説明

ニトロ化炭化水素、誘導体及びそれらの製造プロセス

希硝酸での炭化水素化合物のニトロ化によるニトロ化化合物の生成プロセスを提供する。前記ニトロ化化合物の工業的に有用な下流誘導体の製造プロセス並びに新規なニトロ化化合物及び誘導体並びに種々の用途に於けるこの誘導体の使用方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
先行特許出願に対するクロスリファレンス
本件特許出願は2008年4月16日出願の米国仮特許出願第61/045,380号の利益を請求する。
本発明は、ニトロ化炭化水素、例えばニトロアルカン、ニトロシクロアルカン及びニトロアラルキルの製造プロセス並びにニトロ化炭化水素の誘導化合物の製造プロセスに関する。本発明は新規なニトロ化炭化水素及び新規な誘導体にも関する。
【背景技術】
【0002】
炭化水素のニトロ化によって、一般的に、反応条件及び供給原料構造に依存して、種々の生成物が製造される。しかしながら、或る種の生成物は、他のものよりも一層望ましく、あまり有用でない化合物、例えば酸化副生物の費用で、一層有用なニトロ化化合物を選択的に製造することが、長い間の目標であった。
【0003】
商業的蒸気相ニトロ化とは反対に、炭化水素の混合蒸気−液体相又は高圧ニトロ化は、これまで、望ましいニトロパラフィンを潜在的に製造することができる技術であることが要求されてきた。例えば特許文献1及び非特許文献1参照。しかしながら、この先行技術の混合蒸気−液体相プロセスは、硝酸の転化率が低いこと、硝酸を容易に回収できないこと、硝酸による反応器腐食での問題点及び反応発熱を制御する際の困難性を含む多数の理由のために、決して実用的ではなかった。
【0004】
ニトロ化炭化水素の高収率を得ることは、低い収率はより多くの供給物を必要とし、従ってより高いコストになるので、考慮すべき重大な経済的要因である。更に、ニトロ化剤として硝酸を使用するとき、未反応の硝酸は廃液生成物になり、この廃液を適切に処理するための費用が嵩む。反応剤炭化水素の高い転化率は、未反応の反応剤の精製及び循環に伴う資本及びエネルギー支出を最小にするために、経済的にも重大である。従って、ニトロ化炭化水素及びそれらの誘導体の製造のための、一層経済的で、選択的で、環境的に優しいプロセスについてのニーズが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第2,489,320号明細書(Nygaard等)
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Albright,L.F.、“Nitration of Paraffins”、Chem.Engr.、(1966年)第149〜156頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの面に於いて、本発明は、炭化水素のニトロ化プロセスを提供する。このプロセスは、下降流配置反応器(downflow configured reactor)を用意し、炭化水素供給原料を、少なくとも約500psiの圧力及び約140〜約325℃の温度で、硝酸水溶液と反応させ、そして生成したニトロ化化合物を回収することを含んでなる(ここで、硝酸水溶液は10〜50重量%溶液である)。
【0008】
第二の面に於いて、本発明は、ニトロ化炭化水素の工業的に有用な下流誘導体、例えばニトロアルコール、アミノアルコール、N−アルキルアミノアルコール、アルキルヒドロキシルアミン及びオキサゾリジンの製造プロセスを提供する。
【0009】
第三の面に於いて、本発明はニトロ化炭化水素及びその誘導体を提供する。
【0010】
本発明は、種々の用途に於ける、ニトロ化炭化水素及びその誘導体の使用方法を更に提供する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
前記のように、一つの面に於いて、本発明は炭化水素のニトロ化プロセスに関する。本発明に従った、反応条件、ニトロ化剤濃度及び下降流反応器の使用の組合せによって、特に、酸化副生物の減少した生成及び所望の生成物への又は容易に循環可能であるか又は処理可能である物質への出発材料の増加した転化率の点から、先行技術を超えた多数の改良を有するプロセスが提供される。
【0012】
本発明のプロセスは下降流配置反応器内で実施する。即ちこの反応器は、実質的に鉛直に配置されており、反応剤が反応器の頂部端で導入され、生成物混合物が反応器の底部端で集められる。
【0013】
本発明に従って下降流方式での反応器の運転によって、一般的に、水平、上昇流、コイル状又は回分オートクレーブ型装置を利用する先行技術のシステムと比較したとき、相対的に低レベルの酸化副生物を含有するニトロ化化合物が提供される。如何なる特別の理論によっても結び付けられることを望まないが、下降流反応器の利点は、主として、ニトロ化反応の間の液相の量及び滞留時間を最小にするためのその能力からもたらされると思われる。一般的に液相には、炭化水素対硝酸の低いモル比が含まれ、これは、ニトロ化の費用で酸化化学に有利である。従って、酸化は主として液相中で起こる。下降流反応器内の気体は連続相であり、液体は、反応器壁又は充填物を伝って少しずつ落ちるので、下降流反応器内の液相(群)の量は、低いレベルで維持される。その結果、酸化化学が最小となる。
【0014】
反対に、気泡塔(bubble column)とも呼ばれる、上昇流反応器に於いては、液体が連続相である(そして泡は連続液相を通って急速に上昇する)。従って、上昇流反応器は液体ホールドアップを最大にする。前記のように、酸化は主として液相中で起こるので、上昇流反応器は酸化副生物の生成を最大にする。同様に、コイル状及び水平反応器形状も、液体滞留時間を延長し、従って、下降流反応器と比較したときに、酸化化学を増加させる。コイル状反応器の更なる欠点は、それらが、大規模反応器をこの形状で製作することが困難であるので、工業的規模生産のためによく適合していないことである。
【0015】
本発明に於いて使用するための下降流形状反応器は、好ましくは耐蝕性材料、例えばチタンから製造される。この反応器は、任意的に、熱伝達流体を循環させるための、投入部及び排出部を有するシェルによって取り囲まれている。例えば油であってよい熱伝達流体によって、反応の温度を所望のパラメーター内に制御することが可能になる。しかしながら、硝酸と炭化水素との間の反応は発熱であるので、シェル及び熱伝達流体の使用は必要でないことが注目されるべきである。反応の温度は、反応剤の添加速度及び/又は濃度を単純に調節することによって、所望のパラメーター内になるように調節することができる。
【0016】
下流方式での運転を容易にするために、この反応器は、一般的に、細長い、線状形状、例えば管(tube)であり、反応剤は、反応器の頂部又はその付近の入口部を通して添加し、次いで、反応が起こり、所望の生成物の生成を可能にするために充分な滞留時間の間、反応器を下方に流れるように配置する。生成物混合物は、反応器の底部又はその付近の出口部を通して集められる。
【0017】
この反応器は、反応剤混合及び熱伝達を改良するために並びに/又は反応器体積を変化させるために、任意的に、充填されている。適切な充填材料には、例えばガラスビーズ、ランダム充填物又は構造化充填物、例えば蒸留装置内で典型的に使用されるものが含まれる。他の充填材料が当該技術分野で公知であり、使用することができる。
【0018】
炭化水素供給原料及び硝酸は、反応器の中に入れる前に、混合することができ若しくは部分的に混合することができ又は、その代わりに、これらは、反応器内で混合を起こさせながら、個別に添加することができる。更に、一緒に添加しようと個別に添加しようと、反応剤を、反応器の中に入れる前に予熱することができる。
【0019】
硝酸は、反応器に、少なくとも約10重量%、好ましくは少なくとも約15重量%、更に好ましくは少なくとも約20重量%の酸を含有する水溶液の形で供給する。更に、この溶液は、約50重量%以下、好ましくは約40重量%以下、更に好ましくは約35重量%以下の酸を含有する。更なる態様に於いて、この硝酸溶液は約15〜約40重量%の酸を含有する。他の態様に於いて、この硝酸溶液は約18〜約35重量%の酸を含有する。
【0020】
炭化水素対硝酸のモル比は、少なくとも約1:1、更に好ましくは少なくとも約1.2:1にすべきである。
【0021】
反応器内の反応温度は、一般的に、(例えば前記のように、熱交換流体により又は反応から発生する熱を使用して)少なくとも約140℃で約325℃以下に制御する。幾つかの態様に於いて、この温度は、少なくとも約180℃、少なくとも約200℃、少なくとも約230℃又は少なくとも約240℃である。更なる態様に於いて、この温度は約290℃以下、約280℃以下、約270℃以下又は約250℃以下である。他の態様に於いて、この温度は約200〜250℃である。
【0022】
反応器内の圧力は、少なくとも約500psi、更に好ましくは少なくとも約1000psi(68atm)、更に好ましくは少なくとも約1200psi(82atm)に維持する。更に好ましくは、この圧力は、約1600psi(109atm)又はそれ以下、好ましくは約1500psi(102atm)又はそれ以下、更に好ましくは約1400psi(95atm)又はそれ以下である。更なる態様に於いて、この圧力は、約1000psi(68atm)〜1400psi(95atm)である。この圧力を所望の範囲内に維持するために、例えば背圧調節器の使用によることを含む、当該技術分野で公知の種々の方法を使用することができる。
【0023】
反応器内の反応剤の滞留時間は、好ましくは少なくとも約30秒間、更に好ましくは少なくとも約90秒間である。滞留時間は、例えば反応器の長さ及び/若しくは幅による又は充填材料の使用によることを含む、種々の方法で制御することができる。滞留時間は反応器の体積を入口流量によって割ることによって決定する。
【0024】
充分な滞留時間に続いて、ニトロ化生成物を、反応器の出口部を通して、反応器から集める。例えば所望の物質を単離し、精製するために、更なる処理、例えば蒸留をニトロ化生成物に実施することができる。
【0025】
本発明のプロセスに於いて使用することができる反応剤炭化水素の例には、これらに限定されないが、アルカン及びシクロアルカン(アルキル置換されたシクロアルカンを含む)、例えばイソブタン、n−ブタン、イソペンタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、2,3−ジメチルブタン、シクロヘキサン、シクロペンタン及びメチルシクロヘキサン;アリールアルカン、例えばエチルベンゼン、トルエン、キシレン、イソプロピルベンゼン、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン及び4−メチルビフェニル;縮合シクロアルカン、アルキル置換縮合アリール化合物及び縮合シクロアルカン−アリール化合物(アルキル置換誘導体を含む)、例えばテトラリン、デカリン及びメチルナフタレンが含まれる。既に1個又はそれ以上のニトロ置換基を有する反応剤のニトロ化も、この反応剤が利用可能な水素をなお有する限り意図される。
【0026】
本発明の第一の面の一つの好ましい態様に於いて、炭化水素は、炭素数4又はそれ以上の直鎖又は分枝鎖アルカン、例えばイソブタン又はn−ブタンであり、硝酸は25〜35重量%、好ましくは約30重量%溶液として付与される。このような炭化水素材料のために、約170〜325℃の反応温度及び約800〜1600psiの圧力を使用することが好ましい。イソブタンのためには、少なくとも約200℃の温度及び約1000〜1400psiの圧力が特に好ましい。n−ブタンのために、少なくとも約220℃の温度及び約1000〜1500psiの圧力が好ましい。
【0027】
別の好ましい態様に於いて、炭化水素は環式アルカン、例えばシクロヘキサンである。硝酸は、好ましくは25〜35重量%、更に好ましくは約30重量%溶液として付与される。このような炭化水素のために、好ましい反応温度は少なくとも200℃であり、好ましい圧力は約600〜1200psiである。
【0028】
さらに好ましい態様に於いて、炭化水素はアリールアルカン、例えばトルエンであり、硝酸は25〜35重量%、更に好ましくは約30重量%溶液として付与される。トルエンのニトロ化のための好ましい反応温度は少なくとも180℃であり、好ましい圧力は約900〜1200psiである。
【0029】
前記のように、本発明のプロセスの利点の一つは、先行技術システムと比較したとき、それが、出発反応剤の、所望の生成物又は容易に循環可能であるか若しくは処理可能である物質への増加した転化率になることである。従って、幾つかの態様に於いて、硝酸の少なくとも90重量%、更に好ましくは少なくとも95%(下記、(流入硝酸グラム数−排出硝酸グラム数)/流入硝酸グラム数のようにして決定される)が、ニトロ化反応の間に消費される。ニトロ化炭化水素にならない、転化された硝酸の大部分は、幾つかの供給原料について、酸化窒素(NO)の容易に回収される形になっている。
【0030】
さらに好ましい態様に於いて、炭化水素供給原料のニトロ化炭化水素への転化率(生成されたニトロ化炭化水素のモル数を、反応の中に供給された炭化水素のモル数によって割ることによって決定される)は、少なくとも25モル%、更に好ましくは少なくとも40モル%、なお更に好ましくは少なくとも50モル%である。
【0031】
本発明のプロセスに従って製造される好ましいニトロ化炭化水素には、式(I):
【0032】
【化1】

