説明

トンネル用気圧維持装置

【課題】推進工法における切羽の障害物除去作業を簡易な工程でしかも低コストで行えるトンネル用気圧維持装置を提供する。
【解決手段】トンネル用気圧維持装置1Aは、気閘室2を備え、発進立坑104内部において推進管101に着脱自在に設けられたブロック本体1を備え、ブロック本体1は、トンネル本体107側に臨む第一の圧気扉7と、大気側に臨む第二の圧気扉8とを備える。推進管101に着脱自在に嵌合される第一の連結部6aを備える。トンネル本体107の内部に向けて推進管101を押圧するジャッキによって大気側壁面5を押圧されることで、ブロック本体1が嵌合部20を介してトンネル本体107に気密状態に連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧気式のトンネル掘削に用いられるトンネル用気圧維持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建物等の構造物が既に存在する都市部で新たに管渠を建設する場合、計画路線上に既設構造物の築造時に埋め込まれた鋼矢板などの障害物が残置されており、これらが管渠建設工事の障害になることがある。そして、この障害物を撤去するための立坑を構築することが困難な場合がある。
【0003】
このような場合、一旦管渠の建設を中止し、切羽に作業員が入って障害物を除去した後に管渠の建設を再開することが多い。従来、推進工法等で切羽の障害物を除去する際、掘削中のトンネル本体の内部の湧水で作業が妨げられることを防止すべく、トンネル本体の内部に圧縮空気等を送り込んで圧気した後に障害物を除去する工法が知られている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭51−49512号公報
【特許文献2】特公平3−12199号公報
【特許文献3】特開2007−23529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1乃至3に記載の発明においては、トンネル本体の内部を圧気状態に保つための気閘室をトンネルの途中に設ける必要がある。このため、設置撤去の作業が繁雑となり、工程、コストが過大になるという問題がある。また、推進管の継手に圧気蓋を取り付けるという方法もあるが、狭い推進管内で長距離搬出する必要があるため、作業性が悪い等の問題があった。
【0006】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、推進工法における切羽の障害物除去作業を簡易な工程でしかも低コストで行うことができるトンネル用気圧維持装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、気閘室を有し、立坑の内部においてトンネル本体を形成する管体に着脱自在に設けられたブロック本体を備え、該ブロック本体は、前記トンネル本体に臨む第一の圧気扉と、大気側に臨む第二の圧気扉とを備え、前記管体に着脱自在に嵌合される連結部を備え、前記トンネル本体の内部に向けて前記管体を押圧する取付装置を備え、前記取付装置と前記第二の圧気扉を含む大気側壁面との間に介在して前記取付装置と前記大気側壁面との間に間隙部を形成する間隙調整部を備え、該取付装置によって、前記間隙調整部を介して前記大気側壁面が押圧されることで、前記連結部が前記管体に嵌合されて、前記ブロック本体が前記連結部を介して前記トンネル本体に気密状態に連結されるように構成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、気閘室を有し、立坑の内部においてトンネル本体を形成する管体に着脱自在に設けられたブロック本体を備え、該ブロック本体は、前記トンネル本体に臨む第一の圧気扉と、大気側に臨む第二の圧気扉とを備え、前記管体に着脱自在に嵌合される連結部を備え、前記立坑の内部において前記ブロック本体を固定させる固定部材を備え、前記トンネル本体の内部に向けて前記管体を押圧する取付装置によって前記ブロック本体を押圧し前記連結部が前記管体に嵌合された状態で、前記固定部材によって前記ブロック本体を前記立坑の内部に固定して、前記ブロック本体が前記連結部を介して前記トンネル本体に気密状態に連結されるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記連結部は、前記管体の口径と前記ブロック本体の直径との差異を調整する径調整部を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一つに記載の構成に加え、前記第一の圧気扉を含むトンネル側壁面、及び前記第二の圧気扉を含む前記大気側壁面には、前記トンネル本体の内部に送気するための送気管、及び前記トンネル本体の内部から排気するための排気管をそれぞれ挿通させるための複数の挿通孔が設けられ、それぞれの前記挿通孔は前記大気側壁面及び前記トンネル側壁面のそれぞれ一側側に設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、気閘室を有するブロック本体が立坑の内部においてトンネル本体を形成する管体に着脱自在に設けられ、また、管体に着脱自在に嵌合される連結部を備えたことにより、当該構成の設置や撤去を容易に行える。