説明

ハイブレッドセパレータ

例えば蒸気ボイラのドラム112に用いるのに適当である蒸気−水セパレータのような気体−液体セパレータ124はチャンバ204を包含し、このチャンバは、気体−液体混合物の流れを受け入れる入口開口202と、気体−液体混合物がそれからの液滴の取り除きにさらされた後に、この気体−液体混合物の流れを排出する出口開口210とを有する。チャンバ204には、入口開口202と出口開口210との間に長手方向へ延びている通路を画定している内面204aを有する壁が設けられている。スロット212が、チャンバ204の前記壁の内面204aと外面204bとを貫通するようにして形成されている。複数のスピナブレード208が、スロット212より下に位置するようにして前記通路内に適当に配置されている。この複数のスピナブレード208は、これらのスピナブレードにより受け止められた気体−液体混合物の流れを回転せしめることを生じせしめ、これにより、付随して、回転上昇にさらされている気体−液体混合物の流れ中の液滴を遠心力の作用によりチャンバ204の前記壁の内面204aに対して付勢せしめ、それからチャンバ204に形成されているスロット212を通過させることを生じせしめる作用をなすように構成されている。前記通路は、気体−液体混合物が回転にさらされた後にこの気体−液体混合物を出口開口210へさし向ける作用をなすように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2000年2月18日に出願した米国特許仮出願第61/029,391号の優先権を主張するものであり、その開示のすべては参照するために本明細書に含まれている。
【0002】
本出願は、1993年7月12日に出願した「蒸気分離装置」と題する米国特許出願第089888号(現在は米国特許第5,320,6523号として1994年6月14日に特許されている)と関連するものであり、その開示の全体は本出願に対して参照するために本明細書に含まれている。
【0003】
本発明は、一般には、多相流体混合物の分離に関し、より詳細には、二相流体混合物における液体から気体の分離、例えば、水から蒸気の分離又は液体炭化水素から天然ガスの分離に関する。
【背景技術】
【0004】
加圧蒸気ドラム型の蒸気発生システムの作動の従来のモードによれば、水管(これらの水管は一般に上昇管(ライザ)と称されている)中の水は加熱され、これにより蒸気と水との二相混合物が発生される。
【0005】
この二相混合物は、それから、上昇管から蒸気ドラムへ流れるように構成されている。蒸気ドラム内に入った蒸気は、それから、大量の空気と直接に混合するように構成されており、この空気の量はおそらくは変えられるようになっている。
【0006】
蒸気ドラム内には、セパレータ及び他の装置が設けられ、これらのセパレータ及び他の装置は水から蒸気の分離を行う作用をするように構成され、水から分離された蒸気はその後ドラムを出て過熱器に入るように構成されている。また、過熱器に加え、蒸気ドラムには一般にバッフルが設けられ、これらのバッフルは蒸気と水との混合物の流れの方向を変えることを行う作用をするように構成されている。更に、蒸気ドラムにはインペラ及び/又は湿分コアレッサ、例えば、スクリーン及び波形板型の最終ドライヤーが設けられている。このようなセパレータ及び他の装置は、しばしば、蒸気の分離及び浄化を行うために別々に用いられているが、しかし、より一般的には一緒に用いられ、これにより、すべてではないが大部分の不純物は蒸気に乗せられ、蒸気が蒸気ドラムを去るようにされる前に、蒸気から取り除かれる。
【0007】
このようなセパレータ及び他の装置は種々のファクターに気をつけて構成されることが必要とされる。例えば、このような蒸気の分離及び浄化は数秒以内にかつ種々の異なる作動状態の下で一緒に行わなければならない。このために、蒸気−水混合物は種々の異なる速度のいずれかの速度で流すことができるようにし、及び/又は種々の異なる圧力のいずれかの圧力になることができるようにされる。更に、このようなセパレータと他の装置とにわたる圧力降下は、このようなセパレータ及び他の装置が蒸気発生システムを通しての水の循環及び/又は蒸気発生システムの水レベル制御を行うようにしている作用を最小にするために、相当に低く維持しなければならない。
【0008】
説明を続けるに、また、蒸気ドラム内における蒸気の分離及び浄化を行うために蒸気ドラム内にこのようなセパレータ及び他の装置を適応させるために必要とされるスペースは、蒸気ドラムの寸法を決める際に考慮しなければならない。このために、蒸気ドラムの直径及び長さは、必然的に、このようなセパレータ及び他の装置の設置を行うため及びこのようなセパレータ及び他の装置の検査をできるようにするために接近できること(アクセシビリティ)を提供するために、また、このようなセパレータ及び他の装置を通しての水及び蒸気の最大流れの処理を提供するために、十分であるように作らなければならない。実際に、このような蒸気ドラムを設計すること、すなわち、上述したようなアクセシビリティを提供するために十分なドラム直径及び長さを有する蒸気ドラムを設計することは、他方において、時々、重大な難局を生じせしめることがわかっている非常に大きいサイズを有する蒸気ドラムを提供してしまうことがある。
【0009】
