説明

ドラム式洗濯機およびそのプログラム

【課題】衣類を構成する素材に対応して省エネルギー性に優れた洗い運転ができる洗濯機を提供すること。
【解決手段】洗浄水が洗濯物へ吸水される速度により洗濯物の布質を検知する布質検知手段11bと、布質検知手段11bの出力を入力し、洗い、すすぎ、脱水の各工程を逐次制御する制御手段11aを備え、制御手段11aは、駆動手段6を駆動させて、洗濯物から遠心力で洗浄水を排出する遠心力洗浄工程において、布質検知手段11bで検知した布質に応じて洗濯槽4の回転数を変更する。これによって、布質に対応した遠心力洗浄工程を行い、省エネルギー性に優れた洗い運転を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性的に支持された水槽内に洗濯物を収容して回転可能な洗濯槽を備え、その洗濯槽内で洗濯物の洗い、すすぎ、脱水及び乾燥を行うドラム式洗濯機もしくはドラム式洗濯乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のドラム式の洗濯機においては、洗濯物を回転自在に設置された洗濯槽に投入した後、給水手段によって洗濯機外部より水道水が供給され、あらかじめ既定量の洗剤が投入されている洗剤入れを介して洗濯槽を収容する水槽または洗濯槽に注水される。注水後は、洗濯槽を低速で回転させながら、洗濯物が十分に洗浄水により濡らされる。その後、洗濯槽を一定時間、洗濯物が洗濯槽の内側壁面に張り付かない程度の低速で回転させる。これにより、タンブリング効果と呼ばれる、濡れた洗濯物が回転に伴って洗濯槽の上部より落下する際の衝撃によって汚れを落とし洗浄性能が上げられている。
【0003】
また、近年では上記したタンブリング効果による叩き洗いを一定時間行った後に、洗濯槽内に水をしたためたまま洗濯槽を高速で動作させ洗濯槽の内側に洗濯物を張りつけたまま遠心力の効果で洗浄する遠心力洗いを行い、タンブリングによる叩き洗いと交互に繰り返す洗い方が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1において、洗濯槽内に投入された洗濯物の量に対して適切な水が給水弁を通じて給水された後、モータを駆動させ、洗濯物がタンブリング可能な回転数で洗濯槽が回転する。ある程度タンブリングによる叩き洗いを終えると、洗濯槽内に水をしたためたまま洗濯槽を高速で動作させ洗濯槽の内側に洗濯物を張りつけたまま遠心力の効果で洗浄する遠心力洗い動作を開始する。具体的には、洗濯物が洗濯槽の内側に張りつく程度の回転数になるようモータを駆動させながら、排水口を開くことなく水槽3内部の洗浄水を、ポンプを動作させて吐出口からシャワーを洗濯物に当て、遠心力洗浄が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−127978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記従来の構成では、布質の検知がされておらず、洗濯物の多くが綿衣類である場合などには、洗濯物に遠心力がかかるため、衣類を押しつぶすほどの高めで洗濯槽が回転されると、綿衣類は洗濯槽内側壁面に押しつぶされる。これにより、遠心力洗浄を終えた後に再びタンブリング洗浄を行おうとしても洗濯槽内側壁面に張りついたままで、壁面から洗濯物を剥がし落とす動作を必要としたり、洗浄時間の長時間化及び長時間化による消費電力量の増加を招いたりと、省エネルギーの視点からも問題となっていた。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、洗濯槽内に投入された衣類を構成する繊維の吸水速度の違いを判定し、該結果に基づいて遠心力洗浄の回転設定を変化させることによって、衣類を構成する素材に対応して省エネルギー性に優れた洗い運転ができる洗濯機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明のドラム式洗濯機は、洗濯物を収容して水平または前
面側から背面側に向けて傾斜した回転軸を中心に回転自在で複数の透孔を有する洗濯槽と、前記洗濯槽を収容する水槽と、前記洗濯槽を駆動する駆動手段と、前記洗濯槽の外面と前記水槽の内面との間に形成される空間に給水する給水手段と、前記水槽内の水位を検知する水位検知手段と、前記水槽内に溜まった水が前記洗濯槽の内面側に入り込み、前記洗濯物へ吸水される速度により洗濯物の布質を検知する布質検知手段と、前記布質検知手段の出力を入力し、洗い工程を逐次制御する制御手段とを備え、前記洗い工程は、前記洗濯物から遠心力で洗浄水を排出する遠心力洗浄工程と、前記遠心力洗浄工程後に行われる前記洗濯槽内に前記洗濯物が張り付かない程度で回転させる撹拌工程とを有し、前記制御手段は、前記遠心力洗浄工程において、前記布質検知手段で検知した布質に応じて、前記洗濯槽の回転数を変化するようにしたものである。
