説明

ネットワーク中継装置、ネットワーク中継装置の制御方法、及びネットワークシステム

【課題】リンクアグリゲーショングループ(LAG)に対する待機回線を安定して確保することにより、障害発生後も通信の冗長化を維持する。
【解決手段】ネットワーク中継装置1,2は、ポート1a〜ポート1f、ポート2a〜ポート2f間が複数の物理回線4〜14で接続されている。このうち、2つの物理回線4,6が論理的に束ねられたLAG1を構成し、別の2つの物理回線10,12がLAG2を構成する。LAG1,2に属さない物理回線8,14は待機回線として規定されており、いずれかのLAG1,2内で物理回線(通常回線)に障害が発生すると、いずれかの待機回線を通常回線に変化させてLAGを改めて構成し、障害の発生した回線を新たな待機回線とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リンクアグリゲーション機能を用いて効率的に通信の冗長化を図るためのネットワーク中継装置、ネットワーク中継装置の制御方法、及びネットワークシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、「レイヤ2スイッチ」や「レイヤ3スイッチ」等のネットワーク中継装置には、リンクアグリゲーションと呼ばれる機能を有するものがある。リンクアグリゲーション機能は、複数の物理回線を論理的に束ねたリンクアグリゲーショングループ(Link Aggregation Group、以下「LAG」と略称する。)を構成することで、LAG全体としての帯域幅を拡張したり、いずれかの物理回線に障害が発生した場合の冗長性を確保したりするのに有効な技術である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特に上記の先行技術は、複数のLAGに対して共通の待機回線を備えており、いずれかのLAGに所属する物理回線(通常回線)に障害が発生すると、その障害が発生した回線に代えて待機回線を用いて新たなLAGを再構築することができる。このため先行技術(特許文献1)によれば、1つの物理回線に対して仮想的に複数の待機回線を設定することで、限りある物理ポートを有効に活用しつつ、通信の冗長化を図ることができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−153939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし上記の先行技術では、一度、通信障害の発生により新たなLAGが構築された場合、その後は待機回線としての役割をもつ物理回線が存在しなくなるため、それ以上は通信の冗長性を維持することが困難である。このとき障害が発生した物理回線は、障害からの復旧後にLAGの通常回線として設定し直し、元々の待機回線を再び待機状態に戻せば冗長性は回復する。ただし、こうした作業を行う場合、回線を切り替えている間は一時的にトラフィックが破棄されてしまうため、ネットワークの通信性能を大きく阻害するという問題がある。
【0006】
そこで本発明は、LAGに対する待機回線を安定して確保することにより、障害発生後も通信の冗長化を維持することができる技術の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための第1の発明は、個々に物理回線が接続される複数のポートと、複数のポートとそれぞれ物理回線を通じて接続された他のネットワーク中継装置との間にて、複数あるうちの2以上の物理回線が論理的に束ねられて構成されるリンクアグリゲーショングループを規定するリンクアグリゲーショングループ規定手段と、リンクアグリゲーショングループに属さない1以上の物理回線を待機回線として予め規定し、リンクアグリゲーショングループに属する物理回線に通信の障害が発生した場合、その障害が発生した物理回線に代えて待機回線をその他の物理回線と論理的に束ねて代替のリンクアグリゲーショングループを構成するとともに、障害が発生した物理回線を代替のリンクアグリゲーショングループに対する待機回線として新たに規定するリンクアグリゲーショングループ制御手段とを備えるネットワーク中継装置である。
【0008】
第1の発明によれば、複数ある物理回線について、LAGの通常回線又は待機回線としてのそれぞれの役割を動的に変化させながら使用することができる。すなわち、あるLAG内でいずれかの物理回線に通信の障害が発生した場合、それまで待機回線としての役割が与えられていた回線が代わりに通常回線となり、新たなLAGを代替的に構成することができる。その一方で、通信の障害が発生した物理回線は、その後は待機回線としての役割が自動的に与えられる。待機回線としての役割が与えられた物理回線は、実際に発生した障害から復旧することで、その後は代替のLAGに対する待機回線として正常に利用可能となる。これにより、障害発生後も待機回線としての役割をもつ回線を引き続き確保することができ、LAGに対する通信の冗長化を安定して維持することができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明の構成においてさらに、リンクアグリゲーショングループ制御手段は、リンクアグリゲーショングループに属さない物理回線の中から複数の待機回線を規定するとともに、複数のポートに接続される全ての物理回線に対してそれぞれに固有の優先度を予め規定することで、リンクアグリゲーショングループに含まれる物理回線に通信の障害が発生した場合、複数ある待機回線の中で優先度の高い待機回線を用いて代替のリンクアグリゲーショングループを構成することを特徴とする。
【0010】
