説明

ネットワーク経由情報記録再生システム、情報送信対象検索方法並びに情報記録再生装置

【課題】ネットワークを経由して映像コンテンツを複数の機器間でダビングするにあたり、ダビングできる装置を検索する。
【解決手段】情報の発信元である第1の情報記録再生装置がネットワークを介して接続される自身以外の全情報記録再生装置に対してトランザクションIDを含む情報転送要求情報をブロードキャストし、該ブロードキャストを受けた情報記録再生装置のうち該情報転送要求に該当する第2の情報記録再生装置が該トランザクションID及び自身のホスト名/IPアドレス情報並びに情報媒体装置の種別を表す情報媒体種別情報を含む情報転送応答情報を第1の情報記録再生装置に対してユニキャストし、該情報転送応答情報を受信した第1の情報記録再生装置が第2の情報記録再生装置に対して情報コンテンツを送信し、第1若しくは第2の情報媒体に記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばネットワーク経由情報記録再生システム並びに情報記録再生装置に係り、特に、ネットワークを経由して映像コンテンツをダビングできる装置を検索するネットワーク経由情報記録再生システム、情報送信対象検索方法並びに情報記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年DVD(Digital Versatile Disk)装置を含む各種映像記録・再生装置が一般家庭にも含め世に広く普及している。
【0003】
特に、DVDはその情報格納能力の高さから、高密度化、高速化の方向に研究開発が進められ、成果を出してきている。また、一方で、規格の世界標準を睨んだ規格統合によりより使い易く統一的な方向にも機器開発の方向は実現してきている。
【0004】
また、DVD装置の中で、ハードディスクドライブとDVDドライブとを兼備し、たとえばハードディスクに録画された映像・音声をDVDに録画するという技術も開発され、利用者の利便性に供していた。
【特許文献1】特開2002―091409号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これまでのDVD等映像記録再生装置の録画機能は自機の中での映像・音声情報のやり取りを行うものに限定されていた。
【0006】
本発明は上記の従来技術の問題を解決するためになされたもので、ネットワークを経由して映像コンテンツを複数の機器間でダビングできるネットワーク経由情報記録再生システム、情報送信対象検索方法並びに情報記録再生装置を提供することを目的とする。
【0007】
本発明の更に詳細な目的は、ネットワークを経由して映像コンテンツを複数の機器間でダビングするにあたり、ネットワークを経由して映像コンテンツをダビングできる装置を検索するネットワーク経由情報記録再生システム、情報送信対象検索方法並びに情報記録再生装置を提供することである。
【0008】
本発明は、このようなネットワーク経由情報記録再生システム並びに情報記録再生装置の提供を通じて、より利用者に便利で使い勝手のよい情報記録再生システム、情報送信対象検索方法並びに情報記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するため、本発明は、中央処理装置(CPU)、第1及び/または第2の情報媒体装置、並びに通信部を少なくとも備える情報記録再生装置がネットワークを介して複数接続され、該情報記録再生装置間で映像を含む情報の受け渡しを行うネットワーク経由情報記録再生システムにおいて、情報の発信元である第1の情報記録再生装置がネットワークを介して接続される自身以外の全情報記録再生装置に対してトランザクションIDを含む情報転送要求情報を送信(たとえばブロードキャスト)し、該送信(たとえばブロードキャスト)を受けた情報記録再生装置のうち該情報転送要求に該当する第2の情報記録再生装置が該トランザクションID及び自身のホスト名/IPアドレス情報並びに情報媒体装置の種別を表す情報媒体種別情報を含む情報転送応答情報を第1の情報記録再生装置に対して送信(たとえばユニキャスト)し、該情報転送応答情報を受信した第1の情報記録再生装置が該情報転送応答情報に含まれるホスト名/IPアドレス情報により特定される第2の情報記録再生装置に対して情報コンテンツを送信し、該第2の情報記録再生装置が送信された情報コンテンツを該情報媒体種別情報で特定される第1若しくは第2の情報媒体に記録することを特徴とする。
【0010】
かかる構成を備える本発明によれば、情報の発信元である第1の情報記録再生装置が、ネットワークを介して送られてくる情報転送応答情報が自身の送信したトランザクションを含むか否かを見ることで、自身の送信要求に係る応答であることを確認でき、同時に含まれるホスト名/IPアドレス情報から送信先である第2の情報記録再生装置を特定できるので、ネットワークを介して複数の装置が接続されている環境下にあっても、所望の装置にのみ正確に情報コンテンツの送信が可能となる。しかも、第1の情報記録再生装置からの送信(たとえばブロードキャスト)に対する第1回目の応答時情報である情報転送応答情報に情報媒体種別情報を含むので、情報コンテンツ送信に係るトランザクションが1回分少なくて済み、したがって高速のコンテンツ送信システムを実現することが可能となる。
【0011】
この場合のネットワーク経由情報記録再生システムにおいて、該情報転送要求情報の送信(たとえばブロードキャスト)に先だって該ネットワークに所属する各情報記録再生装置が自身の所属するグループ名を特定するグループ名識別情報を登録し、該情報転送要求情報は該グループ名識別情報を含み、該送信(たとえばブロードキャスト)された情報転送要求情報を受信した第2の情報記録再生装置は該情報転送要求情報中のグループ名識別情報が自身の登録したグループ名識別情報と一致する場合にのみ該第1の情報記録再生装置に対して情報転送応答情報を送信(たとえばユニキャスト)するように構成してもよい。
【0012】
このように構成することで、グループ名を同じくするものにのみ送信し、それ以外のものはたとえば送信不許可とすることで、想定外のものに誤って、或いは意図的に映像情報を転送する事態の発生を防止し、もってコンテンツ送信システムを実現することが可能となる。
【0013】
またこの場合のネットワーク経由情報記録再生システムにおいて、該情報転送要求情報の送信(たとえばブロードキャスト)に先だって該ネットワークに所属する各情報記録再生装置が他装置からの情報転送要求を受けつけるか否かを特定する情報転送要求受付可否情報を登録し、該送信(たとえばブロードキャスト)された情報転送要求情報を受信した第2の情報記録再生装置は該自身の登録した情報転送要求受付可否情報が受付可能を表す場合にのみ該第1の情報記録再生装置に対して情報転送応答情報を送信(たとえばユニキャスト)するように構成してもよい。
【0014】
このように構成することで、たとえグループ名を同じくする場合であっても、他の状況により受信を受けつけたくないものは情報転送要求受付可否情報を「受信不可」とすることで、コンテンツ送信を防ぐことができ、もって安全性を備えたコンテンツ送信システムを実現することが可能となる。
【0015】
