説明

ネットワークインターフェースユニット

【課題】XHT(エキスパンダブルホームシアタ)に基づく改善されたネットワークインターフェースユニット(NIU)を提供する。
【解決手段】インターフェースユニットは、外部ネットワークから放送信号を受信するチューナと、ベースバンド信号を復元する復調器と、単一チップセットからなるNIUチップセットとを含み、NIUチップセットは、ベースバンド信号に含まれているスクランブルされた状態の伝送ストリームを出力し、出力された伝送ストリームに対する応答として暗号化された信号を入力して入力される暗号化された信号を復号化し、伝送ストリームを復元するPODインターフェースコントローラと、復元された伝送ストリームをパーシングして逆多重化してビットストリームを抽出する逆多重化器と、ビットストリームをIEEE1394プロトコルによるデータ信号に変換する1394モジュールとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル機器に関し、より詳しくは、XHT(エキスパンダブルホームシアタ)に基づいた、改善されたネットワークインターフェースユニット(NIU)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近来、デジタル化された映像/音声(以下A/Vと呼ぶ)の処理技術の画期的な発達と共に、デジタルテレビ、セットトップボックス、DVDプレーヤ、デジタルアンプ等、多様なA/V機器が家庭や事務室内に設けられて使用されている。そして、家庭や事務室の使用者は、リモコン等を用いて、このような機器を便利に制御することができる。しかし、一定空間内に設けられるA/V機器の数が増加するほど、各々の機器を制御することは次第に複雑で難しいものとなる。
【0003】
これに、複数のA/V機器を相互連動させて1つのシステムとし、使用者は前記システム化されたA/V機器を容易に制御することができるようにする技術が研究されてきた。このような研究において、前記A/V機器は、ネットワークインターフェースを介して、他のA/V機器と連結されることにより、全体的に1つのA/Vネットワークシステムを備えるようになる。
【0004】
このような研究の一環として、最近A/VホームネットワーキングのためのミドルウェアのXHT技術標準が開発され提示された。XHT技術は、三星電子(株)が開発したデジタルテレビ中心のホームネットワークソリューションとして、米国家電協会(CEA:コンシューマエレクトロニクスアソシエーション)の標準規格に採択された。
【0005】
XHT技術は、複数のHD(高精度)級の信号を安定的に伝達できるIEEE1394ケーブルと、インターネットで主に用いられる通信規格であるインターネットプロトコルとを用いて、デジタルテレビと連結されたA/V機器はもちろん、複数のデジタルテレビを制御することができるようにする。XHT技術を用いると、部屋で、居間にあるデジタルテレビのデジタル放送受信機能を活用して、デジタル放送を視聴することができる。
【0006】
さらに、XHT技術に基づいて開発された低価格型ネットワークインターフェースユニット(NIU)は、メモリカードの形態となっており、地上波・衛星・ケーブルなど、受信方式による変更が容易であり、放送事業者の経済的負担を軽減している。
【0007】
ネットワークインターフェースユニットは、デジタルテレビと共にXHTを構成する重要な構成要素としてビルトインデジタルテレビ市場の活性化に対応し、最小費用で高品質の映像/音声サービスを可能にするデジタル機器である。ネットワークインターフェースユニットは、既存セットトップボックスにおいて一部の機能だけを含み、既存セットトップボックスより安くIEEE1394チャンネルを通じてXHT基盤のデジタルテレビにビデオ/オーディオストリーミングサービスを提供する。
【0008】
従来のネットワークインターフェースユニットは、オープンケーブルや衛星受信用NIM(ネットワークインターフェースモジュール)と、POD(Point Of Deployment)インターフェース、そして1394インターフェース、および、CPUなどをボードレベル(board level)にて実現される。従って、その価格を既存セットトップボックスに比べて安くするのに限界があった。またXHT基盤のデジタルテレビの普及を活性化するためにも、より簡単な開発環境と低価格のネットワークインターフェースユニットソリューション、ネットワークインターフェースユニットの主要機能と関連したソフトウェアを内蔵したNIUチップセットの開発が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする技術的課題は、ネットワークインターフェースユニット中の核心的な構成要素を単一チップセット化したNIUチップセットを提供することにある。
【0010】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、前記NIUチップセットを搭載したネットワークインターフェースユニットを提供することにある。
