説明

ネットワークシステム、サーバ、プログラム、情報記憶媒体

【目的】ユーザにストレスを感じさせることなく、ユーザ、管理者双方の希望する条件でマッチング処理やログイン処理を行うこと。
【構成】以下のネットワークシステムにより上記目的を解決する。
(1)自動ルーム生成要求が所定数に達したときに自動でルームを生成する。
(2)複数の端末によるグループで協働して所定の操作を行った時間を表示することによってグループの質を案内する。
(3)グループに参加制限がある場合に、プレイヤデータに基づいて参加待ち行列に登録する。
(4)グループに参加制限がある場合に、プレイやデータに基づいてグループへの参加を終了させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークシステム、サーバ、プログラムおよび情報記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数のプレイヤがインターネット等のネットワークを通じて同時にゲームを楽しむいわゆるネットワークゲームや、複数のユーザがサーバに接続して同一のサービスの提供を受けるシステムが普及してきている。
【0003】
このようなシステムでは、同時にゲームをプレイするプレイヤをマッチングさせる処理や、サービスの提供を受けるユーザのサーバへのログインを管理する処理が必要となる。
【特許文献1】特開2002−035424
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のマッチング方式、ログイン管理方式には、以下に挙げるような問題が指摘されていた。
【0005】
(1)従来技術では特定のプレイヤ(ホスト)がサーバ上に参加人数やゲーム条件を定めたルームを作成し、他のプレイヤがルームに参加することによってマッチングを行っていた。この方式では、ルームに参加したところホストや他の参加者のゲームプレイ態度、ルームの設定等が希望に沿うものでないことが判明する場合があった。希望に沿うルームがない場合、希望のルームが作成されるまで待つか、自分でルームを作成する必要があった。
【0006】
(2)従来技術ではルーム、あるいはサービス提供者が設定したサーバに参加してみないと中の状況が分からず、参加した後で不満を感じることがあった。
【0007】
(3)また従来技術では、ユーザがプレイしたい嗜好のゲーム条件でルームの設定を行い新規にルームを作成した場合、参加プレイヤ募集はその時点から開始されるため参加プレイヤが0人の状態になり、参加プレイヤが必要数が集まるまで待たされることになり不満を感じることがあった。新規ルームは、サーバ上では参加人数の少ない不人気ルーム(質の悪いルーム)と同様に見えてしまうため、他プレイヤが敬遠してしまうという問題があった。そのためますます新規ルームを作成して参加人数を募集するよりは、既存ルームで嗜好の合うルームを探すという行動をすることになりやすかった。しかし嗜好の合うルームがなかなか見つからないまたは見つけても満室で入れないなど不満を感じることがあった。
【0008】
(4)複数のプレイヤが、実は同じ嗜好のゲーム条件でプレイしたいと希望していたとしても、前述の通り新規ルーム作成ではその要求を満たすことはできなかった。同じ嗜好のゲーム条件を求める複数プレイヤを結びつける仕組みがないために、各プレイヤはバラバラに嗜好の合うルームをひたすら探し続けるか、自分で新規ルームを作成し必要人数が集まるまで待つしかないため不満を感じることがあった。
【0009】
(5)マッチングやログイン待ちの状態になった場合、ユーザが待ち時間や待ち行列の進み具合を把握できず、ストレスを感じることがあった。
【0010】
(6)ゲームやサービスの内容、サーバや回線の能力によってルームの参加人数やサーバのログイン数を制限する必要が生じる場合があった。また、ユーザの特性に応じて制限内容を変化させたいという、ユーザ、サービス提供者双方からの要望があった。
【0011】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的はユーザにストレスを感じさせることなく、ユーザ、管理者双方の希望する条件でマッチング処理やログイン処理を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための第1の発明は、サーバと、通信回線を介してサーバと接続される複数の端末を有し、前記サーバは、複数のルームを記憶するルーム情報記憶部、前記端末を前記ルーム情報記憶部に記憶されたいずれかのルームに割り当てるルーム管理部、前記端末から自動ルーム生成信号を受信し、前記自動ルーム生成信号を受信した数が所定数以上に達すると、新たなルームを生成して前記ルーム情報記憶部に登録するルーム生成部を有し、前記ルーム管理部は、前記ルーム生成部が新たなルームを生成したとき、前記自動ルーム生成信号を送信した端末を当該新たなルームに割り当て、前記端末は、自動ルーム生成信号を前記サーバに送信する通信部、同一のルームに登録された他の端末との間で情報の送受信を行い、所定の処理を実行する処理部を有することを特徴とするネットワークシステムである。
【0013】
また、他の発明として、複数のルームを記憶するルーム情報記憶部、通信接続された端末を前記ルーム情報記憶部に記憶されたいずれかのルームに割り当てるルーム管理部、前記端末から自動ルーム生成信号を受信し、前記自動ルーム生成信号を受信した数が所定数以上に達すると、新たなルームを生成して前記ルーム情報記憶部に登録するルーム生成部を有し、前記ルーム管理部は、前記ルーム生成部が新たなルームを生成したとき、前記自動ルーム生成信号を送信した端末を当該新たなルームに割り当てることを特徴とするサーバである。
【0014】
また、他の発明として、サーバを、通信回線を介して接続される複数の端末と情報を送受信する通信部、複数のルームを記憶するルーム情報記憶部、前記端末を前記ルーム情報記憶部に記憶されたいずれかのルームに割り当てるルーム管理部、前記端末から自動ルーム生成信号を受信し、前記自動ルーム生成信号を受信した数が所定数以上に達すると、新たなルームを生成して前記ルーム情報記憶部に登録するルーム生成部として機能させ、前記ルーム管理部に、前記ルーム生成部が新たなルームを生成したとき、前記自動ルーム生成信号を送信した端末を当該新たなルームに割り当てる処理を実行させることを特徴とするサーバ制御プログラムである。
【0015】
また、他の発明として、複数のルームを記憶するルーム情報記憶部、通信接続された端末を前記ルーム情報記憶部に記憶されたいずれかのルームに割り当てるルーム管理部を有するサーバの制御方法であって、前記端末から自動ルーム生成信号を受信するステップ、前記自動ルーム生成信号を受信した数が所定数以上に達したと判定すると、新たなルームを生成して前記ルーム情報記憶部に登録するステップ、前記ルーム生成部が新たなルームを生成したとき、前記自動ルーム生成信号を送信した端末を当該新たなルームに割り当てるステップを含むことを特徴とするサーバ制御方法である。
【0016】
この第1の発明等によれば、プレイヤが、既存のルームから気に入ったルームを探す手間、及び、自分でルームを作成し参加者を待つ手間が省け、簡易にマッチングを行うことができる。
【0017】
また、第2の発明は、前記処理部は、さらにルーム生成条件情報の入力を受け付け、前記ルーム生成部は、前記端末から受信したルーム生成条件毎にルーム生成信号を受信した数をカウントし、所定数以上に達したルーム生成条件のルームを生成することを特徴とする請求項1に記載のネットワークシステムである。
【0018】
この第2の発明によれば、プレイヤは、既存のルームから気に入ったルームを探す手間、及び、自分でルームを作成し参加者を待つ手間をかけることなく、希望する条件のルームに参加することができる。
【0019】
また、第3の発明は、前記ルーム生成部は、ルーム生成した後にルーム条件の合致する各プレイヤに参加招待を通知することを特徴とする請求項2に記載のネットワークシステムである。
【0020】
この第3の発明によれば、自動でルーム生成がされた後、ルーム条件の一致するプレイヤがスムーズにルームに参加することができる。
【0021】
上記課題を解決するための第4の発明は、サーバと、通信回線を介してサーバと接続される複数の端末と、前記複数の端末を所定の単位でグループ登録し、同一グループの端末と協働して所定の処理を実行する処理部とを有するネットワークシステムであって、前記端末毎に前記所定の処理を実行した継続時間を計測し、前記グループ毎に当該グループに属する各端末の前記継続時間の統計情報を算出するタイマー部、前記統計情報を表示する表示部を有することを特徴とするネットワークシステムである。
【0022】
また、他の発明として、通信回線を介して接続される複数の端末と情報を送受信する通信部、所定の単位でグループが形成された端末毎に、同一グループの端末と協働して所定の処理を実行した継続時間を計測し、前記グループ毎に当該グループに属する各端末の前記継続時間の統計情報を算出するタイマー部を有し、前記通信部は、前記統計情報を表示するための情報を前記端末に送信することを特徴とするサーバである。
【0023】
また、他の発明として、サーバを、通信回線を介して接続される複数の端末と情報を送受信する通信部、定の単位でグループが形成された端末毎に、同一グループの端末と協働して所定の処理を実行した継続時間を計測し、前記グループ毎に当該グループに属する各端末の前記継続時間の統計情報を算出するタイマー部として機能させ、前記通信部に、前記統計情報を表示するための情報を前記端末に送信する処理を実行させることを特徴とするサーバ制御プログラムである。
