説明

バイオポリマー系低密度吸音発泡体

硬質ポリウレタン発泡体が記載されている。この発泡体は、少なくとも1種のポリイソシアネート成分、少なくとも1種のヒドロキシ官能性アクリレート成分及び少なくとも1種のポリオール成分の反応生成物であるプレポリマーを使用して製造される。次いで、このプレポリマーは、特定の体積比及びイソシアネート指数で、これらに限定されないが、ひまし油、大豆油等を含有するバイオポリマーである少なくとも1種のポリオールを含む、少なくとも1種のポリオール成分と反応させる。この発泡体は、少なくとも1種の発泡剤及び少なくとも1種の触媒の存在下に製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、硬質ポリウレタン発泡体、更に詳しくは、自動車工業用の低密度吸音発泡体として特に有用である、1種又はそれ以上の疎水性バイオポリマー、例えば、これらに限定するものではないが、ひまし油、大豆油等を含む硬質ポリウレタン発泡体に関する。
【背景技術】
【0002】
硬質発泡体、特にポリウレタン系硬質発泡体は、多くの目的のために自動車及び他の工業に於いて使用されてきた。例えば、これらの種類の硬質発泡体は、構造強化、騒音抑制(例えば音及び振動を減衰するため)及び改良されたクラッシュサポート(crash support)のために使用されてきた。低密度発泡体は、吸音発泡体として使用するために特に適している。これらの発泡体は、上記の目的の一つ又はそれ以上を達成するために、自動車のヘッドライナー、ドアフレーム、ピラー、ロッカーパネル及びその他の場所で使用されてきた。
【0003】
従来の硬質ポリウレタン発泡体組成物の製造及び使用に関して、幾つかの問題点が存在する。一つの問題点は、有害な化学薬品、例えば揮発性有機化合物(VOC)、特に、イソシアネート含有化合物(例えば、MDI)の放出である。別の問題点は、時間経過に伴う硬質ポリウレタン発泡体による水吸収に関係する。従来の硬質ポリウレタン発泡体組成物の他の問題点には、劣った熱安定性及び加工性(例えば混合性及び貯蔵寿命)特性が含まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、硬質発泡体応用で使用することができるポリウレタン組成物であって、発泡体が、減少した水吸収及びVOC放出特性を示す組成物についてのニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一般的教示に従って、ポリイソシアネート成分をポリオール成分と、ポリオール又は水とポリイソシアネートとの反応用の少なくとも1種の触媒の存在下に、混合し、そしてこの混合物を、それを硬化させて、ポリウレタン発泡体を形成するために十分な条件に付すことを含み、(a)ポリイソシアネート成分が、過剰の有機ポリイソシアネートと、(i)少なくとも1種のポリオール及び(ii)少なくとも1種のヒドロキシ官能性アクリレート又はメタクリレートとを反応させることによって製造されたイソシアネート末端プレポリマーを含み、(b)ポリオール成分が、有効量の発泡剤並びに少なくとも1種の、ひまし油、大豆油及びこれらの組合せからなる群から選択された疎水性ポリオールを含有するイソシアネート反応性材料を含む硬質ウレタン発泡体の製造方法が提供される。
【0006】
本発明の第一の態様に従えば、ポリイソシアネート成分をポリオール成分と、ポリオール又は水とポリイソシアネートとの反応用の少なくとも1種の触媒の存在下に、混合し、そしてこの混合物を硬化させて、ポリウレタン発泡体を形成するために十分な条件に付すことを含んでなり、(a)ポリイソシアネート成分が、過剰の有機ポリイソシアネートと(i)少なくとも1種のポリオール及び(ii)少なくとも1種のヒドロキシ官能性アクリレートとを反応させることによって製造されたイソシアネート末端プレポリマーを含み、(b)ポリオール成分が、有効量の発泡剤並びに少なくとも1種の、ひまし油、大豆油及びこれらの組合せからなる群から選択された疎水性ポリオールを含有するイソシアネート反応性材料を含み、そして(c)ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基の、ポリオール成分中のイソシアネート反応性基の数に対する比が1:1よりも小さい硬質ポリウレタン発泡体の製造方法が提供される。
