説明

ナノ構造製造用抵抗加熱デバイス

本開示は、抵抗加熱デバイスに関連する装置および技術に関係する。加熱デバイスは、基板と、基板上に配置された少なくとも1つの導電性の細長い構造であって、少なくとも1つの導電性の細長い構造の残りの部分より低い導電性を有する少なくとも1つの抵抗部分を含む、少なくとも1つの導電性の細長い構造と、少なくとも1つの導電性の細長い構造の少なくとも1つの抵抗部分上に配置された少なくとも1つの熱伝導性カラムとを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ナノテクノロジーとは、ナノメートル(すなわち、メートルの10億分の1)の尺度での材料およびデバイスの操作および製造に関連する分野のことを言う。数百ナノメートル以下のサイズの構造(すなわち、ナノ構造)は、光学、電子、および機械的応用例を含む、幅広い範囲の応用例で多くの新しいデバイスを作り出すその潜在性により注目を集めた。ナノ構造を、望ましい光学、電気、および/または機械的特性を備えたより小さく、より軽く、および/またはより強いデバイスを製造するのに使用することができることが考えられる。ナノスケールで材料の特性および構造を制御することに対する興味が現在ある。また、このような材料をナノ構造に操作し、このようなナノ構造をより複雑なデバイスに組み立てるために調査が行われた。
【発明の概要】
【0002】
加熱デバイスに関連する技術が提供される。
【0003】
一実施形態では、加熱デバイスは、基板と、基板上に配置された少なくとも1つの導電性の細長い構造であって、少なくとも1つの導電性の細長い構造の残りの部分より低い導電性を有する少なくとも1つの抵抗部分を含む、少なくとも1つの導電性の細長い構造と、少なくとも1つの導電性の細長い構造の少なくとも1つの抵抗部分上に配置された少なくとも1つの熱伝導性カラムとを備えることができる。
【0004】
前述の要約は単に例示的なものであり、いかなる方法でも限定することを意図したものではない。上に記載した例示的な態様、実施形態、および特性に加えて、別の態様、実施形態および特徴は、図面および以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1Aは、加熱デバイスの例示的な実施形態の斜視図である。図1Bは、線A−A’に沿った図1Aに示す加熱デバイスの例示的な実施形態の断面図である。図1Cは、線B−B’に沿った図1Aに示す加熱デバイスの例示的な実施形態の断面図である。
【図2】加熱デバイスを製造する方法の例示的な実施形態の例示的フロー図である。
【図3】図3A−Fは、図2に示す方法のいくつかを示す一連の図である。
【図4】導電性の細長い構造を製造する方法の例示的な実施形態のフロー図である。
【図5】図5A−Bは、図4に示す方法を示した一連の図である。
【図6】導電性の細長い構造を製造する方法の別の例示的な実施形態のフロー図である。
【図7】図7A−Dは、図6に示す方法を示す一連の図である。
【図8】加熱デバイスを使用してナノドットアレイを製造する方法の例示的実施形態の例示的フロー図である。
【図9】図9A−Cは、図8に示す方法のいくつかを示す一連の図である。
【図10】加熱デバイスを使用してナノワイヤアレイを製造する方法の例示的実施形態の例示的フロー図である。
【図11】図11A−Eは、図10に示す方法のいくつかを示す一連の図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の詳細な説明では、その一部を形成する添付の図面に言及する。図面では、同様の符号は典型的には、内容でそうでないと示されていない限り、同様の構成要素を特定する。詳細な説明、図面および特許請求の範囲に記載された例示的な実施形態は、限定することを意図したものではない。本明細書に提示した主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。本明細書に全体的に記載し、図面に示したように、本開示の態様は、幅広い範囲の異なる構成で配置、置換、組合せ、分離、および設計することができ、これらは全て本明細書で明示的に企図されていることは容易に理解されよう。
【0007】
幅広い範囲の応用例で多くの新しいデバイスを作り出すのに適切である可能性があるナノ構造などの小型構造は、その小さなサイズにより製造するのが難しい。本開示に記載された技術は、(1つまたは複数の)個別のナノサイズ領域に熱を局所的に加えるために、新規の加熱デバイスを利用する。このような局所加熱動作は、ナノドットアレイおよびナノワイヤアレイなどの様々なタイプのナノ構造を製造するのに膨大な応用例を有する。
【0008】
図1Aは、加熱デバイスの例示的実施形態の斜視図を示している。図1Bは、線A−A’に沿った図1Aの加熱デバイスの例示的実施形態の断面図を示している。図1Cは、線B−B’に沿った図1Aの加熱デバイスの例示的実施形態の断面図を示している。図1A〜1Cを参照すると、加熱デバイス100は、基板110と、基板110上に配置された多数の導電性の細長い構造120a〜120c(これ以下、集合的に導電性の細長い構造120と呼ぶ)と、導電性の細長い構造120a〜120c上にそれぞれ配置された多数の熱伝導性カラム130a〜130c(これ以下、集合的に熱伝導性カラム130と呼ぶ)とを備えることができる。
【0009】
