説明

ヌクレオチドの経皮送達のための方法および組成物

本発明は、核酸の経皮送達のための処方物および関連法に関する。具体的には、本発明は、脂質およびアルコールを含む処方物で、核酸の効果的経皮送達を実現することが可能な処方物に関する。本処方物は、遺伝子治療および病気処置のために核酸を効果的に送達するのに使用することが可能である。一実施態様では、本発明の処方物は、皮膚障害の治療であって、皮膚に局在する標的細胞に核酸を送達することによる治療のために使用することが可能である。このような障害の例としては、ただしこれらに限定されないが、先天性爪肥厚、毛包角化症、乾癬、皮膚炎、他の、ケラチン過剰発現障害などが挙げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの経皮送達に使用される処方物および方法に関する。この処方物および方法は、種々の病態および疾患を効果的に治療するために、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの、効果的経皮的送達を実現することが可能である。
【背景技術】
【0002】
遺伝子発現のコントロールは、種々の疾患または臨床状態に対し実行可能な処置と考えられる。遺伝子発現を追求する、一般的なアプローチは二つある。一つのアプローチ、遺伝子治療は、欠陥性突然変異対立遺伝子を機能的遺伝子によって補完することによって、遺伝子発現の、上記コントロールを実現することを目標とする。もう一つのアプローチ、アンチセンス治療法(siRNAの使用を含む)は、標的遺伝子によって生産されるメッセンジャーRNA(mRNA)に結合し、それを不活性化して、その遺伝子を効果的に抑制、または「スイッチオフ」する、核酸(DNA、RNA、または化学的類縁体)鎖の合成および送達を含む。このアプローチとは無関係に、遺伝子発現に対する効果的コントロールの実現を阻む一つの共通のハードルが存在する。標的細胞に対する核酸の送達である。
【0003】
そのため、細胞に核酸を送達するための効果的手段を見出すために研究が続けられている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、その関心を、核酸の経皮送達のための処方物に向ける。一実施態様では、核酸の皮膚送達のための組成物が提供される。この組成物は、ある量の核酸、少なくとも一つの中性脂質、およびアルコールを含む。
【0005】
別の実施態様では、核酸の経皮送達のための方法は、ある量の核酸含有処方物を、皮膚表面に塗布することを含む。この核酸含有処方物は、核酸、少なくとも一つの中性脂質、およびアルコールを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】局所的に塗布したルシフェラーゼリポーター遺伝子の、24時間インキュベーション期間後における、マウスのインビボ画像を示す。ルシフェラーゼ発現プラスミドは、脂質/エタノール処方物の一部として、マウスの剃毛皮膚に局所的に塗布した。24時間のインキュベーション期間後、ルシフェリンをIP注入し、生きているマウスを、高感度、冷却LCDカメラによって画像化し、定量化した(赤は、最高のルシフェラーゼ発現である)。図1Aは、25〜50μgの蛍ルシフェラーゼプラスミドの投与を受けた4匹のマウスを示す。図1Bは、ルシフェラーゼ含有経皮処方物の用量反応を示し(上段左、中断左、中断右、下段左は、処方の一部として塗布された、ルシフェラーゼプラスミドの総量が75、20、5、および0μgであった);下段右では、処方物は、75μgのDsRedを含み、これは陰性コントロールとして用いた。上段右は、リン酸緩衝生理的食塩水に溶解したルシフェラーゼプラスミドコントロール20μgの皮内注入を示す。
【図2】マウスの子宮頸部に局所的に塗布したルシフェラーゼリポーター遺伝子の、マウスのインビボ画像を示す。ルシフェラーゼ発現プラスミド(20μgのpCDNA3.1fLuc)を、本発明の処方物(実施例3を参照)を用いて、マウスの子宮頸部に局所的に塗布した。24時間後、ルシフェリンをIP注入し、生きているマウスを高感度冷却LCDカメラを用いて撮像し、定量化した(赤は、最高ルシフェラーゼ発現である)。
【図3】本発明の経皮処方物の組織分布を示す。処方物は、剃毛マウスに対し局所的に塗布した。24時間後、皮膚を、OTC媒体において凍結し、マイクロトームによって薄切した。処方物を、蛍光顕微鏡によって可視化した(脂質成分の蛍光特性による)図3A。蛍光の主要領域は毛嚢および表皮である。明視野画像を図3Bに示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特定の実施態様を開示し、説明する前に、本発明は、本明細書に開示される特定のプロセスおよび物質に限定されないことを理解しなければならない。なぜなら、それらはある程度変動する可能性があるからである。さらに、本明細書で使用される用語法は、特定の実施態様のみを記載する目的で使用されるもので、限定的であることを意図するものではないことを理解しなければならない。
【0008】
本発明を説明し、その特許を主張するに当たり、下記の用語法を使用する。
【0009】
単数を示す表現「一つの」および「前記」は、文脈が明瞭に別様に指示するのでない限り、複数参照を含む。したがって、例えば、「あるRNA配列」への参照は、一つ以上のそのようなRNA配列への参照を含み、「該遺伝子突然変異」への参照は、一つ以上のそのような遺伝子突然変異への参照を含む。
【0010】
本明細書で用いる「対象」は、本発明の、核酸含有組成物の投与、または方法から利益を受ける可能性のある哺乳動物を指す。対象の例としては、ヒト、および他の哺乳動物、例えば、ウマ、ブタ、ウシ、イヌ、ネコ、ウサギ、および水性哺乳類が挙げられる。
