説明

ドラフトローラ用カバー

本発明は、紡糸機のドラフトローラ用のカバーであって、外層と内層から構成されているカバーに関する。外層(1)は内層(2)より硬くかつ薄い厚さを有しており、ドラフトローラが加圧ローラとして溝付の鋼のシリンダー(5)に対して押し付けられる。外層(1)が内層(2)を緩く囲んでおり、そのため外層(1)が内層(2)に対して移動することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装備されている加圧ロール用のカバーが外層と内層から構成されておりかつ外層が内層より薄い層厚を有している紡糸機用ローラドラフト装置、および、このような紡糸機用ドラフト装置の加圧ローラに用いられる層厚の薄い外層が層厚の厚い内層に対して移動可能なように外層が内層を緩く囲んでいるカバーとして使用するためのベルトまたは外被に関する。
【背景技術】
【0002】
ドラフト装置においてファイバー束をドラフトする場合、ローラ対のクランプ性能がドラフト力のファイバー束への移動における重要な作用を果たす。そのため、ドラフト装置のローラ対は、下部シリンダーといわれる溝付の鋼のシリンダーと、上部ローラといわれる加圧ローラとから構成されており、加圧ローラが所定の負荷によって鋼のシリンダー上に押しつけられている。原則として、この加圧ローラは弾性体のカバーを含んでおり、この弾性カバーのためクランプ線がファイバー上に認められることがなく、またこの弾性カバーの変形によってクランプ面が形成され、この面によりファイバーが極めて良好に把持される。すなわち、ファイバーを損傷することなく、良好なクランプ作用がファイバー構造体上に働く。カバーが柔軟であるほどクランプ面が広くなるため、経験上、柔軟なローラカバーが良好なドラフト結果をもたらすことがわかっている。しかしながら、柔軟なローラカバーは極めて急速に磨耗し、特にファイバーが通過する領域に溝が形成されてしまうという問題を有している。このいわゆる“目減り”は、カバーの表面全体を研削することによって回避できる。しかしながらこの研削によりドラフト装置のローラの形状が変化し、それとともにカバーの性質も変化する。カバーの特性が変化すると、ドラフト条件に対して、従って紡績糸の特性値に対しても、悪影響が現われる。さらに、ローラカバーの再研削の費用は極めて高額である。
【0003】
従って、複数層のローラカバーによりこの問題点に対抗する試みがなされてきた。DE1815739U号公報は、ローラの弾性ジャケットが少なくとも2層に細分化されている加圧ローラを開示しており、これらの層のうちの外層が薄いホースから構成される弾性体の外被として設計されており、加圧ローラの弾性ジャケット上にこのホースを引っ張って被せることができる。外層をホースとして設計すると、弾性ジャケットの上にカバーを引っ張って被せやすく、この外層の外周面が磨耗した場合には、容易に弾性ジャケットから取り外すことができる。この弾性ホースは、ゴムとゴムとの間の固有の摩擦によって固定されている。この公知の設計により、弾性を示す外層を容易に交換することができるものの、急速な磨耗と目減りの問題は解決されなかった。
【0004】
DE1685634A1号公報は、紡糸機のドラフト装置のローラに用いられる2層の積層された円筒状の層で構成されたカバーを開示しており、このカバーの外層は内層より硬くかつ層厚が薄い。この2層は互いに接着されている。その結果、屈曲部の形成および静電気の発生を回避するために、全く異なる材料を互いに組み合わせることができる。しかしながら、この形態では良好なドラフト能力および磨耗性の問題を満足のいく程度に解決できないことがわかった。その上、接着の結果として、外層の交換の費用が高額である。
【0005】
【特許文献1】DE1815739U号公報
【特許文献2】DE1685634A1号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、上述の問題点を回避し、走行層の磨耗耐久性が高くかつ弾性が長持ちするローラカバーであって、従って長期間最適なドラフト条件を確保できるローラカバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題は、請求項1に示す、装備されている加圧ロール用のカバーが外層と内層から構成されており、外層が内層より薄い層厚を有している、紡糸機用のローラドラフト装置であって、カバーの外層が内層に対して移動することができるように外層が内層を緩く囲んでいることを特徴とする装置によって解決される。意外にも、薄い外層と厚い内層を備えた複数層のカバーにおいて、2層が相対的に移動することができる点が重要であることがわかった。従って、柔軟なカバーの圧延運動とそれによって引き起こされる張力が薄い外層の内面にのみ移動し、ファイバーおよび溝付のシリンダーには移動しない。磨耗が事実上もはや起こらず、特に溝が形成されない(目減りが起こらない)ため、外層の寿命が3倍以上に延長される。
【0008】
