説明

ハンマーグラブ

【課題】本発明の課題は、立坑掘削の歳に使用されるハンマーグラブが土砂を確実に掴み取ることが出来るようにすることにある。
【解決手段】ハンマーグラブ1の可動枠8の周面に下方に向かって次第に突出するくさび面41を設け、該可動枠8を吊り込みワイヤー22によって引上げる時、該くさび面41によって摺動ブロック30を外方に突出させ、該摺動ブロック30の押圧板36をケーシングCの内壁面に押圧することによって、該ハンマーグラブ1のシェル17が土砂Sを掴み取る場合の浮き上りを阻止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は立坑掘削に使用するハンマーグラブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
〔発明の背景〕
立坑を掘削するにはケーシングを回転あるいは揺動させつゝ掘削地山にその先端を押し付け、該地山を該ケーシングの先端刃先のチップで切り付けながら掘り進み、地山の土砂を該ケーシング内に取り込む。そして該ケーシング内に取り込まれた土砂をハンマーグラブで掴み取り、坑外へ搬出するオールケーシング工法が適用される。
上記オールケーシング工法にあっては、地盤の土質が細粒分を多く含んで強固な場合や礫層の場合には、ハンマーグラブ先端のシェルが該地盤に食い込みにくゝなり、ハンマーグラブを吊り込むワイヤーをシェルを閉じる手段として兼用しているために、該ワイヤーを巻き上げてシェルを閉じようとすると、シェル先端が地山表面を滑ってハンマーグラブが浮上がり、土砂を掴まないまゝでハンマーグラブを上昇させることになる。
上記問題を解決するための手段として、地盤が強固であったり礫層である場合には、ハンマーグラブを高い位置から自由落下させ、該ハンマーグラブの自重にもとづく落下エネルギーによってシェルを地盤に食い込ませることによってシェルが土砂を掴み取り易くしている。
しかしこのような手段では、ハンマーグラブが破損し易く、またケーシングの磨耗も激しく、更にハンマーグラブ落下時の衝撃音と衝撃波が周囲に拡がり、工事個所周辺の公害問題にも発展する。またケーシング底部に水が溜まっている場合には、該水によってハンマーグラブの落下エネルギーが吸収され、シェルが地盤に充分食い込ませることが出来なくなってしまう。
【0003】
〔従来の技術〕
従来、ハンマーグラブの浮上がりを防止するために、ハンマーグラブにグリッパーを取付け、該グリッパーを油圧等の動力によってケーシング内壁面に押圧し、該グリッパーとケーシング内壁面との摩擦力によってハンマーグラブの浮上がりを阻止する構成が提供されている(例えば特許文献1参照、関連技術として例えば特許文献2〜6参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平5−100853号公報
【特許文献2】特開平7−11859号公報
【特許文献3】特開2001−323768号公報
【特許文献4】特開2002−357069号公報
【特許文献5】特開2004−76301号公報
【特許文献6】特開2004−143777号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記構成では、グリッパーの伸縮に油圧等の動力を使用するから、ハンマーグラブにこのような動力源を設置する必要があり、ハンマーグラブの重量が大きくなりかつ構造が複雑となり、また高価なものとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するための手段として、機枠2上部に固定した固定枠4に一個または二個以上の滑車13を軸支せしめ、機枠2下部に上下摺動可能に配置した可動枠8に一個または二個以上の滑車15を軸支せしめ、上方からの吊り込みワイヤー22を該固定枠4の滑車13と該可動枠4の滑車15との間に懸架し、該機枠2下端には左右一対のシェル17を開閉可能に支持したシェル取付枠16を配置し、該シェル17の根端から延設したアーム19先端を該可動枠8下側のリンク支持枠20に一端部を回動可能に支持されているリンク杆21の他端に回動可能に接続し、該吊り込みワイヤー22を引上げると該固定枠4の滑車13と該可動枠8の滑車15とを介して該可動枠8が該機枠2に対して上昇することによって該シェル17が閉じる方向に回動するハンマーグラブ1であって、該可動枠8の上下摺動範囲において該機枠2の外周には外方に突出可能な摺動ブロック30の複数個を放射状に取付け、該摺動ブロック30の先端にはケーシングC内壁面に押圧される押圧板36を取付け、一方該可動枠8の周面には下方に向かって次第に突出するくさび面41を設け、該可動枠8のくさび面41を該摺動ブロック30の根端に当接し、該可動枠8の上昇により該くさび面41によって該摺動ブロック30が外側に突出して該摺動ブロック30の押圧板36がケーシングC内壁面に押圧されるハンマーグラブ1を提供するものである。