第2の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、複数の待機回線が規定された場合であっても、常に整然とLAGの冗長化を実現することができる。すなわち、LAGに属するいずれかの物理回線で通信の障害が発生した場合、複数ある待機回線の中から最も優先度の高い待機回線を選択して代替のLAGを構成することができる。この後、障害の発生した物理回線が新たな待機回線として規定された場合であっても、各物理回線には予め固有の優先度が設定されているため、次の障害発生時はそれぞれの優先度に基づいて整然と代替のLAGを構成することができる。
【0011】
第3の発明は、第2の発明の構成において、リンクアグリゲーショングループ規定手段は、複数のポートとそれぞれ物理回線を通じて接続された他のネットワーク中継装置との間にて、複数あるうちの2以上の物理回線が論理的に束ねられて構成されるリンクアグリゲーショングループを複数の単位で規定し、リンクアグリゲーショングループ制御手段は、複数の単位で規定されたリンクアグリゲーショングループのうち、いずれかのリンクアグリゲーショングループに属する物理回線に通信の障害が発生した場合、複数ある待機回線のうち、優先度の高い待機回線を用いて代替のリンクアグリゲーショングループを構成するとともに、障害が発生した物理回線を複数の単位で規定されたリンクアグリゲーショングループに対する待機回線として新たに規定することを特徴とする。
【0012】
第3の発明は、第2の発明の作用に加えてさらに、障害の発生後も待機回線を継続的に確保しつつ、待機回線を複数のLAGに対して柔軟に対応させることができる。すなわち、待機回線は個々のLAGに対応して規定されているわけではなく、複数のLAGのうちいずれか一つのLAGに属する物理回線に通信の障害が発生した場合、複数の待機回線のうち優先度の高い待機回線がその障害が発生した物理回線に代わって通信を行う。さらに障害が発生した物理回線は、その後の待機回線として動的に設定される。このため、例えば障害が復旧した後に、その他のLAGに属する物理回線で通信の障害が発生した場合、この物理回線に代わってLAGを構成することができる。
【0013】
第4の発明は、リンクアグリゲーション機能を用いたネットワーク中継装置の制御方法である。このネットワーク中継装置の制御方法は以下の工程を備える。
【0014】
〔リンクアグリゲーショングループ規定工程〕
この工程では、複数のポートに対して個々に物理回線が接続されたネットワーク中継装置について、複数のポートとそれぞれ物理回線を通じて接続された他のネットワーク中継装置との間にて、複数あるうちの2以上の物理回線が論理的に束ねられて構成されるリンクアグリゲーショングループを規定する。
【0015】
〔リンクアグリゲーショングループ制御工程〕
この工程では、リンクアグリゲーショングループに属さない1以上の物理回線を待機回線として予め規定し、リンクアグリゲーショングループに属する物理回線に通信の障害が発生した場合、その障害が発生した物理回線に代えて待機回線をその他の物理回線と論理的に束ねて代替のリンクアグリゲーショングループを構成するとともに、障害が発生した物理回線を代替のリンクアグリゲーショングループに対する待機回線として新たに規定する。
【0016】
第4の発明によれば、第1の発明と同様に、複数ある物理回線について、LAGの通常回線又は待機回線としてのそれぞれの役割を動的に変化させながら使用することができる。したがって、障害発生後も複数ある物理回線の中で待機回線としての役割をもつ回線を引き続き確保することができ、LAGに対する通信の冗長化を安定して維持することができる。
【0017】
第5の発明は、第4の発明の構成において、リンクアグリゲーショングループ制御工程では、リンクアグリゲーショングループに属さない物理回線の中から複数の待機回線を規定するとともに、複数のポートに接続される全ての物理回線に対してそれぞれに固有の優先度を予め規定することで、リンクアグリゲーショングループに含まれる物理回線に通信の障害が発生した場合、複数ある待機回線のうち優先度の高い待機回線を用いて代替のリンクアグリゲーショングループを構成することを特徴とする。
【0018】
第5の発明によれば、第4の発明の作用に加えてさらに、リンクアグリゲーショングループ制御工程で複数の待機回線を規定した場合であっても、常に整然とLAGの冗長化を実現することができる。すなわち、先のリンクアグリゲーショングループ規定工程でLAGとして束ねられた複数の物理回線のうち、そのいずれかで通信の障害が発生した場合、複数ある待機回線の中から最も優先度の高い待機回線を選択して代替のLAGを構成することができる。またこの後、障害の発生した物理回線が新たな待機回線として規定された場合であっても、各物理回線には予め固有の優先度が設定されているため、次の障害発生時はそれぞれの優先度に基づいて整然と代替のLAGを構成することができる。
【0019】
第6の発明は、リンクアグリゲーショングループ規定工程では、複数のポートとそれぞれ物理回線を通じて接続された他のネットワーク中継装置との間にて、複数あるうちの2以上の物理回線が論理的に束ねられて構成されるリンクアグリゲーショングループを複数の単位で規定する。そしてリンクアグリゲーショングループ制御工程では、複数の単位で規定されたリンクアグリゲーショングループのうち、いずれかのリンクアグリゲーショングループに属する物理回線に通信の障害が発生した場合、複数ある待機回線のうち、優先度の高い待機回線を用いて代替のリンクアグリゲーショングループを構成するとともに、障害が発生した物理回線を複数の単位で規定されたリンクアグリゲーショングループに対する待機回線として新たに規定することを特徴とする。
【0020】
第6の発明によれば、障害の発生後も待機回線を継続的に確保するとともに、待機回線を複数のLAGに対して柔軟に対応させることができる。すなわち、待機回線は個々のLAGに対応して規定されているわけではなく、複数のLAGのうちいずれか一つのLAGに属する物理回線に通信の障害が発生した場合、複数の待機回線のうち優先度の高い待機回線がその障害が発生した物理回線に代わって通信を行う。さらに障害が発生した物理回線は、その後の待機回線として動的に設定される。このため、例えば障害が復旧した後に、その他のLAGに属する物理回線で通信の障害が発生した場合、この物理回線に代わってLAGを構成することができる。