また、この場合、該情報転送応答情報は該情報転送要求情報の特定のビットを情報媒体種別情報に係るビットで置換して得るように構成してもよい。
【0016】
このように構成することで、送信(たとえばブロードキャスト)される情報転送要求情報とそれに対する送信(たとえばユニキャスト)応答に係る情報転送応答情報とでプロトコールを一致させることができ、論理回路の単純化に資すとともに、余分なプロシジャを介することなく正確かつ高速な情報コンテンツの送信が可能となる。
【0017】
また、この場合、該情報転送応答情報及び情報転送要求情報は、所定の暗号化方法を用いて暗号化されたものであるように構成してもよい。
【0018】
このように構成することで、たとえ悪意をもったネットワーク海賊の存在があったとしても、意図しない先に映像情報が転送されてしまう事態の発生を防止し、もってセキュリティ性の高いコンテンツ送信システムを実現することが可能となる。
【0019】
また、本発明は、中央処理装置(CPU)、第1及び/または第2の情報媒体装置、並びに通信部を少なくとも備え、ネットワークを介して接続される情報記録再生装置に対して情報コンテンツを送信するために送信対象を特定する情報送信対象検索方法において、該ネットワークに対してトランザクションIDを含む情報転送要求情報を送信(たとえばブロードキャスト)するステップと、該送信(たとえばブロードキャスト)された情報転送要求情報に応答する情報記録再生装置に係るホスト名/IPアドレス情報及び情報媒体装置の種別を表す情報媒体種別情報並びに該トランザクションIDを含む情報転送応答情報を受信するステップと、該情報転送応答情報に含まれるトランザクションIDにより情報の送信先としての情報記録再生装置及び該情報記録再生装置に係る情報媒体装置を特定するステップとを具備する。
【0020】
かかる構成を備える本発明によれば、ネットワークを介して送られてくる情報転送応答情報が送信元装置の送信したトランザクションIDを含むか否かを見ることで、該送信元装置の送信要求に係る応答であることを確認すると共に、該情報転送応答情報に含まれるホスト名/IPアドレス情報から送信先である情報記録再生装置を特定できるので、ネットワークを介して複数の装置が接続されている環境下にあっても、送信先である所望の装置を正確に特定することが可能となる。同時に、当該情報転送応答情報に情報媒体種別情報を含むので、送信先である所望の装置の中の記録先媒体を同時に特定でき、しかもこの記録先媒体特定のプロシジャを別に設ける必要無く行えるから、情報コンテンツ送信に係るトランザクションが1回分少なくて済み、したがって高速のコンテンツ送信システムに係る情報送信対象検索方法を実現することが可能となる。
【0021】
この場合の情報送信対象検索方法において、該情報転送要求情報を送信(たとえばブロードキャスト)するステップに先だって自身の所属するグループ名を特定するグループ名識別情報を登録するステップを有し、該情報転送要求情報は該グループ名識別情報を含み、該送信(たとえばブロードキャスト)された情報転送要求情報中のグループ名識別情報が該情報記録再生装置に係るグループ名識別情報と一致する場合にのみ前記情報転送応答情報を受信するように構成しても良い。また、該情報転送要求情報を送信(たとえばブロードキャスト)するステップに先だって該ネットワークに所属する他装置からの情報転送要求を受けつけるか否かを特定する情報転送要求受付可否情報を登録するステップを有し、該情報記録再生装置の登録した情報転送要求受付可否情報が受付可能を表す場合にのみ前記情報転送応答情報を受信するように構成しても良い。このように構成することで、上記の情報送信対象検索方法においてさらに精度の向上を見こむことが可能である。
【0022】
また、この場合、該情報転送応答情報は該情報転送要求情報の特定のビットを情報媒体種別情報に係るビットで置換して得られるように構成しても良い。また、該情報転送応答情報及び情報転送要求情報は、所定の暗号化方法を用いて暗号化されたものであるように構成しても良い。このように構成することで、さらに上記の情報送信対象検索方法をさらに簡易に、余分なステップを必要とすることなくでき、或いは、セキュリティの向上を実現することが可能である。
【0023】
また、本発明は、中央処理装置(CPU)、第1及び/または第2の情報媒体装置、並びに通信部を少なくとも備える情報記録再生装置において、該中央処理装置は、ネットワークを介して接続される情報記録再生装置に対して情報コンテンツ送信のためのトランザクションIDを含む情報転送要求情報を前記通信部を介して送信(たとえばブロードキャスト)する情報転送要求情報同報手段と、該通信部を介して受信した情報転送要求情報に含まれるトランザクションIDを検証する検証手段と、該検証手段により該情報転送要求情報が自機に該当する場合には該トランザクションID及び自身のホスト名/IPアドレス情報並びに情報媒体装置の種別を表す情報媒体種別情報を含む情報転送応答情報を該情報転送要求情報の送信元である情報記録再生装置に対して送信(たとえばユニキャスト)する情報転送応答手段と、該受信した情報転送応答情報に含まれるホスト名/IPアドレス情報により特定される送信先情報記録再生装置に対して情報コンテンツを送信する情報コンテンツ送信手段と、該送信された情報コンテンツを該情報媒体種別情報で特定される第1若しくは第2の情報媒体に記録する記録手段と を具備する。
【0024】
かかる構成を備える本発明によれば、ネットワークを介して送られてくる情報転送応答情報が自身の送信したトランザクションIDを含むか否かを検証手段が検証するので、自身の送信要求に係る応答であることを確認でき、同時に含まれるホスト名/IPアドレス情報から送信先である送信先の情報記録再生装置を情報コンテンツ送信手段が特定するので、ネットワークを介して複数の装置が接続されている環境下にあっても、所望の装置にのみ正確に情報コンテンツの送信を行う情報記録再生装置を実現することができる。しかも、送信元情報記録再生装置からの送信(たとえばブロードキャスト)に対する第1回目の応答時情報である情報転送応答情報に情報媒体種別情報を含むので、情報コンテンツ送信に係るトランザクションが1回分少なくて済み、したがって高速にコンテンツ送信を行う情報記録再生装置を実現することができる。
【0025】
この場合の情報記録再生装置において、ネットワークにおける自身の所属するグループ名を特定するグループ名識別情報を登録する手段をさらに具備し、該情報転送要求情報は該グループ名識別情報を含み、該情報転送応答手段は受信した情報転送要求情報中のグループ名識別情報が自身の登録したグループ名識別情報と一致する場合にのみ該送信元情報記録再生装置に対して情報転送応答情報を送信(たとえばユニキャスト)するように構成してもよい。また、該ネットワークに所属する他情報記録再生装置からの情報転送要求を受けつけるか否かを特定する情報転送要求受付可否情報を登録する手段をさらに具備し、該情報転送応答手段は受信した情報転送要求情報中の情報転送要求受付可否情報が受付可能を表す場合にのみ該送信元情報記録再生装置に対して情報転送応答情報を送信(たとえばユニキャスト)するように構成してもよい。このように構成することで、上記の情報記録再生装置において、想定外のものに誤って、或いは意図的に映像情報を転送する事態の発生を防止し、安全性をさらに向上させることが可能である。
