説明

ドレイン排水溝部材、及びドレイン排水床構造

【課題】ドレイン水を受けて排水するばかりでなく、取り外して掃除したり、或いは交換することができるドレイン排水溝部材、及び前記ドレイン排水溝部材を床材とともに設置し、ドレイン水が排水可能なドレイン排水床構造を提供する。
【解決手段】屋外の床下地に設置されてドレインホースからのドレイン水を受けて流して排水するための、ドレイン排水溝部材1において、ドレイン水を流すための長手方向に延びた排水路部材2と、前記排水路部材2を脱着可能に嵌設するための嵌設部材3から構成されており、前記排水路部材、及び/又は前記嵌設部材の少なくとも一方の側部には横方向に張り出した張出部H1が形成されていることを特徴とするドレイン排水溝部材、及び当該ドレイン排水溝部材と床材とを床面上に設置されたこと等を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドレイン排水溝部材、及びドレイン排水床構造に関するものであり、より具体的にはドレイン水を受けて排水するばかりでなく、排水路を有する排水路部材と、前記排水路部材が脱着可能に嵌設するための嵌設部材とで構成されているため、前記排水路部材取り外して排水路を掃除したり、或いは交換することができるドレイン排水溝部材、及び前記ドレイン排水溝部材を床材とともに設置し、ドレイン水が排水可能なドレイン排水床構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マンション等の集合住宅の共通廊下やベランダ等である屋外には、通常、冷暖房機の外機が設置されている。そして、外機からは、ドレインホースを通じてドレイン水が排出されている。
【0003】
ところで、ドレイン水をそのまま屋外の床面に垂れ流すと、ドレイン水が床面に広がっていくため、ドレイン水の広がった場所に埃や砂等が付着し、床面に、汚れやしみができたりカビが発生したりしていた。また、ドレイン水により床面が濡れることにより、滑りやすくなり、歩行者の転倒事故が発生しやすくなり、安全性の観点からも好ましくなかった。
【0004】
そこで、上記問題点を解決するため、ドレインホースからのドレイン水を排出するための溝状の排水路を設けたドレイン排水溝部材が提供されている(特許文献1)。
【0005】
また、当該ドレイン排水溝部材の改良技術として、ドレイン水の漏水を防止するため、非開放型(すなわち、密閉型または準密閉型)の排水処理用の溝をもつ床部材に空調器のドレイン用ホースを簡単に接続できる連結具および当該連結具と前記床部材よりなる空調器ドレイン排水処理装置の提供されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開平10−46762号公報
【特許文献2】特開2001−289459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のドレイン排水溝部材も含め、一般にドレイン排水溝部材は、ドレイン水が流れる排水路の傷みが早く、加えてカビ等による汚れも発生しやすい。従って、ドレイン排水溝部材の排水路が傷んで実用上支障をきたすようになれば、排水路以外の部分が傷んでいなかったとしても、ドレイン排水溝部材全体を交換しなければならず、経済的、労力的に不都合が多かった。
【0007】
また、ドレイン排水溝部材の排水路にカビ等による汚れが発生した場合には、床面に施工された状態のままではメンテナンス方法が限られてしまい、汚れを落とすことが困難であることが多かった。
【0008】
さらに、特許文献2に記載の排水路が管状体になっているドレイン排水溝部材においては、上述した問題点に加え、前記排水路に塵等が溜まったり、或いはカビ等が生えた場合にはこれらを除去することが非常に困難であり、さらなる改善が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明は上記問題点を解決したものであり、請求項1記載の発明は、屋外の床下地に設置されてドレインホースからのドレイン水を受けて流して排水するための、ドレイン排水溝部材において、ドレイン水を流すための長手方向に延びた排水路部材と、前記排水路部材を脱着可能に嵌設するための嵌設部材から構成されており、前記排水路部材、及び/又は前記嵌設部材の少なくとも一方の側部には横方向に張り出した張出部が形成されていることを特徴とするドレイン排水溝部材を提供するものである。請求項1記載の発明により、排水路を有する排水路部材が、前記嵌設部材と脱着可能に設けられているため、他の部分より早期に傷んでしまう排水路を有する排水路部材が、実用上支障が出る程度に傷んでしまった場合に前記排水路部材のみを取り外して交換することができる。また、排水路に塵等の汚れが溜まった場合には前記排水路部材を取り外して当該塵等を除去することができる。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の特徴に加え、前記排水路部材、及び嵌設部材の各々に互いに嵌合可能な少なくとも一組の凹部、及び凸部が設けられているドレイン排水溝部材を提供するものである。請求項2記載の発明により、容易かつ確実に排水路部材を嵌設部材に脱着可能に設けることができる。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の特徴に加え、前記嵌設部材の前記排水路部材が嵌設される部分に溝部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載のドレイン排水溝部材たことを特徴とする請求項1、又は2記載のドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0012】
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一に記載の特徴に加え、前記排水路部材の外部側面の少なくとも一方、及び/又は前記排水路部材の外部底面に、前記嵌設部材と互いに嵌合可能な凹部、及び凸部が設けられたことを特徴とするドレイン排水溝部材を提供するものである。
【0013】
請求項3、4記載の発明により、排水路部材の嵌設部材への取り付け状態がより安定化し、本発明ドレイン排水溝部材の上面において、前記排水路部材、及び前記嵌設部材との上面を面一にすることもでき、実用時に前記排水路部材と前記嵌設部材の各々上面の段差によって、躓く等することを防止することができ安全性の観点から有効である。
【0014】
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一に記載の特徴に加え、前記排水路部材が中空管状体であるドレイン排水溝部材を提供するものである。請求項5記載の発明により、歩行によって靴に付着した土の排水路への浸入を防止することができるため、塵等が溜まることを僅少に抑制することができる上、風等によって排水路を流れるドレイン水が排水路外に流れていってしまうことを防止することができる。
