説明

ドリップバッグ

【課題】袋体5の注ぎ口7にお湯を注ぐ間、袋体5の注ぎ口7の開口形状を一定の形状に保って、飲料者によるコーヒーの抽出作業の煩雑化を抑えること。
【解決手段】抽出原料を内包した袋体5はひねった状態で注ぎ口7を閉じてあって、第1懸架部材9と第2懸架部材15の並行状態、第1補強部材21と第2補強部材23の並行状態を保ちつつ、第1懸架部材9を袋体5のひねりを解く方向へ第2懸架部材15に対して相対的に移動させることによって袋体5の注ぎ口7が矩形形状に開放するようになっていること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カップ内にコーヒー等の飲料をドリップ式により抽出する際に用いられるドリップバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ドリップ式のコーヒーメーカーを簡易にしたものとしてドリップバッグが広く市場に多く出回っており、このドリップバッグは、カップ内にコーヒーをドリップ式により抽出する際に用いるものであって、一般的なドリップバッグな構成等は、次のようになる。
【0003】
即ち、一般的なドリップバッグは、抽出原料としてのコーヒー粉を内包した袋体を備えており、この袋体は、透水性材料からなるものである。また、袋体は、上端側に、注ぎ口を有している。
【0004】
袋体の上端部には、第1懸架部材が設けられており、この第1懸架部材の適宜位置には、カップの周縁部に係止可能な第1係止爪が形成されている。また、袋体の上端部における第1懸架部材の反対側には、第1懸架部材と協働して袋体をカップに懸架する第2懸架部材が設けられており、この第2懸架部材の適宜位置には、カップの周縁部に係止可能な第2係止爪が形成されている。
【0005】
第1懸架部材と第2懸架部材の間における復隊の一方側には、第1補強部材(第1連結部材)が第1懸架部材と第2懸架部材を連結するように設けられており、この第1補強部材は、折れ線を基準として折り込まれている。また、第1懸架部材と第2懸架部材の間における袋体の他方側には、第2補強部材(第2補強部材)が第1懸架部材と第2懸架部材を連結するように設けられており、この第2補強部材は、折れ線を基準として折り込まれている。
【0006】
そして、一般的なドリップバッグにあっては、第1懸架部材と第2懸架部材の並行状態を保ちつつ、第1補強部材及び第2補強部材をそれぞれ折れ線から開く(開くように変形させる)ことによって袋体の注ぎ口が開放するようになっている。
【0007】
従って、袋体の注ぎ口を開放して、第1懸架部材の第1係止爪及び第2懸架部材の第2係止爪をカップの周縁部にそれぞれ係止させることにより、ドリップバッグをカップにセットする。そして、袋体の注ぎ口にお湯を注ぐことにより、カップ内にドリップ式によりコーヒーを抽出することができる。
【0008】
なお、本発明に関連する先行技術として特許文献1から特許文献3に示すものがある。
【特許文献1】特開2004−230143号公報
【特許文献2】特開2004−208906号公報
【特許文献3】実開平6−62939号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、前述の一般的なドリップバッグにあっては、第1補強部材及び第2補強部材をそれぞれ折れ線から開くことによって袋体の注ぎ口が開放するようになっているため、袋体の注ぎ口にお湯を注ぐ間、第1補強部材又は第2補強部材が折れ線から折れ曲がるように変形して、袋体の注ぎ口の開口形状を一定に保つことができなくなる。