説明

ノズル基板、ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出装置

【課題】ノズル孔の傾斜部が垂直部およびノズル基板平面と段差を介さずに連続して形成され、ノズル孔の流路特性が最適化されて安定した吐出特性を有するノズル基板の製造方法を提供する。
【解決手段】シリコン基材41の一方の面側から異方性ドライエッチングを行って円筒孔部11dを形成し、その後、円筒孔部内にSiO2膜45を形成する。反対側の面からSiO2膜45をチャージアップさせながらエッチングを行い、第1のノズル孔部11aと所望の傾斜角で拡径する第2のノズル孔部11b、第3のノズル孔部11cを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズル基板、このノズル基板の製造方法、このノズル基板を備えた液滴吐出ヘッド、およびこの液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液滴を吐出するための液滴吐出ヘッドとして、例えばインクジェット記録装置(液滴吐出装置)に搭載されるインクジェットヘッドが知られている。インクジェットヘッドは、一般に、インク滴を吐出するための複数のノズル孔が形成されたノズル基板と、このノズル基板に接合されノズル基板との間で上記ノズル孔に連通する吐出室、リザーバー等のインク流路が形成されたキャビティ基板とを備え、駆動部により吐出室に圧力を加えることにより、インク滴を選択されたノズル孔より吐出するように構成されている。
例えば、インクジェットヘッドを構成するノズル基板において、特許文献1ではノズル孔の傾斜部と垂直部と段差を介さずに連続して形成することで安定した吐出特性を有するノズル基板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−125704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のノズル基板では、ノズル基板を接着する面側とノズル孔部との境界部分において連続形状ではなく角部(段差)があるため、ノズル孔の流路特性が低下し、吐出特性を悪化させる恐れがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例にかかるノズル基板は、吐出方向の先端側に位置する第1のノズル孔部と、前記第1のノズル孔部から吐出方向の後側に向けてノズル断面積が漸増する傾斜面がテーパ状の第2のノズル孔部と、前記第2のノズル孔部の後端側に向けてノズル断面積が漸増する傾斜面がテーパ状の第3のノズル孔部と、を有し、前記第1のノズル孔部と前記第2のノズル孔部との境界および、前記第2のノズル孔部と前記第3のノズル孔部との境界は角部を形成せず連続して形成され、かつ、吐出方向の後端側に位置する前記第3のノズル孔部の端部は角部を形成せず曲面状に形成されていることを特徴とする。
【0007】
本適用例のノズル基板によれば、第1のノズル孔部と第2のノズル孔部との境界部分、第2のノズル孔部と第3のノズル孔部との境界部分、さらに第3のノズル孔部と接着面側表面との境界部分に角部(段差)などを介さずになめらかな連続形状とすることができ、ノズル孔の流路特性が最適化され、安定した吐出特性を得ることができる。
【0008】
[適用例2]本適用例にかかるノズル基板の製造方法は、基板の一方の面側から異方性ドライエッチングを行って、誘電体層を形成するためのノズル孔部を形成する工程と、前記ノズル孔部に前記誘電体層を形成する工程と、前記ノズル孔部を形成した面と反対側の面側から第1のノズル孔部を形成する工程と、前記第1のノズル孔部を形成した面側から第2のノズル孔部を所望の傾斜角で拡径する工程と、前記第1のノズル孔部を形成した面側から第3のノズル孔部を所望の傾斜角で拡径する工程と、前記誘電体層を除去する工程と、を有することを特徴とする。
【0009】
本適用例のノズル基板の製造方法によれば、容易に第2のノズル孔部および第3のノズル孔部を形成することができ、第1のノズル孔部と第2のノズル孔部との境界部分、第2のノズル孔部と第3のノズル孔部との境界部分、さらに第3のノズル孔部と接着面側表面との境界部分に角部(段差)などを介さずになめらかな連続形状とすることができる。
