説明

ハードコート用組成物

【課題】塗膜の高密着性、高透明性を損なうことなく、優れた表面保護機能を発現する硬化膜を与えるハードコート用組成物を提供する。
【解決手段】4−(メタ)アクリロイルモルホリン(A)、水酸基を1つ以上有する3官能以上の(メタ)アクリレート(B)及び重合開始剤(C)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型ハードコート用組成物。(B)は、炭素数5〜12の4価以上の脂肪族若しくは脂環式多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート及び該多価アルコールの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド1〜30モル付加物のポリ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の(メタ)アクリレートであることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線照射で硬化し、基材に塗布した際に高硬度の硬化膜を与え、特にディスプレイ用途として有用な活性エネルギー線硬化型ハードコート用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハードコート剤は、プラスチック表面への粉塵付着の防止や、摩擦による擦り傷を防止する目的で用いられている。
特にブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(EL)、タッチパネルなどのディスプレイ分野において用いられるハードコート剤はパネル前面の表面保護をはじめ、プラスチック表面への密着性、高画質を得るための高透明性などを兼ね備えたものが望まれている。
更にその他の分野、例えば光ディスク、光ファイバ、LCD中の偏光子などにおいても、表面保護機能、高密着性及び高透明性を兼ね備えたハードコート剤が望まれている。
【0003】
一般に、ハードコート剤においては、ハードコート塗膜に表面保護機能を付与する目的として、無機フィラーの添加(例えば特許文献1)が提案されている。
しかし、無機フィラー添加系では、コーティング層中の無機フィラーの含有量が少ないと十分な表面保護機能が発現せず、含有量が多いと塗膜の密着性及び透明性を損ね、コストが非常に高くなる等の問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−171216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、塗膜の高密着性、高透明性を損なうことなく、優れた表面保護機能を発現する硬化膜を与えるハードコート用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。即ち本発明は、4−(メタ)アクリロイルモルホリン(A)、水酸基を1つ以上有する3官能以上の(メタ)アクリレート(B)及び重合開始剤(C)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型ハードコート用組成物;並びに上記の組成物が活性エネルギー線により硬化されてなるハードコート塗膜;である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の活性エネルギー線硬化型ハードコート用組成物は、以下の効果を奏する。
(1)本発明の組成物が硬化されてなる硬化物(ハードコート塗膜)は、高硬度を発現する。
(2)本発明の組成物が硬化されてなる硬化物(ハードコート塗膜)は、基材への高密着性を発現する。
(3)本発明の組成物が硬化されてなる硬化物(ハードコート塗膜)は、高透明性を発現する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の活性エネルギー線硬化型ハードコート用組成物は、4−(メタ)アクリロイルモルホリン(A)、水酸基を1つ以上有する3官能以上の(メタ)アクリレート(B)及び重合開始剤(C)を含有する。
尚、上記及び以下において、「アクリロイル」、「メタクリロイル」の双方又はいずれかを指す場合「(メタ)アクリロイル」と、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方又はいずれかを指す場合「(メタ)アクリレート」と、「アクリル」、「メタクリル」の双方又はいずれかを指す場合「(メタ)アクリル」と、それぞれ記載することがある。
【0009】
本発明の活性エネルギー線硬化型ハードコート用組成物は、4−(メタ)アクリロイルモルホリン(A)を含有することにより硬化物の密着性が向上する。
4−(メタ)アクリロイルモルホリン(A)の含有量は、表面硬度及び密着性の観点から、ハードコート用組成物の重量を基準として、好ましくは1〜80重量%、更に好ましくは3〜60重量%である。
【0010】
本発明における水酸基を1つ以上有する3官能以上(好ましくは3〜6官能)の(メタ)アクリレート(B)としては、炭素数5〜12の4価以上の脂肪族若しくは脂環式多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート及び該多価アルコールの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド1〜30モル付加物のポリ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
尚、上記「3官能以上の(メタ)アクリレート」とは、(メタ)アクリロイル基の数が3つ以上の(メタ)アクリレートを意味し、以下同様の記載法を用いる。
(B)の具体例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート及び下記一般式(1)で表される(メタ)アクリレートが挙げられる。(B)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0011】
【化1】

【0012】