一実施形態では、基板110は、熱に対して耐性がある少なくとも1つの材料から製造することができる。非限定的な例として、基板110は、サファイア、ガラス、または半導体材料(例えば、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、およびガリウムヒ素(GaAs))で作ることができる。別の実施形態では、基板110は、エラストマー材料などの可撓性材料から製造することができる。このようなエラストマー材料の例としては、これに限らないが、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリトリメチルシリルプロピン(PTMSP)、ポリビニルトリメチルシラン(PVTMS)、ポリウレタン/ポリエーテルウレタン、天然ゴム、エテンプロペン(ジエン)ゴム(EP(D)M)、およびニトリルブタジエンゴム(NBR)が挙げられる。様々な形状のいずれかを有する基板110を形成することができる。一実施形態では、図1A〜1Cに示すように、矩形の形状を有する基板110を形成することができる。別の実施形態では、その横表面に導電性の細長い基板120が配置された、円筒形の形状を有する基板110を形成することができる。例えば、基板110は、実質的に硬い材料(例えば、半導体材料)で作られた円筒形コア構造、および可撓性材料(例えば、エラストマー材料)から製造された少なくとも1つの外側構造を備えることができる。(1つまたは複数の)外側構造は、円筒形コア構造の外側表面を少なくとも部分的にまたは完全に覆うように、円筒形コア構造の周りで包むように構成することができる。本実施形態では、導電性の細長い構造120は、(1つまたは複数の)外側構造の(1つまたは複数の)上表面上に配置することができる。
【0010】
一実施形態では、各導電性の細長い構造120は、対応する導電性の細長い構造の残りの部分(例えば、導電性の細長い構造120a〜120c内のそれぞれ残りの部分122a〜122c)より低い導電性を有する少なくとも1つの抵抗部分(例えば、導電性の細長い構造120a〜120c内のそれぞれ抵抗部分121a〜121c)を備えることができる。これ以下、抵抗部分121a〜121cおよび残りの部分122a〜122cは集合的にそれぞれ、抵抗部分121および残りの部分122と呼ばれる。導電性の細長い構造120のいずれか1つが外部電源(図示せず)(例えば、電圧源または電流源)に接続される場合、電流は対応する導電性の細長い構造を通して流れることができる。電流がそこを通して流れるので、対応する導電性の細長い構造内の抵抗部分は、対応する導電性の細長い構造の抵抗部分と残りの部分の間の導電性の差により熱を生成することができる。この現象は、「抵抗加熱」として知られている。
【0011】
一実施形態では、抵抗部分121は、炭化チタンおよび炭化モリブデンなどの金属炭化物(metal carbide)で作ることができる。残りの部分122は、金属炭化物より高い導電性を有する少なくとも1つの材料で作ることができる。一実施形態では、残りの部分122は、カーボンナノチューブ(CNT)材料で作ることができる。CNTは、約1nmから約3nmまでの範囲の直径を有し、約数ナノメートルから約数十マイクロメートルまでの範囲の高さを有する規則的に配置された炭素原子の円筒形材料であってもよい。別の実施形態では、残りの部分122はグラフェンで作ることができる。グラフェンは、ハニカム結晶格子で密集して詰められたsp2−結合炭素原子の平面シートである。残りの部分122は、グラフェンの多数の積層を含むことができる。例えば、残りの部分122は、数個から数百個までの積層グラフェン層を含むことができる。
【0012】
一実施形態では、熱伝導性カラム130はそれぞれ、導電性の細長い構造120の抵抗部分121上に配置することができる。この配置では、各熱伝導性カラム130は、対応する熱伝導性カラムの上部にその下で抵抗部分121によって生成された熱を伝導することができる。これにより、各熱伝導性カラム130が、それ自体に接触しているまたは隣接しているあらゆる材料または構造を局所的に加熱することが可能になる。一実施形態では、熱伝導性カラム130は、高い熱伝導を有する少なくとも1つの材料で作ることができ、抵抗部分121より低い導伝性を有することができる。例えば、熱伝導性カラム130は、金属(例えば、アルミナ)、金属炭化物、または金属酸化物(例えば、インジウムスズ酸化物(ITO))などの熱伝導材料で作ることができる。
【0013】
一実施形態では、加熱デバイス100はさらに任意選択で、基板110上に少なくとも1つの絶縁層(図示せず)を含むことができる。一実施形態では、(1つまたは複数の)絶縁層は、導電性の細長い構造120の間に配置することができる。別の実施形態では、(1つまたは複数の)絶縁層は、導電性の細長い構造120を部分的にまたは完全に覆うことができる。(1つまたは複数の)絶縁層は、各導電性の細長い構造120を電気的に分離することができ、それによって、各導電性の細長い構造120の加熱を、少なくとも1つの外部電源によって個別に制御することができる。
【0014】
一実施形態では、基板110は、数センチメートルから数百センチメートルまでの範囲の辺長を有することができる。一実施形態では、各導電性の細長い構造120は、数十ナノメートルから数百ナノメートルまでの範囲の幅、および数マイクロメートルから数百センチメートルまでの範囲の長さを有することができる。導電性の細長い構造120は、約50nmから約500nmまでの範囲の距離だけ、互いに間隔を置いて配置することができる。単純にする目的で、図1A〜1Cは、3つの導電性の細長い構造の例示的な実施形態を示していることを理解すべきである。約50nmから約500nmまでの測長の辺長を有する矩形の形状を有する、導電性の細長い構造120の各抵抗部分121を形成することができる。一実施形態では、熱伝導性カラム130は、約50nmから約500nmまでの測長の幅、および数十ナノメートルから数百マイクロメートルまでの測長の高さを有することができる。
【0015】
