説明

ハイブリッド型スピーカーシステム

【課題】ハイブリッド型スピーカーの新規な構成を提供する。
【解決手段】導電振動スピーカユニット11を収容する第1エンクロージャー12と、圧電振動スピーカー13を収容する第2エンクロージャー14とが仕切板17で仕切られている。導電振動スピーカユニットからの疎密波は、第1エンクロージャーの内部から仕切板の貫通穴18を通って第2エンクロージャーの内部空間に入り込み、ここで圧電振動スピーカーからの疎密波と干渉して合成疎密波を生成する。第2エンクロージャー14内に太鼓状の張皮30および木管楽器状の管部材35が設けられ、張皮の張り具合を操作つまみ32で調節可能であると共に管部材の音孔36を操作つまみ37で開閉可能であり、これらによりオーケストラにおいて楽器を自ら演奏し、あるいは指揮するかのような楽しみ方をユーザに与え、且つ、ユーザの好みの音を創出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は導電振動スピーカーユニットと圧電振動スピーカーユニットとを組み合わせて用いたハイブリッド型スピーカーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
スピーカーシステムとしては古くから導電型振動体を用いたダイナミックスピーカーが普及しているが、その機構・原理上、原音を忠実に再現することがほとんど不可能であるという致命的な欠陥を抱えている。
【0003】
また、バイモルフなどの圧電型振動体を用いたスピーカー(セラミックスピーカーなどとも呼ばれる)も開発されているが、中高音の再現性には優れているものの、振幅が小さいことから迫力ある低音を出すことが困難である。
【0004】
そこで、圧電型振動体と導電型振動体の両方を具備したハイブリッド型スピーカーが提案されるに至っている。たとえば、下記特許文献1には、音響振動板に高音用一次振動板と低音用一次振動体を介して取着された圧電型振動体と導電型振動体を具備するスピーカーシステムが開示されている。
【特許文献1】特開2001−238285号公報
【0005】
また、下記特許文献2には、スピーカーボックス内に、ダイナミックスピーカーを備える大容積部と、複数の圧電振動板によって駆動する音響振動板を備える小容積部とが隔壁によって分離された実質的密閉空間として設けられた構成のスピーカーシステムが開示されている。このスピーカーシステムでは、ダイナミックスピーカーが低音を担当し、音響振動板を高音を担当する。
【特許文献2】実用新案登録第3037167号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1,2に開示されるようなハイブリッド型スピーカーは、圧電型振動体を単独で用いた場合に比べてある程度は低音特性の改善効果が認められるものの、必ずしも満足できる性能を発揮できるものではなかった。
【0007】
すなわち、特許文献1記載のスピーカーシステムでは圧電型振動体と導電型振動体とが隣接して配置されているため、導電型振動体から発せられる音圧の影響により圧電型振動体が必要以上に振動してしまい、高音域ではクリアな音を発生させることができるが、中音域において所望音圧を再現することができない。
【0008】
また、特許文献2記載のスピーカーシステムにおいては、ダイナミックスピーカーからの低音と圧電振動板スピーカーからの高音とが別個の容積部からそれぞれ発生するため、融合性を欠いた不自然な音として聴取されやすいという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決するべく、導電型振動体(ダイナミックスピーカー)と圧電型振動体(セラミックスピーカー)とを組み合わせたハイブリッド型スピーカーシステムについてさらに研究と開発を重ねた結果、これら各振動体から放出される疎密波をスピーカーボックス内で干渉させて新たな疎密波を合成し、この合成した疎密波を外部に出力することによって、従来では得ることのできなかった「いい音」として人間の耳に聴取されることを知見して、本発明完成の契機を得た。
【0010】
