説明

ナノファイバ製造装置

【課題】製造されるナノファイバの品質を維持しつつ、メンテナンス性を向上させたナノファイバ製造装置の提供。
【解決手段】原料液300を空間中で延伸させ、ナノファイバを製造するナノファイバ製造装置100であって、原料液300を空間中に流出させる流出孔118を複数有し、流出孔118の開口部が表面に配置される流出体115と、原料液300を帯電させる帯電装置111と、流出孔118の開口部の周縁であって流出体115の表面に、原料液300の流出方向に向かって突出する突出部151とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明はナノファイバの製造装置、特に、生産効率を向上させることのできるナノファイバ製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高分子物質などから成り、サブミクロンスケールの直径を有する糸状(繊維状)物質(ナノファイバ)を製造する方法として、エレクトロスピニング(電荷誘導紡糸)法が知られている。
【0003】
このエレクトロスピニング法とは、溶剤中に高分子物質などを分散または溶解させた原料液を空間中にノズルなどにより流出(吐出)させるとともに、原料液に電荷を付与して帯電させる方法である。そして、空間を飛行中の原料液が電気的に延伸することにより、ナノファイバが製造される。
【0004】
より具体的にエレクトロスピニング法を説明すると次のようになる。すなわち、帯電され空間中に流出された原料液は、空間を飛行中に徐々に溶剤が蒸発していく。これにより、飛行中の原料液の体積は、徐々に減少していくが、原料液に付与された電荷は、原料液に留まる。この結果として、空間を飛行中の原料液は、電荷密度が徐々に上昇することとなる。そして、溶剤は、継続して蒸発し続けるため、原料液の電荷密度がさらに高まり、原料液の中に発生する反発方向のクーロン力が原料液の表面張力より勝った時点で高分子溶液が爆発的に線状に延伸される現象(以下、静電延伸現象と述べる)が生じる。この静電延伸現象が、空間において次々と幾何級数的に発生することで、直径がサブミクロンの高分子から成るナノファイバが製造される。
【0005】
以上のようなエレクトロスピニング法を採用する場合、細いナノファイバを製造するには空間中にできる限り細く原料液を流出させた方が効率がよい。また、原料液を吐出する部分が尖っている方が電荷が集中しやすく、原料液を効率的に帯電させることも可能である。さらに、安定した飛行方向で原料液を吐出させるには、ある程度の長さの孔が好ましい。従って、ナノファイバ製造装置は、従来、特許文献1に記載されるように、細いノズルの先端から原料液を空間中に吐出する場合があった。
【特許文献1】特表2007−532790号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のナノファイバ製造装置を用いてナノファイバを製造する場合、ナノファイバ製造装置の使用時間が長くなると、ナノファイバの原料となる樹脂などが固まってナノファイバを吐出するための孔を塞ぐことがある。特に、このような場合、ナノファイバの生産効率が低下するばかりでなく、製造されたナノファイバが偏った状態で収集されるため、当該孔を塞いでいる塊を除去するために、定期的にメンテナンスをする必要がある。
【0007】
ところが、細いノズルなどの場合、原料液を吐出する孔から樹脂の塊を取り除くことが困難な場合があった。
【0008】
本願発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、製造されるナノファイバの品質を維持しつつメンテナンス性を向上させることのできるナノファイバ製造装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本願発明にかかるナノファイバ製造装置は、原料液を空間中で延伸させ、ナノファイバを製造するナノファイバ製造装置であって、原料液を空間中に流出させる流出孔を複数有し、前記流出孔の開口部が表面に配置される流出体と、原料液を帯電させる帯電装置と、前記開口部の周縁であって前記流出体の表面に、原料液の流出方向に向かって突出する突出部とを備えることを特徴とする。
【0010】
これによれば、流出孔の開口部の大きさに対し流出孔の孔長が短い場合でも、原料液を突出部に沿わせることで、原料液の流出方向を安定させることが可能となる。
【0011】
また、前記突出部は、尖った先端部を備えることが好ましい。
これにより前記先端部に電荷が集中して、原料液に対する帯電効率を向上させることが可能となる。
【0012】
なお、尖った先端部とは、先端が点状となる錐のような先端や先端が線状となる角のような先端も含む概念である。
【0013】
また、前記突出部は、前記先端部を複数備えることが好ましい。
これにより、原料液が帯電する可能性を向上させて原料液の帯電効率を向上させることが可能となる。
【0014】
また、前記突出部は、前記流出体側の基端部から先端部にわたり前記流出孔に向かって開口する溝部を備えることが好ましい。
【0015】
