説明

ナガマドキノコバエの捕虫方法およびその捕虫器

【課題】キノコ類の菌床栽培において、特に大きな被害をもたらすキノコバエ類のうちのナガマドキノコバエを選択的に、かつ効果的に捕虫するためのナガマドキノコバエの捕虫方法およびその捕虫器を提供する。
【解決手段】このナガマドキノコバエの捕虫方法は、キノコ類の菌床栽培を行う菌床棟内に生息するキノコバエ類を捕虫するための捕虫方法であって、菌床棟内に生息するナガマドキノコバエを誘引するための香気を発するバナナの香料を含む誘引物質を準備し、その誘引物質が発する香気を拡散手段により拡散し、その拡散された香気により誘引されたナガマドキノコバエを、電磁波の波長が405〜420nmの間でピークを有する誘引光源が照射する光により誘引し、その誘引光源により照射された光により誘引されたナガマドキノコバエを吸引手段により吸引することでナガマドキノコバエを選択的に捕虫する、ナガマドキノコバエの捕虫方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、キノコ類の菌床栽培において被害をもたらすキノコバエ類を捕虫する捕虫方法およびその捕虫器に関し、特にたとえば、ナガマドキノコバエを選択的に捕虫するためのナガマドキノコバエの捕虫方法およびその捕虫器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、キノコ類の菌床栽培においては、安定的な周年出荷を図るために、空調設備を導入した培養・発生施設が増加している。このような施設内の環境においては、温度は、年間を通して12〜25℃前後であり、湿度も高く、加えて、閉鎖空間であるために、キノコ類を食害するキノコバエ類の生息に適した環境となっている。このうち、特に、シイタケの菌床栽培においては、ナガマドキノコバエ(学名:Neompheria ferruginea)が多数発生することによる被害が知られている。ナガマドキノコバエの幼虫は、シイタケの傘の裏に生息し、そのシイタケの柄や傘を食害する。従って、食害を受けたシイタケはその商品価値を失い、またシイタケを出荷する際には、傘の裏等に生息するナガマドキノコバエの幼虫の確認・選別作業に長時間要し、また、発見できずに出荷した場合、流通過程あるいは店頭において幼虫もしくは羽化した成虫が現出して、流通関係者・消費者からクレームが寄せられる問題を有する。
【0003】
シイタケの菌床栽培においては、農薬の散布は認められていないため、上述したようなナガマドキノコバエの食害の防除対策としては、もっぱらナガマドキノコバエの誘引捕殺による駆除方法が効果的とされている。
誘引捕殺の方法として、ナガマドキノコバエと同類のキノコバエ類であるクロバネキノコバエ類を誘引するとともに捕殺する誘引捕虫器として、紫外線を放射する蛍光灯と、この紫外線を放射する蛍光灯の少なくとも一表面を被覆するよう配設された透明シートからなり、その透明シートの表面には少なくとも一部分に粘着剤層が設けられてなることを特徴とする捕虫器を用いることにより捕虫する方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、他の誘引捕殺の方法として、キノコ栽培において、当該キノコ栽培域の一部にキノコバエ等の飛翔性害虫に感知可能な量と強さの風を喚起可能とする送風機を配置し、該送風機の送風経路に誘蛾灯利用捕虫器、粘着シート利用捕虫器、誘引物質利用捕虫器を対設し、該風に対する飛翔性害虫の正の走化性(風に向かって飛翔する)を利用して捕虫器にて捕獲することを特徴とする捕虫方法が提案されている(特許文献2参照)。
さらに、他の誘引捕殺の方法として、捕虫器本体に300〜600nmの波長の範囲の電磁波が放射するように施されており、該捕虫器本体に自然風の来る方向に合わせて該捕虫器本体の前方側を向ける風向舵を設けてなり、該捕虫器本体の前方側に向けて害虫の侵入口を1又は2以上設けてなり、該捕虫器本体の内部に前記侵入口から誘因侵入した害虫を捕獲する捕獲部を設け、さらに、捕獲部に捕獲水槽を設けてなることを特徴とする捕虫器により捕虫する方法が提案されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−047361号公報
【特許文献2】特開2005−204602号公報