そのため、飲料者によるコーヒーの抽出作業が煩雑化して、ドリップバッグの取扱性・利便性を十分に高めることが困難であるという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、前述の問題を解決することができる、新規な構成のドリップバッグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の特徴(請求項1に記載の発明の特徴)は、カップ内に飲料をドリップ式により抽出する際に用いられるドリップバッグにおいて、上端側に注ぎ口を有し、ひねった状態で前記注ぎ口を閉じてあって、透水性材料により構成され、抽出原料を内包した袋体と、前記袋体の上端部(上部)に設けられ、端部に前記カップの周縁部に係止可能な第1係止爪が形成された第1懸架部材と、前記袋体の上端部における前記第1懸架部材の反対側に設けられ、端部に前記カップの周縁部に係止可能な第2係止爪が形成され、前記第1懸架部材と協働して前記袋体を前記カップに懸架する第2懸架部材と、前記第1懸架部材と前記第2懸架部材の間における前記袋体の一方側に設けられた第1補強部材と、前記懸架部材と前記第2懸架部材の間における前記袋体の他方側に設けられた第2補強部材と、を備え、前記第1懸架部材と前記第2懸架部材の並行状態、前記第1補強部材と前記第2補強部材の並行状態を保ちつつ、前記第1懸架部材を前記袋体のひねりを解く方向へ前記第2懸架部材に対して相対的に移動させることによって前記袋体の前記注ぎ口が開放するようになっていることを要旨とする。
【0012】
第1の特徴によると、前記袋体の前記注ぎ口を開放して、前記第1懸架部材の前記第1係止爪及び前記第2懸架部材の前記第2係止爪を前記カップの周縁部にそれぞれ係止させることにより、前記ドリップバッグを前記カップにセットする。そして、前記袋体の前記注ぎ口にお湯を注ぐことにより、前記カップ内にドリップ式により飲料を抽出することができる。
【0013】
また、前記ドリップバッグにあっては、前記第1懸架部材と前記第2懸架部材の並行状態、前記第1補強部材と前記第2補強部材の並行状態を保ちつつ、前記第1懸架部材を前記袋体のひねりを解く方向へ前記第2懸架部材に対して相対的に移動させることによって前記袋体の前記注ぎ口が開放するようになっているため、前記袋体の前記注ぎ口にお湯を注ぐ間、前記第1懸架部材、前記第2懸架部材、前記第1補強部材、及び前記第2補強部材が折れ曲がるように変形することがなく、前記袋体の前記注ぎ口の開口形状を一定に保つことができる。
【0014】
本発明の第2の特徴(請求項2に記載の発明の特徴)は、第1の特徴に加えて、前記第1係止爪は、前記第1懸架部材の両端部にそれぞれ形成され、前記第2係止爪は、前記第2懸架部材の両端部にそれぞれ形成され、前記第1補強部材は、前記第1懸架部材と前記第2懸架部材を連結するよう設けられ、前記第2補強部材は、前記第1懸架部材と前記第2懸架部材を連結するよう設けられていることを要旨とする。
【0015】
本発明の第3の特徴(請求項3に記載の発明の特徴)は、第1の特徴に加えて、前記第1補強部材は、前記第1懸架部材と前記第2懸架部材を連結するように設けられ、前記袋体に接合してあって、前記第2補強部材は、前記袋体に接合してあって、更に、前記第1補強部材に一体に形成され、前記カップの周縁部に係止可能なトレイと、前記トレイの内側に設けられ、飲料の抽出後に前記袋体から漏出した水分を吸収する吸水シート部材と、を備えたことを要旨とする。
【0016】
第3の特徴によると、前記ドリップバッグを前記カップにセットする際に、前記第1懸架部材の前記第1係止爪及び前記第2懸架部材の前記第2係止爪だけでなく、前記トレイを前記カップの周縁部に係止させる。
【0017】
また、前記飲料の抽出後に、前記第1懸架部材の前記第1係止爪の係止状態、前記第2懸架部材の前記第2係止爪の係止状態、及び前記トレイの係止状態をそれぞれ解除して、前記ドリップバッグを前記カップから取り出す。そして、前記ドリップバッグを前記吸水シート部材に載置(保持)させることにより、前記吸水シート部材によって前記袋体から漏出した水分を吸水する。これにより、前記ドリップバッグを前記カップの近傍の皿等に一時的に置いたり又は前記ドリップバッグをゴミ箱等に捨てたりする場合に、前記袋体に残った水分が漏出して、皿、床等に付着することを十分に抑えることができる。
【0018】
本発明の第4の特徴(請求項4に記載の発明の特徴)は、第3の特徴に加えて、前記吸水シート部材は、不織布シートと、該不織布シートを両側から挟むように設けられたチタンを含有の一対のポリエチレンシートとからなることを要旨とする。
【0019】
本発明の第5の特徴(請求項5に記載の発明の特徴)は、第1の特徴から第4の特徴のうちのいずれかの特徴に加えて、前記袋体は、ガゼットタイプであることを要旨とする。
