説明

ネットワークゲーム用のサーバ装置及びネットワークゲームの提供方法

【課題】 プレイヤの経験などをプレイ料金に反映させながら、ネットワークゲームを低コストで維持・運営できるサーバ装置及びネットワークゲーム提供方法を提供する。
【解決手段】 ネットワークゲームのプレイに必須でなくプレイヤ2が選択可能なオプション機能の情報と各オプションの利用金額とを記述したオプション情報格納部22と、プレイヤの携帯電話3からゲームプレイの申込とオプションの選択を受付ける各受付部25、26と、選択されたオプションの情報及び利用金額をオプション情報格納部22から取得するオプション情報取得部27と、携帯電話にオプションの情報を送信するオプション情報送信部28と、プレイヤのオプション利用金額を格納するユーザ情報格納部21と、プレイヤのオプション利用料金を集計する利用料金集計部29と、プレイヤの携帯電話の通信キャリア4にオプション利用料金を通知して課金を依頼する課金処理部30とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して接続可能な通信端末にネットワークゲームを提供するためのサーバ装置及びネットワークを介してサーバ装置に接続可能な通信端末にネットワークゲームを提供する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ゲームセンタに設置された複数のアーケードゲーム間や、インターネットなどで接続された複数のゲーム機の間で、他のプレイヤと対戦したりゲームデータ(ゲームキャラクタ等)やアイテム、獲得ポイントなどを共有可能なネットワークゲーム(通信ゲーム)が提供されている。また、通信インフラの整備や携帯電話を始めとする携帯通信端末の高機能化などにより、ユーザは外出先でも自身の無線携帯端末を利用して上記ネットワークゲームを楽しむことができるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来のネットワークゲームにおいては、どのアイテムを選択したかに拘らず利用料金は一律だったり、通信時間に応じて「通信料」として課金されている。そのため、ユーザ(プレイヤ)の技量や経験は利用料金には反映されず、不公平感を想起させてネットワークゲームを継続してプレイするインセンティブに欠けている。
【0004】
このような課題を解決するため、例えば以下の特許文献で提案されている、選択されたキャラクタやアイテム毎に課金すること、が参考になる。
【0005】
【特許文献1】特開平11−114217号公報
【特許文献2】特開2002−123695号公報
【0006】
しかしながら、これらの文献で提案されている方法では、アイテムなどが選択された場合の課金は、プリペイドカードやクレジットカード、口座引落しなどによって個別に決済されている。すなわち、10円単位の少額決済を多数行う必要があり、その度に認証や資金移動処理が必要になる。また、ネットワーク上でクレジットカード番号や口座番号などの個人情報を送信することはセキュリティやプライバシーの問題もあり、抵抗を覚えるユーザも少なくない。さらに、ネットワークゲームを提供するサーバ装置側で課金処理を行う場合には上記したセキュリティやプライバシーを考慮して課金システムを構築する必要があり、ゲームシステム全体の設計・運用に多額のコストがかかってしまう。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、ユーザ(プレイヤ)の経験などをプレイ料金に反映させながら、ネットワークゲームを低コストで維持・運営できるサーバ装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の主要な観点によれば、ネットワークを介して接続可能な通信端末にネットワークゲームを提供するためのサーバ装置であって、ネットワークゲームのプレイに必須でなくこのゲームのプレイヤが選択可能なキャラクターの種別やオプション機能(以下「オプション」と総称する)の情報と、各オプションを選択した場合に課金されるオプション利用金額とを記述したオプション情報格納手段と、プレイヤの通信端末から、ゲームのプレイの申込を受付けるゲームプレイ受付手段と、プレイヤの通信端末からオプションの選択を受け付けるオプション選択受付手段と、選択されたオプションの情報及びその利用金額を、前記オプション情報格納手段から夫々取得するオプション情報取得手段と、プレイヤの通信端末に対して、前記取得したオプションの情報を送信するオプション情報送信手段と、プレイヤのオプション利用金額を格納する利用金額格納手段と、所定周期で前記利用金額格納手段のプレイヤのオプション利用料金を検索して集計する利用料金集計手段と、プレイヤの通信端末の通信キャリアに対して、集計したオプション利用料金を通知して課金を依頼する課金処理手段とを備えたことを特徴とするサーバ装置が提供される。
