説明

バイオディーゼル燃料を生成するための改良された方法

本発明は、ディーゼルサイクルエンジンにおける可燃物または燃料として好適な脂肪酸エステルの混合物を取得するための方法であって、a)炭素源としてグリセリンを用いた油性微生物の使用により、乾燥重量で20%に等しいかそれを超えるトリグリセリド含有量を有する微生物バイオマスを取得する工程と、b)工程a)で取得したバイオマスに含有されるトリグリセリドを、脂肪酸エステルの混合物に変換する工程とを含んでなる方法に関する。本発明はまた、前記油性微生物、その選択方法、およびそれから得られるポリヌクレオチドに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物由来の油から、ディーゼルサイクルエンジン用燃料を得るための方法、および前記油を生成する微生物に関する。本発明はまた、前記油性微生物、その選択方法およびそれから得られるポリヌクレオチドに向けられたものである。
【背景技術】
【0002】
現在のバイオディーゼル燃料生成は、植物起源(ヒマワリ、ナタネ、ヤシおよび他の種)のトリグリセリドを低分子量アルコール(メタノール、エタノール)でトランスエステル化(またはアルコール分解)することにより、脂肪酸メチル/エチルエステルおよびグリセリンを生成することを基礎としている。エステル化反応はどのようなアルコールを用いても実現可能であるが、事実上、メタノールおよびエタノールのみがこの方法に使用される(EP523767)。メチルアルコールは、コストが低く、かつ、いかなる低酸性油との反応をも可能にする物理化学的特性を有するために最も使用されている。
【0003】
バイオディーゼル燃料の生成は、トリグリセリドおよびアルコールを10/1の重量比で組み合わせて行われる。従って、1トンの油から開始すると、およそ1トンのバイオディーゼルと約100kgの粗グリセリンが得られる。
【0004】
70%〜85%の純度を有する粗グリセリンは、コンディショニング工程によって精製することができ、この工程では、中和工程に加えて、90%〜95%に達するまでその濃度を高める目的で蒸発が行われる。最終的に、この濃縮生成物をカラムに通して精製することによって高純度グリセリンが得られる。高純度グリセリンの行き先は、主に医薬および美容産業である。しかしながら、年間50%を超えるバイオディーゼル燃料市場の近年の成長により、グリセリンの世界市場が飽和している。公的組織が定めた、バイオ燃料を現在の燃料に代えて使用するという目的が果たされ、世界市場で粗グリセリンの余剰が生じれば、この状況は近い将来悪化するであろう。この状況において、精製によるその商業的回収は、バイオディーゼル植物に対する最も魅力的な解決策ではないようである。なぜならば、精製プロセスは費用が高すぎて、飽和した市場では競合できないからである。この状況から、環境の観点からは難点があるにもかかわらず、燃料としてのその使用可能性など、他の応用が考慮され始めている。
【0005】
更に、大半が油性種子または植物油からバイオディーゼル燃料を生成する現在の方法は、生成費用の50%〜60%を占めるこれら原料の費用に大きく左右される。使用済み油または別の種類の脂肪を使用すれば原料費用は低減し得るが、この方法は、これらの油を精製するための一連の追加工程を必要とする。従って、バイオディーゼル燃料のコストを低減するための新たな方策、特に、工程数を減らし、収率を向上させ、かつ、あまり高価でない原料を使用する方策を探求することが必要である。
【0006】
近年、非食用油の使用がバイオディーゼルを生成するための代替として提案されており、特に、ナンヨウアブラギリ(Jatropa curcas)、クロヨナ(Pongamia pinnata)またはインディアン・バターツリー(Madhuca indica)種子(Shahら,Energy fuels,2004,18,154−159;Karmee SKら,2005,Bioresource Technol.,96,1425−1429;Ghadge SVら,Bioresource Technol. ,2006,97,379−384)由来の油が挙げられる。しかしながら、これら代替物は、気候条件または地理的条件のために、全ての国で実現可能というわけではない。
【0007】
現在、油性の耕地作物または高油含有量の木質植物からのトリグリセリドの生成は、年間約120,000,000トンである。バイオディーゼル燃料市場の成長予測が実現すると、これらトリグリセリドの供給は極限状態になり、食物供給や伝統的な油脂化学産業を脅かすことさえあり得る。この種の穀物をより多く生産するには、広大な耕地が必要であるが、この状況は多くの地域においては不可能である。
【0008】
従って、バイオディーゼル産業は、他の経路、特に、連続して機能することができ、かつ、広大な耕地面積を必要としない経路によって得られるトリグリセリドの代替資源を必要としている。
【0009】
微生物からの脂質の生成は、長年の研究対象であった。菌類、酵母類および藻類の中には、代謝的ストレス期間中、最大で70%を超えるそれらのバイオマスを脂質の形態で細胞内に蓄積する能力を有するものもあり(Ratledge C,Acta Biotechnol.,1991,11,429−438)、故に、植物種子で起こるのと同様であり、それらは油性微生物と呼ばれている(Ratledge,Biochemie,2004,86,807−815)。
【0010】