【0009】
上記構成によれば、運転開始直後に洗濯物の重量を検知した後、洗い工程にて洗濯物の重量に応じた水量を注水し、さらにその注水過程において投入されている洗濯物が吸水性の高い素材で構成されているものが多いのか、吸水性の低い素材で構成されているものが多いのかが判定される。布質検知結果に応じて、遠心力洗浄工程時に、洗濯槽の設定回転数を変更することで、布質がどのようなものであっても、その特性に応じて、遠心力により洗濯槽内側壁面へ衣類が押しつけられる度合いを設定することができる。これにより、洗濯物が極端に洗濯槽内側壁面に張りついたままになることを防げる。よって、遠心力洗浄工程の後に行われる撹拌工程への切り替えを速やかに行うことができ、洗い工程の長時間化を防いで、省エネルギー性に優れた洗い運転を実現することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の洗濯機は、布質検知結果に応じて、遠心力洗浄工程時の洗濯槽の設定回転数を変更することで、洗い工程の長時間化を防ぎ、省エネルギー性に優れた洗い運転を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の概略構造を示す断面図
【図2】同ドラム式洗濯機の制御ユニット11の構成を示すブロック図
【図3】同ドラム式洗濯機の給水制御を示すフローチャート
【図4】同ドラム式洗濯機の給水初期時における洗濯物の布質種別による水位遷移図
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1の発明のドラム式洗濯機は、洗濯物を収容して水平または前面側から背面側に向けて傾斜した回転軸を中心に回転自在で複数の透孔を有する洗濯槽と、前記洗濯槽を収容する水槽と、前記洗濯槽を駆動する駆動手段と、前記洗濯槽の外面と前記水槽の内面との間に形成される空間に給水する給水手段と、前記水槽内の水位を検知する水位検知手段と、前記水槽内に溜まった水が前記洗濯槽の内面側に入り込み、前記洗濯物へ吸水される速度により洗濯物の布質を検知する布質検知手段と、前記布質検知手段の出力を入力し、洗い工程を逐次制御する制御手段とを備え、前記洗い工程は、前記洗濯物から遠心力で洗浄水を排出する遠心力洗浄工程と、前記遠心力洗浄工程後に行われる前記洗濯槽内に前記洗濯物が張り付かない程度で回転させる撹拌工程とを有し、前記制御手段は、前記遠心力洗浄工程において、前記布質検知手段で検知した布質に応じて、前記洗濯槽の回転数を変化するようにしたものである。
【0013】
このような構成によって、運転開始直後に洗濯物の重量を検知した後、洗い工程にて洗濯物の重量に応じた水量を注水し、さらにその注水過程において投入されている洗濯物が吸水性の高い素材で構成されているものが多いのか、吸水性の低い素材で構成されているものが多いのかを判定することができる。布質検知結果に応じて遠心力洗浄工程時の洗濯槽の設定回転数を変更することで、布質がどのようなものであっても、その特性に応じて
、遠心力によるドラム内側壁面へ衣類を押しつける度合いを加減することができる。これにより、洗濯物が極端に洗濯槽の内側壁面に張りついたままになることを防げる。よって、遠心力洗浄工程と撹拌工程の切り替えを速やかに行うことができる。このため、洗い工程の長時間化を防いで、省エネルギー性に優れた洗い運転を実現することができる。
【0014】
第2の発明は、第1の発明のドラム式洗濯機の前記布質検知手段は、前記洗濯物を構成する素材として吸水性の高い繊維と吸水性の低い繊維との割合を判断するものである。
【0015】
このような構成によって、布質検知手段によって、投入された洗濯物が「吸水性の高い素材で構成されている割合が大きい」、あるいは「吸水性の低い素材で構成されている割合が大きい」といった判断が適切に行うことができる。よって、遠心力洗浄工程時に、その布質特性に応じた洗濯槽の設定回転数を変更することで、遠心力による洗浄効果を最大にさせることが可能となる。さらに、質検知結果に応じて遠心力洗浄工程時の洗濯槽の設定回転数を変更することで、布質がどのようなものであっても、その特性に応じて、遠心力によるドラム内側壁面へ衣類を押しつける度合いを加減することができる。これにより、洗濯物が極端に洗濯槽の内側壁面に張りついたままになることを防げる。よって、遠心力洗浄工程と撹拌工程の切り替えを速やかに行うことができる。このため、洗い工程の長時間化を防いで、省エネルギー性に優れた洗い運転を実現することができる。
【0016】
第3の発明は、第1または第2の発明のドラム式洗濯機の前記制御手段は、前記布質検知手段により前記洗濯物が吸水性の高い繊維から構成される割合が大きいと検知した場合、前記割合が大きくなるほど、前記駆動手段の回転数を低くするようにしたものである。
