説明

ナノファイバーの合糸方法及び装置

【課題】ナノファイバーから成る高強度で均質な糸条を生産性よく低コストにて製造するナノファイバーの合糸方法と装置を提供する。
【解決手段】高分子物質を溶媒に溶解した高分子溶液を複数の小穴7から流出させるとともに帯電させ、静電爆発にて延伸させて複数本のナノファイバー11を生成し、一方向に流動させるナノファイバー生成手段2と、帯電した高分子溶液と電位差のある電圧が印加され、生成されたナノファイバー11を吸引しつつ旋回させて撚りをかけて集束し、ナノファイバー11から成る糸条20を形成する収集電極部3と、収集電極部3の中心部を貫通した糸条20を巻き取って回収する回収手段5とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子物質から成るナノファイバーを製造してこれを糸条にするナノファイバーの合糸方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、高分子物質から成るサブミクロンスケールの直径を有するナノファイバーを製造する方法として、エレクトロスピニング法(電子紡糸法や電荷誘導紡糸法とも称される)が知られている。従来のエレクトロスピニング法では、高電圧を印加した針状のノズルに高分子溶液を供給することで、この針状のノズルから線状に流出する高分子溶液に電荷が帯電され、高分子溶液の溶媒蒸発に伴って帯電電荷間の距離が小さくなって作用するクーロン力が大きくなり、そのクーロン力が線状の高分子溶液の表面張力より勝った時点で線状の高分子溶液が爆発的に延伸される現象が生じ、この静電爆発と称する現象が、一次、二次、場合によっては三次等と繰り返されることで、サブミクロンの直径の高分子から成るナノファイバーが製造されるものである。
【0003】
従来のエレクトロスピニング法では、1本のノズルの先から数本のナノファイバーしか製造されないので、生産性が上がらないという問題があった。そこで、ナノファイバーを多量に製造する方法として、複数のノズルを用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、バレルに貯蔵された高分子溶液をポンプにて帯電された多数のニードル状のノズルに供給して吐出させることで多量のナノファイバーを作り出し、これをノズルと異なる極性に帯電されたコレクタにて回収し積層しながら搬送することで、3次元のネットワーク構造にナノファイバーが積層してなる、空隙率が非常に高い高多孔性の高分子ウエブを製造でき、この技術にて従来の実験的レベルから実用性レベルに高めることが開示されている。
【0004】
また、従来、エレクトロスピニング法によるナノファイバーがウエブとして製造され、人造皮革、フィルター、おむつ、生理用ナプキン、癒着紡糸剤、ワイピングクロス、人造血管、骨固定器具など多様に活用されているが、10MPa以上の力学物性を得るのが困難で広範囲な用途への利用に限界があること、このように製造されたナノファイバーのウエブを連続した糸条にして力学物性を高めようとすると、ウエブを一定長さに切断して短繊維を製造し、この短繊維から紡績糸を製造する別途の紡績工程を経なければならない問題があることを指摘した上で、エレクトロスピニング法にて製造されたナノファイバーのウエブを用いて連続的に糸条を製造する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2では、列をなして帯電されたノズルからノズルと逆極性に帯電されたコレクタ内の水または有機溶媒の静的な表面上にナノファイバーを紡糸してウエブをなすように堆積させ、この堆積するウエブを、ノズルの列方向で見た一方の末端側より1cm以上離れた地点から一定の線速度で回転する回転ローラによって引き上げて連続した糸条とし、圧搾、延伸、乾燥および巻取りを行って連続した糸条を得ている。また、連続した糸条は撚糸することもできるとしている。
【特許文献1】特開2002−201559号公報
【特許文献2】特表2006−507428号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載の技術は、各ノズルから真下にナノファイバーを生成してコレクタ上のノズルに対応した位置へ静的に堆積させながら、その堆積域の広がりにより各ノズルから生成されたナノファイバー同士を絡み合わせて細帯状のウエブを形成し、このウエブの一端からナノファイバー群を引出すことでウエブの他端側に連続しているナノファイバー群を順次引き出し、連続した糸条に集束させるものである。そのため、各ノズルから紡糸されたナノファイバーの堆積が静的でほぼ同等であるのに対し、引き出し作用が引き出し側に近い堆積域に集中しやすくなる関係から、引き出し側に近い堆積域と遠い堆積域とでナノファイバーの引出し量とに差が生じる恐れがあり、その場合引出し量の差が堆積量の差を来たし、堆積量に差を生じた状態で引き出されることで連続した糸条の太さや力学物性を適正に制御するのは困難で安定しないという問題がある。