015】
ここで、集水バケットは、水噴霧ヘッドの旋回により出入する部位に開口を形成した箱部材であり、放水時に集水したトンネル壁面側へ消火用水を排水する排水口を設ける。
【0016】
水噴霧ヘッドはトンネル壁面から下向きに立ち下げた水噴霧配管の先端のトンネル壁面に沿った横位置に配置され、集水バケットは水噴霧ヘッドの反対側のトンネル壁面に沿った横位置に配置され、旋回機構は水噴霧ヘッドをトンネル壁面に沿って旋回して集水バケットに出し入れする。
【0017】
水噴霧ヘッドはトンネル壁面から下向きに立ち下げた水噴霧配管の先端のトンネル壁面に直交する前方に配置され、集水バケットは水噴霧ヘッドの反対側の水噴霧配管とトンネル壁面との間に配置され、旋回部は水噴霧ヘッドをトンネル壁面に直交する面に対し旋回して集水バケットに出し入れする。
【0018】
排水口には放水状態を点検する点検装置を接続可能とする。
【0019】
また更に、水噴霧ヘッドの旋回位置を検出する位置検出部を備える。
【0020】
また、火災発生時には放水対象空間に放水する一部の水噴霧ヘッドの旋回部を旋回して集水バケットに収納し、所定時間後に通常位置に旋回復旧して放水を行う。
【発明の効果】
【0021】
本発明のトンネル水噴霧設備によれば、遠隔操作により水噴霧ヘッドの向きを放水対象空間から旋回して、箱形の集水バケットの中に水噴霧ヘッドが収納され、水噴霧ヘッドから実放水した水は収集バケットの内側に集水されて実放水を伴う定期点検もしくは予告放水を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明によるトンネル水噴霧設備の設置状態をトンネル断面で示した説明図
【図2】図1の水噴霧ヘッド周りを拡大して本発明の実施形態を示した説明図
【図3】図2の集水バケットを取り出して示した説明図
【図4】図2の実施形態を放水方向から見て示した説明図
【図5】図2の実施形態における水噴霧ヘッドを通常時と点検時について平面から見て示した説明図
【図6】図2の実施形態における点検時の水噴霧ヘッド収納状態と実放水を示した説明図
【図7】水噴霧ヘッド周りを拡大して本発明の他の実施形態を示した説明図
【図8】図2の実施形態における水噴霧ヘッドを通常時と点検時について平面から見て示した説明図
【図9】図7の実施形態における点検時の水噴霧ヘッド収納状態と実放水を示した説明図
【図10】図1の水噴霧ヘッド周りを拡大して本発明の他の実施形態を示した説明図
【図11】図10の実施形態を放水方向から見て示した説明図
【図12】図10の実施形態における水噴霧ヘッドを通常時と点検時について平面から見て示した説明図
【図13】図10の実施形態における点検時の水噴霧ヘッド収納状態と実放水を示した説明図
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は本発明によるトンネル水噴霧設備の設置状態をトンネル断面で示した説明図である。図1において、トンネル壁面10の上部に対してはコンクリート枠体内を通って水噴霧配管16が立ち上げられており、トンネル壁面10から上部に突出した部分に水噴霧ヘッド18を設けている。
【0024】
水噴霧配管16は給水本管12に分岐接続されており、途中に自動弁装置14を設けている。自動弁装置14はトンネル内の火災時に遠隔制御により開制御され、給水本管12に消火ポンプから加圧給水された消火用水を水噴霧配管16を通して水噴霧ヘッド18に供給し、水噴霧ヘッド18からトンネル路面11及びトンネル壁面10を含む放水対象空間に消火用水を放水して、トンネル構造物の防護及び火災の抑制を行う。
【0025】
本実施形態の水噴霧設備にあっては、水噴霧ヘッド18の近傍に集水バケット20を配置している。水噴霧ヘッド18には放水方向を逆方向に向ける旋回部が設けられており、点検時には水噴霧ヘッド18を車両走行空間に対し逆方向に旋回し、このとき逆方向に旋回した水噴霧ヘッド18が集水バケット20の中に収納されるようにしている。
【0026】
図2は図1の水噴霧ヘッド周りを拡大して本発明の実施形態を示した説明図である。図2において、トンネル壁面10から横方向に取り出された水噴霧配管16の先端には下向きに立下り配管22が接続され、その先端にスイベルジョイント24を介して水噴霧ヘッド18を旋回自在に装着している。
【0027】
スイベルジョイント24は、立下り配管22を固定側として水噴霧ヘッド18側を旋回自在に支持している。水噴霧ヘッド18の旋回は、立下り配管22側に固定したモータ26で駆動されるギアを、スイベルジョイント24に設けたギア32に噛み合わせて回転させることで行う。モータ26の駆動は図示しない遠隔制御部により行われる。モータ26の遠隔制御部は、トンネル内の現場に設けてもよいし、中央監視室などに設けて遠隔制御で行うようにしてもよい。
【0028】
水噴霧ヘッド18は、本実施形態にあっては、上方ノズル28a、前方ノズル28b、下方ノズル28c及び後方ノズル28dを備えたマルチヘッドのものを使用している。
【0029】
立下り配管22に対しスイベルジョイント24を介して旋回自在に装着した水噴霧ヘッド18の横には集水バケット20が配置され、集水バケット20は取付アングル30によりトンネル壁面10に固定されている。
【0030】
図3は図2の集水バケット20を取り出して示した説明図であり、図3(A)に側面を、図3(B)に正面を示している。図3において、集水バケット20は上下左右前後のそれぞれに箱板を持つ箱形本体36を形成し、底面は後方に向かうに従って斜め下向きに傾斜しており、下端部に排水口40を形成している。箱形本体36の側方及び前方には開口38が設けられ、開口38から旋回する水噴霧ヘッド18を内部に出し入れできるようにしている。
【0031】
図4は図2の実施形態を放水方向からトンネル壁面に向けて見て示した説明図である。図4において、水噴霧配管16の先端に接続した立下り配管22の右側の側面にはモータ26が固定され、モータ26の駆動軸が下方に取り出されて先端にギア34を装着しており、ギア34はスイベルジョイント24に設けたギア32に噛み合い、モータ26によるギア34の回転駆動で、ギア32を介してスイベルジョイント24を回転し、水噴霧ヘッド18を集水バケット20に収納可能としている。
【0032】
本実施形態にあっては、立下り配管22の下部にスイベルジョイント24を介して旋回自在に装着した水噴霧ヘッド18は、トンネル壁面10に沿った左側となる横方向に連結されており、このため水噴霧ヘッド18を集水バケット20に収納するためには、図示の水噴霧ヘッド18の位置からモータ26により平面から見て時計回りに180°旋回することで、開口38から箱形本体36の中に収納することができる。
