ネジ類供給機
【課題】弾性のOリングを有する防水性のネジでも振動により良好に搬送することができるネジ類供給機を提供する。
【解決手段】ネジ類供給機Pは、Oリング16付きのネジ10を所定の方向に整列させて搬送するレールユニット20を備え、レールユニット20に設けられた溝部40には、ネジ10のOリング16が嵌入可能な段部が形成され、溝部40内には、ネジ10の軸部を下側から支持するとともに、ネジ10の頭部とレールユニット20の上端面との間に所定の隙間G1を形成するためのレール板部材50が設けられる。
【解決手段】ネジ類供給機Pは、Oリング16付きのネジ10を所定の方向に整列させて搬送するレールユニット20を備え、レールユニット20に設けられた溝部40には、ネジ10のOリング16が嵌入可能な段部が形成され、溝部40内には、ネジ10の軸部を下側から支持するとともに、ネジ10の頭部とレールユニット20の上端面との間に所定の隙間G1を形成するためのレール板部材50が設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネジやリベット等のネジ類を供給するネジ類供給機に関し、特に、防水性を備えたOリング付きのネジ類の搬送も良好に行なうことができるネジ類供給機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ネジやリベット等のネジ類を収納部から排出させレールユニットにより搬送するともに、所定の位置でドライバー等の工具により取り出すことで供給を行なうネジ類供給機が知られている(特許文献1、2参照)。この種のネジ類供給機の場合には、ネジ締め作業を軽減したり、自動的にロボットなどによりネジ締めを行なうことができる。
【0003】
このようなネジ類の供給を行なうネジ類供給機では、複数のネジを一定の方向に向けて、レールユニットの溝部に嵌入および整列させた状態で、順次所定の位置まで移送することができる。
【0004】
[ネジ類供給機の概要構成]
以下、従来のネジ類供給機の構成および概要について簡単に説明する。図10は、従来のネジ類供給機の外観を示す斜視図である。また、図11は、図10のネジ類供給機に搭載されたレールユニットおよびネジを示す断面図である。また、図12は、ネジ類供給機に搭載されたレールユニットおよびOリング付のネジを示す断面図である。
【0005】
図10に示すように、ネジ類供給機Pは、機台1に設けられ多数のネジ10´が収容される収容部2と、この収容部2の内部からレールユニット3上に排出する排出機構(図示せず)と、排出された複数のネジ10´を刷毛により嵌入および整列させる刷毛機構(図示せず)とを備えている。
【0006】
また、レールユニット3の溝部4(図11)の内部に整列させたネジ10´を振動により所定の位置まで搬送する搬送部(図示せず)とを備えている。そして、このネジ類供給機Pの搬送部により所定の位置(ネジ停止部)まで搬送されたネジは、ドライバー等の工具により取り出される。
【0007】
【特許文献1】特開2001−277145号公報
【特許文献2】特開平8−155758号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上述したネジ類供給機の場合には、以下に示す問題が発生する。すなわち、従来では、ネジ類供給機Pにより供給されるネジ10′(図11)の場合、頭部11と軸部12と、頭部11の下面位置である顎部13と、軸部12の上部である首部14と、軸部12の下端部に位置する先端部15として構成されている。
【0009】
そして、このような、ネジ10′の材料は、鉄等の金属製であるため、レールユニット3(図11)の溝部4内に嵌め込まれたネジ10′は、振動を加えるだけで比較的容易に所定の位置まで搬送することができる。
【0010】
ここで、小型携帯機器(例えば、携帯電話機)のカバー類を固定するために使用されるネジなどは、携帯電話機が小型化となっているため極めて小径(M1.2〜M2程度)なネジが使用されている。
【0011】
さらに、近年では、携帯電話機の防水性を図るために、図12に示すように、ネジ10の軸部12(首部14の位置)には、防水作用を備えた弾性体(ゴム部材)が使用されたOリング16が取り付けられている。
【0012】
ここで、Oリング16の外形寸法が大きい場合は、このOリング16だけを手作業でネジ10の軸部12に嵌め込むことが可能ではあるが、このOリング16付きのネジ10は、防水型とする携帯電話機用のネジであるため、Oリング16だけをピンセット等でネジの軸部12に嵌め込む作業が困難であるため、ネジ10に予めOリング16を嵌め込んでおくのが一般的である。
【0013】
上述した理由から、予め防水性を備えたOリング16が設けられたネジ10をネジ類供給機で供給する場合、図12に示すように、このネジ10は、レールユニット3の溝部4の上面に乗った状態で搬送されることとなる。このため、レールユニット3の振動によりネジ10を搬送しようとしても、Oリング16が弾性体であるため、振動を吸収してネジに振動が伝わりにくいことから搬送不良などが発生する原因となる。また、同様に、弾性体のOリング16がレールユニット3の溝部4に当接しているため、摩擦係数が大きくなり、この結果、ネジ10の搬送詰まりなどの問題が発生する。
【0014】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、弾性のOリングを有する防水性のネジでもレールユニットにより良好に搬送することができるネジ類供給機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
開示のネジ類供給機は、Oリング付きのネジを所定の方向に整列させて搬送するレールユニットを備え、レールユニットに設けられた溝部には、ネジに設けられたOリングが嵌入可能な段部が形成され、当該溝部には、ネジの軸部を下側から支持するネジ支持部材が設けられ、当該ネジ支持部材は、ネジの頭部の下端面と溝部の上端面間に所定の隙間が形成されるように、ネジの軸部の先端部を支持することを要件とする。
【発明の効果】
【0016】