本発明は、従来のスピーカーが原音の忠実再現性を追及していたのとは全く異なる音響理念に準拠している。スピーカーの音響再現メカニズムが、空気の粗密波という物理的現象である原音を電気信号に変換して増幅し、それを再度粗密波に変換して音として再生するというものである限り、原音を忠実に再現するという命題にはそもそも本質的に限界があり、これを追求しても満足のいく結果を得ることは不可能である。これに対し、本発明のハイブリッド型スピーカーシステムは、導電振動スピーカーと圧電振動スピーカーを単に組み合わせて別途に外部に出力させるのではなく、各々から放出される粗密波を単一の実質的密閉空間内で混合することにより新たな粗密波を生成し、言い換えれば新たな音を生成し、これを出力することを提案するものである。
【0011】
さらに、本発明では、導電振動スピーカーと圧電振動スピーカーから放出される粗密波を混合する実質的密閉空間を、オーケストラのような様々な楽器演奏による音の生成空間として捉え、且つ、各楽器を自ら演奏するかのような手段を設けてユーザの遊び心を満足させると共に、ユーザの好みの音を創出できるようにしたスピーカーシステムを提案するものである。
【0012】
すなわち、請求項1に係る本発明は、導電振動スピーカーユニットと圧電振動スピーカーユニットとを組み合わせてなるハイブリッド型スピーカーにおいて、導電振動スピーカーユニットを収容する第1エンクロージャーと、圧電振動スピーカーを収容する第2エンクロージャーと、第1エンクロージャーと第2エンクロージャーとを仕切る仕切板に設けられて第1エンクロージャーと第2エンクロージャーとを連通させる放音孔とを備え、導電振動スピーカーユニットの振動によって生ずる第1の粗密波は直接外部に出力されると共に第1エンクロージャーから放音孔を通って第2エンクロージャーに入り込み、圧電振動スピーカーの振動によって生ずる第2の粗密波は直接外部に出力されると共に第2エンクロージャーの内部に向けて出力され、第2エンクロージャーにおいてこれら第1および第2の粗密波が干渉して合成粗密波を生成することを特徴とするハイブリッド型スピーカーシステムである。
【0013】
請求項2に係る本発明は、請求項1記載のハイブリッド型スピーカーにおいて、下端が放音孔に固定されると共に上端が第2エンクロージャーにおいて開口する管部材が第2エンクロージャー内に設けられ、該管部材に設けられる音孔を第2エンクロージャーの外部から開閉操作可能な第1の調音手段を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項3に係る本発明は、請求項1または2記載のハイブリッド型スピーカーにおいて、圧電振動スピーカーを実質的に覆う太鼓状の張皮が第2エンクロージャー内に設けられ、該張皮の張り具合を第2エンクロージャーの外部から調節可能な第2の調音手段を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項4に係る本発明は、請求項1ないし3のいずれか記載のハイブリッド型スピーカーにおいて、圧電振動スピーカーユニットが、第2エンクロージャーの少なくとも一面に形成された開口部に対して振動可能に取着された第1振動板と、第1振動板に中心支持された一または複数の内側圧電素子と、第1振動板の外側に適当間隔をおいて連結された第2振動板と、第2振動板に中心支持された一または複数の外側圧電素子とを備えて構成されることを特徴とする。
【0016】
請求項5に係る本発明は、請求項4記載のハイブリッド型スピーカーにおいて、第2振動板は第1振動板より大きく、且つ、第1振動板より低密度の材料で形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、導電振動スピーカーユニットと圧電振動スピーカーユニットとを組み合わせたハイブリッド型スピーカーシステムにおいて、第2エンクロージャー内で、導電振動スピーカーユニットの駆動によって生ずる疎密波と圧電振動スピーカーユニットの駆動によって生ずる疎密波とを干渉させて合成疎密波を生成するものであり、従来とは全く異なる発想に基づいて、新たな粗密波を生成し、言い換えれば新たな音を生成する。
【0018】
さらに、第2エンクロージャーをオーケストラのような様々な楽器演奏による音の生成空間として捉え、ここに吹奏楽器状の管部材を設けてその音孔を外部から開閉操作可能とし、また、圧電振動スピーカーを実質的に覆うように太鼓状の張皮を設けてその張り具合を外部から調節可能に構成したので、オーケストラにおいて楽器を自ら演奏し、あるいは指揮するかのような楽しみ方をユーザに与え、且つ、ユーザの好みの音を創出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は本発明の好適な一実施形態によるハイブリッド型スピーカーシステム10を示す。このハイブリッド型スピーカーシステム10は、下方に導電振動スピーカー(ダイナミックスピーカー)ユニット11を備えた第1エンクロージャー12が設けられると共に、上方に圧電振動スピーカー(セラミックスピーカー)ユニット13を備えた第2エンクロージャー14が設けられている。
