説明

ハイブリッド推進システム

船舶及び他の可変需要推進力に用いられるハイブリッド推進及びエネルギー管理システムは、推進負荷需要、ホテル負荷及び補助エネルギー需要に応じて、複数の動作モードを実施しまた種々のエネルギー源の動作及び出力を変え、推進需要の範囲にわたって効率的なシステム動作を提供すべく、動的に種々のエネルギー源からエネルギーを監視し、得る。推進システムは、共通の出力シャフトを駆動すべく配置された少なくとも1つの主推進機関及び少なくとも1つの電気モータ発電機ユニットを含む少なくとも2つの推進源を組み込み、エネルギー管理システムは、推進需要を満たすために、2つの推進源のそれぞれの動作を動的に変える。主推進機関及び電気モータ発電機ユニットは、個別にまた同時に共通の出力シャフトを動かすことができる。単数又は複数の電気モータ発電機ユニットは、出力シャフトを駆動するモータとして又はエネルギー分配機構にエネルギーを供給する発電機として運転するように利用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作中に出力変化を必要とする船舶に使用するのに好適なハイブリッド推進システム、及びハイブリッド推進システムのエネルギーの流れを管理するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネルギーや汚染防止の努力は、船舶のための、また燃料消費量や有害物質の排出の両方を減少させる他の重い義務や変化する需要適用のために、推進システムの開発や実施を駆り立てている。ディーゼル電気式推進は、長年、潜水艦や水上艦で使われている。一般的に、ディーゼル機関は、発電機に結合され、該発電機はスクリューに機械的に結合された電気モータに電力を供給する。
【0003】
また、推進のために2つ以上の異なる動力源を、共に又は個別に、利用する種々のハイブリッドサイクル推進システムが実装されている。例えば、CODOG(COmbined Diesel Or Gas)装置は、ディーゼルエンジン又はガスタービンエンジンにより推進力を提供するが、両方を同時に提供するわけではない。これに対し、CODAG(COmbined Diesel And Gas)装置は、単独だけでなく、同時に両方のタイプの推進力を可能とする。ハイブリッドサイクル装置は、ディーゼル、ディーゼル電気式、ガスタービン及び蒸気タービン推進の様々の組合せで使用されている。ニュージーランド海軍の多目的艦HMNZSカンタベリーは、ディーゼル電気式及びディーゼル併用(Combined Diesel Electric and Diesel:CODLAD)推進システムを有する。
【0004】
米国特許第7,207,852号明細書は、機械式駆動シャフトが船穀を貫通し、船内に配置された原動機、及び前記機械式駆動シャフトが貫通する船外のハウジング内の電気モータのいずれによっても駆動される船推進システムを開示する。このシステムは、船の制限された内部空間に複数の電気モータを収容することなく、ハイブリッドサイクル動作の利点を提供する。電気式ポッド推進装置の同様なタイプは、上田直樹及び沼口哉による「世界初のハイブリッドCRPポッド推進高速フェリー」日本マリンエンジニアリング学会誌、2005年、第40巻、No.2の翻訳版では、従来のディーゼル推進システムと結合されている。
【0005】
船舶への応用のためのハイブリッド推進システムを提供するこれらの努力にもかかわらず、複合式システムは、特に、燃料及び性能の全体効率、排出削減、多用性、及び迅速かつ効率的に推進需要状況の範囲で反応する能力に期待外れの結果を示した。
【発明の概要】
【0006】
本ハイブリッド推進システムでは、推進エネルギーは、主機関(例えばディーゼルエンジン又は他のタイプの原動機関)によって、直接の機械的形態で与えられ、モータ発電機(例えばディーゼル電気式形態でのディーゼル発電機)によって、すべての電力形態での蓄電池によって、又はこれらのエネルギー源のいかなる組合せによっても与えられる。船舶のホテル負荷(hotel loads)及びウィンチや他の動作装備などのような補機のエネルギー需要は、また前記ハイブリッドエネルギー源によって満たすことができる。エネルギー管理システムは、利用可能なエネルギー選択肢間で切り換え、複数の動作モードを実施して、推進負荷需要、ホテル負荷及び/又は補機のエネルギー需要に応じた種々のエネルギー源の動作及び出力を変更する。複数の動作モードからの推進システムの作動は、種々の状況への推進システムの応答の最適化を可能にし、システム全体及び個々のエネルギー源の燃料と性能との効率を高め、排出量を削減し、迅速に、効率的に様々なエネルギー需要を満たす。ある実施例では、自動化されたエネルギー管理システム(EMS)は、システム動作モードを実質的に連続的に変化させ、推進力及び他のエネルギー需要を満たすために、様々なエネルギー源の動作を動的に変える。
【0007】
本発明のハイブリッド推進システムは、船舶推進システムに関して記載されており、船舶推進プラント形態への革新的なアプローチを含んでいる。前記システムは、高い推進負荷要求及び可変電力需要を有する船での使用に特に適しており、高出力は一般的に間欠的な期間に要求される。前記ハイブリッド推進システムは、二系統の駆動系、二系統のスクリュー装置のモータ発電機ユニットと協働する主機関(例えばディーゼルエンジン)に関して記載されており、タグボートのような船舶での使用のために特に設計された。前記ハイブリッド推進システムは、しかしながら、他の船舶や可変電力需要の応用に使用することができ、それは単一エンジン、単一駆動系及び/又は単一のスクリュー装置で実行することができる。追加のエネルギー需要を満たすことができ、また追加のエネルギー源を本発明のシステムに組み入れることができる。
【0008】
前記ハイブリッド推進システムは、効率的にエネルギーを発生し、貯蔵し、利用する能力を提供し、構成に関してかなりの柔軟性を有する。ここに記載されたハイブリッド推進及びエネルギー管理システムは、複数の主駆動機関の不要な動作を最小化し、それらの高い効率範囲のみで主駆動機関を作動し、燃料消費量と有害物質の排出との両方を減少させて、単一の又はより小さな機関が多くの負荷に動力を供給することを可能とする。前記構造は、電力貯蔵装置及び高度な電力変換技術を使用して、一般的に直接的なディーゼル(direct-diesel)、ディーゼル発電式及びすべての電気推進を組み入れて、柔軟性に富んだ構成を提供する。前記システムは、船上の代替エネルギー源が利用可能であるとき該代替エネルギー源と、陸地に据えられたエネルギー源のような補助源との両方の使用に適合する。前記システムの柔軟性は、種々の船舶デューティサイクル及び出力要求に会うように設定されることを可能にする。
【0009】
推進動力源及び制御技術の新規な装置は、ほとんど又は全くオペレータの制御入力を必要とせずに、エネルギー管理システム(EMS)によって操作することができる。いくつかの実施例によれば、前記EMSは、動力装置(power plant)を構成することが可能であり、「知的な」負荷の分散、エネルギー分布及びトルク最適化技術を使用することにより、広範囲にわたる推進力や他のエネルギー需要の高効率のために、複数の推進動力源を含むことが可能である。このように、船の主推進機関(例えばディーゼルエンジン)と他のエネルギー源は、広範囲にわたって要求されるシャフト出力速度の全体で、高い効率で利用される。一般的に、単一又は複数の主機関、単一又は複数のモータ発電機、単一又は複数の補助発電機及び単一又は複数の蓄電池が、推進力と、ホテル荷重(照明、空気調和、生活用水ポンプなど)やウィンチなどの動力を必要としている補助設備等の補機との両方の需要のための動力を提供する。
【0010】
主推進機関(例えばディーゼルエンジン)は、例えばクラッチ装置を介して駆動系に機械的に結合され、また共通の駆動系に配置されたモータ発電機に連結される。前記主推進機関からの出力は、負荷需要及び選択され又は実行される動作モードに応じて、推進出力シャフト(例えばスクリュー)又は前記モータ発電機、あるいはその両方を駆動することができる。前記モータ発電機は、一般に、エネルギーを電気分配機構(例えばバス)に供給する発電機として、又は前記船舶推進需要又は負荷及び実行される前記動作モードに応じて前記出力シャフトを駆動するモータとして動作するように、そのいずれかに利用できる。
【0011】
前記システム全体への電気エネルギー分配は、共通バスに、一般的にはDCバスに供給され該バスから供給され、前記DCバスと前記推進モータ発電機との間のエネルギーの流れは好ましくは双方向である。双方向の流れは、また、前記モータ発電機が余剰発電能力を有するとき該モータ発電機が余剰エネルギーを前記バスに供給することを可能にし、また余剰エネルギーを入手できるとき、前記モータ発電機が推進モータとして動作するためにエネルギーを前記バスから得ることを可能にする。前記主エネルギー分配バスは、また、一般的に1つ又は複数のエネルギー貯蔵装置(例えば蓄電池群)への双方向のエネルギーの流れを許し、余剰エネルギーが得られるときに前記エネルギー貯蔵装置の充電を可能とし、また、エネルギーが必要なときに前記貯蔵装置からエネルギーを得ることを可能とする。他の搭載された、あるいは陸上の電源、風力又は水力のタービン、太陽エネルギー及び/又は光電池等の補助発電機のような補助システムから得られるエネルギーを前記主エネルギー分配バスに供給することができる。ホテル負荷、ウィンチや他の動作装備などのような補助エネルギーの需要は、また前記主エネルギー分配バスから満たすことができる。低い需要又は負荷の間、前記推進需要は、蓄電池及び/又は補助発電機の電力の組合せで満たすことができ、また前記主エネルギー分配DCバスや各コンバータを経て供給することができる。前記推進需要が発電電力の100%より少ないとき、余剰電力は、前記エネルギー貯蔵機構を充電し及び/又は他のエネルギー需要を満たすために使うことができる。
