説明

ノート型パーソナルコンピュータ

【課題】
リモコンを利用可能なノートパソコンにおいて、表示パネルを開閉に基づいてリモコン動作の有効/無効を切り換えることができるノートパソコンを提供する。
【解決手段】
CPU22はパネル開閉検出部14、外部機器検出部20、ODD検出部21がそれぞれ検出した検出状況、動作状況に基づいて、リモコン制御部24に対してリモコン動作の有効/無効の切り換え指示を出す。 つまり外部機器への出力があるか、またはディスクメディアのがドライブに挿入されている場合には映像コンテンツや音声コンテンツの再生動作が実行中であると推定されることから、表示パネルが閉じられたとしてもリモコン受信部13に対してリモコン動作を有効に維持するよう設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信機器により操作可能なパーソナルコンピュータに関し、特に表示パネルが開閉可能なノートパソコンをリモコンで操作する際の動作制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりノートパソコンの駆動電源制御として、ノートパソコンの表示パネルを閉じると自動的にパソコンのOSの終了コマンドを発行し、その後パソコンの電源オフコマンドを発行することにより、パソコンのキー入力の手間と時間を不要とし、またキー入力誤りを防止する技術が開示されている。
【0003】
これはノートパソコンの表示パネルを閉じるという動作によりノートパソコンが使われていないものであると判断して自動的に電源オフの処理を実行するもので、ユーザの操作を簡略化する点で効果があった。
【特許文献1】特開平10−340148号公報(第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来技術では、単にノートパソコンが使われていないと判定する判定方法や、使われていない判定した時にパソコンを自動的にシャットダウンする動作が開示されているのみで、近年のノートパソコンの多種多様な利利用方法を想定して電源制御を行っていない。
【0005】
つまり近年のノートパソコンはDVDなどの光ディスクドライブやTVチューナなどを搭載して、表示画面を見なくとも、音楽だけを聞くような利用シーンが増えてきている。さらにノートパソコンの表示パネルを見ずに、映像を外部出力の大画面の表示パネルを用いて視聴するような利用をすることも有り得る。このような表示パネルを必ずしも利用しない利用シーンに対して従来の電源制御動作は柔軟に対応することができなかった。
【0006】
そこで、本発明は上述した課題を解決するため、リモコンを利用可能なノートパソコンにおいて、表示パネルを開閉に基づいてリモコン動作の有効/無効を切り換えることができるノートパソコンを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上述したような課題を解決するため、表示パネルが開閉可能なノート型パーソナルコンピュータにおいて、前記表示パネルの開閉状況を検出するパネル開閉検出部と、ディスクドライブの動作状況を検出するディスク検出部と、外部出力機器の動作状況を検出する外部機器検出部と、リモコンからの指示信号を受信するリモコン受信部と、前記パネル開閉検出部、前記ディスク検出部、外部機器検出部で検出された検出結果に基づいて、前記リモコン受信部で受信する指示信号の有効/無効を切り換える切り換え制御部とを具備したものである。
【0008】
また本発明は上述した課題を解決するためパネル開閉検出部の検出結果が表示パネルの閉状態を検出したとき、前記ディスク検出部がディスクメディア゛挿入されていることをを検出するか、あるいは前記外部機器検出部が外部機器が動作中であることを検出した場合には、前記リモコン受信部で受信する指示信号を有効化し、ディスクメディアが挿入されておらず、かつ外部機器が動作していないことを検出した場合には、前記リモコ受信部で受信する指示信号を無効化するものである。
【発明の効果】
【0009】
リモコンを利用可能なパーソナルコンピュータにおいて、表示パネルの開閉および外部出力機器の動作状況に基づいて、リモコン動作の有効/無効を切り換えることにより、ノートパソコンの表示パネルを使わないような利用シーンであってもリモコンの動作だけは利用可能にすることができユーザの利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明における実施形態について図面を用いて説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施形態におけるノート型パソコンの利用形態を示す概念図である。
【0012】
ノートパソコン10は開閉可能な表示パネル11を備えておりノートパソコンの動作中に様々な映像を表示する。ノートパソコンの本体側には表示パネル11の開閉動作を検出できるように検出スイッチを有する開閉検出部14が設けられており、表示パネル11が閉じられると検出スイッチが押下されることにより閉状態を検出し、表示パネル11が閉じられた状態から明けられると検出スイッチの押下が解除されることにより開状態を検出する。
【0013】
また、ノートパソコン10には、DVDやCDなどの光ディスクメデイアを挿入可能な光ディスクドライブ15(以下ODD15と称す)が設けられている。ODD15は映像や音楽が格納されたディスクメディアをセットするこにとより表示パネル11や外部モニヌに映像を再生表示し、内蔵スピーカまたは外部スピーカから音声を出力すさせる。外部モニタ出力端子17は、このようにODD15にセットされたディスクメディアを再生した時に表示される映像などをノートパソコン10の表示パネル11に表示させるのではなく、外部の表示モニタに出力するための出力コネクタであり、HDMI端子などによってデジタル映像を出力させることも可能である。
【0014】
外部スピーカ出力部16は、ODD15にセットされたディスクメディアを再生した時に出力される音声などは、ノートパソコン10に用意されているスピーカではなく、外付けされたスピーカに出力する際の出力端子であり、USB端子などによってデジタル音声を出力させることができる。
【0015】