ロドトルラ(Rhodotorula)属、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)属、ヤロウイア(Yarrowia)属、クリプトコッカス(Cryptococcus)属、デバリオマイセス(Debaryomyces)属、カンジダ(Candida)属またはリポマイセス(Lypomyces)属に属する酵母類およびクロレラ(Chlorella)属の微小藻類の中には、例えば、ナタネやダイズのような植物油に存在するものと酷似しているC16およびC18系の脂肪酸(パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸など)のプロファイルを含むトリグリセリドを蓄積するものもある。従って、これら微生物由来の油(微生物起源の油、SCO)は、EN 14214規格に示される規格を満たすので、バイオディーゼル燃料を生成するために潜在的に使用することができる。
【0011】
微生物によって生成される脂質からのバイオディーゼル燃料生成に関する情報はほとんどない。近年、微小藻類クロレラ・スターキー(Chorella starkey)を使用する方法(Bioresource Technol.,2006,97,841−846)および酵母類を用いた別の方法(J.Chem.Technol.Biotechnol.,2007,82,775−780)が記載されている。しかしながら、いずれの場合も、使用原料がグルコースであったので、当該方法の経済収支は実現可能ではない。
【0012】
農業食品、森林または産業セクターの産業プロセスから生じる有機副産物/廃棄物は、微生物または酵素を使用することによって、より付加価値が高い化合物を生成するための原料として使用することができる。バイオディーゼル産業由来の粗グリセリンは、これら副産物の中に含まれる。
【0013】
これら従来の文献に基づくと、方策的、経済的および技術的な観点から、以下の問題を解決するバイオディーゼル燃料産業における改良方法を開発する必要がある:
−粗グリセリンの大量な余剰によって発生する問題;
−高い費用または広大な耕地面積を必要とする原料を使用するという課題。
【発明の概要】
【0014】
本発明者らは、炭素源としてのグリセリンからバイオディーゼル燃料を生成するための新規方法であって、確立されている方法と同様の収率を達成しながら、生成物の品質および生成プロセスコストを改善する方法を開発した。この方法は、具体的には、高トリグリセリド含有量の微生物バイオマスから、ディーゼル型エンジン用可燃物または燃料として好適な脂肪酸エステルの混合物を取得することを可能にする。
【0015】
したがって、本発明の第一態様は、
a)炭素源としてグリセリンを用いた油性微生物の使用により、乾燥重量で20%に等しいかそれを超えるトリグリセリド含有量を有する微生物バイオマスを取得する工程と、
b)工程a)で取得したバイオマスに含有されるトリグリセリドを、脂肪酸エステルの混合物に変換する工程とを含んでなる、バイオディーゼル燃料を取得するための方法に向けられる。
【0016】
特定の実施形態において、工程a)で取得した微生物バイオマスは、それが含有するトリグリセリドの分離に付され、次いで、工程b)により脂肪酸エステルの混合物に変換される。
【0017】
特定の実施形態において、工程a)では、乾燥重量で20%〜70%のトリグリセリド含有量を有する微生物バイオマスが得られる。
【0018】
本発明の別の特定の実施形態において、脂肪酸エステルの混合物を取得する前に、油性植物種子を微生物バイオマスに添加する。
【0019】
本発明は、また、
a)炭素源としてグリセリンを用いた油性微生物の使用により、乾燥重量で20%に等しいかそれを超えるトリグリセリド含有量を有する微生物バイオマスを取得する工程と、
b)場合により、前記微生物バイオマスからトリグリセリドを分離する工程と、
c)工程a)で取得したバイオマスに含有されるトリグリセリド、または、工程b)で分離したトリグリセリドを、酸媒体中でのアルコール分解により脂肪酸エステルの混合物に変換することによって、脂肪酸エステルを含む相と、グリセリンおよび細胞残留物を含む別の相とを得る工程と、
d)工程c)で得られた、脂肪酸エステルを含む相と、グリセリンおよび細胞残留物を含む相とを分離する第一分離工程と、
e)工程d)で分離した脂肪酸エステルを含む相を中和することによって、脂肪酸エステルを含む相と、水およびアルコール残留物を含む相とが得られる工程と、
f)工程e)で得られた、脂肪酸エステルを含む相と、水およびアルコール残留物を含む相とを分離する第二分離工程と、
g)工程f)で分離した脂肪酸エステルを含む相を精製する工程と、
を含んでなる、バイオディーゼル燃料を取得するための方法に向けられる。
【0020】
更なる態様において、本発明は、炭素源としてグリセリンを使用してトリグリセリドを蓄積することができる油性微生物に向けられる。
【0021】
本発明の別の更なる態様は、唯一の炭素源としてグリセリンを使用してトリグリセリドを蓄積することができる油性微生物を選択するための方法であって、
(i)唯一の炭素源としてのグリセリン中で増殖可能な株を取得する工程と、
(ii)工程(i)のトリグリセリド生成株を選択する工程と
を含んでなる方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明において、用語「バイオマス」または「微生物バイオマス」は、培養培地中で増殖させた微生物の一連の細胞を指す。
【0023】
バイオディーゼル燃料は、バイオ燃料、すなわち再生可能燃料であり、ASTM(米国材料試験協会)仕様によれば、植物油または動物性脂肪などの再生可能脂質由来の長鎖脂肪酸(8個以上の炭素を有する)のモノアルキルエステルであって、圧縮点火エンジン(ディーゼルエンジン)で使用されるものとして記載されている。本発明にあっては、この油は先に定義した微生物バイオマスから得られる。
