説明

バイオベースの弾性フロアタイル

バイオベースの弾性タイルは、少なくとも1つの基部層(2)、少なくとも1つのフィルム層(3)、およびトップコート(4)を含む。上記基部層(2)は、ポリマー結合剤および充填剤を含む。上記基部層(2)は、少なくとも約20〜95%重量の上記充填剤および少なくとも約5%重量の再利用材料を有する。上記フィルム層(3)は、上記基部層(2)によって支持される。上記フィルム層(3)は、ポリエチレンテレフタレート、グリコール化ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、もしくは熱可塑性イオノマー樹脂からなる群より選択される剛性フィルムである。上記フィルム層は、再利用材料を含む。上記トップコート(4)は、上記フィルム層(3)の上に提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2008年4月30日に出願された米国特許出願第61/125,975号からの優先件を主張する。この特許出願は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、弾性フローリング製品、およびより具体的には、バイオベースの弾性フロアタイルに関する。弾性フローリング製品(例えば、住宅用タイル)は、代表的には、ポリマー結合剤(例えば、ポリビニルクロリド)から作製される少なくとも1つの層を有する。しかし、ポリビニルクロリドの使用は、再利用の動向に対するその影響に起因して、ヒトおよび環境の健康状態に脅威を与えることが議論されている。ポリビニルクロリドは、上記樹脂を再度挽きかつ再合成する極端に高いコストに起因して代表的には再利用性でないのみならず、ポリビニルクロリドはまた、さらには環境にマイナスの影響を与える化石燃料(例えば、石油および石炭)を使用して製造される。
【背景技術】
【0003】
ポリビニルクロリドの製造、使用および処分に対して増大しつつある論争に応じて、他の供給源から材料およびポリマーを開発する商業的試みがなされてきた。例えば、フローリング製品のためのポリマー結合剤として官能化ポリオレフィン(例えば、エチレンアクリル酸コポリマー)、および他のポリオレフィン物質を使用するための試みがなされてきた。しかし、ポリオレフィンの化学的組成に起因して、従来の接着剤およびワックスは、ポリオレフィン物質から作製されたポリマー結合剤で形成されるフローリング製品に対して使用できない。さらに、ポリオレフィンはまた、環境に対してマイナスの影響を及ぼす化石燃料(例えば、石油および石炭)を使用して製造される。
【0004】
従って、既存の製品構造物および/もしくはプロセスで使用され得ると同時に、再利用材料もしくは再生可能供給源(例えば、バイオベースの材料)から得られるポリマー結合剤が、なお開発される必要性がある。再利用材料は、回収されたか、または他の方法で製造プロセスの間に(消費者使用の前(pre−consumer))もしくは消費者使用の後(ポストコンシューマー)(post−consumer)のいずれかに、固体廃棄物の動向から流用された材料である。再利用材料は、従って、ポストインダストリアル材料(post−industrial material)およびポストコンシューマー材料を含む。バイオベースの材料は、ある量のバイオマス(例えば、植物、農作物、木材廃棄物、動物性廃棄物、脂肪、および油)から調達した非化石炭素を含む有機物質である。バイオマスプロセスから形成されるバイオベースの材料は、化石燃料から生成されるものとは異なる放射活性C14サインを有する。上記バイオベースの材料は、バイオマスから調達したある量の非化石炭素を含む有機物質であるので、上記バイオベースの材料は、必ずしも100%バイオマスから得られる必要はないと考えられる。従って、試験は、上記バイオベースの材料中のバイオベースの内容物の量を決定するために確立されてきた。一般に、上記バイオベースの材料中のバイオベースの内容物の量は、上記材料もしくは製品中の総有機炭素の部分重量(fraction weight)(質量)もしくはパーセンテージ重量(質量)としての、上記材料もしくは製品中のバイオベースの炭素の量である。
【0005】