【0011】
本発明の技術的課題は、以上にて言及した技術的課題に制限されるものではなく、言及されていない他の技術的課題は、以下の記載から当業者が明確に理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の技術的課題を達成するために、外部ネットワークから放送信号を受信するチューナと、前記受信された放送信号からベースバンド信号を復元する復調器と、前記ベースバンド信号からIEEE1394プロトコルに基づくデータ信号を生成し、内部ネットワークに接続されたA/V機器に伝送する単一チップセットからなるNIUチップセットを含むネットワークインターフェースユニットにおいて、
前記NIUチップセットは、前記ベースバンド信号に含まれているスクランブルされた状態の伝送ストリームを出力し、前記出力された伝送ストリームに対する応答として暗号化された信号を入力し、前記入力される暗号化された信号を復号化して伝送ストリームを復元するPODインターフェースコントローラ;前記復元された伝送ストリームをパーシングして逆多重化し、ビットストリームを抽出する逆多重化器;および、前記ビットストリームを前記IEEE1394プロトコルによるデータ信号に変換する1394モジュールを含む。
【0013】
前記伝送ストリームは、MPEG−2伝送ストリームであって、前記ビットストリームは、MPEG−2圧縮方式により圧縮されたビデオビットストリームであることが好ましく、前記内部ネットワークは、XHTネットワークであることが好ましい。そして、前記A/V機器は少なくとも前記ビデオビットストリームをデコーディングできる手段を含むことが好ましい。
【0014】
前記ネットワークインターフェースユニットは、前記逆多重化器、および、前記1394モジュールとPCIバスとを介して連結し、前記抽出されたビットストリームを、前記PCIバスを介して受信して一時保存した後、前記PCIバスを介して前記1394モジュールに送信するメモリをさらに含むことが好ましい。
【0015】
そして、前記PODインターフェースコントローラ、逆多重化器、および、1394モジュールを駆動するためのデバイスドライバは、前記NIUチップセット内部にポーティングされることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
ボードレベルでネットワークインターフェースユニットを実現する場合、前記ユニットに含まれる各々のモジュールに対するデバイスドライバを開発/ポーティングしなければならない開発期間、および、費用が相当なものとなり、また、これのために熟練したXHTの専門人材が必要となる。
【0017】
詳述した通り、本発明に従う単一チップセットによって実現されたネットワークインターフェースユニットを用いれば、ネットワークインターフェースユニットの生産費用、および、開発期間を減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付された図面を参照し、本発明の好ましい実施形態を詳しく説明する。本発明の利点および特徴、そして、それらを達成するための方法は、添付される図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すると明確になる。しかしながら、本発明は、以下にて開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態によって実用化することができ、単に本実施形態は、本発明の開示がより完全なものになるようにし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるだけである。明細書の全体に亘って、同一参照符号は同一構成要素を示している。
【0019】
一般的に、セットトップボックスは、バスによってセットトップ電子装備部品の内部へ連結されるネットワークインターフェースユニットを含んでいる。これと反対に、本発明ではネットワークインターフェースユニットとセットトップ電子装備とを分離させ、その間に内部ネットワークが形成される。このような配列によると、各セットトップ電子装備に対してネットワークインターフェースユニット電子装備を二重化する必要がないため、複数のセットトップ電子装備をホーム内にて低価格で分配できるようにする。
【0020】
特に、本発明では、前記ネットワークインターフェースユニットの核心部分をボードレベルでない、単一のNIUチップセットで実現する。各々のモジュールをボードレベルで実現する場合、各々のモジュールの個別価格、および、各々のモジュールからPCIインターフェースを通し、データを処理し、各々のモジュールに対するデバイスドライバを開発ポーティングしなければならない開発期間、および、費用が高くなり、また、このための熟練したXHTの専門人材が必要なためである。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係るネットワークインターフェースユニット100の構成を示すブロック図である。