【0011】
「遺伝子」という用語は、ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを含む核酸を指す。
【0012】
「核酸」という用語は、本発明の処方物と組み合わせて使用される場合、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの形を取る、核酸重合体を指す。
【0013】
本明細書で用いる「オリゴヌクレオチド」または「ポリヌクレオチド」は、相互交換的に使用され、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、およびそれらの修飾形のポリマーであって、一本鎖、または二本鎖として存在する、別の断片形、または、より大きな構築体の一成分の形状を取る修飾形ポリマーを指す。本発明の処方物において使用が可能なポリヌクレオチドとしては、該処方物の送達目標に応じて適宜に、DNAまたはRNAの、センスおよびアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドが挙げられる。DNAまたはRNA分子は、相補的DNA(cDNA)、ゲノムDNA、合成DNA、またはそのハイブリッド、または、RNA分子、例えば、mRNA、siRNA、shRNAなどであってもよい。
【0014】
本発明において使用されるオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは、当該技術分野で周知のハイブリダイゼーション法を用いて取得することが可能である。DNAおよびRNA配列は、当該技術分野で周知の自動化核酸合成装置を用いて合成してもよい。shRNAを含むRNAを調製するには、当該技術分野で周知の方法によるインビトロ転写を用いることも可能である。ポリヌクレオチド混合物を生成するには、周知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用が特に好ましい。ゲノム核酸は、当該技術分野で周知の手段によって調製してもよい。
【0015】
本発明のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは、該オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドのバイオアベイラビリティーおよびハイブリダイゼーション特性を向上させるために、修飾されたヌクレオシド間リン酸バックボーンを含んでもよい。この結合は、ただしこれらに限定されないが、フォスフォジエステル、フォスフォロアニロテイエート、フォスフォロアニリデート、フォスフォルアミデート、フォスフォロチエート、フォスフォロジチエート、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0016】
オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは、遺伝子構築体、または発現ベクターの一部であってもよい。「遺伝子構築体」または「発現ベクター」という用語は、標的タンパクをコードし、プロモーターなどの調節要素に動作可能的に連結される開始および終止シグナル、および標的細胞における発現を指令することが可能なポリアデニル化シグナルを含む、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを含むDNAまたはRNA分子を指す。
【0017】
本明細書で用いる「標的細胞(単数)」または「標的細胞(複数)」は、本発明の経皮処方物を用いて送達される核酸を受容する細胞を指す。
【0018】
本明細書において、遺伝子発現に関連して用いられる「の抑制」または「の沈黙化」という用語は、標的遺伝子由来のタンパクレベルの消失、または少なくとも観察可能な減少を指す。
【0019】
遺伝子配列に関連して「発現」という用語は、遺伝子の転写、および、適宜に、得られたmRNA転写物の、タンパクへの翻訳を指す。
【0020】
本明細書で用いる「有効量の」、または「治療的有効量の」核酸とは、意図する課業を実行し、意図する結果を実現するのに十分な量の核酸を指す。例えば、有効量のsiRNAとは、ケラチン遺伝子の発現を沈黙化するのに十分な量であってもよい。様々な生物学的因子が、ある特定のRNA配列の、その意図する課業を実行する能力に対し影響を及ぼす可能性のあることが知られる。したがって、「有効量」、または「治療的有効量」は、ある場合には、そのような生物学的因子に依存する場合がある。さらに、治療作用の実現は、医師、または、他の医療担当の専門家によって、当該技術分野で公知の評価を用いて測定される場合のある一方で、治療に対する個別の変動および反応は、治療作用の実現をいく分主観的判断とする可能性のあることが認められる。有効量の決定は、製薬学および医学の技術分野における通常の技能範囲の中に十分納まる。
【0021】
本明細書で用いる「処方物」および「組成物」という用語は、相互交換的に使用され、二つ以上の化合物、元素、または分子の混合物を指す。ある局面で、「処方物」および「組成物」という用語は、一つ以上のヌクレオチド配列の、担体または他の賦形剤との混合物を指すのに用いられてもよい。
【0022】
「経皮」という用語は、経皮処方物が皮膚表面に投与される場合、皮膚表面を通過する薬剤の転送を促進する投与ルートを指す。
【0023】
「皮膚」または「皮膚表面」という用語は、一層以上の表皮層を含む、対象の外皮を含むだけでなく、薬剤組成物が投与される可能性のある粘膜表面も含むことが意図される。粘膜表面の例としては、呼吸腔(鼻腔および肺腔を含む)、口腔(口腔および頬内腔)、膣腔、および直腸腔が挙げられる。したがって、「経皮」という用語は、「経粘膜」も包含する。
