説明

ドロスピレノン含有経皮用薬剤供給装置及びその供給方法

接着剤マトリックス、有効量のドロスピレノン、及びオリゴ乳酸、オリゴ乳酸誘導体又はそれらの混合物から選択されたオリゴマーアジュバントを含んで成る経皮用薬剤供給装置に関する。また、裏地フィルム、及び有効量のドロスピレノン、溶解剤;及びアルキルラクテート、カルボン酸、脂肪酸のアルキルエステル及びそれらの混合物から成る群から選択された透過増強剤を含んで成る接着剤マトリックスを含んで成る経皮用薬剤供給装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明が製造された日又はその前、実質的に存在したジョイント研究合意に基づいてパーティーにより行われ、そして本発明は、前記ジョイント研究合意の範囲内で企画される活動の結果として行われた。前記ジョイント研究合意に基づくパーティーの名称は、Schering A. G. of Berlin, Germany and 3M Company of St. Paul, Minnesotaである。
本発明は、経皮用薬剤供給装置及び経皮用薬剤供給方法に関する。特に、本発明は、ドロスピレノンを供給するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景:
ドロスピレノン(6β、7β、15β、16β−ジメチレン−3−オキソ−17α−プレグン−4−エン−21、17−カーボラクトン)は、利尿化合物としてのその使用が開示されているアメリカ特許第4,124,564号から知られている。
【0003】
アメリカ特許第5,569,652号は、閉経前の間、ホルモン不整の処理(月経安定化)、閉経中のホルモン置換療法、アンドロゲン誘発された障害及び/又は妊娠のためへのドロスピレノンの使用を開示する。
【0004】
アメリカ特許第6,787,531号は、ドロスピレノン及びエチニルエストラジオールを含んで成る医薬組成物、ドロスピレノンの溶解を提供する方法、ドロスピレノンの投与による排卵の阻害方法、及び排卵の阻害のためへのドロスピレノン及びエチニルエストラジオールの使用を開示する。
【0005】
プロゲスチン及びエストロゲンの組合せを含む経口避妊薬は、1960年代以来、使用されて来た。経皮用避妊組成が、1980年代後期に提案されており、そしてエチニルエストラジオール及びノルエルゲストロミンを含む経皮用避妊薬製品、すなわちOrthoEvraTMが、2001年、アメリカ合衆国において市販のために許容された。
【0006】
アメリカ特許第4,816,258号は、薬剤配合物を有するポリマーマトリックス及びそこに分散される透過増強剤を用いての、エチニルエストラジオール及びレボノルゲストレルを投与するための経皮用供給システムを開示する。
【0007】
アメリカ特許第5,252,334号は、薬剤供給速度エンハンサーの添加を伴わないで、薬剤供給の早い速度を達成する、皮膚−接着剤アクリレートコポリマーから形成されたマトリックスを開示する。好ましい態様においては、前記マトリックスは、ステロイド、特にエストラジオールを投与するために使用される。
【0008】
アメリカ特許第6,071,531号は、17−デアセチルノルゲスチメートのみ、又はエストロゲン、例えばエチニルエストラジオールと組合して女性に投与するために経皮用バッチ組成物を開示する。
【発明の開示】
【0009】
発明の要約:
本発明は、ドロスピレノンの経皮供給のための薬剤供給装置を提供する。特に、本発明は、比較的多量のドロスピレノンを溶解でき、そして/又は延長された時間にわたって患者に供給できる装置を提供する。
【0010】
1つの観点においては、本発明は、接着剤マトリックス、有効量のドロスピレノン、及びオリゴ乳酸、オリゴ乳酸誘導体又はそれらの混合物から選択されたオリゴマーアジュバントを含んで成る経皮用薬剤供給装置である。
【0011】
第2の観点においては、本発明は、裏地フィルム、及び有効量のドロスピレノン、溶解剤、及びアルキルラクテート、カルボン酸、脂肪酸のアルキルエステル及びそれらの混合物から成る群から選択された透過増強剤を含んで成る接着剤マトリックスを含んで成る経皮用薬剤供給装置である。1つの観点においては、脂肪酸のアルキルエステルは、メチルラウレートである。1つの態様においては、溶解剤は、芳香族溶解剤である。
【0012】
第3の観点においては、本発明は、有効量のドロスピレノン、及び透過増強剤を含んで成る接着剤マトリックスを含んで成る経皮用薬剤供給装置である。前記マトリックスにおけるドロスピレノンの濃度は前記マトリックスの合計重量の約5重量%であり、そして前記マトリクスが未溶解ドロスピレノンを実質的に有さない。
【0013】
第4の観点においては、本発明は、次の段階を含んで成る、ヒト女性に避妊薬を供給するための方法である。25cm2以下の合計表面積を有し、そして少なくとも約20mgの溶解されたドロスピレノンを有する感圧性接着剤マトリックス含んで成る経皮用薬剤供給システムが供給される。前記供給システムは、ヒト女性の皮膚に対して供給関連下で配置される。1日当たり約1〜3mgの量のドロスピレノンが、約7日間、女性に供給される。好ましい態様においては、前記装置はまた、エチニルエストラジオールを含んで成り、そしてエチニルエストラジオールは、1日当たり約0.01〜0.03mgの量で約7日間、供給される。
【0014】
本発明の上記要約は、本発明の個々の開示される態様又はあらゆる実施の記載を意図するものではない。次の詳細な記載は、例示的な態様を、より特定に例示するものであって、本発明を制限するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
詳細な記載:
1つの態様においては、本発明は、接着剤マトリックス、ドロスピレノン及びオリゴマーアジュバントを含んで成る経皮用薬剤供給装置である。本発明の接着剤は一般的に、ポリマーを含んで成る。いくつかの態様においては、ポリマーは、アクリレート、天然ゴム、例えばポリイソブチレン、ポリイソプレン、スチレン性ブロックコポリマー、ポリビニルエーテル、シリコーンポリマー、ポリウレタン、ポリウレタン−尿素、及びそれらの組合せから成る群から選択される。接着剤は好ましくは皮膚−接触性接着剤として適切である。1つの態様においては、皮膚−接触性接着剤は、感圧性接着剤である。
【0016】
本発明の装置への使用のための好ましい感圧性接着剤は、アクリレート、ポリイソブチレート、シリコーンポリマー及びそれらの混合物を包含する。有用なポリイソブチレン感圧性接着剤の例は、アメリカ特許第5,985,317号(Venkateshwaranなど.)に記載されており、その開示は引例により本明細書に組み込まれる。有用なアクリレート及びシリコーンポリマー感圧性接着剤、及びそれらの混合物の例は、アメリカ特許第5,474,783号(Miranda)に記載されている(この開示は引用により本明細書に組込まれる)。皮膚−接触性接着剤は任意には、他の接着剤、例えば粘着付与剤、可塑剤、酸化防止剤、着色剤、結晶化インヒビター及び同様のものを含むことができる。
【0017】
アクリレートポリマー及びコポリマーは、特に好ましい感圧性接着剤である。アクリレートコポリマーへの使用のための適切なモノマーの例は、アルキルアクリレート、例えばイソオクチル、2−エチルヘキシル、n−ブチル、エチル、メチル及びジメチルへキシル及びアルキルメタクリレート、例えばラウリル、イソデシル及びトリデシルを包含する。イソオクチル及び2−エチルヘキシルは、特に好ましいアルキルアクリレートモノマーである。
【0018】
官能基含有モノマー、例えばカルボン酸、ヒドロキシ、アミド及びアミノがまた、アクリレートコポリマー中に組み込まれ得る。官能基含有の適切なモノマーの例は、アクリル酸、ヒドロキシアルキル基に2〜4個の炭素原子を含むヒドロキシアルキルアクリレート、アクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、酢酸ビニル及びアルコキシエチルアクリレートを包含する。アクリルアミド官能基を含むコポリマーが特に好ましい。アクリルアミド官能基の量は典型的には、コポリマーの合計重量の約1〜約15重量%、しばしば約5〜12重量%、及び時々、約8〜約11重量%の範囲である。
【0019】
アクリレートコポリマーは任意にはさらに、他のモノマーにより共重合できる実質的に線状のマクロモノマーを含んで成る。適切なマクロモノマーは、ポリメチルメタクリレート、スチレン/アクリロニトリルコポリマー、ポリエーテル及びポリスチレンマクロモノマーを包含する。有用なマクロモノマー及びそれらの調製の例は、アメリカ特許第4,693,776号(Krampeなど.)(この開示は引用により本明細書に組込まれる)に記載される。
【0020】
1つの観点においては、本発明の接着剤マトリックスは、オリゴ乳酸、オリゴ乳酸誘導体及びそれらの混合物から選択されたオリゴマーアジュバントを含んで成る。オリゴマーアジュバントは好ましくは、オリゴ乳酸である。
【0021】