【0012】
前記ハイブリッドシステムは、一般的に、少なくとも1つの、好ましくは2つの主推進機関(例えばディーゼルエンジン)を含む少なくとも2つの推進エネルギー供給源と、前記主推進機関に直列配置された少なくとも1つの、好ましくは2つの電気モータ/発電機とを含む。前記電気モータ/発電機のユニットは、クラッチ又はこれと同様な機能を果たす装置を介して、好ましくは、スクリュー及び/又はZドライブのような少なくとも1つの推進出力部材に連結されており、前記主機関が動作していないとき、該主機関と、推進駆動系及び前記推進出力部材の作動との分離が許されている。クラッチの使用は、また前記推進駆動系から独立した発電機として、関連する前記電気モータ/発電機の作動を許す。前記主推進機関は、前記Zドライブが結合されているか否かに拘わらず、共通の駆動系に設けられたモータ/発電機の駆動に使用することができる。
【0013】
前記システムのエネルギー貯蔵容量は、最小需要の間の船舶の推進及び補機の需要を満たし、稼働中の主機関の能力を超える短期間の暫定的な電力要求を満たして前記システムを補助するに必要な大きさを設定し、構成することができる。これは、増大した所要電力がより長い期間に及ぶとき、前記システムがオンラインで追加の生成能力をもたらすに必要とされている時間を乗り越えることを可能にするので、前記システムに柔軟性を与え、反応を改善する。一実施例では、化学的貯蔵は鉛蓄電池群という形で提供される。付加的に又は代替的に、他のタイプの電池やエネルギー貯蔵装置を前記システムに組み入れることができる。貯蔵エネルギーを循環して利用できるとき、前記システムのエネルギー管理システム(EMS)は、推進力及びいかなる補機の負荷の出力要求を満たすと同時に、エネルギー貯蔵量蓄積の補充のために、最も効率的な方法で前記利用できる出力を使うことができる。
【0014】
前記ハイブリッド推進システムは、AC及びDCの両バス間で双方向のエネルギーの流れを提供する適切なコンバータと共に、多くの場合、デュアルバス電気系統を使用する。1つ又は複数のACバスは、一般的にホテル負荷及び他の比較的負担が小さい補機電力需要のために電力を提供し、DCバスは、一般的に全ての大きな推進力需要のため、及びウィンチや他の高電力装備などの他の高電力需要のための動力分配源である。前記ACバスは、エネルギーを前記DCバスから得ることができ、さらに、前記ACバスに、直接に電力を提供すべく、1つ又は複数の補助発電機を設けることができる。前記ACバスの余剰の電力は、推進力を提供しまた他のシステム要求を満たすために、前記DCバスに供給することができる。余剰エネルギーが、前記ACバスからDCバスに、また推進需要を満たすために前記DCバスから前記モータ発電機に供給されるとき、前記補助発電機は、従って、間接的にエネルギーを推進要求のために供給することができる。一実施例では、可変周波数ドライブ(VFD)が、前記DCバスと前記モータ発電機との間に接続され、指定されたモータ発電機の速度及び/又はトルクを満たすために電力を提供するように使用される。
【0015】
前記ハイブリッド推進システムは、高効率、低排気ガス範囲で前記主機関を動作することによって、また、推進需要及び高効率での機関動作の支援を満たすに必要な他のエネルギー源からの推進エネルギーの供給によって、機関の作動、燃料消費及び保守要求にかなりの効率を生じ、有害排出物を低減する。高負荷能力機関及び原動機は、一般に、高い出力範囲で最も効率的に動作するが、それらは低い需要動作の間の低い出力範囲で非常に非能率に動作する。例えば、ディーゼルエンジンのための燃料消費率(SFC)は、一般に負荷に比例して減少する。キャタピラー3512ディーゼルエンジンでは、例えば、100%負荷でのSFCは約0.06USgal/hp・hr(0.22712470704リットル/hp・hr)であり、25%負荷ではSFCは約0.081USgal/hp・hr(0.306618354504リットル/hp・hr)である。船舶待機及び低速通行の間の負荷などの低負荷での前記SFCは、より高くなり、作動効率を急激に減少させ、有害物の放出を増大させる。低動力レベルで動作している高負荷機関の高いSFCは、発熱を介してエネルギーを浪費し、非能率な燃焼のために、より高いレベルで有害な排気放出を生み出す。
【0016】
本発明のハイブリッド推進システムは、効率的な方法で可変推進力及び補機のエネルギー需要を満たすために、種々の動作モードをオペレータの選択又は自動化されたシステムの選択を介する前記EMSによって、操作される。前記一つ又は複数の主機関は、一般に、それらが高い効率及び低いSFCを示す動作範囲のみで稼動する。これは、主として動力曲線のローエンドで燃料使用を減少させ、その結果、全体の放出減少への不釣り合いに大きな効果を生み出す。したがって、ここに記載された前記ハイブリッド推進システムは、供給されるエネルギー単位あたり最も多くの排出物を主推進機関が生じるゾーンでの不要な燃料消費量を減少させる。
【0017】
主機関が、高い効率と低いSFCを示す動作範囲の中で稼動するとき、それは一般的に高出力動作範囲であり、他のエネルギー源からの入力要求なしに推進需要を満たすことができる。前記主機関の出力が推進需要を越えているとき、余剰エネルギーは、関連するモータ発電機を介してエネルギー分配機構に配分され、補機のエネルギー需要を満たすために使われ及び/又は前記エネルギー貯蔵装置に貯蔵される。高い推進需要の間、前記システムの負荷要求は、前記主機関、エネルギー貯蔵装置及び補機の生成能力を含む多数のエネルギー源によって満すことができる。低い推進需要の間、前記主機関は一般的に稼動せず、推進需要を満たすエネルギーはエネルギー貯蔵装置及び/又は補機の発電能力から供給される。ハイブリッドモードでの本発明の推進システムの動作は、よって、主推進機関のタイプを問わず、より高い効率及び低排出物の範囲で主推進機関を作動することにより、より高い効率と排出物の減少とを提供することができる。
【0018】
本発明のハイブリッド推進システムは、主機関が所望の動作パラメータで稼動することを保証するために、さらに動作制御機能と、主機関に設けられた排出物制御装置に加えて排出物制御機能とを提供することができる。動作制御は、いくつかの異なる方法で遂行することができる。高負荷需要状況では、例えば、主機関が運転中であり、モータ/発電機が駆動系にさらに正のトルクを提供しているとき、前記EMSは、前記主機関が寄与するトルク量を制御又は制限するように構成され、前記スクリューに有効な動力を限定することなく、前記主機関の動作を指定された軸トルク以下に効果的に制限することができる。このように、前記主推進機関は、機関排出物の生成を最小化し、それらの動力曲線の全体にわたって最適効率で稼動することができる。
【0019】
一実施例によれば、推奨されたトルク範囲で動作する主機関によって満たされる推進需要を超える過剰分の推進需要を満たす動力を前記モータ発電機が提供する状態で、前記主機関の動作は推奨された限界以下のトルク範囲での動作に制限される。例えば、米国内での動作に関して、ハイブリッド推進システムの他の構成要素によって過剰動力を提供する状態で、すべての出力需要で見積もり(NTE)限界を地域、州又は連邦の取り締まり機関での推薦値より下に維持されるように、機関動作が制御される。種々のNTE限界は前記システムにプログラムすることができ、又は条例、動作状態等に応じてオペレータが選択することができる。
【0020】
非効率な燃料燃焼及び機関動作は、高レベルの有害物の排出を引き起こすだけでなく、また、機関構成要素の早期の劣化を生じ、保修頻度及びコストを増大させる。本発明の前記ハイブリッドシステムは、改善された性能及び耐久度を提供すべく、また保守コストを減少させるべく稼動することができ、より便利な保全スケジューリング等を提供することができる。本発明の動作システムでは、1つ又は複数の主推進機関及び/又は1つ又は複数の推進モータ発電機は、効率及び性能を改善するために、トルクに加えて、出力rpm、動作時間、動作温度等のような種々のパラメータを制限するか、制御することによって、動作することができる。装備全体の安定及び保守の利点は、機関のオーバーホール、オイル交換、空気及び油フィルタの取り替えをそれほど頻繁に行うことなく、また保守イベントを予測、管理及びスケジューリングする能力が高められることで実現される。ハイブリッド推進及びエネルギー管理システムの他の構成要素、例えば補助発電機、エネルギー貯蔵装置及び補助発電機構等は、また、システムの全体効率及び耐久性の改善のために、及び特有な使用条件及び構成形態に合うように調整された特殊な動作モードの動作のために、監視し、制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】可変動力需要を示す船舶での使用に適した本発明の典型的なハイブリッド推進及びエネルギー分配機構の概略図である。
【図2A】低速及び/又は無負荷通行と同様に、高容量推進システムを有する船舶の休止中の動作に適したシステムの典型的な最小排出モード動作を示す概略図であり、最大連続推進負荷は、長期間、最大推進負荷ポテンシャルの約5%から10%を超えない。
【図2B】低電力需要、最小排出モード、低速通行状態でのエネルギー管理システム及び推進の典型的な動作を示す概略図である。
【図3A】連続低速又は中間通行及び低出力アシスト作業のための能力を提供するシステム動作の典型的なエコ巡航モードを示す概略図であり、長期間、最大推進負荷ポテンシャルの約15%から35%を超えない。
【図3B】一般的な低から中間の電力需要のモードでの推進及びエネルギー管理システムの典型的な動作を概略的に示す。
【図4A】最大推進負荷ポテンシャルの約30%から70%のより広く、より高い範囲の推進積載量を有するシステム動作のミッドレンジモードを示す概略図である。