そのため、工事の工程、コストを縮減できると共に、当該構成の設置や撤去を行う際の作業環境の向上と作業の安全性の確保とを図ることができる。また、ブロック本体には、トンネル本体に臨む第一の圧気扉と、大気側に臨む第二の圧気扉とを備えたことにより、圧気状態のトンネル本体の内部への出入りが容易に行える。また、トンネル本体の内部に向けて管体を押圧する取付装置を備え、取付装置によって大気側壁面が押圧されることで、ブロック本体が連結部を介してトンネル本体に気密状態に連結されることにより、推進工法における切羽の障害物除去作業を簡易な工程でしかも低コストで行うことができる。更に、取付装置と第二の圧気扉を含む大気側壁面との間に介在して取付装置と大気側壁面との間に間隙部を形成する間隙調整部を備えたことにより、取付装置と大気側壁面との間に十分な作業空間を確保できる。そして、大気側壁面の配線、配管作業を円滑に行うことができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、気閘室を有するブロック本体が立坑の内部においてトンネル本体を形成する管体に着脱自在に設けられ、また、管体に着脱自在に嵌合される連結部を備えたことにより、当該構成の設置や撤去を容易に行える。そのため、工事の工程、コストを縮減できると共に、当該構成の設置や撤去を行う際の作業環境の向上と作業の安全性の確保とを図ることができる。また、ブロック本体には、トンネル本体に臨む第一の圧気扉と、大気側に臨む第二の圧気扉とを備えたことにより、圧気状態のトンネル本体の内部への出入りが容易に行える。また、連結部が管体に嵌合された状態で、固定部材によってブロック本体を立坑の内部に固定することにより、トンネル本体の内部に向けて管体を押圧する取付装置による押圧を解除しても、ブロック本体を気密状態で管体に固定させ続けることができる。即ち、取付装置を長時間作動させ続ける必要がないので、推進工法における切羽の障害物除去作業を長時間にわたり安定的に行うことができる。そして、大気側壁面の配線、配管作業を円滑に行うことができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、連結部が径調整部を備えたことにより、管体の口径とブロック本体の直径が異なっていても、ブロック本体を容易に管体に配設でき、一層の低コスト化を図ることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、送気管、及び排気管をそれぞれ挿通させるための複数の挿通孔は大気側壁面及びトンネル側壁面のそれぞれ一側側に設けられたことにより、気閘室内に挿通される送気管と排気管を一側側に集められて、トンネル本体に出入りする作業者が配管に邪魔されることなく気閘室を容易に通過できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この実施の形態1における圧気設備の概略図である。
【図2】同実施の形態1におけるトンネル用気圧維持装置をトンネル本体の坑口に配設した状態を示す部分拡大断面図である。
【図3】同実施の形態1におけるトンネル用気圧維持装置をトンネル本体の坑口に配設した状態を示す部分拡大平面図である。
【図4】同実施の形態1におけるトンネル用気圧維持装置をトンネル本体の坑口に配設した状態を模式的に示す(a)D−D断面図、(b)E−E断面図である。
【図5】同実施の形態1におけるトンネル用気圧維持装置の図2に示すA−A断面図である。
【図6】同実施の形態1におけるトンネル用気圧維持装置の図2に示すB−B断面図である。
【図7】同実施の形態1におけるトンネル用気圧維持装置の図2に示すC−C断面図である。
【図8】同実施の形態1におけるトンネル用気圧維持装置を連結させる推進管101の変形例である。
【図9】この実施の形態2におけるトンネル用気圧維持装置をトンネル本体の坑口に配設した状態を模式的に示す(a)F−F断面図、(b)G−G断面図である。
【図10】この実施の形態3におけるトンネル用気圧維持装置をトンネル本体の坑口に配設した状態を示す部分拡大断面図である。
【図11】同実施の形態3におけるトンネル用気圧維持装置の径調整部の変形例における(a)部分拡大正面図、(b)H−H断面図である。
【図12】この実施の形態4におけるトンネル用気圧維持装置をトンネル本体の坑口に配設した状態を示す部分拡大断面図である。
【図13】この実施の形態5のトンネル用気圧維持装置をトンネル本体の坑口に配設した状態を示す部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[発明の実施の形態1]
図1乃至図8は、この発明の実施の形態1を示す。
【0017】
図1は、この実施の形態1における圧気設備の概略図である。同図に示す通り、この実施の形態の圧気設備100は、推進工法の掘削現場にて形成される。圧気設備100には複数の円筒形の推進管(管体)101が用いられる。
【0018】