オリゴ乳酸は、乳酸である前駆体ヒドロキシ酸に由来するオリゴマー鎖である。専門用語が使用される場合、乳酸“に由来する”鎖は、乳酸から調製される必要はないが、しかしむしろ、この専門用語が乳酸の縮合により形式的に得られる構造を有する鎖を企画するために使用される。オリゴ乳酸の構造は一般的に、下記式I:
【0022】
【化1】

により表され得る。
【0023】
オリゴ乳酸誘導体は、オリゴ乳酸に由来するオリゴマー鎖である。再び、専門用語が使用される場合、オリゴ乳酸“に由来する”鎖は、オリゴ乳酸から調製される必要はないが、しかしむしろ、この専門用語は、オリゴ乳酸の1つの又は両末端基を誘導することにより形式的には得られる構造を有する鎖を企画するために使用される。すなわち、オリゴ乳酸誘導体は、1又は両末端基(すなわち、末端水素及び/又はヒドロキシ)がR基により置換されているオリゴ乳酸を含んで成る。
【0024】
1つの態様においては、オリゴ乳酸又はオリゴ乳酸誘導体は、下記式II:
【化2】

により表される化合物である。
【0025】
個々のオリゴ乳酸誘導体鎖は、末端基Zにより1つの端上でキャップされており、ここでZは水素又は-C(O)R1である。個々のR1は、1〜18個の炭素原子を有する、線状、枝分かれ鎖又は環状アルキル、アルコキシ又はアリールから独立して選択される。yが1以上である1つの態様においては、個々の鎖上のR1置換基は同等である。R1の適切な例は、メチル又はエチル、及び最も好ましくはメチルを包含する。
【0026】
末端基の選択は、オリゴ乳酸の性能に対して、オリゴ乳酸誘導体の性能を変性することができる。物理的及び化学的理由のために、安定性、薬剤溶解性、水親和性、薬剤との相互作用、等に影響を及ぼすために末端基を変性することが好ましい。そのようなパラメーターは、薬剤供給速度に影響を及ぼすことができる。本明細書に記載されるような好ましいオリゴ乳酸誘導体は、オルガノカルボニル基、及びより好ましくはアセチル基によりキャップされた少なくとも1つの鎖を含む。アシル化は安定性を有意に増強し、そのような性質が所望される場合、生物適合性ポリマーの疎水性及び水溶解性を低める。
【0027】
オリゴ乳酸誘導体における個々の鎖は、先端基Xにより1端上でキャップされるか又は架橋される。先端基Xの適切な例は、-OR1, -SR1, -N(R1)2, 及び-O-, -N-又は-Sにおいて終結する二価又は三価の先端基から成る基から選択される。
【0028】
鎖は、水素結合できる水素原子を含まない、一価、二価又は多価の有機成分(キャッピング基の個々の原子価は、独立して鎖に結合される)によりキャップされ得る。鎖はまた、イオン基、又は水素結合できる水素原子を含む基のいずれかから選択された、一価、二価又は多価基により1端又は両端でキャップされ得る。yが1に等しい場合、鎖の典型的には、一価の先端基によりキャップされる。化合物をキャップするか又は終結することができる一価の基の適切な例は、-OH, -OR1, -SR1, -N(R1)2を包含する。キャッピング基は化合物を必ず終結する必要はなく;むしろ、それらは、yが1以上である場合、鎖を架橋することができる。yが1以上である場合、複数の鎖が二価又は多価の先端基により架橋される。例えば、エチレンジアミンは、2種の鎖を架橋できる適切な二価の先端基である。1つの態様においては、yは1以上か又は1に等しく、そして3以下が又は3に等しい。
【0029】
水素結合できる水素原子を含まない基の例は、有機カルボニル基、例えばアセチル及びアルコキシ基、例えばエトキシを包含する。イオン基の例は、第四アンモニウム基、スルホネート塩、カルボキシレート塩及び同様のものを包含する。水素結合できる基の例は、鎖のヘテロ原子末端に結合される場合、水素、並びに酸官能基、アミド、カルバメート、及び基、例えばアミノ、ヒドロキシル、チオール、アミノアルキル、アルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、糖残基及び同様のものを包含する。そのような末端基は良く知られており、そして当業者により容易に選択され得、そしてアメリカ特許第5,569,450号及び第6,042,811号に開示されており、それらの開示は引用により本明細書に組込まれる。
【0030】
1つの態様においては、反復単位の数nは、3以上か又はそれに等しい。1つの態様においては、反復単位の数nは、20以下か又はそれに等しく、そして時々、6以下か又はそれに等しい。1つの態様においては、反復単位の数nは、約3〜20、しばしば約3〜10及び時々、約3〜6である。
【0031】
1つの態様においては、反復単位の数−平均数は、20以下か又はそれに等しく、しばしば10以下が又はそれに等しく、そして時々、6以下か又はそれに等しい。1つの態様においては、反復単位の数−平均数は、約3〜20、しばしば約3〜10及び時々、約3〜6である。
【0032】
1つの態様においては、数−平均分子量(GPC分析により容易に決定できる)は、約15g/モル以上、しばしば約200g/モル以上である。1つの態様においては、数−平均分子量(GPC分析により容易に決定できる)は、約1500g/モル以下、しばしば約1000g/モル以下、及び時々約500g/モル以下である。1つの態様においては、数−平均分子量は、約150〜1500g/モル、しばしば約200〜1000g/モル、及び時々、約200〜500g/モルである。
【0033】
鎖は、L−乳酸及びD−乳酸単位のいずれかの組合せから形式的に、誘導され得る。鎖は、L−乳酸及びD−乳酸由来の単位のいずれかの配列を有することができる。L及びD−異性体由来の単位の配列は、ランダムであるか、又は一部又は完全な鎖長について単一の異性体の連続配列を有することができる。配列はまた、L−及びD−乳酸単離の両者に由来する単位を含んで成る反復構造を有することができる。yが1以上である態様においては、生物適合性化合物における単位の個々の配列は、異なった異性組成物を有することができる。
【0034】
1つの態様においては、前駆体ヒドロキシ酸は、L−乳酸及びD−乳酸の混合物であり得る。1つの態様においては、前駆体ヒドロキシ酸は、DL−乳酸である。単位の鎖は、いずれかの比、例えば10:1、1:1又は1:10の比のD−乳酸:L−乳酸由来の単位を含むことができる。配合物I及びIIの単位の鎖におけるD−乳酸がL−乳酸に由来する単位の好ましい比は、1:1である。DL形は、その非晶性質のために好都合である。L形はまた、ヒト身体に対して内因性であるので、好都合である。
【0035】
オリゴマーアジュバントの量は典型的には、装置における接着剤、ドロスピレノン及びオリゴマーアジュバントの合計重量の約5重量%以上、及び時々、約10重量%以上である。オリゴマーアジュバントの量は典型的には、装置における接着剤、ドロスピレノン及びオリゴマーアジュバントの合計重量の約30重量%以下、及び時々、約20重量%以下である。1つの態様においては、オリゴマーアジュバントの量は典型的には、装置における接着剤、ドロスピレノン及びオリゴマーアジュバントの合計重量の約5〜約30重量%、及び時々、約10〜約20重量%である。
【0036】
1つの態様においては、オリゴマーアジュバントは、透過増強アジュバントである。透過増強アジュバントは、アジュバントを有さない装置に比較される場合、装置の供給期間のいくらかの部分において、経皮的に供給される薬剤の量を高めるアジュバントである。例えば、透過増強アジュバントは、薬剤を輸送するために皮膚をより透過性にすることができ、そして従って、薬剤が皮膚を通過できる速度を早める。もう1つの例においては、透過増強アジュバントは、装置についての薬剤の親和性を変更し、それにより、装置から薬剤を皮膚中に及び皮膚を通して伝える熱力学的ポテンシャルを高める。
【0037】
オリゴマーアジュバントは、いずれかの従来の合成方法に従って調製され得る。オリゴマーアジュバントを調製するための適切な合成方法の例は、アメリカ特許出願番号60/533,172号("Medicinal Compositions and Method for the Preparation Thereof, Capecchi など.)及び60/613,063号("Medicinal Aerosol Formulations and Methods of Synthesizing Ingredients Therefor", Bechtold など.)(それらの開示は引用により本明細書に組込まれる)に見出され得る。
【0038】
1つの態様においては、本発明の経皮用薬剤供給装置は、裏地フィルムを含んで成る。裏地フィルムとして有用である従来のタイプの裏地として使用される柔軟フィルムの典型的な例は、ポリマーフィルム、例えばポリプロピレン;ポリエチレン、特に低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、メタロセンポリエチレン、及び高密度ポリエチレン;ポリ塩化ビニル;ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート);ポリ塩化ビニリデン;エチレン−酢酸ビニル(EVA)コポリマー;ポリウレタン;酢酸セルロース;及びエチルセルロースから製造されたそれらを包含する。
【0039】
