説明

ハイスループットハンドラ一括処理機構

【課題】一度に多くの半導体デバイスに一括でテストやプログラムやデータの書き込みなどを可能にし効率を上げる事である。
【解決手段】11のゴムと12のプレス用治具で1の半導体デバイスが搭載された5のテストトレーと7のプリント基板を挟み込み両側から圧力をかける事により1の半導体デバイスのリード端子が5のテストトレーの6のパッドと7のプリント基板の10のパッドに夫々接触する。さらに9の基板間接続ピンにて5のテストトレーの信号を7のプリント基板に伝達し13の信号入出力コネクタよりライタまたはICテスタに接続される。従い5のテストトレーに搭載されているテストやプログラムやデータの書き込みなどが必要な1の全デバイスのリード端子が一括でライタもまたはテスタに接続される事になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案はメモリICなどの半導体デバイスのテストやプログラムやデータの書き込
みなどを従来仕様より効率良く実施する治具及び機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1に示す様に従来テストやプログラムやデータの書き込みなどを必要とする1の
半導体デバイスは2のICトレーに搭載され、且つICハンドラ装置に設置され、
3のICハンドラの腕で1個〜数個づつ(例えば4個)つかまれて4のテストトレ
ーに実装されたICソケットに移される。 そして4のテストトレーがIC書き込み
装置(ライタまたはICテスタ)と接続されテストやプログラムやデータが書き込
まれる。 テストやプログラムやデータの書き込みが終了すると再度3のICハン
ドラの腕で1のデバイスが2のICトレーに移される。 以上の様な一連の動作を
2のICトレーに搭載されている1の全デバイス分実行される。 テストやプログ
ラムやデータの書き込みなど必要なデバイスが多量に有る場合は2のICトレーも
複数枚に及ぶ。
【0003】
図2は図1に示す2のICトレーの一部拡大図である。 1の半導体デバイスが搭載
されており、出荷搬送にも使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のICハンドラとICトレーでは、同時にテストやプログラムやデータの書き
込みなどを行う半導体デバイスの数も少なく又ICハンドラの動きも複雑であり多
量の半導体デバイスを処理するには時間が多く掛かる。 解決しようとする課題は
一度に多くの半導体デバイスにプログラムやデータを一括で書き込みことやテスト
などを可能にし効率を上げる事である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
図3は従来の2のICトレーと本考案の5のテストトレーを合わせた状態の断面図
である。5のテストトレーは2のICトレーに搭載されている1の半導体デバイスと
同等の数が搭載出来る様にプリント基板等で製作し、さらにこのプリント基板には
テストやプログラムやデータの書き込みなど必要な1の半導体デバイスのリード端
子の寸法に合わせた図4に示す6のパッドをプリントパターンにより配線しており
1の半導体デバイスと信号のやり取を可能としている。
【0006】
図5は図4に示す5のテストトレーの一部拡大図である。 テストやプログラ
ムやデータの書き込みなど必要な1の半導体デバイスのリード端子の寸法に合わ
せた6のパッドをプリントパターンにより配線しており且つ1の半導体のパッケ
ージが入り込める大きさの穴を開けている。
【0007】
図6は図3に示す2のICトレーと5のテストトレーを合わせた状態で裏返し、2の
ICトレーに搭載されている1の半導体デバイスを全て5のテストトレーに乗せ換え
た時の断面図である。 この状態でICトレーに搭載されている全てのデバイスが5
のテストトレーに移され且つ各デバイスのリード端子は5のテストトレー上に配線
している図4に示す6のパッドに接触する事となる。
【0008】
図7は図6に示す1の半導体デバイスのリード端子と5のテストトレーの6のパッ
ドが接触している部分の拡大断面図である。 図6に示す様に2のICトレーと5の
テストトレーを合わせた状態で裏返すと1の半導体デバイスのパッケージが図5に
示す穴に入り込み1のデバイスのリード端子が5のテストトレーの6のパッドに接
触する。
【0009】
図8は図6の状態から2のICトレーを取り省き、さらに7のプリント基板を重ね
合わせた断面図である。 7のプリント基板にも半導体デバイスのリード端子の寸
法に合わせた図9に示す10のパッドをプリントパターンにより配線しており1の
半導体デバイスと信号のやり取を可能としている。
【0010】
図10は図8の状態で11のゴムと12のプレス用治具で1の半導体デバイスが搭
載された5のテストトレーと7のプリント基板を挟み込み両側から圧力をかけた時
の断面図である。 両側から圧力をかける事により1の半導体デバイスのリード端
子が5のテストトレーの6のパッドと7のプリント基板の10のパッドに夫々接触
する事になる。 さらにこの状態で、9の基板間接続ピンにて5のテストトレーの
信号を7のプリント基板に伝達しており、1の半導体デバイスの各リード端子の信
号が2点接触で7のプリント基板に伝達される事になる。
【0011】
図11は11のゴムで14の垂直形接触ピンに圧力を加え1のデバイスのリード端
子へ接触させる構造を示した断面図である。 1のデバイスのリード端子は7のプ
リント基板の10のパッドと14の垂直形接触ピンに接触し、さらに14の垂直形
接触ピンと7のプリント基板が接続されている。 この構造であれば5のテストト
レーは絶縁材で製作が可能となり且つ2点接触も満足出来る。
【0012】
先に特許願いを出した特願2006−45980があるがこの発明の名称はボード
利用型ICソケットで従来のICソケットの代替を基板とゴム及びピンで構成してい
る。パタンを配線している基板のスルーホールにピンを挿入しクッション用ゴムで
ピンを押し半導体デバイスの端子と接触させている。 従い図11に示す構造もこ
の特願2006−45980を活用したものがより有利である。
【0013】
図12は15の導電シートを使用し1の半導体デバイスのリード端子の信号をプリ
ント基板に接触させる構造を示した断面図である。 1のデバイスのリード端子は