【0024】
本発明において、「油性微生物」は、代謝的負荷期間中に脂質を細胞内に蓄積する能力を有する酵母、糸状菌または微小藻類に関する(ロドトルラ(Rhodotorula)、ロドスポリジウム、ヤロウイア(Yarrowia)、クリプトコッカス(Cryptococcus)、デバリオマイセス(Debaryomyces)、カンジダ(Candida)、リポマイセス(Lypomyces)またはクロレラ(Chlorella))。
【0025】
第一態様において、本発明は、
a)炭素源としてグリセリンを用いた油性微生物の使用により、乾燥重量で20%に等しいかそれを超えるトリグリセリド含有量を有する微生物バイオマスを取得する工程と、
b)工程a)で取得したバイオマスに含有されるトリグリセリドを、脂肪酸エステルの混合物に変換する工程とを含んでなる、バイオディーゼル燃料を取得するための方法に向けられる。
【0026】
特定の実施形態において、工程a)で取得した微生物バイオマスは、それが含有するトリグリセリドの分離に付され、次いで、脂肪酸エステルの混合物に変換される。この分離は、好ましくは抽出を含んでなる。
【0027】
工程a)において微生物バイオマスを取得するための方法は、トリグリセリド含有量が乾燥重量で20%に等しくなるかそれを超えるまで、フラスコまたはバイオリアクター内で油性微生物を培養することを含んでなる。
【0028】
特定の実施形態において、微生物は、一定の攪拌下、18℃〜30℃、好ましくは23℃〜30℃の温度で、2〜5日間培養される。細胞内のトリグリセリド量が最大に達したら、収集の目的のために通常使用される方法のいずれか、例えば、濾過または遠心分離などによって細胞を収集する。
【0029】
特定の実施形態において、バイオマスにおいて到達されるトリグリセリド含有量は、乾燥重量の20%〜70%である。
【0030】
本発明の好ましい実施形態において、バイオマスを生成するために使用される微生物は酵母である。更に好ましい実施形態において、酵母は、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)属であり、ロドスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides)CECT 13006およびロドスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides)CECT 13007株が特に好ましい。
【0031】
微生物は、炭素源としてグリセリンが存在する培養培地中で増殖され、このグリセリンは、同培地中に存在する窒素源に対して過剰であり、後者は、酵母抽出物、ペプトン、トウモロコシ浸出液、尿素、グルタミン酸ナトリウムまたは無機窒素源(例えば、様々なアンモニウム塩)であり得るが、これらに限定されない。
【0032】
グリセリンに加えて、他の炭素源が培養培地中に存在していてもよく、他の炭素源として例えば、グルコース、モラス、スクロース、フルクトース、デンプンまたは脂肪酸などが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の特定の実施形態によれば、グリセリンが発酵培地中で炭素源として使用され、好ましくは、使用する全炭水化物の70%〜100%の量で使用される。経済的な理由から、使用するグリセリンは、粗グリセリン、すなわち、およそ70%〜85%の純度を有するものであるのが好ましい。
【0033】
本発明の別の特定の実施形態において、本発明による方法は、脂肪酸エステルの混合物を取得する前の工程として、工程a)で取得した微生物バイオマスに、油性植物種子を添加することを更に含んでなる。好適な植物種子は、ヒマワリ、ナタネ、ヤシ、ダイズ、カブ(turnip rape)またはココナツ種子などである。
【0034】
そして次に、工程a)で取得した微生物バイオマスに含有されるトリグリセリドを直接的にアルコール分解するか、または、微生物バイオマスから分離したトリグリセリドをアルコール分解することによって、脂肪酸エステルの混合物が調製される。この反応では、速度および最終収率を向上させるために触媒を使用することができる。アルコール分解は、酸媒体中で行われるのが好ましく、すなわち、酸を触媒として使用する。酸性化は、硫酸、塩酸またはリン酸などが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されないいずれかの酸を使用することによって行うことができる。当該反応で使用するアルコールは、好ましくは、バイオマスに対して重量で5倍〜40倍、より好ましくは10倍〜30倍を超える。特定実施形態において、当該反応は、40℃〜70℃、好ましくは50℃〜70℃の温度で、20〜36時間、一定に攪拌して進行させる。また、好ましくは、バイオマスのアルコール分解は、1、2、3または4個の炭素を有するアルコールを用いて行われる。更に好ましくは、アルコールはメタノールまたはエタノールであり、メタノールがより好ましいアルコールである。
【0035】
先に示した均一な酸型触媒に加え、本発明の他の実施形態では、不均一な酸触媒(例えば、ゼオライト、スルホン酸樹脂、SO/ZrO、WO/ZrO)、不均一な塩基性触媒(例えば、MgO、CaO、Na/NaOH/Al3)、均一な塩基性触媒(例えば、KOH、NaOH)または酵素触媒(リパーゼ、例えば、カンジダ(Candida)、ペニシリウム(Penicillium)、シュードモナス(Pseudomonas))が使用される。
