説明

ドライブレコーダ及びドライブレコーダシステム

【課題】画像データの改ざんを防止するドライブレコーダを提供する。
【解決手段】車両走行時の画像情報を取得する画像情報取得手段と、車両に発生した衝撃を検出する衝撃検出手段と、衝撃検出手段が衝撃を検出したときに画像情報取得手段が取得した画像情報を記録手段に記録する画像情報記録手段と、を備えるドライブレコーダ10であって、画像情報記録手段は、画像情報を記録手段に記録するときに、画像情報の一部のみを暗号化する暗号化手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行中の車両のデータを記録するドライブレコーダに関し、より詳細には画像データの改ざんを防止するドライブレコーダ及びドライブレコーダシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の走行データを画像データと共に記録するドライブレコーダを車両に搭載することが行われている。ドライブレコーダによって記録されたデータは、車両の事故の発生原因などの証拠となるものであり、データの信頼性、同一性が要求される。そのため、データの改ざんを防止する対策を講じることが一般的である。
【0003】
特許文献1には、車両の走行データを記憶するドライブレコーダにおいて、走行データを伝送する車内LANと接続し、車内LANから走行データを取得するインタフェース部と、取得した走行データを暗号化する暗号変換部と、暗号化された走行データを記憶する記憶部と、を備えたドライブレコーダが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−178494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のドライブレコーダは、取得した走行データを暗号化して記録部に記録している。
【0006】
一方、画像データを暗号化する場合は、処理に極めて多くの時間がかかり、また処理を行うハードウェアを搭載した場合はコストが上昇する。そのため、画像データと走行データとを含むデータでは、画像データ部分を暗号化せず、走行データのみを暗号化することが一般的であった。この場合は、画像データそのものは暗号化されないため、第三者によってファイル構造が解析された場合は画像データの情報を取得される可能性があり、画像データを改ざんされる可能性があるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、コストを上昇させることなくデータの改ざんを防止することができるドライブレコーダ及びドライブレコーダシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、車両走行時の画像情報を取得する画像情報取得手段と、車両に発生した衝撃を検出する衝撃検出手段と、衝撃検出手段が衝撃を検出したときに画像情報取得手段が取得した画像情報を記録手段に記録する画像情報記録手段と、を備えるドライブレコーダであって、画像情報記録手段は、画像情報を記録手段に記録するときに、画像情報の一部のみを暗号化する暗号化手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像情報の暗号化部分を最小限に抑えることによって、暗号化処理に要する時間を短縮でき、暗号化処理に必要な処理能力を必要最小限に抑えることができるため、ドライブレコーダの製造コストを上昇することなく、画像情報の改ざんを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態の本発明のドライブレコーダを含むドライブレコーダシステムの説明図である。
【図2】本発明の実施形態のドライブレコーダの機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態のパーソナルコンピュータ(PC)の機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施形態のドライブレコーダシステムの動作を示すシーケンス図である。
【図5】本発明の実施形態のドライブレコーダが記録するファイルの説明図である。
【図6】本発明の実施形態の暗号化キーを生成するときに用いるテーブルの一例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明のドライブレコーダ10を含むドライブレコーダシステム1の説明図である。
【0013】
ドライブレコーダシステム1は、車両11に搭載されるドライブレコーダ10と、事業所等に設置されるパーソナルコンピュータ(以下、PC)20と、ドライブレコーダ10が取得するデータを記録するメモリカード30とから構成される。
【0014】
ドライブレコーダ10は、車両11から走行データ(例えば車速、エンジン回転数、緯度、経度等)を取得して、これらを日時と共に所定の間隔で記録する。また、ドライブレコーダ10は、カメラ12が接続されており、カメラ12が撮影した画像データを、記録する。これら走行データ及び画像データは、メモリカード30に記録される。