【図4B】一般的なミッドレベルの出力領域需要モードでの推進及びエネルギー管理システムの典型的な動作を示す概略図である。
【図5A】連続的な高速通行と、最大推進負荷ポテンシャルの約60%から約100%以上の積載量を有する全出力アシストとの高積載量推進動作を提供する全出力モードを示す概略図である。
【図5B】高積載量推進を提供する一般的な高負荷需要モードでの推進及びエネルギー管理システムの典型的な動作を示す概略図である。
【図5C】システムの定格出力以上の推進負荷需要を満たす、一般に一時的な、高負荷需要モードでの推進及びエネルギー管理システムの動作を概略的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
典型的なハイブリッド推進システムが図1に概略的に示されている。本発明のハイブリッド推進システムは、少なくとも2つの推進エネルギー供給源を含み、ディーゼルエンジン10及び10′のような少なくとも1つの、好ましくは2つの主推進機関(例えば左舷及び右舷の主ディーゼルエンジン)と、少なくとも1つの、好ましくは2つのモータ発電機ユニット14、14′とを組み入れる。大きく変化する運転及び性能の要求事項を求められるタグボートのような船舶に使用するのに特に適応した本発明のハイブリッドシステムの一実施例では、前記ハイブリッドシステムの駆動系の構成は、2つの主推進機関(10、10′)を含み、該機関のそれぞれは、直接に又はアジマススラスタ12、12′などの機械式駆動機構又は変速機すなわち独立的に並列のシャフトに作動的に設けられるそれぞれの推進駆動系を介して、スクリュー18、18′のような推進出力部材に結合されている。本明細書ではアジマススラスタが例示されているが、他のタイプのギヤボックスや変速機構を本発明の推進システムに使うことができることは明白であろう。
【0023】
本発明のハイブリッド推進システムは、該システムによって管理される推進エネルギーの代替源の使用中の制限された期間、前記主推進機関の定格出力以上の推進出力を達成することができるが、主推進機関10、10′は、好ましくは、前記システムの可能性のある所望の最大の推進負荷にほぼ等しいか又はわずかに超える推進出力を提供するように定格が定められる。異なる推進出力レベルを提供する種々のタイプの機関を異なる船舶への応用に使用することができる。少なくとも約2000馬力の定格出力及びロールスロイスのZドライブを有するカミンズ主ディーゼルエンジンの使用は、高い推進負荷能力を提供するタグボートへの応用の典型である。
【0024】
電気モータ発電機14、14′(例えば図1に例示するような左舷及び右舷のMGユニット)は、各主推進機関とそのスクリュー18、18′との間のシャフト線(shaft lines)に設けられている。各モータ発電機ユニットは、主推進機関及び出力シャフトに「直列的に(in-line)」配置され、モータモードで動作中であってクラッチ機構16、16′が係合するときにそれぞれの出力シャフト(及びスクリュー)に推進力を提供することができる。また、各モータ発電機ユニットは、発電モードで動作可能であり、また船の電力管理システムに電力を提供することができる。前記モータ発電機は、好ましくは、短期間、定格出力を越えて動作することが可能である。前記モータ発電機ユニットは、ACかご型誘導モータなどのACモータとして設けることができる。895Kwの定格出力を有するジーメンス社の両軸(double-shafted)かご形誘導モータの使用は、高い推進負荷を提供するタグボートへの応用での使用の典型である。また、知られた他のタイプのモータ発電機ユニットを本発明のシステムに使用することができる。
【0025】
本発明の推進システムは、直列配置で結合された個々の機関、モータ発電機、駆動シャフト及びスクリューによって動作し、前記駆動シャフトのうちのそれぞれ、したがって前記スクリューのそれぞれは、主機関によって単独で直接的に、又はモータ発電機ユニット単独で、又は両エネルギー供給源によって同時的に駆動され得る。各シャフトは、前記主機関が前記メインシャフトを回転するか又は前記駆動システムから切り離されることを可能にするクラッチ15、15′を備え、これにより前記主機関が止められるか又は転用されるとき、前記モータ発電機は原動機として作用することが可能となる。また、各メインシャフトはクラッチ16、16′を有し、該クラッチが係合するとき各モータ発電機が前記出力シャフトを駆動するモータとして動作し、あるいは前記クラッチ16、16′が係合しないとき前記出力シャフトを駆動することなく前記エネルギー分配機構にエネルギーを供給する発電機として動作することを可能とする。
【0026】
前記ハイブリッド推進システムは、さらに、エネルギー分配機構を含み、一般的に、デュアルバス構成を含む。DCバスは、一般的に推進力及び他の大負荷を含む船のすべての大負荷のための電源及びエネルギー配分機構として提供され、好ましくは、船舶のエネルギー貯蔵能力を提供する。図1に示された実施例では、DCバス20は、該DCバス20とモータ発電機ユニット14、14′との間で双方向の電力の流れを提供する1つ又は複数のドライブ22、22′を経て、各モータ発電機ユニット14、14′に接続されている。各モータ発電機ユニット14、14′は、互いに独立して、またリアルタイムベースで推進要求を最も効率的に満たすように、DCバス20からエネルギーを得て、またDCバス20にエネルギーを戻すことができる。一実施例では、ドライブ22、22′は可変周波数ドライブから成っている。前記モータ発電機及び前記エネルギー分配機構に接続する可変周波数ドライブの使用は、前記主駆動機関の動作や速度に拘わらず、前記推進モータ発電機が前記DCバスに電力を提供することを可能にする。前記主機関及び前記スクリュー間の前記シャフト線にモータ発電機を設け、また該モータ発電機及び前記DCバス間に可変周波数ドライブを設けることは、前記モータ発電機が、いつでも異なる推進力需要下での前記システムの要求に応じて、推進力を提供するか、あるいは発電機として作用して前記DCバスにエネルギーを供給することを可能にする。推進力及び他の要求事項のための電力は、補機のディーゼル発電機、(Zドライブに結合されているか否かに拘わらず)それぞれのモータ発電機に結合された主ディーゼルエンジン又はこれらのシステムの組合せのいずれかによって生成することができる。
【0027】
DCバスは、またDC/DCコンバータ26、26′のような適正なコンバータを介して、バッテリー24、24′のような1つ又は複数のエネルギー貯蔵装置に接続されている。DC/DCコンバータは、適正なエネルギー管理システム(EMS)で使用されると、前記システムが前記DCバスをほぼ定電圧に維持することを可能にし、また余剰の発電能力があるとき、前記DCバスを定電圧に維持する余剰エネルギーでバッテリー24、24′を充電することを可能にする。
【0028】
また、前記DCバスは、タイブレーカ(tiebreaker)31で結合された1つ又は複数のACバス30、30′のようなホテル負荷分配機構に結合することができ、該機構への電力を供給する。タグボート応用への使用に適当な典型的な一実施例では、各ACバスは、600V、3相60Hzのバスから成る。前記ACバスは、一般的に前記システムのホテル負荷に電力を供給し、また他の補機及び非推進の電力要望を満たすことができる。バス30、30′を含む本実施例の前記ホテル負荷分配機構は、DC/ACコンバータ32、32′を介して前記主DCバスに結合することができる。前記コンバータは、前記AC及びDCの両バス間での双方向のエネルギーの流れを許し、すべての予期される負荷を支援する大きさに設定されている。補助発電機34、34′を設けることができ、前記ホテル負荷要求を補うために、及び/又は推進力、ホテル、効率及び/又は排出物基準指令上、前記DCバスへのエネルギーを補うために、前記ACバスに付加エネルギーを供給すべく、前記補助発電機構を前記ホテル負荷分配機構に結合することができる。典型的な一実施例では、前記補助発電機は、250kWの第2段階(Tier II)準拠の船舶施設用発電機(ship service generators)から成る。
【0029】
ある実施例では、追加の電力需要は、また前記主DCバスで満たすことができる。本発明のハイブリッド推進及びエネルギー管理システムの使用により、例えば、船首と船尾のウィンチ28、28′などの高負荷容量ウィンチは、例えば可変周波数ドライブなどのドライブ29、29′を通して、さらに前記DCバスから動力の供給を受けることができる。高出力要求を示す他の装備は、また適切なコンバータ又はドライブを通して、前記DCバスから電力を受けることができることは明らかであろう。ある状況下では、DCバスから電力を供給されるウィンチなどの補助設備の動作の間に生み出される回生エネルギーは、また、前記システムの他の場所でのエネルギー需要を満たすように分配するために、前記DCバスに戻すことができる。低電力を要求する装備は、前記DC又はACのバスから電力の供給を受けることができる。
【0030】
船に搭載されるかあるいは陸地に設置された光電池電源、風力又は潮力発電源のような追加の電源を前記ハイブリッドシステムへの補助エネルギーの提供のために使用することができる。補助エネルギー源は、前記AC及び/又はDCバスに供給するように結合することができる。陸地の電源のような補助電源システムは、また、推進力や予備の負荷のためのエネルギーを提供するように、本発明のハイブリッド推進及びエネルギー管理システムで使うことができる。陸地の電源が利用可能な場合、前記システムは、ホテルと補機の負荷のために電力を提供するように、及び/又は蓄電エネルギーの補給のためにそれを使うことができ、それにより、ディーゼルエンジンを動作する必要性をなくすと共に、搭載された電気貯蔵量への依存度を下げ、あるいは取り除くことができる。送電系統からの搭載された電力貯蔵装置への補給は、機関の排出物を低減させるので、一般的に望ましく、また陸上での電力は、一般的に、より効率的に作られ、船舶の主機関によって提供される電力よりも低い排出物を生成する。陸上の電源変圧器を設けることができ、例えば、適切なDC/DCコンバータを経て、前記DCバスに給電することができる。