【0020】
本発明の第6の特徴(請求項6に記載の発明の特徴)は、第1の特徴から第5の特徴のうちのいずれかの特徴に加えて、前記抽出原料は、コーヒー粉又は茶葉であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1から請求項6のうちのいずれかの請求項に記載の発明によれば、前記袋体の前記注ぎ口にお湯を注ぐ間、前記第1懸架部材等が折れ曲がるように変形することなく、前記袋体の前記注ぎ口の開口形状を一定に保つことができるため、飲料者による前記飲料の抽出作業の煩雑化を抑えて、前記ドリップバッグの取扱性・利便性を十分に高めることができる。
【0022】
請求項3から請求項6のうちのいずれかの請求項に記載の発明によれば、前記ドリップバッグを前記カップの近傍の皿等に一時的に置いたり又は前記ドリップバッグをゴミ箱等に捨てたりする場合に、前記袋体に残った水分が漏出して、皿、床等に付着することを十分に抑えることができるため、前記飲料の抽出に伴う後処理の簡略化を図って、前記ドリップバッグの取扱性・利便性を更に高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(第1実施形態)
第1実施形態について図1から図3を参照して説明する。
【0024】
ここで、図1及び図2は、第1実施形態に係るドリップバッグの斜視図、図3は、第1実施形態に係るドリップバッグをカップにセットした状態を示す斜視図である。
【0025】
図1から図3に示すように、第1実施形態に係るドリップバッグ1は、カップ3内にコーヒー(飲料の一例)をドリップ式により抽出する際に用いられるものであって、抽出原料としてのコーヒー粉Mを内包したガゼットタイプの袋体5を備えている。また、袋体5は、透水性の不織布又は不織紙(透水性材料の一例)により構成されており、上端側に、注ぎ口を有している。更に、袋体5は、ひねった状態(よじった状態)で注ぎ口を閉じてある。
【0026】
袋体5の上端部(上部)には、第1懸架部材9が設けられており、この第1懸架部材9は、紙又はプラスチックシート等に構成されている。また、第1懸架部材9は、左右方向(袋体5の幅方向)へ延びてあって、第1懸架部材9の両端部には、カップ3の周縁部に係止可能な第1係止爪11がそれぞれ形成されている。更に、第1懸架部材9の上側中央部には、第1摘み片13が形成されている。
【0027】
袋体5の上端部における第1懸架部材9の反対側には、第1懸架部材9と協働して袋体5をカップ3に懸架する第2懸架部材15が設けられており、この第2懸架部材15は、紙又はプラスチックシート等に構成されている。また、第2懸架部材15は、左右方向へ延びてあって、第2懸架部材15の両端部には、カップ3の周縁部に係止可能な第2係止爪17がそれぞれ形成されている。更に、第2懸架部材15の上側中央部には、第2摘み片19が形成されている。
【0028】
第1懸架部材9と第2懸架部材15の間における袋体5の左方側(一方側)には、第1補強部材21が第1懸架部材9と第2懸架部材15を連結するように設けられている。また、第1補強部材21は、紙又はプラスチックシート等に構成されている。
【0029】
第1懸架部材9と第2懸架部材15の間における右方側(他方側)は、第2補強部材23が第1懸架部材9と第2懸架部材15を連結するように設けられている。また、第2補強部材23は、紙又はプラスチックシート等に構成されている。
【0030】
そして、第1実施形態に係るドリップバッグ1にあっては、第1懸架部材9と第2懸架部材15の並行状態、第1補強部材21と第2補強部材23の並行状態を保ちつつ、第1懸架部材9を袋体5のひねり(よじれ)を解く方向へ第2懸架部材15に対して相対的に移動させることによって袋体5の注ぎ口7が矩形形状(矩形形状に近似した形状を含む)に開放するようになっている。
【0031】
続いて、第1実施形態に係るドリップバッグ1の作用及び効果について説明する。
【0032】