【0024】
また、他の発明として、通信回線を介して接続される複数の端末と情報を送受信する通信部を有するサーバの制御方法であって、所定の単位でグループが形成された端末毎に、同一グループの端末と協働して所定の処理を実行した継続時間を計測するステップ、前記グループ毎に当該グループに属する各端末の前記継続時間の統計情報を算出するステップ、前記統計情報を表示するための情報を前記端末に送信するステップを含むことを特徴とするサーバ制御方法である。
【0025】
この第4の発明等によれば、プレイヤは参加するグループを選択する際に、統計情報によって当該グループが質の良いグループか、質の悪いグループかを判断することができる。即ち、グループに属する各端末の処理継続時間が短い場合には当該グループの質が悪く、プレイヤが当該グループに定着していないと判断することができる。
【0026】
また、第5の発明は、前記処理部は、同一のサーバにログインした複数の端末をグループ登録し、前記タイマー部は、各端末がサーバにログインしてからログアウトするまでの時間を前記継続時間として計測することを特徴とする請求項4に記載のネットワークシステムである。
【0027】
この第5の発明によれば、複数の端末が同一のサーバにアクセスして、サーバにおいて所定の処理が行われるシステムにおいて、プレイヤが当該サーバの質の良し悪しを判断することができる。
【0028】
また、第6の発明は、前記サーバは、複数のルームを記憶するルーム情報記憶部、端末を前記ルーム情報記憶部に記憶されたいずれかのルームに割り当てるルーム管理部、を有し、前記処理部は、同一の前記ルームに割り当てられた複数の端末をグループ登録し、前記タイマー部は、前記端末が前記ルームに割り当てられ前記所定の処理を開始してから前記ルームへの割り当てが解除されるまでの時間を前記継続時間として計測することを特徴とする請求項4に記載のネットワークシステムである。
【0029】
この第6の発明によれば、サーバに複数のルームが記憶され、プレイヤが複数のルームから一つを選んで参加するシステムにおいて、プレイヤが当該ルームの質の良し悪しを判断することができる。
【0030】
上記課題を解決するための第7の発明は、サーバと、通信回線を介してサーバと接続される複数の端末と、前記複数の端末を所定の単位でグループ登録し、同一グループの端末と協働して所定の処理を実行する処理部とを有するネットワークシステムであって、前記グループへの参加を要求する信号を端末から受信する通信部、前記グループが参加制限状態か否かを判定する受付部、前記受付部が前記グループが参加制限状態であると判定した場合、端末を待ち行列に登録する待ち行列管理部、前記端末を操作するプレイヤのプレイヤデータを記憶するプレイヤデータ記憶部を有し、前記待ち行列管理部は、前記プレイヤデータに基いて端末を待ち行列に登録することを特徴とするネットワークシステムである。
【0031】
また、他の発明は、通信回線を介して接続される複数の端末と情報を送受信する通信部、協働して所定の処理を実行する複数の端末がグループ登録され、前記グループへの参加を要求する信号を前記グループ外の端末から受信したとき、前記グループが参加制限状態か否かを判定する受付部、前記受付部が前記グループが参加制限状態であると判定した場合、端末を待ち行列に登録する待ち行列管理部、前記端末を操作するプレイヤのプレイヤデータを記憶するプレイヤデータ記憶部を有し、前記待ち行列管理部は、前記プレイヤデータに基いて端末を待ち行列に登録することを特徴とするサーバである。
【0032】
また、他の発明は、サーバを、通信回線を介して接続される複数の端末と情報を送受信する通信部、協働して所定の処理を実行する複数の端末がグループ登録され、前記グループへの参加を要求する信号を前記グループ外の端末から受信したとき、前記グループが参加制限状態か否かを判定する受付部、前記受付部が前記グループが参加制限状態であると判定した場合、端末を待ち行列に登録する待ち行列管理部、前記端末を操作するプレイヤのプレイヤデータを記憶するプレイヤデータ記憶部として機能させ、前記待ち行列管理部に、前記プレイヤデータに基いて端末を待ち行列に登録する処理を実行させることを特徴とするサーバ制御プログラムである。
【0033】
また、他の発明は、通信回線を介して接続される複数の端末と情報を送受信する通信部、前記端末を操作するプレイヤのプレイヤデータを記憶するプレイヤデータ記憶部を有するサーバの制御方法であって、前記複数の端末を、協働して所定の処理を実行するグループとして登録するステップ、前記グループ外の端末から、前記グループへの参加を要求する信号を受信するステップ、前記グループが参加制限状態か否かを判定するステップ、前記グループが参加制限状態であると判定した場合、前記プレイヤデータに基いて端末を待ち行列に登録するステップを含むことを特徴とするサーバ制御方法である。
【0034】
この第7の発明等によれば、グループへの参加に制限がある場合に、プレイヤデータに基いて参加待ちをさせることができ、サービス提供者の意に沿ったプレイヤを優先的に参加させることができる。
【0035】
また、第8の発明は、前記受付部は、前記グループに設定された参加上限人数を満たす端末が登録されている場合、当該グループが参加制限状態であると判定することを特徴とする請求項7に記載のネットワークシステムである。
【0036】
この第8の発明によれば、サーバや回線の能力、あるいは処理の特性によってグループへの参加人数に予め上限が設けられており、プレイヤに参加待ちをさせる必要がある場合に、プレイヤデータに基いた優先度で参加待ちを行わせることができる。
【0037】
また、第9の発明は、サーバ又は通信回線の負荷を計測する処理負荷演算部をさらに有し、前記処理部は、同一のサーバにログインしている複数の端末をグループ登録し、前記受付部は、処理負荷演算部により計測された負荷が所定値を超える場合に参加制限状態であると判定し、当該サーバへのログインを制限することを特徴とする請求項7に記載のネットワークシステムである。
【0038】
この第9の発明によれば、サーバや回線の処理負荷により動的にグループへの参加を制限するシステムにおいて、プレイヤに参加待ちをさせる必要がある場合に、プレイヤデータに基いた優先度で参加待ちを行わせることができる。
【0039】
また、第10の発明は、前記待ち行列の状況を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする請求項7〜9に記載のネットワークシステムである。
【0040】
この第10の発明によれば、参加待ち状態にあるプレイヤがいつグループに参加できるのか分からず不満を感じるのを防ぐことができる。
【0041】
また、第11の発明は、前記待ち行列管理部は、待ち行列に登録されている端末の操作に基いて、待ち行列を更新することを特徴とする請求項7〜10に記載のネットワークシステムである。
【0042】
この第11の発明によれば、待ち行列に登録されているプレイヤに待ち行列の状況を変化させる機会を与えるので、待ち時間に飽きさせないことができる。また、サーバ管理者側が望む操作(広告をクリックする等)をプレイヤに行わせる動機づけを与えることができる。
【0043】
上記課題を解決するための第12の発明は、サーバと、通信回線を介してサーバと接続される複数の端末と、前記複数の端末を所定の単位でグループ登録し、同一グループの端末と協働して所定の処理を実行する処理部とを有するネットワークシステムであって、前記端末を操作するプレイヤのプレイヤデータを記憶するプレイヤデータ記憶部、前記プレイヤデータに基いて、前記端末毎にグループへの参加継続条件を決定し、当該参加継続条件に基いて前記各端末のグループへの参加を終了させる管理部を有することを特徴とするネットワークゲームシステムである。
【0044】
また、他の発明は、通信回線を介して接続される複数の端末と情報を送受信する通信部、前記端末を操作するプレイヤのプレイヤデータを記憶するプレイヤデータ記憶部、記プレイヤデータに基いて、所定の単位でグループが形成され協働して所定の処理を実行する複数の端末毎に、グループへの参加継続条件を決定し、当該参加継続条件に基いて前記各端末のグループへの参加を終了させる管理部を有することを特徴とするサーバである。
【0045】
また、他の発明は、サーバを、通信回線を介して接続される複数の端末と情報を送受信する通信部、前記端末を操作するプレイヤのプレイヤデータを記憶するプレイヤデータ記憶部、前記プレイヤデータに基いて、所定の単位でグループが形成され協働して所定の処理を実行する複数の端末毎に、グループへの参加継続条件を決定し、当該参加継続条件に基いて前記各端末のグループへの参加を終了させる管理部として機能させることを特徴とするサーバ制御プログラムである。
【0046】
また、他の発明は、通信回線を介して接続される複数の端末と情報を送受信する通信部、前記端末を操作するプレイヤのプレイヤデータを記憶するプレイヤデータ記憶部を有するサーバの制御方法であって、前記複数の端末を、協働して所定の処理を実行するグループとして登録するステップ、前記プレイヤデータに基いて、前記端末毎に前記グループへの参加継続条件を決定するステップ、当該参加継続条件に基いて前記各端末の前記グループへの参加を終了させるステップを含むことを特徴とするサーバ制御方法である。
【0047】
この第12の発明等によれば、グループの参加人数に制限がある場合において、プレイヤデータに基いてグループへの参加を終了させる端末を決定することができるため、サービス提供者の意に沿ったプレイヤの参加を終了させることができる。
【0048】