【0026】
また、この場合、該情報転送応答情報は該情報転送要求情報の特定のビットを情報媒体種別情報に係るビットで置換して得られるように構成してもよい。また、該情報転送応答情報及び情報転送要求情報は、所定の暗号化方法を用いて暗号化されたものであるように構成してもよい。このように構成することで、上記の情報記録再生装置において、余分なプロシジャを省いてより正確かつ高速な情報コンテンツ送信、セキュリティ性の高いコンテンツ送信を実現することが可能である。
上記の場合において、「情報」は、映像、音声、データを含む概念である。
【0027】
「情報記録再生装置」は、たとえばDVD録画・再生機能を有する装置などを含み、一定の記録媒体のドライブを有し、情報の記録機能、再生機能を備えたものをいう。
【0028】
また、上記の情報記録再生装置に係るCPUのうち、「情報転送要求情報同報手段」、「検証手段」、「情報転送応答手段」、「情報コンテンツ送信手段」、「記録手段」、「グループ名識別情報を登録する手段」、及び「情報転送要求受付可否情報を登録する手段」は、それぞれ該当する上記機能を実現する回路、論理設計、ソフトウェア、該ソフトウェアを搭載したチップ・記録媒体等によって実現し得るものである。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、ネットワークを介して送られてくる情報転送応答情報が送信元装置の送信したトランザクションIDを含むか否かを見ることで、該送信元装置の送信要求に係る応答であることを確認すると共に、該情報転送応答情報に含まれるホスト名/IPアドレス情報から送信先である情報記録再生装置を特定できるので、ネットワークを介して複数の装置が接続されている環境下にあっても、送信先である所望の装置を正確に特定することが可能となる、という利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態に係るネットワーク経由情報記録再生システム全体の構成を示すブロック図である。なお、以下では、本願発明の目的の達成のために説明に必要な範囲を模式的に示し、本願発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所に付いては公知技術によるものとする。
同図に示すように、本発明の一実施形態に係るネットワーク経由情報記録再生システム1は、本願特有の(後述の)構成を備える録画再生装置(「記録再生装置」とも称し、記載することもある。以下同じ。)10と録画再生装置11とがネットワークを介して接続されて構成される。以下では構成要素のそれぞれについて録画再生装置10の場合を例にとって説明する。図1に示すように、本発明の一実施形態に係る録画再生装置10は、CPU101とこれにバスを介して接続されるDVDドライブ103及びHDD(ハードディスク・ドライブ)105と、CPU101に接続されかつネットワークと有線もしくは無線を介して接続される通信部107とを少なくとも備えて構成される。同じように、録画再生装置11は、CPU111とこれにバスを介して接続されるDVDドライブ113及びHDD115と、CPU111に接続されかつネットワークと有線もしくは無線を介して接続される通信部117とを少なくとも備えて構成される。
【0032】
なお、ここでは録画再生装置10と録画再生装置11との間の取り合いを主に説明するためにネットワーク経由情報記録再生システムの構成要素たる録画再生装置が2台ある場合を想定しているが、かかるシステムの構成要素は2台に限定されることなく、台数の限定なく、たとえば図2に示すような任意の自然数n台の接続の場合に本願に係る思想は適用することが可能である。また、
具体的には、図2に示す場合にあっては、本願に係るネットワーク経由情報記録再生システム1’は、ネットワークを介して互いに接続される録画再生装置10’、録画再生装置10−1、録画再生装置10−2、録画再生装置10−3、…、録画再生装置10―nを備えて構成される。録画再生装置10’はHDD10’A及びDVDドライブ10’Bを備え、録画再生装置10−1はHDD10−1A及びDVDドライブ10−1Bを備え、録画再生装置10−2はHDD10−2A及びHDD10−2Bを備え、録画再生装置10−3はDVDドライブ10−3Bを備え、…、録画再生装置10−nはHDD10−nAを備えて構成される。このように、本願に係る録画再生装置は、記録媒体としてはHDD(ハードディスク・ドライブ)とDVDドライブの双方(数は1以上の任意の数)もしくはいずれか一方(数は1以上の任意の数)を備えるものであればよい。
【0033】
図1に戻ると、CPU101はこのシステム全体の動作を制御するものであり、(図示しない)システム・メモリに格納されたオペレーティングシステムおよび実行対象のアプリケーションプログラムなど実行する。DVDドライブ103は、CPU101の指示に基づいて(図示しない)DVDに書きこまれた情報を再生し、或いは通信部107を経由して取得した情報をDVDに書きこむ機能を有する。
【0034】
HDD105は、CPU101の指示に基づいて(図示しない)ハードディスクに書きこまれた情報を再生し、或いは通信部107を経由して取得した情報をハードディスクに書きこむ機能を有する。通信部107は、ネットワークを介して接続される他装置(ここでは録画再生装置11)との間で情報の授受を行う。
【0035】
次に、本発明に特有の構成であるCPU101の更に詳細な構成について説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係るCPU101の更に詳細な機能構成を示すブロック図である。
同図に示すように、CPU101は、全体制御部1010と、情報転送要求情報同報部1011と、検証部1012と、情報転送応答部1013と、情報コンテンツ送信部1014と、記録部1015と、グループ名識別情報登録部1016と、情報転送要求受付可否情報登録部1017とを少なくとも備えて構成される。これらの各部1010乃至1017は、それぞれ該当する下記機能を実現する回路の論理設計或いはソフトウェア(コード)として実現されるほか、該ソフトウェアを搭載したチップ・記録媒体等によって実現される。
【0036】
全体制御部1010は、全体の制御を行うとともに(後述する)画面に必要なメッセージを出力しユーザからの情報の入力を受ける機能を有する。
【0037】
情報転送要求情報同報部1011は、ネットワークを介して接続される情報記録再生装置11に対して(後述する)情報コンテンツ送信のための(グループ名及びパスワードを含む)トランザクションIDを含む情報転送要求情報を作成し、これを通信部107を介してブロードキャスト(同報)する機能を有する。
【0038】
検証部1012は、通信部107を介して受信した情報転送要求情報を検証し、(後述する)該情報転送要求情報に含まれるグループ名及びパスワードと自機で登録している自機に係るグループ名及びパスワードとを比較するとともに該情報転送要求情報に含まれるトランザクションIDから送信すべき相手先機器(ここでは11)を決定する機能を有する。
【0039】
