説明

ニッケルめっき金型の製造方法

【課題】外周面上に凹凸が形成された円筒形の金型本体の外周面上に、比較的薄いニッケルめっき層を均一に形成でき、該凹凸が微細である場合でもめっき斑等のめっき欠陥の発生を抑制できるニッケルめっき金型の製造方法の提供。
【解決手段】外周面に凹凸が形成された円筒形の金型本体をニッケルめっき液に浸漬して該金型本体の外周面にニッケルめっき処理を施すニッケルめっき金型の製造方法であって、前記金型本体の外周面の温度を、前記ニッケルめっき液の温度±10℃以内とした状態で前記ニッケルめっき処理を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリズムシート、フレネルレンズシート、レンチキュラーレンズシート等のレンズシートを製造する際に用いられるニッケルめっき金型の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に使用されるバックライト装置として、光学的な効率を改善し、輝度および視野角等の性能を向上する目的で、導光体の出射面上にプリズムシートなどのレンズシートを配置したものが知られている。また、プロジェクションテレビ等のスクリーンとして、上記と同様な目的で、フレネルレンズシートまたはレンチキュラーレンズシートを用いたものが知られている。
上記のようなレンズシートとしては、透明な基材シートの一方の面上に、プリズム列、フレネルレンズ列、レンチキュラーレンズ列等のレンズ列が複数並列に配置されてなるレンズ層が設けられたものが一般的に用いられている。たとえばバックライト用途に用いられるプリズムシートの場合、該レンズ層として、略三角柱状のプリズム列(断面逆V字型の凸条)が一方向に所定のピッチで連続的に配列したプリズム層を備える。該プリズム層において、プリズム列は通常、頂角35〜140°、ピッチ5〜500μm程度で形成されている。
このようなレンズシートの製造方法としては、上記レンズ層に対応する形状の凹凸(以下、レンズパターンということがある。)が外周面に彫刻された円筒形の金型(ロール金型)の周りに、長尺の樹脂製の基材シートを、紫外線硬化樹脂を介在させた状態で巻き付け、該紫外線硬化樹脂を紫外線で硬化させる方法が知られている。該製造方法によれば、基材シートのロール金型側の表面にレンズ層が形成された長尺状のレンズシートが得られる。
上記製造方法で使用されるロール金型は、一般的には、円筒形の鋼製ロールの外周面に銅めっき層を作成し、銅めっき層を切削してレンズパターンを形成することにより金型本体を作製し、該金型本体のレンズパターン表層に、さらに、耐久性および耐錆性を付与するために、ニッケルめっきを施して製造される。
【0003】
上記プリズムシートは、光学的性能を保持するため、頭頂部(各プリズム列の頂角や、隣接するプリズム列によって形成される断面V字型の溝の底部の先端角)が鋭角的な剣先形状であることが求められる。そのため、その製造に用いられるロール金型表面のレンズパターンも、対応する頭頂部が鋭角的な剣先形状であることが求められる。しかし、上記のように切削によって彫刻されたレンズパターンの表面に厚いニッケルめっきを施すと、頭頂部が丸くなってしまい、光学的特性が劣化してしまう問題がある。
このような問題に対し、ニッケルめっき層を薄くすることが考えられる。しかしニッケルめっき層を薄くすると、めっき斑(めっき厚みの不均一な部分)等のめっき欠陥が局部的に発生する問題がある。めっき欠陥が生じたロール金型を使用してレンズシートを製造した場合、該めっき欠陥がレンズ層表面に転写され、レンズシートの光学的欠陥となる。この光学的欠陥は、該レンズシートをバックライト装置等に使用した場合に視認されるため、品質上問題となる。
このような問題に対し、特許文献1には、めっき斑等のめっき欠陥の発生を抑えつつ、金型本体の外周面の凹凸パターン上に比較的薄いニッケルめっき層を均一に形成できるニッケルめっきの製造方法として、金型本体の外周面に沿ってニッケルめっき液の流れを作成し、かつめっき処理中に金型全体の中心軸を回転軸として金型全体を回転することでニッケルめっき液の流れを形成しながら、めっき処理初期の所定期間のみ電気めっき処理した後、自己触媒反応により無電解ニッケルめっきを施す方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−70658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、液晶表示装置等の高精密化が進むなか、レンズシートに設けられるレンズ層の微細化が進み、それに伴って、ロール金型表面のレンズパターンも微細化している。しかし、レンズパターンが微細化するにつれ、めっき欠陥の発生を充分に抑制することは難しくなる。