開示のネジ類供給機のレールユニットの溝部には、ネジのOリングが嵌入自在の段部が形成されるとともに、ネジの軸部の先端部を支持するネジ支持部材が設けられるので、レールユニットの溝部に嵌め込まれたネジとレールユニットとの間には、所定の隙間が形成され、これによって、ネジのOリングと溝部とが接触することなく、弾性のOリングを有する防水性のネジでも良好に搬送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、本発明のネジ類供給機の実施例1について詳細に説明する。なお、以下に示す実施例1によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0018】
[ネジ類供給機の構成および概要]
先ず、本実施例1に係るネジ類供給機の構成および概要を説明する。ここで、図1は、実施例1に係るネジ類供給機に搭載されたレールユニットの外観を示す斜視図を示している。
【0019】
また、図2は、レールユニットに設けられるレール板部材の外観を示す斜視図を示している。また、図3は、レールユニットおよびレール板部材を示す断面図を示している。また、図4は、図1のA部の拡大断面図を、図5は、図1のB部の拡大断面図をそれぞれ示している。
【0020】
ここで、本実施例1のネジ類供給機Pは、このネジ類供給機Pに搭載されたレールユニット20に特徴があり、概略的に説明すると、レールユニット20には、このレールユニット20に設けた溝部40にネジ10の軸部12に設けたOリング16を嵌入させる段部41を形成するとともに、このレールユニット20の内側(溝部40)にネジ10の下部側から支持するレール板部材50を設けていることにある。
【0021】
すなわち、図1〜図3に示すように、ネジ類供給機Pに搭載されるレールユニット20は、全体が長尺状の鋼板部材から構成されるとともに、ほぼ中央部の長手方向にわたって、溝部40が形成されている。この溝部40は、複数のネジ10を整列させて状態で嵌入させることができる。
【0022】
また、レールユニット20のほぼ中央部に形成された溝部40(図3)は、この溝部40の開口部となる段部41である外側溝部42と、内側溝部43とを有しており、この溝部40に設けた段部41にネジ10に設けたOリング16が嵌入自在となっている。また、このレールユニット20に設けられた溝部40の内側(下方位置)には、後述するレール板部材50が設けられている。
【0023】
同図に示すように、レールユニット20は、断面L字型のレール本体部21、22と、このレール本体部21、22と連結固定されるレールベース部30とを有している。これらレール本体部21、22の一端側は(図1の右側)、レール本体部21、22と連続するとともに、一端側に突出した突出板部20aとなっている。
【0024】
レールベース部30は、ベース本体部31と、このベース本体部31の一部が直角に屈曲した屈曲板部32とを有している。
【0025】
また、レールユニット20のレール本体部21の両側位置(図1の左右両側)には、レール板部材50を所定の位置で締め付け固定するための一対の通孔23が形成されている。一方、レール本体部22の両側位置には、一対の通孔23を介して挿通された締結ネジ24(図2)を螺合させるための一対のネジ孔25(図3)が形成されている。すなわち、後述するように、レール本体部21の一対の通孔23を挿通させた、一対の締結ネジ24を使用してレール板部材50を所定の高さ位置で締め付け固定することができる。
【0026】
[レール板部材50の構成]
図2に示すように、レール板部材50は、全体が長尺状の鋼板部材から構成される本体板部51と、この本体板部51の下方に連結固定された下板部52とを有している。図3に示すように、このレール板部材50の本体板部51および下板部52の厚さ寸法は、溝部40の内側溝部43とほぼ同寸法に形成されている。
【0027】
また、このレール板部材50の下板部52の両側位置(図2の左右両側)には、一対の締結ネジ24を挿通するとともに、レール板部材50を所定の位置で締め付け固定するための切り欠き部53が形成されている。
【0028】
レール板部材50は、Oリング16付きのネジ10の頭部11の顎部13(下端面)とレールユニット20(レール本体部22)の上端面20´(図4)との間に所定の隙間G1が形成されるように、ネジ10の軸部12の先端部15を下側から支持する機能を備えている。また、この場合のネジ10の大きさによる高さ調整は、レール板部材50によるネジ10の軸部12の先端部15に対する支持位置を調整する高さ調整機構54により行なうことができる。
【0029】
高さ調整機構54は、レール板部材50の所定位置に形成された切り欠き部53を介して、このレール板部材50をレールユニット20の所定の位置に締結することができる。
【0030】
具体的に説明すると、高さ調整機構54(図3)による調整を行なう場合、切り欠き部53に対する締結ネジ24の位置を上側(a方向)にした場合に、ネジ10の高さも上側(a方向)に移動するため隙間G1が増え、反対に締結ネジ24の位置を下側(b方向)にした場合に、ネジ10の高さも下側(b方向)となり隙間G1が減少するため、このように、高さ調整機構54によりネジ10の大きさ(ネジ10の長さやOリング16の種類)により調整することとなる。
【0031】
そして、このように高さ調整機構54によりネジ10の大きさに応じて、所定の隙間G1を確保することができた場合には、Oリング16付きのネジ10であっても、このネジ10は、レールユニット20の溝部40内で、Oリング16が段部41に触れることなく左右に揺動(図4の矢印方向)しながら移動することができ、これにより、Oリング16付きのネジ10の搬送性を向上させることができる。
【0032】
ここで、上述したように、ネジ10の長さやOリング16の種類によって、レール板部材50の高さを高さ調整機構54により調整する必要であるが、例えば、Oリング付きネジの種類を複数使いたい場合などでは、本実施例1のレールユニットの完成品をOリング付きネジの種類と同じ数量準備しておけばよく、さらに、複数のレール交換方式などを用いることによって、容易に複数のネジやOリングの種類に対応することができる。
【0033】
[レールユニットの溝部およびレール板部材による設定寸法の一例]
次に、本発明の発明者が実験により設定したOリング付ネジに好適なレールユニットの溝部(段部)およびレール板部材による設定寸法の一例を説明する。図6は、レールユニットの溝部およびレール板部材による設定寸法の一例を説明する図である。