【0021】
第7の発明は、個々に物理回線が接続される複数のポートを有し、これら複数のポートからそれぞれの物理回線を通じて相互に通信を行う複数のネットワーク中継装置と、複数のネットワーク中継装置の間にて、複数あるうちの2以上の物理回線が論理的に束ねられて構成されるリンクアグリゲーショングループを規定するリンクアグリゲーショングループ規定手段と、リンクアグリゲーショングループに属さない1以上の物理回線を待機回線として予め規定し、リンクアグリゲーショングループに属する物理回線に通信の障害が発生した場合、その障害が発生した物理回線に代えて待機回線をその他の物理回線と論理的に束ねて代替のリンクアグリゲーショングループを構成するとともに、障害が発生した物理回線を代替のリンクアグリゲーショングループに対する待機回線として新たに規定するリンクアグリゲーショングループ制御手段とを備える。
【0022】
第7の発明(ネットワークシステム)によれば、複数のネットワーク中継装置間で互いのポートを接続する複数の物理回線について、LAGの通常回線又は待機回線としてのそれぞれの役割を動的に変化させながら使用することができる。すなわち、ネットワークシステムのあるLAG内でいずれかの物理回線に通信の障害が発生した場合、それまで待機回線としての役割が与えられていた回線が代わりに通常回線となり、新たなLAGを代替的に構成することができる。その一方で、通信の障害が発生した物理回線は、その後は待機回線としての役割が自動的に与えられる。待機回線としての役割が与えられた物理回線は、実際に発生した障害から復旧することで、その後は代替のLAGに対する待機回線として正常に利用可能となる。これにより、障害発生後も待機回線としての役割をもつ回線を引き続き確保することができ、ネットワークシステムにおいてLAGに対する通信の冗長化を安定して維持することができる。
【0023】
第8の発明は、第7の発明の構成において、リンクアグリゲーショングループ制御手段は、リンクアグリゲーショングループに属さない物理回線の中から複数の待機回線を規定するとともに、複数のポートに接続される全ての物理回線に対してそれぞれに固有の優先度を予め規定することで、リンクアグリゲーショングループに含まれる物理回線に通信の障害が発生した場合、複数ある待機回線のうち優先度の高い待機回線を用いて代替のリンクアグリゲーショングループを構成することを特徴とする。
【0024】
第8の発明によれば、第7の発明の作用に加えてさらに、システム内に複数の待機回線が規定されている場合であっても、常に整然とLAGの冗長化を実現することができる。すなわち、LAGに属するいずれかの物理回線で通信の障害が発生した場合、複数ある待機回線の中から最も優先度の高い待機回線を選択して代替のLAGを構成することができる。この後、障害の発生した物理回線が新たな待機回線として規定された場合であっても、各物理回線には予め固有の優先度が設定されているため、次の障害発生時はそれぞれの優先度に基づいて整然と代替のLAGを構成することができる。
【0025】
第9の発明は、第8の発明の構成において、リンクアグリゲーショングループ規定手段は、複数のポートとそれぞれ物理回線を通じて接続された他のネットワーク中継装置との間にて、複数あるうちの2以上の物理回線が論理的に束ねられて構成されるリンクアグリゲーショングループを複数の単位で規定する。またリンクアグリゲーショングループ制御手段は、複数の単位で規定されたリンクアグリゲーショングループのうち、いずれかのリンクアグリゲーショングループに属する物理回線に通信の障害が発生した場合、複数ある待機回線のうち、優先度の高い待機回線を用いて代替のリンクアグリゲーショングループを構成するとともに、障害が発生した物理回線を複数の単位で規定されたリンクアグリゲーショングループに対する待機回線として新たに規定することを特徴とする。
【0026】
第9の発明によれば、第8の発明の作用に加えてさらに、障害の発生後もシステム内で待機回線を継続的に確保しつつ、待機回線を複数のLAGに対して柔軟に対応させることができる。すなわち、システム内の待機回線は個々のLAGに対応して規定されているわけではなく、複数のLAGのうちいずれか一つのLAGに属する物理回線に通信の障害が発生した場合、複数の待機回線の中で優先度の高い待機回線がその障害が発生した物理回線に代わって通信を行う。さらに障害が発生した物理回線は、その後の待機回線として動的に設定される。このため、例えば障害が復旧した後に、その他のLAGに属する物理回線で通信の障害が発生した場合、この物理回線に代わってLAGを構成することができる。これにより、システム内で有限な物理回線を有効に活用して通信の冗長化を実現することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、リンクアグリゲーションの機能を用いて帯域の拡張や通信の冗長性を実現しつつ、その後の状況の変化に合わせて動的に回線ごとの役割を変化させることにより、継続的に安定した通信の冗長性を確保することができる。したがって、障害が発生するたびに作業者や管理者が改めてLAGを再構築したり、待機回線の設定をし直したりする必要がなく、メンテナンスフリーで長期にわたりリンクアグリゲーション機能を活用することができ、その管理負担を大幅に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】ネットワークシステムの構成例を概略的に示す図である。
【図2】ネットワーク中継装置の機能的な構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】各ネットワーク中継装置に実装されたLAG設定テーブルの構成例を示す図である。
【図4】ネットワーク中継装置のLAGに関する制御方法の第1例を示す概念図である。