【0022】
ネットワークインターフェースユニット100は、外部ネットワーク、例えば、RF信号を送出する放送ネットワークから前記RF信号を受信するチューナ110と、多様な復調方式の復調器120とを備える。チューナ110は、有/無線媒体を介して伝えられる有/無線信号中、使用者が選択した信号を受信する。例えば、チューナ110は、空中から放送信号を検出するRFアンテナと、多様な放送信号中、所望するチャンネルの信号を選局し、選局された信号を中間周波数に変換するIF変換部を含んで構成することができる。もし、ケーブル放送を受信する場合には、前記RFアンテナはケーブルモデムの信号入力先端部に置き換えられる。
【0023】
チューナ110は、前記中間周波数に変換された信号を復調器120に提供する。そうすると、復調器120は、前記中間周波数に変化した信号に対し周波数オフセット、位相ジッター、および、多重経路によるシンボル間の干渉を除去し、所定の復調方式(VBS−8、VSB−16、QAM64、QAM256、QAM1024、DPSK、QPSK、など)に従ってベースバンド信号を復元する。前記復元されたベースバンド信号は、NIUチップセット130に提供されている。前記ベースバンド信号は、圧縮ビデオ、圧縮オーディオ、圧縮グラフィック、など多様な形態のデータ信号であり得ることができるが、以下では、前記ベースバンド信号は、MPEG−2伝送ストリームであるものとして説明する。
【0024】
NIUチップセット130は、前記提供されたベースバンド信号が入力され、IEEE1394の標準プロトコルに基づくデータ信号を生成する。図2は、NIUチップセット130の概略的外形を表わすものであり、NIUチップセット130は、少なくとも、復調器120からベースバンド信号を受信する端子21と、外部のPODのようなCAS(コンディショナルアクセスシステム)システムと連結するための2つの端子23、24と、IEEE1394ケーブルと連結する端子22とを含む。前記端子23には、スクランブルされた状態のMPEG−2伝送ストリームがPODに出力され、前記端子24には、PODによってデスクランブルされた後、暗号化された信号が入力される。前記端子23、24は、例えば、PCMCIA方式によって実現される。PCMCIAとは、ノート型パソコンに用いることができるように、クレジットカードサイズのメモリや入出力装置に対する標準化団体(パーソナルコンピュータメモリカードインターナショナルアソシエーション)、さらに、そこで発表された標準を意味する。
【0025】
再び図1を参照しながら、NIUチップセット130をなす構成要素についてより詳しく説明する。復調器120から出力されたベースバンド信号、即ちMPEG−2伝送ストリームは、NIMインターフェース131を介して入力される。NIMインターフェース131は、多様な復調器120から出力されるさまざまな信号が入力され、NIUチップセット130の内部で前記信号を用いることができるように、インターフェーシングするための構成要素である。
【0026】
NIMインターフェース131に入力されたMPEG−2伝送ストリームは、PODインターフェースコントローラ132に伝達される。PODインターフェースコントローラ132は、外部のPODモジュール140とのインターフェーシングをコントロールする装置であって、前記MPEG−2伝送ストリームを、出力端子(図2の23)を介してPODモジュール140に伝達し、PODモジュール140からは暗号化された信号を入力端子(図2の24)を介して受信する。ベースバンド信号としてのMPEG−2伝送ストリームは、放送信号送出端からすでにスクランブリルされて送信されるため、現在MPEG−2伝送ストリームはスクランブルされている。従って現在MPEG−2伝送ストリームを直接逆多重化することはできないため、外部のPODモジュール140を介したティスクレムブル過程が必要である。
【0027】
PODモジュール140は、NIUチップセット130とPCMCIA方式で連結され、通常、使用者がコンテンツ提供者から発行されたスマートカードを挿入することによって作動するようになる。PODモジュール140は、NIUチップセット130からスクランブルされた信号を受信し、これを、デスクランブラ141を介してデスクランブルする。その結果、デスクランブルされた信号、即ち原信号を復元した後、CP(コピープロテクション)サイファ142を介して、前記原信号を再び暗号化する。前記暗号化された信号は、NIUチップセット130に再び伝送される。このようにデスクランブルされた信号を再び暗号化する理由は、PODモジュール140からNIUチップセット130に信号を伝送する間に、他の権限のない使用者が前記信号を傍受したとしてもその内容を読取できなくするためである。
【0028】