この実施の形態1における推進管101は、例えば下水管等に用いられるヒューム管(鉄筋コンクリート製又は合成管)である。
【0019】
推進管101は、一端側に嵌合部102が形成され、他端側にフランジ103が形成されている。それぞれの推進管101は発進立坑(立坑)104内部に搬入されて、ジャッキ(取付装置)105によって押圧され、発進立坑104内の坑口106からトンネル本体107の切羽108方向に順次押し込まれる。このとき、一の推進管101の嵌合部102は他の推進管101のフランジ103に嵌合されて、それぞれの推進管101が連結される。
【0020】
トンネル本体107の先端には切羽を掘削する掘削装置109が配置され、掘削装置109の後方には後続台車110が配設されている。掘削装置109は図示しないカッタスポークやスクリューコンベア等、地盤の掘削に必要な構成を備えている。
【0021】
発進立坑104内において、坑口106にはトンネル用気圧維持装置1Aが配設される。
【0022】
一方、発進立坑104の上方近傍には、送気設備111が設けられている。送気設備111には空気を圧縮するコンプレッサ112やクーリングタワー113等が配設され、コンプレッサ112から送気された圧縮空気は送気管114に供給される。送気管114は送気設備111から発進立坑104及びトンネル用気圧維持装置1Aを経てトンネル本体107へと配設されている。発進立坑104の底部はコンクリート床115に形成されている。
【0023】
発進立坑104のコンクリート床115には複数の金属製の横桁116が設置され、横桁116の上部には推進管スライド桁117が2本平行に設置されている。横桁116は推進管スライド桁117の高さ調整用の部材である。推進管スライド桁117はガイドレールであり、推進管101は2本の推進管スライド桁117,117の間を滑りながらトンネル本体107内部に嵌挿される。
【0024】
図2及び図3は、この実施の形態1のトンネル用気圧維持装置1Aをトンネル本体107の坑口106に配設した状態を示す部分拡大断面図である。図4は、この実施の形態1のトンネル用気圧維持装置1Aをトンネル本体107の坑口106に配設した状態を模式的に示す(a)D−D断面図、(b)E−E断面図である。図5乃至図7は、この実施の形態1のトンネル用気圧維持装置1Aの断面図である。なお、図2乃至図4は図示の便宜上、それぞれ一部の構成を省略して示してある。トンネル用気圧維持装置1Aのブロック本体1は、剛性の高い金属で形成されており、図2乃至図7に示す通り、略円筒形を呈する。ブロック本体1は発進立坑104の内部に配設されることのできる大きさに形成されている。また、ブロック本体1の直径は、推進管101の外径と略等しい大きさに形成されている。
【0025】
ブロック本体1は中空に形成されており、内部は気閘室2となっている。気閘室2の内部下方には、剛性の高い材質で形成された床板3が配設されている。
【0026】
ブロック本体1の一端面はトンネル側壁面4を形成し、トンネル側壁面4はブロック本体1がトンネル本体107に連結された状態で推進管101側に臨む。ブロック本体1の他端面は大気側壁面5を形成し、大気側壁面5はブロック本体1がトンネル本体107に連結された状態で大気側即ち発進立坑104内に臨む。
【0027】
ブロック本体1のトンネル側壁面4の周縁側には、第一の連結部(連結部)6aとしての嵌合部20が配設されている。この嵌合部20は、外径がトンネル側壁面4の直径と略同一径の略円筒形に形成された外周部21を有している。外周部21の一端側には円環状の第一の端面23が形成されている。外周部21の他端側には円環状の第二の端面22が形成されている。第二の端面22はトンネル側壁面4にボルト止めされている。嵌合部20は推進管101のフランジ103の内側に嵌合される。
【0028】
第一の端面23等、嵌合部20のフランジ103に接触する部分には、ゴムパッキンや空気が封入されたゴムチューブのような、トンネル本体107の気密性を保持する構成が設けられている。この実施の形態1においては、図2に示す通り、嵌合部20の外周部21の外側に第一のパッキン28a,28a、第一の端面23の一端側に第二のパッキン28bが配設されている。また、第二の端面22の他端側に第三のパッキン28cが配設されている。
【0029】
図2に示す通り、実施の形態1において外周部21の長さはフランジ103の長さよりやや長い。即ち、外周部21の長さはフランジ103の長さ以上に形成されていればよい。
【0030】
一方、ブロック本体1の大気側壁面5の周縁側には、第二の連結部6bが形成されている。図6に示す通り、この第二の連結部6bは略円環状の端面を有するフランジの形状に形成されており、後述する調整用金物等が着脱自在に接続される。
【0031】
ブロック本体1のトンネル側壁面4には第一の圧気扉7が、大気側壁面5には第二の圧気扉8が、それぞれ開閉自在に設けられている。ブロック本体1がトンネル本体107に連結された状態で、第一の圧気扉7はトンネル本体107側に臨み、第二の圧気扉8は大気側に臨む。第一の圧気扉7、第二の圧気扉8には、それぞれ、表裏両側にノブを備え、閉状態において気閘室2を気密状態に保つ。