これにより、原料液は溝に沿って流れた後、空間中に流出させることができるため、流出体のメンテナンス性を維持しつつ、原料液の流出状態を安定させることが可能となる。また、溝の細さによって、流出する原料液の細さを調節することができ、任意の細さのナノファイバを安定して製造することが可能となる。
【0016】
さらに、前記突出部は、前記溝部を複数備えることが好ましい。
これにより、流出孔から流出した原料液が複数の溝部に分けられ、それぞれの溝部に沿って空間中に流出するため、流出孔が比較的大きく開いている場合でも空間中に流出する原料液の線径を細くすることが可能となる。従って、流出孔に樹脂が詰まりにくくなるため、メンテナンスの期間を拡げることができ、また、容易にメンテナンスをすることが可能となる。
【0017】
なお、複数の溝部に対しそれぞれ先端部を備えれば、複数の溝部によって分けられた原料液に対しそれぞれ電荷を効率的に供給することができるため好ましい。
【0018】
さらに、前記流出体を回転させる駆動装置を備え、前記開口部は、前記流出体の回転軸に対し放射方向に開口し、前記突出部は、前記開口部に対し前記流出体の回転方向の後方に配置されることが好ましい。
【0019】
これにより、遠心力により原料液を放射方向に流出させることで狭い空間に大量の原料液を流出させることができ、ナノファイバの生産効率を向上させることが可能となる。加えて、前記流出体を回転させることによって前記流出体表面に沿って流れる原料液を前記突出部で堰き止め、前記原料液の流れを放射方向に変更することができるため、さらに効率よく原料液を空間中に流出させることが可能となる。
【0020】
さらに、前記突起部は、前記開口部と、前記開口部に対し前記流出体の回転方向の後方に配置されている隣接した開口部との間に配置されていることが好ましい。
【0021】
これにより、異なる開口部から流出する原料液が流出体の表面でつながることを防止することができ、開口部から流出した原料液を開口部毎に空間中に流出させることが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本願発明によれば、ナノファイバ製造装置のメンテナンス性を向上させつつ、製造されるナノファイバの細さなどの品質を維持、または、向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、ナノファイバ製造装置の実施の形態を一部切り欠いて示す平面図である。
同図に示すように、ナノファイバ製造装置100は、放出装置101と、案内体102と、収集装置103と、誘引装置104とを備えている。
【0024】
ここで、ナノファイバを製造するための原料液については、原料液300と記し、製造されたナノファイバについてはナノファイバ301と記すが、製造に際しては原料液300が電気的に延伸しながらナノファイバ301に変化していくため、原料液300とナノファイバ301との境界は曖昧であり、明確に区別できるものではない。
【0025】
放出装置101は、帯電した原料液300や製造されるナノファイバ301を気体流に乗せて放出することができるユニットである。
【0026】
図2は、放出装置の一部を切り欠いて示す平面図である。
図3は、放出装置の外観を示す斜視図である。
【0027】
これら図に示すように放出装置101は、流出装置110と、帯電装置111と、風洞体112と、気体流発生装置113と、供給路114とを備えている。
【0028】
流出装置110は、帯電した原料液300を空間中に流出させる装置であり、本実施の形態では、原料液300を遠心力により放射状に流出させる装置である。流出装置110は、流出体115と、回転軸体116と、駆動装置117とを備えている。
【0029】
流出体115は、原料液300を空間中に流出させるための部材であり、図4に示すように、流出孔118と突出部151とが多数設けられる部材である。
【0030】
本実施の形態の場合、流出体115は、原料液300が内方に注入されながら自身の回転による遠心力により空間中に原料液300を流出させることのできる容器であり、一端が閉塞された円筒形状となされ、周壁には流出体115内方から外方に向けて原料液300を流出させるための流出孔118を多数備えている。流出体115は、貯留する原料液300に電荷を付与するため、導電体で形成されている。流出体115は、ベアリング119により回転可能に支持されている。
【0031】
突出部151は、流出孔118の開口部周縁であって流出体115の表面に、放射方向に突出す部分である。本実施の形態の場合、突出部151は、先端部152が尖った円錐形状を流出孔118と同じ径の円柱形状で一部削った形状となっている。突出部151は、先端部152が点状に尖っており、流出孔118の開口部周縁の一部を覆っている。突出部151は、円錐形状を円柱形状で一部削った部分が溝部153となっている。溝部153は、突出部151の基端部から先端部にわたり設けられており、また、流出孔118に向かって開口し、かつ、流出体115の回転方向(図4中矢印)に向かって開口している。突出部151は、流出孔118に対し流出体115の回転方向(図4中矢印)の後方に配置されている。
【0032】