【0033】
図5は図2の実施形態における水噴霧ヘッドを通常時と点検時について平面から見て示した説明図である。図5(A)は通常時であり、水噴霧ヘッド18はトンネル壁面10に沿った右側となる横方向に張り出された状態でトンネル壁面10に直交する方向を水の放射方向としている。
【0034】
点検時にはモータ26による駆動で水噴霧ヘッド18を立下り配管の中心となるP点を中心に矢印で示すように180°旋回し、図5(B)に示すように水噴霧ヘッド18を集水バケット20の開口38から箱形本体36の内部に収納する。
【0035】
図6は図2の実施形態における点検時の水噴霧ヘッド収納状態と実放水を示した説明図である。図6において、図5(B)に示すように水噴霧ヘッド18を旋回して集水バケット20の中に収納し、この状態で点検のための実放水、即ち図1に示した自動弁装置14の遠隔操作又は現場操作による開放で加圧消火用水を供給し、水噴霧ヘッド18の上方ノズル28a、前方ノズル28b、下方ノズル28c及び後方ノズル28dから放水させる。
【0036】
このとき上方ノズル28a、前方ノズル28b及び下方ノズル28cは、水噴霧ヘッド18の旋回により通常時とは逆方向にトンネル壁面10を向いており、それぞれからの放水は集水バケット20の背面側に放水され、トンネル内に放水されることはない。また後方ヘッド28dについては、水噴霧ヘッド18を逆向きに旋回することで前方に向いているが、後方ノズル28dは集水バケット20の底部側に向いて放水することとなり、トンネル内に放水されることはない。水噴霧ヘッド18により集水バケット20内に放水された水は、斜め下向きの底部に沿って排水口40に集められて、トンネル壁面10に向かう下方に排水される。
【0037】
点検時に水噴霧ヘッド18から実放水を行った場合には、各ノズルからの放水状態を目視で確認する必要があるが、この場合には集水バケット20に内部の収納状態を外部から容易に確認できるに十分な大きさの開口38が形成されていることで、各ノズルからの水の放水状態を目視で確認することができる。なお、目視確認がしやすいように集水バケット20を透明部材で形成しても良い。
【0038】
ここで、集水バケット20に設けた開口38は比較的大きく、水噴霧ヘッド18を収納して実放水を行うと、開口38からトンネル内に箱形本体36内で跳ね返った水が飛び出すことが想定される。このような集水バケット20内での実放水により開口38からトンネル内に水が飛び散ることを防止するためには、開口38に紐状のカーテンを張り巡らし、水噴霧ヘッドの出し入れを妨げることはないが、内部に収納した状態での水の飛散を、紐状のカーテンによる開口38を覆うことで十分に抑制できる。
【0039】
開口38に紐状のカーテンを吊り下げた場合、内部に収納した水噴霧ヘッド18の放水状態が外部から目視で確認できなくなるが、その対策としては、開口38の反対側の側面に透明なガラス窓を設けて、内部の放水状態を確認できるようにすれば良い。
【0040】
点検時の実放水による性能評価は、トンネル入口付近で給水本管に流量計を設置し、また正常な水噴霧ヘッド当りの放水量を予め定めておき、点検時に流量計により流量を計測し、実放水した水噴霧ヘッド数で決まる正常時の放水量と比較判断すれば良い。
【0041】
そのほかの性能評価としては集水バケット20の排水口40に配管を介して集水容器を接続し、水噴霧ヘッド毎の放水量を測定して点検するようにしても良い。
【0042】
図7は本発明によるトンネル水噴霧設備で用いる水噴霧ヘッド周りを拡大して他の実施形態を示した説明図であり、この実施形態にあっては、トンネル壁面に直交した180°の範囲で水噴霧ヘッドを旋回して点検を行うようにしたことを特徴する。
【0043】
図7において、トンネル壁面10から取り出された水噴霧配管16の先端には立下り配管22が連結され、立下り配管22の下部にはスイベルジョイント24が連結され、更にスイベルジョイント24の下側となる回転側にはエルボーを介して張出管42が前方に向けて接続され、張出管42の先端に水噴霧ヘッド18を装着している。
【0044】
スイベルジョイント24による水噴霧ヘッド18の回動は、立下り配管22側に固定したモータ26のギア噛合いによりギア32を駆動することで旋回させる。本実施形態にあっては、通常時、張出管42により前方に張り出している水噴霧ヘッド18を、点検時にはトンネル壁面10に直交した面で180°後方に旋回させる。
【0045】
このため水噴霧ヘッド18の後方となるトンネル壁面10との間に取付アングル30により集水バケット20が配置されている。集水バケット20は上下左右前後を箱板で閉じた箱形本体38の側面及び前面に開口38を形成し、モータ26により旋回された水噴霧ヘッド18を収納可能としている。
【0046】
図8は図7の実施形態における水噴霧ヘッドを通常時と点検時について平面から見て示した説明図である。図8(A)は通常時であり、水噴霧ヘッド18は張出管42により前方に位置決めされ、立下り配管の中心となるP点を中心にトンネル壁面10に直交する面で後方に向けて、矢印で示すように180°旋回自在に支持している。
【0047】
水噴霧ヘッド18とトンネル壁面10の間に配置された集水バケット20は、水噴霧ヘッド18の旋回を受ける右側面及び正面に渡って開口38を形成し、旋回してきた水噴霧ヘッド18を開口38から箱形本体36の内部に収納できるようにしている。
【0048】
図8(B)は点検時を示しており、水噴霧ヘッド18を図8(A)の通常時から反時計回りに180°旋回することで、開口38から箱形本体36内に収納している。
【0049】
図9は図7の実施形態における点検時の水噴霧ヘッド収納状態と実放水を示した説明図である。図9において、図7に示す通常状態から180°後方に水噴霧ヘッドが旋回され、集水バケット20の内部に収納されている。
【0050】
この状態で、図1に示した自動弁装置14を遠隔操作または現場における手動操作により開放作動を行って加圧消火用水を供給すると、集水バケット20に収納された水噴霧ヘッド18に設けている上方ノズル28a、前方ノズル28b、下方ノズル28c及び後方ノズル28dのそれぞれから加圧消火用水が放水される。
【0051】
ここで上方ノズル28a、前方ノズル28b及び下方ノズル28cは、水噴霧ヘッド18の180°の旋回でトンネル壁面10側に向けられており、各ノズルから放出された水は箱形本体36の背面に当たってトンネル内に放出されることはなく、排水口40からトンネル壁面10側に排水される。
【0052】