たとえばレンズ列のピッチが30μm以下になると、特許文献1記載の方法によっても、めっき欠陥の発生を充分に抑制することは難しい。さらに、レンズ列のピッチが小さくなると、その高さが小さくなり、レンズシート全体の厚みも薄くなる。レンズシートの厚みが薄くなると、レンズシートに転写された光学的欠陥がバックライト装置上において視認されやすくなる。そのため、このような微細な凹凸パターンを形成するためのロール金型の製造においては、従来はあまり問題にはならなかったレベルのめっき欠陥についてもその発生の防止が求められる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、外周面上に凹凸が形成された円筒形の金型本体の外周面上に、該凹凸が微細である場合でも、めっき斑等のめっき欠陥の発生を抑えつつ、比較的薄いニッケルめっき層を均一に形成できるニッケルめっき金型の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本発明は、以下の態様を有する。
[1]外周面に凹凸が形成された円筒形の金型本体をニッケルめっき液に浸漬して該金型本体の外周面にニッケルめっき処理を施すニッケルめっき金型の製造方法であって、
前記金型本体の外周面の温度を、前記ニッケルめっき液の温度±10℃以内とした状態で前記ニッケルめっき処理を開始することを特徴とするニッケルめっき金型の製造方法。
[2]前記ニッケルめっき液の温度±10℃以内の温度の水を用いて前記金型本体の外周面の温度を調節した後、該金型本体を前記ニッケルめっき液に浸漬し、前記ニッケルめっき処理を開始する、[1]に記載のニッケルめっき金型の製造方法。
[3]前記金型本体を前記ニッケルめっき液に浸漬し、その表面温度を該ニッケルめっき液の温度±10℃以内の温度に調節した後、前記ニッケルめっき処理を開始する、[1]に記載のニッケルめっき金型の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、外周面上に凹凸が形成された円筒形の金型本体の外周面上に、比較的薄いニッケルめっき層を均一に形成でき、該凹凸が微細である場合でもめっき斑等のめっき欠陥の発生を抑制できるニッケルめっき金型の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に用いられるニッケルめっき金型製造装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】レンズシート製造装置の一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のニッケルめっき金型の製造方法は、外周面に凹凸が形成された円筒形の金型本体をニッケルめっき液に浸漬して該金型本体の外周面にニッケルめっき処理を施すことで、ニッケルめっき金型を製造する方法であり、該金型本体の外周面の温度を、前記ニッケルめっき液の温度±10℃以内とした状態で前記ニッケルめっき処理を開始することを特徴とする。
ここで、「ニッケルめっき処理を開始する」とは、金型本体をニッケルめっき液に浸漬した後、該金型本体に電流を流しはじめることを意味する。
ニッケルめっき処理は、金型本体を単にニッケルめっき液中に浸漬しただけでは開始されず、金型本体をニッケルめっき液中に浸漬した状態で金型本体に電流を流すことで開始される。つまり、まず金型本体に電流を流すことで、その表面に電解ニッケルめっきが施され、ニッケルめっき層が形成される。その後、電流を遮断し、ニッケルめっき液中に浸漬した状態を保持すると、電解ニッケルめっきにより形成されたニッケルめっき層が触媒(自己触媒)として機能し、その表面に無電解ニッケルめっきが施される。無電解ニッケルめっきを施す時間を調整することで、ニッケルめっき層の厚みを調整できる。
このニッケルめっき処理開始時における金型本体の外周面の温度と、ニッケルめっき液の温度(以下、a(単位:℃)ということがある。)との温度差を±10℃以内とすることで、該金型本体の外周面の凹凸上にニッケルが均一に析出していく。そのため、ニッケルめっき層を比較的薄い厚み(たとえば0.5μm以下)で形成した場合でも、その厚みは金型本体の外周面全体にわたって均一で、めっき斑等のめっき欠陥の発生が充分に抑制されたものとなる。
ニッケルめっき液の温度aは、めっきの反応速度を確保する点から、88℃以上92℃以下が好ましく、実使用上は89℃以上91℃以下がより好ましい。
ニッケルめっき処理開始時における金型本体の外周面の温度は、上記効果に優れることから、a−10℃以上a+10℃以下が好ましく、a−5℃以上a℃以下がより好ましい。
【0010】
以下、本発明のニッケルめっき金型の製造方法を、図面を用いてより詳細に説明する。