図1A〜1Cに関して記載された加熱デバイス100およびその構成部品の構造および材料構成は、加熱デバイス100を実施することができるいくつかの様々な態様を示していることを理解すべきである。例えば、加熱デバイス100は図1A〜1Cに示すように、多数の導電性の細長い構造120を含むことができ、いくつかの他の実施形態では、加熱デバイス100は1つの導電性の細長い構造を有することができる。さらに、図1A〜1Cに示すように、多数の熱伝導性カラム130が各導電性の細長い構造120上に配置されているが、単一の熱伝導性カラムを導電性の細長い構造の全てまたはいくつかに配置することができる。図1A〜1Cに示すように、導電性の細長い構造120は、同じ長さを有することができ、互いにほぼ平行に配置することができる。しかし、各導電性の細長い構造120は(1つまたは複数の)異なる長さを有することができ、あらゆる様々な方法で配置することができることを理解すべきである。上に記載したように、各導電性の細長い構造120の加熱は、各導電性の細長い構造120を少なくとも1つの外部電源に接続することによって個別に制御することができる。(1つまたは複数の)外部電源は、導電性の細長い構造120の中から選択したものに電気信号(例えば、電圧信号)を選択的に供給することができ、それによって(1つまたは複数の)選択した導電性の細長い材料120上に配置された(1つまたは複数の)熱伝導性カラム130が加熱され、残りの(1つまたは複数の)熱伝導性カラム130は加熱されないままである。いくつかの実施形態では、加熱デバイス100は、加熱デバイス100のユーザが加熱される(1つまたは複数の)選択した熱伝導性カラム130を細かく制御することを可能にするように、より短い長さを備えた(1つまたは複数の)導電性の細長い構造120(および、したがって、上に配置されたより少ない数の(1つまたは複数の)熱伝導性カラム130)を備えることができる。加熱デバイス100を使用して、個別のナノサイズ領域のアレイに熱を局所的に加えることができる。このようなアレイの全パターンは、基板110上に導電性の細長い構造120および(1つまたは複数の)熱伝導性カラム130を配置する方法に左右される可能性がある。導電性の細長い構造120および(1つまたは複数の)熱伝導性カラム130は、加熱デバイス100によって加熱される個別のナノサイズ領域の所望の全パターンに実質的に対応する方法で配置することができる。
【0016】
図2および図3A〜3Fを参照して、加熱デバイスを製造する方法の例示的な実施形態をこれ以下に説明する。図2は、加熱デバイスを製造する方法の例示的な実施形態の例示的フロー図を示している。図3A〜3Fは、図2に示した方法のいくつかを示す一連の図である。特に、図3Aは、基板上に形成された多数の導電性の細長い構造の例示的な実施形態の断面図である。図3Bは、基板上に形成された絶縁層および多数の導電性の細長い構造の例示的な実施形態の断面図である。図3Cは、取除きプロセス後に露出される導電性の細長い構造の部分の例示的実施形態の断面図である。図3Dは、導電性の細長い構造の露出部分に化学反応体を与えることによって形成された抵抗部分の例示的な実施形態の断面図である。図3Eは、蒸着プロセスによって抵抗部分上にそれぞれ形成された熱伝導性カラムの例示的な実施形態の断面図である。図3Fは、絶縁層の取除き後にさらに露出される熱伝導性カラムの例示的な実施形態の断面図である。
【0017】
基板310を準備することができる(ブロック210)。基板310は、段落[0006]に記載された材料のいずれかを使用することによって準備することができる。少なくとも1つの導電性の細長い構造を基板310上に形成することができる。図3Aに示すように、多数の導電性の細長い構造320a〜320cを基板310上に形成することができる。(1つまたは複数の)導電性の細長い構造320a〜320cは、様々なナノ製造技術の1つを使用することによって形成することができる。このようなナノ製造技術の例としては、これに限らないが、(a)層形成/エッチング技術、または(b)液化技術(liquefaction techniques)が挙げられる。ブロック220のナノ製造技術に関する技術的詳細を、図4、5A、5B、6および7A〜7Dを参照して、以下により詳細に説明する。
【0018】
少なくとも1つの抵抗部分を、導電性の細長い構造320a〜320c内に形成することができる(ブロック230)。一実施形態では、図3Bに示すように、絶縁層325を基板310上に形成して、それで導電性の細長い構造320a〜320cを覆うことができる。絶縁層325は、シリカ、アルミナ、および二酸化ケイ素などの絶縁材料で作ることができ、当技術分野で知られている公知の蒸着技術(例えば、化学蒸着(CVD)技術)を利用することによって、基板310上に蒸着させることができる。さらに、絶縁層325は、当技術分野で知られている公知のマスキングおよびドライエッチング技術(例えば、フォトリソグラフィおよびプラズマエッチング)を利用することによってエッチングすることができる。約50nmから約500nmまでの測長の辺長を備えた矩形の形状を有する、エッチング部分の断面を形成することができる。
【0019】
図3Cに示すように、絶縁層325の少なくとも1つの部分を取り除いて、その下で導電性の細長い構造320a〜320cの少なくとも一部を露出させることができる。
【0020】
少なくとも1つの化学反応体30を、導電性の細長い構造320a〜320cの露出部分に提供することができる。化学反応体30は、導電性の細長い構造320a〜320cの露出部分と化学反応し、これらをより低い導電性を有する抵抗材料に変換することができる。化学反応30は、化学反応体30と導電性の細長い構造320a〜320cの露出部分の間の反応を容易にするように、所定の温度(例えば、約1100℃から約1500℃までの範囲の温度)で提供することができる。したがって、図3Dに示すように、抵抗部分321a〜321cを、導電性の細長い構造320a〜320cの露出部分に形成することができる。各抵抗部分321a〜321cは、少なくとも1つの導電性の細長い構造320a〜320cの残りの部分より低い導電性を有することができる。
