説明

ノッキングセンサ

【課題】 錘部材を支持部材に確実に固定できると共に、安価にすることができるノッキングセンサを提供する。
【解決手段】 ノッキングセンサ100は、環状をなす圧電素子135と、圧電素子135等を支持する支持本体部111を有する支持部材110と、環状をなし、圧電素子135を支持本体部111側に向けて押圧する錘部材141とを備える。そして、錘部材141を支持部材110の内挿部121に接着して、錘部材141を支持部材110に固定している。また、圧電素子135を支持部材110の内挿部121に接着して、圧電素子135を支持部材110に固定している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関のエンジンブロック等に取り付けられ、内燃機関で発生するノッキングを検知するノッキングセンサに関し、特に、圧電素子と、これを支持する支持部材と、圧電素子を支持部材に向けて押圧する錘部材とを備えるノッキングセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、内燃機関のエンジンブロック等に取り付けられ、内燃機関で発生するノッキングを検知するノッキングセンサが知られている。例えば、特許文献1,2に、このようなノッキングセンサが開示されている。
特許文献1のノックセンサ(ノッキングセンサ)は、円筒状の筒部とこの基端に設けられた鍔部(支持本体部)とからなる筒状芯金(支持部材)を備える(特許文献1の図1及びその説明箇所等を参照)。筒状芯金の鍔部上には、絶縁板及び電極板を介して圧電素子が配置されている。更に、圧電素子上には、電極板及び絶縁板を介してウェイト(錘部材)が配置されている。
【0003】
このノックセンサでは、ウェイトの内周にネジ部が形成されており、このネジ部を筒状芯金の筒部の外周に設けられたネジ部に螺合している。これにより、ウェイトが圧電素子等を筒状芯金の鍔部に向けて所定の荷重で押圧した状態で、ウェイトを筒状芯金の鍔部に固定している。
【0004】
特許文献2のノックセンサ(ノッキングセンサ)は、筒状の圧力スリーブとこの基端に設けられたフランジ状の鍔部(支持本体部)とからなる支持部材を備える(特許文献2の図2及びその説明箇所等を参照)。支持部材の鍔部上には、コンタクトプレートを介して圧電セラミックプレート(圧電素子)が配置されている。更に、圧電セラミックプレート上には、コンタクトプレートを介して質量体(錘部材)が配置されている。
【0005】
このノックセンサでは、圧電セラミックプレートとその両側に積層されたコンタクトプレートとを、それぞれ導電性を有する接着層により互いに固定している。更に、支持部材の鍔部側に配置したコンタクトプレートを、絶縁性の接着層を介して、鍔部に固定している。一方で、質量体側のコンタクトプレートを、絶縁性の接着層を介して、質量体に固定している。つまり、このノックセンサでは、質量体と圧電セラミックプレートとの間に2つの接着層が介在し、圧電セラミックプレートと支持部材の鍔部との間にも2つの接着層が介在している。
【0006】
【特許文献1】特開2004−257834号公報
【特許文献2】特表2003−517593号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のノックセンサでは、ウェイトを固定するために、ウェイト及び筒状芯金にネジ部を設ける必要がある。また、例えばウエイトをナットで固定する場合には、別途ナットが必要となる。また、締め付けによりウェイトを固定するには、圧電素子への予荷重を一定にするために、別途座金が必要となる場合もある。また、例えば座金を圧入する方法では、ネジ部やナット等が不要となるものの、この座金を圧入して固定するための返し構造を設けなければならない。
【0008】
一方、特許文献2のノックセンサでは、接着材を用いて、圧電セラミックプレート、コンタクトプレート及び質量体を支持部材に固定しているので、質量体などにネジ部を設ける必要がなく、ナットや座金を別途用意する必要もない。
しかし、各部材をそれぞれ接着材で互いに固定しなければならない他、部材同士の間で導電が必要な場合には、導電性の接着材を用い、一方、部材同士の間で絶縁が必要な場合には、絶縁性の接着材を用いる必要がある。このため、接着材費やその加工費などコストが高くなる傾向にあった。また、内燃機関で生じた振動は、圧電セラミックプレート、コンタクトプレート、質量体及び支持部材の積層方向に大きく伝わるところ、各接着層はこの積層方向と直交する方向に形成している。このため、振動により接着層が剥がれやすいという問題もあった。
【0009】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、錘部材を支持部材に確実に固定できると共に、安価にすることができるノッキングセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
その解決手段は、環状をなす圧電素子と、前記圧電素子を直接又は間接に支持する支持本体部を有する支持部材と、環状をなし、前記圧電素子と同軸に配置される錘部材であって、前記圧電素子を前記支持本体部側に向けて直接又は間接に押圧する錘部材と、を備え、前記錘部材、前記圧電素子及び前記支持本体部の積層方向に生じる振動を検知するノッキングセンサであって、前記支持部材は、前記圧電素子及び前記錘部材の径方向内側に挿通される内挿部を有し、前記錘部材を、前記内挿部に接着又は溶接して、前記支持部材に固定してなるノッキングセンサである。
【0011】
本発明のノッキングセンサでは、錘部材を支持部材の内挿部に接着又は溶接して、この錘部材を支持部材に固定しているので、従来技術に係る、錘部材を支持部材に固定するためのネジ部やナット、座金などが不要となる。このため、これらの部品を削減できると共に、ノッキングセンサの組立作業性を向上させることができる。
また、内燃機関で生じた振動は、錘部材、圧電素子、支持本体部の積層方向に大きく伝わるところ、本発明では、錘部材を、この径方向内側に挿通される内挿部に接着又は溶接している。このため、この積層方向に直交する方向に沿った各部材の面のみを接着してなる前述の従来のノッキングセンサに比して、使用時の振動に対してその接着部位又は溶接部位が破断し難い。よって、錘部材を支持部材に確実に固定できると共に、ノッキングセンサを安価にすることができる。
【0012】
なお、「支持部材」の材質は、内燃機関の振動に対する剛性などを考慮して適宜選択すればよく、例えば、金属やセラミック、樹脂等から適切な材質を選択すればよい。
また、「支持部材」は、圧電素子を直接又は間接に支持するものである。間接に圧電素子を支持する形態としては、例えば、支持本体部と圧電素子との間に、電極部材や絶縁板、接着層等を介在させる形態が挙げられる。
【0013】
また、支持部材の「内挿部」は、圧電素子及び錘部材の径方向内側に挿通され、錘部材と接着又は溶接して互いに固定されるものである。その形態は適宜変更できるが、例えば、圧電素子等と同軸に配置される筒状をなす内挿部が挙げられる。
また、支持部材は、内挿部と支持本体部等とを一体的に形成したものでもよいし、内挿部と支持本体部等とを別体として形成した後に接合したものでもよい。
「錘部材」の形態や材質は、適宜選択すればよく、材質としては、例えば、金属やセラミック等から適切な材質を選択すればよい。
また、「溶接」の手法としては、融接(レーザ溶接、電子ビーム溶接等)、ロウ接などが挙げられる。
【0014】
更に、上記のノッキングセンサであって、前記圧電素子を、前記内挿部に接着して、前記支持部材に固定してなるノッキングセンサとすると良い。
【0015】
本発明のノッキングセンサでは、圧電素子を支持部材の内挿部に接着して、この圧電素子を支持部材に固定しているので、使用時等に圧電素子が移動するのを、特に径方向に移動するのを確実に防止できる。
また、圧電素子を、この径方向内側に挿通される内挿部に接着している。このため、錘部材や圧電素子の積層方向に直交する方向に沿った面を接着に用いた前述の従来のノッキングセンサに比して、使用時の振動に対してその接着部位が破断し難い。
【0016】