【0034】
図6に示すように、ネジ10の頭部11の直径寸法D1が4mm(D1=4mm)、Oリング16の外形寸法D2が2.6mm(D2=2.6mm)、Oリング16の高さ寸法が0.6mm(H1=0.6mm)、このOリング16付きのネジ10の軸部12の直径寸法が1.6mm(M1.6:D3=1.6mm)の場合には、レールユニット20に設けたレール板部材50の幅D4は、1.7mm〜1.9mm(D4=1.7mm〜1.9mm)として設定することとする。つまりレール板部材50の幅D4は、ネジ10の軸部12の直径寸法(D3)よりも0.1〜0.3mm程度の広い幅寸法として設定する。
【0035】
レールユニット20の溝部40の段部41の段差幅であるD5はOリング16の外形寸法D2よりも広く、ネジ10の頭部11の直径寸法(D1)よりも狭い寸法(D5=3mm程度)と設定することとする。
【0036】
また、レールユニット20の溝部40に形成された段部41の段差高さH2はOリング16の高さH1よりも高い寸法(約1mm)として設定する。また、ネジ10のネジ顎部13とレール上面部20´との隙間G1は0.3〜0.5mm程度と設定する。ここで、前述したように、ネジ10のネジ顎部13とレール上面部20´との隙間G1の調整は、レール板部材50に設けた高さ調整機構54(図3)により行なう。
【0037】
ここで、隙間G1が広い場合、具体的には、ネジ10の頭部11がレールユニット20の上面から比較的大きく突出している場合には、刷毛機構(図示せず)の刷毛によって落下してしまう可能性があるため、このような刷毛による落下を防止すべく、この場合には、ネジ10に刷毛を強く当てないようにする。
【0038】
[搬送シャッターの構成]
次に、図7〜9を用いて、ネジ類供給機Pに搭載された搬送シャッターの構成について説明する。ここで、図7は、レールユニットおよび搬送シャッターの外観を示す斜視図である。また、図8は、搬送シャッターの動作を説明する図である。また、図9は、搬送シャッターの全体構成を示す拡大斜視図である。
【0039】
図7に示すように、レールユニット20の下流位置(図7の右側)には、このレールユニット20により移送されたネジ10を所定の位置まで搬送する鋼製の板部材である搬送シャッター60が設けられている。そして、この搬送シャッター60の端縁部には、レールユニット20により移送されたネジ10を取り込むためのU字型の溝部61が形成されている。
【0040】
図7および図8に示すように、レールユニット20により移送されたネジ10は、搬送シャッター60の溝部60に係合することで、矢印方向に移動する搬送シャッター60により所定の位置まで搬送される。また、この搬送シャッター60に形成された溝部61には、ネジ10に設けられたOリング16を嵌入自在の段部62が形成されている。
【0041】
すなわち、搬送シャッター60は、レールユニット20の一端側(図8の右側)で、図中の矢印方向に往復運動をすることによりレールユニット20により移送されたネジ10は、搬送シャッター60の溝部60に係合させることで、この搬送シャッター60により取り込むことができる。
【0042】
そして、ネジ類供給機Pで使用されるネジがOリング16付きのネジ10の場合にも、このネジ10のOリング16は、溝部60の段部61に嵌め込まれるため、ネジ10が搬送シャッター60の溝部60から落下することを防止するとともに、ネジ10を確実に所定の位置まで搬送することができる。
【0043】
以上説明したように、本実施例1のネジ類供給機Pは、Oリング16付きのネジ10を所定の方向に整列させて搬送するレールユニット20を備え、レールユニット20に設けられた溝部40には、ネジ10に設けられたOリング16が嵌入可能な段部41が形成され、当該溝部40には、ネジ10を下側から支持するレール板部材50が設けられ、当該レール板部材50は、ネジ10の頭部11の下端面とレールユニット20の上端面20´との間に所定の隙間G1が形成されるように、ネジ10の軸部11の先端部15を支持するように構成されるので、弾性のOリングを有する防水性のネジでも搬送詰まりなどを生じることなく良好に搬送することができる。
【0044】
(他の実施例)
さて、これまで本発明の実施例1について説明したが、本発明のネジ類供給機は、上述した実施例1以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において、種々の異なる実施例にて実施することもできる。
【0045】
すなわち、上述した、実施例1では、レールユニット20に設ける溝部40に段部41を形成するとともに、Oリング16付きのネジ10の軸部12を下側から支持し、ネジ10の頭部11とレールユニット20間に隙間G1を形成するレール板部材50を設ける構成としているが、さらに、溝部40を平坦な経路ではなく傾斜部とすることで、溝部40内を移動するOリング16付きのネジ10の搬送をより向上させる構成としてもよい。
【0046】
以上の実施例1を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0047】
(付記1)頭部とOリングを有する軸部からなる複数のネジを収納するネジ収容部と、前記ネジ収納部からネジを順次排出させる排出機構と、前記排出機構により排出された前記ネジの軸部を嵌入した状態で一定方向に搬送可能な溝部を有するレールユニットとを備えたネジ類供給機において、
前記レールユニットに設けられた前記溝部には、前記ネジの軸部とともに、当該ネジに設けられた前記Oリングが嵌入可能な段部が形成されることを特徴とするネジ類供給機。
【0048】
(付記2)頭部とOリングを有する軸部からなる複数のネジを収納するネジ収容部と、前記ネジ収納部からネジを順次排出させる排出機構と、前記排出機構により排出された前記ネジの軸部を嵌入した状態で一定方向に搬送可能な溝部を有するレールユニットとを備えたネジ類供給機において、
前記レールユニットに設けられた前記溝部には、前記ネジの軸部とともに、当該ネジに設けられた前記Oリングが嵌入可能な段部が形成され、当該溝部には、前記ネジの前記軸部を下側から支持するネジ支持部材が設けられ、