具体的には、流出体115の直径は、10mm以上、300mm以下の範囲から採用されることが好適である。あまり大きすぎると後述の気体流により原料液300やナノファイバ301を集中させることが困難になるからであり、また、流出体115の回転軸が偏心するなど、重量バランスが少しでも偏ると大きな振動が発生してしまい、当該振動を抑制するために流出体115を強固に支持する構造が必要となるからである。一方、小さすぎると遠心力により原料液300を流出させるための回転を高めなければならず、駆動源の負荷や振動など問題が発生するためである。さらに流出体115の直径は、20mm以上、150mm以下の範囲から採用することが好ましい。
【0033】
また、流出孔118の形状は円形が好ましく、その直径は、流出体115の肉厚にもよるが、おおよそ0.01mm以上、3mm以下の範囲から採用することが好適である。これは、流出孔118があまりに小さすぎると原料液300を流出体115の外方に流出させることが困難となるからであり、あまりに大きすぎると一つの流出孔118から流出する原料液300の単位時間当たりの量が多くなりすぎ(つまり、流出する原料液300が形成する線の太さが太くなりすぎ)て所望の径のナノファイバ301を製造することが困難となるからである。また、流出孔118の孔長は、短い方が好ましい。メンテナンスの際に流出孔118を塞ぐ樹脂を除去し易いからである。具体的には流出孔118の孔径の50倍以下でかつ最大の孔長が2mm以下であることが好ましい。
【0034】
また、突出部151は、本願発明において限定されるわけではない。例えば、図5に示すように、突出部151は、溝部153を複数備え、溝部153に対しそれぞれ鋭い先端部152を複数備えてもかまわない。
【0035】
このような構成にすることで、原料液300が複数の溝部153に分かれ、溝部153に沿って空間中に流出することが可能となる。また、それぞれの原料液300に対し、突出部151から電荷が供給されるため、効率よく原料液300を帯電させることが可能となる。
【0036】
また、突出部151と流出孔118との位置関係は、特に限定されるものではない。流出孔118の開口部の縁から突出部151が離れていてもかまわない。すなわち、「突出部151は、流出孔118の開口部周縁」の意味は、突出部151の溝部153が、流出孔118の開口部に連続して配置されている場合だけでなく、近傍に配置されている場合も含む。また、流出体115が所定方向(図5中矢印R)に回転し、かつ、後述の気体流発生装置113から気体流が所定の方向(図5中矢印W)に流れる場合、突出部151は、流出孔118に対し、回転方向の後方、かつ、気体流の風下の位置にあってもよい。なお、突出部151の流出孔118に対する位置は、図6に示すように、流出体115の回転により原料液300が流れる強さを示すベクトルAと、気体流により原料液300が流れる強さを示すベクトルBとを合成した方向(ベクトルCの方向)に配置するのが好ましい。
【0037】
すなわち、「突出部151は、流出孔118に対し流出体115の回転方向(図4中矢印)の後方に配置されている」には、上記のように、突出部151の配置は、ベクトルCの方向に配置する場合も含むものとする。
【0038】
また、図7に示すように、複数の流出孔118に対し、一つの突出部151を備えるものでもかまわない。
【0039】
なお、流出体115は、自身の回転による遠心力により原料液300を空間中に流出させる部材ばかりでなく、自身は静止しており、圧力がかけられた原料液300が流出孔118から流出する部材でもかまわない。また、遠心力により原料液300を流出させる流出体115の形状は、円筒形状に限定するものではなく、断面が多角形状の多角筒形状のようなものや円錐形状のようなものでもよい。流出孔118が回転することにより、流出孔118から原料液300が遠心力で流出可能な形状であればよい。また、流出孔118の形状は、円形に限定することなく、多角形状や星形形状などであってもよい。
【0040】
回転軸体116は、流出体115を回転させ遠心力により原料液300を流出させるための駆動力を伝達するための軸体であり、流出体115の他端から流出体115の内部に挿通され、流出体115の閉塞部と一端部が接合される棒状体である。また、他端は駆動装置117の回転軸と接続されている。回転軸体116は、駆動装置117と絶縁体120を介して接続されており、流出体115と駆動装置117とが電気的に絶縁状態となっている。これは、流出体115のアースとの接続が事故などにより切れた場合、駆動装置117を保護するためである。回転軸体116は、ベアリング119により回転可能に支持されている。
【0041】
駆動装置117は、遠心力により原料液300を流出孔118から流出させるために、回転軸体116を介して流出体115に回転駆動力を付与する装置である。なお、流出体115の回転数は、流出孔118の口径や使用する原料液300の粘度や原料液内の高分子物質の種類などとの関係により、数rpm以上、10000rpm以下の範囲から採用することが好ましく、本実施の形態のように駆動装置117と流出体115とが直動の時は駆動装置117の回転数は、流出体115の回転数と一致する。
【0042】