情報転送応答部1013は、当該情報転送要求情報が自機に該当する(即ち、情報転送要求情報に含まれるグループ名及びパスワードと自機で登録している自機に係るグループ名及びパスワードとが一致する)と検証部1012が判断した場合には該トランザクションID及び(後述する)自身のホスト名/IPアドレス情報並びに情報媒体装置の種別を表す(後述する)情報媒体種別情報を含む情報転送応答情報を生成し、この生成した情報転送応答情報を情報記録再生装置11に対してユニキャスト(返報)する機能を有する。
【0040】
情報コンテンツ送信部1014は、情報転送応答情報に含まれるホスト名/IPアドレス情報により特定される送信先情報記録再生装置11に対して情報コンテンツを送信する機能を有する。
【0041】
記録部1015は、情報記録再生装置10が情報コンテンツの受け手であった場合に、他の情報記録再生装置(たとえば情報記録再生装置11)から送信された情報コンテンツを情報媒体種別情報で特定される情報媒体、即ちDVDもしくはハードディスクに記録する機能を有する。
【0042】
グループ名識別情報登録部1016は、ネットワークにおける自身の所属するグループ名を特定するグループ名識別情報、及び該当する場合にはパスワード、をたとえばHP(ホームページ)上で登録し、登録されたグループ名識別情報、及び該当する場合にはパスワード、を保持する機能を有する。
【0043】
情報転送要求受付可否情報登録部1017は、ネットワークに所属する他情報記録再生装置からの情報転送要求を受けつけるか否かを特定する情報転送要求受付可否情報をたとえばHP(ホームページ)上で登録し、登録された情報転送要求受付可否情報を保持する機能を有する。
【0044】
次に、以上のように構成される録画再生装置10の詳細な動作と併せて、そのような録画再生装置が複数ネットワークを通じて接続されて構成されるネットワーク経由情報記録再生システム1の詳細な動作について説明する。
【0045】
図4は、本願の一実施形態に係る録画再生装置及びネットワーク経由情報記録再生システムの動作と、当該動作において顕出される画面の遷移の順序とを併せて描いたタイミング&フローチャート・画面遷移図である。なおここで各画面の概要は別の対応図に表す。また、ここでは先の仮定と同様に、図1に描かれる記録再生装置10及び記録再生装置11の間で情報コンテンツの授受がなされるという状況で説明するが、先に述べたように、図2のような3以上の機器接続状態においても同じ説明・動作が該当する。ここではたとえば、記録再生装置10を情報コンテンツの送信元(ダビング元)、記録再生装置11を情報コンテンツの送信先(ダビング先)とする。
図4に示すように、まず、記録再生装置10の全体制御部1010は図5に示すような初期設定画面を(図示しない)モニタに表示させる(ステップ10−401)。即ち、図5に示すように、全体制御部1010は、ダビングを受けつけるか否かの情報51、グループ名情報52及びグループパスワード情報53のそれぞれの入力を促す画面を表示し、ユーザによって入力されたダビングを受けつけるか否かの情報51、グループ名情報52及びグループパスワード情報53を受けつけ(ステップ10−401)る。たとえば図5の例においては、ダビングを受けつけるか否かの情報51としては「受け付ける」が選択入力され、グループ名情報52としては「TOSHIBA」が入力され、グループパスワード情報53としては所定の7桁の文字・数字(たとえば「ABCDEFG」)が入力されるが、グループパスワード情報53はセキュリティのためアスタリスク表示となる。
【0046】
なお、このうち、ダビングを受けつけるか否かの情報(たとえばフラグ)51は自機の都合で指定できるものであり、これで「受けつけない」とされていると、たとえ後のグループ名情報52及びグループパスワード情報53が合っていたとしても情報コンテンツのダビングは行われない。因みに、たとえば本情報記録再生装置の製造時・工場出荷時には初期値として「受けつける」とし、その後ユーザの都合により、たとえば他人から突然情報コンテンツが送られてくるのは困るというような場合には、「受けつけない」に変える、というような使い方があってもよい。グループ名情報52は、同じ情報コンテンツを共有する必要のある社会的単位に共通のものを用い、たとえば家族でコンテンツを共有するために特定の文言(ここではたとえば7文字とする。しかしこの文字数に限定されるわけではない。)をグループ名に設定し、これを共有しない者にコンテンツがダビングされるのを防ぐようにする働きがある。また、情報の種類に応じてグループを分けて管理したいときなどに便宜である。グループパスワード情報53はコンテンツのセキュリティ管理を更に厳重にし得る手段の1つであり、これを先のグループ名情報52と重畳的に用いることで、より安全なコンテンツダビング操作を行うことが可能である。
【0047】
ついでこれを登録するための指示受け画面(たとえば図6)に遷移し(ステップ10−402)、登録ボタン61が押下されたときには先のダビングを受けつけるか否かの情報51、グループ名情報52及びグループパスワード情報53をたとえば(図示しない)(不揮発性)メモリに記憶する(ステップ10−402)。図6においては特に区別的に表示しないが、たとえば「登録」ボタン61が押下されたものとする。
【0048】
このとき、ネットワークに接続される記録再生装置11側でも同様に、たとえば図7に示すような初期設定画面の表示を通じてダビングを受けつけるか否かの情報、グループ名情報及びグループパスワード情報の入力を促し(ステップ11−401)、ついでたとえば図8に示すような登録指示受け画面に遷移し入力されたダビングを受けつけるか否かの情報、グループ名情報及びグループパスワード情報をたとえば(図示しない)(不揮発性)メモリに記憶する(ステップ11−402)。ここでも記録再生装置10側と同様なダビングを受けつけるか否かの情報、グループ名情報及びグループパスワード情報が入力され、「登録」ボタンが押下されたものとする。つまり、本項の例では、記録再生装置10及び11は共に、ダビングを受け付ける意思を表明し、同一のグループ名を持ち、然るべきグループパスワードを入力し、これらが登録されているものとする。
【0049】
なお、これらの図5及び6の初期設定画面及び初期設定情報登録画面はここではHPで設定することとしている。HP自体にセキュリティをかけてもよい。これを行えばより背キュルティ度の高いシステムの構築が可能である。つまり、一旦設定したものを権原の無い者(たとえば所定のパスワードを持っていない者)が勝手に改竄することができないようなシステムを構築し得るのであれば、この画面はHPに限られることはない。
【0050】
次にダビング元である記録再生装置10の全体制御部1010は図9に示すようなコンテンツ選択画面を(図示しない)モニタに表示させる(ステップ10−403)。即ち、同図に示すように、たとえば録画済のコンテンツが単位ごとに分割表示され、そのうちのダビング操作所望のものを選択できるような画面を表示してよい。ここで情報の送り手(つまり、ダビング元である記録再生装置10の図示しないユーザ)はどのコンテンツを送るかという選択ができることになる。
【0051】