【特許文献3】特許第3729433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されている捕虫器は、誘引源として紫外線を放射する蛍光灯および透明シートに設けられた粘着層を使用しているが、シイタケの菌床栽培が行われる菌床棟内は、光の届かない箇所が多いことから、この紫外線を放射する蛍光灯が発する誘引光の届かない範囲に生息するナガマドキノコバエには効果を期待することができないこと、また、菌床棟内で散布される水滴により、粘着層による捕虫の効果が低下するため、取替えの工数が増加し、コストの増加に繋がる問題がある。また、特許文献2に記載されている捕虫器は、誘引源として、0.1m/秒〜10m/秒の送風機の風速を有する風を利用したものであるが、キノコバエ等が飛翔していることが前提であること、また、風の届かない範囲に生息するナガマドキノコバエには効果が期待できない問題がある。さらに、特許文献3に記載されている捕虫器は、誘引源として、捕虫器本体に300〜600nmの波長の範囲の電磁波が放射されるように施され、そして自然の風の来る方向に合わせて捕虫器本体の前方側に向ける風向舵を利用したものである。その効果は、捕虫器本体から放射される電磁波の誘引光によって誘引され、かつ自然の風に乗って飛翔してきた害虫を捕虫するように構成したものであるが、捕虫器本体が見えない範囲に生息する害虫に対しては効果が期待できないこと、また、シイタケの菌床栽培は、その栽培に適した空調設備を導入した閉鎖空間で行われるため、自然の風が生じにくいことから風向舵の効果も期待できない問題がある。さらに、捕虫器本体内に設けられた捕獲部の水槽に殺虫液を入れ、放置しておくと、液の腐敗および液の蒸発により捕虫の効果が減退する問題がある。
さらにまた、特許文献1〜特許文献3の共通の問題として、シイタケの菌床栽培に対して特に被害をもたらすナガマドキノコバエを対象としたものでないことが挙げられる。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、キノコ類の菌床栽培において、特に大きな被害をもたらすナガマドキノコバエを選択的に、かつ効果的に捕虫するためのナガマドキノコバエの捕虫方法およびその捕虫器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明にかかるナガマドキノコバエの捕虫方法は、キノコ類の菌床栽培を行う菌床棟内に生息するキノコバエ類を捕虫するための捕虫方法であって、菌床棟内に生息するナガマドキノコバエを誘引するための香気を発するバナナの香料を含む誘引物質を準備し、誘引物質が発する香気を拡散手段により拡散し、拡散された香気により誘引されたナガマドキノコバエを、電磁波の波長が405〜420nmの間でピークを有する誘引光源が照射する光により誘引し、誘引光源により照射された光により誘引されたナガマドキノコバエを吸引手段により吸引することでナガマドキノコバエを選択的に捕虫する、ナガマドキノコバエの捕虫方法である。
また、この発明にかかるナガマドキノコバエの捕虫方法では、キノコ類の菌床栽培が、シイタケの菌床栽培であることが好ましい。
また、この発明にかかるナガマドキノコバエの捕虫方法では、誘引光源の電磁波の波長が、420nmにピークを持つことが好ましい。
さらに、この発明にかかるナガマドキノコバエの捕虫方法では、誘引光源が、蛍光灯であることが好ましい。
さらにまた、この発明にかかるナガマドキノコバエの捕虫方法では、誘引物質が、ゼリー状、ゲル状、固形、マイクロカプセルのいずれかの形態であることが好ましい。
この発明にかかるナガマドキノコバエ用捕虫器は、キノコ類の菌床栽培を行う菌床棟内に生息するキノコバエ類を捕虫するための捕虫器であって、菌床棟内に生息するナガマドキノコバエを誘引するための香気を発するバナナの香料を含む誘引物質と、誘引物質が発する香気を拡散させるための拡散手段と、拡散された香気により誘引されたナガマドキノコバエをさらに誘引するための光を照射する、電磁波の波長が405〜420nmの間でピークを有する誘引光源と、誘引光源により照射された光により誘引されたナガマドキノコバエを吸引するための吸引手段とを備え、ナガマドキノコバエを選択的に捕虫する、ナガマドキノコバエ用捕虫器である。
また、この発明にかかるナガマドキノコバエ用捕虫器では、キノコ類の菌床栽培が、シイタケの菌床栽培であることが好ましい。
また、この発明にかかるナガマドキノコバエ用捕虫器では、誘引光源の電磁波の波長が、420nmにピークを持つことが好ましい。
さらに、この発明にかかるナガマドキノコバエ用捕虫器では、誘引光源が、蛍光灯であることが好ましい。
さらにまた、この発明にかかるナガマドキノコバエ用捕虫器では、誘引物質が、ゼリー状、ゲル状、固形、マイクロカプセルのいずれかの形態であることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
この発明にかかるナガマドキノコバエの捕虫方法及びその捕虫器によれば、特に、シイタケの菌床栽培が行われる菌床棟内は、光の届かない箇所が多いため、誘引物質が発する香気を拡散手段により強制的に拡散することにより、光の届かない箇所に生存するナガマドキノコバエを誘引し、そして、その誘引されたナガマドキノコバエに対して誘引光源を利用して誘引することができるので、効果的にナガマドキノコバエを捕虫することができる。