【0024】
「促進」または「浸透促進」という用語は、薬剤が皮膚を通して浸透する速度を増すように、薬剤に対する、皮膚の透過性を増すことを意味する。したがって、「浸透促進剤」、または単純に「促進剤」は、このような浸透強化を実現する薬剤、または薬剤の混合物を指す。
【0025】
「局所処方物」とは、薬剤が、皮膚表面に対する直接塗布のために導入され、それから有効量の該薬剤が放出される組成物を意味する。
【0026】
本明細書で用いる「約」という用語は、ある数値範囲端点について、ある与えられた数値が、該端点よりも「少し上」または「少し下」の可能性があることを提示することによって、該端点に対し変動性を与えるために使用される。
【0027】
本明細書における使用において、配列、化合物、処方物、送達機構、または他の項目も、都合のために一般的リストの中に提示される場合がある。しかしながら、これらのリストにおいて、そのリストの各メンバーが、あたかも独自の、特異なメンバーとして個別に特定されるかのように考えてはならない。したがって、このようなリストの、どの個別メンバーについても、単に、そうではないという指示が無いまま一般的グループの中にそれが提示されていることだけに基づいて、同じリストの、いずれかの他のメンバーと事実上等価であると見なす、ということをしてはならない。
【0028】
濃度、量、およびその他の数値データは、本明細書では、範囲形式で表現または提示される場合がある。このような範囲形式は、単に、便利と短縮のために使用されるものであり、したがって、範囲の限界として明瞭に言及される数値だけでなく、その範囲内に包含される、個別数値または付属範囲も全て、あたかも各数値および付属範囲が明瞭に言及される場合と同様に、含むものと弾力的に解釈すべきものと理解しなければならない。具体例として挙げると、「約0.5から10g」という数値範囲は、約0.5gから約10.0gの、明瞭に言及された数値だけでなく、その表示の範囲内の個別数値および付属範囲も含むものと解釈しなければならない。したがって、この数値範囲に含まれるのは、個別の数値、例えば、2、5、および7、および、付属範囲、例えば、2から8、4から6、などである。この同じ原理は、一数値のみを言及する範囲にも適用される。さらに、この解釈は、範囲の広さ、または記載される特徴とは無関係に適用されなければならない。
【0029】
別様に定義されない限り、本明細書で用いる技術および科学用語は全て、本発明の属する技術分野において通常の技能を有する当業者において一般的に理解されるものと同じ意味を持つ。本明細書に記載されるものと同様であるか、または等価であれば、いずれの方法、デバイス、および材料であれ、本発明の実施または試験に使用することが可能であるが、下記に、代表的方法、デバイス、および材料を記載する。
【0030】
本発明は、オリゴヌクレオチドおよび/またはポリヌクレオチドの効果的経皮送達のための処方物、および関連方法に関する。本発明の処方物は、脂質およびエタノールを含むことも可能である。本処方物はさらに、抗微生物剤および/または浸透促進剤を含むことも可能である。
【0031】
本発明の処方物は、治療される病気または障害、および標的細胞の性質に応じて、皮膚そのものか、またはその下層組織に対し核酸を効果的に送達するために使用することが可能である。一実施態様では、本発明の処方物は、皮膚障害の治療であって、皮膚に局在する標的細胞に核酸を送達することによる治療のために使用することが可能である。このような障害の例としては、ただしこれらに限定されないが、先天性爪肥厚、毛包角化症、乾癬、皮膚炎、他の、ケラチン過剰発現障害などが挙げられる。当業者であれば理解されるように、本処方物によって送達される核酸の性質および配列は、治療される障害または病気に応じて変動することが予想される。
【0032】
本発明の処方物では、種々の脂質の使用が可能である。一実施態様では、脂質は中性脂質である。使用が可能な脂質の、非限定的例として、ホスファチジルコリン類、例えば、1,2−ジオレオイル−snグリセロ−3−ホスホエタノールアミン、1,2−ジフィタノイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、および、1,2−ジミリストイル−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、ステアリン酸、パルミチン酸、および、それらの組み合わせが挙げられる。
【0033】
本発明の一実施態様では、脂質およびアルコールは、本処方物において、重量で約1.5:1から約4.5:0.5の、脂質対アルコール重量の比で存在する。別の実施態様では、脂質対アルコール重量比は、約1.8:1から約3.5:1である。さらに別の実施態様では、脂質・アルコール重量比は、約2:1から約3:1である。さらに別の実施態様では、脂質・アルコール重量比は、約2.5:1から約3:1である。理論に制限されるものではないが、本出願人らは、上記の、脂質対アルコール比は、本処方物における核酸の効果的経皮送達の実現の一端を担うと考える。前述の脂質対アルコール比はさらに、局所塗布に適切で、望ましい均質性を持つ処方物を生成する。
【0034】
本発明の処方物に使用することが可能なアルコールの例としては、例えば、ただしこれらに限定されないが、低級アルコール類、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、ベンジルアルコール、メタノール、他のC−C10モノアルコール類、およびそれらの混合物が挙げられる。一実施態様では、アルコールはエタノールである。
【0035】