袋体5の注ぎ口7を開放して、第1懸架部材9の一対の第1係止爪11及び第2懸架部材15の一対の第2係止爪17をカップ3の周縁部にそれぞれ係止させることにより、図3に示すように、ドリップバッグ1をカップ3にセットする。そして、袋体5の注ぎ口7にお湯を注ぐことにより、カップ3内にドリップ式によりコーヒーを抽出することができる。
【0033】
また、ドリップバッグ1にあっては、第1懸架部材9と第2懸架部材15の並行状態、第1補強部材21と第2補強部材23の並行状態を保ちつつ、第1懸架部材9を袋体5のひねりを解く方向へ第2懸架部材15に対して相対的に移動させることによって袋体5の注ぎ口7が矩形形状に開放するようになっているため、袋体5の注ぎ口7にお湯を注ぐ間、第1懸架部材9、第2懸架部材15、第1補強部材21、及び第2補強部材23が折れ曲がるように変形することがなく、袋体5の注ぎ口7の開口形状を一定の形状(矩形形状)に保つことができる。
【0034】
以上如き、第1実施形態に係るドリップバッグ1によれば、袋体5の注ぎ口7にお湯を注ぐ間、第1懸架部材9等が折れ曲がるように変形することがなく、袋体5の注ぎ口7の開口形状を一定の形状に保つことができるため、飲料者によるコーヒーの抽出作業の煩雑化を抑えて、ドリップバッグ1の取扱性・利便性を十分に高めることができる。
【0035】
(第2実施形態)
第2実施形態について図4から図7を参照して説明する。
【0036】
ここで、図4及び図5は、第2実施形態に係るドリップバッグの斜視図、図6は、第2実施形態に係るドリップバッグをカップにセットした状態を示す斜視図、図7は、コーヒーの抽出後における第2実施形態に係るドリップバッグの斜視図である。
【0037】
図4から図6に示すように、第2実施形態に係るドリップバッグ25は、第1実施形態に係るドリップバッグ1(図3参照)と同様に、カップ3内にコーヒー(飲料の一例)をドリップ式により抽出する際に用いられるものであって、抽出原料としてのコーヒー粉Mを内包したガゼットタイプの袋体27を備えている。また、袋体27は、透水性の不織布又は不織紙(透水性材料の一例)により構成されており、上端側に、注ぎ口29を有している。更に、袋体27は、ひねった状態(よじった状態)で注ぎ口29を閉じてある。
【0038】
袋体27の上端部(上部)には、第1懸架部材31が設けられており、この第1懸架部材31は、紙又はプラスチックシート等に構成されている。また、第1懸架部材31は、左右方向(袋体27の幅方向)へ延びてあって、第1懸架部材31の先端部には、カップ3の周縁部に係止可能な第1係止爪33が形成されている。
【0039】
袋体27の上端部における第1懸架部材31の反対側には、第1懸架部材31と協働して袋体27をカップ3に懸架する第2懸架部材35が設けられており、この第2懸架部材35は、紙又はプラスチックシート等に構成されている。また、第2懸架部材35は、左右方向へ延びてあって、第2懸架部材35の先端部には、カップ3の周縁部に係止可能な第2係止爪37が形成されている。
【0040】
第1懸架部材31と第2懸架部材35の間における袋体27の左方側(一方側)には、第1補強部材39が第1懸架部材31と第2懸架部材35を連結するように設けられている。また、第1補強部材39は、紙又はプラスチックシート等に構成されてあって、袋体27の上端部に熱圧着(接合の1つ)してある。更に、第1懸架部材31の上側には、摘み片41が形成されている。なお、第1補強部材39が袋体27の上端部に熱圧着してなくても構わない。
【0041】
第1懸架部材31と第2懸架部材35の間における袋体27の右方側(他方側)には、第2補強部材43が設けられている。また、第2補強部材43は、紙又はプラスチックシート等に構成されてあって、袋体27の上端部に熱圧着してある。なお、第2補強部材43が第1懸架部材31と第2懸架部材35を連結するように設けられてあれば、袋体27の上端部に熱圧着してなくても構わない。
【0042】
第1補強部材39には、トレイ45が一体に形成されている。また、トレイ45は、紙からなるものであって、カップ3の周縁部に係止可能である。
【0043】
トレイ45の内側には、吸水シート部材47が熱圧着によって設けられており、この吸水シート部材47は、コーヒーの抽出後に袋体27から漏出した水分を吸水するものである。また、吸水シート部材47は、不織布シートと、不織布シートを両側から挟むように設けられたチタンを含有の一対のポリエチレンシートとからなるものである。なお、吸水シート部材47は、袋体27全体を載置(保持)できる程度の大きさになっている。