同時押出された多層ポリマーフィルム、例えばアメリカ特許第5,783,269号(Heilmannなど.)(この開示は引用により本明細書に組込まれる)に記載されるそれらのフィルムがまた適切である。積層される裏地、例えばポリエチレンテレフタレート−アルミニウム−ポリエチレン複合材料及びポリエチレンテレフタレート−EVA複合材料がまた適切である。フォームテープ裏地、例えば3MTM1777 Foam Tape and 3M(TM) 1779 Foam Tapeに使用される独立気泡ポリオレフィンフィルムがまた適切である。ポリエチレン、ポリエチレンブレンド及びポリプロピレンが、好ましいポリマーフィルムである。ポリエチレン及びポリエチレンブレンドは最も好ましいポリマーフィルムである。
【0040】
1つの態様においては、裏地フィルムは、半透明又は透明である。添加剤、例えば粘着付与剤、可塑剤、着色剤、紫外線吸収剤、及び酸化防止剤がまた、裏地フィルムに添加され得る。最終使用製品が皮膚に接着される。特に医学的又は医薬的適用のためには、柔軟な裏地フィルムを使用することが所望される。1つの態様のおいては、本発明の方法は、一般的に、小さな個々のパッチ形状断面において取り扱うのに困難である、非常に柔軟な裏地、例えば薄ポリエチレン裏地を有する接着剤のラミネートのアイランド配置転換のために特定の利用性を見出す。
【0041】
1つの態様においては、裏地フィルムの厚さは、10μm以上、しばしば20μm以上、及び時々、40μm以上である。もう1つの態様においては、裏地フィルムの厚さは、2mm以下、しばしば1mm以下、及び時々、150μm以下である。
【0042】
本発明の経皮用薬剤供給装置は、いずれかの数の従来の形を取ることができる。適切な経皮用薬剤供給装置は、例えばアメリカ特許第4,834,979号(Gale)におけるゲル化された又は液体レザバー、いわゆる“レザバー”パッチ;アメリカ特許第6,004,578号(Lee, など.)における、隣接する接着剤層により皮膚に結合されるマトリックスレザバーを含む装置、いわゆる“マトリックス”パッチ;及びアメリカ特許第6,365,178号(Venkateshwaranなど.)、第6,024,976号(Mirandaなど.)及び第6,149,935号(Chiangなど.)における感圧性接着剤レザバーを含む装置、いわゆる“接着剤中、薬剤”パッチを包含する(それらの開示は、引用により本明細書に組込まれる)。
【0043】
本発明の経皮用薬剤供給装置は、有効量のドロスピレノンを含んで成る。この量は、使用される薬剤の形、処理されるべき条件、組成物が対象の皮膚と接触したまま存在する時間、薬剤が患者に装置から供給される効能、及び当業者に知られている他の因子に依存して変化するであろう。装置は典型的には、約1〜約50mgのドロスピレノンを含むであろう。1つの態様においては、装置は、約10mg以上及び時々、約20mg以上のドロスピレノンを含むであろう。避妊のための有効量は典型的には、患者に1日当たり約1〜3mgを供給するのに十分であろう。1つの態様においては、装置は、少なくとも7日間、有効量を供給するために十分な量のドロスピレノンを含むであろう。本発明の典型的な装置においては、装置における薬剤の量は、患者に供給される薬剤の量の約1.2〜4倍であろう。ドロスピレノンの量は典型的には、装置における接着剤、ドロスピレノン及びオリゴマーアジュバントの合計重量の約5〜約15重量%、時々約10〜約15重量%である。
【0044】
1つの態様においては、経皮的に供給される速度(又は流れ)は、下記に論じられるように、遅れ時間を除いて、磨耗期間の間(すなわち、組成物が皮膚と接触して存続する時間)、比較的一定であろう。典型的な経皮用装置は、遅れ時間、すなわち経皮用供給がピーク流れに達する前、磨耗期間中の初期時間を有することは理解されるべきである。この遅れ時間は、典型的には、ほとんどの経皮用薬剤供給装置については1〜24時間であり、そしてその遅れ時間の薬剤流は比較的一定ではない。
【0045】
この態様においては、磨耗期間の残りの間(すなわち、ピーク流れに達した後)、供給される薬剤の速度は比較的一定であろう。特に、磨耗期間の最後で供給される薬剤の速度は、磨耗期間の間、達成されるピーク流よりも有意に遅いであろう。1つの態様においては、磨耗期間の最後でのドロスピレノンの経皮流は、装置の磨耗期間の間、ドロスピレノンのピーク流の50%以上か又はそれに等しい。1つの態様においては、磨耗期間の最後での第2薬剤、例えばエストロゲン化合物の経皮流は、装置の磨耗期間の間、第2薬剤のピーク流の50%以上か又はそれに等しい。
【0046】
装置は好ましくは“接着剤中、薬剤”型の装置であり、そしてドロスピレノン及びいずれか他の薬剤が、皮膚接触接着剤内に分散される。ドロスピレノン及びいずれか他の薬剤は、皮膚接触性接着剤のいずれかの部分内に分散され、そして溶解された及び/又は溶解されていない(すなわち、微粒子)形で存在することができる。1つの態様においては、ドロスピレノンは、皮膚接触接着剤内に均質に分散される。例えば、ドロスピレノンは、接着剤じゅうに均等に(又は均質に)混合される小粒子として存在することができるか、又はドロスピレノンは、溶解されたドロスピレノンの濃度が接着剤じゅうに一定するよう、接着剤内に溶解され得る。
【0047】
ドロスピレノンは好ましくは、皮膚接触接着剤内に溶解され、そして1つの態様においては、接着剤マトリックスは、実質的には、溶解されていないドロスピレノンを有さず、そして好ましくは、溶解されていないドロスピレノンを有さない。溶解されていないドロスピレノンの存在は、例えば20倍率での光顕微鏡による試験により検出され得る。時折の結晶又は溶解されていない粒子が存在する場合、又はドロスピレノンの合計量の約1%以上が溶解されていない場合、その組成物は溶解されていないドロスピレノンを実質的に有さないと見なされることは理解されるべきである。
【0048】
1つの観点においては、本発明の装置は、溶解剤を含んで成る。溶解剤は一般的に、装置内の薬剤の溶解性を高めるために、接着剤に添加される低分子量化合物(すなわち、典型的には、2000g/モル又はそれ以下の分子量を有する)である。薬剤、例えばドロスピレノンの溶解性は、単独での接着剤よりも高い濃度の薬剤を溶解することができるであろう。溶解剤におけるドロスピレノンの溶解性は典型的には、5重量%以上、しばしば10重量%以上、及び時々、20重量%以上である。ドロスピレノンの溶解性は、多くの従来の方法のいずれかにより決定され得る。例えば、液体溶解剤における溶解性は、前記液体に過剰の薬剤を添加し、そして混合し、液体中への最大量の薬剤の溶解を可能にすることにより決定され得る。
【0049】
次に、過剰の溶解されていない薬剤が、溶液から濾過され、そして溶液が溶解された薬剤濃度について分析される。接着剤マトリックスにおける溶解性は、例えば種々の濃度の薬剤を有する接着剤シートを調製し、そしてそれらを、薬剤が結晶化するかどうかを見出すために、時間にわたって観察することにより決定され得る。次に、その溶解性は、延長された貯蔵(例えば、3,6,12又は24ヶ月の貯蔵)に基づいて結晶化を導かないで、シートに添加され得る、最高濃度の薬剤であるものとして見なされる。
【0050】
溶解剤の量は、典型的には、装置における接着剤、ドロスピレノン及び溶解剤の合計重量の約5〜約30重量%、時々約10〜約20重量%である。
1つの観点においては、本発明の装置は、芳香族溶解剤を含んで成る。用語としての芳香族化合物は、炭素のみを含む環構造体を言及し、この例はフェニル又はナフチル基である。ドロスピレノンのための適切な芳香族溶解剤の例は、ベンジルアルコール、ベンジルラクテート、ベンジルベンゾエート、1−フェニル−1−プロパノール、2−フェニル−2−プロパノール及びメチルサリチレートを包含する。
【0051】
芳香族溶解剤の量は、典型的には、装置における接着剤、ドロスピレノン及び溶解剤の合計重量の約5〜約30重量%、時々約10〜約20重量%である。
【0052】
1つの観点においては、本発明の装置は、オリゴ乳酸又はオリゴ乳酸誘導体以外の透過増強剤を含んで成る。適切な増強剤の例は、テルペン、例えばα−テルピネン、テルピネン−4−オール及びシネオール;ラクテート、例えばラウリルラクテート、メチルラクテート及びベンジルラクテート;カルボン酸、例えばヒドロキシ酸(例えば、乳酸、クエン酸及びマンデリン酸)及び安息香酸;ジメチルスルホキシド;脂肪酸のアルキルエステル、例えばメチルラクテート、イソプロピルミリステート及びエチルオレエート;C8-C36脂肪酸のモノグリセリド、例えばグリセリルモノオレエート及びグリセリルモノラウレート;テトラグリコール(テトラヒドロフルフリルアルコールポリエチレングリコールエーテル);ジプロピレングリコール;トリアセチン、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール;及び前記の組合せを包含する。
【0053】