【0015】
ドライブレコーダ10は、メモリカード30が挿入された状態でメモリカード30との間でデータの書き込み及び読み出しを行うメモリカードインタフェース170と、メモリカード30に人為的に画像データを記録させる記録ボタン180とが設けられている。
【0016】
PC20は、メモリカード30が挿入された状態でメモリカード30との間でデータの書き込み及び読み出しを行うメモリカードインタフェース21と、画像データ等を表示可能な液晶ディスプレイ等からなる表示部22と、ユーザからの指示が入力可能なキーボード及びマウス等からなる入力部23とから構成される。
【0017】
メモリカード30は、メモリカードインタフェース170及び21によって読み書き可能に構成されており、例えばSD(Source Digital)やCF(Compact Flash)等のフラッシュメモリカードが用いられる。
【0018】
図2は、本発明の実施形態のドライブレコーダ10の機能ブロック図である。
【0019】
ドライブレコーダ10は、カメラ12を接続するカメラインタフェース120と、車両のCAN等と接続して車両データを取得する車両インタフェース130と、メモリカード30とでデータの読み込み及び書き込みを行うメモリカードインタフェース170と、後述するイベントの発生にかかわらず画像データ及び走行データをメモリカードに記録する記録ボタン180と、を備える。
【0020】
また、ドライブレコーダ10は、画像データ、車両データ等を一時的に記録すると共に、ドライブレコーダ10の制御に関わるデータを記録する記録部110と、予め設定された所定のイベントの発生を検出するイベント検出部140と、後述する暗号化キーを取得する暗号化キー取得部150と、画像データ、走行データ等を暗号化キーに基づいて暗号化する暗号化部160と、を備える。
【0021】
制御部100は、これら各部の動作を統合的に制御する。より具体的には、制御部100は、カメラインタフェース120を介して取得した画像データと、車両インタフェース130を介して取得した走行データとを、記録部110のバッファに逐次記録している。すなわち、カメラ12及び制御部100によって画像情報取得手段が構成される。
【0022】
ここで、イベント検出部140が所定のイベントを検出した場合は、制御部100は、記録部110のバッファ内に記録された画像データ及び走行データのうち、イベントが検出された時刻の前後の所定時間(例えば、前後15秒間)だけ抽出する。制御部100は、抽出したデータを、メモリカードインタフェース170を介してメモリカード30にファイルとして記録する。すなわち、メモリカードインタフェース170及び制御部100によって画像情報記録手段が構成される。
【0023】
イベント検出部140は、加速度センサを備えており、加速度センサが検出した加速度が所定の閾値を超えた場合(例えば、前後G又は横Gが0.8G以上となった場合)に、車両に衝撃が加わったと判断してイベントを検出する。すなわち、イベント検出部140が衝撃検出手段を構成する。
【0024】
暗号化部160は、メモリカード30に書き込まれるデータの一部を、暗号化キー取得部150によって取得された暗号化キーを用いて暗号化する。暗号化キー取得部150は、後述するように、ユーザIDとファイル名とを用いて、暗号化キーを取得する。
【0025】
記録ボタン180は、イベント検出部140がイベントを検出しなかった場合にも画像データをメモリカード30に記録したい場合など、運転者によって押下されたときに、イベントを検出したときと同様の処理を行う。例えば、イベント検出部140が検出した加速度が所定の閾値を超えなかった場合にも、運転者によって記録ボタン180が押下されることによって、記録ボタン180が押下された時刻の前後の所定時間のデータを抽出し、このデータをメモリカード30に記録するように構成することができる。
【0026】
カメラ12とカメラインタフェース120との接続には、例えばUSB(Serial Universal Bus)等のインターファースを用いる。なお、本実施形態ではドライブレコーダ10にカメラ12が一つ接続される構成を例として示したが、複数のカメラ12をカメラインタフェース120に接続して、各々のカメラを車両11の任意の位置に設置してもよい。例えば一つカメラ12を車両の前方を撮影するように設置し、他のカメラ12を車両の後方、車室内の運転者付近を撮影するように設置してもよい。
【0027】
図3は、本発明の実施形態のパーソナルコンピュータ(PC)20の機能ブロック図である。
【0028】
PC20は、メモリカードインタフェース21に挿入されたメモリカードに記録されている画像データを取得し、画像データを暗号化した暗号化鍵と同一の復号化鍵を取得して画像データを復号化し、復号化された画像データを再生する画像再生装置である。
【0029】