【0007】
本発明の第二の態様に従えば、硬質ポリウレタン発泡体であって、この発泡体が、ポリイソシアネート成分をポリオール成分と、ポリオール又は水とポリイソシアネートとの反応用の少なくとも1種の触媒の存在下に、混合し、そしてこの混合物を硬化させて、ポリウレタン発泡体を形成するために十分な条件に付すことによって形成され、(a)ポリイソシアネート成分が、過剰の有機ポリイソシアネートと、(i)少なくとも1種のポリオール及び(ii)少なくとも1種のヒドロキシ官能性アクリレートとを反応させることによって製造されたイソシアネート末端プレポリマーを含み、(b)ポリオール成分が有効量の発泡剤並びに少なくとも1種の、ひまし油、大豆油及びこれらの組合せからなる群から選択された疎水性ポリオールを含有するイソシアネート反応性材料を含み、そして(c)ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基の、ポリオール成分中のイソシアネート反応性基の数に対する比が1:1よりも小さいポリウレタン発泡体が提供される。
【0008】
本発明の第三の態様に従えば、硬質ポリウレタン発泡体であって、この発泡体が、ポリイソシアネート成分をポリオール成分と、ポリオール又は水とポリイソシアネートとの反応用の少なくとも1種の触媒の存在下に、混合し、そしてこの混合物を硬化させて、10ポンド/立方フート又はそれ以下の嵩密度を有するポリウレタン発泡体を形成するために十分な条件に付すことによって形成され、(a)ポリイソシアネート成分が、過剰の有機ポリイソシアネートと、(i)少なくとも1種のポリオール及び(ii)少なくとも1種のヒドロキシ官能性アクリレートと反応させることによって製造されたイソシアネート末端プレポリマーを含み、(b)ポリオール成分が、有効量の発泡剤並びに少なくとも1種の、ひまし油、大豆油及びこれらの組合せからなる群から選択された疎水性ポリオールを含有するイソシアネート反応性材料を含み、そして(c)ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基の、ポリオール成分中のイソシアネート反応性基の数に対する比が、1:1よりも小さく、ポリイソシアネート成分のポリオール成分に対する体積比が約1:1であるポリウレタン発泡体が提供される。
【0009】
本発明は、配合物を良好な品質の発泡体に迅速に硬化させながら、硬質ポリウレタン発泡体を、便利な混合比で且つ穏和な操作温度で製造することができる方法を提供する。本発明の方法及び得られる発泡体は、強化発泡体、音又は振動減衰発泡体及びクラッシュサポート発泡体を製造するために特に適しており、そして自動車応用のために特に適している。
【0010】
本発明の応用性の更なる範囲は、以下に示す詳細な説明から明らかになるであろう。詳細な説明及び具体例は、本発明の好ましい態様を示すが、例示のみの目的のために意図され、そして本発明の範囲を限定することを意図しないことを理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
好ましい態様(群)の下記の記述は、その性質上、単なる例示であり、本発明、その応用又は用途を限定することを全く意図しないものである。
【0012】
本発明のポリイソシアネート成分は、好ましくは、過剰の有機ポリイソシアネート、ヒドロキシ官能性アクリレート又はメタクリレート及び少なくとも1種のポリオールから製造されたイソシアネート末端プレポリマーを含む。ヒドロキシ官能性アクリレート又はメタクリレートのポリオールに対する当量比は、有利には約0.5:1から、好ましくは約0.75:1から、更に好ましくは約1.25:1から、約4:1まで、好ましくは約3:1まで、なお更に好ましくは約2:1までである。
【0013】
出発有機ポリイソシアネートの当量に対する、ヒドロキシ官能性アクリレート又はメタクリレートにポリオール(群)を加えた当量の合計数は、有利には、プレポリマーが、約150から、好ましくは約175から、約500まで、好ましくは約350まで、更に好ましくは約250まで、なお更に好ましくは約170までのイソシアネート当量を有するようなものである。これらのイソシアネート当量は、約28〜8.4%、好ましくは、24〜12%、更に好ましくは約24〜16.8%のNCO含有量に相当する。
【0014】