【0033】
(式中、RはC2〜C20アルキル、C3〜C12シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール若しくはアリール−アルキルであり、R1はH若しくはC1〜C12アルキルであり又はR及びR1は、それらが結合している炭素と一緒に、C3〜C12シクロアルキル環を形成し、そしてRyはH又はC1〜C6アルキルであるが、Rがエチル基であるとき、R1及びRyは、同時にHではない)
の化合物が含まれる。RがC2〜C8アルキル又はC3〜C8シクロアルキルである式(I)の化合物が更に好ましい。R1及びRyの一方がアルキル基である化合物も好ましい。
【0034】
本明細書中に記載されたニトロ化化合物及び誘導体の幾つかは、混合物として形成されることが、注目されるべきである。例えばn−ヘキサンのニトロ化によって、1−、2−及び3−ニトロヘキサンが同時に生成される。実質的に純粋な形での異性体の1種又はそれ以上を得ることが望ましいが、多くの用途に於いて、異性体純度は必須ではなく、一緒にされた混合物が、一般的に、そのままで使用するために適している。従って、本発明は、2種又はそれ以上のニトロ化化合物の混合物及び2種又はそれ以上のそれらの誘導体の混合物を包含する。
【0035】
第二の面に於いて、本発明は、上記のニトロ化炭化水素からの、好ましくは式(I)の化合物からの、種々の下流の誘導体(又はこれらの混合物)の製造プロセスを提供する(反応図式1参照)。このような誘導体は、多くの工業的に重要な用途に於いて有用である。
【0036】
【化2】

【0037】
従って、本発明の第二の面の一つの態様に従って、式II:
【0038】
【化3】

【0039】
(式中、RはC2〜C20アルキル、C3〜C12シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール若しくはアリール−アルキルであり、R2はH、C1〜C12アルキル若しくはCH(OH)−R5であり(但し、Rがエチル基であるとき、R2はHではない)又はR及びR2は、それらが結合している炭素と一緒に、C3〜C12シクロアルキル環を形成し、そしてR5は、独立に、H、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル又はアリールである)
のニトロアルコールの製造のためのプロセスが提供される。この態様のプロセスは、(a)前記のようにして製造された、式(I)(式中、RyはHである)のニトロ化炭化水素を用意し、そして(b)このニトロ化炭化水素をアルデヒドと、アルカリ性触媒の存在下で縮合させることを含んでなる。
【0040】
この縮合反応のために、種々のアルカリ性触媒を使用することができるが、水酸化ナトリウム又はトリメチルアミンが好ましい。縮合工程のためのアルデヒドは、一般的に、式、R5−C(=O)−Hのものであり、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、シクロヘキサンカルバルデヒド及びベンズアルデヒド(任意的に、アルキル、ニトロ、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド又はエステル基によって置換されている)のようなアルデヒドを含み、ホルムアルデヒドが特に好ましい。典型的には、この反応には、ニトロ化化合物をアルデヒドの水溶液と、約1:1のモル比及び約70〜80℃の温度で、回分式に又は連続的に反応させることが含まれる。触媒は、好ましくは反応混合物中の約0.01〜0.05の規定度を与えるために充分な量で使用する。典型的には、この反応は溶媒無しで行う。生成物は、水溶液として、直接的に使用することができ、又はこれは、例えば真空下で揮発物質をストリッピング除去することによって回収することができる。生成物を更に精製するために、種々の公知の技術、例えば結晶化を使用することができる。
【0041】
ニトロ基が2個の水素を有する炭素(即ちR1及びRyが共にHである)上に存在する式(I)のニトロアルカンについて、縮合は、任意的に、2当量又はそれ以上のアルデヒドを使用することによって、2回以下起きて、2個のヒドロキシ基を有するニトロアルコール(即ち、式(II)中のR2は、−CH(R5)OHである)を生成し得る。
【0042】
幾つかの態様に於いて、上記のプロセスに従って製造される式(II)の好ましい化合物は、RがC2〜C8アルキル、更に好ましくはC2〜C6アルキルであるものである。好ましくはR2もC1〜C3アルキルである。更に好ましくはR5はHである。
【0043】
他の態様に於いて、式(II)の好ましい化合物は、R及びR2が、それらが結合している炭素と一緒に、C3〜C8シクロアルキル環、更に好ましくはシクロヘキシル環を形成するものである。
【0044】
式(II)の特に好ましい化合物は2−メチル−2−ニトロ−1−オクタノール、2−エチル−2−ニトロ−1−ヘプタノール、2−ニトロ−2−プロピル−1−ヘキサノール、2−メチル−2−ニトロ−1−ヘキサノール、2−エチル−2−ニトロ−1−ペンタノール及び1−ヒドロキシメチル−1−ニトロシクロヘキサンである。
【0045】
本発明の第二の面の第二の態様に於いて、式(III):
【0046】
【化4】

【0047】
(式中、RはC2〜C20アルキル、C3〜C12シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール若しくはアリール−アルキルであり、R2はH、C1〜C12アルキル若しくはCH(OH)−R5であり(但し、Rがエチル基であるとき、R2はHではない)又はR及びR2は、それらが結合している炭素と一緒に、C3〜C12シクロアルキル環を形成し、そしてR5は、独立に、H、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル又はアリールである)
のアミノアルコールの製造のためのプロセスが提供される。この態様のプロセスは、(a)前記のようにして製造された、式(II)のニトロアルコールを用意し、そして(b)このニトロアルコールをアミノアルコールに化学的に還元することを含んでなる。アミンへのニトロ化合物の化学的還元は公知であり、種々の技術が“Comprehensive Chemical Transformations”、Richard C.Larock編;VCH Publishers、1989年、第411〜415頁に記載されている。水素化触媒の存在下での水素化が好ましい。
【0048】
水素化触媒による水素化は公知の技術であり、この反応のための条件は当業者によって容易に決定することができる。適切な触媒には、限定することなく、ラネーニッケル、白金及びパラジウムが含まれる。ラネーニッケルが好ましい。典型的には、この水素化は、メタノール又はエタノール水溶液中で、約70〜100℃の温度及び約400〜600p.s.i.gの圧力で行う。この触媒は、水素化されるべきニトロアルコールの約2〜10重量%の濃度で使用する。生成物は、触媒の濾過、続いて溶媒のストリッピングによって、容易に回収することができる。生成物を更に精製するために、種々の公知の技術、例えば結晶化又は蒸留を使用することができる。
【0049】
式(III)のアミノアルコールは、例えばペイント及びコーティング中の中和剤及び顔料分散剤として、例えば石油精製運転(petroleum refinery operations)及び天然ガスプロセッシングに於けるCO2又はH2Sスカベンジャーとして並びにエポキシ又はポリウレタン用途に於ける触媒又は硬化剤として有用である。幾つかの態様に於いて、式(III)の好ましい化合物は、RがC2〜C8アルキル、更に好ましくはC2〜C6アルキルであるものである。好ましくは、R2もC1〜C3アルキルである。更に好ましくはR5はHである。幾つかの態様に於いて、R5がヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、C1〜C6アルコキシ、−CO2−C1〜C6アルキル又は−CONRAB(式中、RA及びRBは、独立に、H又はC1〜C6アルキルである)によって任意的に置換されたフェニルであることが好ましい。
【0050】
他の態様に於いて、式(III)の好ましい化合物は、R及びR2が、それらが結合している炭素と一緒に、C3〜C8シクロアルキル環、更に好ましくはシクロヘキシル環を形成するものである。
【0051】
式(III)の特に好ましい化合物は2−アミノ−2−メチル−1−オクタノール、2−アミノ−2−エチル−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ヘキサノール、2−アミノ−2−メチル−1−ヘキサノール、2−アミノ−2−エチル−1−ペンタノール及び1−アミノ−1−ヒドロキシメチルシクロヘキサンである。
【0052】
第三の態様に従って、式(IV):
【0053】
【化5】

【0054】
(式中、RはC2〜C20アルキル、C3〜C12シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール若しくはアリール−アルキルであり、R3はH若しくはC1〜C12アルキルであり(但し、Rがエチル基であるとき、R3はHではない)又はR及びR3は、それらが結合している炭素と一緒に、C3〜C12シクロアルキル環を形成し、R4はHであり又はR3、R4及びそれらが結合している原子は、C1〜C6アルキルによって任意的に置換されているオキサゾリジン環を形成し、そしてR5はH、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル又はアリールである)
のオキサゾリジンの製造のためのプロセスが提供される。この態様のプロセスは、(a)前記のようにして製造された、式(III)のアミノアルコールを用意し、そして(b)式(III)のアミノアルコールをホルムアルデヒドと反応させることを含んでなる。
【0055】
式(IV)の単一オキサゾリジン構造は、等モル量のホルムアルデヒドと式(III)のアミノアルコールとの反応によって、製造することができる。ビス−オキサゾリジンは、2当量又はそれ以上のホルムアルデヒドを、R2がCH(OH)−R5である式(III)の化合物と共に使用することによって製造することができる。
【0056】
典型的には、この反応は、溶媒無しで、約50〜70℃の温度で、1〜2時間行う。この生成物は、縮合反応から得られた水溶液として追加の処理無しに直接的に使用することができ、又は例えば蒸留及び/又は結晶化により、更なる精製を行うことができる。
【0057】
式(IV)のオキサゾリジンは、例えばフェノール性ノボラック樹脂用の硬化剤として、又は殺生物剤として、含む種々の用途に於いて有用である。幾つかの態様に於いて、上記のプロセスに従って製造される式(IV)の好ましい化合物は、RがC2〜C12アルキル、更に好ましくはC2〜C10アルキルであるものである。好ましくはR3もH又はC1〜C8アルキルである。更に好ましくは、R5はHである。
【0058】
他の態様に於いて、式(IV)の好ましい化合物は、R3及びR4が、それらが結合している炭素と一緒に、オキサゾリジン環を形成するものである。
【0059】
本発明の第二の面の第四の態様に従って、式(V):
【0060】
【化6】