次にダビング元である記録再生装置10の全体制御部1010は図10に示すような情報転送態様指定画面を(図示しない)モニタに表示させる(機器側:ステップ10−404)。即ちこのステップは記録再生装置10のユーザ側の視点からは、情報コンテンツを送信したい相手先の機器とメディア(ハードディスク或いはDVD)を選択・指定する(ステップ10−404)ステップとなる。図10においては、選択肢10Aは自機内のHDDからDVDにコピーする場合(即ちコピー元はそのままの状態を保つ)を、選択肢10Bは自機内のHDDからDVDにコピーする場合(即ちコピー元はデータが削除される)を、選択肢10Cは自機内のHDD内のある場所からHDD内の別の場所にディスク内コピーする場合(即ちコピー元はそのままの状態を保つ)を、選択肢10Dは自機内のHDD内のある場所からネットワークを介して相手先機器の特定の場所(記録媒体)にコピーする場合(即ちコピー元はそのままの状態を保つ)を、それぞれ示す。本例では選択肢10Dの場合を選択するものとして説明を進める。つまり、ネットワークを介して情報コンテンツをダビングする動作において、あたかもこれまでの、ディスク内コピーや自機内のHDDからDVDへのコピー/移動と同格の選択肢として画面表示できるから、ユーザにとってはただ選択肢が1つ増えた感覚のみで、技術的な点を意識することなく、利用できるから利便性は広がる。
【0052】
さて、ここでは選択肢10Dの「自機内のHDD内のある場所からネットワークを介して同じグループ内の特定の相手先機器の特定の場所(記録媒体)にコピーする」という意思に基づいて選択行為が行われたと想定するが、この選択された選択肢をたとえば反転表示するなど、強調表示してもよい。
【0053】
次にダビング元である記録再生装置10の全体制御部1010は通信部107を介して、ネットワークに接続される全機器に対し同報をかける(ステップ10−11−401)。ブロードキャストされるのは、情報転送要求情報である。
【0054】
図11は、このようにコンテンツ送信元から同報される本願に特有の構成である情報転送要求情報の構成の概念を示した概念図である。
同図(a)に示すように、情報転送要求情報同報部1011は、まずグループ名情報52とグループパスワード情報53とを繋げてたとえば30文字の文字列を作る。文字列の長さはここでは仮に30としているが、何文字であってもよい(以下の文字列の長さについても同じ)。上記の例では、グループ名情報52としては「TOSHIBA」が入り、グループパスワード情報53としてはたとえば「ABCDEFG」が入るから、同図(b)に示すような状態になる。
【0055】
次に情報転送要求情報同報部1011は、こうして得られる文字列に対し、所定の暗号化をかけ、この暗号化された文字列のたとえば頭18文字を採用する(同図(c)の文字列610)。情報転送要求情報同報部1011はこの暗号化済文字列610の頭18文字の文字列610の頭に、たとえば「TR#」文字列620を、末尾に、ブロードキャストした送信元を識別するための識別子である識別子文字列630(たとえば15文字)を付す(同図(d))。識別子文字列630はたとえば乱数を採用することで、同じネットワーク上で同一の識別子文字列が使われる可能性を略ゼロにすることができる。この識別子文字列630の一部、たとえば識別子文字列630の頭1文字を除いた残りの部分(たとえば上記の例でいえば14文字)を後述するトランザクションIDとする。こうして得られる文字列(620+610+630)を情報転送要求情報1100とする(同図(d’))。
【0056】
情報転送要求情報同報部1011は通信部107を介して、この情報転送要求情報1100を、ネットワークに係る全機器に対して同報する(ステップ10−11−401)。なお、この同報された情報転送要求情報1100はたとえば(図示しない)一時記憶装置に退避させる。
【0057】
この同報を受けたネットワークに接続される全記録再生装置(ここではたとえば記録再生装置11)側では、その(図示しない)検証部1012’がこの同報された情報転送要求情報同報部1011を解析してグループ名及びグループパスワードが自機と同一か否かを検証する(ステップ11−403)。具体的には、記録再生装置11の(図示しない)情報転送要求情報同報部1011’が図11及び上記で説明したような方法・手順を用いて自機のステップ11−401乃至ステップ11−402で登録したグループ名及びグループパスワードから自機に係る情報転送要求情報1100’を作成し、記録再生装置11の(図示しない)検証部1012’が同報されてきた情報転送要求情報1100とこの情報転送要求情報1100’とを比較する(ステップ11−403)。
【0058】
このとき、情報転送要求情報1100と自機に係る情報転送要求情報1100’とが一致しなければ、自分と同じグループの者からの要求でないと判断し、記録再生装置11では何も応答しない(ステップ11−406)。これにより、たとえば、グループ名かグループパスワードのいずれか或いは両方を知らない者が情報コンテンツを盗用する目的で送信しようとする行為を未然に防止できることとなる。
【0059】
一方、情報転送要求情報1100と自機に係る情報転送要求情報1100’とが一致すると記録再生装置11の(図示しない)検証部1012’が判断すると、(図示しない)情報転送応答部1013’が情報転送応答情報を生成し、この生成した情報転送応答情報を情報記録再生装置10に対してユニキャストする(ステップ10−11−402)。ユニキャストされるのは、情報転送応答情報1200である。
【0060】
図12は、このようにコンテンツ送信先からユニキャストされる本願に特有の構成を備える情報転送応答情報1200の構成の概念を示した概念図である。
同図(a)に示すように、記録再生装置11の(図示しない)情報転送応答部1013’は、まず情報転送要求情報1100の頭(たとえば図11の例では)21文字、即ち「TR#」文字列620+暗号化済部分文字列610の部分を自分のホスト名/IPアドレスを表すたとえば12文字の文字列(たとえば「RD−XS53―SUDA」)とたとえば9文字の空白文字情報とで構成されるたとえば21文字の文字列710で置換する。
【0061】
次に記録再生装置11の(図示しない)情報転送応答部1013’は、こうして得られる文字列(文字列620+文字列610)の末尾に、自分の記録媒体の種別(つまり、HDDがあるか否か/いくつあるか、DVDがあるか否か/いくつあるか、等)を表す情報である文字列(記録媒体種別情報)720(たとえば1文字)と、残りの文字数分をトランザクションID情報(即ち、識別子文字列630からたとえば頭1文字を除いた情報)文字列730(たとえば14文字)とを接続し、併せて全部で(たとえば上記の図11での例に合わせて)36文字からなる情報転送応答情報1200を生成する(同図(b))。
【0062】
この構成及び生成方法から明らかなように、情報転送応答情報1200は、ユニキャスト側からみて、「TR#」文字列620+暗号化済文字列610の部分は自機がブロードキャストした側とグループ名・グループパスワードを同じくするか否かの確認に用いることで足り、ユニキャスト側からこの情報そのもの(620+610)を敢えてブロードキャストした側に返報する必要がない。なんとなれば、ブロードキャストした側では、ユニキャストされたこと自体をもってグループ名・グループパスワードを同じくすることが確認できる(上述したように、グループ名・グループパスワードが同じでなければユニキャスト側からは何の応答もしない)からである。そこで、この620+610の部分をユニキャスト側のIPアドレス情報(及び空白)710で置換させたものである。