上記材料もしくは製品中のバイオベースの内容物の量の計算は、上記材料もしくは製品が、商業的建築物において使用される場合に、エネルギーおよび環境設計のリーダーシップ(Leadership in Energy and Environmental Design)(LEED)認証の資格を与えるか否かを確かめるために重要である。米国グリーンビル協会(The US Green Building Council)は、ポイントシステムに基づいてLEED認証を得るための科学に基づいた基準を示す、LEED評価システムを確立した。表1に示されるように、LEED評価システムの下では、新たな建築物について、1ポイントが、ポストコンシューマー材料および1/2 ポストインダストリアル材料の合計の少なくとも5%重量に対して与えられる。第2のポイントは、ポストコンシューマー材料および1/2 ポストインダストリアル材料の合計の少なくとも10%重量に対して与えられる。さらなるポイントは、迅速に再生可能な建築材料および製品の少なくとも5%重量に対して与えられる。既存の建物については、1ポイントは、ポストコンシューマー材料の少なくとも10%重量に対して与えられる。第2のポイントは、ポストインダストリアル材料の少なくとも20%重量に対して与えられる。さらなるポイントは、迅速に再生可能な材料の少なくとも50%重量に対して与えられる。従って、上記LEED基準を満たすフローリング製品は、LEED認証のポイントを得るために使用され得る。
【0006】
【表1】

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記LEED評価システムに基づく「よりグリーン」なフローリング製品を選択することにおいて一新された市場の関心があったので、既存の製品構造物および/もしくはプロセスならびに利用可能な再利用材料および/もしくは再生可能材料に基づく「よりグリーン」なフローリング製品を開発する必要性が未だにある。このアプローチに対する手がかりは、弾性フローリング製品について、再利用材料および/もしくは迅速に再生可能な材料(例えば、バイオベースの材料)をポリマー結合剤システムに組み込み、それによって、限られた資源(例えば、化石燃料)に対する依存を低下させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ポリマー結合剤および充填剤を含む少なくとも1つの基部層を含む弾性フローリング製品を提供する。上記基部層は、少なくとも約20〜95%重量の上記充填剤および少なくとも約5%重量の再利用材料を有する。本発明は、少なくとも1つの基部層、少なくとも1つのフィルム層、およびトップコートを含む弾性フローリング製品をさらに提供する。上記基部層は、ポリマー結合剤および充填剤を含む。上記基部層は、少なくとも約20〜95%重量の上記充填剤および少なくとも約5%重量の再利用材料を有する。上記フィルム層は、上記基部層によって支持される。上記フィルム層は、ポリエチレンテレフタレート、グリコール化ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、もしくは熱可塑性イオノマー樹脂からなる群より選択される剛性フィルムである。上記フィルム層は、再利用材料を含む。上記トップコートは、上記フィルム層上に提供される。上記トップコートは、バイオベースの樹脂、バイオベースのポリオールアクリレート、もしくはバイオベースのポリオールからなる群より選択されるバイオベースの成分を含む放射線硬化性バイオベースコーティングである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に従う弾性フローリング製品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に示されかつ記載される弾性フローリング製品は、バイオベースの弾性フロアタイル1である。図1に示されるように、上記バイオベースの弾性フロアタイル1は、少なくとも1つの基部層2、少なくとも1つのフィルム層3、およびトップコート4を含む。しかし、上記弾性フローリング製品が、本明細書に示されかつ記載される構造に限定されないことは、当業者によって認識される。例えば、上記弾性フローリング製品は、さらなる基部層および/もしくはさらなるフィルム層を含み得、そして/または上記トップコート4なしに提供され得る。さらに、上記フィルム層のうちの少なくとも1つは、透明プリントおよび/もしくはバックプリントされ得る。さらに、上記基部層2、上記フィルム層3、および上記トップコート4の厚みは、上記弾性フローリング製品の所望の特徴に依存して変動し得る。
【0011】