【0017】
このような構成によって、布質検知手段によって、特に投入された洗濯物が「吸水性の高い素材で構成されている割合が大きい」と判断した場合は、遠心力洗浄の回転数を抑えることで、洗濯槽の内側壁面に洗濯物がきつく張りつくことを防止できる。よって、洗濯物を洗濯槽から剥がす動作が必要なく、遠心力洗浄工程後の撹拌工程に素早く移行できる。
【0018】
第4の発明は、第1〜3のいずれか1つの発明のドラム式洗濯機は、前記洗濯物に前記洗浄水を含水させる含水手段をさらに備え、前記遠心力洗浄工程において前記含水手段は、前記水槽の底部に溜まる前記洗浄水を吸引して前記洗濯槽内の洗濯物に再び吐出するものである。
【0019】
このような構成によって、循環水を効率よく洗濯物に供給し続けて洗濯物の含んでいる洗浄水および汚れ成分を、遠心力による脱水効果で排出しながら、同時に新たな洗浄水が供給されるので、遠心力による洗浄効果を最大限に得ることが可能となる。
【0020】
第5の発明は、第1〜4のいずれか1つの発明のドラム式洗濯機の前記洗濯物の布量を検知する布量検知手段をさらに備え、前記制御手段は、前記布量検知手段により検知した布量と前記布質検知手段により検知した布質とに応じて、前記遠心力洗浄工程における前記駆動手段の回転数を決定するようにしたものである。
【0021】
このような構成によって、布質に加えて布量に応じた遠心力洗浄の回転設定を行うため、更にきめ細やかな回転設定を行うことができる。これによって、洗濯槽の内側壁面にきつく張りつくことを防止できる。よって、遠心力洗浄工程後の撹拌工程に素早く移行することができる。
【0022】
第6の発明は、第1〜5の発明のドラム式洗濯機において、少なくとも一つをコンピュータに実行させるためのプログラムを備えたものである。
【0023】
このような構成によれば、プログラムであるのでマイコンなどを用いて本発明の洗濯機の一部あるいは全てを容易に実現することができる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布が容易にできる。
【0024】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図1〜図4を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の概略構造を示す断面図で、図1を用いて構成を以下に説明する。
【0025】
洗濯機本体1の内部には揺動自在に水槽3が収納され、水槽3内には洗濯槽である回転ドラム4が回転軸4aを中心に回転自在に配設されている。回転ドラム4の回転軸4aは水槽3の背面外側に取り付けたモータ6が直結されており、このモータ6により回転ドラム4が回転駆動される。
【0026】
回転ドラム4には、その周壁4c全体に渡って複数の透孔4eが設けられ、水槽3内と回転ドラム4内とは通水および通気ができるようになっている。回転ドラム4の背面壁4dには円周方向に沿った複数の背面開口4fが形成されており、これら背面開口4fは水槽3の背面側上部に形成された導風口9eに対向するように配置されている。また、回転ドラム4の周壁4c内面には複数の撹拌突起4bが設けられており、回転ドラム4の回転により回転ドラム4内の洗濯物を持ち上げるようにしている。なお、透孔4eは回転ドラム4の周壁全体に渡り設けたが、回転ドラム4の周壁に部分的に形成してもよく、要は、水槽3内と回転ドラム4内との通気性および通水性を確保でき、洗濯から乾燥に支障が出ないように設定すればよい。
【0027】
また、回転ドラム4の回転軸4aは、前面側から背面側に向かって下向きになるように傾斜しており、具体的には水平方向Xから例えば角度θ=20±10度下向き傾斜させて配置されている。このように回転軸4aを傾斜させることで、水槽3前面側の開口13を上側に配置することができるようになり、大きく屈む姿勢をとることなく水槽3の開口13を介して回転ドラム4内の洗濯物が取り出せるようになる。また、回転軸4aを水平方向とした場合に比べ、水槽3内に給水された水が背面側に溜まって少ない水量でも深い貯水状態が得られる、すなわち、少ない給水量でも水槽3内に溜まった水が回転ドラム4の透孔4eから入り込み、洗濯物を濡らし吸水速度を検知することができる。
【0028】
水槽3は回転ドラム4内の洗濯物に効率よく給水を行うために、回転ドラム4と同じ傾斜を持ってその近くに沿うように設けてある。回転ドラム4および水槽3を傾斜させることによって、水平に配置するよりも早くに洗濯物の外周側に水が接触し始めるので、布質検知を迅速に行うことができる。なお、吸水量を考慮しなければ、回転ドラム4は水平であってもよいし、傾斜角度θが10度未満であってもよい。