図1は、本発明に用いられるニッケルめっき金型製造装置の一例を示す概略構成図である。該ニッケルめっき金型製造装置は、ニッケルめっき液を貯留し、金型本体9に対してニッケルめっき処理を行うめっき処理槽1と、金型本体9に対してニッケルめっき処理の前処理(脱脂処理、酸活性処理等)を行う複数の前処理槽2と、金型本体9に対して純水を噴射し、洗浄するためのシャワー(図示略)を備えるシャワー洗浄槽3と、純水を貯留する純水槽4と、熱風乾燥手段(図示略)を備える熱風乾燥槽5と、ニッケルめっき処理前または処理後の金型本体9を搬送する搬送装置6とを具備する。
【0011】
めっき処理槽1、前処理槽2、シャワー洗浄槽3、純水槽4、熱風乾燥槽5は、それぞれ、金型本体9を完全に収納可能な大きさとされている。
めっき処理槽1には、貯留するニッケルめっき液を所定の温度(a℃)に加熱、保持するためのヒータ(図示略)およびニッケルめっき処理を行うための電極(図示略)が設置されている。
また、純水槽4には、貯留する純水を所定の温度に加熱、保持するためのヒータ(図示略)が設置されている。
搬送装置6は、めっき処理槽1、前処理槽2、シャワー洗浄槽3、純水槽4、熱風乾燥槽5それぞれの上方を通過するように設けられたレール61と、レール61上に移動可能に設置された搬送体62と、搬送体62に一端が接続され、他端が搬送体62の下方に延びる2本の昇降レール63と、昇降レール63によって昇降可能なアーム(図示略)と、アームに保持された金型本体9に純水を散布するためのシャワー64とを具備する。
金型本体9の中心軸部分には、金型本体9の幅(中心軸方向の長さ)よりも長い長さの回転軸7が、その両端が突出するように配置されており、該両端をそれぞれアームに取り付け、該アームに設置された駆動装置(図示略)により回転軸7を回転させることによって、円筒形の金型本体9を、中心軸を水平にした状態で保持するとともに、円周方向に沿って回転させることができるようになっている。
【0012】
金型本体9は、外周面に凹凸を有する円筒形のものである。該凹凸は、該ニッケルめっき金型を用いて製造しようとするレンズシートのレンズ層に対応した形状(以下、レンズパターンという。)で設けられる。
たとえばバックライト用途に用いられるプリズムシートの場合、該レンズ層として、複数の略三角柱状のプリズム列(断面逆V字型の凸条)が一方向に所定のピッチで連続的に配列したプリズム層が形成され、該プリズム列の頂角は35〜140°、ピッチ5〜500μm程度である。このようなプリズム層を形成するためのニッケルめっき金型の外周面に設けられるレンズパターンは、断面逆V字型で、その底部の先端角の大きさがプリズム列の頂角と同じ大きさ(35〜140°)と一致する溝が複数、前記プリズム列と同じピッチ(5〜500μm)で一方向に連続的に配列したパターン(プリズムパターン)となる。該プリズムパターンは、本発明の有用性が高いことから、ピッチが30μm以下であることが好ましく、18μm以下であることが好ましい。該ピッチの下限は、厚み0.5μm以下のめっきを施した場合のプリズムの形状変化を考慮すると、5μm以上が好ましい。
該複数の溝の配列方向は、金型本体9の中心軸方向であってもよく、円周方向であってもよい。精密旋盤等の機械加工における加工が容易である点から、中心軸方向が好ましい。
【0013】
金型本体9の作製方法は、特に限定されないが、たとえば円筒形の鋼製中空ロールの外周面に銅めっき層を設け、該銅めっき層に、所望のレンズパターンを旋盤による切削加工によって形成することにより作製できる。
銅めっき層の厚さは、レンズパターンの凸部の高さ(凹部の深さ)によっても異なるが、通常、100〜1000umの範囲内である。
銅めっき層としては、被削性良好であることが要求されるため、ビッカース硬度180〜250Hvの硬質の銅めっき層であることが好ましい。
旋盤による切削加工に使用する切削工具としては、超鋼バイト、CBNバイト、ダイヤモンドバイト等が挙げられる。これらのなかでも、加工精度が最もよいことから、ダイヤモンドバイトが好ましい。
切削工具の先端形状は、形成しようとするレンズ列の断面形状と同じであり、たとえば頂角35〜140°の略三角柱状のプリズム列を形成する場合に用いられる切削工具の先端形状は、頭頂部の頂角が35〜140°に研磨された三角柱の形状を有している。
【0014】
上記図1に示す製造装置および金型本体9を用いたニッケルメッキ金型の製造はたとえば以下の手順で実施できる。
まず、円筒形の金型本体9の中心軸部分に回転軸7を取り付け、回転軸7を水平にした状態で、該回転軸7の両端を搬送装置6のアームに取り付ける。その後、回転軸7の回転、および金型本体9の外周面へのシャワー64からの純水の散布を開始する。金型本体9の外周面が局部的に乾燥すると、前処理やニッケルめっき処理の際に、外周面内で処理の程度にむらが発生するおそれがあるため、少なくともニッケルめっき処理を行うまでは、搬送体62の移動の間に金型本体9の外周面が乾燥しないように、シャワー64により金型全体9の外周面に純水を散布する。