【0031】
貯蔵容量を提供するため、低電力需要を支援するため、及び動作モード間の一般的に短いライドスルー能力(ride-through capacity)を提供するために、本発明のシステムは、好ましくは再生可能で充電可能な、バッテリーなどのエネルギー貯蔵装置を艦上に組み入れる。多くのバッテリー選択肢が存在していることが認められるが、一実施例では、アブソーブドグラスマット(AGM)又はゲルバッテリー技術を使用した鉛酸蓄電池が使用される。急速な放電/再充電の速度と比較的高いサイクル寿命を受け入れることが可能な、密閉され、メンテナンスフリーの選択肢を提供する鉛酸蓄電池技術は、多くの応用のために好まれている。前記バッテリーは、好ましくは、該バッテリーが船の動作に影響を与えることなく、損害を受けそうにない船位置に納められる。前記バッテリーは、船の非常電池の充電を維持するように設定することができ、前記エネルギー貯蔵装置には、また好ましくは、前記主DCバスにエネルギーを提供するために、DC/DCコンバータが取り付けられる。ニッケル水素充電池(NiMH)及びナトリウム塩化ニッケル(NaNiCl)電池のようなエネルギー貯蔵装置の代替選択肢を蓄電装置及び補充のために使用することができる。
【0032】
この動力装置の概要が典型であり、構成要素の定格や能力と同様に、構成要素の具体的な配置や配列は、異なる推進力や補助動力の需要に応じて変えることができることはいうまでもない。図1に例示されたハイブリッド推進システムは、デュアル機関及びデュアル発電機構として示されており、実質的に鏡像の推進システム及び駆動系が、ツインスクリューを動かすために設けられている。単一又は並列のスクリューを駆動するために、本発明のハイブリッド推進及びエネルギー管理システムを使って単発及び並列の機関システムを提供し、稼動できることは、明らかであろう。前記ハイブリッド推進システムを単独型の新たに設置されたシステムとして提供することができ、また既存の推進システムを本発明のハイブリッド推進及びエネルギー管理システムに変更すべく、様々の構成要素を改造し、再構成できることが理解できよう。
【0033】
前記ハイブリッドシステムが既存のシステムに改造されるとき、既存のAC配電盤を維持することができ、追加のAC電源が必要ならば、追加のAC配電盤を組み込むことができる。既存のAC配電盤は、例えば本質的にホテル負荷のみを供給するために構成することができ、新たな補助発電機、甲板ウィンチ及び他の高出力要求の構成要素のための既存の接続は、主エネルギー管理DCバスにルート変更することができる。甲板ウィンチ及び他の大きな負荷は、好ましくは、DCバスから周波数ドライブによって動かされる。これは、ACバスの安定性を増大させて、接続されたホテル負荷への電圧フリッカの影響を減少させる。
【0034】
前記DCバス及びACバス間に接続されるコンバータは、船のホテル負荷及び他のAC負荷を満たすために、必要に応じて、エネルギーが前記主DCバスから前記ACバスへ流出することを許す。また前記推進モータ発電機ユニットが前記出力シャフトを駆動すべく動作する動作モード中、前記出力シャフトを駆動すべく前記コンバータ又は可変周波数ドライブを通して前記主DCバスから前記モータ発電機ユニットに動力が提供される。前記モータ発電機が発電機モードで動作する動作モードでは、エネルギーは、補機の要求事項のためにエネルギーを提供するように、また必要に応じてエネルギー貯蔵量蓄積の再充電のために、前記モータから前記主DCバスに供給される。前記補助発電機の一方又は両方が稼働しており前記ACバスに電力を供給しているとき、余剰エネルギーは、推進力及び他の要求のために前記主DCバスから与えられる電力を供給すべく、コンバータを経て、前記ACバスからDCバスに供給することができる。
【0035】
システム電力需要及び推進需要が変わるにつれて、前記ハイブリッド推進及びエネルギー管理システムの動作は、複数の動力源からの様々な需要に効率的な動作を提供すべく、調整され、変化する。ある制御及び実現案では、オペレータは、前記システムの動作を制御している入力選択の予め定義されたセットの中から、所望の動作パラメータを選ぶことができる。ある実施例では、オペレータは、前記推進及びエネルギー管理システムが最も燃料効率が優れた方法、最も低い排気物の方法及び最も全体的にエネルギーバランスがとれた方法等で出力需要を満たすことを可能にすべく、所望の出力又は複数の出力の組合せを選択することができる。前記ハイブリッド推進及びエネルギー管理システムの動作は、予め決められた動作プロトコルに従って、前記EMSによって自動的に監視され、制御することができる。所定の動作モードが提供され、オペレータによって選択可能であるか、又はオペレータによって指定された所望の出力要求によって前記システムによって選ばれる実施例では、少し又は多くの異なる動作モードが提供される。他の実施例では、前記システムは、該システム構成、有効なエネルギー源等に応じて、前記EMSが構成要素、全体のシステム性能、エネルギー及び電力需要を監視し、ほぼリアルタイムで好ましい動作パラメータを特定し、最も効率的な方法で前記ハイブリッド推進及びエネルギー管理システムを運転するように、ほぼ連続的に変化するモードで動作することができる。
【0036】
典型的な動作モードは、どのような動作パラメータを前記システムが選択しそうであるか、様々なシステム及び動作モードの形態を使って、システム性能、燃料経済性及び排気物低減のうちの何のレベルが期待されるのかをオペレータが理解することを助けするように設計された概念モデルの構成要素として考えることができる。予め決められた時限より長い間、要求された負荷が一つの動作モードでの前記システムの能力を越えているとき、前記制御システムは、必要とされている電力の発電のために自動的に前記システムモードを段階的に発展させることができる。複数の別個の動作モードが図2A−5Cを参照して以下に記載されており、これらの動作モードは模範的であり、付加の及び/又は異なる動作モードが可能であり、ある状況下では望ましいことが理解できよう。また、図2A−5Cのそれぞれに示された構成要素の特定の形態は、特定の各動作モードのための典型であり、他の形態が各モードで可能であることは理解できよう。
【0037】
余り活動せずに低速及び/又は無負荷の通行の期間の船舶動作に適した、典型的な最小排出量モードの動作スキームが図2Aに示されており、長期間、最大連続負荷が最大推進負荷ポテンシャルの約5%から10%を超えない。船が固定されまた陸上から電力を得ていない間の船の余り活動しない間、船が非常に遅い速度で動いており、負荷を引っ張っていない時、及び長期間、連続負荷が最大容量の約10%を越えていない時、このモードが一般に使われる。最小の排出量モードでの動作は、前記主DCバス及び推進要求を満たすために、付加のエネルギー容量及び貯蔵のためのモータ発電機が一般に蓄電装置を利用する。図2Aに例示する典型的な最小排出モードスキームでは、搭載バッテリー24、24′に保存されるエネルギーは、適切なコンバータ26、26′を介してDCバス20に供給される。主DCバス20は、適切なコンバータ32、32′を介してホテル負荷要求を満たすために、ACバス30、30′に電力を提供する。従来技術で知られているように、1つ又は複数の適切な給電/遮断器及びインターロック機構を前記AC及びDCの両バスに設けることができる。ホテル負荷は、一般に、必要であれば又は所望であれば、長時間、バッテリー源のみで満たすことができる。
【0038】
この種の最小排出動作モードでは、主ADバス20は、また、比較的低い推進需要を満たすために、エネルギーをモータ発電機ユニット14、14′に必要に応じて提供することができる。この状況では、モータ発電機クラッチ16、16′は、スクリュー18、18′を駆動するために係合される。主機関10、10′のいずれも動作せず、また、主機関クラッチ15、15′のいずれも係合せず、前記駆動シャフトに推進出力を与えない。しかし、主機関10、10′は、さらなる増大した推進需要への準備状態又は異なるより高い推進需要動作モードへの切り換え準備状態に維持されている。一般的に、ACバス30、30′にエネルギーを提供するために利用できる補助発電機34、34′のいずれも、最小の排出モードでは動作しない。しかしながら、補助発電機34、34′の一方又は両方は、待機モードにあり、スイッチ35、35′の閉接によって、一方又は両方のACバス30、30′まで電力を供給するように利用することができる。この動作モードでは、ACバス30、30′は、必要に応じて、モータ発電機ユニット14、14′に推進力をもたらすために、コンバータ32、32′を通して、またエネルギーをDCバス20に供給することができる。
【0039】
低エネルギー及び低推進力の動力需要に関して、一般に最小の排出モードで見られるように、蓄積されたエネルギーは、前記エネルギー及び推進力動力の需要を満たすには十分である。一般に、予め決められた最小のバッテリー充電レベルが確認され、前記エネルギー管理システムの制御ロジックに取り込まれる。最小の充電しきい値に低下すると、前記補助発電機の一方又は両方が、前記ACバスにエネルギーを提供するために起動される。余剰エネルギーが前記ACバスで得られる程度に、余剰エネルギーは、推進力と、ウィンチ動力需要のような他の船舶需要とを満たすために、前記ACバスから前記DCバスに供給される。余剰エネルギーが前記DCバスで得られる程度に、余剰エネルギーは、バッテリー電力を復元するために、前記DCバスからエネルギー貯蔵システム(バッテリー)に供給される。前記電池の電力が所望の又は予め決められたレベルに回復すると、あるいはホテル需要が減少し、又は推進需要が減少し、又はこれらの状況のいくつかが複合すると、前記補助発電機の一方又は両方の機能を停止することができる。前記主機関、モータ発電機ユニット及びクラッチの直列配列は、前記主機関を動作することなく低推進需要状況での駆動列の動作を可能にし、また、前記モータ発電機ユニットが、前記推進駆動系から独立した前記システムの他の場所へのエネルギーの分配及び使用のために該エネルギーを提供する発電機として動作することを可能にする。
