説明

ハードハンドオフのような無線通信システムにおいてハンドオフを実行するための方法およびシステム

【課題】高速セル間ハードハンドオフを提供するための方法および装置を提供する。
【解決手段】移動局はパイロットチャネルおよび少なくとも1つの情報チャネルを含む複数のチャネルを送信する。基地局は、逆方向リンクパイロット信号の受信エネルギーに従って逆方向リンク信号の送信エネルギーの妥当性を決定する。移動局により送信される少なくとも1つの他のチャネルの送信エネルギーを増加させながら、パイロットチャネル送信電力は、周波数サーチイクスカーション前のレベルに維持される。さらに、移動局が全ての情報チャネルの送信エネルギーを増加できないとき、移動局は異なる情報チャネルの重要性の順位を発生し、これらのチャネルの送信電力を選択的に増加させる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関し、特にそのようなシステムのセル間にハードハンドオフを提供するための方法および装置に関する。
【従来の技術】
【0002】
符号分割多重アクセス(CDMA)システムにおいて、大部分のハンドオフは同じCDMAチャネル上のセル間に起こり、ソフトハンドオフ手順を使用する。いくつかの場合において、移動局は、異なるCDMAチャネル上のセル間においてハンドオフを行なう必要がある。この場合そのようなチャネルは無線周波数(FR)が異なり、しばしば周波数間ハードハンドオフと呼ばれる。そのような状況は一般的に異なるオペレータ間のハンドオフ、キャパシティの理由のために割当てられた異なるRFチャネル間のハンドオフまたは、異なる信号変調技術間のハンドオフであるが、これに限定されるものではない。
【0003】
周波数間ハードハンドオフを行なう前に、移動局は基地局により新しい目標周波数に同調し、無線環境(例えば受信信号等のパイロット信号強度)を測定し、その測定値を基地局に戻すように仕向けられる。そのような手順はTIA/EIA−95−Bに規定され周波数間ハンドオフの成功の確率を大いに高める。
【0004】
目標周波数上の測定の必須の要件はしばしば「サーチイクスカーション(search excursion)と呼ばれるが、始発周波数上の現在のサービスの途絶を最小にすることである。適当な事前のサンプリングなしに第2の周波数へのハンドオフは信号性能が劣化する結果となる。一方、長時間のサンプリングは第1の周波数の信号を完全に喪失させるかもしれない。以下に述べる方法は、移動局がサーチ時間を最小にし、サービスの途絶を制限することを可能にする。
【発明の概要】
【0005】
移動局はパイロットチャネルおよび少なくとも1つの情報チャネルを含む複数のチャネルを送信する。例示実施形態において、基地局は、逆方向リンクパイロット信号の受信されたエネルギーに従って逆方向リンク信号の送信エネルギーの適切性を決定する。この発明において、移動局により送信される少なくとも1つの他のチャネルの送信エネルギーを増大させながら、パイロットチャネルの送信電力は周波数サーチイクスカーション前のレベルに維持される。さらに、移動局が情報チャネルの全ての送信エネルギーを増大させることができないとき、移動局は異なる情報チャネルの重要性の順位を発生し、これらのチャネルの送信電力を選択的に増大する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明を適用することのできる典型的な無線通信システムを示す図である。
【図2】本発明を適用することのできる図1の無線通信システムに見られる典型的なコンポーネントのブロック図である。
【図3】周波数間サーチイクスカーションのタイミング図である。
【図4】本発明の実施形態において、周波数サーチイクスカーションを実行するための方法のフローチャートである。
【図5】周波数間サーチイクスカーションに関連する順方向リンク電力レベルの遷移を示す電力対時間のグラフである。
【図6】サーチイクスカーション中の逆方向リンクの電力増加を示す電力対時間のグラフである。
【図7】本発明の他の実施形態に従ってサービスの途絶を最小にしながら周波数サーチイクスカーションを実行するための方法のフローチャートである。
【図8】本発明のマルチチャネル遠隔局を示す図である。
【図9】本発明の逆方向リンク変調器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図において、同一部には同符号を付す。特定のエレメントの説明を確認するのを容易にするために、参照符号の最上位桁はそのエレメントが最初に現われる図番を示す。(例えばエレメント204は図2において最初に導入され説明される。)
目標の周波数に対するサーチイクスカーション時間および始発周波数上の現在のサービスの途絶を最小にするための方法および装置の詳細がここに記載される。以下の説明において、多数の特定の詳細がこの発明の完全な理解を与えるために提供される。しかしながら、関連技術に熟練したものは、本発明がこれらの特定の詳細なしに、あるいは他のエレメントあるいはステップを用いて実施可能であることは直ちに認識される。他の例において、本発明をあいまいにするのを回避するために良く知られた構成および方法は詳細に図示されない。
【0008】
図1はユーザ局(例えば移動電話)のユーザおよびセルサイトまたは基地局との間で通信するためのコード分割多元アクセス(CDMA)のような多重アクセス技術を使用するセルラ加入者通信システム100を示す。図1において、移動ユーザ局102は1つ以上の基地局106a、106b等により基地局コントローラ104と通信する。同様に、固定ユーザ局108は、基地局106aおよび106bのように1つ以上の所定かつ近似の基地局によってのみ基地局コントローラ104と通信する。