本発明において使用が可能な核酸の量または濃度は変動してよい。一局面では、本処方物において、約50μg/mlから約2000μg/ml(容量は処方物の容量を指す)の核酸濃度を使用してよい。一実施態様では、処方物は、約75μg/mlから約1500μg/mlの核酸を含むことが可能である。さらに別の実施態様では、処方物は、約100μg/mlから約1000μg/mlの核酸を含むことが可能である。さらに別の実施態様では、処方物は、約400μg/mlから約800μg/mlの核酸を含むことが可能である。
【0036】
本発明の処方物はさらに、必要に応じて、抗微生物化合物を含むことが可能である。一般に、抗微生物化合物は、それが本処方物の安定性および持続性に悪影響を及ぼさない限り、いずれのものであっても使用することが可能である。一実施態様では、抗微生物化合物は、第四アンモニウム塩、例えば、塩化ベンゼトニウムである。本発明の目的にとって、「第四アンモニウム塩」という用語は、窒素の上に正電荷および対イオンを有する、四価の窒素含有分子を指す。このような第四アンモニウム塩として、脂肪族および芳香族置換基が挙げられる。塩化ベンゼトニウムの外に、使用が可能な、他の第四アンモニウム塩としては、例えば、ただしこれらに限定されないが、アルキル−、ジメチルベンゼンメタナミニウム塩;アシル−、ジメチルベンゼンメタナミニウム塩;混合アシル−/アルキル−、ジメチルベンゼンメタナミニウム塩;エチルベンジルドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ドデシルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルベンジルトリエタノールアンモニウムクロリド、塩化ベンゾキソニウム;メチルベンゼトニウムクロリド;フェノクチド;ドデカルボニウムクロリド;および、混合アルキル−/アシル−、アミドプロパルコニウム塩、またはそれらの混合物が挙げられる。他の、非第四アンモニウム塩抗微生物化合物も使用してよい。
【0037】
抗微生物剤としてのその役割に加えて、ある局面において、第四アンモニウム塩、特に、塩化ベンゼトニウムは、核酸のための浸透促進剤として活動することも可能である。さらに、他の浸透促進剤としては、例えば、ただしこれらに限定されないが、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、乳酸またはグリコール酸の脂肪酸エステル、グリセロールトリエステル、グリセロールジエステル、グリセロールモノエステル、トリアセチン、短鎖アルコール、尿素、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0038】
本発明の処方物は、クリームとして塗布することが可能であるが、該処方物は、他の、様々の送達剤形として、例えば、ただしこれらに限定されないが、ゲル、ペースト、軟膏、およびパッチおよびスプレイとして処方することが可能である。本発明の処方物について使用することが可能な、一つのタイプの経皮パッチは、液体貯留システム(LRS)型のパッチである。LRSパッチとして使用する場合、本発明の処方物は、不透支持体、および、皮膚接触透過膜、または、貯留内容物(すなわち、処方物)および皮膚の間の拡散性接触を実現する、膜接着性積層体を持つ貯留槽の中へ封じ込められるように処方することが可能である。着用のためには、剥離可能な開放ライナーが除かれ、パッチは、皮膚表面に接着される。LRSパッチは、経皮薬剤送達の技術分野において公知である。LRS経皮パッチの非限定的例として、米国特許第4,849,224号、第4,983,395号に記載または参照されるものがある。なお、これらの特許の全体を、引用により本明細書に含める。
【0039】
送達剤形に応じて、本発明の処方物はさらに、他の賦形剤、例えば、皮膚軟化剤、増粘剤、界面活性剤などを含んでもよい。一般に、核酸の送達における本処方物の有効性を妨げない限り、当該技術分野で公知の、いずれの賦形剤の使用も可能である。さらに、使用される賦形剤は、いずれのものであれ、核酸の分解を引き起こさないことが必須である。さらに、ある化合物は、処方物において複数の役割を果たすことが可能であることが認められる(例えば、ある化合物は、界面活性剤であり、かつ浸透促進剤である場合があり、あるいは、ある化合物は、皮膚軟化剤で、かつ界面活性剤である場合がある)。
【0040】
本発明に使用が可能な増粘剤の例として、例えば、ただしこれらに限定されないが、コロイド状増粘剤、例えば、シリカ、ケイ酸アルミニウムマグネシウムなど;天然のポリマー物質、例えば、アルギン酸ナトリウム、キサンタンゴム、マルメロ種子抽出物、トラガカントゴム、でん粉など、半合成ポリマー物質、例えば、セルロースエーテル類(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ポリビニールピロリドン、ポリビニールアルコール、グアゴム、ヒドロキシプロピルグアゴム、可溶性でん粉、陽イオンセルロース、陽イオングアなど、および合成ポリマー物質、例えば、カルボキシビニールポリマー、ポリビニールピロリドン、ポリビニールアルコール、ポリアクリル酸ポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、ポリメタクリル酸ポリマー、ポリ酢酸ビニールポリマー、ポリ塩化ビニールポリマー、ポリ塩化ビニリデンポリマーが挙げられる。さらに本発明において有用なものは、親水性ゲル化剤、例えば、アクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー、および、B.F.Goodrich Companyによって、Carbopol樹脂という商標の下で販売されるカルボキシビニールポリマーである。これらの樹脂は、0.75%から2.00%の架橋剤、例えば、ポリアリルスクロース、またはポリアリルペンタエリスリトールによって架橋される、アクリル酸の、コロイド状水溶性ポリアルケニルポリエーテル架橋ポリマーから事実上成る。例としては、Carbopol 934、Carbopol 940、Carbopol 950、Carbopol 980、Carbopol 951、およびCarbopol 981が挙げられる。さらに、上記増粘剤および/またはゲル化剤の任意のもの同士の混合物も使用が可能である。