さらに、引出し作用が引き出し側から遠い側の堆積域にも均等に及ぶようにするのに引出し速度を抑える必要があり大量に製造するのも困難であるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、エレクトロスピニング法により製造したナノファイバーから成る高強度で均質な糸条を生産性よく低コストにて製造することができるナノファイバーの合糸方法と装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のナノファイバーの合糸方法は、高分子物質を溶媒に溶解した高分子溶液を複数の小穴から流出させるとともに帯電させ、静電爆発にて延伸させて複数本のナノファイバーを生成するナノファイバー生成工程と、生成されたナノファイバーを、帯電した高分子溶液と電位差のある電圧を持たせた収集電極部にて吸引しつつ旋回させて集束することで撚りをかける撚り工程と、撚られたナノファイバーを巻き取って回収する回収工程とを有するものである。なお、小穴から流出させた高分子溶液を帯電させるには、小穴を形成する部材と収集電極部の間に高い電位差を持たせてそれらの間に電界を印加すれば良く、例えば小穴形成部材に正又は負の高電圧を印加し、収集電極部にそれと逆極性の高電圧を印加するか接地する方法と、収集電極部に対して正又は負の高電圧を印加して、小穴形成部材を接地する方法とがある。
【0008】
上記構成によれば、エレクトロスピニング法により高分子物質から成る複数本のナノファイバーが生成され、生成された複数本のナノファイバーが収集電極部にて吸引されつつ旋回されて集束されることで撚りがかけられるので、均質で高強度の糸条が形成され、その糸条をそのまま巻き取って回収することで、ナノファイバーから成る高強度で均質な糸条を生産性よく低コストにて製造することができる。
【0009】
また、生成されて収集電極部に向けて流動するナノファイバーを、その流動方向に沿う軸心回りに収集電極部によるナノファイバーの旋回方向とは逆方向に旋回させると、生成されて流動するナノファイバー側で上記撚り方向と逆方向に旋回することで、より強い撚りをかけることができて、一層高強度の糸条を生産性よく製造することができる。このように生成されるナノファイバー側でも旋回させる方法としては、複数の小穴を有する導電性の回転容器の小穴から線状の高分子溶液を流出させて遠心力で延伸させるとともに静電爆発にて延伸させてナノファイバーを生成し、かつ回転容器の軸心方向一側部に配設した反射電極に帯電した高分子溶液と同極の電圧を印加してナノファイバーを回転容器の軸心方向他側方に向けて旋回させながら流動させる方法が、効率的に大量のナノファイバーを生成できて好適である。また、複数の小穴から高分子溶液を流出させてナノファイバーを一方向に流動させて生成するとともに、その高分子溶液を流出させる複数の小穴をナノファイバーの流動方向に沿う軸心回りに回転させるようにしても良い。
【0010】
また、撚り工程を、中心部にナノァイバーの貫通孔を有する収集電極をその軸芯回りに回転させることでナノファイバーを旋回させて撚りをかけるようにすることができる。すわち、生成されたナノファイバーが収集電極に吸引されている状態でその収集電極を回転させることで、ナノファイバーが収集電極に向けて流動しつつ旋回されて確実に撚りをかけることができるのである。
【0011】
また、撚り工程を、中心部のナノァイバーの貫通部の周囲に配置した収集電極部にて回転する電界を形成することでナノファイバーを旋回させて撚りをかけるようにすることもできる。すなわち、生成されたナノファイバーが収集電極部の回転する電界にて旋回流動しつつ吸引されることで確実に撚りをかけることができるのである。
【0012】
さらに、少なくとも合糸初期に、撚り工程で旋回して集束するナノファイバーの旋回軸芯部を通して芯糸を供給し、この芯糸を回収工程でナノファイバーを巻き取るようにすると、芯糸にナノファイバーが絡むことで、特に合糸作用の不安定な合糸初期においても確実に合糸することができる。
【0013】
また、本発明のナノファイバーの合糸装置は、高分子物質を溶媒に溶解した高分子溶液を複数の小穴から流出させるとともに帯電させ、静電爆発にて延伸させて複数本のナノファイバーを生成し、一方向に流動させるナノファイバー生成手段と、帯電した高分子溶液と電位差を持たせて生成されたナノファイバーを吸引しつつ旋回させて撚りをかけて集束する収集電極部と、撚りをかけて集束された状態で収集電極部の中心部を貫通したナノファイバーを巻き取って回収する回収手段とを備えたものである。
【0014】
この構成によれば、ナノファイバー生成手段で生成されたナノファイバーが、収集電極部にて吸引されつつ旋回されることで、撚りをかけて集束されて糸条が形成され、回収手段にて回収されるので、上記合糸方法を実施してナノファイバーから成る高強度で均質な糸条を生産性よく低コストにて製造することができる。