式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、a、b及びcはそれぞれ独立に0〜10の整数であり、a、b及びcが同時に0になることはない。
【0013】
これらの内、表面硬度及び密着性の観点から好ましいのは、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートである。
【0014】
水酸基を1つ以上有する3官能以上の(メタ)アクリレート(B)の含有量は、表面硬度及び密着性の観点から、ハードコート用組成物の重量を基準として、好ましくは1〜90重量%、更に好ましくは3〜85重量%、特に好ましくは5〜80重量%である。
【0015】
本発明における重合開始剤(C)としては、例えばアシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(C1)、α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(C2)、ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(C3)、α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(C4)、ベンゾイン誘導体系重合開始剤(C5)、オキシムエステル誘導体系重合開始剤(C6)、チタノセン誘導体系重合開始剤(C7)、有機過酸化物系重合開始剤(C8)、アゾ化合物系重合開始剤(C9)及びその他のラジカル開始剤(C10)が挙げられる。(C)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0016】
アシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(C1)としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド[チバジャパン社製(DAROCUR TPO)]及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド[チバジャパン社製(IRGACURE 819)]等が挙げられる。
【0017】
α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(C2)としては、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン[チバジャパン社製(IRGACURE 907)]、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン[チバジャパン社製(IRGACURE 369)]及び1,2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン[チバジャパン社製(IRGACURE 379)]等が挙げられる。
【0018】
ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(C3)としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン[チバジャパン社製(IRGACURE 651)]等が挙げられる。
【0019】
α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(C4)としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン[チバジャパン社製(IRGACURE 184)]、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン[チバジャパン社製(DAROCUR 1173)]、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン[チバジャパン社製(IRGACURE 2959)]及び2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン[チバジャパン社製(IRGACURE 127)]等が挙げられる。
【0020】
ベンゾイン誘導体系重合開始剤(C5)としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。
【0021】
オキシムエステル誘導体系重合開始剤(C6)としては、1,2−オクタンジオン−1−(4−[フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)][チバジャパン社製(IRGACURE OXE 01)]及びエタノン−1−(9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)[チバジャパン社製(IRGACURE OXE 02)]等が挙げられる。
【0022】
チタノセン誘導体系重合開始剤(C7)としては、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム[チバジャパン社製(IRGACURE 784)]等が挙げられる。
【0023】
有機過酸化物系重合開始剤(C8)としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5,−ジメチル−2,5,−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3,−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド及びt−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド等が挙げられる。
【0024】
アゾ化合物系重合開始剤(C9)としては、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)及び2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。
【0025】
その他の重合開始剤(C10)としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等が挙げられる。
