説明

ニッケル膜形成用塗布液及びニッケル膜の製造方法並びにニッケル膜

【課題】 優れた導電性と表面平坦性を兼ね備え、かつ成膜性に優れたニッケル膜を、塗布法、特にインクジェット印刷法により形成するのに適したニッケル膜形成用塗布液を提供し、この塗布液を使用したニッケル膜の製造方法を提供する。
【解決手段】 蟻酸ニッケルと、150℃以上180℃未満の範囲に沸点を有するアミン系溶媒を含有し、かつジメチルアセトアミド、エチレングリコール、化学式RO(RO)Hで表されるジアルキレングリコールモノアルキルエーテル、水から選定される1種類以上の溶媒を主溶媒として含有するニッケル膜形成用塗布液とする。ここでRはCH、C、Cから選ばれる一種、RはCまたはCのいずれかを示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニッケル膜形成用塗布液及びニッケル膜の製造方法並びにニッケル膜に関するものである。さらに詳しくは、ガラスやセラミックなどの耐熱基板上に、塗布法、特にインクジェット印刷法を用いて導電性に優れたニッケル膜をより低温で形成でき、低コストかつ簡便に形成できる塗布液、及び該塗布液を用いたニッケル膜の製造方法並びにそれにより形成されたニッケル膜に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイ(PDP)等の表示素子の信号電極、各種回路基板の電極等には導電性に優れた金属材料が用いられており、用途に応じて例えば銅、アルミニウム、銀、ニッケル等が使用されている。
【0003】
ここで、従来の金属電極の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法等の物理的手法が広く用いられている。これらの形成方法によれば導電性に優れた均一な金属膜を基板上に形成することができる。
しかしながら、これらに使用する膜形成装置は真空容器をベースとするため非常に高価であり、また基板成膜毎に製造装置内を真空にしなければならないため、製造コストと量産性に問題があった。更に、金属膜を所定のパターンに加工するために、レジスト形成してエッチングしなければならず、工程が多くなり生産性の低下や高コストになる欠点があった。
【0004】
かかる問題を是正する製造方法として、例えば特許文献1〜3にあるように、銀や銅のナノ粒子を溶剤に分散させた導電膜形成用塗布液を用いる方法(以下、「塗布法」と表記する場合がある)が提案されている。この方法では、導電膜形成用塗布液の基板上への塗布、乾燥、焼成という簡単な製造工程で銀や銅の導電膜が形成される。これは、銀や銅のナノ粒子サイズの効果により、比較的低温でも微粒子同士が融着する性質を利用したものである。
【0005】
しかし、上記塗布法は融着しやすいナノ粒子に対しては適用されるものの、例えばニッケル粒子のような融着しにくい金属では得られる膜質がポーラス膜になって悪化してしまうため、積層セラミックコンデンサーの様な1000℃程度の高温で焼成する用途以外には実用化されていなかった。また、ニッケルは強磁性体であり、粘度の低い塗布液においては塗布液中でニッケル微粒子が凝集しやすく、塗布液の安定性にも問題があった。
【0006】
このため、これらの問題点を改良した塗布液として、例えば特許文献4にあるように、蟻酸ニッケルをモノエタノールアミン、2−アミノエタノール(沸点171℃)に溶解させた分子状ニッケル源を用いるニッケル膜形成用ペーストが提案されている。また、例えば特許文献5にあるように、酢酸ニッケル等の有機ニッケルをグリコール系の溶剤に溶解したニッケル膜形成用ペーストが提案されている。これらの方法では、例えばスクリーン印刷を用いて上記ペーストを印刷し、窒素ガス中400℃程度の温度で焼成してニッケル導電膜を得ている。
【0007】
ところで、近年塗布法による導電膜形成に際して、微細パターンを解像度よく塗布形成する方法として、インクジェット印刷法が盛んに研究されており、これに用いる塗布液として、インク吐出性に優れかつ成膜性が良好でハジキ(濡れ性不良のために塗布液が印刷パターンから縮小してしまうこと)やにじみ(過度の濡れ性のため塗布液が印刷パターンから広がってしまうこと)などの欠陥を生ずることなく、かつ導電性などの膜特性に優れるものが望まれている。
【0008】
しかしながら、上記特許文献4に開示された蟻酸ニッケルをモノエタノールアミンに溶解させたニッケル膜形成用ペーストや、特許文献5に開示された酢酸ニッケル等の有機ニッケルをグリコール系の溶剤に溶解したニッケル膜形成用ペーストでは、スクリーン印刷を前提としており、従って塗布液の粘度が高いことから、インクジェット印刷法のインク吐出性に最適とされる5〜20mPa・s程度の粘度には全く合致しておらず、インクジェット印刷法に適用することができない。