例示される実施形態において、上記基部層2は、ポリマー結合剤および充填剤を含む。上記ポリマー結合剤は、例えば、少なくとも1つの再利用可能な成分もしくは再生可能な成分を含む熱可塑性ポリエステル樹脂であり得る。本開示で使用される場合、「熱可塑性(物質)」とは、熱に曝された場合に軟化しかつ室温へと冷却された場合にその元の状態に戻るポリマーを意味するのに対して、「熱硬化性(物質)」とは、加熱された場合に非可逆的に固化もしくは硬化するポリマーを意味する。熱硬化性は、通常は、熱もしくは放射線によって誘導される分子構成成分の架橋反応と関連づけられる。上記ポリマー結合剤もしくは上記ポリエステル樹脂はまた、上記製造プロセスの間に他の活性添加物での動的な加硫を伴い得る官能基を含み得る。上記官能基は、例えば、酸もしくはヒドロキシル基であり得る。上記活性添加物は、エポキシ、アミン、イソシアネート含有化合物、オリゴマー、もしくはポリマーであり得る。上記エポキシは、例えば、エポキシ化天然オイル(例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、ベルノニア油(vernonia oil)、もしくはこれらの組み合わせ)であり得る。上記ポリエステル樹脂は、例えば、無定形であっても結晶性であってもよく、例えば、芳香族二酸および/もしくは脂肪族二酸、ならびにジオール成分を含み得る。上記ポリエステル樹脂はまた、高分子量のものであり得る。適切なポリエステル樹脂の例としては、例えば、市販のポリエステル樹脂であるECOFLEX FBX7011(Ludwigshafen,GermanyのBASF SEによって製造される)が挙げられ、これは、ブタンジオール、アジピン酸、およびテレフタル酸ベースの、高分子量の、生分解性で、約−25℃のTgおよび約115℃のTmを示す脂肪族−芳香族コポリエステルである。適切なポリエステル樹脂の他の例は、例えば、米国特許出願公開第2008/0081882 A1号(これは、その全体が本明細書に参考として援用される)において開示される。
【0012】
上記充填剤は、例えば、石灰岩、タルク、もしくは他の鉱物であり得る。上記充填剤は、再利用可能材料もしくは再生可能材料であり得る。ポストインダストリアルプロセスから生成される再利用充填剤としては、石灰岩、水晶、セラミック粉末、ガラス、フライアッシュ、コンクリート粉末、および他の鉱物が挙げられる。さらに、再利用可能充填剤は、木材もしくは植物(例えば、ペカンの殻、木粉、おがくず、胡桃の殻、籾殻(rice hull)、トウモロコシ穂軸ごみ(corn cob grit)などから得られ得る。他のポストインダストリアル充填剤もしくは再生可能充填剤としては、無機充填剤(例えば、動物(例えば、二枚貝および珊瑚)由来のすりつぶした殻)を含み、これは、バイオベースの内容物を含む。再利用熱硬化性樹脂ベースの充填剤がまた、使用され得る。例えば、熱硬化性ポリエステル材料(例えば、バルク成形化合物(bulk molding compound)(BMC)もしくはシート成形化合物(sheet molding compound)(SMC)から作製される製品)をすりつぶすことによって生成される粉末は、ポストインダストリアル材料、およびポストコンシューマー材料であり得る。別の目的の熱硬化性材料は、尿素ホルムアルデヒド熱硬化性性樹脂から作製された再利用充填剤である。その供給源に依存して、これら材料はまた、ポストインダストリアルもしくはポストコンシューマーであり得る。別の例としては、すりつぶされた、硬化された(架橋された)ゴム材料(例えば、タイヤにおいて使用される)が挙げられる。これらゴム材料は、天然ゴムもしくは合成ゴム、ポリウレタン、もしくは他の周知の熱硬化性ゴム組成物ベースであり得る。さらに、再利用熱可塑性樹脂ベースの材料は、それらが上記ポリエステル結合剤と不適合性であれば、充填剤として使用され得る。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、および熱可塑性ゴムは、上記高分子量ポリエステル結合剤と不適合性であり得る。このような材料は、粒状物として添加される場合、これら組成物中で充填剤として本質的に機能する。上記基部層2は、例えば、約20〜95%重量の上記充填剤、好ましくは、約40〜90%重量の上記充填剤、およびより好ましくは、約50〜85%重量の上記充填剤を含む。さらに、異なる大きさの石灰岩充填剤を使用すると、より良好な加工性および改善された性能が得られる。
【実施例】
【0013】