5のテストトレーの6のパッドに接触し、さらに5のテストトレー内に配線された
パターンで16のパッドに接続される。 且つ16のパッドと15の導電シート
が接続され17の第2のプリント基板に配置された18のパッドに接続される。
従い1の半導体デバイスの信号が第2のプリント基板にも伝達される事となる。
【0014】
図13は半導体デバイスのパッケージが19のBGAタイプの場合の接触構造を示
した断面図である。 19のBGAタイプの半導体デバイスの端子に15の導電シ
ートを接触させ7のプリント基板に配置された10のパッドへデバイスの信号を伝
える事が可能となる。
【0015】
図14は半導体デバイスのパッケージが20のLGAタイプの場合の接触構造を示
した断面図である。14の垂直形接触ピンを20のデバイスの端子に接触させ7の
プリント基板へデバイスの信号を伝える事が可能となる。これも先に特許願いを出
した特願2006−45980を活用したものがより有利である。
【発明の効果】
【0016】
請求項1〜5により2のICトレーに乗っている1の全半導体デバイスが一括にライ
タまたはテスタに接続されるため、1の半導体デバイスのテストやプログラムやデ
ータを書き込むなどの処理時間が従来のICハンドラと2のICトレー及びテストト
レーの組み合わせに比べ大幅に短縮された。 さらに1の半導体デバイスの各リー
ド端子の信号が2点接触で伝達されるため、従来の接触による不具合が大幅に改善
された。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
従来のICハンドラ用のICテストトレーに配置し、多量の半導体デバイスを短時間
に処理する場合が最良の形態となる。
【実施例1】
【0018】
図15は21のライタで1の半導体デバイスのテストやプログラムやデータの書き
込みを行う場合の一実施例である。 11のゴムと12のプレス用治具で半導体デ
バイスが搭載された5のテストトレーと7のプリント基板を挟み込み両側から圧力
をかける事により1の半導体デバイスのリード端子が5のテストトレーの6のパッ
ドと7のプリント基板の10のパッドに夫々接触する。 さらに9の基板間接続ピ
ンにて5のテストトレーの信号を7のプリント基板に伝達し13の信号入出力コネ
クタより21のライタまたはICテスタに接続される。 従い5のテストトレーに
搭載されているテストやプログラムやデータの書き込みなどが必要な1の全デバイ
スのリード端子が一括で21のライタまたはテスタに接続される事になる。 テス
トやプログラムやデーターの書き込みが終了すると5のテストトレーは良品もしく
は不良品のデータと共に別の分別機に移され良品と不良品が分けられる。
【0019】
図16は22のICハンドラと21のライタ及び本考案を組み合わせた実施例の外観
概略図である。 本考案のボードをハンドラ内に設置しハンドラのプレス機構にて
圧力をかけることにより、半導体デバイスの信号を13のコネクタから21のライ
タへ伝達させる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本考案は半導体デバイスへデーターを書き込むなどの処理にとどまらず、温度寿命
加速試験などストレス後の半導体デバイスの評価もしくはテストを行う装置に適用
できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来のICトレーとICハンドラの動作概略図
【図2】図1に示す2のICトレーの一部拡大図
【図3】従来のICトレーと本考案のテストトレーを合わせた状態の断面図
【図4】本考案のテストトレーのパッド配置図
【図5】図4に示すテストトレーの一部拡大図
【図6】図3の上下反転図
【図7】図6の半導体デバイスとテストトレーの接触部拡大図
【図8】本考案のテストトレーとプリント基板を合わせた状態の断面図
【図9】プリント基板のパッド配置図
【図10】半導体デバイスのリード端子と本考案のテストトレーの接触構造を示す断 面図
【図11】垂直形接触ピンを使用した接触構造を示す断面図
【図12】導電シートを使用した接触構造を示す断面図
【図13】BGAタイプのパッケージの場合の接触構造を示す断面図
【図14】LGAタイプのパッケージの場合の接触構造を示す断面図
【図15】本考案の一実施例を示す断面図
【図16】本考案の一実施例を示す概略概観図
【符号の説明】
【0022】
1 半導体デバイス
2 ICトレー
3 ハンドラの腕
4 テストトレー実装されたICソケット
5 テストトレー
6 テストトレーのパッド
7 プリント基板
8 位置決めピン
9 基板間接続ピン
10 プリント基板のパッド
11 ゴム
12 プレス治具
13 コネクタ
14 垂直形接触ピン
15 導電シート
16 テストトレーの第2のパッド
17 第2のプリント基板
18 第2のプリント基板のパッド
19 BGAパッケージデバイス
20 LGAパッケージデバイス
21 ライタ
22 ICハンドラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICトレーに搭載されている全ての半導体デバイスをテスト容易な専用トレーに一
括に移し変える事が可能なテストトレー構造。
【請求項2】
全体をプレスする事でテストトレーに搭載されている全ての半導体デバイスのテス
トやプログラムやデータの書き込みなどの処理を一括に行える事を可能にしたテス
トトレー。
【請求項3】
異方向性導電シートを使用し半導体デバイスと信号のやり取りを行う接点の接触向
上を図った構造のテストトレー。
【請求項4】
垂直形接触ピンを使用し半導体デバイスと信号のやり取りを行う接点の接触向上を
図り尚且つ材質を絶縁材で済む様にしたテストトレー。
【請求項5】
半導体デバイスへの書き込み機器(ライタまたはテスタ)と各信号をやり取りする
電極を設けたテストトレー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−309787(P2007−309787A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−139155(P2006−139155)
【出願日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(594039572)山田電音株式会社 (14)
【Fターム(参考)】