【0063】
さらに識別子文字列630(たとえば15文字)は、ブロードキャストした側が自身の発した要求(トランザクション)に対する返報であることを確認するために必ずしも当該乱数の総てを使用する必要もなく、たとえばその乱数の一部で十分ことが足りる(所望の目的を達せられる)ため、その一部(上記では、たとえば識別子文字列630の頭1文字)を自身の記録媒体種別情報720で置換させたものである。このような構成をとることにより、授受対象情報のプロトコールを変更することなく次のステップに進むことができるという本願特有の効果が奏される。さらに、(後述するように)この1回目の応答時に情報転送応答情報1200中に自身の記録媒体種別情報を含むように構成しているので、ホスト名/IPアドレスを特定した後にその特定先に今度は媒体について問い合せるというステップを介在させる必要がなくなる。つまり、1ステップ短縮した上で後のダビング動作に移行することが可能となる。
【0064】
記録再生装置11の(図示しない)情報転送応答部1013’は通信部117を介して、この情報転送応答情報1200を情報記録再生装置10に対してユニキャストする(ステップ10−11−402)。
【0065】
この返信を受けた情報記録再生装置10では、全体制御部1010及び検証部1012が、受信した情報転送応答情報1200を解析する。具体的には、情報転送応答情報1200中のトランザクションID情報文字列730から自身の同報に対する返報であることを認識し、同時に、IPアドレス情報(及び空白)710から相手先(つまり同じグループ名を持ち、グループパスワードを持つから真正の受取人と推定される先)のホスト名/IPアドレスを、記録媒体種別情報720から相手方の記録媒体種別情報を割り出す(ステップ10−405)。具体的には、検証部1012は、(上記の例では)情報転送応答情報1200の末尾14文字をとり、これを退避させておいた情報転送要求情報1100の末尾14文字と比較する。これが一致するとグループ名・グループパスワード及びトランザクションの一致が判定できるから、全体制御部1010は(上記の例では)情報転送応答情報1200の頭から21文字目から12文字分をとり、これが示す情報を相手方ホスト名/IPアドレスと認識するとともに、情報転送応答情報1200の頭から22文字目をとり、これが示す情報を相手方の記録媒体種別情報と認識した上で、これらの情報を自身の(図示しない)モニタに表示する。
【0066】
図13は、このようにして得られた相手方のホスト名/IPアドレス情報及び記録媒体種別情報の表示の一例を表す画面概念図である。即ち同図に示す例においては、相手方のホスト名/IPアドレスは「RD−XS53―SUDA」と、ダビング先媒体としてはHDD、DVDともに存在する旨が表示されている。このように、この画面には、同じグループ名を持ち、グループパスワードを持つから真正の受取人と推定される先の総てについてホスト名/IPアドレス情報及び記録媒体種別情報が表示される(図13では、たまたま1対象しか表示されていないにすぎない)。この画面において、全体制御部1010は、ユーザにダビング先機器(つまり相手先ホスト名/IPアドレス)及びダビング先の記録デバイスを選択させる(ステップ10−405)。同図の例においては、「RD−XS53―SUDA」についての「DVD」が選択され、選択されるとその旨がたとえば(反転表示などの)強調表示され(1301)、決定ボタン1302の押下により確定する(ステップ10−405)。なお、この記録媒体種別は必ずしも単数でなくともよく、たとえばHDD内部をグループ化した場合などHDD等が複数存在する場合には「HDD1」「HDD2」…「HDDn」として表示されてよい。
【0067】
ユーザによってダビング先機器及びダビング先の記録デバイスが選択されると、情報転送応答部1013は通信部107を介して記録再生装置11に対し選択に係る記録媒体の残量を問い合わせる(ステップ10−11−403)。
【0068】
この問合せを受けた記録再生装置11では、まず(図示しない)全体制御部1010’が、ダビング要求を受けつけるか否かを判断する(ステップ11−404)。具体的には、たとえば、もうすでに別の機器からダビング受けつけをしている(いわゆる「ビジー」状態である)場合には、今は受けつけられないと判断し、応答をしない(ステップ11−406)。
【0069】
一方、ビジー状態でないときは、(図示しない)全体制御部1010’はたとえば(図示しない)記録部1015’への問い合せから媒体残量に係る情報を獲得し、通信部117を介して記録再生装置10に対し、現在はダビング受けつけが可能である旨の情報並びに獲得した媒体残量に係る情報を送信する(ステップ10−11−404)。
【0070】
記録再生装置10では、全体制御部1010がたとえば一定時間を待って応答がなかった場合にはダビング受けつけは不可と判断し(ステップ10−406)、ダビング不可処理(ステップ11−408)に進む。所定の一定時間内に記録再生装置11からダビング受けつけが可能である旨の情報並びに獲得した媒体残量に係る情報を受信した全体制御部1010では、ダビング受けつけ可能と判断し(ステップ10−406)、次に、検証部1012が、得られた媒体残量情報とステップ10−403で選択されたコンテンツの容量とを比較する(ステップ10−407)。
【0071】
もし相手の媒体に係る残量がコンテンツの所要容量より少なければ、検証部1012はダビングは不可と判断し、全体制御部1010がダビング不可処理を行う(ステップ11−408)。もし相手の媒体に係る残量がコンテンツの所要容量より多ければ、情報コンテンツ送信部1014は、情報コンテンツの送信(ステップ10−11−405)を開始するとともに、全体制御部1010は(図示しない)モニタにたとえば図14のようなコンテンツ送信中のプログレス・バーを表示する(ステップ10−409)。
【0072】
一方、情報コンテンツの送信(ステップ10−11−405)を受ける記録再生装置11では、(図示しない)記録部1015’は、ステップ10−11−404で送信した媒体残量情報にて特定される媒体にDVDドライブ113もしくはHDD115を用いて当該コンテンツを記録する(ステップ11−405)とともに、(図示しない)全体制御部1010’が(図示しない)モニタにたとえば図15のようなコンテンツ受信中のプログレス・バーを表示する(ステップ11−405)。上記の例では媒体種別情報として「DVD」が表示されている場合には、(図示しない)記録部1015’はDVDドライブ113により当該コンテンツを記録する(ステップ11−405)。
【0073】
全体制御部1010はコンテンツ送信の終了をまって、(図示しない)モニタにたとえば図16のようなダビング(コピー)終了のメッセージをたとえばプログレス・バーの形式で表示する(ステップ10−410)。
【0074】
このように、本実施形態によれば、最初にグループ名・パスワードを登録し、このグループ名・パスワードを踏まえて作成されたものを暗号化した情報(情報転送要求情報)をダビング要求側がネットワークに同報し、同じグループに属するものからのみ発信者に対して情報転送応答情報がユニキャストされることで、多数の機器が接続されるネットワーク下においても、所望のコンテンツを所望の相手に正確に転送することが可能となる。また、情報転送要求情報は所定の方法により暗号化されているので、情報コンテンツの予期しない遺漏・盗用を防ぐことが可能である。