【0015】
また、ナノファイバー生成手段を、生成されて収集電極部に向けて流動するナノファイバーを、その流動方向に沿う軸心回りに収集電極部によるナノファイバーの旋回方向とは逆方向に旋回させるように構成すると、生成されて流動するナノファイバー側で上記撚り方向と逆方向に旋回することで、より強い撚りをかけることができて、一層高強度の糸条を生産性よく製造することができる。このナノファイバー生成手段としては、導電性の回転容器に設けた複数の小穴から線状の高分子溶液を流出させて遠心力で延伸させるとともに静電爆発にて延伸させてナノファイバーを生成し、かつ回転容器の軸心方向一側部に配設されかつ帯電した高分子溶液と同極の電圧を印加された反射電極にて生成されたナノファイバーを回転容器の軸心方向他側方に向けて旋回させながら流動させるようにしたものが、効率的に大量のナノファイバーを生成できて好適であるが、複数の小穴から高分子溶液を流出させてナノファイバーを一方向に流動させて生成するとともに、その複数の小穴をナノファイバーの流動方向に沿う軸心回りに回転させるようにしたものでも良い。
【0016】
また、収集電極部を、中心部にナノァイバーの貫通孔を有する収集電極と、収集電極をその軸芯回りに回転させる回転手段とを備えた構成とすると、ナノファイバーが収集電極に向けて流動しつつ旋回されるので、ナノファイバーに確実に撚りをかけることができる。
【0017】
また、収集電極部を、中心部のナノァイバーの貫通部の周囲に複数の収集電極を配置し、各収集電極に対して交番電圧を位相を制御して印加し若しくは各収集電極を互いに位相を異ならせて往復移動させることで回転する電界を形成するように構成すると、生成されたナノファイバーが収集電極部の回転する電界にて旋回流動しつつ吸引されるので、ナノファイバーに確実に撚りをかけることができる。
【0018】
また、旋回して集束するナノファイバーの旋回軸芯部を通して回収手段に巻き取られるように芯糸を送給する芯糸供給手段を配設すると、上記のように少なくとも合糸初期に芯糸を旋回軸芯部を通して巻き取ることにより、この芯糸にナノファイバーが絡んで確実且つ安定して合糸することができ、特に合糸作用の不安定な合糸初期に適用すると効果的である。
【発明の効果】
【0019】
本発明のナノファイバーの合糸方法と装置によれば、エレクトロスピニング法により高分子物質から成る複数本のナノファイバーを生成し、生成された複数本のナノファイバーを収集電極部にて吸引しつつ旋回させて集束することで撚りをかけることができるので、均質で高強度の糸条を形成でき、その糸条を巻き取って回収することで、ナノファイバーから成る高強度で均質な糸条を生産性よく低コストにて製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明のナノファイバーの合糸方法と装置の各実施形態について、図1〜図12を参照しながら説明する。
【0021】
(第1の実施形態)
まず、本発明のナノファイバー合糸装置の第1の実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
【0022】
図1において、1はナノファイバー合糸装置であって、ナノファイバー生成手段2と、収集電極部3と、芯糸供給手段4と、回収手段5を備えている。
【0023】
ナノファイバー生成手段2は、垂直な軸心周りに回転自在に支持され、周面に直径が0.1〜2mm程度の小穴7が数mmピッチ間隔で多数形成されている回転容器としての円筒容器6と、円筒容器6内に高分子溶液を供給する高分子溶液供給手段(図示せず)と、円筒容器6に1kV〜100kV、好適には10kV〜100kVの高電圧を印加する第1の高電圧発生手段8と、円筒容器6を矢印a方向に回転駆動する回転駆動手段(図示せず)と、円筒容器6の上部に配設された反射電極9と、反射電極9に円筒容器6と同極の高電圧を印加する第2の高電圧発生手段10とを備え、円筒容器6の小穴7から流出した高分子溶液を遠心力と静電爆発にて延伸させてナノファイバー11を生成し、生成されたナノファイバー11を反射電極9にて円筒容器6の下方に向けて旋回しつつ流動させるように構成されている。
【0024】
高分子溶液は、高分子物質を溶媒に溶解したものであり、その高分子物質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−m−フェニレンテレフタレート、ポリ−p−フェニレンイソフラテート、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン−アクリレート共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−メタクリレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステルカーボネート、ナイロン、アラミド、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ酢酸ビニル、ポリペプチド等を例示でき、これらより選ばれる少なくとも一種が用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0025】