【0009】
ここで、例えば蟻酸ニッケルとアミン系溶媒を用いて低粘度のニッケル膜形成用インクを作製した場合、アミン系溶媒はアルカリ性を有するため、適用する基材によってはアミン系溶媒がアルカリとして作用し該基材を劣化させてしまう可能性がある。例えば、酸化ケイ素系の基材はアルカリで劣化されやすいものとして挙げられる。したがって、用いる基材によっては、ニッケル膜形成用インクにおけるアミン系溶媒の配合量をできるだけ低下させることも必要であった。
また、ニッケル膜形成用インクを基板に塗布してニッケル膜を形成する場合に、例えば、300℃以下のより低温で膜形成をすることができれば、更にニッケル膜形成用インクの適用範囲を広げることが可能となるため、より低温での膜形成が望まれていた。
【特許文献1】特開2002−334618号公報
【特許文献2】特開2002−338850号公報
【特許文献3】特開2003−103158号公報
【特許文献4】特開2005−026479号公報
【特許文献5】特開2004−265826号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、塗布法、特にインクジェット印刷法によって導電性に優れたニッケル膜をより低温で形成でき、低コストかつ簡便に形成できるニッケル膜形成用塗布液、およびこの塗布液を使用したニッケル膜の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係るニッケル膜形成用塗布液は、蟻酸ニッケルと、150℃以上180℃未満の範囲に沸点を有するアミン系溶媒を含有し、かつジメチルアセトアミド、エチレングリコール、化学式RO(RO)Hで表されるジアルキレングリコールモノアルキルエーテル、水から選定される1種類以上の溶媒を主溶媒として含有することを特徴とするものである。ここで、RはCH、C、Cから選ばれる一種、RはCまたはCのいずれかを示す。
【0012】
また、本発明に係る他のニッケル膜形成用塗布液は、上記本発明に係るニッケル膜形成用塗布液に、更にバインダー成分および/または界面活性剤を含有することを特徴とするものである。
更に、本発明に係る他のニッケル膜形成用塗布液においては、前記アミン系溶媒としてアルカノールアミン溶媒および/またはグリコールアミン溶媒を使用することを特徴とし、また、前記アルカノールアミン溶媒として、1−アミノ−2−プロパノールまたは2−アミノエタノールを使用することを特徴とするものである。
また、本発明に係る他のニッケル膜形成用塗布液においては、前記バインダー成分または界面活性剤が、アミノ基もしくはアミン基を有することを特徴とするものである。
ここで、本明細書中、アミノ基(−NH)とは、アンモニアから水素を除去した1価の官能基をいい、アミン基(−NHR、−NR;R、Rはメチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基等)とは、第一級あるいは第二級アミンから水素を除去した1価の官能基をいう。
尚、上記アミノ基とアミン基を含めて、広い意味で、アミノ基と呼ぶ場合があるが、ここでは、上述のように、区別して用いている。
【0013】
更に、本発明に係る他のニッケル膜形成用塗布液においては、前記界面活性剤がHLB値(Hydrophile Lipophile Balance;親水性−親油性バランスの略)が10以上のシリコン系界面活性剤であることを特徴とし、また、室温での粘度は5〜30mPa・sの範囲内に設定されていることを特徴とするものである。
【0014】
次に、本発明に係るニッケル膜の製造方法は、前記本発明のニッケル膜形成用塗布液のいずれかを基板上に塗布して乾燥した後、不活性雰囲気又は還元性雰囲気下において200℃以上の温度で焼成することを特徴とするものである。
また、本発明に係る他のニッケル膜の製造方法においては、前記乾燥を150℃以上の温度で行うことを特徴とするものである。
更に、本発明に係る他のニッケル膜の製造方法においては、ニッケル膜形成用塗布液を基板上に塗布するにあたり、インクジェット印刷で行うことを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明に係るニッケル膜は、前記本発明のニッケル膜形成用塗布液を使用して、本発明のニッケル膜形成方法により得られたことを特徴とするものである。