前記ネジ支持部材は、前記ネジの頭部の下端面と前記溝部の上端面との間に所定の隙間が形成されるように、前記ネジの軸部の先端部を支持することを特徴とするネジ類供給機。
【0049】
(付記3)前記ネジ支持部材には、前記ネジの頭部の下端面と前記溝部の上端面との間に所定の隙間が形成されるように、当該ネジ支持部材による前記ネジの軸部の先端部に対する支持位置を調整する高さ調整機構をさらに設けることを特徴とする付記2に記載のネジ類供給機。
【0050】
(付記4)前記高さ調整機構は、前記ネジ支持部材の所定位置に形成された切り欠き部を介して、当該ネジ支持部材を前記レールユニットの所定の位置に締結する締結部材を備えていることを特徴とする付記3に記載のネジ類供給機。
【0051】
(付記5)前記レールユニットに設けられた前記溝部の横方向の溝寸法は、前記ネジの軸部の直径寸法および当該軸部に設けられたOリングの直径寸法より大きく、前記ネジの頭部の径寸法よりもよりも小さい寸法に設定されるとともに、前記レールユニットの前記溝部に設けられた前記段部の高さ寸法は、前記Oリングの高さ寸法とほぼ同じ高さ寸法或いは僅かに高い寸法となるように設定されていることを特徴とする付記1、2または3に記載のネジ類供給機。
【0052】
(付記6)前記レールユニットに設けられた前記溝部の縦方向の溝寸法は、前記ネジの軸部の先端部が僅かに接触する寸法に設定されていることを特徴とする付記1から5の何れか一つに記載のネジ類供給機。
【0053】
(付記7)前記ネジ類供給機は、前記頭部と前記Oリングを有する軸部からなる複数のネジを所定の位置まで移送する移送シャッターをさらに備え、前記移送シャッターには、当該ネジの軸部とともに、前記Oリングを嵌込自在な段部が形成された溝部が形成されていることを特徴とする付記1から6の何れか一つに記載のネジ類供給機。
【0054】
(付記8)前記ネジの軸部に設けられるOリングは、防水性を有する弾性部材であることを特徴とする付記1から7の何れか一つに記載のネジ類供給機。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、ネジ類の供給を行なうネジ類供給機に有用であり、特に、レールユニットに設けた弾性のOリングを有する防水性のネジでも搬送詰まりすることなく搬送を良好に行なうことができるネジ類供給機に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】実施例1に係るネジ類供給機に搭載されたレールユニットの外観を示す斜視図である。
【図2】レールユニットに設けられるレール板部材の外観を示す斜視図である。
【図3】レールユニットおよびレール板部材を示す縦断面図である。
【図4】図1のA部の拡大断面図である。
【図5】図1のB部の拡大断面図である。
【図6】レールユニットの溝部およびレール板部材による設定寸法の一例を説明する図である。
【図7】レールユニットおよび搬送シャッターの外観を示す斜視図である。
【図8】搬送シャッターの動作を説明する図である。
【図9】搬送シャッターの拡大斜視図である。
【図10】従来のネジ類供給機の外観を示す斜視図である。
【図11】従来のネジ類供給機に搭載されたレールユニットおよびネジを示す断面図である。
【図12】従来のネジ類供給機に搭載されたレールユニットおよびOリング付のネジを示す断面図である。
【符号の説明】
【0057】
3、20 レールユニット
4、40、61 溝部
10、10´ ネジ
11 頭部
12 軸部
13 首部
14 顎部
15 先端部
16 Oリング
21、22 レール本体部
30 レールベース部
31 屈曲部
41、62 段部
42 外側溝部
43 内側溝部
50 レール板部材
51 本体部
52 下板部
53 切り欠き部
54 高さ調整機構
60 搬送シャッター
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネジやリベット等のネジ類を供給するネジ類供給機に関し、特に、防水性を備えたOリング付きのネジ類の搬送も良好に行なうことができるネジ類供給機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ネジやリベット等のネジ類を収納部から排出させレールユニットにより搬送するともに、所定の位置でドライバー等の工具により取り出すことで供給を行なうネジ類供給機が知られている(特許文献1、2参照)。この種のネジ類供給機の場合には、ネジ締め作業を軽減したり、自動的にロボットなどによりネジ締めを行なうことができる。
【0003】
このようなネジ類の供給を行なうネジ類供給機では、複数のネジを一定の方向に向けて、レールユニットの溝部に嵌入および整列させた状態で、順次所定の位置まで移送することができる。
【0004】
[ネジ類供給機の概要構成]
以下、従来のネジ類供給機の構成および概要について簡単に説明する。図10は、従来のネジ類供給機の外観を示す斜視図である。また、図11は、図10のネジ類供給機に搭載されたレールユニットおよびネジを示す断面図である。また、図12は、ネジ類供給機に搭載されたレールユニットおよびOリング付のネジを示す断面図である。
【0005】
図10に示すように、ネジ類供給機Pは、機台1に設けられ多数のネジ10´が収容される収容部2と、この収容部2の内部からレールユニット3上に排出する排出機構(図示せず)と、排出された複数のネジ10´を刷毛により嵌入および整列させる刷毛機構(図示せず)とを備えている。
【0006】
また、レールユニット3の溝部4(図11)の内部に整列させたネジ10´を振動により所定の位置まで搬送する搬送部(図示せず)とを備えている。そして、このネジ類供給機Pの搬送部により所定の位置(ネジ停止部)まで搬送されたネジは、ドライバー等の工具により取り出される。
【0007】
【特許文献1】特開2001−277145号公報
【特許文献2】特開平8−155758号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上述したネジ類供給機の場合には、以下に示す問題が発生する。すなわち、従来では、ネジ類供給機Pにより供給されるネジ10′(図11)の場合、頭部11と軸部12と、頭部11の下面位置である顎部13と、軸部12の上部である首部14と、軸部12の下端部に位置する先端部15として構成されている。
