ドア
【課題】採光用窓のデザイン性を高めた斬新なドアの提供。
【解決手段】外周部に上枠13と下枠14と左右の縦枠11a、11bとからなる枠と、表裏のドアパネル1a,1bと、透光性パネル4a,4bを縦横桟2a,2b,2c,2d,3a,3b,3c,3dで支持したガラスユニット16a,16bとを備え、表裏のドアパネル1a,1bには、透光性パネル4a,4bが配置された位置に、表裏略同一位置で且つ表裏略同一形状の採光用小窓5が複数形成してある。
【解決手段】外周部に上枠13と下枠14と左右の縦枠11a、11bとからなる枠と、表裏のドアパネル1a,1bと、透光性パネル4a,4bを縦横桟2a,2b,2c,2d,3a,3b,3c,3dで支持したガラスユニット16a,16bとを備え、表裏のドアパネル1a,1bには、透光性パネル4a,4bが配置された位置に、表裏略同一位置で且つ表裏略同一形状の採光用小窓5が複数形成してある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玄関等に用いられるドアに関する。
【背景技術】
【0002】
玄関ドアなどのドアとして、四周枠組みした枠体の表裏に鋼板等を使用したパネルを貼り付けて構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。かかるドアにおいては、ドアの一部に採光用窓を設けることが一般的に行われており、採光用窓は表裏のパネルに開口部を形成し、ドア内部の開口部と対向する位置に、ガラス等の透光性パネルを縦横桟で四周枠組みしたパネルユニットを設置して形成している。パネルの開口部と透光性パネルとの隙間には、樹脂製のビード等が開口部の縁に沿って設置され、開口部からの雨水の浸入を防止している。またパネルユニットは、ドア内部の左右縦枠間に架設した横材に支持している。
従来、採光用窓の形状は四角形や、せいぜい円形でしかなく、且つ一つのパネルユニットに対して開口部が一つしかないため、何ら特別な印象を与えるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−144502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、採光用窓のデザイン性を高めた斬新なドアの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明によるドアは、表裏のドアパネルと、両ドアパネル間に位置する透光性パネルとを備え、表裏のドアパネルには、透光性パネルが配置された位置に、表裏略同一位置で且つ表裏略同一形状の採光用小窓が複数形成してあることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明によるドアは、請求項1記載の発明の構成に加え、複数の採光用小窓が集まって一つの模様を構成していることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明によるドアは、請求項1又は2記載の発明の構成に加え、表裏のドアパネルと透光性パネルとの間に所定の間隔を有し、採光用小窓には透光性パネルに向けて延びる内周縁部を有することを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明によるドアは、請求項1,2又は3記載の発明の構成に加え、表裏のドアパネルと透光性パネルとの間に所定の間隔を有し、採光用小窓にキャップが嵌め込んであり、キャップの先端部が透光性パネルに当接又は近接していることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明によるドアは、請求項1,2,3又は4記載の発明の構成に加え、表裏のドアパネルと透光性パネルとの間に所定の間隔を有し、表裏のドアパネルと透光性パネルとの間の間隔にスペーサーを配置したことを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明によるドアは、請求項1,2,3,4又は5記載の発明の構成に加え、透光性パネルは、縦横桟で区画された一定の範囲で縦横桟に支持してあり、透光性パネルの下側を支持する横桟に溜まる水をドアの側部に配置された縦枠に流す樋部を有し、採光用小窓より浸入した雨水が樋部と縦枠を通じて排水されるようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の発明によるドアは、請求項1,2,3,4,5又は6記載の発明の構成に加え、透光性パネルは、縦横桟で区画された一定の範囲で縦横桟に支持してあり、横桟は、少なくとも一方の端部が縦桟から突出するものであり、ドアの左右両側に配置された縦枠間に横桟を架設してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によるドアは、表裏のドアパネルの透光性パネルが配置された位置に、表裏略同一位置で且つ表裏略同一形状の採光用小窓を複数形成したので、採光用小窓を適宜形状・配置で自由に設けることができ、デザイン的に強くアピールするものとなる。本発明のドアによれば、複数の採光用小窓より木漏れ日のような細分化されたやさしい光を屋内に取り込むことができると共に、床や壁に採光用小窓が投影されるので、居心地が良く且つ趣きのある屋内空間を演出でき、また夜間には採光用小窓が屋内の光が漏れることで発光し、ライトアップ効果が得られる。
【0013】
請求項2記載の発明によるドアは、複数の採光用小窓が集まって一つの模様を構成することにより、より一層デザイン性を高められる。
【0014】
請求項3記載の発明によるドアは、採光用小窓に透光性パネルに向けて延びる内周縁部を有しているので、採光用小窓に指を入れてケガをしたり、採光用小窓の端縁が錆びたりするのを防止できる。