前記プレポリマーを製造するのに使用することができる適当なポリイソシアネートは芳香族、脂肪族及びシクロ脂肪族ポリイソシアネートを含む。コスト、入手性及び特性に基づいて、芳香族ポリイソシアネートが一般的に好ましいが、光に対する安定性が重要である場合には、脂肪族ポリイソシアネートが好ましい。代表的ポリイソシアネートは、例えばm−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の種々の異性体、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、水素化MDI(H12 MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ビフェニルジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、4,4′,4″−トリフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、水素化ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート並びに4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネートを含む。好ましいポリイソシアネートには、TDI、MDI及びモノマー性MDI中のポリメチレンポリフェニレンイソシアネートの混合物である所謂ポリマー性MDI製品を含む。特に適当なポリマー性MDI製品は、約5〜約40重量%、更に好ましくは約10〜約25重量%の遊離MDI含有量を有し、そして約2.7〜4.0、更に好ましくは約2.8〜約3.4の平均官能度(1分子当たりのイソシアネート基の数)を有する。このようなポリマー性MDI製品は、ザ・ダウ・ケミカル社(The Dow Chemical Company)から商品名PAPIで入手できる。
【0015】
ヒドロキシ官能性アクリレート及びメタクリレートは、アクリレート(CH2=CH−C(O)−)又はメタクリレート(CH2=C(CH3)−C(O)−)基及びイソシアネート反応性ヒドロキシル基を含む。適当なヒドロキシ官能性アクリレート及びメタクリレートは、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシ−n−ブチルアクリレート、2−ヒドロキシ−n−ブチルアクリレート、2−ヒドロキシ−n−ブチルメタクリレート、4−ヒドロキシ−n−ブチルメタクリレート、アクリル酸又はメタクリル酸のポリ(オキシエチレン)−及び/又はポリ(オキシプロピレン)−エステル(但し、オキシエチレン及び/又はオキシプロピレン基の数は、好ましくは、約2〜約10である)等を含む。上記のものの中で、特に、ポリオール成分に第一級アミン化合物が含まれる場合には、メタクリレートが好ましい。HEMAが特に好ましい。
【0016】
本発明の好ましい態様に従えば、少なくとも1種のバイオポリマーを含むポリマー成分を使用することが好ましい。本発明の別の好ましい態様に従えば、このバイオポリマーは好ましくは疎水性である。好ましいバイオポリマーの例は、限定することなく、それらの組合せを含めて、ひまし油、大豆油等を含む。本発明の一つの態様に従って、バイオポリマーは、本発明のポリオール成分の全重量基準で、約40重量%以下の量で存在してよい。
【0017】
本発明に於いて、特にイソシアネート末端停止プレポリマーを製造するのに有用な追加のポリオール(群)は、1分子当たり、平均で少なくとも約2個、有利には約2〜約6個、特に約2〜約3個、なお更に特に約2〜約2.5個のヒドロキシル基(官能基)を有する。ヒドロキシル基当たりの当量は、プレポリマーが所望の当量を有する限り、広く変化してよい。それぞれのポリオールの当量は、約31〜1500又はそれ以上の範囲内であってよいが、好ましくは約500未満、更に好ましくは約300未満、なお更に好ましくは約200又はそれ未満である。
【0018】