【0015】
次に、搬送体62を前処理槽2の上方に移動させ、金型本体9に対し、脱脂処理、酸活性処理等の前処理を行う。
脱脂処理、酸活性処理は、それぞれ、対応する処理液を貯留する前処理槽2の上方に搬送体62を移動させ、アームを昇降レール63に沿って下降させることで金型本体9を前処理槽2内の処理液中に浸漬することで実施できる。
処理液としては、行う前処理に対応したものが使用され、たとえば脱脂処理の場合、主に脱脂を目的とした薬剤を含むものが使用される。該薬剤は、所定の濃度になるように純水に溶解させて処理液とされる。該薬剤は、温度が高い純水(たとえば40℃以上)に溶融すると変質するおそれがあるため、該薬剤の溶解に使用する純水は、通常、常温(約17〜23℃)である。
所定の前処理に必要な処理時間が経過した後、アーム63を昇降レール8に沿って上昇させることで、金型本体9を取り出し、再度、シャワー64からの純水散布を開始する。
【0016】
前処理として、脱脂処理、酸活性処理のほか、水洗処理を行うことが好ましい。水洗処理により金型本体9の外周面に付着した異物を除去することで、後工程のニッケルめっき処理後に発生する汚れ等の欠陥を防止することができる。
水洗処理は、搬送体62をシャワー洗浄槽3の上方に移動させ、アームを昇降レール63に沿って下降させることで金型本体9をシャワー洗浄槽3内に収容し、金型本体9を回転させながら、金型本体9の斜め上方に設置したシャワー(図示略)から金型本体9方向に純水を噴射することで実施できる。
所定時間洗浄を行った後、アーム63を昇降レール8に沿って上昇させることで、金型本体9を取り出し、再度、シャワー64からの純水散布を開始する。
【0017】
次に、搬送体62を純水槽4の上方に移動させ、アーム7を昇降レール8に沿って下降させることで金型本体9を純水槽4内の純水(湯)中に浸漬する。
このとき、純水槽4内の純水は、図示しないヒータにより、常に設定温度に保持されている。該設定温度は、a±10℃以内(aはめっき処理槽1内のニッケルめっき液の温度(℃))である。特に、短い浸漬時間で金型本体9の外周面の温度をa±10℃以内とすることができるため、純水槽4内の純水の温度は、a℃以上が好ましい。
該純水中に金型本体9を浸漬する時間は、金型本体9の外周面の温度がa±10℃以内となる範囲であればよいが、金型本体9の外周面を構成する銅めっき層の変質を防ぐため、必要最小限の時間であることが好ましい。
金型本体9の外周面の温度を所定の温度とするのに必要な時間が経過した後、アーム63を昇降レール8に沿って上昇させることで、金型本体9を取り出す。
金型本体9を取り出した後、次工程でめっき処理槽1内のニッケルめっき液中に浸漬するまでにその外周面が乾燥するおそれがある場合は、再度、シャワー64からの純水散布を行う。ただしこの場合、散布する純水の温度は、該金型本体9の外周面の表面温度と同等とすることが好ましい。取り出した直後にニッケルめっき液中に浸漬する場合は、必ずしも純水散布は行わなくてもよい。
【0018】
次に、搬送体62をめっき処理槽1の上方に移動させ、アーム7を昇降レール8に沿って下降させることで金型本体9をめっき処理槽1内のニッケルめっき液中に浸漬する。
このとき、めっき処理槽1内のニッケルめっき液は、図示しないヒータにより、常に設定温度(a℃)に保持されている。
シャワー64からの純水の散布を行っている場合、金型本体9全体が完全にニッケルめっき液中に浸漬したら、シャワー64からの純水の散布は停止する。
金型本体9全体が完全にニッケルめっき液中に浸漬した後、すぐに、図示しない電極により、金型本体9に電流を流して電解ニッケルめっきを施す。所定時間電流を流した後、電流を遮断して、浸漬を所定時間だけ保持する。これによって、自己触媒反応により無電解ニッケルめっき層が形成される。
このとき、金型本体9外周面の温度とニッケルめっき液の温度がほぼ等しいことによって、金型本体9外周面表面にニッケルが均一に析出し、該外周面のレンズパターンの凹凸が微細である場合でも、薄膜のニッケルめっきを均一に施すことが可能となる。
ニッケルめっき液としては、硫酸ニッケル6水和物、硫酸ニッケル等のニッケル成分の水溶液が挙げられる。該ニッケルめっき液は、さらに、pH調整等の目的で、次亜リン酸ナトリウム、オキシカルボン酸、アジピン酸、アンモニア水等を含有してもよい。
電流を流す時間は、めっき反応速度と自己触媒反応を発生させる点から、20〜30秒間が好ましい。
電流遮断後、浸漬を保持する時間(浸漬時間)は、めっき厚みを約0.5μm以下とする場合、厚み制御を行う点から、150〜200秒間が好ましい。