更に、本発明に係る他のニッケル膜は、比抵抗値が10mΩ・cm以下であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るニッケル膜形成用塗布液によれば、インクジェット印刷等の塗布法に好適な粘度と優れた成膜性(印刷性ともいう)及び液安定性を有する塗布液を得ることが可能となる。また、この塗布液をガラスやセラミックなどの耐熱基板上に塗布、乾燥、焼成して得られるニッケル膜は、良好な導電性を有するため、LCD、ELD、PDPなどの各種ディスプレイ、回路基板等の電極に適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明のニッケル膜形成用塗布液は、蟻酸ニッケルと、150℃以上180℃未満の範囲に沸点を有するアミン系溶媒を含有し、かつジメチルアセトアミド、エチレングリコール、化学式RO(RO)Hで表されるジアルキレングリコールモノアルキルエーテル、水から選定される1種類以上の溶媒を主溶媒として含有する。
ここで、RはCH、C、Cから選ばれる一種、RはCまたはCのいずれかを示す。
本発明に用いられる蟻酸ニッケル[化学式:Ni(HCOO)]は、実際の形態としては、無水物のNi(HCOO)、又は水和物のNi(HCOO)・2HO、が存在する。蟻酸ニッケルはニッケル化合物の中では比較的低温の温度領域(240〜270℃)で熱分解してニッケルを形成するため、ニッケル膜形成用塗布液のニッケル原料として好ましい。
【0018】
ニッケル膜形成用塗布液における蟻酸ニッケルの含有量については、3〜40重量%の範囲であることが好ましく、更に好ましくは5〜20重量%とするのが良い。含有量が3重量%未満であるとニッケル膜の膜厚が薄くなり十分な導電性が得られず、40重量%より多いとクラックが発生して導電性が損なわれる場合がある。尚、ここでいう蟻酸ニッケルの含有量とは、水和物の蟻酸ニッケル[Ni(HCOO)・2HO]に換算した含有量を示している。
【0019】
本発明に用いられるアミン系溶媒は、蟻酸ニッケルを溶解するために用いるものであり、150℃以上180℃未満の範囲に沸点を有するものを用いる。
沸点が150℃未満のアミン系溶媒では乾燥速度が速いため、これを主溶媒として用いた塗布液では、塗布した後に高温(例えば180℃)で乾燥した際、溶媒の急速な蒸発に伴う膜の亀裂(クラック)や著しい凹凸の発生が生じ易く、膜抵抗値が悪化し、膜強度、膜平滑性、膜の均一性等が大きく劣化する問題を起こしやすい。また、塗布した後の乾燥温度を下げた場合は、上記亀裂の問題は起こらなくなるが、ニッケル膜の緻密化が不十分となり易く、同様に膜抵抗値、膜強度、膜平滑性等の問題が起きるため好ましくない。
一方、沸点が180℃以上のアミン系溶媒では、これを主溶媒として用いた塗布液は、塗布した後に高温(例えば180℃)で乾燥した際、乾燥時間が著しく長くなると同時に、膜中に溶媒が残留し易くなる場合があり好ましくない。また、溶媒の乾燥速度を高めるために乾燥温度を更に上昇させると、塗布液の乾燥中に蟻酸ニッケルの分解が同時に起こり始めるため、水蒸気、二酸化炭素等の分解ガスの発生もあり、前述と同様に膜抵抗値、膜強度、膜平滑性、膜の均一性等が大きく損なわれる場合があり好ましくない。
【0020】
上記アミン系溶媒としては、アルカノールアミン溶媒、および/またはグリコールアミン溶媒を用いることができる。アルカノールアミン溶媒、グリコールアミン溶媒としては、炭素鎖の末端に水酸基(−OH)を有するものが好ましく、具体的には、1−アミノ−2−プロパノール(沸点:159.9℃)、2−アミノエタノール(沸点:171℃)が挙げられる。炭素鎖の末端に水酸基を有するアミン系溶剤と蟻酸ニッケルは、アミン溶剤が配位したニッケル錯体を形成することから蟻酸ニッケルを高濃度で溶解することができ、これを低粘度の溶剤で希釈することで、例えばスピンコート,ディップコート,インクジェット印刷といった塗布方法に好適な低粘度のインクを作製することができるので好ましい。
【0021】
ニッケル膜形成用塗布液におけるアミン系溶媒の含有量については、50重量%以下であることが好ましく、更に好ましくは20重量%以下とするのが良い。アミン系溶媒を、50重量%を超えて含有すると、(a)基材(例えばガラス)によっては濡れ性が悪くなる、(b)ニッケル膜形成用塗布液の粘度が高くなる(例えば100mPa・s[25℃]程度、アミン系溶媒自体の粘度が高いことに起因する)ため、インクジェット印刷時に加熱ヒーター内蔵のインクジェットヘッドを用い、液を加熱し粘度を低下させながら印刷を行う等の工夫が必要となり、好ましいとは言えない面がある。また、基材が酸化ケイ素系材料からなる基材に塗布した場合、アルカリで基材が劣化する可能性があり、アミン系溶媒の含有量はできるだけ低下させることが望ましい。
【0022】
本発明に用いられる溶媒には、上記アミン系溶媒に加えさらにジメチルアセトアミド、エチレングリコール、化学式RO(RO)Hで表されるジアルキレングリコールモノアルキルエーテル、水から選ばれる少なくとも1種以上を含有することが必要である。