【0009】
ここで、本明細書において、「オプション」はゲームプレイに必須ではないがゲームの進行に好適な機能の全てを含むものである。例えば、ゲーム空間内でプレイする何らかのゲームキャラクタは「必須」であるが、このキャラクタの性格、保有するアイテム(武器や能力など)、基礎体力、得意技、知識、ボーナスゲーム、キャラクタを成長させるアイテム、音響効果や視覚効果などのオプションが複数用意されていて、何れかの機能を選択するかどうか及びどの機能を選択するかをプレイヤが選択可能である場合は、それらの選択肢が全て「オプション」に該当する。また、RPG(Roll Playing Game)のように、ゲームが複数のステージ(プレイ空間)に分かれている場合には、他のステージに進むことができることは「必須」であるが、他のステージへの入口や出口を早く見つけるためのヒント・攻略方法などもオプションに含まれる。さらに、中断したゲームを後日継続してプレイしたい場合のゲームデータの登録及びそのデータの読出しも夫々有料オプションとすることができる。
【0010】
本発明の第2の主要な観点によれば、ネットワークを介してサーバ装置に接続可能な通信端末にネットワークゲームを提供する方法であって、ネットワークゲームのプレイに必須でなくこのゲームのプレイヤが選択可能なキャラクターの種別やオプション機能(以下「オプション」と総称する)の情報と、各オプションを選択した場合に課金されるオプション利用金額とをオプション情報格納手段に記述するオプション情報格納工程と、プレイヤの通信端末から、ゲームのプレイの申込を受付けるゲームプレイ受付工程と、プレイヤの通信端末からオプションの選択を受け付けるオプション選択受付工程と、選択されたオプションの情報及びその利用金額を、前記オプション情報格納手段から夫々取得するオプション情報取得工程と、プレイヤの通信端末に対して、前記取得したオプションの情報を送信するオプション情報送信工程と、プレイヤのオプション利用金額を利用金額格納手段に格納する利用金額格納工程と、所定周期で前記利用金額格納手段のプレイヤのオプション利用料金を検索して集計する利用料金集計工程と、プレイヤの通信端末の通信キャリアに対して、集計したオプション利用料金を通知して課金を依頼する課金処理工程とを備えたことを特徴とする方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザ(プレイヤ)の経験などをプレイ料金に反映させながら、ネットワークゲームを低コストで維持・運営できるサーバ装置及び方法を得ることができる。
【0012】
なお、この発明の他の特徴と顕著な効果は、次の発明を実施するための最良の形態の項の記載と添付した図面とを参照することで、より明確に理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0014】
図1は本発明の一実施形態のネットワーク構成図である。この図で符号1で示すのはサーバ装置であり、このサーバ装置1は、インターネットなどのネットワークを介してユーザ(プレイヤ)2側の通信端末3(パーソナルコンピュータやWEBブラウザ機能付の携帯電話などの通信端末機器)にネットワークゲームを提供するものである。具体的には、このサーバ装置1は、ゲームデータを生成するのに必要なゲームデータを表示・制御するプログラムやゲームデータをユーザ2の通信端末3に配信すると共に、各ユーザ2のゲームプレイ料金(ゲーム基本料金とオプション利用料金)を集計してこのユーザ2に通信サービスを提供する通信キャリア4に通知する機能を有するものである。また、必要に応じて、ゲームの利用権限や特定のキャラクタデータの使用権の発行及び管理も行う。
【0015】
ユーザ側の通信端末3は、本実施形態では通信機能付きの携帯電話であり、ユーザ2の操作指示に従ってインターネットを介してサーバ装置1に接続し、ゲームデータ表示・制御プログラム及びゲームデータを受信する。そして、受信したゲームデータ表示・制御プログラムを起動させてゲームデータからキャラクタなどを生成し、生成されたキャラクタなどの表示及びその制御を行う。通信端末3の機能及び構成は従来周知であるので、これ以上の詳細説明は省略する。
【0016】