好適には、外層の外面は、ファイバー接触層として、良好なファイバークランプの要請に適合させ、内面は、走行層として、できるだけ円滑に加圧ローラの低摩擦での走行が起こるようにする。この点は、例えば外層におけるファイバー接触層と走行層用の材料組成を適当に選択するという簡単な方法によって達成される。この外層は、加圧ローラの内層の外被として、またはエンドレスベルトとして設計できる。尤も、外層は柔軟な内層の変形に順応するように柔軟でなければならない。外層をファイバー構造体の移動方向、すなわち、ローラの軸に垂直な方向に対してできるだけ非弾性的に設計するのが、すなわちできるだけ低い伸びを示すように設計するのが極めて好ましいことがわかっている。磨耗を引き起こしかつドラフト性に悪影響を及ぼすクランプ面の張力はこの方法により除去される。一方、外層は、ローラの軸の方向においては、ファイバー構造体によるしわに順応しうる。このようにして優れたクランプ性が達成される。加圧ローラの軸に垂直な方向への外層の伸びの望ましい低減は、紡績糸のインサートによって、ローラの軸の方向への伸びをなんら制限することなく極めて良好に達成される。外層と内層の間の相対的な移動は、外層の走行層面をできるだけ平滑にすることによって好ましく達成され、その結果、張力が一層良好な方法で抑えられる。
【0009】
高速のファイバー排出速度の場合には、ベルトとして設計された外層を使用し、偏向レールを用いてこのベルトを走行させるのが好ましい。さらに、この偏向レールは、さらに信頼性が高い案内を確保するために、側方リムを有することもできる。また、高速のファイバー排出速度では、問題のないファイバー移動を確保するために、ベルトがファイバー構造体の面に対して30°より大きな角度で加圧ローラから離れるようにするのが特に好ましいことがわかっている。ベルトは複数層から構成されているのが好ましく、内側が平滑な走行層として、外側がファイバー接触層として設計されているのが好ましい。2層の間に紡績糸のインサートを設け、このインサートにより、ベルトの移動方向と垂直な方向における望ましいベルトの伸びにはなんら悪影響を及ぼさないようにしながら、ベルトの移動方向への伸びを回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を図面を使用して詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明のドラフト装置の2層のローラカバーの縦断面図であり、図2は、図1に示す装置の断面図である。図3は、ベルトとして設計された外層を示す図である。図4、5は、ローラの軸に垂直な方向に補強するためのインサートを備えた外層の設計を概略的に示す図である。図6は、偏向レールによるベルトの案内を示す断面図であり、図7は図6の平面図である。
【0012】
図1、2において、加圧ローラ3は、ドラフト装置のシリンダー5上に配置されており、加圧ローラ3に慣用的な方法で常に接続されているカバー2を備えている。ドラフト装置のシリンダー5と加圧ローラ3とは、高速で走行するとともにファイバーを排出する作用を果たすドラフト装置の出口のローラ対を形成する。内層としての加圧ローラ3の被覆2の上には、外層としての別の被覆1が備えられている。この外層は、図示した形態では、薄層の外被1から構成されており、この外被1は、外被1の移動方向に対しては内層2の材料に比較して事実上伸びないで移動する柔軟な材料で構成されている。この外被1は加圧ローラ3の内層2上を緩く滑るため、内層と外層の間の無負荷の領域には空間6が形成されうる。外被1が加圧ローラ3の内層2に対して移動することができるということは、本質的な点である。一方、内層2は、通常どおり加圧ローラ3上に引っ張られて堅固に被せられている。加圧ローラ3の負荷により、柔軟な内層2がドラフト装置のシリンダー5上に押し付けられ、変形する。従って、ドラフト装置のシリンダー5との間に直線的な接触が起こらず、むしろ平面的な支持が発生する。外層1は薄くかつ柔軟であるため、実質上それ自身が圧縮されずに内層2の変形に順応する。従って、内層と対比すると、外層の場合には明らかな加圧作用を示さない。内層2の変形によってもたらされるクランプ面は外層1によって伝達され、ドラフトに供されたファイバー構造体Fがローラ対3、5間を通過する際にこのクランプ面によってクランプされる。
【0013】
従来の加圧ローラのカバーの場合は、クランプ面は柔軟な弾性カバーで形成され、この弾性カバーの表面が良好なクランプ作用を果たしている。しかしながら、カバーの加圧作用によってクランプ面の領域に張力が発生し、この張力がドラフトの間にファイバー構造体に悪影響を及ぼすと共に公知のようにカバーの深刻な磨耗を引き起こす。しかしながら、加圧ローラ3の柔軟な弾性カバー2の変形に柔軟に順応するもののその薄い層厚と変形性のために加圧作用を全く示さないかまたは極めてわずかにしか示さない本発明の外層1の配置により、意外にも、外層1が極めて大きな安定性を示すとともに、柔軟な内層2が通常認められる磨耗および目減りの現象を示さないという結果が得られる。広範な試験において、外層1は従来のカバーの耐用時間の3倍に至っても依然として何ら問題なく走行し、交換する必要がないことがわかった。ドラフト値も、従来の新しいカバーに比較して改善可能でさえあった。この意外な結果は、加圧ローラ3の柔軟で弾性を示す内層2の加圧作用によって引き起こされる張力がクランプされたファイバー構造体に影響し得ないという事実のためであると考えられる。これらの張力は柔軟な内層2と外層1の平坦な走行層102との間で生じうる相対的な移動によって低減される。ファイバーとドラフト装置のシリンダー5の間には、またファイバーと外層1との間には、相対的な移動が生じないため、静止摩擦の領域でクランプが行われる。従って、滑りによって引き起こされる磨耗が生じ得ない。