PODインターフェースコントローラ132は、PODモジュール140から前記暗号化された信号を受信し、これを内蔵されたCPディサイファ(図示なし)を介して解読し、暗号化されていないMPEG−2伝送ストリームを復元してこれを逆多重化器133に提供する。
【0029】
逆多重化器133は、中央処理部134の制御を受け、提供されていたMPEG−2伝送ストリームをパーシングし、逆多重化してビデオ、オーディオを抽出する。
【0030】
図3を参照すれば、MPEG−2伝送ストリーム200は、188バイトの固定長を有する複数の伝送パケットで構成されているが、伝送パケットは、4バイトのパケットヘッダと184バイトのデータ領域とで構成され、パケットヘッダには、8ビットの同期情報を始め、13ビットのバイナリ値を有するPID(Packet Identifier;パケット識別子)等の情報が含まれている。
【0031】
このような伝送パケットとしては、ビデオパケット260、オーディオパケット270と、プログラム仕様情報のPSI(Program Specific Information)データパケットがある。このようなPSIにはPAT(Program Association Table)210、各プログラムに対応したPMT(Program Map Table)230、240、NIT(Network Information Table)250等のような伝送パケットが含まれる。そして、有料放送など制限受信が必要な場合には、CAT(Conditional Access Table)220という伝送パケットを用いることもある。各々の伝送パケットには固有のPIDが割り当てられているが、このPIDによって、該当伝送パケットのデータ領域に分離保存されているデータ種類を識別できるようになっている。但し、PAT210の場合には、PIDが0に固定されている。
【0032】
PAT210およびPMT230、240は、該当プログラムに関する情報を記載したものであって、チャンネルごとに異なる。しかし、NIT250には、該当チャンネルに放送されたプログラムだけでなく、サービスされている他のすべてのチャンネルのプログラムに対するプログラム番号とチャンネル番号とが各々記載される。
【0033】
ところで、該当チャンネルでPAT210およびPMT230、240を受信できなければ、他の伝送パケットを受信しても何の意味もないため、通常、PAT210およびPMT230、240は、所定の時間間隔ごとに受信されるようにしている。
【0034】
逆多重化器133で生じる逆多重化過程を詳しく見ると、次の通りである。まず、逆多重化器133は、MPEG−2伝送ストリーム200中でPIDが0である伝送パケット210を探し、そのデータ領域、即ちPATを読取する。PATには各種プログラムに対するPMT、および、そのPIDが表示されている。プログラム1を選択しようとする時、PATの解析により、プログラム1のPIDは22であるため、この後に受信される伝送パケット中のPIDが22であることを探し、そのデータ領域、即ちPMTを読取する。前記PMTの読取を通し、該当プログラムのビデオ、および、オーディオデータがどのようなPIDを有する伝送パケットに乗せられて来るのかが分かる。即ち、PMT読取を通し、プログラム1のビデオは、PID48を有し、オーディオはPID54を有することが分かる。従って、以後受信される伝送パケット中、PIDが48であるものだけを集めて保存すれば、MPEG−2ビデオビットストリームになり、PIDが54であるものだけを集めて保存すれば、MPEG−2オーディオビットストリームになる。
【0035】
このようなMPEG−2ビデオビットストリームの構成の一例を詳しく見ると、次の図4に示すようになる。MPEG−2の標準では、ビデオをフレーム単位で符号化する。従って、ビットストリーム50は、フレームヘザー60と、フレームデータ70を含み、フレームデータ70は、複数のマクロブロックデータ(MB)71ないし74で構成される。さらに、1つのマクロブロックデータ73は、mb_typeフィールド80と、mb_predフィールド85と、テクスチャーデータフィールド90とで構成される。
【0036】
ここで、mb_typeフィールド80には、マクロブロックの種類を表す値が記録される。即ち、現在マクロブロックがイントラマクロブロックであるのか、インターマクロブロックであるのかを示す。そして、mb_predフィールド85には前記マクロブロックの種類による細部予測モードが記録される。イントラマクロブロックの場合には、前記選択されたイントラ予測モードが記録され、インターマクロブロックの場合には、マクロブロックパーテーション別に参照フレーム番号、および、モーションベクトルが記録される。
【0037】
そして、テクスチャーデータフィールド90には、符号化されたテクスチャーデータが記録される。
【0038】