【0021】
化学反応体30は、揮発性金属または非金属ハロゲン化物、金属塩化物、または揮発性金属または非金属酸化物などの材料で作ることができる。導電性の細長い構造320a〜320cがCNTまたはグラフェンで作られている実施形態では、化学反応体30はCNTまたはグラフェン内の炭素と化学反応し、炭素を炭化物に変換することができる。上記材料内の金属または非金属要素のタイプは、そこから得られる抵抗材料のタイプによって変化する可能性がある。例えば、塩化チタニウムおよび酸化モリブデンを使用して、それぞれ炭化チタニウムおよび炭化モリブデンで作られた抵抗部分321a〜321cを形成することができる。
【0022】
少なくとも1つの熱伝導性カラムを、少なくとも導電性の細長い構造320a〜320cの抵抗部分321a〜321c上に形成することができる(ブロック230)。一実施形態では、図3Eに示すように、熱伝導材料を導電性の細長い構造320a〜320cの露出部分に蒸着させることができる(導電性の細長い構造320a〜320cの露出部分の上に、熱伝導性カラム330a〜330cを形成するために抵抗部分321a〜321cが形成される)。さらに、別の実施形態では、図3Fに示すように、絶縁層325の少なくとも一部分を任意選択で取り除いて、熱伝導性カラム330a〜330cの少なくとも一部分をさらに露出させることができる。熱伝導性材料は、当技術分野で知られている蒸着技術(例えば、CVD)を使用することによって蒸着させることができる。さらに、絶縁層325は当技術分野で知られているマスキングおよびエッチング技術(例えば、フォトリソグラフィおよびプラズマエッチング)によって取り除くことができる。
【0023】
図4は、導電性の細長い構造を製造する例示的な実施形態の方法のフロー図を示している。図5Aおよび5Bは、図4に示した方法を示す一連の図である。特に、図5Aは基板上に蒸着された導伝性の材料で作られた層の例示的な実施形態の断面図であり、図5Bは基板上に形成された導電性の細長い構造を示す略図である。図4および5Aを参照して、導電性材料で作られた層515を基板510に形成することができる(ブロック410)。
【0024】
一実施形態では、導電性材料はCNT材料であってもよい。CNT材料は、様々な技術を使用することによって基板510上に蒸着させることができ、その2つを以下に説明する。第1の例では、CNT溶液(すなわち、脱イオン化水、アルカン、またはヘキサンなどの溶液中にCNTを分散させることによって調製される溶液)を基板510に付与し、その後、基板510を乾燥させることによって、CNT材料を基板510上に蒸着させることができる。当技術分野で知られている様々な技術を使用することによって、CNT溶液を基板510に付与することができる。このような技術の例としては、これに限らないが、スピンコーティングおよび浸漬コーティングが挙げられる。一実施形態では、CNTは、溶液中への効果的な分散のために界面活性剤または配位子で包むことができる。このような適用可能な表面活性剤の例としては、これに限らないが、1−オクタデシルアミンが挙げられる。界面活性剤で包まれたCNTで分散された溶液が使用される場合、このような溶液が付与された基板510を酸化環境で加熱して、CNTに付着した界面活性剤を取り除くことができる。
【0025】
第1の例では、基板510の上にCNT溶液を付与する前に、基板510の表面上にCNT溶液中の金属CNTを選択的に結合させるのを助けることができる少なくとも1つの化学材料で、基板510の表面を機能化することができる。このような化学材料の例としては、これに限らないが、フェニル末端シランが挙げられる。例えば、基板510を酸化物層(例えば、SiO層)で被覆し、その後、酸化物層を上記化学材料で機能化することができる。
【0026】
第2の例では、最初に、(a)数百マイクロメートルの高さの垂直に位置合わせされたCNTフォレストフィルムのアレイが、水アシスト型化学蒸着(CVD)技術(いわゆる、「超成長」プロセス)を使用することによって基板510上に形成される。その後、(b)その上にCNTフォレストフィルムが形成された基板510は、溶液(例えば、イソプロピルアルコール(IPA)溶液)を通して引かれて、垂直に位置合わせされたCNTを水平に向け直し、その後、窒素ガスを導入することによって乾燥される。上記プロセスは、密集して詰められたCNT層を作り出し、これはその上で行われるその後のフォトリソグラフィおよびエッチングプロセスに使用して、そこから(1つまたは複数の)導電性の細長い構造を形成することができる。
【0027】
別の実施形態では、導電性材料はグラフェンであってもよい。グラフェン材料は、当技術分野で知られている様々な技術を使用することによって、基板510上に蒸着させることができる。例えば、数個から数百個の層のグラフェンを、金属層(ベース構造上に形成することができる)上で成長させることができ、成長させたグラフェン層は基板510上に転写させることができる。
【0028】
図4および5Bを参照すると、基板510上の層515の(1つまたは複数の)部分を取り除いて、基板510上に(1つまたは複数の)導電性の細長い構造520a〜520c(これ以下、集合的に導電性の細長い構造520と呼ぶ)を形成することができる(ブロック520)。層515の部分は、当技術分野で知られているマスキングおよびエッチング技術(例えば、フォトリソグラフィおよびプラズマエッチング)を利用することによって取り除くことができる。
【0029】