表2は、いくつかの基部層処方物のいくつかの例を示す。表2において、AWIポリエステルは、Armstrong World Industries,Inc.の無定型ポリエステルである。AWIポリエステルの例は、米国特許出願公開第2008/0081882 A1号(これは、先にその全体が本明細書に参考として援用された)の表5C〜5Dに記載されている。具体的には、表2の上記AWIポリエステルは、米国特許出願公開第2008/0081882 A1号の実施例36である。表2中の複数の上記基部層処方物は、少なくとも約5%、およびより好ましくは、少なくとも約10%の重量パーセンテージの再利用材料を含む。さらに、表2中の複数の上記基部層処方物は、少なくとも約3%およびより好ましくは、少なくとも約9%のバイオベースの内容物の重量パーセンテージを含む。従って、上記基部層処方物における再利用充填剤の使用は、上記バイオベースの弾性フロアタイル1が上記LEEDシステム内で少なくとも1ポイントを獲得することを可能にする。
【0014】
(表2.基部層処方物)
【0015】
【表2−1】

【0016】
【表2−2】

表2中の実施例1〜実施例12の上記基部層処方物を、中程度の強度のHaake Rheocord 9000加熱ミキサー(Haakeミキサー)を使用して混合した。上記成分を、上記Haakeミキサーに加えた。これを、約351°Fに加熱した。上記処方物を混合し、概して上記Haakeミキサー中で、概して約389°Fの落下温度へと約8分間にわたって加熱した。上記処方物に依存して、混合時間は、8〜8.5分間の間で変動し、落下温度は、約366〜419°Fの間で変動した。低強度加熱ミキサー(例えば、「ドウ」ミキサーもしくはBaker Perkinsタイプのミキサー)は、上記処方物(後に、上記基部層2へと圧延機にかけられる)を合成しかつ溶融混合するために使用され得る。表2中に実施例13として列挙される処方物を、Baker Perkinsタイプのミキサー中で混合し、上記ホットミックスを、2ロール圧延機のニップへと落下させた。上記圧延機のロールを、異なる温度に設定した。ここで一方のロールを、他方より熱くした。代表的には、上記熱い方のロールを、約285°Fに設定し、上記冷たい方のロールを、約240°Fに設定した。上記圧延機ミルロールの間に開いている上記ニップを、約123ミルの最終シート厚を提供するように設定した。あるいは、上記基部層2は、上記低強度のミキサーより高い温度において作動する高強度の加熱ミキサー(例えば、押し出し器もしくはFarrellタイプのミキサー)を使用して調製され得る。
【0017】
ペレット形態のECOFLEX FBX7011にのみ基づく処方物は、上記低強度のミキサー中では適切に混合できないので、表2の上記基部層処方物は、上記AWIポリエステルおよびECOFLEX FBX7011のブレンドベースである。上記ECOFLEX FBX7011のペレット形態を崩すための、十分な熱移動および剪断力が上記混合物内に存在しないので、上記AWIポリエステルの添加は、上記混合物の物理的性質が変化することを可能にし、それによって、上記ECOFLEX FBX7011が組み込まれることを可能にする。上記基部層2はまた、他の成分(例えば、処理補助物質、粘着性付与剤、疎水性薬剤、安定化剤、着色剤および他の公知の添加剤)を含み得る。特に重要なことに、上記基部層2がまた、最大30重量%までの1種以上のさらなるポリマーもしくは反応性添加物を含み得る。上記さらなるポリマーは、上記低強度ミキサーでの処理を補助し得、そして改善された物理的特性を達成することも補助し得る。上記さらなるポリマーは、ヒドロキシル官能化ポリマー(例えば、ヒドロキシ末端キャップされたポリエステル)からなり得、同様に、望ましいプロセスおよび物理的特性を得るために、酸官能化ポリマー(興奮性アミノ酸、エチレンメチルアクリレート、およびその部分的に中和されたバージョン(イオノマー))、または他の(メタクリル)アクリル酸、もしくはマレイン酸(無水物)コポリマーを含む)からなり得る。上記官能化ポリマーは、上記製造プロセスの間に(例えば、混合および圧延加工の間に)上記活性添加剤と動的に反応することによって、物理的特性を高め得る。
【0018】