【0015】
また、請求項6記載の発明は、請求項5に記載の特徴に加え、前記排水路部材が上方から塞ぐための平板状の蓋部材と通水部材から形成されているドレイン排水溝部材を提供するものである。請求項6記載の発明により、排水路部材を構成する蓋部材と通水部材が互いに着脱可能に設けられているため、排水路部材が管状であっても、排水路内に塵等が溜まった場合に前記蓋部材を外して掃除することができることから、メンテナンス性の観点から非常に有効である。
【0016】
また、請求項7記載の発明は、請求項6に記載の特徴に加え、前記蓋部材が通水部材に対して、長手方向にスライドして脱着可能となっているドレイン排水溝部材を提供するものである。請求項7記載の発明により、前記蓋部材の着脱がより容易かつ迅速になり、メンテナンス性の観点からより好ましい。
【0017】
また、請求項8記載の発明は、請求項7に記載の特徴に加え、前記通水部材の両側部に設けられた溝部に蓋部材の両縁部を挿入することにより、通水部材に対してスライドするようになっているドレイン排水溝部材を提供するものである。請求項8記載の発明により、通水部材の両側部に溝部を設けるという簡素な構造により、前記蓋部材を前記通水部材から容易に着脱可能に設けることができる。
【0018】
また、請求項9記載の発明は、請求項6乃至8の何れか一に記載の特徴に加え、前記通水部材の両側部から内側に向かって突出部が形成されているドレイン排水溝部材を提供するものである。請求項9記載の発明により、前記通水部材の両側部に形成されている突出部が、歩行による踏圧等、排水路部材の上面部にかかる上から下への圧力を保持することができるため、当該圧力がかかった場合であっても、排水路部材の上面部が前記踏圧等による凹みによって、排水されるドレイン水が塞き止められることはない。
【0019】
また、請求項10記載の発明は、請求項1乃至9に何れか一に記載の特徴に加え、排水路部材が中空管状体である場合には排水路の底部にリブを設けたドレイン排水溝部材を提供するものである。請求項10記載の発明により、排水路底部に設けたリブが歩行による踏圧等排水路部材の上面部にかかる上から下への圧力を有効に保持することができ、当該圧力がかかった場合であっても、排水路部材の上面部が前記踏圧等による凹みによって、排水されるドレイン水が塞き止められることはない。また、加えて前記リブは導水機能も果たすため、円滑にドレイン水を排水することができる。
【0020】
また、請求項11記載の発明は、請求項1乃至10記載の何れか一に記載の特徴に加え、蓋部材の裏面にリブを設けたドレイン排水溝部材を提供するものである。請求項11記載の発明により、蓋部材の裏面に設けられたリブにより、排水路部材の上面にかかる圧力をより確実に保持することができ、当該圧力がかかった場合であっても、排水路部材の上面部が前記踏圧等による凹みによって、排水されるドレイン水が塞き止められることはない。また、加えて前記リブは導水機能も果たすため、円滑にドレイン水を排水することができる。
【0021】
また、請求項12記載の発明は、請求項1乃至11に何れか一に記載の特徴に加え、排水路の中央部の底面が低くなっているドレイン排水溝部材を提供するものである。請求項12記載の発明により、ドレイン水を効率的に排水路の中央に集めて効率よく導水することができる。
【0022】
また、請求項13記載の発明は、床材と、ドレインホースからのドレイン水を受けて流して排水するための、ドレイン排水溝部材とが設置されたドレイン排水床構造において、ドレイン水を流すための長手方向に延びた排水路部材と、前記排水路部材を脱着可能に嵌設するための嵌設部材から構成されており、前記嵌設部材の少なくとも一方の側部には横方向に張り出した張出部が形成されていることを特徴とするドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたことを特徴とするドレイン排水床構造を提供するものである。尚、本明細書において、床材とは、合成樹脂、石材、又は陶器からなるタイル、又はポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂からなるシートをいう。
【0023】
また、請求項14記載の発明は、床材と、ドレインホースからのドレイン水を受けて流して排水するための、ドレイン排水溝部材とが設置されたドレイン排水床構造において、ドレイン水を流すための長手方向に延びた排水路部材と、前記排水路部材を脱着可能に嵌設するための嵌設部材から構成されており、前記排水路部材、及び/又は前記嵌設部材の少なくとも一方の側部には横方向に張り出した張出部が形成されている前記排水路部材、及び嵌設部材の各々に互いに嵌合可能な少なくとも一組の凹部、及び凸部が設けられているドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたことを特徴とするドレイン排水床構造を提供するものである。
【0024】
また、請求項15記載の発明は、請求項13、又は14に記載の特徴に加え、前記嵌設部材の前記排水路部材が嵌設される部分に溝部が形成されているドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたドレイン排水床構造を提供するものである。
【0025】
また、請求項16記載の発明は、請求項13、乃至15の何れか一に記載の特徴に加え、前記排水路部材の外部側面の少なくとも一方、及び/又は前記排水路部材の外部底面に、前記嵌設部材と互いに嵌合可能な凹部、及び凸部が設けられているドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたドレイン排水床構造を提供するものである。
【0026】
また、請求項17記載の発明は、請求項13乃至16の何れか一に記載の特徴に加え、前記排水路部材が中空管状体であるドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたドレイン排水床構造を提供するものである。
【0027】
また、請求項18記載の発明は、請求項17に記載の特徴に加え、前記排水路部材が上方から塞ぐための平板状の蓋部材と通水部材から形成されているドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたドレイン排水床構造を提供するものである。
【0028】
また、請求項19記載の発明は、請求項18に記載の特徴に加え、前記蓋部材が通水部材に対して、長手方向にスライドして脱着可能となっているドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたドレイン排水床構造を提供するものである。
【0029】
また、請求項20記載の発明は、請求項19に記載の特徴に加え、前記通水部材の両側部に設けられた溝部に蓋部材の両縁部を挿入することにより、通水部材に対してスライドするようになっているドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたドレイン排水床構造を提供するものである。