【0014】
図1、2に示した実施形態では、外層1が円筒状の外被1として設計されている。しかしながら、外層1はかなり長いエンドレスベルトとして設計することもできる。この円筒状の外被1およびベルト10または100は、磨耗した場合に、またはファイバー構造体Fが通過する領域に溝が形成された場合に、容易に交換することができる。図3は、柔軟な弾性体の内層2を備えた加圧ローラ3を囲んでおりかつ偏向レール4に案内されているエンドレスベルト10を示している。かなり長いエンドレスベルト10または100としての構成および偏向レール4による案内は、装置が高速のファイバー排出速度で操作されている場合に、特に好適であることがわかっている。
【0015】
特別なドラフトの場合には、ファイバー排出ローラ対を形成するドラフト装置3、5が主ドラフト域の前に配置されておりかつ通常はファイバー案内ベルトにより囲まれているローラ対に比較して約20〜30倍速く走行することを考慮に入れなければならない。これらの公知のファイバー案内ベルトは、出口のロール対3、5の外層1として使用するのに適していないことがわかった。これらのベルトは特性において不十分である。例えば、外層1またはベルト10または100がファイバー構造体Fの移動方向、すなわちローラ軸31に対して垂直な方向、に対してできるだけ非弾性的であり、そのため伸びることができない点が重要であることがわかった。
【0016】
もちろん、物理的な意味で伸びを完全に排除することはできないが、できるだけ少ないのが望ましい。このことは、紡績糸のインサート103によって簡単に達成される。その上、公知のベルトの場合はドラフトの間にファイバーが滑りやすいが、この滑りは出口のローラ対にとっては望ましくない。
【0017】
図4は、外層1、10または100の設計の断面図を示しているが、この図により望ましい性質がさらに理解される。外被1または長く伸びたエンドレスベルト10または100として設計された外層1は、複数の層、すなわち、ファイバー接触層101と走行層102から構成されるのが好ましい。紡績糸のインサート103は両層101、102の間に縦方向の伸びを回避するために配置されており、この紡績糸のインサートはファイバー接触層101および走行層102の両方に堅固に接続されている。ファイバー接触層101は、ファイバー構造体Fと接触する面およびその材料において、ドラフトの間の把持力の要請に応ずることができるように設計される。この点は、ファイバー接触層101に対して例えば加圧ローラのカバーに使用されている材料と同様の材料を使用することにより達成される。他方、走行層102は、内層2の周囲を外層1、10、100が相対的に移動可能なように、滑りやすい平滑な面を備えている。主ドラフト域における通常のファイバー案内ベルトのための材料のような滑りやすい材料が、走行層102に対して好ましく使用される。
【0018】
紡績糸のインサート103がベルト100から移動方向に対する弾性を失わせるため、伸びが事実上起こらない。しかしながら、移動方向に垂直な方向、すなわち、加圧ローラの軸31の方向、に対する伸びは残っている。ベルトはドラフトされたファイバー構造体Fによるしわに順応することができるため、良好なクランプが常に達成される。外層がこのように複数層から構成されていても、外層は、ファイバー構造体Fおよび内層2の変形に順応するための良好な柔軟性を示すように、当然厚すぎてはならない。安定性およびドラフト結果を考慮すると、全体の厚みが0.8〜1.0mmであるのが特に好ましいことがわかっている。走行時間が数年に及んでもなお、溝の形成(目減りの発生)は認められなかった。
【0019】
走行層102とファイバー接触層101における望ましい特性は、表面の適当な物理的形状によっても達成することができる。しかしながら、走行層102およびファイバー接触層101は、所望のすべり特性および要求される把持力を有する別々の材料で構成されるのが好ましい。DIN53375に従って測定すると、例えばファイバー接触層101用の上述の材料は、走行層102を主ドラフト域におけるファイバー案内ベルトに使用されるのと同様の材料で構成した場合に、走行層102の摩擦力の少なくとも2倍の高い摩擦力を有することがわかった。従って、走行層102は良好な滑り特性を示し、一方ファイバー接触層101は優れたファイバークランプ性能を達成する。
【0020】
図4、5に示すようなエンドレスベルトの製造は、例えば、ベルトの長さに対応する円周を有する管状体上に第1の内部層として走行層102を設け、その上に紡績糸のインサート103を形成する紡績糸を巻きつける。次いで、この紡績糸のインサート103をファイバー接触層101で覆う。