また、この発明にかかるナガマドキノコバエの捕虫方法及びその捕虫器によれば、誘引光源として、ナガマドキノコバエが特に誘引される電磁波の波長である、405〜420nmにピークを持つ波長の誘引光源を備えるので、特にシイタケの菌床栽培に害をもたらすナガマドキノコバエを選択的に捕虫することができる。
さらに、この発明にかかるナガマドキノコバエの捕虫方法及びその捕虫器によれば、誘引物質として、ナガマドキノコバエが特に誘引されるバナナの香料を含むため、より選択的にナガマドキノコバエを捕虫することができる。
また、この発明にかかるナガマドキノコバエの捕虫方法では、誘引光源の電磁波の波長が、420nmにピークを有することにより、より選択的にナガマドキノコバエを誘引することができる。
さらにまた、この発明にかかるナガマドキノコバエの捕虫方法及びその捕虫器によれば、バナナの香料を含む誘引物質が、ゼリー状、ゲル状、固形、マイクロカプセルのいずれかの形態である場合には、より長期の期間にわたり誘引物質を交換することなくナガマドキノコバエを誘引することができる。
【0009】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明にかかるナガマドキノコバエの捕虫方法を実現するためのナガマドキノコバエ用捕虫器の実施形態を示す模式図である。
【図2】この発明にかかるナガマドキノコバエ用捕虫器の蓋部に取り付けられる誘引光源部の他の実施例を示す模式図であり、(a)は、その側面図、(b)は、その底面図である。
【図3】誘引光源および誘引物質の違いによる捕虫効果の試験を行った菌床棟の模式図である。
【図4】電磁波の波長のピークが420nmである誘引光源の分光放射照度について示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明にかかるナガマドキノコバエの捕虫方法は、選択的にナガマドキノコバエを捕虫するために、その特性に着目した方法である。すなわち、発明者は、ナガマドキノコバエを誘引する場合に、特定の電磁波の波長にピークを有する誘引光源、および特定の香料が発する香気を有する誘引物質が特に効果的であることを見いだし、本発明に至ったものである。さらに、本発明にかかるナガマドキノコバエの誘引方法は、以下に説明するように、各々の要素を組み合わせることによる相乗効果を利用している。
第1に、ナガマドキノコバエを誘引するのに効果の高い誘引物質であるバナナの香料の香気を拡散手段たる送風機により拡散させることにより、シイタケの菌床栽培を行っている菌床棟内に広く生息するナガマドキノコバエを誘引する。
第2に、その誘引されたナガマドキノコバエに対して、ナガマドキノコバエを誘引するのに効果の高い電磁波の波長の405〜420nm、好ましくは420nmにピークを有する誘引光源の光を照射させることにより、ナガマドキノコバエを誘引する。
第3に、その誘引光源の光によって誘引されてきたナガマドキノコバエを吸引手段たる送風機による吸引効果により、捕集用箱体において捕虫する。
以下、上述したナガマドキノコバエを捕虫する方法を実現したナガマドキノコバエ用捕虫器について説明する。
【0012】
図1は、本発明にかかるナガマドキノコバエ用捕虫器10の実施形態を示す模式図である。また、図2は、この発明にかかるナガマドキノコバエ用捕虫器10の蓋部30に取り付けられる誘引光源部の他の実施例を示す模式図であり、(a)はその側面図を示し、(b)はその底面図を示す。
【0013】
この発明にかかるナガマドキノコバエ用捕虫器10は、シイタケの菌床栽培において、特に被害をもたらすナガマドキノコバエを選択的、かつ効果的に捕虫するために使用されるものである。このナガマドキノコバエ用捕虫器10は、捕虫器本体部20、蓋部30、誘引光源部40、送風機50、捕集用箱体60、および誘引物質部70により構成される。
【0014】
捕虫器本体部20は、送風機50および送風機50により生成された送風経路56を保持し、さらに、ナガマドキノコバエを捕集用箱体60に導くために設けられる。捕虫器本体部20は、例えば、略円筒形の筒状に形成される。そして、捕虫器本体部20の上端縁には、略円形に形成された浸入口22が形成され、捕虫器本体部20の筒状内には、送風機保持部24が形成され、捕虫器本体部20の下端縁には、略円形に形成された通過口26が形成される。捕虫器本体部20の外側面28には、例えば、黒色または濃緑色が施される。
【0015】