更に、このような蒸気−水混合物中の水はたびたび溶解した懸濁塩を含有することが当業者によりよく認識されている。したがって、蒸気−水混合物から分離されていない水もまたこのような溶解した懸濁塩を含有し、このような溶解した懸濁塩は蒸気中に固体不純物として現れる。もしこのような水が蒸気ドラムを去る蒸気と結合したままであると、湿分、すなわち、このような水が過熱器において蒸発されたときに、固体不純物がタービン又は他の蒸気従動装置へ流れるように構成されている過熱蒸気中に残る。そして、混入された固体不純物を有する、このような蒸気はタービン又は他の蒸気従動装置の作動及び運用寿命に有害な影響を及ぼすものである。
【0010】
一例として、蒸気発生システムの蒸気ドラムにおいて蒸気から水の分離を行う革新的な技術が米国特許第5,320,652号明細書に開示され(この米国特許のすべての権利は本出願のすべての権利が譲渡されている同じ譲受人に譲渡されている)、その開示の全体は参照するために本明細書に含まれている。説明を続けるに、上記米国特許第5,320,652号明細書は蒸気発生システムの蒸気ドラム内のかなり小さな大きさの空間内に設置することができるように改良したセパレータを開示し、このようなセパレータは、蒸気発生システムの蒸気ドラムを通してかなりの低い圧力損失でもって流れる蒸気−水混合物からかなりの量の水の取り除きを迅速に行うように作用する。上記米国特許第5,320,652号明細書に開示されているセパレータは現在まで既存している従来技術の分離技術よりもかなり優れている改良を有しているものと考えられている。しかしながら、上記米国特許第5,320,652号明細書に開示されている分離技術は、その特許日以来広く実施されていない。むしろ、他の幾らか簡略化されたが、しかし高い信頼性がある分離技術が今日でさえも広く用いられ続けている。この広く用いられているセパレータは、時々、当業者により“スタンダードセパレータ”と称されている。このようなスタンダードセパレータは、コアと、制限した数のスピナブレード、例えば4つのスピナブレードとを包含し、上記米国特許第5,320,652号明細書に開示されているディフューザ区域又は他の規則格子(上記米国特許第5,320,652号明細書において、ディフューザ区域及び他の規則格子はセパレータのハウジングの上方に適当に配設されている)を備えていない。このようなスタンダードセパレータは、現在も、長年にわたって産業上申し分ない働きをしている。
【0011】
しかしながら、なおも、新規で改良された分離技術、すなわち、気体から液体、例えば蒸気から水の一層効率の良い又は一層有効の取り除きを促進せしめるように機能し、また、上記米国特許第5,320,652号明細書に開示されている分離技術により要求されている、かなり複雑な規則格子を用いることを必要としないで、セパレータを用いることができるように実施できる分離技術が必要であることが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の目的は、二相流体混合物中の液体から気体の分離を行う、新規で改良した分離技術を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、蒸気発生システムの蒸気ドラムにおいて水から蒸気の分離を行う、新規で改良した分離技術を提供することにある。
【0014】
本発明の更に他の目的、利点及び新規な特徴は、本発明の実施形態についての下記の詳細な説明による開示から当業者にとって容易に明らかになるであろう。本発明は以下にその好適な実施形態を参照にして詳細に述べられているけれども、本発明はこれに限定されるものではないことを容易に理解されよう。したがって、当業者は特許請求の範囲に記載れている本発明の範囲内で本発明の本質から逸脱することなしに種々の変形及び変更を行うことができることを認識されよう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、貫通スロットを有する周囲壁により画定されている通路内を流れる気体−液体混合物からの液体の分離を行うように構成されている分離技術が提供される。その説明を続けるに、気体−液体混合物の流れは前記通路の入口に受け入れられる。また、遠心力が、前記気体−液体混合物に含有されている液滴が前記周囲壁に形成されている前記貫通スロットを通して流れるのを生じせしめるために加えられ、これにより、気体が減少された気体−液体混合物はそれから前記通路に設けられている出口から放出されるように構成されている。したがって、本発明の分離技術は、特に、蒸気発生システムの蒸気ドラムにおいて蒸気−水混合物から水の分離を行うために用いるのに適当である。
【0016】
好適には、本発明によれば、前記周囲壁に形成されている前記貫通スロットを通して流れるようにされた液滴は、少なくとも1回、スクリーニングされて、濾過される。より好適には、最初のスクリーニングにさらされた液滴の少なくとも一部分は、再びスクリーニングされ、この再びスクリーニングにさらされた液滴の少なくとも一部分はそれから更にまたスクリーニングされる。
【0017】
本発明の実施形態によれば、円筒形のパイプの形であるチャンバと、複数のスピナブレードとを包含する気体−液体セパレータが提供される。前記チャンバは、気体−液体混合物の流れを受け入れる入口開口と、前記気体−液体混合物を通過させて排出する出口開口とを有する。
【0018】
本発明の説明を続けるに、前記チャンバには壁が設けられ、この壁の内面は前記入口開口と前記出口開口との間に長手方向に延びる通路を画定する。更に、本発明によれば、スロットが前記壁の内面及び外面を貫通して形成されている。前記スロットは、前記壁の周囲部に沿って延びるように形成することができ、好適には、本発明の好適な実施形態によれば、前記スロットは前記チャンバの前記壁の内面及び外面を貫通して形成されている一連の互いに隣接するスロットのひとつから成る。