【0030】
また、請求項21記載の発明は、請求項17乃至20の何れか一に記載の特徴に加え、前記通水部材の両側部から内側に向かって突出部が形成されているドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたドレイン排水床構造を提供するものである。
【0031】
また、請求項22記載の発明は、請求項17乃至21の何れか一に記載の特徴に加え、前記排水路の底部にリブを設けた蓋部材が通水部材に対して、長手方向にスライドして脱着可能となっているドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたドレイン排水床構造を提供するものである。
【0032】
また、請求項23記載の発明は、請求項17乃至22に何れか一に記載の特徴に加え、前記蓋部材の裏面にリブを設けたドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたドレイン排水床構造を提供するものである。
【0033】
また、請求項24記載の発明は、請求項13乃至24に何れか一に記載の特徴に加え、前記排水路の中央部の底面が低くなっているドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたドレイン排水床構造を提供するものである。
【発明の効果】
【0034】
本発明の請求項1記載の発明によれば、排水路を有する排水路部材が、前記嵌設部材と脱着可能に設けられているため、他の部分より早期に傷んでしまう排水路を有する排水路部材が、実用上支障が出る程度に傷んでしまった場合に前記排水路部材のみを取り外して交換することができる。また、排水路に塵等の汚れが溜まった場合には前記排水路部材を取り外して当該塵等を除去することができる。
【0035】
また、本発明ドレイン排水溝部材の排水路部材のみ、若しくは排水路部材が主要部分として床面上に露出している場合は、排水路部材のみの交換をもって、外見上のドレイン排水溝部材を新規なものすることが可能となる。
【0036】
また、本発明ドレイン排水溝部材を床面に施工した場合、排水路部材のみ、若しくは排水路部材が主要部分として床面上に露出している場合は、排水路部材のみの交換をもって、外見上のドレイン排水溝部材を新規なものすることができることに加え、排水路部材について異なった色彩のものに交換することにより、ドレイン排水溝部材の色彩の変更が容易となり、床面の意匠性のバリエーションを向上させることができる。
【0037】
本発明の請求項2記載の発明によれば、容易かつ確実に排水路部材を嵌設部材に脱着可能に設けることができる。
【0038】
請求項3、及び4記載の発明によれば、排水路部材の嵌設部材への取り付け状態がより安定化し、本発明ドレイン排水溝部材の上面において、前記排水路部材、及び前記嵌設部材との上面を面一にすることもでき、実用時に前記排水路部材と前記嵌設部材の各々上面の段差によって、躓く等することを防止することができ安全性の観点から有効である。
【0039】
請求項5記載の発明によれば、歩行によって靴に付着した土の排水路への浸入を防止することができるため、塵等が溜まることを僅少に抑制することができる上、風等によって排水路を流れるドレイン水が排水路外に流れていってしまうことを防止することができる。
【0040】
請求項6記載の発明によれば、排水路部材を構成する蓋部材と通水部材が互いに着脱可能に設けられているため、排水路部材が管状であっても、排水路内に塵等が溜まった場合に前記蓋部材を外して掃除することができるため、メンテナンス性の観点から非常に有効である。
【0041】
請求項7記載の発明によれば、前記蓋部材の着脱がより容易かつ迅速になり、メンテナンス性の観点からより好ましい。
【0042】
請求項8記載の発明によれば、排水路を形成する両側部に設けられた溝部に蓋部材を挿入することにより、通水部材に対してスライドするようになっているため、簡単な構造で蓋部材の脱着が安定的に可能となる。また、蓋部材の両縁部が通水部材の排水路の両側部の溝部に挿入された状態で、蓋部材が通水部材に取り付けられるので、蓋部材は利用者の通常の歩行によっても外れにくいという効果を奏することができる。
【0043】
さらに、前記蓋部材の両縁部と前記通水部材の排水路の両側部の溝部との間には蓋部材と通水部材としての遊びが存在しているため、蓋部材の脱着が困難になることはなく、さらには、脱着を繰り返してもスライドが困難になったり、蓋部材が外れやすくなることはない。また、部材が経時的に変化しても、遊びがその変形を吸収することができるので、蓋部材のスライドが不可能になることはない。さらに、部材の可撓性の大小にかかわらず、蓋部材のスライドを円滑に行うことができる。尚、本明細書において、通水部材とは、本発明ドレイン排水溝部材可能な蓋部材を有する実施形態において、排水路を有する部材をいうものとする。
【0044】
請求項9記載の発明によれば、前記通水部材の両側部に形成されている突出部が、歩行による踏圧等、排水路部材の上面部にかかる上から下への圧力を保持することができるため、当該圧力がかかった場合であっても、排水路部材の上面部が前記踏圧等による凹みによって、排水されるドレイン水が塞き止められることはない。
【0045】
請求項10記載の発明によれば、排水路部材が中空管状体である場合には排水路底部に設けたリブが歩行による踏圧等排水路部材の上面部にかかる上から下への圧力を有効に保持することができ、当該圧力がかかった場合であっても、排水路部材の上面部が前記踏圧等による凹みによって、排水されるドレイン水が塞き止められることはない。また、加えて前記リブは導水機能も果たすため、円滑にドレイン水を排水することができる。
【0046】
請求項11記載の発明によれば、排水路底部、及び蓋部材の裏面に設けられたリブにより、排水路部材の上面にかかる圧力をより確実に保持することができ、当該圧力がかかった場合であっても、排水路部材の上面部が前記踏圧等による凹みによって、排水されるドレイン水が塞き止められることはない。また、加えて前記リブは導水機能も果たすため、円滑にドレイン水を排水することができる。
【0047】
請求項12記載の発明によれば、ドレイン水を効率的に排水路の中央に集めて効率よく導水することができる。
【0048】
請求項13記載の発明によれば、排水路を有する排水路部材が、前記嵌設部材と脱着可能に設けられているため、他の部分より早期に傷んでしまう排水路を有する排水路部材が、実用上支障が出る程度に傷んでしまった場合に前記排水路部材のみを取り外して交換することができるため、施工効率、及び施工における経済的側面からも非常に有効である。
【0049】
また、排水路に塵等の汚れが溜まった場合には前記排水路部材を取り外して当該塵等を除去することができ、メンテナンス性を飛躍的に向上させることができる。