蓋部30は、捕虫器本体部20に散布された水滴等の浸入を防止するとともに、ナガマドキノコバエを捕虫器本体部20内に吸引する入り口を確保するために設けられる。さらに、後述する誘引光源42が、照射する光を四方八方に照射する窓を確保するために設けられる。蓋部30は、捕虫器本体部20の上方に設けられる。蓋部30は、上面部32、組子34および蓋支え部36により構成される。さらに、上面部32は、上面本体部32a、鍔部32bおよび吊り輪部32cにより構成される。上面本体部32aは、略円筒形に形成される。鍔部32bは、上面本体部32aの下面側に略円板形に形成される。また、吊り輪部32cは、上面本体部32aの上面側の略中心部において、略半円形の輪に形成される。組子34は、上面部32および略円筒形に形成される蓋支え部36の間に複数本形成される。すなわち、鍔部32bの下面側における外縁の内側部分と蓋支え部36の上端縁部分とが、複数本の組子34により接続される。そして、上面部32と蓋支え部36との間には、組子34により間仕切られた複数の浸入照射窓38が形成される。また、蓋部30は、蓋支え部36の下端縁部分を、捕虫器本体部20の浸入口22の外側に嵌合して固定される。蓋部30は、捕虫器本体部20の上部に着脱可能に接続される。
【0016】
誘引光源部40は、その光によりナガマドキノコバエをナガマドキノコバエ用捕虫器10に誘引するために設けられる。誘引光源部40は、誘引光源42および誘引光源42を制御等するためのユニット44により構成される。誘引光源部40は、蓋部30における上面部32の鍔部32bの下側面に、かつその面と平行に取り付けられる。従って、誘引光源部40は、蓋部30に形成される浸入照射窓38の内側に形成される。言い換えると、浸入照射窓38は、誘引光源40の周りに取り囲むように形成されており、誘引光源42の照射する光が、浸入照射窓38を介して、四方八方に照射される。誘引光源42は、例えば、蛍光灯またはLEDが利用されるが、特に、蛍光灯が好ましい。なお、ユニット44は、蛍光灯およびLEDにあわせて、それぞれ対応するものが備えられる。誘引光源42の電磁波の波長は、ナガマドキノコバエを誘引するために効果を奏する405〜420nmの間でピークを有するのが好ましく、特に、420nmにピークを有するものが好ましい。また、誘引光源42に使用する蛍光灯について、直管型、サークライン等が使用できるが、直管型が好ましい。
誘引光源部40を設けることで、誘引物質部70に設けられた誘引物質72の香気を送風機50で拡散することにより、その香気で誘引されたナガマドキノコバエを、ナガマドキノコバエ用捕虫器10に誘引させる効果を有する。
【0017】
送風機50は、誘引光源42の光および誘引物質72の香気により誘引されたナガマドキノコバエを蓋部30に形成された浸入照射窓38より捕集用箱体60の内部へ吸引するための吸引手段の機能を有するとともに、この送風機50により生成された送風経路56上に設けられた誘引物質部70における誘引物質72が発する香気を周囲に拡散するための拡散手段の機能を有する。この送風機50は、浸入照射窓38を介して、捕虫器本体部20の内部を通り、さらに、後述する捕集網部64を通過するように連通して、上から下方向への送風経路56を生成する。また、この送風機50は、ナガマドキノコバエを捕虫するために、浸入照射窓38を介して、捕虫器本体部20の内部を通るように連通して、捕集用箱体60までのナガマドキノコバエの浸入経路58を生成する。送風機50は、羽根部52と電動機54により構成される。そして、送風機50は、捕虫器本体部20の送風機保持部24において保持される。羽根部52には、吸い込み式の小型羽根が使用される。また、送風機50は、防水仕様に構成される。
送風機50は、誘引光源42等により誘引されたナガマドキノコバエを吸引するとともに、誘引物質72の香気を拡散する機能を有する。
【0018】
捕集用箱体60は、主に送風機50により吸引されたナガマドキノコバエを捕集するとともに、送風機50により生成された風を周囲に拡散させるために設けられる。捕集用箱体60は、例えば、略円筒形の筒状に形成され、捕集口62、捕集網部64および底部66により構成される。捕集網部64は、網目状の物が捕集用箱体60の側面に形成されることにより設けられ、捕集網部64の上端縁には略円形の捕集口62が形成される。そして、捕集網部64の下端縁には底部66が形成される。捕集網部64は、誘引物質72の香気が通過できるような通気性を有するとともに、捕集したナガマドキノコバエが通過できない網目の大きさに形成される。また、捕集用箱体60の捕集口62は、捕虫器本体部20の下端縁の通過口26の外側に嵌合して固定される。捕集用箱体60は、捕虫器本体部20に着脱可能に接続される。
捕集用箱体60は、通気性を有する捕集網部64を設けているので、送風機50により生成された風が底部66に衝突し、続いて、その風が捕集網部64を通過し、ナガマドキノコバエ用捕虫器10より四方八方に拡散させる機能を有する。
また、捕集用箱体60は、捕虫器本体部20に対して着脱可能に設けられるので、捕集用箱体60の内部の掃除を容易に行うことができるとともに、誘引物質部70が、着脱可能に設けられる捕集用箱体60の底部66の上面側に配置されるので、捕集用箱体60内の掃除等を行うと同時に、誘引物質72の交換等も行うことができる。