再び図1を参照すると、逆多重化器133によって抽出されたビデオビットストリーム、および、オーディオビットストリームは、PCIバス137を介して、メモリ135に一時保存することができる。前記保存されたビットストリームは、再びPCIバス137を介して、1394モジュール136に提供され、1394モジュール136は、前記ビットストリームをIEEE1394プロトコルによるデータ信号に変換してXHTネットワーク内の他のA/V機器に提供することができる。
【0039】
現在、主に用いられている補助記憶装置のインターフェースであるEIDEは、遅い速度と拡張性の面で制限が多い。スカジー(SCSI)方式は拡張性には優れているが、比較的高価であり、標準が決められていないと思われるほど業者ごとにプロトコルとドライバとが少しずつ異なり、理論上は拡張を容易できるとしているが、実際は各周辺機器間の特性などによって、使用するのに困難が伴う。こういう短所を補完して周辺機器(特に高速の周辺機器)を1つのケーブルに連結するための新しい標準規格を開発するようになり、その結果として作られたものが、即ちIEEE1394である。IEEE1394は直列方式であるが、デジタルインターフェースであるため、デジタルデータを変換過程なしで送受信するため、データの損失が少ない長所がある。
【0040】
1394モジュール136の細部構成は、図5に示すようである。直列バス管理者(シリアルバスマネージメント)350は、物理層310、リンク層320、トランザクション層330という3つの階層と連結されている。物理層310は、IEEE1394ケーブルと連結されており、他の層はアプリケーションと連結されている。
【0041】
直列バス管理者350は、タイミング調整とバスにあるすべてのデバイスに電源供給、すべてのシリアルバスを管理し、サイクルマスター、等時ID、エラー認識などの役割を各階層に付与する。直列バス管理者350はIEEE1212標準によるレジスター構造によって作られ得る。
【0042】
トランザクション層330は、非同期プロトコルの書き込み、読み込み、および、ロック機能をする。書き込みの場合には送信側から受信側にデータを送り、読み込みの場合にはデータを送信側に送る。一方、ロックは書き込みと読み込みの命令の組合せ機能として受信側と送信側間が現在通信中の場合、他の送信側の前の通信が全て終了した後に再送信する機能をいう。
【0043】
リンク層320は、非同期および等時的に伝送パケットを送受信するために、2つのFIFO(ファーストインファーストアウト)と一個の受信FIFOを有し、各FIFOは、32ビットの長さで使用者がFIFOのサイズをソフトウェアで決定できる。送信専用の非同期用のFIFOと等時用のFIFOは、書き込み用として、受信専用のFIFOは、読み込み用として用いられる。非同期伝送は、データと階層情報を明示されているアドレスに伝送し、プリンタやスキャナーのようにリアルタイムで動作しなくても良い情報を伝送する時に用いる。等時的伝送は、データを送る時、アドレスを使用せずに、チャンネル番号を含めて伝送する。即ち、リアルタイム伝送をするためにエラーが生じても再伝送を要求しない。このような等時的伝送を利用し、メモリ135に一時保存されたビデオストリームやオーディオストリームを他のA/V機器に伝送できる。
【0044】
物理層310は、IEEE1394デバイスとケーブルとの間に電気的、物理的に連結されており、実際にデータを送受信してすべてのデバイスがバスを順次実行して各ポートに同じ機能を提供するリピーターの役割もする。
【0045】
前記1394モジュールの構成要素310、320、330、350が動作する状況で、新しい周辺機器がネットワークに追加されるか、あるいは既に使われていた装置がネットワークから外されている時は、ネットワークの構成が再調整され、この時、ネットワークで伝送がなされていたすべての既存情報は初期化され、全体ネットワークは動的に再構成されて、各々のノードはアドレスを再び与えられる。この場合、ルートノードも必要であれば、強制的に最も多く使用されるノードをルートとして指定することもできる。その後、ルートノードの構成が終了すれば、自体認識をしてから、各ノードはネットワーク全体に亘って、自身の存在を他のノードに知らせる。このようにすべてのノードの情報が収集された後、IEEE1394インターフェースは、正常動作を始めるための待機状態に入る。
【0046】
ところで、本発明の一実施形態に係る1394モジュール136には、伝送と再生中にエンターテイメントコンテンツの不法コピーを防止するためのDTCP(Data Transmission Content Protection)規格を満足するDTCPモジュール340がさらに含まれ得る。DTCPは、「5C」とも呼ばれるが、暗号アルゴリズム、AKE(Authentication and Key Exchange)、および、公開キー(パブリックキー)暗号化技術に基づいてデータを暗号化して伝送するのに用いられる技術である。
【0047】
本発明の一実施形態において、メモリ136からPCIバス137を介して伝達されるビットストリームは、前記DTCPモジュール340によって暗号化された後、直列バスマネジメント350、トランザクション層330、または、リンク層320に送信される。さらに、同じように前記層から受信されたデータは、DTCPモジュール340によって、復号化される。