【0009】
基地局コントローラ104は、基地局106aおよび106bにシステム制御を供給するためのインターフェースおよび処理回路に接続され、一般的には含む。基地局コントローラ104は他の基地局あるいは他の基地局コントローラと接続可能であり通信可能である。基地局コントローラ104は移動交換センター110に接続され、移動交換センター110はホームロケーションレジスタ112に接続される。この分野において知られているように、各呼の最初の部分で各ユーザ局の登録中に、基地局コントローラ104と移動交換センター110は、ユーザ局から受信した登録信号をホームロケーションレジスタ112に含まれるデータと比較する。この技術に熟練した人によって知られているように、ハンドオフは基地局コントローラ104と他の基地局コントローラとの間、および移動交換センター110と他の移動交換センターとの間でも起こり得る。
【0010】
システム100が音声またはデータトラフィック呼を処理するとき、基地局コントローラ104は、移動局102および固定局108との無線リンクを確立し、維持し、終端し、一方移動交換センター110は公衆電話交換網(PSTN)との通信を確立し、維持し、終端する。以下の説明は基地局106aと移動局102との間で送信される信号に的を絞るが、この技術に熟練した者は、この説明が他の基地局および固定局108にも等価に適用されることを認識するであろう。ここでは、「セル」と「基地局」は一般に交互に使用される。
【0011】
図2を参照すると、移動局102は信号を基地局106aに送信し、基地局106aから信号を受信するアンテナ202を含む。送受切換器203は基地局からの順方向リンクチャネルまたは信号を移動受信システム204に供給する。受信システム204は、受信した信号をダウンコンバートし、復調し、復号する。次に、受信システム204は所定のパラメータまたはパラメータ群を品質測定回路206に供給する。パラメータの例は、測定された信号対雑音比(SNR)、測定された受信電力、または、シンボルエラーレート、ヤマモトメトリック(Yamamoto metric)またはパリティビットチェック表示のようなデコーダパラメータを含むかもしれない。ここに記載された本発明に使用するためにメモリバッファ207を含めることができる。移動局102(および基地局106a)の動作に関するさらなる詳細は、例えば、この発明の譲受人に譲渡され、参照することにより本明細書に組み込まれる米国特許第5,751,725号(発明の名称:「可変レート通信システムにおける受信データのレートを決定するための方法および装置」)に記載されている。
【0012】
品質測定回路206は受信システム204からパラメータを受信し、品質測定信号または受信信号の電力レベルを決定する。品質測定回路206は各フレームの部分またはウインドウからビットあたりのエネルギー(E)測定値およびシンボルあたりのエネルギー(E)測定値を発生することができる。この技術において知られているように、望ましくは、ビットあたりのエネルギー測定値またはシンボルあたりのエネルギー測定値は正規化され(例えばE/N)、または正規化され干渉ファクタ(例えばE/N)を含む。これらの測定値に基づいて、品質測定回路206は電力レベル信号を生成する。
【0013】
電力制御プロセッサ208は品質測定回路206から電力レベル信号を受信し、その信号をしきい値と比較し、その比較に基づいて電力制御メッセージを生成する。各電力制御メッセージは、順方向リンク信号のための電力の変化を示すことができる。あるいは、この技術において知られているように、受信した順方向リンク信号の絶対電力をあらわす電力制御メッセージを生成する。電力制御プロセッサ208は、望ましくは、フレームあたりのいくつかの電力レベル信号に応答していくつかの(例えば16の)電力制御メッセージを生成する。品質測定回路206および電力制御プロセッサ208は一般にここでは、別箇の部品として記載したが、そのような部品はモノリシックに集積可能であり、あるいはそのような部品により実行される動作は単一のマイクロプロセッサにより実行可能である。
【0014】
移動送信システム210は送受切替え器203およびアンテナ202を介して電力制御メッセージを符号化し、変調し、増幅しおよびアップコンバートする。図示実施形態において、移動送信システム210は出て行く逆方向リンクフレームの所定の位置に電力制御メッセージを供給する。
【0015】
移動送信システム210は移動局のユーザから、音声または一般的なコンピュータデータのような逆方向リンクトラフィックデータも受信する。移動送信システム210は、送信すべきトラフィックデータに基づいて基地局106aから(電力/レート)を含む特定サービスを要求する。特に、移動送信システム210は、特定のサービスに適当な帯域割当てを要求する。システムに電力制限がある場合には、基地局106aは、移動局102および他のユーザからの要求に基づいて帯域(電力/レート)資源を計画または割当て、そのような資源の割当てを最適化する。従って、システムの送信電力を効率的に管理することにより、より効率のよい帯域の使用が可能となる。
【0016】
基地局106aは移動局102から逆方向リンクフレームを受信する受信アンテナ230を含む。基地局106aの受信機システム232は逆方向リンクトラフィックをダウンコンバートし、増幅し、復調し、復号する。迂回中継トランシーバ233は逆方向リンクトラフィックを受信し基地局コントローラ104に送る。受信機システム232はまた各逆方向リンクトラフィックフレームから電力制御メッセージを分離し、その電力制御メッセージを電力制御プロセッサ234に供給する。
【0017】
