説明

ネットワーク状態監視システム

【課題】
ISN回線やATM回線等SNMPプロコトルが使用できない回線の障害時に、迅速な検知と対応が可能となり、結果、システム復旧までの時間も短縮されるため、システム通信断時の経済的損失を抑制する事ができるようにすることにある。
【解決手段】
回線終端装置とネットワーク監視装置との間に回線終端装置のLEDランプの点灯、点滅等を検知する識別装置とデータ受信用コンピュータを配置付加し、この識別装置やコンピュータ等をもってISDN回線やATM回線障害時に、SNMPプロトコルを使用しネットワーク監視装置に障害通報する事により、障害検知を行える構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回線終端装置監視方式に関し、例えばIPネットワーク機器を使用して障害検知のできない装置のネットワーク監視装置に関し、更に詳しくはSNMP(Simple Network Management Protocol)プロトコルが使用できないISDNやATM回線に障害が発生したとき、迅速な検知が可能となり、障害部位の特定が迅速に行えるネットワーク状態監視方式に関するものである。
【背景技術】
【0002】
SNMPとは、TCP/IPネットワークにおいて、ルータやコンピュータ、端末など、ネットワークに接続された通信機器ネットワーク経由で監視・制御するためのプロトコルであって、制御の対象となる機器はMIB(Management Information Base:SNMPで管理されるネットワーク機器が、自分の状態を外部に知らせるために公開する情報のこと)と呼ばれる管理情報データベースをもっており、管理を行う機器は対象機器のMIBに基づいて適切な設定を行うものである。
【0003】
従来、SNMPプロトコルが使用できないISDNやATM回線に障害検知は人手に頼っていた。
【0004】
【特許文献1】特開平9−231142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最近のネットワークは、ほぼIPプロトコル群で統一されつつあり、また、ネットワーク監視方式もIPプロトコル群の一つであるSNMPプロトコルで統一されつつある。そして、障害検知方式を統合しており、ISDN回線やATM回線等はIPプロトコルと異なるため、障害検知にSNMPプロトコルが使用できない。ISDN回線やATM回線の障害は通信業者か使用者の申告に依存しており、ISDN回線やATM回線の障害検知が遅くなる。又、ISDN回線やATM回線の障害検知後、通信業者作業員が回線終端装置設置場所に移動し、回線終端装置の状態から障害部位の特定を行っており、回復作業が遅くなる。
【0006】
本発明の目的はかかる問題を是正することにあり、ISN回線やATM回線等SNMPプロコトルが使用できない回線の障害時に、迅速な検知と対応が可能となり、結果、システム復旧までの時間も短縮されるため、システム通信断時の経済的損失を抑制する事ができるネットワーク状態監視方式を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ISDN回線やATM回線は障害時に、回線終端装置の例えばLEDランプが点灯又は点滅する如く構成されているので、本方式では回線終端装置とネットワーク監視装置との間に回線終端装置のLEDランプの点灯、点滅等を検知する識別装置とデータ受信用コンピュータを配置付加し、この識別装置やコンピュータ等をもってISDN回線やATM回線障害時に、SNMPプロトコルを使用しネットワーク監視装置に障害通報する事により、障害検知を行える構成とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、識別装置を設けることにより、ISDN回線やATM回線等SNMPプロコトルが使用できない回線の障害時に、迅速な検知と対応が可能となり、結果、システム復旧までの時間も短縮されるため、システム通信断時の経済的損失を抑制する事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明のネットワーク状態監視方式の構成を示すブロック図である。
【0010】
同図において100はネットワーク監視装置、101は回線終端装置、102は回線終端装置の状態を示し、障害が発生したとき、点滅信号及び点灯信号を発生する例えばLEDからなるランプからなる。103はランプの点滅信号、点灯信号を受信する光センサー映像受信部、104は光センサー映像受信部の信号を映像データに変換する光センサー映像データ変換部、105は光センサー情報送信部である。これらは例えばPHS等の通信機能を有する装置にて構成すると良い。106はデータ受信パソコン情報受信部、107はデータ受信パソコン受信データSNMP変換部、108はデータ受信パソコン情報送信部である。これらは例えばパーソナルコンピュータにて構成される。データ受信用パソコンとIPネットワーク監視装置100はIPネットワークにて接続されている。