ここで、RはCH、C、Cから選ばれる一種、RはCまたはCのいずれかを示す。
上記物質は、蟻酸ニッケルが溶解したアミン系溶媒と相互溶解性を有しており、ニッケル膜形成用塗布液の溶媒として好適に用いることができる。
また、ニッケル膜形成用塗布液におけるジメチルアセトアミド、エチレングリコール、化学式RO(RO)Hで表されるジアルキレングリコールモノアルキルエーテル、水から選ばれる少なくとも1種以上の含有量については、蟻酸ニッケルの含有量によって適宜選定すればよい。実用的なニッケル膜形成用塗布液である蟻酸ニッケルの含有量が、8〜10重量%の場合であれば、50〜90重量%の範囲で適宜選定される。主溶媒の含有量が少ないと相対的にアミン系溶媒の量が多くなり粘性が上昇してしまう。一方、主溶媒の含有量が多くなると、相対的にアミン系溶媒の量が少なくなりインクの安定性が悪化する(蟻酸ニッケルが析出してしまう)。
ここで、水は主溶媒中の30重量%程度まで使用することができるが、過剰に添加すると塗布液の表面張力が高くなり塗布性が悪化する傾向にあるので注意を要する。
【0023】
本発明のニッケル膜形成用塗布液では、塗布性や成膜性を改善することを目的として、バインダー成分、および/または界面活性剤を含有してもよい。
本発明に用いられるバインダーとしては、アミン系溶媒およびジメチルアセトアミド、エチレングリコール、化学式RO(RO)Hで表されるジアルキレングリコールモノアルキルエーテル、水等に溶解し、ニッケル膜形成用塗布液の溶解安定性や塗布性を悪化させなければ良く、バインダーの添加により膜の密着力や平坦性を向上させることができるようになる。
ここで、RはCH、C、Cから選ばれる一種、RはCまたはCのいずれかを示す。
【0024】
このようなバインダー材料としては、シリコン系やチタン系等のカップリング剤が挙げられ、中でもアミノ基(−NH)やアミン基を有するカップリング剤が有効である。
具体的には例えば、シリコン系カップリング剤としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン等が挙げられ、チタン系カップリング剤としては、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0025】
また、上記バインダーの添加量は、蟻酸ニッケル[Ni(HCOO)]100重量部に対して0.05〜20重量部、好ましくは1〜15重量部を添加するのが好ましい。0.05重量部未満では添加の効果がなく、一方、20重量部を超えると上記膜の密着力や平坦性を向上させる効果は発揮できるが、バインダー成分がニッケル微粒子同士の間に介在して接触を阻害するため、膜の導電性が損なわれるため、好ましくないからである。
更に、バインダーにカップリング剤を用いた場合、焼成後も無機成分が膜中に残留し、基材とニッケル微粒子間を接合するため膜の密着力向上に役立つ。また、バインダーの添加は焼成過程において、ニッケル微粒子の成長を均一化する効果もあり膜の平坦性の向上にも寄与する。
【0026】
本発明に適用可能な上記界面活性剤には、シリコン系、フッ素系、アミン系の界面活性剤等があるが、できれば燃焼性又は熱分解性であることが好ましい。
例えばシリコン系界面活性剤としては、疎水基にジメチルポリシロキサン、親水基にポリアルキレンオキサイドで構成されるものや、その一部に各種官能基を導入したもの等が挙げられ、そのHLB値(親水性−親油性バランス)が10〜20であることが好ましい。HLB値が10未満であるとニッケル膜形成用塗布液を塗布・成膜して得られる膜の均一性が不十分となる傾向が見られるため好ましくない。20を超えるシリコン系界面活性剤は一般に市販されておらず入手が困難である
上記各種官能基としては、アミン系溶媒への溶解性や、蟻酸ニッケルの溶解安定性を向上させるという観点からすると、アミノ基やアミン基が好ましいと言える。
また、フッ素系界面活性剤としては、例えば炭素数6〜9のパーフルオロアルキル基を含有するアニオン型、ノニオン型、カチオン型、両性イオン型等の界面活性剤が挙げられ、極めて界面活性能力が高いため、シリコン系やアミン系に比べて少ない添加量で効果を発揮できる特徴がある。
更に、アミン系の界面活性剤としては、アルキルアミン酢酸塩(RHNH・HOOCCH、R:アルキル基)がニッケル膜形成用塗布液の液安定性を良好に保ち、かつ熱分解性も有するため好ましいものとして挙げられる。
【0027】
また、上記界面活性剤の添加量は、蟻酸ニッケル[Ni(HCOO)]100重量部に対し0.01〜3.0重量部、好ましくは0.02〜0.5重量部を添加するのが好ましい。0.01重量部未満では添加の効果がなく、一方、3.0重量部を超えると前述の成膜性を向上させる効果は発揮できるが、界面活性剤成分がニッケル膜形成過程においてニッケル微粒子同士の間に介在して粒成長や接触を阻害して得られるニッケル膜の導電性を損なう可能性があり好ましくないからである。