【0032】
ブロック本体1のトンネル側壁面4及び大気側壁面5には、送気管挿通孔(挿通孔)10、排気管挿通孔(挿通孔)11がそれぞれ開口形成されている。送気管挿通孔10には、送気設備111から伸びる送気管114がそれぞれ挿通される。なお、この送気管114の途中にはバルブ120が設けられる。図4の(a)に示す通り、このバルブ120は気閘室2の内部に配設される。排気管挿通孔11には、トンネル本体107の内部から気体を発進立坑104内に排気させるための排気管(図示せず)がそれぞれ挿通される。
【0033】
また、トンネル側壁面4及び大気側壁面5には、大気側から気閘室2内部の排気を行うための配管を配設する気閘室排気管挿通孔13、トンネル本体107内部に滑材を注入するための滑材注入管挿通孔14、トンネル本体107内部に電線を配設するための電線挿通孔15等が開口形成されている。
【0034】
送気管挿通孔10及び排気管挿通孔11は、大気側壁面5及びトンネル側壁面4のそれぞれ一側側に設けられる。即ち、図5及び図7に示す通り、推進管101側から見た状態で、各挿通孔10,11は、各壁面4,5の中央よりも右寄りに設けられている。
【0035】
ブロック本体1には、筒状部分の大気側壁面5寄りに位置して、上側に2つ、下側に2つの引抜用ピース16が突設されている。これら引抜用ピース16にはそれぞれ孔部が開口形成されている。ブロック本体1の筒状部分の上側には、トンネル側壁面4寄り、及び大気側壁面5寄りに位置して1つずつ、吊上用ピース17が突設されている。これら吊上用ピース17にはそれぞれ孔部が開口形成されている。
【0036】
ブロック本体1がトンネル本体107の内部を圧気した際にトンネル本体107内部の気密性を維持できる。
【0037】
次に、図2及び図3に示すように、ブロック本体1の大気側壁面5の第二の連結部6bには、押圧位置調整用の調整用金物(間隙調整部)18aの一端部が接続されている。調整用金物18aは、平行に配設された複数本たとえば4本の金属製の支柱を備え、各支柱同士の間は間隙部を形成している。なお、この実施の形態1において調整用金物18aはH鋼により形成されているが、円筒形や角筒形の鋼材であってもよい。また、調整用金物18aは支柱に替えて枠形状の部材であってもよい。
【0038】
更に、調整用金物18aの他端部には、ジャッキ105の押し輪19が配設される。即ち、調整用金物18aは、ジャッキ105の押し輪19と大気側壁面5との間に介在して、押し輪19と大気側壁面5との間に間隙部を形成する。
【0039】
次に、この実施の形態における、切羽の障害物除去作業の施工方法について説明する。
【0040】
図1に示すように、切羽108の前方に障害物123(例えば鋼矢板)が存在し、これを除去する場合について説明する。まず、作業者は、発進立坑104の外で、ワイヤ等をブロック本体1の吊上用ピース17に挿通させてブロック本体1を吊り下げ、ブロック本体1を発進立坑104の内部に降下させる。発進立坑104の内部では、ブロック本体1が、推進管スライド桁117の上に載置される。これにより、ブロック本体1は、2本の推進管スライド桁117,117の間に位置して、トンネル側壁面4をトンネル本体107の坑口106側に向けた状態に載置される。
【0041】
次に、作業者は、ブロック本体1の第二の連結部6bに接続された調整用金物18aの一端部を接続する。更に、調整用金物18aの他端部に、押し輪19を配設する。この状態でジャッキ105が押し輪19を押圧すると、ブロック本体1が推進管スライド桁117,117上を滑り、ブロック本体1の嵌合部20が推進管101のフランジ103の内側に押し込まれて、第一の端面22がフランジ103に当接される。これにより、嵌合部20は推進管101に嵌合される。
【0042】
なお、当該工程において、最も発進立坑104寄りの推進管101は、フランジ103が第一の連結部6aに嵌合しうる位置にあることが望ましい。従って、図1に示すように、最も発進立坑104寄りの推進管101は、フランジ103がトンネル本体107の坑口106近傍よりも発進立坑104側に突出した位置にあることが望ましい。
【0043】
更に、トンネル本体107の坑口106と推進管101との間には、円環状のシール材118が接着されている。このシール材118はゴム等、機密性を維持できる部材にて形成される。これにより、トンネル本体107内の推進管101の機密性を確保できる。
【0044】
次に、ブロック本体1のトンネル側壁面4及び大気側壁面5には、作業に必要な配線や配管を挿通させる。具体的には、図4に示す通り、各壁面4,5の送気管挿通孔10に送気管114、排気管挿通孔11に排気管119をそれぞれ挿通させる。なお、送気管114のバルブ120は気閘室2の内部に配設される。また、大気側壁面5の気閘室排気管挿通孔13には気閘室排気管121をそれぞれ挿通させる。また、各壁面4,5の滑材注入管挿通孔14には滑材注入管(図4に図示せず)を、電線挿通孔15には電線122を挿通させる。大気側壁面5から露出したこれらの配管や配線は、調整用金物18aの間隙部から発進立坑104の内部に引き出された状態となる。