【図5】制御方法の第1例による書き換え後のLAG設定テーブルの状態を示す図である。
【図6】ネットワーク中継装置のLAGに関する制御方法の第2例を示す概念図である。
【図7】制御方法の第2例による書き換え後のLAG設定テーブルの状態を示す図である。
【図8】リンクアグリゲーショングループ内で通信障害が発生した際にCPUで実行される処理を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態は、(1)ネットワーク中継装置としての形態、(2)ネットワーク中継装置の制御方法としての形態、(3)複数のネットワーク中継装置を含むネットワークシステムとしての形態を含むものとする。
【0030】
〔ネットワークシステムの概要〕
図1は、ネットワークシステムの構成例を概略的に示す図である。ネットワークシステムは、例えば2つのネットワーク中継装置1,2を有している。これらネットワーク中継装置1,2は、例えば広域ネットワーク内でフレームを中継するレイヤ2スイッチ又はレイヤ3スイッチである。なおネットワークシステムには、ネットワーク中継装置1,2の他にも図示しない多数のネットワーク中継装置が含まれており、このようなネットワークシステムは、例えば、広域ネットワークの一部を構成する。
【0031】
各ネットワーク中継装置1,2は、それぞれ複数のポート1a〜1f、ポート2a〜2fを備えている。ここでは例としてネットワーク中継装置1,2に6つずつポート1a〜1f,2a〜2fを示しているが、ネットワーク中継装置1,2はさらに図示しない多数のポートを有していてもよい。ネットワーク中継装置1,2の各ポート1a〜1f,2a〜2fにはそれぞれネットワークケーブル等の物理回線4〜14が接続されており、ネットワーク中継装置1とネットワーク中継装置2とは、複数の物理回線4〜14を通じて互いに接続されている。また各ネットワーク中継装置1,2は、図示しない別のポートが別の物理回線を通じて図示しない他のネットワーク中継装置に接続されている。
【0032】
〔リンクアグリゲーショングループ〕
ネットワークシステムにおいて、2つのネットワーク中継装置1,2の間を接続する複数ある物理回線4〜14のうち、2つの物理回線4,6が論理的に束ねられて1つのリンクアグリゲーショングループ(Link Aggregation Group、以下「LAG」と略称する。)1を構成している。この他にも、例えば複数あるうちの2つの物理回線10,12が論理的に束ねられて別のLAG2を構成している。公知のようにLAG1,2においては、それぞれ2つの物理回線4,6又は物理回線10,12が1つの論理回線として機能することにより、その帯域幅を単一の場合よりも増大することができる。
【0033】
また本実施形態では、2つのLAG1,2についてそれぞれ冗長性が確保されている。すなわち本実施形態では、いずれのLAG1,2にも属していない物理回線8がLAG1,2に対する「待機回線」として予め規定(確保)されている。この物理回線8(待機回線)は、LAG1,2に属する物理回線4,6又は物理回線10,12がいずれも正常に通信可能な状態ではデータの送受信を行わないが、物理回線4,6又は物理回線10,12のいずれかで通信の障害(例えば断線、ポートの故障等)が発生した場合、その障害が発生した物理回線(符号の特定はない)に代わって通常回線に移行する。なお、ここでは物理回線8を複数のLAG1,2に対する待機回線として共通化する例を挙げているが、いずれのLAG1,2にも属さない他の物理回線14を別の待機回線として用いることもできる。また、LAG1,2の冗長構成についてはさらに具体例を挙げて後述する。
【0034】
図2は、ネットワーク中継装置1,2の機能的な構成を概略的に示すブロック図である。
ネットワーク中継装置1,2は、それぞれフレームの中継に必要な構成として、例えばインターフェース制御部20、メモリ22及びCPU(Central Processing Unit)24を備えている。インターフェース制御部20は、各ネットワーク中継装置1,2が有する複数のポート(参照符号1a,1b,・・・等)でのフレームの入出力を制御している。またメモリ22は、RAM等のメモリデバイスにより構成されており、そのメモリ領域内にLAG設定テーブル22aが構築されている。本実施形態では、CPU24がLAG設定テーブル22aを用いてLAG1,2に関する制御を実行することができる。なおメモリ22には、フレームの中継(転送)に必要なFDB(Forwarding Data Base)も構築されている(特に図示していない)。
【0035】
CPU24は、上記のようにネットワーク中継装置1,2によるフレームの中継動作を制御するほか、LAG設定テーブル22aに基づいてLAG1,2に対応する各ポート(1a,1b,・・・等)の状態を制御する。これに伴い、一方のネットワーク中継装置1では、複数あるポート(参照符号1a,1b,・・・等)のうち、例えば予め2つのポート1a,1bがLAG1に属する通常ポートとして設定され、さらに他の2つのポート1d,1eがLAG2に属する通常ポートとして設定される。また他方のネットワーク中継装置2でも、複数あるポート(参照符号2a,2b,・・・等)のうち、例えば予め2つのポート2a,2bがLAG1に属する通常ポートとして設定され、さらに他の2つのポート2d,2eがLAG2に属する通常ポートとして設定される。これにより、2つのネットワーク中継装置1,2間では、2つの物理回線4,6がLAG1の通常回線となり、他の2つの物理回線10,12がLAG2の通常回線となる。
【0036】