アルキルラクテート、カルボン酸及びメチルラウレートが、好ましい透過増強剤である。1つの態様においては、カルボン酸は、ヒドロキシ酸である。α−ヒドロキシ酸(すなわち、式HO-C(R2)(R3)-COOHを有する酸)が好ましいヒドロキシ酸である。透過増強剤と本発明の接着剤マトリックスにおける芳香族溶解剤とを組合すことが所望される。単一の糖化増強剤が使用されるか、又は1つ以上の組合せが使用され得る。また適切であり得る他の増強剤は、引用により本明細書に組込まれるアメリカ特許第6,024,976号に開示されるそれらを包含する。他の任意の添加剤の例は、粘着付与剤、可塑剤及び酸化防止剤を包含する。
【0054】
透過増強剤の量は、典型的には装置における接着剤、ドロスピレノン及び芳香族溶解剤の合計重量の約1〜約30量%、時々約4〜約20重量%である。1つの態様においては、カルボン酸糖化増強剤の量は、装置における接着剤、ドロスピレノン及び芳香族溶解剤の合計重量の約1〜約10量%、時々約4〜約8重量%である。
【0055】
1つの態様においては、カルボン酸透過増強剤は、アルコール溶解剤、例えばベンジルアルコールと共に組合され得る。いくつかの条件下で、そのような組合せは、カルボン酸のエステル化を導くことができる。1つの態様においては、貯蔵の間に形成され得るいずれかのカルボン酸エステルの効果を阻害するか又は最少にするために、多量の存在するカルボン酸エステルを有する初期配合物を調製することが所望される。1つの態様においては、増強剤及び溶解剤は、実質的にエステル(例えば、ベンジルベンゾエート)が形成されないよう選択され得る。例えばベンジルアルコール及び安息香酸を組合す配合物は、一定条件下で、溶解剤として配合物に有することが、本質的に所望されるベンジルベンゾエートを形成することができる。
【0056】
装置が供給関連下で存続する時間の長さは典型的には、約12時間〜約14日の延長された時間である。一定の態様においては、レザバーが供給関連下で存続する時間の長さは、約1日(すなわち、毎日の用量)、約3〜4日(隔週の用量)、又は約7日(毎週の用量)である。
【0057】
本発明の装置はさらに、もう1つの薬剤、例えばドロスピレノンと組合して供給されるエストロゲン化合物を含んで成る。本発明において使用され得るエストロゲンの例は、エチニルエストラジオール、メストラノール、エストラジオール及びそのエステル、例えばバレレート、アセテート、ベンゾエート及びウンデシレート、エストリオール、エストリオールスクシネート、ポリエストリオールホスフェート、エストロン、エストロンスルフェート及び接合されたエストロゲンである。エチニルエストラジオールが好ましい。装置におけるエストロゲンの量は、そのタイプ、処理されるべき特定の条件、組成物が対象の皮膚との接触を可能にする時間、及び当業者に知られている他の要因に従って変化するであろう。エチニルエストラジオールの量及び濃度は典型的には、ドロスピレノンのそれらよりも低く、そして装置における典型的な合計量は、約50μg〜500μgである。
【0058】
一般的に、装置は、皮膚を通して、選択された量の薬剤を供給するのに適切なサイズを有するパッチの形で存在するであろう。装置は典型的には、約1cm2以上、及び時々、約5cm2以上の表面積を有するであろう。一般的に、装置は、約100cm2以下、しばしば約40cm2以下及び時々、約25cm2以下の表面積を有するであろう。1つの態様においては、装置は、貯蔵のために箔−裏付のパウチに、それぞれパッキングされ得る。1つの態様においては、装置は他方では、計量分配する装置との使用のために適切なロールされた又は積み重ねられた形で供給され得る。
【0059】
本発明の用量形は典型的には、患者による使用の前、皮膚接触表面を被覆し、そして保護する開放ライナーを含んで成る。適切な開放ライナーは、既知のシート材料、例えばポリエステルウェブ、ポリエチレンウェブ、ポリプロピレンウェブ、又は適切なフルオロポリマー又はシリコーン基材の被膜により被覆されたポリエチレン−被覆紙を含んで成る従来の開放ランナーを包含する。1つの態様においては、開放ランナーは、装置の接着剤部分の面積と同じ形状及びサイズである。ライナーから接着剤部分の除去を助けるために開放ランナーに1又は複数のカット又は裂けを有することが所望される。
【0060】
1つの態様においては、開放ライナーは、装置の接着剤部分よりも大きな面積を有し、それにより、延長されたライナーを供給する。開放ライナーが装置の接着剤部分の限界を越えて拡張する距離は、いずれかの適切な距離であり得、そして多くの要因、例えばパッチの接着剤部分のサイズ、使用される接着剤、裏地及びランナーの型、及びパッチを用いる患者の人口に依存する。ライナーが拡張する距離はパッチの円周の周囲で均等であり得、又はそれは例えば、正方形状の拡張されたライナー上に小さな円状のパッチを供給することにより、変化することができる。
【0061】
1つの態様においては、本発明の経皮用薬剤供給装置は、被膜組成物を供給するために有機溶媒(例えば、酢酸エチル、イソプロパノール、メタノール、アセトン、2−ブタノン、エタノール、トルエン、アルカン及びそれらの混合物)と、コポリマー、薬剤、及びいずれかのアジュバント又は透過増強剤とを組合すことにより調製される。前記混合物が、均質塗布組成物が得られるまで、振盪されるか又は撹拌される。次に、得られる組成物は、塗布組成物の予定された均等な厚さを得るために、従来の塗布方法(例えば、ナイフ塗布又は押出しダイ塗布)を用いて、開放ライナーに適用される。次に、組成物により被覆された開放ライナーが乾燥され、そして従来の方法を用いて、裏地上に積層される。
【0062】
本発明の装置は、ヒト女性に避妊を付与するために使用され得る。装置は、適切な期間、ヒト女性の皮膚に供給関連下で配置され得る。1つの態様においては、装置は、25cm2以下の合計表面積を有し、そして少なくとも約20mgの溶解されたドロスピレノンを有する感圧性接着剤マトリックスを含んで成る。装置は、適所に存続し、そして延長された時間、例えば約12時間〜約14日間、1日当たり約1〜3mgを供給する。一定の態様においては、レザバーが供給関連下で存続する時間は、約1日(すなわち、毎日の用量)、約3〜4日(隔週の用量)又は約7日(毎週の用量)である。
【0063】
装置はさらに、1日当たり約0.01〜0.03mgの量で供給されるエチニルエストラジオールを含んで成ることができる。供給される量は、合計供給期間にわたっての毎日の平均量であり、そしていずれか1回、与えられる24時間、供給される実際の量がそれらの値に関して、幾分、変化できることは、理解されるべきである。次の例は、本発明の範囲を制限するものではなく、避妊を付与するために有効なドロスピレノン及び/又はエチニルエストラジオール血清レベルを提供するために適切な装置の単なる代表である。
【実施例】
【0064】
インビトロ皮膚透過試験方法
下記例に与えられる皮膚透過データを、次の試験方法を用いて得た。1.0cm2の経皮用パッチを、試験サンプルとしての使用のために大きなシートから打ち抜いた。開放ライナーを除き、そしてパッチを、ヒト死体皮膚の角質層に適用し、そして加圧し、皮膚との均等な接触を引起した。得られるパッチ/皮膚ラミネートを、垂直な拡散細胞の低い部分のオリフィスを通してパッチ側を上にして配置した。拡散細胞を集め、そして低い部分を5mlの暖かな(32℃)受容体流体(水中、30%(v/v)のN−メチル−2−ピロリドン)により充填し、その結果、受容体流体は皮膚と接触した。サンプリング口を、使用する場合を除いて、カバーした。
【0065】
細胞を、実験の間中、32±1℃で維持した。受容体流体を、実験を通して、磁気撹拌機により撹拌し、皮膚側上に均等なサンプル及び低められた拡散バリヤーを確保した。受容体流体の全体積を、特定される時間の間隔で抜き取り、そしてすぐに、新しい流体により置換した。抜き取られた流体を、従来の高性能液体クロマトグラフィー方法を用いて、薬剤について分析した。皮膚を通して透過する薬剤の累積(又は合計)流を計算し、そしてμg/cm2として報告した。特にことわらない限り、結果は、4〜6回の反復試験の平均として報告される。特にことわらない限り、合計流は、7日間の期間の後、決定された。
【0066】
ドロスピレノン溶解性試験方法
液体賦形剤におけるドロスピレノンの溶解性を、次の試験方法を用いて得た。ドロスピレノンを、それが溶解を停止するまで、賦形剤に増分的に添加した。次に、飽和溶液を、0.45μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターを通して濾過し、過剰の薬剤粒子を除いた。次に、ドロスピレノンの濃度を、従来の高性能液体クロマトグラフィー方法を用いて薬剤について分析した。値は、重量−重量に基づいて%溶解性として報告される。
【0067】
グリセリルモノオレエート中、ドロスピレノンの溶解性は2.0%であった。メチルラウレート中、ドロスピレノンの溶解性は0.6%であった。メチルラクテート中、ドロスピレノンの溶解性は11.6%であった。ラウリルラクテート中、ドロスピレノンの溶解性は1.4%であった。ベンジルラクテート中、ドロスピレノンの溶解性は22.6%であった。ラウリルアルコール中、ドロスピレノンの溶解性は、1.0%であった。
【0068】
プローブ粘着力試験方法