該くさび面41の下端から垂直面42が形成され更に該垂直面42の下端から下方に向かって次第に凹陥する下側くさび面43が形成され、該摺動ブロック30根端が該可動枠8のくさび面41の下端に当接した位置で該摺動ブロック30は最大突出状態となって該摺動ブロック30の押圧板36がケーシングC内壁面に押圧されかつ該摺動ブロック30根端が該可動枠8のくさび面41の下端に当接した位置あるいはそれより下方の垂直面42に当接している範囲で該シェル17は閉じた状態となり、該摺動ブロック30根端が該可動枠8の下側くさび面43に当接する範囲で該摺動ブロック30は内側に摺動して該摺動ブロック30の押圧板36のケーシングC内壁面に対する押圧が解かれるように設定されていることが好ましい。また該摺動ブロック30の根端には該可動枠8のくさび面41に当接する根端ローラー32が回転可能または回転を固定して取付けられており、該摺動ブロック30の先端には先端ローラー34が回動可能に取付けられ、該先端ローラー34の外側には押圧板36が設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
〔作用〕
請求項1
ハンマーグラブ1をケーシングC内に吊り込みワイヤー22を介して下降させ、ケーシングC底部地盤面に到達させ、該シェル17の先端を該地盤面に食い込ませる。この状態で吊り込みワイヤー22を引上げ、該ハンマーグラブ1の可動枠8を上昇させると、該摺動ブロック30の根端が該可動枠8のくさび面41上を摺動し、該可動枠8のくさび面41によって摺動ブロック30が突出され、該摺動ブロック30の押圧板36がケーシングCの内壁面に押圧され、同時に該可動枠8の上昇によってシェル17が閉じる方向に回動し、該ケーシングC底部の土砂Sを掴み取る。この際にハンマーグラブ1の浮上がりは、上記したように押圧板36のケーシングC内壁面に対する押圧による摩擦力によって阻止され、該シェル17は確実に地盤に食い込んで土砂Sを掴み取る。
【0008】
請求項2
更に吊り込みワイヤー22を引上げ、ハンマーグラブ1の可動枠8を上昇させると、該摺動ブロック30の根端は、更に該くさび面41の下端から形成されている垂直面42を摺動し、該摺動ブロック30の押圧板36は該ケーシングCの内壁面に対する押圧状態を維持し、該ハンマーグラブ1の浮上がりを阻止し、そして該シェル17は順調に地盤に食い込み土砂を掴み取る。
更に可動枠8を上昇させると、該摺動ブロック30の根端が該垂直面42に続く下側のくさび面43に当接し、、該摺動ブロック30の押圧板36のケーシングC内壁面に対する押圧が解かれ、可動枠8が上昇し上端に到達すると、シェル17が土砂を掴み取った状態で該ハンマーグラブ1は吊り込みワイヤー22によって坑外へ搬出される。
【0009】
請求項3
該摺動ブロック30の根端の根端ローラー32は、該可動枠8のくさび面41を円滑に摺動する。また押圧板36は先端ローラー34の回動によってケーシングC内壁面に沿い易くなる。
【0010】
請求項4
先端ローラー34の押圧板36には、斜め上方から突出し方向へ押圧力が及ぼされる。ハンマーグラブ1のシェル17が大きな岩石を掴んでこれ以上閉じることが出来なくなった時、斜め上方から押圧力が及ぼされている該押圧板36には先端ローラー34を介して下側に回動する。この際、該押圧板36の上端位置は該先端ローラー34の軸と高さレベルが同一に設定されているから、該押圧板36は該ケーシングCの内壁面に干渉されずに回動する。かくして該押圧板36の該ケーシングCの内壁面に対する押圧が解放され、該シェル17が岩石を掴んで半開き状態のまゝでハンマーグラブ1は該吊り込みワイヤー22によって坑外へ搬出される。
【0011】
〔効果〕