【0048】
再び図1を参照すると、1394モジュール136は、前記図5で説明した過程を通し、メモリ136に保存されたビットストリームを暗号化し、IEEE1394プロトコルによるデータ信号に変換した後、前記データ信号をIEEE1394ケーブルを介して他のA/V機器に伝送する。
【0049】
一方、中央処理部134は、NIUチップセット130の全体構成要素を制御し、CPU、マイコン(マイクロプロセッサ)等で構成することができる。このために、中央処理部134はPCIバス137に接続し、PCIバス137を介して他の逆多重化器133、メモリ135、1394モジュール136を制御する信号を伝送し、前記構成要素から応答信号を受信できる。
【0050】
中央処理部134のプロセスを稼動するための運営体系、および、NIUチップセット130に含まれている他の構成要素を駆動するためのデバイスドライバは、NIUチップセット130内部にポーティングされる。
【0051】
ネットワークインターフェースユニット100から伝送されたデータ信号は、IEEE1394ケーブルを介してXHTネットワークに接続されたデジタルテレビのようなA/V機器が受信してビデオやオーディオデータを復元することができる。前記A/V機器は、MPEG−2デコーダーなどを内蔵しており、前記データ信号に含まれているオーディオストリーム、または、ビデオストリームをデコードする。前記デコードされたデータは、信号出力部によってテレビのようなディスプレー装置によって、使用に適したフォーマット(例えば、NTSC、SVideo、DVIなど)に変換される。
【0052】
図6は、本発明の他の実施形態に係るNIUチップセット230の構成を示すブロック図である。図1に示す実施形態では、逆多重化器133と1394モジュール136とがPCIバス137を介して接続され、逆多重化器133によって生成されるビットストリームは、共有されたメモリ135に保存されてから、PCIバス137を介して1394モジュール136に伝達された。
【0053】
図6では図1とは異なり、逆多重化器133と1394モジュール136とは、同期化されたハードワイヤーコネクション138によって直接連結され、逆多重化器133から1394モジュール136への伝送制御は、中央処理部134がPCIバス137を介して実行する。図6の実施形態でPCIバス137は、単純に中央処理部134が他の構成要素を制御するための信号を伝送し、その応答信号を受信するために利用されるだけで、実際のデータを伝送する経路としての役割はしない。
【0054】
以上のようなハードワイヤー方式を用いれば、逆多重化器133によって出力される信号は、メモリ135を経ずに1394モジュール136に直接伝えられるため、システム構造を簡約化し、伝達速度を向上させることができ、NIUチップセット230の生産費用も減少させることができる。但し、ハードワイヤーコネクション138によって、逆多重化器133と1394モジュール136とを直接連結するためには、逆多重化器133、および、1394モジュール136の間のデータ伝送のための同期が一致しなければならない条件が前提となる。従って、図6のNIUチップセット230は、1394モジュール136でXHTネットワーク上にデータを伝送する速度が一定以上保障される環境で用いられることが好ましい。
【0055】
以上添付した図面を参照し、本発明の実施形態を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施できることが分かるはずである。従って以上で記述した実施形態は、すべての面で例示的なものであり、限定的ではないことを理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施形態に係るネットワークインターフェースユニットの構成を示すブロック図である。
【図2】図1のインターフェースユニットに搭載されたNIUチップセットの概略的外形を示す図である。
【図3】MPEG−2伝送ストリーム構造の一例を示した図である。
【図4】MPEG−2ビデオビットストリーム構造の一例を示した図である。
【図5】図2のNIUチップセットに含まれる1394モジュールの細部構成を示した図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係るNIUチップセットの構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0057】
10 IEEE1394ケーブル
21 ベースバンド信号入力端子
22 IEEE1394ケーブル連結端子
23 POD出力端子
24 POD入力端子
100 ネットワークインターフェースユニット
110 チューナ
120 復調器
121 QAM復調器
122 QPSK復調器