下記例1に与えられる粘着力データを、Digital Polyken Probe Tack Tester, Model 80-02-01 (Testing Machines, Inc., Amityville, NY)を用いて得た。機械設定は次の通りであった:分離速度:0.5cm/秒;接触時間:2秒;接触圧力:100g/cm2。ステンレス鋼プローブを用いた。試験の結果は、プローブと試験サンプルの表面との間の結合を破壊するのに必要とされる力である。力は、“粘着力のg”で測定される。
【0069】
剪断クリープコンプライアンス試験方法
下記例に与えられるコンプライアンス値を、アメリカ特許第4,737,559号(kellen)に記載されるクループコンプライアンス方法の改良されたバージョンを用いて得た。開放ライナーを、試験されるべき材料のサンプルから除く。露出された表面を、長い方向に折り返し、“サンドイッチ”形状(すなわち、裏地/感圧性接着剤/裏地)を生成する。サンドイッチサンプルを、ラミネーターを通して加圧する。等しい面積の2つの試験サンプルを、ダイを用いて、積層されたサンドイッチから切断する。1つの試験サンプルを、剪断−クリープ流動計の固定プレートの中央に置く。剪断−クリープ流動計の小さな非固定プレートを、フックがその流動計の前方に面するように、固定プレート上の第1のサンプル上の中央に置く。
【0070】
第2の試験サンプルを、小さな非固定プレートの上面上の中央に置く。大きな非固定プレートを、第2試験サンプル上に置き、そして完全なアセンブリーを締め付ける。ストリングを小さな非固定プレートのフックに連結し、そして流動計の前胞プーリー上に延ばす。重い(例えば、500g)を、ストリングの自由端に結び、そして非固定プレート上に負荷しないよう支持する。重さのための支持を除き、それを自由に吊り下げる。重さは非固定プレート上に負荷を発揮し、そして非固定プレートの置換が時間の関数として記録される。重さを、正確に3分が経過した後、除く。
【0071】
次に、剪断クリープコンプライアンスを、下記等式を用いて計算する:
J=2・AX/hf
ここでAは試験サンプルの1つの面の面積であり、hは感圧性接着剤質量の厚さであり(すなわち、個々のサンドイッチ上の感圧性接着剤層の厚さの2倍)、Xは置換であり、そしてfはストリングに結合される質量により力である。Aがcm2で、hがcmで、Xがcmで、そしてfがダインで表される場合、コンプライアンス値はcm2/ダインで与えられる。
【0072】
乾燥された”コポリマーの調製
乾燥されたコポリマーを、開放ライナー上にコポリマーの溶液をナイフ塗布することにより調製した。被覆された開放ライナーをオーブンにおいて乾燥し、溶媒を除去し、そして残留モノマーのレベルを低めた。次に、乾燥されたコポリマーを、開放ライナーから剥がし、そして使用まで、容器において貯蔵した。
【0073】
コポリマーD1:イソオクチルアクリレート/アクリルアミド/酢酸ビニル(75/5/20)コポリマーの調製:
イソオクチルアクリレート、アクリルアミド及び酢酸ビニル(75:5:20)コポリマーの溶液を、アメリカ特許第5,223,261号(引用により本明細書に組込まれる)のパートDに記載される一般方法に従って、調製した。得られるコポリマー溶液は、酢酸エチル及びメタノールの90:10ブレンドにおいて約32%の固形分であった。コポリマー溶液の内部粘度(IV)は約1.35dL/gであった。
【0074】
コポリマーD2:イソオクチルアクリレート/アクリルアミド/酢酸ビニル(71/9/20)コポリマーの調製:
イソオクチルアクリレート、アクリルアミド及び酢酸ビニル(71:9:20)コポリマーの溶液を、アメリカ特許出願公開番号第2003−054025号(引用により本明細書に組込まれる)の例1に記載される一般方法に従って、調製した。得られるコポリマー溶液は、酢酸エチル及びメタノールの80:20ブレンドにおいて約16.4%の固形分であった。コポリマー溶液の内部粘度(IV)は約1.53dL/gであった。
【0075】
コポリマーD3:イソオクチルアクリレート/アクリルアミド/酢酸ビニル(70/10/20)コポリマーの調製:
1つの溶液を、イソオクチルアクリレート(140g)、アクリルアミド(20g)、酢酸ビニル(4g)、2, 2’-アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(0.3g)、酢酸エチル(203.6g)及びメタノール(58.9g)を、1クオート(0.95L)の琥珀色のガラスボトルにおいて組合すことにより調製した。ボトルを、1L/分の流速で窒素により2分間、パージした。ボトルを密封し、そして57℃で24時間、回転水浴に置いた。得られるコポリマーを、酢酸エチル(169.7g)及びメタノール(49.4g)により希釈し、30%の固形分にした。内部粘度は1.17dl/gであった。
【0076】
例1
ドロスピレノン(0.3933g)、メチルラウレート(0.3655g)及びグリセリルモノオレエート(0.6083g)を、酢酸エチル(5.9515g)及びアセトン(1.8472g)の溶媒混合物に添加し、そしてドロスピレノンが溶解されるまで、混合した。この溶液に、コポリマー(上記コポリマーD1からの乾燥されたイソオクチルアクリレート/アクリルアミド/酢酸ビニル(75/5/20;2.0746g)及び3.7のnの平均値を有する式Iのオリゴ酸(0.5851g)を添加し、そして均等な塗布配合物が得られるまで、少なくとも12時間、混合した。その塗布配合物を、シリコーン被覆された開放ライナー上に、25ミル(635μm)の湿潤厚さでナイフ塗布した。
【0077】
塗布されたライナーを、110°F(43°C)で10分間、オーブンにおいて乾燥した。次に、乾燥された配合物を、裏地(SCOTCHPAKTM9732ポリエステルフィルムラミネート;3M Cpmpanyから入手できる)上に積層した。得られる配合物は、9.1%のメチルラウレート、15.2%のグリセリルモノオレエート、9.8%のドロスピレノン及び14.5%のオリゴ酸(n=3.7)の呼称組成を有した。配合物中の残りは、コポリマーD1であった。乾燥塗布重量は約16.9mg/cm2であった。ヒト死体皮膚を通しての透過を、上記試験方法を用いて決定した。合計ドロスピレノン流は、500±30μg/cm2であった。
【0078】
例2
ドロスピレノン(0.4085g)、及びメチルラウレート(0.9845g)を、酢酸エチル(6.2665g)及びアセトン(1.8660g)の溶媒混合物に添加し、そしてドロスピレノンが溶解されるまで、混合した。この溶液に、コポリマー(上記コポリマーD1からの乾燥されたイソオクチルアクリレート/アクリルアミド/酢酸ビニル(75/5/20;2.0859g)及び3.7のnの平均値を有する式Iのオリゴ酸(0.5608g)を添加し、そして均等な塗布配合物が得られるまで、少なくとも12時間、混合した。その塗布配合物を、シリコーン被覆された開放ライナー上に、25ミル(635μm)の湿潤厚さでナイフ塗布した。
【0079】
塗布されたライナーを、110°F(43°C)で10分間、オーブンにおいて乾燥した。次に、乾燥された配合物を、裏地(SCOTCHPAKTM9732ポリエステルフィルムラミネート;3M Cpmpanyから入手できる)上に積層した。得られる配合物は、24.4%のメチルラウレート、10.1%のドロスピレノン及び13.9%のオリゴ酸(n=3.7)の呼称組成を有する。配合物中の残りは、コポリマーD1であった。乾燥塗布重量は約17.6mg/cm2であった。ヒト死体皮膚を通しての透過を、上記試験方法を用いて決定した。合計ドロスピレノン流は、470±130μg/cm2であった。
【0080】
例3
ドロスピレノン(0.284g)、メチルラウレート(0.337g)及びベンジルアルコール(0.417g)を、酢酸エチル/メタノールの70/30(w/w)溶媒混合物(7.2g)に添加し、そしてドロスピレノンが溶解されるまで、混合した。この溶液に、コポリマー(上記コポリマーD3からの乾燥されたイソオクチルアクリレート/アクリルアミド/酢酸ビニル(70/10/20;1.648g)、3.7のnの平均値を有する式Iのオリゴ酸(0.512g)及び5.2のnの平均値を有する式Iのオリゴ酸(0.213g)を添加し、そして均等な塗布配合物が得られるまで、少なくとも12時間、混合した。その塗布配合物を、シリコーン被覆された開放ライナー上に、25ミル(635μm)の湿潤厚さでナイフ塗布した。塗布されたライナーを、110°F(43°C)で10分間、オーブンにおいて乾燥した。
【0081】
次に、乾燥された配合物を、裏地(SCOTCHPAKTM9732ポリエステルフィルムラミネート;3M Cpmpanyから入手できる)上に積層した。得られる配合物は、9.9%のメチルラウレート、12.2%のベンジルアルコール、8.3%のドロスピレノン、n=3.7を有する15.0%のオリゴ酸、及びn=5.2を有する6.2%のオリゴ酸の呼称組成を有した。配合物中の残りは、コポリマーD3であった。乾燥塗布重量は約15〜20mg/cm2であった。ヒト死体皮膚を通しての透過を、上記試験方法を用いて決定した。合計ドロスピレノン流は、670±250μg/cm2であった。