また後方ノズル28bは水噴霧ヘッド18の180°の逆向きの旋回で前方を向くことになるが、その放水は箱形本体36の底部に向けた放水となり、トンネル内に放水することなく集水バケット20内に放水し、排水口40からトンネル壁面側に排水されることになる。
【0053】
ここで図7〜図9の実施形態にあっても、集水バケット20の開口38からトンネル内に放水した水が飛び出す場合があることから、開口38に紐状のカーテンを張り巡らせて、トンネル内への放出した水の飛出しを防ぐようにしてもよい。この場合には、内部の放水状態を外部から目視で観察できるようにするため、例えば図8に示した集水バケット20の左側面に観察用のガラス窓を設けるようにすれば良い。
【0054】
図10は図1の水噴霧ヘッド周りを拡大して本発明の実施形態を示した説明図であり、水噴霧ヘッドをトンネル壁面側から旋回して集水バケットに収納するようにしたことを特徴とする。
【0055】
図10において、トンネル壁面10から横方向に取り出された水噴霧配管16の先端には下向きに立下り配管22が接続され、その先端にスイベルジョイント24を介して水噴霧ヘッド18を旋回自在に装着している。
【0056】
スイベルジョイント24は、立下り配管22を固定側として水噴霧ヘッド18側を旋回自在に支持している。水噴霧ヘッド18の旋回は、立下り配管22側に固定したモータ26で駆動されるギアを、スイベルジョイント24に設けたギア32に噛み合わせて回転させることで行う。水噴霧ヘッド18は、上方ノズル28a、前方ノズル28b、下方ノズル28c及び後方ノズル28dを備えたマルチヘッドのものを使用している。
【0057】
立下り配管22に対しスイベルジョイント24を介して旋回自在に装着した水噴霧ヘッド18の横には集水バケット20が配置され、集水バケット20は取付アングル46を介して水噴霧配管16に割りリングとなる配管固定部44により取付け固定している。なお、集水バケット20は立下り配管22に取付固定しても良い。
【0058】
集水バケット20は上下左右前後のそれぞれに箱板を持つ箱形本体36を形成し、底面は後方に向かうに従って斜め下向きに傾斜しており、トンネル壁面10に相対した背面を開口30としており、背面の開口38に続いて側面に開口38aを連設している。
【0059】
本実施形態にあっては、点検時に水噴霧ヘッド18をトンネル壁面10側に旋回して背面の開口38から集水バケット20内に収納する。
【0060】
図10は図11の実施形態を放水方向からトンネル壁面に向けて見て示した説明図であり、水噴霧配管16の先端に接続した立下り配管22の右側の側面にはモータ26が固定され、モータ26の駆動軸が下方に取り出されて先端にギア34を装着しており、ギア34はスイベルジョイント24に設けたギア32に噛み合い、モータ26によるギア34の回転駆動で、ギア32を介してスイベルジョイント24を回転し、水噴霧ヘッド18を集水バケット20に収納可能としている。
【0061】
本実施形態にあっては、水噴霧ヘッド18を集水バケット20に収納するためには、図示の水噴霧ヘッド18の位置からモータ26により平面から見て反時計回りに180°旋回することで、背面の開口38から箱形本体36の中に収納することができる。
【0062】
図12は図10の実施形態における水噴霧ヘッドを通常時と点検時について平面から見て示した説明図である。図12(A)は通常時であり、水噴霧ヘッド18はトンネル壁面10に沿った右側となる横方向に張り出された状態でトンネル壁面10に直交する方向を水の放射方向としている。
【0063】
点検時にはモータ26による駆動で水噴霧ヘッド18を立下り配管の中心となるP点を中心に矢印で示すように180°旋回し、図12(B)に示すように水噴霧ヘッド18を集水バケット20の開口38から箱形本体36の内部に収納する。
【0064】
図13は図10の実施形態における点検時の水噴霧ヘッド収納状態と実放水を示した説明図である。図13において、図12(B)に示すように水噴霧ヘッド18を旋回して集水バケット20の中に収納し、この状態で点検のための実放水、即ち図1に示した自動弁装置14の遠隔操作又は現場操作による開放で加圧水消火用水を供給し、水噴霧ヘッド18の上方ノズル28a、前方ノズル28b、下方ノズル28c及び後方ノズル28dから放水させる。
【0065】
点検時の実放水による性能評価は、トンネル入口付近で給水本管に流量計を設置し、また正常な水噴霧ヘッド当りの放水量を予め定めておき、点検時に流量計により流量を計測し、実放水したヘッド数で決まる正常時の放水量と比較判断すれば良い。
【0066】
なお、上記の実施形態にあっては、水噴霧ヘッドを水平回りに180度旋回して集水バケットに収納するようにしているが、90度旋回で集水バケットに収納しても良い。例えば図5の場合は、立下り配管とトンネル壁の間に集水バケットを配置し、水噴霧ヘッドを時計回りに90度旋回して集水バケットに収納させれば良い。
【0067】
また図8の場合には、立下り配管の例えば右側に集水バケットを配置し、水噴霧ヘッドの時計周りに90度旋回して集水ボックスに収納させればよい。
【0068】
また上記の実施形態はモータによりスイベルジョイントの回転側に設けた水噴霧ヘッドを旋回させて集水バケットに収納する旋回部を例に取るものであったが、集水バケットに水噴霧ヘッドを旋回により収納できる構造であれば、ベルトや弾性体を使用した移動手段や水圧を使った回転など適宜の旋回部または旋回機構を用いることができる。
【0069】
また上記の実施形態は上方ノズル、前方ノズル、下方ノズル、後方ノズルといった4つのノズルを備えたマルチヘッドを例に取るものであったが、ノズル数やその配置による制約はなく、適宜の構造の水噴霧ヘッドにつき、そのまま適用することができる。
【0070】
また上記の実施形態は集水バケットとして箱形を例に取るものであったが、内部に水噴霧ヘッドを収納できる構造であれば適宜の形状を含むものである。
【0071】
また、図2乃至図8を含む図10乃至図13以外の実施形態にあっては、集水バケット20をトンネル壁面10に設置しているが、図10乃至図13の実施形態のように、トンネル壁面から取り出された給水配管16若しくは立下り配管22に配置するようにしても良い。
【0072】
また、上記の実施形態にあっては、集水バケット20内に放水した水をトンネル壁面10側に排水しているが、排水バケット20の底部側を閉鎖してトンネル内に排水しないように構成し、底部に排水管を接続して外部に排水するようにしても良い。
【0073】