イソシアネート末端プレポリマーを製造する際に使用するための適当なポリオールは、アルキレングリコール(例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等)、グリコールエーテル(例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等)、グリセリン、トリメチロールプロパン、第三級アミン含有ポリオール、例えばトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン並びにエチレンジアミン、トルエンジアミン等のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付加物、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等のような化合物を含む。適当なポリエーテルポリオールの中には、アルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド及び1,2−ブチレンオキシド又はこのようなアルキレンオキシドの混合物のポリマーがある。好ましいポリエーテルは、ポリプロピレンオキシド又はプロピレンオキシドと少量(約12重量%以下)のエチレンオキシドとの混合物のポリマーである。これらの好ましいポリエーテルは、約30重量%以下のエチレンオキシドでキャップすることができる。
【0019】
ポリエステルポリオールもまたプレポリマーを製造する際に適している。これらのポリエステルポリオールは、オリオール、好ましくはジオールと、ポリカルボン酸又はその無水物、好ましくはジカルボン酸又はジカルボン酸無水物との反応生成物を含む。このポリカルボン酸又は無水物は、脂肪族、シクロ脂肪族、芳香族及び/又は複素環式であってよく、そして例えばハロゲン原子によって置換されていてもよい。ポリカルボン酸は飽和されていなくてよい。これらのポリカルボン酸の例は、コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸無水物、無水フタル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物及びフマル酸を含む。ポリエステルポリオールを製造する際に使用されるポリオールは、好ましくは約150又はそれ以下の当量を有し、そしてエチレングリコール、1,2−及び1,3−プロピレングリコール、1,4−及び2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、キニトール、マンニトール、ソルビトール、メチルグリコシド、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコール等を含む。ポリカプロラクトンポリオール、例えばザ・ダウ・ケミカル社によって商品名TONEで販売されているものも有用である。
【0020】
プレポリマーを製造するための好ましいポリオールは、アルキレングリコール、約75以下の当量のグリコールエーテル、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン及び約200以下の当量のポリ(プロピレンオキシド)ポリオールである。
【0021】
プレポリマーは、有機ポリイソシアネート、ヒドロキシ官能性アクリレート又はメタクリレート及びポリオールを混合し、そしてこの混合物を、イソシアネートとヒドロキシル基とが反応してプレポリマーを生成するような条件に付すことによって便利に製造される。一般的に、この反応時間は少なくとも約10分間〜最大約48時間である。混合及び反応工程の温度は、広い範囲に亘って変えることができるが、一般的に、反応剤が分解せず、アクリレート又はメタクリレート基が如何なる顕著な程度までにも重合せず、そして反応が実施可能な速度で進行するように制限される。好ましい温度は約20〜75℃である。反応剤は、一般的に、乾燥雰囲気下で、そして好ましくは、窒素又は他の不活性雰囲気下で接触させる。アクリレート及び/又はメタクリレート基の重合を促進する遊離基開始剤のような物質の不存在及び条件下でプレポリマーを製造することが好ましい。
【0022】