帯電装置111は、原料液300に電荷を付与して帯電させる装置である。本実施の形態の場合、図1〜図3に示すように、帯電装置111は、帯電電極121と、帯電電源122と、接地装置123とを備えている。
【0043】
帯電電極121は、自身がアースに対し高い電圧もしくは低い電圧となることで、接地されている流出体115に電荷を誘導するための部材である。本実施の形態の場合、帯電電極121は、流出体115の周囲を取り囲むように配置される円環状の部材である。帯電電極121に正の電圧が印加されると流出体115には、負の電荷が誘導され、帯電電極121に負の電圧が印加されると流出体115には、正の電荷が誘導される。
【0044】
帯電電極121の大きさは、流出体115の直径よりも大きい必要があるが、その直径は、50mm以上、1500mm以下の範囲から採用されることが好適である。なお、帯電電極121の形状は、円環状に限ったものではなく、流出体115の形状との関係によって、多角形の環状や平板状などであってもよい。また、帯電電極121の断面形状も矩形ばかりでなく丸形でもかまわない。
【0045】
接地装置123は、流出体115と電気的に接続され、流出体115を接地電位に維持することができる部材である。接地装置123の一端は、流出体115が回転状態であっても電気的な接続状態を維持することができるようにブラシとして機能するものであり、他端は大地と接続されている。
【0046】
帯電電源122は、帯電電極121に高電圧を印加することのできる電源である。帯電電源122は、一般には、直流電源が好ましい。特に、発生させるナノファイバ301の帯電極性に影響を受けないような場合、生成したナノファイバ301の帯電を利用して、逆極性の電位を印加した電極でナノファイバ301を誘引するような場合には、直流電源を採用することが好ましい。また、帯電電源122が直流電源である場合、帯電電源122が帯電電極121に印加する電圧は、10KV以上、200KV以下の範囲の値から設定されるのが好適である。帯電電源122に負の電圧が印加される場合には、前記の印加する電圧の極性は、負になる。特に、流出体115と帯電電極との間の電界強度が重要であり、帯電電極121と流出体115との距離が最も近い空間において1KV/cm以上の電界強度になるように印加電圧を調整するのが好ましい。
【0047】
本実施の形態のように帯電装置111に一方の電極を接地電位とする誘導方式を採用すれば、流出体115を接地電位に維持したまま原料液300に電荷を付与することができる。流出体115が接地電位の状態であれば、流出体115に接続される回転軸体116や駆動装置117などの部材を流出体115から電気的に絶縁する必要が無くなり、流出装置110として簡単な構造を採用しうることになり好ましい。
【0048】
なお、帯電装置111として、流出体115に電源を接続し、流出体115を高電圧に維持し、帯電電極121を接地することで原料液300に電荷を付与してもよい。また、流出体115を絶縁体で形成すると共に、流出体115に貯留される原料液300に直接接触する電極を流出体115内部に配置し、当該電極を用いて原料液300に電荷を付与するものでもよい。このような流出体115に直接もしくは原料液に直接電極を配置する場合には、原料液に帯電する電荷の極性は、印加する電圧の極性と同じ極性になる。
【0049】
気体流発生装置113は、流出体115から流出される原料液300の飛行方向を変更し、ナノファイバ301を搬送して案内体102の内方を通過させるための気体流を発生させる装置である。本実施の形態の場合、気体流発生装置113は、駆動装置117の背部に備えられ、駆動装置117から流出体115の先端に向かう気体流を発生させる。気体流発生装置113は、流出体115から径方向に流出される原料液300を軸方向に変更することができる風力を発生させることができるものとなっている。図2において、気体流は矢印で示している。気体流発生装置113としては、軸流ファンを備える送風機等を例示することができる。
【0050】
なお、気体流発生装置113は、シロッコファンなど他の送風機により構成してもかまわない。また、後述する吸引装置132により風洞体112の内方に気体流を発生させるものでもかまわない。この場合、ナノファイバ製造装置100は、積極的に気体流を発生させる気体流発生装置113を有しないこととなるが、何らかの装置により、風洞体112などの内方に気体流が発生していることをもってナノファイバ製造装置100が気体流発生装置113を備えているものとする。
【0051】
風洞体112は、気体流発生装置113で発生した気体流を帯電電極121と流出体115との間に案内する導管である。本実施の形態の場合、風洞体112により案内された気体流は、帯電電極121の内側を通過しつつ、流出体115の流出孔118から流出された原料液300と交差し、原料液300の飛行方向を変更する。
【0052】
さらにまた、放出装置101は、気体流制御装置124と、加熱装置125とを備えている。
【0053】