本実施形態においては、サーバ装置1から送信するゲームデータを、ゲームプレイに必須のゲーム基本データと、プレイに必須ではないオプションデータとに区別して管理している。本実施形態で提供されるネットワークゲームの中には、ゲーム基本データの受信(ダウンロード)及びそのゲームデータデータを利用したゲームプレイは無料であるが、一方で、オプションデータのダウンロード等は有料に設定されているものと、何れも有料に設定されているものとが含まれている。すなわち、前者のゲームの場合、ユーザ(プレイヤ)2は、無料でネットワークゲームをプレイすることが可能ではあるが、キャラクタを強化したり、ゲームを効率的に進行させたり、種々の演出効果を得たい場合は、相応の金額を支払う必要がある。これにより、そのゲームの初心者やすぐにゲームを進行させたいプレイヤは有料オプションを選択し、ベテランのプレイヤや時間をかけてゲームを進行させたいプレイヤは無料のままプレイすることができる。
【0017】
なお、ゲーム基本料金の有料/無料の切り替えは、定期的にランダムに行っても良いし、最初の数ヶ月間は試用期間として有料/無料にし、期間経過後に無料/有料にしても良い。また、ダウンロード回数の多い特定の人気ゲームは有料/無料にし、それ以外のゲームは無料/有料にすることもできる。
【0018】
次に、図2のブロック図を参照してサーバ装置1の概略構成を説明する。
このサーバ装置1は、Web上のゲームサイトを運営するネットワークゲーム業者若しくは、複数のネットワークゲーム業者のWebサイトがリンクされるゲームポータルサイトの運営者が設置する汎用のコンピュータシステムである。サーバ装置1は、CPU10、RAM11、キーボードなどの入力装置12、CRTディスプレイなどの出力装置13、モデムなどの通信デバイス14及びハードディスク(HD)やコンパクトディスク(CD)などのディスクコントローラ15が接続されたシステムバス16に、データ格納部(HDなど)17とプログラム格納部(HDやROMなど)18とが接続されて構成されている。
【0019】
データ格納部17は、ゲーム基本情報格納部20、ユーザ情報格納部21(利用金額格納手段)及びオプション情報格納部22を備えている。これらの各格納部は、前記HDなどの記憶装置に確保された一定の領域であり、後述する各機能によって入力された情報や、通信デバイス14を介して外部機関から取得した情報が随時記述・更新される。
【0020】
ゲーム基本情報格納部20は、複数のゲームのデータ(音声データ、画像データ、ゲームデータ表示・制御プログラム等)と基本プレイ料金とをゲームIDに関連付けて記述するものである。上記したように、本実施形態では、基本料金が0円(無料)のゲームと有料のゲームとが含まれており、夫々の料金が設定される期間もゲーム毎に記述されている。なお、ゲームポータルサイトの運営者に設置される場合には、各ゲームを提供するWebサイトのIDも記述される。
【0021】
ユーザ情報格納部21は、各ユーザ2のログイン情報(ID、パスワード)及び書誌事項などのユーザ情報と、ユーザ2のゲーム基本プレイ料金やオプション利用料金を格納するものである。これらのユーザ情報は、ゲームサイトの会員登録の際にユーザ2から入力された情報と登録に際してサーバ装置1によって適宜付与された情報とを取得するものである。本実施形態では、プレイ途中のゲームを特定する情報(ゲームID、キャラクタNo、アイテムNo、ゲームステータス情報など)をユーザIDに関連付けて格納している。
【0022】
オプション情報格納部22は、オプション機能を実現するためのデータ(音声データ、画像データ、ゲームデータ表示・制御プログラム等)と、このオプション機能の属性や種別及び利用可能なゲームのIDと、各オプションの利用条件と、各オプションを選択した場合に課金されるオプション利用金額とをオプションIDに関連付けて記述するものである。音響効果や演出効果、キャラクタの種別のように、同一のオプションを複数のゲームで利用可能な場合には、各ゲーム毎に異なる利用料金や利用条件が設定される。例えば、基本プレイ料金が有料のゲームではオプション利用金額が低額で、無料のゲームでは相対的に高額に設定される。
【0023】
また、オプションの利用条件としては、例えば、強いキャラクタや特定のアイテムなどのような人気のオプションは、同時に利用できる人数を制限したり、プレイしているステージ毎に利用可能なオプションを制限することができる。さらに、プレイヤ2のプレイ累積時間・累積利用金額などに応じて、複数段階で利用可能なオプションを追加することもできる。これにより、プレイヤ2に有料ゲームや有料オプションを選択するインセンティブを与えることができる。
【0024】
次に、前記プログラム格納部18は、本発明の機能を実現するソフトウェアプログラムを格納するもので、オペレータが前記入力装置12を操作して各種の指令(コマンド)を入力することで、このソフトウェアプログラムがCPU10によってRAM11上に呼び出されて実行され、OS(オペレーションシステム)と協働してこれらの機能を奏するようになっている。上記プログラムは図示しないリムーバブル記録媒体から導入することもできる。