【0019】
本発明の説明を更に続けるに、前記複数のスピナブレードは前記スロットより下に位置するようにして前記通路内に配置されている。説明を続けるに、本発明によれば、前記複数のスピナブレードは、好適には、これらのスピナブレードへ流れるようにされた気体−液体混合物を回転させることを生じさせ、好適にはこのような回転を前記通路の長手方向軸線のまわりに生じさせるために適当な形状及び大きさとされている。前記気体−液体混合物の回転は、それから、回転にさらされた前記気体−液体混合物の流体中に含有されている液滴を遠心力により前記壁の前記内面に対して上向きに流して前記スロットを通過させるようにする。前記複数のスピナブレードは、本発明によれば、前記チャンバの前記壁の前記入口開口と前記チャンバの前記壁の前記出口開口との間のほぼ中間に位置するように配置される。しかしながら、本発明の本質を逸脱することなしに、その他の配置を適当に用いることができるものである。本発明の好適な実施形態によれば、スピナブレードの数は好適には4個以上とされる。しかしながら、本発明の本質を逸脱することなしに、より多い又はより少ない数のスピナブレードを適当に用いることができるものである。本発明の一実施形態によれば、10個のスピナブレードが非常によく作用することがわかっている。しかしながら、本発明の分離技術を用いることが望まれる特定の適用の内容に依存して、スピナブレードの数及び形状を変えることができることは当業者には容易に認識させるであろう。また、個々の適用において使用するためのスピナブレードの形状を作る技術はよく知られており、更に、このような技術はスピナブレードをその所望する適用において使用するために適当な形状に作るために常習的に適用されていることは当業者には容易に認識されるであろう。前記通路は、回転にさらされている気体−液体混合物を前記チャンバの前記壁に設けられている前記出口開口へ流れせしめるような形状及び大きさとされる。
【0020】
有益には、本発明の好適な実施形態によれば、メッシュ、例えば、No.8のメッシュメタルスクリーンが前記スロットを通して流れた前記気体−液体混合物の前記液滴の通路内に位置するようにして前記チャンバの外側に配置される。もしメッシュがこのように設けられる場合には、メッシュは、好適には、その両端間に長手方向へ延びるコンパートメントを画定しているメッシュ壁を有し、前記チャンバがこのコンパートメント内に配置される。説明を続けるに、前記通路の長手方向軸線は前記コンパートメントの長手方向軸線とすることもできる。しかしながら、これは本発明の作用モードに関する限りにおいて任意のものである。より好適には、前記メッシュはこのメッシュに形成されて、前記通路の長手方向軸線と実質的に直交する平面内において延びているクリーズを有することができる。したがって、このようなメッシュはその長手方向にアコーディオン形状とされる。
【0021】
他の、すなわち、第2のメッシュ、例えば、6ゲージメッシュメタルスクリーンを、本発明の本質を逸脱することなしに、先に説明されて以下に時々“第1のメッシュ”と称される前記メッシュを通して流れた前記気体−液体混合物の前記液滴の通路内に位置するようにして前記チャンバの外側に配置することができる。もしこのような第2のメッシュが設けられる場合には、第2のメッシュは、その両端間に長手方向へ延びる他の、すなわち、第2のコンパートメントを画定することが好適であり、これにより、第2のメッシュはこの第2のコンパートメント内に配置される。前記通路の長手方向軸線は、また、前記第2のコンパートメントの長手方向軸線とすることができる。
【0022】
第3のメッシュ、例えばNo.13の0.5インチ(1.27cm)のエキスパンデッドメタルスクリーンを、本発明の本質を逸脱することなしに、前記チャンバの外側に追加して配置することができる。この第3のメッシュは、前記第2のメッシュを通して流れた前記気体−液体混合物の前記液滴の通路内に位置するようにされる。もしこのような第3のメッシュが設けられる場合には、第3のメッシュはその両端間に長手方向へ延びる第3のコンパートメントを画定することが好適であり、これにより、第3のメッシュはこの第3のコンパートメント内に配置される。この場合において、更に、前記チャンバの長手方向軸線は前記第3のコンパートメントの長手方向軸線とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明にしたがって構成したセパレータを組み込んでいる蒸気ドラムの断面図である。
【図2】本発明にしたがって構成した、図1に示したセパレータの断面図である。
【図3】本発明にしたがって構成した、図2に示したセパレータのチャンバの、そのスロット(線3−3)に沿う平面図である。
【図4】本発明にしたがって構成した、図2に示したセパレータのスロット及びスクリーンを包含するチャンバの一部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