プレポリマーを製造する際に、触媒を使用することができ、使用するのが好ましい。適当な触媒は、米国特許第4,390,645号明細書(引用して本明細書に含める)に記載されているものを含む。代表的触媒には、(a)第三級アミン、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジメチルピペラジン、1,4−ジアゾビシクロ−2,2,2−オクタン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、モルホリン、4,4′−(オキシジ−2,1−エタンジイル)ビス及びトリエチレンジアミン;(b)第三級ホスフィン、例えばトリアルキルホスフィン及びジアルキルベンジルホスフィン;(c)種々の金属のキレート、例えばアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、アセト酢酸エチル等と、金属、例えばBe、Mg、Zn、Cd、Pd、Ti、Zr、Sn、As、Bi、Cr、Mo、Mn、Fe、Co及びNiとから得ることができるもの;(d)強酸の酸性金属塩、例えば塩化第二鉄、塩化第二スズ、塩化第一スズ、三塩化アンチモン、硝酸ビスマス及び塩化ビスマス;(e)強塩基、例えばアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、アルコキシド及びフェノキシド;(f)種々の金属のアルコラート及びフェノラート、例えばTi(OR)4、Sn(OR)4及びAl(OR)3(式中、Rはアルキル又はアリールである)並びにこのアルコラートとカルボン酸、β−ジケトン及び2−(N,N−ジアルキルアミノ)アルコールとの反応生成物;(g)有機酸と種々の金属、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Sn、Pb、Mn、Co、Ni及びCuとの塩、例えば酢酸ナトリウム、第一スズオクトエート(stannous octoate)、オレイン酸第一スズ、鉛オクトエート、金属乾燥剤、例えばナフテン酸マンガン及びコバルトを含み、そして(h)四価のスズ、三価及び五価のAs、Sb及びBiの有機金属誘導体並びに鉄及びコバルトの金属カルボニルが含まれる。
【0023】
触媒は典型的には少量で使用される。例えばプレポリマー組成物を製造する際に使用される触媒の全量は約0.0015〜約5重量%、好ましくは約0.01〜約1重量%であってよい。
【0024】
イソシアネート成分は可塑剤を含むことができる。可塑剤は、また、プレポリマーが製造された後に添加することができ又はその生成の間に存在していてもよい。可塑剤は、幾つかの機能、例えばプレポリマー粘度を低下させて、加工し及び取り扱うことが容易なようにすること、発泡反応の速度を修正すること又は得られるポリウレタン発泡体の物理的特性を軟質化若しくは他の方法で修正することを実施することができる。可塑剤は、一般的に、有機ポリイソシアネート、ヒドロキシ官能性アクリレート又はメタクリレート及びポリオールと反応する基を有していない。可塑剤の例には、フタル酸エステル(例えばフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル及びフタル酸エステルの混合物、例えばBASF社(BASF Corporation)、ニュージャージー州マウントオリーブ(Mt. Olive)により、商品名PLATINOL(例えば、PLATINOL 79P)で販売されているもの)、リン酸エステル(例えばリン酸トリブチル、リン酸トリフェニル及びリン酸クレジルジフェニル)、塩素化ビフェニル並びに芳香族油、例えばVYCULT U−V(クロウリー・ケミカルズ社(Crowley Chemicals)によって販売されている)及びJAYFLEX L9P(エクソン・ケミカルズ社(Exxon Chemicals)によって販売されている)が含まれる。使用するとき、可塑剤の量は、所望する発泡体特性に依存する広範囲に亘る範囲であってよい。一般的に、存在するとき、可塑剤は、ポリイソシアネート組成物の、約1〜最大約50重量%、好ましくは、約15〜約45重量%の範囲内である。
【0025】
プレポリマー組成物は、米国特許第4,390,645号明細書(引用して本明細書に含める)に記載されているもののような界面活性剤の存在下で製造することができる。界面活性剤は、典型的には、所望する場合、プレポリマーを製造する際に使用される他の成分を相容化することを助けるために使用される。更に、界面活性剤は、プレポリマーから発泡体を形成する際に有利な役割を演じるものであってよい。界面活性剤の例には、非イオン性界面活性剤及び湿潤剤、例えばプロピレンオキシド及び次いでプロピレングリコールへのエチレンオキシドの逐次付加により製造されたもの、固体又は液体オルガノシリコーン、長鎖アルコールのポリエチレングリコールエーテル、長鎖アルキル酸性硫酸エステルの第三級アミン又はアルキロールアミン塩、アルキルスルホン酸エステル並びにアルキルアリールスルホン酸が含まれる。プロピレンオキシド及び、次いで、プロピレングリコールへのエチレンオキシドの逐次付加により製造された界面活性剤が固体又は液体オルガノシリコーンと同様に好ましい。非加水分解性液体オルガノシリコーンが更に好ましい。界面活性剤を使用する場合には、これは、典型的には、プレポリマー成分の約0.0015〜約1重量%の量で存在する。