使用できる溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジベンジルアルコール、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、アセトン、ヘキサフルオロアセトン、フェノール、ギ酸、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、塩化メチル、塩化エチル、塩化メチレン、クロロホルム、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロプロパン、ジブロモエタン、ジブロモプロパン、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、酢酸、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロペンタン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、水等を例示でき、これらより選ばれる少なくとも一種が用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0026】
収集電極部3は、円筒容器6の下方に間隔をあけて同軸状にかつ回転自在に配設された円板状の収集電極12と、収集電極12に円筒容器6や反射電極9とは逆極性の高電圧を印加する第3の高電圧発生手段13と、収集電極12を矢印a方向とは逆の矢印b方向に回転駆動する回転駆動手段(図示せず)とを備えている。収集電極12はその中心部に収束されたナノファイバー11が貫通する貫通孔14を有している。なお、収集電極12は、円筒容器6や反射電極9に対して電位差を有していればよいので、単純に接地するだけでも良いが、第3の高電圧発生手段13にて逆極性の電圧を印加した方がより効果が大きい。また、円筒容器6を接地電位とし、収集電極12に第3の高電圧発生手段13にて正又は負の高電圧を印加して、円筒容器6と収集電極12の間に電界を発生させるようにしても良い。
【0027】
芯糸供給手段4は、ナノファイバー生成手段2の上方に配設されており、芯糸15を繰り出し可能に巻回した芯糸供給ロール16と、繰り出した芯糸15を円筒容器6の軸芯位置直上から下方に供給するようにガイドするガイドローラ17とを備えている。この芯糸供給手段4による芯糸15の供給は、少なくとも合糸初期にナノファイバー11を収束させて糸条20を形成する作用が安定するまでの一定期間であれば良い。
【0028】
回収手段5は、収集電極部3の下方に配設されており、ナノファイバー11が収束されて形成された糸条20を巻き取る糸条巻取ロール18と、撚られて収束した糸条20が収集電極部3の軸芯と同軸状に位置決めされて貫通孔14を下方に貫通するようにガイドするガイドローラ19とを備えている。
【0029】
以上の構成において、ナノファイバー生成手段2の円筒容器6内に高分子溶液を供給しつつ円筒容器6を高速で回転駆動する。すると、円筒容器6内の高分子溶液が遠心力で各小穴7から線状に流出するとともに遠心力の作用で延伸されて細い高分子線状体が生成され、かつ電界の作用を受けて高分子線状体に電荷が帯電する。さらに、高分子線状体中の溶媒が蒸発することで高分子線状体の径が細くなり、帯電されていた電荷が集中し、そのクーロン力が高分子溶液の表面張力を超えた時点で一次静電爆発が生じて爆発的に延伸される。その後、さらに溶媒が蒸発して同様に二次静電爆発が生じて爆発的に延伸され、場合によってはさらに三次静電爆発等が生じて延伸されることで、サブミクロンの直径を有する高分子物質から成るナノファイバー11が効率的に製造される。
【0030】
生成されたナノファイバー11は、円筒容器6の上方に配設された反射電極9にて円筒容器6の下方に向けて、さらに円筒容器6の高速回転により円筒容器6の軸芯回りに旋回しながら流動することになる。さらに、旋回しながら下方に向けて流動されたナノファイバー11は、下方に配設された収集電極12に向けて強く吸引され、かつその収集電極12がナノファイバー11の旋回流動方向とは逆方向に回転していることで、旋回流動しているナノファイバー11がより強く撚りをかけられて収束・合糸され、効率的に高強度の糸条20が形成される。形成された糸条20は、収集電極12の中心部の貫通孔14を通り、回収手段5にてそのガイドローラ19を介して糸条巻取ロール18に巻き取られて回収される。
【0031】