【0040】
図2Bは、単一の電気分配バス120を有するように概略的に示された前記システムでの同様な最小排出、低推進力の動作モードを例示する。実線の矢印は、この動作モード中でのエネルギーの流れの方向を示す。この最小排出の低推進力動作モードでは、エネルギーが所望のバス能力を維持するに必要とされているとき、エネルギーはバッテリー群124からバス120に往復し、また、前記実線の矢印で示されているように、所望のバス能力を維持するに必要とされている以上のエネルギーが入手可能なとき、エネルギーはバス120からバッテリー群124に供給される。スクリュー118及び118′は、駆動モータモードで動作しているモータ発電機114、114′によってそれのみで駆動され、発電機クラッチ116、116′によってそれぞれ前記駆動シャフトに結合されている。実線の矢印で示されているように、モータ発電機114、114′を駆動モータモードで駆動するための電気エネルギーがバス120から供給される。主推進機関110及び110′は、この動作モードでは作動されず、したがって、淡い書体で、非係合状態の主機関クラッチ115、115′と共に示されている。補助発電機34、34′は、任意に動作され、一点鎖線によって示されるように、必要に応じて、ホテル及び/又は推進需要のためにバス120にエネルギー(黒矢印で示されている)を供給するように、断続的に動かすことができる。
【0041】
図3Aは、推進及びエネルギー管理システムが連続低速通行と低出力アシスト作業とに推進能力を提供する、典型的な一般的に比較的低い推進力需要巡航モードで動作するときの本発明の推進システムを示す。この動作モードは、一般的に、最大の連続的な推進負荷が前記推進システムの最大負荷能力の少なくとも約5%でありかつ約35%を越えていないとき、適正である。このモードでは、蓄電装置24、24′からのエネルギーは、一般的に、DCバス20への供給電力として利用でき、また、少なくとも1つ、好ましくは2つの補助発電機34、34′が機能し、ACバス30、30′へ電力を供給すべく、また適正なコンバータ32、32′を通ってDCバス20へ電力を供給すべく、作動される。DCバス20はエネルギーをモータ発電機ユニット14、14′に分配し、該発電機ユニットは、係合状態にあるクラッチ16、16′を介して前記出力シャフト及びスクリュー18、18′を動かす。低推進力需要の巡航モードでは、補助発電機34、34′の動作は、一般的に前記推進システム及びホテル需要と、他の負荷需要とによって、また構成要素の効率曲線、構成要素能力及び全体のシステムの形態によって、決定される。エネルギーは、一般的に、最初に蓄電装置と補助発電機から得られ、追加の推進力が必要とされるなら又は追加のエネルギーがホテル又は補機の需要を満たすために必要とされるなら、前記主機関の一つが直結される。
【0042】
一般的に、予め決められた期間より長い間、電気及び/又は推進負荷需要が補助発電機の能力を越えているなら、前記EMSは、前記エネルギー必要量を満たすために、自動的に主機関10の少なくとも1つを起動する。図3Aで示された動作状況は、主機関10と同様に、補助発電機34及び34′の動作を含み、係合状態にあるクラッチ15を経て前記駆動系及びスクリュー18に推進力を提供する。低推進需要の巡航モードは、一般的に1つの主機関の動作を必要とする。また、一般的な高効率、高出力の条件での機関動作は、推進力と、モータ発電機14を通して主エネルギー分配バス20に戻る余剰エネルギーの発生とを提供する。バス20に提供された余剰エネルギーは、補機の電力需要のために使用することができ、エネルギー貯蔵装置を充電し、また以下で説明されるように、反対側の出力シャフトに推進力を提供すべく、使うことができる。
【0043】
本発明のハイブリッド推進及びエネルギーの管理システムの形態は、好ましくは、1つの主機関が効果的に2つの推進出力シャフトを動かすことを可能にする。図3Bに示された典型的な実施例では、主機関110は、一般的な高効率、高出力の動作モードで、その出力シャフト上のアジマスドライブ112及びスクリュー118を直接動かすように、作動する。この実施例では、主機関110は、エネルギーをDCバス120に供給すべく(矢印で示されている)モータ発電機114を発電モードで駆動し、DCバス120は順次エネルギーをモータ発電機114′に供給し(矢印で示されている)、該モータ発電機はドライブモードで反対側の駆動シャフトのアジマスドライブ112′及びスクリュー118′を駆動する。この状況では、補助発電機134、134′は、またエネルギーをバス120に供給すべく(矢印で示されている)動作される。
【0044】
したがって、図3Bに示された比較的低い推進力需要状況では、1つの主機関と2つの補助発電機とが、推進力とホテル及び補助電力需要とを供給するように、利用可能である。この状況は、両方の主機関が推進のために必要とされる時間を減少させ、1又は複数の主機関が、高い負荷範囲でより効率的に動作し、そうでなければそれ又はそれらが示すであろうよりも高い効率で動作することを可能にする。バス120上の余剰エネルギーは、蓄電装置124に供給され、該機構は一般に充電状態にある。制御器は、前記機関及び前記船の寿命を通して、このモードの主要な応答装置として、主機関を交替するようにプログラムで設定することができる。他の動作モードと同様に、過渡的な需要の一時的な乗り切り(ride-through)は、前記蓄電装置で可能になる。
【0045】
ミッドレンジ推進需要動作モードが図4Aに図式的に示されている。この動作モードは、一般的に連続通行に充分な推進負荷能力と、長期間、最大推進負荷需要が全負荷能力の約30%〜70%を超えない高パーセンテージの船舶援助状況とを提供する。この動作モードでは、少なくとも1つの、一般的には2つの主機関は、推進と、ホテル及び補機負荷との需要を満たすために、連続的に又は断続的に一般に高効率及び高出力で動作する。余剰エネルギーは、ホテル及び補機の負荷需要を満たすために及び蓄電池充電を適切に提供するために、前記主電気分配バスに供給される。1つ又は両方の前記補助発電機と、前記蓄電装置とは、このモードで補機発電に利用できる。
【0046】
図4Aに示されているように、推進力は、通常、高効率動作に調和する一般的な高出力で動作する主機関10、10′により提供される。両主機関10、10′
は、係合状態にあるクラッチ15、15′、16及び16′を経てアジマスドライブ12、12′とスクリュー18、18′とに動力を供給するために使われる。主機関10、10′は、このモードでの高出力動作のとき、一般的に推進需要のために必要とされる以上の出力を生じ、また、エネルギーが発電モードでモータ/発電機14、14′を駆動するためにエネルギーを供給し、該発電モードでのエネルギーは、バス20に供給され、またホテル負荷需要と、ウィンチ需要などの補機の負荷需要とを満たすために、また前記蓄電池を充電するために、使用される。このモードでは、前記主機関が推進力及び補助要求のすべてを満たす出力を提供するので、補助発電機34、34′は一般的に作動されない。
【0047】
ミドルレンジ推進モードで同時に両方の主機関が動作することによって提供される推進力及びエネルギーが、推進力、ホテル、補機及びエネルギー貯蔵の需要に必要とされる以上にあるなら、前記主機関の1つを非作動とすることができ、前記システムは、断続的な期間、図3Bに示されているように、実質的に稼動することができる。エネルギーは、蓄電装置から前記主バスに供給され、低減した主機関の動作期間、必要に応じて分配される。先に説明したように、前記システムの柔軟性は、1つの主機関が、両方の推進駆動系を駆動するために使われることを可能にし、蓄電池が過渡的な需要の一時的な乗り切りを提供することができる。この状況は、2つの主機関が動いている間の前記システムの効率を上げるが、2つの主機関がその負荷を最適な範囲に増大させることにより前記機関の動作効率を改善して動作している時間を一般に減少させる。蓄電池の蓄電量が少なく、推進、ホテル又は補助需要が増加すると、また、両主機関が、継続している需要を満たし蓄電量を補充するために、作動される。手動制御は、また、前記船舶性能及び保守計画の最適化のためにオペレータが機関使用を管理することを可能とするために提供され得るが、前記制御器は、前記機関及び船の寿命を通して、このモードでの主要な応答装置として、主機関を交替するように、プログラムすることができる。
【0048】
同様なミドルレンジ推進需要動作モードは、単一の電気分配バス120を有するような概略的に示されたシステムで、図4Bに概略的に示されている。実線の矢印はこの動作モードの間のエネルギー流れの方向を示す。主機関110、110′は、適正なクラッチ装置を経て前記駆動シャフト、アジマスドライブ112、112′及びスクリュー118、118′に推進力を提供する。主機関110、110′は、また、モータ発電機114、114′を発電機モードで作動させるためにエネルギーを供給し、該モータ発電機は、ホテル及び補機負荷を満たすために及び適切に蓄電池群124を充電するために、エネルギーをバス120に供給する。このモードでは、一時的なホテル又は補機負荷を満たすために、又は前記エネルギー蓄積装置をより迅速により完全に充電するために、バス120に付加エネルギーを供給すべく、一点鎖線で示されているように、補助発電機134、134′の一方又は両方を一時的に動作することができる。