【0009】
そして、このような、ネジ10′の材料は、鉄等の金属製であるため、レールユニット3(図11)の溝部4内に嵌め込まれたネジ10′は、振動を加えるだけで比較的容易に所定の位置まで搬送することができる。
【0010】
ここで、小型携帯機器(例えば、携帯電話機)のカバー類を固定するために使用されるネジなどは、携帯電話機が小型化となっているため極めて小径(M1.2〜M2程度)なネジが使用されている。
【0011】
さらに、近年では、携帯電話機の防水性を図るために、図12に示すように、ネジ10の軸部12(首部14の位置)には、防水作用を備えた弾性体(ゴム部材)が使用されたOリング16が取り付けられている。
【0012】
ここで、Oリング16の外形寸法が大きい場合は、このOリング16だけを手作業でネジ10の軸部12に嵌め込むことが可能ではあるが、このOリング16付きのネジ10は、防水型とする携帯電話機用のネジであるため、Oリング16だけをピンセット等でネジの軸部12に嵌め込む作業が困難であるため、ネジ10に予めOリング16を嵌め込んでおくのが一般的である。
【0013】
上述した理由から、予め防水性を備えたOリング16が設けられたネジ10をネジ類供給機で供給する場合、図12に示すように、このネジ10は、レールユニット3の溝部4の上面に乗った状態で搬送されることとなる。このため、レールユニット3の振動によりネジ10を搬送しようとしても、Oリング16が弾性体であるため、振動を吸収してネジに振動が伝わりにくいことから搬送不良などが発生する原因となる。また、同様に、弾性体のOリング16がレールユニット3の溝部4に当接しているため、摩擦係数が大きくなり、この結果、ネジ10の搬送詰まりなどの問題が発生する。
【0014】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、弾性のOリングを有する防水性のネジでもレールユニットにより良好に搬送することができるネジ類供給機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
開示のネジ類供給機は、Oリング付きのネジを所定の方向に整列させて搬送するレールユニットを備え、レールユニットに設けられた溝部には、ネジに設けられたOリングが嵌入可能な段部が形成され、当該溝部には、ネジの軸部を下側から支持するネジ支持部材が設けられ、当該ネジ支持部材は、ネジの頭部の下端面と溝部の上端面間に所定の隙間が形成されるように、ネジの軸部の先端部を支持することを要件とする。
【発明の効果】
【0016】
開示のネジ類供給機のレールユニットの溝部には、ネジのOリングが嵌入自在の段部が形成されるとともに、ネジの軸部の先端部を支持するネジ支持部材が設けられるので、レールユニットの溝部に嵌め込まれたネジとレールユニットとの間には、所定の隙間が形成され、これによって、ネジのOリングと溝部とが接触することなく、弾性のOリングを有する防水性のネジでも良好に搬送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、本発明のネジ類供給機の実施例1について詳細に説明する。なお、以下に示す実施例1によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0018】
[ネジ類供給機の構成および概要]
先ず、本実施例1に係るネジ類供給機の構成および概要を説明する。ここで、図1は、実施例1に係るネジ類供給機に搭載されたレールユニットの外観を示す斜視図を示している。
【0019】
また、図2は、レールユニットに設けられるレール板部材の外観を示す斜視図を示している。また、図3は、レールユニットおよびレール板部材を示す断面図を示している。また、図4は、図1のA部の拡大断面図を、図5は、図1のB部の拡大断面図をそれぞれ示している。
【0020】
ここで、本実施例1のネジ類供給機Pは、このネジ類供給機Pに搭載されたレールユニット20に特徴があり、概略的に説明すると、レールユニット20には、このレールユニット20に設けた溝部40にネジ10の軸部12に設けたOリング16を嵌入させる段部41を形成するとともに、このレールユニット20の内側(溝部40)にネジ10の下部側から支持するレール板部材50を設けていることにある。
【0021】
すなわち、図1〜図3に示すように、ネジ類供給機Pに搭載されるレールユニット20は、全体が長尺状の鋼板部材から構成されるとともに、ほぼ中央部の長手方向にわたって、溝部40が形成されている。この溝部40は、複数のネジ10を整列させて状態で嵌入させることができる。
【0022】
また、レールユニット20のほぼ中央部に形成された溝部40(図3)は、この溝部40の開口部となる段部41である外側溝部42と、内側溝部43とを有しており、この溝部40に設けた段部41にネジ10に設けたOリング16が嵌入自在となっている。また、このレールユニット20に設けられた溝部40の内側(下方位置)には、後述するレール板部材50が設けられている。
【0023】
同図に示すように、レールユニット20は、断面L字型のレール本体部21、22と、このレール本体部21、22と連結固定されるレールベース部30とを有している。これらレール本体部21、22の一端側は(図1の右側)、レール本体部21、22と連続するとともに、一端側に突出した突出板部20aとなっている。
【0024】
レールベース部30は、ベース本体部31と、このベース本体部31の一部が直角に屈曲した屈曲板部32とを有している。
【0025】
また、レールユニット20のレール本体部21の両側位置(図1の左右両側)には、レール板部材50を所定の位置で締め付け固定するための一対の通孔23が形成されている。一方、レール本体部22の両側位置には、一対の通孔23を介して挿通された締結ネジ24(図2)を螺合させるための一対のネジ孔25(図3)が形成されている。すなわち、後述するように、レール本体部21の一対の通孔23を挿通させた、一対の締結ネジ24を使用してレール板部材50を所定の高さ位置で締め付け固定することができる。
【0026】
[レール板部材50の構成]
図2に示すように、レール板部材50は、全体が長尺状の鋼板部材から構成される本体板部51と、この本体板部51の下方に連結固定された下板部52とを有している。図3に示すように、このレール板部材50の本体板部51および下板部52の厚さ寸法は、溝部40の内側溝部43とほぼ同寸法に形成されている。