【0061】
(式中、RはC2〜C20アルキル、C3〜C12シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール若しくはアリール−アルキルであり、R1はH若しくはC1〜C12アルキルであり、又はR及びR1は、それらが結合している炭素と一緒に、C3〜C12シクロアルキル環を形成し、そしてRyは、H又はC1〜C6アルキルであるが、Rがエチル基であるとき、R1及びRyは同時にHではない)
のN−アルキルヒドロキシルアミンの製造のためのプロセスが提供される。この態様のプロセスは、(a)前記のようにして製造された、式(I)のニトロ化炭化水素を用意し、(b)このニトロ化炭化水素をヒドロキシルアミンに化学的に還元することを含んでなる。ヒドロキシルアミンへのニトロ化合物の化学的還元は公知であり、種々の技術を使用することができる。ニトロアルカンからヒドロキシルアミンを製造するために使用される化学的還元剤の例には、ヨウ化サマリウム、Zn/NH4Cl、アルミニウムアマルガム及び水素化アルミニウムリチウムが含まれる。水素化触媒の存在下でニトロ化炭化水素を部分的に水素化することが、好ましい技術である。
【0062】
ヒドロキシルアミンへのニトロ基の部分的水素化は、当該技術分野で公知であり、例えば米国特許第5,288,907号明細書(参照して本明細書中に含める)中に記載されている。この部分水素化のための好ましい触媒は、Pd/Al23であるが、他の公知の触媒を使用することができる。典型的には、この水素化は、水又はメタノール中で、50〜75℃及び30〜600p.s.i.g.H2で、良く撹拌しながら4〜6時間実施する。生成物は、触媒を濾別することによって回収し、次いで貯蔵し、水溶液として直接使用することができ又は例えば、再結晶化によって更なる単離を行うことができる。
【0063】
式(V)の化合物は、ラジカルスカベンジャーとして機能し、従って、種々の用途に於いて、例えば燃料中の安定剤及び/若しくは腐食制御剤、モノマーの安定剤又はゴム重合に於ける連鎖停止剤として有用である。幾つかの態様に於いて、式(V)の好ましい化合物は、RがC2〜C8アルキルであり、R1がC1〜C6アルキルであるものである。式中、R及びR1が、それらが結合している炭素と一緒に、C3〜C12シクロアルキル環、更に好ましくはC5〜C10環を形成する化合物も好ましい。式(V)の特に好ましい化合物はN−tert−ブチルヒドロキシルアミン、N−sec−ブチルヒドロキシルアミン、N−シクロヘキシルヒドロキシルアミン、n−N−ヘキシルヒドロキシルアミンの混合物、n−N−オクチルヒドロキシルアミンの混合物である。
【0064】
ニトロ化炭化水素及びそれらの誘導体は、更に誘導して、追加の有用な材料を与えることができる。一つの限定されない例の手段によって、式(III)のアミノアルコールは、アミンでモノ−又はビス−アルキル化されて、式VI:
【0065】
【化7】

【0066】
(式中、RはC2〜C20アルキル、C3〜C12シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール若しくはアリール−アルキルであり、R2はH、C1〜C12アルキル若しくはCH(OH)−R5であり(但し、Rがエチル基であるとき、R2はHではない)又はR及びR2は、それらが結合している炭素と一緒に、C3〜C12シクロアルキル環を形成し、R5は、独立に、H、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル又はアリールであり、そしてR6は、独立に、H又はC1〜C6アルキルである)
のN−アルキル化アミノアルコールを生成することができる。式VIの化合物は、例えば中和剤、分散剤及びポリウレタン触媒としての用途を見出す。この例に従った好ましいアルキル化化合物は1−ヒドロキシメチル−1−(N,N−ジメチルアミノ)シクロヘキサンである。
【0067】
式VIの化合物は、水素化触媒、例えばラネーニッケル上で、上昇した温度(例えば70〜130℃)及び圧力(例えば600〜750psi)で、1又は2当量のアルキル源としてのアルデヒド(例えばメチル化のためのホルムアルデヒド)及び水素を使用する、還元的アルキル化(例えばメチル化)によって製造される。
【0068】
その第三の面に於いて、本発明は新規なニトロ化炭化水素及び新規な誘導体化合物を提供する。この第三の面の第一の態様に従って、ニトロ化炭化水素は、式I−1:
【0069】
【化8】

【0070】
(式中、R7は直鎖状C2〜C17アルキルであり、そしてR8はH又は直鎖状C1〜C8アルキルであるが、R7及びR8は、それらが結合している炭素と一緒に、直鎖状C10〜C18アルキル鎖を形成するが、この化合物は、1−ニトロデカン、2−ニトロデカン、1−ニトロウンデカン、2−ニトロウンデカン、3−ニトロウンデカン、4−ニトロウンデカン、5−ニトロウンデカン、6−ニトロウンデカン、1−ニトロドデカン、2−ニトロドデカン、3−ニトロドデカン、4−ニトロドデカン、5−ニトロドデカン、6−ニトロドデカン、1−ニトロトリデカン、2−ニトロトリデカン、3−ニトロトリデカン、6−ニトロトリデカン、1−ニトロテトラデカン、1−ニトロペンタデカン、1−ニトロヘキサデカン、2−ニトロヘキサデカン、1−ニトロヘプタデカン、1−ニトロオクタデカン又は2−ニトロオクタデカンではない)
のものである。
【0071】
式I−1に従った好ましい化合物には、R7及びR8が、それらが結合している炭素と一緒に、直鎖状C12〜C18アルキル、C14〜C18アルキル、C16〜C18アルキル、C10〜C16アルキル、C10〜C14アルキル又はC10〜C12アルキルを形成するものが含まれる。
【0072】
7及びR8が置換されていない化合物も好ましい。
【0073】
式I−1に従った特に好ましい化合物は3−ニトロデカン、4−ニトロデカン、5−ニトロデカン、4−ニトロトリデカン、5−ニトロトリデカン、7−ニトロトリデカン、2−ニトロテトラデカン、3−ニトロテトラデカン、4−ニトロテトラデカン、5−ニトロテトラデカン、6−ニトロテトラデカン、7−ニトロテトラデカン、2−ニトロペンタデカン、3−ニトロペンタデカン、4−ニトロペンタデカン、5−ニトロペンタデカン、6−ニトロペンタデカン、7−ニトロペンタデカン、8−ニトロペンタデカン、3−ニトロヘキサデカン、4−ニトロヘキサデカン、5−ニトロヘキサデカン、6−ニトロヘキサデカン、7−ニトロヘキサデカン、8−ニトロヘキサデカン、2−ニトロヘプタデカン、3−ニトロヘプタデカン、4−ニトロヘプタデカン、5−ニトロヘプタデカン、6−ニトロヘプタデカン、7−ニトロヘプタデカン、8−ニトロヘプタデカン、9−ニトロヘプタデカン、3−ニトロオクタデカン、4−ニトロオクタデカン、5−ニトロオクタデカン、6−ニトロオクタデカン、7−ニトロオクタデカン、8−ニトロオクタデカン及び9−ニトロオクタデカンである。
【0074】
その第三の面の第二の態様に於いて、本発明は式II−1:
【0075】
【化9】