【0026】
これらの内、光硬化性の観点から好ましいのは、アシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(C1)、α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(C2)、ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(C3)、α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(C4)、ベンゾイン誘導体系重合開始剤(C5)、オキシムエステル誘導体系重合開始剤(C6)及びチタノセン誘導体系重合開始剤(C7)であり、更に好ましいのはアシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(C1)である。
【0027】
重合開始剤(C)の含有量は、光硬化性の観点から、ハードコート用組成物の重量を基準として、好ましくは0.05〜30重量%、更に好ましくは0.1〜20重量%である。
【0028】
本発明の活性エネルギー線硬化型ハードコート用組成物は、更に、活性エネルギー線により酸を発生する酸発生剤(D)を含有することができる。(D)を含有することにより硬化性が向上する。
活性エネルギー線により酸を発生する酸発生剤(D)としては、例えばスルホニウム塩誘導体(D1)及びヨードニウム塩誘導体(D2)が挙げられる。(D)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0029】
スルホニウム塩誘導体(D1)としては、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボラート、トリフェニルスルホニウムブロミド、トリ−p−トリルスルホニウムヘキサフルオロホスファート、トリ−p−トリルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、[p−(フェニルメルカプト)フェニル]ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスファート[サンアプロ(株)製「CPI−100P]及び[p−(フェニルメルカプト)フェニル]ジフェニルスルホニウム[トリ(パーフルオロエチル)]トリフルオロホスファート等が挙げられる。
【0030】
ヨードニウム塩誘導体(D2)としては、ヨードニウム(4−メチルフェニル){4−(2−メチルプロピル)フェニル}−ヘキサフルオロフォスフェート[チバジャパン社製(DAROCUR 250)]、ヨードニウム[ビス(4−t−ブチルフェニル)]ヘキサフルオロフォスフェート、ヨードニウム[ビス(4−t−ブチルフェニル)]トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]フォスフェート、ヨードニウム[ビス(4−メトキシフェニル)]トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]フォスフェート、ヨードニウム[ビス(4−メトキシフェニル)][テトラキス(パーフルフェニル)]ボレート及び下記化学式(2)で表される化合物等が挙げられる。
【0031】
【化2】

【0032】
これらの内、光硬化性の観点から化学式(2)で表される化合物が好ましい。
【0033】
酸発生剤(D)の含有量は、光硬化性の観点から、ハードコート用組成物の重量を基準として、好ましくは0〜30重量%、更に好ましくは0.05〜20重量%である。
【0034】
本発明のハードコート用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要により更に(A)及び(B)以外の活性エネルギー線硬化性化合物(E)を含有することができる。(E)としては、例えば炭素数3〜35のアクリルアミド化合物(E1)、炭素数4〜35の(A)及び(B)以外の(メタ)アクリレート化合物(E2)、炭素数6〜35の芳香族ビニル化合物(E3)、炭素数3〜20のビニルエーテル化合物(E4)及びその他の活性エネルギー線硬化性化合物(E5)が挙げられる。
【0035】
炭素数3〜35の(メタ)アクリルアミド化合物(E1)としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
【0036】
炭素数4〜35の(メタ)アクリレート化合物(E2)としては、例えば以下の単官能〜六官能の(A)及び(B)以外の(メタ)アクリレートが挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、エチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロへキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシルカルビトール(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノビニルエーテルモノアクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(以下、EOと記載)変性フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(以下、POと記載)変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート及びEO変性−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0037】
二官能(メタ)アクリレートとしては、1,4−ブタンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート及びトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0038】