集水バケットに排水管を接続した場合、排水管の途中に、放水した水を採取する点検口を開閉弁を介して取り出し、また点検口を分岐した排水管にも開閉弁を設け、排水管の開閉弁を閉じて点検口の開閉弁を開くことにより、点検口に点検装置としての点検容器を接続して、点検容器に消火用水を採取して放水状態を点検できるようにしても良い。この場合の点検口及び開閉弁の位置は、容易に点検できるとようにするため、監視員通路の高さまで下げた位置とすることが望ましい。点検口に点検装置として流量計を接続し、流量測定により水噴霧ヘッドの点検するようにしても良い。
【0074】
また、点検時に旋回した水噴霧ヘッド18の位置が集水バケット20の規定位置に入っていること、また点検後の放水位置への復旧したことを検出するリミットスイッチ等のヘッド位置検出部を水噴霧ヘッドや集水バケットに設け、確実に点検及び復旧制御を行うようにしても良い。
【0075】
点検時に火災が発生した時には自動的に水噴霧ヘッドを点検位置から通常の放水位置へ変更するようにしても良い。
【0076】
また上記の本実施形態においては、点検時に水噴霧ヘッドを旋回させる場合を記載したが、この水噴霧ヘッドを旋回した放水制御は点検時に限らず、実火災の放水時に行っても良い。つまり、トンネル水噴霧設備においては、火災発生時にいきなり全ての水噴霧ヘッドから放水対象空間に放水すると運転者の視界が遮られて運転に支障を与えて、二次災害を発生することも考えられる。そこで、放水初期においては、放水する水噴霧ヘッド内の一部を旋回させて集水バケットに収納し、一部の水噴霧ヘッドだけで放水対象空間に放水し、所定時間後に集水バケットの収納された水噴霧ヘッドを通常状態に戻して全ての水噴霧ヘッドから放水対象空間に本格放水するようにしても良い。運転者や避難者の視界確保のため、例えば一つおきに水噴霧ヘッドを収納するようにしても良い。
【0077】
また本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0078】
10:トンネル壁面
16:水噴霧配管
18:水噴霧ヘッド
20:集水バケット
24:スイベルジョイント
26:モータ
38:開口
40:排水口
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル内に設置された水噴霧ノズルに消火用水を供給して放水させるトンネル水噴霧設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車専用道路等のトンネルには、トンネル内で発生する火災事故から人身及び車両を守るため、非常用設備が設置されている。このような非常用設備としては、火災の監視と通報のため火災検知器や非常電話が設けられ、火災の消火や延焼防止のために消火栓装置やトンネル防護のための水噴霧ヘッドから加圧消火用水を放水させる水噴霧設備が設けられる。
【0003】
水噴霧設備は50メートル間隔の放水区画単位に1台の自動弁装置が設置され、5メートル間隔に配置した複数の水噴霧ヘッドに対し自動弁装置から加圧消火用水を供給して一斉に放水させる。また水噴霧設備は非常時に備えて、水噴霧ヘッドから実放水を行う定期点検を実施している。
【0004】
しかしながら、実放水を行う定期点検の際には、トンネル内の交通を全面遮断して水噴霧ノズルから実際に水を放水しており、多くの人員と放水後の復旧処理を含めて作業時間が多くかかる。
【0005】
このような問題を解決するため、従来、専用の集水車を使用し、各水噴霧ヘッドを集水車に搭載した容器で覆い、水噴霧ヘッドから放出された水をトンネル内に放水することなく全て採取し、集水した水から放水量を計測して放水性能を確認し、交通遮断を必要とせずに簡単に点検できるようにしている(特許文献1)。
【0006】
また別の方法として、点検時に水噴霧ヘッドを点検時にトンネル壁面に向けて実放水を行い、交通遮断を必要とせずに少ない人員で点検できるようにしている(特許文献2)。
【0007】
また水噴霧設備には水噴霧ヘッドからの本格放水がおこなわれることを警告するため、本格放水に先立って小容量の予告放水をする予告放水機能が設けられている。
【0008】
予告放水の方法は、自動弁に対する1次側の流量を小流量とする方法、圧力を低圧とする方法、自動弁で低圧から通常圧力に段階的に切替える方法、自動弁の2次側の制水弁の開度を2段階に切替える方法などがある(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−319140号公報
【特許文献2】特開平11−004908号公報
【特許文献3】特開2002−355324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、集水車を使用する点検にあっては、集水車のアームに設けている容器を複数の水噴霧ヘッドにセットするのに時間がかかり、また交通の全面遮断は必要ないが集水車の設置場所を安全に確保するため、壁面寄りの1車線につき交通規制を必要とする問題がある。
【0011】
また水噴霧ヘッドをトンネル壁面に向けて実放水する点検にあっては、広い放水領域を確保するために複数のノズルを装着したマルチヘッドの場合、ヘッド後方のトンネル壁面方向に放水するノズルは、水噴霧ヘッドを逆向きに旋回すると、トンネル走行空間に向いて放水するため、車線規制や交通遮断が必要になるという問題がある。
【0012】
また本格放水前に予告を行うトンネル水噴霧設備にあっては、基本的に水噴霧ヘッドをそのまま使用し、水噴霧ヘッドに供給する加圧消火用水の圧力又は流量を下げて小容量の予告放水を行っていたため、消火用水の圧力または流量を2段階に調整する機構や設備が必要となり、自動弁の二次側に接続された全ての水噴霧ヘッドに規定量を供給するための扱い流量が非常に多い自動弁及びその関連設備を制御する必要があるため、設備構成が複雑化してコストアップになる問題がある。
【0013】
本発明は、簡単な構成で水噴霧ヘッドの実放水による点検及び予告放水から本格放水への変更を可能とするトンネル水噴霧設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、トンネル内に水噴霧配管に接続した水噴霧ヘッドを配置し、火災時に前記水噴霧ヘッドから加圧消火用水をトンネル内の放水対象空間に放水するトンネル水噴霧設備に於いて、
水噴霧ヘッドを前記放水対象空間に向かう放水位置から旋回させる旋回部と、
旋回部により旋回した前記水噴霧ヘッドを収納して周囲への放水を規制する集水バケットと、
を設けたことを特徴とする。
【0015】
ここで、集水バケットは、水噴霧ヘッドの旋回により出入する部位に開口を形成した箱部材であり、放水時に集水したトンネル壁面側へ消火用水を排水する排水口を設ける。
【0016】
水噴霧ヘッドはトンネル壁面から下向きに立ち下げた水噴霧配管の先端のトンネル壁面に沿った横位置に配置され、集水バケットは水噴霧ヘッドの反対側のトンネル壁面に沿った横位置に配置され、旋回機構は水噴霧ヘッドをトンネル壁面に沿って旋回して集水バケットに出し入れする。