【0021】
図6、7に示す形態では、ベルト100が変更レール4を通過して走行している。ベルト100を円滑に走行させることができるように、変更レール4を丸くするだけでなくさらに低摩擦の被覆を施す。案内リム41を備えたケージ42がこの変更レール4に付属されている。変更レール4とドラフト装置のローラ3との間の空間は、このケージ42とその案内リム41によって囲まれているため、この空間に綿毛が集積するのが回避される。ベルト100は、ファイバー構造体Fの面に対して所定の角度αで、ドラフト装置のローラ3から離れて走行する。このことにより、ファイバー構造体Fが出口領域で乱れて流れたり飛び回ったりするのが回避される。ケージ42は圧力スプリング43を介した保持レール44に支持されているため、変更レール4がベルト100に張力を及ぼす。側方リム41は、ベルト100の側面を案内する役割を果たす。この形態でも容易かつ迅速にベルト100を交換することができる。変更レール4を押し戻すことによってベルト100の緊張を解き、側方リム41上にベルト100を容易に持ち上げることができる。これらの側方リム41はまた、加圧ローラ3と変更レール4の間の空間を包囲するだけでなく、ベルト100の側面を案内する役割も果たす。加圧ローラ3の外層1がファイバー構造体Fに対して非対称的に配置されている場合には、ベルト100の再設置に当たって、外層1をその左側が右側に来るように向きを変えて配置することにより、ファイバー構造体Fが外層の未使用面上を走行するようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のドラフト装置の2層のローラカバーの縦断面図である。
【図2】図1の装置の断面図である。
【図3】ベルトとして設計された外層を示す図である。
【図4】ローラの軸に垂直な方向に補強するためのインサートを備えた外層の設計を概略的に示すである。
【図5】ローラの軸に垂直な方向に補強するためのインサートを備えた外層の設計を概略的に示す図である。
【図6】偏向レールによるベルトの案内を示す断面図である。
【図7】図の6の平面図である。
【符号の説明】
【0023】
1 外層
2 内層
3 加圧ローラ
4 偏向レール
5 シリンダー
10、100 エンドレスベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドラフト域の出口に装備されている加圧ロール用のカバーが外層と加圧ローラのコアに固定されている内層とから構成されており、外層が内層より硬くかつ薄い層厚を有している、紡糸機用のローラドラフト装置であって、
カバーの外層(1、10、100)が内層(2)に対して移動することができるように、外層(1、10、100)が内層(2)を緩く囲んでいることを特徴とする装置。
【請求項2】
外層が外被(1)として設計されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
外層がエンドレスベルト(10、100)として設計されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
外層(1、10、100)の内層(2)に対向する面が低い摩擦を示すように設計されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
外層(1、10、100)が加圧ローラ(3)の軸(31)に垂直な方向に低い伸びを示すように設計されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
外層(1、10、100)が加圧ローラ(3)の軸(31)に垂直な方向に延びている紡績糸のインサート(103)を含んでいることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
外層(1、10、100)が複数の層(101、102、103)を含んでいることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
外層(1、10、100)が、加圧ローラ(3)の内層(2)に対向する走行層(102)と、ファイバー構造体(F)に対向するファイバー接触層(102)とを含んでいることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
紡績糸のインサート(103)が走行層(102)とファイバー接触層(101)の間に配置されていることを特徴とする、請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
走行層(102)が滑りやすい平滑面を有していることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
走行層(102)が滑りやすい材料から構成されており、ファイバー接触層(101)が高い摩擦力を示す材料から構成されていることを特徴とする、請求項7〜10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