また、旋回流動する複数本のナノファイバー11を収束させ、撚りをかけて合糸する作用は、少なくとも合糸を開始するときから合糸初期の間は不安定となる場合がある。そのため、合糸を開始する前に、芯糸供給手段4から芯糸15を引き出し、ナノファイバー生成手段2及び収集電極部3の軸芯部を貫通させ、その先端を回収手段5の糸条巻取ロール18に巻回した状態にしておく。その状態でナノファイバー生成手段2及び収集電極部3を作動させると、複数本のナノファイバー11が生成されて旋回しながら下方に向けて流動して収集電極部3に近づいて収束し始める。ここで、回収手段5を作動させることで、収束しつつ流動するナノファイバー11が芯糸15に絡み付いて一挙に収束され、芯糸15の回りに確実に合糸されて回収される。
【0032】
なお、回収手段5による糸条20の巻き取りが安定すると、芯糸15を供給しなくても、先に収束されて合糸されつつあるナノファイバー11に後続するナノファイバー11が絡みついて合糸され、芯糸15の機能が合糸されつつあるナノファイバー11によって果たされるようになるため、芯糸供給手段4から芯糸15を供給することなく、合糸することができる。なお、中芯に芯糸15のある糸条を製造したい場合には、当然のことながら芯糸15を継続して供給すれば良い。
【0033】
なお、図1の図示例では、回転容器として周面に小穴7を形成した円筒容器6を適用した例を示したが、図2に示すように、円筒容器6の周面に適当なピッチ間隔で多数のノズル部材21を配設し、そのノズル部材21に形成されているノズル穴21aを小穴7として機能させるようにした構成としても良い。また、回転容器として、図3(a)に示すように、垂直軸芯周りに回転駆動可能で、その下側の端面22aに複数のノズル部材21又は小穴7を配設した円筒容器22を適用しても良く、その場合にノズル部材21又は小穴7の配設状態としては、図3(b)に示すように、端面22aの外周部に周方向に適当ピツチ間隔で配設しても、図3(c)に示すように、端面22aの全面に適当ピツチ間隔で分散配置しても良い。
【0034】
また、収集電極部3として、図1の図示例では、円板状の収集電極12を用いた例を示したが、図4(a)に示すような、壷型の収集電極23を用いることもできる。この壷型の収集電極23は、上部から下方に窄まる略円錐状でその下端部に小径の円筒部を有しかつ上端部23aを小径に絞った形状としたものである。この壷型の収集電極23を配設すると、図4(b)に示すように、旋回して流動してきたナノファイバー11が、回転する収集電極23の上端部23aの縁に最初に当たって強く旋回させられることで、確実に芯糸15に巻き付く作用が促進され、円滑にかつ確実に糸条20を形成することができるという利点がある。
【0035】
本実施形態によれば、ナノファイバー生成手段2において円筒容器6からエレクトロスピニング法により高分子物質から成る複数本のナノファイバー11を生成し、反射電極9にて下方に向けて偏向させることで、複数本のナノファイバー11が下方に向けて旋回流動し、それらの複数本のナノファイバー11が収集電極部3の逆方向に回転する収集電極12にて吸引されることで、強く撚りがかけられて集束されるので、均質で高強度の糸条20が形成される。この糸条20を回収手段5にて巻き取って回収することで、ナノファイバーから成る高強度で均質な糸条20を生産性よく低コストにて製造することができる。さらに、少なくとも合糸初期に、芯糸供給手段4にて旋回して集束するナノファイバー11の旋回軸芯部を通して芯糸15を供給し、回収手段5にてその芯糸15を巻き取るようにしているので、芯糸15にナノファイバー11が絡むことで、特に合糸作用の不安定な合糸初期においても確実に合糸することができる。
【0036】
(第2の実施形態)
次に、本発明のナノファイバー合糸装置の第2の実施形態について、図5、図6を参照して説明する。なお、以下の実施形態の説明においては、先行する実施形態の構成要素と同一の構成要素について同じ参照符号を付して説明を省略し、主として相違点についてのみ説明する。
【0037】
上記第1の実施形態では、芯糸供給手段4とナノファイバー生成手段2と収集電極部3と回収手段5をこの順に上下に配設し、円筒容器6や収集電極9を垂直軸心回りに回転させ、生成されたナノファイバー11を下方に向けて旋回流動させるようにした例を示したが、本実施形態は、芯糸供給手段4とナノファイバー生成手段2と収集電極部3と回収手段5を水平方向に配設し、円筒容器6や収集電極9を水平軸心回りに回転させ、生成されたナノファイバー11を水平方向に旋回流動させるようにしたものである。
【0038】