特に図面の図1を参照するに、この図1に示されているドラム112は従来の蒸気ドラムの構成を有し、細長い円筒形の形状を有すると共に、その軸線が水平面に対して平行にして配置されている。ドラム112の説明を続けるに、ドラム112を複数の上昇パイプ114が貫通しており、蒸気発生器からこれらの上昇パイプ114により受け入られた蒸気−水混合物を流すことがこれらの上昇パイプ114を通して行われ、これらの上昇パイプ114からこの蒸気−水混合物がドラムライナ又はバッフル118とドラム112との間に存在する環状空間116に排出される。複数の上昇パイプ114は図面の図1には環状空間116のまわりにどちらかといえば均一に分配されているように示されているけれども、複数の上昇パイプ114が貫通するドラム112の実際区域は次に述べる要素、すなわち、ドラム作動圧力、炉循環の型式、及びドラム112内への蒸気及び水の多量の装填のすべてに依存して変えることができるものである。バッフル118は、その底部端でバッフル部分120により閉じられている。このバッフル118は、水平レッジ部分122を包含する。バッフル118について更に参照するに、バッフル部分120及び水平レッジ部分122を包含するバッフル118は、ドラム112の全長さにわたって延び、これにより取り囲んだ環状空間116が形成されるような構成とされている。
【0025】
説明を続けるに、バッフルレッジ部分122には複数の蒸気分離ユニット124が取り付けられており、これらの蒸気分離ユニット124は好適にはドラムの軸線の両側に2つの水平方向に延びる列に配置される。2つの水平方向に延びる列が図面の図1に示されているけれども、本発明の本質を逸脱することなしに、2つ以上の水平方向に延びる列とすることができることを理解されよう。各々の水平方向に延びる列は、所望するならば、ドラム112の大きさ及び容量に依存して、多数のセパレータを包含するように構成される。蒸気分離ユニット、すなわち、セパレータ124は、バッフルレッジ部分122の穴125の上をおおって位置するようにして取り付けられ、これにより上昇パイプ114から環状空間116内への蒸気−水混合物の流れを、バッフルレッジ部分122の穴125通してセパレータ124の内部へ上向きに向けるように作用する。
【0026】
次に図面の図2を参照するに、本発明によるセパレータ124の各々は、その中に蒸気−水混合物を受け入れる入口202が設けられている鋳鋼製支持リングから成るものとして示されているベース200を包含する。セパレータ124の説明を続けるに、円筒形のパイプから成るものとして示されているスピナチャンバ204は、ベース200の頂部に溶接されていると共に、ベース200からの蒸気−水混合物を受け入れる入口開口205と、出口開口210と、通路とが設けられ、前記通路はチャンバ204の周囲壁の内面204aにより形成されている。
【0027】
セパレータ124の説明を更に続けるに、チャンバ204内にはコア206が収容され、このコア206はそれぞれドーム状の頂部端及び底部端が設けられている円筒形の部材である。ドーム状の底部端には圧力均衡の目的のための穴が設けられている。コア206とチャンバ204との間の環状空間には、複数のスピナブレード208が配置されている。この複数のスピナブレード208の各々は、コア206とチャンバ204との両方に溶接され、これにより、単体スピナユニットを形成する。複数のスピナブレード208の各々の外形及び放出角度は、これにより、スピナチャンバ204の入口開口205で受け入れられた蒸気−水混合物の遠心運動を増強せしめるのに最適であるように設計される。複数のスピナブレード208の各々の外形及び放出角度は、分離しようとしている気体と液体との混合物の組成及び熱−物理的性質に依存して具体的に作られる。複数のスピナブレード208の各々を具体化する外形及び放出角度は任意の特定の状態に関する限りにおいては変えることができるけれども、スピナハウジング及びそのブレード構成に関する限りにおいて図面に例示のために選択されている個々のスピナブレード208の形状は単に一例であって、限定されるものではなく、本発明はスピナブレード208のために図面に例示されている特定の寸法又は角度のいずれにも限定されるものではない。好適には、本発明の好適な実施形態によるスピナブレード208の数は4個以上であるが、しかし、スピナブレード208のこの数は本発明の本質を逸脱することなしに適当に増加又は減少せしめることができるものである。所望される本発明の特定の適用においては、10個のスピナブレード208が本発明の目的のために非常に良く作動することがわかっている。
【0028】
本発明の説明を続けるに、セパレータ124内に受け入れられた蒸気−水混合物の、複数のスピナブレード208を通しての流れは、セパレータ124内に受け入れられた蒸気−水混合物がチャンバ204の周囲壁の内面204aにより形成されている通路の長手方向軸線のまわりを回転し、これにより、蒸気−水混合物に遠心力を与えることが生じるように構成されている。この遠心力は、続いて、蒸気−水混合物の流れ中の液滴をセパレータハウジング204の内面204aに対して付勢せしめることを生じせしめ、付随して蒸気をチャンバ204の中心部に動かすことを生じせしめ、これにより、蒸気−水混合物の流れからの水の分離を有効に行う。
【0029】
蒸気−水混合物の流れがスピナブレード204を通過した後には、スピナブレード208を蒸気−水混合物が通過することにより蒸気−水混合物の流れから水の少なくとも一部分が分離されている蒸気−水混合物は、チャンバ204の周囲壁の内面204aにより形成されている通路を通して流れるようにされ、その後、チャンバ204の出口開口210を通して上向きに螺旋状に流れるようにされている。他方、チャンバ204の周囲壁の内面204aに対して付勢された蒸気−水混合物の水滴の流れは、チャンバ204の周囲壁の内面204aに沿って、それからチャンバ204の周囲部のまわりに形成されている一連のスロット212を通して、上向きに螺旋状に流れるようにされている。