【0045】
次に、ブロック本体1が嵌合されたトンネル本体107の内部に気体を送気して、トンネル本体107の内部を圧気する。具体的には、コンプレッサ112を駆動させて、送気管114を経た圧縮空気をトンネル本体107の内部に供給する。これにより、トンネル本体107内部への漏水や地山の崩壊を抑止する。
【0046】
なお、ブロック本体1はジャッキ105によって押圧されている。そして、第一のパッキン28a,28a及び第二のパッキン28bが推進管101のフランジ103の内部に押圧されており、第三のパッキン28cがブロック本体1のトンネル側壁面4に押圧されている。そのため、トンネル本体107の内部が圧気されても、トンネル本体107内部の気体は発進立坑104側に漏えいしない。
【0047】
次に、作業者は第二の圧気扉8、第一の圧気扉7を開閉させ、発進立坑104から気閘室2を経てトンネル本体107の中に入る。具体的には、まず作業者は、第二の圧気扉8を開き、気閘室2に入ったのち第二の圧気扉8を閉じる。次に作業者は、バルブ120を開栓して気閘室2内の気圧をトンネル本体107内部の気圧とほぼ同じにする。次に作業者は、第一の圧気扉7を開き、トンネル本体107の中に入る。このように、作業者は、トンネル本体107内の気圧を下げることなく容易にトンネル本体107内に入ることができる。
【0048】
気閘室2の内部を挿通する送気管114や排気管(図示せず)及びその他主要な配管はブロック本体1の一側側に配設されているので、作業者は配管に邪魔されることなく気閘室2を通過できる。また、気閘室2の下方には床板3が配設されているので、作業者は気閘室2の下方に配設された配管、例えば滑材注入管(図示せず)を踏みつけることなく気閘室2を通過できる。
【0049】
次に、作業者はトンネル本体107の内部で切羽108前方の障害物123を除去する作業を行う。具体的には、作業者は、トンネル本体107内部の掘削装置109のカッタスポークを縮径し、スクリューコンベア等を引き出して、掘削装置109を作業状態から移動可能状態にする。その後、作業者は掘削装置109を後方に下げ、切羽108の位置に作業者の作業領域を確保する。その上で、作業者は障害物123を除去する作業を行う。
【0050】
なお、切羽108周辺の地盤が軟弱であったり、漏水が多い場合には、作業者は、別途切羽108周辺の土壌の地盤改良作業を行う。これにより、図1に示すように切羽108周辺の土壌は硬質の改良地盤124に変化する。そして、作業者は障害物123を除去する。
【0051】
障害物123の除去が完了したら、作業者は掘削装置109を元の作業状態の位置に復旧させて、掘削の準備を整える。次に、作業者は気閘室2に入って気閘室排気管(図示せず)を用いて気閘室2内部の圧気状態を解除する。次に、作業者は気閘室2から発進立坑104に出る。次に、作業者は排気管(図示せず)からトンネル本体107の内部の空気を排気し、圧気状態を解除する。
【0052】
作業者が発進立坑104に出た後、引抜用ピース16にワイヤ等を通してジャッキ105等で引っ張ってブロック本体1をトンネル本体107の坑口106から取り外す。更に、ブロック本体1を発進立坑104から撤去する。その後、掘削を再開する。
【0053】
以上、この実施の形態1においては、気閘室2を有するブロック本体1が発進立坑104の内部においてトンネル本体107を形成する推進管101に着脱自在に設けられ、また、推進管101に着脱自在に嵌合される嵌合部20を備えたことにより、トンネル本体107の内部を圧気状態にするための構成を地中に埋設したり掘り起こしたりする工事が不要となる。そのため、当該構成の設置や撤去を容易に行えて、工事の工程、コストを縮減できる。また、ブロック本体1には、トンネル本体107に臨む第一の圧気扉7と、大気側に臨む第二の圧気扉8とを備えたことにより、圧気状態のトンネル本体107の内部への出入りが容易に行える。また、推進管101を押圧するジャッキ105によって第二の圧気扉8を含む大気側壁面5を押圧されることで、ブロック本体1が第一の連結部6aを介してトンネル本体107に気密状態に連結されることにより、ブロック本体1をトンネル本体107の坑口に簡易な作業で容易に配設できる。これにより、推進工法における切羽の障害物除去作業を簡易な工程でしかも低コストで行うことができる。
【0054】
この実施の形態1においては、送気管114、及び排気管(図示せず)をそれぞれ挿通させるための送気管挿通孔10、排気管挿通孔11は大気側壁面5及びトンネル側壁面4のそれぞれ一側側に設けられたことにより、気閘室2内に挿通される送気管114と排気管(図示せず)を一側側に集められて、トンネル本体107に出入りする作業者が配管に邪魔されることなく気閘室2を容易に通過できる。
【0055】