【0015】
請求項4記載の発明によるドアは、採光用小窓にキャップが嵌め込んであり、キャップの先端部が透光性パネルに当接又は近接しているので、採光用小窓に指を入れてケガをしたり、採光用小窓の端縁が錆びたりするのを防止する効果をより一層高められる。さらに、表裏のドアパネルの採光用小窓の間を光を漏らさずに通過させ、採光用小窓の形状を室内の壁や床等にそのまま投影できるようにする効果がある。また、採光用小窓からの雨水の浸入を抑えることができる。
【0016】
請求項5記載の発明によるドアは、表裏のドアパネルと透光性パネルとの間の間隔にスペーサーを配置したことにより、ドアパネルのへこみを防止できる。
【0017】
請求項6記載の発明によるドアは、透光性パネルが縦横桟で区画された一定の範囲で縦横桟に支持してあり、透光性パネルの下側を支持する横桟に溜まる水をドアの側部に配置された縦枠に流す樋部を有し、採光用小窓より浸入した雨水が樋部と縦枠を通じて排水されるようにしたので、採光用小窓から雨水が浸入しても、樋部と縦枠を通じて速やかに排水できる。
【0018】
請求項7記載の発明によるドアは、透光性パネルが縦横桟で区画された一定の範囲で縦横桟に支持してあり、横桟を少なくとも一方の端部が縦桟から突出するものとし、ドアの左右両側に配置された縦枠間に横桟を架設したことで、透光性パネルを支持するための部材を別途設けることなく、横桟で透光性パネルを直接支持できるため、ドアの組立てが容易になると共に、コストを削減できる。また、ドアノブや錠等の部品が取付けられている位置を避けて縦横桟を配置し、透光性パネルをドアの任意の位置に配置できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態に係る玄関ドアの、表側のドアパネルを貼り付ける前の状態の正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る玄関ドアの正面図である。
【図3】(a)は図2のA−A断面図、(b)は図2のB−B断面図である。
【図4】(a)は図2のC−C断面図、(b)は図2のD−D断面図である。
【図5】上側のガラスユニットを分解した状態で示す正面図である。
【図6】(a)は上側のガラスユニットの下側の横桟の平面図、(b)は同横桟の正面図、(c)は(b)のX方向矢視図、(d)は(b)のA−A断面図である。
【図7】(a)は採光用小窓及びキャップを示す斜視図であり、(b)はキャップの取付状態を示す縦断面図である。
【図8】第1実施形態の玄関ドアの変形例を示す正面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る玄関ドアの正面図である。
【図10】第2実施形態に係る玄関ドアの、表側のドアパネルを貼り付ける前の状態の正面図である。
【図11】図9のA−A断面図である。
【図12】図9のB−B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜4は、本発明のドアの第1実施形態に係る玄関ドアを示している。この玄関ドアは、玄関の開口部に固定したドア枠(図示省略)に蝶番12にて開閉自在に取付けられるものであり、図1に示すように、外周部に上枠13と下枠14と左右の縦枠11a,11bとからなる枠を有し、ドア内部の左上の領域と右下の領域には、ガラスパネル4a,4bを縦横桟2a,2b,2c,2d,3a,3b,3c,3dで支持したガラスユニット16a,16bが設けてあり、ドア内部の他の領域には断熱パネル17a,17bが設けてあり、ドアの室外側面と室内側面には金属の薄い板で形成したドアパネル1a,1bがそれぞれ貼り付けてある。図2に示すように、ドアの戸先側には、ハンドル18と施錠装置19a,19bが設けてある。室外側面の上方位置には、リース等を掛けるためのフック20が設けてある。
【0021】
室外側と室内側のドアパネル1a,1bは、ドア内部にガラスユニット16a,16bを有する位置に対応して、図1,2に示すように、左上部分と右下部分にリーフ形状の採光用小窓5がそれぞれ複数設けてある。採光用小窓5は、大小2種類の大きさのものがあって、それぞれ向きを異ならせて配置してあり、複数の採光用小窓5,5,…が集まって落ち葉が流れるような模様6aを構成している。採光用小窓5は、図3,4に示すように、室外側のドアパネル1aと室内側のドアパネル1bとで同一形状で且つ同一位置に配置してある。ドアパネル1a,1bとガラスパネル4a,4bとの間には、10mm程度の間隔Sを有している。ドアパネル1a,1bの外周縁部には、縦横枠13,14,11a,11bの見込み面に沿って折り込まれる折込部21を有する。
【0022】
各採光用小窓5は、図7(b)に示すように、曲げ加工(絞り加工)によりガラスパネル4a,4bに向けて延びる内周縁部7が形成され、さらにその内側に樹脂で形成したリング状のキャップ8が嵌め込んである。キャップ8は、内周面8aがドア外側に向けて若干末広がり状となるようにテーパーが付けてあり、外周面には抜け止め用の突起8bが形成してある。キャップ8の先端面8cはガラスパネル4a,4bに当接している。上記の構成により、採光用小窓5に指を入れてケガをしたり、採光用小窓5の端縁が錆びたりするのを防止でき、さらには採光用小窓5からの雨水の浸入が抑えられている。また、このように採光用小窓5にキャップ8を嵌め込むことで、表裏のドアパネル1a,1bの採光用小窓5の間を光を漏らさずに通過させ、採光用小窓5の形状を室内の壁や床等にそのまま投影できるようにする効果がある。なおキャップ8は、必ずしも先端面8cがガラスパネル4a,4bにぴったり当接していなくてもよく、先端面8cが部分的にガラスパネル4a,4bに当接するものや、先端面8cとガラスパネル4a,4bとの間に若干隙間があってもよい。