【0019】
誘引物質部70は、その香気によりナガマドキノコバエをナガマドキノコバエ用捕虫器10に誘引するために設けられる。誘引物質部70は、誘引物質72と容器部74とから構成される。誘引物質部70は、捕集用箱体60の底部66における上面側の略中心部分に配置される。
誘引物質72には、一ヶ月程度の蒸散効果を有し、腐敗しないような長期蒸散型誘引剤が使用され、例えば、ゼリー状、ゲル状、固形またはマイクロカプセルが使用される。そして、誘引物質72には、ナガマドキノコバエを誘引するために効果を有するバナナの香料が使用される。このような誘引物質72には、例えば、バナナ濃縮ゼリー、バナナエッセンスまたはバナナエッセンスゲルが利用される。
容器部74は、誘引物質72を入れておくために設けられ、例えば、円形の皿状に形成される。
送風機50が生成する上から下方向への風が、捕集用箱体60の側面に形成される捕集網部64を通して誘引物質72の香気とともに拡散するため、誘引光源42による光の届かないナガマドキノコバエをナガマドキノコバエ用捕虫器10に誘引することができる。
【0020】
なお、誘引光源部40は、図2に示すような誘引光源部140に変更してもよい。誘引光源部140は、誘引光源142および誘引光源142を制御等するためのユニット144により構成される。ユニット144は、鍔部32bにおける下面側の略中央の領域において、適宜な間隔を隔てて、例えば、2箇所に配置される。そして、誘引光源142は、そのユニット144に取り付けられることで、鍔部32bの下面に対して垂直下向きに取り付けられ、かつ、浸入照射窓38を通じて誘引光源142の光が照射されるような範囲に取り付けられる。ここで、誘引光源142は、蛍光灯が好ましく、また、誘引光源142の長さは、少なくとも、鍔部32bの下面から蓋支え部36の上端縁までの長さを有するのが好ましい。
誘引光源部140が、このように取り付けられることで、前記誘引光源部40に比べて、誘引光源142の光を、外部に対してより広範に照射させることができる。また、誘引光源部40のように蓋部30に対して平行に誘引光源42を取り付けた場合、誘引光源40の長さが長くなるとそれに対応して蓋部30の水平方向の大きさを大きくする必要が生じるが、誘引光源部140のように誘引光源142を蓋部30に対して垂直に取り付けることで、これを回避することができる。
【0021】
次に、本発明にかかるナガマドキノコバエ用捕虫器10に使用される誘引光源42の電磁波の波長のピークの違いおよび誘引物質72の違いによる捕虫効果の違いについて、それぞれの比較試験を行った。結果を、以下に説明する。
【0022】
奈良県のシイタケの菌床栽培の菌床棟において、各試験を行った。図3は、試験を行った菌床棟の模式図を示す。菌床棟の大きさは、間口が9mで、奥行きが15mであって、従って、延べ床面積が135m2である。菌床棟の室内の温度は、12〜25℃(平均18℃)であり、菌床棟の室内の湿度は、約80%で保たれている。
【0023】
(試験例1)
まず、表1に、誘電光源42の電磁波の波長におけるピークの違いによる試験例を示す。本試験において、誘引光源42は、365nmにピークの電磁波の波長を有する蛍光灯(商品名:Quantum BL,消費電力:30W(15W×2),メーカ名:Killgerm Group社製)、405nmにピークの電磁波の波長を有するLED(商品名:Vioret Diode,消費電力:2.8W(35mW×35),メーカ名:NN社製)、および420nmにピークの電磁波の波長を有する蛍光灯(商品名:FL−20 BL42,消費電力:30W,メーカ名:極光電機(株)製)を使用した。ここで、図4は、電磁波の波長のピークが420nmである誘引光源の分光放射照度を示した図である。
また、試験により得られた結果が、誘引光源42の電磁波の波長のみの違いによる効果によるものであることを明確にするために、ナガマドキノコバエの捕虫には巻き取り式粘着紙を使用した。なお、試験1および試験2については、巻き取り式粘着紙を使用せず、送風機付きの装置を使用した。また、設置場所は、(a)地上約2.5mと(b)地上約0.5mの2種類で行った(図3を参照)。なお、設置場所(a)の場合は、試験を行った各装置が、天井から吊るすようにして設置されている。
【0024】
【表1】

【0025】
試験1は、365nmに電磁波の波長のピークを有する誘引光源42について試験を行った結果である。このときのナガマドキノコバエの捕虫数は0匹であった。また、試験2は、405nmに電磁波の波長のピークを有する誘引光源42について試験を行った結果である。このときのナガマドキノコバエの捕虫数は125匹であった。これらの結果を比較してみると、試験1と試験2とは、実施期間が異なるものの、405nmに電磁波の波長のピークを有する誘引光源42の方が捕虫効果の大きいことが確認された。