【0017】
水噴霧ヘッドはトンネル壁面から下向きに立ち下げた水噴霧配管の先端のトンネル壁面に直交する前方に配置され、集水バケットは水噴霧ヘッドの反対側の水噴霧配管とトンネル壁面との間に配置され、旋回部は水噴霧ヘッドをトンネル壁面に直交する面に対し旋回して集水バケットに出し入れする。
【0018】
排水口には放水状態を点検する点検装置を接続可能とする。
【0019】
また更に、水噴霧ヘッドの旋回位置を検出する位置検出部を備える。
【0020】
また、火災発生時には放水対象空間に放水する一部の水噴霧ヘッドの旋回部を旋回して集水バケットに収納し、所定時間後に通常位置に旋回復旧して放水を行う。
【発明の効果】
【0021】
本発明のトンネル水噴霧設備によれば、遠隔操作により水噴霧ヘッドの向きを放水対象空間から旋回して、箱形の集水バケットの中に水噴霧ヘッドが収納され、水噴霧ヘッドから実放水した水は収集バケットの内側に集水されて実放水を伴う定期点検もしくは予告放水を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明によるトンネル水噴霧設備の設置状態をトンネル断面で示した説明図
【図2】図1の水噴霧ヘッド周りを拡大して本発明の実施形態を示した説明図
【図3】図2の集水バケットを取り出して示した説明図
【図4】図2の実施形態を放水方向から見て示した説明図
【図5】図2の実施形態における水噴霧ヘッドを通常時と点検時について平面から見て示した説明図
【図6】図2の実施形態における点検時の水噴霧ヘッド収納状態と実放水を示した説明図
【図7】水噴霧ヘッド周りを拡大して本発明の他の実施形態を示した説明図
【図8】図2の実施形態における水噴霧ヘッドを通常時と点検時について平面から見て示した説明図
【図9】図7の実施形態における点検時の水噴霧ヘッド収納状態と実放水を示した説明図
【図10】図1の水噴霧ヘッド周りを拡大して本発明の他の実施形態を示した説明図
【図11】図10の実施形態を放水方向から見て示した説明図
【図12】図10の実施形態における水噴霧ヘッドを通常時と点検時について平面から見て示した説明図
【図13】図10の実施形態における点検時の水噴霧ヘッド収納状態と実放水を示した説明図
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は本発明によるトンネル水噴霧設備の設置状態をトンネル断面で示した説明図である。図1において、トンネル壁面10の上部に対してはコンクリート枠体内を通って水噴霧配管16が立ち上げられており、トンネル壁面10から上部に突出した部分に水噴霧ヘッド18を設けている。
【0024】
水噴霧配管16は給水本管12に分岐接続されており、途中に自動弁装置14を設けている。自動弁装置14はトンネル内の火災時に遠隔制御により開制御され、給水本管12に消火ポンプから加圧給水された消火用水を水噴霧配管16を通して水噴霧ヘッド18に供給し、水噴霧ヘッド18からトンネル路面11及びトンネル壁面10を含む放水対象空間に消火用水を放水して、トンネル構造物の防護及び火災の抑制を行う。
【0025】
本実施形態の水噴霧設備にあっては、水噴霧ヘッド18の近傍に集水バケット20を配置している。水噴霧ヘッド18には放水方向を逆方向に向ける旋回部が設けられており、点検時には水噴霧ヘッド18を車両走行空間に対し逆方向に旋回し、このとき逆方向に旋回した水噴霧ヘッド18が集水バケット20の中に収納されるようにしている。
【0026】
図2は図1の水噴霧ヘッド周りを拡大して本発明の実施形態を示した説明図である。図2において、トンネル壁面10から横方向に取り出された水噴霧配管16の先端には下向きに立下り配管22が接続され、その先端にスイベルジョイント24を介して水噴霧ヘッド18を旋回自在に装着している。
【0027】
スイベルジョイント24は、立下り配管22を固定側として水噴霧ヘッド18側を旋回自在に支持している。水噴霧ヘッド18の旋回は、立下り配管22側に固定したモータ26で駆動されるギアを、スイベルジョイント24に設けたギア32に噛み合わせて回転させることで行う。モータ26の駆動は図示しない遠隔制御部により行われる。モータ26の遠隔制御部は、トンネル内の現場に設けてもよいし、中央監視室などに設けて遠隔制御で行うようにしてもよい。
【0028】
水噴霧ヘッド18は、本実施形態にあっては、上方ノズル28a、前方ノズル28b、下方ノズル28c及び後方ノズル28dを備えたマルチヘッドのものを使用している。
【0029】
立下り配管22に対しスイベルジョイント24を介して旋回自在に装着した水噴霧ヘッド18の横には集水バケット20が配置され、集水バケット20は取付アングル30によりトンネル壁面10に固定されている。
【0030】
図3は図2の集水バケット20を取り出して示した説明図であり、図3(A)に側面を、図3(B)に正面を示している。図3において、集水バケット20は上下左右前後のそれぞれに箱板を持つ箱形本体36を形成し、底面は後方に向かうに従って斜め下向きに傾斜しており、下端部に排水口40を形成している。箱形本体36の側方及び前方には開口38が設けられ、開口38から旋回する水噴霧ヘッド18を内部に出し入れできるようにしている。
【0031】
図4は図2の実施形態を放水方向からトンネル壁面に向けて見て示した説明図である。図4において、水噴霧配管16の先端に接続した立下り配管22の右側の側面にはモータ26が固定され、モータ26の駆動軸が下方に取り出されて先端にギア34を装着しており、ギア34はスイベルジョイント24に設けたギア32に噛み合い、モータ26によるギア34の回転駆動で、ギア32を介してスイベルジョイント24を回転し、水噴霧ヘッド18を集水バケット20に収納可能としている。
【0032】
本実施形態にあっては、立下り配管22の下部にスイベルジョイント24を介して旋回自在に装着した水噴霧ヘッド18は、トンネル壁面10に沿った左側となる横方向に連結されており、このため水噴霧ヘッド18を集水バケット20に収納するためには、図示の水噴霧ヘッド18の位置からモータ26により平面から見て時計回りに180°旋回することで、開口38から箱形本体36の中に収納することができる。
【0033】
図5は図2の実施形態における水噴霧ヘッドを通常時と点検時について平面から見て示した説明図である。図5(A)は通常時であり、水噴霧ヘッド18はトンネル壁面10に沿った右側となる横方向に張り出された状態でトンネル壁面10に直交する方向を水の放射方向としている。
【0034】
