説明

ネットワークに接続されたゲーム機

【課題】ゲーム機を店舗間で移動した場合であっても、売上が発生した店舗の売上データとして集計されるようにする。
【解決手段】請求項1の発明によるネットワークに接続されたゲーム機は、コイン投入を検知するコイン投入検知手段と、設置された店舗毎に割り当てられたIPアドレスのネットワークアドレス部を記録するデータ記録部とを具備し、コイン投入検知手段がコイン投入を検知したときに、データ記録部がネットワークアドレス部をデータ記録部に記録することを特徴とする。
請求項2の発明によるネットワークに接続されたゲーム機は、請求項1において、機外のネットワークに接続された通信部を更に具備し、データ記録部に記録されたデータを外部に送信することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続されたゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時のゲーム機はネットワークに接続され、ゲーム機の使用状況をネットワークを介して外部から知ることができるようになっている。
【特許文献1】特開2001−314641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなネットワークに接続されたゲーム機では、売上仕分もネットワークを介して収集したデータに基づいて行われる。即ち、売上データの収集は、ネットワークを介して収集した時にゲーム機に記録されているデータを収集することによって実現される。従って、ゲーム機を店舗間で移動した場合には、移動前の店舗での売上を移動後の店舗での売上としてデータ収集することが起こり得る点で改善余地があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、ゲーム機を店舗間で移動した場合であっても、売上が発生した店舗の売上データとして集計されることを最も主要な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的を達成するために、請求項1の発明によるネットワークに接続されたゲーム機は、コイン投入を検知するコイン投入検知手段と、設置された店舗毎に割り当てられたIPアドレスのネットワークアドレス部を記録するデータ記録部とを具備し、コイン投入検知手段がコイン投入を検知したときに、データ記録部がネットワークアドレス部をデータ記録部に記録することを特徴とする。
請求項2の発明によるネットワークに接続されたゲーム機は、請求項1において、機外のネットワークに接続された通信部を更に具備し、データ記録部に記録されたデータを外部に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
以上のように、本発明のネットワークに接続されたゲーム機によれば、ゲーム機を店舗間で移動した場合であっても、売上が発生した店舗の売上データとして集計されるようにできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0007】
図1は、本発明によるネットワークに接続されたゲーム機の一実施形態を示すブロック結線図である。
【0008】
図1において、システムは、ゲーム機1およびインカム集計ボックス2は、LAN回線11を介してストアサーバー3に接続され、ストアサーバー3は通信回線12を介してホストコンピュータ4に接続されている。
【0009】
インカム集計ボックス2のデータは、制御部16の指示によりストアサーバー3を経由してホストコンピュータ4のデータ格納部43aへ格納される。メモリ43bには店舗マスター情報や制御プログラム等が記憶されている。出力部44は、制御部42により処理された結果をデータ出力または画面表示させる。メモリ43bに記憶されている店舗マスター情報は、管理下の各店舗が保有する機械のリスト情報およびインカムデータを店舗ごとに仕分けた後、データ格納部43aのどの領域に格納するかを示す格納データベースIDを記憶している。具体的には、店舗のIPアドレス、保有機械のシリアルナンバーなどである。
【0010】
図2に示すように、ゲーム機1は、コイン投入検知手段5、サービススイッチ6とテストスイッチ7、コインカウンター8、ゲーム機制御ユニット9、および電源10を有する。インカム集計ボックス2は、使用状況情報取り込み部14、時計機構15、制御部16、データ格納部17a、メモリ17b、通信部18を有する。
【0011】
コイン投入検知手段5は、コイン投入口(図示せず)からコインが投入されたことを検知し、ゲーム機制御ユニット9および使用状況情報取り込み部14に通知する。サービススイッチ6およびテストスイッチ7は、修理やメンテナンスサービス時に担当技術者によって使用されるスイッチである。コインカウンター8は、コイン投入検知手段5の検知出力がゲーム機制御ユニット9を経由して供給され、コイン投入数をカウントする。電源10は商用電源に接続されており、電源スイッチ(図示せず)のスイッチオンによって商用電源から供給される電力をゲーム機1およびインカム集計ボックス2に供給する。ゲーム機制御ユニット9は、ゲームの開始、進行、および終了を制御する。
【0012】
インカム集計ボックス2に設けられている使用状況情報取り込み部14は、ゲーム機1の使用状況情報を取り込んで制御部16に伝える。ゲーム機1の使用状況情報とは、ゲーム機の使用状態を得るための情報であり、コイン投入検知手段5の検知情報、サービススイッチ6およびテストスイッチ7の操作情報、コインカウンター8のカウント値情報と、電源10のオン・オフ情報を含んでいる。
【0013】
制御部16は、使用状況情報取り込み部14から供給されるゲーム機1の使用状況情報を、時計機構15を参照しながらデータ格納部17aに格納する。メモリ17bにはシリアルナンバーやIPアドレス等のデータが記録してある。制御部16は、使用状況情報取り込み部14、時計機構15、データ格納部17a、およびメモリ17bとデータの授受を行いながら、通信部18およびLAN回線11を介して、ゲーム機1の使用状況情報をストアサーバー3に送信する。
【0014】
ストアサーバー3は、通信部31、制御部32、通信部33、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)機能34を有する。ストアサーバー3は、インカム集計ボックス2へIPアドレスを付与し、インカム集計ボックス2から吸い上げたデータをホストコンピュータ4へ転送する。ホストコンピュータ4は、ストアサーバー3から吸い上げたインカムデータをデータ格納部43aに格納し、どの店舗からのデータかの判別やストアサーバー3へのデータ吸い上げ指示などゲーム機管理に関する各種の処理を行う。