図6は、導電性の細長い構造を製造する方法の別の例示的な実施形態のフロー図を示している。図7A〜7Dは、図6に示した方法を示す一連の図である。特に、図7Aは、基板上に配置された開始構造の例示的な実施形態の断面図である。図7Bは、基板上に配置されたスペーサ、およびスペーサ上に配置されたガイド構造の例示的な実施形態の断面図である。図7Cは、開始構造から形成された導電性の細長い構造の例示的な実施形態の断面図である。図7Dは、スペーサおよびガイド構造を取り除いた後の、基板および導電性の細長い構造の例示的な実施形態の断面図である。本実施形態では、液化(ガイドSPEL)技術によってガイド・セルフ・パーフェクション(guided self-perfection)を使用して、導電性の細長い構造を形成することができる。
【0030】
図6を参照すると、図7Aに示すように、開始構造715a〜715c(これ以下、集合的に開始構造715と呼ぶ)を基板710上に準備することができる(ブロック610)。図7Bに示すように、スペーサ716aおよび716b(これ以下、集合的にスペーサ716と呼ぶ)を基板710の両端部に形成することができる(ブロック620)。図7Bに示すように、プレート717などの(1つまたは複数の)ガイド構造をスペーサ716上に形成することができる(ブロック630)。図7Cに示すように、開始構造715を加熱して、そこから導電性の細長い構造720a〜720c(これ以下、集合的に導電性の細長い構造720と呼ぶ)を形成することができる(ブロック640)。一実施形態では、開始構造715の下および近くの材料を低温および固相に保持しながら、所望の材料を溶融させるためにエネルギーを選択的に与える、フラッドまたはマスクビームのいずれかで、特定の波長(例えば、約290nmから320nmまでの波長)のパルスレーザを使用することによって、開始構造715を加熱することができる。開始構造715が加熱されると、溶融される。溶融した開始構造715とガイド構造717の間の相互作用により、溶融した開始構造715を液体表面張力に対抗して上昇させ、ガイド構造717に到達させることができ、それによりほぼ垂直に形成された導電性の細長い構造720を形成することができる。図7Dに示すように、スペーサ716およびガイド構造717を取り除くことができる(ブロック650)。
【0031】
本開示により準備された加熱デバイスは、様々なタイプのナノ構造(例えば、ナノドット、ナノワイヤ、ナノチューブ、ナノロッド、ナノリボン、ナノテトラポッドなど)およびそのアレイを製造する際に使用することができる。図8は、加熱デバイスを使用してナノドットアレイを製造する方法の例示的な実施形態の例示的フロー図を示している。図9A〜9Cは、図8に示した方法のいくつかを示す一連の図である。特に、図9Aは、電源に接続された加熱デバイスの例示的な実施形態の断面図である。図9Bは、基板上に配置されたポリマーフィルム上に下向きに押された加熱デバイスの熱伝導性カラムの例示的な実施形態の断面図である。図9Cは、フィルムの未硬化部分が取り除かれた後に、基板上に残っている熱硬化部分またはナノドットのアレイの例示的な実施形態の断面図である。
【0032】
図8を参照すると、加熱デバイス900を電源9に電気接続して、加熱デバイス900の抵抗部分の少なくともいくつか、したがって、抵抗部分上の少なくとも1つの熱伝導性カラムを加熱することができる(ブロック810)。図9Aに示すように、加熱デバイス900は、基板910と、(抵抗部分921aおよび残りの部分922aを有する導電性の細長い構造920aを含む)少なくとも1つの導電性の細長い構造と、(抵抗部分921a上にそれぞれ配置された熱伝導性カラム930aを含む)少なくとも1つの熱伝導性カラムとを備えている。
【0033】
一実施形態では、電源9を(1つまたは複数の)導電性の細長い構造(例えば、導電性の細長い構造920a)に電気接続させることができ、その上に、加熱される熱伝導性カラム(例えば、熱伝導性カラム930a)が配置される。1つの電源9だけが図9Aに示されているが、2つ以上の電源を使用することもできる。様々な切換機構の少なくとも1つを追加で利用して、(1つまたは複数の)電源に加熱デバイスの導電性の細長い構造のいくつかを選択的に電気接続させることができる。これにより、加熱デバイス内で(1つまたは複数の)所望の熱伝導性カラムだけを選択的に加熱することが可能になる。このような切換機構は、当技術分野でよく知られており、本明細書ではさらなる説明の必要なく達成することができる。
【0034】
加熱した熱伝導性カラムをフィルムと接触させるように配置して、フィルム内に少なくとも1つの熱硬化部分を作り出すことができる(図8のブロック820)。図9Bに示すように、加熱デバイス900の(熱伝導性カラム930aを含む)熱伝導性カラムは、基板970上に配置されたポリマーフィルム960の上に下向きに押し付けることができる。(熱伝導性カラム930aを含む)熱伝導性カラムは、所定の温度(例えば、約200℃から約300℃までの範囲の温度)までポリマーフィルム960の部分を局所的に加熱して、(熱硬化部分961を含む)熱硬化部分を形成する。熱伝導性カラム930aは本実施形態ではポリマーフィルム960と接触して配置されていると記載されているが、他の実施形態では、熱伝導性カラム930aをポリマーフィルム960に隣接させて、または近接させて配置することができることを理解すべきである。
【0035】
さらに、加熱デバイスの形状によって、加熱デバイスを様々な方法のいずれかを使用してフィルムの上に押し付けることができる。図9Bに示された加熱デバイス900は矩形の形状であるが、他の実施形態では、加熱デバイスは、加熱デバイスの横部分上に形成された熱伝導性カラムを備えた円筒形の形状(すなわち、加熱ローラ)を有することができる。このような実施形態では、加熱デバイスを大きな平面フィルム上に連続して転動させて、その後、そこに一連の熱硬化部分を形成することができる。
【0036】