点検時にはモータ26による駆動で水噴霧ヘッド18を立下り配管の中心となるP点を中心に矢印で示すように180°旋回し、図5(B)に示すように水噴霧ヘッド18を集水バケット20の開口38から箱形本体36の内部に収納する。
【0035】
図6は図2の実施形態における点検時の水噴霧ヘッド収納状態と実放水を示した説明図である。図6において、図5(B)に示すように水噴霧ヘッド18を旋回して集水バケット20の中に収納し、この状態で点検のための実放水、即ち図1に示した自動弁装置14の遠隔操作又は現場操作による開放で加圧消火用水を供給し、水噴霧ヘッド18の上方ノズル28a、前方ノズル28b、下方ノズル28c及び後方ノズル28dから放水させる。
【0036】
このとき上方ノズル28a、前方ノズル28b及び下方ノズル28cは、水噴霧ヘッド18の旋回により通常時とは逆方向にトンネル壁面10を向いており、それぞれからの放水は集水バケット20の背面側に放水され、トンネル内に放水されることはない。また後方ヘッド28dについては、水噴霧ヘッド18を逆向きに旋回することで前方に向いているが、後方ノズル28dは集水バケット20の底部側に向いて放水することとなり、トンネル内に放水されることはない。水噴霧ヘッド18により集水バケット20内に放水された水は、斜め下向きの底部に沿って排水口40に集められて、トンネル壁面10に向かう下方に排水される。
【0037】
点検時に水噴霧ヘッド18から実放水を行った場合には、各ノズルからの放水状態を目視で確認する必要があるが、この場合には集水バケット20に内部の収納状態を外部から容易に確認できるに十分な大きさの開口38が形成されていることで、各ノズルからの水の放水状態を目視で確認することができる。なお、目視確認がしやすいように集水バケット20を透明部材で形成しても良い。
【0038】
ここで、集水バケット20に設けた開口38は比較的大きく、水噴霧ヘッド18を収納して実放水を行うと、開口38からトンネル内に箱形本体36内で跳ね返った水が飛び出すことが想定される。このような集水バケット20内での実放水により開口38からトンネル内に水が飛び散ることを防止するためには、開口38に紐状のカーテンを張り巡らし、水噴霧ヘッドの出し入れを妨げることはないが、内部に収納した状態での水の飛散を、紐状のカーテンによる開口38を覆うことで十分に抑制できる。
【0039】
開口38に紐状のカーテンを吊り下げた場合、内部に収納した水噴霧ヘッド18の放水状態が外部から目視で確認できなくなるが、その対策としては、開口38の反対側の側面に透明なガラス窓を設けて、内部の放水状態を確認できるようにすれば良い。
【0040】
点検時の実放水による性能評価は、トンネル入口付近で給水本管に流量計を設置し、また正常な水噴霧ヘッド当りの放水量を予め定めておき、点検時に流量計により流量を計測し、実放水した水噴霧ヘッド数で決まる正常時の放水量と比較判断すれば良い。
【0041】
そのほかの性能評価としては集水バケット20の排水口40に配管を介して集水容器を接続し、水噴霧ヘッド毎の放水量を測定して点検するようにしても良い。
【0042】
図7は本発明によるトンネル水噴霧設備で用いる水噴霧ヘッド周りを拡大して他の実施形態を示した説明図であり、この実施形態にあっては、トンネル壁面に直交した180°の範囲で水噴霧ヘッドを旋回して点検を行うようにしたことを特徴する。
【0043】
図7において、トンネル壁面10から取り出された水噴霧配管16の先端には立下り配管22が連結され、立下り配管22の下部にはスイベルジョイント24が連結され、更にスイベルジョイント24の下側となる回転側にはエルボーを介して張出管42が前方に向けて接続され、張出管42の先端に水噴霧ヘッド18を装着している。
【0044】
スイベルジョイント24による水噴霧ヘッド18の回動は、立下り配管22側に固定したモータ26のギア噛合いによりギア32を駆動することで旋回させる。本実施形態にあっては、通常時、張出管42により前方に張り出している水噴霧ヘッド18を、点検時にはトンネル壁面10に直交した面で180°後方に旋回させる。
【0045】
このため水噴霧ヘッド18の後方となるトンネル壁面10との間に取付アングル30により集水バケット20が配置されている。集水バケット20は上下左右前後を箱板で閉じた箱形本体38の側面及び前面に開口38を形成し、モータ26により旋回された水噴霧ヘッド18を収納可能としている。
【0046】
図8は図7の実施形態における水噴霧ヘッドを通常時と点検時について平面から見て示した説明図である。図8(A)は通常時であり、水噴霧ヘッド18は張出管42により前方に位置決めされ、立下り配管の中心となるP点を中心にトンネル壁面10に直交する面で後方に向けて、矢印で示すように180°旋回自在に支持している。
【0047】
水噴霧ヘッド18とトンネル壁面10の間に配置された集水バケット20は、水噴霧ヘッド18の旋回を受ける右側面及び正面に渡って開口38を形成し、旋回してきた水噴霧ヘッド18を開口38から箱形本体36の内部に収納できるようにしている。
【0048】
図8(B)は点検時を示しており、水噴霧ヘッド18を図8(A)の通常時から反時計回りに180°旋回することで、開口38から箱形本体36内に収納している。
【0049】
図9は図7の実施形態における点検時の水噴霧ヘッド収納状態と実放水を示した説明図である。図9において、図7に示す通常状態から180°後方に水噴霧ヘッドが旋回され、集水バケット20の内部に収納されている。
【0050】
この状態で、図1に示した自動弁装置14を遠隔操作または現場における手動操作により開放作動を行って加圧消火用水を供給すると、集水バケット20に収納された水噴霧ヘッド18に設けている上方ノズル28a、前方ノズル28b、下方ノズル28c及び後方ノズル28dのそれぞれから加圧消火用水が放水される。
【0051】
ここで上方ノズル28a、前方ノズル28b及び下方ノズル28cは、水噴霧ヘッド18の180°の旋回でトンネル壁面10側に向けられており、各ノズルから放出された水は箱形本体36の背面に当たってトンネル内に放出されることはなく、排水口40からトンネル壁面10側に排水される。
【0052】
また後方ノズル28bは水噴霧ヘッド18の180°の逆向きの旋回で前方を向くことになるが、その放水は箱形本体36の底部に向けた放水となり、トンネル内に放水することなく集水バケット20内に放水し、排水口40からトンネル壁面側に排水されることになる。
【0053】