【0015】
図3は、制御部16がストアサーバー3からIPアドレスを取得するフローチャートである。ゲーム機1の電源がONされると(ステップS1)、インカム集計ボックス2の制御部16がストアサーバー3と通信し(ステップS2)、ストアサーバー3のDHCP機能3によりIPアドレスを取得する(ステップS3)。取得したIPアドレスをメモリ17bに格納する(ステップS4)。
【0016】
図4は、コイン投入時のインカム集計ボックス2の制御部16のデータ格納フローチャートである。コイン投入を検知すると(ステップS11)、時計機構15から現在時刻を取得し(ステップS13)、メモリ17bからシリアルナンバー(機械ナンバー)やIPアドレス等のデータを取得する(ステップS14)。なお、シリアルナンバーは、機械出荷時に付与される番号で、1台ごとに異なる機械を特定できる番号である。ステップS15では、データ格納部17aへ、シリアルナンバー、IPアドレス、時刻、インカムを記録する。データ格納部17aに格納される使用状況情報は、図5に示すように、シリアルナンバー、IPアドレス、年月日、時分秒、カテゴリ、およびインカムの各情報である。
【0017】
図6は、ホストコンピュータ4の制御部42が行う、インカムデータがどの店舗のデータかを判断するフローチャートである。制御部42は、データ格納部43aのインカムデータを読み出し(ステップS21)、IPアドレスを元に店舗を判別する。メモリ43bから読み出した店舗マスター情報の格納データベースIDによってデータ格納領域を判断し、該当IDの格納領域にデータを格納する(ステップS22)。
【0018】
この段階で、どの店舗のデータであるかの仕分けは完了するが、店舗移動があった場合、店舗マスターには移動前の店舗の保有機械として登録されたままなので、店舗マスターを書き替える必要がある。IDごとに仕分けられたデータ内のシリアルナンバーを元に、該当機械が店舗マスターに移動前の店舗の保有機械して登録されているかを確認する(ステップS24)。登録されていない場合、画面等にエラー出力する(ステップS25)。このときの画面表示例を図7に示す。このエラー出力を見て、管理者が店舗マスターの書き替えをマニュアルにて行う。
【0019】
ストアサーバー3からホストコンピュータ4へインカムデータを吸い上げる際に、インカムデータのヘッダー情報として店舗のIPアドレスを付ける。これによって、ホストコンピュータ内でデータの仕分け処理をする際に、そのデータがどの店舗から上がってきたのかを判断できる。ストアサーバー3から上がってきたインカムデータに基づくゲーム機と店舗との関係が、店舗マスタ−情報と合致したかどうかを判断し、合致しない場合はエラー出力させます(ステップS25)。上記エラー出力として、マスターではA店保有のはずの機械のデータがB店から上がった、またはB店からA店のIPアドレスのデータが上がった、という2種類があります。エラー出力を見て、店舗マスター情報の書き替えをマニュアルにて行うことができます。
【0020】
具体例を図8により説明する。ここでは、Aストアーにあるゲーム機をBストアーに移動した状態を想定している。なお、AストアーにはIPアドレスとして10.220.10.XX(ネットワークアドレス部は10.220.10である)が割り当てられる。また、BストアーにはIPアドレスとして10.220.11.XX(ネットワークアドレス部は10.220.11である)が割り当てられる。更に、図8の例と対応する図5では、2005年1月21日16時台から18時台の間に、Aストアーにある第5ゲーム機をBストアーに移動したことを表している。このように、ゲーム機が稼働していた店舗を、店舗毎に割り当てられたIPアドレスのネットワークアドレス部により判別できるようにしている。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、アーケードゲーム機に最適な技術を提示している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】ネットワークに接続されたゲーム機を示すブロック結線図である。(実施例1)
【図2】ネットワークに接続されたゲーム機を示すブロック結線図である。(実施例1)
【図3】ネットワークに接続されたゲーム機の実施方法を示すフローチャートである。(実施例1)
【図4】ネットワークに接続されたゲーム機の実施方法を示すフローチャートである。(実施例1)
【図5】ネットワークに接続されたゲーム機の実施方法を示す概念図である。(実施例1)
【図6】ネットワークに接続されたゲーム機の実施方法を示すフローチャートである。(実施例1)
【図7】ネットワークに接続されたゲーム機の実施方法を示す概念図である。(実施例1)
【図8】ネットワークに接続されたゲーム機の実施方法を示す概念図である。(実施例1)
【符号の説明】
【0023】
1 ゲーム機本体部
2 インカム集計ボックス
4 ホストコンピュータ
5 コイン投入検知手段
6 サービススイッチ
7 テストスイッチ
8 コインカウンター
9 ゲーム機制御ユニット
10 電源
11 LAN回線
12 通信回線
14 部
15 時計機構
16 制御部
17a データ格納部
17b メモリ
18 通信部
31 通信部
32 制御部
33 通信部
34 DHCP
42 制御部
43a データ格納部
43b メモリ
44 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイン投入を検知するコイン投入検知手段と、
設置された店舗毎に割り当てられたIPアドレスのネットワークアドレス部を記録するデータ記録部とを具備し、
前記コイン投入検知手段がコイン投入を検知したときに、前記データ記録部が前記ネットワークアドレス部を前記データ記録部に記録することを特徴とするネットワークに接続されたゲーム機。
【請求項2】
機外のネットワークに接続された通信部を更に具備し、
前記データ記録部に記録されたデータを外部に送信することを特徴とする請求項1に記載のネットワークに接続されたゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−218110(P2006−218110A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−34839(P2005−34839)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】