【0025】
前記ソフトウェアプログラムは、本発明に関連する機能のみ挙げると、ゲームプレイ受付部25、オプション選択受付部26、オプション情報取得部27、オプション情報送信部28、利用料金集計部29及び課金処理部30で構成されている。
【0026】
ゲームプレイ受付部25は、プレイヤ2の通信端末3に前記ゲーム基本情報格納部20に格納された複数のゲームのタイトルなどを表示したメニュー画面を生成して表示させ、プレイヤ2がプレイしたいゲームの種別をネットワークを介して取得することでゲームプレイの申込を受付けるものである。なお、プレイ中は、ネットワークを通じて携帯電話3からキャラクタの現在状況を取得して前記ユーザ情報格納部21に格納・更新するようになっている。
【0027】
オプション選択受付部26は、プレイヤ2の通信端末3に前記オプション情報格納部22に格納された複数のオプションのタイトルや種別などを表示したメニュー画面を生成して表示させ、プレイヤ2が利用したいゲームオプションの情報をネットワークを介して取得することでオプションの利用申込を受付けるものである。このオプションの選択は、ゲームプレイ中とプレイ前の何れにおいても可能である。
【0028】
ここで、低額のキャラクタや費用対効果の高いアイテムなどの特定のオプションに選択が集中して、ゲームサイトの運営コストが嵩むことが予想される。そこで、本実施形態では、特定のオプションについては、同時に利用できる人数を制限したり、同一若しくは同種のオプションについては1の携帯電話(ユーザ)で利用可能な数を制限するなどの対策が有効である。そのため、本実施形態では、選択されたオプションの利用条件をオプション情報格納部22から読み出して当該オプションの選択可否を判別するオプション利用可否判別部31(認証手段)を備えることにした。ゲームのプレイ前にオプション選択を受付けた場合には、そのオプションの情報をユーザ情報格納部21に登録しておき、ユーザ2がゲームを開始して選択メニュー画面で当該オプションを改めて選択した時に、上記した利用可能条件を判別するようにするのが好ましい。なお、運営コストを回収する手段として、ゲーム選択メニューやオプション選択メニュー、若しくはゲーム空間内にスポンサーの広告を表示して広告収入を得るようにしても良い。
【0029】
また、本実施形態のオプション選択受付部26は、プレイヤ2の通信端末3から、選択に係るオプションを他のネットワークゲームとの間で共有する要求を受付ける機能も有している。例えば、BGMなどの音響効果や、ゲームの背景画面などの視覚効果、プレイヤ2の似顔絵キャラクタ等、複数のネットワークゲームで利用可能な特定のオプションについて、共有したい他のゲームの識別情報を取得して利用申込みを受付ける。これにより、複数のゲームをプレイする度にオプションを選択しなくても済み、共通オプションを容易に利用することができる。この場合には、パッケージ料金若しくはボリュームディスカウントの考え方に従って、ゲーム毎に選択する場合よりもオプションの利用料金を割引するのが好ましい。なお、選択されたオプションの利用料金や、ゲームへの適用などについては、ゲーム運用者が個別に設定できるようにしても良い。また、前記携帯電話3から随時取得するキャラクタの現在状況等に基づいてプレイヤの利用状況を分析する分析手段を設け、この分析結果に基づいて前記ゲームプレイ受付部25がメニュー画面を動的に変更させてもよい。これにより、プレイヤが利用(選択)可能なオプションをゲームの進行状況などに合わせて動的に変化させることが可能になる。
【0030】
オプション情報取得部27は、選択可能と判別されたオプションの情報(音声情報やゲームデータ表示・制御プログラム等)と利用金額とを前記オプション情報格納部22から読み出すものである。また本実施形態では、前記受付けたゲームの基本プレイ料金が有料であるか無料であるかに基づいて、オプション情報格納部22からゲームの利用料金に応じたオプションの利用料金を読み出すものである。これにより、同一のオプションであっても、ゲームの基本プレイ料金が無料の場合と有料の場合とで異なる利用料金を適用することが可能であり、ユーザ2の希望に応じたきめ細かい課金と、ネットワークゲームの運営コストの回収とを実現することができる。
【0031】
オプション情報送信部28は、プレイヤ2の通信端末3に対して、受付けたゲームの情報(ゲームデータ表示・制御プログラム等)と、取得したオプションの情報とを送信してゲームデータを生成させるものである。ここで、上記のように、オプション選択受付部26で他のネットワークゲームとの間で選択に係るオプションを共有する要求を受付けた場合には、要求された他のゲームを運営するサーバ装置に対して、前記取得したオプションの情報(種別やIDなど)をプレイヤ2の識別情報(IDや携帯電話番号など)と共に送信するものである。当該他のサーバ装置は、取得した情報に基づいて自身のネットワークゲームにおいてこのユーザ2にオプション機能を提供する。