また、第13の発明は、前記参加継続条件は参加継続時間であり、前記管理部は、前記各端末うち、実際の参加時間が前記参加継続時間を最も大きく超過している端末の参加を終了させることを特徴とする請求項12に記載のネットワークシステムである。
【0049】
この第13の発明によれば、プレイヤデータに基いて端末のグループへの参加継続時間を決定することにより、参加終了を管理することができる。
【0050】
また、第14の発明は、前記グループへの参加を要求する信号を端末から受信する通信部、前記グループが参加制限状態か否かを判定する受付部、前記受付部が前記グループが参加制限状態であると判定した場合、端末を待ち行列に登録する待ち行列管理部をさらに有し、前記管理部は、前記待ち行列に登録されている端末がある場合に、グループに参加している端末のグループへの参加を終了させ、待ち行列の先頭に登録されている端末をグループに参加させることを特徴とする請求項12〜13に記載のネットワークシステムである。
【0051】
この第14の発明によれば、待ち行列に参加待ち端末がいる場合にのみ、グループに参加している端末の参加を終了させることができる。これにより、待ち行列に端末がいない場合は、グループに参加している端末は参加し続けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
以下、発明を実施するための最良の形態について説明する。尚、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下の実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0053】
1.第一実施例
1−1.ネットワークシステム
図1に本実施例のネットワークゲームシステムの構成例を示す。このネットワークゲームシステムは、複数のゲーム端末a1〜a5、b1〜b5、c1〜c5、とこれらのゲーム端末とネットワーク10を介して接続されるマッチングサーバMSを含む。ここで、ネットワーク10(通信回線)は、データ授受が可能な通信路を意味する。即ち、ネットワーク10は、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線、無線を問わない。
【0054】
マッチングサーバMSは、端末を複数のグループ(ルーム)に割り振る処理を行う。本実施例では、マッチングサーバMSは、Ra〜Rcの3つのルームに端末を割り振っている。マッチングサーバMSは、ホスト端末からの要求に応じて、サーバ内にゲーム参加人数やゲーム条件を設定したルームを作成する。図1では端末a1、b1、c1がホスト端末である。そしてホスト以外の各端末a2〜a5、b2〜b5、c2〜c5からの要求に応じて、これらの各端末を各ルームに割り振る処理を行う。ホスト以外の端末a2〜a5、b2〜b5、c2〜c5は、ルームに割り振られた後はマッチングサーバMSとの通信は行わず、同じルームの各端末と直接通信を行い、ネットワークゲームを実行する。ネットワークゲーム実行中は、ホスト端末a1、b1、c1のみがマッチングサーバMSと通信を行い、ネットワークゲームの状況を送信する。
【0055】
1−2.装置構成
図2にマッチングサーバMS及び端末のブロック図を示す。尚、マッチングサーバMSや端末は、図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0056】
記憶部200及び262は、プログラムやデータの格納、又は処理部220、264や通信部240、266などのワーク領域となるものである。その機能はHDD(ハードディスクドライブ)、メモリ(ROM、RAM等)、光ディスク(CD、DVD)等により実現できる。マッチングサーバMSの記憶部200は、ルーム情報記憶部202、待ち行列記憶部204、プレイヤデータ記憶部206、自動ルーム生成待ち情報記憶部208、ゲーム継続条件記憶部210を含む。尚、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0057】
処理部220及び264(プロセッサ)は、マッチングのための各種処理、また通信部240及び266を通じた端末との信号の送受信の制御を行う。また、端末側の処理部264は、ゲーム演算処理を行う。その機能は、各種プロセッサ(CPU)、ASIC(ゲートアレイ等)等のハードウェアや、プログラムにより実現できる。マッチングサーバMSの処理部220は、受付部222、ルーム生成部224、タイマー部226、待ち行列管理部228、プレイヤデータ更新部230、ルーム管理部232を含む。尚、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0058】
通信部240及び266は、有線や無線のネットワークを介して外部(ホスト端末、ホスト以外の端末、マッチングサーバ、他のサーバ)との間で通信を行うものである。その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
【0059】
端末の有する表示部268は、ゲーム画像、マッチング画像を表示する。その機能は、LCD、CRT、タッチパネル型ディスプレイ、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)等により実現できる。
【0060】
端末の有する操作部270は、プレイヤが操作データを入力するためのものである。その機能は、方向キー、操作ボタン、アナログスティック、レバー、マイク、タッチパネル型ディスプレイ、キーボード等により実現できる。
【0061】
1−3.本実施例の特徴的な手法
1−3−1.ルーム状況表示
従来のマッチング方式では、ルームに参加してみるまでルーム内の状況が分からなかったため、参加したルームの質が悪く不満を覚えるプレイヤが発生するという問題があった。ここでルームの質が悪いとは、例えば参加者の中に全く操作を行わないプレイヤがいるためゲームが成立しない状況や、チーム対戦ゲームで本来は敵同士のプレイヤが共謀してゲームバランスを崩している状況等のことである。
【0062】
このような質の悪いルームに参加してしまった場合、プレイヤのゲームに対する満足度は著しく低下する。従って一般的に、質の悪いルームに参加したプレイヤは、すぐにそのルームから退出する。本実施例では、このことを利用し、プレイヤのルーム平均滞在時間を計測、表示することによってルームの質を事前に報知する手法を採用した。
【0063】
具体的には、マッチングサーバMSのルーム管理部232がプレイヤをルーム情報記憶部202に記憶されたいずれかのルームに登録すると、タイマー部226がプレイヤのルーム滞在時間の計測を開始する。そしてルーム管理部232が、端末からの要求によってプレイヤのルームへの登録を削除したとき、タイマー部226はプレイヤのルーム滞在時間計測を終了する。ルーム管理部232は、計測されたルーム滞在時間に基いて、ルーム情報記憶部202に登録されたルームの平均滞在時間を更新する。
【0064】
図3は、端末の表示部268に表示されるルーム選択画面の一例である。マッチングサーバMSの受付部222は、端末からアクセスがあるとルーム情報記憶部202に記憶されているルーム情報を読み出し、通信部240を介してルーム情報を端末に送信する。端末は通信部266によってルーム情報を受信し、表示部268にルームを表すアイコン302〜306を表示する。図3の302〜304には、ルーム情報としてルームRa〜Rcの平均滞在時間が表示されている。図3の場合、ルームRaは既に参加人数一杯の状態で、ここに参加するためには参加待ちをしなければならない。従って、プレイヤがすぐにゲームを行いたい場合は、ルームRbかルームRcを選択することになる。ここでルームRbの平均滞在時間は5:00と非常に短い。これは、ルームの質が悪くプレイヤが定着していないためである可能性がある。一方、ルームRcの平均滞在時間は20:00と長いため、ルームの質が悪い可能性は低いと判断できる。
【0065】
また、図3の302〜304に表示される詳細アイコンを選択すると、各プレイヤのルーム滞在時間の分布図が表示される。図4は、ルームRaの滞在時間分布図である。このような分布図によって、例えば長時間に渡りルームに居座る特定プレイヤが少数いて他の多くのプレイヤが極めて短時間しかルームに滞在しないという状況を表示することができ、マナーの悪い少数の特定プレイヤのために質の悪いルーム状況になっていると判断することができる。逆にルーム滞在時間の分布が、多数のプレイヤで滞在時間の長いルームは、優良なルームと判断することができる。本実施例では詳細アイコンの選択によって分布図が表示される例を説明したが、平均時間の表示をせずに302〜304と同一画面中に分布図が表示されるようにしても良い。また、平均滞在時間ではなく、その他の統計値(累積時間、最大時間、最小時間等)を表示しても良い。
【0066】
1−3−2.自動ルーム生成
ホストが作成したルームに参加するのみだった従来のマッチング方式では、プレイヤが希望するルームを見つけるのが困難であったり、希望するルームを自分で作成する手間がかかったりするという問題があった。この問題を解決するため本実施形態では、従来のホストにより作成されたルームに参加する方式と、同じ嗜好のゲーム条件を希望するプレイヤ数に合わせて自動的にルームが生成される方式をプレイヤが選択可能な手法を採用した。
【0067】
プレイヤが操作部270を操作することにより端末の表示部268に表示された図3のアイコン302〜306の一つを選択すると、選択信号が通信部266によって送信される。通信部240を介して選択信号を受信したマッチングサーバMSのルーム管理部232は、選択されたルームにプレイヤを登録する処理を行う。