本発明にあっては、油圧シリンダのような動力源を使用することなく、吊り込みワイヤーの引上げ力によって押圧板をケーシング内壁面に押圧するから、ハンマーグラブの重量を増大させたり、構造を複雑化させることなくハンマーグラブの浮上が阻止され、シェルによって地盤から確実に土砂を掴み取り、坑外へ搬出することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を図1〜図9に示す一実施例によって以下に詳細に説明する。
図に示すハンマーグラブ1において、2は機枠であって、該機枠2の主要部は複数個(本実施例では3個)の周枠3と、該周枠3の上部に支持されている固定枠4と、該周枠3の下端に支持されている基枠5とからなる。
各周枠3の上端は内側に折曲げられてその先端には吊り込みワイヤーガイドブラケット6が支持されており、該ワイヤガイドブラケット6はワイヤガイド貫通孔7が設けられている。
【0013】
該機枠2の下端には可動枠8が上下摺動可能に配置されている。そして該固定枠4の上側の軸受け9にはワイヤガイドプーリー10が軸支され、下側の軸受け枠11にはワイヤガイドプーリー12と複数個(本実施例では2個)の滑車13が軸支されている。更に可動枠8の下側の軸受け枠14には複数個(本実施例では3個)の滑車15が軸支されている。
【0014】
該機枠2の下端にはシェル取付枠16が取付けられており、該シェル取付枠16の両端には左右一対のシェル17の根端軸18が軸支されており、該シェル17の根端からはアーム19が差出されており、該アーム19先端には該可動枠8の軸受け枠14の下側に設けられているリンク支持枠20に一端を回動可能に支持されているリンク杆21の他端が回動可能に接続している。
【0015】
上記ハンマーグラブ1は鎖状の吊り込みワイヤー22によって吊り下げられてケーシングC内に導入されるが、該吊り込みワイヤー22は上方から該ハンマーグラブ1のワイヤガイドブラケット6のワイヤガイド貫通孔7を貫通し、その先端には端末ワイヤ23が接続され、該端末ワイヤ23は固定枠4の上側軸受け9に支持されているワイヤガイドプーリー10および下側軸受け11に軸支されているワイヤガイドプーリー12を介して固定枠4の複数個の滑車15との間に懸架され、該端末ワイヤ23の末端は該固定枠4側に固定されている。
そして該吊り込みワイヤー22を引上げることによって端末ワイヤ23を介して可動枠8が上昇するが、該可動枠8からは上方に複数本のガイド棒24が立設されており、該ガイド棒24が該固定枠4のガイド筒25によってガイドされる。
【0016】
上記ハンマーグラブ1の周枠3には図2および図3に示すように、バンド26が固定されており、該バンド26には複数個(本実施例では3個)の筒状ガイド27が台座28を介してボルトナット29によって取付けられている。なお筒状ガイド27は該周枠3間に放射状に配置されている。該筒状ガイド27には摺動ブロック30が摺動可能に内挿されており、上下のリターンスプリング30Aによって引込み方向に付勢されており、該摺動ブロック30の根端には軸穴体31の周りに左右一対の根端ローラー32が回転可能に取付けられ、該摺動ブロック30の先端には軸芯体33の周りに左右一対の先端ローラー34が回転可能に取付けられている。該先端ローラー34と該根端ローラー32とは図示しないリターンスプリングによってそれぞれ矢印イ、ロ方向に付勢されている。本実施例では根端ローラー32、先端ローラー34共に左右一対設けたが、これらローラは左右に分割せず一体にしてもよい。
【0017】
該先端ローラー34の前半部には切欠き部35が形成されており、先端には押圧板36が取付けられており、該押圧板36の前面(押圧面)には摩擦材料であるゴム板37が貼着されており、該ゴム板37の押圧面には無数の突起38が形成されて摩擦効果を向上せしめるようにされている。
なお、該筒状ガイド27が取付けられているバンド26は三つ割りとされ、フランジ26A,26Aを介して相互にボルトナット39によって連結されている。本実施例において該バンド26を分割するのは既製のハンマーグラブに本発明の構成を付加する場合であり、新規のハンマーグラブに本発明の構成を具備させる場合には、該バンド26は分割することなく一体にしてもよい。更に本発明ではバンドを取付けることなく周枠3に取付け孔を設けて、該取付け孔に直接筒状ガイド27を取付けてもよい。
【0018】