【0075】
さらに、本実施形態によれば、ユニキャストされる情報転送応答情報は情報転送要求情報の一部のビットを入れ替えたものであることから、ダビング元側ではプロシジャの変更を要することなく次のプロセスに移行することができる。
【0076】
さらに情報転送応答情報はトランザクションIDを含むので、ダビング元側では容易に自身の発したダビング要求情報に対する応答である旨を認識することができる。
【0077】
また、1回目の応答でユニキャストされる情報転送応答情報にはダビング先ホスト名/IPアドレスが含まれるので、ネットワークに接続される機器が複数の場合であっても、どの先からの応答かの判断を正しく行うことが可能である。
【0078】
図17はこのような場合の概念を示す概念的タイミングチャートである。
同図に示すように、ネットワークに伝送元機器に加え伝送先機器#1及び伝送先機器#2が接続され、伝送先機器#1及び#2も伝送元機器と同じグループに所属しているものとすると、伝送元機器からブロードキャストされた情報転送要求情報に対して伝送先機器#1からは、「トランザクションID」、「自身ホスト名/IPアドレス(たとえば#1)」及び「媒体種別情報(たとえば1:HDDを示すものとする)」とを含む情報転送応答情報を伝送元機器に対してユニキャストする。一方、伝送元機器からブロードキャストされた情報転送要求情報に対して伝送先機器#2からは、「トランザクションID」、「自身ホスト名/IPアドレス(たとえば#2)」及び「媒体種別情報(たとえば0:DVDを示すものとする)」とを含む情報転送応答情報を伝送元機器に対してユニキャストする。伝送元機器は返ってきた情報転送応答情報中のホスト名/IPアドレス情報により伝送先機器#1と伝送先機器#2とを区別することができる。これは3台以上を対象にする場合も同様である。
【0079】
さらにまた、本実施形態によれば、ユニキャストされる情報転送応答情報は媒体種別を含むので、ダビング元側ではダビング相手先が判明したあとに再度ダビング先機種を問い合せるステップを設けることなく、容易に自身の発したダビング要求情報に対する応答である旨を間違うことなく認識した上で次のステップに進むことができる。
【0080】
上記したように本実施形態は、ネットワーク経由情報記録再生システムとして捉えることも、映像コンテンツをダビングできる装置を検索する情報送信対象検索方法としても、さらには情報記録再生装置としても捉えることが可能である。
【0081】
なお、本発明は、上述した各実施形態には限定されず、本発明の技術思想の範囲内で様々な変形が可能である。
【0082】
たとえば、上記した暗号化はいかなる方法によろうと、セキュリティの向上をもたらすものであれば本願は適用可能である。
【0083】
また、たとえば上記した説明では、情報転送要求情報及び情報転送応答情報を特定のバイト数の場合としたが、このような数に限定されるものでなく、ブロードキャストされる情報転送要求情報とユニキャストされる情報転送応答情報との間で、ビット数の同一、一部の置換、トランザクションIDの保持、ホスト名/IPアドレスの混入、媒体種別情報の混入を行うことが可能であれば、いかなる形態にも本願の技術思想は適用可能である。
【0084】
さらに本願発明は、その技術思想の同一及び等価に及ぶ範囲において様々な変形、追加、置換、拡大、縮小等を許容するものである。また、本願発明を用いて生産される装置、方法、ソフトウェア、システムが、その2次的生産品に登載されて商品化された場合であっても、本願発明の価値は何ら減ずるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、ネットワークを介して送られてくる情報転送応答情報が送信元装置の送信したトランザクションID情報を含むか否かを見ることで、該送信元装置の送信要求に係る応答であることを確認すると共に、該情報転送応答情報に含まれるホスト名/IPアドレス情報から送信先である情報記録再生装置を特定できることから、ネットワークを介して複数の装置が接続されている環境下にあっても、送信先である所望の装置を正確に特定することが可能となる、という利点があるため、映像や音声などを扱うなど動画データ転送が不可欠ないかなる用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の一実施形態に係るネットワーク経由情報記録再生システム全体の構成を示すブロック図である。
【図2】任意の自然数n台の接続の場合の本発明の一実施形態に係るネットワーク経由情報記録再生システム全体の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るCPU101の更に詳細な機能構成を示すブロック図である。
【図4】本願の一実施形態に係る録画再生装置及びネットワーク経由情報記録再生システムの動作と、当該動作において顕出される画面の遷移の順序とを併せて描いたタイミング&フローチャート・画面遷移図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る初期設定画面の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る登録するための指示受け画面の一例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る初期設定画面の一例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る登録するための指示受け画面の一例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るコンテンツ選択画面の一例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る情報転送態様指定画面の一例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係るコンテンツ送信元から同報される情報転送要求情報の構成の概念を示した概念図である。
【図12】本発明の一実施形態に係るコンテンツ送信先からユニキャストされる情報転送応答情報1200の構成の概念を示した概念図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る相手方のホスト名/IPアドレス情報及び記録媒体種別情報の表示の一例を表す画面概念図である。
【図14】本発明の一実施形態に係るコンテンツ送信中画面の一例を示す図である。
【図15】本発明の一実施形態に係るコンテンツ送信中画面の一例を示す図である。
【図16】本発明の一実施形態に係るダビング(コピー)終了画面の一例を示す図である。
【図17】本発明の一実施形態に係るネットワークに接続される機器が複数の場合のブロードキャスト・ユニキャストの概念を示す概念的タイミングチャートである。
【符号の説明】
【0087】