【0036】
本発明は、また、
a)炭素源としてグリセリンを用いた油性微生物の使用により、乾燥重量で20%に等しいかそれを超えるトリグリセリド含有量を有する微生物バイオマスを取得する工程と、
b)場合によって、前記微生物バイオマスからトリグリセリドを分離する工程と、
c)工程a)で取得したバイオマスに含有されるトリグリセリド、または、工程b)で分離したトリグリセリドを、酸媒体中でのアルコール分解により脂肪酸エステルの混合物に変換することによって、脂肪酸エステルを含む相と、グリセリンおよび細胞残留物を含む別の相とが得られる工程と、
d)工程c)で得られた、脂肪酸エステルを含む相と、グリセリンおよび細胞残留物を含む相との第一の分離工程と、
e)工程d)で分離した脂肪酸エステルを含む相を中和することによって、脂肪酸エステルを含む相と、水およびアルコール残留物を含む相とが得られる工程と、
f)工程e)で得られた、脂肪酸エステルを含む相と、水およびアルコール残留物を含む相との第二の分離工程と、
g)工程f)で分離した脂肪酸エステルを含む相を精製する工程と
を含んでなる、バイオディーゼル燃料を取得するための方法を目的とする。
【0037】
工程a)、b)、およびc)は、上述と同様に実施される。
【0038】
本発明の特定の実施形態において、相分離工程d)は、遠心分離法によって行われる。
【0039】
脂肪酸エステルを含む相を中和する工程e)は、過剰なアルコールおよび適切な場合には過剰な酸を除去するのに役立つ。中和は、好適には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化アンモニウムなどの弱塩基の溶液を、好ましくは工程d)で分離した脂肪酸エステルを含む相の量の体積で1/3〜1/10の範囲にある一定量の水に添加することによって行われる。本発明の特定の実施形態において、前記中和は、いくつかの工程、例えば、添加する水に対して0.05重量%〜0.3重量%の塩基濃度を使用する第一工程および添加する水に対して0.01重量%〜0.1重量%を使用する第二工程で行うことができる。
【0040】
特定の実施形態において、この中和工程の間、エマルションの形成を防ぐために、約15分〜60分間、調節された速度で機械的な攪拌が行われる。
【0041】
特定の実施形態において、工程f)における第二の相分離は、重力デカンテーションによって行われ、水およびアルコール残留物によって形成される相と、脂肪酸エステルを含有する相とが得られる。
【0042】
前記エステルは、エバポレーター内の水およびアルコール残留物を除去することによって精製することができる。少量の水およびアルコール(メタノールまたはエタノールであることが多い)の蒸発は、プロセスのエネルギー需要を低下させる。その理由は、蒸発に必要な温度は、エステル精製中にエステルを蒸留するために使用する温度よりも低いからである。
【0043】
このようにして取得したバイオディーゼル燃料は、規格14214で定めた含水量よりも高ければ、再循環させることができる。
油性微生物
【0044】
先に示したように、バイオディーゼル燃料を取得するための方法は、炭素源としてグリセリンを用いる油性微生物の使用を含んでなる。従って、更なる態様において、本発明は、炭素源としてグリセリンを使用してトリグリセリドを蓄積することができる油性微生物に向けられる。
【0045】
別の特定の実施形態において、この微生物は、乾燥重量で20%に等しいかそれを超える、好ましくは20%〜70%のトリグリセリド含有量を蓄積することができる。
【0046】
本発明において、油性微生物は、酵母、糸状菌または微小藻類であり得る。本発明の好ましい実施形態において、微生物は酵母である。更に好ましい実施形態において、酵母は、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)属であり、ロドスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides)CECT 13006およびロドスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides)CECT 13007株が特に好ましい。
【0047】
本発明の微生物の国際寄託機関は、スペイン培養細胞系統保存機関(Coleccion Espanola de Cultivos Tipo−CECT)である。
【0048】
別の更なる態様において、本発明は、唯一の炭素源としてグリセリンを使用してトリグリセリドを蓄積することができる油性微生物を選択するための方法であって、
(i)唯一の炭素源としてグリセリンを含む培養培地中で増殖可能な株を取得する工程と、
(ii)工程(i)のトリグリセリド生成株を選択する工程と
を含んでなる方法を提供する。
【0049】
工程(i)において、株を選択するために、当該技術分野で既知のいずれのグリセリン培養培地を使用することができ、例えば、ロドトルラ(Rhodotorula)、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)、ヤロウイア(Yarrowia)、クリプトコッカス(Cryptococcus)、デバリオマイセス(Debaryomyces)、カンジダ(Candida)もしくはリポマイセス(Lypomyces)、またはクロレラ(Chlorella)である。グリセリン培養培地は、好ましくは、MMG培地(1lにつき:アミノ酸を含まない酵母窒素ベース(YNB)6.7g;粗グリセリン47g;クロラムフェニコール(50μg/mL)を補充)を含む。