PC20は、外部インタフェース270を備える。外部インタフェース270は、データの書き込み及び読み出しを行うメモリカードインタフェース21と、画像データ等を表示可能な液晶ディスプレイ等からなる表示部22と、ユーザからの指示が入力可能なキーボード及びマウス等からなる入力部23と、が接続される。
【0030】
PC20は、入力部23を用いてドライブレコーダ10の設定を行う車両情報設定部230と、メモリカード30に記録された画像データ、走行データ等を取得するデータ取得部240と、暗号化された画像データ、走行データを、暗号化キーと同一の復号化キーを用いて復号化する復号化部250とを備える。
【0031】
制御部210はこれら各部を統括的に制御する。記録部220は、ROM、RAM等のメモリ及び、ハードディスク等から構成され、制御部210によって制御される各部が用いるデータ等を記録する。
【0032】
なお、PC20は、記録部220に記録されたソフトウェアを制御部210が読み込み、これを実行することによって、車両情報設定部230、データ取得部240及び復号化部250が構成される。
【0033】
また、外部インタフェース270とメモリカードインタフェース21又は入力部23との接続には、例えばUSB等が用いられる。また、外部インタフェース270と表示部22との接続には、例えばDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)等のインタフェースが用いられる。
【0034】
次に、以上のように構成されたドライブレコーダシステム1の動作を説明する。
【0035】
図4は、本発明の実施形態のドライブレコーダシステム1の動作を示すシーケンス図である。
【0036】
まず、ユーザがメモリカード30をPC20のメモリカードインタフェース21に挿入して(S100)、車両情報の設定を行う。
【0037】
PC20において、車両情報設定部230は、表示部22にGUIを表示して、ユーザ(管理者)からユーザID等の入力を受け付ける(S101)。車両情報設定部230は、入力されたユーザIDを、メモリカード30に書き込む(S102)。メモリカード30は、書き込まれたユーザIDを記録する(S103)。
【0038】
車両情報設定部230によって設定されるユーザIDは、ドライブレコーダ10を搭載する車両11を個別に設定されるIDナンバーである。例えば、車両11に固有の車両ナンバーをユーザIDとして登録してもよいし、車両11を運転する運転者に個別に設定された情報をIDナンバーに付加してもよい。
【0039】
ユーザは、メモリカード30をPC20から取り外して、ドライブレコーダ10のメモリカードインタフェース170に挿入する(S104)。
【0040】
ドライブレコーダ10において、制御部100は、メモリカードインタフェース170にメモリカード30が挿入されたことを検出すると、メモリカード30に記録されているユーザIDを取得して、記録部110に記録する(S105)。
【0041】
制御部100は、メモリカードインタフェース170にメモリカード30が挿入されている状態で車両11の運転を開始したことを検出すると、画像データ及び走行データを記録部110のバッファに記録を開始する(S106)。なお、制御部100は、車両インタフェース130から取得する車速が、例えば0[km/h]を超えた場合に、車両11の運転を開始したことを検出する。
【0042】
また、記録部110のバッファはFIFOとして構成されており、記録されるデータがバッファ容量の上限に達した場合は、記録時間の古いデータから破棄する。
【0043】
車両11の運転中に、イベント検出部140がイベントを検出した場合は(S107)、制御部100は、記録部110に記録されている画像データ及び走行データから、イベントが検出された時刻の前後の所定時間(例えば、前後15秒間)のデータを抽出して、抽出したデータをファイルとしてメモリカード30に書き込む処理を実行する。
【0044】
なお、イベント検出部140は、例えば、前後G又は横Gが0.8G以上となった場合に、イベントが発生したことを検出する。イベントが検出されない場合は、画像データ及び走行データの記録を継続する(S107)。
【0045】
イベントが発生したことが検出された場合は、制御部100は、イベントが検出された時刻の前後の所定時間のデータを抽出し、抽出したデータにファイル名を付与する。ファイル名は、例えば日時(日、時、分、秒)やGPSの緯度経度情報など、メモリカード30の中で一意となる文字列を設定する。
【0046】
次に、暗号化キー取得部150は、ユーザIDと設定されたファイル名とから、暗号キーを取得する。暗号化キー取得部150は、ユーザID及びファイル名に含まれる文字列から一意の数値を生成し、これを暗号化キーとして生成する。暗号化部160は、生成された暗号化キーを用いて、ファイルの一部を暗号化する(S108)。
【0047】
次に、制御部100は、暗号化部160によって暗号化されたデータを、メモリカードインタフェース170を介して、ファイルとしてメモリカード30に書き込む(S109)。メモリカード30は、書き込まれたファイルを記録する(S110)。
【0048】