電力制御プロセッサ234は電力制御メッセージを監視し、順方向リンク送信機電力信号を順方向リンク送信機システム236に出力する。それに応答して、順方向リンク送信システム236は順方向リンク信号の電力を増大するか、維持するかまたは減少する。次に、順方向リンク信号は、送信アンテナ238を介して送信される。さらに、電力制御プロセッサ234は移動局102からの逆方向リンク信号の品質を解析し、適当なフィードバック制御メッセージを順方向リンク送信機システム236に供給する。それに応答して順方向リンク送信機システム236は送信アンテナ238および順方向リンクチャネルを介してフィードバック制御メッセージを移動局102に送信する。送信機システム236はまた迂回中継トランシーバ233を介して基地局コントローラ104から順方向リンクトラフィックデータを受信する。順方向リンク送信機システム236は順方向リンクトラフィックデータを符号化し、変調し、アンテナ238を介して送信する。
【0018】
ここで別段の記載が無い限り、図1、図2および他の図に示す種々のブロックおよびエレメントは一般的に設計される動作するものである。従って、そのようなブロックおよびエレメントは当業者には理解されるので、詳細に説明する必要が無い。さらなる説明は、簡単化のため、およびこの発明の詳細な説明を不明にすることを回避するために省略されている。図1および図2の通信システム100のブロックに必要な変形またはそこに示す他のシステムは、ここに記載された詳細な説明に基づいて当業者により即作成可能である。
【0019】
移動局102および基地局106aを含むユーザ局のための閉ループ電力制御システムは、ユーザの伝播条件に基づいて各ユーザ毎の送信電力を動的に調節し、音声サービスのために各ユーザごとに同じフレームエラーレート(FER)を生じる(例えば1%FER)。しかしながら、上述したように、多くのユーザは、ファクシミリ、eメール、および一般的なコンピュータデータのように音声サービスの代わりにデータサービスのための送信を要求するかもしれない。これらのデータはすべて遅延に鈍感であり、より低いFER(すなわち低ビットエラーレート(BER))を必要とする。ユーザはより低いFERのみならず遅延に鈍感なビデオサービスを要求するかもしれない。基地局106aは公知技術の下に、各ユーザからの要求に基づいて送信レートを動的に割当てる。
【0020】
電気通信産業協会の「TIA/EIA−95−A デュアルモード広域スペクトル拡散セルラシステムのための移動局―基地局互換性規格」に記載された1つのCDMA規格では、各基地局はパイロット、同期、ページング、および順方向トラフィックチャネルをそのユーザに送信する。パイロットチャネルは、各基地局により連続的に送信された変調されていない、ダイレクトシーケンススペクトル拡散信号である。パイロットチャネルは各ユーザが基地局により送信されるチャネルのタイミングを獲得することを可能にし、ココヒーレント復調のための位相基準を供給する。パイロットチャネルはまた基地局間の信号強度比較のための手段を提供し、(セル間でいつ移動するかのように)基地局間でいつハンドオフするかを決定する。最近専用時間多重(「DTMP」)パイロットシンボルを用いたCDMA変調技術が提案された。DTMP手法において、独立したパイロットシンボルが各ユーザのトラフィックチャネル上で時間多重化される。各ユーザはパイロットシンボル(および情報シンボル)を順次逆拡散する。さらに他の共通符号多重化パイロット(「CCMP」)手法がある。この手法において、1つの同一チャネルはパイロット信号を放送するのに専用に使用される。パイロットシンボルは専用チャネルと多重化されず、すべてのユーザはパイロットシンボルと変調情報信号を並列に逆拡散(de-spread)する。そのようなシステムは、この発明の同一譲受人に譲渡された1998年8月31日に出願された米国特許出願第09/144,402号(発明の名称:「挿入されたパイロットシンボルを使用する無線通信信号のような通信信号における振幅変化および干渉を低減するための方法および装置」)に詳細に記載されている。
【0021】
周波数間サーチ
次に図3を参照すると、サーチイクスカーションを実行する際に関係する異なるタイミングの図が示される。図3は当業者にとっては自明であるが、簡単な説明を行なう。参照符号tsearchは周波数f2でN個のサンプルを収集するのに必要な時間に相当する。合計時間はtsearchプラスオリジナルの周波数f1に戻った後サンプルを処理するのにかかる時間であろう。時間tsynthおよびtsettleはそれぞれ新しい周波数で切替えおよび安定するのに必要な時間に相当する。Ns×Tcの時間期間はNsamplesのサンプリング時間を表し、tprocessはサンプルを処理するための時間を表す。
【0022】
別の周波数へのサーチ時間を最小にするための方法は以下のように記載することができる。
【0023】
第1に、移動局は現在オリジナルすなわち第1の周波数f1を復調している。ある信号品質の測定値(例えば上述した測定値)が所定のしきい値以下になるときのように目標周波数f2への周波数間ハードハンドオフが必要になるかもしれない。そのような下落した品質を基地局106aに報告すると、移動局102は基地局により(例えば候補周波数サーチ要求/制御メッセージ(「CFSCM」)を介して)目標周波数f2へのサーチイクスカーションを実行するように指示される。
【0024】
移動局は周波数f2に同調し、Nチップサンプルを収集する(1チップは、直交符号化されたシンボルのための例えば1024bpsにおける1ビットの擬似雑音である)。サンプルはメモリバッファに記憶される。移動局は周波数f2で動作している間はパイロットサーチおよびパイロット強度測定を行なわない。移動局はオリジナル周波数f1に戻り、順方向リンクの受信と逆方向リンクの送信を再開し、同時に周波数f2で収集されたNサンプルを処理する。