【0011】
図2は、回線終端装置101の回線側に障害が発生した場合、その障害を回線終端装置101からネットワーク監視装置100に通知するまでの処理手順を示す図、図3はネットワーク監視装置の処理動作を示す図である。以下、これらの図を参照して回線の障害監視動作について説明する。
【0012】
回線終端装置側の回線に障害が発生すると、回線終端装置101に設けられたランプ102が、点滅及び点灯し、点滅及び点灯信号が発光される(ステップS201)。この発光は、光センサー映像受信部103が検知する(ステップ202)。
【0013】
すると、映像データ変換部104はこの信号を2バイトのデジタル信号に変換する(ステップS203)。この時、点滅は”1000000”となり、点灯は”10101010”となる。光センサーはデジタル変換した光信号をデータ受信パソコンに情報送信部105を使用して転送する(ステップ204)。この時のデータ書式、プロトコルの取決めはなく、何れの書式、プロトコルでも良い。
【0014】
データ受信パソコンは情報受信部106でデジタルデータを受取った(ステップ205)後、受信データSNMP変換部108でSNMP TRAP(複数の管理者に送信することができ、管理者ごとにコミュニティ名やSNPのバーsジョンを変更することが可能) 企業TRAPヘッダに書き込む(ステップ206)。この時、企業ヘッダに書き込む値は特に問題としない。ネットワーク監視装置100が認識できれば良い。この際、SNMPコミュニティ名はネットワーク監視装置100に合わせる事とする。ネットワーク監視装置100はデータ受信パソコンからSNMP TRAPを受信した時任意の方法で管理者へ障害内容を伝える(ステップS207)。
【0015】
ネットワーク監視装置100はSNMPデータを受信し(ステップS301)、企業MIBヘッダ読取部(図示せず)にて読み取る(ステップS302)。ここで登録情報の有無を判断し(ステップS303)、有りの場合、ネットワーク監視装置は読み取ったMIBデータに該当する障害内容を任意の方式で管理者に通知する(ステップS304)。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本願発明の一例を示すブロック構成図である。
【図2】回線終端装置が点滅してからデータ受信パソコンがネットワーク監視装置にSNMP TRAPデータを送信するまでのフロー図である。
【図3】ネットワーク監視装置がデータ受信パソコンからSNMP TRAPを受信してから障害通知するまでのフロー図である。
【符号の説明】
【0017】
100 … ネットワーク監視装置
101 … 回線終端装置
102 … 点滅信号及び点灯信号
103 … 光センサー映像受信部
104 … 光センサー映像データ変換部
105 … 光センサー情報送信部
106 … データ受信パソコン情報受信部
107 … データ受信パソコン受信データSNMP変換部
108 … データ受信パソコン情報送信部である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SNMPプロトコルが使用不可の回線の回線終端装置と、識別装置と、データ受信用コンピュータと、ネットワーク監視装置からなり、前記回線終端装置は回線に障害が発生したとき光る又は点灯、点滅を繰り返し、該回線終端装置の状態を表示するランプを備え、前記識別装置は前記回線終端装置のランプの点灯、点滅を検知するカメラからなる映像受信部、該カメラで撮った点滅、点灯の信号を映像データに変換する映像データ変換部、該映像データ変換部の映像データを前記データ受信用コンピュータに送信する送信部を含み、前記データ受信用コンピュータは前記識別装置の情報送信部から送信されたデータを受信する受信部、該受信部の受信データをSNMPフォマットに変換するデータSNP変換部、該変換部のデータをIPネットワークを介して前記ネットワーク監視装置に送信する送信部を含み、前記回線終端装置の回線状態を、前記識別装置、データ受信用コンピュータを介して前記ネットワーク監視装置に転送し、該ネットワーク監視装置上に回線状態を表示する事を特徴とするネットワーク状態監視システム。
【請求項2】
請求項1の識別装置に光センサを用い、前記回線終端装置が発するランプの光色又は点滅状況の変化を検知する事を契機に前記ネットワーク監視装置へTRAPを発行し前記ネットワーク監視装置に障害を検知させるネットワーク状態監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−301306(P2009−301306A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−154806(P2008−154806)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】