ここで図7〜図9の実施形態にあっても、集水バケット20の開口38からトンネル内に放水した水が飛び出す場合があることから、開口38に紐状のカーテンを張り巡らせて、トンネル内への放出した水の飛出しを防ぐようにしてもよい。この場合には、内部の放水状態を外部から目視で観察できるようにするため、例えば図8に示した集水バケット20の左側面に観察用のガラス窓を設けるようにすれば良い。
【0054】
図10は図1の水噴霧ヘッド周りを拡大して本発明の実施形態を示した説明図であり、水噴霧ヘッドをトンネル壁面側から旋回して集水バケットに収納するようにしたことを特徴とする。
【0055】
図10において、トンネル壁面10から横方向に取り出された水噴霧配管16の先端には下向きに立下り配管22が接続され、その先端にスイベルジョイント24を介して水噴霧ヘッド18を旋回自在に装着している。
【0056】
スイベルジョイント24は、立下り配管22を固定側として水噴霧ヘッド18側を旋回自在に支持している。水噴霧ヘッド18の旋回は、立下り配管22側に固定したモータ26で駆動されるギアを、スイベルジョイント24に設けたギア32に噛み合わせて回転させることで行う。水噴霧ヘッド18は、上方ノズル28a、前方ノズル28b、下方ノズル28c及び後方ノズル28dを備えたマルチヘッドのものを使用している。
【0057】
立下り配管22に対しスイベルジョイント24を介して旋回自在に装着した水噴霧ヘッド18の横には集水バケット20が配置され、集水バケット20は取付アングル46を介して水噴霧配管16に割りリングとなる配管固定部44により取付け固定している。なお、集水バケット20は立下り配管22に取付固定しても良い。
【0058】
集水バケット20は上下左右前後のそれぞれに箱板を持つ箱形本体36を形成し、底面は後方に向かうに従って斜め下向きに傾斜しており、トンネル壁面10に相対した背面を開口30としており、背面の開口38に続いて側面に開口38aを連設している。
【0059】
本実施形態にあっては、点検時に水噴霧ヘッド18をトンネル壁面10側に旋回して背面の開口38から集水バケット20内に収納する。
【0060】
図10は図11の実施形態を放水方向からトンネル壁面に向けて見て示した説明図であり、水噴霧配管16の先端に接続した立下り配管22の右側の側面にはモータ26が固定され、モータ26の駆動軸が下方に取り出されて先端にギア34を装着しており、ギア34はスイベルジョイント24に設けたギア32に噛み合い、モータ26によるギア34の回転駆動で、ギア32を介してスイベルジョイント24を回転し、水噴霧ヘッド18を集水バケット20に収納可能としている。
【0061】
本実施形態にあっては、水噴霧ヘッド18を集水バケット20に収納するためには、図示の水噴霧ヘッド18の位置からモータ26により平面から見て反時計回りに180°旋回することで、背面の開口38から箱形本体36の中に収納することができる。
【0062】
図12は図10の実施形態における水噴霧ヘッドを通常時と点検時について平面から見て示した説明図である。図12(A)は通常時であり、水噴霧ヘッド18はトンネル壁面10に沿った右側となる横方向に張り出された状態でトンネル壁面10に直交する方向を水の放射方向としている。
【0063】
点検時にはモータ26による駆動で水噴霧ヘッド18を立下り配管の中心となるP点を中心に矢印で示すように180°旋回し、図12(B)に示すように水噴霧ヘッド18を集水バケット20の開口38から箱形本体36の内部に収納する。
【0064】
図13は図10の実施形態における点検時の水噴霧ヘッド収納状態と実放水を示した説明図である。図13において、図12(B)に示すように水噴霧ヘッド18を旋回して集水バケット20の中に収納し、この状態で点検のための実放水、即ち図1に示した自動弁装置14の遠隔操作又は現場操作による開放で加圧水消火用水を供給し、水噴霧ヘッド18の上方ノズル28a、前方ノズル28b、下方ノズル28c及び後方ノズル28dから放水させる。
【0065】
点検時の実放水による性能評価は、トンネル入口付近で給水本管に流量計を設置し、また正常な水噴霧ヘッド当りの放水量を予め定めておき、点検時に流量計により流量を計測し、実放水したヘッド数で決まる正常時の放水量と比較判断すれば良い。
【0066】
なお、上記の実施形態にあっては、水噴霧ヘッドを水平回りに180度旋回して集水バケットに収納するようにしているが、90度旋回で集水バケットに収納しても良い。例えば図5の場合は、立下り配管とトンネル壁の間に集水バケットを配置し、水噴霧ヘッドを時計回りに90度旋回して集水バケットに収納させれば良い。
【0067】
また図8の場合には、立下り配管の例えば右側に集水バケットを配置し、水噴霧ヘッドの時計周りに90度旋回して集水ボックスに収納させればよい。
【0068】
また上記の実施形態はモータによりスイベルジョイントの回転側に設けた水噴霧ヘッドを旋回させて集水バケットに収納する旋回部を例に取るものであったが、集水バケットに水噴霧ヘッドを旋回により収納できる構造であれば、ベルトや弾性体を使用した移動手段や水圧を使った回転など適宜の旋回部または旋回機構を用いることができる。
【0069】
また上記の実施形態は上方ノズル、前方ノズル、下方ノズル、後方ノズルといった4つのノズルを備えたマルチヘッドを例に取るものであったが、ノズル数やその配置による制約はなく、適宜の構造の水噴霧ヘッドにつき、そのまま適用することができる。
【0070】
また上記の実施形態は集水バケットとして箱形を例に取るものであったが、内部に水噴霧ヘッドを収納できる構造であれば適宜の形状を含むものである。
【0071】
また、図2乃至図8を含む図10乃至図13以外の実施形態にあっては、集水バケット20をトンネル壁面10に設置しているが、図10乃至図13の実施形態のように、トンネル壁面から取り出された給水配管16若しくは立下り配管22に配置するようにしても良い。
【0072】
また、上記の実施形態にあっては、集水バケット20内に放水した水をトンネル壁面10側に排水しているが、排水バケット20の底部側を閉鎖してトンネル内に排水しないように構成し、底部に排水管を接続して外部に排水するようにしても良い。
【0073】
集水バケットに排水管を接続した場合、排水管の途中に、放水した水を採取する点検口を開閉弁を介して取り出し、また点検口を分岐した排水管にも開閉弁を設け、排水管の開閉弁を閉じて点検口の開閉弁を開くことにより、点検口に点検装置としての点検容器を接続して、点検容器に消火用水を採取して放水状態を点検できるようにしても良い。この場合の点検口及び開閉弁の位置は、容易に点検できるとようにするため、監視員通路の高さまで下げた位置とすることが望ましい。点検口に点検装置として流量計を接続し、流量測定により水噴霧ヘッドの点検するようにしても良い。
【0074】