【0025】
移動局は、オリジナル周波数f1で受信した信号を同時に処理しながら記憶されたサンプルを処理するサーチャ(searcher)を用いて周波数f2で収集したサンプルを処理する。移動局は周波数f2から対応するパイロット強度測定値を基地局に報告する。この技術に熟練した者は、上記サーチャを認識し、サーチャを提供または得るための必須の技術を持っているであろう。
【0026】
上記方法は、参照することにより組み込まれるTIA/EIA−95−B規格により定義される候補周波数サーチ要求制御メッセージに基づいて基地局106aが周波数変更コマンドを移動局102に送信するステップ410で始まるルーチン400として図4に示される。このコマンドに応答して移動局102はステップ420において目標周波数に同調する。
【0027】
ステップ430において、移動局102は目標周波数f2において、信号サンプルを収集し、そのサンプルをメモリバッファ207に局部的に記憶する。ステップ440において、移動局102は第1周波数f1に同調を戻し、ステップ450において、メモリバッファ207に記憶された信号サンプルを処理する。ステップ440と450は同時に実行可能である。
【0028】
上述したように、信号サンプルが処理された後、移動局102はステップ460において、信号サンプル処理結果を基地局106aに送信する。
【0029】
現在のフレームに対するサーチイクスカーションの影響を最小にする
移動局が周波数間サーチを実行するために別の周波数f2に同調すると、tsearch時間期間に基地局により送信される順方向リンクシンボルは、移動局により受信することはできない。現在の順方向リンクフレームおよび逆方向リンクフレームに対するこの損失の影響を最小にするために、移動局および基地局は、サーチイクスカーションにより悪い影響の与えられたシンボルの順方向エラー訂正符号化され、インターリーブされたフレームの他のシンボルに割当てられた電力の量を増大する。フレームが正しく復調されるために、サーチイクスカーションにより悪い影響を与えられないシンボルに必要な追加電力量はここに述べるようにサーチイクスカーション時間tsearchの関数である。
【0030】
サーチ巡回中の順方向リンク電力制御
tsearch時間期間中の順方向リンクシンボルの損失を克服するために、移動局は順方向リンク閉ループ高速電力制御の目標Eb/NoをΔtargetdBだけ増大する。
【0031】
サーチイクスカーション前にK個の電力制御グループ(PCG)にこの新しい目標Eb/Noが設定される。従前のPCGの必要数Kがサーチイクスカーション前に影響を受け、目標Eb/No(Δtarget)の必要な増大はサーチイクスカーションtsearchの期間に依存する。tsearch が長ければ長い程、Kは大きくなる。目標Eb/Noの増大の結果、順方向リンク電力は、周波数間サーチの前に立ち上がるであろう。
【0032】
図5は周波数間サーチイクスカーションに関連した順方向リンクレベルの遷移を示す。図5は当業者には自明であるが、簡単な説明を行なう。サーチイクスカーションの後、移動局102は現在のフレームの順方向リンクシンボルの復調を再開する。この段階において、移動局102は現在のフレームで受信した合計シンボルエネルギーを知り、これをフレームあたりの必要エネルギーと比較し、目標のフレームエラーレートを得ることができる。移動局102はこの測定基準を用いてフレームの残りの電力制御グループのための目標Eb/Noを増大または減少する。サーチイクスカーションがフレーム境界を越えて拡張すると、移動局102は、フレームの第1の部分の失われたシンボルを埋め合わせするために次のフレーム期間にその目標Eb/Noを増大することができる。閉ループ電力制御に関する詳細は、この発明の譲受人に譲渡され1996年11月20日に出願された米国出願第08/752,860号(発明の名称:「まだ実行されていない電力制御コマンドを予測して受信した信号のしきい値および測定値を調節するための方法および装置」)および1997年6月20日に出願された米国出願第08/879,274号(発明の名称:「電力適応制御および閉ループ通信のための方法および装置」)に見出すことができる。
【0033】
サーチ巡回中の逆方向リンク電力制御
目標周波数f2のサーチの間、基地局106は移動局102との通信を喪失し、tsearch時間期間の間シンボルを受信しない。これらのシンボルの損失を克服するために、移動局102は量ΔsearchdBだけ逆方向リンク上の合計送信電力を増大させることができる。量Δsearchはサーチtsearchの期間に依存し、tsearch 期間中のシンボルの損失を克服し、基地局106aがフレームを正しく復調することを可能にするためにフレームの剰余に関する付加的必要シンボルエネルギーに相当する。基地局106aは移動局102に対して、移動局が周波数間サーチ(例えば「FCSM」において)を実行するように指示するメッセージの最大許容増分Δsearchを知らせることができる。この値は、基地局106aにより現在決定された最大許容可能干渉に依存することができる。
【0034】
図6はサーチイクスカーション期間中の逆方向リンク電力増分の遷移を示す。図6は当業者には自明であるが、簡単に説明する。ある電力増分を有して送信された周波数間サーチフレーム期間に、基地局106aは、移動局にその電力を低減するように命令するダウンコマンドを送信する。移動局102は、図6に示すように周波数間サーチフレームの終端までこれらのダウンコマンドを単に無視する。これらのアップコマンドおよびダウンコマンドは図6においてそれぞれ大きな黒い矢印602、604により表される。サーチイクスカーションがフレーム境界を越えて拡張すると、移動局102は、次のフレームの最初のシンボルの損失を克服するために、上述したと同様の態様で次のフレームの期間その合計送信電力を増大することができる。通常の電力制御は図6に示すようにフレーム境界の後に再開する。