ニッケルめっき液中に浸漬している間、回転軸7を回転させ、金型本体9を回転させておくことが好ましい。このときの金型本体9の外周面の周速は、1.5〜2m/分が好ましく、2m/分が好ましい。該周速が1.5m/分以上であるとめっき液の流れが均一化しメッキムラの発生が防止でき、2m/分以上の場合、液面に波が発生する恐れがあるため、制限する。該周速は、回転軸7の回転数により調節できる。
【0019】
なお、ここでは、純水槽4にて、ニッケルめっき液の温度a±10℃以内の温度の純水を用いて金型本体9の外周面の温度を調節した後、該金型本体9をめっき処理槽1でa(℃)のニッケルめっき液に浸漬し、ニッケルめっき処理を開始した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、純水槽4での温度調節を省き、代わりに、金型本体9をめっき処理槽1でa(℃)のニッケルめっき液に浸漬し、その表面温度をa±10℃以内の温度に調節した後、電流を流してニッケルめっき処理を開始することもできる。
また、純水槽4での温度調節に、純水以外の水(たとえば、水道水(市水)または工程水等)を使用してもよい。ただし異物や汚れによる欠陥を管理し、良好なめっきを得る点から、純水が好ましい。
【0020】
所定時間めっき処理を行った後、アーム63を昇降レール8に沿って上昇させることで、外周面にニッケルめっき処理が施された金型本体9、つまり目的のニッケルめっき金型を取り出し、その表面に付着しためっき液を洗い流す後洗浄処理を行う。
後洗浄処理は、前処理における水洗処理と同様、シャワー洗浄槽3にて該水洗処理と同様の手順で実施できる。また、該ニッケルめっき金型を純水槽4の純水(湯)中に浸漬することにより実施することもできる。このときの純水温度は、ニッケルめっき金型表面に付着している純水が蒸発しやすいように90〜100℃が好ましい。純水槽4で浸漬による洗浄を行う場合、ニッケルめっき金型の外周面の温度が高い状態が維持されるため、この後、熱風乾燥槽5で仕上げ乾燥を行う際の負荷を低減できる。シャワー洗浄槽3での洗浄と、純水槽4での洗浄とを併用してもよい。
後洗浄処理後、ニッケルめっき金型に対し、さらに、熱風乾燥槽5にて、表面に付着している純水を完全に乾燥させるための仕上げ乾燥として、熱風乾燥処理を行ってもよい。このときの乾燥温度は、ニッケルめっき金型表面に付着している純水が蒸発しやすいように、80〜85℃が好ましい。
【0021】
なお、ここでは図1に示す製造装置を用いた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、公知のニッケルめっき金型の製造装置、たとえば特開2007−70658号公報等に記載の製造装置を用いて実施できる。ただし、どのような製造装置を用いる場合にも、ニッケルめっき処理開始時の金型本体の外周面の温度をa±10℃以内とする。
【0022】
上記のようにして製造されたニッケルめっき金型は、外周面のレンズパターン上に、薄いニッケルめっき層(たとえば厚み0.5μm以下)が均一に形成されたものであり、該レンズパターンが微細なもの(たとえば断面逆V字型の溝がピッチ30μm以下で配列したもの)である場合でも、めっき斑等のめっき欠陥の発生が充分に抑制されている。
そのため、該ニッケルめっき金型を用いることで、めっき斑等のめっき欠陥に由来する光学的欠陥の発生が充分に抑制されたレンズシートを製造できる。
以下、本発明の製造方法により製造されたニッケルめっき金型を用いたレンズシートの製造方法について、図面を用いてより詳細に説明する。
【0023】
図2は、レンズシート製造装置の一例を示す概略構成図である。該レンズシート製造装置は、ニッケルめっき金型21と、ニッケルめっき金型21を矢印A方向に回転させる駆動装置22とを具備し、ニッケルめっき金型21の外周に対して、長尺状の基材シート23を連続的に供給できるようになっている。
また、該レンズシート製造装置は、放射線硬化性組成物24を収納する樹脂タンク25を具備し、樹脂タンク25のノズル25aから、ニッケルめっき金型21と基材シート23との間に放射線硬化性組成物24を供給できるようになっている。
また、該レンズシート製造装置は、軸方向がニッケルめっき金型21と平行となるように、ニッケルめっき金型21との間に一定の間隙を設けて配置されたニップロール26と、ニップロール26をニッケルめっき金型21方向に押圧する圧力調整機構27とを具備し、ニッケルめっき金型21と基材シート23との間に供給された放射線硬化性組成物24を、基材シート23の幅方向全体にわたって加圧し、放射線硬化性組成物14の厚さを所定の厚さにすることができるようになっている。
ニッケルめっき金型21の外周上、ニップロール26よりも下流側の位置には、ニッケルめっきロール金型21方向に放射線を照射する放射線照射装置28が、ニッケルめっき金型21との間に一定の間隙を設けて配置されており、基材シート23を透過して放射線を放射線硬化性組成物24に照射し、硬化させることができるようになっている。