また、他の解決手段は、環状をなす圧電素子と、前記圧電素子を直接又は間接に支持する支持本体部を有する支持部材と、環状をなし、前記圧電素子と同軸に配置される錘部材であって、前記圧電素子を前記支持本体部側に向けて直接又は間接に押圧する錘部材と、を備え、前記錘部材、前記圧電素子及び前記支持本体部の積層方向に生じる振動を検知するノッキングセンサであって、前記支持部材は、前記圧電素子及び前記錘部材の径方向外側に配置される外装部を有し、前記錘部材を、前記外装部に接着又は溶接して、前記支持部材に固定してなるノッキングセンサである。
【0017】
本発明のノッキングセンサでは、錘部材を支持部材の外装部に接着又は溶接して、この錘部材を支持部材に固定しているので、従来技術に係る、錘部材を支持部材に固定するためのネジ部やナット、座金などが不要となる。このため、これらの部品を削減できると共に、ノッキングセンサの組立作業性を向上させることができる。
また、内燃機関で生じた振動は、錘部材、圧電素子、支持本体部の積層方向に大きく伝わるところ、本発明では、錘部材をこの径方向外側に配置される外装部に接着又は溶接している。このため、この積層方向に直交する方向に沿った各部材の面のみを接着してなる前述の従来のノッキングセンサに比して、使用時の振動に対してその接着部位又は溶接部位が破断し難い。よって、錘部材を支持部材に確実に固定できると共に、ノッキングセンサを安価にすることができる。
【0018】
なお、支持部材の「外装部」は、圧電素子及び錘部材の径方向外側に配置され、錘部材と接着又は溶接して互いに固定されるものである。その形態は適宜変更できるが、例えば、圧電素子等と同軸に配置される筒状をなす外装部が挙げられる。
また、支持部材は、外装部と支持本体部等とを一体的に形成したものでもよいし、外装と支持本体部等とを別体として形成した後に接合したものでもよい。
【0019】
更に、上記のノッキングセンサであって、前記圧電素子を、前記外装部に接着して、前記支持部材に固定してなるノッキングセンサとすると良い。
【0020】
本発明のノッキングセンサでは、圧電素子を支持部材の外装部に接着して、この圧電素子を支持部材に固定しているので、使用時等に圧電素子が移動するのを、特に径方向に移動するのを確実に防止できる。
また、圧電素子をこの径方向外側に配置される外装部に接着している。このため、錘部材や圧電素子の積層方向に直交する方向に沿った面を接着に用いた前述の従来のノッキングセンサに比して、使用時の振動に対してその接着部位が破断し難い。
【0021】
更に、上記のいずれかに記載のノッキングセンサであって、前記錘部材と前記圧電素子との間、及び、前記圧電素子と前記支持本体部との間には、接着層が介在しないノッキングセンサとすると良い。
【0022】
錘部材と圧電素子との間や圧電素子と支持本体部との間に接着層を有する、従来技術で述べた形態のノッキングセンサでは、振動方向に接着層が介在するために使用時の共振周波数が低くなりがちで、内燃機関で生じるノッキングを正確に検知し難くなる。
これに対し、本発明では、錘部材と圧電素子との間、及び、圧電素子と支持本体部との間に、接着層を介在させないので、共振周波数が低くなるのを防止でき、内燃機関で生じるノッキングをより正確に検知できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(実施形態1)
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に、本実施形態1に係るノッキングセンサ100を示す。なお、図中、上側が軸線AX方向の先端側であり、図中、下側が軸線AX方向の基端側である。
このノッキングセンサ100は、支持部材110と、この支持部材110により支持される圧電素子135や錘部材141等を含む圧電機構部130と、支持部材110及び圧電機構部130を覆う樹脂被覆体150とから構成されている。
【0024】
このうち支持部材110は、金属(具体的には炭素鋼)からなり、各部が一体的に形成されている。この支持部材110は、軸線AXを有する環状の支持本体部111と、この支持本体部111よりも径が小さくされ、この支持本体部111から先端側(図中、上方)に延びる円筒状の内挿部121とからなる。
支持本体部111は、先端側を向く支持面111aと、この裏面をなし基端側を向く座面111bと、これらの面を結び、径方向内側を向く内周面111cと、径方向外側を向く外周面111dとを有する。支持面111aは、後述する圧電素子135等を支持する面である。また、座面111bは、内燃機関のシリンダブロックに設けられたセンサ取付部(不図示)に当接される面である。
【0025】
内挿部121は、先端側を向く先端面121aと、径方向内側を向く内周面121cと、径方向外側を向く外周面121dとを有する。この内挿部121の外周面121dのうち、先端側の所定位置には、後述する樹脂被覆体150との密着性を高めるために、3本の周溝部123,123,123が凹設されている。
【0026】
次に、圧電機構部130について説明する。圧電機構部130は、支持本体部111上に、基端側絶縁板131、基端側電極部材133、圧電素子135、先端側電極部材137、先端側絶縁板139及び錘部材141が、基端側から先端側に向けてこの順に積層配置することにより、構成されている。なお、この圧電機構部130では、各部材同士の間には、従来技術で述べたような接着層を全く介在させず、各部材を直接積層している。
【0027】
このうち基端側絶縁板131は、円環板状をなし、絶縁材料(具体的にはPBT)からなる。この基端側絶縁板131は、支持部材110の内挿部121を内側に挿通しつつ、支持部材110の支持本体部111の支持面111a上に配置されている。この基端側絶縁板131は、支持部材110と次述する基端側電極部材133とを電気的に絶縁するものである。
【0028】
基端側電極部材133は、金属材料(具体的には黄銅)からなり、支持部材110の内挿部121を内側に挿通しつつ、上述した基端側絶縁板131の先端側に配置されている。この基端側電極部材133は、円環板状の環状部133fと、この環状部133fから径方向外側に延出する端子部133gとからなる。環状部133fは、基端側絶縁板131と次述する圧電素子135との間に挟まれて、圧電素子135の基端面135bに当接している。一方、端子部133gは、環状部133fから後述するコネクタ部161まで所定位置で折り曲げられながら延出しており、圧電素子135の基端面135bから出力される電気信号の通電経路を構成している。
【0029】
圧電素子135は、円環状をなし、先端面135aと、その裏面をなす基端面135bと、これらの面を結ぶ内周面135c及び外周面135dとを有する。この圧電素子135は、厚み方向に分極された円環状をなすPZT系の圧電セラミックの先端側及び基端側に、上記先端面135aをなすAg電極と、上記基端面135bをなすAg電極とが配設されることにより構成されている。この圧電素子135は、支持部材110の内挿部121を内側に挿通しつつ、上述した基端側電極部材133の環状部133fの先端側に配置されている。
【0030】
先端側電極部材137は、金属材料(具体的には黄銅)からなり、支持部材110の内挿部121を内側に挿通しつつ、圧電素子135の先端面135a上に配置されている。この基端側電極部材137は、円環板状の環状部137fと、この環状部137fから径方向外側に延出する端子部137gとからなる。環状部137fは、圧電素子135と次述する先端側絶縁板139との間に挟まれて、圧電素子135の先端面135aに当接している。一方、端子部137gは、環状部137fから後述するコネクタ部161まで所定の位置で折り曲げられながら延出しており、圧電素子135の先端面135aから出力される電気信号の通電経路を構成している。
【0031】
先端側絶縁板139は、円環板状をなし、絶縁材料(具体的にはPBT)からなる。この先端側絶縁板139は、支持部材110の内挿部121を内側に挿通しつつ、上述した先端側電極部材137の環状部137fの先端側に配置されている。この先端側絶縁板139は、先端側電極部材137と次述する錘部材141とを電気的に絶縁するものである。
【0032】