130、230 NIUチップセット
131 NIMインターフェース
132 PODインターフェースコントローラ
133 逆多重化器
134 中央処理部
135 メモリ
136 1394モジュール
137 PCIバス
138 ハードワイヤーコネクション
140 PODモジュール
141 デスクランブラ
142 CPサイファ
310 物理層
320 リンク層
330 トランザクション層
340 DTCPモジュール
350 直列バスマネジメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部ネットワークから放送信号を受信するチューナと、前記受信された放送信号からベースバンド信号を復元する復調器と、前記ベースバンド信号からIEEE1394プロトコルに基づくデータ信号を生成し、内部ネットワークに接続されたA/V機器に伝送する単一チップセットからなるNIUチップセットを含むネットワークインターフェースユニットであって、前記NIUチップセットは、
前記ベースバンド信号に含まれているスクランブルされた状態の伝送ストリームを出力し、前記出力された伝送ストリームに対する応答として暗号化された信号を入力し、前記入力される暗号化された信号を復号化し、伝送ストリームを復元するPODインターフェースコントローラ;
前記復元された伝送ストリームをパーシングして逆多重化し、ビットストリームを抽出する逆多重化器;および、
前記抽出されたビットストリームを前記IEEE1394プロトコルによるデータ信号に変換する1394モジュールを含むネットワークインターフェースユニット。
【請求項2】
前記伝送ストリームは、MPEG−2伝送ストリームであり、
前記ビットストリームは、MPEG−2圧縮方式により圧縮されたビデオビットストリームである請求項1に記載のネットワークインターフェースユニット。
【請求項3】
前記内部ネットワークは、
XHTネットワークである請求項2に記載のネットワークインターフェースユニット。
【請求項4】
前記A/V機器は、
少なくとも前記ビデオビットストリームをデコーディングできる手段を含む請求項3に記載のネットワークインターフェースユニット。
【請求項5】
前記復調器から出力される多様な信号が入力されて、NIUチップセット内部で前記信号を用いることができるようにインターフェーシングするNIMインターフェースをさらに含む請求項1に記載のネットワークインターフェースユニット。
【請求項6】
前記入力される暗号化された信号は、
前記伝送ストリームをデスクランブルした後、所定の暗号化方式により暗号化した信号である請求項1に記載のネットワークインターフェースユニット。
【請求項7】
前記逆多重化器、および、前記1394モジュールとPCIバスとを介して連結され、前記抽出されたビットストリームを前記PCIバスを介して受信して一時保存した後、前記PCIバスを介して前記1394モジュールに提供するメモリをさらに含む請求項4に記載のネットワークインターフェースユニット。
【請求項8】
前記1394モジュールは、
非同期データの書き込み、読み込み、および、ロック機能を実行するトランザクション層;
前記非同期データと前記等時的データとを一時保存するためのFIFO(FIRST−IN FIRST−OUT)を有するリンク層;および、
前記FIFOの一時保存された前記非同期データ、および、前記等時的データを前記内部ネットワーク上に伝送する物理層を含み、
前記ビデオビットストリームは、前記等時的データとして伝送される請求項7に記載のネットワークインターフェースユニット。
【請求項9】
前記1394モジュールは、
前記ビデオビットストリームの伝送中、不法コピーを防止するために、前記ビットストリームの伝送前に前記公開キー基盤の暗号化方式によって、前記ビデオビットストリームを暗号化するDTCPモジュールをさらに含む請求項8に記載のネットワークインターフェースユニット。
【請求項10】
前記PODインターフェースコントローラ、逆多重化器、および、1394モジュールを駆動するためのデバイスドライバは、前記NIUチップセット内部にポーティングされる請求項4に記載のネットワークインターフェースユニット。
【請求項11】
前記逆多重化器によって出力される伝送ストリームは、ハードワイヤーコネクションを介して、前記1394モジュールに伝えられる請求項4に記載のネットワークインターフェースユニット。
【請求項12】
前記PODインターフェースコントローラの入力および出力は、PCMCIA方式で行われる請求項4に記載のネットワークインターフェースユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−345497(P2006−345497A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−130452(P2006−130452)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】