【0050】
工程(ii)において、トリグリセリド生成株の選択は、ナイルレッド(Nile red)などによる染色を用いたサンプリング、およびその後の蛍光分析によって行うことができる。
【0051】
本発明において規定される酵母株は、リボソームDNAサブユニット26SのD1/D2領域およびサブユニット18Sから26Sまでの間に位置する全ITS領域の断片に相当するヌクレオチド配列により同定されている。
【0052】
従って、別の態様では、本発明は、ロドスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides)CECT 13006のリボソームDNAサブユニット26SのD1/D2領域に相当する、配列番号1に示す配列を有することを特徴とするポリヌクレオチドに関する。
【0053】
別の態様では、本発明は、ロドスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides)CECT 13006のサブユニット18Sから26Sまでの間に位置する全ITS領域に相当する、配列番号2に示す配列を有することを特徴とするポリヌクレオチドに関する。
【0054】
別の態様では、本発明は、ロドスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides)CECT 13007のリボソームDNAサブユニット26SのD1/D2領域に相当する、配列番号3に示す配列を有することを特徴とするポリヌクレオチドに関する。
【0055】
別の態様では、本発明は、ロドスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides)CECT 13007のサブユニット18Sから26Sまでの間に位置する全ITS領域に相当する、配列番号4に示す配列を有することを特徴とするポリヌクレオチドに関する。
【0056】
当業者が理解するように、本発明のポリヌクレオチドは、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)属の他種を同定するために、プローブとして使用するか、または、それからプライマーもしくはプローブを設計するために使用することができる。
【実施例】
【0057】
1.唯一の炭素源としての粗グリセリン中で増殖可能な微生物の選択
リオ・ティント(Rio Tinto)(ウエルバ(Huelva))の川岸で採取した土壌サンプルから、これらの微生物を2つの方策によって単離した。試験管に入れた1gのサンプルに10mLの食塩水を添加し、10分間激しく攪拌した。この懸濁液から、食塩水による1:10連続希釈液を調製し、YPG培地(1リットルにつき:酵母抽出物10g;細菌ペプトン20g;粗グリセリン47g;クロラムフェニコール(50μg/mL)を補充)を含有するプレートに0.1mLを播種して、細菌増殖を阻害した。プレートを、28℃で4〜5日間インキュベートし、MMG培地(1リットルにつき:アミノ酸を含まない酵母窒素ベース(YNB)6.7g;粗グリセリン47g;クロラムフェニコール(50μg/mL)を補充))を含有するプレートに、増殖したコロニーを移した。プレートを、28℃で5〜7日間インキュベートした。
【0058】
第二の方策では、サンプルの一部分を滅菌乳鉢内で粉砕し、その1gを、ローズベンガル(50μg/mL)およびクロラムフェニコール(50μg/mL)を補充したMMG培地50mLを含有するフラスコに添加した。フラスコを28℃、250rpmにて24時間インキュベートした。次いで、この培養物0.5mLを、8%粗グリセリンを有するMMGを含有する別のフラスコに移し、同条件下でインキュベートした。このプロセスを、12%粗グリセリンを含有するMMG培地を使用して、再度繰り返した。8%〜12%グリセリンを含有する培養物から、MMG培地を有するプレートに希釈液を播種した。これらを28℃で7日間インキュベートした。
【0059】
これら2つの方法により、YPG培地中470個のコロニーが得られ、その中からMMGにおいて増殖可能な230個を選択した。
【0060】
2.唯一の炭素源としての粗グリセリン中で増殖し、かつ、トリグリセリドを蓄積することができる微生物の選択
トリグリセリドを蓄積する能力を、ナイルレッド染色を用いたサンプリングによって分析した(Kimura Kら,2004,J.Microbiol.Methods,56,331−338)。
【0061】
96ウェルプレートにおいて、28℃、250rpmで72時間、培養物をMMG培地中で小規模に(1mL)増殖させた。この後、0.5mLの培養物を採取し、同容量のPBS緩衝液(10mMのリン酸カリウム緩衝液、0.15M KCl、pH7.0)で希釈した。0.01mLのナイルレッド溶液(0.5μLg/mL)をこの懸濁液0.4mLに添加し、混合物を室温で5分間インキュベートし、0.1mLをマイクロタイタープレートに移し、蛍光をプレートリーダーにて600nmで測定した。12個の培養物が、対照として使用した株ロドスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides)CBS14よりも大きな蛍光測定値を示し、これらを使用可能なトリグリセリドプロデューサーとして選択した。