【0026】
また、表1において、試験3は、420nmに電磁波の波長のピークを有する誘引光源42について試験を行った結果である。このときのナガマドキノコバエの捕虫数は68匹であった。また、試験4は、405nmに電磁波の波長のピークを有する誘引光源42について試験を行った結果である。このときのナガマドキノコバエの捕虫数は1匹であった。試験3および試験4は、同一の実施期間に同一の菌床棟内において試験を行ったものである。これらの結果を比較してみると、420nmに電磁波の波長のピークを有する誘引光源42の方が、365nmに電磁波の波長のピークを有する誘引光源42に比べて捕虫効果の大きいことが確認された。
【0027】
さらに、試験5は、405nmに電磁波の波長のピークを有する誘引光源42について試験を行った結果である。このときのナガマドキノコバエの捕虫数は1匹であった。また、試験6は、420nmに電磁波の波長のピークを有する誘引光源42について試験を行った結果である。このときのナガマドキノコバエの捕虫数は34匹であった。試験5および試験6は、同一の実施期間に同一の菌床棟内において試験を行ったものである。これらの結果を比較してみると、420nmに電磁波の波長のピークを有する誘引光源42の方が、405nmに電磁波の波長のピークを有する誘引光源42に比べて捕虫効果の大きいことが確認された。
【0028】
以上の結果をまとめると、誘引光源42における電磁波の波長のピークの違いによるナガマドキノコバエの捕虫効果は、405〜420nmに電磁波の波長のピークを有する誘引光源42を使用することが好ましいといえる。また、特に、420nmに電磁波の波長のピークを有する誘引光源42がその捕虫効果の大きいことが確認された。
【0029】
(試験例2)
次に、表2に、誘引物質72の違いによる試験例を示す。本試験において、誘引物質72は、バナナ濃縮ゼリー(メーカ名:(株)フジコン製)、バナナエッセンス(メーカ名:塩野香料(株)製)、バナナエッセンスゲル(メーカ名:シバタ化成(株)製)、乳酸ゼリー(メーカ名:(株)フジコン製)、昆虫ゼリー(メーカ名:(株)フジコン製)およびカルピス(メーカ名:カルピス(株)製)を使用した。なお、バナナ濃縮ゼリー、乳酸ゼリーおよび昆虫ゼリーは、甲虫の餌として用いられているものであり、バナナエッセンスゲルは、バナナエッセンスをゲル化したものである。
なお、試験により得られた結果が、誘引物質72のみの違いによる効果によるものであることを明確にするために、誘引光源42、送風機50、および粘着紙は使用していない。また、設置場所は、(a)地上約2.5mと、(b)地上約0.5mの2種類で行った(図3を参照)。なお、設置場所(a)の場合は、誘引光源42の電磁波の波長におけるピークの違いによる試験と同様に、試験を行った各装置が、天井から吊るすようにして設置されている。
【0030】
【表2】

【0031】
表2において、試験5は、誘引物質72としてバナナ濃縮ゼリーを使用し、試験6は、誘引物質72として乳酸ゼリーを使用し、試験7は、誘引物質72として昆虫ゼリーを使用し、試験8は、誘引物質72としてカルピスを使用して試験を行った結果である。試験5ないし試験8は、同一の実施期間に同一の菌床棟内において試験を行ったものである。それぞれのナガマドキノコバエの捕虫数は、70匹、4匹、6匹、0匹であった。これらの結果を比較してみると、誘引物質72として、バナナの香料であるバナナ濃縮ゼリーを使用すると、捕虫効果の大きいことが確認された。
【0032】
次に、誘引物質72として、バナナの香料の違いによる捕虫効果について試験を行った。試験9は、誘引物質72としてバナナ濃縮ゼリーを使用し、試験10は、誘引物質72として、バナナエッセンスを使用して試験を行った結果である。試験9および試験10は、同一の実施期間に同一の菌床棟内において試験を行ったものである。それぞれのナガマドキノコバエの捕虫数は、23匹および29匹であった。これらの結果を比較してみると、誘引物質72としてバナナ濃縮ゼリーとバナナエッセンスとの間においては、特に差はみられないといえる。
【0033】
また、誘引物質72として、バナナの香料の違いによる捕虫効果について、さらに別のバナナの香料を使用した試験を行った。試験11は、誘引物質72として、バナナ濃縮ゼリーを使用し、試験12は、誘引物質72として、バナナエッセンスゲルを使用して試験を行った結果である。試験11および試験12は、同一の実施期間に同一の菌床棟内において試験を行ったものである。それぞれのナガマドキノコバエの捕虫数は、150匹および19匹であった。これらの結果を比較してみると、誘引物質72としてバナナ濃縮ゼリーを使用すると、捕虫効果の大きいことが確認された。