気体流制御装置124は、気体流発生装置113により発生する気体流が流出孔118の開口端に当たらないよう気体流を制御する機能を有するものである。本実施の形態の場合、気体流制御装置124として、気体流を所定の領域に流れるように案内する風路体が採用されている。気体流制御装置124により、気体流が直接流出孔118に当たらないため、流出孔118から流出される原料液300が早期に蒸発して流出孔118を塞ぐことを可及的に防止し、原料液300を安定させて流出させ続けることが可能となる。なお、気体流制御装置124は、流出孔118の風上に配置され気体流が流出孔118近傍に到達するのを防止する壁状の防風壁でもかまわない。
【0054】
加熱装置125は、気体流発生装置113が発生させる気体流を構成する気体を加熱する加熱源である。本実施の形態の場合、加熱装置125は、案内体102の内方に配置される円環状のヒータであり、加熱装置125を通過する気体を加熱することができるものとなっている。加熱装置125により気体流を加熱することにより、空間中に流出される原料液300は、蒸発が促進され効率よくナノファイバ301を製造することが可能となる。
【0055】
供給路114は、外部にある原料液300用タンク(図示せず)から流出体115内方に原料液300を供給するための経路である。本実施の形態の場合、供給路114は、管体で形成されている。
【0056】
図8は、案内体近傍を示す斜視図である。
同図に示すように、案内体102は、放出装置101から放出され、気体流によって搬送されるナノファイバ301を所定の場所に案内する風洞である。
【0057】
拡散体127は、案内体102と接続され、高密度状態のナノファイバ301を広く均等に拡散させ低密度状態とする導管であり、ナノファイバ301が案内される空間を滑らか、かつ、連続的に拡大することで、ナノファイバ301を搬送する気体流の速度とナノファイバ301の速度とを徐々に減速させるフード状の部材である。本実施の形態の場合、拡散体127は、案内体102の高さをそのまま維持し、幅のみ徐々に広がるフード形状となっている。
【0058】
収集装置103は、案内体102から放出されるナノファイバ301を収集するための装置である。本実施の形態の場合、収集装置103は、被堆積部材128と、巻回装置129と、供給装置130とを備えている。
【0059】
被堆積部材128は、静電延伸現象により製造され気体流により搬送されるナノファイバ301と気体流とを分離し、ナノファイバ301のみが堆積する部材である。本実施の形態の場合、被堆積部材128は、堆積したナノファイバ301と容易に分離可能な材質で構成された薄く柔軟性のある長尺のシート状の部材であり、気体流を容易に透過でき、ナノファイバ301を捕集しうる網状の部材である。具体的に被堆積部材128としては、アラミド繊維からなる長尺の布を例示することができる。さらに、被堆積部材128の表面にテフロン(登録商標)コートを行うと、堆積したナノファイバ301を被堆積部材128から剥ぎ取る際の剥離性が向上するため好ましい。また、被堆積部材128は、ロール状に巻き付けられた状態で供給装置130から供給されるものとなっている。
【0060】
巻回装置129は、被堆積部材128を移送することができる装置である。本実施の形態の場合、長尺の被堆積部材128を巻き取りながら供給装置130から引き出し、堆積するナノファイバ301と共に被堆積部材128を搬送するものとなっている。巻回装置129は、不織布状に堆積しているナノファイバ301を被堆積部材128とともに巻き取ることができるものとなっている。
【0061】
誘引装置104は、図1に示すように、ナノファイバ301を被堆積部材128に誘引するための装置である。本実施の形態の場合、誘引装置104は、異なる誘引方式を同時、または、選択的に実施できるように、気体誘引装置143と、電界誘引装置133とを備えている。
【0062】
気体誘引装置143は、気体流を吸引することによりナノファイバ301を被堆積部材128に誘引する装置であり、被堆積部材128の後方に配置されている。本実施の形態の場合、気体誘引装置143は吸引装置132と集中体131とを備えている。
【0063】
集中体131は、拡散体127で広がった気体流を受け取り、吸引装置132に至るまでの間に気体流を集中させる部材であり、拡散体127とは逆向きの漏斗形状となっている。
【0064】
吸引装置132は、被堆積部材128を通過する気体流を強制的に吸引する送風機である。吸引装置132は、シロッコファンや軸流ファンなどの送風機であって、被堆積部材128を通過して速度が落ちた気体流を高い速度に加速することのできる装置である。
【0065】
電界誘引装置133は、帯電しているナノファイバ301を電界により被堆積部材128に誘引する装置であり、誘引電極134と、誘引電源135とを備えている。
【0066】
誘引電極134は、帯電したナノファイバ301を誘引するための電界を発生させるための電極である。本実施の形態の場合、誘引電極134には気体流を通過させることのできる金属製の網が採用されている。誘引電極134は、拡散体127の開口部全体に広がって設けられている。
【0067】
誘引電源135は、誘引電極134を所定の電圧及び極性に維持することができる直流電源である。本実施の形態の場合、誘引電源135は、0V(接地状態)から200KV以下の範囲で自由に電圧と極性を変更することができる直流電源である。
【0068】