フィルムの残りの部分を取り除いて、ナノドットのアレイ(それぞれフィルム内の熱硬化部分に対応するナノドット)を形成することができる(図8のブロック830)。フィルムの残りの部分(すなわち、未硬化部分)を、当技術分野で従来から知られている方法で取り除くことができる。例えば、溶液をフィルムに付与することができ、それによって溶液は、フィルムの未硬化部分を溶解または分散させることができる。例えば、図9Cに示すように、熱硬化部分またはナノドット961のアレイは、このような取り除き操作が行われた後に、基板970の上に残っているままである。
【0037】
図10は、加熱デバイスを使用してナノワイヤアレイを製造する方法の例示的な実施形態の例示的フロー図を示している。図11A〜11Eは、図10に示された方法のいくつかを示す一連の図である。図11Aは、電源に接続された加熱デバイスの例示的な実施形態の断面図である。図11Bは、基板、およびその上に準備されたナノ構造触媒のアレイの例示的な実施形態の断面図である。図11Cは、基板上に配置されたナノ構造触媒に隣接して配置された加熱デバイスの熱伝導性カラムの例示的な実施形態の断面図である。図11Dは、基板上に形成された液体ナノ構造触媒クラスタのアレイの例示的な実施形態の断面図である。図11Eは、液体ナノ構造触媒クラスタの下でそれぞれ成長されたナノワイヤのアレイの例示的な実施形態の断面図である。
【0038】
図10を参照すると、加熱デバイス1100を電源11に接続して、加熱デバイスの抵抗部分および少なくとも1つの熱伝導性カラムの少なくともいくつかを加熱することができる(ブロック1010)。図11Aに示すように、加熱デバイス1100は、基板1110と、(抵抗部分1121aおよび残りの部分1122aを有する導電性の細長い構造1120aを含む)少なくとも1つの導電性の細長い構造と、(抵抗部分1121a上にそれぞれ配置された熱伝導性カラム1130aを含む)少なくとも1つの熱伝導性カラムとを備えている。
【0039】
図11Bに示すように、少なくとも1つのナノ構造触媒(ナノ構造触媒1185を含むナノ構造触媒のアレイ)を、基板1180の上に準備することができる(図10のブロック1020)。ナノ構造触媒1185は、当技術分野で知られている様々な技術のいずれかを使用して準備することができる。例えば、(a)レジストパターンを基板1180の部分の上に形成して、基板1180の他の部分を覆わないままにし、(b)ナノ構造触媒材料を基板1180のレジスト部分および覆われていない部分上に蒸着させることができ、(c)基板1180からレジスト部分およびその上に蒸着されたナノ構造触媒材料を選択的に取り除く(例えば、持ち上げる)。
【0040】
図11Bに関する実施形態は、基板1180上にナノ構造触媒(例えば、ナノ構造触媒1185)のアレイを準備するが、いくつかの他の実施形態では、基板1180の全てまたはいくつかを覆うナノ構造触媒材料の層だけを使用することもできる。一実施形態では、液相の場合に異なる材料の蒸気を吸着することができ、そこから吸着した材料の結晶成長が起こる可能性がある材料を、ナノ構造触媒材料として使用することができる。このようなナノ構造触媒材料の例としては、これに限らないが、金属(例えば、金、鉄、コバルト、銀、マンガン、モリブデン、ガリウム、アルミニウム、チタニウム、およびニッケル)、塩化物、または金属酸化物が挙げられる。
【0041】
図11Cおよび11Dに示すように、(熱伝導性カラム1130aを含む)加熱した熱伝導性カラムを、少なくとも1つのナノ構造触媒(例えば図11Cのナノ構造触媒1185を含むナノ構造触媒のアレイ)の近くに配置して、そこから少なくとも1つの液体ナノ構造触媒クラスタ(例えば、図11Dの液体ナノ構造触媒クラスタ1185を含む液体ナノ触媒クラスタのアレイ)を形成することができる(図10のブロック1130)。いくつかの実施形態では、ナノ構造前駆体物質を加えて、上記加熱プロセスが行われる前に、その間に、またはその後に、ナノ構造触媒1185の融点を下げることができる。一実施形態では、ケイ素含有材料をナノ構造前駆体物質として使用することができる。
【0042】
図11Eに示すように、ナノ構造(例えば、ナノワイヤ1195)を、少なくとも1つの液体ナノ構造触媒クラスタ(例えば、液体ナノ構造触媒クラスタ1185)から成長させることができる(図10のブロック1140)。一実施形態では、様々な触媒技術を使用することによって、ナノワイヤ1195を成長させることができ、異なる材料のナノワイヤを形成する際に、1つの材料の(1つまたは複数の)触媒を使用する。このような技術の例としてはこれに限らないが、気相−固相(VS)技術および気相−液相−固相(VLS)技術が挙げられる。例えば、気体混合物(例えば、SiHおよびHを含む気体混合物)を含むケイ素(Si)を導入して、ナノ構造触媒クラスタ1185の下にナノワイヤ1195を成長させることができる。Siが気体混合物から供給されると、ナノ構造触媒クラスタ1185は、Siで過飽和させることができ、余分なSiはナノ構造触媒クラスタ1185から沈殿して、ナノ構造触媒クラスタ1185の下にSiナノワイヤ1195を形成することができる。成長が完了した後に、ナノワイヤ1195上のナノ構造触媒クラスタ1185を取り除くことができる。
【0043】
本開示による加熱デバイスを、図8、9A〜9C、10、および11A〜11Eに関連して記載したもの以外のナノ構造製造プロセスで使用することができることを理解すべきである。他の応用例としてはこれに限らないが、重合およびナノはんだ付けプロセスが挙げられる。重合の例では、加熱デバイスを使用して、ポリマーフィルムの部分を選択的に加熱して、加熱された部分内の熱活性開始剤を活性化させることができ、加熱した部分の重合を開始させる。ナノはんだ付けの例では、加熱デバイスを使用して、多数のナノ材料の間に置かれた金属粒子を加熱して、金属粒子で多数のナノ材料をはんだ付けすることができる。
【0044】