【0010】
[適用例3]上記適用例にかかるノズル基板の製造方法において、前記第2のノズル孔部を所望の傾斜角で拡径する工程および前記第3のノズル孔部を所望の傾斜角で拡径する工程において、前記誘電体層をチャージアップさせて加工することを特徴とする。
【0011】
本適用例によれば、前記誘電体層をチャージアップさせて加工するため、ノズル孔の傾斜部の傾斜角を所望の角度とすることができ、ノズルが高密度化し、ノズルの流路特性が最適化されて、安定した吐出特性を有するノズル基板を製造することができる。
【0012】
[適用例4]本適用例にかかる液滴吐出ベッドは、上記に記載のノズル基板を備えたことを特徴とする。
【0013】
本適用例によれば、上記のノズル基板の製造方法を適用して液滴吐出ヘッドを製造するため、ノズル孔の傾斜部の傾斜角を所望の角度とすることができ、ノズルが高密度化し、ノズルの流路特性が最適化されて、安定した吐出特性を有する液滴吐出ヘッドを製造することができる。
【0014】
[適用例5]本適用例にかかる液滴吐出装置は、上記に記載の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする。
【0015】
本適用例によれば、上記の液滴吐出ヘッドの製造方法を適用して液滴吐出装置を製造するため、ノズル孔の傾斜部の傾斜角を所望の角度とすることができ、ノズルが高密度化し、ノズルの流路特性が最適化されて、安定した吐出特性を有する液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】液滴吐出ヘッドの斜視図。
【図2】図1のインクジェットヘッドを組立てた状態の要部の縦断面図。
【図3】図2のノズル孔部分を拡大した縦断面図。
【図4】図1のノズル基板の上面図。
【図5】ノズル基板の製造方法を示す製造工程の断面図。
【図6】ノズル基板の製造方法を示す製造工程の断面図。
【図7】ノズル基板の製造方法を示す製造工程の断面図。
【図8】インクジェット記録装置を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
【0018】
(実施形態1)
以下、本発明に係るノズル基板を備えた液滴吐出ヘッドについて図面に基づいて説明する。ここでは、液滴吐出ヘッドの一例として、静電駆動方式のインクジェットヘッドについて、図1〜図4を用いて説明する。なお、本発明は、以下の図に示す構造、形状に限定されるものではなく、また、駆動方式についても他の異なる駆動方式により液滴を吐出する液滴吐出ヘッドにも適用することができる。
【0019】
図1は、本実施形態に係るインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッドの一例)の分解斜視図であり、一部を断面で表してある。また、図2は、図1を組み立てた要部をしめす縦断面図であり、図3は図2のノズル孔の近傍を拡大して示した縦断面図である。なお、図1〜図3では、通常使用される状態とは上下逆に示されている。図4は図1のノズル基板の上面図である。
【0020】
インクジェットヘッド10は、図1および図2に示すように、複数のノズル孔11が所定のピッチで設けられたノズル基板1と、各ノズル孔11に対して独立にインク供給路が設けられたキャビティ基板2と、キャビティ基板2の振動板22に対峙して個別電極31が配置された電極基板3とを貼り合わせることにより構成されている。
【0021】
ノズル基板1は、シリコン単結晶基材(以下、単にシリコン基材ともいう)から作製されている。ノズル基板1にはインク滴を吐出するためのノズル孔11が開口されている。各ノズル孔11は、図3に示すように、吐出方向の先端側の面1aに開口しており、ほぼ円筒状をなす円筒状ノズル孔部(以下、第1のノズル孔部という)11aと、吐出方向の後端側に位置しており第1のノズル孔部11aの後端から吐出方向の後端面1bに向けてノズル断面積が漸増し後端面1b側で最も拡径して開口する傾斜面がほぼテーパ状をなすノズル孔部で、実施の形態1ではほぼ截頭円錐状の截頭円錐状ノズル孔部(以下、第2のノズル孔部という)11bを有している。そして、さらに第2のノズル孔部11bの後端側に位置しており第2のノズル孔部11bの後端から吐出方向の後端面1bに向けてノズル断面積が漸増し後端面1bで最も拡径して開口する傾斜面がほぼテーパ状をなすノズル孔部(以下、第3のノズル孔部)11cを備えている。