なお、誘引電極134は、実施の形態において金属製の網が採用されているが、それに限定するものではなく、被堆積部材128の幅位の長さの所定の幅を有する誘引電極でもよい。吸引装置132により吸引することで、ナノファイバは、誘引電極に誘引されると共に、気体流によって、被堆積部材128に吸引される。そのようにすることで、引火性の高い溶剤を使用する場合においても、高密度の溶剤を使用しても、爆発する溶剤の濃度まで達することはなく、安心して装置の使用ができるようになる。
【0069】
なお、帯電電源122が交流電源の場合は、誘引電源135を交流電源としても良い。
回収装置105は、原料液300から蒸発した溶剤を気体流から分離して回収することのできる装置である。回収装置105に関しては、原料液300に用いられる溶剤の種類によって異なるが、例えば、気体を低温にして溶剤を結露させて回収する装置や、活性炭やゼオライトを用いて溶剤のみを吸着させる装置、液体などに溶剤を溶け込ませる装置やこれらを組み合わせた装置を例示できる。
【0070】
ここで、ナノファイバ301を構成する高分子物質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−m−フェニレンテレフタレート、ポリ−p−フェニレンイソフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン−アクリレート共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−メタクリレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステルカーボネート、ポリアミド、アラミド、ポリイミド、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ酢酸ビニル、ポリペプチド等およびこれらの共重合体を例示できる。また、上記より選ばれる一種でもよく、また、複数種類が混在してもかまわない。なお、上記は例示であり、本願発明は上記高分子物質に限定されるものではない。
【0071】
原料液300に使用される溶剤としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジベンジルアルコール、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、アセトン、ヘキサフルオロアセトン、フェノール、ギ酸、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、塩化メチル、塩化エチル、塩化メチレン、クロロホルム、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロプロパン、ジブロモエタン、ジブロモプロパン、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、酢酸、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロペンタン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキシド、ピリジン、水等を例示することができる。また、上記より選ばれる一種でもよく、また、複数種類が混在してもかまわない。なお、上記は例示であり、本願発明は上記溶剤に限定されるものではない。
【0072】
さらに、原料液300に骨材や可塑剤などの添加剤を添加してもよい。当該添加剤としては、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、珪化物、弗化物、硫化物等を挙げることができるが、耐熱性、加工性などの観点から酸化物を用いることが好ましい。当該酸化物としては、Al23、SiO2、TiO2、Li2O、Na2O、MgO、CaO、SrO、BaO、B23、P25、SnO2、ZrO2、K2O、Cs2O、ZnO、Sb23、As23、CeO2、V25、Cr23、MnO、Fe23、CoO、NiO、Y23、Lu23、Yb23、HfO2、Nb25等を例示することができる。また、上記より選ばれる一種でもよく、また、複数種類が混在してもかまわない。なお、上記は例示であり、本願発明は上記添加剤に限定されるものではない。
【0073】
溶剤と高分子物質との混合比率は、溶剤と高分子物質により異なるが、溶剤量は、約60重量%から98重量%の間が望ましい。
【0074】
上記のように、溶剤蒸気が気体流により滞留することなく処理されるため、原料液300は、上記のように溶剤を50重量%以上含んでいても十分に蒸発し、静電延伸現象を発生させることが可能となる。従って、溶質である高分子が薄い状態からナノファイバ301が製造されるため、より細いナノファイバ301をも製造することが可能となる。また、原料液300の調整可能範囲が広がるため、製造されるナノファイバ301の性能の範囲も広くすることが可能となる。
【0075】
次に、上記構成のナノファイバ製造装置100を用いたナノファイバ301の製造方法を説明する。
【0076】
まず、気体流発生装置113、及び、吸引装置132を稼働させ、風洞体112や、案内体102、拡散体127、集中体131の内方に一定方向の気体流を発生させる(気体流発生工程)。以上の状態で、案内体102内の風量が毎分30立米となるようナノファイバ製造装置100を調整した。