【0029】
また、洗濯機本体1の前面側には水槽3の開口13を通して回転ドラム4内に通じる開口部を設け、その開口部には開閉扉5が開閉自在に設けられている。水槽3の開口13はその口縁に環状のシール材14を装着し、シール材14の前面側が開閉扉5の背面側に当接して密閉し、上下左右、前後に揺動する水槽3の開口が動いてもシール材14が変形し開閉扉5背面側へ押圧する形で密閉性を維持している。
【0030】
水槽3の上部に配置された給水部7は、給水弁7b(給水手段)と、給水弁7bの開閉によって給水される洗剤収容部7aと、洗剤収容部7a内の洗剤を給水とともに水槽3内面と回転ドラム4外面との間に形成された空間Yに供給する給水経路7cとを有している。このように水槽3内面と回転ドラム4外面との間に形成された空間Yに給水することに
より、回転ドラム4内の洗濯物に直接水かかからず、水槽3底部に溜まった水が徐々に上昇していき、回転ドラム4の透孔4eを介して洗濯物に水が接触して洗濯物の吸水が開始されるので、布質により相違する吸水速度を検知することができる。なお、洗濯物に直接水がかからないように給水できればよいので、給水部7は必ずしも上部に配置されている必要はなく、水槽3の背面側、側面側、底部側であってもよい。
【0031】
排水部8は、水槽3の最底部に一端を接続した排水管8aと、排水弁8bとを有し、排水弁8bの開閉によって洗い工程終了後、すすぎ工程終了時など必要なときに水槽3内の水を、排水管8aを介し排水できるようになっている。さらに排水管8aの下流側には洗濯機本体1の外部から取り外し可能な排水フィルタ15を配置し、排水に含まれる糸屑類を捕集するようになっている。
【0032】
乾燥部9は、水槽3および回転ドラム4から空気を出す導出口9fと、導出口9fから空気を吸引する送風機9cと、導出口9fからの空気に含まれる糸屑類を捕集し除塵するフィルタ(図示せず)と、水槽3の背面側に設けられ、回転ドラム4内に送風機9cから吹き出される空気を入れる導風口9eと、送風機9cと導風口9eとを接続する送風経路9dと、送風経路9d内に配され、導出口9fからの高湿空気を除湿する除湿部9gと、送風経路9d内で、除湿部9gより下流側に配され、除湿後の空気を加熱して高温空気とする加熱部9hとから構成されている。なお、除湿部9gおよび加熱部9hをヒートポンプユニットで構成してもよいし、加熱部9gをヒータで構成し、除湿部9gを水冷方式もしくは空冷方式としてもよい。
【0033】
また、上記に併せ、洗い工程時、すすぎ工程時など必要に応じ、水槽3内の水を循環ポンプ16により循環させて洗剤の早期溶け込みや偏りの防止、洗濯やすすぎの機能向上を図る機能も有している。
【0034】
循環ポンプ16は、図1に示すように洗濯機本体1の底部である台板上に固定されており、洗浄水を吸引して循環水路17に送水する。また、送水された洗浄水は循環水路17を通って、水槽3に溜まる洗浄水を回転ドラム4の開口13から回転ドラム4内に吐出する。このときの循環ポンプ16のモータ回転速度は、例えば3500r/min程度に設定されている。
【0035】
なお、循環シャワーが吐出される噴射口18は、その取り付け位置が下部に限られるものではなく、回転ドラム4内の洗濯物に接触しないような位置であれば、どのような配置であってもよい。また、噴射口18を複数設けて、回転ドラム4内の洗濯物全体に循環水がかけられることとしてもよい。
【0036】
また、洗浄水を回転ドラム4内に単純に噴射するようにした場合、せっかくの循環水が回転ドラム4内の洗濯物の局部にしか噴射できず、循環効果を生かしきれない。一方、循環水を広域に噴射するのに特別な噴射ノズルを採用すると、必要なポンプ圧の上昇も併せ、コスト上昇の原因になるし限度がある。そこで、本実施の形態では、水槽3内の水を循環ポンプ16により循環させるのに、例えば回転速度制御が可能であるDCブラシレスモータを用いて、吐出される循環水の流量、流速を調整することで、特別な噴射ノズルを採用することなく、吐出される循環水の上下方向の角度、左右方向の広がり度合いを変えることができる。この結果、循環ポンプ16により回転ドラム4内の洗濯物に対し満遍なくかつ最適な位置に循環水を供給可能となり、洗い性能およびすすぎ性能を高めることができる。また、洗濯物が位置しない空間に無駄に循環水を供給することを避けられるので、無駄な電力の消費を抑えられ、洗剤水による異常な発泡を抑制することもできる。
【0037】
循環ポンプ16の回転速度は、通常の洗い運転時には例えば上記したように3500r