なお、この実施の形態1のトンネル用気圧維持装置1Aを用いる場合、発進立坑104内の狭い場所でジャッキ105と押し輪19とが前後方向に移動する。そのため、ブロック本体1をジャッキ105で推進管101に押しつけた際、ブロック本体1の大気側壁面5のと押し輪19との隙間が狭くなり、送気管114等の配管・配線作業が困難になる恐れがある。しかし、この実施の形態1においては、大気側壁面5と押し輪19との間に介在して、大気側壁面5と押し輪19との間に間隙部を形成する調整用金物18aを備えている。そのため、図4の(a)に示すように、大気側壁面5と押し輪19との間には空間部Sを形成することが容易である。そして、この空間部Sが十分な作業空間を形成する。そのため、作業者は大気側壁面5の配管・配線作業を円滑に行うことができる。
【0056】
なお、この実施の形態1において、トンネル用気圧維持装置1Aを連結させる推進管101はヒューム管であったが、それ以外の管であってもトンネル用気圧維持装置1Aを連結し、実施の形態1と同様に使用できる。
【0057】
図8は、この実施の形態1のトンネル用気圧維持装置1Aを連結させる推進管101の変形例である。図8の(a)は推進管101が鋳鉄管である。また、図8の(b)は、推進管101が、本管101a、モルタル(又はコンクリート)の充填材部101b、外装管101cが積層された鋼管である。いずれの場合も、実施の形態1と同様にトンネル用気圧維持装置1Aを連結させて使用できる。
[発明の実施の形態2]
【0058】
図9に、この発明の実施の形態2を示す。
【0059】
図9は、この実施の形態2におけるトンネル用気圧維持装置1Bをトンネル本体1の坑口106に配設した状態を模式的に示す(a)F−F断面図、(b)G−G断面図である。この実施の形態2のトンネル用気圧維持装置1Bは、ブロック本体1の外周部に、4つの固定金具(固定部材)24が突設されている点が実施の形態1と異なる。
【0060】
固定金具24は、下側が平面状の載置面部25が形成され、載置面部25にはボルト挿通孔(図示せず)が貫通形成されている。後述する通り、固定金具24はボルト27によって推進管スライド桁117に固定される。それ以外の構成は実施の形態1と同じである。
【0061】
この実施の形態2における切羽の障害物除去作業の施工について説明する。まず、ブロック本体1の固定金具24の載置面部25を推進管スライド桁117上に載置する。この状態で、ジャッキ105がブロック本体1を押圧すると、固定金具24が推進管スライド桁117を滑り、ブロック本体1の嵌合部20が推進管101のフランジ103の内側に押し込まれる。
【0062】
その後、作業者は、ブロック本体1を固定させる。具体的には、それぞれの固定金具24をボルト27で推進管スライド桁117上に固定させる。これにより、ジャッキ105による押圧が解除された後も、ブロック本体1は気密状態で推進管101に固定された状態となる。従って、ブロック本体1を推進管101に固定した後は、図9の(a)に示す通り、ジャッキ105をブロック本体1から離すことができる。
【0063】
なお、ブロック本体1を推進管101に固定した後も、ジャッキ105でブロック本体1を押圧したままであってもよい。また、固定金具24で固定する際に、ジャッキ105と共にブロック本体1の大気側壁面5を押圧する抑え材(図示せず)を設置し、ジャッキ105による押圧が解除された後も大気側壁面5の押圧状態が維持されるようにしてもよい。この抑え材は、例えばブロック本体1の大気側壁面5と発進立坑104の側壁面との間に配設された突っ張り棒のようなものが考えられる。
【0064】
以上、この実施の形態2においては、連結部が管体に嵌合された状態で、固定部材によってブロック本体を立坑の内部に固定することにより、ジャッキ105による押圧を解除しても、ブロック本体1を気密状態で推進管101に固定させ続けることができる。即ち、ジャッキ105を長時間作動させ続ける必要がないので、推進工法における切羽の障害物除去作業を長時間にわたり安定的に行うことができる。
[発明の実施の形態3]
【0065】
図10及び図11に、この発明の実施の形態3を示す。
【0066】
図9は、この実施の形態3のトンネル用気圧維持装置1Cをトンネル本体107の坑口106に配設した状態を示す部分拡大断面図である。なお、実施の形態1の図2等と同様、図10は図示の便宜上、一部の構成を省略して示してある。
【0067】
図10に示す通り、この実施の形態3においては、推進管101の口径がブロック本体1の直径よりも小さい点で実施の形態1と相違する。
【0068】
そして、この実施の形態3においては、トンネル用気圧維持装置1Cにおいて、第一の連結部6aが、径調整部30aと、嵌合部31とを備えている点が実施の形態1と相違する。
【0069】
この径調整部30aは、推進管101の口径とブロック本体1の直径との差異を調整する目的で用いられる。径調整部30aは両端が開口され、一端側から他端側に均等に拡径された略筒状に形成されている。そして、図9に示す通り、トンネル用気圧維持装置1Cをトンネル本体107に配設した状態で、径調整部30aの一端側の重心G1と他端側の重心G2とを結ぶ仮想線35は略水平となる。
【0070】
径調整部30aの一端側の口径は推進管101のフランジ103の内径に略等しく、他端側の口径はブロック本体1のトンネル側壁面4の直径に略等しい。径調整部30の他端部はトンネル側壁面4にボルト止めされている。
【0071】