【0022】
なお、第1のノズル孔部11aはノズル基板1の表面(吐出方向の先端側の面1a)に対して垂直に形成されており、第1のノズル孔部11aと第2のノズル孔部11bおよび第3のノズル孔部11cとは同軸上に形成されている。かかる構成により、インク滴の吐出方向をノズル孔11の中心軸方向に揃えることができ、安定したインク吐出特性を発揮させることができる。すなわち、インク滴の飛翔方向のばらつきが無くなり、またインク滴の飛び散りがなく、インク滴の吐出量のばらつきを抑制することができる。
【0023】
キャビティ基板2は、シリコン単結晶基材(この基材も以下、単にシリコン基材ともいう)から作製されている。シリコン基材に異方性ウェットエッチングを施し、インク流路の吐出室24及びリザーバー25を構成するための凹部240、250が形成される。凹部240はノズル孔11に対応する位置に独立に複数形成される。したがって、ノズル基板1とキャビティ基板2を接合した際、各凹部240は吐出室24を構成し、それぞれがノズル孔11に連通し、またインク供給口であるオリフィス23ともそれぞれ連通している。そして、吐出室24(凹部240)の底壁が振動板22となっている。
【0024】
他方の凹部250は、液状材料のインクを貯留するためのものであり、各吐出室24に共通のリザーバー(共通インク室)25を構成する。そして、リザーバー25(凹部250)はそれぞれオリフィス23を介して全ての吐出室24に連通している。また、リザーバー25の底部には後述する電極基板3を貫通する孔が設けられ、この孔のインク供給孔34を通じて図示しないインクカートリッジからインクが供給されるようになっている。
【0025】
また、キャビティ基板2の全面、もしくは少なくとも電極基板3との対向面には、熱酸化やTEOS(Tetraethylorthosilicate Tetraethoxysilane:テトラエトキシシラン、珪酸エチル)を原料としたプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によるSiO2膜等からなる絶縁膜26が施されている。この絶縁膜26は、インクジェットヘッドを駆動させたときに、絶縁破壊や短絡を防止する。
【0026】
電極基板3は、ガラス基材から作製されている。なかでも、キャビティ基板2のシリコン基材と熱膨張係数の近い硼珪酸系の耐熱硬質ガラスを用いるのが好ましい。これは、電極基板3とキャビティ基板2を陽極接合する際、両基板3、2の熱膨張係数が近いため、電極基板3とキャビティ基板2との間に生じる応力を低減することができ、その結果、剥離等の問題を生じることなく電極基板3とキャビティ基板2を強固に接合することができるからである。
【0027】
電極基板3のキャビティ基板2と対向する面には、キャビティ基板2の各振動板22に対向する位置にそれぞれ凹部32が設けられている。そして、各凹部32内には、一般に、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)からなる個別電極31がスパッタにより形成されている。そして、振動板22と個別電極31との間に形成されるギャップ(空隙)Gは、インクジェットヘッドの吐出特性に大きく影響する。ここで、個別電極31の材料はITOに限定するものではなく、クロム等の金属等を用いてもよいが、ITOは透明であるので放電したかどうかの確認が行いやすい等の理由から、一般にITOが用いられる。
【0028】
個別電極31は、リード部31aと、フレキシブル配線基板(図示せず)に接続される端子部31bとを有する。これらの端子部31bは、図2に示すように、配線のためにキャビティ基板2の末端部が開口された電極取り出し部29内に露出している。
【0029】
上述したように、ノズル基板1、キャビティ基板2、及び電極基板3は、一般に個別に作製され、これらを図2に示すように貼り合わせることにより、インクジェットヘッド10の本体部が作製される。すなわち、キャビティ基板2と電極基板3は陽極接合により接合され、そのキャビティ基板2の上面(図2の上面)にノズル基板1が接着剤等により接合されている。さらに、振動板22と個別電極31との間に形成される電極間ギャップGの開放端部は、エポキシ等の樹脂による封止材で封止されている。これにより、湿気や塵埃等が電極間ギャップGへ侵入するのを防止することができ、インクジェットヘッド10の信頼性を高く保持することができる。