ニッケルめっき金型21の外周上、放射線照射装置28よりも下流側の位置には、ニッケルロール金型21の表面から基材シート23を剥離するための剥離ローラ29が、ニッケルめっき金型21との間に一定の間隙を設けて配置されている。
【0024】
上記図1に示すレンズシート製造装置を用いたレンズシートの製造はたとえば以下の手順で実施できる。
ニッケルめっき金型21を矢印A方向に回転させながら、その外周面に長尺状の基材シート23を供給し、基材シート23を連続的に移動させつつ、基材シート23とニッケルめっき金型21との間に樹脂タンク25から放射線硬化性組成物24を所定量供給する。続いて、ニップロール26を圧力調整機構27によりニッケルめっき金型21方向に押圧することにより、放射線硬化性組成物24を、基材シート23とニッケルめっき金型21との間で、基材シート23の幅方向全体にわたって加圧して、均一な厚さの層(放射線硬化性組成物層)とする。このとき、ニッケルめっき金型21外周面のレンズパターンの凹部に放射線硬化性組成物24が入り込むため、該放射線硬化性組成物層の表面が、ニッケルめっき金型21外周面のレンズパターンに対応する形状の凹凸を有するものとなる。
続いて、放射線照射装置28から放射線を照射する。これにより、基材シート23を透過した放射線により放射線硬化性組成物層が硬化し、表面にニッケルめっき金型21外周面のレンズパターンが転写されたレンズ層24’が形成されるとともに該レンズ層24’が基材シート23と一体化して、レンズシート30が形成される。レンズシート30は、その後、剥離ローラ29によりニッケルめっき金型21から剥離され、回収される。
【0025】
基材シート23としては、レンズシートとしての特性(光透過性、強度等)を備え、かつ放射線硬化性組成物24の硬化に用いられる放射線を透過する材料から構成されるものが用いられる。該材料としては、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル径樹脂等の透明樹脂が好ましい。
放射線硬化性組成物24としては、従来、レンズ層の形成に用いられているものののなかから適宜選択できる。たとえばUV硬化樹脂等が挙げられる。
放射線照射装置28の放射線源としては、放射線硬化性組成物24に応じて適宜選択できる。たとえばUV照射装置等が使用できる。放射線の照射量は、使用する放射線硬化性組成物24の種類、基材シート23の放射線透過性等を考慮して適宜設定すればよい。
基材シート23の厚さは50〜200μmの範囲内が好ましい。また、レンズ層24’の厚さは15〜50μmの範囲内が好ましい。
基材シート23の裏面(レンズ層24’側とは反対側の表面)には、さらに、拡散機能を付与するためマット形状層などを付与することもできる。
【実施例】
【0026】
以下、本発明を実施例によってより詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
外径200mm、幅長600mmの鋼製ロールの外周面を研磨した後、その外周面に約500um厚み、ビッカース硬度230Hvの銅めっきを施した。銅めっき層に単結晶ダイヤモンドバイトを使用した旋盤切削加工によって鏡面加工を施した後、目視による外観検査を行い、ピンホール等の欠陥がないことを確認した。次に、鏡面化した銅めっき層に対し、下記のレンズパターン(プリズムパターン)を、先端部分が同じ形状(断面形状が、頭頂部の頂角が65°の三角柱状)を持つダイヤモンドバイトを使用し、旋盤切削加工により、ねじ切り切削により形成して金型本体を作成した。
レンズパターン:底部の先端角が65℃である断面逆V字型の溝が一定方向(鋼製ロールの中心軸方向)にピッチ18μmで連続的に形成されたパターン。
【0027】
作製した金型本体に対して、図1に示す構成のニッケルめっき金型製造装置を用いて、下記の手順で薄膜ニッケルめっき処理を実施した。
金型本体の中心軸部分に回転軸7を取り付け、中心軸を水平にした状態で搬送装置6のアームに取り付けた後、金型本体を常に周速2m/分で回転させ、金型本体の外周面へのシャワー64から純水を散布しつつ、前処理槽2に移動して、脱脂処理、酸活性処理をそれぞれ施した。その後、金型本体を、外周面へのシャワー64から純水を散布しつつ、シャワー洗浄槽3に移動し、水洗処理を施した。
このとき、前処理槽2内の処理液は、薬剤を純水に溶解させて所定の濃度になるように建浴した。薬剤として、脱脂処理には炭酸塩、リン酸塩等を溶解した溶液を使用し、酸活性処理には硫酸塩等を溶解した溶液を使用した。各薬剤は、変質を防止するため、20℃に調整した純水に溶解して使用した。金型本体の外周面に散布する純水の温度も同様とした。