【0034】
以上の結果をまとめると、誘引物質72の違いによるナガマドキノコバエの捕虫効果は、バナナの香料を使用することが好ましいといえる。また、少なくとも、バナナ濃縮ゼリーは、誘引物質72としてその捕虫効果の大きいことが確認された。
【0035】
本発明にかかるナガマドキノコバエの捕虫方法およびその捕虫器10によれば、送風機50により生成された風により誘引物質72が発する香気を拡散することにより、誘引光源42の光の届かないナガマドキノコバエを誘引させ、さらに、その誘引されたナガマドキノコバエに対して誘引光源42の光を利用してナガマドキノコバエを誘引するので、効果的にナガマドキノコバエを効果的に捕虫することができる。また、誘引光源42の電磁波の波長のピークが、405〜420nmにピークを有する波長の誘引光源42を備えるので、ナガマドキノコバエを選択的に捕虫することができる。さらに、誘引物質72として、ナガマドキノコバエを誘引する効果の高いバナナの香料を使用するため、より選択的にナガマドキノコバエを捕虫することができる。
【0036】
また、本発明にかかるナガマドキノコバエの捕虫方法およびその捕虫器10によれば、誘引光源42の電磁波の波長のピークが、420nmであるので、より選択的にナガマドキノコバエを捕虫することができる。
【0037】
また、本発明にかかるナガマドキノコバエの捕虫方法およびその捕虫器10によれば、誘引物質が、ゼリー状、ゲル状、固形、マイクロカプセルのいずれかの形態であるので、長期間にわたって誘引物質を交換することなくナガマドキノコバエを誘引することができる。
【0038】
また、本発明にかかるナガマドキノコバエ用捕虫器10によれば、捕集用箱体60の側面には、捕集網部64が形成されているので、送風機50により生成された風を四方八方に拡散させることができる。
【0039】
さらに、本発明にかかるナガマドキノコバエ用捕虫器10によれば、捕虫器本体部20の上方に蓋部30が形成されることで、シイタケの菌床栽培において行われる散水による水滴が、捕虫器本体部20の内部側へ、すなわち浸入口22を通って送風機保持部24内に浸入することを防止することができる。
【0040】
また、本発明にかかるナガマドキノコバエ用捕虫器10によれば、捕集用箱体60が、捕虫器本体部20に対して着脱可能に設けられるので、捕集用箱体60の内部にナガマドキノコバエが捕集されたとき、その捕集されたナガマドキノコバエを容易に取り除くことができる。
【0041】
さらにまた、本発明にかかるナガマドキノコバエ用捕虫器10によれば、着脱可能に設けられる捕集用箱体60の底部66の上面側に誘引物質部70が設けられるので、捕集用箱体60の内部の掃除等を行うと同時に、誘引物質72の交換等を行うことができる。
【0042】
本実施例においては、誘引光源42として、電磁波の波長のピークが、405〜420nmであるものを使用したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明の実施例とは異なる誘引光源42を使用してもよく、例えば、電磁波の波長のピークが、365nmである誘引光源42を使用してもよい。
また、本実施例においては、誘引物質72として、バナナの香料を含んだ誘引物質を使用したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明の実施例とは異なる誘引物質72を使用してもよく、例えば、乳酸菌等を使用してもよい。
すなわち、捕虫の対象となる害虫の種類にあわせて、誘引光源42および誘引物質72をそれぞれ適宜組み合わせる事で、その捕虫の対象とする害虫を効果的に捕虫することができる。従って、本発明にかかる捕虫器に対して、誘引光源42および/または誘引物質72を捕虫する害虫にあわせて適宜変更した該捕虫器は、シイタケの菌床栽培に限定されることなく、シメジやまいたけ等その他のキノコ類の菌床栽培にも適用することができ、ナガマドキノコバエ以外のキノコの菌床栽培において発生する飛翔性害虫、例えば、キノコバエ類等のクロバネキノコバエに対しても有効に捕虫することができる。
【0043】
また、本実施例において、誘引物質部70は、捕集用箱体60における底部66の上面側に設けるとしたが、これに限定されるものではなく、送風機50が生成する送風経路56の経路上であれば、いずれに設けられてもかまわない。
【0044】
また、本実施例において、送風機50は、拡散手段および吸引手段のいずれの機能も有するように構成したが、これに限定されるものではなく、それぞれ異なる構成としてもかまわない。
【0045】