【0076】
(式中、R9は直鎖状C2〜C17アルキルであり、そしてR10はH、直鎖状C1〜C8アルキル若しくはCH2OHであるか又はR9、R10及びそれらが結合している炭素は、8員シクロアルキル環を形成し、但し、
10がH又は直鎖状C1〜C8アルキルであるとき、R9及びR10は、それらが結合している炭素と一緒に、直鎖状C5〜C18アルキル鎖を形成し、
10がCH2OHであるとき、R9は直鎖状C12〜C16アルキルであり、そして
この化合物は2−ニトロ−1−ヘキサノール、2−ニトロ−1−ヘプタノール、2−ニトロ−1−オクタノール、2−メチル−2−ニトロ−1−ヘプタノール又は2−ニトロ−1−ドデカノールではない)
のニトロアルコールを提供する。
【0077】
式II−1に従った好ましい化合物には、R10がH又は直鎖状C1〜C8アルキルであるとき、R9及びR10が、それらが結合している炭素と一緒に、直鎖状C7〜C18アルキル、C9〜C18アルキル、C11〜C18アルキル、C13〜C18アルキル、C15〜C18アルキル、C5〜C16アルキル、C5〜C14アルキル、C5〜C12アルキル、C5〜C10アルキル又はC5〜C8アルキル鎖を形成するものが含まれる。
【0078】
10がCH2OHであるとき、R9が直鎖状C14〜C16アルキル又はC12〜C13アルキルである化合物が更に好ましい。
【0079】
9及びR10が置換されていない化合物も好ましい。
【0080】
式II−1に従った特に好ましい化合物は2−メチル−2−ニトロ−1−ペンタノール、2−エチル−2−ニトロ−1−ブタノール、2−メチル−2−ニトロ−1−ヘキサノール、2−エチル−2−ニトロ−1−ペンタノール、2−エチル−2−ニトロ−1−ヘキサノール、2−ニトロ−2−プロピル−1−ペンタノール、2−ニトロ−1−ノナノール、2−メチル−2−ニトロ−1−オクタノール、2−エチル−2−ニトロ−1−ヘプタノール、2−ニトロ−2−プロピル−1−ヘキサノール、2−ニトロ−1−デカノール、2−メチル−2−ニトロ−1−ノナノール、2−エチル−2−ニトロ−1−オクタノール、2−ニトロ−2−プロピル−1−ヘプタノール、2−ブチル−2−ニトロ−1−ヘキサノール、2−ニトロ−1−ウンデカノール、2−メチル−2−ニトロ−1−デカノール、2−エチル−2−ニトロ−1−ノナノール、2−プロピル−2−ニトロ−1−オクタノール、2−ブチル−2−ニトロ−1−ヘプタノール、2−メチル−2−ニトロ−1−ウンデカノール、2−エチル−2−ニトロ−1−デカノール、2−プロピル−2−ニトロ−1−ノナノール、2−ブチル−2−ニトロ−1−オクタノール、2−ペンチル−2−ニトロ−1−ヘプタノール、2−ニトロ−1−トリデカノール、2−メチル−2−ニトロ−1−ドデカノール、2−エチル−2−ニトロ−1−ウンデカノール、2−プロピル−2−ニトロ−1−デカノール、2−ブチル−2−ニトロ−1−ノナノール、2−ペンチル−2−ニトロ−1−オクタノール、2−ニトロ−1−テトラデカノール、2−ヒドロキシメチル−2−ニトロ−1−テトラデカノール、2−メチル−2−ニトロ−1−トリデカノール、2−エチル−2−ニトロ−1−ドデカノール、2−プロピル−2−ニトロ−1−ウンデカノール、2−ブチル−2−ニトロ−1−デカノール、2−ペンチル−2−ニトロ−1−ノナノール、2−ヘキシル−2−ニトロ−1−オクタノール、2−ニトロ−1−ペンタデカノール、2−ヒドロキシメチル−2−ニトロ−1−ペンタデカノール、2−メチル−2−ニトロ−1−テトラデカノール、2−エチル−2−ニトロ−1−トリデカノール、2−プロピル−2−ニトロ−1−ドデカノール、2−ブチル−2−ニトロ−1−ウンデカノール、2−ペンチル−2−ニトロ−1−デカノール、2−ヘキシル−2−ニトロ−1−ノナノール、2−ヘプチル−2−ニトロ−1−オクタノール、2−ニトロ−1−ヘキサデカノール、2−ヒドロキシメチル−2−ニトロ−1−ヘキサデカノール、2−メチル−2−ニトロ−1−ペンタデカノール、2−エチル−2−ニトロ−1−テトラデカノール、2−プロピル−2−ニトロ−1−トリデカノール、2−ブチル−2−ニトロ−1−ドデカノール、2−ペンチル−2−ニトロ−1−ウンデカノール、2−ヘキシル−2−ニトロ−1−デカノール、2−ヘプチル−2−ニトロ−1−ノナノール、2−ニトロ−1−ヘプタデカノール、2−ヒドロキシメチル−2−ニトロ−1−ヘプタデカノール、2−メチル−2−ニトロ−1−ヘキサデカノール、2−エチル−2−ニトロ−1−ペンタデカノール、2−プロピル−2−ニトロ−1−テトラデカノール、2−ブチル−2−ニトロ−1−トリデカノール、2−ペンチル−2−ニトロ−1−ドデカノール、2−ヘキシル−2−ニトロ−1−ウンデカノール、2−ヘプチル−2−ニトロ−1−デカノール、2−ニトロ−1−オクタデカノール、2−ヒドロキシメチル−2−ニトロ−1−オクタデカノール、2−メチル−2−ニトロ−1−ヘプタデカノール、2−エチル−2−ニトロ−1−ヘキサデカノール、2−プロピル−2−ニトロ−1−ペンタデカノール、2−ブチル−2−ニトロ−1−テトラデカノール、2−ペンチル−2−ニトロ−1−トリデカノール、2−ヘキシル−2−ニトロ−1−ドデカノール、2−ヘプチル−2−ニトロ−1−ウンデカノール、2−オクチル−2−ニトロ−1−デカノール、2−ニトロ−1−ノナデカノール、2−メチル−2−ニトロ−1−オクタデカノール、2−エチル−2−ニトロ−1−ヘプタデカノール、2−プロピル−2−ニトロ−1−ヘキサデカノール、2−ブチル−2−ニトロ−1−ペンタデカノール、2−ペンチル−2−ニトロ−1−テトラデカノール、2−ヘキシル−2−ニトロ−1−トリデカノール、2−ヘプチル−2−ニトロ−1−ドデカノール、2−オクチル−2−ニトロ−1−ウンデカノール及び1−ヒドロキシメチル−1−ニトロシクロオクタンである。
【0081】
前記のニトロ化プロセスは式I−1の化合物の大部分が製造される好ましい手順である。しかしながら、このプロセスは1−ニトロアルカン生成物の収率が低くなる傾向がある。従って、1−ニトロアルカン生成物を製造するために、収率のより高い他の手順が好ましい。当該技術分野で公知である一つのこのような適切な手順はKornblum等、J.Am.Chem.Soc.、第76巻、第3209〜3211頁、1954年に記載されている。例えば1−ニトロオクタンの製造のための典型的な手順を下記の実施例に示す。
【0082】
第三の態様に於いて、本発明は式III−1:
【0083】
【化10】

【0084】
(式中、R11は直鎖状C2〜C17アルキルであり、そしてR12はH、直鎖状C1〜C8アルキル若しくはCH2OHであり又はR11、R12及びそれらが結合している炭素はC9〜C11シクロアルキル環を形成するが、
12がH又は直鎖状C1〜C8アルキルであるとき、R11及びR12は、それらが結合している炭素と一緒に、直鎖状C6〜C18アルキル鎖を形成し、
12が、CH2OHであるとき、R11は直鎖状C7〜C17アルキルであり、そして
この化合物は2−アミノ−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−メチル−1−ヘキサノール、2−アミノ−1−オクタノール、2−アミノ−2−エチル−1−ヘキサノール、2−アミノ−1−ノナノール、2−アミノ−2−メチル−1−オクタノール、2−アミノ−1−デカノール、2−アミノ−2−オクチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−ブチル−1−ヘキサノール、2−アミノ−1−ウンデカノール、2−アミノ−1−ドデカノール、2−アミノ−2−デシル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−1−トリデカノール、2−アミノ−2−メチル−1−ドデカノール、2−アミノ−1−テトラデカノール、2−アミノ−2−ドデシル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−トリデカノール、2−アミノ−1−ペンタデカノール、2−アミノ−2−トリデシル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−1−ヘキサデカノール、2−アミノ−2−テトラデシル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−ペンタデカノール、2−アミノ−2−ヘキシル−1−デカノール、2−アミノ−1−ヘプタデカノール、2−アミノ−2−ペンタデシル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−1−オクタデカノール又は2−アミノ−2−ヘキサデシル−1,3−プロパンジオールではない)
のアミノアルコールを提供する。
【0085】
式III−1に従った好ましい化合物には、R12がH又は直鎖状C1〜C8アルキルであるとき、R11及びR12が、それらが結合している炭素と一緒に、直鎖状C8〜C18アルキル、C10〜C18アルキル、C12〜C18アルキル、C14〜C18アルキル、C16〜C18アルキル、C6〜C16アルキル、C6〜C14アルキル、C6〜C12アルキル、C6〜C10アルキル又はC6〜C8アルキル鎖を形成するものが含まれる。
【0086】
12がCH2OHであるとき、R11が直鎖状C7〜C15アルキル、C7〜C13アルキル、C7〜C11アルキル、C7〜C9アルキル、C9〜C17アルキル、C11〜C17アルキル、C13〜C17アルキル又はC15〜C17アルキルである化合物が更に好ましい。
【0087】
11及びR12が置換されていない化合物も好ましい。
【0088】
式III−1に従った特に好ましい化合物は2−アミノ−2−エチル−1−ペンタノール、2−アミノ−2−メチル−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ペンタノール、2−アミノ−2−ヘプチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ヘキサノール、2−アミノ−2−メチル−1−ノナノール、2−アミノ−2−エチル−1−オクタノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−ノニル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−デカノール、2−アミノ−2−エチル−1−ノナノール、2−アミノ−2−プロピル−1−オクタノール、2−アミノ−2−ブチル−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−メチル−1−ウンデカノール、2−アミノ−2−エチル−1−デカノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ノナノール、2−アミノ−2−ブチル−1−オクタノール、2−アミノ−2−ペンチル−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−ウンデシル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1−ウンデカノール、2−アミノ−2−プロピル−1−デカノール、2−アミノ−2−ブチル−1−ノナノール、2−アミノ−2−ペンチル−1−オクタノール、2−アミノ−2−エチル−1−ドデカノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ウンデカノール、2−アミノ−2−ブチル−1−デカノール、2−アミノ−2−ペンチル−1−ノナノール、2−アミノ−2−ヘキシル−1−オクタノール、2−アミノ−2−メチル−1−テトラデカノール、2−アミノ−2−エチル−1−トリデカノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ドデカノール、2−アミノ−2−ブチル−1−ウンデカノール、2−アミノ−2−ペンチル−1−デカノール、2−アミノ−2−ヘキシル−1−ノナノール、2−アミノ−2−エチル−1−テトラデカノール、2−アミノ−2−プロピル−1−トリデカノール、2−アミノ−2−ブチル−1−ドデカノール、2−アミノ−2−ペンチル−1−ウンデカノール、2−アミノ−2−ヘプチル−1−ノナノール、2−アミノ−2−メチル−1−ヘキサデカノール、2−アミノ−2−エチル−1−ペンタデカノール、2−アミノ−2−プロピル−1−テトラデカノール、2−アミノ−2−ブチル−1−トリデカノール、2−アミノ−2−ペンチル−1−ドデカノール、2−アミノ−2−ヘキシル−1−ウンデカノール、2−アミノ−2−ヘプチル−1−デカノール、2−アミノ−2−メチル−1−ヘプタデカノール、2−アミノ−2−エチル−1−ヘキサデカノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ペンタデカノール、2−アミノ−2−ブチル−1−テトラデカノール、2−アミノ−2−ペンチル−1−トリデカノール、2−アミノ−2−ヘキシル−1−ドデカノール、2−アミノ−2−ヘプチル−1−ウンデカノール、2−アミノ−2−オクチル−1−デカノール、2−アミノ−1−ノナデカノール、2−アミノ−2−ヘプタデシル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−オクタデカノール、2−アミノ−2−エチル−1−ヘプタデカノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ヘキサデカノール、2−アミノ−2−ブチル−1−ペンタデカノール、2−アミノ−2−ペンチル−1−テトラデカノール、2−アミノ−2−ヘキシル−1−トリデカノール、2−アミノ−2−ヘプチル−1−ドデカノール、2−アミノ−2−オクチル−1−ウンデカノール、1−ヒドロキシメチル−1−アミノシクロノナン、1−ヒドロキシメチル−1−アミノシクロデカン及び1−ヒドロキシメチル−1−アミノシクロウンデカンである。
【0089】
その第三の面の第四の態様に於いて、本発明は式IV−1:
【0090】
【化11】