【0028】
本発明に用いられるニッケル膜形成用塗布液は、蟻酸ニッケルをアミン系溶媒、またはアミン系溶媒とエチレングリコールの混合溶液に加熱溶解させて得られた溶液に、ジメチルアセトアミド、エチレングリコール、化学式RO(RO)Hで表されるジアルキレングリコールモノアルキルエーテル、水から選定される1種類以上の溶媒を加えることによって作製することができる。また、上述のように、必要に応じてバインダー成分、および/または界面活性剤を添加してもよい。加熱溶解は、加熱溶解温度を例えば50〜160℃とした場合には、10〜60分程度攪拌することにより行われる。加熱溶解温度が50℃よりも低くても長時間をかければ溶解できなくはないが効率的ではなく、一方、加熱溶解温度が160℃よりも高いとアミン系溶媒の蒸発が顕著となり蟻酸ニッケル濃度が変化してしまうので好ましくない。
【0029】
本発明のニッケル膜の製造方法は、前記ニッケル膜形成用塗布液を基板上に塗布、乾燥後、焼成することにより製造するものである。
本発明に用いられる塗布方法としては、スピンコート、ワイヤーバーコート、ディップコート、スクリーン印刷、インクジェット印刷といった各種塗布方法が適用できるが、中でも直接微細なパターンを解像度よく形成できる点でインクジェット印刷による塗布法が好ましい。
インクジェット印刷では、ノズルからインクを吐出させて基材上に塗膜パターンを形成させるため、塗布液の室温での粘度は通常5〜30mPa・s程度の範囲、好ましくは5〜20mPa・s、更に好ましくは5〜15mPa・sに調整することが好ましい。この適正粘度は、インクジェットヘッド内のインクの粘度を指すため、インクジェットヘッドに加熱ヒーターを内蔵した装置では、室温での粘度がより高い粘度のインクを用いることもできる。また、ノズル部分での溶剤乾燥によるノズル詰まりを防止するため、例えば100℃以上の比較的沸点の高い溶媒を用いることが好ましい。
【0030】
基板上に塗布されたニッケル膜形成用塗布液の乾燥は、上述の理由から、塗布液が塗布された基板を150℃以上の温度で、好ましくは150〜220℃、更に好ましくは180〜220℃の温度で行う。ただし、150℃未満でも条件によっては乾燥を行うことができ良好なニッケル膜を得ることができる。乾燥時間は10〜60分保持することが好ましい。乾燥雰囲気は大気中、または窒素ガス等の中性雰囲気が使用できる。
焼成は、乾燥後の塗布基板を焼成炉に入れて、通常、蟻酸ニッケルの分解温度の約240℃以上、好ましくは300℃以上に加熱し、30〜120分保持することにより行われる。
ニッケル膜の導電性は、焼成温度が高いほどニッケル粒子の粒成長が促進されるので向上する。焼成雰囲気については窒素ガス、アルゴンガス等の不活性雰囲気でも良いが、水素ガス、水素−窒素混合ガス等の還元性雰囲気が、ニッケル粒子の酸化を完全に抑制しニッケル粒子同士の焼結を促進して導電性を一層向上できる点で好ましい。また、還元性雰囲気での焼成では、蟻酸ニッケルの分解温度以下の温度でも蟻酸ニッケルをニッケルに還元することが可能となるため、焼成時間は長くなるものの、例えば200〜230℃程度の低温焼成でもニッケル膜を得ることができる。
[実施例]
【0031】
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0032】
蟻酸ニッケル[Ni(COOH)・2HO]:8g、2−アミノエタノール(沸点171℃):32gを混合し、80℃で加熱溶解した後、ジエチレングリコールモノエチルエーテル:59.99g、及びシリコン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、L−7604;HLB値=13)0.01gを混合して、青色透明溶液である実施例1に係るニッケル膜形成用塗布液を得た。
このニッケル膜形成用塗布液の粘度は19mPa・s[at25±2℃]で、室温に1週間放置しても蟻酸ニッケル等の析出も含めインク外観の変化は認められなかった。
このニッケル膜形成用塗布液をソーダライムガラス基板上にインクジェット印刷したところ、ノズル詰まりもなくインク吐出性は良好であった。尚、このニッケル膜形成用塗布液の粘度はCBC(株)製の振動式粘度計VM−100−Lを用いて測定した。
【0033】
インクジェット印刷での大面積ベタ印刷は容易でなく、後述するこのニッケル膜の透過率、ヘイズ、表面抵抗値の特性評価が困難となるので、ニッケル膜形成用塗布液の塗布をスピンコーティング法で行い、特性評価を実施した。すなわち、上記ニッケル膜形成用塗布液をソーダライムガラス基板(10cm×10cm×3mm厚さ)上の全面にスピンコーティング(250rpm×60sec)した後、180℃で30分間乾燥し、更に2%水素−98%窒素中で300℃で30分間焼成して実施例1に係るニッケル膜を得た。