また、点検時に旋回した水噴霧ヘッド18の位置が集水バケット20の規定位置に入っていること、また点検後の放水位置への復旧したことを検出するリミットスイッチ等のヘッド位置検出部を水噴霧ヘッドや集水バケットに設け、確実に点検及び復旧制御を行うようにしても良い。
【0075】
点検時に火災が発生した時には自動的に水噴霧ヘッドを点検位置から通常の放水位置へ変更するようにしても良い。
【0076】
また上記の本実施形態においては、点検時に水噴霧ヘッドを旋回させる場合を記載したが、この水噴霧ヘッドを旋回した放水制御は点検時に限らず、実火災の放水時に行っても良い。つまり、トンネル水噴霧設備においては、火災発生時にいきなり全ての水噴霧ヘッドから放水対象空間に放水すると運転者の視界が遮られて運転に支障を与えて、二次災害を発生することも考えられる。そこで、放水初期においては、放水する水噴霧ヘッド内の一部を旋回させて集水バケットに収納し、一部の水噴霧ヘッドだけで放水対象空間に放水し、所定時間後に集水バケットの収納された水噴霧ヘッドを通常状態に戻して全ての水噴霧ヘッドから放水対象空間に本格放水するようにしても良い。運転者や避難者の視界確保のため、例えば一つおきに水噴霧ヘッドを収納するようにしても良い。
【0077】
また本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0078】
10:トンネル壁面
16:水噴霧配管
18:水噴霧ヘッド
20:集水バケット
24:スイベルジョイント
26:モータ
38:開口
40:排水口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル内に水噴霧配管に接続した水噴霧ヘッドを配置し、火災時に前記水噴霧ヘッドから加圧消火用水をトンネル内の放水対象空間に放水するトンネル水噴霧設備に於いて、
前記水噴霧ヘッドを前記放水対象空間に向かう放水位置から旋回させる旋回部と、
前記旋回部により旋回した前記水噴霧ヘッドを収納して周囲への放水を規制する集水バケットと、
を設けたことを特徴とするトンネル水噴霧設備。
【請求項2】
請求項1記載のトンネル水噴霧設備に於いて、前記集水バケットは、前記水噴霧ヘッドの旋回により出入する部位に開口を形成した箱部材であり、放水時に集水したトンネル壁面側へ消火用水を排水する排水口を設けたことを特徴とするトンネル水噴霧設備。
【請求項3】
請求項1記載のトンネル水噴霧設備に於いて、前記水噴霧ヘッドはトンネル壁面から下向きに立ち下げた水噴霧配管の先端のトンネル壁面に沿った横位置に配置され、前記集水バケットは前記水噴霧ヘッドの反対側のトンネル壁面に沿った横位置に配置され、前記旋回機構は前記水噴霧ヘッドをトンネル壁面に沿って旋回して前記集水バケットに出し入れすることを特徴とするトンネル水噴霧設備。
【請求項4】
請求項1記載のトンネル水噴霧設備に於いて、前記水噴霧ヘッドはトンネル壁面から下向きに立ち下げた水噴霧配管の先端のトンネル壁面に直交する前方に配置され、前記集水バケットは前記水噴霧ヘッドの反対側の前記水噴霧配管とトンネル壁面との間に配置され、前記旋回機構は前記水噴霧ヘッドをトンネル壁面に直交する面に対し旋回して前記集水バケットに出し入れすることを特徴とするトンネル水噴霧設備。
【請求項5】
請求項2記載のトンネル水噴霧設備に於いて、前記排水口に放水状態を点検する点検装置を接続可能とすることを特徴とするトンネル水噴霧設備。
【請求項6】
請求項1記載のトンネル水噴霧設備に於いて、更に、前記水噴霧ヘッドの旋回位置を検出する位置検出部を備えたことを特徴とするトンネル水噴霧設備。
【請求項7】
請求項1記載のトンネル水噴霧設備に於いて、火災発生時に放水対象空間に放水する一部の水噴霧ヘッドの前記旋回部を旋回して前記集水バケットに収納し、所定時間後に通常位置に旋回復旧して放水を行うことを特徴とするトンネル水噴霧設備。
【請求項1】
トンネル内に水噴霧配管に接続した水噴霧ヘッドを配置し、火災時に前記水噴霧ヘッドから加圧消火用水をトンネル内の放水対象空間に放水するトンネル水噴霧設備に於いて、
前記水噴霧ヘッドを前記放水対象空間に向かう放水位置から旋回させる旋回部と、
前記旋回部により旋回した前記水噴霧ヘッドを収納して周囲への放水を規制する集水バケットと、
を設けたことを特徴とするトンネル水噴霧設備。
【請求項2】
請求項1記載のトンネル水噴霧設備に於いて、前記集水バケットは、前記水噴霧ヘッドの旋回により出入する部位に開口を形成した箱部材であり、放水時に集水したトンネル壁面側へ消火用水を排水する排水口を設けたことを特徴とするトンネル水噴霧設備。
【請求項3】
請求項1記載のトンネル水噴霧設備に於いて、前記水噴霧ヘッドはトンネル壁面から下向きに立ち下げた水噴霧配管の先端のトンネル壁面に沿った横位置に配置され、前記集水バケットは前記水噴霧ヘッドの反対側のトンネル壁面に沿った横位置に配置され、前記旋回機構は前記水噴霧ヘッドをトンネル壁面に沿って旋回して前記集水バケットに出し入れすることを特徴とするトンネル水噴霧設備。
【請求項4】
請求項1記載のトンネル水噴霧設備に於いて、前記水噴霧ヘッドはトンネル壁面から下向きに立ち下げた水噴霧配管の先端のトンネル壁面に直交する前方に配置され、前記集水バケットは前記水噴霧ヘッドの反対側の前記水噴霧配管とトンネル壁面との間に配置され、前記旋回機構は前記水噴霧ヘッドをトンネル壁面に直交する面に対し旋回して前記集水バケットに出し入れすることを特徴とするトンネル水噴霧設備。
【請求項5】
請求項2記載のトンネル水噴霧設備に於いて、前記排水口に放水状態を点検する点検装置を接続可能とすることを特徴とするトンネル水噴霧設備。
【請求項6】
請求項1記載のトンネル水噴霧設備に於いて、更に、前記水噴霧ヘッドの旋回位置を検出する位置検出部を備えたことを特徴とするトンネル水噴霧設備。
【請求項7】
請求項1記載のトンネル水噴霧設備に於いて、火災発生時に放水対象空間に放水する一部の水噴霧ヘッドの前記旋回部を旋回して前記集水バケットに収納し、所定時間後に通常位置に旋回復旧して放水を行うことを特徴とするトンネル水噴霧設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−188975(P2011−188975A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57027(P2010−57027)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】
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