【0068】
端末の表示部268にはまた、新規作成アイコン308が表示される。プレイヤがこのアイコンを選択すると、新規ルーム作成信号がマッチングサーバMSに送信される。新規ルーム作成信号を受信すると、マッチングサーバMSのルーム生成部224は、プレイヤからルームの詳細な情報(参加人数、レベル等)の設定を受け付け、設定に基いて新たなルームを作成し、ルーム情報記憶部202に作成されたルームを登録する。
【0069】
端末の表示部268にはまた、自動生成アイコン310が表示される。プレイヤがこのアイコンを選択すると、自動ルーム生成信号がマッチングサーバMSに送信される。自動ルーム生成信号を受信すると、マッチングサーバMSのルーム生成部224は、自動ルーム生成待ち情報記憶部208にプレイヤを登録する。そして、自動ルーム生成待ちプレイヤの数が所定数を越えると、ルーム生成部224は新たなルームを自動生成してルーム情報記憶部202に登録する。そして、ルーム管理部232は、生成されたルームに自動ルーム生成待ちプレイヤを登録する。ここで、ルーム生成部224は、自動ルーム生成信号を受け付ける際に、生成されるルームの条件(参加人数、レベル等)をプレイヤから受け付けるようにしてもよい。この場合ルーム生成部224は、受け付けた条件とともにプレイヤを自動ルーム生成待ち情報記憶部208に登録する。そして、登録された条件が満たされたときに新たなルームを自動生成する。例えば、同じ参加人数、同じレベルを条件として設定したプレイヤの人数が、設定された参加人数に達したとき、新たなルームを生成する。
【0070】
新規ルームが作成された場合、希望したプレイヤへ招待の案内が行われることが好ましい。待ち時間のあいだ他のルームに参加していた場合、既存ルームの参加を継続するか、新規ルームへ参加するかを各プレイヤが選択できるようにしても良い。
【0071】
1−3−3.ルーム入場待ち
ルームに設定された参加上限人数のプレイヤが既に参加している場合、そのルームに新たに参加しようとするプレイヤは、既に参加しているプレイヤがルームから退場するまで入場することができない。新たに参加しようとするプレイヤが複数いる場合、それらのプレイヤは待ち行列に入り、順番に従ってルームへの参加を許可される。
【0072】
尚、ルームの参加上限人数は、上述のようにルームを作成するプレイヤが設定する場合もあるし、ゲームの特性に応じて自動で設定される場合もある。例えば麻雀ゲームの場合、参加上限人数は自動的に4人に設定される。
【0073】
本実施例では、各プレイヤに対応付けて記憶されたプレイヤデータに基いて、待ち行列の順番を決定する仕様を採用した。プレイヤデータには例えば、ゲームのプレイ頻度、有料課金を利用したか、協力プレイに参加したか、特定のゲームイベントに参加したか、他プレイヤと積極的にコミュニケーション(チャット、ゲーム内アイテムのやり取り)をしたか、ゲーム内広告を見たか、有料アイテムを購入したか、チート行為をしたか、過去のゲーム成績、他のプレイヤからの評価、ゲーム放棄(強制切断)をしたか、新規プレイヤ(ネットワークゲームをするのが初めて、あるいはプレイ回数が所定回数以下のプレイヤ)か、体験版を使用しているプレイヤか、観客として参加するプレイヤか、等のデータが含まれる。
【0074】
これにより、ゲームの売り上げに貢献する行動をしたプレイヤや、ゲームプレイの態度の良いプレイヤを優遇することができ、プレイヤにそのような行動・態度を促すことができる。また、ネットワークゲームの運営者側が、優先的にプレイしてゲームの面白さを知ってもらいたいと思うプレイヤを優遇し、新たなプレイヤを獲得しやすくすることができる。
【0075】
本実施例では、プレイヤデータとして、有料アイテムの購入データを使用する場合を例にとって説明する。マッチングサーバMSのプレイヤデータ記憶部206には、各プレイヤの有料アイテム購入データが記憶されている。プレイヤがネットワークを介して有料アイテムを購入するたびに、プレイヤデータ更新部228は、購入された有料アイテムの額に従ったポイントをプレイヤの有料アイテム購入データに加算する。
【0076】
図5はマッチングサーバMSの待ち行列記憶部204に記憶された待ち行列リストの一例である。待ち行列リスト402は、図3のルームRaへの参加待ち行列である。待ち行列記憶部204には、各ルームに対応付けて複数の待ち行列リストが記憶される。
【0077】
待ち行列リスト402には、プレイヤA〜Eの5人のプレイヤが登録されている。ここでは、プレイヤデータである有料アイテム購入データの値が最も高いプレイヤAが待ち行列の先頭に登録され、有料アイテム購入データの最も低いプレイヤEが待ち行列の最後尾に登録されている。
【0078】
この状態で、プレイヤFがルームRaに新たに参加を希望する場合を説明する。プレイヤFの有料アイテム購入データは4000であるとする。
【0079】
プレイヤFから通信部240を介してルームRaへの参加希望を受信すると、受付部222はルーム情報記憶部202に記憶されたルーム情報を参照する。ここでルームRaには既に参加上限人数を満たすプレイヤが参加しているため、受付部222はプレイヤFを待ち行列に加える必要があると判断する。
【0080】
すると、待ち行列管理部228が、待ち行列記憶部204に記憶されている待ち行列リスト402を参照する。プレイヤFの有料アイテム購入データは4000であるため、待ち行列管理部228はプレイヤBとプレイヤCの間、即ち待ち順3番目にプレイヤFを登録し、プレイヤC〜Eの待ち順を1つずつ繰り下げて待ち行列リストを更新する。
【0081】
待ち行列管理部228はまた、タイマー部226が計測した時間に基いて待ち行列リスト402のプレイヤデータを更新する。例えばタイマー部226が1分を計時する度に、待ち行列リストに登録されているプレイヤ全員のプレイヤデータに100ポイントを追加する。このようにすることによって、新たな参加希望プレイヤが次々に待ち行列に登録されることによって、プレイヤデータの値が低いプレイヤがいつまで経ってもルームに参加できなくなるのを防ぐことができる。
【0082】
待ち行列管理部228はまた、待ち行列に登録されているプレイヤの行動に基いて、待ち行列リスト402を更新する。例えば、端末の処理部264が、待ち行列に登録されているプレイヤの端末の表示部268に広告を表示する。そしてプレイヤがその広告を選択して詳細な広告を見た場合、その旨の信号を通信部266がマッチングサーバMSに送信する。その信号を通信部240を介して受信した待ち行列管理部228は、広告を見たプレイヤのプレイヤデータに100ポイントを追加する。そしてポイント追加後の各プレイヤのプレイヤデータを比較し、待ち順が後のプレイヤのプレイヤデータの値が待ち順が前のプレイヤのプレイヤデータの値を上回っていた場合、両者の待ち順を入れ替えて待ち行列リスト402を更新する。
【0083】
待ち行列管理部228はまた、待ち行列記憶部204に記憶された待ち行列の情報を通信部240によって端末に送信する。通信部266を介して待ち情報の情報を受信した端末の処理部264は、当該情報に基づいて待ち行列の状況を表示部268に表示する。表示される情報は例えば、待ち順、プレイヤデータ、予想待ち時間等である。
【0084】
サーバ(ゲーム)の混雑具合、待ち行列の全体数と自分の待ち行列内の位置は、グラフィカルに表示されることが好ましい。プレイヤが視覚的に混雑状況が把握できることで、ただ待たされるというだけよりも不透明感、不信感を減らす効果がある。
【0085】
また同時に時刻による混雑具合を提示することが好ましい。プレイヤが混雑時刻を避けてサーバにアクセスするようになり、混雑時のサーバ負荷の低減、閑散時刻帯の活性化が見込まれる。
【0086】
1−3−4.ルーム退場
前述の通り、ルームに設定された参加上限人数のプレイヤが既に参加している場合、そのルームに新たに参加しようとするプレイヤは、既に参加しているプレイヤがルームから退場するまで入場することができない。ここで、既に参加しているプレイヤが自ら選択するまでルームからの退場が行われないとすると、入場待ちのプレイヤがいつまで経っても入場できなくなるという事態が生じる。このような事態を生じさせないため、所定の条件で既に参加しているプレイヤを強制的にルームから退場させることが望ましい。さらに、プレイヤの特性に応じてゲーム継続条件を決定することとすれば、ゲームの売り上げに貢献する行動をしたプレイヤや、ゲームプレイの態度の良いプレイヤを優遇することができ、プレイヤにそのような行動・態度を促すことができる。また、ネットワークゲームの運営者側が、優先的にプレイしてゲームの面白さを知ってもらいたいと思うプレイヤを優遇し、新たなプレイヤを獲得しやすくすることができる。
【0087】
本実施形態では、各プレイヤに対応付けて記憶されたプレイヤデータに基いて、ルームから強制退場させるプレイヤを決定する仕様を採用した。プレイヤデータとしては、前述と同様に有料アイテムの購入データを用いている。
【0088】
具体的には、ルーム管理部232は、プレイヤデータ記憶部206に記憶された各プレイヤの有料アイテムの購入データ、ゲーム継続条件記憶部210に記憶されたゲーム継続条件テーブルを参照し、ルームに参加したプレイヤのゲーム継続条件を決定し、ルーム情報記憶部202に記憶する。
【0089】
