説明

ナースコール親機

【課題】 同じ形をした複数の個別選局部が縦方向や横方向に隙間無く並列配置されていても個別選局部を見やすくする。
【解決手段】 親機本体11に病室表示枠14を装着すると、装着された所定の範囲の個別選局部12が一つの病室とされ、枠部14aにより覆われる部分により病室との間が区切られて、開口部14bにより露出された個別選局部12は、病室内の病床の配置と同一になる。枠部14aの位置を示す第一の位置情報、開口部14bの位置を示す第二の位置情報、患者が居る病室および病床を特定するための病室情報および各情報を読み取った読取部13に対応する個別選局部12の位置を示す第三の位置情報から、枠部14aにより覆われた個別選局部12の位置情報を取得するとともに、開口部14bにより露出された個別選局部12の位置情報と第二の位置情報に対応するベッド番号情報とを取得して関連付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院などで患者からの呼び出しを医師や看護師などの医療従事者に伝達するためのナースコール親機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナースコールシステムでは、病室内の患者の近辺(例えば、ベッド近傍など)に設置されたナースコール子機および医療従事者の居る部屋(例えば、スタッフルームなど)に設置されたナースコール親機を有線などにより接続している。そして、ナースコールシステムでは、患者がナースコール子機を操作することにより、ナースコール親機に設けられた報知部を動作させて、スピーカから呼び出し音を出力させたり、表示ディスプレイなどに呼び出し表示を行わせたりして、呼び出しを報知している。医療従事者は、呼び出し音を聞いたり、呼び出し表示を見たりして、患者からの呼び出しを把握する。呼び出しを把握した医療従事者は、ナースコール親機に設けられた受話器により呼び出しに応答することができる。ここで、ナースコール親機には、複数のナースコール子機が接続されている。
【0003】
また、ナースコール親機には、複数のナースコール子機にそれぞれ対応する複数の個別選局部を並列配置するボード形ナースコール親機がある(例えば、特許文献1など)。ここで、個別選局部は、患者の氏名が表示された氏名カードを装着している。また、個別選局部は、医療従事者が患者を呼び出すときなどにナースコール子機を指定するための選局ボタンと各ナースコール子機から呼び出しがあったことを表示する呼出表示ランプとを備えている。また、個別選局部は、患者のベッド番号が表示されたベッド番号カードを装着している。なお、選局ボタンと呼出表示ランプとを一体的に形成しても良いし、氏名カードとベッド番号カードとを一体的に形成しても良い。また、氏名やベッド番号の表示は、カード以外の方法(例えば、シールの貼付やペンによる書き込みなど)であっても良い。
【特許文献1】特開平11−290402号公報
【0004】
特許文献1に記載のナースコール親機では、複数の個別選局部(選局ボタン類)を横一列に配して分割選局ユニットを構成し、複数の分割選局ユニットを組み合わせて使用するようにしている。また、特許文献1に記載のナースコール親機のように構成されているボード形ナースコール親機では、ベッド番号などの順番になるように個別選局部が設定されている。ここで、個別選局部の設定とは、個別選局部とナースコール子機とを対応付けることを示し、この対応付けは、主にナースコールシステムを設置するための専門の知識を持つ工事担当者などにより行われる。しかしながら、特許文献1に記載のナースコール親機では、ベッド番号などの順番になるように個別選局部が設定されているものの、同じ形をした複数の個別選局部が縦方向や横方向に隙間無く並列配列されているため、医療従事者は、個別選局部が見にくくなってしまうという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、同じ形をした複数の個別選局部が縦方向や横方向に隙間無く並列配置されていても個別選局部を見やすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明のナースコール親機では、並列配置された複数の個別選局部のうち、所定の範囲の個別選局部を覆う病室表示枠の枠部により覆われた個別選局部の位置を示す第一の位置情報と病室表示枠の枠部により覆われていない個別選局部の位置を示す第二の位置情報と患者が居る病室および病床を特定するための病室情報とを保持しておき、病室表示枠を装着すると、病室表示枠が装着された個別選局部の位置を示す第三の位置情報を保持する読取部が各情報を読み取る。そして、第一の位置情報および第三の位置情報から病室表示枠の枠部により覆われた個別選局部の位置を特定するようにしている。一方、第二の位置情報、第三の位置情報および病室情報から病室表示枠の開口部により露出された個別選局部の位置および露出された個別選局部における患者の位置を特定するようにしている。
【発明の効果】
【0007】