これら12個の株および対照を3組(in triplicate)、50mLのMEM培地(1リットルにつき:粗グリセリン47g;酵母抽出物1.5g;一カリウムリン酸塩0.75g;硝酸アンモニウム0.28g;CaCl・2HO 0.4g;およびMgSO・72HO 0.4g、濃HClでpH5に調節)を含有するフラスコ内で、28℃、250rpmにて96時間培養した。遠心分離によって細胞を収集し、2つのチューブを水切りし、50℃のオーブンで24時間乾燥させて、乾燥重量を測定した。他方のチューブを濾紙上で水切りし、0.75mLの水酸化アンモニウムを含有する水5mLに細胞を再懸濁した。懸濁液を穏やかに攪拌し、15分間、60℃〜70℃の槽内でインキュベートした。それを冷却し、5mLのエタノールを加え、激しく攪拌した。次いで、12.5mLのエチルエーテルを加え、短時間攪拌し、同容量の石油エーテルを加えた。混合物を遠心分離によって分離し、有機相を平底球形フラスコへ取り除いた。有機相をロータリーエバポレーター内で蒸発乾燥させ、102℃のオーブン内にフラスコを導入した後、一定重量を得た。
【0062】
この重量測定により、それらの乾燥重量の25.3%および27.2%をトリグリセリド物質の形態で蓄積することができる2つの株が同定された。いずれも、リボソームDNAサブユニット26SのD1/D2領域およびサブユニット18Sから26Sまでの間に位置する全ITS(内部転写スペーサー)領域の断片を配列決定することにより、2つの異なるロドスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides)株として同定され、また、既存のデータベースに寄託されたこの種の配列に対して差異を示した。いずれの株も、ロドスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides)0376(CECT番号13006)およびロドスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides)0770(CECT番号13007)としてスペイン培養細胞系統保存機関に寄託されたものである。
【0063】
リボソームDNAサブユニット28Sに相当するD1/D2領域を増幅するために、配列番号5および配列番号7の配列を有するオリゴヌクレオチドが使用されている。同様に、サブユニット18Sから26Sまでの間に位置する全ITS領域を、配列番号6および配列番号8の配列を有するオリゴヌクレオチドを使用して増幅した。
【0064】
別の態様において、本発明は、配列番号5に示す配列を有することを特徴とするオリゴヌクレオチドに関する。
【0065】
別の態様において、本発明は、配列番号6に示す配列を有することを特徴とするオリゴヌクレオチドに関する。
【0066】
別の態様において、本発明は、配列番号7に示す配列を有することを特徴とするオリゴヌクレオチドに関する。
【0067】
別の態様において、本発明は、配列番号8に示す配列を有することを特徴とするオリゴヌクレオチドに関する。
【0068】
3.唯一の炭素源としての粗グリセリン中で増殖し、かつ、トリグリセリドを蓄積することができる微生物の発酵によるバイオディーゼル燃料の生成
固体YPG培地(1リットルを基準とする組成:酵母抽出物10g;細菌ペプトン20g;粗グリセリン47g;寒天20g)中で増殖させたロドスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides)CECT13007細胞を用いて、同培地50mLに植菌した。オービタルシェーカー内で24時間インキュベートした(200rpm、28℃)後、この培養物25mLを、250mLのYPGを含有する1リットルフラスコに移した。オービタルシェーカー内で、細胞を再度24時間インキュベートした(200rpm、28℃)。次いで、150mLのこの培養物を、1.35lのMEM培地を含有する発酵器に移した。この培地は、(1lを基準として)粗グリセリン47g、酵母抽出物1.5g、一カリウムリン酸塩0.75g、硝酸アンモニウム0.28g、CaCl・2HO 0.4gおよびMgSO・72HO 0.4g(濃HClでpH5に調節)からなる。
【0069】
発酵器を28℃で維持し、250rpmで攪拌を維持することにより、溶解酸素の濃度を20%以上に維持した。72時間後、発酵器中のバイオマスの濃度は24.4g/Lであり、細胞内トリグリセリド含有量は52.3%であった。存在する脂肪酸の組成をガスクロマトグラフィーによって分析すると、多数成分としてパルミチン酸(24%)、ステアリン酸(8%)、オレイン酸(55%)およびリノール酸(2%)が認められた。
【0070】
遠心分離によって細胞を採取し、50℃で8時間乾燥させた。
【0071】
コンデンサーを備えた丸底フラスコに、10gのバイオマス(5.2gのトリグリセリド)および100mLの酸メタノール溶液を添加した。懸濁液を、大気圧下で激しく攪拌しながら60℃で20時間加熱した。反応が終了したら、攪拌を停止し、遠心分離によって混合物を分離した。2つの相が得られた:メチルエステルおよびメタノールを過剰に含有する軽量相、ならびに、グリセリン、メタノール残留物、触媒および塩により形成される重量相。
【0072】
添加した水に対して0.1重量%の濃度で水酸化ナトリウムを含有するアルカリ水で2回洗浄することにより、軽量相の精製を行った。各洗浄において、有機相および水性相が良好な分離を達成するまでデカントさせた。水性相を除去し、メチルエステルを収集して、真空流下膜式エバポレーター中、100mbarの絶対圧力および120℃の温度での蒸発によって、メタノールおよび水残留物を除去した。得られた最終量は、メチルエステル5.09gであった。これは98%の収率を表す。