【0030】
そして、図2に簡略化して示すように、ICドライバー等の駆動制御回路4が、各個別電極31の端子部31bと、キャビティ基板2上に設けられた共通電極28とに、前記フレキシブル配線基板(図示せず)を介して接続されている。
【0031】
上記のように構成されたインクジェットヘッド10においては、駆動制御回路4によりキャビティ基板2と個別電極31の間にパルス電圧が印加されると、振動板22と個別電極31との間に静電気力が発生し、その吸引作用により振動板22が個別電極31側に引き寄せられて撓み、吐出室24の容積が拡大する。これにより、リザーバー25の内部に溜まっていたインクがオリフィス23を通じて吐出室24に流れ込む。次に、個別電極31への電圧の印加を停止すると、静電吸引力が消滅して振動板22が復元し、吐出室24の容積が急激に収縮する。これにより、吐出室24内の圧力が急激に上昇し、この吐出室24に連通しているノズル孔11からインク液滴が吐出される。
【0032】
本実施形態のノズル基板は、第1のノズル孔部11aと第2のノズル孔部11bとの境界部分、第2のノズル孔部11bと第3のノズル孔部11cとの境界部分、さらに第3のノズル孔部11cと接着面側表面との境界部分に角部(段差)などを介さずになめらかな連続形状とすることができ、ノズル孔11の流路特性が最適化され、安定した吐出特性を得ることができる。
【0033】
次に、ノズル基板1の製造方法を説明する。
図5、図6、図7はノズル基板の製造工程を説明する断面図である。
図5(a)に示すように、ノズル基板1の母材であるシリコン基材41を用意する。
【0034】
図5(b)に示すように、シリコン基材41において、吐出方向の後端側となる後端面41aにレジスト42をコーティングする。そして、図5(c)に示すように、レジスト42から円筒状のノズルを形成する部分のレジストを除去し、開口部42aを有するレジストパターンを形成する。
【0035】
図5(d)に示すように、ICPドライエッチング装置によりレジスト42の開口部42aを介して、シリコン基材41を所定の深さに異方性ドライエッチングを行い、円筒孔部11dを形成する。この場合のエッチングガスとしては、たとえば、C48、SF6を使用し、これらのエッチングガスを交互に使用する。ここで、C48は形成される溝の側面にエッチングが進行しないように溝側面を保護するために使用し、SF6はシリコン基材の垂直方向のエッチングを促進させるために使用する。
【0036】
図6(a)に示すようにたとえば硫酸過水で溶解し、レジスト42を除去する。
【0037】
シリコン基材41を熱酸化装置にセットし、所定の酸化温度、酸化時間、酸素雰囲気中の条件で熱酸化処理し、図6(b)に示すように、異方性ドライエッチングで形成した円筒孔部11dの側面および底面を含むシリコン基材41の表面全体に、たとえば膜厚が1.0μmのSiO2膜45を均一に成膜する。
【0038】
図6(c)に示すように、シリコン基材41の先端面41b側からバックグラインダーで研削加工を行い、所望の板厚までシリコン基材41を薄くする。
【0039】
研削を施した先端面41bにレジスト44をコーティングし、第1のノズル孔部11aとなるレジストを除去し、図6(d)に示すように、開口部44bを有するレジストパターンを形成する。
【0040】
図7(a)に示すようにICPドライエッチング装置によりレジスト44の開口部44bを介して異方性ドライエッチングを行い、第1のノズル孔部11aが形成される。
【0041】
さらに、異方性ドライエッチングを継続すると、図7(b)に示すように、SiO2膜45はバイアス印加のパワーや周波数によってチャージアップ量がかわるため、たとえは、13.56MHzでバイアスを印加することでSiO2膜45がチャージアップし、エッチングイオンの方向が妨げられ、第2のノズル孔部11bが形成される。
【0042】