錘部材141は、円環状をなし、金属材料(具体的には真鍮)からなる。この錘部材141は、支持部材110の内挿部121を内側に挿通しつつ、上述した先端側絶縁板139の先端側に配置されている。この錘部材141は、先端側を向く先端面141aと、この裏面をなし基端側を向く基端面141bと、これらの面を結び、径方向内側を向く内周面141cと、径方向外側を向く外周面141dとを有する。この錘部材141は、その基端面141bで先端側絶縁板139を基端側に(支持本体部111側に向けて)押圧し、圧電素子135に所定荷重を付加した状態で、次述する接着材143により支持部材110の内挿部121に固定されている。
【0033】
上述した圧電機構部130(基端側絶縁板131、基端側電極部材133、圧電素子135、先端側電極部材137、先端側絶縁板139及び錘部材141)の内周面130cと、これに向かい合う内挿部121の外周面121dとの隙間には、接着材143が充填されている。この接着材143により、基端側絶縁板131、基端側電極部材133、圧電素子135、先端側電極部材137、先端側絶縁板139及び錘部材141と、内挿部121とが、それぞれ互いに固定されている。
【0034】
このように本実施形態1では、錘部材141の内周面141cを、これに向かう合う支持部材110の内挿部121の外周面121dに絶縁性の接着材143(具体的には一液性加熱硬化型エポキシ樹脂)を介して接着して、錘部材141を支持部材110に固定している。また、圧電素子135の内周面135cを、これに向かう合う支持部材110の内挿部121の外周面121dに接着材143を介して接着して、圧電素子135を支持部材110に固定している。
【0035】
次に、樹脂被覆体150について説明する。この樹脂被覆体150は、絶縁性樹脂(具体的にはポリアミド樹脂)をモールド成形したものである。この樹脂被覆体150は、概略円筒状をなす素子被覆部151と、この素子被覆部151から外側に延出し、外部機器(例えば点火時期制御装置など)の外部コネクタを接続するためのコネクタ部161とからなる。
このうち素子被覆部151は、支持部材110のうちの先端側と基端側にそれぞれ密着して、素子被覆部151と支持部材110との間に圧電機構部130全体をシールしている。この素子被覆部151は、先端側に位置する先端側部153と、この先端側部153に連なり、この先端側部153よりも基端側に、かつ、圧電機構部130の径方向外側に位置する外側部155とからなる。
【0036】
先端側部153は、その外形が先端側ほど径が小さくなる円錐台状を有する環状をなす。この先端側部153は、圧電機構部130の先端面130a(錘部材141の先端面141a)に密着してこれを覆うと共に、支持部材110の内挿部121のうち外周面121dの先端側部分に密着してこれを覆っている。内挿部121の外周面121dの先端側部分には、前述のように、3本の周溝部123,123,123が形成されているので、この部分で樹脂被覆体150(先端側部153)と支持部材110(内挿部121)との密着性が向上し、シール性が十分に高くされている。
外側部155は、径方向の厚みが一定の円筒状をなす。この外側部155は、圧電機構部130の外周面130d、及び、支持部材110の支持本体部111の外周面111dに密着してこれらを覆っている。
【0037】
このノッキングセンサ100は、支持部材110の座面111bを、内燃機関のシリンダブロックの取付部に当接させて、図示しないボルトを支持部材110の径方向内側に先端側から挿通して内燃機関に取り付ける。
内燃機関でノッキングなどの異常振動が生じると、その異常振動が支持部材110の支持本体部111及び圧電機構部130を構成する各部材の積層方向(軸線AX方向)に大きく伝わる。そして、その異常振動に応じて圧電素子135から出力される電気信号が、基端側電極部材133及び先端側電極部材137から外部機器に対して出力される。
【0038】
以上で説明したように、このノッキングセンサ100では、環状なす錘部材141の内周面141cを、支持部材110の内挿部121の外周面121dに接着することにより、錘部材141を支持部材110に固定している。このため、従来技術に係る、錘部材141を支持部材110に固定するためのネジ部やナット、座金などが不要となる。従って、これらの部品を削減できると共に、ノッキングセンサ100の組立作業性を向上させることができる。
【0039】
更に、内燃機関で生じた振動は、支持本体部111及び圧電機構部130を構成する各部材の積層方向(軸線AX方向)に大きく伝わる。しかるに、この積層方向(振動方向)に沿った錘部材141の内周面141cを、支持部材110の内挿部121の外周面121dに接着している。このため、この積層方向に直交する方向に沿った先端面141aや基端面141bを接着に用いる場合に比して、使用時の振動に対してその接着部位が破断し難い。よって、ノッキングセンサ100を安価にすることができると共に、錘部材141を支持部材110に確実に固定できる。
【0040】
また、本実施形態1では、圧電素子135の内周面135cを支持部材110の内挿部121に接着して、圧電素子135を支持部材110に固定している。このため、圧電素子135が使用時等に移動するのを、特に径方向(例えば、図1中、左右方向)に移動するのを確実に防止できる。特に、圧電素子135のうち、上述の積層方向(振動方向)に沿った内周面135cを、支持部材110の内挿部121の外周面121dに接着している。このため、この積層方向に直交する方向に沿った先端面135aや基端面135bを接合に用いる場合に比して、使用時の振動に対してその接着部位が破断し難い。
【0041】
また、本実施形態1では、圧電機構部130を構成する各部材同士の間や、圧電機構部130(基端側絶縁板131)と支持本体部111との間に、接着層が全く介在しない。このため、接着層がクッションとなって圧電機構部130の共振周波数が低くなるのを防止できるので、内燃機関に生じたノッキングをより正確に検知できる。
【0042】
次いで、このノッキングセンサ100の製造方法について説明する。
まず、支持部材110の内挿部121を内側に挿通させつつ、支持本体部111の支持面111a上に、基端側絶縁板131、基端側電極部材133、圧電素子135、先端側電極部材137、先端側絶縁板139及び錘部材141を、基端側から先端側にこの順に積層する。
【0043】
次に、圧電機構部130(基端側絶縁板131、基端側電極部材133、圧電素子135、先端側電極部材137、先端側絶縁板139及び錘部材141)の内周面130cと、内挿部121の外周面121dとの隙間に、シリンジ等により接着剤を充填し、これを硬化させて、接着材143を形成する。その際、錘部材141を基端側に押圧して、圧電素子135に所定の荷重を付加した状態で接着材を硬化させ、圧電機構部130の各部材を内挿部121に接着固定する。
次に、この構成部品を射出成型用金型で取り囲み、この構成部品を覆うように絶縁製樹脂を射出成形して、樹脂被覆体150を形成する。かくして、ノッキングセンサ100が完成する。
【0044】
(実施形態2)
次いで、第2の実施の形態について説明する。図2に、本実施形態2に係るノッキングセンサ200を示す。本実施形態2のノッキングセンサ200は、圧電機構部130の外周面130dを支持部材210の外装部221に接着している点が、圧電機構部130の内周面130cを支持部材110の内挿部121に接着している上記実施形態1と異なる。なお、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略又は簡略化する。
【0045】
このノッキングセンサ200は、支持部材210と、上記実施形態1と同様な圧電機構部130と、これらを覆う樹脂被覆体250とから構成されている。
このうち、支持部材210は、軸線AXを有する円環状の支持本体部211と、この支持本体部211の径方向外側端部から先端側(図中、上方)に向けて延びる円筒状の外装部221とから一体的に形成されている。
【0046】
支持本体部211は、先端側を向く支持面211aと、基端側を向く座面211bと、内周面211cと、外周面211dとを有する。支持面211aのうち、径方向内側寄りの所定位置には、後述する樹脂被覆体250との密着性を高めるために、1本の周溝部214が環状に凹設されている。
【0047】