【0041】
本発明において使用が可能な皮膚軟化剤の例としては、例えば、ただしこれらに限定されないが、炭化水素油およびワックス;シリコン油;トリグリセリドエステル;アセトグリセリドエステル;エトキシル化グリセリド;アルキルエステル;アルケニルエステル;脂肪酸;脂肪アルコール;脂肪アルコールエーテル;エーテルエステル;ラノリンおよび誘導体;多価アルコール(ポリオール)、およびポリエーテル誘導体;多価アルコール(ポリオール)エステル;ワックスエステル;蜜蝋誘導体;植物ワックス;アミド;およびそれらの混合物が挙げられる。
【0042】
本発明において使用が可能な界面活性剤の例としては、例えば、ただしこれらに限定されないが、ポリエトキシル化脂肪酸、例えば、PEG−脂肪酸モノエステル、例えば、ラウリン酸、オレイン酸、およびステアリン酸のエステル;脂肪酸ジエステル、例えば、PEG脂肪酸ジエステル;アルコール−油エステル交換反応産物、例えば、PEG−35−ヒマシ油(Incrocas−35)、PEG−40水素添加ヒマシ油(Cremophor RH40)、PEG−25トリオレエート(TAGAT[R]TO)、PEG−60コーングリセリド(Crovol M70)、PEG−60アーモンド油(Crovol A70)、PEG−40パーム核油(Crovol PK70)、PEG−50ヒマシ油(Emalex C−50)、PEG−50水素添加ヒマシ油(Emalex HC−50)、PEG−8カプリル酸/カプリン酸グリセリド(Labrasol)、およびPEG−6カプリル酸/カプリン酸グリセリド(Softigen 767)、PEG−5水素添加ヒマシ油、PEG−7水素添加ヒマシ油、PEG−9水素添加ヒマシ油、PEG−6コーン油(Labrafil[R]M 2125CS)、PEG−6アーモンド油(Labrafil[R]M 1966CS)、PEG−6杏核油(Labrafil[R]M 1944CS)、PEG−6オリーブ油(Labrafil[R]M 1980CS)、PEG−6ピーナツ油(Labrafil[R]M 1969CS)、PEG−6水素添加パーム核油(Labrafil[R]M 2130BS)、PEG−6パーム核油(Labrafil[R] 2130CS)、PEG−6トリオレイン(Labrafil[R]M 2735CS)、PEG−8コーン油(Labrafil[R]WL 2609BS)、PEG−20コーングリセリド(Crovol M40)、およびPEG−20アーモンドグリセリド(Crovol A40);ポリグリセル化脂肪酸、例えば、ポリグリセリルオレエート(Plurol Oleique)、ポリグリセリル−2ジオレエート(Nikkol DGDO)、およびポリグリセリル−10トリオレエートが挙げられる。好ましい親水性界面活性剤としては、ポリグリセリル−10ラウレート(Nikkol Decaglyn 1−L)、ポリグリセリル−10オレエート(Nikkol Decaglyn 1−O)、およびポリグリセリル−10 モノ、ジオレエート(Caprol[R]PEG 860);プロピレングリコール脂肪酸エステル、例えば、プロピレングリコールモノラウレート(Lauroglycol FCC)、プロピレングリコールリシノレエート(Propymuls)、プロピレングリコールモノオレエート(Myverol P−06)、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート(Captex[R]200)、およびプロピレングリコールジオクタノエート(Captex[R]800);モノ−およびジグリセリド、例えば、グリセリルモノオレエート(Peceol)、グリセリル15リシノレエート、グリセリルラウレート、グリセリルジラウレート(Capmul[R] GDL)、グリセリルジオレエート(Capmul[R] GDO)、グリセリルモノ/ジオレエート(Capmul[R] GMO−K)、グリセリルカプリレート/カプレート(Capmul[R] MCM)、カプリル酸モノ/ジグリセリド(Imwitor[R] 988)、およびモノ−およびジアセチル化モノグリセリド(Myvacet[R] 9−45);ステロールおよびステロール誘導体;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールアルキルエーテル;糖エステル;ポリエチレングリコールアルキルフェノール;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;ソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ソルビタンモノラウレート(Arlacel 20)、ソルビタンモノパルミテート(Span−40)、ソルビタンモノオレエート(Span−80)、ソルビタンモノステアレート、およびソルビタントリステアレート;低級アルコール脂肪酸エステル;イオン性界面活性剤、例えば、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ジオクチルスルフォコハク酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、ラウロイルカミチン、パルミトイルカミチン、およびミリストイルカミチン;非イオン化電離性界面活性剤;電離性界面活性剤;およびそれらの混合物が挙げられる。