/min程度とし、毎分20L程度の循環水を回転ドラム4内の洗濯物に供給することで、洗い性能、すすぎ性能の向上を図る。一方、布量検知手段11cにより洗濯物の量が所定値より少ないと判断された場合は、循環ポンプ16の回転速度を、例えば2500r/min程度に落とし、供給する循環水を毎分15L程度にするとともに、図1の矢印Bのように、循環水の吐出される上下方向の角度を水平に近づけ、左右方向の広がり度合いを小さくする。これにより、洗濯物が少ない場合は、吐出された循環水が回転ドラム4内の下方に位置する洗濯物に当たらないという状態を避けることができ、効率的に循環水を供給することができる。
【0038】
洗濯機本体1の前面上部には複数の入力キー及び設定内容等を表示する表示装置を有する操作パネル21が配され、この操作パネル21は制御ユニット11と接続され、入力キーからの信号を制御ユニット11に入力し、また、制御ユニット11が表示装置の表示状態を制御するようになっている。制御ユニット11はドラム式洗濯機を構成するモータ6、排水弁8b、給水弁7bの動作を制御し、操作パネル21の入力キーにより設定した洗濯、すすぎ、脱水、乾燥の運転を実施する。また、制御ユニット11は水槽3内の水位を検知する水位検知手段10からの信号を入力して給水弁7bを制御することで、水槽3内への給水量(水位)を制御している。
【0039】
次に、制御ユニット11の詳細を図2により説明する。図2は本発明の実施形態1におけるドラム式洗濯機の制御ユニット11の構成を示すブロック図である。制御ユニット11は、マイクロコンピュータで構成される制御手段11aと、洗濯物の布質を検知する布質検知手段11bと、洗濯物の量を検知する布量検知手段11cを備えている。
【0040】
以下に布量検知手段11cの一例について説明する。
【0041】
まず、モータ6を回転駆動する。このときの回転ドラム4の回転数は、洗濯物が回転ドラム4の内周壁に張り付く程度の回転速度、例えば100〜140r/min程度まで一旦立ち上げる。所定時間回転を維持した後、モータ6の通電をオフする。それにより、回転ドラム4の惰性回転が、逆にモータ6を回転させる状態になる。このとき、回転ドラム4の惰性回転力は摩擦トルクによりしだいに低下してやがて回転ドラム4は停止する。通電停止から回転ドラム4の停止までの時間は、洗濯物の量が多いときは長く、洗濯物の量が少ないときは短い。この停止に要する時間の違いが洗濯物の量に比例することを利用して洗濯物の量を検知する。
【0042】
さらに、本実施の形態に係るドラム式洗濯機には、回転ドラム4内に給水された水量を検知する水位検知手段10が設けられている。これは回転ドラム4の最低部近傍の所定位置に配設されたエアトラップ部と圧力検知部(図示せず)をホース接続したものである。圧力検知部は、圧力によって移動するベローズ部分に一体化されたフェライトと、その外周上を囲む固定側のコイルとで構成され、そのインダクタンス変化を利用して移動ストローク距離をトラップ内圧力に変換する。この水位検知手段10は、エアトラップ部に洗濯液がこないと大気開放状態となり、出力は一定となる。この検知下限水位を下回る水位の場合は、水量および水のありなしを検知することができない。このように、水位検知手段10はエアトラップ機構によるエア内圧計測によるセンシングが一般的であり、エア内圧が安定的な大気開放圧力から変化するまでの時間を計測するのが水位センサのばらつきに影響を受けない適切な算出方法である。また水位検知手段10の出力は、回転ドラム4の回転ありなしやその回転数など、洗濯動作中の回転ドラム4の回転によって出力が変化するため、回転ドラム4の回転数に応じて周波数と水位のテーブルを複数持っている。つまり回転ドラム4が静止中でも回転中でも水位を認識することができる。
【0043】
本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機は、モード設定や制御プログラムに従い
、モータ6、給水弁7b、排水弁8b、乾燥部9を自動制御して少なくとも洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程を行う機能を有している。
【0044】
以上のように構成されたドラム式洗濯機の動作について布質を検知する工程を含めて説明する。図3は、本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の給水制御を示すフローチャートである。図4は本発明の実施の形態1における洗濯機の洗濯物による給水初期時の水位遷移図を示すものである。
【0045】
図3において、洗濯物が投入されて運転が開始されると給水工程にて給水が開始される。ここで給水開始前に回転ドラムを所定回転数で一方向に回転させる(S1)。回転ドラム4の回転数は、例えば60r/minなど、洗濯物が回転ドラム4の内周壁に張り付くような回転数である。回転ドラム4がこのような速度で回転させながら給水することで、洗濯物の転動を防ぎ、洗濯物の濡らし方の条件を一意に合わせることが可能となる。また、洗濯物の量が変わった場合でも、洗濯物の張り付けによって同じような条件で濡らしていけるので、布量による依存性を抑え込むことができ、布質検知を精度よく行うことができる。また、回転ドラム4の回転開始は給水開始前に限られず、同時でもよい。