【0023】
ドアパネル1a,1bとガラスパネル4a,4bとの間の間隔Sには、図1,3,4に示すように、ゴム等で形成した円柱状のスペーサー9が、採光用小窓5の位置を避けるように分散して配置してあり、これらのスペーサー9によりドアパネル1a,1bのへこみを防止している。さらに下側のガラスユニット16bの左上の領域には、ドアパネル1a,1bとガラスパネル4bとの隙間Sに断熱パネル17cを設置している。スペーサー9と断熱パネル17cは、ガラスユニット16a,16bを組立てた後、ガラスパネル4a,4bの室外側面と室内側面に接着して取り付けられる。
【0024】
上側のガラスユニット16aは、図1に示すように、上下の横桟2a,2bと左右の縦桟3a,3bとで区画された枠内にガラスパネル(複層ガラス)4aを支持して構成されている。横桟2a,2bと縦桟3a,3bは、図3,4に示すように、略H形断面のアルミニウム合金の押出形材と、その室内側に嵌め込んだ樹脂製の断熱形材22とからなり、この両者を合わせた見込み寸法が縦横枠13,14,11a,11bと同一となっている。縦桟3a,3bには、タッピングホール23を有している。横桟2a,2bと縦桟3a,3bは、内周側に開口した溝24内の室外側と室内側にグレイジングチャンネル25を係止する突条26を有し、この突条26に係止してグレイジングチャンネル25が取付けられ、グレイジングチャンネル25を介してガラスパネル4aの周縁部を保持している。
【0025】
ガラスユニット16aの組立ては、図1,5,6に示すように、上下横桟2a,2bの見込み面27より内周側を切除して切り欠き部28を形成し、その切り欠き部28にシール材29を挟んで縦桟3a,3bの端部を挿入し、縦桟3a,3bの端面を横桟2a,2bの見込み面27に突き当て、横桟2a,2bを貫通して縦桟3a,3bのタッピングホールにビス30をねじ込んで組立てている。下側の横桟2bは、左右の縦桟3a,3bよりも側方に突き出している。
左右の縦枠11a,11bは、図4に示すように、内周側が開口した略コ字状断面の部材となっており、図1に示すように、縦枠11a,11bの室内外の見付面の内周側縁部を一部切除して切り欠き部31a,31bを形成し、その切り欠き部31a,31bにガラスユニット16aの下側の横桟2bの両端部を嵌合することで、ガラスユニット16aがドア内で固定されている。そのため、火災時に断熱パネル17bが溶融したとしてもガラスユニット16aが落下することがなく、また、ガラスユニット16aと断熱パネル17a,17bとの間に隙間があったとしても、輸送時等にガラスユニット16aが移動することがない。
なお上枠13と下枠14も、縦枠11a,11bと同様に内周側が開口した略コ字状断面になっている。
【0026】
下側の横桟2bに取付けたグレイジングチャンネル25には、端部に水抜き用の切り欠き(図示省略)が形成してあり、同横桟2bには図6(a)に示すように、右側の切り欠き部28付近の見込み面27に水抜き孔32が形成してあり、水抜き孔32の下方位置から右側の縦枠11bにかけて、樹脂形材を用いた樋部材10がやや下り勾配で掛け渡してある(図1参照)。採光用小窓5から浸入した雨水は、グレイジングチャンネル25の切り欠きから横桟2bの見込み面27上に落ち、水抜き孔32から樋部材10を通り縦枠11b内へと導かれ、縦枠11b内を通じてドアの吊元側下部に設けた水抜き孔34(図4参照)よりドア外部に排水される。
なお、横桟2bの下方に樋部材10を別途設けることなく、雨水が横桟2bの内部を通って縦枠11b内に導かれるようにすることもできる。
【0027】
下側のガラスユニット16bは、図1に示すように、上下の横桟2c,2dと左右の縦桟3c,3dとで四周枠組みし、その枠内にグレイジングチャンネル25を介してガラスパネル4bを取付けている。下側のガラスユニット16bは、上側のガラスユニット16aと縦横桟の組み方が逆になっている。すなわち横桟2c,2dは、図3,4に示すように、上側のガラスユニット16aの縦桟3a,3bと同一断面形状のもので、縦桟3c,3dは上側のガラスユニット16aの横桟2a,2bと同一断面のものであり、図1に示すように、縦桟3c,3dの上下端部に切り欠き部28を形成し、切り欠き部28に横桟2c,2dの端面を突き当てている。下側のガラスユニット16bは、下側の横桟2dを下枠14上に載置し、右側の縦桟3dを右側の縦枠11bに当接して配置されている。下側の横桟2dには、右側の端部の見込み面27に水抜き孔が形成してあり、採光用小窓5から浸入した雨水は、水抜き孔から下枠14内に落ち、吊元側下部に形成した水抜き孔34からドア外部に排水される。
【0028】
次に、このドアの組み立て手順を説明する。室内側のドアパネル1bの裏面に接着剤を塗布し、その上に上枠13、下枠14、左右の縦枠11a,11b、組立てたガラスユニット16a,16b、断熱パネル17a,17b,17c等、ドア内の部品を所定の位置に配置する(図1の状態)。その後、室外側のドアパネル1aの裏面に接着剤を塗布し、その上に貼り合わせる。その後、全体をプレス機でプレスする。その後、ハンドル18、錠装置19a,19b等の部品を取付ける。
【0029】
図8は、第1実施形態の玄関ドアの変形例であり、ドア内部にガラスユニット16a,16bを上述のものと同様に配置し、採光用小窓5の設け方を変更したものである。この例では、リーフ形状の採光用小窓5を4つずつ一点から放射状に配置して、花の模様6bを構成している。
【0030】