【0091】
(式中、R13はC2〜C20アルキル、C3〜C12シクロアルキル、アリール又はアリール−アルキルであり、R14はH若しくはC1〜C12アルキルであり(但し、R13がエチル基であるとき、R14はHではない)又はR13及びR14は、それらが結合している炭素と一緒に、C3〜C12シクロアルキル環を形成し、R15はHであり又はR14、R15及びそれらが結合している原子は、C1〜C6アルキルによって任意的に置換されているオキサゾリジン環を形成し、そしてR16はH、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル又はアリールであるが、この化合物は5−プロピル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4,4−ジエチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、3−オキサ−1−アザスピロ[4.4]ノナン、3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカン又は3−オキサ−1−アザスピロ[4.7]ドデカンではない)
のオキサゾリジンを提供する。
【0092】
式IV−Iに従った好ましい化合物には、R13がC2〜C20アルキルであるものが含まれる。R13が直鎖状C4〜C20アルキル、C4〜C20アルキル、C6〜C20アルキル、C12〜C20アルキル、C14〜C20アルキル、C16〜C20アルキル、C18〜C20アルキル、C2〜C18アルキル、C2〜C16アルキル、C2〜C14アルキル、C2〜C12アルキル、C2〜C10アルキル、C2〜C8アルキル、C2〜C6アルキル又はC2〜C4アルキルであるものも好ましい。
【0093】
式IV−Iの好ましい化合物には、R14がHであるものも含まれる。R14が直鎖状C1〜C12アルキル、C3〜C12アルキル、C5〜C12アルキル、C7〜C12アルキル、C9〜C12アルキル、C1〜C10アルキル、C1〜C8アルキル、C1〜C6アルキル、C1〜C4アルキル又はC1〜C2アルキルであるものが更に好ましい。
【0094】
16がHである化合物も好ましい。
【0095】
式IV−Iに従った特に好ましい化合物は4−プロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−エチル−4−メチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−ブチル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−プロピル−4−メチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ペンチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−ペンチル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−ブチル−4−メチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−エチル−4−プロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘキシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−ヘキシル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−メチル−4−プロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4,4−ジプロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−4−エチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘプチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−ヘプチル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−ヘキシル−4−メチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−エチル−4−ペンチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−4−プロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−オクチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−オクチル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−ヘプチル−4−メチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−エチル−4−ヘキシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ペンチル−4−プロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4,4−ジブチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ノニル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−ノニル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−メチル−4−オクチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−エチル−4−ヘプチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘキシル−4−プロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−4−ペンチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−デシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−デシル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−メチル−4−ノニル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘプチル−4−プロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−エチル−4−オクチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−4−ヘキシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4,4−ジペンチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ウンデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−ウンデシル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−デシル−4−メチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−エチル−4−ノニル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−オクチル−4−プロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−4−ヘプチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘキシル−4−ペンチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ドデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−ドデシル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−メチル−4−ウンデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−デシル−4−エチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ノニル−4−プロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−4−オクチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘプチル−4−ペンチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4,4−ジヘキシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−トリデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−トリデシル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−ドデシル−4−メチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−エチル−4−ウンデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−デシル−4−プロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−4−ノニル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−オクチル−4−ペンチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘプチル−4−ヘキシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−テトラデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−テトラデシル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−メチル−4−トリデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ドデシル−4−エチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−プロピル−4−ウンデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−4−デシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ノニル−4−ペンチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘキシル−4−オクチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4,4−ジヘプチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ペンタデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−ペンタデシル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−メチル−4−テトラデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−エチル−4−トリデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ドデシル−4−プロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−4−ウンデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−デシル−4−ペンチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘキシル−4−ノニル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘプチル−4−オクチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘキサデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−ヘキサデシル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−メチル−4−ペンタデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−エチル−4−テトラデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−プロピル−4−トリデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−4−ドデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ペンチル−4−ウンデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−デシル−4−ヘキシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘプチル−4−ノニル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4,4−ジオクチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘプタデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−ヘプタデシル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−ヘキサデシル−4−メチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−エチル−4−ペンタデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−プロピル−4−テトラデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−4−トリデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ドデシル−4−ペンチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘキシル−4−ウンデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−デシル−4−ヘプチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン及び4−オクチル−4−ノニル−1−オキサ−3−アザシクロペンタンである。
【0096】
第三の面の第五の態様に於いて、本発明は下記のヒドロキシルアミン、即ち2−(ヒドロキシルアミノ)ヘキサン、3−(ヒドロキシルアミノ)ヘキサン、2−(ヒドロキシルアミノ)オクタン及び3−(ヒドロキシルアミノ)オクタンを提供する。
【0097】
本明細書中に使用される用語「アルキル」は、示された数の炭素原子を有する、直鎖及び分枝鎖脂肪族基を包含する。数が示されていない場合(例えばアリール−アルキル)は、1〜6個のアルキル炭素を意図する。好ましいアルキル基には、限定することなく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル及びオクチルが含まれる。他の方法で示されない限り、このアルキル基は1個、2個又は3個、好ましくは1個又は2個、更に好ましくは1個の、本明細書中に記載された合成と適合性である置換基によって、任意的に置換されている。このような置換基には、これらに限定するものではないが、ニトロ、ハロゲン、カルボン酸(例えばC0〜C6−COOH)及びC2〜C6アルケンが含まれる。他の方法で示さない限り、上記の置換基はそれ自体更に置換されていない。
【0098】
「アリール」基は1〜3個の芳香族環を含むC6〜C12芳香族部分である。好ましくはアリール基はC6〜C10アリール基である。好ましいアリールには、限定することなく、フェニル、ナフチル、アントラセニル及びフルオレニルが含まれる。フェニル及びナフチルが更に好ましい。他の方法で示さない限り、このアリール基は、1個、2個又は3個、好ましくは1個又は2個、更に好ましくは1個の、本明細書中に記載された合成と適合性である置換基によって、任意的に置換されている。このような置換基には、これらに限定するものではないが、C1〜C6アルキル、ニトロ、ハロゲン、カルボン酸(例えばC0〜C6−COOH)及びC2〜C6アルケンが含まれる。他の方法で示さない限り、上記の置換基は、それ自体更に置換されていない。
【0099】
用語「シクロアルキル」は、示された数の環炭素原子を有する、飽和及び部分的に飽和の環式炭化水素基を指す。数が特定されていない場合、3〜12個の炭素、好ましくは3〜8個の炭素、更に好ましくは3〜7個の炭素を意図する。好ましいシクロアルキル基には、限定することなく、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル及びシクロオクチルが含まれる。他の方法で示されない限り、このシクロアルキル基は、1個、2個又は3個、好ましくは1個又は2個、更に好ましくは1個の、本明細書中に記載された合成と適合性である置換基によって、任意的に置換されている。このような置換基には、これらに限定するものではないが、C1〜C6アルキル、ニトロ、ハロゲン、カルボン酸(例えばC0〜C6−COOH)及びC2〜C6アルケンが含まれる。好ましい置換基は、C1〜C6アルキルである。
【0100】
下記の実施例は、本発明の例示であるが、その範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0101】
一般
本発明の種々の面を、研究所規模の反応器を使用して示す。この反応器は、反応器の長さに沿った温度プロフィールを決定するために、反応器の中心を軸的に下方に配置されたサーモウェルを有する、単一管シェル・アンド・チューブ型熱交換器である。この反応器は、長さが46インチで、1/2インチ外径(0.37インチ内径)2型チタンプロセスチューブ及び1/8インチ外径(0.093インチ内径)2型チタンサーモウェルを有する、1.25インチ外径304ステンレススチールであるシェルを有する。温度プロフィール測定のために、非常に微細な可動性サーモカップルを、サーモウェルの中に挿入する。このサーモウェルは取り除くことができ、反応器に充填物を充填することができる。この反応器を垂直に装着する。硝酸及び炭化水素反応剤流を、Swagelok“T”内で室温で混合し、その後、反応器の中に入れる。使用する熱油を、反応剤に対して向流で、反応器シェルに供給する。反応器排出液を、冷却剤として水道水を使用してシェル・アンド・チューブ型熱交換器内で冷却する。次いで、この排出液を加圧を除き、気体及び液体を集め、測定し、分析する。
【0102】
下記の実施例に於いて、ニトロ化反応の物質収支を、気体、水溶液、ニトロ化炭化水素及びスクラバー液体についてGC/MSにより、水含有量についてカールフィッシャー滴定により、強/弱酸定量について電位差滴定により、そして弱酸同定及び定量についてHPLCにより決定する。反応剤滞留時間は、室温及び示した反応圧力での供給物の流速によって割った反応器の体積に基づいて計算する。
【0103】
実施例に於いて、炭化水素化合物を、ニトロ化剤として硝酸を使用してニトロ化する。プロセス条件及び重要な性能測定値を、表1に示す。
【0104】
実施例2(600psi及び210℃でのシクロヘキサンニトロ化)は、より低い運転圧力が、原材料転化率及び収率を低下させる傾向があることを示す。より低い転化率は、硝酸として回収することができる著しく多量の酸化窒素の存在によって部分的に相殺される。より低い転化率は、反応器内の滞留時間を延長することによって相殺することもできる。
【0105】
実施例3は反応器内の充填材料の使用を示す。充填物は、反応器内の混合及び熱伝達を増加させるが、反応器内の液体ホールドアップも増加させ、これは酸化副生物の生成増加にも有利である。
【0106】
充填物を導入することは、(実施例2と比較して)硝酸転化率を著しく増加させた。しかしながら、低い硝酸及びシクロヘキサン収率は、増加した転化率が主として酸化副生物の方に進むことを示している。
【0107】
実施例8のプロセス条件は、(n−ブタンについて)比較的低い硝酸転化率をもたらす。実施例9及び10は、プロセス条件を変化させて、転化率レベルを改良できる方法を示している。
【0108】
実施例9は、より高い温度を使用することによって、硝酸転化率が、(実施例8と比較して)著しく増加することを示している。この実施例は、より低い過剰量のn−ブタンの使用にも拘わらず、硝酸転化率に於ける増加が起こることも示している。
【0109】
実施例10は、圧力を上昇させることによって、硝酸転化率が、(実施例8と比較して)著しく増加することを示している。これは、より低い過剰量のn−ブタンの使用にも拘わらず起こる。
【0110】
実施例11は、油温度及び圧力を上昇させることによって、硝酸転化率が、(実施例8と比較して)著しく増加することを示している。この場合に、実施例8に於けるとの反応剤の同じモル比を使用する。
【0111】
【表1】

【0112】
n−ブタンニトロ化実施例(実施例7〜11)についての追加のデータを、選択率データを含めて、表2に示す。2−ニトロブタン選択率は、100×(製造された2−ニトロブタンのグラム数/(製造された2−ニトロブタンのグラム数+製造された1−ニトロブタンのグラム数))として計算する。2−ニトロブタン:カルボン酸重量比は、2−ニトロブタンのグラム数/(酢酸のグラム数+プロピオン酸のグラム数+酪酸のグラム数)として計算する。
【0113】
【表2】

【0114】
表2は、2−ニトロブタンへの選択率が、プロセス条件の広い範囲に亘って、一貫しており、本発明のプロセスのロバスト性を示すことを示している。
【0115】
ニトロ化化合物及びプロセス条件の更なる実施例を表3に示す。
【0116】
【表3】