【0030】
次に図面の図3を参照するに、図3にはチャンバ204の、図2の線3−3に沿う断面が示され、上述した一連のスロット212が示されている。一連のスロット212の説明を続けるに、一連のスロット212の各々はチャンバ204の周囲壁の複数のセグメント400により分離されている。図面に示されている本発明の特定の実施形態によれば、一連のスロットの各々は4.25−4.26インチ(10.795−10.8204cm)の長さ及び0.13インチ(0.03302cm)の高さを有する。しかしながら、本発明の本質を逸脱することなしに、スロット212の数及び大きさは本発明が実施される特定の適用の内容に依存して変えることができるものである。図面の図3に示されているように、各隣接する2つのスロット212の分離を行うように構成されている、チャンバ204の周囲壁の複数のセグメント400の各々は、好適には、約1.0インチ(2.54cm)の長さである。しかしながら、本発明の本質を逸脱することなしに、セグメント400の長さは本発明が実施される特定の適用の内容に依存して変えることができるものである。すべてのスロット212が水平に延びるように示されているけれども、本発明の本質を逸脱することなしに、このようなスロットに代えて他のスロットの構造が適当に用いられることは当業者には容易に明らかであろう。例えば、スロット212は、もし所望するならば、本発明の本質を逸脱することなしに、他の方向へ向けさせることができる。更に、本発明によれば、すべてのスロット212を同じ方向へ向けさせることを要求するものではなく、また、すべてのスロット212を同じ大きさ/形状にすることを要求するものではない。この点に関して一例であって限定するものではないが、もし所望するならば、チャンバ204の周囲部の全体まわりに延びている単一のスロット212を本発明の本質を逸脱することなしに用いることができ、この場合において、スロット212より上に位置しているチャンバ204の部分は別個に支持せしめることが必要である。なぜなら、チャンバ204の上方部分は、図3に示されている、周囲壁のセグメント400に支持される部分ではないからである。しかしながら、用いられるスロット212の大きさ,形状,方位及び数に関係なく、単一又は複数のスロット212は、本発明によれば、スピナブレード208の上方に位置することが要求される。再び図面の図2を参照するに、この図2を参照することにより最も良く理解されるように、一連のメッシュ214,216及び218がチャンバ204の外側に設けられている。この一連のメッシュ214,216及び218の構成及び作用モードは、本発明が実施される特定の適用の内容に依存して変えることができる。
【0031】
図面の図4において、セパレータ124の一部分の拡大図が示されており、このセパレータ124の一部分は、スロット212を有するチャンバ204の壁の一部分と、メッシュ214,216及び218の各々の一部分とを包含する。更に、図面の図2及び図4を参照するに、本明細書に記載されている本発明の特定の実施形態によれば、時々当分野において“フィルター”と称されているメッシュ214は、好適には、No.8メッシュメタルスクリーンから成り、このスクリーンのためには、0.047直径のワイヤが用いられている。このメッシュ214は、スロット212を通して流れた蒸気−水混合物の水滴の通路中に位置するようにして配置される。本明細書に記載されている本発明の特定の実施形態において、メッシュ214は円筒形の形状に作られ、チャンバ204を取り囲むように構成されている。より詳細には、メッシュ214の壁はその対向する両端間に長手方向へ延びるコンパートメントを画定するように構成され、これにより、チャンバ204はこのコンパートメント内に配置されている。図面の図2を参照することにより最も良く理解されるように、チャンバ204の内面204aにより形成されている通路の長手方向軸線224は、上述したコンパートメントの長手方向軸線でもあるように構成されている。しかしながら、この構成に代えて他の構成が本発明の本質を逸脱することなしに適当に用いることができるものである。
【0032】
本発明の説明を続けるに、メッシュ214には、好適には、2つのクリーズ又はクリンプが設けられ、これらのクリーズの各々は、チャンバ204の内面204aにより形成されている通路の長手方向軸線224と実質的に直交して延びている平面内に位置している。メッシュ214に設けられている、これらのクリーズは、メッシュ214がその長手方向に関して見たときにアコーディオンの様な形状を有するように構成されている。これらのクリーズは、また、図面の図2及び4を参照することにより最も良く示されているように、メッシュの側面に関して見たときに各クリーズの両側からそれぞれ下向きに斜めに延びているメッシュ214の2つの部分が円錐体を形成する形状とされている。
【0033】
説明を続けるに、スロット212を通して流れた蒸気−水混合物の水滴は高速でメッシュ214に接触するようにされている。そして、スロット212から流れてメッシュ214と接触するようにされた水滴間の接触力は、合体した蒸気泡を生じせしめ、これらの蒸気泡は水中に乗せられ続けて水滴から分離され、メッシュ214を通して上向きに運ばれ、これにより、メッシュ216とチャンバ204の周囲壁の外面204bとの間を上向きの方向へ流れることを連続せしめる。更に、このような水滴間の接触は、スロット212から流れた蒸気−水混合物の水滴の速度を減少せしめ、また、水滴の流れ中に乗せられる蒸気の運び量を減少せしめる。