図9〜12は、本発明の第2実施形態に係る玄関ドアを示している。このドアは、図9に示すように、ドア中央の上方寄りの位置に、大小のリーフ形状の採光用小窓5が角度を少しずつ変化させながら円を描くように複数並べて配置してあり、これら複数の採光用小窓5,5,…はキャンドルの灯をイメージした模様6cになっている。室外側のドアパネル1aの表面には、化粧額縁33が取付けてある。
【0031】
ドア内部には、図10に示すように、採光用小窓5,5,…が配置された領域に対応したガラスユニット16cが設けてある。ガラスユニット16cは、上下の横枠2e,2fと左右の縦枠3e,3fとを枠組みした枠内にガラスパネル4cを嵌め込んだものであり、上側の横桟2eは左側の端部が縦桟3eよりも突出し、下側の横桟2fは右側の端部が縦桟3fよりも突出しており、上側の横枠2eの左側端部と下側の横枠2fの右側端部を、左右の縦枠11a,11bに段違い状に形成した切り欠き部31a,31bに嵌合し、ガラスユニット16cをドア内で動かないように固定している。このように、上下の横桟2e,2fの端部を左右互い違いに縦桟3e,3fから突き出して縦枠11a,11bに架設することで、余計な桟をドア内部に架設することなく、ハンドル18や錠装置19a,19bが取り付く部分を避けて、ドア内の中間高さ位置にガラスユニット16cを設置できる。
【0032】
以上に述べた玄関ドアは、リーフ形状の採光用小窓5が複数設けてあり、これら複数の採光用小窓5が集まって植物等をモチーフにした模様6a,6b,6cを成しているので、さながら絵画のように見る人に強くアピールするものとなる。さらに、複数の採光用小窓5,5,…より木漏れ日のような細分化されたやさしい光を屋内に取り込むことができると共に、床や壁に採光用小窓5,5,…が投影されることで、居心地が良く且つ趣きのある屋内空間を演出できる。また夜間には、採光用小窓5,5,…から屋内の光が漏れることで、ライトアップ効果が得られる。
採光用小窓5は、自由な形状、配置で設けることができ、それに合わせてドア内部にガラスユニット16a,16b,16cを大きさを変えたり向きを変えたりして適宜配置することができ、デザインの変更が容易である。ガラスユニット16a,16cは、横桟2b,2e,2fの端部を縦桟3a,3b,3e,3fより突出させ、その端部を縦枠11a,11bに形成した切り欠き部31a,31bに嵌合することで、ガラスユニット16a,16cを簡易に、しかも確実にドア内に固定することができる。ガラスユニット16a,16cを支持する部材をドア内に別途架設する必要がないため、材料費が抑えられると共に、ドア内部の構造がシンプルになってドアの組立てが容易に行える。
各採光用小窓5にはキャップ8が嵌め込んであるので、採光用小窓5に指が入らず、且つ雨水の浸入を抑えることができる。また当該キャップ8を有することで、表裏のドアパネル1a,1bの採光用小窓5の間を光を漏らさずに通過させ、採光用小窓5の形状を室内の壁や床等にそのまま投影できる。
たとえ採光用小窓5から雨水が浸入しても、樋部材10や縦枠11bを通じて外部に速やかに排水できる。また、ドアパネル1a,1bとガラスパネル4a,4b,4cとの間の間隔Sにスペーサー9が分散して配置してあるため、ドアパネル1a,1bのへこみを防止できる。
【0033】
本発明は、以上に述べた実施形態に限定されない。採光用小窓の形状は、リーフ形状に限らず、円形、矩形、ひし形、ハート形など、自由な形状とすることができる。複数の採光用小窓により構成される模様は、植物等をモチーフにしたものに限らず、幾何学的な模様であってもよい。本発明のドアは、玄関や勝手口等の屋外に面したものに限らず、屋内に取付けられるものであってもよい。
【符号の説明】
【0034】
1a,1b ドアパネル
2a,2b,2c,2d,2e,2f 横桟
3a,3b,3c,3d,3e,3f 縦桟
4a,4b,4c ガラスパネル(透光性パネル)
5 採光用小窓
6a,6b,6c 模様
7 採光用小窓の内周縁部
8 キャップ
10 樋部材(樋部)
11a,11b 縦枠
S ドアパネルと透光性パネルとの間の間隔
【技術分野】
【0001】
本発明は、玄関等に用いられるドアに関する。
【背景技術】
【0002】
玄関ドアなどのドアとして、四周枠組みした枠体の表裏に鋼板等を使用したパネルを貼り付けて構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。かかるドアにおいては、ドアの一部に採光用窓を設けることが一般的に行われており、採光用窓は表裏のパネルに開口部を形成し、ドア内部の開口部と対向する位置に、ガラス等の透光性パネルを縦横桟で四周枠組みしたパネルユニットを設置して形成している。パネルの開口部と透光性パネルとの隙間には、樹脂製のビード等が開口部の縁に沿って設置され、開口部からの雨水の浸入を防止している。またパネルユニットは、ドア内部の左右縦枠間に架設した横材に支持している。
従来、採光用窓の形状は四角形や、せいぜい円形でしかなく、且つ一つのパネルユニットに対して開口部が一つしかないため、何ら特別な印象を与えるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−144502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、採光用窓のデザイン性を高めた斬新なドアの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明によるドアは、表裏のドアパネルと、両ドアパネル間に位置する透光性パネルとを備え、表裏のドアパネルには、透光性パネルが配置された位置に、表裏略同一位置で且つ表裏略同一形状の採光用小窓が複数形成してあることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明によるドアは、請求項1記載の発明の構成に加え