上記のように構成した本発明によれば、個別選局部に病室表示枠を装着すると、縦方向や横方向に並列配置されている複数の個別選局部は、枠部により所定の範囲の個別選局部が覆われるので、縦方向や横方向に隙間が設けられて病室毎に区切られる。また、複数の個別選局部は、病室内の病床の配置と同一になるように開口部により露出されるので、医療従事者は、個別選局部がどの病室のどの患者の病床であるのかを容易に把握することができる。これにより、同じ形をした複数の個別選局部が縦方向や横方向に隙間無く並列配置されていても、個別選局部を見やすくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態によるナースコール親機を含むナースコールシステムの構成例を示すブロック図を図1に示す。同図に示すように、ナースコールシステムは、ナースコール子機1、ナースコール親機10を備えて構成されている。また、ナースコール親機10は、親機本体11、病室表示枠14を備えて構成されている。また、親機本体11は、個別選局部12(12a、12b・・・12n)、読取部13(13a、13b・・・13n)、制御部OY1、判定部OY2、インターフェース(以下、I/Fとする)部OY3を備えて構成されている。また、病室表示枠14は、情報保持部15を備えて構成されている。
【0009】
ナースコール子機1は、病室内の患者の近辺(例えば、ベッド近傍など)に設置されており、患者が呼出ボタンなどの呼出操作部(図示せず)を操作すること(換言すると、ナースコール子機1による呼び出し操作)により、医療従事者に対して呼び出しを行うための呼出信号を親機本体11へ出力する。ここで、ナースコール子機1は、自装置が設置されている病床のベッド番号を示すベッド番号情報を呼出信号に含める。ナースコール子機1が呼出信号を出力した後、呼び出し操作を行ったナースコール子機1は、呼び出し操作ができない状態となる。この状態で、親機本体11にて呼び出し操作に対する応答が行われると、ナースコール子機1を呼び出し操作ができる状態に戻すための復旧信号が親機本体11から出力される。親機本体11から出力された復旧信号を入力したナースコール子機1は、呼び出し操作ができる状態に戻る。また、ナースコール子機1と親機本体11との間で通話路が形成される。これにより、患者は、呼び出しに応答した医療従事者と通話することができる。
【0010】
また、ナースコール子機1は、医療従事者が所望の患者を呼び出して通話を行うための操作を親機本体11で行うこと(換言すると、親機本体11による子機呼び出し操作)により親機本体11から出力された子機呼出信号を入力する。親機本体11から出力された子機呼出信号を入力したナースコール子機1は、呼び出しを報知する。そして、ナースコール子機1と親機本体11との間で通話路が形成される。これにより、医療従事者は、所望の患者と通話することができる。ここで、本実施形態のナースコール子機1としては周知のナースコール子機を使用するため、ナースコール子機1の具体的な構成および処理の説明は省略する。また、ナースコール子機1は、親機本体11に伝送線を介して接続されている。
【0011】
ナースコール親機10は、医療従事者の居る部屋(例えば、スタッフルームなど)に設置されており、患者からの呼び出しに応答したり、患者を呼び出したりするためのものである。親機本体11は、図2(a)に示すように、複数の個別選局部12a、12b・・・12nを縦方向や横方向に並列配置した所謂ボード形ナースコール親機である。また、親機本体11には、複数のナースコール子機1が接続されている。また、親機本体11とナースコール子機1との間には、図示しない制御機および廊下灯が設置されている。制御機は、ナースコール子機1と親機本体11との間の通話やデータの送受信に関する制御を行う。また、廊下灯は、自装置に設けた表示灯を点灯または点滅させてナースコール子機1による呼び出しを報知する。
【0012】
個別選局部12(12a、12b・・・12n)は、呼び出しを行った患者を表示したり、病室に居る患者を指定する(換言すると、病室に居る患者を呼び出す)ために医療従事者により操作されたりするためのものである。ここで、個別選局部12は、病室内の病床を識別するためのベッド番号が表示されたベッド番号カードを挿入するためのベッド番号カードホルダー121とその病床を使用する患者の氏名が表示された氏名カードを挿入するための氏名カードホルダー122とを備える。また、個別選局部12は、呼び出し操作を行った患者を表示したり、医療従事者が呼び出す患者を指定したりする呼出表示ランプ兼選局ボタン123を備える。また、病室表示枠14が親機本体11に装着され、露出した個別選局部12にベッド番号および患者が割り振られると、ベッド番号カードホルダー121には、その個別選局部12に該当するベッド番号カードが挿入され、氏名カードホルダー122には、その個別選局部12に該当する氏名カードが挿入される。また、複数の個別選局部12a、12b・・・12nの左右両側に余白を設けており、さらに左側の余白には、個別選局部12a、12b・・・12nに対応するように読取部13a、13b・・・13nを設けている。
【0013】
読取部13(13a、13b・・・13n)は、所謂ICタグリーダーである。情報保持部15が読み取り可能な距離に近づいた場合に、読取部13は、情報保持部15と通信して情報保持部15が保持している情報を読み取る。
【0014】