【0034】
これに関して更に説明するに、スロット212から流れた蒸気−水混合物の水滴のいくらかはメッシュ214により捕えられ、また、他のいくらかの水滴はメッシュ214に沿って下向き方向へ動いて出口開口225へと動き、この出口開口225からドラム112の底部に存在している液体のプールへ戻されるように構成されている。
【0035】
本明細書に記載している本発明の特定の実施形態によれば、時々当分野において“インナージャケット”と称されているメッシュ216は、好適には、6ゲージメッシュメタルスクリーンから成る。そして、このメッシュ216はメッシュ214を通過した蒸気−水混合物の水滴の通路中に位置するように構成されている。本明細書に記載している本発明の特定の実施形態において、メッシュ216は円筒形の形状に作られ、メッシュ214を取り囲むように構成されている。より詳細には、メッシュ216はその対向する両端間に長手方向へ延びる他の、すなわち、第2のコンパートメントを画定するメッシュ壁を形成し、これにより、メッシュ214はこの第2のコンパートメント内に配置されている。図面の図2を参照することにより最も良く理解されるように、チャンバ204の内面204aにより形成されている通路の長手方向軸線224は、また、メッシュ216により形成されている他の、すなわち、第2のコンパートメントの長手方向軸線でもあるように構成されている。
【0036】
本発明の説明を続けるに、メッシュ214を通過した蒸気−水混合物の水滴の流れは、メッシュ216に対して投げつけられるような傾向にある。そして、水滴のメッシュ216との衝突が、また、水滴と一緒に乗せられている蒸気をメッシュ216に到達した水滴の流れから解放することを行わせしめる。更に、水滴の流れの、メッシュ216との接触は、水滴の流れの速度を更に減少せしめるようにし、また、水滴中に再び乗せられる蒸気の量を減少せしめるようにする。これに関して更に説明するに、このようにして解放された蒸気は、それから、チャンバ204の周囲壁の外面204bの外側を上向き方向へ流れるように構成されている。
【0037】
メッシュ214から流れた蒸気−水混合物の水滴のいくらかはメッシュ216により捕えられ、また、他のいくらかの水滴はメッシュ216に沿って下向き方向へ動いて、出口開口225へと動き、この出口開口225からドラム112の底部に存在している液体のプールへ戻されるように構成されている。しかしながら、メッシュ214から流れた蒸気−水混合物の更に他のいくらかの水滴はメッシュ216を通過するように構成され、それから、この通過した水滴はメッシュ218と接触するように構成されている。
本明細書に記載している本発明の特定の実施形態によれば、時々当分野において“アウタージャケット”と称されているメッシュ218は、好適には、No.13の0.5インチ(1.27cm)のエキスパンデッドメタルスクリーンから成る。そして、このメッシュ218はメッシュ216を通過した蒸気−水混合物の水滴の通路中に位置するように構成されている。本明細書に記載している本発明の特定の実施形態において、メッシュ218は円筒形の形状に作られ、メッシュ216を取り囲むように構成されている。より詳細には、メッシュ218は、その対向する両端間に長手方向へ延びる第3のコンパートメントを画定するメッシュ壁を形成し、これにより、メッシュ216はこの第3のコンパートメント内に配置されている。図面の図2を参照することにより最も良く理解されるように、この場合において、チャンバ204の内面204aに形成されている通路の長手方向軸線224は、また、メッシュ218により形成されている第3のコンパートメントの長手方向軸線でもあるように構成されている。
【0038】
本発明の説明を続けるに、メッシュ216を通過した蒸気−水混合物の水滴の流れは、メッシュ218に対して投げつけられるような傾向にある。そして、水滴のメッシュ218との衝突が、また、なおも水滴と一緒に乗せられている、更なる量の蒸気をメッシュ218に到達した水滴の流れから解放することを行わせしめる。更に、水滴の流れの、メッシュ218との接触は、水滴の流れの速度を更に減少せしめるようにし、また、水滴中に再び乗せられる蒸気の量を減少せしめるようにする。これに関して更に説明するに、このようにして解放された蒸気は、それから、チャンバ204の周囲壁の外面204bの外側を上向き方向へ流れるように構成されている。
【0039】
以上述べた構成の有益な特徴は次の点にある。すなわち、実際にメッシュ216を通過した蒸気−水混合物の流れ中の水滴のすべて又はすべてではないが、メッシュ218により捕えられ、また、メッシュ218に沿って下向き方向へ動いて出口開口225へと動き、この出口開口225からドラム112の底部に存在している液体のプールへ戻されるように構成されている。
【0040】
説明を続けるに、メッシュ214,216及び218とそれぞれ接触するように構成されている蒸気−水混合物の水滴の流れから分離された蒸気は、その結果として、蒸気収集ノズル230へと上向き方向へ流れるように構成されている。この蒸気収集ノズル230は、好適には、“ドーナツ”の形状に作られ、これにより、出口開口220を形成する開口中央部を有し、蒸気−水混合物は、蒸気の取り除きにさらされた後に、チャンバ204の出口開口210から出口開口220を通して排出され、それから、ドラム112内へ解放されて戻される。説明を続けるに、収集ノズル230内に収集された蒸気は、また、従来の構成のひとつ又はそれ以上のノズルオリフィスを通してドラム112内に解放されて戻される。ノズル230は、任意の周知技術の使用に従って設計することができ、これにより、ドラム112内へ戻す蒸気の流れ分配を高めることができる。しかしながら、収集ノズル230の他の構成を、本発明の本質を逸脱することなしに適当に用いることができるものである。