【0032】
利用料金集計部29は、プレイヤ2の所定期間内(毎月、24時間など)のオプション利用料金を集計すると共に、前記選択されたゲームの基本プレイ料金を前記ゲーム基本情報格納部20から取得してオプション利用料金と合算し、このプレイヤ2の当該期間内の課金額を算出するものである。
【0033】
課金処理部30は、プレイヤ2の通信端末3の通信キャリア4に対して、前記算出された課金額を通知して課金を依頼するものである。ここで、課金処理のタイミングは、通信キャリア4の通信料金の課金時期若しくは通信時間の集計時期に同期させることが好ましい。これにより、ゲームプレイ料金を通信キャリア4の通話料と同時に課金処理することが容易になり、事務処理の負荷及び料金回収代行のコストを低減させることができる。
【0034】
次に、図2のフローチャートを参照して、本実施形態の詳細な機能を実際の動作と共に説明する。以下の説明では、プレイヤがゲームプレイ中にそのゲームに利用するオプションを選択する場合を例示するが、プレイ開始前にオプションを選択して登録しておくこともできる。なお、ゲームサイトへのユーザ登録やゲームプレイ時のログイン(ユーザ認証)処理などの周知の工程及び、上記した他のネットワークゲームとの間でオプションを共有する工程も省略してある。
【0035】
まず、プレイヤ2が通信端末(携帯電話)3を利用してネットワークゲームのプレイを開始する時又はプレイ中に、図示しないオプション選択ボタンを押すと前記オプション選択受付部26が起動してゲームオプションのメニュー画面を生成してオプションの選択を受付ける(ステップS1)。この時点ではオプション利用料金は課金されない。
【0036】
次に、前記オプション利用可否判別部31が、プレイヤ2がプレイしているゲームの種別を特定し(ステップS2)、前記選択に係るオプションがそのゲームに利用可能かを判別する(ステップS3)。そのオプションがプレイ中のゲームで利用可能である場合(ステップS3のYes)、このオプション利用可否判別部31は、選択されたオプションの利用条件をオプション情報格納部22から読み出して当該オプションの選択可否を判別する(ステップS4、S5)。例えば、同時に利用できる人数が制限されているキャラクタについては、選択しているプレイヤ2の数や利用可能な残りの人数をオプション情報格納部22に格納しておき、これに基づいてオプションの利用可否を判別する。プレイ中のゲームで選択されたオプションを利用できない場合や(ステップS3のNo)、オプション利用条件を満たさない場合は(ステップS5のNo)、何れも「そのオプションは利用できません」というメッセージを出力してステップS1のオプション選択メニューに戻る。
【0037】
選択されたオプションを利用可能な場合は(ステップS5のYes)、前記オプション情報取得部27が起動し、そのオプションの情報(音声情報やゲームデータ表示・制御プログラム等)を前記オプション情報格納部22から読み出す(ステップS6)。この時、プレイ中のゲームのプレイ基本料金が無料か有料かに基づいて、当該オプションの利用料金をオプション情報格納部22から読み出す(ステップS7)。そして、前記オプション情報送信部28が、前記読み出したオプションデータ(音声データ、ゲームデータ表示・制御プログラム等)をプレイヤ2の携帯電話3に送信する(ステップS8)。送信されたオプション情報は、携帯電話3のCPUなどによって実行されることで、ゲーム空間をメモリ上に構築して、その様子をディスプレイに表示させることができるようになる。この状態は、プレイヤ2(携帯端末3)からプレイ終了の通知を受付けるまで継続される(ステップS9)。
【0038】
プレイ終了の指示を受付けた場合は(ステップS9のYes)、前記オプション選択受付部26がプレイヤ2からプレイステータス(現在状況)の保存の希望も同時に受付ける(ステップS10)。プレイヤ2がステータスの保存を希望する場合には(ステップS10のYes)、オプション情報取得部27がゲームデータ保存の料金をオプション情報格納部22から検索し、そのゲームデータ(ゲームID、ステータス情報など)と共にユーザIDに関連付けてユーザ情報格納部21に格納する(ステップS11、S12)。プレイヤ2がステータスの保存を希望しない場合には(ステップS10のNo)、ステップS11、S12はスキップされる。そして、上記したステップS1〜S12までの処理が、所定の課金時期が到来するまで繰り返される(ステップS13)。課金時期の到来は、前記利用料金集計部29が監視する。