【0044】
そして、第2実施形態に係るドリップバッグ25にあっては、第1懸架部材31と第2懸架部材35の並行状態、第1補強部材39と第2補強部材43の並行状態を保ちつつ、第1懸架部材31を袋体27のひねり(よじれ)を解く方向へ第2懸架部材35に対して相対的に移動させることによって袋体27の注ぎ口29が矩形形状(矩形形状に近似した形状を含む)に開放するようになっている。
【0045】
続いて、第2実施形態に係るドリップバッグ25の作用及び効果について説明する。
【0046】
袋体27の注ぎ口29を開放して、第1懸架部材31の第1係止爪33、第2懸架部材35の第2係止爪37、及びトレイ45をカップ3の周縁部にそれぞれ係止させることにより、図6に示すように、ドリップバッグ25をカップ3にセットする。そして、袋体27の注ぎ口29にお湯を注ぐことにより、カップ3内にドリップ式によりコーヒーを抽出することができる。
【0047】
また、ドリップバッグ25にあっては、第1懸架部材31と第2懸架部材35の並行状態、第1補強部材39と第2補強部材43の並行状態を保ちつつ、第1懸架部材31を袋体27のひねりを解く方向へ第2懸架部材35に対して相対的に移動させることによって袋体27の注ぎ口29が開放するようになっているため、袋体27の注ぎ口29にお湯を注ぐ間、第1懸架部材31、第2懸架部材35、第1補強部材39、及び第2補強部材43が折れ曲がるように変形することがなく、袋体27の注ぎ口29の開口形状を一定の形状(矩形形状)に保つことができる。
【0048】
更に、コーヒーの抽出後に、第1懸架部材31の第1係止爪33の係止状態、第2懸架部材35の第2係止爪37の係止状態、及びトレイ45の係止状態をそれぞれ解除して、ドリップバッグ25をカップ3から取り出す。そして、図7に示すように、ドリップバッグ25を吸水シート部材47に載置(保持)させることにより、吸水シート部材47によって袋体27から漏出した水分を吸水する。これにより、ドリップバッグ25をカップ3の近傍の皿等に一時的に置いたり又はドリップバッグ25をゴミ箱等に捨てたりする場合に、袋体27に残った水分が漏出して、皿、床等に付着することを十分に抑えることができる。
【0049】
以上如き、第2実施形態に係るドリップバッグ25によれば、袋体27の注ぎ口29にお湯を注ぐ間、第1懸架部材31等が折れ曲がるように変形することがなく、袋体27の注ぎ口29の開口形状を一定の形状に保つことができるため、飲料者によるコーヒーの抽出作業の煩雑化を抑えて、ドリップバッグ25の取扱性・利便性を十分に高めることができる。
【0050】
また、ドリップバッグ25をカップ3の近傍の皿等に一時的に置いたり又はドリップバッグ25をゴミ箱等に捨てたりする場合に、袋体27に残った水分が漏出して、皿、床等に付着することを十分に抑えることができるため、コーヒーの抽出に伴う後処理の簡略化を図って、ドリップバッグ25の取扱性・利便性を更に高めることができる。
【0051】
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限られるものではなく、例えば、袋体5に内包される飲料原料として、コーヒー粉の他に、紅茶葉、日本茶等の茶葉を用いる等、適宜の変更を行うことにより、その他、種々の態様で実施可能である。また、本発明に包含される権利範囲は、これらの実施形態に限定されないものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】第1実施形態に係るドリップバッグの斜視図であって、袋体の注ぎ口を開放した状態を示している。
【図2】第1実施形態に係るドリップバッグの斜視図であって、袋体の注ぎ口を閉じた状態を示している。
【図3】第1実施形態に係るドリップバッグをカップにセットした状態を示す斜視図である。
【図4】第2実施形態に係るドリップバッグの斜視図であって、袋体の注ぎ口を開放した状態を示している。