【0082】
例4
ドロスピレノン(0.284g)、メチルラクテート(0.343g)及びベンジルアルコール(0.454g)を、酢酸エチル/メタノールの70/30(w/w)溶媒混合物(5.66g)に添加し、そしてドロスピレノンが溶解されるまで、混合した。この溶液に、コポリマー(上記コポリマーD3からの乾燥されたイソオクチルアクリレート/アクリルアミド/酢酸ビニル(70/10/20;1.588g)、3.7のnの平均値を有する式Iのオリゴ酸(0.384g)、及び5.2のnの平均値を有する式Iのオリゴ酸(0.354g)を添加し、そして均等な塗布配合物が得られるまで、少なくとも12時間、混合した。
【0083】
その塗布配合物を、シリコーン被覆された開放ライナー上に、25ミル(635μm)の湿潤厚さでナイフ塗布した。塗布されたライナーを、110°F(43°C)で10分間、オーブンにおいて乾燥した。次に、乾燥された配合物を、裏地(SCOTCHPAKTM9732ポリエステルフィルムラミネート;3M Cpmpanyから入手できる)上に積層した。得られる配合物は、10.1%のメチルラクテート、13.3%のベンジルアルコール、8.3%のドロスピレノン、n=3.7を有する11.3%のオリゴ酸、及びn=5.2を有する10.4%のオリゴ酸の呼称組成を有した。配合物中の残りは、コポリマーD3であった。乾燥塗布重量は約15〜20mg/cm2であった。合計ドロスピレノン流は、360±130μg/cm2であった。
【0084】
例5
ドロスピレノン(0.284g)、エチニルエストラジオール(0.0178g)及びグリセリルモノオレエート(0.8088g)を、酢酸エチル/メタノールの70/30(w/w)溶媒混合物(4.81g)に添加し、そしてドロスピレノン及びエチニルエストラジオールが溶解されるまで、混合した。この溶液に、コポリマー(上記コポリマーD2からの乾燥されたイソオクチルアクリレート/アクリルアミド/酢酸ビニル(71/9/20;1.34g)、3.7のnの平均値を有する式Iのオリゴ酸(0.37g)、5.2のnの平均値を有する式Iのオリゴ酸(0.11g)及び10.6のnの平均値を有する式Iのオリゴ酸(0.13g)を添加し、そして均等な塗布配合物が得られるまで、混合した。その塗布配合物を、シリコーン被覆された開放ライナー上に、25ミル(635μm)の湿潤厚さでナイフ塗布した。塗布されたライナーを、110°F(43°C)で10分間、オーブンにおいて乾燥した。
【0085】
次に、乾燥された配合物を、裏地(SCOTCHPAKTM9732ポリエステルフィルムラミネート;3M Cpmpanyから入手できる)上に積層した。得られる配合物は、25.3%のグリセリルモノオレエート、n=3.7を有する12.0%のオリゴ酸、n=5.2を有する3.6%のオリゴ酸及びn=10.6を有する4.2%のオリゴ酸の呼称組成を有した。ドロスピレノン及びエチニルエストラジオールの濃度をHPLCにより分析決定し、それらはそれぞれ、合計組成物の7.0重量%及び0.39重量%であった。配合物の残りはコポリマーD3であった。乾燥塗布重量は、約20mg/cm2であった。ヒト死体皮膚を通しての透過を、上記試験方法を用いて決定した。合計のドロスピレノン流及びエチニルエストラジオール流が表1に報告されている。
【0086】
例6〜35
サンプルを例5の方法に従って(但し、液体賦形剤の組成を変更した)、調製した。ドロスピレノン及びエチニルトラジオールの量を調節し、液体賦形剤混合物におけるそれらの相対的溶解性を説明した。配合組成は表1に示される。すべての配合物は、n=3.7を有する12.0%のオリゴ酸、n=5.2を有する3.6%のオリゴ酸及び10.6を有する4.2%のオリゴ酸の呼称組成を有した。特にことわらない限り、ドロスピレノン及びエチニルエストラジオールの量は、高性能液体クロマトグラフィーにより分析的に決定され、そして液体賦形剤の量はガスクロマトグラフィーにより分析的に決定された。ヒト死体皮膚を通しての透過を、上記試験方法を用いて決定した。合計のドロスピレノン及びエチニルエストラジオール流は、表1及び表2に報告されている。時間の関数としての累積ドロスピレノン流が表3に報告されている。プローブ粘着及び剪断クリープコンプライアンスを、選択されたサンプルに対して測定し、そして結果を表4に報告する。
【0087】
【表1】

【0088】
【表2】

【0089】
【表3】

【0090】
【表4】

【0091】
例36
ドロスピレノン(0.2938g)、及びエチニルエストラジオール(0.0160g)を、酢酸エチル/メタノールの70/30(w/w)溶媒混合物(9.271g)に添加し、そしてドロスピレノン及びエチニルエストラジオールが溶解されるまで、混合した。この溶液に、コポリマー(上記コポリマーD2からの乾燥されたイソオクチルアクリレート/アクリルアミド/酢酸ビニル(71/9/20;1.648g)、及び3.7のnの平均値を有する式Iのオリゴ酸(0.636g)を添加し、そして均等な塗布配合物が得られるまで、少なくとも12時間、混合した。その塗布配合物を、シリコーン被覆された開放ライナー上に、25ミル(635μm)の湿潤厚さでナイフ塗布した。
【0092】
塗布されたライナーを、110°F(43°C)で10分間、オーブンにおいて乾燥した。次に、乾燥された配合物を、裏地(SCOTCHPAKTM9732ポリエステルフィルムラミネート;3M Cpmpanyから入手できる)上に積層した。得られる配合物は、0.55%のエチニルエストラジオール、10.0%のドロスピレノン、及びn=3.7を有する21.7%のオリゴ酸の呼称組成を有した。配合物中の残りは、コポリマーD2であった。乾燥塗布重量は約20mg/cm2であった。プローブ粘着力は、上記方法によれば、1025gであることが決定された。ヒト死体皮膚を通しての透過を、上記試験方法を用いて決定した。合計のドロスピレノン流は420±250μg/cm2であり、そして合計エチニルエストラジオール流は23±7μg/cm2であった。
【0093】
例37
サンプルを、例36におけるようにして調製した。但し、オリゴ酸をアセチル化した。得られる配合物は、0.52%のエチニルエストラジオール、9.8%のドロスピレノン及び21.1%のアセチル化されたオリゴ酸の呼称組成を有した。配合物の残りは、コポリマーD2であった。ヒト死体皮膚を通しての透過を、上記試験方法を用いて決定した。合計のドロスピレノン流は350±80μg/cm2であり、そして合計エチニルエストラジオール流は27±4μg/cm2であった。
【0094】
例38
サンプルを、例36におけるようにして調製した。但し、オリゴ酸の末端カルボキシル基を、ベンジル基により官能価し、そしてnの平均値は約3であった。得られる配合物は、0.54%のエチニルエストラジオール、10.0%のドロスピレノン及び22.9%の官能化されたオリゴ酸の呼称組成を有した。配合物の残りは、コポリマーD2であった。ヒト死体皮膚を通しての透過を、上記試験方法を用いて決定した。合計のドロスピレノン流は190±70μg/cm2であり、そして合計エチニルエストラジオール流は17±4μg/cm2であった。
【0095】
例39
ドロスピレノン(0.3003g)、メチルラウレート(0.479g)及びベンジルアルコール(0.400g)を、酢酸エチル/メタノールの70/30(w/w)溶媒混合物(6.546g)に添加し、そしてドロスピレノンが溶解されるまで、混合した。この溶液に、コポリマー(上記コポリマーD1からの乾燥されたイソオクチルアクリレート/アクリルアミド/酢酸ビニル(75/5/20;1.63g)、及び3.7のnの平均値を有する式Iのオリゴ酸(0.363g)及び5.2のnの平均値を有する式Iのオリゴ酸(0.213g)を添加し、そして均等な塗布配合物が得られるまで、少なくとも12時間、混合した。その塗布配合物を、シリコーン被覆された開放ライナー上に、25ミル(635μm)の湿潤厚さでナイフ塗布した。
【0096】
塗布されたライナーを、110°F(43°C)で10分間、オーブンにおいて乾燥した。次に、乾燥された配合物を、裏地(SCOTCHPAKTM9732ポリエステルフィルムラミネート;3M Cpmpanyから入手できる)上に積層した。得られる配合物は、15.1%のメチルラウレート、12.6%のベンジルアルコール、9.6%のドロスピレノン、及びn=3.7を有する11.4%のオリゴ酸の呼称組成を有した。配合物中の残りは、コポリマーD1であった。乾燥塗布重量は約15〜20mg/cm2であった。ヒト死体皮膚を通しての透過を、上記試験方法を用いて決定した。合計ドロスピレノン流は、560±50μg/cm2であった。
【0097】
例40
ドロスピレノン(0.9038g)、エチニルエストラジオール(0.0354g)ベンジルアルコール(2.5050g)、ラウリルアルコール(0.6075g)及びクエン酸(1.5165g)を、酢酸エチル/メタノールの70/30(w/w)溶媒混合物(15.0652g)に添加し、そしてドロスピレノン及びエチニルエストラジオールが溶解されるまで、混合した。この溶液に、コポリマー(上記コポリマーD2からの乾燥されたイソオクチルアクリレート/アクリルアミド/酢酸ビニル(71/9/20;5.0531g)を添加し、そして均等な塗布配合物が得られるまで混合した。その塗布配合物を、シリコーン被覆された開放ライナー上に、25ミル(635μm)の湿潤厚さでナイフ塗布した。