【0035】
従って、図4に関連して上述した方法は、サーチイクスカーションの期間、通信が阻止されないことを保証するように変更することができる。図7は基地局106が周波数変更コマンド(FCSM)を移動局102に送信するステップ710で始まる変更された方法のステップを示す。
【0036】
移動局102が目標周波数に同調する前に、順方向リンク閉ループ高速電力制御の目標値Eb/Noは上述したように第1レベルから第2レベルに増加する。上述しかつステップ720に示すように、移動局102は逆方向リンクの合計送信電力を量ΔsearchdBだけ増加する。
【0037】
次に、ステップ730および740において、移動局は目標周波数に同調し、チップサンプルデータのような目標周波数信号サンプルを収集し、その信号サンプルをメモリ207に記憶する。
【0038】
ステップ750において、信号サンプルの収集が完了すると、移動局102は第1周波数に同調を戻す。移動局102はメモリバッファ内の信号サンプルを処理し、第1周波数f1において、基地局106aとの通信を再開する。ステップ760に示すように、通信を再開する際に、移動局102はフレーム内の残りの電力制御グループの目標値Eb/Noを調節し、Δtargetだけ目標値EB/Noを減少し、そして、逆方向リンク合計送信電力は通常制御を再開する。
【0039】
最後に、ステップ770において、パイロット強度測定値のような信号サンプル処理結果が基地局に送信される。
【0040】
多重チャネル逆方向リンクを用いたオフラインサーチ方法
上述したものを適用するにあたり、遭遇するかも知れない問題点は閉ループ電力制御の結果である。移動局がオフラインの期間を補償するためにその送信エネルギーを増加させる期間中に、受信する基地局は受信した信号のエネルギーが高すぎることを検出するであろう。これに応答して、基地局は、移動局がオフラインサーチを実行中の期間を完全に補償するために、逆方向リンク送信の引き上げのエネルギーを早期に削減させる一連のダウンコマンドを送信するであろう。
【0041】
この例示実施形態において、移動局850は、パイロットチャネルおよび少なくとも1つの情報チャネルを含む複数のチャネルを送信する。例示実施形態において、基地局106は、逆方向リンクパイロット信号の受信されたエネルギーに従って逆方向リンク信号の送信エネルギーの妥当性を決定する。例示実施形態において、閉ループ電力制御コマンドを決定するためにパイロットチャネルエネルギーを使用する理由は、パイロットチャネルエネルギーはレートに依存しないからである。従って、この発明の好適実施形態において、移動局により送信される少なくとも1つの他のチャネルの送信エネルギーを増加させながら、周波数サーチイクスカーション前のレベルでパイロットチャネル送信電力が維持される。
【0042】
図8は移動局850の例示実施形態の機能ブロック図である。図8に示される種々の機能ブロック図はこの発明の他の実施形態に示されていないかもしれない。図8の機能ブロック図は、TIA/EIA規格IS−95C、またIS−2000とも呼ばれる規格による動作に有効である実施形態に相当する。この発明の他の実施形態は規格体ETSIおよびARIBにより提案される広域CDMA(WCDMA)規格を含む他の規格に有効である。WCDMA規格の逆方向リンク変調およびIS−95c規格の逆方向リンク変調との間の広範囲にわたる類似性によりWCDMA規格へのこの発明の拡張は容易に成就されることが当業者には理解される。
【0043】
図8の例示実施形態において、無線通信装置は、上述の米国出願第08/886,604に記載された短い直交拡散シーケンスにより互いに区別可能な複数の区別可能なチャネルの情報を送信する。5つの別箇の符号チャネルが無線通信装置により送信される:1)第1補足データチャネル838、2)パイロットシンボルおよび電力制御シンボルの時間多重チャネル840、3)専用制御チャネル842、4)第2補足データチャネル844および5)基本チャネル846。第1補足データチャネル838および第2補足データチャネル844は、ファクシミリ、マルチメディアアプリケーション、ビデオ、電子メールメッセージあるいは他の形態のデジタルデータのような基本チャネル846の容量を越えるデジタルデータを運ぶ。パイロットシンボルと電力制御シンボルの多重チャネル840は基地局によるデータチャネルのコヒーレント復調を考慮するためにパイロットシンボルと、移動局850と通信する基地局および基地局群の送信のエネルギーを制御するための電力制御ビットを運ぶ。制御チャネル842は無線通信装置850の動作のモード、移動局850の能力、および他の必要な信号情報のような制御情報を基地局に運ぶ。基本チャネル846は移動局から基地局に基礎的な情報を運ぶのに使用される。音声送信の場合には、基本チャネル846は音声データを運ぶ。
【0044】
補足データチャネル838および844は図示しない手段により符号化され処理され変調器826に供給される。電力制御ビットは繰り返し発生器822に供給される。繰り返し発生器822は、ビットをマルチプレクサ(MUX)824に供給する前に電力制御ビットの繰り返しを供給する。マルチプレクサ824において、冗長な電力制御ビットはパイロットシンボルと時間多重化されライン840を介して変調器826に供給される。
【0045】