【0020】
第1エンクロージャー12は導電振動スピーカーユニット11のためのスピーカーボックスであり、実質的に密閉空間を与えているが、コーン15を前面に露出させてその振動によって前方外部に向けて疎密波を放出している。また、この実施形態では、第1エンクロージャー12内の音圧を外部に放出して低音域を増強するためのバスレフポート16が後面に開口している。さらに、第1エンクロージャー12と第2エンクロージャー14とを仕切る仕切板17には貫通穴18が形成されており、第1エンクロージャー12の内部空間と第2エンクロージャー14の内部空間とを連通させている。
【0021】
第2エンクロージャー14は圧電振動スピーカーユニット13のためのスピーカーボックスであり、その前面に第1圧電素子19、第2圧電素子20および第3圧電素子21を備えた圧電振動スピーカーユニット13が取着されている。第1圧電素子19と第2圧電素子20は、第1振動板22に固定された心棒23に適当間隔をおいて同軸に中心支持された円盤状の圧電振動板19a,20aと、該圧電振動板19a,20aの外周に固着された環状部材19b,20bとを有して構成されている。圧電振動板19a,20aは、公知のように、黄銅などの金属製の薄円板の両側面にチタン酸バリウムやチタン酸ジルコン酸鉛などの強誘電性セラミックス材料による薄円板を接合して形成することができる。環状部材19b,20bはたとえばゴム製であり、振動制御片ないし慣性質量体として働く。
【0022】
第1振動板22は発泡スチロールやベニア(航空ベニアを含む)などで形成され、支持フレーム24に対して振動可能に取り付けられている。詳しくは、スピーカーボックス12の前面開口から若干後退した位置に支持フレーム24が固定され、該支持フレーム24の前面側にフレーム開口24aに突出するように接着剤などで四周枠状のゴムダンパー25が固定され、このゴムダンパー25に対して第1振動板22が接着剤などで固定されている。
【0023】
第1振動板22には間座26を介して第2振動板27が連結されている。第2振動板27も第1振動板22と同様に発泡スチロール、ベニア(航空ベニアを含む)やバイオリン甲板のような木質板などで形成されるが、第1振動板22より高密度の材料で形成されている。また、第2振動板32は第1振動板26と同等かそれよりも大きな寸法を有することが好ましく、任意形状に形成される。
【0024】
第2振動板27は間座26を介して第1振動板22と連結されているので、第1振動板22と第2振動板27との間には空隙部28が形成される。そして、前述の第3圧電素子21は、この空隙部28に臨むように第2振動板27に取着されており、第2振動板27に固定された心棒29に中心支持された円盤状の圧電振動板21aと、該圧電振動板の外周に固着された環状部材21bとを有して構成されている。圧電振動板21a及び環状部材21bについては、前述の第1および第2圧電素子19,20における圧電振動板19a,20aおよび環状部材19b,20bについての記述を参照されたい。
【0025】
第2エンクロージャー14の内部において、圧電振動スピーカー13を実質的に覆うように太鼓状の張皮30が設けられている。張皮30は第1圧電素子19および第2圧電素子20を第2エンクロージャー14の内側から覆うように、その周縁が支持フレーム24にネジなどで固定されている。そして、張皮30の張り具合を調節するための調節手段31が設けられている。調節手段31は第2エンクロージャー14の外側から操作可能であり、符号32はこのための操作手段を示す。
【0026】
図2は調節手段31の一例を示す。張皮30の中心にナット部材33を固着し、このナット部材33にネジ部34aを螺通させたシャフト34を第2エンクロージャー14の後壁14aに貫通させてその先端に操作つまみ32を固着している。シャフト34は、第1圧電素子19と第2圧電素子20を第1振動板22に固定している心棒23と整列しており、カラー39の一端にシャフト34の先端が挿入され、カラー39の他端に心棒23の先端が挿入されている。このように構成された調節手段31において、操作つまみ32を操作してシャフト34を回転させると、そのネジ部34aに螺合しているナット部材33がシャフト34の軸方向に移動し、張皮30の張り具合を調節することができる。