外装部221は、圧電機構130の径方向外側に配置されている。この外装部221は、先端側を向く先端面221aと、径方向内側を向く内周面221cと、径方向外側を向く外周面221dとを有する。また、外装部221には、軸線AX方向に所定位置から先端まで延びるスリット222,222が2つ形成されている(図2には、そのうち1つのみが図示されている。)。一方のスリット222には、基端側電極部材133の端子部133gが挿通されて、この端子部133gが外装部221の径方向内側から径方向外側に延出している。また、他方のスリット222には、基端側電極部材137の端子部137gが挿通されて、この端子部137gが外装部221の径方向内側から径方向外側に延出している。また、各スリット222,222内には、後述する接着材243の一部が充填されている。
【0048】
また、圧電機構部130は、上記実施形態1と同様に、基端側絶縁板131、基端側電極部材133、圧電素子135、先端側電極部材137、先端側絶縁板139及び錘部材141が、基端側から先端側に向けてこの順に積層配置することにより、構成されている。
圧電機構部130の外周面130dと、これに向かい合う支持部材210の外装部221の内周面221cとの隙間には、絶縁性の接着材243(具体的には一液性加熱硬化型エポキシ樹脂)が充填されている。この接着材243により、基端側絶縁板131、基端側電極部材133、圧電素子135、先端側電極部材137、先端側絶縁板139及び錘部材141と、外装部221とが、それぞれ互いに固定されている。
【0049】
このように本実施形態2では、錘部材141の外周面141dを、これに向かう合う支持部材210の外装部221の内周面221cに接着材243を介して接着して、錘部材141を支持部材210に固定している。また、圧電素子135の外周面135dを、これに向かう合う支持部材210の外装部221の内周面221cに接着材243を介して接着して、圧電素子135を支持部材210に固定している。
【0050】
次に、樹脂被覆体250について説明する。この樹脂被覆体250は、素子被覆部251とコネクタ部261とからなる。このうち素子被覆部251は、先端側に位置する先端側部253と、この先端側部253に連なり、この先端側部253よりも基端側に、かつ、圧電機構部130の径方向内側に位置する内側部254と、先端側部253に連なり、先端側部253よりも基端側に、かつ、外装部221の径方向外側に位置する外側部255とからなる。
【0051】
先端側部253は、環状をなし、圧電機構部130の先端面130aに密着して、これを覆っている。
内側部254は、径方向の厚みが一定の円筒状をなす。この内側部254は、圧電機構部130の内周面130c、及び、支持本体部211の支持面211aに密着してこれらを覆っている。支持本体部211の支持面211aには、前述のように、1本の周溝部214が形成されているので、この部分で樹脂被覆体250(内側部254)と支持部材210(支持本体部211)との密着性が向上し、シール性が十分に高くされている。
外側部255は、円筒状をなす。この外側部255は、主に、支持部材210の外装部221の外周面221d、及び、支持本体部211の外周面211dに密着してこれらを覆っている。
【0052】
以上で説明したように、このノッキングセンサ200では、錘部材141の外周面141dを、支持部材210の外装部221の内周面221cに接着することにより、錘部材141を支持部材210に固定している。このため、従来技術に係る、錘部材141を支持部材210に固定するためのネジ部やナット、座金などが不要となる。このため、これらの部品を削減できると共に、ノッキングセンサ200の組立作業性を向上させることができる。
【0053】
更に、内燃機関で生じた振動は、支持本体部211及び圧電機構部130を構成する各部材の積層方向(軸線AX方向)に大きく伝わる。しかるに、この積層方向(振動方向)に沿った錘部材141の外周面141dを、支持部材210の外装部221の内周面221cに接着している。このため、この積層方向に直交する方向に沿った先端面141aや基端面141bを接着に用いる場合に比して、使用時の振動に対してその接着部位が破断し難い。よって、ノッキングセンサ200を安価にすることができると共に、錘部材141を支持部材210に確実に固定できる。
【0054】
また、本実施形態2では、圧電素子135の外周面135dを支持部材210の外装部221に接着して、圧電素子135を支持部材210に固定している。このため、圧電素子135が使用時等に移動するのを、特に径方向(例えば、図2中、左右方向)に移動するのを確実に防止できる。特に、圧電素子135のうち、上述の積層方向(振動方向)に沿った外周面135dを、支持部材210の外装部221の内周面221cに接着している。このため、この積層方向に直交する方向に沿った先端面135aや基端面135bを接合に用いる場合に比して、使用時の振動に対してその接着部位が破断し難い。
【0055】
次いで、このノッキングセンサ200の製造方法について説明する。
まず、支持部材210の外装部221の径方向内側において、支持本体部211の支持面211a上に、基端側絶縁板131、基端側電極部材133、圧電素子135、先端側電極部材137、先端側絶縁板139及び錘部材141を、基端側から先端側にこの順に積層する。
【0056】
次に、圧電機構部130の外周面130dと外装部221の内周面221cとの隙間に、シリンジ等により接着剤を充填し、これを硬化させて、接着材243を形成する。その際、錘部材141を基端側に押圧して、圧電素子135に所定の荷重を付加した状態で接着剤を硬化させ、圧電機構部130を外装部221に接着固定する。
次に、この構成部品を射出成型用金型で取り囲み、この構成部品を覆うように絶縁製樹脂を射出成形して、樹脂被覆体250を形成する。かくして、ノッキングセンサ200が完成する。
【0057】
(実施形態3)
次いで、第3の実施の形態について説明する。図3に、本実施形態3に係るノッキングセンサ300を示す。本実施形態3のノッキングセンサ300は、内挿部370を支持本体部311に接着して支持部材310を形成すると共に、圧電機構部330の内周面330cをこの内挿部370に接着しており、この点が上記実施形態1,2と異なる。なお、上記実施形態1又は2と同様な部分の説明は、省略又は簡略化する。
【0058】
このノッキングセンサ300は、支持本体部311及びこれに接着した内挿部370からなる支持部材310と、この支持部材310に支持される圧電機構部330と、これらを覆う樹脂被覆体350とから構成されている。
支持部材310のうちの支持本体部311は、軸線AXを有する円環状をなし、金属(具体的には炭素鋼)からなる。この支持本体部311は、先端側を向く支持面311aと、この裏面をなし基端側を向く座面311bと、これらの面を結ぶ内周面311c及び外周面311dとを有する。
【0059】
支持部材310のうちの内挿部370は、金属(具体的には炭素鋼)からなる。この内挿部370は、軸線AX方向に延びる円筒状の円筒部371と、その基端から径方向外側に拡がる円環板状をなす円環板部373とからなる。このうち円筒部371は、先端側を向く先端面371aと、径方向内側を向く内周面371cと、径方向外側を向く外周面371dとを有する。また、円環板部373は、先端側を向く先端面373aと、この裏面をなし基端側を向く基端面373bとを有する。
【0060】
この内挿部370は、その円環板部373の基端面373bが、絶縁性の接着材345により支持本体部311の支持面311aに接着されて、支持本体部311に固定されている。また、この円環板部373は、支持本体部311の支持面311aと圧電機構部330との間に配置されている。
一方、この内挿部370の円筒部371は、圧電機構部330の径方向内側に配置され、円筒部371の外周面371dが圧電機構部330の内周面330cと向かい合っている。そして、円筒部371の外周面371dと圧電機構部330の内周面330cとが、後述するように接着材343により互いに固定されている。
【0061】
圧電機構部330は、基端側電極部材133、圧電素子135、先端側電極部材137、先端側絶縁板139及び錘部材141を、基端側から先端側に向かってこの順に積層することにより、構成されている。つまり、この圧電機構部330は、基端側絶縁板131を有しない点が、上記実施形態1,2の圧電機構部130と異なる。