またCPU24はLAG設定テーブル22aに基づき、各LAG1,2に対する待機ポートを設定する。すなわち、各ネットワーク中継装置1,2において、LAG1,2のいずれにも属さないポート1c,2cが待機ポートとして設定される。これにより、2つのネットワーク中継装置1,2間では、待機ポート1c,2c間を接続する物理回線8がLAG1,2に対する待機回線として規定される。また本実施形態では、LAG1,2に対する待機回線を複数に規定することもでき、この場合、障害発生時にはLAG設定テーブル22aに定められた「待機状態優先度」の高い順に待機回線から通常回線へ移行させる制御が行われる。なお「待機状態優先度」については、LAG設定テーブル22aの例とともに後述する。
【0037】
本実施形態ではCPU24の機能を用いてLAG1,2に関する制御を実行しているが、LAG1,2の制御に関する機能は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路を用いた専用ハードウェアとして実現されていてもよい。
【0038】
〔LAG設定テーブル〕
図3は、LAG設定テーブル22aの構成例を示す図である。このうち、図3中(A)が一方のネットワーク中継装置1のLAG設定テーブル22aに対応し、図3中(B)が他方のネットワーク中継装置2のLAG設定テーブル22aに対応する。2つのネットワーク中継装置1,2は、互いに対になったLAG設定テーブル22aを用いるものとする。
【0039】
LAG設定テーブル22aは、例えば「Group」の欄、「Group所属ポート及び待機状態時の優先度」の欄、「LAG ID」の欄、及び「LAG所属ポート」の欄により構成されている。また「Group所属ポート及び待機状態時の優先度」の欄は、さらに「ポート」の欄と「待機状態時優先度」の欄とに分けられる。「ポート」の欄には、各ポート番号(ここでは参照符号1a〜1f,2a〜2f)が示されており、これに対応して「待機状態時優先度」の欄には、各ポート1a〜1f,2a〜2fが「待機ポート」に設定された場合、いずれのポート1a〜1f,2a〜2fから先に「通常ポート」へ移行させるかの優先度を定めた値が示されている。この優先度を表す値には、例えば優先度の高い順に「1」〜「6」が割り当てられている。以下、より具体的に説明する。
【0040】
〔図3中(A):ネットワーク中継装置1のテーブル〕
ネットワーク中継装置1のLAG設定テーブル22aは、「Group」の欄にグループ番号として「1(=グループ1)」が定められており、この「グループ1」にはポート1a〜1fが所属している。また「待機状態時優先度」の欄には、各ポート1a〜1fの優先度として「1」〜「6」が予め規定されている。
【0041】
次に「LAG ID」の欄には、LAG番号として「LAG1」及び「LAG2」が規定されている。また、「LAG1」,「LAG2」のLAG番号に対応して、それぞれ予め所属する物理ポート番号が「LAG所属ポート」の欄に規定されている。この例では、「LAG1」に所属する物理ポート番号としてポート1a,1bが規定されており、「LAG2」に所属する物理ポート番号としてポート1d,1eが規定されている。
【0042】
さらに、「LAG ID」の欄には「待機」を表す値が規定されている。「待機」を表す値は、これに対応する物理ポート番号を「待機ポート」に設定することを意味している。したがってこの例では、2つのポート1c,1fが「待機ポート」として設定されることになる。このとき「待機状態時優先度」の値を参照すると、ポート1cの方がポート1fよりも優先度が高いことが分かる。このため、例えばLAG1に所属するポート1aでの通信に障害が発生した場合、このポート1aに代わって優先度の高いポート1cがLAG1の通常ポートに移行されることになる。
【0043】
〔図3中(B):ネットワーク中継装置2のテーブル〕
ネットワーク中継装置2のLAG設定テーブル22aは、ネットワーク中継装置1のLAG設定テーブル22aと対になっている。したがって、ここでも「グループ1」にポート2a〜2fが所属しており、これらポート2a〜2fの「待機状態時優先度」はそれぞれ「1」〜「6」である。
【0044】
また、「LAG1」に所属する物理ポート番号はポート2a,2bであり、「LAG2」に所属する物理ポート番号はポート2d,2eである。同様に、2つのポート2c,2fが「待機ポート」に設定されており、このとき「待機状態時優先度」の値はポート2cの方がポート2fよりも高い。
【0045】
〔制御方法の第1例〕
図4は、ネットワーク中継装置1,2のLAG1,2に関する制御方法の第1例を示す概念図である。制御方法の第1例は、ネットワーク中継装置1,2間にLAG1,2が構成されている状態で、LAG1内に通信の障害が発生した場合を想定している。
【0046】
初期の状態(正常時)において、上記のように各ネットワーク中継装置1,2のLAG設定テーブル22aに基づき、2つのLAG1,2が構成されている(リンクアグリゲーショングループ規定工程)。
【0047】
図4中(A):物理回線4に何らかの通信障害が発生した場合、ネットワーク中継装置1,2の各CPU24は、「待機ポート」に設定されているポート1c,2c及びポート1f,2fのうち、それぞれ「待機状態時優先度」が高い方のポート1c,2cをLAG1に属する「通常ポート」に移行させる。これにより、ネットワーク中継装置1,2のLAG設定テーブル22aにおいて、「LAG1」に属するポート番号は、それぞれポート1b,1c、ポート2b,2cに書き換えられる。
【0048】
図4中(B):そして、2つのネットワーク中継装置1,2間では、それまで「待機回線」であった物理回線8がLAG1に属する「通常回線」に切り替わることで、新たに2つの物理回線6,8を論理的に束ねたLAG1が代替的に構成される。また、ネットワーク中継装置1,2の各CPU24はLAG設定テーブル22aの値を書き換え、障害が発生した物理回線4に対応するポート1a及びポート2aをそれぞれ新たな「待機ポート」に設定する。これにより、通信障害が発生した物理回線4は、その障害から復旧すると、今度はLAG1,2に対する「待機回線」として用いられる(リンクアグリゲーショングループ制御工程)。
【0049】