本実施形態における具体構成を図5を参照して説明する。円筒容器6の一端の軸芯部に回転筒体26の端部が貫通されて一体固定され、回転筒体26にて円筒容器6がその軸芯回りに矢印aのように回転可能に支持されている。回転筒体26は電気絶縁性の高い材料にて構成されている。円筒容器6の他端壁の軸芯部には、円筒容器6内に突出する立上り周壁27aを有する開口27が形成されている。回転筒体26は、電気絶縁性の高い材料にて構成された第1の支持フレーム28にてベアリング29を介して回転自在に支持され、回転駆動手段30にて30〜3000rpmの回転速度で回転駆動される。回転駆動手段30として、回転筒体26の外周に設けられた従動プーリのみを図示しているが、第1の支持フレーム28に設置されたモータと、モータの出力軸に設けられた駆動プーリと、両プーリ間に巻回されたベルトにて構成されている。モータとしては、センサが高圧ノイズの影響を受けて誤動作する恐れがあるので、センサレスDCモータが好適に適用される。また、円筒容器6には第1の高電圧発生手段8にてベアリング29及び導電部材36を介して高電圧が印加される。
【0039】
円筒容器6内には、高分子溶液供給手段32にて回転筒体26を貫通して高分子溶液31が供給される。高分子溶液供給手段32は、収容容器33に収容された高分子溶液31を供給ポンプ34にて吐出し、回転筒体26を貫通して先端部35aが円筒容器6内に臨むように配設された溶液供給管35を通して円筒容器6内に供給するように構成されている。また、第1の支持フレーム28には、芯糸供給手段4を構成する芯糸供給ロール16及びガイドローラ17が装着され、芯糸15を回転筒体26及び円筒容器6の軸芯部を貫通して供給するように構成されている。また、第1の支持フレーム28には反射電極9も装着され、第2の高電圧発生手段10にて高電圧を印加するように構成されている。
【0040】
収集電極12の貫通孔14には中空支持軸体37の一端が一体的に固着され、この中空支持軸体37が第2の支持フレーム38にてベアリング39を介して回転自在に支持され、収集電極12が円筒容器6の他端に適当距離をあけて同軸状に対向して配設されている。中空支持軸体37は、回転駆動手段30と同様の回転駆動手段40にて回転駆動され、収集電極12を円筒容器6の回転方向aとは逆方向の矢印b方向に回転駆動するように構成されている。収集電極12には、第3の高電圧発生手段13にてベアリング39及び導電部材36aを介して逆極性の高電圧が印加される。また、第2の支持フレーム38には、回収手段5を構成する糸条巻取ロール18及びガイドローラ19が装着され、生成された芯糸15や糸条20を巻き取って回収するように構成されている。
【0041】
次に、制御構成を図6を参照して説明する。図6において、第1と第2の回転駆動手段30、40と、供給ポンプ34と、第1〜第3の高電圧発生手段8、10、13と、芯糸供給手段4、及び回収手段5が制御部41にて制御される。制御部41は、操作部43からの作業指令により、記憶部42に記憶されている動作プログラムや操作部43から入力されて記憶している各種データに基づいて動作制御し、その動作状態や各種データを表示部44に表示する。
【0042】
本実施形態は、第1の実施形態とはナノファイバー11の旋回流動方向が垂直方向から水平方向に変わっただけで、基本的に同一構成であるため、本実施形態においても、各構成要素を同様に作動させることで、同様の作用効果が得られる。
【0043】
(第3の実施形態)
次に、本発明のナノファイバー合糸装置の第3の実施形態について、図7〜図11を参照して説明する。
【0044】
上記第1の実施形態では、収集電極部3の構成として収集電極12を回転させるようにしたものを例示したが、本実施形態では、図7に示すように、貫通孔14の周囲に回転電界を発生させる回転電界発生手段45を配設した構成としている。図示例の回転電界発生手段45は、図8に示すように、貫通孔14の周囲に、周方向に複数分割(図示例では4分割)されるとともに相互に絶縁された分割電極46a〜46dを環状に配設し、それぞれに円筒容器6に対する印加電圧とは逆極性の直流電圧を重畳した交流電圧を出力する交流電源47a〜47dを接続するとともに、各交流電源47a〜47dの出力電圧Va〜Vdの位相を、図9に示すように、90°づつずらせた構成としている。
【0045】
この回転電界発生手段45により、ナノファイバー生成手段2と回転電界発生手段45の間に、見かけ上貫通孔14の周囲に回転する電界を発生させることができる。回転する電界の回転方向は、円筒容器6の回転方向aとは逆のb方向に設定されている。なお、交流電源47a〜47dの出力電圧Va〜Vdは、具体的には最高電圧Vmax が0V以下、最低電圧Vmin が−10kVから−500kVの間、周波数が10Hz〜500kHz程度のものが好適である。また、出力波形は、サイン波でよいが、それに限定されるものではなく、三角波や矩形波や階段状の波形等であっても良い。
【0046】
本実施形態の構成によれば、ナノファイバー生成手段2にて生成され、a方向に旋回しながら下方に流動してきナノファイバー11は、回転電界発生手段45によって発生されたb方向に回転する回転電界によって吸引されながらさらに強く旋回され、より強く撚れて集束される。かくして、強く撚りがかけられた高強度の糸条20が形成される。この糸条20を回収手段5にて巻き取って回収することで、ナノファイバーから成る高強度で均質な糸条20を生産性よく低コストにて製造することができる。