嵌合部31は、径調整部30aの一端部に接合されている。嵌合部31は、外径がフランジ103の内径に略等しい円筒形の外周部32の両端に、円環状の第一の端面33と、円環状の第二の端面34とが設けられている。第一の端面33は、径調整部30aの他端部にボルト止めされている。
【0072】
そして、図10に示す通り、切羽の障害物除去作業の施工時、ジャッキ105の押圧で、ブロック本体1は調整用金物18bを介して押圧される。そして、嵌合部31は推進管101のフランジ103の内部に挿入され、第二の端面34がフランジ103に当接する。これにより、嵌合部31は推進管101に嵌合される。その他の構成及び施工方法は実施の形態1と同じである。
【0073】
以上、この実施の形態3においては、推進管101の口径がブロック本体1の直径より小さくても、ブロック本体1を容易に推進管101に嵌合させることができる。これにより、推進管101の口径がブロック本体1の直径より小さくてもブロック本体1を共用化でき、推進工法における切羽の障害物除去作業の一層の低コスト化を図ることができる。
【0074】
なお、この実施の形態3においては、トンネル用気圧維持装置1CBの径調整部30aを他の形状にすることもできる。図11は、この実施の形態2のトンネル用気圧維持装置1Bの径調整部の変形例における(a)部分拡大正面図、(b)H−H断面図である。
【0075】
図11の(b)に示す通り、径調整部30bは、一端部の重心G3よりも他端部の重心G4が上方にあり、図11の(a)に示す通り、両重心G3,G4を結ぶ仮想線36は一端側から他端側に向かって上方に傾斜する。そして、第一の連結部6aの下部は略水平になっている。
【0076】
径調整部30bをこのように形成することで、ブロック本体1の直径が推進管101の直径と異なるトンネル用気圧維持装置1Cを用いる際に、推進管スライド桁117の位置を、推進管101をトンネル本体107内部に押し込む時のままで作業を行うことができる。
[発明の実施の形態4]
【0077】
図12に、この発明の実施の形態4を示す。図12は、この実施の形態4のトンネル用気圧維持装置1Dをトンネル本体107の坑口106に配設した状態を示す部分拡大断面図である。なお、実施の形態1の図2等と同様、図12は図示の便宜上、一部の構成を省略して示してある。
【0078】
図12に示す通り、この実施の形態4においては、推進管101及びトンネル本体107の口径がブロック本体1の直径よりも大きい点で実施の形態1及び2と相違する。
【0079】
そして、この実施の形態4においては、トンネル用気圧維持装置1Dにおいて、第一の連結部6aが、径調整部40と、嵌合部41とを備えているを備えている点が実施の形態1及び2と相違する。
【0080】
この径調整部40は円筒形に形成され、内径がトンネル側壁面4及び大気側壁面5の直径に略等しく、外径が推進管101のフランジ103の内径に略等しい。
【0081】
嵌合部41は、トンネル側壁面4側に設けられ、径調整部40の一端部に接合されている。嵌合部41は、外径がフランジ103の内径に略等しい円筒形の外周部42の両端に、円環状の第一の端面43と、円環状の第二の端面44とが設けられている。第一の端面43は径調整部40の一端部にボルト止めされている。
【0082】
そして、図12に示す通り、切羽の障害物除去作業の施工時、ジャッキ105の押圧で、ブロック本体1は調整用金物18cを介して押圧される。そして、嵌合部41は推進管101のフランジ103の内部に挿入され、第二の端面44がフランジ103に当接する。これにより、第一の連結部6aは推進管101に嵌合される。その他の構成及び施工方法は実施の形態1及び2と同じである。
【0083】
以上、この実施の形態4においては、推進管101の口径がブロック本体1の直径より大きくても、ブロック本体1を容易に推進管101に嵌合させることができる。これにより、推進管101の口径がブロック本体1の直径より大きくてもブロック本体1を共用化でき、推進工法における切羽の障害物除去作業の一層の低コスト化を図ることができる。
[発明の実施の形態5]
【0084】
図13に、この発明の実施の形態5を示す。図13は、この実施の形態5のトンネル用気圧維持装置1Eをトンネル本体107の坑口106に配設した状態を示す部分拡大断面図である。なお、実施の形態1の図2等と同様、図13は図示の便宜上、一部の構成を省略して示してある。
【0085】
この実施の形態5のトンネル用気圧維持装置1Eにおいて、径調整部50は、実施の形態2の径調整部30aとは逆に、一端側から他端側に均等に縮径された略筒状に形成されている。図13に示す通り、トンネル用気圧維持装置1Eをトンネル本体107に配設した状態で、径調整部50の一端側の重心G5と他端側の重心G6とを結ぶ仮想線55は略水平となる。
【0086】
径調整部50の一端側の口径は推進管101のフランジ103の内径に略等しく、他端側の口径はブロック本体1のトンネル側壁面4の直径に略等しい。
【0087】
嵌合部51は、径調整部50の一端部に接合されている。嵌合部51は、外径がフランジ103の内径に略等しい円筒形の外周部52の両端に、円環状の第一の端面53と、円環状の第二の端面54とが設けられている。第一の端面53は、径調整部50の他端部にボルト止めされている。