【0043】
本発明の処方物は、真皮組織に対し核酸を経皮的に送達するのに有効である。本処方物はさらに、他の経皮送達手段、例えば、ただしこれらに限定されないが、微小電気泳動、ニードルアレイ、超音波処理、封鎖、電気穿孔などの手段と組み合わせて効果的に使用することが可能である。このような技法は、十分、当業者の知識と能力の範囲内にある。
【0044】
(実施例1)
核酸の経皮送達のための処方物
核酸の経皮送達のための処方物は、表1にしたがって調製される。
【0045】
【表1】

本処方物は、表1の成分を50℃で活発に攪拌することによって調製され、均一な安定なクリームが得られる。本核酸混合物における核酸の負荷すなわち濃度は、所望の用途にしたがって変動することが可能であることに注意されたい。負荷値は、得られた処方物が、50μg/mlから約2000μg/mlの核酸濃度を含むようにすることが可能である。
【0046】
(実施例2)
核酸を有する処方物
処方物を、実施例1にしたがって調製した。ただし、核酸混合物は、プラスミド発現ベクターpCDNA3.1fluc(Clontech)を、得られる処方物が500mg/mlの核酸を含むのに十分な量として含んでいた。実施例1の場合と同様、処方物は、50℃で活発に攪拌され、安定なクリームをもたらした。この調製処方物を4℃で保存した。
【0047】
(実施例3)
マウスに対する核酸の経皮投与
核酸処方物は実施例2にしたがって調製した。この処方物の約100μlを、6−8週齢の、剃毛したBalb/cマウスの背中に塗布した。12、24、48、および96時間のインキュベーション期間後、マウスにルシフェリン(30mg/mlのルシフェリン100μl;体重1kg当たり150mg)をIP注入した。10分後、イソフルランを用いてマウスを麻酔し、Xenogen IVISインビボ撮像システムを用いて画像化した。この画像化の結果を図1Aに示す。
【0048】
(実施例4)
経皮核酸処方物の投与方策
実施例2にしたがって4種の核酸処方物を調製した。ただし、それぞれ(100μl)に加えられるルシフェラーゼプラスミドの量を変動させた(処方物1〜4:75、20、5、および0μgのルシフェラーゼ)。第5核酸処方物は、実施例2にしたがって調製した。ただし、加えた核酸は、75μgのDsRedであった(処方物5)。このDsRedは、陰性コントロールとして使用された。処方物1〜5を、それぞれ、マウスの剃毛皮膚に局所的に塗布し、24時間後、各部位にルシフェリンを注入した。第6部位には、20μgのルシフェラーゼプラスミドの皮内注入の外、ルシフェリン注入を行った。10分後、マウスをイソフルランで麻酔し、Xenogen IVISインビボ撮像システムを用いて画像化した。画像化の結果を図1Bに示す。
【0049】
(実施例5)
マウス子宮頸部に対する核酸の経皮投与
核酸処方物を実施例2にしたがって調製した。約20μgのルシフェラーゼ発現プラスミドを含む、ある量の処方物を、マウスの子宮頸部に局所的に塗布した。24時間のインキュベーション期間後、マウスにルシフェリンをIP注入し、次いで、高感度冷却LCDカメラを用いて撮像した。次に、このルシフェラーゼ発現を定量化した(赤は、最高ルシフェラーゼ発現である)。画像化の結果を図2に示す。
【0050】
(実施例6)
核酸経皮処方物の組織分布
実施例1の処方物のある量を、剃毛マウスに局所的に塗布した。24時間後、皮膚をOTC媒体において凍結し、マイクロトームで薄切した。次に、これらの皮膚切片を、蛍光顕微鏡によって(処方物の脂質成分の蛍光特性を用いて)可視化した図3A。皮膚切片の明視野画像を図3Bに示す。図3Aにおいて、蛍光の主要領域は、毛嚢および表皮である。これらのデータは、本処方物が、表皮だけでなく毛嚢も簡単に浸透することを示す。
【0051】
(実施例7)
核酸の経皮送達ローション処方物
核酸処方物を実施例1にしたがって調製する。ただし、処方物はさらに皮膚軟化剤を含む。本処方物は、皮膚の障害または病態の処置に特に有用である。核酸は、障害の直接的処置を実現し、一方、皮膚軟化剤は、障害の症状の処置を支援する。
【0052】
上記実施例は、一つ以上の特定の運用において本発明の原理を例示するものであるが、形式、用法、および実行の詳細において数多くの改変が、発明能力を行使することなく、かつ、本発明の原理および概念から逸脱することなく、実行可能であることは当業者には明白であろう。したがって、本発明は、下記に記載される特許請求の範囲による以外には、限定されないことが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
核酸の皮膚送達のための組成物であって:
a)核酸;
b)少なくとも一つの中性脂質;および
c)アルコール
を含む、組成物。
【請求項2】
中性脂質は、ホスファチジルコリン類、例えば、1,2−ジオレオイル−snグリセロ−3−ホスホエタノールアミン、1,2−ジフィタノイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、および、1,2−ジミリストイル−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、ステアリン酸、パルミチン酸類、および、それらの組み合わせから成る群から選ばれる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記中性脂質および前記エタノールが、処方物において、重量で約1.5:1から約4.5:0.5の、中性脂質対アルコールの比で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