車両の運転が終了した後に、ユーザは、メモリカード30をドライブレコーダ10から取り外して、PC20のメモリカードインタフェース21に挿入する(S111)。
【0049】
PC20において、制御部210は、メモリカードインタフェース21にメモリカード30が挿入されたことを検出すると、メモリカード30に記録されているユーザIDとファイル名とを取得する(S112)。
【0050】
次に、復号化部250は、取得したユーザID及びファイル名から復号化キーを取得し、取得した復号化キーを用いてファイルを復号化する(S113)。復号化部250は、前述の暗号化キー取得部150と同様の処理により、ファイル名とユーザIDとから暗号化鍵と同一の復号化キーを取得して、この復号化キーによって暗号化されたファイルを復号化する。
【0051】
そして、制御部210は、ユーザからの画像データ再生の要求に基づいて、メモリカード30に記録されたファイルを順次複合化して、画像データを再生する(S114)。
【0052】
次にファイルの暗号化について説明する。
【0053】
図5は、ドライブレコーダがメモリカード30に記録するファイルの構造を示す説明図である。
【0054】
ファイルは、主に走行データを記録する走行データ部50と、画像データを記録する画像データ部60とから構成される。画像データ部60は、複数のJPEG画像データ61が時系列順に連続して記録され、一連のJPEG画像データによって動画として再生可能なデータを構成する。
【0055】
走行データ部50は、ファイル名を示すファイル名フィールド52と、走行データ部50のファイルサイズを示すファイルサイズフィールド53と、ドライブレコーダ10によって取得された走行データが記録されるデータ部54とからなる。
【0056】
画像データ部61は、ファイル名を示すファイル名フィールド62と、画像データ部61のファイルサイズを示すファイルサイズフィールド63と、JPEGデータであることを示す情報が格納されるJPEGデータヘッダ部64と、ドライブレコーダ10によって取得された画像データであるJPEG画像のデータが記録されるJPEGデータ部65とからなる。
【0057】
このように生成されるファイル構造のうち、暗号化部160は、走行データ部50の全て、画像データ部61のファイル名フィールド62、ファイルサイズフィールド63及びJPEGデータヘッダ部64を暗号化する。
【0058】
暗号化部160は、これら走行データ部50、ファイル名フィールド62、ファイルサイズフィールド63及びJPEGデータヘッダ部64について、それぞれ16進数表記したときの各バイトを暗号化キーによってシフトした文字列に変換することによって暗号化を行う。暗号化キーは後述するように0〜255の数値となっており、これらのデータを構成する各バイトをそれぞれ暗号化キーによってシフトすることによって、ファイルが、第三者によって解読することが極めて困難なデータとなる。
【0059】
さらに、暗号化部160は、JPEGデータ部65の先頭から所定のバイト数のみ暗号化を行う。具体的には、JPEGデータ部65の先頭から、0〜255の暗号化キーに対応するバイト数(1〜256)までを、暗号化キーによってシフトした文字列に変換する。
【0060】
このようにして、暗号化部160は、走行データ部50と、ファイルに含まれる全ての画像データ61について、その先頭部分の暗号化を行う。
【0061】
この処理によって、JPEGデータであることを示すJPEGデータヘッダ部64とJPEGデータ部65との境界が、第三者によって取得することが極めて困難となる。さらに、不定長のファイル形式であるJPEGデータのファイルサイズを示す情報であるファイルサイズフィールド63も暗号化されているため、第三者は、ファイルからJPEGデータを解読して取得することが極めて困難となる。
【0062】
図6は、本発明の実施形態の暗号化キーを取得するために用いる暗号化テーブルの一例である。
【0063】
暗号化キー取得部150は、まず、設定されたファイル名及びユーザIDから、0〜255の一意の値を設定する。この値の設定には例えばハッシュ関数を用いた公知の手法によって行われる。そして、設定された一意の値から、図6に示すようなテーブルを用いて0〜255の一意の値を設定する。
【0064】
例えば、このテーブルの先頭から設定した一意の値の値だけシフトした位置の数値を抽出し、この値を暗号化キーとして取得する。
【0065】
このように、ファイル名及びユーザIDから設定した一意の値ではなく、予め設定したテーブルによって暗号化キーを取得するので、暗号化キーが解読されにくい。
【0066】
以上のように、本発明の実施形態では、走行中の車両11に備えられたカメラ12により画像データを取得し、イベント検出部140によって衝撃などのイベントが検出されたときに画像データをメモリカード30に記録するドライブレコーダにおいて、画像データの読み取り、改ざんを防止するため、記録するファイルを暗号化部160によって暗号化を施すように構成した。
【0067】