このニッケル膜の膜厚は約80nmで、比抵抗は0.18mΩ・cmであった。
尚、これらは同様のニッケル膜形成用塗布液を使用しているので、インクジェット印刷法を採用しても、スピンコーティング法を採用しても、得られたニッケル膜における膜特性には変わりはない。
【実施例2】
【0034】
蟻酸ニッケル[Ni(COOH)・2HO]:8g、1−アミノ−2−プロパノール(沸点159.9℃):32gを混合し、80℃で加熱溶解した後、ジメチルアセトアミド:50g、ジエチレングリコールモノエチルエーテル:9.98g、及びシリコン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、L−7604;HLB値=13)0.02gを混合して、青色透明溶液である実施例2に係るニッケル膜形成用塗布液を得た。このニッケル膜形成用塗布液の粘度は5mPa・s[at25±2℃]で、室温に1週間放置しても蟻酸ニッケル等の析出も含めインク外観の変化は認められなかった。
このニッケル膜形成用塗布液をソーダライムガラス基板上にインクジェット印刷したところ、ノズル詰まりもなくインク吐出性は良好であった。
さらに、上記ニッケル膜形成用塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2に係るニッケル膜を得た。
このニッケル膜の膜厚は約120nmで、比抵抗は0.42mΩ・cmであった。
【実施例3】
【0035】
蟻酸ニッケル[Ni(COOH)・2HO]:8g、2−アミノエタノール(沸点171℃):8g、エチレングリコール:6.9gを混合し、80℃で加熱溶解した後、ジエチレングリコールモノエチルエーテル:77.09g、及びシリコン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、L−7604;HLB値=13)0.01gを混合して、青色透明溶液である実施例3に係るニッケル膜形成用塗布液を得た。
このニッケル膜形成用塗布液の粘度は10mPa・s[at25±2℃]で、室温に1週間放置しても蟻酸ニッケル等の析出も含めインク外観の変化は認められなかった。
このニッケル膜形成用塗布液をソーダライムガラス基板上にインクジェット印刷したところ、ノズル詰まりもなくインク吐出性は良好であった。
さらに、上記ニッケル膜形成用塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3に係るニッケル膜を得た。
このニッケル膜の膜厚は約130nmで、比抵抗は0.20mΩ・cmであった。
【実施例4】
【0036】
蟻酸ニッケル[Ni(COOH)・2HO]:8g、2−アミノエタノール(沸点171℃):8g、エチレングリコール:6.9gを混合し、80℃で加熱溶解した後、エチレングリコール:8.1g、ジエチレングリコールモノエチルエーテル:68.99g、及びシリコン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、L−7604;HLB値=13)0.01gを混合して、青色透明溶液である実施例4に係るニッケル膜形成用塗布液を得た。
このニッケル膜形成用塗布液の粘度は12mPa・s[at25±2℃]で、室温に1週間放置しても蟻酸ニッケル等の析出も含めインク外観の変化は認められなかった。
このニッケル膜形成用塗布液をソーダライムガラス基板上にインクジェット印刷したところ、ノズル詰まりもなくインク吐出性は良好であった。
さらに、上記ニッケル膜形成用塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4に係るニッケル膜を得た。
このニッケル膜の膜厚は約95nmで、比抵抗は0.20mΩ・cmであった。
【実施例5】
【0037】
蟻酸ニッケル[Ni(COOH)・2HO]:8g、2−アミノエタノール(沸点171℃):8g、エチレングリコール:6.9gを混合し、80℃で加熱溶解した後、ジエチレングリコールモノエチルエーテル:76.29g、シリコン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、L−7604;HLB値=13)0.01g、及びバインダー成分としてチタネートカップリング剤[イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート]:0.8gを混合して、青色透明溶液である実施例5に係るニッケル膜形成用塗布液を得た。