【0073】
このようにして得られたメチルエステルは、この種の燃料に関する欧州規格14214の仕様に準拠したディーゼルエンジンにおける自動車燃料としての使用に好適である(表1を参照)。
【0074】
メチルエステル混合物燃料としてのSCOの特性
【表1】

【0075】
4.油性種子およびバイオマスの混合物からのバイオディーゼル燃料の取得
先の例に記載した方法に従って得られた、細胞内トリグリセリド含有量が53.4%であるロドスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides)CECT13006バイオマスを、ヒマワリ種子と、90/10、80/20および75/25(種/バイオマス)の比で混合した。プレス(油圧搾機XP100(アルバン・ブランチ(Alban Blanch)))を使用した押出によって脂肪を抽出した。トランスエステル化を行うため、0.27lのメタノールと3gの水酸化ナトリウムを混合することによって、触媒(ナトリウムメトキシド)を調製した。油をリアクター内で秤量し、一定に攪拌しながら50℃に達するまで加熱した。次いで、触媒を添加し、反応を60分間進行させた。この後、攪拌を停止し、遠心分離によって相を分離した。先の例に示す工程に従って、メチルエステルを精製した。様々な種子:バイオマス比で行った試験において達成された収率は98%よりも大きかった。
【0076】
得られたバイオディーゼル燃料の分析は、ヒマワリ種子のみを使用した場合に得られたのと実質的に同様の結果を示し、パラメーターは規格EN14214が規定した要件を満たしている。
【0077】
5.油性バイオマスから抽出した油からのバイオディーゼル燃料の取得
53.7%の脂肪を含有するロドスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides)CECT 13006株細胞10gを、20mLの脱塩水に再懸濁した。次いで、2.5mLの25%水酸化アンモニウム溶液を添加し、穏やかに攪拌し、60℃の槽で15分間インキュベートした。混合物を冷却し、10mLのエタノールを添加し、激しく攪拌した。40mLのエチルエーテルを添加し、再び攪拌し、次いで、40mLの石油エーテルを加え、再び攪拌した。混合物を6,000rpmで遠心分離し、軽量(有機)相を、先に秤量した平底球形フラスコに分離した。いずれの場合にも半分の容量を用いて抽出を繰り返し、抽出した脂肪を同一の平底球形フラスコ内で混合した。存在し得るエタノールまたは水残留物を除去するために、フラスコを1時間窒素流に供した。得られたトリグリセリドの量は5.12gであった。
【0078】
先の例に記載した方法に従ってトランスエステル化を行い、98.7%の収率に達した。得られたバイオディーゼル燃料の分析は、規格EN14214が要求する全てのパラメーターを満たしている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)炭素源としてグリセリンを用いた油性微生物の使用により、乾燥重量で20%に等しいかそれを超えるトリグリセリド含有量を有する微生物バイオマスを取得する工程と、
b)前記工程a)で取得したバイオマスを、脂肪酸エステルの混合物に変換する工程とを含んでなる、バイオディーゼル燃料を取得するための方法。
【請求項2】
前記工程a)で取得した微生物バイオマスが、工程b)により脂肪酸エステルの混合物に変換される前工程としての、それが含有するトリグリセリドの分離の工程に付される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記分離が抽出を含んでなる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記微生物バイオマスのトリグリセリド含有量が、乾燥重量で20%〜70%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記微生物が酵母である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記微生物が、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)属の酵母である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記微生物が、ロドスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides)CECT 13006である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記微生物が、ロドスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides)CECT 13007である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記グリセリンが、前記炭素源の70%〜100%を構成する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記工程a)で取得したバイオマスを脂肪酸エステルに変換する前の工程として、前記バイオマスに油性植物種子を添加する工程を更に含んでなる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記工程b)がアルコール分解により行われる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項12】