図6はゲーム継続条件テーブルの一例である。この例では、プレイヤデータが0〜2000ポイントのプレイヤのゲーム継続時間は10分である。即ち、プレイヤデータが0〜2000のプレイヤは、ゲーム開始から10分経過したときに強制退場の条件が満たされ、この時点で待ち行列記憶部204に記憶された待ち行列リストにルーム入場待ちプレイヤが登録されていれば、ルームから強制退場させられる。図6の例では、プレイヤデータが増えるに従ってゲーム継続時間も増え、プレイヤデータが8000以上のプレイヤのゲーム継続時間は1時間となっている。
【0090】
タイマー部226は、ルームに入場しゲームを開始したプレイヤ毎のゲームプレイ時間を計時し、ルーム情報記憶部202に記憶する。ルーム管理部232は、待ち行列記憶部204を参照し、待ち行列リストに登録されているプレイヤがいるかどうかを判定する。待ち行列に登録されているプレイヤがいる場合、ルーム管理部232は、ルーム情報記憶部202に記憶されている各プレイヤのゲームプレイ時間を参照する。ルーム情報記憶部202に記憶されているプレイヤの中にゲームプレイ時間がゲーム継続時間を超えているプレイヤがいる場合、そのプレイヤのゲームを終了させ、ルームから強制退場させる。その後、待ち行列に登録されているプレイヤをルームに入場させる。
【0091】
尚、ゲームプレイ時間がゲーム継続時間を超えているプレイヤが複数いる場合は、ルーム管理部232は、超えている時間が最も大きいプレイヤを強制退場させる。また、強制退場させる前に予告表示をして、予告表示から一定時間が経過したときにゲームを終了させ退場処理を行うようにしてもよい。このようにすれば、突然ゲームが終了してプレイヤが不愉快な思いをするのを防ぐことができる。
【0092】
本実施例ではゲーム継続条件としてプレイ時間を例にとって説明したが、ゲーム継続条件はこれに限られない。例えば、プレイヤデータに基いてゲームプレイ回数を決定することとしてもよい。また、プレイヤデータの値そのものを比較して、強制退場させるプレイヤ決定してもよい。また、ゲーム中の状況(ゲーム成績等)に応じてゲーム継続条件を更新するようにしてもよい。これら複数の条件を組み合わせて、強制退場するプレイヤを決定してもよい。
【0093】
強制退場をさせるプレイヤに対して、サーバの混雑具合や待ち行列の量及び自分の滞在時間を表示して提示しておくことが好ましい。混雑しているために長く滞在できないということを明確に知らせることで、強制退場についての不信感を減らすことができる。
【0094】
また同時に時刻による混雑具合を提示することが好ましい。プレイヤが混雑時刻を避けてサーバにアクセスするようになり、混雑時のサーバ負荷の低減、閑散時刻帯の活性化が見込まれる。
【0095】
1−4.処理の流れ
1−4−1.全体の処理
図7はマッチングサーバMSの処理全体の流れを示すフローチャートである。
【0096】
まず、端末からのマッチング要求を受付部222が受け付ける(ステップS602)。すると受付部222は、図3に示すようなルーム情報を端末の表示部268に表示させるため、ルーム情報記憶部202に記憶された情報を端末に送信する(ステップS604)。
【0097】
次に、マッチングサーバMSは、プレイヤがルーム情報記憶部202に記憶された既存ルームに参加を要求しているかどうかを判定する(ステップS606)。具体的には、プレイヤが端末の表示部268に表示された既存ルームを表すアイコン(図3の302〜306)を選択するとその旨の信号が端末からマッチングサーバMSに送信され、その信号を受信したマッチングサーバMSはプレイヤが既存ルームに参加を要求していると判定する(ステップS606:Y)。
【0098】
プレイヤが既存ルームに参加を要求していると判定すると、マッチングサーバMSはルーム入場処理を行う(ステップS608)。一方、プレイヤが既存ルームに参加を要求していないと判定すると(ステップS606:N)、マッチングサーバMSはルーム生成処理を行う(ステップS610)。
【0099】
ルーム入場処理、あるいはルーム生成処理が完了すると、マッチングサーバMSはルームに登録されたプレイヤをネットワークゲーム処理に移行させるゲーム移行処理を行う(ステップS612)。これにより、図1に示すように、同一ルームに登録されたプレイヤ端末間でP2P(ピアツーピア)接続が確立され、マッチングサーバMSを介すことなく端末同士でネットワークゲーム処理が行われる。ネットワークゲーム処理中は、ルームのホストとなっている端末(ルームを生成したプレイヤの端末、またはマッチングサーバMSが選定した端末)のみがマッチングサーバMSと通信を行い、必要な情報(ゲーム状況等)を送信する。
【0100】
ネットワークゲーム処理中に、ルームからの強制退場の条件が成立した場合、マッチングサーバMSのルーム管理部232は、ルームに登録されているプレイヤのうち条件を満たすプレイヤをルームから退場させる処理を行う(ステップS614)。
【0101】
1−4−2.ルーム生成処理
図8はルーム生成処理の流れを示すフローチャートである。
【0102】
マッチングサーバMSはまず、プレイヤが自動ルーム参加を要求しているかどうかを判定する(ステップS702)。具体的には、プレイヤが端末の表示部268に表示された新規作成アイコン(図3の308)を選択するとその旨の信号が端末からマッチングサーバMSに送信され、その信号を受信したマッチングサーバMSはプレイヤが自動ルーム参加を要求していないと判定する(ステップS702:N)。一方、プレイヤが端末の表示部268に表示された自動生成アイコン(図3の310)を選択するとその旨の信号が端末からマッチングサーバMSに送信され、その信号を受信したマッチングサーバMSはプレイヤが自動ルーム参加を要求していると判定する(ステップS702:Y)。
【0103】
プレイヤが自動ルーム参加を要求していないと判定した場合(プレイヤが新規作成アイコンを選択した場合)、マッチングサーバMSのルーム生成部224は、プレイヤによるルーム生成処理を行う(ステップS704)。具体的には、プレイヤが端末を操作して設定した条件(レベル、参加上限人数等)に基いてルームを生成し、ルーム情報記憶部202に登録する。
【0104】
プレイヤが自動ルーム参加を要求していると判定した場合(プレイヤが自動生成アイコンを選択した場合)、マッチングサーバMSのルーム生成部224は、まず、プレイヤのルーム参加条件(レベル、参加上限人数等)の入力を受け付ける。そして、自動ルーム生成待ち情報記憶部208に記憶された当該参加条件の待ち人数に1を加える(ステップS706)。
【0105】
次にルーム生成部224は、自動ルーム生成待ち情報記憶部208を参照し、特定の参加条件の自動ルーム参加待ち人数が所定数以上に達したかどうかを判定する(ステップS708)。そして、所定人数以上に達したと判定された参加条件のルームを自動生成し(ステップS710)、生成したルームをルーム情報記憶部202に登録する。例えば、プレイヤがレベル1、参加上限人数5人という参加条件が自動ルーム生成待ち情報記憶部208に登録されていた場合、当該参加条件で自動ルーム生成を要求するプレイヤが新たに追加された結果参加人数が5人に達したとき、当該参加条件でルームを自動生成する。
【0106】
1−4−3.ルーム入場処理
図9〜図11はルーム入場に関する一連の処理の流れを示すフローチャートである。
【0107】
図9はルーム入場処理の流れを示すフローチャートである。
【0108】
マッチングサーバMSの受付部222は、まず、プレイヤからのルーム選択信号(例えば図3のアイコン302〜306を選択した旨の信号)を受信する(ステップS802)。
【0109】
次に、ルーム情報記憶部202を参照し、プレイヤが選択したルームが入場制限中かどうかを判定する(ステップS804)。入場制限中とは、例えばルームに設定された参加上限人数を満たす人数のプレイヤが既にルームに登録されているため、これ以上新たなプレイヤがルームに入ることができない状態を言う。
【0110】
選択されたルームが入場制限中でないと判定すると(ステップS804:N)、ルーム管理部232がプレイヤを選択したルームに入場させ、ルーム情報記憶部202に登録する(ステップS806)。
【0111】
そしてプレイヤを入場させたルームがゲーム開始条件を満たす場合、ルーム入場処理を終了し(ステップS808:Y)、ゲーム移行処理へ進む(ステップS612)。ここでゲーム開始条件を満たす場合とは、例えばプレイヤをルームに入場させた結果参加人数がゲーム開始に必要な人数に達した場合や、既に参加しているプレイヤ間でゲームが開始されている中に新たなプレイヤが参加する場合等がある。
【0112】
一方、選択されたルームが入場制限中であると判定すると(ステップS804:Y)、マッチングサーバMSはルーム入場待ち処理を行う(ステップS810)。
【0113】
図10はルーム入場待ち処理の流れを示すフローチャートである。
【0114】
待ち行列管理部228は、プレイヤデータ記憶部206に記憶されているプレイヤデータに基いて、プレイヤを待ち行列記憶部204に記憶された待ち行列リストに登録する(ステップS902)。
【0115】
次に待ち行列管理部228は、待ち行列記憶部204に記憶された情報を端末に送信する(ステップS904)。端末の表示部268には、送信された情報に基づいて待ち行列の情報が表示される。
【0116】
次に待ち行列管理部228は、待ち順変更処理を行う(ステップS906)。待ち順変更処理の詳細については後述する。
【0117】
次に待ち行列管理部228は、待ち行列が対応するルームの入場制限が解除されたかどうかを判定する(ステップS908)。具体的には、ルームに既に参加しているプレイヤがルームから退場したため、ルーム参加者が参加上限人数に満たなくなった場合に入場制限が解除される。
【0118】