従来、画像データはファイルサイズが大きいため、画像データを暗号化する処理のために多くの時間が必要となるという問題や、暗号化を高速に行うためのハードウェアの追加することによるコストの増加という問題があった。
【0068】
これに対して本発明の実施形態では、画像データの全てを暗号化するのではなく、画像データの一部のみを暗号化するように構成した。
【0069】
このように構成することによって、画像データの暗号化処理に要する時間を短縮でき、暗号化処理に必要な処理能力を必要最小限に抑えることができるため、ドライブレコーダ10の製造コストを上昇することなく、画像データの改ざんを防止することができる。
【0070】
特に、画像データがJPEG画像を含むデータである場合は、JPEGデータのヘッダ情報と、ヘッダ情報と画像情報部分の境界を含んで暗号化をおこない、さらに、暗号化キーによる不定長の領域を暗号化するので、ファイルに含まれる画像データの領域やサイズが第三者に取得されることが困難となり、画像データの改ざんを防止することができる。
【0071】
なお、以上説明した本実施形態では、画像データのファイル形式の一例としてJPEGファイルに記録される例を示したが、他の画像形式でも同様に適用することができる。
【0072】
例えば、画像データをMPEGファイル形式として記録し、MPEGファイルに含まれるヘッダ情報やI−Pictureの境界部分を含んで不定長の暗号化を行うことによって、同様にファイルに含まれる画像データの領域やサイズが第三者に取得されることが困難となり、画像データの改ざんを防止することができる。
【0073】
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0074】
1 ドライブレコーダシステム
10 ドライブレコーダ
11 車両
12 カメラ
20 パーソナルコンピュータ(PC)
30 メモリカード
100 制御部
150 暗号化キー取得部
160 暗号化部
250 復号化部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両走行時の画像情報を取得する画像情報取得手段と、前記車両に発生した衝撃を検出する衝撃検出手段と、前記衝撃検出手段が衝撃を検出したときに前記画像情報取得手段が取得した画像情報を記録手段に記録する画像情報記録手段と、を備えるドライブレコーダであって、
前記画像情報記録手段は、前記画像情報を前記記録手段に記録するときに、前記画像情報の一部のみを暗号化する暗号化手段を備えることを特徴とするドライブレコーダ。
【請求項2】
前記暗号化手段は、前記衝撃検出手段が衝撃を検出した日時及び場所の少なくとも一つに基づいて設定された暗号化鍵に基づいて、前記画像情報の所定のサイズのみを暗号化することを特徴とする請求項1に記載のドライブレコーダ。
【請求項3】
前記暗号化手段は、前記画像情報を、前記設定された暗号化鍵に基づいて不定長に設定される所定のサイズのみを暗号化することを特徴とする請求項2に記載のドライブレコーダ。
【請求項4】
前記画像情報はJPEG画像を含んでおり、前記暗号化手段は、前記JPEG画像と、前記JPEG画像のヘッダ情報との境界を含んで暗号化することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のドライブレコーダ。
【請求項5】
前記画像情報はMPEG動画を含んでおり、前記暗号化手段は、前記MPEG動画と、前記MPEG動画のヘッダ部分との境界部分を含んで暗号化することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のドライブレコーダ。
【請求項6】
車両走行時の画像情報を取得する画像情報取得手段と、前記車両に発生した衝撃を検出する衝撃検出手段と、前記衝撃検出手段が衝撃を検出したときに前記画像情報取得手段が取得した画像情報を記録手段に記録する画像情報記録手段と、前記画像情報記録手段は、前記画像情報を前記記録手段に記録するときに、前記画像情報の一部のみを暗号化する暗号化手段と、を備えるドライブレコーダと、
前記記録手段に記録された画像情報を復号化する復号化手段と、前記復号化手段によって復号化された画像情報を再生する画像再生装置と、
を備えることを特徴とするドライブレコーダシステム。
【請求項7】
前記暗号化手段は、前記衝撃検出手段が衝撃を検出した日時及び場所の少なくとも一つに基づいて設定された暗号化鍵に基づいて、前記画像情報の所定のサイズのみを暗号化し、
前記復号化手段は、前記記録手段に記録された画像情報に含まれる情報に基づいて設定された復号化鍵に基づいて、前記画像情報を復号化することを特徴とする請求項6に記載のドライブレコーダシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−159979(P2012−159979A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18678(P2011−18678)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】