【0047】
回転電界発生手段45の構成は、図7〜図9に示したものに限定されるものではなく、例えば図10(a)、(b)に示すように、分割電極46a〜46dのそれぞれに第3の高電圧発生手段13から同じ高電圧を印加するとともに、上下移動手段48a〜48d(図10(b)に48aと48cのみ図示)にて、各分割電極46a〜46dを上下に往復移動させることで、その上下位置、すなわちナノファイバー生成手段2に対する距離を順番に変化させるようにした構成としても良い。この構成においても、各分割電極46a〜46dとナノファイバー生成手段2の間の電界の強さが貫通孔14の周囲で順次変化するので、見かけ上回転する電界が形成され、同様の作用効果を得ることができる。
【0048】
また、図11(a)、(b)に示すように、第1の実施形態の収集電極12に代えて傾斜収集電極49を設けて同様に矢印b方向に回転させるようにしても、この傾斜収集電極49の回転位置に応じて貫通孔14の周囲の各部位における傾斜収集電極49とナノファイバー生成手段2の間の電界の強さが変化し、傾斜収集電極49の回転に伴って貫通孔14の周囲で電界が順次変化して見かけ上回転する電界が形成され、同様の作用効果を得ることができる。
【0049】
(第4の実施形態)
次に、本発明のナノファイバー合糸装置の第4の実施形態について、図12を参照して説明する。
【0050】
上記各実施形態では、ナノファイバー生成手段2として、回転駆動される円筒容器6と反射電極12の組み合わせ、又は回転駆動される円筒容器22を備え、生成したナノファイバー11を旋回させながら一方向に流動させるようにした例を示したが、本実施形態のナノファイバー合糸装置1においては、図12に示すように、ナノファイバー生成手段2を、複数本のナノファイバー11を一方向(図示例では下方向)に略ストレートに流動させて生成するように構成し、収集電極部3にて形成される矢印b方向の回転電界によって一方向に流動してきたナノファイバー11を旋回させ、ナノファイバー11を旋回させつつ集束させることでナノファイバー11を撚った状態で集束させて合糸し、その糸条20を回収手段5に巻き取って回収するようにしている。
【0051】
本実施形態のナノファイバー生成手段2としては、図示例のようにボックス状のナノファイバー生成ヘッド50の下側面に、高分子溶液を帯電させて流出させる複数のノズル部材(図示せず。図2のノズル部材21を参照。)を1列又は複数列に配置したり、マトリックス状又は多重環状に配置したものを適用することができる。また、その他にも、上記実施形態におけるような円筒容器6を水平軸芯回りに回転駆動し、その小穴7から遠心力と静電爆発でナノファイバー11を生成するとともに、その円筒容器6の外周に配設した放物反射電極(図示せず)等にて一方向に流動させるようにしたものでも良い。
【0052】
本実施形態でも、ナノファイバー生成手段2にて生成されたナノファイバー11を、収集電極部3により形成された回転電界によって旋回させて、効果的に撚りをかけつつ集束して合糸することで糸条20を製造でき、それを回収手段5にて巻き取って回収することができ、ナノファイバー11から成る高強度で均質な糸条20を生産性よく低コストにて製造することができる。
【0053】
なお、この実施形態においても、ナノファイバー生成ヘッド50を仮想線の矢印aで示すように、回転電界の回転方向とは逆方向に回転させるようにしても良く、そうすると構成は複雑になるが強く撚りをかけられた糸条20を製造できて好適である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明のナノファイバーの合糸方法と装置によれば、エレクトロスピニング法により高分子物質から成る複数本のナノファイバーを生成し、生成された複数本のナノファイバーを収集電極部にて吸引しつつ旋回させて集束することで、撚りをかけた高強度の糸条を形成でき、その糸条を回収手段にて巻き取って回収するので、均質で高強度の糸条を生産性よく低コストにて製造することができ、ナノファイバーから成る高強度の糸条の生産に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるナノファイバー合糸装置の全体概略構成を示す斜視図。
【図2】同実施形態におけるナノファイバー生成手段の他の構成例を示す斜視図。
【図3】同実施形態におけるナノファイバー生成手段のさらに別の構成例を示し、(a)は斜視図、(b)、(c)はそのノズル部材の各種配置例を示す下面図。
【図4】同実施形態における収集電極部の他の構成例を示し、(a)は斜視図、(b)は作動状態の断面図。
【図5】本発明の第2の実施形態におけるナノファイバー合糸装置の全体概略構成を示す縦断正面図。
【図6】同実施形態における制御構成を示すブロック図。
【図7】本発明の第3の実施形態におけるナノファイバー合糸装置の全体概略構成を示す斜視図。
【図8】同実施形態における収集電極部の概略構成を示す斜視図。