【0050】
また、本発明ドレイン排水溝部材を床面に施工されている場合、排水路部材について異なった色彩のものに交換することにより、ドレイン排水溝部材の色彩の変更が容易となり、床面の意匠性のバリエーションを向上させることができる。
【0051】
また、本発明ドレイン排水溝部材の排水路部材のみ、若しくは排水路部材が主要部分として床面上に露出している場合は、排水路部材のみの交換をもって、外見上のドレイン排水溝部材を新規なものすることが可能となる。
【0052】
請求項14記載の発明によれば、本発明ドレイン排水溝部材の排水路部材、及び/又は前記嵌設部材に張出部を形成することにより、本発明ドレインは排水溝部材を床面に床材とともに施工した場合に、床材と前記ドレイン排水溝部材との間で段差が生じた際に張出部に傾斜を設けることで、当該段差による歩行時の危険性を大幅に緩和することができる。
【0053】
また、本発明ドレインは排水溝部材を床面に床材とともに施工した場合に、隣接する床材と前記ドレイン排水溝部材との接地部分で溶接処理を行う場合も前記張出部により、非常に容易かつ確実に溶接処理がすることができ、施工効率面で非常に有用である。
【0054】
さらに、本発明ドレイン排水溝部材の排水路部材、及び嵌設部材の各々に嵌合可能な少なくとも一組の凹部、及び凸部が設けることにより、前記排水路部材を前記嵌設部材に脱着可能に設けることができる。
【0055】
請求項15、16記載の発明によれば、排水路部材の嵌設部材への取り付け状態がより安定化し、本発明ドレイン排水溝部材の上面において、前記排水路部材、及び前記嵌設部材との上面を面一にすることもでき、実用時に前記排水路部材と前記嵌設部材の各々上面の段差によって、躓く等することを防止することができ安全性の観点から有効である。
【0056】
請求項17記載の発明によれば、歩行によって靴に付着した土の排水路への浸入を防止することができるため、塵等が溜まることを僅少に抑制することができる上、風等によって排水路を流れるドレイン水が排水路外に流れていってしまうことを防止することができる。
【0057】
請求項18記載の発明によれば、排水路部材を構成する蓋部材と通水部材が互いに着脱可能に設けられているため、排水路部材が管状であっても、排水路内に塵等が溜まった場合に前記蓋部材を外して掃除することができるため、メンテナンス性の観点から非常に有効である。
【0058】
請求項19記載の発明によれば、前記蓋部材の着脱がより容易かつ迅速になり、メンテナンス性の観点からより好ましい。即ち、蓋部材の両縁部に形成された溝部に、排水路を形成する両側部に設けられた凸部を挿入することによって、通水部材に対してスライドするようになっているため、蓋部材を簡単な構成によって、安定して通水部材に対してスライドさせることができる。
【0059】
また、蓋部材の両縁部の溝部に通水部材の排水路の両側部の凸部が挿入された状態で蓋部材が通水部材に取り付けられるので、蓋部材は利用者の歩行によっても外れにくい。
【0060】
また、蓋部材の両縁部の溝部と通水部材の排水路の両側の凸部との間には、蓋部材を通水部材に対してスライドさせるために、遊びが存在しているため、さらに、蓋部材の両縁部と通水部材の排水路の両側部の溝部との間には蓋部材と通水部材としての遊びが存在しているため、蓋部材の脱着が困難になることはなく、さらには、脱着を繰り返してもスライドが困難になったり、蓋部材が外れやすくなることはない。
【0061】
また、部材が経時的に変化しても、遊びがその変形を吸収することができるので、蓋部材のスライドが不可能になることはない。さらに、部材の可撓性の大小にかかわらず、蓋部材のスライドを円滑に行うことができる。
【0062】
請求項20記載の発明によれば、通水部材の両側部に溝部を設けるという簡素な構造により、前記蓋部材を前記通水部材から容易に着脱可能に設けることができる。
【0063】
請求項21記載の発明によれば、前記通水部材の両側部に形成されている突出部が、歩行による踏圧等、排水路部材の上面部にかかる上から下への圧力を保持することができるため、当該圧力がかかった場合であっても、排水路部材の上面部が前記踏圧等による凹みによって、排水されるドレイン水が塞き止められることはない。
【0064】
加えて、本発明ドレイン排水溝部材の通水部材の両側部に形成された突出部により、スライド部分における蓋部材と通水部材との装着状態を安定させることができ、また、ドレイン水がスライド部分から漏れて溢れ出すのを防止することができる。
【0065】
請求項22記載の発明によれば、排水路底部に設けたリブが歩行による踏圧等排水路部材の上面部にかかる上から下への圧力を有効に保持することができ、当該圧力がかかった場合であっても、排水路部材の上面部が前記踏圧等による凹みによって、排水されるドレイン水が塞き止められることはない。また、加えて前記リブは導水機能も果たすため、円滑にドレイン水を排水することができる。
【0066】
請求項23記載の発明によれば、蓋部材の裏面に設けられたリブにより、排水路部材の上面にかかる圧力をより確実に保持することができ、当該圧力がかかった場合であっても、排水路部材の上面部が前記踏圧等による凹みによって、排水されるドレイン水が塞き止められることはない。また、加えて前記リブは導水機能も果たすため、円滑にドレイン水を排水することができる。
【0067】
請求項24記載の発明によれば、ドレイン水を効率的に排水路の中央に集めて効率よく導水することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0068】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ詳述する。図1は本発明ドレイン排水溝部材の一例の断面図を示ものである。図1において、本発明ドレイン排水溝部材1は排水路部材2、及び嵌設部材3から構成されている。前記排水路部材2には嵌合部T1、T2が設けられている。即ち、前記排水路部材2は前記嵌設部材3から排水路部材に形成された凹部と嵌設部材に形成された凸部を嵌合させることによって脱着可能となっている。
【0069】
本発明ドレイン排水溝部材の排水路部材、嵌設部材に各々凹部、及び凸部を図1に示すように本発明ドレイン排水溝部材裏面に対し、略垂直に形成する場合には、図1に示すように本発明ドレイン排水溝部材裏面に対し、略垂直に前記凹部、及び凸部を設けることで脱着可能にする場合には排水路部材と嵌設部材の安定的な結合という観点から、図1にて例示する断面T字形状のような嵌合状態を掛止できる形状を採ることが好ましい。また、前記嵌合部を設ける個数は排水路部材と嵌設部材が安定的に結合できれば特に限定はされず、少なくとも一つ設ければよい。
【0070】
また、本発明ドレイン排水溝部材はドレイン水を流すため長手方向に延びた形状を有しているが、前記排水路部材と前記嵌設部材とを接合するための嵌合部は長手方向に連続的に設けてもよいし、又は非連続的に設けてもよく、非連続的に設ける場合には排水路部材と嵌設部材とが安定的に結合できればその個数は特に限定されない。