、複数の採光用小窓が集まって一つの模様を構成していることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明によるドアは、請求項1又は2記載の発明の構成に加え、表裏のドアパネルと透光性パネルとの間に所定の間隔を有し、採光用小窓には透光性パネルに向けて延びる内周縁部を有することを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明によるドアは、請求項1,2又は3記載の発明の構成に加え、表裏のドアパネルと透光性パネルとの間に所定の間隔を有し、採光用小窓にキャップが嵌め込んであり、キャップの先端部が透光性パネルに当接又は近接していることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明によるドアは、請求項1,2,3又は4記載の発明の構成に加え、表裏のドアパネルと透光性パネルとの間に所定の間隔を有し、表裏のドアパネルと透光性パネルとの間の間隔にスペーサーを配置したことを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明によるドアは、請求項1,2,3,4又は5記載の発明の構成に加え、透光性パネルは、縦横桟で区画された一定の範囲で縦横桟に支持してあり、透光性パネルの下側を支持する横桟に溜まる水をドアの側部に配置された縦枠に流す樋部を有し、採光用小窓より浸入した雨水が樋部と縦枠を通じて排水されるようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の発明によるドアは、請求項1,2,3,4,5又は6記載の発明の構成に加え、透光性パネルは、縦横桟で区画された一定の範囲で縦横桟に支持してあり、横桟は、少なくとも一方の端部が縦桟から突出するものであり、ドアの左右両側に配置された縦枠間に横桟を架設してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によるドアは、表裏のドアパネルの透光性パネルが配置された位置に、表裏略同一位置で且つ表裏略同一形状の採光用小窓を複数形成したので、採光用小窓を適宜形状・配置で自由に設けることができ、デザイン的に強くアピールするものとなる。本発明のドアによれば、複数の採光用小窓より木漏れ日のような細分化されたやさしい光を屋内に取り込むことができると共に、床や壁に採光用小窓が投影されるので、居心地が良く且つ趣きのある屋内空間を演出でき、また夜間には採光用小窓が屋内の光が漏れることで発光し、ライトアップ効果が得られる。
【0013】
請求項2記載の発明によるドアは、複数の採光用小窓が集まって一つの模様を構成することにより、より一層デザイン性を高められる。
【0014】
請求項3記載の発明によるドアは、採光用小窓に透光性パネルに向けて延びる内周縁部を有しているので、採光用小窓に指を入れてケガをしたり、採光用小窓の端縁が錆びたりするのを防止できる。
【0015】
請求項4記載の発明によるドアは、採光用小窓にキャップが嵌め込んであり、キャップの先端部が透光性パネルに当接又は近接しているので、採光用小窓に指を入れてケガをしたり、採光用小窓の端縁が錆びたりするのを防止する効果をより一層高められる。さらに、表裏のドアパネルの採光用小窓の間を光を漏らさずに通過させ、採光用小窓の形状を室内の壁や床等にそのまま投影できるようにする効果がある。また、採光用小窓からの雨水の浸入を抑えることができる。
【0016】
請求項5記載の発明によるドアは、表裏のドアパネルと透光性パネルとの間の間隔にスペーサーを配置したことにより、ドアパネルのへこみを防止できる。
【0017】
請求項6記載の発明によるドアは、透光性パネルが縦横桟で区画された一定の範囲で縦横桟に支持してあり、透光性パネルの下側を支持する横桟に溜まる水をドアの側部に配置された縦枠に流す樋部を有し、採光用小窓より浸入した雨水が樋部と縦枠を通じて排水されるようにしたので、採光用小窓から雨水が浸入しても、樋部と縦枠を通じて速やかに排水できる。
【0018】
請求項7記載の発明によるドアは、透光性パネルが縦横桟で区画された一定の範囲で縦横桟に支持してあり、横桟を少なくとも一方の端部が縦桟から突出するものとし、ドアの左右両側に配置された縦枠間に横桟を架設したことで、透光性パネルを支持するための部材を別途設けることなく、横桟で透光性パネルを直接支持できるため、ドアの組立てが容易になると共に、コストを削減できる。また、ドアノブや錠等の部品が取付けられている位置を避けて縦横桟を配置し、透光性パネルをドアの任意の位置に配置できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態に係る玄関ドアの、表側のドアパネルを貼り付ける前の状態の正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る玄関ドアの正面図である。
【図3】(a)は図2のA−A断面図、(b)は図2のB−B断面図である。
【図4】(a)は図2のC−C断面図、(b)は図2のD−D断面図である。
【図5】上側のガラスユニットを分解した状態で示す正面図である。
【図6】(a)は上側のガラスユニットの下側の横桟の平面図、(b)は同横桟の正面図、(c)は(b)のX方向矢視図、(d)は(b)のA−A断面図である。
【図7】(a)は採光用小窓及びキャップを示す斜視図であり、(b)はキャップの取付状態を示す縦断面図である。
【図8】第1実施形態の玄関ドアの変形例を示す正面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る玄関ドアの正面図である。