病室表示枠14は、親機本体11の複数の個別選局部12a、12b・・・12nのうち、所定の範囲の個別選局部12を一つの病室として他の病室と区切るためのものである。ここで、病室表示枠14は、すべての病室に対して用意されている。また、病室表示枠14は、図2(b)に示すように、枠部14a、開口部14bを備えて構成されている。枠部14aは、所定の範囲の個別選局部12のうち、一部の個別選局部12を覆うカバー状のものである。ここで、枠部14aの上部分および下部分には、少なくとも個別選局部12の一行分の幅がある。また、枠部14aの左上の角付近には、情報保持部15が設けられている。開口部14bは、枠部14aにより覆われていない個別選局部12が実際の病室の病床の配置と同一になるように、個別選局部12の表面を露出させるものである。例えば、四床の病床が配置されている病室を出入口から見て左手前、左奥、右奥、右手前に病床が配置されている場合、その病室に該当する病室表示枠14の開口部14bは、縦二行横二列の四つ分の個別選局部12を露出する大きさになっている。
【0015】
情報保持部15は、所定の範囲における個別選局部12の位置を仮想的に保持している。具体的には、所定の範囲における枠部14aの位置を示す第一の位置情報と、所定の範囲における枠部14aにより覆われていない開口部14bの位置を示す第二の位置情報と、患者が居る病室および病床を特定するための病室情報とを保持している。ここで、所定の範囲における個別選局部12の位置には、図2(b)に示すように、縦方向に1、2・・・と行アドレスが割り振られており、横方向にa、b・・・と列アドレスが割り振られている。第一の位置情報の値および第二の位置情報の値は、行アドレスと列アドレスとを組み合わせたものにより示される。
【0016】
例えば、行アドレスと列アドレスとを組み合わせたものがa1であり、a1が第一の位置情報の値であれば、a列の一行目に枠部14aが存在していることを示す。また、行アドレスと列アドレスとを組み合わせたものがa2であり、a2が第二の位置情報の値であれば、a列の二行目に開口部14bが存在していることを示す。また、ある病室(4人部屋の病室である)の病室番号が201で、その病室内の病床を識別するためのベッド番号が病室の出入口から見て左手前、左奥、右奥、右手前という順番でbd1〜bd4と割り振られていたとする。この例における、第一の位置情報の値は、a1、a4、b1、b4であり、第二の位置情報の値は、a2、a3、b2、b3であり、病室情報の値は、201、bd1、bd2、bd3、bd4である。これらの情報が情報保持部15に保持されている。このとき、第二の位置情報とこれに対応するベッド番号とが関連付けて保持される。具体的には、病室の左手前の病床のベッド番号bd1に対して、開口部14bの左下の個別選局部12を示す第二の位置情報の値a3が関連付けられる。また、病室の左奥の病床のベッド番号bd2に対して、開口部14bの左上の個別選局部12を示す第二の位置情報の値a2が関連付けられる。また、病室の右奥の病床のベッド番号bd3に対して、開口部14bの右上の個別選局部12を示す第二の位置情報の値b2が関連付けられる。また、病室の右手前の病床のベッド番号bd4に対して、開口部14bの右下の個別選局部12を示す第二の位置情報の値b3が関連付けられる。
【0017】
また、情報保持部15は、所謂ICタグであり、情報保持部15と読取部13とが無線通信可能となる距離に近づいた際に無線を介して読取部13と接続される。情報保持部15と接続された読取部13は、情報保持部15が保持している第一の位置情報と第二の位置情報と病室情報とを読み取る。ここで、情報保持部15の構造や情報保持部15から読取部13への各情報の送信処理は、周知の技術を用いる。
【0018】
このように構成されている読取部13と情報保持部15とが無線通信可能となる距離は、情報保持部15が少なくとも読取部13に接触する距離であることが好ましい。すなわち、病室表示枠14が親機本体11に装着されていることを示す。また、複数の個別選局部12a、12b・・・12nが設置されている位置には、縦方向に1、2・・・と行アドレスが割り振られており、横方向にA、B・・・と列アドレスが割り振られている。個別選局部12の位置は、行アドレスと列アドレスとを組み合わせたものにより示される。例えば、行アドレスと列アドレスとを組み合わせたものがA1であれば、A列の一行目に位置する個別選局部12を示す。読取部13は、行アドレスと列アドレスとを組み合わせた値を、対応する個別選局部12の位置を示す第三の位置情報(例えば、A1など)として保持している。
【0019】
制御部OY1は、親機本体11を後述するように制御する。判定部OY2は、読取部13が情報保持部15に保持されている第一の位置情報と第二の位置情報と病室情報とを読み取ったか否かを判定する。病室表示枠14が親機本体11に装着されて、読取部13が情報保持部15に保持されている第一の位置情報と第二の位置情報と病室情報とを読み取ったと判定部OY2にて判断した場合に、制御部OY1は、読取部13が読み取った第一の位置情報と第二の位置情報と病室情報と各情報を読み取った読取部13が保持している第三の位置情報とを取得する。
【0020】
制御部OY1は、各情報を取得すると、取得した第一の位置情報および第三の位置情報から、枠部14aにより覆われた個別選局部12の位置を特定する。例えば、第一の位置情報の値がa1、a4、b1、b4であり、第三の位置情報の値がA1である場合、a1がA1に対応するため、a4がA4に、b1がB1に、b4がB4にそれぞれ対応する。また、制御部OY1は、特定された個別選局部12の動作を後述するように無効とする。また、制御部OY1は、取得した第二の位置情報、第三の位置情報および病室情報から、開口部14bにより露出された個別選局部12の位置と病室内の病床の配置とを特定する。
【0021】