前記アルコール分解が酸媒体中で行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記アルコール分解が40℃〜70℃の温度で行われる、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記アルコール分解が50℃〜70℃の温度で行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記アルコール分解がメタノールまたはエタノールを用いて行われる、請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記アルコール分解がメタノールを用いて行われる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
a)炭素源としてグリセリンを用いた油性微生物の使用により、乾燥重量で20%に等しいかそれを超えるトリグリセリド含有量を有する微生物バイオマスを取得する工程と、
b)場合により、前記微生物バイオマスからトリグリセリドを分離する工程と、
c)前記工程a)で取得したバイオマスに含有されるトリグリセリド、または該工程b)で分離したトリグリセリドを、酸媒体中におけるアルコール分解により脂肪酸エステルの混合物に変換することによって、脂肪酸エステルを含む相と、グリセリンおよび細胞残留物を含む別の相とが得られる工程と、
d)前記工程c)で得られた、脂肪酸エステルを含む相と、グリセリンおよび細胞残留物を含む相とを分離する第一分離工程と、
e)前記工程d)で分離した脂肪酸エステルを含む相を中和することによって、脂肪酸エステルを含む相と、水およびアルコール残留物を含む相とが得られる工程と、
f)前記工程e)で得られた、脂肪酸エステルを含む相と、水およびアルコール残留物を含む相とを分離する第二分離工程と、
g)前記工程f)で分離した脂肪酸エステルを含む相を精製し、炭素源としてグリセリンを用いた油性微生物の使用により、乾燥重量で20%に等しいかそれを超えるトリグリセリド含有量を有する微生物バイオマスを取得する工程と、
を含んでなる、バイオディーゼルを取得するための方法。
【請求項18】
炭素源としてグリセリンを使用してトリグリセリドを蓄積することができる、油性微生物。
【請求項19】
乾燥重量で20%に等しいかそれを超えるトリグリセリド含有量を蓄積することができる、請求項18に記載の油性微生物。
【請求項20】
酵母である、請求項18または19に記載の微生物。
【請求項21】
ロドスポリジウム(Rhodosporidium)属の酵母である、請求項20に記載の微生物。
【請求項22】
ロドスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides)CECT 13006である、請求項21に記載の微生物。
【請求項23】
ロドスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides)CECT 13007である、請求項21に記載の微生物。
【請求項24】
唯一の炭素源としてグリセリンを使用してトリグリセリドを蓄積することができる油性微生物を選択するための方法であって、
(i)唯一の炭素源としてグリセリンを含む培養培地中で増殖可能な株を取得する工程と、
(ii)工程(i)のトリグリセリド生成株を選択する工程と
を含んでなる、方法。
【請求項25】
工程(i)において、前記培養培地がMMG培地を含んでなる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
工程(ii)が染色によるサンプリングを含んでなる、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
工程(ii)が蛍光分析を含んでなる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
配列番号1に示される配列を有することを特徴とする、ポリヌクレオチド。
【請求項29】
配列番号2に示される配列を有することを特徴とする、ポリヌクレオチド。
【請求項30】
配列番号3に示される配列を有することを特徴とする、ポリヌクレオチド。
【請求項31】
配列番号4に示される配列を有することを特徴とする、ポリヌクレオチド。
【請求項32】
配列番号5に示される配列を有することを特徴とする、ポリヌクレオチド。
【請求項33】
配列番号6に示される配列を有することを特徴とする、ポリヌクレオチド。
【請求項34】
配列番号7に示される配列を有することを特徴とする、ポリヌクレオチド。
【請求項35】
配列番号8に示される配列を有することを特徴とする、ポリヌクレオチド。

【公表番号】特表2011−515097(P2011−515097A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−501254(P2011−501254)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【国際出願番号】PCT/ES2009/000167
【国際公開番号】WO2009/118438
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(510255244)ニューロン ビオファルマ、ソシエダッド、アノニマ (3)
【氏名又は名称原語表記】NEURON BIOPHARMA, S.A.
【Fターム(参考)】