【0049】
図5Aは本発明の推進及びエネルギー管理システムの全出力動作モードを概略的に示し、推進システムは前記主機関の定格推進負荷のほぼ90%以上で動作する。この動作モードは、例えば、連続的な速い通行のために、及び/又は船の全出力支援需要のために、大きく長い期間の負荷に直面するであろうことが予想されるとき、使用される。それは、前記システムが、補機の電源を提供し、有効な電力を効率的に管理することによって、より高い能力を主機関に組み入れている非ハイブリッド推進システムの性能に匹敵するか越えることを可能にする。このモードでさえ、推進需要が主機関負荷能力の100%ではないとき、電力は前記シャフト線の前記モータ発電機によって発生することができる。この余剰電力は、DCバスに供給して、ホテル及び補機電力の需要のために、またエネルギー貯蔵装置を充電するために使うことができる。前記全出力動作モードでは、全ての機材が動作状態で、前記システムは、同じ出力容量を有する主機関を含む非ハイブリッドシステムで利用可能であるより多くの電力を駆動に適用する能力を有することができる。これは、より高速なシステム応答を提供する手段として利用することができ、あるいは前記駆動系が追加のトルクを処理することが可能であるなら、船の定格出力を増大させることを可能とする。短期間での増大出力を提供することができる。
【0050】
全出力動作モードでの推進は、図5Aで示されるように、一般に、高効率及び高出力で動作しかつ係合状態にある各クラッチを通してスクリュー18、18′に推進動力を提供する主機関10、10′によって提供される。前記推進及びエネルギー管理システムがこの全出力モードで作動しているとき、全出力駆動系の出力シャフトに設けられたモータ発電機ユニット14、14′は、前記主エネルギー分配バス20に生成された余剰エネルギーを供給する発電機又は前記出力シャフトに付加の推進駆動力を提供すべく前記主エネルギー分配バス20からエネルギーを得るモータのいずれかとして動作可能である。前記モータ発電機は、推進モータモードで動作するとき、蓄電池及び/又は補助の発電のいかなる組合せによっても前記バスに供給されるエネルギーで、各コンバータを通して、前記DCバスによって動作される。補助発電機34、34′は、このモードでは通常両方が作動され、また、ACバス30、30′とそれぞれのコンバータ32、32′を経て主分配DCバス20にエネルギーを提供する。
【0051】
いくつかの全出力動作モードでは、前記主機関と、モータとして動作する前記モータ発電機ユニットとの両方から推進力を提供され、両推進動力源は共通のシャフトに出力を提供する。前記ホテル負荷、モータ/発電機の需要及びすべての補機の需要を満たすために必要とされる以上の、エネルギー配分バス20に供給されるいかなるエネルギーも、エネルギー貯蔵装置(バッテリー24、24′)に戻る。前記主機関、モータ発電機ユニット及び補助発電機は、一般的に、全出力動作モードでのすべての予期されている推進動力需要、ホテル負荷及び補機エネルギーの必要量を供給するに十分な定格電力を有する。
【0052】
2つの異なる全出力動作モードが、単一の電気分配バス120を有し実線の矢印が動作中のエネルギーの流れる方向を示す図5B及び5Cに概略的に示されている。図5Bに示された全出力動作モードでは、両主機関110、110′は、適切なクラッチ機構を経て、アジマスドライブ112、112′及びスクリュー118、118′に全出力を提供する。両補助発電機134、134′は、主エネルギー分配バス120にエネルギーを提供するために作動される。両モータ発電機ユニット114、114′は、前記主機関によってモータ駆動モードインラインで動作され、推進力をそれぞれの出力シャフトに提供するために、エネルギーをバス120から得る。この状況は、推進需要が前記主機関及び電動発電機の総合負荷能力より低いときに使うことができ、一般に、主バス120から入手可能な余剰エネルギーを前記エネルギー貯蔵装置(バッテリー群124)に戻し、それは充電モードで動作する。
【0053】
図5Cは、推進需要が前記主機関及びモータ発電機の総合負荷能力よりも高いとき、一般的には一時的に使うことができる他の全出力動作モードを示す。この具体例では、両主機関110、110′は、適切なクラッチ機構を経て、アジマスドライブ112、112′及びスクリュー118、118′に、全出力を提供する。両補助発電機134、134′は、主エネルギー分配バス120にエネルギーを提供するために作動される。両モータ発電機ユニット114、114′は、前記主機関と直列のモータ駆動モードで動作され、推進力をそれぞれの出力シャフトに供給するために、バス120からエネルギーを得る。さらに、蓄電池エネルギーは、一時的な推進のために定格電力以上の推進力を提供するように、又は補機あるいはホテルの負荷を満たすために、バス120に提供される。この動作モードは、前記電池群が使い果たされる、すなわち消耗するまでしか持続できない。一般に、この能力超える動作モードは、これが断続的に、あるいは一時的な高い動力要求を満たすために使われるのみである。
【0054】
複数の動力源からの変化するエネルギー需要囲を満足すると共に、様々の推進源を動作し、効率的な方法でシステム全体にエネルギーを分配するために、前記エネルギー管理システム(EMS)は、先に述べたように、前記推進システム、エネルギー分配機構及びエネルギー貯蔵装置のあらゆる動作を制御する。前記EMSは、複数の機能を含むか、一般にオペレータインタフェースを含む、より大きな動作システムの一部とすることができ、該インタフェースは、前もって決められた複数の動作モード、様々の構成要素出力、能力、現在の動作パラメータ及び条件、エネルギーレベルなどと関連している前記EMSに入力を提供するセンサ、発電機及びシステムの保護システム、システム保守ユーティリティシステム警報及び通知ユーティリティ等をオペレータが選択することを可能とする。先に説明したように、前記EMSは、典型的には、前記ハイブリッド推進システムを介して、単数又は複数の主機関、単数又は複数のモータ発電機ユニット、駆動系及び他のクラッチ、単数又は複数の補助発電機、単数又は複数の蓄電装置の動作、その変化状態及び出力によって、負荷需要に応答する。いくつかの実施例では、前記動作システムは、オペレータが、駆動系のrpm及び/又はトルク、通行速度及び/又は持続時間、負荷要求及び/又は持続時間のようなある動作パラメータを選択することを可能にし、これらは適正な動作モードを定形化して実装すべく前記全体的な制御システムに使用される。
【0055】
前記推進及びEMSシステムを備えるオペレータインタフェースは、オペレータが見ることができる電子モニタ、前記推進及びエネルギー管理システムのモニタ、動作及び制御を含むことができる。動作モードは、オペレータによって選択されるか自動的に実行することができる。複数の別個の動作モードが提供され、プログラムすることができる。電子加速ペダル、ジョイスティック及びレバーなどのオペレータ制御装置をオペレータ入力手段のために設けることができ、前記推進及びエネルギー管理システムに結合することができる。オペレータは、電子レバー又はジョイスティックのような入力デバイスを介する推進制御のオプションを有することができ、あるいはオペレータは、複数の予め選ばれた入力を提供するか又は所望の入力を特定することを可能にするインタフェースを介して、推進エネルギーの管理を制御するオプションを有することができる。例えば、システム動作パラメータ及びモニタ又はタッチスクリーン上に表示される警報又は警告と共に、非技術者のための単純なオペレーティングプラットフォームを提供することができる。前記システムは、より詳細な保守及び情報アクセス/管理のためのインタフェースを提供することができ、1つのプラットホームに監視しているすべての機構を結合することができる。タッチスクリーン、種々のコマンド構成要素及び個別の制御をオプションで含むディスプレイは、主操舵室制御卓などの1つの構成要素に組み込むことができる。
【0056】
動作中の機関及び発電機の数は、常時、ホテル及び補助設備の要求など、前記推進システム及び補助負荷の需要によって決定される。これらの負荷が予め決められた期間より長い間、どのような指定された動作モードで動作していても、前記機関及び/又は発電機の能力を越えているなら、前記エネルギー管理システムは、自動的に、前記システム動作モードを段階的に発展させ、必要な発電量を提供するために、適切に追加の機関、モータ発電機、補助発電機等を作動させる。
前記システムの制御は、前記EMSを通して、手動で、又は、部分的あるいは完全に自動化された方法で提供することができる。前記EMSは、前記システム中の種々のエネルギー源から入手可能な出力、動作状態及びエネルギーレベルを監視し、前記システムの推進及び補機電力の要求を決定し、前記機関、補助発電機、モータ発電機ユニットの動作を制御し、より全体的には、前記負荷及び電力要求を満たすために、前記システム全体にわたってエネルギーの流れを制御することができる。過渡需要の一時的な乗り切りは、前記エネルギー貯蔵装置から提供される。
【0057】