【0041】
蒸気−水混合物は、それからの蒸気の取り除きにさらされた後に、セパレータ124の頂部から流れ、それから、これらのセパレータ124のまわり及び上方に形成されている蒸気用空間に入るように構成され、それから、図1に示されていることを見つけることができるように、蒸気出口182に向かって上向き方向へ流れるように構成されている。その有益な特徴は、次の点にある。すなわち、セパレータ124と蒸気出口182との間に最終蒸気ドライヤーが配置されることにあり、この最終蒸気ドライヤーは図面の参照符号184により総括的に示されている。これに関し、最終蒸気ドライヤー184は、本発明の本質を逸脱することなしに、任意の型式の従来の構成を採用して作ることができ、限定されるものではないが、任意の従来の形の蒸気ドライヤーから成ることができる。最終蒸気ドライヤー184は長年にわたって使用されて、当業者には十分に理解されているので、この最終蒸気ドライヤーの構成の内容及び作用のモードに関する特別の詳細を本明細書において及び/又は例示する必要はないと考えている。
【0042】
以上述べた説明によれば、したがって、新規で改良した分離技術が本発明にしたがって提供され、この分離技術によれば、二相流体の混合物に同伴されている気体を液体から分離すること、例えば、例示的であって限定されるものではないが、蒸気発生システムの蒸気ドラム内において水から蒸気を分離することを行うように構成されている。
【0043】
以上本発明の実施形態について詳述してきたけれども、その多くの変形(そのうちの幾つかは上述されている)が本発明の本質を逸脱することなしに当業者により上記実施形態に対して容易に行うことができることは当業者により容易に認識されるであろう。したがって、特許請求の範囲の記載は上述した変形例のすべて、及び本発明の真の精神及び範囲内にある他の変形例のすべてを保護するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体−液体セパレータにおいて、
チャンバであって、(i)気体−液体混合物の流れを受け入れる入口開口と、(ii)前記気体−液体混合物を通過させて排出する出口開口と、(iii)内面及び外面を包含し、前記内面が前記入口開口と前記出口開口との間に長手方向へ延びる通路を画定している壁と、(iv)前記壁の前記内面と前記外面との両方を貫通して形成されているスロットとを有しているチャンバと、
前記スロットより下に位置するようにして前記通路内に配置されている複数のスピナブレードであって、前記気体−液体混合物の流れを回転せしめるような形状とされ、これにより、回転上昇している前記気体−液体混合物の流れに同伴されている液滴を前記壁の前記内面に対して遠心力により付勢せしめ、それから前記スロットを通過させるようにしている、複数のスピナブレードと、
を包含し、
前記通路が前記気体−液体混合物の流れを前記出口開口へさし向けるようにしている気体−液体セパレータ。
【請求項2】
前記スロットが前記壁の周囲部に沿って延びている、請求項1記載の気体−液体セパレータ。
【請求項3】
前記スロットが一連の互いに隣接するスロットのひとつであり、前記一連の互いに隣接するスロットの各々が前記チャンバの前記壁の前記内面を貫通して及び前記外面を貫通して形成されている、請求項1記載の気体−液体セパレータ。
【請求項4】
前記複数のスピナブレードが前記入口開口と前記出口開口との間のほぼ中間に配置されている、請求項1記載の気体−液体セパレータ。
【請求項5】
更に、前記スロットを通して流れた前記気体−液体混合物の前記液滴の通路内に位置するようにして前記チャンバの外側に配置されているメッシュを包含している、請求項1記載の気体−液体セパレータ。
【請求項6】
前記メッシュが前記通路の長手方向軸線と実質的に直交する平面内に延びているクリーズを有している、請求項5記載の気体−液体セパレータ。
【請求項7】
前記メッシュが(i)第1の端、(ii)第2の端、及び(iii)前記第1の端と前記第2の端との間に長手方向へ延びているコンパートメントを画定するメッシュ壁を有し、前記チャンバが前記コンパートメント内に配置されていると共に、前記通路の長手方向軸線が前記コンパートメントの長手方向軸線でもある、請求項5記載の気体−液体セパレータ。
【請求項8】
前記メッシュが第1のメッシュであり、更に、前記第1のメッシュを通過した前記気体−液体混合物の前記液滴の通路内に位置するようにして前記チャンバの外側に配置されている第2のメッシュを包含している、請求項5記載の気体−液体セパレータ。
【請求項9】
前記第1のメッシュが(i)第1の端、(ii)第2の端、及び(iii)前記第1の端と前記第2の端との間に長手方向へ延びている第1のコンパートメントを画定するメッシュ壁を有し、
前記第2のメッシュが(i)第1の端、(ii)第2の端、及び(iii)前記第1の端と前記第2の端との間に長手方向へ延びている第2のコンパートメントを画定するメッシュ壁を有し、
前記チャンバが前記第1のコンパートメント内に配置され、また前記第1のメッシュが前記第2のコンパートメント内に配置され、かつ前記通路の長手方向軸線が前記第1のコンパートメント及び前記第2コンパートメントの各々の長手方向軸線でもある、請求項8記載の気体−液体セパレータ。