メッセージ発生器812は必要な制御情報メッセージを発生し、その制御メッセージをCRCおよびテールビット発生器814に供給する。CRCおよびテールビット発生器814は、基地局における復号の精度をチェックするために使用されるパリティビットである一連の巡回冗長検査ビットを付加し、所定のテールビット群を制御メッセージに付加して基地局受信サブシステムにおけるデコーダのメモリをクリアする。このメッセージは次にエンコーダ816に供給される。エンコーダ816は制御メッセージ上に順方向エラー訂正コーディングを供給する。符号化されたシンボルは繰り返し発生器820に供給される。繰り返し発生器は符号化されたシンボルを繰り返し、送信における付加的時間ダイバーシチを供給する。繰り返し発生器に続いて、パンクチュアリングエレメント(puncturing element)(PUNC)819によるある所定のパンクチュアリングパターンに従ってパンクチャアドされ、フレーム内に所定数のシンボルを供給する。次にシンボルはインターリーバ(interleaver)818に供給される。インタリーバは所定のインターリーブフォーマットに従ってシンボルを整理し直す。インターリーブされたシンボルはライン842を介して変調器826に供給される。
【0046】
可変レートデータ源801は可変レートデータを発生する。例示実施形態において、可変レートデータ源801は、上述した米国特許第5,414,796号に記載されるような可変レート音声エンコーダである。可変レート音声エンコーダは無線通信では、流行している。これは、その使用によって無線通信装置のバッテリ寿命を増大し、感知される音声品質に与える影響を最小にしてシステムの能力を増大する。電気通信産業協会は最もポピュラーな可変レート音声エンコーダを暫定規格IS−96および暫定規格IS−733のような規格に成分化した。これらの可変レート音声エンコーダはフルレート、ハーフレート、1/4レート、1/8レートと呼ばれる4つの可能なレートで音声信号を符号化する。レートは音声のフレームを符号化するのに使用されるビット数を示し、フレーム毎に変化する。フルレートはフレームを符号化するために所定の最大ビット数を使用する。ハーフレートはフレームを符号化するために所定の最大ビット数の1/2を使用する。1/4レートはフレームを符号化するために所定の最大ビット数の1/4を使用する。1/8レートはフレームを符号化するために所定の最大ビット数の1/8を使用する。可変レートデータ源801は符号化された音声フレームをCRCおよびテールビット発生器802に供給する。CRCおよびテールビット発生器802は、基地局における復号の精度をチェックするのに使用されるパリティビットである一連の巡回冗長検査ビットを付加し、さらに基地局におけるデコーダのメモリをクリアするために所定のテールビット群を制御メッセージに付加する。フレームは次にエンコーダ804に供給される。エンコーダ804は順方向エラー訂正コードを音声フレームに供給する。符号化されたシンボルは、繰り返し発生器808に供給される。繰り返し発生器808は符号化されたシンボルの繰り返しを供給する。繰り返し発生器に続いて、フレーム内に所定数のシンボルを供給するために所定のパンクチュアリングパターンに従ってパンクチュアリングエレメント809によりパンクチャアドされる。次にシンボルはインターリーバ806に供給される。インターリーバ806は所定のインターリービングフォーマットに従ってシンボルを整理し直す。インターリーブされたシンボルは、ライン846を介して変調器826に供給される。
【0047】
例示実施形態において、変調器826はコード分割多元接続変調フォーマットに従ってデータチャネルを変調し、変調された情報をトランスミッタ(TMTR)828に供給する。TMTR828は信号を増幅しおよびフィルタをかけ、その信号を送信のためにデュプレクサ830を介してアンテナ832に供給する。
【0048】
IS−95およびcdma2000システムにおいて、20msフレームは電力制御グループと呼ばれる16個の等しい数のシンボルに分割される。電力制御の言及は、各電力制御グループに対してフレームを受信する基地局は、基地局において受信された逆方向リンク信号の十分性の決定に応答して電力制御コマンドを発行するという事実に基づいている。
【0049】
図9は図8の変調器826の例示実施形態の機能ブロック図である。第1の補足データチャネルデータはライン838を介して拡散エレメント952に供給される。拡散エレメント952は所定の拡散シーケンスに従って補足チャネルデータをカバーする。例示実施形態において、拡散エレメント952は短いウオルシュシーケンス(++――)を用いて補足チャネルデータを拡散する。拡散データは相対利得エレメント954に供給される。相対利得エレメント854はパイロットおよび電力制御シンボルのエネルギーに関連して拡散補足チャネルデータの利得を調節する。利得調節された補足チャネルデータは加算器956の第1加算入力に供給される。パイロットおよび電力制御多重化されたシンボルはライン840を介して加算器956の第2加算入力に供給される。
【0050】
制御チャネルデータは、ライン842を介して拡散エレメント958に供給される。拡散エレメント958は所定の拡散シーケンスに従って補足チャネルデータをカバーする。例示実施形態において、拡散エレメント958は、短いウオルシュシーケンス(++++++++――――――――)を用いて補足チャネルデータを拡散する。拡散データは、相対利得エレメント960に供給される。相対利得エレメント960は、パイロットおよび電力制御シンボルのエネルギーに関連して拡散制御チャネルデータの利得を調節する。利得調節された制御データは、加算器956の第3加算入力に供給される。加算エレメント956は、利得調節された制御データシンボルと、利得調節された補足チャネルシンボルと、時間多重化されたパイロットおよび電力制御シンボルとを加算し、その加算値を乗算器972の第1入力および乗算器978の第1入力に供給する。