上記フィルム層3は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール化ポリエチレンテレフタレート(PETG)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)、もしくは熱可塑性イオノマー樹脂(例えば、E.I.du Pont de Nemours and CompanyのSURLYN)から構成される剛性フィルムであり得る。「剛性フィルム」は、可塑剤(例えば、フタレートエステル)を実質的に含まず、それによって、上記ポリマーの変形に対する耐性を付与する任意のフィルムを意味する技術用語である。上記フィルム層3は、米国特許出願公開第2008/0081882 A1号(これは、その全体が本明細書に参考として援用される)に記載されるように、例えば、再利用材料(例えば、再利用ポリエチレンテレフタレートもしくは再生可能ポリエステルによって改変されたポリブチレンテレフタレート)からなり得る。
【0019】
上記フィルム層3は、トップコート4とともに提供されうる。上記トップコート4は、液体もしくは流動性の形態で上記フィルム上に約1ミルの厚みにおいてコーティングされ、次いで、硬化される。放射線(例えば、紫外線もしくは電子ビーム照射)への制御された曝露によって、上記トップコート4を硬化させることは、公知である。上記トップコート4は、例えば、放射線硬化性コーティング(例えば、アクリル化ウレタンもしくはアクリル化ポリエステル)であり得る。あるいは、上記トップコート4は、バイオベースの成分を含む放射線硬化性バイオベースコーティングであり得る。上記バイオベースの成分は、例えば、バイオベースのポリオール、アクリル化されたバイオベースのポリオール、もしくは例えば、再生可能なおよび/もしくはバイオベースの材料(例えば、プラントオイル、ポリエステル、ポリエステル−エーテル、植物性油、トウモロコシ、セルロース、デンプン、糖もしくは糖アルコール)から得られるバイオベースの樹脂であり得る。適切な放射線硬化性バイオベースコーティングの例は、米国特許出願第12/432,845号および同第61/173,996号(これらは、それら全体が本明細書に参考として援用される)に開示されている。さらに、上記トップコート4は、単一層のトップコートであるかのように本明細書に示されかつ記載されているが、上記トップコート4が、あるいは複数層のトップコートであり得ることは、当業者によって認識される。
【0020】
上記トップコート4が上記フィルム層3に塗布された後、上記フィルム層3は、上記基部層2に積層される。上記フィルム層3は、例えば、約5分間にわたって、265°Fにおいて約1000psiの圧力下で、圧をかけて積層され得る。次いで、上記フィルム層3は、なお約1000psiの圧力下で、約100°Fに冷却される。
【0021】
前述は、本発明を実施することについての可能性のうちのいくつかを例示する。多くの他の実施形態は、本発明の趣旨および範囲内で可能である。従って、前述の説明が、限定ではなく例示と見なされるべきであり、本発明の範囲が等価物の完全な範囲とともに添付の特許請求の範囲によって与えられることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性フローリング製品であって、該弾性フローリング製品は、
少なくとも1つの基部層(2)を含み、該基部層(2)は、ポリマー結合剤および充填剤を含み、該基部層(2)は、少なくとも約20〜95%重量の該充填剤および少なくとも約5%重量の再利用材料を有する、
弾性フローリング製品。
【請求項2】
前記基部層(2)が、約40〜90%重量の前記充填剤を有する、請求項1に記載の弾性フローリング製品。
【請求項3】
前記基部層(2)が、約50〜85%重量の前記充填剤を有する、請求項2に記載の弾性フローリング製品。
【請求項4】
前記基部層(2)が、少なくとも約10%重量の前記再利用材料を有する、請求項1に記載の弾性フローリング製品。
【請求項5】
前記ポリマー結合剤が、ポリエステル樹脂である、請求項1に記載の弾性フローリング製品。
【請求項6】
前記ポリエステル樹脂が、バイオベースの成分を含む、請求項5に記載の弾性フローリング製品。
【請求項7】
前記充填剤が、再利用石灰岩を含む、請求項1に記載の弾性フローリング製品。
【請求項8】
前記基部層(2)によって支持された少なくとも1つのフィルム層(3)をさらに含み、該フィルム層(3)は、ポリエチレンテレフタレート、グリコール化ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、もしくは熱可塑性イオノマー樹脂からなる群より選択される剛性フィルムである、請求項1に記載の弾性フローリング製品。
【請求項9】
前記フィルム層(3)が、再利用材料を含む、請求項8に記載の弾性フローリング製品。
【請求項10】