リモートコントローラ(リモコン)12は、ノートパソコン10の様々な操作を、遠隔地から実行するためのものでノートパソコン10の本体前側面に設けられリモコン受信部に向けて操作コマンドを送信することにより動作指示可能である。例えばODD15にて再生されている映像、音楽の停止/早送り/スキップなどの操作をすることができる。
【0016】
このようにリモコン操作が可能なノートパソコンの利用シーンを想定して、本実施形態では表示パネルの開閉状態と、ODD15へのディスクメディアの挿入状態および外部出力機器への出力状態をみてリモコン動作の有効/無効を切り換えることを特徴としたものであり、以下図2、図3を用いて説明する。
【0017】
図2は本実施形態のノートパソコン10のシステム構成図である。
図2に示すように、本実施形態のノートパソコン10は、図1の概念図でも説明したように表示パネル11、パネル検出部14、リモコン受信部13、ODD15、スピーカ出力部16、外部モニタ出力部17を備えており、それぞれシステムバス25に接続されている。さらにシステムバス26にはノートパソコン10の全体の動作制御を司るCPU22、動作プログラムやのデータ処理のためのメモリ23が設けられている。またODD検出部21、外部機器検出部20が設けられ、ODD検出部21は、ODD15にディスクメディアが挿入されているか否か、あるいは挿入されているディスクメディアを再生中であるか否か等の動作状況を判別し、判別結果をCPU22に送信する。また外部機器検出部20は、スピーカ出力部16と外部モニタ出力部17とにそれぞれ接続されている外部スピーカ18と外部モニタ19の接続有無や音声、映像の出力状況など外部機器の動作状況を判別し、判別結果をCPU22に送信する。
【0018】
そしてCPU22はパネル開閉検出部14、外部機器検出部20、ODD検出部21がそれぞれ検出した検出状況、動作状況に基づいて、リモコン制御部24に対してリモコン動作の有効/無効の切り換え指示を出すものである。
そこで、図3に示す本実施形態のフローチャートを用いて動作を説明する。
【0019】
まず、ノートパソコン10が表示パネルの開閉に関わらず通常動作している状態において、パネル開閉検出部14が表示パネルの開閉を検出する(S31)。その検出結果が、「開けられた」ことを検出した場合(ステップS31のY)、パネル開閉検出部14からリモコン信号制御部24へ開状態となったことが通知され(ステップS32)、リモコン受信部13のリモコン動作が有効に設定される(ステップS35)。
【0020】
一方で、パネル開閉検出部14の検出結果が「閉じられた」ことを検出した場合(ステップS31のN)、更に外部機器検出部20とODD検出部21とが、スピーカ出力部16と外部モニタ出力部17の動作状況およびディスクドライブへのディスクメディアの挿入状況を検出し、CPU22に検出結果を送信する。そして、外部機器への出力がなく、さらにディスクメディアのがドライブに挿入されていない場合(ステップS34のY)、映像コンテンツや音声コンテンツの再生動作が実行中でないと推定されることから、リモコン制御部24に対し、これらの動作状況を通知して(ステップS35のY)、リモコン受信部13のリモコン動作を無効化させる(ステップS36)。
【0021】
そして、ステップS34にて外部機器への出力があるか、またはディスクメディアのがドライブに挿入されている場合には(ステップS34のN)、映像コンテンツや音声コンテンツの再生動作が実行中であると推定されることから、リモコン受信部13に対してリモコン動作を有効に維持するよう設定する。
【0022】
以上説明したように本実施形態によれば、ノートパソコンが閉じた状態であればリモコン操作を自動で無効化することによって、例えばリモコン誤操作によって閉じた状態のノートパソコンの電源がONになってしまうといった状況が発生しなくなる。また、外部出力機器等が接続されていることを自動検出することによって、ノートパソコンが閉じた状態であってもリモコン操作を可能とすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態を示すノートパソコンの概念図である。
【図2】同実施形態におけるノートパソコンのシステム構成図である。
【図3】同実施形態におけるノートパソコンの動作説明をするためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0024】
10…ノートパソコン、11…表示パネル、12…リモコン、13…リモコン受信部、14…開閉検出部、15…ODD、16…スピーカ出力部、17…外部モニタ出力部、18…外部スピーカ、19…外部モニタ、20…外部機器検出部、21…ODD検出部、22…CPU、23…メモリ、24…リモコン信号制御部、25…システムバス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルが開閉可能なノート型パーソナルコンピュータにおいて、
前記表示パネルの開閉状況を検出するパネル開閉検出部と、
ディスクドライブの動作状況を検出するディスク検出部と、
外部出力機器の動作状況を検出する外部機器検出部と、
リモコンからの指示信号を受信するリモコン受信部と、
前記パネル開閉検出部、前記ディスク検出部、外部機器検出部で検出された検出結果に基づいて、前記リモコン受信部で受信する指示信号の有効/無効を切り換える切り換え制御部と、
を具備したことを特徴とするノート型パーソナルコンピュータ。
【請求項2】
前記切り換え制御部は、前記パネル開閉検出部の検出結果が表示パネルの閉状態を検出したとき、前記ディスク検出部がディスクメディア゛挿入されていることをを検出するか、あるいは前記外部機器検出部が外部機器が動作中であることを検出した場合には、前記リモコン受信部で受信する指示信号を有効化し、ディスクメディアが挿入されておらず、かつ外部機器が動作していないことを検出した場合には、前記リモコ受信部で受信する指示信号を無効化することを特徴とする請求項1記載のノート型パーソナルコンピュータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−71190(P2008−71190A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−249945(P2006−249945)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】