接触式表面温度計を用いて水洗処理直後の金型本体の表面温度を測定したところ、20℃であった。
【0028】
次に、該金型本体を周速2m/分で回転しながら温度90℃の純水(湯)が入った純水槽4に移動し、該純水中に約120秒間浸漬した。該純水中から引き上げてすぐに、接触式表面温度計を用いて金型本体の表面温度を測定したところ、85℃であった。
別途、めっき液A(硫酸ニッケル6水和物、硫酸ニッケル、その他のニッケル成分)、めっき液B(次亜リン酸ナトリウム、オキシカルボン酸、アジピン酸、アンモニア水)および純水を使用して、全体のニッケル成分濃度が4.8〜5.2g/Lのニッケルめっき液を調製し、めっき処理槽1に建浴してその温度を90〜92℃に保持した。このニッケルめっき液は、90〜92℃におけるpHが4.5〜4.8であった。
該めっき処理槽1に、上記金型本体を周速2m/分で回転しながら浸漬した。金型本体全体がニッケルめっき液浸漬してすぐに、めっき処理槽1に設置された電極に5Vの電圧をかけて100Aの電流を30秒間流した。電圧の印加を停止した後、金型本体を回転しながら約185秒間浸漬を保持することによって、無電解ニッケルめっきを施した。無電解ニッケルめっき時、全体のニッケル成分濃度が常に4.8〜5.2g/Lに保持されるようにニッケルめっき液を補給した。
ニッケルめっきが施された金型本体(以下、ロール金型という。)を引き上げ、90℃の純水(湯)が入った純水槽4に約480秒浸漬することで、ロール金型全体の温度を昇温したのち、ロール金型を周速2m/分で回転しながら純水槽4から引き上げて、乾きむらが発生しないようにロール金型表面全体の水分を均一に蒸発させた。さらに熱風乾燥槽5に挿入し、約100℃の熱風を300秒間、ロール金型表面全体に噴射して仕上げ乾燥を実施した。
【0029】
このようにして得られたロール金型の外周面に、真っ暗な部屋の中でラインライトから出射する光を照射しながらその外観を目視にて確認したところ、めっき斑等の欠陥は視認されなかった。また、集束イオンビーム装置(FIB)を用いて、ロール金型表層付近の断面を作成し、電子顕微鏡で観察したところ、0.5um厚さのニッケルめっき層を確認した。
【0030】
得られたロール金型と図2に示す構成のレンズシート製造装置を用い、以下の手順でレンズシートを作成した。
ロール金型(ニッケルめっき金型21)とゴム製のニップロール26との間に、基材シート23として、両面に密着性向上処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製A4100)を、ロール金型の外周面に巻きつくようにレンズシート製造装置に設置した。
ロール金型を周速7m/minで回転しながら、樹脂タンクから、40℃のアクリル系紫外線硬化性組成物(三菱レイヨン製、商品名「RP3125A」)を、ロール金型と基材シート23との間に供給した。供給されたアクリル系紫外線硬化性組成物が基材シート23とロール金型の間で保持された状態で、10.2kW(120w/cm)の放射線照射装置28から、照射量(照射エネルギー)が200mJ/cmとなるように紫外線を照射することで、ロール金型外周表面のレンズパターンをアクリル系紫外線硬化性組成物に転写した。その後、ロール金型から剥離ロール29により基材シート23を剥離してレンズシートを得た。
得られたレンズシートをバックライト装置に設置して外観を目視検査したところ、メッキ斑に起因する光学的欠陥は確認されなかった。
【0031】
[実施例2]
実施例1と同様に、金型本体の作製、脱脂処理、酸活性処理および水洗処理を行った。水洗処理直後の金型本体の表面温度を測定したところ、20℃であった。
次に、該金型本体を周速2m/分で回転しながら、温度が90℃であるニッケルめっき液(組成は実施例1で用いたものと同じ。)が建浴されためっき処理槽1上に移動し、ニッケルめっき液中に金型本体を浸漬した。金型本体全体が浸漬して約90秒間経過後、めっき処理槽1に設置された電極に5Vの電圧をかけて100Aの電流を30秒間流した。電圧の印加を停止した後、約125秒間浸漬することによって、無電解ニッケルめっきを施した。
その後、実施例1と同様に純水槽4への浸漬、熱風乾燥槽5での仕上げ乾燥を実施してロール金型を得た。
該ロール金型の外観を実施例1と同様に目視にて確認したところ、めっき斑等の欠陥は視認されなかった。また、実施例1と同様に表層部分の断面を作成し、電子顕微鏡にて観察したところ、約0.5um厚さのニッケルめっき層を確認した。
さらに、ここで得られたロール金型を用いた以外は実施例1と同様にしてレンズシートを製造し、得られたレンズシートをバックライト装置に設置して外観を目視検査したところ、メッキ斑に起因する光学的欠陥は確認されなかった。
【0032】
別途、次の内容を測定した。