【0098】
塗布されたライナーを、110°F(43°C)で10分間、オーブンにおいて乾燥した。次に、乾燥された配合物を、裏地(SCOTCHPAKTM9732ポリエステルフィルムラミネート;3M Cpmpanyから入手できる)上に積層した。得られる配合物は、0.33%のエチニルエストラジオール、8.5%のドロスピレノン、23.6%のベンジルアルコール、5.7%のラウリルアルコール及び14.3%のクエン酸の呼称組成を有した。配合物中の残りは、コポリマーD2であった。乾燥塗布重量は約15〜20mg/cm2であった。ヒト死体皮膚を通しての透過を、上記試験方法を用いて決定した。94時間後の合計ドロスピレノン流は、810±140μg/cm2であった。
【0099】
例41
ドロスピレノン(1.0309g)、エチニルエストラジオール(0.0355g)ベンジルアルコール(2.5064g)、メチルラウレート(1.0664g)、ラウリルアルコール(0.6026g)及びクエン酸(0.5033g)を、酢酸エチル/メタノールの70/30(w/w)溶媒混合物(15.0234g)に添加し、そしてドロスピレノン及びエチニルエストラジオールが溶解されるまで、混合した。この溶液に、コポリマー(上記コポリマーD2からの乾燥されたイソオクチルアクリレート/アクリルアミド/酢酸ビニル(71/9/20;4.9877g)を添加し、そして均等な塗布配合物が得られるまで混合した。
【0100】
その塗布配合物を、シリコーン被覆された開放ライナー上に、25ミル(635μm)の湿潤厚さでナイフ塗布した。塗布されたライナーを、110°F(43°C)で10分間、オーブンにおいて乾燥した。次に、乾燥された配合物を、裏地(SCOTCHPAKTM9732ポリエステルフィルムラミネート;3M Cpmpanyから入手できる)上に積層した。得られる配合物は、0.30%のエチニルエストラジオール、9.6%のドロスピレノン、23.4%のベンジルアルコール、9.9%のメチルラウレート、5.6%のラウリルアルコール及び4.7%のクエン酸の呼称組成を有した。配合物中の残りは、コポリマーD2であった。ヒト死体皮膚を通しての透過を、上記試験方法を用いて決定した。94時間後の合計ドロスピレノン流は、840±100μg/cm2であった。
【0101】
例42
ドロスピレノン(0.9556g)、エチニルエストラジオール(0.0359g)、ベンジルアルコール(2.4949g)、メチルラウレート(0.5318g)、ラウリルアルコール(1.2009g)及びクエン酸(0.5158g)を、酢酸エチル/メタノールの70/30(w/w)溶媒混合物(15.0030g)に添加し、そしてドロスピレノン及びエチニルエストラジオールが溶解されるまで、混合した。この溶液に、コポリマー(上記コポリマーD2からの乾燥されたイソオクチルアクリレート/アクリルアミド/酢酸ビニル(71/9/20;5.0033g)を添加し、そして均等な塗布配合物が得られるまで混合した。
【0102】
その塗布配合物を、シリコーン被覆された開放ライナー上に、25ミル(635μm)の湿潤厚さでナイフ塗布した。塗布されたライナーを、110°F(43°C)で10分間、オーブンにおいて乾燥した。次に、乾燥された配合物を、裏地(SCOTCHPAKTM9732ポリエステルフィルムラミネート;3M Cpmpanyから入手できる)上に積層した。得られる配合物は、0.30%のエチニルエストラジオール、8.9%のドロスピレノン、23.2%のベンジルアルコール、5.0%のメチルラウレート、11.2%のラウリルアルコール及び4.8%のクエン酸の呼称組成を有した。配合物中の残りは、コポリマーD2であった。ヒト死体皮膚を通しての透過を、上記試験方法を用いて決定した。94時間後の合計ドロスピレノン流は、910±210μg/cm2であった。
【0103】
例43
ドロスピレノン(0.520g)、エチニルエストラジオール(0.0040g)、ベンジルアルコール(1.000g)、メチルラウレート(0.515g)、及び安息香酸(0.320g)を、酢酸エチル/メタノールの70/30(w/w)溶媒混合物(8.1212g)に添加し、そしてドロスピレノン及びエチニルエストラジオールが溶解されるまで、混合した。この溶液に、コポリマー(上記コポリマーD1からの乾燥されたイソオクチルアクリレート/アクリルアミド/酢酸ビニル(71/9/20;1.8760g)を添加し、そして均等な塗布配合物が得られるまで混合した。その塗布配合物を、シリコーン被覆された開放ライナー上に、25ミル(635μm)の湿潤厚さでナイフ塗布した。
【0104】
塗布されたライナーを、110°F(43°C)で10分間、オーブンにおいて乾燥した。次に、乾燥された配合物を、裏地(SCOTCHPAKTM9732ポリエステルフィルムラミネート;3M Cpmpanyから入手できる)上に積層した。得られる配合物は、0.10%のエチニルエストラジオール、13.0%のドロスピレノン、20.0%のベンジルアルコール、12.0%のメチルラウレート、及び8.0%の安息香酸の呼称組成を有した。配合物中の残りは、コポリマーD2であった。ヒト死体皮膚を通しての透過を、上記試験方法を用いて決定した。96時間後の合計ドロスピレノン流は、209±84μg/cm2であった。96時間後の合計エチニルエストラジオール流は、0.55±0.26μg/cm2であった。時間の関数としての累積ドロスピレノン流は、表5に報告されている。
【0105】
【表5】

【0106】
例44
サンプルを例43におけるようにして調製した。但し、メチルラウレート及び安息香酸の呼称量は、それぞれ5.0%及び15.0%であった。ヒト死体皮膚を通しての透過を、上記試験方法を用いて決定した。96時間後の合計ドロスピレノン流は、183 ±65 μg/cm2であった。96時間後の合計エチニルエストラジオール流は、0.53 ±0.22 μg/cm2であった。時間の関数としての累積ドロスピレノン流は、表4に報告されている。
【0107】
例45
サンプルを例43におけるようにして調製した。但し、メチルラウレート及び安息香酸の呼称量は、それぞれ19.0%及び1.0%であった。ヒト死体皮膚を通しての透過を、上記試験方法を用いて決定した。96時間後の合計ドロスピレノン流は、110±51μg/cm2であった。96時間後の合計エチニルエストラジオール流は、0.78±0.57 μg/cm2であった。時間の関数としての累積ドロスピレノン流は、表4に報告されている。
【0108】
例46
サンプルを例43におけるようにして調製した。但し、メチルラウレート及び安息香酸の呼称量は、それぞれ8.5%及び11.5%であった。ヒト死体皮膚を通しての透過を、上記試験方法を用いて決定した。96時間後の合計ドロスピレノン流は、209±78μg/cm2であった。96時間後の合計エチニルエストラジオール流は、0.66±0.35 μg/cm2であった。時間の関数としての累積ドロスピレノン流は、表4に報告されている。
【0109】
例47
サンプルを例43におけるようにして調製した。但し、メチルラウレート及び安息香酸の呼称量は、それぞれ15.5%及び4.5%であった。ヒト死体皮膚を通しての透過を、上記試験方法を用いて決定した。96時間後の合計ドロスピレノン流は、209±88μg/cm2であった。96時間後の合計エチニルエストラジオール流は、0.66±0.47 μg/cm2であった。時間の関数としての累積ドロスピレノン流は、表4に報告されている。
【0110】
本発明は、そのいくつかの態様により記載されて来た。前述の詳細な記載及び例は、単なる理解の明瞭性のために提供され、そしてそれから、不必要な制限は理解されるべきではない。多くの変更が本発明の範囲内で、記載される態様に対して行われ得ることは、当業者に明らかであろう。従って、本発明の範囲は、本明細書に記載される組成物及び構造体の正確な詳細に制限されるべきではない。多くのパラメーターが2種の値間で範囲を有するものをして記載されている場合、前記範囲はその範囲を定義する2種の値を含むことが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着剤マトリックス;
有効量のドロスピレノン;及び
オリゴ乳酸、オリゴ乳酸誘導体又はそれらの混合物から選択されたオリゴマーアジュバント;
を含んで成る経皮用薬剤供給装置。
【請求項2】
前記オリゴマーアジュバントが透過増強アジュバントである請求項1記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項3】
溶解剤をさらに含んで成る請求項1又は2記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項4】
芳香族溶解剤をさらに含んで成る請求項1又は2記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項5】