【0071】
また、本発明ドレイン排水溝部材において、排水路部材と嵌設部材とを結合する手段として、上記のように嵌合させて結合させる方法のほか、ベロクロテープ、粘着剤、両面テープ等の各種公知の脱着可能な接合手段を採ることも可能である。
【0072】
また、本発明ドレイン排水溝部材においては、排水路部材、及び/又は嵌設部材の少なくとも一方の側面には横方向に張出した張出部が形成されている。図1に示すように、張出部H1、H2が形成されている。ここで、排水路部材の張出部とは当該排水路部材の側面において、底面の厚さより厚い部分をいう。また、嵌設部材の張出部とは前記排水路部材の側面において、底面の厚さより突出している部分をいう。
【0073】
本発明ドレイン排水溝部材において、張出部を設ける理由として、床面に施工した場合に本発明ドレイン排水溝部材によって生じる急激な段差を解消する点にある。図1に例示すように、排水路部材2の張出部H1、H2に傾斜を付与することにより、有効に急激な段差を解消することができ、歩行安全性等の観点から好ましい。
【0074】
また、本発明ドレイン排水溝部材1を構成する素材はポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、又はエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂等の熱可塑性樹脂の他、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、及びSBR、CR等の熱可塑性エラストマー、さらには、金属類、セラミクスであってもよい。また、運送時、及び施工時の取り扱いの容易性の見地から、可撓性を付与できる素材、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、又はポリ塩化ビニル樹脂、若しくはポリエチレン樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を混合した樹脂や熱可塑性エラストマーが好ましく用いることができる。本発明ドレイン排水溝部材を構成する素材は、嵌設部材、排水路部材がともに同一の素材である必要はなく、各々異なった素材で構成してもよい。
【0075】
また、後述する本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態である排水路部材が通水部材と蓋部材とによって構成される場合であっても、上記と同様に通水部材と蓋部材とは必ずしも同一の素材である必要はなく、各々異なった素材で構成してもよい。よって、当該実施形態の場合には、嵌設部材、通水部材、及び蓋部材が各々異なった素材から構成されていてもよい。
【0076】
また、本発明ドレイン排水溝部材において、張出部を設ける他の理由として、床材とともに施工する際に当該床材との接合部分を確保する点にある。即ち、本発明ドレイン排水溝部材は床タイル、又は床シートとともに床面に施工される場合が一般的である。
【0077】
図2に本発明ドレイン排水溝部材と床材が床面に施工された状態の一例の断面図を示す。図2に示すように、本発明ドレイン排水溝部材21、及び床材f21の双方が熱可塑性樹脂からなる場合には双方の結合をより強化するとともに、接合部分からの水、又は塵等の床面F2への浸入を防ぐこと等を目的として、前記床材と前記ドレイン排水溝部材との接合部分に溝を形成し、溶融した熱可塑性樹脂を充填して図2に示す溶接部分J21、J22を設けることが多い。当該接合部分J21、J22の熱可塑性樹脂の充填をする部分を確保する観点から本発明ドレイン排水溝部材に張出部を設けることが好ましい。尚、前記溶接部分は排水路部材22の嵌設部材23からの脱着容易性の観点から、図示するように溶接部分J21、J22は嵌設部材23の張出部の端部に設けることが好ましい。
【0078】
また、本発明ドレイン排水溝部材21において、張出部が少なくとも一方の側面に設けられていればよい。その理由としては、例えば、本発明ドレイン排水溝部材を壁面側に接するように施工する必要がある場合には、前記壁面側の張出部があることがかえって不都合となる。かかる場合には、壁面に接する側に本発明ドレイン排水溝部材の張出部は設けないほうが好ましい。
【0079】
また、本発明ドレイン排水溝部材を壁面に接するように施工した場合には歩行時に躓く危険性が極めて低い。加えて、上述したように壁面とドレイン排水溝部材との接合部分には熱可塑性樹脂を溶融・充填して溶接部を設けることは一般的にはなされないため、上記目的で設けられる張出部は不要となるからである。
【0080】
また、図2に示すように、嵌設部材23は床材f21とともに床面F2に接着剤等G2により貼着・固定されている。一方、排水路部材22は前記嵌設部材23と脱着可能に設けられているため、前記嵌設部材21を床面F2に貼着したままの状態で排水路部材22のみを交換、又は取り外して排水路部材22を掃除等行うことができる。尚、本明細書において、接着剤等とは、接着剤の他、粘着剤、両面テープ、ベロクロテープを含むものとする。
【0081】
また、図3に本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態の一例の断面図を示す。図3に示すように、嵌設部材33、33´は必ずしも完全に分離されている必要はなく、部分的に分離して設けられていてもよい。本実施形態の場合、排水路部材32と嵌設部材33、33´を結合するために設けられる嵌合部分T31、T32は排水路部材32の側面部に設けられる。
【0082】
また、図4に図3に示す本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態の一例の施工状態の断面図を示す。本発明ドレイン排水溝部材41の排水路部材42が嵌設部材43、43´に嵌合部分T41、T42を介して結合されている。本発明ドレイン排水溝部材41の嵌設部材43、43´の両端部には床材f41、f42が施工されている。図4に示すように、本発明ドレイン排水溝部材41の嵌設部材43、43´、及び床材f41、f42は接着剤等G4によって床面F4と貼着されている。一方、本発明ドレイン排水溝部材41の排水路部材42は接着剤等G4が粘着剤、両面テープ、又はベロクロテープといった脱着可能な場合、床面F4と貼着してもよいが、排水路部材42の脱着の容易性の観点から、接着剤等G4によって貼着されていない方が好ましい。
【0083】
また、本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、嵌設部材に排水路部材が設置可能なように溝部を設けてもよい。図5に本発明ドレイン排水溝部材の嵌設部材に排水路部材が設置可能なように溝部を設けた一例の断面図を示す。
【0084】