例えば、第二の位置情報の値がa2、a3、b2、b3であり、第三の位置情報の値がA1である場合、a1がA1に対応し、a2がa1の下に存在するため、a2がA2に対応する。同様に、a3がA3に、b2がB2に、b3がB3にそれぞれ対応する。また、ベッド番号が病室の出入口から見て左手前、左奥、右奥、右手前という順番でbd1〜bd4が割り振られており、病室情報の値が201、bd1、bd2、bd3、bd4である場合、病室の左奥の病床のベッド番号bd2は、a1に対応するためA2に対応する。また、病室の左手前の病床のベッド番号bd1は、a3に対応するためA3に対応する。また、病室の右奥の病床のベッド番号bd3は、b2に対応するためB2に対応する。また、病室の右手前の病床のベッド番号bd4は、b3に対応するためB3に対応する。それに併せて、制御部OY1は、特定された個別選局部12の動作を後述するように有効とする。ここで、個別選局部12の動作とは、呼出表示ランプ兼選局ボタン123の動作を示す。
【0022】
このように、各ベッド番号に対応する個別選局部12が特定されると、制御部OY1は、ベッド番号を示すベッド番号情報と患者を識別するための患者情報(例えば、患者の氏名など)とを予め対応付けて記憶しておいた記憶部(図示せず)を参照することで、ベッド番号情報に対応付けられて記憶部に記憶されている患者情報を取得することができる。従って、開口部14bにより露出された個別選局部12に該当する患者情報が特定される。これにより、開口部14bにより露出された個別選局部12の配置は、病室内の病床の配置と同一になるので、病室表示枠14を親機本体11に装着するだけで、医療従事者は、複数の個別選局部12a、12b・・・12nの設定を容易に行うことができる。
【0023】
設定の終了後、開口部14bにより露出された個別選局部12のベッド番号カードホルダー121には、その個別選局部12に該当するベッド番号カードが挿入される。また、開口部14bにより露出された個別選局部12の氏名カードホルダー122には、その個別選局部12に該当する氏名カードが挿入される。
【0024】
I/F部OY3は、親機本体11がナースコール子機1との間で通信するために図示しない子機用I/F部に接続されている。ここで、I/F部OY3は、ナースコール子機1から出力された呼出信号を入力するとともに、子機呼出信号、復旧信号をナースコール子機1へ出力する。
【0025】
病室表示枠14が親機本体11に装着されると、制御部OY1は、取得した病室情報に含まれている病室番号を示す病室番号情報を記憶部に記憶させる。そして、制御部OY1は、全ての病室の病室番号を示す病室番号情報が記憶部に記憶されているか否か(換言すると、全ての病室に該当する病室表示枠14が親機本体11に装着されたか否か)を判定する。全ての病室の病室番号を示す病室番号情報が記憶部に記憶されている(換言すると、全ての病室に該当する病室表示枠14が親機本体11に装着された)と制御部OY1が判断した場合に、制御部OY1は、後述の処理を行う。ここで、制御部OY1は、全ての病室に該当する病室表示枠14が親機本体11に装着されるまで、この判定処理を継続する。
【0026】
全ての病室表示枠14を親機本体11に装着した後に、I/F部OY3がナースコール子機1から出力された呼出信号を入力すると、制御部OY1は、図示しない報知部により呼び出しを報知する。それに併せて、制御部OY1は、その呼出信号に含まれるベッド番号情報を取得し、取得したベッド番号情報と関連付けられている個別選局部12の位置情報を取得する。そして、制御部OY1は、取得した個別選局部12の位置情報により特定される個別選局部12の呼出表示ランプ兼選局ボタン123を点灯(または点滅)させてナースコール子機1から呼び出しがあったことを医療従事者に知らせる。呼出表示ランプ兼選局ボタン123が点灯している状態で、医療従事者が親機本体11に備えられたハンドセットをオフフックするなどして患者からの呼び出しに応答すると、親機本体11は、報知部の動作を停止し、ナースコール子機1へ復旧信号を出力する。ナースコール子機1へ復旧信号を出力すると、親機本体11は、ナースコール子機1との間で通話路を形成する。
【0027】
ここで、前述の例を用いて具体例を説明する。この例において、ナースコール子機1から出力された呼出信号に含まれるベッド番号情報の値はbd1であるとする。I/F部OY3がナースコール子機1から出力された呼出信号を入力すると、制御部OY1は、報知部を動作させて呼び出しを報知させるとともに、ベッド番号情報の値(bd1)に関連付けられている個別選局部12の位置情報の値(A3)を取得し、A3に位置する個別選局部12の呼出表示ランプ兼選局ボタン123を点灯させて、bd1に配置されているナースコール子機1から呼び出しがあったことを医療従事者に知らせる。呼出表示ランプ兼選局ボタン123が点灯している状態で、医療従事者が親機本体11に備えられたハンドセットをオフフックするなどして患者からの呼び出しに応答すると、親機本体11は、報知部の動作を停止し、bd1に配置されているナースコール子機1へ復旧信号を出力する。ナースコール子機1へ復旧信号を出力すると、親機本体11は、bd1に配置されているナースコール子機1との間で通話路を形成する。
【0028】