本発明のいくつかの自動化された制御系では、前記システム動作モードは、リアルタイムで実質的に継続して種々のシステム要求に選択され、また調整され、前記EMSによって制御され、制限される。いくつかの操作モードが先に詳細に説明されたが、追加の動作モードを設けることは認められるであろう。実際には、電力要求と有効電力資源とによって決められるように、前記船及び前記EMSの動作は、予め決められた動作モードに従って自動化されて、稼動することができ、種々の予め決められた動作モードは、前記船の現在の又は予期される動作要求に会うように、オペレータによって選択可能である。個別制御は、先に説明したように、オペレータが予めプログラムされた動作モードを選ぶことを可能にする別個のパネルで提供することができる。一実施例では、オペレータは前記船の現在の又は予期される動作要求のために、最も実用的なモードを選択することができる。選ばれたモードでの利用可能な持続的な電力を越えるスロットル前進は、次の動作レベル又はモードへ自動的な進展を開始するか、又は積極的な対応を必要とする信号又は警報を作動させる。他の実施例では、前記船が必要な負荷又は出力よりも多くの電力を提供するモードで、所定の時間をよりも長い間、動作すると、前記EMSはオペレータに表示又は信号を提供することができ、より効率的なモードの動作が利用できることを示す。一般に、自動モードの選択は、いくつかの状況の下で提供することができ、またデフォルト設定とすることができるが、オペレータは、このモード選択を無効にすることができる。
【0058】
先に説明した複数の動作モードでの前記ハイブリッド推進システムを動作する能力に加えて、いくつかの実施例では、特定の動作モードを選ぶ前記EMSの能力は、オペレータ又は前記システムが複数の準備状態からの一つの選択によって制限され得る。前記準備状態は、オペレータによって選ばれるか、動作中にバッテリーパワーがどのように割り当てられるかを制御する前記EMSによって自動的に適用される。「通行」、「支援」及び「バッテリー回復」の各動作モードの規定は典型である。前記通行及び支援の両モードは、選択可能な制御機能を介してオペレータによって選択可能である。バッテリーの回復状態は、利用可能なバッテリーパワーが予め決められた最小値より下がったとき又は前記バッテリーが放電されるか、過熱しているとき、自動的に課されるか条件下で選択可能である全出力時に制限される。このように、前記ハイブリッドシステムは、(例えば)船支援動作の間の主機関の停止又は過度なパワーの使用による消耗した蓄電池の過剰なストレスを防止することができる。
【0059】
一般に、十分な予備容量が好ましくは維持され、短いバーストのための全負荷の約70%まで即時に電気推進力を提供するために利用可能である。これは、付加の発電能力が出現する間、動作モード間の遅延を減少する。65%パワーなどの予め決められた電力レベルを越える持続的な前進は、自動的に主機関の一つ又は両方を起動するようにプログラムすることができる。この場合に、小さな遅延が発生するかもしれない。そのような遅延が容認できない状況では、前もってフルモード動作を選ぶことができる。
【0060】
また、1つ以上の選択可能であり、プログラム可能な、又はプログラムされた排出制御機能を備えることができる。米国環境保護局は、例えば海洋ディーゼルエンジンのために、「超えてはならない」(NTE)動作限界を定めるトルク及びシャフト速度のパラメータを規定する。本発明のハイブリッド推進システムは、前記主機関がEPA要求事項又はこれに代わる動作制限内で常に稼動すること保証するために、主機関に設けられた排出制御装備に加えて、運用上の排出制御機能を提供することができる。運用上の排出制御は、例えば、主推進モータ発電機の1つ又は両方が主機関の1つ又は両方と推進負荷を分担するとき、どのような与えられた速度においても前記主機関によって生成されたトルクは、前記EPA NTE限界より下にあることを保証する。
【0061】
運用上の排出制御機能は、可変周波数ドライブを通して実行することができる。1実施例では、AC主推進モータを制御するために使われた可変周波数ドライブは2つの基本的なオープンループ制御スキームすなわち周波数又はトルク制御のうちの1つで稼動する。例えば、オープンループ周波数制御スキームは、電気推進のみ下で使われる。このスキームでは、制御システムは、設定シャフト速度を達成すべく前記モータに適用するための周波数(また、線形関係で電圧)を決定する。前記モータは、与えられた設定速度で前記シャフトを回すために必要とされているトルクを生成し、引かれる電流はそれに応じて変わる。オープンループトルク制御スキームは、結合されたディーゼルと電気推進力との間に使われる。このスキーム下で、前記制御システムは、モータの電磁状態を操作し、トルク生成及び磁場生成の電流を別々に制御して、前記モータ速度及びトルクの両方を調整する。前記モータは、いかなる与えられた速度においてもEPA NTEトルク要件以上に必要とされているスクリュートルクの部分だけを提供し、前記主機関がいつも正確に前記EPA NTEEPA 限界(又は下)にとどまることを可能にする。
【0062】
本発明の前記ハイブリッド推進及びエネルギー管理システムは、好ましくは、該システム中の様々なポイントで現電力レベル及び動作パラメータを検出し、そのデータを例えばプログラムされた又はプログラム可能な制御器(PLC)によって動作される集中制御システムに伝えるセンサと、モニタ装置とを含む。制御システム及びインタフェースの種々のタイプが提供される。離散的なオペレータシステム制御に、例えば、別個の制御盤を設け、オペレータがモードを選び、彼の判断でオン及びとオフラインの推進システムをもたらすことを可能にすることができる。種々のマンマシンインタフェースを設けることができる。前記システムの前記PLC部分への接続のために工業規格OPCプロトコルを用いることができ、標準のソフトウエア開発ツールをインタフェース開発のために用いることができる。前記システムインタフェース及び制御器は、遠隔操作、集中制御又は監視システムと交信することができ、遠隔接続性及び監視が選択肢として利用可能である。
【0063】
一般に、船制御系は、好ましくは、実用的には分散制御トポロジーを利用する。制御機能はできる限り低い管理レベルへ押し付ける。これは、システムの観点から、制御の失敗に対し高い耐性を与える。1つの実施例では、動力装置での速度及び電圧調整の故障の原因は確認され、故障は、カスケード不全を生じる前に一掃される。推進制御、出力管理及びエネルギー管理の監視は、2倍のスタンドアロンのPLCに基づいた制御システムを使って、実行することができる。すべての重要な制御装置は、好ましくは高い信頼性、監視された冗長な電源装置を備える。
【0064】
一実施例では、定監視及びインタフェースのステーションは、機関室、及び操舵室のようなオペレータ制御ステーションでの他の場所に設けられる。ラップトップなどのポータブルな保守機器を設けることができ、該保守機器はZドライブ区画室のような場所においても前記システムと接続することができる。前記推進制御と同様に、前記システムは2つのスタンドアロンのシステムに分けられるであろう。各オペレータステーションは、専用サーバとインタフェースすることができ、その一方は操舵室に置かれ、その他方は前記機関室(engineering space)に置かれ、物理的分離を介して増大した信頼度を提供する。
【0065】
前記した構造は、能動素子に単一の故障が生じても、前記船に、その推進機能の50%よりも多くを失わせないように、発電、分配及び推進システムを提供する。さらに、好適な実施例では、前記システムは、前記動力装置の50%のロスを結果として生じている能動素子のための唯一の単一のポイントでの不全がZドライブギヤボックスであるように、配置される。これは、従来の一般に主機関の不全が推進力の50%ロスを結果として生じる船舶の電気及び駆動系設計上の有効な改良を表している。各駆動ラインの上の複数の動力選択肢を備える分配された動力装置は、おおかた生じそうな不全が両シャフトをオペレータが利用可能であるままにしておくことを意味している。
【0066】
前記エネルギー管理システムは、発電機の性能、分配システム及び電力需要を調整する。多くの従来の動力管理システムでは、焦点は中央集中システムによる高レベルでの制御にあった。本発明のハイブリッドシステムのための動力管理は、一般にプロセス制御を可能な最も低いレベルに押し付ける。いくつかの実施例では、これは、可能な限り、知的な付加が直接周波数を通してプラント負荷レベルを認識し、適切であるように、消費量を減少させることを意味している。
【0067】
中央制御システムの前記電力管理機能は、一般的に、複数の情報源から分配される「高レベル」の電力割り当て制限を含む。プロセス変数に由来するこの新しい情報は、プロセス制御器に渡される。前記プロセス制御器は、前記電力中央制御システムから届けられるパラメータの範囲で動作する。これらのパラメータは、中央制御システムの処理能力内で更新することができる。更新されるまで、前記プロセス制御器は中央制御システムによって与えられるパラメータで機能する。重要な特徴は、パラメータが決定論的な原則で必要であってはならず、自主的で予測できる性能がパラメータの継続的な更新なしでプロセス機械から予期できることである。
【0068】
前記DC制御電力制御システムは冗長システムとしてまた提供される。2つの独立した高度な冗長な動力系統は、重要なシステム制御器負荷に、高度に信頼できる動力を供給することに適合する。このシステムへのオペレータインタフェースは、保守を実行するためやシステムの別の部分の破損のために一時的な共通モード動作のためにシステムを再設定するために提供されるに過ぎない。前記システムは、好ましくは、冗長性のすべての層を監視し、保守要員に詳細な状況を提供する。システムの概略状況は、VMS/SWBDハードワイヤードインタフェースを通して入手可能である。
【0069】
本発明は、特定の装置実施例及図を参照して説明されている。これらの特定の実施例は、発明の範囲の制限ではなく、単に典型的な具体例の実例と解釈されるべきである。本発明の範囲から逸脱することなく記載されたハイブリッド推進及びエネルギー管理システムに多くの変更、付加及び置換を施すことができることを理解できよう。
【符号の説明】
【0070】
10、10′、110、110′ 主機関
12、12′、112、112′ アジマススラスタ(アジマスドライブ)
14、14′、114、114′ モータ発電機ユニット
15、15′、16、16′、115、115′、116、116′ クラッチ機構