アルキルラクテート、ヒドロキシ酸、脂肪酸のアルキルエステル及びそれらの混合物から成る群から選択された透過増強剤をさらに含んで成る請求項1〜4のいずれか1項記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項6】
前記透過増強剤がメチルラウレートを含んで成る請求項5記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項7】
裏地フィルムをさらに含んで成る請求項1〜6のいずれか1項記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項8】
前記オリゴマーアジュバントがオリゴ乳酸を含んで成る請求項1〜7のいずれか1項記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項9】
前記ドロスピレノンの量が、接着剤、ドロスピレノン及びオリゴマーアジュバントの合計重量の約5〜30重量%である請求項1〜8のいずれか1項記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項10】
前記ドロスピレノンの量が、接着剤、ドロスピレノン及びオリゴマーアジュバントの合計重量の約5〜15重量%である請求項1〜9のいずれか1項記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項11】
前記ドロスピレノンが、前記接着剤マトリックス内に分散される請求項1〜10のいずれか1項記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項12】
裏地フィルム;及び
有効量のドロスピレノン;
溶解剤;及び
アルキルラクテート、カルボン酸、脂肪酸のアルキルエステル及びそれらの混合物から成る群から選択された透過増強剤を含んで成る接着剤マトリックスを含んで成る経皮用薬剤供給装置。
【請求項13】
前記溶解剤が芳香族溶解剤である請求項12記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項14】
前記透過増強剤がメチルラウレートを含んで成る請求項12又は13記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項15】
前記芳香族溶解剤がベンジルアルコールである請求項12又は13記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項16】
前記ドロスピレノンが、前記接着剤マトリックス内に均質混合される請求項12〜15のいずれか1項記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項17】
前記接着剤マトリックスが、未溶解ドロスピレノンを実質的に有さない請求項12〜16のいずれか1項記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項18】
有効量のドロスピレノン;及び
透過増強剤を含んで成る接着剤マトリックスを含んで成り;ここで前記マトリックスにおけるドロスピレノンの濃度が前記マトリックスの合計重量の約5重量%であり、そして前記マトリクスが未溶解ドロスピレノンを実質的に有さない経皮用薬剤供給装置。
【請求項19】
前記ドロスピレノンの量が、マトリックスの合計重量の約5〜15重量%である請求項18記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項20】
前記ドロスピレノンの量が、マトリックスの合計重量の約5〜30重量%である請求項18又は19記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項21】
オリゴ乳酸、オリゴ乳酸誘導体又はそれらの混合物から選択されたオリゴマーアジュバントをさらに含んで成る請求項18〜20のいずれか1項記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項22】
溶解剤をさらに含んで成る請求項18〜21のいずれか1項記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項23】
芳香族溶解剤をさらに含んで成る請求項18〜21のいずれか1項記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項24】
前記透過増強剤が、アルキルラクテート、カルボン酸、又は脂肪酸のアルキルエステルを含んで成る請求項18〜23のいずれか1項記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項25】
前記透過増強剤がメチルラウレートを含んで成る請求項24記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項26】
前記透過増強剤がヒドロキシ酸を含んで成る請求項5,12又は24記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項27】
前記透過増強剤がα−ヒドロキシ酸を含んで成る請求項26記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項28】
前記α−ヒドロキシ酸がクエン酸である請求項27記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項29】
前記透過増強剤が安息香酸を含んで成る請求項5,12又は24記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項30】
エストロゲンをさらに含んで成る請求項18〜29のいずれか1項記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項31】
前記エストロゲンがエチニルエストラジオールである請求項30記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項32】
前記接着剤マトリクスがアクリレートポリマーを含んで成る請求項18〜31のいずれか1項記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項33】
前記装置が、最終使用でのドロスピレノンの経皮流が、前記装置の摩耗期間の間、ドロスピレノンのピーク流の50%以上か又はそれに等しくなるよう、持効性供給を提供する請求項18〜32のいずれか1項記載の経皮用薬剤供給装置。
【請求項34】
ドロスピレノン及び任意には、請求項18〜33のいずれか1項記載のエストロゲンを含んで成る経皮用生成物。
【請求項35】
(a)請求項1〜34のいずれか1項記載の経皮用薬剤供給システムを供給し;
(b)前記供給システムを、哺乳類の皮膚に対して供給関連下で配置し;そして
(c)薬剤を前記哺乳類に供給する段階を含んで成る経皮用供給方法。
【請求項36】
(a)25cm2以下の合計皮膚−接触表面積を有し、そして感圧性接着剤マトリックス内に少なくとも約20mgの溶解されたドロスピレノンを含んで成る経皮用薬剤供給システムを供給し;
(b)前記供給システムを、ヒト女性の皮膚に対して供給関連下で配置し;そして
(c)前記女性に1日当たり約1〜3mgの量のドロスピレノンを、約7日間、供給する段階を含んで成る、ヒト女性を避妊するための方法。
【請求項37】
前記感圧性接着剤マトリックスが、未溶解ドロスピレノンを実質的に有さない請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記装置がエチニルエストラジオールを含んで成り、そしてさらに、エチニルエストラジオールを、1日当たり約0.01〜0.03mgの量で約7日間、供給する段階を含んで成る請求項35〜37のいずれか1項記載の方法。
【請求項39】
最終使用でのドロスピレノンの経皮流が、前記装置の摩耗期間の間、ドロスピレノンのピーク流の50%以上か又はそれに等しい請求項35〜38のいずれか1項記載の方法。
【請求項40】
中断しないで少なくとも21日の活性投与を提供するために、段階(a)〜(c)を少なくとも3度、反復する請求項36〜39のいずれか1項記載の方法。
【請求項41】
21日の活性投与期間に続いて、少なくとも1日の非投与期間が存在する請求項40記載の方法。

【公表番号】特表2009−501722(P2009−501722A)
【公表日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−521655(P2008−521655)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/027458
【国際公開番号】WO2007/011764
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】