三〜六官能の(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート及びソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0039】
炭素数6〜35の芳香族ビニル化合物(E3)としては、ビニルチオフェン、ビニルフラン、ビニルピリジン、スチレン、メチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3−オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4−t−ブトキシカルボニルスチレン、4−メトキシスチレン及び4−t−ブトキシスチレン等が挙げられる。
【0040】
炭素数3〜35のビニルエーテル化合物(E4)としては、例えば以下の単官能又は多官能ビニルエーテルが挙げられる。
尚、上記「単官能ビニルエーテル」とはビニル基の数が1個の、「多官能ビニルエーテル」とはビニル基の数が2個以上の、それぞれビニルエーテル化合物を意味する。
単官能ビニルエーテルとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル及びフェノキシポリエチレングリコールビニルエーテルが挙げられる。
【0041】
多官能ビニルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテル等のジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、EO付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、PO付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、EO付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、PO付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、EO付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、PO付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、EO付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル及びPO付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルが挙げられる。
【0042】
その他の活性エネルギー線硬化性化合物(E5)としては、アクリロニトリル、ビニルエステル化合物(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びバーサチック酸ビニル等)、アリルエステル化合物(酢酸アリル等)、ハロゲン含有単量体(塩化ビニリデン及び塩化ビニル等)及びオレフィン化合物(エチレン及びプロピレン等)等が挙げられる。
【0043】
本発明のハードコート用組成物中の(A)及び(B)以外の活性エネルギー線硬化性化合物(E)の含有量は、ハードコート用組成物の重量を基準として、0〜50重量%であることが好ましく、更に好ましくは0〜30重量%、特に好ましくは0〜20重量%である。
【0044】
本発明のハードコート用組成物は、必要により更に、溶剤、増感剤、密着性付与剤(シランカップリング剤等)、レベリング剤及び重合禁止剤等を含有することができる。
【0045】
溶剤としては、グリコールエーテル(エチレングリコールモノアルキルエーテル及びプロピレングリコールモノアルキルエーテル等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等)、エステル(エチルアセテート、ブチルアセテート、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート及びプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート等)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン、メシチレン及びリモネン等)、アルコール(メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ゲラニオール、リナロール及びシトロネロール等)及びエーテル(テトラヒドロフラン及び1,8−シネオール等)等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
溶剤の含有量は、ハードコート用組成物の重量を基準として、0〜96重量%であることが好ましく、更に好ましくは3〜95重量%、特に好ましくは5〜90重量%である。
【0046】
増感剤としては、ケトクマリン、フルオレン、チオキサントン、アントラキノン、ナフチアゾリン、ビアセチル、ベンジル及びこれらの誘導体、ペリレン並びに置換アントラセン等が挙げられる。増感剤の含有量は、ハードコート用組成物の重量を基準として、0〜20重量%が好ましく、更に好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは5〜10重量%である。
【0047】
密着性付与剤としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム及びアセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。密着性付与剤の含有量は、ハードコート用組成物の重量を基準として、0〜20重量%が好ましく、更に好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは5〜10重量%である。
【0048】
レベリング剤としては、フッ素系のレベリング剤(パーフルオロアルキルEO付加物等)、シリコーン系のレベリング剤(アミノポリエーテル変性シリコーン、メトキシ変性シリコーン及びポリエーテル変性シリコーン等)が挙げられる。レベリング剤の含有量は、ハードコート用組成物の重量を基準として、添加効果及び透明性の観点から、好ましくは2重量%以下、更に好ましくは0.05〜1重量%、特に好ましくは0.1〜0.5重量%である。