【0039】
課金時期が到来すると(ステップS13のYes)、この利用料金集計部29は、各プレイヤ(ユーザ)2について前記ユーザ情報格納部21に格納されたオプション利用料金を検索して集計する(ステップS14)。また、有料ゲームの基本プレイ料金が登録されている場合には、このプレイ料金と合算する(ステップS15)。次いで、前記課金処理部30が起動し、ユーザ情報格納部21から各ユーザ2の通信キャリア4を特定し、前記合算した課金額を通知する(ステップS16)。これにより、ゲームの有料オプションの利用料金を携帯電話3の通信料と同時に課金することが可能になる。
【0040】
上記した処理工程を具体的に説明すると以下のようになる。
例えば、プレイヤ2がオプション選択メニュー画面で、「塩ラーメンを購入」のオプションを選択すると、前記オプション情報取得部27によってゲーム内のプレイヤの保有ポイントから600ポイントが減算されると共に、そのポイントの所定割合(1%=6円)がプレイヤへの課金額として登録される。また、「塩ラーメンの購入」が選択されると、前記オプション情報送信部28によってゲーム内のキャラクタにも塩ラーメンが供給される。これにより、キャラクタの体力(ダメージ)が回復して、ゲームのプレイ時間が延長される。また、体力が回復した状態を保存してゲームを終了したい場合には、前記メニュー画面から「状態を保存して終了する」を選択すると、前記と同様にオプション情報取得部27が保有ポイントから300ポイントを減算すると共に、ゲームデータをユーザ情報格納部21に登録する。なお、前記オプション利用可否判別部31が、保有ポイントが足りないと判別した場合には、一部又は全部のゲームデータの保存が認められない。
【0041】
上記したように、本実施形態では、ゲーム毎に有料オプションをプレイヤが個別に選択できるようにしたので、プレイヤの希望に応じたきめ細かい課金が可能になり、ネットワークゲームへの参加を促進させることができる。また、このような少額の利用料金の決済をネットワーク上で行なうには、一般的にゲームサイトの運営者(サーバ装置)側にとっては処理能力やセキュリティの面で過度の負担となり、またプレイヤにとっても決済情報の入力の負荷や精神的負担が大きい。そこで、本実施形態では、少額のオプション利用料金をネットワークゲームのプレイに使用する携帯電話などの通信料と併せて課金できるようにした。これにより、サーバ装置やプレイヤに過度の負担をかけることがなく、ネットワークゲームの運営コストを低減でき、プレイ料金の割引や無料化にもつながる。
【0042】
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、本発明の一実施形態のネットワーク構成及びサーバ装置の概略構成を示す図である。
【図2】図2は、同、処理工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
1…サーバ装置
2…ユーザ(プレイヤ)
3…通信端末(携帯電話)
4…通信キャリア
10…CPU
11…RAM
12…入力装置
13…出力装置
14…通信デバイス
15…ディスクコントローラ
16…システムバス
17…データ格納部
18…プログラム格納部
20…ゲーム基本情報格納部
21…ユーザ情報格納部
22…オプション情報格納部
25…ゲームプレイ受付部
25.26…受付部
26…オプション選択受付部
27…オプション情報取得部
28…オプション情報送信部
29…利用料金集計部
30…課金処理部
31…オプション利用可否判別部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続可能な通信端末にネットワークゲームを提供するためのサーバ装置であって、
ネットワークゲームのプレイに必須でなくこのゲームのプレイヤが選択可能なキャラクターの種別やオプション機能(以下「オプション」と総称する)の情報と、各オプションを選択した場合に課金されるオプション利用金額とを記述したオプション情報格納手段と、
プレイヤの通信端末から、ゲームのプレイの申込を受付けるゲームプレイ受付手段と、
プレイヤの通信端末からオプションの選択を受け付けるオプション選択受付手段と、
選択されたオプションの情報及びその利用金額を、前記オプション情報格納手段から夫々取得するオプション情報取得手段と、
プレイヤの通信端末に対して、前記取得したオプションの情報を送信するオプション情報送信手段と、
プレイヤのオプション利用金額を格納する利用金額格納手段と、
所定周期で前記利用金額格納手段のプレイヤのオプション利用料金を検索して集計する利用料金集計手段と、