温度が約90℃であるニッケルめっき液が建浴されためっき処理槽1に金型本体を周速2m/分で回転しながら、約90秒間浸漬した後引き上げて、接触式表面温度計を用いて金型表面温度を測定したところ、約86℃であった。
この結果から、上記でめっき処理槽1に設置された電極に電圧をかけた時点(ニッケルめっき処理を開始した時点)での金型本体の表面温度は86℃であったと考えられる。
【0033】
[比較例1]
実施例1と同様に、金型本体の作製、脱脂処理、酸活性処理および水洗処理を行った。水洗処理直後の金型本体の表面温度を測定したところ、20℃であった。
次に、該金型本体を周速2m/分で回転しながら、温度が90℃であるニッケルめっき液(組成は実施例1で用いたものと同じ。)が建浴されためっき処理槽1上に移動し、ニッケルめっき液中に金型本体を浸漬した。金型本体全体が浸漬した直後、めっき処理槽1に設置された電極に5Vの電圧をかけて100Aの電流を30秒間流した。電圧の印加を停止した後、約185秒間浸漬することによって、無電解ニッケルめっきを施した。
その後、実施例1と同様に純水槽4への浸漬、熱風乾燥槽5での仕上げ乾燥を実施してロール金型を得た。
該ロール金型の外観を実施例1と同様に目視にて確認したところ、めっき斑等の欠陥が表面全体に視認された。
さらに、ここで得られたロール金型を用いた以外は実施例1と同様にしてレンズシートを製造し、得られたレンズシートをバックライト装置に設置して外観を目視検査したところ、メッキ斑に起因する光学的欠陥がシート全体に点在して発生していることが確認された。
【0034】
[比較例2]
実施例1と同様に、金型本体の作製、脱脂処理、酸活性処理および水洗処理を行った。水洗処理直後の金型本体の表面温度を測定したところ、20℃であった。
次に、該金型本体を周速2m/分で回転しながら温度80℃の純水(湯)が入った純水槽4に移動し、該純水中に約120秒間浸漬した。該純水中から引き上げてすぐに、接触式表面温度計を用いて金型本体の表面温度を測定したところ、75℃であった。
次に、該金型本体を周速2m/分で回転しながら、温度が90℃であるニッケルめっき液(組成は実施例1で用いたものと同じ。)が建浴されためっき処理槽1上に移動し、ニッケルめっき液中に金型本体を浸漬した。金型本体全体が浸漬した直後、めっき処理槽1に設置された電極に5Vの電圧をかけて100Aの電流を30秒間流した。電圧の印加を停止した後、約185秒間浸漬することによって、無電解ニッケルめっきを施した。
その後、実施例1と同様に純水槽4への浸漬、熱風乾燥槽5での仕上げ乾燥を実施してロール金型を得た。
該ロール金型の外観を実施例1と同様に目視にて確認したところ、めっき斑等の欠陥が表面全体に部分的に薄く視認された。
さらに、ここで得られたロール金型を用いた以外は実施例1と同様にしてレンズシートを製造し、得られたレンズシートをバックライト装置に設置して外観を目視検査したところ、メッキ斑に起因する光学的欠陥がシート全体に点在して発生していることが確認された。
【符号の説明】
【0035】
1…めっき処理槽、2…前処理槽、3…シャワー洗浄槽、4…純水槽、5…熱風乾燥槽、6…搬送装置、7…回転軸、8…、9…金型本体、21…ニッケルめっき金型、22…駆動装置、23…基材シート、24…放射線硬化性組成物、25…樹脂タンク、26…ニップロール、27…圧力調整機構、28…放射線照射装置、29…剥離ロール、30…レンズシート、61…レール、62…搬送体、63…昇降レール、64…シャワー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に凹凸が形成された円筒形の金型本体をニッケルめっき液に浸漬して該金型本体の外周面にニッケルめっき処理を施すニッケルめっき金型の製造方法であって、
前記金型本体の外周面の温度を、前記ニッケルめっき液の温度±10℃以内とした状態で前記ニッケルめっき処理を開始することを特徴とするニッケルめっき金型の製造方法。
【請求項2】
前記ニッケルめっき液の温度±10℃以内の温度の水を用いて前記金型本体の外周面の温度を調節した後、該金型本体を前記ニッケルめっき液に浸漬し、前記ニッケルめっき処理を開始する、請求項1に記載のニッケルめっき金型の製造方法。
【請求項3】
前記金型本体を前記ニッケルめっき液に浸漬し、その表面温度を該ニッケルめっき液の温度±10℃以内の温度に調節した後、前記ニッケルめっき処理を開始する、請求項1に記載のニッケルめっき金型の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−7217(P2012−7217A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145036(P2010−145036)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】