中性脂質対アルコールの前記比が、重量で約1.8:1から3.5:1である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
中性脂質対アルコールの前記比が、重量で約2:1から約3:1である、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
中性脂質対アルコールの前記比が、重量で約2.5:1から約3:1である、請求項3に記載の組成物。
【請求項7】
前記核酸が、前記組成物全体の1ml当たり50μgから2000μgの量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記核酸が、前記組成物全体の1ml当たり75μgから1500μgの量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記核酸が、前記組成物全体の1ml当たり100から1000μgの量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記核酸が、前記組成物全体の1ml当たり約400から800μgの量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、殺虫剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記殺虫剤が、塩化ベンゼトニウムである、請求項12に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が、浸透促進剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記浸透促進剤が、第四アンモニウム塩、脂肪酸類、脂肪酸エステル類、脂肪アルコール類、乳酸またはグリコール酸の脂肪酸エステル類、グリセロールトリエステル類、グリセロールジエステル類、グリセロールモノエステル類、トリアセチン、短鎖アルコール類、尿素、およびそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記浸透促進剤が、第四アンモニウム塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記第四アンモニウム塩が塩化ベンゼトニウムである、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記核酸がRNAである、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記RNAがsiRNAである、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記RNAがshRNAである、請求項17に記載の組成物。
【請求項20】
前記RNAが2本鎖である、請求項17に記載の組成物。
【請求項21】
前記核酸がDNAである、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
前記アルコールが、低級アルコール類、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、ベンジルアルコール、メタノール、他のC−C10モノアルコール類、およびそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
前記アルコールがエタノールである、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
対象に対し核酸を経皮的に送達する方法であって:
該対象の皮膚表面に、ある量の、核酸含有経皮処方物を塗布することを含み、該経皮処方物が、中性脂質類およびアルコールの混合物を含む、方法。
【請求項25】
前記経皮処方物が、ペーストまたはクリームの形態である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記経皮処方物が、経皮パッチとして貼付される、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記皮膚表面が、前記経皮処方物の適用後塞がれる、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記中性脂質が、ホスファチジルコリン類、例えば、1,2−ジオレオイル−snグリセロ−3−ホスホエタノールアミン、1,2−ジフィタノイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、および、1,2−ジミリストイル−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、ステアリン酸、パルミチン酸類、および、それらの組み合わせから成る群から選ばれる、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記中性脂質および前記エタノールが、前記処方物において、重量で約1.5:1から約4.5:0.5の中性脂質対アルコールの比で存在する、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
中性脂質対アルコールの前記比が、重量で約1.8:1から3.5:1である、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
中性脂質対アルコールの前記比が、重量で約2:1から約3:1である、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