前記再利用材料が、再利用ポリエチレンテレフタレートもしくは再利用ポリブチレンテレフタレートである、請求項9に記載の弾性フローリング製品。
【請求項11】
前記再利用ポリエチレンテレフタレートもしくは再利用ポリブチレンテレフタレートは、バイオベースのポリエステルによって改変される、請求項10に記載の弾性フローリング製品。
【請求項12】
前記フィルム層(3)は、トップコート(4)を含み、該トップコート(4)は、放射線硬化性コーティングである、請求項8に記載の弾性フローリング製品。
【請求項13】
前記放射線硬化性コーティングが、バイオベースの樹脂、バイオベースのポリオールアクリレート、もしくはバイオベースのポリオールからなる群より選択されるバイオベースの成分を含む放射線硬化性バイオベースコーティングである、請求項12に記載の弾性フローリング製品。
【請求項14】
前記バイオベースの成分が、プラントオイル、ポリエステル、ポリエステル−エーテル、植物性油、トウモロコシ、セルロース、デンプン、糖、もしくは糖アルコールを含む、請求項13に記載の弾性フローリング製品。
【請求項15】
弾性フローリング製品であって、該弾性フローリング製品は、
少なくとも1つの基部層(2)であって、該基部層(2)は、ポリマー結合剤および充填剤を含み、該基部層(2)は、少なくとも約20〜95%重量の該充填剤および少なくとも約5%重量の再利用材料を有する、少なくとも1つの基部層(2);
該基部層(2)によって支持された少なくとも1つのフィルム層(3)であって、該フィルム層(3)は、ポリエチレンテレフタレート、グリコール化ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、もしくは熱可塑性イオノマー樹脂からなる群より選択される剛性フィルムであり、該フィルム層は、再利用材料を含む、少なくとも1つのフィルム層(3);ならびに
該フィルム層(3)上に提供されるトップコート(4)であって、該トップコート(4)は、バイオベースの樹脂、バイオベースのポリオールアクリレート、もしくはバイオベースのポリオールからなる群より選択されるバイオベースの成分を含む放射線硬化性バイオベースコーティングである、トップコート(4)
を含む、弾性フローリング製品。
【請求項16】
前記基部層(2)が、約40〜90%重量の前記充填剤を有する、請求項15に記載の弾性フローリング製品。
【請求項17】
前記基部層(2)が、約50〜85%重量の前記充填剤を有する、請求項16に記載の弾性フローリング製品。
【請求項18】
前記基部層(2)が、少なくとも約10%重量の前記再利用材料を有する、請求項15に記載の弾性フローリング製品。
【請求項19】
前記ポリマー結合剤が、ポリエステル樹脂である、請求項15に記載の弾性フローリング製品。
【請求項20】
前記ポリエステル樹脂が、バイオベースの成分を含む、請求項19に記載の弾性フローリング製品。
【請求項21】
前記充填剤が、再利用石灰岩を含む、請求項15に記載の弾性フローリング製品。
【請求項22】
前記再利用材料が、再利用ポリエチレンテレフタレートもしくは再利用ポリブチレンテレフタレートである、請求項15に記載の弾性フローリング製品。
【請求項23】
前記再利用ポリエチレンテレフタレートもしくは再利用ポリブチレンテレフタレートが、バイオベースのポリエステルによって改変される、請求項22に記載の弾性フローリング製品。
【請求項24】
前記バイオベースの成分が、プラントオイル、ポリエステル、ポリエステル−エーテル、植物性油、トウモロコシ、セルロース、デンプン、糖、もしくは糖アルコールを含む、請求項15に記載の弾性フローリング製品。

【図1】
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【公表番号】特表2011−523685(P2011−523685A)
【公表日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507453(P2011−507453)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/002656
【国際公開番号】WO2009/134403
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(300045352)アームストロング ワールド インダストリーズ インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】