当業者は、本明細書に開示したこのようなおよび他のプロセスおよび方法で、プロセスおよび方法で行われる機能を異なる順序で実施することができることが分かるだろう。さらに、概略を示したステップおよび操作は、例として与えられただけであり、ステップおよび操作のいくつかは、開示した実施形態の本質から逸脱することなく、任意選択であり、より少ないステップおよび操作に組み合わせる、または追加のステップおよび操作に拡張させることができる。
【0045】
本開示は、様々な態様の例示を意図した、本応用例で記載された特定の実施形態の点で限定されるものではない。当業者には明らかなように、その趣旨および範囲から逸脱することなく多くの変更および変形を行うことができる。開示の範囲内の機能的に等価の方法および装置は、本明細書で挙げたものに加えて、前述の説明から当業者には明らかだろう。このような変更および変形は、添付の特許請求の範囲内に含まれることを意図している。本開示は、このような特許請求の範囲が権利を与えられた等価物の完全な範囲と共に、添付の特許請求の範囲の用語でのみ限定されるものである。本開示は、もちろん変更可能である、特定の方法、試薬、化合物組成または生物学系に限るものではないことを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のみであり、限定することを意図したものではないことを理解されたい。
【0046】
本明細書における実質的に全ての複数形および/または単数形の用語の使用に対して、当業者は、状況および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、本明細書で明確に説明することができる。
【0047】
通常、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体部)において使用される用語は、全体を通じて「オープンな(open)」用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(例えば、用語「含む(including)」は、「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。導入される請求項で具体的な数の記載が意図される場合、そのような意図は、当該請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、理解の一助として、添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含む場合がある。しかし、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入される請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、単に1つのそのような記載を含む実施形態に限定する、ということを示唆していると解釈されるべきではない(例えば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するのに使用される定冠詞の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載で具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(例えば、他の修飾語なしでの「2つの記載(two recitations)」の単なる記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、BおよびC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。「A、B、またはC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、当該用語の一方(one of the terms)、当該用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、句「AまたはB」は、「A」または「B」あるいは「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。
【0048】
加えて、開示の特徴または態様がマーカッシュグループで記載されている場合、当業者は、開示はまた、それによってマーカッシュグループのあらゆる個別のメンバーまたはメンバーのサブグループに関して記載されていることが分かるだろう。
【0049】
当業者には分かるように、記載した説明を与える点などのあらゆるおよび全ての目的で、本明細書に開示した全ての範囲はまた、あらゆるおよび全ての可能なサブ範囲およびそのサブ範囲の組合せを含む。あらゆる挙げた範囲は、少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分けられている同じ範囲を十分に説明するおよび可能にするものとして容易に分かる。非限定的な例として、本明細書に論じた各範囲は、下側3分の1、中間3分の1、および上側3分の1などに容易に分けることができる。また当業者に分かるように、「最大」、「少なくとも」などの全ての用語は、言及した数字を含むものであり、上に論じたようにサブ範囲にその後に分けることができる範囲のことを言う。最後に、当業者によって分かるように、範囲は各個別のメンバーを含む。したがって、例えば、1〜3のセルを有するグループは、1、2または3のセルを有するグループのことを言う。同様に、1〜5のセルを有するグループは、1、2、3、4または5のセルなどを有するグループのことを言う。
【0050】
前述のことから、本開示の様々な実施形態が、例示する目的で本明細書に記載されており、様々な変更を本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく行うことができることが分かるだろう。したがって、本明細書に開示された様々な実施形態は限定することを意図したものではなく、真の範囲および趣旨が以下の特許請求の範囲によって示されている。
【図1A】