該摺動ブロック30の根端ローラー32は、可動枠8の軸受け枠14の周面には該筒状ガイド27取付け位置に対応して複数個(本実施例では3個)のくさびブロック40が取付けられている。該くさびブロック40には上端から下方に向かって次第に曲面状に突出するくさび面41、該くさび面41の下端に続く垂直面42、そして該垂直面42の下端に続いて下方に向かって次第に曲面状に凹陥する下側くさび面43が一体的に形成されている。
【0019】
上記構成のハンマーグラブ1は前記したように吊り込みワイヤー22によって吊り下げられてケーシングC内に導入され、図1に示すようにシェル17の先端が該ケーシングC内の土砂Sに当接した状態となっている。この状態から吊り込みワイヤー22を介して端末ワイヤ23を引上げると、可動枠8が上昇する。
可動枠8の上昇に伴って該可動枠8のリンク支持枠20によってリンク杆21,21が引上げられ、アーム19,19を介して左右のシェル17,17が閉じ、図5に示すように該シェル17,17は土砂Sを掴み取る。
【0020】
更に該可動枠8の上昇に伴い該可動枠8の軸受け枠14周面のくさびブロック40のくさび面41によって摺動ブロック30は根端ローラー32を介して図3矢印に示すように突出され、図6に示すように該摺動ブロック30の先端ローラー34の押圧板36のゴム板37がケーシングC内壁面に押圧され、かくしてシェル17によって土砂Sを掴み取る際のハンマーグラブ1の浮き上りが阻止される。
【0021】
図6によって押圧力の作用方向を説明すると、摺動ブロック30の先端ローラー34の中心P2 は根端ローラー32のP1 よりも低位に設定されており、それによって押圧板36の押圧面には斜め下方に押圧力が作用する。かくしてシェル17が土砂Sを掴み取る際に発生する上向きの力に対して該先端ローラー34が図6矢印イ方向に回転してしまうことが阻止され、該押圧板36の押圧力が有効にケーシングC内壁面に作用する。
【0022】
更に可動枠8が上昇すると該摺動ブロック30の根端ローラー32はくさびブロック40の下側くさび面43にさし掛り、図7に示すように該摺動ブロック30の押圧板36のゴム板37がケーシングC内壁面から解放され、ハンマーグラブ1は吊り込みワイヤー22によって端末ワイヤ23を介して引上げることが出来るようになる。このようにしてシェル17に掴み取られた土砂Sは坑外へ搬出される。
【0023】
図8に示すようにシェル17が石Stを掴んだ場合には、シェル17は完全に閉じることが出来ず、半開きの状態に止まる。しかし図9に示すように、該摺動ブロック30の先端ローラー34には斜め下方に押圧力が作用しているから、ハンマーグラブ1を引上げる際の上向きの力によって該先端ローラー34は矢印ロ方向に転動し、押圧板36によるケーシングC内壁面に対する押圧が解放され、ハンマーグラブ1は吊り込みワイヤー22によって端末ワイヤ23を介してシェル17半開き状態のまゝ引上げることが出来る。
【0024】
この際該先端ローラー34の押圧板36の上端位置は該先端ローラー34の軸P2 の高さレベルLと同一に設定されているのて、該押圧板36の上端部分が該ケーシングCの内壁面に当たって該先端ローラー34の回転を阻害することはない。しかし本発明にあっては、図9点線に示すように押圧板36の上端部分36AをレベルLよりも上方に延ばしても、該上端部分36Aの押圧面を軸P2 を中心とする円弧に形成すれば、該先端ローラー34が回転する時、該押圧板36の上端部分36Aが該ケーシングCの内壁面に当らない。該押圧板36の押圧面にゴム板37が貼着されている場合には、該ゴム板37は厚みを縮小可能であるから、該押圧板36の上端部分36Aの押圧面は上記円弧より若干外側に突出していてもよい。
【0025】
上記実施例以外、摺動ブロック30の筒状ガイド27はバンド26に一体的に形成されてもよいし、バンド26を取付けることなく、機枠2の周枠3に直接取付けられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明はのハンマーグラブは構造が簡単で安価に提供出来、かつシェルで土砂を掴み取る場合でも浮き上りが阻止されるので、地盤にハンマーグラブを食い込ませるために落下させる必要がなくなり、周辺に震動や騒音のような公害を及ぼさない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1〜図9は本発明の一実施例を示すものである。