【図10】第2実施形態に係る玄関ドアの、表側のドアパネルを貼り付ける前の状態の正面図である。
【図11】図9のA−A断面図である。
【図12】図9のB−B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜4は、本発明のドアの第1実施形態に係る玄関ドアを示している。この玄関ドアは、玄関の開口部に固定したドア枠(図示省略)に蝶番12にて開閉自在に取付けられるものであり、図1に示すように、外周部に上枠13と下枠14と左右の縦枠11a,11bとからなる枠を有し、ドア内部の左上の領域と右下の領域には、ガラスパネル4a,4bを縦横桟2a,2b,2c,2d,3a,3b,3c,3dで支持したガラスユニット16a,16bが設けてあり、ドア内部の他の領域には断熱パネル17a,17bが設けてあり、ドアの室外側面と室内側面には金属の薄い板で形成したドアパネル1a,1bがそれぞれ貼り付けてある。図2に示すように、ドアの戸先側には、ハンドル18と施錠装置19a,19bが設けてある。室外側面の上方位置には、リース等を掛けるためのフック20が設けてある。
【0021】
室外側と室内側のドアパネル1a,1bは、ドア内部にガラスユニット16a,16bを有する位置に対応して、図1,2に示すように、左上部分と右下部分にリーフ形状の採光用小窓5がそれぞれ複数設けてある。採光用小窓5は、大小2種類の大きさのものがあって、それぞれ向きを異ならせて配置してあり、複数の採光用小窓5,5,…が集まって落ち葉が流れるような模様6aを構成している。採光用小窓5は、図3,4に示すように、室外側のドアパネル1aと室内側のドアパネル1bとで同一形状で且つ同一位置に配置してある。ドアパネル1a,1bとガラスパネル4a,4bとの間には、10mm程度の間隔Sを有している。ドアパネル1a,1bの外周縁部には、縦横枠13,14,11a,11bの見込み面に沿って折り込まれる折込部21を有する。
【0022】
各採光用小窓5は、図7(b)に示すように、曲げ加工(絞り加工)によりガラスパネル4a,4bに向けて延びる内周縁部7が形成され、さらにその内側に樹脂で形成したリング状のキャップ8が嵌め込んである。キャップ8は、内周面8aがドア外側に向けて若干末広がり状となるようにテーパーが付けてあり、外周面には抜け止め用の突起8bが形成してある。キャップ8の先端面8cはガラスパネル4a,4bに当接している。上記の構成により、採光用小窓5に指を入れてケガをしたり、採光用小窓5の端縁が錆びたりするのを防止でき、さらには採光用小窓5からの雨水の浸入が抑えられている。また、このように採光用小窓5にキャップ8を嵌め込むことで、表裏のドアパネル1a,1bの採光用小窓5の間を光を漏らさずに通過させ、採光用小窓5の形状を室内の壁や床等にそのまま投影できるようにする効果がある。なおキャップ8は、必ずしも先端面8cがガラスパネル4a,4bにぴったり当接していなくてもよく、先端面8cが部分的にガラスパネル4a,4bに当接するものや、先端面8cとガラスパネル4a,4bとの間に若干隙間があってもよい。
【0023】
ドアパネル1a,1bとガラスパネル4a,4bとの間の間隔Sには、図1,3,4に示すように、ゴム等で形成した円柱状のスペーサー9が、採光用小窓5の位置を避けるように分散して配置してあり、これらのスペーサー9によりドアパネル1a,1bのへこみを防止している。さらに下側のガラスユニット16bの左上の領域には、ドアパネル1a,1bとガラスパネル4bとの隙間Sに断熱パネル17cを設置している。スペーサー9と断熱パネル17cは、ガラスユニット16a,16bを組立てた後、ガラスパネル4a,4bの室外側面と室内側面に接着して取り付けられる。
【0024】
上側のガラスユニット16aは、図1に示すように、上下の横桟2a,2bと左右の縦桟3a,3bとで区画された枠内にガラスパネル(複層ガラス)4aを支持して構成されている。横桟2a,2bと縦桟3a,3bは、図3,4に示すように、略H形断面のアルミニウム合金の押出形材と、その室内側に嵌め込んだ樹脂製の断熱形材22とからなり、この両者を合わせた見込み寸法が縦横枠13,14,11a,11bと同一となっている。縦桟3a,3bには、タッピングホール23を有している。横桟2a,2bと縦桟3a,3bは、内周側に開口した溝24内の室外側と室内側にグレイジングチャンネル25を係止する突条26を有し、この突条26に係止してグレイジングチャンネル25が取付けられ、グレイジングチャンネル25を介してガラスパネル4aの周縁部を保持している。
【0025】
ガラスユニット16aの組立ては、図1,5,6に示すように、上下横桟2a,2bの見込み面27より内周側を切除して切り欠き部28を形成し、その切り欠き部28にシール材29を挟んで縦桟3a,3bの端部を挿入し、縦桟3a,3bの端面を横桟2a,2bの見込み面27に突き当て、横桟2a,2bを貫通して縦桟3a,3bのタッピングホールにビス30をねじ込んで組立てている。下側の横桟2bは、左右の縦桟3a,3bよりも側方に突き出している。
左右の縦枠11a,11bは、図4に示すように、内周側が開口した略コ字状断面の部材となっており、図1に示すように、縦枠11a,11bの室内外の見付面の内周側縁部を一部切除して切り欠き部31a,31bを形成し、その切り欠き部31a,31bにガラスユニット16aの下側の横桟2bの両端部を嵌合することで、ガラスユニット16aがドア内で固定されている。そのため、火災時に断熱パネル17bが溶融したとしてもガラスユニット16aが落下することがなく、また、ガラスユニット16aと断熱パネル17a,17bとの間に隙間があったとしても、輸送時等にガラスユニット16aが移動することがない。
なお上枠13と下枠14も、縦枠11a,11bと同様に内周側が開口した略コ字状断面になっている。