この圧電機構部330の内周面130cと、内挿部370の円筒部371の外周面371dとの隙間には、絶縁性の接着材343(具体的には一液性加熱硬化型エポキシ樹脂)が充填されている。この接着材343により、基端側電極部材133、圧電素子135、先端側電極部材137、先端側絶縁板139及び錘部材141と、内挿部370の円筒部371とが、それぞれ互いに固定されている。
【0062】
このように本実施形態3では、錘部材141の内周面141cをこれに向かう合う支持部材310の内挿部370(円筒部371)の外周面371dに接着して、錘部材141を支持部材310に固定している。また、圧電素子135の内周面135cをこれに向かう合う支持部材310の内挿部370(円筒部371)の外周面371dに接着して、圧電素子135を支持部材310に固定している。
【0063】
次に、樹脂被覆体350について説明する。この樹脂被覆体350は、素子被覆部351とコネクタ部361とからなる。このうち素子被覆部351は、先端側に位置する先端側部353と、この先端側部353に連なり、これよりも基端側に、かつ、内挿部370の径方向内側に位置する内側部354と、先端側部353に連なり、これよりも基端側に、かつ、圧電機構部330の径方向外側に位置する外側部355とからなる。
【0064】
先端側部353は、環状をなし、圧電機構部330の先端面330aに密着してこれを覆っている。内側部354は、円筒状をなし、主に、内挿部370の内周面371c、及び、支持本体部311の支持面311aの径方向内側部分に密着してこれらを覆っている。外側部355は、円筒状をなし、圧電機構部330の外周面330d、及び、支持部材310の外周面311dに密着してこれらを覆っている。
【0065】
以上で説明したように、このノッキングセンサ300では、錘部材141の内周面141cを内挿部370に接着することにより、錘部材141を支持部材310に固定している。このため、従来技術に係る、錘部材141を支持部材310に固定するためのネジ部やナット、座金などが不要となる。このため、これらの部品を削減できると共に、ノッキングセンサ300の組立作業性を向上させることができる。
【0066】
更に、内燃機関で生じた振動は、支持本体部311及び圧電機構部330を構成する各部材の積層方向(軸線AX方向)に大きく伝わる。しかるに、この積層方向(振動方向)に沿った錘部材141の内周面141cを、内挿部370の外周面371dに接着している。このため、この積層方向に直交する方向に沿った先端面141aや基端面141bを接着に用いる場合に比して、使用時の振動に対してその接着部位が破断し難い。よって、ノッキングセンサ300を安価にすることができると共に、錘部材141を支持部材310に確実に固定できる。
【0067】
また、本実施形態3では、圧電素子135の内周面135cを内挿部370に接着して、圧電素子135を支持部材370に固定している。このため、圧電素子135が使用時等に移動するのを、特に径方向(例えば、図3中、左右方向)に移動するのを確実に防止できる。特に、圧電素子135のうち、上述の積層方向(振動方向)に沿った内周面135cを、内挿部370の外周面371dに接着している。このため、この積層方向に直交する方向に沿った先端面135aや基端面135bを接合に用いる場合に比して、使用時の振動に対してその接着部位が破断し難い。
【0068】
次いで、このノッキングセンサ300の製造方法について説明する。
まず、支持本体部311の支持面311aの所定位置に、内挿部370の基端面373bを接着材345で固定する。
その後、内挿部370を内側に挿通させつつ、支持本体部311の支持面311a上に、基端側電極部材133、圧電素子135、先端側電極部材137、先端側絶縁板139及び錘部材141を、基端側から先端側にこの順に積層する。
【0069】
次に、圧電機構部330の内周面330cと内挿部370の外周面371dとの隙間に、シリンジ等により接着剤を充填し、これを硬化させて、接着材343を形成する。その際、錘部材141を基端側に押圧して、圧電素子135に所定の荷重を付加した状態で接着剤を硬化させ、圧電機構部330を内挿部370に接着固定する。
次に、この構成部品を射出成型用金型で取り囲み、この構成部品を覆うように絶縁製樹脂を射出成形して、樹脂被覆体350を形成する。かくして、ノッキングセンサ300が完成する。
【0070】
(実施形態4)
次いで、第4の実施の形態について説明する。図4に、本実施形態4に係るノッキングセンサ400を示す。本実施形態4のノッキングセンサ400は、外装部480を樹脂により形成しており、この樹脂製の外装部480を金属製の支持本体部411に接着して支持部材410を構成すると共に、圧電機構部130の外周面130dをこの外装部480に接着している。この点が上記実施形態1〜3と異なる。なお、上記実施形態1〜3のいずれかと同様な部分の説明は、省略又は簡略化する。
【0071】
このノッキングセンサ400は、支持本体部411及びこれに接着した外装部480からなる支持部材410と、上記実施形態1と同様な圧電機構部130と、これらを覆う樹脂被覆体450とから構成されている。
支持部材410のうちの支持本体部411は、軸線AXを有する円環状をなし、金属(具体的には炭素鋼)からなる。この支持本体部411は、先端側を向く支持面411aと、この裏面をなし基端側を向く座面411bと、これらの面を結ぶ内周面411c及び外周面411dとを有する。
【0072】
支持部材410のうちの外装部480は、樹脂(具体的には一液性加熱硬化型エポキシ樹脂)からなる。この外装部480は、軸線AX方向に延びる円筒状をなし、径方向内側を向く内周面480cと、径方向外側を向く外周面480dとを有する。この外装部480は、圧電機構部130及び支持本体部411の径方向外側に配置されている。そして、外装部480の内周面480cのうちの基端側部分が支持本体部411の外周面411dに接着することにより、外装部480自身を支持本体部411に固定している。また、外装部480の内周面480cを圧電機構部130の外周面130dに接着することにより、外装部480に圧電機構部130を固定している。これにより、圧電機構部130を支持部材410に固定している。
【0073】
このように本実施形態4では、錘部材141の外周面141dをこれに向かう合う支持部材410の外装部480の内周面480cに接着して、錘部材141を支持部材410に固定している。また、圧電素子135の外周面135dをこれに向かう合う支持部材410の外装部480の内周面480cに接着して、圧電素子135を支持部材410に固定している。
【0074】
次に、樹脂被覆体450について説明する。この樹脂被覆体450は、素子被覆部451とコネクタ部461とからなる。このうち素子被覆部451は、先端側に位置する先端側部453と、この先端側部453に連なり、これよりも基端側に、かつ、圧電機構部130の径方向内側に位置する内側部454と、先端側部453に連なり、これよりも基端側に、かつ、外装部480の径方向外側に位置する外側部455とからなる。
【0075】
先端側部453は、環状をなし、圧電機構部130の先端面130aに密着してこれを覆っている。内側部454は、円筒状をなし、圧電機構部130の内周面130c、及び、支持本体部411の支持面411aのうちの径方向内側部分に密着してこれらを覆っている。また、外側部455は、円筒状をなし、主に、外装部480の外周面480d、及び、支持本体部411の外周面411dのうちの基端側部分に密着してこれらを覆っている。
【0076】
以上で説明したように、このノッキングセンサ400では、錘部材141の外周面141dを外装部480に接着して、錘部材141を支持部材410に固定している。このため、従来技術に係る、錘部材141を支持部材410に固定するためのネジ部やナット、座金などが不要となる。このため、これらの部品を削減できると共に、ノッキングセンサ400の組立作業性を向上させることができる。
【0077】