偏向レール(4)がベルト(10、100)を案内するために設けられていることを特徴とする、請求項7〜11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
偏向レール(4)のベルト(10、100)と接触する面が丸くなっておりかつ低い摩擦を示すように設計されていることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
偏向レール(4)がベルト(10、100)に張力を及ぼすように弾性的に設置されていることを特徴とする、請求項12または13に記載の装置。
【請求項15】
偏向レール(4)がベルト(10、100)の側面を案内するための側方リム(41)を有していることを特徴とする、請求項12〜14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
ベルト(10、100)が加圧ロール(3)から離れるときにファイバー構造体(F)の面から離れて案内されることを特徴とする、請求項4〜15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
ベルト(10、100)が好ましくはファイバー構造体(F)の面に対して30°より大きい角度(α)で離れることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
ベルト(10、100)によって囲まれておりかつ偏向レール(4)と加圧ロール(3)の間に存在する空間の側面が包囲されていることを特徴とする、請求項7〜17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
外層(1、10、100)がファイバー構造体に対して非対象的に配置されていることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
紡糸機用ドラフト装置の加圧ローラに用いられる、外層と内層から構成され、外層(1、10、100)が内層(2)より薄い層厚を有し、かつ外層(1、10、100)が内層(2)に対して移動することができるように内層(2)を緩く囲んでいるカバーとして使用するためのエンドレスベルトまたは外被であって、
エンドレスベルト(1、10、100)が移動方向に低い伸びを示すように設計されていることを特徴とするエンドレスベルト。
【請求項21】
ベルト(1、10、100)がベルトの移動方向に延びている紡績糸のインサート(103)を含んでいることを特徴とする、請求項20に記載のベルト。
【請求項22】
ベルト(1、10、100)の内面が低い摩擦を示すことを特徴とする、請求項20または21に記載のベルト。
【請求項23】
ベルト(1、10、100)が複数の層(101、102、103)から構成されていることを特徴とする、請求項20〜22のいずれか1項に記載のベルト。
【請求項24】
ベルト(1、10、100)の内面が走行層(102)として設計されており、かつ、ベルト(1、10、100)の外面がファイバー接触層(102)として設計されていることを特徴とする、請求項23に記載のベルト。
【請求項25】
紡績糸のインサート(103)が走行層(102)とファイバー接触層(101)の間に配置されていることを特徴とする、請求項23または24に記載のベルト。
【請求項26】
走行層(102)が滑りやすい平滑面を有していることを特徴とする、請求項23〜25のいずれか1項に記載のベルト。
【請求項27】
走行層(102)が滑りやすい材料から構成されていることを特徴とする、請求項26に記載のベルト。
【請求項28】
ベルト(1、10、100)が、高い摩擦値を有する材料から構成されているファイバー接触層(101)を含むことを特徴とする、請求項23〜27のいずれか1項に記載のベルト。
【請求項29】
走行層(102)の材料がファイバー接触層(101)の摩擦値の約半分の値の摩擦値を有することを特徴とする、請求項28に記載のベルト。
【請求項30】
第1の内側の層(102)を管状体上に設け、紡績糸(103)をこの層(102)の上に巻きつけ、さらに紡績糸を他の層(101)で覆うことを特徴とする、請求項21に記載のベルトの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−510816(P2006−510816A)
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−561323(P2004−561323)
【出願日】平成15年12月17日(2003.12.17)
【国際出願番号】PCT/EP2003/014369
【国際公開番号】WO2004/057072
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(500170870)ドイチェ、インスティトゥーテ、フュール、テクスティル−、 ウント、ファーザーフォルシュング、シュトゥトガルト−シュティフトゥング、デス、エフェントリッヒェン、レヒツ (2)
【Fターム(参考)】