【0026】
下側の横桟2bに取付けたグレイジングチャンネル25には、端部に水抜き用の切り欠き(図示省略)が形成してあり、同横桟2bには図6(a)に示すように、右側の切り欠き部28付近の見込み面27に水抜き孔32が形成してあり、水抜き孔32の下方位置から右側の縦枠11bにかけて、樹脂形材を用いた樋部材10がやや下り勾配で掛け渡してある(図1参照)。採光用小窓5から浸入した雨水は、グレイジングチャンネル25の切り欠きから横桟2bの見込み面27上に落ち、水抜き孔32から樋部材10を通り縦枠11b内へと導かれ、縦枠11b内を通じてドアの吊元側下部に設けた水抜き孔34(図4参照)よりドア外部に排水される。
なお、横桟2bの下方に樋部材10を別途設けることなく、雨水が横桟2bの内部を通って縦枠11b内に導かれるようにすることもできる。
【0027】
下側のガラスユニット16bは、図1に示すように、上下の横桟2c,2dと左右の縦桟3c,3dとで四周枠組みし、その枠内にグレイジングチャンネル25を介してガラスパネル4bを取付けている。下側のガラスユニット16bは、上側のガラスユニット16aと縦横桟の組み方が逆になっている。すなわち横桟2c,2dは、図3,4に示すように、上側のガラスユニット16aの縦桟3a,3bと同一断面形状のもので、縦桟3c,3dは上側のガラスユニット16aの横桟2a,2bと同一断面のものであり、図1に示すように、縦桟3c,3dの上下端部に切り欠き部28を形成し、切り欠き部28に横桟2c,2dの端面を突き当てている。下側のガラスユニット16bは、下側の横桟2dを下枠14上に載置し、右側の縦桟3dを右側の縦枠11bに当接して配置されている。下側の横桟2dには、右側の端部の見込み面27に水抜き孔が形成してあり、採光用小窓5から浸入した雨水は、水抜き孔から下枠14内に落ち、吊元側下部に形成した水抜き孔34からドア外部に排水される。
【0028】
次に、このドアの組み立て手順を説明する。室内側のドアパネル1bの裏面に接着剤を塗布し、その上に上枠13、下枠14、左右の縦枠11a,11b、組立てたガラスユニット16a,16b、断熱パネル17a,17b,17c等、ドア内の部品を所定の位置に配置する(図1の状態)。その後、室外側のドアパネル1aの裏面に接着剤を塗布し、その上に貼り合わせる。その後、全体をプレス機でプレスする。その後、ハンドル18、錠装置19a,19b等の部品を取付ける。
【0029】
図8は、第1実施形態の玄関ドアの変形例であり、ドア内部にガラスユニット16a,16bを上述のものと同様に配置し、採光用小窓5の設け方を変更したものである。この例では、リーフ形状の採光用小窓5を4つずつ一点から放射状に配置して、花の模様6bを構成している。
【0030】
図9〜12は、本発明の第2実施形態に係る玄関ドアを示している。このドアは、図9に示すように、ドア中央の上方寄りの位置に、大小のリーフ形状の採光用小窓5が角度を少しずつ変化させながら円を描くように複数並べて配置してあり、これら複数の採光用小窓5,5,…はキャンドルの灯をイメージした模様6cになっている。室外側のドアパネル1aの表面には、化粧額縁33が取付けてある。
【0031】
ドア内部には、図10に示すように、採光用小窓5,5,…が配置された領域に対応したガラスユニット16cが設けてある。ガラスユニット16cは、上下の横枠2e,2fと左右の縦枠3e,3fとを枠組みした枠内にガラスパネル4cを嵌め込んだものであり、上側の横桟2eは左側の端部が縦桟3eよりも突出し、下側の横桟2fは右側の端部が縦桟3fよりも突出しており、上側の横枠2eの左側端部と下側の横枠2fの右側端部を、左右の縦枠11a,11bに段違い状に形成した切り欠き部31a,31bに嵌合し、ガラスユニット16cをドア内で動かないように固定している。このように、上下の横桟2e,2fの端部を左右互い違いに縦桟3e,3fから突き出して縦枠11a,11bに架設することで、余計な桟をドア内部に架設することなく、ハンドル18や錠装置19a,19bが取り付く部分を避けて、ドア内の中間高さ位置にガラスユニット16cを設置できる。
【0032】
以上に述べた玄関ドアは、リーフ形状の採光用小窓5が複数設けてあり、これら複数の採光用小窓5が集まって植物等をモチーフにした模様6a,6b,6cを成しているので、さながら絵画のように見る人に強くアピールするものとなる。さらに、複数の採光用小窓5,5,…より木漏れ日のような細分化されたやさしい光を屋内に取り込むことができると共に、床や壁に採光用小窓5,5,…が投影されることで、居心地が良く且つ趣きのある屋内空間を演出できる。また夜間には、採光用小窓5,5,…から屋内の光が漏れることで、ライトアップ効果が得られる。
採光用小窓5は、自由な形状、配置で設けることができ、それに合わせてドア内部にガラスユニット16a,16b,16cを大きさを変えたり向きを変えたりして適宜配置することができ、デザインの変更が容易である。ガラスユニット16a,16cは、横桟2b,2e,2fの端部を縦桟3a,3b,3e,3fより突出させ、その端部を縦枠11a,11bに形成した切り欠き部31a,31bに嵌合することで、ガラスユニット16a,16cを簡易に、しかも確実にドア内に固定することができる。ガラスユニット16a,16cを支持する部材をドア内に別途架設する必要がないため、材料費が抑えられると共に、ドア内部の構造がシンプルになってドアの組立てが容易に行える。
各採光用小窓5にはキャップ8が嵌め込んであるので、採光用小窓5に指が入らず、且つ雨水の浸入を抑えることができる。また当該キャップ8を有することで、表裏のドアパネル1a,1bの採光用小窓5の間を光を漏らさずに通過させ、採光用小窓5の形状を室内の壁や床等にそのまま投影できる。