【0077】
次に、流出体115の内方に原料液300を供給する(原料液供給工程)。原料液300は、別途タンク(図示せず)に蓄えられており、供給路114を通過して流出体115の他端部から流出体115内部に供給される。具体的には、ナノファイバ301の材質はPVA(ポリビニルアルコール)を選定し、原料液300は、溶剤(溶媒とも呼ばれている。)を水とし、水にPVAを10重量%で溶解したものを用いた。
【0078】
次に、帯電電源122により帯電電極121を正または負の高電圧とする。帯電電極121の中心に配置される流出体115の突出部151には特に電荷が集中し、当該電荷が流出孔118から流出し、溝部153に沿って空間中に流出する原料液300に転移し、原料液300が帯電する(帯電工程)。
【0079】
前記帯電工程と同時期に流出体115を駆動装置117により回転させて、遠心力により流出孔118から帯電した原料液300を流出する(流出工程)。
【0080】
具体的には、外径がΦ60mmの流出体115を用いた。流出孔118は、周方向等間隔に108個設けられており、孔径は0.5mmであった。また、突出部151は、流出体115の表面から1.5mm突出させた。原料液300は、流出体115を2000rpmで回転させることにより流出させた。一方、帯電電極121は内径Φ600mmのものを用い、帯電電源122により帯電電極121を接地電位に対して負の60KVとした。これにより、流出体115には正の電荷が誘導され、正に帯電した原料液300が流出することとなる。
【0081】
以上により、原料液300は、流出体115の表面に滞留することなく突出部151に沿って放射状に空間中に流出した。
【0082】
流出体115の径方向放射状に流出された原料液300は、気体流により飛行方向が変更され、気体流に乗り案内体102に案内される。ここで、原料液300の帯電状態と帯電電極121とは逆極性であるため、クーロン力により引きつけられて帯電電極121の方向に向いて飛行しようとするが、帯電電極121に向かうほとんどの原料液300が気体流により方向が変えられ、案内体に向かって飛行することとなる。
【0083】
原料液300は静電延伸現象によりナノファイバ301を製造しつつ(ナノファイバ製造工程)放出装置101から放出される。ここで、原料液300は、強い帯電状態(高い電荷密度)で流出しているため、静電延伸が容易に発生し、流出した原料液300のほとんどがナノファイバ301に変化していく。また、原料液300は、強い帯電状態(高い電荷密度)で流出しているため、静電延伸が何次にもわたって発生し、線径の細いナノファイバ301を大量に製造される。
【0084】
また、前記気体流は、加熱装置125により加熱されており、原料液300の飛行を案内しつつ、原料液300に熱を与えて溶剤の蒸発を促進し静電延伸を促進している。
【0085】
以上のようにして放出装置101から放出されるナノファイバ301は、案内体102に導入される。そして、ナノファイバ301は、案内体102の内方を気体流に搬送されながら収集装置103に向かって案内される(案内工程)。
【0086】
拡散体127にまで搬送されたナノファイバ301は、ここで急速に速度が低下すると共に、均一な分散状態となる(拡散工程)。
【0087】
この状態において、被堆積部材128の背方に配置される吸引装置132は、蒸発した蒸発成分である溶剤と共に気体流を吸引し、ナノファイバ301を被堆積部材128上に誘引する(誘引工程)。また、電圧が印加された誘引電極134により電界が発生し、当該電界によってもナノファイバ301が誘引される(誘引工程)。
【0088】
以上により、被堆積部材128により気体流から分けられてナノファイバ301が収集される(収集工程)。被堆積部材128は、巻回装置129によりゆっくり移送されているため、ナノファイバ301も移送方向に延びた長尺の帯状部材として回収される。
【0089】
被堆積部材128を通過した気体流は、吸引装置132により加速され、回収装置105に到達する。回収装置105では、気体流から溶剤成分を分離回収する(回収工程)。
【0090】
以上のような構成のナノファイバ製造装置100を用い、以上のナノファイバ製造方法を実施することによって、原料液300が安定的に空間中に流出し、品質の高いナノファイバ301を安定した状態で長期間製造し続けることができる。また、流出孔118が目詰まりした場合でも、流出孔118から容易に樹脂などを除去することができる。
【0091】
また、遠心力により原料液300を流出させる場合においても、突出部151が堰として機能し、原料液300が流出体115の表面に滞留することを回避することが可能となる。
【0092】
なお、流出体115の表面にある流出孔118が、流出体115の回転の周方向に、隣接して配置されている場合には、一つの流出孔118から流出した原料液300が、隣接する流出孔118から流出する原料液300と繋がる場合がある。このような場合には、本願の実施例のように、前記隣接する流出孔118の間に突出部151を配置することで、突出部151が堰の役割を果たして、異なる流出孔118から流出する原料液300が流出体115の表面で混ざり合うことを防止し、流出孔118から流出する原料液300が前記突出部151を伝わり前記突出部151の先端部152から空間中に流出していくので、安定して、流出する原料液300からナノファイバが製造される。