【0088】
そして、図13に示す通り、切羽の障害物除去作業の施工時、ジャッキ105の押圧で、ブロック本体1は調整用金物18dを介して押圧される。そして、嵌合部51は推進管101のフランジ103の内部に挿入される。その他の構成及び施工方法は実施の形態1と同じである。
【0089】
以上、この実施の形態5においては、推進管101の口径がブロック本体1の直径より大きくても、ブロック本体1を容易に推進管101に嵌合させることができる。
【0090】
なお、この実施の形態5のトンネル用気圧維持装置1Eの径調整部50は、他の形状にすることもできる。例えば、径調整部50の両重心G5,G6を結ぶ仮想線55が一端側から他端側に向かって下方に傾斜し(つまり、図11に示す構成とは逆)、第一の連結部6aの下部が略水平になるように形成することもできる。
【0091】
なお、上記各実施の形態においては、この送気管114の途中にバルブ120を設け、このバルブ120を気閘室2の内部に配設して、送気管114からの送気によってトンネル本体107内部と気閘室2内部をそれぞれ圧気する構成とした。しかし、各実施の形態はこの構成のみに限定されることはない。例えば、各実施の形態において、送気管114の他に、気閘室2を圧気するための気閘室圧気管をトンネル本体1に配設し、トンネル本体107内部と気閘室2内部をそれぞれ別の配管によって圧気する構成としてもよい。
【0092】
上記各実施の形態は本発明の例示であり、本発明が上記実施の形態のみに限定されることを意味するものではないことは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0093】
1A,1B,1C,1D,1E・・・トンネル用気圧維持装置
1・・・ブロック本体
2・・・気閘室
4・・・トンネル側壁面
5・・・大気側壁面
6a・・・第一の連結部(連結部)
7・・・第一の圧気扉
8・・・第二の圧気扉
10・・・送気管挿通孔(挿通孔)
11・・・排気管挿通孔(挿通孔)
18a,18b,18c,18d・・・調整用金物(間隙調整部)
20・・・嵌合部(連結部)
24・・・固定金具(固定部材)
30a,30b,40,50・・・径調整部
101・・・推進管(管体)
104・・・発進立坑(立坑)
105・・・ジャッキ(取付装置)
107・・・トンネル本体
114・・・送気管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気閘室を有し、立坑の内部においてトンネル本体を形成する管体に着脱自在に設けられたブロック本体を備え、該ブロック本体は、前記トンネル本体に臨む第一の圧気扉と、大気側に臨む第二の圧気扉とを備え、
前記管体に着脱自在に嵌合される連結部を備え、
前記トンネル本体の内部に向けて前記管体を押圧する取付装置を備え、
前記取付装置と前記第二の圧気扉を含む大気側壁面との間に介在して前記取付装置と前記大気側壁面との間に間隙部を形成する間隙調整部を備え、
該取付装置によって、前記間隙調整部を介して前記大気側壁面が押圧されることで、前記連結部が前記管体に嵌合されて、前記ブロック本体が前記連結部を介して前記トンネル本体に気密状態に連結されるように構成されていることを特徴とするトンネル用気圧維持装置。
【請求項2】
気閘室を有し、立坑の内部においてトンネル本体を形成する管体に着脱自在に設けられたブロック本体を備え、該ブロック本体は、前記トンネル本体に臨む第一の圧気扉と、大気側に臨む第二の圧気扉とを備え、
前記管体に着脱自在に嵌合される連結部を備え、
前記立坑の内部において前記ブロック本体を固定させる固定部材を備え、
前記トンネル本体の内部に向けて前記管体を押圧する取付装置によって前記ブロック本体を押圧し前記連結部が前記管体に嵌合された状態で、前記固定部材によって前記ブロック本体を前記立坑の内部に固定して、前記ブロック本体が前記連結部を介して前記トンネル本体に気密状態に連結されるように構成されていることを特徴とするトンネル用気圧維持装置。
【請求項3】
前記連結部は、前記管体の口径と前記ブロック本体の直径との差異を調整する径調整部を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル用気圧維持装置。
【請求項4】
前記第一の圧気扉を含むトンネル側壁面、及び前記第二の圧気扉を含む前記大気側壁面には、前記トンネル本体の内部に送気するための送気管、及び前記トンネル本体の内部から排気するための排気管をそれぞれ挿通させるための複数の挿通孔が設けられ、それぞれの前記挿通孔は前記大気側壁面及び前記トンネル側壁面のそれぞれ一側側に設けられたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載のトンネル用気圧維持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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