【0026】
完全に配合したイソシアネート成分は、有利には、約150から、好ましくは約175から、約750まで、好ましくは約500まで、更に好ましくは約400までのイソシアネート当量を有する。イソシアネート官能度(非反応性材料、例えば可塑剤、界面活性剤などを除く)は、有利には、平均で、少なくとも約2.0、好ましくは少なくとも2.5で、約4.0まで、好ましくは約3.5まで、更に好ましくは約3.2までのイソシアネート基/分子である。
【0027】
イソシアネート成分には、また、好ましくは、25重量%よりも少ない、更に好ましくは約12重量%よりも少ない、特に10重量%又はそれ以下のモノマー性ジイソシアネートが含有されている。「モノマー性ジイソシアネート」は、ウレタン、尿素、ビウレット又はカルボジイミド結合を含有せず、300又はそれ以下の分子量を有するイソシアネート化合物又は2個若しくはそれ以上のイソシアネート含有化合物の反応に於いて他の方法で形成されるイソシアネート化合物を意味する。このような少ないモノマー性ジイソシアネート含有量を有することによって、ポリイソシアネート吸入曝露の危険性が減少し、そうして下降気流換気のような費用のかかる工学的制御を実質的に減少又は潜在的に除去することができる。
【0028】
ポリオール成分は、好ましくは(i)ポリオール又はポリオールの混合物及び(ii)有効量の発泡剤を含む。ポリオール成分は、最も典型的には、2種又はそれ以上の異なったポリオールのブレンドを含有するであろう。ポリオール成分(ポリオール及び下記のようなアミン官能性化合物を含有するが、非イソシアネート反応性材料、下記のような反応性触媒及び存在する場合に水を除く)の官能度(イソシアネート反応性基/分子の平均数)は少なくとも約2.3である。
【0029】
適当なポリオールは、ポリオール成分が、少なくとも約2.3、好ましくは少なくとも約2.5で、約6.0まで、好ましくは約4.0までの平均官能度を有するという条件で、1分子当たり少なくとも2個のイソシアネート反応性ヒドロキシル基を有する化合物である。個々のポリオールの官能度は、好ましくは約2〜約12、更に好ましくは約2〜約8の範囲内である。後で更に十分に検討するように、他のイソシアネート反応性化合物と一緒の2種又はそれ以上のポリオール混合物が好ましい。個々のポリオールのヒドロキシル当量は、約31〜約2000又はそれ以上の範囲内であってよい。しかしながら、全体としてのポリオール成分の当量は、ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基の、ポリオール成分中のイソシアネート反応性基の数に対する比が、約0.8:1〜約1.5:1であるとき、ポリイソシアネートのポリオール成分に対する体積比が10:1以下であるように選択される。好ましくは、個々のポリオールのヒドロキシル当量は、約31〜約500、更に好ましくは約31〜約250、なお更に好ましくは約31〜約200である。
【0030】
適当なポリオールの中には、イソシアネート末端プレポリマーに関して前記したものがある。
【0031】
ポリオール成分は、少なくとも少量の第三級アミン含有ポリオール及び/又はアミン官能性化合物を含有することが好ましい。これらの材料の存在は、ポリイソシアネート成分とのポリオール成分の反応の初期段階の間に、ポリオール成分の反応性を増加させる傾向がある。次いで、これは、最初に混合し、そしてクリーム時間を過度に短縮させることなく適用したとき、反応混合物が一層迅速に粘性を作るのを助け、そうして流出又は漏洩を減少させる。
【0032】