【0093】
同様に、流出体115が回転する回転数が小さい場合に、流出孔118から流出する原料液300が、隣接する流出孔118から流出する原料液300と繋がらない場合が有る。しかし、流出体115の回転数を高速にすることで、異なる流出孔118から流出する原料液300の繋がりが発生するようになるので、異なる流出孔118の間に突出部151を設ける本願の実施形態は、有用なものになる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本願発明はナノファイバの製造やナノファイバからなる不織布の製造やナノファイバからなる糸の製造に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】ナノファイバ製造装置の実施の形態を一部切り欠いて示す平面図である。
【図2】放出装置の一部を切り欠いて示す平面図である。
【図3】放出装置の外観を示す斜視図である。
【図4】突出部近傍を示す斜視図である。
【図5】突出部の別態様を示す斜視図である。
【図6】突出部と流出孔との位置関係を示す平面図である。
【図7】突出部の別態様を示す斜視図である。
【図8】案内体近傍の外観を模式的に示す斜視図である。
【図9】原料液の流出状態を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0096】
100 ナノファイバ製造装置
101 放出装置
102 案内体
103 収集装置
104 誘引装置
105 回収装置
110 流出装置
111 帯電装置
112 風洞体
113 気体流発生装置
114 供給路
115 流出体
116 回転軸体
117 駆動装置
118 流出孔
119 ベアリング
120 絶縁体
121 帯電電極
122 帯電電源
123 接地装置
124 気体流制御装置
125 加熱装置
127 拡散体
128 被堆積部材
129 巻回装置
130 供給装置
131 集中体
132 吸引装置
133 電界誘引装置
134 誘引電極
135 誘引電源
143 気体誘引装置
151 突出部
152 先端部
153 溝部
300 原料液
301 ナノファイバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料液を空間中で延伸させ、ナノファイバを製造するナノファイバ製造装置であって、
原料液を空間中に流出させる流出孔を複数有し、前記流出孔の開口部が表面に配置される流出体と、
原料液を帯電させる帯電装置と、
前記開口部の周縁であって前記流出体の表面に、原料液の流出方向に向かって突出する突出部と
を備えるナノファイバ製造装置。
【請求項2】
前記流出孔の孔長は、開口部の直径の50倍以下でかつ最大の孔長が2mm以下である
請求項1に記載のナノファイバ製造装置。
【請求項3】
前記突出部は、尖った先端部を備える
請求項1に記載のナノファイバ製造装置。
【請求項4】
前記突出部は、前記先端部を複数備える
請求項3に記載のナノファイバ製造装置。
【請求項5】
前記突出部は、前記流出体側の基端部から先端部にわたり前記流出孔に向かって開口する溝部を備える
請求項1に記載のナノファイバ製造装置。
【請求項6】
前記突出部は、前記溝部を複数備える
請求項5に記載のナノファイバ製造装置。
【請求項7】
さらに、
前記流出体を回転させる駆動装置を備え、
前記開口部は、前記流出体の回転軸に対し放射方向に開口し、
前記突出部は、前記開口部に対し前記流出体の回転方向の後方に配置される
請求項1に記載のナノファイバ製造装置。
【請求項8】
前記突出部は、前記開口部と、前記開口部に対し前記流出体の回転方向の後方に配置されている隣接した開口部との間に配置されている請求項1に記載のナノファイバ製造装置。
【請求項9】
さらに、
前記流出体から流出する原料液の飛行方向を変更する気体流を発生させる気体流発生装置を備え、
前記突出部は、前記開口部に対し前記気体流の風下に配置される
請求項1に記載のナノファイバ製造装置。
【請求項10】
さらに、
ナノファイバを収集する収集装置と、
前記収集装置にナノファイバを誘引する誘引装置と
を備える請求項1に記載のナノファイバ製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−180490(P2010−180490A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−23866(P2009−23866)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「革新的部材産業創出プログラム/新産業創造高度部材基盤技術開発/先端機能発現型新構造繊維部材基盤技術の開発」にかかる委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】