【0046】
次に、給水弁7bを開放して(S2)給水時間tのカウントを開始し、水槽3に所定水位Aになるまで給水が行われる(S3)。所定水位Aは回転ドラム4内の洗濯物の外周側と接触できる水位である。
【0047】
本発明の実施の形態の布質検知は、所定水位になるまでの時間をもとに行われる。図4に示すように、初期の吸水速度はポリエステルなどの化学繊維の方が早くに広範囲に浸透するため、綿よりも吸水が速く、つまり給水時間が長くなる。洗濯物が全て綿であれば、吸水速度が遅いので所定水位Aになる時間は速い。逆に、例えばポリエステルなどの化学繊維であれば、吸水速度が速いので所定水位Aになる時間は遅い。このような布質による吸水速度の違いを利用して、所定水位Aになる給水時間tを確認することで布質を検知することができる。
【0048】
所定水位Aにおいて給水時間tをもとに洗濯物の布質が、吸水性が高い繊維で構成される割合が大きいと判定すると、この後の遠心力洗浄を行う際の回転ドラム4の回転数を減らす方向に設定内容を変更する。具体的には、所定水位Aになった時点で給水時間tが所定時間T1より短かったかを判断し(S4)、短い場合は(S4のYES)、遠心力洗浄における回転ドラム4の回転数を下げた設定とする(S5)。例えば、標準的な衣類であれば遠心効果が最大になるであろう標準の設定値(100rpm)に対して若干低め(−20rpm)に設定する。
【0049】
ここで、所定時間T1は全て綿タオルである場合に給水開始から所定水位Aになるまでの時間と、綿と化学繊維が混在している場合に所定水位Aになるまでの時間との間で設定する時間である。例えば、洗濯物の全量のうち綿が7割含まれる時に所定水位Aまで給水するのにかかる時間をT1とする。
【0050】
一方で、制御手段11aは所定水位Aにおいて給水時間tをもとに洗濯物の布質が、吸水性が低い繊維で構成される割合が大きいと判定すると、この後の遠心力洗浄を行う際の回転ドラム4の回転数を増やす方向に設定内容を変更する。具体的には、所定水位Aになった時点で給水時間tが所定時間T1より長い場合は(S4のNO)、給水時間tが所定時間T2より短かったかを判断し(S6)、短い場合は(S6のYES)遠心力洗浄における回転ドラム4の回転数は変更しないこととする(S7)。ここで、所定時間T2は全てポリエステルなどの化学繊維である場合に給水開始から所定水位Aになるまでの時間と、綿と化学繊維が混在している場合に所定水位Aになるまでの時間との間で設定する時間
である。例えば、洗濯物の全量のうちポリエステルが7割含まれる時に所定水位Aまで給水するのにかかる時間をT2とする。
【0051】
所定水位Aになった時点で給水時間tが所定時間T2より長い場合は(S6のNO)、遠心力洗浄における回転ドラム4の回転数を、標準の設定値(100rpm)に対して若干高め(+20rpm)に設定する(S8)。
【0052】
その後、給水工程を終えて第1の洗浄動作であるタンブル洗浄(撹拌工程)を3分間行う。タンブル洗浄は、洗濯物が回転ドラム4の内壁に張り付かない程度の回転数で行われる。すなわち、回転ドラム4の回転することで、撹拌突起4bによって洗濯物が持ち上げられ、上部から下部へ叩き洗いがされる回転数で行われる。撹拌工程によって、衣類の繊維間に洗剤成分を十分に染み込ませ、タンブル動作で繊維内部や繊維間の油汗よごれを洗剤分に作用させる(S9)。
【0053】
その後、遠心力洗浄工程を開始する(S10)。この時の回転ドラム4の回転数は、上記にて設定変更した回転数が設定されている(S11)。布質に応じた回転数で回転ドラム4を回転させるので、化学繊維から構成される割合が大きい衣類であれば高めの回転数で回転ドラム4が回転することにより遠心力の効果で繊維間の洗浄水が一気に脱水される。一方、綿衣類から構成される割合が大きい衣類の場合には、低めの回転数で回転ドラム4が回転するので、衣類が押しつぶれることがなく、回転ドラム4の内側壁面に強く張りつくこともない。このような設定回転数で回転ドラム4が回転して、遠心力洗浄工程が行われる(S12)。この時、制御手段11aは、循環ポンプ16を駆動させて洗浄水を洗濯物に繰り返し吐出させる循環シャワーが行われる。これによって、遠心力による脱水効果と、循環シャワーによる洗浄水の吸水によって洗浄性能を向上することができる。この遠心力洗浄工程とタンブル洗浄とは、洗い時間が終わるまで繰り返される(S13)。その後、すすぎ工程(S14)、脱水工程(S15)を経て運転は終了する。
【0054】