図5に示すように、本発明ドレイン排水溝部材51の嵌設部材53に排水路部材52が設置可能な溝部が設けられ、当該溝部に前記排水路部材52が設置されている。排水路部材52、及び嵌設部材53との接地側面には嵌合部分T51、T52が、接地底面には嵌合部分T53、T54が設けられている。嵌合部分は図5に示すように、排水路部材、及び嵌設部材の接地側面、及び接地底面に設けられてもよいが、排水路部材、及び嵌設部材の接地側面、又は接地底面の何れか一方に設けられていてもよい。また、排水路部材、及び嵌設部材の接地底面にのみ設ける場合には、既述したように、嵌合状態の安定性の観点から、断面T字状に設けることが好ましい。本発明ドレイン排水溝部材の本実施形態においては、排水路部材をスライド等させることよって脱着可能となっている。
【0085】
図6に嵌設部材に排水路部材が設置可能なように溝部を設けた本発明ドレイン排水溝部材の一例の施工状態の断面図を示す。図6に示すように、本発明ドレイン排水溝部材61の嵌設部材63、及び隣接する床材f61、f62は床面F6に接着剤等G4により貼着されている。
【0086】
一方、本発明ドレイン排水溝部材61の排水路部材62は嵌設部材63の溝部に設置され、嵌合部分T61、T62、T63、T64によって脱着可能に結合されている。本実施形態により、前記嵌設部分の溝部、及び前記嵌合部分によって、より強固かつ安定的に排水路部材62、及び嵌設部材63を結合させることができ、加えて、排水路部材62が容易に脱着可能とすることができる。
【0087】
また、本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、排水路部材を管状体にしてもよい(図示せず)。本発明ドレイン排水溝部材の排水路部材を管状体にすることにより、排水路への靴等による外部からの砂、塵等の持込みが少なくなることに加え、ドレイン水が風等によって床面へ流れ出すことがないため有用である。また、本発明ドレイン排水溝部材においては、排水路部材の脱着が可能であるため、管状体である排水路部材に塵等が溜まった場合でも容易に掃除、又はメンテナンスをすることができ非常に有用である。
【0088】
また、本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、管状体の排水路部材の蓋部材を脱着可能に設けてもよい(図示せず)。本実施形態の場合、前記排水路部材は脱着可能な蓋部材、及び通水部材から構成される。前記排水路部材の蓋部材を脱着可能に設けることにより、当該排水路部材に塵等が溜まった場合でも、排水路部材自体を取り外すまでもなく、前記蓋部材のみを取り外すことにより、極めて容易に掃除、又はメンテナンスをすることが可能となる。
【0089】
前記排水路部材の蓋部材を脱着可能に設ける手段としては、前記蓋部材と前記通水部材に嵌合可能な凹凸部分を設ける他、ベニクロテープ、粘着剤等公知の脱着可能な手段を用いることができ、前記脱着可能な手段の何れか一、又は二以上の手段を併用してもよい。
【0090】
また、本実施形態においては、排水路部材を構成する蓋部材が互いに嵌合可能に設けられた通水部材の凹凸部分によって、前記蓋部材を長手方向にスライドさせることにより脱着可能に設けることが、蓋部材の脱着容易性の観点から好ましい。また、排水路部材を構成する通水部材の両側部に設けられた溝部分に蓋部材の両縁部を挿入することによって、脱着可能に設ければ、簡単な構造かつ容易に蓋部材を脱着することができる。
【0091】
また、本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、排水路部材の排水路底部に長手方向に凸状のリブを設けてもよい(図示せず)。前記リブを設けることにより、ドレイン水の導水効果が向上させることができる。また、前記リブは長手方向に連続的に設けてもよいし、断続的に設けてもよい。さらに、前記リブは少なくとも一つ設ければよく、特に設けるリブの数は限定されないがリブは複数設けるほうが、より効果的に導水効率を向上させることができるため好ましい。
【0092】
また、本発明ドレイン排水溝部材に設けるリブは排水路部材が管状体である場合には上述したドレイン水の導水効果に加え、排水路部材の上面部を踏圧等から支持し、ドレイン水を恒常的に円滑に排水することができる。また、より強固に前記排水路部材の上面部を踏圧等から支持する観点から、前記リブは、複数設ける方が好ましい。
【0093】
図7に本発明ドレイン排水溝部材の排水路底部にリブを設けた一例の断面図を、図8に排水溝部材の排水路底部にリブを設けた本発明ドレイン排水溝部材の一例の施工状態の断面図を示す。図7に示すように、排水路底部に凸状のリブL7が設けられており、排水路部材の蓋部材70が通水部材72と嵌合部分t71、t72によって脱着可能に設けられている。また、排水路部材も嵌合部T71、T72によって脱着可能に結合されている。
【0094】
また、図8に示すように、床面F8に床材f81、f82とともに施工された場合、リブL8によって、導水が容易になることに加え、排水路部材の蓋部材80に踏圧等の上からの圧力がかかったとしても、前記リブL8によって支持されるため、ドレイン水の恒常的かつ円滑な排水が可能となる。
【0095】
また、本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、排水路上部にリブを設けてもよい。図9に本発明ドレイン排水溝部材の排水路上部にリブを設けた一例の断面図を、図10に排水溝部材の排水路上部にリブを設けた本発明ドレイン排水溝部材の一例の施工状態の断面図を示す。
【0096】
図9に示すように、排水路上部に凸状のリブL9が設けられており、排水路部材の蓋部材90が通水部材92と嵌合部分t91、t92によって脱着可能に設けられている。また、排水路部材も嵌合部T91、T92によって脱着可能に結合されている。
【0097】
また、図10に示すように、床面F10に床材f101、f102とともに施工された場合、リブL10によって、導水が容易になることに加え、排水路部材の蓋部材100に踏圧等の上からの圧力がかかったとしても、前記リブL10によって支持されるため、ドレイン水の恒常的かつ円滑な排水が可能となる。但し、本実施形態において、ドレイン水の排水の導水効果を奏するためには、前記リブが排水されるドレイン水に接する程度の長さを有することが必要である。
【0098】
また、本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、排水路部材を構成する排水路の上部、及び排水路の底部の双方にリブを設けてもよい。図11に本発明ドレイン排水溝部材の蓋部材、及び排水路底部にリブを設けた一例の断面図を、図12に蓋部材、及び排水路底部にリブを設けた本発明ドレイン排水溝部材の一例の施工状態の断面図を示す。
【0099】