【図1】ケーシング内に導入した状態のハンマーグラブ説明図
【図2】摺動ブロックの配置説明図
【図3】摺動ブロックの説明側面図
【図4】摺動ブロックの説明斜視図
【図5】土砂を掴み取った状態のハンマーグラブ説明図
【図6】ケーシング内壁面押圧状態の摺動ブロックの説明側面図
【図7】ケーシング内壁面押圧解放状態の摺動ブロックの説明側面図
【図8】石を掴んだ状態のハンマーグラブ説明図
【図9】先端ローラー転動状態の摺動ブロックの説明側面図
【符号の説明】
【0028】
1 ハンマーグラブ 2 機枠
3 周枠
4 固定枠
5 基枠
6 ワイヤガイドブラケット
8 可動枠
12 ワイヤガイドプーリー
13,15 滑車
16 シェル取付枠
17 シェル
18 根端軸
19 アーム
20 リンク支持枠
21 リンク杆
22 吊り込みワイヤー
24 ガイド棒
27 ガイド筒
30 摺動ブロック
32 根端ローラー
34 先端ローラー
36 押圧板
37 摩擦材料(ゴム板)
40 くさびブロック
41 くさび面
42 垂直面
43 下側くさび面
C ケーシング
1 根端ローラーの中心
2 先端ローラーの中心
S 土砂
St 石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機枠上部に固定した固定枠に一個または二個以上の滑車を軸支せしめ、機枠下部に上下摺動可能に配置した可動枠に一個または二個以上の滑車を軸支せしめ、上方からの吊り込みワイヤーを該固定枠の滑車と該可動枠の滑車との間に懸架し、該機枠下端には左右一対のシェルを開閉可能に支持したシェル取付枠を配置し、該シェルの根端から延設したアーム先端を該可動枠下側のリンク支持枠に一端部を回動可能に支持されているリンク杆の他端に回動可能に接続し、該吊り込みワイヤーを引上げると該固定枠の滑車と該可動枠の滑車とを介して該可動枠が該機枠に対して上昇することによって該シェルが閉じる方向に回動するハンマーグラブであって、該可動枠の上下摺動範囲において該機枠の外周には外方に突出可能な摺動ブロックの複数個を放射状に取付け、該摺動ブロックの先端にはケーシング内壁面に押圧される押圧板を取付け、一方該可動枠の周面には下方に向かって次第に突出するくさび面を設け、該可動枠のくさび面を該摺動ブロックの根端に当接し、該可動枠の上昇により該くさび面によって該摺動ブロックが外側に突出して該摺動ブロックの押圧板がケーシング内壁面に押圧されることを特徴とするハンマーグラブ。
【請求項2】
該くさび面の下端から垂直面が形成され更に該垂直面の下端から下方に向かって次第に凹陥する下側くさび面が形成され、該摺動ブロック根端が該可動枠のくさび面の下端に当接した位置で該摺動ブロックは最大突出状態となって該摺動ブロックの押圧板がケーシング内壁面に押圧されかつ該摺動ブロック根端が該可動枠のくさび面の下端に当接した位置あるいはそれより下方の垂直面に当接している範囲で該シェルは閉じた状態となり、該摺動ブロック根端が該可動枠の下側くさび面に当接する範囲で該摺動ブロックは内側に摺動して該摺動ブロックの押圧板のケーシング内壁面に対する押圧が解かれるように設定されている請求項1に記載のハンマーグラブ。
【請求項3】
該摺動ブロックの根端には該可動枠のくさび面に当接する根端ローラーが回転可能または回転を固定して取付けられており、該摺動ブロックの先端には先端ローラーが回動可能に取付けられ、該先端ローラーの外側には押圧板が設けられている請求項2に記載のハンマーグラブ。
【請求項4】
該先端ローラーの軸は高さレベルが該根端ローラーの軸よりも低位に設定され、かつ該押圧板の上端位置は該先端ローラーの軸と高さレベルが同一に設定されている請求項3に記載のハンマーグラブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−348469(P2006−348469A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−172062(P2005−172062)
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【出願人】(594187611)
【出願人】(594084354)株式会社ヤマダ工業 (1)
【出願人】(503304201)株式会社中建サービス (1)
【Fターム(参考)】