たとえ採光用小窓5から雨水が浸入しても、樋部材10や縦枠11bを通じて外部に速やかに排水できる。また、ドアパネル1a,1bとガラスパネル4a,4b,4cとの間の間隔Sにスペーサー9が分散して配置してあるため、ドアパネル1a,1bのへこみを防止できる。
【0033】
本発明は、以上に述べた実施形態に限定されない。採光用小窓の形状は、リーフ形状に限らず、円形、矩形、ひし形、ハート形など、自由な形状とすることができる。複数の採光用小窓により構成される模様は、植物等をモチーフにしたものに限らず、幾何学的な模様であってもよい。本発明のドアは、玄関や勝手口等の屋外に面したものに限らず、屋内に取付けられるものであってもよい。
【符号の説明】
【0034】
1a,1b ドアパネル
2a,2b,2c,2d,2e,2f 横桟
3a,3b,3c,3d,3e,3f 縦桟
4a,4b,4c ガラスパネル(透光性パネル)
5 採光用小窓
6a,6b,6c 模様
7 採光用小窓の内周縁部
8 キャップ
10 樋部材(樋部)
11a,11b 縦枠
S ドアパネルと透光性パネルとの間の間隔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏のドアパネルと、両ドアパネル間に位置する透光性パネルとを備え、表裏のドアパネルには、透光性パネルが配置された位置に、表裏略同一位置で且つ表裏略同一形状の採光用小窓が複数形成してあることを特徴とするドア。
【請求項2】
複数の採光用小窓が集まって一つの模様を構成していることを特徴とする請求項1記載のドア。
【請求項3】
表裏のドアパネルと透光性パネルとの間に所定の間隔を有し、採光用小窓には透光性パネルに向けて延びる内周縁部を有することを特徴とする請求項1又は2記載のドア。
【請求項4】
表裏のドアパネルと透光性パネルとの間に所定の間隔を有し、採光用小窓にキャップが嵌め込んであり、キャップの先端部が透光性パネルに当接又は近接していることを特徴とする請求項1,2又は3記載のドア。
【請求項5】
表裏のドアパネルと透光性パネルとの間に所定の間隔を有し、表裏のドアパネルと透光性パネルとの間の間隔にスペーサーを配置したことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載のドア。
【請求項6】
透光性パネルは、縦横桟で区画された一定の範囲で縦横桟に支持してあり、透光性パネルの下側を支持する横桟に溜まる水をドアの側部に配置された縦枠に流す樋部を有し、採光用小窓より浸入した雨水が樋部と縦枠を通じて排水されるようにしたことを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載のドア。
【請求項7】
透光性パネルは、縦横桟で区画された一定の範囲で縦横桟に支持してあり、横桟は、少なくとも一方の端部が縦桟から突出するものであり、ドアの左右両側に配置された縦枠間に横桟を架設してあることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載のドア。
【請求項1】
表裏のドアパネルと、両ドアパネル間に位置する透光性パネルとを備え、表裏のドアパネルには、透光性パネルが配置された位置に、表裏略同一位置で且つ表裏略同一形状の採光用小窓が複数形成してあることを特徴とするドア。
【請求項2】
複数の採光用小窓が集まって一つの模様を構成していることを特徴とする請求項1記載のドア。
【請求項3】
表裏のドアパネルと透光性パネルとの間に所定の間隔を有し、採光用小窓には透光性パネルに向けて延びる内周縁部を有することを特徴とする請求項1又は2記載のドア。
【請求項4】
表裏のドアパネルと透光性パネルとの間に所定の間隔を有し、採光用小窓にキャップが嵌め込んであり、キャップの先端部が透光性パネルに当接又は近接していることを特徴とする請求項1,2又は3記載のドア。
【請求項5】
表裏のドアパネルと透光性パネルとの間に所定の間隔を有し、表裏のドアパネルと透光性パネルとの間の間隔にスペーサーを配置したことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載のドア。
【請求項6】
透光性パネルは、縦横桟で区画された一定の範囲で縦横桟に支持してあり、透光性パネルの下側を支持する横桟に溜まる水をドアの側部に配置された縦枠に流す樋部を有し、採光用小窓より浸入した雨水が樋部と縦枠を通じて排水されるようにしたことを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載のドア。
【請求項7】
透光性パネルは、縦横桟で区画された一定の範囲で縦横桟に支持してあり、横桟は、少なくとも一方の端部が縦桟から突出するものであり、ドアの左右両側に配置された縦枠間に横桟を架設してあることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載のドア。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−216221(P2010−216221A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127513(P2009−127513)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(000175560)三協立山アルミ株式会社 (529)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(000175560)三協立山アルミ株式会社 (529)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]