更に、内燃機関で生じた振動は、支持本体部411及び圧電機構部130を構成する各部材の積層方向(軸線AX方向)に大きく伝わる、しかるに、この積層方向(振動方向)に沿った錘部材141の外周面141dを、外装部480の内周面480cに接着している。このため、この積層方向に直交する方向に沿った先端面141aや基端面141bを接着に用いる場合に比して、使用時の振動に対してその接着部位が破断し難い。よって、ノッキングセンサ400を安価にすることができると共に、錘部材141を支持部材410に確実に固定できる。
【0078】
また、本実施形態4では、圧電素子135の外周面135dを外装部480に接着して、圧電素子135を支持部材410に固定している。このため、圧電素子135が使用時等に移動するのを、特に径方向(例えば、図4中、左右方向)に移動するのを確実に防止できる。特に、圧電素子135のうち、上述の積層方向(振動方向)に沿った外周面135dを、外装部480の内周面480cに接着している。このため、この積層方向に直交する方向に沿った先端面135aや基端面135bを接合に用いる場合に比して、使用時の振動に対してその接着部位が破断し難い。
【0079】
次いで、このノッキングセンサ400の製造方法について説明する。
まず、支持本体部411の支持面411a上に、基端側絶縁板131、基端側電極部材133、圧電素子135、先端側電極部材137、先端側絶縁板139及び錘部材141を、基端側から先端側にこの順に積層して、圧電機構部130を構成する。
その後、圧電機構部130の外周面130dと支持本体部411の外周面411dとに、絶縁性の接着剤を塗布し、これを硬化させて、外装部480を形成する。その際、錘部材141を基端側に押圧して、圧電素子135に所定の荷重を付加した状態で接着剤を硬化させ、圧電機構部130及び支持本体部411と外装部480とを接着固定する。
次に、この構成部品を射出成型用金型で取り囲み、この構成部品を覆うように絶縁製樹脂を射出成形して、樹脂被覆体450を形成する。かくして、ノッキングセンサ400が完成する。
【0080】
(実施形態5)
次いで、第5の実施の形態について説明する。図5に、本実施形態5に係るノッキングセンサ500を示す。本実施形態5のノッキングセンサ500は、内挿部370と外装部480を支持本体部511に接着して支持部材510を形成している。そして、圧電機構部330の内周面330cをこの内挿部370に接着すると共に、圧電機構部330の外周面330dをこの外装部480に接着して、圧電機構部330を支持部材510に固定している。この点が上記実施形態1〜4と異なる。なお、上記実施形態1〜4のいずれかと同様な部分の説明は、省略又は簡略化する。
【0081】
このノッキングセンサ500は、支持本体部511、これに接着した内装部370及び外装部480からなる支持部材510と、上記実施形態3と同様な圧電機構部330と、これらを覆う樹脂被覆体550とから構成されている。
支持部材510のうちの支持本体部511は、軸線AXを有する円環状をなし、金属(具体的には炭素鋼)からなる。この支持本体部511は、先端側を向く支持面511aと、この裏面をなし基端側を向く座面511bと、これらの面を結ぶ内周面511c及び外周面511dとを有する。
【0082】
支持部材510のうちの内挿部370は、上記実施形態3の内挿部370と同様である。この内挿部370は、その円環板部373の基端面373bを絶縁性の接着材545により支持本体部511の支持面511aに接着することにより、支持本体部511に固定されている。また、この円環板部373は、支持部材511の支持面511aと圧電機構部330との間に配置されている。
一方、この内挿部370の円筒部371は、圧電機構部330の径方向内側に配置され、円筒部371の外周面371dが圧電機構部330の内周面330cと向かい合っている。そして、円筒部371の外周面371dと圧電機構部330の内周面330cとが、後述するように接着材543により互いに固定されている。
【0083】
また、支持部材510のうちの外装部480は、上記実施形態4の外装部480と同様である。この外装部480は、圧電機構部330及び支持部材510の径方向外側に配置されている。そして、外装部480の内周面480cのうち基端側部分を支持本体部511の外周面511dに接着することにより、外装部480を支持本体部511に固定している。また、外装部480の内周面480cを圧電機構部330の外周面330dに接着することにより、外装部480を圧電機構部330に固定している。
【0084】
このように本実施形態5では、錘部材141の内周面141cをこれに向かう合う支持部材510の内挿部370(円筒部371)の外周面371dに接着して、錘部材141を支持部材510に固定している。またこれと共に、錘部材141の外周面141dをこれに向かう合う支持部材510の外装部480の内周面480cに接着して、これによっても錘部材141を支持部材510に固定している。
【0085】
また、圧電素子135の内周面135cをこれに向かう合う支持部材510の内挿部370(円筒部371)の外周面371dに接着して、圧電素子135を支持部材510に固定している。またこれと共に、圧電素子135の外周面135dをこれに向かう合う支持部材510の外装部480の内周面480cに接着して、これによっても圧電素子135を支持部材510に固定している。
【0086】
次に、樹脂被覆体550について説明する。この樹脂被覆体550は、素子被覆部551とコネクタ部561とからなる。このうち素子被覆部551は、先端側に位置する先端側部553と、この先端側部553に連なり、これよりも基端側に、かつ、内挿部370の径方向内側に位置する内側部554と、先端側部553に連なり、これよりも基端側に、かつ、外装部480の径方向外側に位置する外側部555とからなる。
【0087】
先端側部553は、環状をなし、圧電機構部330の先端面330aに密着してこれを覆っている。内側部554は、円筒状をなし、主に、内挿部370の内周面371c、及び、支持本体部511の支持面511aの径方向内側部分に密着してこれらを覆っている。また、外側部555は、円筒状をなし、主に、外装部480の外周面480d、及び、支持本体部511の外周面511dの基端側部分に密着してこれらを覆っている。
【0088】
以上で説明したように、このノッキングセンサ500では、錘部材141の内周面141cを内挿部370に接着すると共に、錘部材141の外周面141dを外装部480に接着することにより、錘部材141を支持部材510に固定している。このため、従来技術に係る、錘部材141を支持部材510に固定するためのネジ部やナット、座金などが不要となる。このため、これらの部品を削減できると共に、ノッキングセンサ500の組立作業性を向上させることができる。
【0089】
更に、内燃機関で生じた振動は、支持本体部511及び圧電機構部330を構成する各部材の積層方向(軸線AX方向)に大きく伝わる。しかるに、この積層方向(振動方向)に沿った錘部材141の内周面141c及び外周面141dを、内挿部370及び外装部480に接着している。このため、この積層方向に直交する方向に沿った先端面141aや基端面141bを接着に用いる場合に比して、使用時の振動に対してその接着部位が破断し難い。よって、ノッキングセンサ500を安価にすることができると共に、錘部材141を支持部材510に確実に固定できる。
【0090】
また、本実施形態5では、圧電素子135の内周面135cを内挿部370に接着すると共に、圧電素子135の外周面135dを外装部480に接着して、圧電素子135を支持部材510に固定している。このため、圧電素子135が使用時等に移動するのを、特に径方向(例えば、図5中、左右方向)に移動するのを確実に防止できる。特に、圧電素子135のうち、上述の積層方向(振動方向)に沿った内周面135c及び外周面135dを、内挿部370及び外装部480に接着している。このため、この積層方向に直交する方向に沿った先端面135aや基端面135bを接合に用いる場合に比して、使用時の振動に対してその接着部位が破断し難い。
【0091】
次いで、このノッキングセンサ500の製造方法について説明する。
まず、支持本体部511の支持面511aの所定位置に、内挿部370の基端面373bを接着材545で固定する。