また、全ての病室表示枠14を親機本体11に装着した後に、医療従事者が親機本体11に設けたハンドセットを持つなどしてオフフックした状態で、所望の患者に該当する呼出表示ランプ兼選局ボタン123を操作すると、所望の患者を呼び出す操作が行われる。患者呼び出し操作が行われると、制御部OY1は、呼出表示ランプ兼選局ボタン123が操作された個別選局部12の位置情報を取得し、取得した位置情報と関連付けられているベッド番号情報を取得して、子機呼出信号を生成する。そして、I/F部OY3は、ベッド番号情報に該当するナースコール子機1へ制御部OY1にて生成された子機呼出信号を出力する。そのナースコール子機1が子機呼出信号を入力すると、親機本体11は、そのナースコール子機1との間で通話路を形成する。
【0029】
ここで、前述の例を用いて具体例を説明する。この例において、医療従事者は、ハンドセットをオフフックしてA2に位置する個別選局部12の呼出表示ランプ兼選局ボタン123を操作する。医療従事者により患者呼び出し操作が行われると、制御部OY1は、呼出表示ランプ兼選局ボタン123が操作された個別選局部12の位置情報の値(A2)を取得する。制御部OY1は、取得した個別選局部12の位置情報の値(A2)と関連付けられているベッド番号情報の値(bd2)を取得して、子機呼出信号を生成する。そして、ベッド番号情報の値(bd2)に該当するナースコール子機1へ子機呼出信号を出力する。そのナースコール子機1が子機呼出信号を入力すると、親機本体11は、そのナースコール子機1との間で通話路を形成する。
【0030】
次に、病室表示枠14を親機本体11に装着した場合の親機本体11の動作の具体例を図3を用いて説明する。図3(a)は、第三の位置情報の値がA1である読取部13が動作するように、縦二行横二列の四床分の病床の配置に対応している病室表示枠14を親機本体11に装着したことを示す図である。一方、図3(b)は、第三の位置情報の値がA3である読取部13が動作するように、縦二行横二列の四床分の病床の配置に対応している病室表示枠14を親機本体11に装着したことを示す図である。また、この例では、病室(縦二行横二列に病床が配置された4人部屋である)の病室番号が201であり、その病室内の病床を識別するためのベッド番号が左下、左上、右上、右下という順番でbd1〜bd4と割り振られた病室表示枠14を用いている。また、病室表示枠14の情報保持部15は、第一の位置情報の値として、a1、a4、b1、b4を保持し、第二の位置情報の値として、a2、a3、b2、b3を保持し、病室情報の値として、201、bd1、bd2、bd3、bd4を保持している。
【0031】
図3(a)に示すように、四床の病床の配置に対応している所定の範囲の八床分の病室表示枠14をその左上の角(a1)部分が親機本体11の左上の角(A1)の部分に重なるように装着する。複数の個別選局部12a、12b・・・12nのうち、A1から縦四行横二列分の八床分の個別選局部12(A1〜B4に位置する個別選局部12)は、病室表示枠14により他の個別選局部12と区切られる。さらに、A1から縦四行横二列の個別選局部12のうち、A2、A3、B2、B3に位置する縦二行横二列の個別選局部12の表面は、開口部14bにより露出される。また、枠部14aは、A1、B1、A4、B4に位置する個別選局部12、A1〜B4に位置する個別選局部12のうち最も左側(A1〜A4)に位置する個別選局部12の左余白部分およびA1〜B4に位置する個別選局部12のうち最も右側(B1〜B4)に位置する個別選局部12の右余白部分を覆う。
【0032】
また、判定部OY2は、読取部13が情報保持部15に保持されている第一の位置情報と第二の位置情報と病室情報とを読み取ったか否かを判定する。読取部13が情報保持部15に保持されている各情報を読み取ったと判定部OY2にて判断した場合に、制御部OY1は、読取部13が読み取った第一の位置情報の値(a1、a4、b1、b4)と第二の位置情報の値(a2、a3、b2、b3)と病室情報の値(201、bd1、bd2、bd3、bd4)と各情報を読み取った読取部13が保持している第三の位置情報の値(A1)とを取得する。ここで、第二の位置情報とベッド番号情報とは関連付けられている(a2−bd2、a3−bd1、b2−bd3、b3−bd4)。
【0033】
制御部OY1は、取得した第三の位置情報の値(A1)を基準位置とし、取得した第一の位置情報の値(a1)を用いて、基準位置であるA1からa列の一行目に該当する個別選局部12の位置を示す位置情報の値(A1)を取得する。同様に、制御部OY1は、取得した第一の位置情報の値(a4、b1、b4)から個別選局部12の位置を示す位置情報の値(A4、B1、B4)を取得する。そして、制御部OY1は、取得した位置情報の値(A1、A4、B1、B4)により特定される位置の個別選局部12の動作を無効とする。
【0034】
また、制御部OY1は、取得した第二の位置情報の値(a2)を用いて、基準位置であるA1からa列の二行目に該当する個別選局部12の位置を示す位置情報の値(A2)を取得し、取得した病室情報に含まれ、第二の位置情報の値(a2)に対応するベッド番号情報の値(bd2)を取得する。そして、取得した位置情報の値(A2)と取得したベッド番号情報の値(bd2)とを関連付ける。同様に、制御部OY1は、取得した第二の位置情報の値(a3、b2、b3)から個別選局部12の位置を示す位置情報の値(A3、B2、B3)を取得し、取得した病室情報に含まれ、第二の位置情報の値(a3、b2、b3)に対応するベッド番号情報の値(bd1、bd3、bd4)をそれぞれ取得する。そして、取得した位置情報の値(A3、B2、B3)と取得したベッド番号情報の値(bd1、bd3、bd4)とを関連付ける。
【0035】