【0027】
さらに、第2エンクロージャー14の内部には管部材35が設けられている。管部材35の下端は仕切板17の貫通穴18に嵌着されており、その上端は第2エンクロージャー14の内部で上方に向けて開口している。管部材35の長さは限定的ではないが、実験によれば第2エンクロージャー14の高さの2/3程度とすると好ましい音が聴取された。管部材35はフルート、クラリネット、サキソフォンなどの吹奏楽器(特に木管楽器)を模したものであり、音色を調節するための音孔36を備え、且つ、これら音孔36を閉止栓37で第2エンクロージャー14の外側から塞ぐことができるようになっている。
【0028】
以上のように構成されたハイブリッド型スピーカーシステム10の作用について説明する。
【0029】
導電振動スピーカーユニット11と圧電振動スピーカーユニット13にアンプ(図示せず)から同一のオーディオ信号が印加されると、該オーディオ信号の電圧レベルに応じて、導電振動スピーカーユニット11のコーン15および圧電振動スピーカーユニット13の圧電振動板19a,20a,21aが振動して空気の疎密波を生成する。
【0030】
導電振動スピーカーユニット11からの疎密波はコーン15から第1エンクロージャー12の前方外部に放出されると共に、第1エンクロージャー12の内部空間に向けて放出される。この疎密波の進行は比較的緩慢である。そして、第1エンクロージャー12の内部空間を進行する疎密波は、仕切板17の貫通穴18および管部材35を通って第2エンクロージャー14の内部空間へと移動する。
【0031】
一方、圧電振動スピーカーユニット13が駆動されると、その第1圧電素子19と第2圧電素子20の圧電振動板19a,20aの振動によって生ずる疎密波が、第2エンクロージャー14の内部に向けて比較的速い速度で拡がっていく。したがって、第2エンクロージャー14の内部空間において、導電振動スピーカーユニット11からの疎密波(A)と圧電振動スピーカーユニット13の第1圧電素子19と第2圧電素子20からの疎密波(B)とが互いに山・谷を打ち消し合うように干渉し合って一次合成疎密波(A+B)を生成する。そして、ここで生成された一次合成疎密波(A+B)は、張皮30および第1振動板22の振動を介して、第1振動板22と第2振動板27との間の空隙部28に放出される。なお、ゴムダンパー25に複数の穴を開けたり、あるいは支持フレーム24の四隅でゴムダンパーその他により第1振動板22を取り付けることにより、一次合成疎密波(A+B)を放出するための放音開口を設けても良い。
【0032】
また、圧電振動スピーカーユニット13の第3圧電素子21は第2振動板27に連結されて空隙部28内に位置している。したがって、第2エンクロージャー14で生成されて空隙部28に放出された一次合成疎密波(A+B)は、さらに、第3圧電素子21の圧電振動板21aの振動によって生ずる疎密波(C)との間で互いに山・谷を打ち消し合うように干渉し合って二次合成疎密波(A+B+C)を生成する。また、第2振動板27は第1振動板22に間座26のみで連結されおり且つ第1振動板22より低密度の材料で形成されているので、一次合成疎密波(A+B)を加勢するように働いて二次合成疎密波(A+B+C)を生成する。この二次合成疎密波(A+B+C)が第2エンクロージャー14の前面グリル38から前方外部に放出され、第1エンクロージャー12から前方外部に放出される導電振動スピーカーユニット11からの疎密波と相俟ってハイブリッド音として人間の耳に聴取される。導電振動スピーカユニット11からは主として中低音が出力され、圧電振動スピーカーユニット13からは主として中高音が出力されて、広い音域に亘るバランスの良い音となる。
【0033】