図11に示すように、嵌合部分t111、及びt112により脱着可能に設けられた蓋部材110の排水路側の上部にリブL112、及び排水路の底部にリブL111が設けられている。また、蓋部材110、及び通水部材112から構成されている排水路部材は嵌合部T111、T112によって、嵌設部材113と脱着可能に設けられている。
【0100】
図12に示すように、床面F12に床材f121、f122とともに施工された場合、リブL12によって、導水が容易になることに加え、排水路部材の蓋部材120に踏圧等の上からの圧力がかかったとしても、前記リブL12、及びL13の双方によって支持されるため、ドレイン水の恒常的かつ円滑な排水が可能となる。
【0101】
また、本実施形態の場合、排水路底面にリブL121が設けられているため、蓋部材120に設けられたリブL122が排水されるドレイン水に達する長さを有していなくとも、導水性は損なわれないため、安定的に導水することができる。
【0102】
また、本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、通水部材両側部から内側に向かって、突出部が形成することにより、管状体である排水路部材の蓋部材を支持してもよい。
【0103】
図13に本発明ドレイン排水溝部材の管状体である排水路部材の蓋部材を支持可能なように通水部材の両側部から内側に向かって、突出部が設けられた一例の断面図を、図14に管状体である排水路部材の蓋部材を支持可能なように通水部材の両側部から内側に向かって、突出部が設けられた本発明ドレイン排水溝部材の一例の施工状態の断面図を示す。
【0104】
図13に示すように、嵌合部分t131、及びt132により脱着可能に設けられた蓋部材130を踏圧等の上からの圧力に対して支持できるように、通水部材132の両側部から内側に向かって突出部a131、a132が設けられている。また、蓋部材130、及び通水部材132から構成されている排水路部材は嵌合部T131、T132によって、嵌設部材133と脱着可能に設けられている。
【0105】
図14に示すように、床面F14に床材f141、f142とともに施工された場合、排水路部材の蓋部材140に踏圧等の上からの圧力がかかったとしても、突出部a141,a142によって、前記蓋部材140が支持されるため、ドレイン水の恒常的な排水が可能となる。
【0106】
また、本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態として、排水路の中央部の底面が低くなるように形成してもよい(図示せず)。本実施形態においては、排水路の中央部の底面を漸次排水路の中央部に向かって低く形成してもよいし、当該排水路の中央部に溝部を形成してもよい。かかる排水路の中央部を他の底面より低く形成することにより、ドレイン水を効率的に排水路の中央に集めて効率よく導水することができる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明ドレイン排水溝部材はドレイン水を円滑に導水することができるほか、排水路部分が脱着可能であることから、塵等が溜まりやすい排水路のメンテナンス等が容易になり、加えて最も劣化等が生じやすい排水路の部分のみを交換することができるため、ドレイン排水溝部材自体を貼りかえるまでもなく産業上の利用価値はきわめて高いものである。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明ドレイン排水溝部材の一例の断面図を示す。
【図2】本発明ドレイン排水溝部材が施工された状態の一例の断面図を示す。
【図3】本発明ドレイン排水溝部材の他の実施形態の一例の断面図を示す。
【図4】他の実施形態の本発明ドレイン排水溝部材が施工された状態の一例の断面図を示す。
【図5】本発明ドレイン排水溝部材の嵌設部材に排水路部材が設置可能なように溝部を設けた一例の断面図を示す。
【図6】嵌設部材に排水路部材が設置可能なように溝部を設けた本発明ドレイン排水溝部材の一例の施工状態の断面図を示す。
【図7】本発明ドレイン排水溝部材の排水路底部にリブを設けた一例の断面図を示す。
【図8】排水溝部材の排水路底部にリブを設けた本発明ドレイン排水溝部材の一例の施工状態の断面図を示す。
【図9】本発明ドレイン排水溝部材の排水路上部にリブを設けた一例の断面図を示す。
【図10】排水溝部材の排水路上部にリブを設けた本発明ドレイン排水溝部材の一例の施工状態の断面図を示す。
【図11】本発明ドレイン排水溝部材の蓋部材、及び排水路底部にリブを設けた一例の断面図を示す。
【図12】蓋部材、及び排水路底部にリブを設けた本発明ドレイン排水溝部材の一例の施工状態の断面図を示す。
【図13】本発明ドレイン排水溝部材の管状体である排水路部材の蓋部材を支持可能なように通水部材の両側部から内側に向かって、突出部が設けられた一例の断面図を示す。
【図14】管状体である排水路部材の蓋部材を支持可能なように通水部材の両側部から内側に向かって、突出部が設けられた本発明ドレイン排水溝部材の一例の施工状態の断面図を示す。
【符号の説明】
【0109】
1、21、31、41、51、61:本発明ドレイン排水溝部材
2、22、32、42、52、62:排水路部材
3、23、33、33´、43、43´、53、63、73、83、93、103、113、123、133、:嵌設部材
70、80、100、110、120、130、140:蓋部材
72、82、92、102、112、122、132、142:通水部材
a131、a132、a141、a142:突起部
H1、H2、H21、H22、H51、H52、H61、H62、:張出部
T1、T2、T21、T22、T31、T32、T41、T42、T51、T52、T53、T54、T61、T62、T63、T64、T71、T72、T81、T82、T91、T92、T101、T102、T111、T112、T121、T122、T131、T132、T141、T142:嵌合部
t71、t72、t81、t82、t101、t102、t111、t112、t121、t122、t131、t132、t141、t142:嵌合部分
F2、F4、F6、F10、F12、F14:床面
f21、f41、f42、f61、f62、f81、f82、f101、f102、f121、f122、f141、f142:床材
J21、J22、J41、J61、J81、J100、J12、J14:溶接部分
G2、G4、G6、G8、G10、G12、G14:接着剤等
L7、L8、L9、L10、L111、L112、L121、L122:リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外の床下地に設置されてドレインホースからのドレイン水を受けて流して排水するための、ドレイン排水溝部材において、ドレイン水を流すための長手方向に延びた排水路部材と、前記排水路部材を脱着可能に嵌設するための嵌設部材から構成されており、前記排水路部材、及び/又は前記嵌設部材の少なくとも一方の側部には横方向に張り出した張出部が形成されていることを特徴とするドレイン排水溝部材。
【請求項2】