【請求項10】
更に、前記第2のメッシュを通過した前記気体−液体混合物の前記液滴の通路内に位置するようにして前記チャンバの外側に配置されている第3のメッシュを包含している、請求項8記載の気体−液体セパレータ。
【請求項11】
前記第1のメッシュが(i)第1の端、(ii)第2の端、及び(iii)前記第1の端と前記第2の端との間に長手方向へ延びている第1のコンパートメントを画定するメッシュ壁を有し、
前記第2のメッシュが(i)第1の端、(ii)第2の端、及び(iii)前記第1の端と前記第2の端との間に長手方向へ延びている第2のコンパートメントを画定するメッシュ壁を有し、
前記第3のメッシュが(i)第1の端、(ii)第2の端、及び(iii)前記第1の端と前記第2の端との間に長手方向へ延びている第3のコンパートメントを画定するメッシュ壁を有し、
前記チャンバが前記第1のコンパートメント内に配置され、また前記第1のメッシュが前記第2のコンパートメント内に配置され、更に前記第2のメッシュが前記第3のコンパートメント内に配置され、かつ前記通路の長手方向軸線が前記第1のコンパートメント、前記第2コンパートメント及び前記第3のコンパートメントの各々の長手方向軸線でもある、請求項10記載の気体−液体セパレータ。
【請求項12】
前記気体−液体混合物の気体が蒸気であると共に、前記気体−液体混合物の液体が水である、請求項1記載の気体−液体セパレータ。
【請求項13】
入口と出口とを有し、周囲壁により画定されている通路であって、前記周囲壁がこの周囲壁に設けられている貫通スロットを有している前記通路内を流れるようにされている気体−液体混合物から液体を分離する方法において、
前記気体−液体混合物の流れを前記通路の前記入口で受け入れること、
前記通路の前記入口で受け入れた前記気体−液体混合物の液滴に遠心力を加え、これらの液滴を強制的に前記周囲壁の前記貫通スロットを通して流れせしめるようにすること、及び、
前記液滴を前記気体−液体混合物から取り除いた後に前記気体−液体混合物の流れを前記通路の前記出口から排出すること、
を包含している方法。
【請求項14】
更に、前記スロットを通して流れるようにした前記液滴をスクリーニングすることを包含している、請求項13記載の方法。
【請求項15】
更に、すでにスクリーニングにさらした後の前記液滴の少なくとも一部分を再びスクリーニングすることを包含している、請求項14記載の方法。
【請求項16】
更に、すでに再びスクリーニングにさらした後の前記液滴の少なくとも一部分をさらに再びスクリーニングすることを包含している、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記気体−液体混合物の気体が蒸気であると共に、前記気体−液体混合物の液体が水である、請求項13記載の方法。
【請求項18】
気体−液体セパレータにおいて、
(i)入口開口、(ii)出口開口、及び(iii)内面及び外面を有し、前記内面が前記入口開口と前記出口開口との間に長手方向へ延びる通路を画定している壁と、(iv)前記壁の周囲部に沿って延びると共に前記壁の前記内面及び前記外面の両方を貫通して形成されている、一連の互いに隣接するスロットとを有している円筒形のチャンバと、
前記スロットより下に位置するようにして前記通路内に配置されている複数のスピナブレードと、
(i)第1の端、(ii)第2の端、及び(iii)(a)前記第1の端と前記第2の端との間に長手方向へ延びていると共に(b)内部に前記円筒形のチャンバが配置されている第1のコンパートメントを画定するメッシュ壁を有する第1のメッシュと、
(i)第1の端、(ii)第2の端、及び(iii)(a)前記第1の端と前記第2の端との間に長手方向へ延びていると共に(b)内部に前記第1のメッシュが配置されている第2のコンパートメントを画定するメッシュ壁を有する第2のメッシュと、
(i)第1の端、(ii)第2の端、及び(iii)(a)前記第1の端と前記第2の端との間に長手方向へ延びていると共に(b)内部に前記第2のメッシュが配置されている第3のコンパートメントを画定するメッシュ壁を有する第3のメッシュと、
を包含している気体−液体セパレータ。
【請求項19】
前記第1のメッシュの前記メッシュ壁が前記通路の長手方向軸線と実質的に直交する平面内に延びているクリーズを有している、請求項18記載の気体−液体セパレータ。
【請求項20】
前記通路、前記第1のコンパートメント、前記第2のコンパートメント及び前記第3のコンパートメントの各々が同一の長手方向軸線を有している、請求項18記載の気体−液体セパレータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−515640(P2011−515640A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−547670(P2010−547670)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/032353
【国際公開番号】WO2009/105316
【国際公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(503416353)アルストム テクノロジー リミテッド (394)
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5401 Baden, Switzerland
【Fターム(参考)】