ルームの入場制限が解除されたと判定すると(ステップS908:Y)、待ち行列管理部228は、待ち行列リストの先頭に登録されているプレイヤを待ち行列リストから削除する。そしてルーム管理部232は、そのプレイヤをルームに入場させルーム情報記憶部202に記憶する(ステップS910)。
【0119】
図11は待ち順変更処理の流れを示すフローチャートである。
【0120】
待ち行列管理部228は、待ち行列に登録されているプレイヤが端末の表示部268に表示された広告画像をクリックしたかどうかを判定する(ステップS1002)。広告画像のクリックがされたと判定すると(ステップS1002:Y)、待ち行列管理部228は、待ち行列記憶部204に記憶された待ち行列リスト中の、広告をクリックしたプレイヤのプレイヤデータを変更する(ステップS1004)。そして変更後の各プレイヤのプレイヤデータを比較し(ステップS1006)、比較結果に基いて待ち順を変更する(ステップS1008)。
【0121】
1−4−4.ルーム退場処理
図12はルーム退場処理の流れを示すフローチャートである。
【0122】
ルーム管理部232は、まず、ルームに入場した全てのプレイヤについて、プレイヤデータ記憶部206に記憶されているプレイヤデータに基いてゲーム継続条件を設定しルーム情報記憶部202に記憶する(ステップS1102)。ゲーム参加条件としては例えばゲームプレイ継続時間がある。
【0123】
次に待ち行列管理部228が待ち行列記憶部204を参照し、ルームに対応付けられた待ち行列リストにプレイヤが登録されているかどうかを判定する(ステップS1104)。
【0124】
待ち行列リストにプレイヤが登録されている場合(ステップS1104:Y)、ルーム管理部232はルーム情報記憶部202を参照し、ルームに既に参加しているプレイヤの中からゲーム継続条件が下位のプレイヤを選択する(ステップS1106)。ゲーム継続条件が下位のプレイヤとは、例えばゲーム継続条件がゲーム継続時間だった場合は、実際のゲームプレイ時間が最も大きくゲーム継続時間を超えているプレイヤを指す。
【0125】
そしてルーム管理部232は、選択したゲーム継続条件が下位のプレイヤに退場予告を通知するための情報を端末に送信し、その後タイマー部226は計時を開始する(ステップS1108)。タイマー部226が所定時間を計時すると、ゲーム継続条件が下位のプレイヤをルームから退場させる(ステップS1110)。具体的には、ルーム管理部232が、ルーム情報記憶部202からゲーム条件が下位のプレイヤの登録を削除する。
【0126】
2.第二実施例
第一実施例ではサーバはマッチング処理のみを行い、ゲーム処理はP2P(ピアツーピア)接続されたゲーム端末が行うシステムを例にとって説明したが、第二実施例ではサーバがゲーム処理も行うシステムを例にとって説明する。
【0127】
近年、サーバ内に仮想空間を構築し、インターネット等の回線を通じて多数のプレイヤが当該サーバに接続し、共通の仮想空間内でアバターと呼ばれる自己の分身キャラクタを行動させる、いわゆるMMORPGや、メタバースと呼ばれるシステムが人気である。
【0128】
このようなシステムにおいても、プレイヤのアクセスをいかに管理するかが課題となっている。特にマッチングサーバシステムと比較して、このようなシステムではサーバや回線にかかる処理負荷が非常に大きくなる。サーバがゲーム処理を行わなければならないためであり、また、多数の端末からアバターの操作信号を受信し、端末に対してゲーム状況データを送信しなければならないからである。従って、サーバや回線の処理負荷を考慮したアクセス管理が求められる。
【0129】
以下、図面を用いて第二実施例について説明する。尚、第一実施例との共通点は省略し、第二実施例に特有の部分を主に説明する。
2−1.ネットワークシステム
図13に本実施例のネットワークゲームシステムの構成例を示す。このネットワークゲームシステムは、複数のゲーム端末g1〜gnと、これらのゲーム端末とネットワーク10を介して接続されるゲームサーバGSを含む。
【0130】
ゲームサーバGSはサーバ内に仮想空間を構築し、ネットワーク10を介してゲーム端末g1〜gnからの信号を受け付け、仮想空間内でのゲーム演算を行う。そしてゲーム演算結果をゲーム端末に送信する。また、ゲーム端末のサーバへのログイン、ログアウト処理を行う。尚、本実施例ではゲームサーバGSを単一のサーバとして説明しているが、ゲームサーバGSは複数のサーバから構成されるサーバ群であってもよい。仮想空間を構成するための情報が増えたり、接続するゲーム端末の数が増えたりすると、単一のサーバでは記憶容量や処理能力が不足するからである。
【0131】
ゲーム端末g1〜gnはそれぞれがネットワーク10を介してゲームサーバGSと接続され、プレイヤの操作情報等のゲーム演算に必要な情報をゲームサーバGSに送信し、また、ゲームサーバGSによるゲーム演算結果を受信し、表示装置にゲーム画像を表示する。ゲーム端末g1〜gnにはゲームサーバGSによる同一のゲーム演算結果が表示されるので、ゲーム端末を操作するプレイヤは共通の仮想空間を共有することができる。尚、ゲーム端末同士を別途直接接続し、特定の情報(メッセージ情報、チャット情報等)についてはゲームサーバGSを介さずに端末間で送受信するようにしてもよい。
【0132】
2−2.装置構成
図14にゲームサーバGS及びゲーム端末のブロック図を示す。尚、ゲームサーバGSやゲーム端末は、図14の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0133】
ゲームサーバGSは記憶部1300、処理部1320、通信部1340を備える。記憶部1300は、ログイン情報記憶部1302、待ち行列記憶部1304、プレイヤデータ記憶部1306、ゲーム継続条件記憶部1308、ゲームデータ記憶部1310を含む。処理部1320は、受付部1322、ログイン管理部1324、タイマー部1326、待ち行列管理部1328、プレイヤデータ更新部1330、処理負荷演算部1332、ゲーム演算部1334、仮想空間生成部1336を含む。
【0134】
2−3.本実施例の特徴的な手法
本実施例の特徴的な手法であるログイン処理について以下説明する。第一実施例では、ルームに設定された参加上限人数に基いてルーム入場を制限したが、本実施例ではサーバや回線の処理負荷に基いてログインを制限する。処理負荷は、例えばサーバのCPU占有率、回線の帯域占有率等を計測することによって求めることができる。
【0135】
ゲームサーバGSの処理負荷演算部1334は、サーバの処理負荷、回線の負荷を所定時間毎に計測する。受付部1322が端末からプレイヤのログイン要求を受け付けると、ログイン管理部1324は処理負荷演算部1332が演算した処理負荷を参照する。処理負荷が予め定められた値以下である場合、ログイン管理部1324はログイン要求をしたプレイヤのログインを許可し、ログイン情報記憶部1302に登録する。一方、処理負荷が予め定められた値を超える場合、ログイン管理部1324はプレイヤをログインさせず、待ち行列記憶部1304に記憶された待ち行列リストにプレイヤを登録する。その際、プレイヤデータ記憶部1306に記憶されたプレイヤデータに基いて、待ち行列の待ち順を決定する。
【0136】
2−4.処理の流れ
2−4−1.全体の処理
図15はゲームサーバGSの処理全体の流れを示すフローチャートである。
【0137】
まず、ゲームサーバGSは、端末からのログイン要求信号を受信し、受付部1322がログインを受け付ける(ステップS1402)。すると受付部1322は、サーバの情報を端末の表示部1368に表示させるため、ログイン情報記憶部1302に記憶された情報を端末に送信する(ステップS1404)。ログイン情報記憶部1302には、ログイン人数、プレイヤの平均ログイン時間等が記憶されている。平均ログイン時間は、各プレイヤがログインしてからログアウトするまでの時間を平均したもので、タイマー部1326がこれを算出する。
【0138】
次に、ゲームサーバGSはログイン要求をしたプレイヤのログイン処理を行う(ステップS1406)。ログイン処理の詳細な流れについては後述する。
【0139】
ログイン処理が完了するとゲーム演算部1334は、ログインしたプレイヤをゲームに参加させゲーム処理を行う(ステップS1408)。
【0140】
ゲーム処理中に、サーバからプレイヤがログアウトすると、ログイン管理部1324は、ログイン情報記憶部1302から当該プレイヤを削除するログアウト処理を行う(ステップS1410)。尚、ログアウトにはプレイヤの要求による任意ログアウトと、所定条件を満たしたプレイヤをログイン管理部1324が強制的にログアウトさせる強制ログアウトがある。強制ログアウトは、待ち行列記憶部1304にログイン待ちプレイヤが登録されている場合に行われる。強制ログアウトされるプレイヤは、ログイン情報記憶部1302に登録されたプレイヤ毎に設定されているゲーム継続条件に基いて決定される。ゲーム継続条件は、プレイヤデータ記憶部1306に記憶されたプレイヤデータ、及びゲーム継続条件記憶部1308に記憶されたゲーム継続条件データに基いて決定される。
【0141】
2−4−2.ログイン処理
図16はログイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0142】
まず、処理負荷演算部1332がサーバの処理負荷、あるいは回線の負荷を計測する(ステップS1502)。そして処理負荷が予め定められた第一の値を超えないとき(ステップS1504:N)、ログイン管理部1324はプレイヤのログインを許可し、ログイン情報記憶部1302にプレイヤを登録する(ステップS1506)。
【0143】