さらに、本実施例において、送風機50は、捕虫器本体部20の内部に設けるようにしたが、これに限定されるものではなく、らせん状の気流を生成するような送風機50たる吸入手段を捕虫器本体部20の上部側に設けるようにしてもよい。そうすると、捕虫すべきナガマドキノコバエが、吸入手段により生成されたらせん状の気流に乗ることで、そのナガマドキノコバエを捕虫器本体部20の内部に押し込むように吸入することができる。また、この場合、誘引物質72が発する香気が、その生成されたらせん状の気流により拡散されるように、該吸入手段に拡散手段の機能を備えるようにしてもよい。
【0046】
さらにまた、本実施例において、誘引光源部140におけるユニット144は、鍔部32bの下面側の2箇所に形成されるとしたが、これに限定されるものではなく、ユニット144は、1箇所、または2箇所より多く形成されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
この発明にかかるナガマドキノコバエの捕虫方法は、シイタケの菌床栽培において、その害虫であるナガマドキノコバエを選択的に、かつ効果的に捕虫するための捕虫方法に利用できる。
【符号の説明】
【0048】
10 ナガマドキノコバエ用捕虫器
20 捕虫器本体部
22 浸入口
24 送風機保持部
26 通過口
28 外側面
30 蓋部
32 上面部
32a 上面本体部
32b 鍔部
32c 吊り輪部
34 組子
36 蓋支え部
38 浸入照射窓
40,140 誘引光源部
42,142 誘引光源
44,144 ユニット
50 送風機
52 羽根部
54 電動機
56 送風経路
58 ナガマドキノコバエの浸入経路
60 捕集用箱体
62 捕集口
64 捕集網部
66 底部
70 誘引物質部
72 誘引物質
74 容器部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キノコ類の菌床栽培を行う菌床棟内に生息するキノコバエ類を捕虫するための捕虫方法であって、
前記菌床棟内に生息するナガマドキノコバエを誘引するための香気を発するバナナの香料を含む誘引物質を準備し、
前記誘引物質が発する香気を拡散手段により拡散し、
前記拡散された香気により誘引されたナガマドキノコバエを、電磁波の波長が405〜420nmの間でピークを有する誘引光源が照射する光により誘引し、
前記誘引光源により照射された光により誘引されたナガマドキノコバエを吸引手段により吸引することでナガマドキノコバエを選択的に捕虫する、
ナガマドキノコバエの捕虫方法。
【請求項2】
前記キノコ類の菌床栽培は、シイタケの菌床栽培である、請求項1に記載のナガマドキノコバエの捕虫方法。
【請求項3】
前記誘引光源の電磁波の波長は、420nmにピークを持つ、請求項1または請求項2に記載のナガマドキノコバエの捕虫方法。
【請求項4】
前記誘引光源は、蛍光灯である、請求項1ないし請求項3に記載のナガマドキノコバエの捕虫方法。
【請求項5】
前記誘引物質は、ゼリー状、ゲル状、固形、マイクロカプセルのいずれかの形態である、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のナガマドキノコバエの捕虫方法。
【請求項6】
キノコ類の菌床栽培を行う菌床棟内に生息するキノコバエ類を捕虫するための捕虫器であって、
前記菌床棟内に生息するナガマドキノコバエを誘引するための香気を発するバナナの香料を含む誘引物質と、
前記誘引物質が発する香気を拡散させるための拡散手段と、
前記拡散された香気により誘引されたナガマドキノコバエをさらに誘引するための光を照射する、電磁波の波長が405〜420nmの間でピークを有する誘引光源と、
前記誘引光源により照射された光により誘引されたナガマドキノコバエを吸引するための吸引手段とを備え、
ナガマドキノコバエを選択的に捕虫する、ナガマドキノコバエ用捕虫器。
【請求項7】
前記キノコ類の菌床栽培は、シイタケの菌床栽培である、請求項6に記載のナガマドキノコバエ用捕虫器。
【請求項8】
前記誘引光源の電磁波の波長は、420nmにピークを持つ、請求項6または請求項7に記載のナガマドキノコバエ用捕虫器。
【請求項9】
前記誘引光源は、蛍光灯である、請求項6ないし請求項8に記載のナガマドキノコバエ用捕虫器。
【請求項10】
前記誘引物質は、ゼリー状、ゲル状、固形、マイクロカプセルのいずれかの形態である、請求項6ないし請求項9のいずれかに記載のナガマドキノコバエ用捕虫器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−103787(P2011−103787A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−259983(P2009−259983)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【出願人】(309030388)ユーテックス有限会社 (1)
【Fターム(参考)】