【0051】
第2の補足チャネルはライン844を介して拡散エレメント962に供給される。拡散エレメント962は所定の拡散シーケンスに従って補足チャネルデータをカバーする。例示実施形態において、拡散エレメント962は短いウオルシュシーケンス(++――)を用いて補足チャネルデータを拡散する。拡散データは、相対利得エレメント964に供給される。相対利得エレメント964は拡散補足チャネルデータの利得を調節する。利得調節された補足チャネルデータは加算器966の第1の加算入力に供給される。
【0052】
基本チャネルデータはライン846を介して拡散エレメント968に供給される。拡散エレメント968は所定の拡散シーケンスに従って基本チャネルデータをカバーする。例示実施形態において、拡散エレメント968は短いウオルシュシーケンス(++++――――++++――――)を用いて基本チャネルデータを拡散する。拡散データは、相対利得エレメント970に供給される。相対利得エレメント970は、拡散基本チャネルデータの利得を調節する。利得調節された基本チャネルデータは加算器966の第2入力に供給される。
【0053】
加算器966は利得調節された第2補足チャネルデータシンボルと基本チャネルデータシンボルを加算し、その加算値を乗算器974の第1入力および乗算器976の第1入力に供給する。
【0054】
例示実施形態において、2つの異なる短いPNシーケンス(PNおよびPN)を用いた擬似雑音拡散はデータを拡散するのに使用される。例示実施形態において、短いPNシーケンスPNおよびPNQ’は長いPNコードと乗算され付加的プライバシーを供給する。擬似雑音シーケンスの発生はこの技術において良く知られており、上述した米国特許第5,103,459号に詳細に記載されている。長いPNシーケンスは乗算器980および982の第1入力に供給される。短いPNシーケンスPNは乗算器980の第2入力に供給され、短いPNシーケンスPNは乗算器982の第2入力に供給される。
【0055】
乗算器980から結果として得られるPNシーケンスは乗算器972および974の各第2入力に供給される。乗算器982から結果として得られるPNシーケンスは乗算器976および乗算器978の各第2入力に供給される。乗算器972からの積シーケンスは減算器984の加算入力に供給される。乗算器974からの積シーケンスは加算器986の第1加算入力に供給される。乗算器976から積シーケンスは減算器984の減算入力に供給される。乗算器978からの積シーケンスは加算器986の第2加算入力に供給される。
【0056】
減算器984からの差分シーケンスはベースバンドフィルタ988に供給される。ベースバンドフィルタ988は差分シーケンスに必要なフィルタリングを行い、フィルタをかけたシーケンスを利得エレメント992に供給する。利得エレメント992は信号の利得を調節し、利得調節された信号をアップコンバータ996に供給する。アップコンバータ996はQPSK変調フォーマットに従って利得調節された信号をアップコンバートし、アップコンバートされた信号を加算器1000の第1の入力に供給する。
【0057】
加算器986からの加算シーケンスはベースバンドフィルタ990に供給される。ベースバンドフィルタ990は差分シーケンスに必要なフィルタリングを行い、フィルタをかけたシーケンスを利得エレメント994に供給する。利得エレメント994は信号の利得を調節し、利得調節された信号をアップコンバータ998に供給する。アップコンバータ998はQPSK変調フォーマットに従って利得調節された信号をアップコンバートし、アップコンバートされた信号を加算器1000の第2入力に供給する。加算器1000は2つのQPSK変調された信号を加算し、その結果を送信機828に供給する。
【0058】
上述したように、移動局850が周波数間サーチを行う為にべつの周波数f2に同調すると、tsearch期間に基地局により送信された順方向リンクシンボルは移動局により受信することができない。同様に、tsearch期間に送信せず、基地局はtsearch期間に逆方向リンク信号を失う。
【0059】
目標周波数f2をサーチしている間に、基地局106aは移動局850との通信を失い、tsearch 期間にシンボルを受信しないであろう。これらのシンボルの喪失を克服するために、オフラインサーチ以前のレベルに、多重化された電力制御コマンドおよびパイロットシンボルチャネル840の送信電力を維持しながら、移動局は、第1補足チャネル838、第2補足チャネル844、制御チャネル842および基本チャネル846を含む情報チャネルの送信電力を増大する。
【0060】
量Δsearchはサーチtsearchの期間に依存し、tsearch の期間のシンボルの喪失を克服して、基地局が依然としてフレームを正しく復調可能とするために、フレームの剰余に関して付加的必要シンボルエネルギーに相当する。基地局106aは、(例えば「FCSM」において)周波数間サーチを移動局に行なわせるように指示するメッセージ内の最大許容増分Δsearchを移動局850に知らせることができる。この値は現在基地局106aにより決定される最大許容干渉に依存することができる。
【0061】
オフラインサーチアルゴリズムから戻ると、利得エレメント954、960、964、970には、これらのチャネルの利得をΔsearchdBだけ増加させる制御信号が供給される。しかしながら、パイロットチャネルの送信エネルギーは影響されない。逆方向リンク電力制御コマンドは、逆方向リンクパイロット信号の受信されたエネルギーに従って発生されるので、閉ループ電力制御コマンドは、オフラインサーチを補償するために供給された増分Δsearchに応答しないであろう。