一方、処理負荷が予め定められた第一の値を超えるとき(ステップS1504:Y)、ログイン管理部1324は、プレイヤがゲーム参加者としてログインを要求しているのかゲーム観戦者としてログインを要求しているのかを判定する(ステップS1508)。ここでゲーム参加者とは、自らの操作に従って、サーバ上に構築された仮想空間内でアバターを動作させたり、他のプレイヤとの対戦を行ったりする、直接的にネットワークゲームの結果に関与するプレイヤを言う。一方、ゲーム観戦者とは、直接的にはネットワークゲームの結果には関与せず、ネットワークゲームの状況を観察するだけのプレイヤのことを言う。例えば、自ら操作入力は行わず、仮想空間内に設定された仮想カメラによって撮影された仮想空間の画像を、端末の表示部1368に表示させるのみのプレイヤである。
【0144】
プレイヤがゲーム参加者としてログインを要求していると判定した場合(ステップS1508:Y)、ログイン管理部1324はプレイヤのログインを許可せず、ログイン待ち処理を行う(ステップS1512)。
【0145】
一方、プレイヤがゲーム参加者としてではなくゲーム観戦者としてログインを要求していると判定した場合(ステップS1508:N)、ログイン管理部1324は処理負荷が予め定められた第二の値を超えるかどうかを判定する(ステップS1510)。そして、処理負荷が第二の値を超えると判定した場合(ステップS1510:Y)は、プレイヤのログインを許可せず、ログイン待ち処理を行う(ステップS1512)。一方、処理負荷が第二の値を超えないと判定した場合(ステップS1510:N)は、プレイヤのログインを許可し、ログイン情報記憶部1302にプレイヤを登録する(ステップS1506)。
【0146】
ここで、第二の値は第一の値よりも大きい値(処理負荷が大きいとされる値)である。例えばCPUの占有率で処理負荷を計測する場合、第一の値は80%、第二の値は90%のように設定される。ゲーム参加者に比べゲーム観戦者がサーバや回線にかける負荷は小さいため、ゲーム観戦者はゲーム参加者より負荷の高い状態でもログインさせることができるからである。
【0147】
ログイン待ち処理では、待ち行列管理部1328が、プレイヤデータ記憶手段1306に記憶されたプレイヤデータに基いて、プレイヤを待ち行列記憶部1304に記憶された待ち行列リストに登録する。また、待ち行列管理部1328は、待ち行列リストに登録されたプレイヤの行動に応じて、プレイヤの待ち順を変更する。そしてログイン中のプレイヤがログアウトしたこと等により、処理負荷演算部1332が演算する処理負荷が第一の値を下回ると、待ち行列リストの先頭に登録されているプレイヤのログインを許可する。
【0148】
3.変形例
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用形態がこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更を加えることができる。以下に変形例を説明する。
【0149】
(1)ゲームサーバGSが複数のゲームやサービスを提供している場合、プレイヤが選択したゲームに応じて、ログイン処理やログアウト処理に用いるプレイヤデータを選択するようにしてもよい。
【0150】
(2)マッチングサーバMSやゲームサーバGSの機能の一部を端末が担うようにしてもよい。例えばプレイヤデータ記憶部を端末に設けるようにして、ルーム入場処理、ルーム退場処理、ログイン処理、ログアウト処理でプレイヤデータを使用する場合に、端末からサーバにプレイヤデータを送信するようにしてもよい。
【0151】
(3)本発明はゲームだけでなく、ネットワークを使用したゲーム以外のサービス(例えば通信カラオケや仮想店舗サービス)にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】第一実施例のネットワークシステム構成図
【図2】マッチングサーバMS及び端末のブロック図
【図3】端末に表示されるルーム選択画面の例
【図4】分布図の例
【図5】待ち行列リストの例
【図6】ゲーム継続条件テーブルの例
【図7】第一実施例の全体の処理の流れを説明するフローチャート
【図8】ルーム生成処理の流れを説明するフローチャート
【図9】ルーム入場処理の流れを説明するフローチャート
【図10】ルーム入場待ち処理の流れを説明するフローチャート
【図11】待ち順変更処理の流れを示すフローチャート
【図12】ルーム退場処理の流れを示すフローチャート
【図13】第二実施例のネットワークシステム構成図
【図14】ゲームサーバGS及び端末のブロック図
【図15】第二実施例の全体の処理の流れを説明するフローチャート
【図16】ログイン処理の流れを説明するフローチャート
【符号の説明】
【0153】
10 ネットワーク回線
200 記憶部
202 ルーム情報記憶部
204 待ち行列記憶部
206 プレイヤデータ記憶部
208 自動ルーム生成待ち情報記憶部
210 ゲーム継続条件記憶部
220 処理部
222 受付部
224 ルーム生成部
226 タイマー部
228 待ち行列管理部
230 プレイヤデータ更新部
232 ルーム管理部
240 通信部
262 端末側記憶部
264 端末側処理部
266 端末側通信部
268 表示部
270 操作部
302〜306 ルーム表示アイコン
308 新規作成アイコン
310 自動生成アイコン
402 待ち行列リスト
502 ゲーム継続条件テーブル
1300 記憶部
1302 ログイン情報記憶部
1304 待ち行列記憶部
1306 プレイヤデータ記憶部
1308 ゲーム継続条件記憶部
1310 ゲームデータ記憶部
1320 処理部
1322 受付部
1324 ログイン管理部
1326 タイマー部
1328 待ち行列管理部
1330 プレイヤデータ更新部
1332 処理負荷演算部
1334 ゲーム演算部
1336 仮想空間生成部
1340 通信部
1362 端末側記憶部
1364 端末側処理部
1366 端末側通信部
1368 表示部
1370 操作部

MS マッチングサーバ
Ra、Rb、Rc ルーム
a1〜a5、b1〜b5、c1〜c5 端末
GS ゲームサーバ
g1〜gn 端末


【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、通信回線を介してサーバと接続される複数の端末を有し、
前記サーバは、
複数のルームを記憶するルーム情報記憶部、
前記端末を前記ルーム情報記憶部に記憶されたいずれかのルームに割り当てるルーム管理部、
前記端末から自動ルーム生成信号を受信し、前記自動ルーム生成信号を受信した数が所定数以上に達すると、新たなルームを生成して前記ルーム情報記憶部に登録するルーム生成部を有し、
前記ルーム管理部は、前記ルーム生成部が新たなルームを生成したとき、前記自動ルーム生成信号を送信した端末を当該新たなルームに割り当て、
前記端末は、
自動ルーム生成信号を前記サーバに送信する通信部、
同一のルームに登録された他の端末との間で情報の送受信を行い、所定の処理を実行する処理部を有することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項2】
前記処理部は、さらにルーム生成条件情報の入力を受け付け、
前記ルーム生成部は、前記端末から受信したルーム生成条件毎にルーム生成信号を受信した数をカウントし、所定数以上に達したルーム生成条件のルームを生成することを特徴とする請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記ルーム生成部は、ルーム生成した後にルーム条件の合致する各プレイヤに参加招待を通知することを特徴とする請求項2に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
サーバと、通信回線を介してサーバと接続される複数の端末と、前記複数の端末を所定の単位でグループ登録し、同一グループの端末と協働して所定の処理を実行する処理部とを有するネットワークシステムであって、
前記端末毎に前記所定の処理を実行した継続時間を計測し、前記グループ毎に当該グループに属する各端末の前記継続時間の統計情報を算出するタイマー部、
前記統計情報を表示する表示部を有することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項5】
前記処理部は、同一のサーバにログインした複数の端末をグループ登録し、
前記タイマー部は、各端末がサーバにログインしてからログアウトするまでの時間を前記継続時間として計測することを特徴とする請求項4に記載のネットワークシステム。
【請求項6】
前記サーバは、
複数のルームを記憶するルーム情報記憶部、
端末を前記ルーム情報記憶部に記憶されたいずれかのルームに割り当てるルーム管理部、を有し、
前記処理部は、同一の前記ルームに割り当てられた複数の端末をグループ登録し、
前記タイマー部は、前記端末が前記ルームに割り当てられ前記所定の処理を開始してから前記ルームへの割り当てが解除されるまでの時間を前記継続時間として計測することを特徴とする請求項4に記載のネットワークシステム。
【請求項7】
サーバと、通信回線を介してサーバと接続される複数の端末と、前記複数の端末を所定の単位でグループ登録し、同一グループの端末と協働して所定の処理を実行する処理部とを有するネットワークシステムであって、
前記グループへの参加を要求する信号を端末から受信する通信部、
前記グループが参加制限状態か否かを判定する受付部、
前記受付部が前記グループが参加制限状態であると判定した場合、端末を待ち行列に登録する待ち行列管理部、
前記端末を操作するプレイヤのプレイヤデータを記憶するプレイヤデータ記憶部を有し、