前記排水路部材、及び嵌設部材の各々に互いに嵌合可能な少なくとも一組の凹部、及び凸部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のドレイン排水溝部材。
【請求項3】
前記嵌設部材の前記排水路部材が嵌設される部分に溝部が形成されていることを特徴とする請求項1、又は2に記載のドレイン排水溝部材。
【請求項4】
前記排水路部材の外部側面の少なくとも一方、及び/又は前記排水路部材の外部底面に、前記嵌設部材と互いに嵌合可能な凹部、及び凸部が設けられたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載のドレイン排水溝部材。
【請求項5】
前記排水路部材が中空管状体であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載のドレイン排水溝部材。
【請求項6】
前記排水路部材が上方から塞ぐための平板状の蓋部材と通水部材から形成されている請求項5に記載のドレイン排水溝部材。
【請求項7】
前記蓋部材が通水部材に対して、長手方向にスライドして脱着可能となっている請求項6に記載のドレイン排水溝部材。
【請求項8】
前記通水部材の両側部に設けられた溝部に蓋部材の両縁部を挿入することにより、通水部材に対してスライドするようになっている請求項7記載のドレイン排水溝部材。
【請求項9】
前記通水部材の両側部から内側に向かって突出部が形成されている請求項6乃至8の何れか一に記載のドレイン排水溝部材。
ドレイン排水溝部材。
【請求項10】
排水路の底部にリブを設けた請求項5乃至9の何れか一に記載のドレイン排水溝部材。
【請求項11】
蓋部材の裏面にリブを設けた請求項5乃至10の何れか一に記載のドレイン排水溝部材。
【請求項12】
排水路の中央部の底面が低くなっている請求項1乃至11の何れか一に記載のドレイン排水溝部材。
【請求項13】
床材と、ドレインホースからのドレイン水を受けて流して排水するための、ドレイン排水溝部材とが設置されたドレイン排水床構造において、ドレイン水を流すための長手方向に延びた排水路部材と、前記排水路部材を脱着可能に嵌設するための嵌設部材から構成されており、前記嵌設部材の少なくとも一方の側部には横方向に張り出した張出部が形成されているドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたことを特徴とするドレイン排水床構造。
【請求項14】
床材と、ドレインホースからのドレイン水を受けて流して排水するための、ドレイン排水溝部材とが設置されたドレイン排水床構造において、ドレイン水を流すための長手方向に延びた排水路部材と、前記排水路部材を脱着可能に嵌設するための嵌設部材から構成されており、前記排水路部材、及び/又は前記嵌設部材の少なくとも一方の側部には横方向に張り出した張出部が形成されている前記排水路部材、及び嵌設部材の各々に互いに嵌合可能な少なくとも一組の凹部、及び凸部が設けられているドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたことを特徴とするドレイン排水床構造。
【請求項15】
前記嵌設部材の前記排水路部材が嵌設される部分に溝部が形成されているドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたことを特徴とする請求項13、又は14に記載のドレイン排水床構造。
【請求項16】
前記排水路部材の外部側面の少なくとも一方、及び/又は前記排水路部材の外部底面に、前記嵌設部材と互いに嵌合可能な凹部、及び凸部が設けられているドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたことを特徴とする請求項13乃至15の何れか一に記載のドレイン排水床構造。
【請求項17】
前記排水路部材が中空管状体であるドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたことを特徴とする請求項13乃至16の何れか一に記載のドレイン排水床構造。
【請求項18】
前記排水路部材が上方から塞ぐための平板状の蓋部材と通水部材から形成されているドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたことを特徴とする請求項17に記載のドレイン排水床構造。
【請求項19】
前記蓋部材が通水部材に対して、長手方向にスライドして脱着可能となっているドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたことを特徴とする請求項18に記載のドレイン排水床構造。
【請求項20】
前記通水部材の両側部に設けられた溝部に蓋部材の両縁部を挿入することにより、通水部材に対してスライドするようになっているドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたことを特徴とする請求項19に記載のドレイン排水床構造。
【請求項21】
前記通水部材の両側部から内側に向かって突出部が形成されているドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたことを特徴とする請求項17乃至20の何れか一に記載のドレイン排水床構造。
【請求項22】
前記排水路の底部にリブを設けた蓋部材が通水部材に対して、長手方向にスライドして脱着可能となっているドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたことを特徴とする請求項17乃至21の何れか一に記載のドレイン排水床構造。
【請求項23】
前記蓋部材の裏面にリブを設けたドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたことを特徴とする請求項17乃至22の何れか一に記載のドレイン排水床構造。
【請求項24】
前記排水路の中央部の底面が低くなっているドレイン排水溝部材が床材に隣接するように床面に設置されたことを特徴とする請求項13乃至23の何れか一に記載のドレイン排水床構造。

【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図8】
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【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−321337(P2007−321337A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−149153(P2006−149153)
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(000222495)東リ株式会社 (94)
【Fターム(参考)】