これにより、A2に位置する個別選局部12は、病室番号201のbd2に該当し、A3に位置する個別選局部12は、病室番号201のbd1に該当し、B2に位置する個別選局部12は、病室番号201のbd3に該当し、B3に位置する個別選局部12は、病室番号201のbd4に該当するようになる。従って、開口部14bにより露出された個別選局部12における病室内の病床の配置が特定される。また、制御部OY1は、取得した位置情報の値(A2、A3、B2、B3)により特定される位置の個別選局部12の動作を有効とする。
【0036】
図3(b)に示すように、四床の病床の配置に対応している所定の範囲の八床分の病室表示枠14をその左上の角(a1)部分が親機本体11の左上の角の上から三番目(A3)の部分に重なるように装着する。複数の個別選局部12a、12b・・・12nのうち、A3から縦四行横二列分の八床分の個別選局部12(A3〜B6に位置する個別選局部12)は、病室表示枠14により他の個別選局部12と区切られる。さらに、A3から縦四行横二列の個別選局部12のうち、A4、A5、B4、B5に位置する縦二行横二列の個別選局部12の表面は、開口部14bにより露出される。また、枠部14aは、A3、B3、A6、B6に位置する個別選局部12、A3〜B6に位置する個別選局部12のうち最も左側(A3〜A6)に位置する個別選局部12の左余白部分およびA3〜B6に位置する個別選局部12のうち最も右側(B3〜B6)に位置する個別選局部12の右余白部分を覆う。
【0037】
また、読取部13が情報保持部15に保持されている各情報を読み取ったと判定部OY2にて判断した場合に、制御部OY1は、読取部13が読み取った第一の位置情報の値(a1、a4、b1、b4)と第二の位置情報の値(a2、a3、b2、b3)と病室情報の値(201、bd1、bd2、bd3、bd4)と各情報を読み取った読取部13が保持している第三の位置情報の値(A3)とを取得し、取得した第三の位置情報の値(A3)を基準位置とする。ここで、第二の位置情報とベッド番号情報とは関連付けられている(a2−bd2、a3−bd1、b2−bd3、b3−bd4)。
【0038】
制御部OY1は、前述の処理と同様に、取得した第一の位置情報から個別選局部12の位置を示す位置情報の値(A3、A6、B3、B6)を取得し、取得した位置情報の値(A3、A6、B3、B6)により特定される位置の個別選局部12の動作を無効とする。また、制御部OY1は、取得した第二の位置情報から個別選局部12の位置を示す位置情報の値(A4、A5、B4、B5)を取得し、取得した病室情報に含まれ、第二の位置情報の値(a2、a3、b2、b3)に対応するベッド番号情報の値(bd2、bd1、bd3、bd4)を取得する。そして、取得した位置情報の値(A4、A5、B4、B5)と取得したベッド番号情報の値(bd2、bd1、bd3、bd4)とを関連付ける。
【0039】
これにより、A4に位置する個別選局部12は、病室番号201のbd2に該当し、A5に位置する個別選局部12は、病室番号201のbd1に該当し、B4に位置する個別選局部12は、病室番号201のbd3に該当し、B5に位置する個別選局部12は、病室番号201のbd4に該当するようになる。従って、開口部14bにより露出された個別選局部12における病室内の病床の配置が特定される。また、制御部OY1は、取得した位置情報の値(A4、A5、B4、B5)により特定される位置の個別選局部12の動作を有効とする。
【0040】
このように、病室表示枠14の情報保持部15が保持している各情報により、開口部14bから露出した個別選局部12が病室内の病床の配置と同一になるように関連付けられるので、病室表示枠14の装着位置を変更しても、開口部14bから露出した個別選局部12は、病室内の病床に設置されているナースコール子機1に常に対応している。
【0041】
次に、本実施形態によるナースコール親機を含むナースコールシステムの動作を説明する。図4は、本実施形態によるナースコール親機10を含むナースコールシステムの動作を示すフローチャートである。本実施形態によるナースコール親機10を含むナースコールシステムの動作は、病室表示枠14を親機本体11に装着する動作(以下、装着動作とする)と呼び出しを行う動作(以下、呼び出し動作)とに分かれる。
【0042】
装着動作を行う場合に、まず、制御部OY1は、判定部OY2を動作させる。病室表示枠14が親機本体11に装着されると、判定部OY2は、読取部13が病室情報枠14の情報保持部15に保持されている第一の位置情報と第二の位置情報と病室情報との各情報を読み取ったか否かを判定する(ステップS1)。読取部13が病室情報枠14の情報保持部15に保持されている各情報を読み取っていないと判定部OY2にて判断した場合には(ステップS1にてNO)、ステップS1の処理に戻る。一方、読取部13が病室情報枠14の情報保持部15に保持されている各情報を読み取ったと判定部OY2にて判断した場合には(ステップS1にてYES)、制御部OY1は、読取部13が読み取った各情報および各情報を読み取った読取部13が保持している第三の位置情報を取得する(ステップS2)。
【0043】
制御部OY1が各情報を取得すると、制御部OY1は、取得した第一の位置情報および第三の位置情報から、枠部14aにより覆われた個別選局部12の位置を特定し、特定された個別選局部12の動作を無効とする(ステップS3)。また、制御部OY1は、取得した第二の位置情報、第三の位置情報および病室情報から、開口部14bにより露出された個別選局部12の位置と病室内の病床の配置とを特定し、特定された個別選局部12の動作を有効とする(ステップS4)。