このような第三級アミン含有ポリオールは、例えばトリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン並びに約800以下、好ましくは約400以下の分子量を有する、エチレンジアミン、トルエンジアミン又はアミノエチルピペラジンのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付加物を含む。存在するとき、第三級アミン含有ポリオールは、ポリオール成分の少量又は多量成分を構成することができる。本発明に於いて、「多」若しくは「主」量又は「多」若しくは「主」成分は、全体としてポリオール成分の少なくとも50重量%を構成するものである。例えば第三級アミン含有ポリオールはポリオール成分の約1〜約80重量%を構成することができる。
【0033】
アミン官能性化合物は少なくとも2個のイソシアネート反応性基(その少なくとも1個は第一級又は第二級アミン基である)を有する化合物である。これらの中には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等及び脂肪族ポリアミン、例えばアミノエチルピペラジンがある。また、これらの化合物の中には、ポリエーテルポリオールのヒドロキシル基の全部又は一部が、第一級又は第二級アミン基に転化されている所謂アミン化されたポリエーテルが含まれる。適当なこのようなアミン化されたポリエーテルはハンツマン・ケミカルズ社(Huntsman Chemicals)により商品名JEFFAMINEで販売されている。これらの商業的材料についてのヒドロキシル基のアミン基への典型的な転化率は、約70〜95%であり、従って、これらの商業的製品には、アミン基に加えて幾らかの残留ヒドロキシル基が含有されている。アミン化されたポリエーテルの中で、約100〜1700ダルトン、特に約100〜250ダルトンのイソシアネート反応性基当たりの重量を有し、そして分子当たり2〜4個のイソシアネート反応性基を有するものが好ましい。
【0034】
これらのアミン官能性化合物は、有利には、ポリオール成分の全重量の、約10重量%以下、好ましくは約0.25〜約7.5重量%を構成する。
【0035】
発泡体に靱性を与えるために、少量の高(即ち、800又はそれ以上、好ましくは約1500〜3000)当量ポリオールを、同様にポリオール成分に添加することができる。この高当量ポリオールは、好ましくは、分子当たり2〜3個のヒドロキシル基を有するポリエーテルポリオールである。これは、更に好ましくは、(ポリオールの重量の)30%以下のポリ(エチレンオキシド)によって末端閉塞されていてよいポリプロピレンオキシドである。高当量ポリオールには、分散されたポリマー粒子が含有されていてよい。これらの材料は商業的に知られており、そして一般的に「ポリマーポリオール」(又はときには「コポリマーポリオール」)として参照される。分散されたポリマー粒子は、例えばビニルモノマーのポリマー(例えばスチレン、アクリロニトリル又はスチレン−アクリロニトリル粒子)、ポリウレア粒子又はポリウレタン粒子であってよい。約2〜約50重量%又はそれ以上の分散されたポリマー粒子を含有するポリマーポリオール又はコポリマーポリオールが適している。使用するとき、このポリマーポリオール又はコポリマーポリオールは、ポリオール成分中の全てのイソシアネート反応性材料の重量の、約45%以下、好ましくは約5〜約40%を構成することができる。
【0036】
ポリオール成分は、また、発泡剤を含有している。物理的発泡剤、例えばフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、クロロカーボン、クロロフルオロカーボン及びヒドロクロロフルオロカーボンを使用することができるが、好ましい発泡剤は発泡反応の間に二酸化炭素を生成する化学発泡剤である。これらの化学発泡剤の中には、ホルメートブロックト(formate-blocked)アミン及び水のような物質がある。ホルメートブロックトアミンは、発泡条件下で分解して、二酸化炭素を生成する。水はポリイソシアネートと反応して、二酸化炭素ガスを生成し、これが反応混合物を膨張させる。発泡剤は、前記の密度を有する発泡体をもたらすために十分な量で使用される。発泡剤として水を使用するとき、ポリオール成分100重量部当たり、約0.5〜約10重量部、好ましくは約3〜約8重量部の水を使用する。
【0037】
ポリオール成分中に使用するための幾つかの好ましいポリオール混合物には下記のものが含まれる。
【0038】