1…ネットワーク経由情報記録再生システム、10,10’ 記録再生装置、10’A…HDD、10’B…DVD、10−1A,10−2A,・・,10−nA,10−nA1,・・,10−nAm…HDD、10−1B,10−2B,・・,10−nB,10−nB1,・・,10−nBm…DVD、11…記録再生装置、51…ダビング受付可否情報
、52…グループ名情報、53…グループパスワード情報、61…登録ボタン、101,111…CPU、103,113…DVDドライブ、105,115…HDD(ハードディスク・ドライブ)、107,117…通信部、1010…全体制御部、1011…情報転送要求情報同報部、1012…検証部、1013…情報転送応答部、1014…情報コンテンツ送信部、1015…記録部、1016…グループ名識別情報登録部、1017…情報転送要求受付可否情報登録部、1100…情報転送要求情報、1200…情報転送応答情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央処理装置(CPU)、第1及び/または第2の情報媒体装置、並びに通信部を少なくとも備える情報記録再生装置がネットワークを介して複数接続され、該情報記録再生装置間で映像を含む情報の受け渡しを行うネットワーク経由情報記録再生システムにおいて、
情報の発信元である第1の情報記録再生装置がネットワークを介して接続される自身以外の情報記録再生装置に対してトランザクションIDを含む情報転送要求情報を送信し、
前記送信を受けた情報記録再生装置のうち前記情報転送要求に該当する第2の情報記録再生装置が前記トランザクションID及び自身のIPアドレス情報並びに情報媒体装置の種別を表す情報媒体種別情報を含む情報転送応答情報を第1の情報記録再生装置に対して送信し、
前記情報転送応答情報を受信した第1の情報記録再生装置が前記情報転送応答情報に含まれるIPアドレス情報により特定される第2の情報記録再生装置に対して情報コンテンツを送信し、
前記第2の情報記録再生装置が送信された情報コンテンツを前記情報媒体種別情報で特定される第1若しくは第2の情報媒体に記録する
ことを特徴とするネットワーク経由情報記録再生システム。
【請求項2】
前記情報転送要求情報の送信に先だって該ネットワークに所属する各情報記録再生装置が自身の所属するグループ名を特定するグループ名識別情報を登録し、
前記情報転送要求情報は該グループ名識別情報を含み、前記送信された情報転送要求情報を受信した第2の情報記録再生装置は該情報転送要求情報中のグループ名識別情報が前記自身の登録したグループ名識別情報と一致する場合にのみ前記第1の情報記録再生装置に対して情報転送応答情報を送信することを特徴とする請求項1記載のネットワーク経由情報記録再生システム。
【請求項3】
前記情報転送要求情報の送信に先だって該ネットワークに所属する各情報記録再生装置が他装置からの情報転送要求を受けつけるか否かを特定する情報転送要求受付可否情報を登録し、
前記送信された情報転送要求情報を受信した第2の情報記録再生装置は前記自身の登録した情報転送要求受付可否情報が受付可能を表す場合にのみ前記第1の情報記録再生装置に対して情報転送応答情報を送信することを特徴とする請求項1記載のネットワーク経由情報記録再生システム。
【請求項4】
前記情報転送応答情報は前記情報転送要求情報の特定のビットを情報媒体種別情報に係るビットで置換して得られることを特徴とする請求項1記載のネットワーク経由情報記録再生システム。
【請求項5】
前記情報転送応答情報及び情報転送要求情報は、所定の暗号化方法を用いて暗号化されたものであることを特徴とする請求項1記載のネットワーク経由情報記録再生システム。
【請求項6】
中央処理装置(CPU)、第1及び/または第2の情報媒体装置、並びに通信部を少なくとも備え、ネットワークを介して接続される情報記録再生装置に対して情報コンテンツを送信するために送信対象を特定する情報送信対象検索方法において、
前記ネットワークに対してトランザクションIDを含む情報転送要求情報を送信するステップと、
前記送信された情報転送要求情報に応答する情報記録再生装置に係るIPアドレス情報及び情報媒体装置の種別を表す情報媒体種別情報並びに前記トランザクションIDを含む情報転送応答情報を受信するステップと、
前記情報転送応答情報に含まれるトランザクションIDにより情報の送信先としての情報記録再生装置及び該情報記録再生装置に係る情報媒体装置を特定するステップと
を具備することを特徴とする情報送信対象検索方法。
【請求項7】
中央処理装置(CPU)、第1及び/または第2の情報媒体装置、並びに通信部を少なくとも備える情報記録再生装置において、該中央処理装置は、
ネットワークを介して接続される情報記録再生装置に対して情報コンテンツ送信のためのトランザクションIDを含む情報転送要求情報を前記通信部を介して送信する情報転送要求情報同報手段と、
前記通信部を介して受信した情報転送要求情報に含まれるトランザクションIDを検証する検証手段と、
前記検証手段により前記情報転送要求情報が自機に該当する場合には該トランザクションID及び自身のIPアドレス情報並びに情報媒体装置の種別を表す情報媒体種別情報を含む情報転送応答情報を前記情報転送要求情報の送信元である情報記録再生装置に対して送信する情報転送応答手段と、
前記受信した情報転送応答情報に含まれるIPアドレス情報により特定される送信先情報記録再生装置に対して情報コンテンツを送信する情報コンテンツ送信手段と、
前記送信された情報コンテンツを前記情報媒体種別情報で特定される第1若しくは第2の情報媒体に記録する記録手段と
を具備することを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項8】
前記ネットワークにおける自身の所属するグループ名を特定するグループ名識別情報を登録する手段をさらに具備し、
前記情報転送要求情報は該グループ名識別情報を含み、
前記情報転送応答手段は受信した情報転送要求情報中のグループ名識別情報が自身の登録したグループ名識別情報と一致する場合にのみ前記送信元情報記録再生装置に対して情報転送応答情報を送信することを特徴とする請求項7記載の情報記録再生装置。
【請求項9】
前記ネットワークに所属する他情報記録再生装置からの情報転送要求を受けつけるか否かを特定する情報転送要求受付可否情報を登録する手段をさらに具備し、
前記情報転送応答手段は受信した情報転送要求情報中の情報転送要求受付可否情報が受付可能を表す場合にのみ前記送信元情報記録再生装置に対して情報転送応答情報を送信することを特徴とする請求項7記載の情報記録再生装置。
【請求項10】
前記情報転送応答情報は前記情報転送要求情報の特定のビットを情報媒体種別情報に係るビットで置換して得られることを特徴とする請求項7記載の情報記録再生装置。
【請求項11】
前記情報転送応答情報及び情報転送要求情報は、所定の暗号化方法を用いて暗号化されたものであることを特徴とする請求項7記載の情報記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−14243(P2006−14243A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−192272(P2004−192272)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】