中性脂質対アルコールの前記比が、重量で約2.5:1から約3:1である、請求項24に記載の方法。
【請求項33】
前記核酸が、前記組成物全体の1ml当たり、100から1000μgの量で存在する、請求項24に記載の方法。
【請求項34】
前記核酸が、前記組成物全体の1ml当たり、約400から800μgの量で存在する、請求項24に記載の方法。
【請求項35】
前記組成物が、殺虫剤をさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項36】
前記殺虫剤が、塩化ベンゼトニウムである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記組成物が浸透促進剤をさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項38】
前記浸透促進剤が、第四アンモニウム塩、脂肪酸類、脂肪酸エステル類、脂肪アルコール類、乳酸またはグリコール酸の脂肪酸エステル類、グリセロールトリエステル類、グリセロールジエステル類、グリセロールモノエステル類、トリアセチン、短鎖アルコール類、尿素、およびそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記アルコールが、低級アルコール類、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、ベンジルアルコール、メタノール、他のC−C10モノアルコール類、およびそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項24に記載の方法。
【請求項40】
前記アルコールがエタノールである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
対象に対し核酸を経皮的に送達するための経皮薬剤の調製における中性脂質およびアルコールの使用。
【請求項42】
前記経皮薬剤が、ペーストまたはクリームの形態である、請求項41に記載の使用。
【請求項43】
前記中性脂質が、ホスファチジルコリン類、例えば、1,2−ジオレオイル−snグリセロ−3−ホスホエタノールアミン、1,2−ジフィタノイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、および、1,2−ジミリストイル−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、ステアリン酸、パルミチン酸類、および、それらの組み合わせから成る群から選ばれる、請求項41に記載の使用。
【請求項44】
前記中性脂質および前記アルコールが、処方物において、重量で約1.5:1から約4.5:0.5の中性脂質対アルコールの比で存在する、請求項41に記載の使用。
【請求項45】
中性脂質対アルコールの前記比が、重量で約1.8:1から3.5:1である、請求項41に記載の使用。
【請求項46】
中性脂質対アルコールの前記比が、重量で約2:1から約3:1である、請求項41に記載の使用。
【請求項47】
中性脂質対アルコールの前記比が、重量で約2.5:1から約3:1である、請求項41に記載の使用。
【請求項48】
前記核酸が、前記経皮薬剤において、組成物全体の1ml当たり100から1000μgの量で存在する、請求項41に記載の使用。
【請求項49】
前記核酸が、前記経皮薬剤において、組成物全体の1ml当たり約400から800μgの量で存在する、請求項41に記載の使用。
【請求項50】
前記経皮薬剤が、殺虫剤をさらに含む、請求項41に記載の使用。
【請求項51】
前記経皮薬剤が、浸透促進剤をさらに含む、請求項41に記載の使用。
【請求項52】
前記浸透促進剤が、第四アンモニウム塩、脂肪酸類、脂肪酸エステル類、脂肪アルコール類、乳酸またはグリコール酸の脂肪酸エステル類、グリセロールトリエステル類、グリセロールジエステル類、グリセロールモノエステル類、トリアセチン、短鎖アルコール類、尿素、およびそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項51に記載の使用。
【請求項53】
前記アルコールが、低級アルコール類、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、ベンジルアルコール、メタノール、他のC−C10モノアルコール類、およびそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項41に記載の使用。
【請求項54】
前記アルコールがエタノールである、請求項41に記載の使用。

【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図1】
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【公表番号】特表2010−516816(P2010−516816A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548379(P2009−548379)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/052209
【国際公開番号】WO2008/094866
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(509213428)トランスダーム, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】