プレイヤの通信端末の通信キャリアに対して、集計したオプション利用料金を通知して課金を依頼する課金処理手段と
を備えたことを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
請求項1記載のサーバ装置において、
さらに、
複数のゲームの基本プレイ料金を記述するゲーム基本情報格納手段を備え、
前記オプション情報格納手段は、前記複数のゲームのオプションを各ゲームの識別情報に関連付けて格納するものであり、
前記ゲームプレイ受付手段は、プレイヤの通信端末に前記複数のゲームの情報を表示したメニュー画面を表示させて、プレイヤがプレイしたいゲームの種別を取得してプレイの申込を受付けるものである
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項3】
請求項2記載のサーバ装置において、
前記オプション情報格納手段は、同一のオプションについて基本プレイ料金が有料のゲームと無料のゲームとで異なる利用金額を格納するものであり、
前記オプション情報取得手段は、受付けたゲームの基本プレイ料金が有料であるか無料であるかに基づいて、オプション情報格納手段から前記選択されたオプションの利用料金を読み出すものである
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項4】
請求項1記載のサーバ装置において、
前記利用料金集計手段は、プレイヤが有料でゲームをプレイしている場合にはそのプレイ料金に集計したオプション利用料金を合算して課金額を算出するものであり、
前記課金処理手段は、前記算出された課金額を通信キャリアに通知するものである
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項5】
請求項1記載のサーバ装置において、
前記課金処理手段は、通信キャリアの通信料金の課金時期若しくは通信時間の集計時期に同期して、プレイヤのオプション利用料金を集計するものであることを特徴とするサーバ装置。
【請求項6】
請求項1記載のサーバ装置において、
前記オプション情報格納手段は、各オプションの情報をオプションの利用条件に関連付けて格納するものであり、
前記オプション選択受付手段は、選択されたオプションの利用条件をオプション情報格納手段から読み出して当該オプションの選択可否を判別する認証手段を備えた
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項7】
請求項1記載のサーバ装置において、
前記オプション選択受付手段は、プレイヤの通信端末から、選択に係るオプションを他のネットワークゲームとの間で共有する要求を受付けるものであり、
前記オプション送信手段は、要求された他のゲームを運営するサーバ装置に対して、前記取得したオプションの情報をプレイヤの識別情報と共に送信するものである
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項8】
ネットワークを介してサーバ装置に接続可能な通信端末にネットワークゲームを提供する方法であって、
ネットワークゲームのプレイに必須でなくこのゲームのプレイヤが選択可能なキャラクターの種別やオプション機能(以下「オプション」と総称する)の情報と、各オプションを選択した場合に課金されるオプション利用金額とをオプション情報格納手段に記述するオプション情報格納工程と、
プレイヤの通信端末から、ゲームのプレイの申込を受付けるゲームプレイ受付工程と、
プレイヤの通信端末からオプションの選択を受け付けるオプション選択受付工程と、
選択されたオプションの情報及びその利用金額を、前記オプション情報格納手段から夫々取得するオプション情報取得工程と、
プレイヤの通信端末に対して、前記取得したオプションの情報を送信するオプション情報送信工程と、
プレイヤのオプション利用金額を利用金額格納手段に格納する利用金額格納工程と、
所定周期で前記利用金額格納手段のプレイヤのオプション利用料金を検索して集計する利用料金集計工程と、
プレイヤの通信端末の通信キャリアに対して、集計したオプション利用料金を通知して課金を依頼する課金処理工程と
を備えたことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−181194(P2006−181194A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−379451(P2004−379451)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000132840)株式会社タイトー (49)
【Fターム(参考)】