上記の作用に加えて、この実施形態のハイブリッド型スピーカーシステム10は、第2エンクロージャー14内に太鼓状の張皮30および木管楽器状の管部材35を設け、張皮30についてはその張り具合を調節するための調節手段31を第2エンクロージャー14の外側から操作つまみ32で調節可能とし、管部材35についてはその音孔36を第2エンクロージャー14の外側から閉止栓37で任意に塞ぐことができるようにしているので、これらによって第2エンクロージャー14の内部空間に生成される一次合成疎密波(A+B)を微調整することができる。言い換えれば、オーケストラにおいて楽器を自ら演奏し、あるいは指揮するかのような楽しみ方をユーザに与え、且つ、ユーザの好みの音を創出することができる。従来は高価なイコライザーなどで音色の調節を行っても電子的で不自然な音になってしまい人間の聴覚を満足させることができなかったが、この実施形態のような構成によれば自然な音色の調節を無段階に行うことが可能であり、安価且つ簡単な構成でありながらも画期的な効果を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態によるハイブリッド型スピーカーの側断面図である。
【図2】図1における張皮の張り具合調節手段の一例を示す部分拡大図である。
【符号の説明】
【0035】
10 ハイブリッド型スピーカーシステム
11 導電振動スピーカユニット
12 第1エンクロージャー
13 圧電振動スピーカー
14 第2エンクロージャー
15 コーン
16 バスレフポート
17 仕切板
18 貫通穴
19 第1圧電素子
20 第2圧電素子
21 第3圧電素子
22 第1振動板
23 心棒
24 支持フレーム
25 ゴムダンパー
26 間座
27 第2振動板
28 間隙部
29 心棒
30 張皮
31 張り具合調節手段
32 操作つまみ
33 ナット部材
34 シャフト
35 管部材
36 音孔
37 閉止栓
38 前面グリル
39 カラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電振動スピーカーユニットと圧電振動スピーカーユニットとを組み合わせてなるハイブリッド型スピーカーにおいて、導電振動スピーカーユニットを収容する第1エンクロージャーと、圧電振動スピーカーを収容する第2エンクロージャーと、第1エンクロージャーと第2エンクロージャーとを仕切る仕切板に設けられて第1エンクロージャーと第2エンクロージャーとを連通させる放音孔とを備え、導電振動スピーカーユニットの振動によって生ずる第1の粗密波は直接外部に出力されると共に第1エンクロージャーから放音孔を通って第2エンクロージャーに入り込み、圧電振動スピーカーの振動によって生ずる第2の粗密波は直接外部に出力されると共に第2エンクロージャーの内部に向けて出力され、第2エンクロージャーにおいてこれら第1および第2の粗密波が干渉して合成粗密波を生成することを特徴とするハイブリッド型スピーカーシステム。
【請求項2】
下端が放音孔に固定されると共に上端が第2エンクロージャーにおいて開口する管部材が第2エンクロージャー内に設けられ、該管部材に設けられる音孔を第2エンクロージャーの外部から開閉操作可能な第1の調音手段を備えることを特徴とする、請求項1記載のハイブリッド型スピーカーシステム。
【請求項3】
圧電振動スピーカーを実質的に覆う太鼓状の張皮が第2エンクロージャー内に設けられ、該張皮の張り具合を第2エンクロージャーの外部から調節可能な第2の調音手段を備えることを特徴とする、請求項1または2記載のハイブリッド型スピーカーシステム。
【請求項4】
圧電振動スピーカーユニットが、第2エンクロージャーの少なくとも一面に形成された開口部に対して振動可能に取着された第1振動板と、第1振動板に中心支持された一または複数の内側圧電素子と、第1振動板の外側に適当間隔をおいて連結された第2振動板と、第2振動板に中心支持された一または複数の外側圧電素子とを備えて構成されることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか記載のハイブリッド型スピーカーシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−10619(P2009−10619A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−169364(P2007−169364)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(507216283)
【復代理人】
【識別番号】100085589
【弁理士】
【氏名又は名称】▲桑▼原 史生
【Fターム(参考)】