前記待ち行列管理部は、前記プレイヤデータに基いて端末を待ち行列に登録することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項8】
前記受付部は、前記グループに設定された参加上限人数を満たす端末が登録されている場合、当該グループが参加制限状態であると判定することを特徴とする請求項7に記載のネットワークシステム。
【請求項9】
サーバ又は通信回線の負荷を計測する処理負荷演算部をさらに有し、
前記処理部は、同一のサーバにログインしている複数の端末をグループ登録し、
前記受付部は、処理負荷演算部により計測された負荷が所定値を超える場合に参加制限状態であると判定し、当該サーバへのログインを制限することを特徴とする請求項7に記載のネットワークシステム。
【請求項10】
前記待ち行列の状況を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする請求項7〜9に記載のネットワークシステム。
【請求項11】
前記待ち行列管理部は、待ち行列に登録されている端末の操作に基いて、待ち行列を更新することを特徴とする請求項7〜10に記載のネットワークシステム。
【請求項12】
サーバと、通信回線を介してサーバと接続される複数の端末と、前記複数の端末を所定の単位でグループ登録し、同一グループの端末と協働して所定の処理を実行する処理部とを有するネットワークシステムであって、
前記端末を操作するプレイヤのプレイヤデータを記憶するプレイヤデータ記憶部、
前記プレイヤデータに基いて、前記端末毎にグループへの参加継続条件を決定し、当該参加継続条件に基いて前記各端末のグループへの参加を終了させる管理部を有することを特徴とするネットワークゲームシステム。
【請求項13】
前記参加継続条件は参加継続時間であり、
前記管理部は、前記各端末うち、実際の参加時間が前記参加継続時間を最も大きく超過している端末の参加を終了させることを特徴とする請求項12に記載のネットワークシステム。
【請求項14】
前記グループへの参加を要求する信号を端末から受信する通信部、
前記グループが参加制限状態か否かを判定する受付部、
前記受付部が前記グループが参加制限状態であると判定した場合、端末を待ち行列に登録する待ち行列管理部をさらに有し、
前記管理部は、前記待ち行列に登録されている端末がある場合に、グループに参加している端末のグループへの参加を終了させ、待ち行列の先頭に登録されている端末をグループに参加させることを特徴とする請求項12〜13に記載のネットワークシステム。
【請求項15】
複数のルームを記憶するルーム情報記憶部、
通信接続された端末を前記ルーム情報記憶部に記憶されたいずれかのルームに割り当てるルーム管理部、
前記端末から自動ルーム生成信号を受信し、前記自動ルーム生成信号を受信した数が所定数以上に達すると、新たなルームを生成して前記ルーム情報記憶部に登録するルーム生成部を有し、
前記ルーム管理部は、前記ルーム生成部が新たなルームを生成したとき、前記自動ルーム生成信号を送信した端末を当該新たなルームに割り当てることを特徴とするサーバ。
【請求項16】
通信回線を介して接続される複数の端末と情報を送受信する通信部、
所定の単位でグループが形成された端末毎に、同一グループの端末と協働して所定の処理を実行した継続時間を計測し、前記グループ毎に当該グループに属する各端末の前記継続時間の統計情報を算出するタイマー部を有し、
前記通信部は、前記統計情報を表示するための情報を前記端末に送信することを特徴とするサーバ。
【請求項17】
通信回線を介して接続される複数の端末と情報を送受信する通信部、
協働して所定の処理を実行する複数の端末がグループ登録され、前記グループへの参加を要求する信号を前記グループ外の端末から受信したとき、前記グループが参加制限状態か否かを判定する受付部、
前記受付部が前記グループが参加制限状態であると判定した場合、端末を待ち行列に登録する待ち行列管理部、
前記端末を操作するプレイヤのプレイヤデータを記憶するプレイヤデータ記憶部を有し、
前記待ち行列管理部は、前記プレイヤデータに基いて端末を待ち行列に登録することを特徴とするサーバ。
【請求項18】
通信回線を介して接続される複数の端末と情報を送受信する通信部、
前記端末を操作するプレイヤのプレイヤデータを記憶するプレイヤデータ記憶部、
前記プレイヤデータに基いて、所定の単位でグループが形成され協働して所定の処理を実行する複数の端末毎に、グループへの参加継続条件を決定し、当該参加継続条件に基いて前記各端末のグループへの参加を終了させる管理部を有することを特徴とするサーバ。
【請求項19】
サーバを、
通信回線を介して接続される複数の端末と情報を送受信する通信部、
複数のルームを記憶するルーム情報記憶部、
前記端末を前記ルーム情報記憶部に記憶されたいずれかのルームに割り当てるルーム管理部、
前記端末から自動ルーム生成信号を受信し、前記自動ルーム生成信号を受信した数が所定数以上に達すると、新たなルームを生成して前記ルーム情報記憶部に登録するルーム生成部として機能させ、
前記ルーム管理部に、前記ルーム生成部が新たなルームを生成したとき、前記自動ルーム生成信号を送信した端末を当該新たなルームに割り当てる処理を実行させることを特徴とするサーバ制御プログラム。
【請求項20】
サーバを、
通信回線を介して接続される複数の端末と情報を送受信する通信部、
所定の単位でグループが形成された端末毎に、同一グループの端末と協働して所定の処理を実行した継続時間を計測し、前記グループ毎に当該グループに属する各端末の前記継続時間の統計情報を算出するタイマー部として機能させ、
前記通信部に、前記統計情報を表示するための情報を前記端末に送信する処理を実行させることを特徴とするサーバ制御プログラム。
【請求項21】
サーバを、
通信回線を介して接続される複数の端末と情報を送受信する通信部、
協働して所定の処理を実行する複数の端末がグループ登録され、前記グループへの参加を要求する信号を前記グループ外の端末から受信したとき、前記グループが参加制限状態か否かを判定する受付部、
前記受付部が前記グループが参加制限状態であると判定した場合、端末を待ち行列に登録する待ち行列管理部、
前記端末を操作するプレイヤのプレイヤデータを記憶するプレイヤデータ記憶部として機能させ、
前記待ち行列管理部に、前記プレイヤデータに基いて端末を待ち行列に登録する処理を実行させることを特徴とするサーバ制御プログラム。
【請求項22】
サーバを、
通信回線を介して接続される複数の端末と情報を送受信する通信部、
前記端末を操作するプレイヤのプレイヤデータを記憶するプレイヤデータ記憶部、
前記プレイヤデータに基いて、所定の単位でグループが形成され協働して所定の処理を実行する複数の端末毎に、グループへの参加継続条件を決定し、当該参加継続条件に基いて前記各端末のグループへの参加を終了させる管理部として機能させることを特徴とするサーバ制御プログラム。
【請求項23】
複数のルームを記憶するルーム情報記憶部、
通信接続された端末を前記ルーム情報記憶部に記憶されたいずれかのルームに割り当てるルーム管理部を有するサーバの制御方法であって、
前記端末から自動ルーム生成信号を受信するステップ、
前記自動ルーム生成信号を受信した数が所定数以上に達したと判定すると、新たなルームを生成して前記ルーム情報記憶部に登録するステップ、
前記ルーム生成部が新たなルームを生成したとき、前記自動ルーム生成信号を送信した端末を当該新たなルームに割り当てるステップを含むことを特徴とするサーバ制御方法。
【請求項24】
通信回線を介して接続される複数の端末と情報を送受信する通信部を有するサーバの制御方法であって、
所定の単位でグループが形成された端末毎に、同一グループの端末と協働して所定の処理を実行した継続時間を計測するステップ、
前記グループ毎に当該グループに属する各端末の前記継続時間の統計情報を算出するステップ、
前記統計情報を表示するための情報を前記端末に送信するステップを含むことを特徴とするサーバ制御方法。
【請求項25】
通信回線を介して接続される複数の端末と情報を送受信する通信部、
前記端末を操作するプレイヤのプレイヤデータを記憶するプレイヤデータ記憶部を有するサーバの制御方法であって、
前記複数の端末を、協働して所定の処理を実行するグループとして登録するステップ、
前記グループ外の端末から、前記グループへの参加を要求する信号を受信するステップ、
前記グループが参加制限状態か否かを判定するステップ、
前記グループが参加制限状態であると判定した場合、前記プレイヤデータに基いて端末を待ち行列に登録するステップを含むことを特徴とするサーバ制御方法。
【請求項26】
通信回線を介して接続される複数の端末と情報を送受信する通信部、
前記端末を操作するプレイヤのプレイヤデータを記憶するプレイヤデータ記憶部を有するサーバの制御方法であって、
前記複数の端末を、協働して所定の処理を実行するグループとして登録するステップ、
前記プレイヤデータに基いて、前記端末毎に前記グループへの参加継続条件を決定するステップ、
当該参加継続条件に基いて前記各端末の前記グループへの参加を終了させるステップを含むことを特徴とするサーバ制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−233268(P2009−233268A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−86556(P2008−86556)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】