【0027】
また、このレール板部材50の下板部52の両側位置(図2の左右両側)には、一対の締結ネジ24を挿通するとともに、レール板部材50を所定の位置で締め付け固定するための切り欠き部53が形成されている。
【0028】
レール板部材50は、Oリング16付きのネジ10の頭部11の顎部13(下端面)とレールユニット20(レール本体部22)の上端面20´(図4)との間に所定の隙間G1が形成されるように、ネジ10の軸部12の先端部15を下側から支持する機能を備えている。また、この場合のネジ10の大きさによる高さ調整は、レール板部材50によるネジ10の軸部12の先端部15に対する支持位置を調整する高さ調整機構54により行なうことができる。
【0029】
高さ調整機構54は、レール板部材50の所定位置に形成された切り欠き部53を介して、このレール板部材50をレールユニット20の所定の位置に締結することができる。
【0030】
具体的に説明すると、高さ調整機構54(図3)による調整を行なう場合、切り欠き部53に対する締結ネジ24の位置を上側(a方向)にした場合に、ネジ10の高さも上側(a方向)に移動するため隙間G1が増え、反対に締結ネジ24の位置を下側(b方向)にした場合に、ネジ10の高さも下側(b方向)となり隙間G1が減少するため、このように、高さ調整機構54によりネジ10の大きさ(ネジ10の長さやOリング16の種類)により調整することとなる。
【0031】
そして、このように高さ調整機構54によりネジ10の大きさに応じて、所定の隙間G1を確保することができた場合には、Oリング16付きのネジ10であっても、このネジ10は、レールユニット20の溝部40内で、Oリング16が段部41に触れることなく左右に揺動(図4の矢印方向)しながら移動することができ、これにより、Oリング16付きのネジ10の搬送性を向上させることができる。
【0032】
ここで、上述したように、ネジ10の長さやOリング16の種類によって、レール板部材50の高さを高さ調整機構54により調整する必要であるが、例えば、Oリング付きネジの種類を複数使いたい場合などでは、本実施例1のレールユニットの完成品をOリング付きネジの種類と同じ数量準備しておけばよく、さらに、複数のレール交換方式などを用いることによって、容易に複数のネジやOリングの種類に対応することができる。
【0033】
[レールユニットの溝部およびレール板部材による設定寸法の一例]
次に、本発明の発明者が実験により設定したOリング付ネジに好適なレールユニットの溝部(段部)およびレール板部材による設定寸法の一例を説明する。図6は、レールユニットの溝部およびレール板部材による設定寸法の一例を説明する図である。
【0034】
図6に示すように、ネジ10の頭部11の直径寸法D1が4mm(D1=4mm)、Oリング16の外形寸法D2が2.6mm(D2=2.6mm)、Oリング16の高さ寸法が0.6mm(H1=0.6mm)、このOリング16付きのネジ10の軸部12の直径寸法が1.6mm(M1.6:D3=1.6mm)の場合には、レールユニット20に設けたレール板部材50の幅D4は、1.7mm〜1.9mm(D4=1.7mm〜1.9mm)として設定することとする。つまりレール板部材50の幅D4は、ネジ10の軸部12の直径寸法(D3)よりも0.1〜0.3mm程度の広い幅寸法として設定する。
【0035】
レールユニット20の溝部40の段部41の段差幅であるD5はOリング16の外形寸法D2よりも広く、ネジ10の頭部11の直径寸法(D1)よりも狭い寸法(D5=3mm程度)と設定することとする。
【0036】
また、レールユニット20の溝部40に形成された段部41の段差高さH2はOリング16の高さH1よりも高い寸法(約1mm)として設定する。また、ネジ10のネジ顎部13とレール上面部20´との隙間G1は0.3〜0.5mm程度と設定する。ここで、前述したように、ネジ10のネジ顎部13とレール上面部20´との隙間G1の調整は、レール板部材50に設けた高さ調整機構54(図3)により行なう。
【0037】
ここで、隙間G1が広い場合、具体的には、ネジ10の頭部11がレールユニット20の上面から比較的大きく突出している場合には、刷毛機構(図示せず)の刷毛によって落下してしまう可能性があるため、このような刷毛による落下を防止すべく、この場合には、ネジ10に刷毛を強く当てないようにする。
【0038】
[搬送シャッターの構成]
次に、図7〜9を用いて、ネジ類供給機Pに搭載された搬送シャッターの構成について説明する。ここで、図7は、レールユニットおよび搬送シャッターの外観を示す斜視図である。また、図8は、搬送シャッターの動作を説明する図である。また、図9は、搬送シャッターの全体構成を示す拡大斜視図である。
【0039】
図7に示すように、レールユニット20の下流位置(図7の右側)には、このレールユニット20により移送されたネジ10を所定の位置まで搬送する鋼製の板部材である搬送シャッター60が設けられている。そして、この搬送シャッター60の端縁部には、レールユニット20により移送されたネジ10を取り込むためのU字型の溝部61が形成されている。
【0040】
図7および図8に示すように、レールユニット20により移送されたネジ10は、搬送シャッター60の溝部60に係合することで、矢印方向に移動する搬送シャッター60により所定の位置まで搬送される。また、この搬送シャッター60に形成された溝部61には、ネジ10に設けられたOリング16を嵌入自在の段部62が形成されている。
【0041】
すなわち、搬送シャッター60は、レールユニット20の一端側(図8の右側)で、図中の矢印方向に往復運動をすることによりレールユニット20により移送されたネジ10は、搬送シャッター60の溝部60に係合させることで、この搬送シャッター60により取り込むことができる。
【0042】
そして、ネジ類供給機Pで使用されるネジがOリング16付きのネジ10の場合にも、このネジ10のOリング16は、溝部60の段部61に嵌め込まれるため、ネジ10が搬送シャッター60の溝部60から落下することを防止するとともに、ネジ10を確実に所定の位置まで搬送することができる。