【0117】
実施例12
1−ニトロオクタンの製造
この実施例は1−ニトロアルカンの製造のための代替手順の例示である。
【0118】
攪拌機、滴下漏斗及び乾燥チューブによって保護された還流凝縮器を取り付けた三つ口フラスコ内に、100g(0.65モル)の硝酸銀及び150mLの無水エーテルを入れる。この混合物を0℃まで冷却し、次いで、(光の不存在下で)連続的に撹拌しながら、120g(0.5モル)のヨウ化n−オクチルを、2時間かけて添加する。添加が完結した後、この混合物を0℃で24時間攪拌し、続いて、室温で更に36時間攪拌する。濾過によって銀塩を除去し、エーテルによって洗浄する。一緒にしたエーテル溶液を油にまで濃縮し、これを減圧下で精留する。71.5〜72℃/3トールで沸騰する生成物を集める(64.9g、83%収率)。
【0119】
(適切な出発炭化水素を使用して)前記の実施例1〜11に記載したようにして製造したニトロ化化合物の例を、表4に記載する。
【0120】
【表4】

【0121】
前記の手順に従い、重要でない変更を行って、下記の追加のニトロ化化合物を、適切な出発炭化水素から製造する(表5)。
【0122】
【表5】

【0123】
実施例13
2−メチル−2−ニトロ−1−ブタノールの製造
2リットルの三つ口フラスコに、機械式攪拌機、窒素バブラーを有する還流凝縮器、添加漏斗並びに加熱マントル及びサーモカップルを有する温度制御器を取り付ける。このフラスコに、ホルムアルデヒド水溶液(420mL、37%活性、5.64モル)及びトリエチルアミン触媒4mLを装入する。添加漏斗に、2−ニトロブタン(554.1g、5.37モル)を装入する。2−ニトロブタンを、ホルムアルデヒド溶液に7時間かけて滴下により添加し、この溶液を窒素下で撹拌する。添加の間、反応物を40℃で維持する。全ての2−ニトロブタンを添加した後、濁った混合物を45℃に30分間加温し、次いで、加熱及び撹拌を一晩中止する。GC分析が、反応が未だ完結していないことを示す場合、追加の10.9gのホルムアルデヒド水溶液を添加し、この混合物を45℃で2.5時間撹拌する。室温にまで冷却すると、反応塊は、より小さい分離した水層を伴う油層に分離する。この油層を集め(1022.8g、理論量の97.9%)、GCは94.8%純度を示す。この油を、更に精製することなく使用する。
【0124】
(適切な出発物質に置き換えて)上記のようにして製造したニトロアルコールの追加の例を表6に記載する。
【0125】
【表6】

【0126】
前記の手順に従い、重要でない変更を行って、下記の追加のニトロアルコールを、適切な出発炭化水素から製造する(表7)。
【0127】
【表7−1】

【0128】
【表7−2】

【0129】
実施例14
2−アミノ−2−メチル−1−ブタノールの製造
2リットルのパルオートクレーブに、メタノール(300mL)及びラネーニッケル触媒(R−3111グレード、26.5g湿潤重量)を装入する。この反応器を密閉し、窒素でパージし、続いて水素でパージし、次いで、625psiの水素圧力下で65℃にする。急速に撹拌しながら、水中の2−ニトロ−2−メチル−1−ブタノールの溶液(全溶液450g、活性71%)を、65℃/610psiの水素を維持しながら、1.5時間かけて添加する。添加が完結したとき、反応を、更に10分間続けさせ、続いて室温にまで冷却する。オートクレーブを排気し、開き、粗製生成物を真空濾過によって単離する。メタノール溶媒をロータリーエバポレーターで50℃/29インチ真空で除去し、続いて、同一条件下で、100mLのトルエンと共に水の最後の残部を共沸的に除去する。粗製のストリップした生成物の収量は、196.6g(理論量の79%)である。この生成物を、ステンレススチールメッシュを充填した分別カラムによって真空蒸留し、85〜86℃/15トールで沸騰する生成物を集める。GC分析は、無色透明油について97%より低い純度を示す。
【0130】
(適切な出発物質に置き換えて)上記のようにして製造したアミノアルコールの追加の例を、表8に記載する。
【0131】
【表8】

【0132】
前記の手順に従い、重要でない変更を行って、下記の追加のアミノアルコール化合物を、適切な出発物質から製造する(表9)。
【0133】
【表9−1】

【0134】
【表9−2】

【0135】
実施例15
3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカンの製造
1−アミノ−シクロヘキシルメタノール(135g、1.05モル)及びメタノール(50mL)を含有する500mLのフラスコに、メチルホルムセル(methyl formcel)(メタノール/水中の55%ホルムアルデヒド53mL、1.06モル)を、1時間かけて滴下により添加する。添加の間に、撹拌したこの溶液を、室温から37℃までゆっくり加温する。添加が完結した後、この混合物を、室温で一晩撹拌する。ロータリーエバポレーターで、透明で、無色の反応混合物をストリップする(50℃/29インチ真空)。得られる油を、真空下で蒸留して、43℃/0.8トールの沸点を有する、透明無色流動性液体を得る。合計123.4gを集める(83%収率)。GC分析が、95.6%純度を示す。
【0136】
前記の手順に従い、重要でない変更を行って、下記のオキサゾリジン化合物を、適切な出発アミノアルコールから製造する(表10)。
【0137】
【表10−1】

【0138】
【表10−2】

【0139】
【表10−3】

【0140】
【表10−4】

【0141】
実施例16
フェノール樹脂硬化剤としてのオキサゾリジン誘導体の使用
DSC分析
DSC分析は、TA Instruments モデルQ100示差走査熱量計を使用して実施する。ノボラック樹脂での硬化剤をスクリーニングするための走査を、50cc/分の窒素流で、25℃から250℃までΔT=10℃/分で行う。高体積(100μL)アルミニウムパンを使用する。クリンプの前に、頂部に、小さい孔を押し抜く。最初の走査の後に、サンプルを室温にまで戻し冷却し、次いで、走査を再び行って、Tgデータを得る。
【0142】
硬化剤としての本発明の方法及び/又は化合物のオキサゾリジンの有用性を示すために、市販のPFノボラック樹脂を使用して、一連の配合物を製造する。成分の混合を容易に実施するために、この研究に於ける樹脂は、エタノール中の80重量%溶液として使用する。これらの配合物の硬化挙動に於いて観察された任意の変動は、評価される硬化剤/触媒に起因する。ZOLDINE(登録商標)ZE(構造は、下記に示す)を、これがフェノール系ノボラック樹脂のための公知の硬化剤であるので、比較のための基線として使用する。この配合物は、硬化剤対フェノール樹脂反応性部位のモル比を一定に維持するように調節する。
【0143】
配合物を、硬化開始及びピーク温度並びに硬化事象が起こるための硬化熱を観察するために、示差走査熱量計(DSC;TA Instruments モデルQ100)を使用して評価する。DSC走査は、50cc/分の窒素流下で、25℃から250℃までΔT=10℃/分で行う。この研究に於いて得られたデータを、下記の表11に要約する。
【0144】
【化12】

【0145】
【表11】

【0146】
表11中のデータから判るように、本発明の新規な硬化剤は、ノボラック樹脂を硬化させ、広い範囲に亘って硬化したポリマーのTgを調節するための能力を提供する。
【0147】
本発明を、その好ましい態様に従って前記したが、これは、この開示の精神及び範囲内で修正することができる。従って、本件特許出願は、本明細書中に開示された一般的原理を使用して、本発明の任意の変形、使用又は適合をカバーするように意図する。更に、本件特許出願は、本発明が関係し、下記の特許請求の範囲の制限内に入る、当該技術分野に於ける公知の又は慣習的実施内に入るような、本発明の開示からの逸脱をカバーするように意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下降流配置反応器を用意し、
炭化水素供給原料を、少なくとも約500psiの圧力及び約150〜約325℃の温度で、硝酸水溶液と反応させ、そして
生成したニトロ化化合物を回収する
ことを含んでなり、前記硝酸水溶液が10〜50重量%溶液である炭化水素の選択的ニトロ化プロセス。
【請求項2】
前記硝酸水溶液が15〜40重量%溶液である請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記硝酸水溶液が18〜35重量%溶液である、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
炭化水素供給原料の硝酸に対するモル比が少なくとも約1.2:1である請求項1〜3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記温度が200℃又はそれ以上である請求項1〜4に記載のプロセス。
【請求項6】
前記温度が290℃又はそれ以上である請求項1〜5に記載のプロセス。
【請求項7】
前記反応を、充填反応器内で、実施する請求項1〜6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記反応を、非充填反応器内で、実施する請求項1〜6に記載のプロセス。
【請求項9】
前記炭化水素供給原料がアルカン、アリールアルカン、ナフチルアルカン及びビアリールアルカンから選択される請求項1〜8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記ニトロ化化合物が、式(I):
【化1】

(式中、RはC2〜C20アルキル、C3〜C12シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール若しくはアリール−アルキルであり、R1はH若しくはC1〜C12アルキルであり又はR及びR1は、それらが結合している炭素と一緒に、C3〜C12シクロアルキル環を形成し、そしてRyはH又はC1〜C6アルキルであるが、Rがエチル基であるとき、R1及びRyは同時にHではない)
の化合物である請求項1〜9に記載のプロセス。
【請求項11】
式II:
【化2】

(式中、RはC2〜C20アルキル、C3〜C12シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール若しくはアリール−アルキルであり、R2はH、C1〜C12アルキル若しくはCH2OHであるが(但し、Rがエチル基であるとき、R2はHではない)又はR及びR2は、それらが結合している炭素と一緒に、C3〜C12シクロアルキル環を形成し、そしてR5は、独立に、H、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル又はアリールである)
のニトロアルコールの製造プロセスであって、
(a)請求項10の記載に従って製造された、式(I)(式中、RyはHである)のニトロ化炭化水素を用意し、そして
(b)前記ニトロ化炭化水素を、式:R5−C(=O)−Hのアルデヒドと、アルカリ性触媒の存在下に、縮合させて、式(II)のニトロアルコールを提供する
ことを含んでなるプロセス。
【請求項12】
式(III):
【化3】

(式中、RはC2〜C20アルキル、C3〜C12シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール若しくはアリール−アルキルであり、R2はH、C1〜C12アルキル若しくはCH(OH)−R5であり(但し、Rがエチル基であるとき、R2はHではない)又はR及びR2は、それらが結合している炭素と一緒に、C3〜C12シクロアルキル環を形成し、そしてR5は、独立に、H、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル又はアリールである)
のアミノアルコールの製造プロセスであって、
(a)請求項11に従って製造された、式(II)のニトロアルコールを用意し、そして
(b)前記ニトロアルコールを化学的に還元して、式(III)のアミノアルコールを提供する
ことを含んでなるプロセス。
【請求項13】
式(IV):
【化4】