【図9】同収集電極部における各分割電極に印加する電圧の位相図。
【図10】同実施形態における収集電極部の収集電極部の他の構成例を示し、(a)は斜視図、(b)は縦断面図。
【図11】同実施形態における収集電極部の収集電極部のさらに別の構成例を示し、(a)は斜視図、(b)は縦断面図。
【図12】本発明の第4の実施形態におけるナノファイバー合糸装置の全体概略構成を示す斜視図。
【符号の説明】
【0056】
1 ナノファイバー合糸装置
2 ナノファイバー生成手段
3 収集電極部
4 芯糸供給手段
5 回収手段
6 円筒容器(回転容器)
7 小穴
11 ナノファイバー
12 収集電極
14 貫通孔
15 芯糸
20 糸条
23 収集電極
30 回転駆動手段
31 高分子溶液
40 回転駆動手段
45 回転電界発生手段
46a〜46d 分割電極
47a〜47d 交流電源
49 傾斜収集電極
50 ナノファイバー生成ヘッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子物質を溶媒に溶解した高分子溶液を複数の小穴から流出させるとともに帯電させ、静電爆発にて延伸させて複数本のナノファイバーを生成するナノファイバー生成工程と、生成されたナノファイバーを、帯電した高分子溶液と電位差を持たせた収集電極部にて吸引しつつ旋回させて集束することで撚りをかける撚り工程と、撚られたナノファイバーを巻き取って回収する回収工程とを有することを特徴とするナノファイバーの合糸方法。
【請求項2】
生成されて収集電極部に向けて流動するナノファイバーを、その流動方向に沿う軸心回りに収集電極部によるナノファイバーの旋回方向とは逆方向に旋回させることを特徴とする請求項1記載のナノファイバーの合糸方法。
【請求項3】
撚り工程は、中心部にナノァイバーの貫通孔を有する収集電極をその軸芯回りに回転させることでナノファイバーを旋回させて撚りをかけることを特徴とする請求項1又は2記載のナノファイバーの合糸方法。
【請求項4】
撚り工程は、中心部のナノァイバーの貫通部の周囲に配置した収集電極部にて回転する電界を形成することでナノファイバーを旋回させて撚りをかけることを特徴とする請求項1又は2記載のナノファイバーの合糸方法。
【請求項5】
少なくとも合糸初期に、撚り工程で旋回して集束するナノファイバーの旋回軸芯部を通して芯糸を供給し、この芯糸を回収工程でナノファイバーとともに巻き取ることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のナノファイバーの合糸方法。
【請求項6】
高分子物質を溶媒に溶解した高分子溶液を複数の小穴から流出させるとともに帯電させ、静電爆発にて延伸させて複数本のナノファイバーを生成し、一方向に流動させるナノファイバー生成手段と、帯電した高分子溶液と電位差を持たせて生成されたナノファイバーを吸引しつつ旋回させて撚りをかけて集束する収集電極部と、撚りをかけて集束された状態で収集電極部の中心部を貫通したナノファイバーを巻き取って回収する回収手段とを備えたことを特徴とするナノファイバーの合糸装置。
【請求項7】
ナノファイバー生成手段は、生成されて収集電極部に向けて流動するナノファイバーを、その流動方向に沿う軸心回りに収集電極部によるナノファイバーの旋回方向とは逆方向に旋回させることを特徴とする請求項6記載のナノファイバーの合糸装置。
【請求項8】
収集電極部は、中心部にナノァイバーの貫通孔を有する収集電極と、収集電極をその軸芯回りに回転させる回転手段とを備えていることを特徴とする請求項6又は7記載のナノファイバーの合糸装置。
【請求項9】
収集電極部は、中心部のナノァイバーの貫通部の周囲に複数の収集電極を配置し、各収集電極に対して交番電圧を位相を制御して印加し若しくは各収集電極を互いに位相を異ならせて往復移動させることで回転する電界を形成するように構成したことを特徴とする請求項6又は7記載のナノファイバーの合糸装置。
【請求項10】
旋回して集束するナノファイバーの旋回軸芯部を通して回収手段に巻き取られるように芯糸を送給する芯糸供給手段を配設したことを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載のナノファイバーの合糸装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−297642(P2008−297642A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−141907(P2007−141907)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「革新的部材産業創出プログラム/新産業創造高度部材基盤技術開発/先端機能発現型新構造繊維部材基盤技術の開発」にかかる委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】