その後、内挿部370を内側に挿通させつつ、支持本体部511の支持面511a上に、基端側電極部材133、圧電素子135、先端側電極部材137、先端側絶縁板139及び錘部材141を、基端側から先端側にこの順に積層する。
【0092】
次に、圧電機構部330の内周面330cと内挿部370の外周面371dとの隙間に、シリンジ等により接着剤を充填し、これを硬化させて、接着材543を形成する。また、圧電機構部130の外周面130dと支持本体部511の外周面511dに、接着剤を塗布し、これを硬化させて、外装部480を形成する。その際、錘部材141を基端側に押圧して、圧電素子135に所定の荷重を付加した状態で接着剤を硬化させ、圧電機構部330を内挿部370及び外装部480に接着固定する。
次に、この構成部品を射出成型用金型で取り囲み、この構成部品を覆うように絶縁製樹脂を射出成形して、樹脂被覆体550を形成する。かくして、ノッキングセンサ500が完成する。
【0093】
(実施形態6)
次いで、第6の実施の形態について説明する。図6に、本実施形態6に係るノッキングセンサ600を示す。本実施形態6のノッキングセンサ600は、外装部621を金属により形成し、この外装部621を支持本体部611に溶接(融接)して支持部材610を構成すると共に、錘部材641をこの外装部621に溶接(融接)して、錘部材641を支持部材610に固定している。この点が上記実施形態1〜5と異なる。なお、上記実施形態1〜5のいずれかと同様な部分の説明は、省略又は簡略化する。
【0094】
このノッキングセンサ600は、支持本体部611及びこれに溶接した外装部621からなる支持部材610と、圧電機構部630と、これらを覆う樹脂被覆体650とから構成されている。
支持部材610のうちの支持本体部611は、軸線AXを有する円環状をなし、金属(具体的には炭素鋼)からなる。この支持本体部611は、先端側を向く支持面611aと、この裏面をなし基端側を向く座面611bと、これらの面を結ぶ内周面611c及び外周面611dとを有する。支持面611aのうち、径方向内側寄りの所定位置には、後述する樹脂被覆体650との密着性を高めるために、1本の周溝部614が環状に凹設されている。また、外周面611dの先端側には、後述する外装部621の基端部621kを配置して溶接するための凹部612が環状に形成されている。
【0095】
支持部材610のうちの外装部621は、金属(具体的には炭素鋼)からなる。この外装部621は、軸線AX方向に延びる円筒状をなし、径方向内側を向く内周面621cと、径方向外側を向く外周面621dとを有する。この外装部621の基端部621kは、支持本体部611の凹部612に配置されている。そして、この外装部621の基端部621kを、径方向外側からレーザ溶接して、支持本体部611との間で溶接部646を形成することにより、外装部621を支持本体部611に固定している。
【0096】
この外装部621の径方向内側には、後述する圧電機構部630が配置されている。この圧電機構部630のうち、錘部材641の外周面641dの先端側所定部分と、これに向かう合う外装部621の内周面621cの先端部分とを、レーザ溶接して溶接部644を形成することにより、錘部材641を外装部621に固定している。これにより、錘部材641を支持部材610に固定している。
【0097】
また、外装部621には、軸線AX方向に所定位置から先端まで延びるスリット622,622が2つ形成されている(図6には、そのうち1つのみが図示されている。)。一方のスリット622には、基端側電極部材133の端子部133gが挿通されて、この端子部133gが外装部621の径方向内側から径方向外側に延出している。また、他方のスリット622には、基端側電極部材137の端子部137gが挿通されて、この端子部137gが外装部621の径方向内側から径方向外側に延出している。
【0098】
圧電機構部630は、基端側絶縁板131、基端側電極部材133、圧電素子135、先端側電極部材137、先端側絶縁板139及び錘部材641が、基端側から先端側に向けてこの順に積層配置することにより、構成されている。このうち、基端側絶縁板131、基端側電極部材133、圧電素子135、先端側電極部材137及び先端側絶縁板139は、上記実施形態1と同様である。
【0099】
一方、錘部材641は、先端側を向く先端面641aと、この裏面をなし基端側を向く基端面641bと、これらの面を結び、径方向内側を向く内周面641cと、径方向外側を向く外周面641dとを有し、上記実施形態1の錘部材141よりも外径が大きくされ、径方向の長さが大きくされている。この錘部材641は、支持部材610の外装部621に当接している。一方、それ以外の基端側絶縁板131、基端側電極部材133、圧電素子135、先端側電極部材137及び先端側絶縁板139は、外装部621と電気的に絶縁させるために、間隙を介して外装部621の径方向内側に配置されている。
【0100】
次に、樹脂被覆体650について説明する。この樹脂被覆体650は、素子被覆部651とコネクタ部661とからなる。このうち素子被覆部651は、先端側に位置する先端側部653と、この先端側部653に連なり、これよりも基端側に、かつ、圧電機構部630の径方向内側に位置する内側部654と、先端側部653に連なり、これよりも基端側に、かつ、外装部621の径方向外側に位置する外側部655とからなる。
先端側部653は、環状をなし、圧電機構部630の先端面630aに密着してこれを覆っている。内側部654は、円筒状をなし、圧電機構部630の内周面630c、及び、支持本体部611の支持面611aのうちの径方向内側部分に密着してこれらを覆っている。また、外側部655は、円筒状をなし、主に、外装部621の外周面621d、及び、支持本体部611の外周面611dに密着してこれらを覆っている。
【0101】
以上で説明したように、このノッキングセンサ600では、錘部材641の外周面641dの一部を外装部621に溶接して、錘部材641を支持部材610に固定している。このため、従来技術に係る、錘部材641を支持部材610に固定するためのネジ部やナット、座金などが不要となる。このため、これらの部品を削減できると共に、ノッキングセンサ600の組立作業性を向上させることができる。その他、上記実施形態1〜5と同様な部分は、上記実施形態1〜5と同様な作用効果を奏する。
【0102】
次いで、このノッキングセンサ600の製造方法について説明する。
まず、支持本体部611の凹部612に外装部621の基端部621kを配置し、径方向外側からレーザを照射して、前述の溶接部646を形成し、外装部621を支持本体部611に固定する。これにより支持部材610が形成される。
次に、支持本体部611の支持面611a上に、基端側絶縁板131、基端側電極部材133、圧電素子135、先端側電極部材137、先端側絶縁板139及び錘部材641を、基端側から先端側にこの順に積層する。
【0103】
その後、錘部材641の外周面641dと外装部621の内周面621cとの境界に、斜め先端側からレーザを照射して、前述の溶接部644を形成する。その際、錘部材641を基端側に押圧して、圧電素子135に所定の荷重を付加した状態で、錘部材641を外装部621に溶接して固定する。
次に、この構成部品を射出成型用金型で取り囲み、この構成部品を覆うように絶縁製樹脂を射出成形して、樹脂被覆体650を形成する。かくして、ノッキングセンサ600が完成する。
【0104】
(実施形態7)
次いで、第7の実施の形態について説明する。図7に、本実施形態7に係るノッキングセンサ700を示す。本実施形態7のノッキングセンサ700は、内挿部370を支持本体部311に溶接(ロウ接)して支持部材710を形成すると共に、錘部材741をこの内挿部370に溶接(融接)して、錘部材741を支持部材710に固定している。この点が上記実施形態1〜6と異なる。なお、上記実施形態1〜6のいずれかと同様な部分の説明は、省略又は簡略化する。
【0105】
このノッキングセンサ700は、支持本体部311及びこれに溶接した内挿部370からなる支持部材710と、圧電機構部730と、これらを覆う樹脂被覆体750とから構成されている。
支持部材710のうち支持本体部311は、上記実施形態3の支持本体部311と同様であり、また、支持部材710のうち内挿部370も、上記実施形態3の内挿部370と同様である。
【0106】