(式中、RはC2〜C20アルキル、C3〜C12シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール若しくはアリール−アルキルであり、R3はH若しくはC1〜C12アルキルであり(但し、Rがエチル基であるとき、R3はHではない)又はR及びR3は、それらが結合している炭素と一緒に、C3〜C12シクロアルキル環を形成し、R4はHであり又はR3、R4及びそれらが結合している原子は、C1〜C6アルキルによって任意的に置換されているオキサゾリジン環を形成し、そしてR5はH、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル又はアリールである)
のオキサゾリジンの製造プロセスであって、
(a)請求項12に従って製造された、式(III)のアミノアルコールを用意し、そして
(b)式(III)のアミノアルコールをホルムアルデヒドと反応させて、式(IV)のオキサゾリジンを提供する
ことを含んでなるプロセス。
【請求項14】
式(V):
【化5】

(式中、RはC2〜C20アルキル、C3〜C12シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール若しくはアリール−アルキルであり、R1はH若しくはC1〜C12アルキルであるか、又はR及びR1は、それらが結合している炭素と一緒に、C3〜C12シクロアルキル環を形成し、そしてRyはH又はC1〜C6アルキルであるが、Rがエチル基であるとき、R1及びRyは、同時にHではない)
のN−アルキルヒドロキシルアミンの製造プロセスであって、
(a)請求項10に従って製造された、式(I)のニトロ化炭化水素を用意し、
(b)前記ニトロ化炭化水素を化学的に還元して、式(V)のN−アルキルヒドロキシルアミンを提供する
ことを含んでなるプロセス。
【請求項15】
式VI:
【化6】

(式中、RはC2〜C20アルキル、C3〜C12シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール若しくはアリール−アルキルであり、R2はH、C1〜C12アルキル若しくはCH(OH)−R5であり(但し、Rがエチル基であるとき、R2はHではない)又はR及びR2は、それらが結合している炭素と一緒に、C3〜C12シクロアルキル環を形成し、R5は、独立に、H、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル又はアリールであり、そしてR6は、独立に、H又はC1〜C6アルキルである)
の化合物の製造プロセスであって、
(a)請求項12に従って製造された、式(III)のアミノアルコールを用意し、そして
(b)前記アミノアルコールを、アルデヒド、水素及び水素化触媒の存在下に、還元的にアルキル化して、式VIの化合物を提供する
ことを含んでなるプロセス。
【請求項16】
式I−1:
【化7】

(式中、R7は直鎖状C2〜C17アルキルであり、そしてR8はH又は直鎖状C1〜C8アルキルであるが、但し、R7及びR8は、それらが結合している炭素と一緒に、直鎖状C10〜C18アルキル鎖を形成し(但し、この化合物は1−ニトロデカン、2−ニトロデカン、1−ニトロウンデカン、2−ニトロウンデカン、3−ニトロウンデカン、4−ニトロウンデカン、5−ニトロウンデカン、6−ニトロウンデカン、1−ニトロドデカン、2−ニトロドデカン、3−ニトロドデカン、4−ニトロドデカン、5−ニトロドデカン、6−ニトロドデカン、1−ニトロトリデカン、2−ニトロトリデカン、3−ニトロトリデカン、6−ニトロトリデカン、1−ニトロテトラデカン、1−ニトロペンタデカン、1−ニトロヘキサデカン、2−ニトロヘキサデカン、1−ニトロヘプタデカン、1−ニトロオクタデカン又は2−ニトロオクタデカンではない))
の化合物。
【請求項17】
3−ニトロデカン、4−ニトロデカン、5−ニトロデカン、4−ニトロトリデカン、5−ニトロトリデカン、7−ニトロトリデカン、2−ニトロテトラデカン、3−ニトロテトラデカン、4−ニトロテトラデカン、5−ニトロテトラデカン、6−ニトロテトラデカン、7−ニトロテトラデカン、2−ニトロペンタデカン、3−ニトロペンタデカン、4−ニトロペンタデカン、5−ニトロペンタデカン、6−ニトロペンタデカン、7−ニトロペンタデカン、8−ニトロペンタデカン、3−ニトロヘキサデカン、4−ニトロヘキサデカン、5−ニトロヘキサデカン、6−ニトロヘキサデカン、7−ニトロヘキサデカン、8−ニトロヘキサデカン、2−ニトロヘプタデカン、3−ニトロヘプタデカン、4−ニトロヘプタデカン、5−ニトロヘプタデカン、6−ニトロヘプタデカン、7−ニトロヘプタデカン、8−ニトロヘプタデカン、9−ニトロヘプタデカン、3−ニトロオクタデカン、4−ニトロオクタデカン、5−ニトロオクタデカン、6−ニトロオクタデカン、7−ニトロオクタデカン、8−ニトロオクタデカン及び9−ニトロオクタデカンからなる群から選択される請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
式II−1:
【化8】

(式中、R9は直鎖状C2〜C17アルキルであり、そしてR10はH、直鎖状C1〜C8アルキル若しくはCH2OHであり又はR9、R10及びそれらが結合している炭素は8員シクロアルキル環を形成するが、
10がH又は直鎖状C1〜C8アルキルであるとき、R9及びR10は、それらが結合している炭素と一緒に、直鎖状C5〜C18アルキル鎖を形成し、
10がCH2OHであるとき、R9は直鎖状C12〜C16アルキルであり、そして
当該化合物は2−ニトロ−1−ヘキサノール、2−ニトロ−1−ヘプタノール、2−ニトロ−1−オクタノール、2−メチル−2−ニトロ−1−ヘプタノール又は2−ニトロ−1−ドデカノールではない)
の化合物。
【請求項19】
2−メチル−2−ニトロ−1−ペンタノール、2−エチル−2−ニトロ−1−ブタノール、2−メチル−2−ニトロ−1−ヘキサノール、2−エチル−2−ニトロ−1−ペンタノール、2−エチル−2−ニトロ−1−ヘキサノール、2−ニトロ−2−プロピル−1−ペンタノール、2−ニトロ−1−ノナノール、2−メチル−2−ニトロ−1−オクタノール、2−エチル−2−ニトロ−1−ヘプタノール、2−ニトロ−2−プロピル−1−ヘキサノール、2−ニトロ−1−デカノール、2−メチル−2−ニトロ−1−ノナノール、2−エチル−2−ニトロ−1−オクタノール、2−ニトロ−2−プロピル−1−ヘプタノール、2−ブチル−2−ニトロ−1−ヘキサノール、2−ニトロ−1−ウンデカノール、2−メチル−2−ニトロ−1−デカノール、2−エチル−2−ニトロ−1−ノナノール、2−プロピル−2−ニトロ−1−オクタノール、2−ブチル−2−ニトロ−1−ヘプタノール、2−メチル−2−ニトロ−1−ウンデカノール、2−エチル−2−ニトロ−1−デカノール、2−プロピル−2−ニトロ−1−ノナノール、2−ブチル−2−ニトロ−1−オクタノール、2−ペンチル−2−ニトロ−1−ヘプタノール、2−ニトロ−1−トリデカノール、2−メチル−2−ニトロ−1−ドデカノール、2−エチル−2−ニトロ−1−ウンデカノール、2−プロピル−2−ニトロ−1−デカノール、2−ブチル−2−ニトロ−1−ノナノール、2−ペンチル−2−ニトロ−1−オクタノール、2−ニトロ−1−テトラデカノール、2−ヒドロキシメチル−2−ニトロ−1−テトラデカノール、2−メチル−2−ニトロ−1−トリデカノール、2−エチル−2−ニトロ−1−ドデカノール、2−プロピル−2−ニトロ−1−ウンデカノール、2−ブチル−2−ニトロ−1−デカノール、2−ペンチル−2−ニトロ−1−ノナノール、2−ヘキシル−2−ニトロ−1−オクタノール、2−ニトロ−1−ペンタデカノール、2−ヒドロキシメチル−2−ニトロ−1−ペンタデカノール、2−メチル−2−ニトロ−1−テトラデカノール、2−エチル−2−ニトロ−1−トリデカノール、2−プロピル−2−ニトロ−1−ドデカノール、2−ブチル−2−ニトロ−1−ウンデカノール、2−ペンチル−2−ニトロ−1−デカノール、2−ヘキシル−2−ニトロ−1−ノナノール、2−ヘプチル−2−ニトロ−1−オクタノール、2−ニトロ−1−ヘキサデカノール、2−ヒドロキシメチル−2−ニトロ−1−ヘキサデカノール、2−メチル−2−ニトロ−1−ペンタデカノール、2−エチル−2−ニトロ−1−テトラデカノール、2−プロピル−2−ニトロ−1−トリデカノール、2−ブチル−2−ニトロ−1−ドデカノール、2−ペンチル−2−ニトロ−1−ウンデカノール、2−ヘキシル−2−ニトロ−1−デカノール、2−ヘプチル−2−ニトロ−1−ノナノール、2−ニトロ−1−ヘプタデカノール、2−ヒドロキシメチル−2−ニトロ−1−ヘプタデカノール、2−メチル−2−ニトロ−1−ヘキサデカノール、2−エチル−2−ニトロ−1−ペンタデカノール、2−プロピル−2−ニトロ−1−テトラデカノール、2−ブチル−2−ニトロ−1−トリデカノール、2−ペンチル−2−ニトロ−ドデカノール、2−ヘキシル−2−ニトロ−1−ウンデカノール、2−ヘプチル−2−ニトロ−1−デカノール、2−ニトロ−1−オクタデカノール、2−ヒドロキシメチル−2−ニトロ−1−オクタデカノール、2−メチル−2−ニトロ−1−ヘプタデカノール、2−エチル−2−ニトロ−1−ヘキサデカノール、2−プロピル−2−ニトロ−1−ペンタデカノール、2−ブチル−2−ニトロ−1−テトラデカノール、2−ペンチル−2−ニトロ−1−トリデカノール、2−ヘキシル−2−ニトロ−1−ドデカノール、2−ヘプチル−2−ニトロ−1−ウンデカノール、2−オクチル−2−ニトロ−1−デカノール、2−ニトロ−1−ノナデカノール、2−メチル−2−ニトロ−1−オクタデカノール、2−エチル−2−ニトロ−1−ヘプタデカノール、2−プロピル−2−ニトロ−1−ヘキサデカノール、2−ブチル−2−ニトロ−1−ペンタデカノール、2−ペンチル−2−ニトロ−1−テトラデカノール、2−ヘキシル−2−ニトロ−1−トリデカノール、2−ヘプチル−2−ニトロ−1−ドデカノール、2−オクチル−2−ニトロ−1−ウンデカノール及び1−ヒドロキシメチル−1−ニトロシクロオクタンからなる群から選択される、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
式III−1:
【化9】