【0049】
重合禁止剤としては、ハイドロキノン及びメチルエーテルハイドロキノン類等が挙げられる。重合禁止剤の含有量は、ハードコート用組成物の重量を基準として0〜1重量%が好ましく、更に好ましくは0〜0.1重量%である。
【0050】
本発明のハードコート用組成物は、更に、使用目的に合わせて、無機微粒子、分散剤、消泡剤、チクソトロピー性付与剤、スリップ剤、難燃剤、帯電防止剤、酸化防止剤及び紫外線吸収剤等を含有することができる。
【0051】
本発明のハードコート用組成物は、4−(メタ)アクリロイルモルホリン(A)、水酸基を1つ以上有する3官能以上の(メタ)アクリレート(B)、重合開始剤(C)、並びに必要により、活性エネルギー線により酸を発生する酸発生剤(D)、活性エネルギー線硬化性化合物(E)、溶剤その他の成分等とを、ディスパーサー等で混合攪拌することで得られる。混合攪拌温度は通常10℃〜40℃、好ましくは20℃〜30℃である。
【0052】
本発明のハードコート用組成物の基材への塗布方法としては、スピンコート、ロールコート及びスプレーコート等の公知のコーティング法並びに平版印刷、カルトン印刷、金属印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷及びグラビア印刷といった公知の印刷法を適用できる。また、微細液滴を連続して吐出するインクジェット方式の塗布も適用できる。
塗工膜厚は、硬化乾燥後の膜厚として、通常0.5〜300μmである。乾燥性、硬化性の観点から好ましい上限は250μmであり、耐摩耗性、耐溶剤性、耐汚染性の観点から好ましい下限は1μmである。
【0053】
本発明のハードコート用組成物を溶剤で希釈して使用する場合は、塗工後に乾燥するのが好ましい。乾燥方法としては、例えば熱風乾燥(ドライヤー等)が挙げられる。乾燥温度は、通常10〜200℃、塗膜の平滑性及び外観の観点から好ましい上限は150℃、乾燥速度の観点から好ましい下限は30℃である。
【0054】
本発明のハードコート用組成物を活性光線照射で硬化させる際のエネルギー源としては、一般的に使用されている高圧水銀灯の他、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ及びハイパワーメタルハライドランプ等(UV・EB硬化技術の最新動向、ラドテック研究会編、シーエムシー出版、138頁、2006)が使用できる。また、LED光源を使用した照射装置も好適に使用できる。活性光線の照射時及び/又は照射後に光酸発生剤から発生した酸を拡散させる目的で、加熱を行ってもよい。加熱温度は、通常、30℃〜200℃であり、好ましくは35℃〜150℃、更に好ましくは40℃〜120℃である。
【0055】
本発明のハードコート用組成物を電子線照射で硬化させる際のエネルギー源としては、一般的に使用されている電子線照射装置を使用することができる。
電子線の照射量(Mrad)は、通常0.5〜20、ハードコート用組成物の硬化性及び硬化物の可撓性、硬化膜及び基材の損傷を避けるとの観点から好ましくは1〜15である。
【実施例】
【0056】
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、部は重量部を示す。
【0057】
製造例1
[酸発生剤(D−1){化学式(2)で表される化合物}の合成]
【0058】
【化3】

【0059】
トルエン[東京化成(株)製]6.5部、イソプロピルベンゼン[東京化成(株)製]8.1部、ヨウ化カリウム[東京化成(株)製]5.35部及び無水酢酸20部を酢酸70部に溶解させ、10℃まで冷却し、温度を10±2℃に保ちながら、濃硫酸12部と酢酸15部の混合溶液を1時間かけて滴下した。25℃まで昇温し、24時間攪拌した。その後、反応溶液にジエチルエーテル50部を加え、水で3回洗浄し、ジエチルエーテルを減圧留去した。残渣にカリウム{トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]ホスフェート}118部を水100部に溶解させた水溶液を加え、25℃で20時間攪拌した。その後、反応溶液に酢酸エチル500部を加え、水で3回洗浄し、有機溶剤を減圧留去することで目的とする酸発生剤(D−1)(淡黄色固体)5.0部を得た。
【0060】
実施例1
4−アクリロイルモルホリン[(株)興人製「ACMO」](A−1)28.5部、ペンタエリスリトールトリアクリレート[共栄社化学(株)製「ライトアクリレートPE−3A」](B−1)66.5部、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド[チバジャパン(株)製「DAROCUR TPO」](C−1)4.25部、酸発生剤(D−1)0.5部及びレベリング剤としてアミノポリエーテル変性シリコーン[信越化学(株)製「KF−889」]0.24部を一括で配合し、ディスパーサーで均一に混合攪拌し、本発明のハードコート用組成物(Q−1)を得た。
【0061】
実施例2
酸発生剤(D−1)を使用せず、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド(C−1)の仕込量を4.75部に変更する以外は、実施例1と同様にして本発明のハードコート用組成物(Q−2)を得た。
【0062】
実施例3
4−アクリロイルモルホリン(A−1)10.5部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(B−1)84.5部に変更する以外は、実施例1と同様にして本発明のハードコート用組成物(Q−3)を得た。
【0063】
実施例4
4−アクリロイルモルホリン(A−1)55.5部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(B−1)39.5部に変更する以外は、実施例1と同様にして本発明のハードコート用組成物(Q−4)を得た。
【0064】
実施例5
ペンタエリスリトールトリアクリレート(B−1)をペンタエリスリトールEO3.5モル付加物のトリアクリレート[三洋化成工業(株)製「ネオマーEA−301」](B−2)に変更する以外は、実施例1と同様にして本発明のハードコート用組成物(Q−5)を得た。