【0062】
好適実施形態において、ΔsearchdBだけ、送信された情報チャネルのすべての送信電力を増大させることはできないけれども、移動局850は電源の制限のために情報チャネルの送信エネルギーを増大させることもできないという条件に移動局850は応答することができる。好適実施形態において、移動局850は、その逆方向リンク送信が阻止されない重要性に従って送信しているチャネルを順位づけする。順位づけに考えられる要因は、送信されるデータの種類、再送信プロトコルの可用性、供給される順方向エラー訂正の種類等を含むことができる。従って、移動局850は、この順位づけに従ってこれらのチャネルの送信電力を増大する。
【0063】
基地局106aと移動局102および850は上記プロセスを成就するように構成可能である。上記プロセスを成就するためのソースコードは、ここに記載された詳細な説明に基づいてこの技術の通常の知識を有する者により容易に発生可能である。
【0064】
この発明の好適実施形態について図示および説明したが、この発明の精神および範囲を逸脱することなく種々の変更が可能である。例えば、移動局102および850は、周波数間サーチを実行するためにフレーム内の開始位置を選択するために、長いコードマスクの状態を使用することができる。移動局102および850は、周波数間サーチが一般にフレームを越えて拡張しないようにランダム化期間を選択することができる。異なる移動局間のサーチイクスカーション位置のランダム化は、逆方向リンクの干渉を低減しかつ順方向リンクの合計電力要件を減少させる。従って、この発明は以下のクレームの範囲によってのみ制限される。
【0065】
具体例のために、この発明の特定の実施形態およびこの発明のための例について説明したが、当業者には理解できるように、この発明の範囲を逸脱することなく種々の等価な変形例を作ることができる。例えば実施例では、ソフトウエアにより実現されプロセッサにより実行されるものとして一般に図示および記載している。そのようなソフトウエアは、半導体チップに記憶されたマクロコード、コンピュータ読み出し可能なディスク、ダウンロードされ、サーバから記憶されるようにいかなるコンピュータ読み出し可能な媒体にも格納することができる。この発明は、DSPやASICのようにハードウエアで等価に実現することができる。
【0066】
ここに提供されるこの発明の開示は、必ずしも上述した図示通信システムに限らず他の通信システムにも適用可能である。例えば、この発明は一般に、CDMA通信システム100に採用されるものとして記載したが、他のデジタルまたはアナログセルラ通信システムに等価に適用可能である。この発明は、すべて参照することにより組み込まれる、上述したシステム、回路、種々の特許および規格の観点を採用するように変更可能である。
【0067】
上述した詳細な説明からこれらのおよびその他の変更をこの発明に行なうことができる。一般に以下のクレームにおいて、用語は明細書およびクレームに開示された特定の実施形態に限定するように解釈されるべきでない。従って、この発明は開示により制限されず、その範囲は以下のクレームにより全体的に決定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局と通信を交換する移動局を有する無線通信システムにおいて、下記工程を具備する周波数サーチ時間を最小化するための方法:
ユーザ局を目標周波数に同調させ、前記目標周波数から信号サンプルを収集して記憶する;
ユーザ局をオリジナル周波数に同調させ、前記記憶したサンプルを処理する;
サンプル処理結果を基地局に送信する;および
周波数サーチイクスカーションが行なわれている間、順方向リンクシンボルおよび逆方向リンクシンボルの損失の影響を最小限にするために前記周波数サーチイクスカーションにより影響を受けた情報に関するフレームシンボルに割当てられた電力量を増大する。
【請求項2】
パイロットチャネルの送信エネルギーを前記周波数サーチイクスカーション前のパイロットチャネルの送信エネルギーと等価に維持する工程をさらに具備する、請求項1の方法。
【請求項3】
さらに下記工程を具備する請求項1の方法:
前記移動局が前記情報チャネルの送信電力を所望の程度まで増加できるかどうかを決定する;
前記移動局が前記情報チャネルの送信電力を前記所望の程度まで増加できない時前記情報チャネルの送信電力を選択的に増加する。
【請求項4】
前記情報チャネルの送信電力を選択的に増加する工程は、下記工程を具備する請求項3の方法:
阻止されない逆方向リンク送信を有することの重要性に従ってチャネルを順位づけする;および
前記順位づけに従って前記情報チャネルの送信エネルギーを調節する。
【請求項5】
前記情報チャネルは、制御チャネル、少なくとも1つの補足チャネルおよび基本チャネルから構成される、請求項1記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−10336(P2011−10336A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−176407(P2010−176407)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【分割の表示】特願2001−515652(P2001−515652)の分割
【原出願日】平成12年8月11日(2000.8.11)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】