このニッケル膜形成用塗布液の粘度は11mPa・s[at25±2℃]で、室温に1週間放置しても蟻酸ニッケル等の析出も含めインク外観の変化は認められなかった。
このニッケル膜形成用塗布液をソーダライムガラス基板上にインクジェット印刷したところ、ノズル詰まりもなくインク吐出性は良好であった。
さらに、上記ニッケル膜形成用塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5に係るニッケル膜を得た。
このニッケル膜の膜厚は約110nmで、比抵抗は2.61mΩ・cmであった。
【実施例6】
【0038】
蟻酸ニッケル[Ni(COOH)・2HO]:8g、1−アミノ−2−プロパノール(沸点159.9℃):8g、エチレングリコール:6.9gを混合し、80℃で加熱溶解した後、ジエチレングリコールモノエチルエーテル:76.29g、シリコン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、L−7604;HLB値=13)0.01g、及びバインダー成分としてチタネートカップリング剤[イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート]:0.8gを混合して、青色透明溶液である実施例6に係るニッケル膜形成用塗布液を得た。
このニッケル膜形成用塗布液の粘度は10mPa・s[at25±2℃]で、室温に1週間放置しても蟻酸ニッケル等の析出も含めインク外観の変化は認められなかった。
このニッケル膜形成用塗布液をソーダライムガラス基板上にインクジェット印刷したところ、ノズル詰まりもなくインク吐出性は良好であった。
さらに、上記ニッケル膜形成用塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例6に係るニッケル膜を得た。
このニッケル膜の膜厚は約90nmで、比抵抗は1.56mΩ・cmであった。
【0039】
(比較例1)
蟻酸ニッケル[Ni(COOH)・2HO]:8g、2,2−イミノジエタノール(沸点269℃):32gを混合し、80℃で加熱溶解した後、ジエチレングリコールモノエチルエーテル:59.99g、及びシリコン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、L−7604;HLB値=13)0.01gを混合して、青色透明溶液である比較例1に係るニッケル膜形成用塗布液を得た。
このニッケル膜形成用塗布液の粘度は28mPa・s[25±2℃]で、室温に1週間放置しても蟻酸ニッケル等の析出も含めインク外観の変化は認められなかった。
このニッケル膜形成用塗布液をソーダライムガラス基板上にインクジェット印刷したところ、ノズル詰まりもなくインク吐出性は良好であった。
上記ニッケル膜形成用塗布液を用いた以外は実施例1と同様に行い、比較例1に係るニッケル膜を得た。このニッケル膜の膜厚は約270nmで、比抵抗は923mΩ・cmであった。このように膜厚が厚いにもかかわらず比抵抗が高いものとなった。
【0040】
(比較例2)
蟻酸ニッケル[Ni(COOH)・2HO]:8g、2,2−イミノジエタノール(沸点269℃):8g、エチレングリコール:6.9gを混合し、80℃で加熱溶解した後、エチレングリコール:8.1g、ジエチレングリコールモノエチルエーテル:68.99g、及びシリコン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、L−7604;HLB値=13)0.01gを混合して、青色透明溶液である比較例2に係るニッケル膜形成用塗布液を得た。
このニッケル膜形成用塗布液の粘度は11mPa・s[at25±2℃]で、室温に1週間放置しても蟻酸ニッケル等の析出も含めインク外観の変化は認められなかった。
このニッケル膜形成用塗布液をソーダライムガラス基板上にインクジェット印刷したところ、ノズル詰まりもなくインク吐出性は良好で、かつ形成された塗布膜の塗布性も良好であった。
さらに、上記ニッケル膜形成用塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2に係るニッケル膜を得た。
このニッケル膜の膜厚は約170nmで、比抵抗は3893mΩ・cmであった。このように膜厚が厚いにもかかわらず比抵抗が非常に高いものとなった。
【0041】
このようにして得られた各実施例及び各比較例に係るニッケル膜の膜厚、表面抵抗値(Ω/□(オーム・パー・スクエアと読む))、比抵抗値、可視光線透過率を表1に示す。膜厚はKLA−TencorCorporation製触針式膜厚計(Alpha−StepIQ)、表面抵抗値は三菱化学(株)製の表面抵抗計ロレスタAP(MCP−T400)、可視光線透過率は村上色彩技術研究所製ヘイズメーター(HR−200)で測定した。