18、18′、118、118′ スクリュー(推進出力部材)
20 (主)DCバス(電源及びエネルギー分配機構)
22、22′、29、29′ 可変周波数ドライブ
24、24 バッテリー(蓄電装置)
28、28′ ウィンチ(補機)
30 ACバス
34、34′ 補助発電機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの推進エネルギー供給源と、該供給源のそれぞれの動作を制御するエネルギー管理システムとを含み、前記少なくとも2つのエネルギー供給源は、共通の出力シャフトを駆動すべくまた共通の推進出力部材に連結するように配置された、少なくとも1つの主推進機関及び少なくとも1つのモータ発電機ユニットを含み、前記エネルギー管理システムは、推進需要を満たすべく、前記少なくとも2つのエネルギー供給源のそれぞれの動作を動的に変える、推進システム。
【請求項2】
前記共通の出力シャフト及び前記推進部材は、前記主推進機関及び前記モータ発電機ユニットにより個別に、また前記主推進機関及び前記モータ発電機ユニットにより同時に、駆動可能である、請求項1に記載の推進システム。
【請求項3】
前記モータ発電機ユニットは、前記エネルギー管理システムの制御下で、前記モータ発電機ユニットとの間で双方向へのエネルギーの流れを提供する電気分配機構に連結されている、請求項1に記載の推進システム。
【請求項4】
前記主推進機関は、前記共通の出力シャフト及び推進出力部材の駆動によって推進エネルギーを提供し、また前記モータ発電機ユニットを発電機として駆動し前記電気分配機構に出力エネルギーを供給することが個々に可能である、請求項3に記載の推進システム。
【請求項5】
前記EMS(エネルギー管理システム)は、推進モータとして及び前記電気分配機構へのエネルギー供給のための発電機として、前記モータ発電機ユニットの作動を制御する、請求項3に記載の推進システム。
【請求項6】
前記電気分配機構は、さらに、動作中、該電気分配機構にエネルギーを供給する少なくとも1つの補助発電機に連結されている、請求項3に記載の推進システム。
【請求項7】
前記電気分配機構は、さらに、該電気分配機構との間で双方向へのエネルギーの流れを提供するエネルギー貯蔵装置に連結されている、請求項3に記載の推進システム。
【請求項8】
前記電気分配機構は、DCバスを含む、請求項3に記載の推進システム。
【請求項9】
前記電気分配機構は、さらに、前記DCバスとの間で双方向への流れを提供する該DCバスに連結されたACバスを含む、請求項8に記載の推進システム。
【請求項10】
前記電気分配機構は、DCバスを含み、前記EMSは、前記推進システムの動作中前記DCバスにほぼ一定(不変)のDC電圧を維持し、また一定のDCの維持に要求される以上のエネルギーを前記エネルギー貯蔵装置に供給する、請求項3に記載の推進システム。
【請求項11】
前記推進出力部材は、スクリュー又は推進Zドライブである、請求項1に記載の推進システム。
【請求項12】
さらに、前記エネルギー分配機構及び前記モータ発電機ユニットを結合し、前記モータ発電機ユニットの出力速度及び/又はトルクを指定する可変周波数ドライブを含む、請求項3に記載の推進システム。
【請求項13】
2つの主推進機関及び2つのモータ発電機を含み、各主推進機関は、共通の出力シャフトをモータ発電機との組合せで駆動するように、また共通の推進出力部材に連結されるように、配置され、各共通の出力シャフト及び推進出力部材は、それぞれの主推進機関及びモータ発電機により個別に、またそれぞれの主推進機関及び電気モータ発電機により同時に運転可能である、請求項1に記載の推進システム。
【請求項14】
前記EMSは高効率動作モードでのみ前記主推進機関を運転する、請求項1に記載の推進システム。
【請求項15】
前記EMSは、前記主推進機関のトルク出力を選択されたレベルに制限すべく該主推進機関の動作を制御する、請求項1に記載の推進システム。
【請求項16】
前記EMSは、前記トルク出力を取締り官庁によって指定されたレベルを超えない又はそれよりも低い選択レベルに制限するように、前記主推進機関の動作を制御する、請求項15に記載の推進システム。
【請求項17】
前記EMSは、前記主推進機関の動作が推進需要を満たさないとき、推進需要を満たすべく前記共通の出力シャフト及び共通の推進部材に追加の推進エネルギーを提供するモータとして前記モータ発電機ユニットを運転する、請求項15に記載の推進システム。
【請求項18】
前記モータ発電機ユニットはACモータ発電機である、請求項1に記載の推進システム。
【請求項19】
前記モータ発電機ユニットはACかご形誘導モータである、請求項1に記載の推進システム。
【請求項20】
さらにエネルギー分配機構と、該エネルギー分配機構に結合された少なくとも1つのウィンチとを含み、前記EMSが前記エネルギー分配機構から前記ウィンチへのエネルギー供給を制御する、請求項1に記載の推進システム。
【請求項21】
前記少なくとも1つのウィンチは、可変周波数駆動機構を経て前記エネルギー分配機構に結合されている、請求項20に記載の推進システム。
【請求項22】
前記ウィンチはさらに回生エネルギーを前記エネルギー分配機構に供給する、請求項20に記載の推進システム。
【請求項23】
請求項1に記載の推進システムを組み込んだ船舶。
【請求項24】
前記船舶はタグボートである、請求項20に記載の船舶。
【請求項25】
推進エネルギーを提供する共通駆動系に配置された個別に動作可能な少なくとも2つの駆動源と、エネルギー分配バスと、エネルギー貯蔵装置と、前記少なくとも2つの駆動源の動作を制御し該駆動源間のエネルギーの流れを制御するエネルギー管理システム(EMS)とを含み、前記EMSは、前記少なくとも2つの個別に動作可能な駆動源を動的に運転し、推進需要を満たし前記エネルギー分配バスをほぼ定電圧に維持すべく、エネルギーの流れを動的に制御する、船舶に使用するためのハイブリッド動力システム。
【請求項26】
前記少なくとも2つの個別に動作可能な駆動源の一方は、推進需要を満たすべく前記エネルギー分配機構及び前記エネルギー貯蔵装置の少なくとも一方からのエネルギーを使うモータモードで動作可能なモータ発電機ユニットである、請求項25に記載のハイブリッド動力システム。
【請求項27】
前記モータ発電機ユニットは、個別に動作可能な他の駆動源からのエネルギーを使うモータモードで、さらに動作可能である請求項26に記載のハイブリッド動力システム。
【請求項28】
前記少なくとも2つの個別に操作可能な駆動源は、共通の駆動系に配置された主駆動機関及びモータ発電機ユニットを含み、前記主駆動機関及びモータ発電機は前記EMSの制御下で前記共通の駆動系を交互に駆動すべく操作可能である、請求項25に記載のハイブリッド動力システム。
【請求項29】
前記主駆動機関及び前記モータ発電機ユニットは、前記EMSの制御下で、前記共通の駆動系を同時に駆動すべく動作可能である、請求項28に記載のハイブリッド動力システム。
【請求項30】
前記主駆動機関は、同時に前記共有の駆動系を駆動しまたモータモード又は発電モードで前記モータ発電機を動作するためのエネルギーを供給すべく、操作可能である、請求項28に記載のハイブリッド動力システム。
【請求項31】
さらに、前記エネルギー分配バスにエネルギーを提供する少なくとも1つの補助発電機を含む、請求項25に記載のハイブリッド動力システム。
【請求項32】
さらに、前記エネルギー分配バスに結合され、前記システムの動作中に前記エネルギー分配バスからエネルギーを得る少なくとも1つのウィンチを含む、請求項25に記載のハイブリッド動力システム。
【請求項33】
前記少なくとも1つのウィンチは、可変周波数駆動系を経て前記エネルギー分配バスに結合され、また前記可変周波数駆動系を経て前記エネルギー分配バスから動力を得る、請求項32に記載のハイブリッド動力システム。
【請求項34】
2つの主機関、2つのモータ発電機及び2つの共有の駆動系を含み、各主機関はモータ発電機と共に共有の駆動系に配置され、各共通の駆動系はそれぞれの前記主機関及びモータ発電機により個別に駆動可能でありまたそれぞれの前記主機関及びモータ発電機により同時に駆動可能である、請求項25に記載のハイブリッド動力システム。
【請求項35】
請求項25に記載のハイブリッド出力システムを組み込んだ船舶。
【請求項36】
前記船舶は、タグボートである、請求項35に記載の船舶。
【請求項37】
変化する推進需要を満たすために推進システムを操作する方法であって、前記推進システムは、少なくとも1つの主機関及び少なくとも1つのモータ発電機ユニットを含み、前記主機関及び前記モータ発電機ユニットは、共通の出力シャフトを個別に又は同時に駆動するように構成され、前記方法は前記主機関のトルク出力を選択されたレベルに制限すること及び推進需要が前記主機関のトルク出力の前記選択されたレベルを越えているとき、前記共通の出力シャフトに追加の駆動エネルギーを提供するモータとして前記モータ発電機ユニットを動作することを含む、推進システムの操作方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【公表番号】特表2011−506180(P2011−506180A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538215(P2010−538215)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/086724
【国際公開番号】WO2009/076659
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(510164142)フォス マリタイム カンパニー (1)
【出願人】(510164153)
【出願人】(510164175)