【0044】
制御部OY1は、全ての病室に該当する病室表示枠14が親機本体11に装着されたか否かを判定する(ステップS5)。全ての病室に該当する病室表示枠14が親機本体11に装着されていないと制御部OY1にて判断した場合には(ステップS5にてNO)、ステップS1の処理に戻り、全ての病室に該当する病室表示枠14が親機本体11に装着されるまで、ステップS1〜S5の処理を繰り返し実行する。一方、全ての病室に該当する病室表示枠14が親機本体11に装着されたと制御部OY1にて判断した場合には(ステップS5にてYES)、装着動作の処理を終了する。なお、ステップS3の処理とステップS4の処理との順番は逆であっても良い。
【0045】
このように、全ての病室に該当する病室表示枠14が親機本体11に装着された状態で、呼び出し動作を行う場合に、まず、制御部OY1は、I/F部OY3がナースコール子機1から出力された呼出信号を入力したか否かを判定する(ステップS6)。I/F部OY3がナースコール子機1から出力された呼出信号を入力していないと制御部OY1にて判断した場合には(ステップS6にてNO)、ステップS11の処理に移行する。
【0046】
一方、I/F部OY3がナースコール子機1から出力された呼出信号を入力したと制御部OY1にて判断した場合には(ステップS6にてYES)、制御部OY1は、報知部を動作させて、呼び出しを報知する。それに併せて、制御部OY1は、その呼出信号に含まれるベッド番号情報を取得し、取得したベッド番号情報と関連付けられている個別選局部12の位置情報を取得する(ステップS7)。そして、制御部OY1は、取得した個別選局部12の位置情報により特定される個別選局部12の呼出表示ランプ兼選局ボタン123を点灯する(ステップS8)。
【0047】
制御部OY1は、医療従事者が患者からの呼び出しに対して応答したか否かを判定する(ステップS9)。医療従事者が患者からの呼び出しに対して応答していないと制御部OY1にて判断した場合には(ステップS9にてNO)、ステップS9の処理を繰り返す。一方、医療従事者が患者からの呼び出しに対して応答したと制御部OY1にて判断した場合には(ステップS9にてYES)、制御部OY1は、報知部の動作を停止させて報知を停止するとともに、呼出表示ランプ兼選局ボタン123を消灯して復旧信号を生成する。復旧信号を生成すると、I/F部OY3は、ナースコール子機1へ制御部OY1にて生成された復旧信号を出力する。そして、ナースコール子機1へ復旧信号を出力すると、制御部OY1は、自装置とナースコール子機1との間で通話路を形成し(ステップS10)、ステップS15の処理に移行する。
【0048】
ステップS11では、制御部OY1は、医療従事者により子機呼び出し操作が行われたか否かを判定する。医療従事者により子機呼び出し操作が行われていないと制御部OY1にて判断した場合には(ステップS11にてNO)、ステップS6の処理に戻る。一方、医療従事者により子機呼び出し操作が行われたと制御部OY1にて判断した場合には(ステップS11にてYES)、制御部OY1は、子機呼び出し操作が行われた個別選局部12の位置情報を取得し、取得した位置情報に関連付けられているベッド番号情報を取得する(ステップS12)。制御部OY1は、子機呼出信号を生成し、I/F部OY3は、ベッド番号情報に該当するナースコール子機1へ制御部OY1にて生成された子機呼出信号を出力して、そのナースコール子機1に対して呼び出しを報知させる(ステップS13)。そして、制御部OY1は、自装置とそのナースコール子機1との間で通話路を形成し(ステップS14)、ステップS15の処理へ移行する。
【0049】
ステップS15では、制御部OY1は、通話が終了したか否かを判定する。通話が終了していないと制御部OY1にて判断した場合には(ステップS15にてNO)、ステップS15の処理を繰り返す。一方、通話が終了したと制御部OY1にて判断した場合には(ステップS15にてYES)、制御部OY1は通話路を切断し(ステップS16)、ステップS6の処理に戻る。
【0050】
以上、詳しく説明したように、本実施形態のナースコール親機10では、親機本体11の縦方向や横方向に並列配置されている複数の個別選局部12a、12b・・・12nに病室表示枠14を装着すると、病室表示枠14が装着された所定の範囲の個別選局部12が一つの病室とされ、病室表示枠14の枠部14aにより覆われる部分が縦方向や横方向に隙間を形成して他の病室との間が区切られる。また、病室表示枠14の開口部14bにより露出された個別選局部12は、病室内の病床の配置と同一になる。また、読取部13は、装着された病室表示枠14の情報保持部15が保持している、所定の範囲における枠部14aの位置を示す第一の位置情報と、所定の範囲における枠部14aにより覆われていない開口部14bの位置を示す第二の位置情報と、患者が居る病室および病床を特定するための病室情報を読み取る。制御部OY1は、読取部13が読み取った各情報および各情報を読み取った読取部13が保持している、読取部13に対応する個別選局部12の位置を示す第三の位置情報を取得することで、枠部14aにより覆われた個別選局部12の位置情報と開口部14bにより露出された個別選局部12の位置情報とを取得している。また、制御部OY1は、取得した病室情報に含まれ、第二の位置情報に対応するベッド番号情報を取得する。そして、取得した位置情報と取得したベッド番号情報とを関連付ける。これにより、医療従事者は、個別選局部12がどの病室のどの患者の病床に対応しているのかを容易に把握することができる。このことから、同じ形をした複数の個別選局部12a、12b・・・12nが縦方向や横方向に隙間無く並列配置されていても、個別選局部12を見やすくすることができる。