【0043】
以上説明したように、本実施例1のネジ類供給機Pは、Oリング16付きのネジ10を所定の方向に整列させて搬送するレールユニット20を備え、レールユニット20に設けられた溝部40には、ネジ10に設けられたOリング16が嵌入可能な段部41が形成され、当該溝部40には、ネジ10を下側から支持するレール板部材50が設けられ、当該レール板部材50は、ネジ10の頭部11の下端面とレールユニット20の上端面20´との間に所定の隙間G1が形成されるように、ネジ10の軸部11の先端部15を支持するように構成されるので、弾性のOリングを有する防水性のネジでも搬送詰まりなどを生じることなく良好に搬送することができる。
【0044】
(他の実施例)
さて、これまで本発明の実施例1について説明したが、本発明のネジ類供給機は、上述した実施例1以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において、種々の異なる実施例にて実施することもできる。
【0045】
すなわち、上述した、実施例1では、レールユニット20に設ける溝部40に段部41を形成するとともに、Oリング16付きのネジ10の軸部12を下側から支持し、ネジ10の頭部11とレールユニット20間に隙間G1を形成するレール板部材50を設ける構成としているが、さらに、溝部40を平坦な経路ではなく傾斜部とすることで、溝部40内を移動するOリング16付きのネジ10の搬送をより向上させる構成としてもよい。
【0046】
以上の実施例1を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0047】
(付記1)頭部とOリングを有する軸部からなる複数のネジを収納するネジ収容部と、前記ネジ収納部からネジを順次排出させる排出機構と、前記排出機構により排出された前記ネジの軸部を嵌入した状態で一定方向に搬送可能な溝部を有するレールユニットとを備えたネジ類供給機において、
前記レールユニットに設けられた前記溝部には、前記ネジの軸部とともに、当該ネジに設けられた前記Oリングが嵌入可能な段部が形成されることを特徴とするネジ類供給機。
【0048】
(付記2)頭部とOリングを有する軸部からなる複数のネジを収納するネジ収容部と、前記ネジ収納部からネジを順次排出させる排出機構と、前記排出機構により排出された前記ネジの軸部を嵌入した状態で一定方向に搬送可能な溝部を有するレールユニットとを備えたネジ類供給機において、
前記レールユニットに設けられた前記溝部には、前記ネジの軸部とともに、当該ネジに設けられた前記Oリングが嵌入可能な段部が形成され、当該溝部には、前記ネジの前記軸部を下側から支持するネジ支持部材が設けられ、
前記ネジ支持部材は、前記ネジの頭部の下端面と前記溝部の上端面との間に所定の隙間が形成されるように、前記ネジの軸部の先端部を支持することを特徴とするネジ類供給機。
【0049】
(付記3)前記ネジ支持部材には、前記ネジの頭部の下端面と前記溝部の上端面との間に所定の隙間が形成されるように、当該ネジ支持部材による前記ネジの軸部の先端部に対する支持位置を調整する高さ調整機構をさらに設けることを特徴とする付記2に記載のネジ類供給機。
【0050】
(付記4)前記高さ調整機構は、前記ネジ支持部材の所定位置に形成された切り欠き部を介して、当該ネジ支持部材を前記レールユニットの所定の位置に締結する締結部材を備えていることを特徴とする付記3に記載のネジ類供給機。
【0051】
(付記5)前記レールユニットに設けられた前記溝部の横方向の溝寸法は、前記ネジの軸部の直径寸法および当該軸部に設けられたOリングの直径寸法より大きく、前記ネジの頭部の径寸法よりもよりも小さい寸法に設定されるとともに、前記レールユニットの前記溝部に設けられた前記段部の高さ寸法は、前記Oリングの高さ寸法とほぼ同じ高さ寸法或いは僅かに高い寸法となるように設定されていることを特徴とする付記1、2または3に記載のネジ類供給機。
【0052】
(付記6)前記レールユニットに設けられた前記溝部の縦方向の溝寸法は、前記ネジの軸部の先端部が僅かに接触する寸法に設定されていることを特徴とする付記1から5の何れか一つに記載のネジ類供給機。
【0053】
(付記7)前記ネジ類供給機は、前記頭部と前記Oリングを有する軸部からなる複数のネジを所定の位置まで移送する移送シャッターをさらに備え、前記移送シャッターには、当該ネジの軸部とともに、前記Oリングを嵌込自在な段部が形成された溝部が形成されていることを特徴とする付記1から6の何れか一つに記載のネジ類供給機。
【0054】
(付記8)前記ネジの軸部に設けられるOリングは、防水性を有する弾性部材であることを特徴とする付記1から7の何れか一つに記載のネジ類供給機。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、ネジ類の供給を行なうネジ類供給機に有用であり、特に、レールユニットに設けた弾性のOリングを有する防水性のネジでも搬送詰まりすることなく搬送を良好に行なうことができるネジ類供給機に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】実施例1に係るネジ類供給機に搭載されたレールユニットの外観を示す斜視図である。
【図2】レールユニットに設けられるレール板部材の外観を示す斜視図である。
【図3】レールユニットおよびレール板部材を示す縦断面図である。
【図4】図1のA部の拡大断面図である。
【図5】図1のB部の拡大断面図である。
【図6】レールユニットの溝部およびレール板部材による設定寸法の一例を説明する図である。
【図7】レールユニットおよび搬送シャッターの外観を示す斜視図である。
【図8】搬送シャッターの動作を説明する図である。
【図9】搬送シャッターの拡大斜視図である。
【図10】従来のネジ類供給機の外観を示す斜視図である。
【図11】従来のネジ類供給機に搭載されたレールユニットおよびネジを示す断面図である。
【図12】従来のネジ類供給機に搭載されたレールユニットおよびOリング付のネジを示す断面図である。
【符号の説明】
【0057】
3、20 レールユニット
4、40、61 溝部
10、10´ ネジ
11 頭部
12 軸部
13 首部
14 顎部
15 先端部
16 Oリング
21、22 レール本体部
30 レールベース部