【0065】
比較例1
4−アクリロイルモルホリン(A−1)を使用せず、ペンタエリスリトールトリアクリレート(B−1)の仕込み量を95.0部に変更する以外は、実施例1と同様にして比較用のハードコート用組成物(Q’−1)を得た。
【0066】
比較例2
ペンタエリスリトールトリアクリレート(B−1)を使用せず、4−アクリロイルモルホリン(A−1)の仕込量を95.0部に変更する以外は、実施例1と同様にして比較用のハードコート用組成物(Q’−2)を得た。
【0067】
[硬化後塗膜の性能評価]
実施例1〜5及び比較例1〜2で得た各ハードコート用組成物を、表面処理を施した厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム[東洋紡(株)製コスモシャインA4300]に、アプリケーターを用いて膜厚20μmとなるように塗布して、ベルトコンベア式UV照射装置(アイグラフィックス株式会社「ECS−151U」)を使用して露光を行った。露光量は365nmとして150mJ/cm2であった。
硬化後の塗膜について以下の方法で性能評価を行った結果を表1に示す。
【0068】
[性能評価方法]
(1)鉛筆硬度
JIS K−5400に準拠し、鉛筆硬度を測定した。
(2)密着性
JIS K−5400に準拠し、碁盤目セロハンテープ剥離試験により密着性を評価した。
(3)透過率及びヘイズ(透明性)
JIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−garddual」BYK gardner(株)製]を用いて透過率及びヘイズを測定した。いずれも単位は%である。
【0069】
【表1】

【0070】
本発明のハードコート用組成物は、鉛筆硬度、密着性、透明性の全てを満足なレベルとすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の活性エネルギー線硬化型ハードコート用組成物は、硬化後の硬化膜が硬度、密着性及び高透明性に優れているため、ブラウン管、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びタッチパネルなどのディスプレイ分野においてパネル前面の表面保護硬化膜としても有用である。また、本発明の活性エネルギー線硬化型ハードコート用組成物を硬化させた硬化膜は偏光板の保護膜としても有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
4−(メタ)アクリロイルモルホリン(A)、水酸基を1つ以上有する3官能以上の(メタ)アクリレート(B)及び重合開始剤(C)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型ハードコート用組成物。
【請求項2】
前記水酸基を1つ以上有する3官能以上の(メタ)アクリレート(B)が、炭素数5〜12の4価以上の脂肪族若しくは脂環式多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート及び該多価アルコールの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド1〜30モル付加物のポリ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の(メタ)アクリレートである請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記水酸基を1つ以上有する3官能以上の(メタ)アクリレート(B)が、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートである請求項2記載の組成物。
【請求項4】
前記重合開始剤(C)が、アシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(C1)、α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(C2)、ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(C3)、α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(C4)、ベンゾイン誘導体系重合開始剤(C5)、オキシムエステル誘導体系重合開始剤(C6)及びチタノセン誘導体系重合開始剤(C7)からなる群から選ばれる少なくとも1種のラジカル重合開始剤である請求項1〜3のいずれか記載の組成物。
【請求項5】
更に活性エネルギー線により酸を発生する酸発生剤(D)を含有する請求項1〜4のいずれか記載の組成物。
【請求項6】
前記活性エネルギー線により酸を発生する酸発生剤(D)が、スルホニウム塩誘導体(D1)及び/又はヨードニウム塩誘導体(D2)である請求項5記載の組成物。
【請求項7】
前記4−(メタ)アクリロイルモルホリン(A)の含有量が1〜80重量%、前記水酸基を1つ以上有する3官能以上の(メタ)アクリレート(B)の含有量が1〜90重量%、前記重合開始剤(C)の含有量が0.05〜30重量%及び活性エネルギー線により酸を発生する酸発生剤(D)の含有量が0〜30重量%である請求項1〜6のいずれか記載の組成物。
【請求項8】
ブラウン管、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ又はタッチパネル用である請求項1〜7のいずれか記載の組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか記載の組成物が活性エネルギー線により硬化されてなるハードコート塗膜。

【公開番号】特開2012−111943(P2012−111943A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243469(P2011−243469)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】