(式中、R11は直鎖状C2〜C17アルキルであり、そしてR12はH、直鎖状C1〜C8アルキル若しくはCH2OHであり又はR11、R12及びそれらが結合している炭素はC9〜C11シクロアルキル環を形成するが、
12がH又は直鎖状C1〜C8アルキルであるとき、R11及びR12は、それらが結合している炭素と一緒に、直鎖状C6〜C18アルキル鎖を形成し、
12がCH2OHであるとき、R11は直鎖状C7〜C17アルキルであり、そして
前記化合物は2−アミノ−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−メチル−1−ヘキサノール、2−アミノ−1−オクタノール、2−アミノ−2−エチル−1−ヘキサノール、2−アミノ−1−ノナノール、2−アミノ−2−メチル−1−オクタノール、2−アミノ−1−デカノール、2−アミノ−2−オクチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−ブチル−1−ヘキサノール、2−アミノ−1−ウンデカノール、2−アミノ−1−ドデカノール、2−アミノ−2−デシル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−1−トリデカノール、2−アミノ−2−メチル−1−ドデカノール、2−アミノ−1−テトラデカノール、2−アミノ−2−ドデシル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−トリデカノール、2−アミノ−1−ペンタデカノール、2−アミノ−2−トリデシル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−1−ヘキサデカノール、2−アミノ−2−テトラデシル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−ペンタデカノール、2−アミノ−2−ヘキシル−1−デカノール、2−アミノ−1−ヘプタデカノール、2−アミノ−2−ペンタデシル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−1−オクタデカノール又は2−アミノ−2−ヘキサデシル−1,3−プロパンジオールではない)
の化合物。
【請求項21】
2−アミノ−2−エチル−1−ペンタノール、2−アミノ−2−メチル−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ペンタノール、2−アミノ−2−ヘプチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ヘキサノール、2−アミノ−2−メチル−1−ノナノール、2−アミノ−2−エチル−1−オクタノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−ノニル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−デカノール、2−アミノ−2−エチル−1−ノナノール、2−アミノ−2−プロピル−1−オクタノール、2−アミノ−2−ブチル−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−メチル−1−ウンデカノール、2−アミノ−2−エチル−1−デカノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ノナノール、2−アミノ−2−ブチル−1−オクタノール、2−アミノ−2−ペンチル−1−ヘプタノール、2−アミノ−2−ウンデシル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1−ウンデカノール、2−アミノ−2−プロピル−1−デカノール、2−アミノ−2−ブチル−1−ノナノール、2−アミノ−2−ペンチル−1−オクタノール、2−アミノ−2−エチル−1−ドデカノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ウンデカノール、2−アミノ−2−ブチル−1−デカノール、2−アミノ−2−ペンチル−1−ノナノール、2−アミノ−2−ヘキシル−1−オクタノール、2−アミノ−2−メチル−1−テトラデカノール、2−アミノ−2−エチル−1−トリデカノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ドデカノール、2−アミノ−2−ブチル−1−ウンデカノール、2−アミノ−2−ペンチル−1−デカノール、2−アミノ−2−ヘキシル−1−ノナノール、2−アミノ−2−エチル−1−テトラデカノール、2−アミノ−2−プロピル−1−トリデカノール、2−アミノ−2−ブチル−1−ドデカノール、2−アミノ−2−ペンチル−1−ウンデカノール、2−アミノ−2−ヘプチル−1−ノナノール、2−アミノ−2−メチル−1−ヘキサデカノール、2−アミノ−2−エチル−1−ペンタデカノール、2−アミノ−2−プロピル−1−テトラデカノール、2−アミノ−2−ブチル−1−トリデカノール、2−アミノ−2−ペンチル−1−ドデカノール、2−アミノ−2−ヘキシル−1−ウンデカノール、2−アミノ−2−ヘプチル−1−デカノール、2−アミノ−2−メチル−1−ヘプタデカノール、2−アミノ−2−エチル−1−ヘキサデカノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ペンタデカノール、2−アミノ−2−ブチル−1−テトラデカノール、2−アミノ−2−ペンチル−1−トリデカノール、2−アミノ−2−ヘキシル−1−ドデカノール、2−アミノ−2−ヘプチル−1−ウンデカノール、2−アミノ−2−オクチル−1−デカノール、2−アミノ−1−ノナデカノール、2−アミノ−2−ヘプタデシル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−オクタデカノール、2−アミノ−2−エチル−1−ヘプタデカノール、2−アミノ−2−プロピル−1−ヘキサデカノール、2−アミノ−2−ブチル−1−ペンタデカノール、2−アミノ−2−ペンチル−1−テトラデカノール、2−アミノ−2−ヘキシル−1−トリデカノール、2−アミノ−2−ヘプチル−1−ドデカノール、2−アミノ−2−オクチル−1−ウンデカノール、1−ヒドロキシメチル−1−アミノシクロノナン、1−ヒドロキシメチル−1−アミノシクロデカン及び1−ヒドロキシメチル−1−アミノシクロウンデカンからなる群から選択される請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
式IV−1:
【化10】

(式中、R13はC2〜C20アルキル、C3〜C12シクロアルキル、アリール又はアリール−アルキルであり、R14はH若しくはC1〜C12アルキルであり(但し、R13がエチル基であるとき、R14はHではない)又はR13及びR14は、それらが結合している炭素と一緒に、C3〜C12シクロアルキル環を形成し、R15はHであり又はR14、R15及びそれらが結合している原子は、C1〜C6アルキルによって任意的に置換されているオキサゾリジン環を形成し、そしてR16は、H、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル又はアリールであるが、前記化合物は5−プロピル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4,4−ジエチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、3−オキサ−1−アザスピロ[4.4]ノナン、3−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカン又は3−オキサ−1−アザスピロ[4.7]ドデカンではない)
の化合物。
【請求項23】
4−プロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−エチル−4−メチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−ブチル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−プロピル−4−メチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ペンチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−ペンチル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−ブチル−4−メチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−エチル−4−プロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘキシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−ヘキシル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−メチル−4−プロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4,4−ジプロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−4−エチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘプチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−ヘプチル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−ヘキシル−4−メチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−エチル−4−ペンチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−4−プロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−オクチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−オクチル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−ヘプチル−4−メチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−エチル−4−ヘキシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ペンチル−4−プロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4,4−ジブチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ノニル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−ノニル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−メチル−4−オクチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−エチル−4−ヘプチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘキシル−4−プロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−4−ペンチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−デシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−デシル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−メチル−4−ノニル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘプチル−4−プロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−エチル−4−オクチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−4−ヘキシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4,4−ジペンチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ウンデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−ウンデシル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−デシル−4−メチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−エチル−4−ノニル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−オクチル−4−プロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−4−ヘプチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘキシル−4−ペンチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ドデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−ドデシル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−メチル−4−ウンデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−デシル−4−エチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ノニル−4−プロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−4−オクチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘプチル−4−ペンチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4,4−ジヘキシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−トリデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−トリデシル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−ドデシル−4−メチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−エチル−4−ウンデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−デシル−4−プロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−4−ノニル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−オクチル−4−ペンチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘプチル−4−ヘキシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−テトラデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−テトラデシル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−メチル−4−トリデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ドデシル−4−エチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−プロピル−4−ウンデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−4−デシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ノニル−4−ペンチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘキシル−4−オクチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4,4−ジヘプチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ペンタデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−ペンタデシル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−メチル−4−テトラデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−エチル−4−トリデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ドデシル−4−プロピル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−4−ウンデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−デシル−4−ペンチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘキシル−4−ノニル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘプチル−4−オクチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘキサデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−ヘキサデシル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−メチル−4−ペンタデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−エチル−4−テトラデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−プロピル−4−トリデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−4−ドデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ペンチル−4−ウンデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−デシル−4−ヘキシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘプチル−4−ノニル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4,4−ジオクチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘプタデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、5−ヘプタデシル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、4−ヘキサデシル−4−メチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−エチル−4−ペンタデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−プロピル−4−テトラデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ブチル−4−トリデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ドデシル−4−ペンチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−ヘキシル−4−ウンデシル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン、4−デシル−4−ヘプチル−1−オキサ−3−アザシクロペンタン及び4−オクチル−4−ノニル−1−オキサ−3−アザシクロペンタンからなる群から選択される請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
2−(ヒドロキシルアミノ)ヘキサン、3−(ヒドロキシルアミノ)ヘキサン、2−(ヒドロキシルアミノ)オクタン及び3−(ヒドロキシルアミノ)オクタンからなる群から選択される化合物。
【請求項25】
式(III):
【化11】

(式中、RはC2〜C20アルキル、C3〜C12シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール若しくはアリール−アルキルであり、R2はH、C1〜C12アルキル若しくはCH(OH)−R5であり(但し、Rがエチル基であるとき、R2はHではない)又はR及びR2は、それらが結合している炭素と一緒に、C3〜C12シクロアルキル環を形成し、そしてR5は、独立に、H、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル又はアリールである)
のアミノアルコールの、ペイント及びコーティング中の中和剤若しくは分散剤としての、石油精製運転及び天然ガスプロセッシングに於けるCO2若しくはH2Sスカベンジャーとしての又はエポキシ若しくはポリウレタン用途に於ける触媒若しくは硬化剤としての使用。
【請求項26】
ペイント及びコーティング中の中和剤若しくは分散剤としての、石油精製運転及び天然ガスプロセッシングに於けるCO2若しくはH2Sスカベンジャーとしての又はエポキシ若しくはポリウレタン用途に於ける触媒若しくは硬化剤としての、請求項20に記載のアミノアルコールの使用。
【請求項27】
式(IV):
【化12】

(式中、RはC2〜C20アルキル、C3〜C12シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール若しくはアリール−アルキルであり、R3はH若しくはC1〜C12アルキルであり(但し、Rがエチル基であるとき、R3はHではない)又はR及びR3は、それらが結合している炭素と一緒に、C3〜C12シクロアルキル環を形成し、R4はHであり又はR3、R4及びそれらが結合している原子は、C1〜C6アルキルによって任意的に置換されているオキサゾリジン環を形成し、そしてR5はH、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル又はアリールである)
のオキサゾリジンの、殺生物剤としての又は例えばフェノール性ノボラック樹脂用の硬化剤としての使用。
【請求項28】
殺生物剤としての又は例えばフェノール性ノボラック樹脂用の硬化剤としての、請求項22に記載のオキサゾリジンの使用。
【請求項29】
式(V):
【化13】

(式中、RはC2〜C20アルキル、C3〜C12シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール若しくはアリール−アルキルであり、R1はH若しくはC1〜C12アルキルであり又はR及びR1は、それらが結合している炭素と一緒に、C3〜C12シクロアルキル環を形成し、そしてRyは、H又はC1〜C6アルキルであるが、Rがエチル基であるとき、R1及びRyは、同時にHではない)
のヒドロキシルアミンの、ラジカルスカベンジャーとしての使用。
【請求項30】
ラジカルスカベンジャーとしての、請求項24に記載の化合物の使用。
【請求項31】
燃料中の安定剤及び/若しくは腐食制御剤、モノマーの安定剤又はゴム重合に於ける連鎖停止剤としての、請求項29〜30に記載の使用。

【公表番号】特表2011−519363(P2011−519363A)
【公表日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−505090(P2011−505090)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/039901
【国際公開番号】WO2009/129097
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(591252611)アンガス ケミカル カンパニー (32)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】