31 屈曲部
41、62 段部
42 外側溝部
43 内側溝部
50 レール板部材
51 本体部
52 下板部
53 切り欠き部
54 高さ調整機構
60 搬送シャッター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部とOリングを有する軸部からなる複数のネジを収納するネジ収容部と、前記ネジ収納部からネジを順次排出させる排出機構と、前記排出機構により排出された前記ネジの軸部を嵌入した状態で一定方向に搬送可能な溝部を有するレールユニットとを備えたネジ類供給機において、
前記レールユニットに設けられた前記溝部には、前記ネジの軸部とともに、当該ネジに設けられた前記Oリングが嵌入可能な段部が形成されることを特徴とするネジ類供給機。
【請求項2】
頭部とOリングを有する軸部からなる複数のネジを収納するネジ収容部と、前記ネジ収納部からネジを順次排出させる排出機構と、前記排出機構により排出された前記ネジの軸部を嵌入した状態で一定方向に搬送可能な溝部を有するレールユニットとを備えたネジ類供給機において、
前記レールユニットに設けられた前記溝部には、前記ネジの軸部とともに、当該ネジに設けられた前記Oリングが嵌入可能な段部が形成され、当該溝部には、前記ネジの前記軸部を下側から支持するネジ支持部材が設けられ、
前記ネジ支持部材は、前記ネジの頭部の下端面と前記溝部の上端面との間に所定の隙間が形成されるように、前記ネジの軸部の先端部を支持することを特徴とするネジ類供給機。
【請求項3】
前記ネジ支持部材には、前記ネジの頭部の下端面と前記溝部の上端面との間に所定の隙間が形成されるように、当該ネジ支持部材による前記ネジの軸部の先端部に対する支持位置を調整する高さ調整機構をさらに設けることを特徴とする請求項2に記載のネジ類供給機。
【請求項4】
前記レールユニットに設けられた前記溝部の横方向の溝寸法は、前記ネジの軸部の直径寸法および当該軸部に設けられたOリングの直径寸法より大きく、前記ネジの頭部の径寸法よりもよりも小さい寸法に設定されるとともに、前記レールユニットの前記溝部に設けられた前記段部の高さ寸法は、前記Oリングの高さ寸法とほぼ同じ高さ寸法或いは僅かに高い寸法となるように設定されていることを特徴とする請求項1、2または3に記載のネジ類供給機。
【請求項5】
前記レールユニットに設けられた前記溝部の縦方向の溝寸法は、前記ネジの軸部の先端部が僅かに接触する寸法に設定されていることを特徴とする請求項1から4の何れか一つに記載のネジ類供給機。
【請求項6】
前記ネジ類供給機は、前記頭部と前記Oリングを有する軸部からなる複数のネジを所定の位置まで移送する移送シャッターをさらに備え、前記移送シャッターには、当該ネジの軸部とともに、前記Oリングを嵌入自在な段部が形成された溝部が形成されていることを特徴とする請求項1から5の何れか一つに記載のネジ類供給機。
【請求項1】
頭部とOリングを有する軸部からなる複数のネジを収納するネジ収容部と、前記ネジ収納部からネジを順次排出させる排出機構と、前記排出機構により排出された前記ネジの軸部を嵌入した状態で一定方向に搬送可能な溝部を有するレールユニットとを備えたネジ類供給機において、
前記レールユニットに設けられた前記溝部には、前記ネジの軸部とともに、当該ネジに設けられた前記Oリングが嵌入可能な段部が形成されることを特徴とするネジ類供給機。
【請求項2】
頭部とOリングを有する軸部からなる複数のネジを収納するネジ収容部と、前記ネジ収納部からネジを順次排出させる排出機構と、前記排出機構により排出された前記ネジの軸部を嵌入した状態で一定方向に搬送可能な溝部を有するレールユニットとを備えたネジ類供給機において、
前記レールユニットに設けられた前記溝部には、前記ネジの軸部とともに、当該ネジに設けられた前記Oリングが嵌入可能な段部が形成され、当該溝部には、前記ネジの前記軸部を下側から支持するネジ支持部材が設けられ、
前記ネジ支持部材は、前記ネジの頭部の下端面と前記溝部の上端面との間に所定の隙間が形成されるように、前記ネジの軸部の先端部を支持することを特徴とするネジ類供給機。
【請求項3】
前記ネジ支持部材には、前記ネジの頭部の下端面と前記溝部の上端面との間に所定の隙間が形成されるように、当該ネジ支持部材による前記ネジの軸部の先端部に対する支持位置を調整する高さ調整機構をさらに設けることを特徴とする請求項2に記載のネジ類供給機。
【請求項4】
前記レールユニットに設けられた前記溝部の横方向の溝寸法は、前記ネジの軸部の直径寸法および当該軸部に設けられたOリングの直径寸法より大きく、前記ネジの頭部の径寸法よりもよりも小さい寸法に設定されるとともに、前記レールユニットの前記溝部に設けられた前記段部の高さ寸法は、前記Oリングの高さ寸法とほぼ同じ高さ寸法或いは僅かに高い寸法となるように設定されていることを特徴とする請求項1、2または3に記載のネジ類供給機。
【請求項5】
前記レールユニットに設けられた前記溝部の縦方向の溝寸法は、前記ネジの軸部の先端部が僅かに接触する寸法に設定されていることを特徴とする請求項1から4の何れか一つに記載のネジ類供給機。
【請求項6】
前記ネジ類供給機は、前記頭部と前記Oリングを有する軸部からなる複数のネジを所定の位置まで移送する移送シャッターをさらに備え、前記移送シャッターには、当該ネジの軸部とともに、前記Oリングを嵌入自在な段部が形成された溝部が形成されていることを特徴とする請求項1から5の何れか一つに記載のネジ類供給機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−83630(P2010−83630A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−255098(P2008−255098)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(592019877)富士通周辺機株式会社 (149)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(592019877)富士通周辺機株式会社 (149)
【Fターム(参考)】
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