さらに13.56MHzの周波数でエッチングを進めると、後端面41a側のSiO2膜がチャージアップし、図7(c)に示すように、第3のノズル孔部11cを形成する。
【0043】
図7(d)に示すように、フッ酸水溶液などでエッチングし、SiO2膜45を除去する。
【0044】
以上のように本実施形態によれば、ノズル基板1の製造において、SiO2膜45をチャージアップさせながら第2のノズル孔部11bを形成するため、第2のノズル孔部を所望の角度にすることができる。
【0045】
また、SiO2膜45をチャージアップさせながら第3のノズル孔部11cを形成するため、第3のノズル孔部を所望の角度にすることができ、第2のノズル孔部11bと第3のノズル孔部11c、第3のノズル孔部11cと後端面41aとの境界に段差がなく、なめらかで連続した形状とすることができ、これによって流路特性が最適化され、安定した吐出特性を有する。
【0046】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で変更することができる。たとえば、ノズル孔11より吐出される液状材料を変更することにより図8に示す液滴吐出装置としてのインクジェットプリンター300のほか、液晶ディスプレイのカラーフィルターの製造、有機EL表示装置の発行部分の形成、プリント配線基板製造装置にて製造する配線基板の配線部分の形成、生体液滴の吐出(プロテインチップやDNAチップの製造)など、さまざまな用途の液滴吐出装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1…ノズル基板、2…キャビティ基板、3…電極基板、4…駆動制御回路、10…インクジェットヘッド、11…ノズル孔、11a…第1のノズル孔部、11b…第2のノズル孔部、11c…第3のノズル孔部、41…シリコン基材、45…SiO2膜。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出方向の先端側に位置する第1のノズル孔部と、
前記第1のノズル孔部から吐出方向の後側に向けてノズル断面積が漸増する傾斜面がテーパ状の第2のノズル孔部と、
前記第2のノズル孔部の後端側に向けてノズル断面積が漸増する傾斜面がテーパ状の第3のノズル孔部と、を有し、
前記第1のノズル孔部と前記第2のノズル孔部との境界および、前記第2のノズル孔部と前記第3のノズル孔部との境界は角部を形成せず連続して形成され、かつ、
吐出方向の後端側に位置する前記第3のノズル孔部の端部は角部を形成せず曲面状に形成されていることを特徴とするノズル基板。
【請求項2】
基板の一方の面側から異方性ドライエッチングを行って、誘電体層を形成するためのノズル孔部を形成する工程と、
前記ノズル孔部に前記誘電体層を形成する工程と、
前記ノズル孔部を形成した面と反対側の面側から第1のノズル孔部を形成する工程と、
前記第1のノズル孔部を形成した面側から第2のノズル孔部を所望の傾斜角で拡径する工程と、
前記第1のノズル孔部を形成した面側から第3のノズル孔部を所望の傾斜角で拡径する工程と、
前記誘電体層を除去する工程と、
を有することを特徴とするノズル基板の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載のノズル基板の製造方法であって、
前記第2のノズル孔部を所望の傾斜角で拡径する工程および前記第3のノズル孔部を所望の傾斜角で拡径する工程において、前記誘電体層をチャージアップさせて加工することを特徴とするノズル基板の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載のノズル基板を備えたことを特徴とする液滴吐出ベッド。
【請求項5】
請求項4に記載の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする液滴吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−196931(P2012−196931A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64009(P2011−64009)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】