【図5】第2実施形態に係るドリップバッグの斜視図であって、袋体の注ぎ口を閉じた状態を示している。
【図6】第2実施形態に係るドリップバッグをカップにセットした状態を示す斜視図である。
【図7】コーヒーの抽出後における第2実施形態に係るドリップバッグの斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
M コーヒー粉(抽出原料)
1 ドリップバッグ
3 カップ
5 袋体
7 注ぎ口
9 第1懸架部材
11 第1係止爪
15 第2懸架部材
17 第2係止爪
21 第1補強部材
23 第2補強部材
25 ドリップバッグ
27 袋体
29 注ぎ口
31 第1懸架部材
33 第1係止爪
35 第2懸架部材
37 第2係止爪
39 第1補強部材
43 第2補強部材
45 トレイ
47 吸水シート部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カップ内に飲料をドリップ式により抽出する際に用いられるドリップバッグにおいて、
上端側に注ぎ口を有し、ひねった状態で前記注ぎ口を閉じてあって、透水性材料により構成され、抽出原料を内包した袋体と、
前記袋体の上端部に設けられ、端部に前記カップの周縁部に係止可能な第1係止爪が形成された第1懸架部材と、
前記袋体の上端部における前記第1懸架部材の反対側に設けられ、端部に前記カップの周縁部に係止可能な第2係止爪が形成され、前記第1懸架部材と協働して前記袋体を前記カップに懸架する第2懸架部材と、
前記第1懸架部材と前記第2懸架部材の間における前記袋体の一方側に設けられた第1補強部材と、
前記懸架部材と前記第2懸架部材の間における前記袋体の他方側に設けられた第2補強部材と、を備え、
前記第1懸架部材と前記第2懸架部材の並行状態、前記第1補強部材と前記第2補強部材の並行状態を保ちつつ、前記第1懸架部材を前記袋体のひねりを解く方向へ前記第2懸架部材に対して相対的に移動させることによって前記袋体の前記注ぎ口が開放するようになっていることを特徴とするドリップバッグ。
【請求項2】
前記第1係止爪は、前記第1懸架部材の両端部にそれぞれ形成され、
前記第2係止爪は、前記第2懸架部材の両端部にそれぞれ形成され、
前記第1補強部材は、前記第1懸架部材と前記第2懸架部材を連結するよう設けられ、
前記第2補強部材は、前記第1懸架部材と前記第2懸架部材を連結するよう設けられていることを特徴とする請求項1に記載のドリップバッグ。
【請求項3】
前記第1補強部材は、前記第1懸架部材と前記第2懸架部材を連結するように設けられ、前記袋体に接合してあって、
前記第2補強部材は、前記袋体に接合してあって、
更に、前記第1補強部材に一体に形成され、前記カップの周縁部に係止可能なトレイと、
前記トレイの内側に設けられ、飲料の抽出後に前記袋体から漏出した水分を吸収する吸水シート部材と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載のドリップバッグ。
【請求項4】
前記吸水シート部材は、不織布シートと、該不織布シートを両側から挟むように設けられたチタンを含有の一対のポリエチレンシートとからなることを特徴とする請求項3に記載のドリップバッグ。
【請求項5】
前記袋体は、ガゼットタイプであることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれかの請求項に記載のドリップバッグ。
【請求項6】
前記抽出原料は、コーヒー粉又は茶葉であることを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれかの請求項に記載のドリップバッグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−11933(P2010−11933A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−172758(P2008−172758)
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【出願人】(597075199)株式会社 陶 和 (6)
【Fターム(参考)】