ここで、遠心力による洗浄のメカニズムについて説明する。ドラム式洗濯機による洗浄効果は上記したようなタンブリングにより洗濯物に機械力をかけることによって衣類の変形や衣類同士のこすれによるところが大きい。よって、泥や砂など洗濯物の繊維に絡まっている粒子はタンブリング動作で衣類から振りほどき脱離させることで効果を発揮する。一方で、油汚れなどは洗剤成分(界面活性剤)と反応させて乳化させるなどして洗剤粒子に吸着させる。吸着させた時点で、その洗剤粒子自体の使命は終える。この使い終わった洗剤分を衣類の繊維間、あるいは洗濯物の繊維表面から抜き出す(洗剤脱離)ことで衣類の洗浄というものは一通り終える。よって、この洗剤脱離を素早く行うことが重要な要素となる。二層式の洗濯機や多く普及している縦型の洗濯機では、多量の洗浄水に洗濯物を水没させて攪拌翼を使った水流で衣類を洗う方式を採用している。しかし、このような場合、上記した洗剤脱離は洗浄水の中で発生する水流により、衣類の表面に付着した使用済みの洗剤分を素早く削ぎ取り、削ぎ取った部分に新たな洗剤分を衣類に供給する。これにより、洗濯物から見れば効率の良い洗浄水の入れ替え、すなわち使用済みの洗剤成分を素早く追い出し、フレッシュな洗剤分を素早く供給することができる。
【0055】
このような洗浄水の入れ替えは、ドラム式洗濯機では水流が少ないため、二層式の洗濯機や縦型の洗濯機と比較すると効果を得にくい。よって、遠心力による動作は洗浄目的と言うよりも、むしろ洗濯物(衣類)の繊維表面あるいは繊維間に停留している(へばりついている)使用済みの洗剤を追い出すことが大きな目的である。
【0056】
洗濯物の布質によって使用済みの洗剤を追い出す方法は違うが、洗濯物の布質は大別すると綿繊維と化学繊維に分けられる。化学繊維から構成される比率が多い、例えばジャージのような衣類の場合、遠心力がかけられると、洗濯槽内側壁面に押しつけられる。この
ため、衣類は変形して押しつぶされることにより繊維間の使用済み洗剤水は脱水効果で一気に衣類から抜け出る。この時、回転ドラム4の回転数が高めであるほど洗剤脱離の効果は大きい。また、化学繊維の場合、水を含んでも柔軟性が損なわれることがない。このため、回転ドラム4の高回転により、衣類が回転ドラム4内側壁面にきつく押しつけられても、回転を止めると壁面から容易に剥がれ、即座にタンブリング洗浄に戻ることが可能となる。一方で、綿衣類から構成される比率が多い場合、例えばジーンズの場合、水を含むと繊維間が密になり重く硬い衣類となる。洗剤成分も繊維間に溜まるよりは硬い衣類の表面にこびり付く特性があるため、遠心力をかけると、回転ドラム4の回転数が、たとえ低回転であっても洗浄水は繊維間に入り込めない。よって硬い衣類の表面を高速で流れていく際に衣類表面にこびりついた洗剤分を削ぎ取る効果が十分にある。
【0057】
このような理由から、吸水性の低い繊維から構成される割合が大きい場合には、遠心力洗浄工程における回転ドラム4の回転数を高く設定し、吸水性の高い繊維から構成される割合が大きい場合には、回転ドラム4の回転数を低く設定する。これによって、洗浄性能を維持しつつ、省エネルギー性能に優れた洗い運転を行うことができる。
【0058】
なお、本実施の形態において、含水手段は循環ポンプ16を駆動することによる循環シャワーとしたが、水槽3内に溜まった洗浄水に洗濯物の一部が浸漬することで含水することとしてもよい。積極的に洗浄水を吐出することとしなくても、回転ドラム4が回転することにより、水槽3内に溜まった洗浄水に、繰り返し触れることとなり、脱水と吸水の効果を得ることができる。
【0059】
なお、所定時間T1、T2を決定するのに用いた洗濯物による給水初期時の水位遷移図は、同様の吸水特性を示すものであればポリエステルや綿に限られるものではない。また、本実施の形態では綿と、化学繊維と、綿および化学繊維の混合との、3種類の吸水特性により設定水位のランク決定をしているが、これに限られるものではなく、化学繊維としてナイロンなどの他の繊維も用いてランク分けを細かくしてもよい。また、綿および化学繊維の混合において、その混合比率を1:2、1:1、2:1と変化させるなどして、ランク分けしてもよい。
【0060】
以上のように、本実施の形態によれば、布質検知手段によって、運転開始直後に洗濯物の重量を検知した後、洗い工程にて洗濯物の重量に応じた水量を注水し、さらにその注水過程において投入されている洗濯物が吸水性の高い素材で構成されているものが多いのか、吸水性の低い素材で構成されているものが多いのかを判定し、その結果に応じて、遠心力による洗浄時にドラムの設定回転数を変更することで、布質がどのようなものであっても、その特性に応じて、遠心力によるドラム内側壁面へ衣類を押しつける度合いを加減することで洗濯物が極端にドラム内側壁面に張りついたままになることを防げ、つまり、遠心力洗浄とタンブリング洗浄の切り替えを速やかに行うことで洗浄効果を最大にさせることが可能となる。