尚、上述のニッケル膜の透過率は、ニッケル膜だけの可視光線透過率であって、以下の(1)式に基づいて求められる。すなわち、
ニッケル膜の透過率(%)
=[(ニッケル膜付ガラス基板ごと測定した透過率)/(ガラス基板の透過率)]
×100・・・・・・(1)
また、上述のニッケル膜の比抵抗値は、以下の(2)式に基づいて求められる。すなわち、
ニッケル膜の比抵抗値(mΩ・cm)
=[ニッケル膜の表面抵抗値(Ω/□)]×[ニッケル膜の膜厚(μm)]×0.1
・・・・・・(2)
【0042】
【表1】

【0043】
「評価」
各実施例と各比較例を比べると明らかな通り、各実施例の蟻酸ニッケルと150℃以上180℃未満の沸点のアミン系溶媒を含むニッケル膜形成用塗布液は、インクジェット印刷に適しており、かつインク外観の変化が見られないのと同時に、低抵抗のニッケル膜を形成できるの。これに対し、各比較例のニッケル膜形成用塗布液を用いて得られるニッケル膜では、抵抗値が大幅に増加する問題がみられた。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明によるニッケル膜形成用塗布液は、インクジェット印刷が適用できるので、基板上に微細なニッケル膜のパターンを解像度良く成膜することができ、また、より低温で膜形成でき、低コストかつ簡便に形成できる。しかも得られたニッケル膜の導電性、均一性、平坦性、強度も良好であるので、精密で複雑なパターンの要求される液晶ディスプレイ(LCD)、エレクロロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイ(PDP)などの表示素子の信号電極などの電子機器の製造に利用可能であり、その他、各種回路基板の電極なども含め、広範な利用が期待できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蟻酸ニッケルと、150℃以上180℃未満の範囲に沸点を有するアミン系溶媒を含有し、かつジメチルアセトアミド、エチレングリコール、化学式RO(RO)H(ここで、RはCH、C、Cから選ばれる一種、RはCまたはCのいずれか)で表されるジアルキレングリコールモノアルキルエーテル、水から選定される1種類以上の溶媒を主溶媒として含有することを特徴とするニッケル膜形成用塗布液。
【請求項2】
前記ニッケル膜形成用塗布液に、更にバインダー成分および/または界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1に記載のニッケル膜形成用塗布液。
【請求項3】
前記アミン系溶媒が、アルカノールアミン溶媒、および/またはグリコールアミン溶媒であることを特徴とする請求項1または2に記載のニッケル膜形成用塗布液。
【請求項4】
前記アルカノールアミン溶媒が、1−アミノ−2−プロパノールまたは2−アミノエタノールであることを特徴とする請求項3に記載のニッケル膜形成用塗布液。
【請求項5】
前記バインダー成分または界面活性剤が、アミノ基もしくはアミン基を有することを特徴とする請求項2に記載のニッケル膜形成用塗布液。
【請求項6】
前記界面活性剤が、HLB値10以上のシリコン系界面活性剤であることを特徴とする請求項2または5に記載のニッケル膜形成用塗布液。
【請求項7】
室温での粘度が、5〜30mPa・sの範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のニッケル膜形成用塗布液。
【請求項8】
基板上に請求項1から7のいずれか1項に記載のニッケル膜形成用塗布液を塗布して乾燥した後、不活性雰囲気または還元性雰囲気下において200℃以上の温度で焼成することを特徴とするニッケル膜の製造方法。
【請求項9】
前記乾燥が150℃以上の温度で行われることを特徴とする請求項8に記載のニッケル膜の製造方法。
【請求項10】
前記ニッケル膜形成用塗布液の塗布をインクジェット印刷で行うことを特徴とする請求項8または9に記載のニッケル膜の製造方法。
【請求項11】
前記請求項8から10のいずれか1項に記載のニッケル膜の製造方法で得られたことを特徴とするニッケル膜。
【請求項12】
比抵抗値が10mΩ・cm以下であることを特徴とする請求項11に記載のニッケル膜。

【公開番号】特開2008−127657(P2008−127657A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−316070(P2006−316070)
【出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【出願人】(000183303)住友金属鉱山株式会社 (2,015)
【Fターム(参考)】