【図1B】

【図1C】

【図3A】

【図3B】

【図3C】

【図3D】

【図3E】

【図3F】

【図5A】

【図5B】

【図7A】

【図7B】

【図7C】

【図7D】

【図9A】

【図9B】

【図9C】

【図11A】

【図11B】

【図11C】

【図11D】

【図11E】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置された少なくとも1つの導電性の細長い構造であって、前記少なくとも1つの導電性の細長い構造の残りの部分より低い導電性を有する少なくとも1つの抵抗部分を含む、少なくとも1つの導電性の細長い構造と、
前記少なくとも1つの導電性の細長い構造の前記少なくとも1つの抵抗部分上に配置された少なくとも1つの熱伝導性カラムとを備えた加熱デバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つの導電性の細長い構造の表面の少なくとも一部分を覆うように、前記基板上に配置された絶縁層をさらに備えた、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの導電性の細長い構造の前記残りの部分が、カーボンナノチューブ(CNT)またはグラフェンを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つの導電性の細長い構造の前記抵抗部分が、金属炭化物を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つの熱伝導性カラムが、アルミナ、金属炭化物、または金属酸化物を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記基板が少なくとも1つのエラストマー材料を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
加熱デバイスを製造する方法であって、
基板上に少なくとも1つの導電性の細長い構造を形成することと、
前記少なくとも1つの導電性の細長い構造の残りの部分より低い導電性を有する少なくとも1つの抵抗部分を前記少なくとも1つの導電性の細長い構造に形成することと、
前記少なくとも1つの導電性の細長い構造の前記抵抗部分上に少なくとも1つの熱伝導性カラムをそれぞれ形成することとを含む方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの導電性の細長い構造を形成することが、
前記基板上にカーボンナノチューブ(CNT)またはグラフェンを蒸着させることと、
前記CNTまたは前記グラフェンの部分を取り除いて、前記基板上に前記少なくとも1つの導電性の細長い構造を形成することとを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの導電性の細長い構造を形成することが、
前記基板上に導電性材料で作られた第1の層を形成することと、
前記第1の層の少なくとも一部分を取り除いて、前記少なくとも1つの導電性の細長い構造を形成することとを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの導電性の細長い構造を形成することが、液化技術を行って、前記基板上に前記少なくとも1つの導電性の細長い構造を形成することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの抵抗部分を形成することが、
前記基板上に絶縁層を形成して、それで前記少なくとも1つの導電性の細長い構造を覆うことと、
前記絶縁層の少なくとも一部分を取り除いて、その下に前記導電性の細長い構造の少なくとも一部分を露出させることと、
少なくとも1つの化学反応体を前記導電性の細長い構造の前記露出部分に与えることとを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの熱伝導性カラムをそれぞれ形成することが、
前記導電性の細長い構造の前記露出部分上に熱伝導材料を蒸着して、前記少なくとも1つの熱伝導性カラムを形成することと、
前記絶縁層の少なくとも一部分を取り除いて、前記少なくとも1つの熱伝導性カラムの少なくとも一部分をさらに露出させることとを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの導電性の細長い構造の前記抵抗部分が、金属炭化物で作られている、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記熱伝導性カラムの材料が、アルミナ、金属炭化物、または金属酸化物を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つのエラストマー材料から前記基板を製造することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項16】
ナノ構造を製造する方法であって、
加熱デバイスを準備することであって、前記加熱デバイスが、少なくとも1つの導電性の細長い構造であって、前記少なくとも1つの導電性の細長い構造の残りの部分より低い導電性を有する少なくとも1つの抵抗部分を備えた、少なくとも1つの導電性の細長い構造と、前記少なくとも1つの導電性の細長い構造の前記抵抗部分上にそれぞれ配置された少なくとも1つの熱伝導性カラムとを含む、準備することと、
前記加熱デバイスを電源に接続して、前記抵抗部分および前記少なくとも1つの熱伝導性カラムの少なくともいくつかを加熱することとを含む方法。
【請求項17】
前記加熱した熱伝導性カラムをフィルムに接触して配置して、前記フィルム内に少なくとも1つの熱硬化部分を作り出すことと、
前記フィルムの残りの部分を取り除くこととをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
基板上に少なくとも1つのナノ構造触媒を準備することと、
前記少なくとも1つのナノ構造触媒の近くに前記加熱した熱伝導性カラムを配置して、少なくとも1つの液体ナノ構造触媒クラスタを形成することと、
前記少なくとも1つの液体ナノ構造触媒クラスタからナノ構造を成長させることとをさらに含む、請求項16に記載の方法。

【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図8】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−503437(P2013−503437A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526661(P2012−526661)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【国際出願番号】PCT/KR2010/005758
【国際公開番号】WO2011/025288
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(510056353)コリア・ユニバーシティ・リサーチ・アンド・ビジネス・ファウンデーション (15)
【Fターム(参考)】