【0061】
また、実施の形態1ではドラム式洗濯機を例に上げ説明しているが、水槽3と洗濯槽の間に給水する構成とした場合、パルセータ撹拌式やアジテータ式など縦型洗濯機においても同様の効果が得られる。縦型式洗濯機において、水を均一に浸透させるために、洗濯槽の外側に設けられたシャワーなどを用いて洗濯物の外周側から均一に濡れていく構成にしてもよい。また、給水中に洗濯槽を回転させる場合には、パルセータと洗濯槽が一体に動くようにすることで、洗濯物を傷みにくくすることができる。
【0062】
なお、本実施の形態で説明した手段は、CPU(またはマイコン)、RAM、ROM、記憶・記録装置、I/Oなどを備えた電気・情報機器、コンピュータ、サーバ等のハードリソースを協働させるプログラムの形態で実施してもよい。プログラムの形態であれば、
磁気メディアや光メディアなどの記録媒体に記録、もしくはインターネットなどの通信回線を用いて配信することで新しい機能の配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上のように、本発明にかかる洗濯機は、布質検知結果に応じて、遠心力による洗浄時に回転ドラムの設定回転数を変更することで、布質がどのようなものであっても、その特性に応じて、遠心力によるドラム内側壁面へ衣類を押しつける度合いを加減することができ、洗濯物が極端に回転ドラムの内側壁面に張りついたままになることを防げるので、家庭用の洗濯機や業務用の洗濯機に有用である。
【符号の説明】
【0064】
1 洗濯機本体
3 水槽
4 回転ドラム(洗濯槽)
6 モータ(駆動手段)
7 給水部
7b 給水弁(給水手段)
8 排水部
8b 排水弁
10 水位検知手段
11 制御ユニット
11a 制御手段
11b 布質検知手段
11c 布量検知手段
16 循環ポンプ(含水手段)
17 循環水路
18 噴射口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物を収容して水平または前面側から背面側に向けて傾斜した回転軸を中心に回転自在で複数の透孔を有する洗濯槽と、
前記洗濯槽を収容する水槽と、
前記洗濯槽を駆動する駆動手段と、
前記洗濯槽の外面と前記水槽の内面との間に形成される空間に給水する給水手段と、
前記水槽内の水位を検知する水位検知手段と、
前記水槽内に溜まった水が前記洗濯槽の内面側に入り込み、前記洗濯物へ吸水される速度により洗濯物の布質を検知する布質検知手段と、
前記布質検知手段の出力を入力し、洗い工程を逐次制御する制御手段とを備え、
前記洗い工程は、前記洗濯物から遠心力で洗浄水を排出する遠心力洗浄工程と、前記遠心力洗浄工程後に行われる前記洗濯槽内に前記洗濯物が張り付かない程度で回転させる撹拌工程とを有し、
前記制御手段は、前記遠心力洗浄工程において、前記布質検知手段で検知した布質に応じて、前記洗濯槽の回転数を変化するようにしたドラム式洗濯機。
【請求項2】
前記布質検知手段は、前記洗濯物を構成する素材として吸水性の高い繊維と吸水性の低い繊維との割合を判断することを特徴とする請求項1に記載のドラム式洗濯機。
【請求項3】
前記制御手段は、前記布質検知手段により前記洗濯物が吸水性の高い繊維から構成される割合が大きいと検知した場合、前記割合が大きくなるほど、前記駆動手段の回転数を低くするようにした請求項1または2に記載のドラム式洗濯機。
【請求項4】
前記洗濯物に前記洗浄水を含水させる含水手段をさらに備え、
前記遠心力洗浄工程において前記含水手段は、前記水槽の底部に溜まる前記洗浄水を吸引して前記洗濯槽内の洗濯物に再び吐出する請求項1〜3のいずれか1項に記載のドラム式洗濯機。
【請求項5】
前記洗濯物の布量を検知する布量検知手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記布量検知手段により検知した布量と前記布質検知手段により検知した布質とに応じて、前記遠心力洗浄工程における前記駆動手段の回転数を決定するようにした請求項1〜4のいずれか1項に記載のドラム式洗濯機。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のドラム式洗濯機にて、少なくとも一つの手段をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−85786(P2013−85786A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230477(P2011−230477)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】