本実施形態7では、内挿部370は、その円環板部373の基端面373bがロウ材745により支持本体部311の支持面311aに溶接されて、支持本体部311に固定され、支持部材710を構成している。
一方、この内挿部370の円筒部371は、後述する圧電機構部730の径方向内側に配置されている。圧電機構部730のうち、錘部材741の内周面741cの先端側所定部分と、これに向かう合う内挿部370(円筒部371)の内周面621cのうち先端部分とを、レーザ溶接により溶接部744を形成することにより、錘部材741を内挿部370に固定している。これにより、錘部材741を支持部材710に固定している。
【0107】
圧電機構部730は、基端側電極部材133、圧電素子135、先端側電極部材137、先端側絶縁板139及び錘部材741が、基端側から先端側に向けてこの順に積層配置することにより、構成されている。このうち、基端側電極部材133、圧電素子135、先端側電極部材137及び先端側絶縁板139は、上記実施形態1等と同様である。
一方、錘部材741は、先端側を向く先端面741aと、この裏面をなし基端側を向く基端面741bと、これらの面を結び、径方向内側を向く内周面741cと、径方向外側を向く外周面741dとを有し、上記実施形態1の錘部材141よりも内径が小さくされて径方向の長さが大きくされている。この錘部材741は、支持部材710の内挿部370(円筒部371)に当接している。一方、それ以外の基端側電極部材133、圧電素子135、先端側電極部材137及び先端側絶縁板139は、内挿部370(円筒部371)と電気的に絶縁させるために、間隙を介して内挿部370(円筒部371)の径方向外側に配置されている。
【0108】
次に、樹脂被覆体750について説明する。この樹脂被覆体750は、素子被覆部751とコネクタ部761とからなる。このうち素子被覆部751は、先端側に位置する先端側部753と、この先端側部753に連なり、これよりも基端側に、かつ、内挿部370の径方向内側に位置する内側部754と、先端側部753に連なり、これよりも基端側に、かつ、圧電機構部730の径方向外側に位置する外側部755とからなる。
【0109】
先端側部753は、環状をなし、圧電機構部730の先端面730aに密着してこれを覆っている。内側部754は、円筒状をなし、主に、内挿部370の内周面370c、及び、支持本体部311の支持面311aのうちの径方向内側部分に密着してこれらを覆っている。また、外側部755は、円筒状をなし、圧電機構部730の外周面730d、及び、支持本体部311の外周面311dに密着してこれらを覆っている。
【0110】
以上で説明したように、このノッキングセンサ700では、錘部材741の内周面741cの一部を内挿部370(円筒部371)に溶接して、錘部材741を支持部材710に固定している。このため、従来技術に係る、錘部材741を支持部材710に固定するためのネジ部やナット、座金などが不要となる。このため、これらの部品を削減できると共に、ノッキングセンサ700の組立作業性を向上させることができる。その他、上記実施形態1〜6同様な部分は、上記実施形態1〜6と同様な作用効果を奏する。
【0111】
次いで、このノッキングセンサ700の製造方法について説明する。
まず、支持本体部311の支持面311aの所定位置に、内挿部370の基端面373bをロウ材745で固定する。
その後、内挿部370を内側に挿通させつつ、支持本体部311の支持面311a上に、基端側電極部材133、圧電素子135、先端側電極部材137、先端側絶縁板139及び錘部材741を、基端側から先端側にこの順に積層する。
【0112】
その後、錘部材741の内周面741cと内挿部370(円筒部371)の外周面371dとの境界に、斜め先端側からレーザを照射し、前述の溶接部744を形成する。その際、錘部材741を基端側に押圧して、圧電素子135に所定の荷重を付加した状態で、錘部材741を内挿部370に溶接して固定する。
次に、この構成部品を射出成型用金型で取り囲み、この構成部品を覆うように絶縁製樹脂を射出成形して、樹脂被覆体750を形成する。かくして、ノッキングセンサ700が完成する。
【0113】
以上において、本発明を上記実施形態1〜7に即して説明したが、本発明は上記実施形態1〜7に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】実施形態1に係るノッキングセンサの断面図である。
【図2】実施形態2に係るノッキングセンサの断面図である。
【図3】実施形態3に係るノッキングセンサの断面図である。
【図4】実施形態4に係るノッキングセンサの断面図である。
【図5】実施形態5に係るノッキングセンサの断面図である。
【図6】実施形態6に係るノッキングセンサの断面図である。
【図7】実施形態7に係るノッキングセンサの断面図である。
【符号の説明】
【0115】
100,200,300,400,500,600,700 ノッキングセンサ
110,210,310,410,510,610,710 支持部材
111,211,311,411,511,611 支持本体部
111a,211a,311a,411a,511a,611a 支持面
111b,211b,311b,411b,511b,611b 座面
121,370 内挿部
371 円筒部
121c,371c 内周面
121d,371d 外周面
221,480,621 外装部
221c,480c,621c 内周面
221d,480d,621d 外周面
130,330,630,730 圧電機構部
130c,330c,630c 内周面
130d,330d,730d 外周面
135 圧電素子
135a 先端面
135b 基端面
135c 内周面
135d 外周面
141,641,741 錘部材
141a,641a,741a 先端面
141b,641b,741b 基端面
141c,641c,741c 内周面
141d,641d,741d 外周面
143,243,343,345,543,545 接着材
150,250,350,450,550,650,750 樹脂被覆体
644,646,744 溶接部
745 ロウ材
AX 軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状をなす圧電素子と、
前記圧電素子を直接又は間接に支持する支持本体部を有する支持部材と、
環状をなし、前記圧電素子と同軸に配置される錘部材であって、前記圧電素子を前記支持本体部側に向けて直接又は間接に押圧する錘部材と、を備え、
前記錘部材、前記圧電素子及び前記支持本体部の積層方向に生じる振動を検知する
ノッキングセンサであって、
前記支持部材は、前記圧電素子及び前記錘部材の径方向内側に挿通される内挿部を有し、
前記錘部材を、前記内挿部に接着又は溶接して、前記支持部材に固定してなる
ノッキングセンサ。
【請求項2】
請求項1に記載のノッキングセンサであって、
前記圧電素子を、前記内挿部に接着して、前記支持部材に固定してなる
ノッキングセンサ。
【請求項3】
環状をなす圧電素子と、
前記圧電素子を直接又は間接に支持する支持本体部を有する支持部材と、
環状をなし、前記圧電素子と同軸に配置される錘部材であって、前記圧電素子を前記支持本体部側に向けて直接又は間接に押圧する錘部材と、を備え、
前記錘部材、前記圧電素子及び前記支持本体部の積層方向に生じる振動を検知する
ノッキングセンサであって、
前記支持部材は、前記圧電素子及び前記錘部材の径方向外側に配置される外装部を有し、
前記錘部材を、前記外装部に接着又は溶接して、前記支持部材に固定してなる
ノッキングセンサ。
【請求項4】
請求項3に記載のノッキングセンサであって、
前記圧電素子を、前記外装部に接着して、前記支持部材に固定してなる
ノッキングセンサ。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のノッキングセンサであって、
前記錘部材と前記圧電素子との間、及び、前記圧電素子と前記支持本体部との間には、接着層が介在しない
ノッキングセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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