図5は、制御方法の第1例による書き換え後のLAG設定テーブル22aの状態を示す図である。このうち図5中(A)がネットワーク中継装置1に対応し、図5中(B)がネットワーク中継装置2に対応する。以下、書き換えに伴う変更点について説明する。
【0050】
図5中(A):一方のネットワーク中継装置1では、「LAG1」に所属するポート番号は、障害発生前の「ポート1a,1b」から「ポート1b,1c」に変更されている。また、このとき「待機」に該当するポート番号は、障害発生前の「ポート1c,1f」から「ポート1a,1f」に変更されており、これにより、新たにポート1aが「待機ポート」として規定されたことが分かる。なお「待機状態時優先度」は、ポート1aの値が「1」であり、ポート1fの値が「6」であることから、次の障害発生時にはポート1aが優先して「通常ポート」に移行され、これ以降もポートの属性は動的に変化することになる。
【0051】
図5中(B):他方のネットワーク中継装置2においても、「LAG1」に所属するポート番号が障害発生前の「ポート2a,2b」から「ポート2b,2c」に変更されていることが分かる。また「待機」に該当するポート番号は、障害発生前の「ポート2c,2f」から「ポート2a,2f」に変更されており、一方のネットワーク中継装置1と対応して新たにポート2aが「待機ポート」として規定されたことが分かる。「待機状態時優先度」についても同様に、ポート2aの値が「1」であり、ポート2fの値が「6」であることから、次の障害発生時にはポート2aが優先して「通常ポート」に移行されることで、やはりポートの属性は動的に変化する。
【0052】
〔制御方法の第2例〕
次に図6は、ネットワーク中継装置1,2のLAG1,2に関する制御方法の第2例を示す概念図である。制御方法の第2例は、先の第1例でLAG1が代替的に構成された状態で、今度はLAG2内に通信の障害が発生した場合を想定している。なお、第1例で障害が発生した物理回線4については、その後の復旧作業により正常化されているものとする。
【0053】
障害の発生前(正常時)において、図5に示される書き換え後のLAG設定テーブル22aに基づき、ネットワーク中継装置1,2間に2つのLAG1,2が構成されている(リンクアグリゲーショングループ規定工程)。このうちLAG1は、上記の第1例を通じて初期の状態から代替的に構成されたものである。
【0054】
図6中(A):LAG2に属する物理回線12に何らかの通信障害が発生した場合、ネットワーク中継装置1,2の各CPU24は、「待機ポート」に設定されているポート1a,2a及びポート1f,2fのうち、それぞれ「待機状態時優先度」が高い方のポート1a,2aをLAG2に属する「通常ポート」に移行させる。これにより、ネットワーク中継装置1,2のLAG設定テーブル22aにおいて、「LAG2」に属するポート番号は、それぞれポート1a,1a、ポート2d,2dに書き換えられる。
【0055】
図6中(B):そして、2つのネットワーク中継装置1,2間では、それまで「待機回線」であった物理回線4がLAG2に属する「通常回線」に切り替わることで、今度は新たに2つの物理回線4,10を論理的に束ねたLAG2が代替的に構成される。また、ネットワーク中継装置1,2の各CPU24はLAG設定テーブル22aの値を書き換え、障害が発生した物理回線12に対応するポート1e及びポート2eをそれぞれ新たな「待機ポート」に設定する。これにより、通信障害が発生した物理回線12は、その障害から復旧すると、今度はLAG1,2に対する「待機回線」として用いられる(リンクアグリゲーショングループ制御工程)。
【0056】
図7は、制御方法の第2例による書き換え後のLAG設定テーブル22aの状態を示す図である。このうち図7中(A)がネットワーク中継装置1に対応し、図7中(B)がネットワーク中継装置2に対応する。以下、制御方法の第2例による書き換えに伴う変更点について説明する。
【0057】
図7中(A):一方のネットワーク中継装置1では、「LAG2」に所属するポート番号は、障害発生前の「ポート1d,1e」から「ポート1a,1d」に変更されている。また、このとき「待機」に該当するポート番号は、障害発生前の「ポート1a,1f」から「ポート1e,1f」に変更されており、これにより、新たにポート1eが「待機ポート」として規定されたことが分かる。なお「待機状態時優先度」は、ポート1eの値が「5」であり、ポート1fの値が「6」であることから、次の障害発生時にはポート1eが優先して「通常ポート」に移行され、これ以降もポートの属性は動的に変化することになる。
【0058】
図7中(B):他方のネットワーク中継装置2においても、「LAG2」に所属するポート番号が障害発生前の「ポート2d,2e」から「ポート2a,2d」に変更されていることが分かる。また「待機」に該当するポート番号は、障害発生前の「ポート2a,2f」から「ポート2e,2f」に変更されており、一方のネットワーク中継装置1と対応して新たにポート2eが「待機ポート」として規定されたことが分かる。「待機状態時優先度」についても同様に、ポート2eの値が「5」であり、ポート2fの値が「6」であることから、次の障害発生時にはポート2eが優先して「通常ポート」に移行され、やはりポートの属性は動的に変化していくことになる。
【0059】
図8は、リンクアグリゲーショングループ内で通信障害が発生した際にCPU24で実行される処理を概略的に示すフローチャートである。ネットワーク中継装置1,2の各CPU24は、現在使用中であるLAG1,2内でいずれかの物理回線に通信の障害(リンクダウン)が発生したことを検知すると、以下の制御処理を実行する。
【0060】