【0051】
なお、前述した実施形態では、病室表示枠14の開口部14bは、縦二行横二列に病床が配置された4人部屋に該当しているが、これに限定されない。例えば、開口部14bは、縦一行横二列に病床が配置された2人部屋や縦二行横二列(一行目には二列配置され、二行目には一列配置されている)に病床が配置された3人部屋、縦三行横二列に病床が配置された6人部屋などに該当するようにしても良い。
【0052】
また、前述した実施形態では、枠部14aは、開口部14bにより露出された個別選局部12のうち最も左側に位置する個別選局部12の左余白部分および開口部14bにより露出された個別選局部12のうち最も右側に位置する個別選局部12の右余白部分を覆っているが、これに限定されない。例えば、枠部14aは、開口部14bにより露出された個別選局部12のうち最も左側に位置する個別選局部12の左側に隣接する個別選局部12および開口部14bにより露出された個別選局部12のうち最も右側に位置する個別選局部12の右側に隣接する個別選局部12を覆うようにしても良い。
【0053】
また、前述した実施形態では、制御部OY1は、枠部14aにより覆われた個別選局部12の動作を無効とし、開口部14bにより露出された個別選局部12の動作を有効としているが、これに限定されない。例えば、制御部OY1は、枠部14aにより覆われた個別選局部12の動作を無効としなくても良い。要は、開口部14bにより露出された個別選局部12の動作が有効であれば良い。
【0054】
その他、ナースコール親機の構成、処理手順、内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の組み合わせにより種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除するようにしても良い。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本実施形態によるナースコール親機を含むナースコールシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態によるナースコール親機の外観例を示す説明図である。
【図3】本実施形態による病室表示枠を装着した状態の親機本体の外観例を示す説明図である。
【図4】本実施形態によるナースコール親機を含むナースコールシステムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
1 ナースコール子機
10 ナースコール親機
11 親機本体
12(12a、12b・・・12n) 個別選局部
121 ベッド番号カードホルダー
122 氏名カードホルダー
123 呼出表示ランプ兼選局ボタン
13(13a、13b・・・13n) 読取部
14 病室表示枠
14a 枠部
14b 開口部
15 情報保持部
OY1 制御部
OY2 判定部
OY3 インターフェース(I/F)部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者を識別するための患者情報を表面に表示し、前記患者を指定するための操作および呼び出しを行った患者を特定するための表示の少なくとも一方を行う複数の個別選局部を並列配置したナースコール親機であって、
前記複数の個別選局部のうち所定の範囲の個別選局部の一部を覆うとともに、覆われた個別選局部の前記所定の範囲における位置を示す第一の位置情報と覆われていない個別選局部の前記所定の範囲における位置を示す第二の位置情報と前記患者が居る病室および病床を特定するための病室情報とを保持する情報保持部を備えた枠部、および、前記病室内の前記病床の配置と同一になるように前記枠部により覆われていない個別選局部の表面を露出させる開口部により形成された着脱可能の病室表示枠と、
前記複数の個別選局部のそれぞれに対応するように設けられ、前記病室表示枠が装着された場合に、前記情報保持部が保持している前記第一の位置情報と前記第二の位置情報と前記病室情報とを読み取るとともに、対応する個別選局部の位置を示す第三の位置情報を保持する複数の読取部と、
前記読取部が前記第一の位置情報と前記第二の位置情報と前記病室情報とを読み取ったか否かを判定する判定部と、
前記読取部が前記第一の位置情報と前記第二の位置情報と前記病室情報とを読み取ったと前記判定部にて判断した場合に、前記第一の位置情報および前記第三の位置情報から前記枠部により覆われた前記個別選局部の位置を特定するとともに、前記第二の位置情報、前記第三の位置情報および前記病室情報から前記開口部により露出された前記個別選局部の位置および露出された前記個別選局部における前記患者の位置を特定する制御部と、
を備えたことを特徴とするナースコール親機。
【請求項2】
前記制御部が、前記枠部により覆われた前記個別選局部の動作を無効とし、前記開口部により露出された前記個別選局部の動作を有効とすることを特徴とする請求項1に記載のナースコール親機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate