説明

ネットワーク制御システム及び管理サーバ

【課題】 本発明が解決しようとする課題は、余剰帯域の観測のために余計な通信を発生させず、物理帯域の利用率を向上させつつ、データセンタ内に構築したシステムのデータ転送時間を最小化することである。
【解決手段】 テナントの情報処理システム構成するサーバの通信フローと、各通信フローが経由する物理的な通信経路を管理する。さらに、物理的な通信経路の各インタフェースの帯域利用率と、各通信フローの帯域利用率とを監視し、各利用率に応じて通信フローに適用する制御方法を変更することで、データ転送時間を最小化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IP(Internet Protocol)ネットワークにおけるネットワークリソースの性能保証及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サーバ、ストレージ、ネットワーク等のITリソースをデータセンタに集約し、テナントの要求に応じたリソースを仮想的に割り当てるクラウドサービスが普及しつつある。現状のクラウドサービスでは、サーバのCPUコア数、ストレージの容量は指定可能であるが、ネットワークの帯域の指定はできない。
【0003】
現状のデータセンタのネットワーク設計では、ネットワークが混雑しないように物理帯域に対して余剰帯域を多くとり、物理帯域の利用率が低くなるように設計するため、設備コストが高くなっている。設備コストを削減すると、物理帯域の利用率が高くなり、ネットワークが混雑しやすくなる。その結果、遅延やパケットロスが発生し、データセンタ内に構築したシステムのデータ転送時間が長くなる。
【0004】
IPネットワークにおいて、ネットワークの帯域保証を行うためのネットワーク制御技術として、DifffServやシェーパ(シェーピング)が知られている。このようなネットワーク制御技術は広域ネットワークへの出口や、通信事業者が提供する広域ネットワークで使用されており、広域ネットワークを利用するテナントの拠点ネットワークや、データセンタ内のネットワークではネットワーク制御はほとんど行われていない。
【0005】
DiffServAF(Assured Forwarding)は、最低帯域を保証するネットワークへのエッジノードで帯域の監視及びIPパケットのマーキングを行い、コアノードではIPパケットにマーキングされた優先度に従い、優先制御を行う。エッジノードで監視帯域を超えるIPパケットを検出した場合、エッジノードではIPパケットの廃棄は行わず、優先度を低くまたは非優先にマーキングを行う。コアノードでは、IPパケットにマーキングされた優先度に従い優先制御を行うため、ネットワークが混雑している場合は、非優先または優先度の低いIPパケットから廃棄され、優先度の高いIPパケットを優先的に転送することができる(非特許文献1)。
【0006】
トラフィックシェーピングでは、スイッチやルータ等の通信装置にバッファを持たせ、入力帯域が設定した出力帯域を超える場合は、バッファで送信タイミングを遅らせ、出力帯域を一定に制限する。シェーパに設定した出力帯域に対して入力帯域が大きく、通信装置のバッファ量を超える場合は、シェーパでパケットが廃棄される。
【0007】
特開2004−343227公報(特許文献1)には、ベストエフォート型のネットワークにおいて、使用可能な帯域をpingの応答パケットにより測定し、測定した帯域に合わせてシェーパの出力帯域を自動的に制御する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−343227公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】S.Blake, D. L. Black, M.A.Carlson, E. Davies, Z. Wang, and W.Weiss, “An architecture for differentiated services,” RFC2475, IETF, Dec. 1998.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
DiffServAFサービスでは、ネットワークが空いているときには、利用されていない余剰帯域を利用できるため、ネットワークにおけるデータ転送時間を短くすることができる。一方、ネットワーク混雑時は、エッジノードで優先度を低くマーキングしたIPパケットまたは非優先にマーキングしたIPパケットから廃棄される。TCP(Transport Control Protocol)は、送信したIPパケットの損失を検出し、再送を行うため、データ転送時間が長くなる。WEBシステムのように、1回の通信量が少ない場合でも、短時間に複数のセッションが発生することにより、同様の問題が発生し、平均的なデータ転送時間が長くなる。
【0011】
DiffServAFサービスにおいて、帯域監視を行うよりも前にシェーピングを行うことで、エッジノードで優先度が低くマーキングされる、または非優先にマーキングされることを防止し、コアノードでのIPパケットの廃棄を削減することができる。しかし、シェーパを併用した場合、ネットワークがすいており余剰帯域を利用可能な状況でも、シェーパに設定した出力帯域までしか通信に利用できないため、データ転送時間を短くすることができない。
【0012】
特開2004−343227公報に記載の技術では、利用可能な帯域をPingによる応答パケットで計測した場合、使用可能な帯域を観測するためのPingによる応答パケットによって帯域が消費されるため、データセンタに構築した情報処理システムのネットワークにおけるデータ転送に利用可能な帯域が減少する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明におけるネットワーク制御システムは、複数の通信装置と、ネットワークを介して該複数の通信装置を管理する管理サーバとから構成され、前記複数の通信装置は、前記ネットワークに接続されるインタフェースと、該インタフェースを介して送受信されるデータのトラフィック情報を取得するトラフィック情報取得部と、を各々有し、前記管理サーバは、前記ネットワークに接続されるインタフェースと、リンクと該リンクを経由する通信フローとの対応関係を保持する格納部と、前記通信装置から該インタフェースを介して受信したトラフィック情報に基づいて前記リンクの帯域利用率を算出する帯域利用率算出部と、該帯域利用率が所定の条件を満たすリンクを特定するリンク特定部と、前記特定されたリンクを経由する第一の通信フローを前記対応関係に基づいて特定する通信フロー特定部と、を有する。
【0014】
また、上記本発明において、前記複数の通信装置のうちの少なくとも一つは、通信フロー毎にネットワーク制御(シェーピング処理、優先制御、マーキング処理等)を行うネットワーク制御部を更に有し、前記管理サーバは、前記第一の通信フローが経由し前記ネットワーク制御部を有する通信装置から特定の通信装置を選択し、該選択した通信装置に前記第一の通信フローに対するネットワーク制御の実行又は実行の解除を指示するネットワーク制御指示部と、を有する。
【0015】
また、上記本発明において、前記通信フロー特定部は、前記第一の通信フローから各々の通信フローに割り当てられた帯域の利用率が所定の閾値を超える第二の通信フローを特定する。更に、前記複数の通信装置のうちの少なくとも一つは、通信フロー毎にネットワーク制御を行うネットワーク制御部を有し、前記管理サーバは、前記第二の通信フローが経由し前記ネットワーク制御部を有する通信装置から特定の通信装置を選択し、該選択した通信装置に前記第二の通信フローに対するネットワーク制御の実行を指示するネットワーク制御指示部と、を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、余剰帯域の観測のためにpingの応答パケット等による余計な通信を発生させず、ネットワークの帯域の利用率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施の形態のデータセンタネットワークの構成図
【図2】第1の実施の形態のネットワーク管理サーバの構成を示すブロック図
【図3】第1の実施の形態のスイッチの構成を示すブロック図である
【図4】第1の実施の形態のサーバの構成を示すブロック図である
【図5】第1の実施の形態のネットワーク制御システムにおけるシーケンス図
【図6】第1の実施の形態のノード管理テーブルの構成例
【図7】第1の実施の形態のインタフェース管理テーブルの構成例
【図8】第1の実施の形態のリンク管理テーブルの構成例
【図9】第1の実施の形態のノードの物理的な接続関係を表す図
【図10】第1の実施の形態の物理帯域利用率管理テーブルの構成例
【図11】第1の実施の形態のオペレータの管理画面例(物理リンクの閾値入力時)
【図12】第1の実施の形態の閾値管理テーブルの構成例。
【図13】第1の実施の形態のテナントの情報処理システムの論理構成図
【図14】第1の実施の形態のシステム構成管理テーブルの構成例
【図15】第1の実施の形態のテナントフロー管理テーブルの構成例
【図16】第1の実施の形態のフロー利用率管理テーブルの構成例
【図17】第1の実施の形態の物理リンク管理処理のフローチャート
【図18】第1の実施の形態の物理リンク管理テーブルの構成例
【図19】第1の実施の形態のマーカーの制御設定管理テーブルの構成例
【図20】第1の実施の形態のシェーパの制御設定管理テーブルの構成例
【図21】第1の実施の形態のオペレータの管理画面例(フローの閾値入力時)
【図22】第1の実施の形態のフロー利用率管理処理のフローチャート
【図23】第1の実施の形態の物理帯域利用率監視処理のローチャート
【図24】第1の実施の形態の制御方式選択処理のフローチャート(制御開始時)
【図25】第1の実施の形態の制御方式選択処理のフローチャート(制御解除時)
【図26】本発明の効果を示すグラフ図
【図27】第2の実施の形態のネットワーク制御システムにおけるシーケンス図
【図28】第2の実施の形態のオペレータの管理画面例(最大利用率入力時)
【図29】第3の実施の形態のネットワーク制御システムにおけるシーケンス図
【図30】第3の実施の形態のフロー利用率管理処理のフローチャート
【図31】第4の実施の形態のネットワーク制御システムにおけるシーケンス図
【図32】第5の実施の形態のネットワーク制御システムの構成図
【図33】第5の実施の形態のネットワーク制御システムにおけるシーケンス図
【図34】第5の実施の形態の物理帯域利用率監視処理のフローチャート
【図35】第6の実施の形態のネットワーク制御システムの構成図
【図36】第6の実施の形態のネットワーク制御システムにおけるシーケンス図
【図37】第6の実施の形態のアグリゲーション管理テーブルの構成例
【図38】第6の実施の形態のアグリゲーションリンク処理のフローチャート
【図39】第6の実施の形態の物理リンク管理テーブルの構成例
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明の第1の実施の形態が実施されるデータセンタネットワークの構成図である。第1の実施の形態のネットワーク制御システムは、ネットワーク管理サーバ1、複数のスイッチ2〜9、複数のサーバ31〜37を備える。
【0019】
ネットワーク管理サーバ1は、データセンタネットワークの物理構成、データセンタネットワーク内に構築したテナントの情報処理システムの通信フローを管理するサーバである。サーバ31〜37は、データセンタネットワーク内に構築したテナントの情報処理システムを構成するサーバである。スイッチ2〜9は、テナントの情報処理システムのサーバ31〜37が送受信するイーサフレームを転送する中継装置である。各スイッチ間は物理インタフェースで接続される。各スイッチの接続関係をリンクA1〜O2で示す。各リンクには通信方向があり、A1リンクはスイッチ3からスイッチ2への通信経路を示し、A2リンクはスイッチ2からスイッチ3への通信経路を示す。
<ネットワーク管理サーバ>
図2は、ネットワーク管理サーバ1の構成を示している。ネットワーク管理サーバ1は、CPU11、メモリ12、インタフェース13を備え、それぞれはバス14で接続される。メモリ12は、CPU11によって実行される処理プログラムである物理帯域利用率監視処理15、フロー利用率管理処理16、物理リンク管理処理17、制御方式選択処理18、テーブル初期化処理19を格納する。さらに、各処理プログラム実行時に必要とするデータとして物理利用率管理テーブル20、フロー利用率管理テーブル21、物理リンク管理テーブル22、閾値管理テーブル23、物理構成管理テーブル群24、テナントシステム構成管理テーブル群25を格納する。
【0020】
物理帯域利用率監視処理15は、SNMP(Simple Network Management Protocol)等を利用してスイッチ2〜9から各インタフェースのトラフィック情報を収集し、物理帯域利用率管理テーブル20を更新する。
【0021】
フロー利用率管理処理16は、各テナントの情報処理システムを構成する各サーバから各通信フローのトラフィック情報を収集し、フロー利用率管理テーブル21を更新する。
【0022】
物理リンク管理処理17は、物理構成管理テーブル群24とテナントシステム構成管理テーブル25から、物理リンク管理テーブル22を生成する。
【0023】
制御方式選択処理18は、物理帯域利用率管理テーブル20、物理リンク管理テーブル22、閾値管理テーブル23を用いて、通信フローに適用するネットワーク制御方式を選択する。
【0024】
初期化処理19は、各テーブル20〜25の初期化設定を行う。
<スイッチ>
図3は、スイッチ7の構成を示している。スイッチ7は、CPU71、メモリ72、ネットワーク制御部73、複数のインタフェース75を備え、それぞれはバス74で接続される。メモリ72は、CPU72によって実行される処理プログラムであるインタフェース監視処理78を格納する。さらに、ネットワーク制御部73で使用する設定情報を制御設定管理テーブル77に格納する。
【0025】
ネットワーク制御部73は、優先制御機能79、帯域監視機能80、マーカー機能81、シェーパ機能82を有する。各ネットワーク制御機能はメモリ上でソフトウェアとして提供されても、ハードウェアとして提供されてもよい。
【0026】
優先制御機能79は、IPパケットやイーサフレームにマーキングされた優先度に従って、転送順を制御する機能である。
【0027】
帯域監視機能80は、制御設定管理テーブル77に設定されたフロー検出条件に基づいて検出したフローの転送量が、設定された監視帯域を超えるか否かを判定する機能である。
【0028】
マーカー機能81は、帯域監視機能80が判定した帯域監視結果に基づいて、IPパケットまたはイーサフレームに優先度をマーキングする機能である。IPパケットのマーキングは、TOS(Type of Services)フィールドを利用する。イーサフレームのマーキングは、VLAN(Virtual Local Area Network)タグ内のプライオリティフィールドを利用する。
【0029】
シェーパ機能82は、帯域監視機能80が判定した帯域監視結果に基づいて、IPパケットまたはイーサフレームの出力タイミングを遅らせて、出力帯域が監視帯域を超えないように制限する機能である。
【0030】
他のスイッチ2〜9もスイッチ7と同様の構成である。各スイッチは物理的な装置であってもよいし、仮想スイッチのようなサーバ装置内で実行されるソフトウェアプログラムであってもよい。
【0031】
各スイッチはネットワーク制御部73の全機能を有する必要はない。本実施例において、スイッチ2は少なくとも優先制御機能79を有する。スイッチ3〜5は少なくとも帯域監視機能80及びマーカー機能を有する。スイッチ6〜9は少なくとも帯域監視機能80及びシェーパ機能を有する。
<サーバ>
図4は、サーバ31の構成を示している。サーバ31は、CPU311、メモリ312、インタフェース313を備え、それぞれはバス314で接続される。メモリ312は、CPU311によって実行される処理プログラムであるシステムアプリケーション315、トラフィック監視エージェント316を格納する。
【0032】
システムアプリケーション315は、テナントの情報処理システムを構成するアプリケーションプログラムである。アプリケーションプログラムはサーバやテナントごとに異なるプログラムである。例えば、ロードバランサプログラムであったり、アプリケーションサーバプログラムであったり、データベースサーバプログラムであったりする。
【0033】
トラフィック監視エージェント316は、サーバ31が送受信する通信フローのトラフィック量を監視するプログラムである。
【0034】
他のサーバ31〜37もサーバ31と同様の構成である。サーバはVM(Virtual Machine)のような仮想サーバであっても、物理サーバであってもよい。
<ネットワーク制御シーケンス>
図5は、本発明の第1の実施の形態のネットワーク制御システムにおける処理シーケンスである。
【0035】
まず、データセンタ内のインフラを管理するオペレータが、スイッチやサーバの物理的な位置を示すネットワークの物理構成情報をネットワーク管理サーバ1に登録する(ステップ501)。
【0036】
ネットワーク管理サーバ1は、テーブル初期化処理19を起動し、オペレータが登録したネットワーク物理構成情報を基に、物理構成管理テーブル群24を生成する(ステップ502)。物理構成管理テーブル群24は、ネットワークのトポロジを管理するテーブルで、ノード管理テーブル26、インタフェース管理テーブル27、リンク管理テーブル28で構成される。
【0037】
ノード管理テーブル26は、データセンタネットワーク内のノードの情報を管理する。図6にノード管理テーブル26の構成例を示す。ノードとはスイッチやサーバ等、通信にかかわるすべての装置を示す。ノード管理テーブル26は、ノードID、ノード名、ノードタイプ、提供機能、状態を構成要素として持つ。ノードIDは、データセンタネットワークを構成する全ノードでユニークなIDである。ノード名は、各ノードの名前を管理する。ノードタイプはノードの種類を管理し、該当ノードがスイッチであるか、サーバであるかを示す。提供機能は、該当ノードがどのような機能提供をするかを示す。ノードタイプがスイッチの場合、提供機能は、優先制御、帯域監視及びマーカー、帯域監視及びシェーパの中から選択する。状態は、ノードが使用中であるか否かを管理する。スイッチの場合、冗長構成等で使用されていないスイッチの状態は未使用となる。サーバの場合、装置としてデータセンタ内に存在するが、テナントの情報処理システムが割り当てられていないサーバは未使用となる。
【0038】
インタフェース管理テーブル27は、スイッチ、サーバを含む全装置のインタフェースの状態を管理する。図7にインタフェース管理テーブル27の構成例を示す。インタフェースIDは、データセンタ内の全インタフェースでユニークなIDである。インタフェース名は、各インタフェースの名前を管理する。ノードIDは、該当するインタフェースが属するノードのノードIDである。状態はインタフェースが使用中であるか未使用であるかの状態を管理する。
【0039】
リンク管理テーブル28は、ノード間の接続関係と通信方向を管理する。リンクは、各インタフェース間の物理的な接続関係と通信方向を表したものである。図8にリンク管理テーブル28の構成例を示す。物理リンクIDは、データセンタ内の全物理リンクでユニークなIDである。送信インタフェースIDは、該当リンクの送信元となるインタフェースのインタフェースIDである。宛先インタフェースIDは、該当リンクの宛先となるインタフェースのインタフェースIDである。
【0040】
図9はノード管理テーブル26、インタフェース管理テーブル27、リンク管理テーブル28の物理構成管理テーブル群24によって管理されるノードと、ノード間の物理的な接続関係を示す図である。
【0041】
続けて、テーブル初期化処理19は、登録された各物理リンクの物理帯域利用率管理テーブル20を生成する(ステップ503)。物理帯域利用率管理テーブル20の構成例を図10に示す。物理リンクIDは、リンク管理テーブル28の物理リンクIDと同じ値である。物理リンクIDごとに、帯域利用率と廃棄率とを管理する。帯域利用率や廃棄率のトラフィック情報は、送信側、受信側双方のインタフェースから取得可能のため、送信側、受信側に分けて管理する。送信側SW、IFは、該当物理リンクの送信元となるスイッチ名と、インタフェースIDである。受信側SW、IFは、該当物理リンクの宛先となるスイッチ名と、インタフェースIDである。物理帯域利用率管理テーブル20の更新方法は、物理帯域利用率監視処理15で詳しく説明する。
【0042】
ステップ501〜503の処理は、データセンタ内ネットワークの物理構成が変更されたとき、すなわち、スイッチやサーバが追加または削除された場合に行われる。
【0043】
その後、オペレータは物理リンクの帯域利用率の閾値を管理画面から登録する(ステップ504)。図11にオペレータの管理画面の構成例を示す。オペレータは物理リンクごとに、シェーパ制御を開始する帯域利用率の閾値と、シェーパ制御を解除する帯域利用率の閾値を入力する。全物理リンクで共通の帯域利用率の閾値を使用する場合は、一括設定から設定する。また,物理リンクにおける帯域利用率の閾値の他に,物理リンクにおけるごとにシェーパを制御を開始する廃棄率の閾値と,シェーパを解除する廃棄率の閾値を合わせて設定してもよい。
【0044】
オペレータによる物理帯域利用率又は通信フローの閾値入力を受け付けると、ネットワーク管理サーバ1は、入力された閾値を閾値管理テーブル23に記録する(ステップ505)。閾値管理テーブル23は、シェーパ制御を開始する閾値と解除する閾値とを管理するテーブルで、物理帯域利用率と、通信フローの閾値とに分けて管理する。図12(a)に閾値管理テーブルの構成例を示す。図12(a)は、全物理リンクで共通の閾値を用い、全フローで共通の閾値を用いる場合である。物理リンクごとに異なる閾値を設定する場合は、図12(b)のように、物理リンクごとに閾値を管理する。同様に、通信フローごとに異なる閾値を設定する場合は、図12(c)のように、通信フローごとに閾値を管理する。また、全物理リンクでは共通の閾値を用い、通信フローごとに異なる閾値を管理したり、全物理リンクでは異なる閾値を用い、全通信フローで共通の閾値を用いたりしてもよい。帯域利用率の閾値と同様に,廃棄率に対して閾値も設定してもよい。
【0045】
図5に戻り、処理シーケンスを説明する。次に、オペレータはネットワーク管理サーバ1にテナントの情報処理システムに関する情報を登録する(ステップ506)。登録する情報は、テナントの情報処理システムを構成するサーバ情報、サーバがどのサーバと通信するかを示す通信フロー情報、通信フローに割り当てる帯域情報である。
【0046】
本実施例で登録するテナントの情報処理システムの論理構成を図13に示す。登録する情報処理システムは、ロードバランサ1台(LB1―1)、アプリケーションサーバ2台(AP1―1と1―2)、データベースサーバ1台(DB1―1)で構成するWEBシステムである。オペレータは、サーバ31にロードバランサ1―1、サーバ32にAP1―1、サーバ32にAP1―2、サーバ34にDB1―1を割り当てる。また、LB1―1はデータセンタの外部と、AP1―1及びAP1―2と通信を行う。AP1―1はLB1−1及びDB1―1と通信を行う。AP1―2はLB1−1及びDB1―1と通信を行う。
【0047】
ネットワーク管理サーバ1は、テナントの情報処理システムの構成をテナントシステム構成管理テーブル群25で管理する。オペレータが登録した情報処理システムの論理構成を基に、ネットワーク管理サーバ1は、テーブル初期化処理19を起動し、テナントシステム構成管理テーブル群25を生成する(ステップ507)。
【0048】
テナントシステム構成管理テーブル群25は、システム構成管理テーブル29及びテナントフロー管理テーブル30から構成される。
【0049】
システム構成管理テーブル29はテナントの情報処理システムを構成するサーバを管理する。システム構成管理テーブル29の構成例を図14に示す。サーバ名は、テナントの情報処理システムの各サーバの名前である。サーバIDは、テナントの情報処理システムに割り当てたサーバのノードIDである。インタフェースIDは、サーバに属するインタフェースのインタフェースIDである。
【0050】
テナントフロー管理テーブル30は、テナントの情報処理システムを構成するサーバの通信フローの送信元サーバと宛先サーバとを管理する。テナントフロー管理テーブル30の構成例を図15に示す。フローIDは、テナントの情報処理システムのフローを特定するIDである。データセンタ全体でユニークな値を割り当てる。送信元サーバ名は、通信フローの送信元となるサーバの名前である。宛先サーバ名は、通信フローの宛先となるサーバの名前である。帯域は、通信フローに割り当てられた帯域である。送信元インタフェースIDは、フローの送信元となるサーバが保持するインタフェースのインタフェースIDである。宛先インタフェースIDは、フローの宛先となるサーバが保持するインタフェースのインタフェースIDである。
【0051】
続けて、テーブル初期化処理19は、登録されたテナントの情報処理システムごとにフロー利用率管理テーブル21を生成する(ステップ508)。フロー利用率管理テーブル21の構成例を図16に示す。フローIDはテナントの情報処理システムのフローのIDである。フロー検出条件は、通信フローをスイッチで検出するための条件である。図16では、送信元IPアドレスと宛先IPアドレスを基に通信フローを検出しているが、イーサフレームのMACアドレスやTCP/UDPのポート番号等、TCPフラグ等、他の検出条件でフローを検出してもよい。割り当て帯域は、通信フローに割り当てる帯域である。利用率は、フローに割り当てられた帯域に対して、実際にどの程度の帯域を利用しているかを示す値である。利用率はフロー利用率管理処理16によって更新される。フロー利用率管理処理16については後に説明する。
【0052】
システム構成管理テーブル29およびテナントフロー管理テーブル30が登録されると、ネットワーク管理サーバ1は、物理リンク管理処理17を起動し、物理リンク管理テーブル22を生成するする。物理リンク管理処理17は、物理構成管理テーブル群24と、登録されたテナントシステム構成管理テーブル群25から、通信フローと通信フローが経由するスイッチとの対応関係を示す物理リンク管理テーブル22を生成する。物理リンク管理処理17の処理フローを図17に示す。
【0053】
物理リンク管理処理17は、テナントの情報処理システムが登録されると、追加されたテナントシステムのテナントフロー管理テーブルを取得する(ステップ1701)。テナントフロー管理テーブル30から、経路を探索するフローのフローIDを選択し、該当フローの送信元インタフェースID及び宛先インタフェースIDを取得する(ステップ1702)。ここでは、b2フローを例にして説明する。b2フローの送信元インタフェースIDは1023、宛先インタフェースIDは1022である。
【0054】
検索インタフェースとしてステップ1602で取得した送信元インタフェースを指定する(ステップ1703)。b2フローでは送信元インタフェースIDは1023であるので、検索インタフェースとしてインタフェースID1023を指定する。
【0055】
次に、検索インタフェースをもとに、リンク管理テーブル28の送信元インタフェースを検索し、対応するリンクID及び宛先インタフェースIDを取得する(ステップ1704)。b2フローの場合、送信元インタフェースID1023に対応するリンクIDはJ1、宛先インタフェースIDは1014である。
【0056】
次に、リンク管理テーブル28から取得した宛先インタフェースIDと、ステップ1702で選択したフローの宛先インタフェースIDが一致するかを比較する(ステップ1705)。b2フローの場合、リンク管理テーブル28から取得した宛先インタフェースIDは1014であり、テナントフロー管理テーブルにおけるb2フローの宛先インタフェースIDは1022で一致しないため、ステップ1705の後ステップ1706を実行する。
【0057】
リンク管理テーブル28から取得した宛先インタフェースIDと、ステップ1702で選択したフローの宛先インタフェースIDが一致しない(ステップ1705でNo)場合は、リンク管理テーブル28から取得した宛先インタフェースIDを基に、インタフェース管理テーブル27を検索し、該当インタフェースIDに対応するノードIDを取得する(ステップ1706)。b2フローの場合、リンク管理テーブル28で取得した宛先インタフェースIDである1014を基に、インタフェース管理テーブル27を検索し、インタフェースID1014に該当するノードID7を取得する。
【0058】
次に、ステップ1706で取得したノードIDを基に、ノード管理テーブル26を検索し、該当するノードのタイプ及び機能を取得する(ステップ1607)。ノードID7のスイッチが提供する機能は、帯域監視及びシェーパである。
【0059】
次に、ステップ1707で取得したノードIDを基に、インタフェース管理テーブル27を検索し、ノードが備える他のインタフェースIDを取得する(ステップ1608)。ノードID7のスイッチがインタフェース1014以外に備えるインタフェースのIDは1013である。
【0060】
次に、検索インタフェースをステップ1708で取得したノードが備える他のインタフェースIDに設定する。ノード7の場合、他のインタフェースIDは1013のみなのでインタフェースID1013を設定し、ステップ1704から1709の処理を繰り返す。ステップ1708で、ノードが備える他のインタフェースが複数ある場合は、すべてのインタフェースを検索インタフェースに設定し、経路検索を行う。
【0061】
ステップ1705で物理リンク管理テーブルから取得した宛先インタフェースIDと、テナントフロー管理テーブルの宛先インタフェースIDが一致したら、選択したフローに対する経路探索は終了となる。ステップ1705でYesの場合は、探索した通信フローが経由する物理リンク及び、シェーパ、マーカー等の制御機能を提供するスイッチを物理リンク管理テーブル22に記録する。
【0062】
次に、テナントシステムの追加に伴い追加された全フローの物理リンクが探索終了かを判定する(ステップ1711)。全フローの物理リンクの探索が終了した場合(ステップ1711でYesの場合)は処理を終了する。全フローの物理リンクの探索が終了していない場合は、ステップ1702に戻り、他のフローを選択し物理リンクの探索を継続する。
【0063】
図18に物理リンク管理テーブル22の構成例を示す。物理リンク管理テーブル22は構成要素として、フローID、物理リンク、マーカー機能の状態、マーカー機能を提供するスイッチ名、スイッチに設定された制御設定テーブルのシーケンス番号、シェーパ機能の状態、シェーパ機能を提供するスイッチ、スイッチに設定された制御設定テーブルのシーケンス番号を持つ。これらの情報をテナントシステムごとに管理する。
【0064】
b2フローの場合、物理リンクは、AP1−1、J1、E1、B1、A2、D2、H2、LB1−1である。矢印は通信の方向を示す。マーカー機能はスイッチ4で提供されており、スイッチ4に設定された制御設定テーブルのシーケンス番号は3001である。マーカー機能の状態がONの場合、該当フローに対して該当スイッチでマーカー機能が提供されていることを示す。また、シェーパ機能はスイッチ7で提供されており、スイッチ7に設定された制御設定テーブルは2001である。シェーパ機能の状態がONの場合、該当フローに対して該当スイッチでシェーパ機能が提供されていることを示す。シーケンス番号は、ネットワーク管理サーバ1が指定する番号を設定してもよいし、スイッチに設定する際に、未使用のシーケンス番号を使用してもよい。スイッチ設定時にシーケンス番号が決まる場合は、スイッチを設定した際に、物理リンク管理テーブル22のシーケンス番号も更新する。
【0065】
図5に戻り、処理シーケンスを説明する。物理リンク管理テーブル22生成後、ネットワーク管理サーバ1は、追加したテナントの情報処理システムの各フローに、マーカー機能を提供するスイッチ3、4、5、及びシェーパ機能を提供するスイッチ6、7、8、9に対し、マーカーまたはシェーパ機能を提供するための設定を行う(ステップ511、ステップ512)。設定する情報は、シーケンス番号、フロー検出条件、帯域情報である。設定された情報は、各スイッチの制御設定管理テーブル77で管理する。
【0066】
図19にスイッチ4の制御設定管理テーブル77の構成例を示す。スイッチ4はマーカー機能を提供するスイッチである。シーケンス番号は、スイッチにおいてフローを検出する順番を示すIDであり、スイッチ装置内でユニークな値である。フロー検出条件は、フローを検出するための条件であり、本実施例では送信元IPアドレスと宛先IPアドレスを基にフローを検出する。監視帯域は、IPパケットやフレームにマーキングを行う際の監視帯域で、スイッチに実装されたマーキングアルゴリズムに従って平均帯域を計算し、監視帯域を超えるIPパケットまたはフレームの優先度を下げる、または非優先にマーキングを行う。システム1の登録により、b2、d1フローの検出条件と監視帯域が設定される。
【0067】
図20にスイッチ7の制御設定管理テーブル771の構成例を示す。スイッチ7はシェーパ機能を提供するスイッチである。シーケンス番号、フロー検出条件については、マーカー機能を提供するスイッチと同様である。最大帯域は、シェーピングを行う帯域である。スイッチに実装された帯域監視アルゴリズムに従って、フローの平均帯域を計算し、最大帯域を超えるIPパケットまたはフローの出力タイミングを遅らせて出力帯域を最大帯域以下になるように制御する。最大帯域の設定を行わない場合、フローに対してシェーピングは行われない。シェーピングは、物理帯域利用率が閾値を超える場合に、制御方式選択処理18が設定するため、システム登録時はフロー検出情報とシーケンス番号のみを登録する。システム1の登録により、スイッチ7には、b2、d1フローの検出条件が設定される。
【0068】
テナントの情報処理システム登録後、オペレータは登録した情報処理システムの各フローにシェーパを適用するかを判定するフロー利用率の閾値を設定する(ステップ513)。フローの利用率は、フローに割り当てられた帯域に対し、どの程度の帯域を利用しているかを示す。図21にオペレータの管理画面例211を示す。オペレータは登録したシステムごとに各フローの開始閾値と解除閾値を入力する。登録したシステムの全フローに同じ値の開始閾値と解除閾値とを入力する場合は、全フロー一括設定で入力する。また、登録済の全システムの全フローに同じ値の開始閾値と解除閾値とを入力する場合は、全システム一括設定で入力する。開始閾値は、フローに対してシェーピングの適用を開始する閾値である。解除閾値は、シェーピングの適用を解除する閾値である。ネットワーク管理サーバ1は、フローの利用率と物理帯域の利用率を基に、フローに対してシェーパを適用するか否かを判定する。
【0069】
オペレータが閾値を入力し更新ボタンを選択すると、テーブル初期化処理19が該当するフローの閾値管理テーブル23を入力された値に更新する(ステップ514)。本実施例では、全システムで共通の開始閾値と解除閾値とを利用する。
【0070】
以上で、物理構成及びテナントシステム登録時の処理は終了である。以下の処理は、運用時時のシーケンスである。
【0071】
ネットワーク管理サーバは定期的にサーバとスイッチからネットワークのトラフィック情報を収集し、フロー利用率管理テーブル及び物理帯域利用率管理テーブルを更新する。さらに、物理帯域利用率とフローに割り当てた帯域に対するフローの利用率に基づいて、各フローに適用するネットワーク制御方式を選択する。
【0072】
まず、フロー利用率管理テーブル16の更新方法について説明する。ネットワーク管理サーバ1は、定期的に各サーバに対してトラフィック情報の収集を行う(ステップ515)。ネットワーク管理サーバからのサーバ情報収集要求を受信した各サーバは、トラフィック監視エージェント316を起動し、サーバが送受信するトラフィック情報をネットワーク管理サーバ1に送信することにより通知する。通知するトラフィック情報は、通知を行うサーバのノードID、サーバが送受信する各通信フローのフローID、フローごとのトラフィックを監視した時間、フローごとの送信パケット数、送信したデータの合計バイト数、受信パケット数、受信したデータの合計バイト数等である。
【0073】
ネットワーク管理サーバ1は、サーバからの情報収集通知を受信すると、フロー利用率管理処理18を起動し、フロー利用率管理テーブル18を更新する(ステップ515)。図22にフロー利用率管理処理の処理フローを示す。フロー利用率管理処理18は、サーバからの情報収集通知を受信する(ステップ2201)と、情報収集通知に含まれるサーバのノードIDから該当サーバが含まれる情報処理システムを特定する(ステップ2202)。特定した情報処理システムのフロー利用率管理テーブル16を取得する(ステップ2203)。情報収集通知に含まれるフローを1つ選択し(ステップ2204)、フローに割り当てた帯域に対する帯域の利用率を計算する(ステップ2205)。監視時間に送信または受信したデータの合計バイト数を監視時間で割った値を利用帯域とし、利用帯域をフローに割り当てた帯域で割った値を利用率とする。計算したフローの利用率で、フロー利用率管理テーブル16を更新する(ステップ2206)。最後に、情報収集通知に含まれる全フローのフロー利用率管理テーブルの更新が終了したかを判定する(ステップ2207)。情報収集通知に複数のフローが含まれる場合はステップ2204から2206の処理を繰り返し、全フローの更新が終わると処理を終了する。
【0074】
次に、物理帯域利用率管理テーブル15の更新について説明する。ネットワーク管理サーバ1は、定期的に各スイッチからトラフィック情報を収集する(ステップ517)。トラフィック情報の収集には、SNMPを利用し、MIB(Management Information Base)-2のインタフェースグループの情報を取得する。MIB−2のインタフェースグループには、インタフェースが受信したパケット数およびバイト数、送信したパケット数およびバイト数、受信時に廃棄したパケット数,送信時に廃棄したパケット数,インタフェースの帯域の情報等が含まれる。受信パケット数およびバイト数は,ifInUcastPktsおよび ifInOctets,送信パケット数およびバイト数はifOutUcastPktsおよびifInOctets,受信時に廃棄したパケット数はifInDiscard,送信時に廃棄したパケット数はifOutDiscard,インタフェースの帯域はifSpeedとして規定されている。
【0075】
ネットワーク管理サーバ1はスイッチに対して、GetRequestを送信し、インタフェースグループのMIBを要求する。GetRequestを受信したスイッチは、GetResponseをネットワーク管理サーバ1に送信する。GetResponseを受信すると、ネットワーク管理サーバ1は、物理帯域利用率監視処理15を起動し、物理利用率管理テーブル20を更新する(ステップ518)。
【0076】
図23に物理帯域利用率監視処理15の処理フローを示す。物理帯域利用率監視処理15は、GetResponseを受信する(ステップ2301)と、GetResponseを送信したスイッチを特定する(ステップ2302)。送信したスイッチと、MIB情報に含まれるifIndexからスイッチのインタフェースIDを特定する(ステップ2303)。
【0077】
さらに,前回同一スイッチからインタフェースグループのMIB情報を受信した時刻との差分である監視時間と,MIB情報からインタフェースの帯域利用率と廃棄率を計算する(ステップ2304)。受信側インタフェースの帯域利用率は,受信バイト数を監視時間で割った値とし,送信側インタフェースの帯域利用率は,送信バイト数を監視時間で割った値とする。また,受信側インタフェースの廃棄率は,受信時に廃棄したパケット数を受信パケット数と受信時に廃棄したパケット数の和で割った値とし,送信側インタフェースの廃棄率は,送信時に廃棄したパケット数を送信パケット数と送信時に廃棄したパケット数の和で割った値とする。
【0078】
次に、ステップ2303で特定したインタフェースIDを基に、物理帯域利用率管理テーブル15を検索し、該当するインタフェースの送信側、受信側の帯域利用率及び、廃棄率を更新する(ステップ2305)。
【0079】
最後に、GetResponseに含まれる全インタフェースの物理帯域利用率管理テーブルの更新が終了したかを判定する。複数のインタフェースのMIB情報が含まれる場合は、ステップ2303から2306の処理を繰り返し、全インタフェースの更新が終了すると処理を終了する。
【0080】
次に、制御方式選択処理18について説明する。制御方式選択処理18は、物理帯域利用率管理テーブル15及び、フロー利用率管理テーブル16を基に、テナントの情報処理システムの各フローにシェーパを適用するか否かを選択する(ステップ519)。
【0081】
ネットワーク管理サーバ1は、一定時間ごとに制御方式選択処理18を起動する。制御方式選択処理18の処理フローを図24に示す。まず、シェーパ制御開始時の処理フローについて説明する。
【0082】
制御方式選択処理18が起動すると、物理帯域利用率管理テーブル15を取得する(ステップ2401)。各物理リンクについて、送信側及び受信側の帯域利用率が、閾値管理テーブル23に設定された物理帯域利用率の開始閾値以上かを判定する(ステップ2402)。帯域利用率の閾値に加え,廃棄率が閾値管理テーブルに設定されている場合は,帯域理利用率に加え,廃棄率も閾値以上かを判定する。帯域利用率および廃棄率(廃棄率が閾値管理テーブルに設定されている場合)が開始閾値以下の場合(ステップ2402でNo)、物理帯域利用率管理テーブル15の全物理リンクについて閾値の判定を行ったかを判定し(ステップ2409)、全物理リンクの判定が終了していない場合にはステップ2402に戻る。帯域利用率および廃棄率(廃棄率が閾値管理テーブルに設定されている場合)が開始閾値以上の場合(ステップ2402でYes)には、物理リンク管理テーブル22を取得し、物理帯域利用率および廃棄率(廃棄率が閾値管理テーブルに設定されている場合)が開始閾値以上の物理リンクを経由する通信フローを検索し(ステップ2403)、制御対象候補となる通信フローを特定する(ステップ2404)。図10の物理帯域利用率管理テーブル15において、物理リンクB1は、図12の閾値管理テーブルの物理帯域利用率の開始閾値70%を超えるため、物理リンク管理テーブル22を検索し、物理リンクB1を経由する通信フローを特定する。図13の物理リンク管理テーブルでは、フローb2、c2、d1、e1が制御対象候補となる。
【0083】
制御対象候補フローを特定後、制御対象フローのフロー利用率管理テーブル16を取得する(ステップ2405)。
【0084】
次に、制御対象の各通信フローについて、フロー利用率管理テーブル16の利用率が、閾値管理テーブル23のフロー利用率の開始閾値以上かを判定する(ステップ2406)。ステップ2406でYesの場合には、該当の通信フローに対し、シェーピングの開始を指示する(ステップ2407)。次に、ステップ2404で特定した全制御対象候補フローについて、利用率と閾値都の判定が終了したかを判定する(ステップ2408)。全制御対象候補の判定が終了していない場合は、ステップ2405からステップ2408を繰り返す。
【0085】
制御対象フローb2、c2、d1、e1を例にすると、b2フローはフロー利用率管理テーブル16の利用率は70%であり、閾値管理テーブル23におけるフロー利用率の開始閾値60%を超えるため、ステップ2407でシェーピング開始の指示を行う。一方、c2フローはフロー利用率管理テーブル16の利用率は30%であり、閾値管理テーブル23におけるフロー利用率の開始閾値60%を超えないため、ステップ2006でNoとなり、シェーピング開始の指示は行われない。同様に、d1、e1についてもフロー利用率管理テーブル16と閾値管理テーブル23との比較を行い、シェーピングを開始するか否かを判定する。
【0086】
全制御対象候補フローの判定終了後、物理帯域利用率管理テーブルの全物理リンクの判定が終了したかを判定する(ステップ2409)。全物理リンクの判定が終了していない場合は、ステップ2402からステップ2409を繰り返し、全物理リンクについて閾値の判定を行う。全物理リンクの判定終了後、処理を終了する。
【0087】
制御方式選択処理18終了後、シェーパ制御開始対象となった通信フローにシェーパ機能を提供するスイッチに対し、ネットワーク管理サーバ1は、シェーパ設定の変更を指示する(ステップ520)。シェーパ制御を開始するフローは、物理リンク管理テーブルからシェーパ機能を提供するスイッチとスイッチ名のシーケンス番号を取得し、該当スイッチのシーケンス番号の制御設定に対し、最大帯域を設定する。最大帯域は、フロー利用率管理テーブル16におけるフローへの割り当て帯域と同じ帯域に設定する。b2フローの場合、スイッチ7のシーケンス番号2001の設定に対し、最大帯域を20Mbpsに設定する。
【0088】
最大帯域の設定完了後、物理リンク管理テーブル22の該当フローのシェーパ機能の状態をONに変更する。
【0089】
次に、制御方式選択処理18のシェーパ制御解除時の処理フローについて説明する。図25に、シェーパ制御終了時の処理フローを示す。
【0090】
制御方式選択処理18が起動すると、物理帯域利用率管理テーブル15を取得する(ステップ2501)。各物理リンクについて、送信側及び受信側の帯域利用率が、閾値管理テーブル23に設定された物理帯域利用率の解除閾値以下かを判定する(ステップ2502)。帯域利用率の閾値に加え,廃棄率が閾値管理テーブルに設定されている場合は,帯域理利用率に加え,廃棄率も閾値以上かを判定する。帯域利用率および廃棄率(廃棄率が閾値管理テーブルに設定されている場合)が解除閾値以下の場合(ステップ2502でYes)は、物理リンク管理テーブル22を取得し、物理帯域利用率および廃棄率(廃棄理が閾値管理テーブルに設定されている場合)が開始閾値以下の物理リンクを経由する通信フローを検索し(ステップ2503)、シェーパ制御解除対象候補となる通信フローを特定する(ステップ2504)。
【0091】
シェーパ制御解除対象候補となる通信フローのシェーパ機能の状態を物理リンク管理テーブル22を参照し、シェーパ機能の状態が有効(ON)であるか否かを判定する(ステップ2505)。シェーパ機能の状態が有効である場合には、シェーパ制御の解除を指示する(ステップ2506)。ステップ2504で特定した全制御対象フローについて判定が終了したかを判定する(ステップ2507)。全制御対象フローの判定が終了していない場合はステップ2506からステップ2107を繰り返す。
【0092】
さらに、物理利用率管理テーブル15の全物理リンクの閾値判定が終了したかを判定し(ステップ2508)、全物理リンクの判定が終わらない場合は、ステップ2502からステップ2508を繰り返し、全物理リンクの判定を行う。
【0093】
制御方式選択処理18終了後、シェーパ制御解除対象となった通信フローにシェーパ機能を提供するスイッチに対し、ネットワーク管理サーバ1は、シェーパ設定の変更を指示する。シェーパ制御を解除するフローは、物理リンク管理テーブルからシェーパ機能を提供するスイッチとスイッチ名のシーケンス番号を取得し、該当スイッチのシーケンス番号の制御設定から、最大帯域の設定を削除する。最大帯域の設定完了後、物理リンク管理テーブル22の該当フローのシェーパ機能の状態をOFFに変更する。
【0094】
以上のように、物理リンクの帯域利用率と、通信フローに割り当てた帯域の利用率を基に、通信フローに対してシェーパを適用するか否かを変更することにより、ネットワークがすいている場合、通信フローに割り当てた帯域を超えて、余剰帯域を利用でき、ネットワークが混雑している場合は、フローに割り当てた帯域までの利用が可能となる。この結果、データ転送時間を最小化することができる。図26に本発明の効果を示す。
【0095】
また、本発明による制御方式を適用することにより、データ転送時間が一定以上に長くなることを防止できるため、データセンタ事業者は、余剰帯域を多く確保する必要がなくなり、ネットワークの物理リソースの利用率を向上させることができる。この結果、データセンタ事業者はネットワークの設備コストを削減することができる。
【実施例2】
【0096】
第2の実施の形態では、トラフィック監視エージェントを備えないサーバに対して、ネットワーク管理サーバが、物理リンクの帯域利用率と、通信フローに割り当てた帯域の利用率を基に、通信フローに対してシェーパを適用するか否かを判定する例について説明する。本発明が実施されるネットワーク制御システムは第1の実施の形態と同様である。
【0097】
第2の実施の形態におけるサーバは、トラフィック監視エージェント316を備えないサーバである。ネットワーク管理サーバ1及び各スイッチ2〜9の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0098】
図27は、本発明の第2の実施の形態のネットワーク制御システムにおけるシステム処理シーケンス図である。
【0099】
ステップ2701において、登録したシステムの各フローの最大利用率をフロー利用率管理テーブル16に登録する。図13に示すような論理構成のWEBシステムの場合、登録する最大利用率は、サーバが許容する同時接続セッション数及び、各セッションで転送する平均データサイズから算出する。
【0100】
アプリケーションサーバであるAP1―1が許容する同時接続セッション数は100セッション、平均リクエストサイズが1Kバイトの場合、同時に転送するデータ量の最大値は800Kbpsである。最大利用率は、データ量の最大値を割り当て帯域で割った値であるため、10Mbpsを割り当てられているb1フローの最大利用率は8%である。
【0101】
AP1−1がリクエストに応答して転送する平均ファイルサイズが10Kバイトの場合、同時に転送するデータ量の最大値は8Mbpsである。そのため、10Mbpsを割り当てられているb2フローの最大利用率は80%である。
【0102】
同様に、他の通信フローについてもサーバが許容する同時接続セッション数と、平均データサイズから最大利用率を計算し、各フローの最大利用率を登録する。図28にオペレータの管理画面を示す。オペレータはフローごとに最大利用率を設定してもよいし、全フローを一括で設定してもよい。一括設定する場合は、算出した各フローの最大利用率のうち、一番利用率の高いフローの最大利用率を設定する。
【0103】
オペレータが最大利用率を入力し、更新すると、ネットワーク管理サーバ1は、更新されたシステムに対応するフロー利用率管理テーブル16を取得し、フロー利用率管理テーブル16の利用率を、オペレータが登録した最大利用率に書き換える(ステップ2702)。
【0104】
その他の処理については、第1の実施の形態と同様である。サーバがトラフィック監視エージェントを備えない場合でも、オペレータが各フローに予測される最大利用率を登録することで、物理リンクの帯域利用率と、通信フローに割り当てた帯域の利用率の予測値を基に、通信フローに対してシェーパを適用するか否かを変更することにより、ネットワークがすいている場合、通信フローに割り当てた帯域を超えて、余剰帯域を利用でき、ネットワークが混雑している場合は、フローに割り当てた帯域までの利用が可能となる。この結果、データ転送時間を最小化することができる。
【実施例3】
【0105】
第3の実施の形態では、トラフィック監視エージェント316を備えないサーバに対して、NetFlowに代表されるスイッチのフロー統計機構を利用して、ネットワーク管理サーバが、物理リンクの帯域利用率と、通信フローに割り当てた帯域の利用率を基に、通信フローに対してシェーパを適用するか否かを判定する例について説明する。本実施例では、スイッチが6〜9が、NetFlowエージェント機能を備えている。本発明が実施されるネットワーク制御システムは第1の実施の形態と同様である。
【0106】
図29は、本発明の第3の実施の形態のネットワーク制御システムにおけるシステム処理シーケンス図である。
【0107】
ステップ2901において、ネットワーク管理サーバ1は、登録された情報処理システムの各フローのフロー統計情報を収集するために、物理リンク管理テーブル22を参照し、各フローが経由するいずれかのスイッチのNetFlowエージェントに対して設定を行う。本実施例では、各フローにマーカー機能を提供するスイッチに対して、フロー利用率管理テーブル16を参照し、フロー検出条件と同様のフローリストを設定する。
【0108】
フローリストが設定されたスイッチは、NetFlowコレクタであるネットワーク管理サーバ1に対し、フローごとに統計した統計情報であるNetFlowレポートを定期的に通知する(ステップ2902)。NetFlowレポートには、フロー単位で集計した、パケット数、バイト数、パケットロス数、受信インタフェース、送信インタフェース等の情報が含まれる。
【0109】
NetFlowレポートを受信したネットワーク管理サーバ1は、フロー利用率管理処理16を起動し、フロー利用率管理テーブル16を更新する(ステップ2903)。図30にNetFlowに対応したフロー利用率管理処理の処理フローを示す。
【0110】
フロー利用率管理処理16は、NetFlowレポートを受信すると(ステップ3001)、NetFlowレポートに含まれるフロー単位統計を一つ選択する(ステップ3002)。フロー単位統計に含まれる、送信元IPアドレスおよび宛先IPアドレスから全システムのフロー利用率管理テーブル16のフロー検出条件を検索(ステップ3003)し、対応するフローIDを取得する(ステップ3004)。
【0111】
フロー単位統計に含まれるパケット数、バイト数、廃棄数と、フロー利用率管理テーブル16の割り当て帯域から第1の実施例と同様に、利用率を計算する(ステップ3005)。計算したフローIDの利用率を更新する(ステップ3006)。最後に、NetFlowレポートに含まれるすべてフローについてフロー利用率管理テーブルの更新が終了したかを判定する(ステップ3007)。すべてのフローの更新が終了していない場合は、ステップ3002からステップ3007を繰り返し、NetFlowレポートに含まれる全フローのフロー利用率管理テーブルを更新する。
【0112】
その他の処理については、第1の実施の形態と同様である。サーバがトラフィック監視エージェントを備えない場合でも、スイッチのNetFlowエージェントが通知するフロー単位統計を基に、各フローの利用率を計算することで、物理リンクの帯域利用率と、通信フローに割り当てた帯域の利用率を基に、通信フローに対してシェーパを適用するか否かを変更することができる。これにより、ネットワークがすいている場合、通信フローに割り当てた帯域を超えて、余剰帯域を利用でき、ネットワークが混雑している場合は、フローに割り当てた帯域までの利用が可能となる。この結果、データ転送時間を最小化することができる。
【0113】
本実施例では、フロー統計機構としてNetFlowを用いたが、sFlowで備えるフローサンプルを基に計算した各フローの利用率の推測値を用いてもよい。
【実施例4】
【0114】
第4の実施の形態では、マーカーによる優先制御を行わないネットワークにおいて、ネットワーク管理サーバが、物理リンクの帯域利用率と、通信フローに割り当てた帯域の利用率を基に、通信フローに対してシェーパを適用するか否かを判定する例について説明する。優先制御を行わないネットワークでは、帯域利用率の高い物理リンクから離れたスイッチでシェーピングを行っても、利用率の高い物理リンクに到達するまでにゆらぎの影響を大きく受けるため、利用率の高い物理リンクの直前でシェーピングを行う方が良い。
【0115】
本発明が実施されるネットワーク制御システムは第1の実施の形態と同様である。ただし、本実施例では、優先制御を行わないため、全スイッチ2〜9が帯域監視機能80及びシェーパ機能82を備え、優先制御機能79は備えない。
【0116】
図31は、本発明の第4の実施の形態のネットワーク制御システムにおけるシステム処理シーケンス図である。
【0117】
本実施例では、利用率の高い物理リンクが特定できないとシェーピングを行うスイッチが特定できないため、シェーパの事前設定(ステップ511)は行わない。また、マーカーの設定(ステップ510)は不要である。
【0118】
ネットワーク管理サーバ1は、一定時間ごとに制御方式選択処理18を起動する。制御方式選択処理18の処理フローは第1の実施例と同様である。
【0119】
制御方式選択処理18終了後、物理帯域利用率が開始閾値以上の物理リンクへ出力するスイッチに対し、ステップ2407でシェーピング開始を指示された通信フローのシェーピング設定を行う(ステップ3102)。
【0120】
物理リンクB1の帯域利用率がシェーピング開始閾値を超える場合、b2フローではスイッチ4に対してシェーピングの設定を行う。具体的には、フロー利用率管理テーブルから取得したフロー検出条件および割り当て帯域を最大帯域として設定する。最大帯域設定後、物理リンク管理テーブル22のシェーパ機能の欄に、スイッチ名と設定したシーケンス番号を記録し状態をONに変更する。1つの通信フローに対し、複数のスイッチでシェーピングを行う場合は、すべてのスイッチ名と対応するシーケンス番号、状態を記録する。
【0121】
その他の処理については、第1の実施の形態と同様である。優先制御を行わないネットワークにおいては、物理リンクの帯域利用率と、通信フローに割り当てた帯域の利用率を基に、通信フローに対してシェーパを適用するか否かを判断し、物理帯域利用率の高い物理リンクへの出力スイッチに対してシェーピング設定を行うことで、ネットワークがすいている場合、通信フローに割り当てた帯域を超えて、余剰帯域を利用でき、ネットワークが混雑している場合は、フローに割り当てた帯域までの利用が可能となる。この結果、データ転送時間を最小化することができる。
【実施例5】
【0122】
第5の実施の形態では、STP(Spanning Tree Protocol)を用いて冗長構成をとるネットワークにおいて、本発明を実施する例について説明する。図32は本発明が実施されるネットワーク制御システムである。スイッチ3〜9の接続が破線のように冗長構成となっている。
【0123】
図33は、本発明の第3の実施の形態のネットワーク制御システムにおけるシステム処理シーケンス図である。
【0124】
ネットワーク管理サーバは、SNMPを用いてSTPのMIB情報であるdot1dBridge-dot1dStpdot1dStpPortTable-dot1dStpPortStateを収集する(ステップ516)。
【0125】
本実施例では、物理帯域利用率監視処理15が物理帯域利用率管理テーブル20及びインタフェース管理テーブル27を更新する(ステップ3301)。
【0126】
図34に本実施例における物理帯域利用率監視より15の処理フローを示す。ステップ2305までは第1の実施の形態と同様の処理を行い、物理帯域利用率管理テーブル20を更新する。本実施の形態ではさらに、インタフェース管理テーブル27を取得し(ステップ3401)、該当インタフェースの状態に変更があるかを比較する(ステップ3402)。インタフェース管理テーブル27の状態が使用中であるにも関わらず、通知されたSTPのMIB情報が閉塞ポートの場合は、インタフェース管理テーブル27の該当インタフェースの状態を閉塞に変更する。逆に、閉塞であるにも関わらず、通知された情報が転送ポートである場合は使用中に変更する(ステップ3403)。その他の処理については、第1の実施の形態と同様である。
【0127】
インタフェースの状態に変更があった場合は、物理リンク管理処理17を起動し、物理リンク管理テーブル22を更新する(ステップ3302)
本実施の形態における物理リンク管理処理17では、ステップ1708で取得した各インタフェースIDのうち、状態が閉塞のインタフェースは検索候補から除外する。その他の処理については、第1の実施の形態と同様である。
【0128】
以上により、STPによる冗長構成をとるネットワークにおいては、各スイッチのインタフェースの状態を管理し、状態の更新に伴って物理リンク管理テーブルを更新することで、他の実施の形態と同様に、物理リンクの帯域利用率と、通信フローに割り当てた帯域の利用率を基に、通信フローに対してシェーパを適用するか否かを判断することができる。この結果、ネットワークがすいている場合、通信フローに割り当てた帯域を超えて、余剰帯域を利用でき、ネットワークが混雑している場合は、フローに割り当てた帯域までの利用が可能となり、データ転送時間を最小化することができる。
【実施例6】
【0129】
第6の実施の形態では、リンクアグリゲーションを用いて冗長構成をとるネットワークにおいて、本発明を実施する例について説明する。図35は本発明が実施されるネットワーク制御システムである。スイッチ2〜5の接続がリンクアグリゲーションによる冗長構成である。スイッチ2と3の経路は物理リンクA1―1、A1―2、A2―1、A2―2で接続されている。A1―1及びA1―2はスイッチ3からスイッチ2への接続であり、A2―1及びA2―2はスイッチ2から3への接続である。同様にB1―1及びB1―2はスイッチ4から2への接続、B2―1及びB2―2はスイッチ2から4への接続、C1―1及びC1―2はスイッチ5から2への接続、C2―1及びC2―2はスイッチ2から5への接続である。
【0130】
図36は、本発明の第6の実施の形態のネットワーク制御システムにおける処理シーケンス図である。
【0131】
ステップ509において、第1の実施の形態と同様に部物リンク管理テーブル22を生成する。ただし、本実施の形態では、物理リンク管理テーブル22の生成時に使用するリンク管理テーブル28は、アグリゲーションされたリンクをまとめて管理する。物理リンクA1−1とA1−2とをまとめてA1、A2―1とA2―2をまとめてA2として管理する。同様に、物理リンクB1―1とB1―2をまとめてB1、B2―1とB2−2をまとめてB2、C1―1とC1―2をまとめてC1、C2―1とC2−2をまとめてC2として管理する。
【0132】
さらに、アグリゲーションされたリンクについては、アグリゲーション管理テーブル40で管理する。
【0133】
図37にアグリゲーション管理テーブル40の構成例を示す。アグリゲーション管理テーブル40では、アグリゲーションリンクのID、アグリゲーションリンクを構成する物理リンクのID、アグリゲーションリンクで採用する分散アルゴリズム及び入力インタフェース、各物理リンクの送信元インタフェースのインタフェースID、各物理リンクの宛先インタフェースのインタフェースIDである。
【0134】
リンクアグリゲーションでは、採用する分散アルゴリズムによって、物理リンクの帯域利用率に偏りが生じる。そのため、分散アルゴリズムによって物理リンクの管理方法が異なる。
【0135】
リンクアグリゲーションにおける分散アルゴリズムには、ポートベース、アドレスベース、ラウンドロビンの3種類があり、スイッチにより分散アルゴリズムが異なる。
【0136】
ポートベースの分散アルゴリズムの場合、入力ポート(入力インタフェース)を基に、出力ポート(出力インタフェース)を決定するため、アグリゲーションリンクを構成する各物理リンクの帯域使用率に偏りが生じる。そのため、物理リンク管理テーブル22及び物理帯域利用率管理テーブル20は、実際の物理リンクごとに管理する。アグリゲーション管理テーブル40では、出力インタフェースに対応する入力インタフェースを管理する。アグリゲーションリンクがA1の場合、物理リンクはA1―1、A1―2である。
【0137】
ラウンドロビンの分散アルゴリズムの場合、1フレームづつ順番に出力インタフェースを変えて出力する。アグリゲーションリンクを構成する物理リンクの帯域利用率に偏りは生じないため、物理リンク管理テーブル22及び物理帯域利用率管理テーブル20は、アグリゲーションされたリンクで管理する。アグリゲーションリンクがA1の場合、アグリゲーションリンクを構成する物理リンクA1―1及びA1―2をまとめてA1で管理する。
【0138】
アドレスベースの分散アルゴリズムの場合、MACアドレス、IPアドレス、TCPのポート番号などを基に出力ポートを決定する。送信元アドレスと宛先アドレスのハッシュ値を基にする場合は、アグリゲーションリンクを構成する物理リンクの帯域利用率に偏りが生じにくいため、物理リンク管理テーブル22及び物理帯域利用率管理テーブル20は、アグリゲーションされたリンクで管理する。
【0139】
ステップ509において物理リンク管理テーブル生成後、アグリゲーションリンク処理を起動し、アグリゲーション管理テーブル40を参照し、ポートベースの分散アルゴリズムを用いる物理リンクについて、物理リンク管理テーブルを更新する(ステップ3601)。
【0140】
図38にアグリゲーションリンク処理の処理フローを示す。まず、物理リンク管理テーブル22に登録された通信フローが経由する物理リンクを1つ取得する(ステップ3801)。取得した物理リンクについてアグリゲーション管理テーブル40に登録があるかを判定する(ステップ3802)。
【0141】
登録がある場合(ステップ3802でYes)の場合は、アグリゲーション管理テーブル40の分散アルゴリズムを参照し、分散アルゴリズムがポートベースかを判定する(ステップ3803)。
【0142】
分散アルゴリズムがポートベースの場合(ステップ3803でYes)の場合は、該当物理リンクの1つ前の物理リンクを物理リンク管理テーブルから取得する(ステップ3804)。
【0143】
1つ前の物理リンクの宛先インタフェースIDをリンク管理テーブル28から取得する(ステップ3805)。
【0144】
ステップ3805で取得した宛先インタフェースIDをもとに、該当アグリゲーション管理テーブル40の入力インタフェースを参照し、物理リンクIDを取得し(ステップ3806)、該当フローが経由する物理リンクを特定する(ステップ3807)。
【0145】
次に、特定した物理リンクでアグリゲーションリンクを置き換え、物理リンク管理テーブル22を更新する(ステップ3808)。
【0146】
最後に、全通信フローの物理リンクの検索が終了したかを判定(ステップ3809)し、終了していない場合は、ステップ3801から3809を繰り返し、アグリゲーションリンクのうち、ポートベースの分散アルゴリズムを用いるアグリゲーションリンクの物理リンク管理テーブル22を更新する。
【0147】
図39に、更新した物理リンク管理テーブル22の構成例を示す。アグリゲーションリンクのうち、ポートベースの分散アルゴリズムを用いるB1、B2リンクでは実際の物理リンク(B1―1、B1―2、B2―1、B2―2)を用い、ラウンドロビン、アドレスベースの分散アルゴリズムを用いるA1、A2、C1、C2リンクでは、アグリゲーションしたリンク(A1、A2、C1、C2)を物理リンク管理テーブルに用いている。また、ポートベースの分散アルゴリズムを用いるアグリゲーションリンクについては、物理帯域利用率管理テーブルも物理リンクごとに更新する。
【0148】
物理リンク管理テーブル22に、アグリゲーションリンク処理によって更新されたテーブルを用いること、物理帯域利用率管理テーブルを分散アルゴリズムに従って、アグリゲーションリンクまたは物理リンクごとに管理すること以外は、第1の実施の形態と同様である。
【0149】
以上により、リンクアグリゲーションによって冗長構成をとるネットワークにおいては、リンクアグリゲーションの分散アルゴリズムに従って、アグリゲーションリンク、または物理リンクごとにリンクを管理することで、他の実施の形態と同様に、物理リンクの帯域利用率と、通信フローに割り当てた帯域の利用率を基に、通信フローに対してシェーパを適用するか否かを判断することができる。この結果、ネットワークがすいている場合、通信フローに割り当てた帯域を超えて、余剰帯域を利用でき、ネットワークが混雑している場合は、フローに割り当てた帯域までの利用が可能となり、データ転送時間を最小化することができる。
【0150】
続いて、前述した各実施の形態によって得られるネットワーク制御システムの特徴的な構成について、以下に列記する。
【0151】
(1)複数のサーバと、複数の通信装置と、前記サーバ及び通信装置の通信を管理するネットワーク管理サーバから構成するネットワーク制御システムであって、
前記複数の通信装置は、
物理インタフェースが送受信する帯域情報を監視する監視部と、
監視した帯域情報をネットワーク管理サーバに通知する通知部と、
優先制御、マーキング、シェーピングのうちいずれかの処理を行うネットワーク制御部とを備え、
前記ネットワーク管理サーバは、
閾値を保持し、
前記複数の通信装置が通知する物理インタフェースの帯域情報を収集し、前記通信装置の物理リンクの帯域利用率を監視する物理帯域利用率監視部と、
前記複数のサーバ間の通信フローと、通信フローが経由する物理リンクの対応関係を管理する物理リンク管理部と、
前記通信装置の物理リンクの帯域利用率と、前記閾値とを比較し、
利用率が当該閾値を超えた場合に、前記対応関係に基づいて、当該物理リンクを経由する通信フローの設定変更が必要であることを判断する通信フロー特定部を有することを特徴とするネットワーク制御システム。
【0152】
(2)前記(1)のネットワーク制御システムであって、
前記通信装置は、当該通信装置を通過する通信フローと通信フローのネットワーク制御設定の対応を管理し、
前記管理サーバは、
前記特定した通信フローが経由する複数の通信装置から特定の通信装置を選択し、通信装置内の前記フローに対してシェーピング設定を行う制御方式設定部を有することを特徴とするネットワーク制御システム。
【0153】
(3)前記(2)に記載のネットワーク制御システムであって、
前記ネットワーク管理サーバは、さらに、第二の閾値と、
通信フロー毎に割り当てられた帯域と利用率を監視し、保持する利用率監視部を備え、
前記物理リンクの物理帯域の利用率が前記第一の閾値を超える場合に、
前記通信フローの利用率と、前記第二の閾値とを比較し、
前記通信フローの利用率が前記第二の閾値を超える場合に、前記対応関係に基づいて、当該物理リンクを経由する通信フローのうち、前記第二の閾値を超える通信フローに対し、シェーピングが必要であることを示すことを特徴とするネットワーク制御システム。
【0154】
(4)前記(3)に記載のネットワーク制御システムであって、
前記通信フローと、通信フローが経由する物理リンクとの対応関係を管理する通信フローは、テナントの情報処理システムを構成するサーバ間で発生する通信フローであることを特徴とするネットワーク制御システム。
【0155】
(5)前記(3)に記載のネットワーク制御システムであって、
前記サーバは、サーバが送受信するトラフィックを通信フローごとに監視するトラフィック監視部を設け、
前記監視したトラフィック情報を前記ネットワーク管理サーバへ通知することを特徴とするネットワーク制御システム。
【0156】
(6)前記(3)に記載ののネットワーク制御システムであって、
前記通信装置は、通信フローごとに監視するトラフィック監視部を設け、
前期監視したトラフィック情報を前記ネットワーク管理サーバへ通知することを特徴とするネットワーク制御システム。
【0157】
(7)前記(3)に記載のネットワーク制御システムであって、
テナントの情報処理システムを構成するサーバが、一定時間に処理可能な最大処理数と、前記処理において転送する平均的なデータサイズに基づいて、前記通信フローの利用率の最大値を計算し、前記計算した最大値を前記フローの利用率とすることを特徴とするネットワーク制御システム。
【0158】
(8)前記(1)に記載のネットワーク制御システムであって、
前記通信フローにシェーピングを行う通信装置は、前記通信フローにマーキングを行う通信装置より前に配置することを特徴とするネッワーク制御システム。
【0159】
(9)前記(1)に記載のネットワーク制御システムであって、
前期通信フローにシェーピングを行う通信装置は、前記利用率の高い物理インタフェースを有する通信装置以外の通信装置であることを特徴とするネットワーク制御システム。
【0160】
(10)前記(1)に記載のネットワーク制御システムであって、
前記ネットワーク管理サーバはさらに、通信装置の物理リンクの状態を管理し、前記物理リンクの状態変更に伴い、前記サーバ間の通信フローと、通信フローが経由する物理リンクとの対応関係を更新することを特徴とするネットワーク制御システム。
【0161】
(11)前記(1)に記載のネットワーク制御システムであって、
前記通信装置の物理リンクの状態は、スパニングツリープロトコルが規定するポートの状態であることを特徴とするネットワーク制御システム。
【0162】
(12)前記(1)に記載のネットワーク制御システムであって、
前記ネットワーク管理サーバはさらに、リンクアグリゲーションリンクとアグリゲーションリンクを構成する物理リンクとの対応関係とを管理し、
通信フローがアグリゲーションリンクを経由する場合は、前記サーバ間の通信フローと、通信フローが経由する物理リンクとの対応関係に、アグリゲーションリンクとの対応関係を用いること特徴とするネットワーク制御システム。
【0163】
(13)前記(12)に記載のネットワーク制御システムであって、
前記管理サーバはさらに、アグリゲーションリンクと構成する物理リンクと、アグリゲーションリンクで使用する分散アルゴリズムとの対応関係を保持し、
前記分散アルゴリズムに基づいて、前記サーバ間の通信フローと、通信フローが経由するリンクとの対応関係に、アグリゲーションリンクまたは物理リンクのどちらかを選択することを特徴とするネットワーク制御システム。
【0164】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0165】
1 ネットワーク管理サーバ
2、3、4、5、6、7、8、9 スイッチ
11、71、311 CPU
12、72、312 メモリ
13、75、314 インタフェース
14、74、313 バス
15 物理帯域利用率監視処理
16 フロー利用率管理処理
17 物理リンク管理処理
18 制御方式選択処理
19 テーブル初期化処理
20 物理帯域利用率管理テーブル
21 フロー利用率管理テーブル
22 物理リンク管理テーブル
23 閾値管理テーブル
24 物理構成管理テーブル群
25 テナントシステム構成管理テーブル群
40 アグリゲーション管理テーブル
73 ネットワーク制御部
77 制御設定管理テーブル
78 インタフェース監視処理
79 優先制御機能
80 帯域監視機能
81 マーカー機能
82 シェーパ機能
315 システムアプリケーション
316 トラフィック監視エージェント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信装置と、ネットワークを介して該複数の通信装置を管理する管理サーバとから構成されるネットワーク制御システムにおいて、
前記複数の通信装置は、
前記ネットワークに接続されるインタフェースと、
該インタフェースを介して送受信されるデータのトラフィック情報を取得するトラフィック情報取得部と、を各々有し、
前記管理サーバは、
前記ネットワークに接続されるインタフェースと、
リンクと該リンクを経由する通信フローとの対応関係を保持する格納部と、
前記通信装置から該インタフェースを介して受信したトラフィック情報に基づいて前記リンクの帯域利用率又は廃棄率を算出する算出部と、
該帯域利用率又は該廃棄率が所定の条件を満たすリンクを特定するリンク特定部と、
前記特定されたリンクを経由する第一の通信フローを前記対応関係に基づいて特定する通信フロー特定部と、を有することを特徴とするネットワーク制御システム。
【請求項2】
複数の通信装置と、ネットワークを介して該複数の通信装置を管理する管理サーバとから構成されるネットワーク制御システムにおいて、
前記複数の通信装置は、
前記ネットワークに接続されるインタフェースと、
該インタフェースを介して送受信されるデータのトラフィック情報を取得する制御部と、を各々有し、
前記管理サーバは、
前記ネットワークに接続されるインタフェースと、
リンクと該リンクを経由する通信フローとの対応関係を保持する格納部と、
前記通信装置から該インタフェースを介して受信したトラフィック情報に基づいて前記リンクの帯域利用率又は廃棄率を算出し、該帯域利用率又は該廃棄率が所定の条件を満たすリンクを特定し、該特定されたリンクを経由する通信フローを前記対応関係に基づいて特定する制御部と、を有することを特徴とするネットワーク制御システム。
【請求項3】
請求項1に記載のネットワーク制御システムであって、
前記複数の通信装置のうちの少なくとも一つは、通信フロー毎にネットワーク制御を行うネットワーク制御部を有し、
前記管理サーバは、前記第一の通信フローが経由し前記ネットワーク制御部を有する通信装置から特定の通信装置を選択し、該選択した通信装置に前記第一の通信フローに対するネットワーク制御の実行又は実行の解除を指示するネットワーク制御指示部と、を有することを特徴とするネットワーク制御システム。
【請求項4】
請求項3に記載のネットワーク制御システムであって、
前記所定の条件を満たすリンクとは、前記帯域利用率が所定の閾値以上であるリンクであり、
前記ネットワーク制御指示部は、前記第一の通信フローが経由し前記ネットワーク制御部を有する通信装置から特定の通信装置を選択し、該選択した通信装置に前記第一の通信フローに対するネットワーク制御の実行を指示することを特徴とするネットワーク制御システム。
【請求項5】
請求項3に記載のネットワーク制御システムであって、
前記所定の条件を満たすリンクとは、前記帯域利用率が所定の閾値未満であるリンクであり、
前記ネットワーク制御指示部は、前記第一の通信フローが経由し前記ネットワーク制御部を有する通信装置から特定の通信装置を選択し、該選択した通信装置に前記第一の通信フローに対するネットワーク制御の実行の解除を指示することを特徴とするネットワーク制御システム。
【請求項6】
請求項3乃至5に記載のネットワーク制御システムであって、
前記ネットワーク制御はシェーピング処理であることを特徴とするネットワーク制御システム。
【請求項7】
請求項1に記載のネットワーク制御システムであって、
前記通信フロー特定部は、前記第一の通信フローから各々の通信フローに割り当てられた帯域の利用率が所定の閾値を超える第二の通信フローを特定することを特徴とするネットワーク制御システム。
【請求項8】
請求項7に記載のネットワーク制御システムであって、
前記複数の通信装置のうちの少なくとも一つは、通信フロー毎にネットワーク制御を行うネットワーク制御部を有し、
前記管理サーバは、前記第二の通信フローが経由し前記ネットワーク制御部を有する通信装置から特定の通信装置を選択し、該選択した通信装置に前記第二の通信フローに対するネットワーク制御の実行を指示するネットワーク制御指示部と、を有することを特徴とするネットワーク制御システム。
【請求項9】
請求項8に記載のネットワーク制御システムであって、
前記ネットワーク制御はシェーピング処理であることを特徴とするネットワーク制御システム。
【請求項10】
請求項7に記載のネットワーク制御システムであって、
ネットワークを介して前記複数の通信装置及び前記管理サーバと接続される少なくとも2以上のサーバを更に有し、
通信フローは前記サーバ間で発生し、
前記サーバは、該サーバが送受信するトラフィックの情報を通信フローごとに取得するトラフィック情報取得部を有し、
前記管理サーバは、前記サーバから受信したトラフィック情報に基づいて前記通信フローの利用率を算出する通信フロー利用率算出部を有することを特徴とするネットワーク制御システム。
【請求項11】
複数の通信装置とネットワークを介して接続される管理サーバにおいて、
前記ネットワークに接続されるインタフェースと、
リンクと該リンクを経由する通信フローとの対応関係を保持する格納部と、
前記通信装置から該インタフェースを介して受信するトラフィック情報に基づいて前記リンクの帯域利用率又は廃棄率を算出する算出部と、
該帯域利用率又は該廃棄率が所定の条件を満たすリンクを特定するリンク特定部と、
前記特定されたリンクを経由する第一の通信フローを前記対応関係に基づいて特定する通信フロー特定部と、を有することを特徴とする管理サーバ。
【請求項12】
複数の通信装置とネットワークを介して接続される管理サーバにおいて、
前記ネットワークに接続されるインタフェースと、
リンクと該リンクを経由する通信フローとの対応関係を保持する格納部と、
前記通信装置から該インタフェースを介して受信したトラフィック情報に基づいて前記リンクの帯域利用率又は廃棄率を算出し、該帯域利用率又は廃棄率が所定の条件を満たすリンクを特定し、該特定されたリンクを経由する通信フローを前記対応関係に基づいて特定する制御部と、を有することを特徴とする管理サーバ。
【請求項13】
請求項11に記載の管理サーバであって、
前記管理サーバは、前記第一の通信フローが経由する通信装置から特定の通信装置を選択し、該選択した通信装置に前記第一の通信フローに対するネットワーク制御の実行又は実行の解除を指示するネットワーク制御指示部と、を有することを特徴とする管理サーバ。
【請求項14】
請求項13に記載の管理サーバであって、
前記所定の条件を満たすリンクとは、前記帯域利用率が所定の閾値以上であるリンクであり、
前記ネットワーク制御指示部は、前記第一の通信フローが経由する通信装置から特定の通信装置を選択し、該選択した通信装置に前記第一の通信フローに対するネットワーク制御の実行を指示することを特徴とする管理サーバ。
【請求項15】
請求項13に記載の管理サーバであって、
前記所定の条件を満たすリンクとは、前記帯域利用率が所定の閾値未満であるリンクであり、
前記ネットワーク制御指示部は、前記第一の通信フローが経由する通信装置から特定の通信装置を選択し、該選択した通信装置に前記第一の通信フローに対するネットワーク制御の実行の解除を指示することを特徴とする管理サーバ。
【請求項16】
請求項13乃至15に記載のネットワーク制御システムであって、
前記ネットワーク制御はシェーピング処理であることを特徴とする管理サーバ。
【請求項17】
請求項11に記載の管理サーバであって、
前記通信フロー特定部は、前記第一の通信フローから各々の通信フローに割り当てられた帯域の利用率が所定の閾値を超える第二の通信フローを特定することを特徴とする管理サーバ。
【請求項18】
請求項17に記載の管理サーバであって、
前記第二の通信フローが経由する通信装置から特定の通信装置を選択し、該選択した通信装置に前記第二の通信フローに対するネットワーク制御の実行を指示するネットワーク制御指示部を有することを特徴とする管理サーバ。
【請求項19】
請求項18に記載の管理サーバであって、
前記ネットワーク制御はシェーピング処理であることを特徴とする管理サーバ。
【請求項20】
請求項17に記載の管理サーバであって、
ネットワークを介して2以上のサーバと接続され、
通信フローは前記サーバ間で発生し、
前記サーバから受信するトラフィック情報に基づいて前記通信フローの利用率を算出する通信フロー利用率算出部を有することを特徴とするネットワーク制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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