ステップS100:先ずCPU24は、メモリ22に格納されているLAG設定テーブル22aを参照し、通信障害の発生が検知されたポートの所属する「グループ番号」及び「LAG ID」をそれぞれ特定する。なお、本実施形態ではLAG設定テーブル22a中に「グループ1」だけを挙げているが、実際の物理ポートが十数〜数十個ある場合、その他にLAG設定テーブル22a中に「グループ2」,「グループ3」,・・・,「グループN」が設定されていてもよい。この場合、LAG設定テーブル22aでは1つのグループに対し、それぞれ5〜6のポートが割り当てられる。そしてCPU24は、実際に通信障害の発生が検知されたポートの所属するグループ番号(1〜Nのいずれか)を特定した上で、以下の手順を実行する。
【0061】
ステップ102:次にCPU24は、上記のグループ内で「待機」に設定されているポートのうち、待機状態優先度の高いポートを特定し、このポートを通信障害の発生しているポートに代えて通常ポートに移行させる。これにより、LAG設定テーブル22a上で「LAG ID」に所属するポート番号が書き換えられることとなる。またこれに伴い、実際に障害の発生した物理回線に代わって「待機回線」が「通常回線」に変更され、LAGを構成する物理回線の組み合わせが変化する。
【0062】
ステップS104:合わせてCPU24は、このとき通信障害の発生が検知されたポートを新たな「待機ポート」に設定する。これにより、LAG設定テーブル22a上で「待機」に該当するポート番号が書き換えられることになる。またこれに伴い、障害の発生した物理回線は、その復旧作業後に「待機回線」として利用可能となる。
【0063】
このように本実施形態では、LAGを構成するいずれかの物理回線で通信の障害が発生すると、「待機回線」を「通常回線」に変更して代替のLAGが構築される。またこれに伴い、各ネットワーク中継装置1,2では新たな「待機ポート」が動的に設定される。このとき障害が発生した物理回線は、その後の復旧作業を経て「待機回線」として利用可能になることから、引き続き代替後のLAGに対する冗長性を確保することができる。
【0064】
また、LAG1又はLAG2の「通常ポート」に設定されているいずれかのポートで通信障害が発生すると、そのポートに対する「通常ポート」としての設定が自動的に解除されるとともに、その後は「待機ポート」としての設定が動的に割り当てられる。そして、実際に障害が発生したポートは、その復旧後に「待機ポート」の設定が維持される。したがって、2つのネットワーク中継装置1,2間で「待機回線」が使い果たされてしまうことがなく、常に冗長性を確保してリンクアグリゲーション機能を効果的に発揮することができる。
【0065】
また本実施形態では、各ネットワーク中継装置1,2のLAG設定テーブル22a上でそれぞれ2つのポートを「待機ポート」に設定しているが、「待機ポート」の設定は1つだけでもよい。この場合、1つの物理回線を複数のLAG1,2に対する「待機回線」として利用可能であることから、「待機回線」として確保しておく物理回線の本数(「待機ポート」に設定するポート数)を少なくすることができる。
【0066】
本発明は、上述した実施形態に制約されることなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々に変更して実施できる。例えば、通信障害が発生して「待機ポート」が「通常ポート」に変更された場合、LAG設定テーブル22a上で待機状態優先度の値を再構成してもよい。例えば、制御方法の第1例(図4,図5)において、それまで「待機」に設定されていたポート1f,2fの優先度を「6」から「5」に変更し、新たに「待機」に設定されたポート1a,2aの優先度を「1」から「6」に変更してもよい。この場合、次の障害発生時はポート1f,2fが優先して「通常ポート」に変更されることから、「待機ポート」に設定される物理的なポートの入れ替え(ローテーション)が可能になる。
【符号の説明】
【0067】
1,2 ネットワーク中継装置
1a〜1f,2a〜2f ポート
4,6,8,10,12,14 物理回線
22 メモリ
22a LAG設定テーブル
24 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々に物理回線が接続される複数のポートと、
前記複数のポートとそれぞれ前記物理回線を通じて接続された他のネットワーク中継装置との間にて、複数あるうちの2以上の前記物理回線が論理的に束ねられて構成されるリンクアグリゲーショングループを規定するリンクアグリゲーショングループ規定手段と、
前記リンクアグリゲーショングループに属さない1以上の前記物理回線を待機回線として予め規定し、前記リンクアグリゲーショングループに属する前記物理回線に通信の障害が発生した場合、その障害が発生した前記物理回線に代えて前記待機回線をその他の前記物理回線と論理的に束ねて代替のリンクアグリゲーショングループを構成するとともに、前記障害が発生した前記物理回線を前記代替のリンクアグリゲーショングループに対する前記待機回線として新たに規定するリンクアグリゲーショングループ制御手段と
を備えるネットワーク中継装置。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワーク中継装置において、
前記リンクアグリゲーショングループ制御手段は、
前記リンクアグリゲーショングループに属さない前記物理回線の中から複数の前記待機回線を規定するとともに、前記複数のポートに接続される全ての前記物理回線に対してそれぞれに固有の優先度を予め規定することで、前記リンクアグリゲーショングループに属する前記物理回線に通信の障害が発生した場合、複数ある前記待機回線の中で優先度の高い前記待機回線を用いて前記代替のリンクアグリゲーショングループを構成することを特徴とするネットワーク中継装置。
【請求項3】
請求項2に記載のネットワーク中継装置において、
前記リンクアグリゲーショングループ規定手段は、
前記複数のポートとそれぞれ前記物理回線を通じて接続された他のネットワーク中継装置との間にて、複数あるうちの2以上の前記物理回線が論理的に束ねられて構成される前記リンクアグリゲーショングループを複数の単位で規定し、
前記リンクアグリゲーショングループ制御手段は、
前記複数の単位で規定されたリンクアグリゲーショングループのうち、いずれかの前記リンクアグリゲーショングループに属する前記物理回線に通信の障害が発生した場合、複数ある前記待機回線のうち、優先度の高い前記待機回線を用いて前記代替のリンクアグリゲーショングループを構成するとともに、前記障害が発生した前記物理回線を前記複数の単位で規定されたリンクアグリゲーショングループに対する前記待機回線として新たに規定することを特徴とするネットワーク中継装置。
【請求項4】
複数のポートに対して個々に物理回線が接続されたネットワーク中継装置について、前記複数のポートとそれぞれ前記物理回線を通じて接続された他のネットワーク中継装置との間にて、複数あるうちの2以上の前記物理回線が論理的に束ねられて構成されるリンクアグリゲーショングループを規定するリンクアグリゲーショングループ規定工程と、
前記リンクアグリゲーショングループに属さない1以上の前記物理回線を待機回線として予め規定し、前記リンクアグリゲーショングループに属する前記物理回線に通信の障害が発生した場合、その障害が発生した前記物理回線に代えて前記待機回線をその他の前記物理回線と論理的に束ねて代替のリンクアグリゲーショングループを構成するとともに、前記障害が発生した前記物理回線を前記代替のリンクアグリゲーショングループに対する前記待機回線として新たに規定するリンクアグリゲーショングループ制御工程と
を備えるネットワーク中継装置の制御方法。
【請求項5】
請求項4に記載のネットワーク中継装置の制御方法において、
前記リンクアグリゲーショングループ制御工程では、
前記リンクアグリゲーショングループに属さない前記物理回線の中から複数の前記待機回線を規定するとともに、前記複数のポートに接続される全ての前記物理回線に対してそれぞれに固有の優先度を予め規定することで、前記リンクアグリゲーショングループに含まれる前記物理回線に通信の障害が発生した場合、複数ある前記待機回線の中で優先度の高い前記待機回線を用いて前記代替のリンクアグリゲーショングループを構成することを特徴とするネットワーク中継装置の制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載のネットワーク中継装置の制御方法において、
前記リンクアグリゲーショングループ規定工程では、
前記複数のポートとそれぞれ前記物理回線を通じて接続された他のネットワーク中継装置との間にて、複数あるうちの2以上の前記物理回線が論理的に束ねられて構成される前記リンクアグリゲーショングループを複数の単位で規定し、
前記リンクアグリゲーショングループ制御工程は、
前記複数の単位で規定されたリンクアグリゲーショングループのうち、いずれかの前記リンクアグリゲーショングループに属する前記物理回線に通信の障害が発生した場合、複数ある前記待機回線のうち、優先度の高い前記待機回線を用いて前記代替のリンクアグリゲーショングループを構成するとともに、前記障害が発生した前記物理回線を前記複数の単位で規定されたリンクアグリゲーショングループに対する前記待機回線として新たに規定することを特徴とするネットワーク中継装置の制御方法。
【請求項7】
個々に物理回線が接続される複数のポートを有し、これら複数のポートからそれぞれの前記物理回線を通じて相互に通信を行う複数のネットワーク中継装置と、
前記複数のネットワーク中継装置の間にて、複数あるうちの2以上の前記物理回線が論理的に束ねられて構成されるリンクアグリゲーショングループを規定するリンクアグリゲーショングループ規定手段と、
前記リンクアグリゲーショングループに属さない1以上の前記物理回線を待機回線として予め規定し、前記リンクアグリゲーショングループに属する前記物理回線に通信の障害が発生した場合、その障害が発生した前記物理回線に代えて前記待機回線をその他の前記物理回線と論理的に束ねて代替のリンクアグリゲーショングループを構成するとともに、前記障害が発生した前記物理回線を前記代替のリンクアグリゲーショングループに対する前記待機回線として新たに規定するリンクアグリゲーショングループ制御手段と
を備えたネットワークシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のネットワークシステムにおいて、
前記リンクアグリゲーショングループ制御手段は、
前記リンクアグリゲーショングループに属さない前記物理回線の中から複数の前記待機回線を規定するとともに、前記複数のポートに接続される全ての前記物理回線に対してそれぞれに固有の優先度を予め規定することで、前記リンクアグリゲーショングループに含まれる前記物理回線に通信の障害が発生した場合、複数ある前記待機回線の中で優先度の高い前記待機回線を用いて前記代替のリンクアグリゲーショングループを構成することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のネットワークシステムにおいて、
前記リンクアグリゲーショングループ規定手段は、
前記複数のポートとそれぞれ前記物理回線を通じて接続された他のネットワーク中継装置との間にて、複数あるうちの2以上の前記物理回線が論理的に束ねられて構成される前記リンクアグリゲーショングループを複数の単位で規定し、
前記リンクアグリゲーショングループ制御手段は、
前記複数の単位で規定されたリンクアグリゲーショングループのうち、いずれかの前記リンクアグリゲーショングループに属する前記物理回線に通信の障害が発生した場合、複数ある前記待機回線のうち、前記優先度の高い前記待機回線を用いて前記代替のリンクアグリゲーショングループを構成するとともに、前記障害が発生した前記物理回線を前記複数の単位で規定されたリンクアグリゲーショングループに対する前記待機回線として新たに規定することを特徴とするネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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