A.主成分として200〜500の当量の2〜3官能性非アミン開始ポリエーテルポリオール、250又はそれ以下の当量の4〜8官能性非アミン開始ポリエーテルポリオール及び200又はそれ以下の当量のアミン開始ポリエーテルポリオールの混合物。これは、任意に、(ポリオール成分の全重量基準で)約10重量%以下のアミン官能性化合物を含有してよい。アミン官能性化合物は、好ましくは、アミン末端停止ポリエーテルである。
【0039】
B.主成分として200又はそれ以下の当量のアミン開始ポリエーテルポリオール、(ポリオール成分の全重量基準で)約10重量%以下のアミン官能性化合物及び少なくとも1種の75〜500の当量の2〜3官能性非アミン開始ポリエーテルポリオールの混合物。アミン官能性化合物は好ましくはアミン末端停止ポリエーテルである。
【0040】
C.主成分として250又はそれ以下の当量の4〜8官能性非アミン開始ポリエーテルポリオール及び200又はそれ以下の当量のアミン官能性化合物。アミン官能性化合物は好ましくはアミン末端停止ポリエーテルである。この配合物は、また、少量(ポリオール成分の約40重量%以下)の少なくとも1種の75〜500の当量の2〜3官能性非アミン開始ポリエーテルポリオールを含有していてよい。
【0041】
これらの好ましいポリオール混合物の全ては、好ましくは水及び/又はCO2生成化学発泡剤並びに反応性アミン触媒を含有するポリオール成分の中に配合される。ある種のブロックトアミン、例えばギ酸ブロックトアミンは、反応に触媒作用し、そしてCO2の発生により発泡剤として作用する機能を発揮するであろう。
【0042】
発泡体を形成するために、ポリオール成分を、ポリオール又は水とイソシアネートとの反応のための触媒の存在下で、イソシアネート成分と混合する。最も典型的には、この触媒はポリオール成分の中に含有される。適当な触媒は、プレポリマーの製造に関して前に記載している。しかしながら、第三級アミン触媒が好ましく、そしてイソシアネートと反応して発泡体の中に化学的に結合されるようになり得る、ヒドロキシル又は第一級若しくは第二級アミン基を含有する、所謂「反応性」アミン触媒が特に好ましい。これらの特に好ましい触媒の中には、N,N,N−トリメチル−N−ヒドロキシエチル−ビス(アミノエチル)エーテル(ハンツマン・ケミカル社から商品名ZF−10で入手可能)及びジメチル1−2(2−アミノエトキシ)エタノール(ニトロール−ヨーロッパ社(Nitrol-Europe)から商品名NP−70で入手可能)並びにエア・プロダクツ社(Air Products)により商品名DABCO8154及びDABCOTで販売されているものがある。
【0043】
触媒の量は所望の反応速度を与えるように選択する。使用量は、具体的な触媒に幾らか依存するであろう。一般的に、プレポリマーの製造に関して前記した量が適切である。しかしながら、好ましい反応性アミン触媒を使用するとき、幾らか大きい量を使用することができる。これらの反応性アミン触媒の使用量は、ポリオール成分の全重量の、約1〜約15%、更に好ましくは約2〜約13%の範囲内である。
【0044】
更に、ポリオール成分及び/又はプレポリマー成分には、硬質発泡体を製造する際に有用であるような種々の補助成分、例えば界面活性剤、充填剤、着色剤、防臭剤、難燃剤、殺生物剤、酸化防止剤、UV安定剤、耐電防止剤、チキソトロピー剤及び気泡開放剤が含んでいてよい。
【0045】
適当な界面活性剤は、市販のポリシロキサン/ポリエーテルコポリマー、例えばダウ・コーニング社(Dow Corning)から入手可能な、TEGOSTAB(デグッサ社(Degussa)の登録商標)B8462及びB−8404並びにDC−198及びDC−5043界面活性剤を含む。
【0046】
適当な難燃剤の例はリン化合物、ハロゲン含有化合物及びメラミンを含む。
【0047】
充填剤及び顔料の例には、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、アゾ/ジアゾ染料、フタロシアニン、ジオキサジン及びカーボンブラックが含まれる。
【0048】
UV安定剤の例には、ヒドロキシベンゾトリアゾール、ジブチルチオカルバミン酸亜鉛、2,6−ジ−第三級ブチルカテコール、ヒドロキシベンゾフェノン、ヒンダードアミン及び亜リン酸塩が含まれる。
【0049】
気泡開放剤の例には、シリコン系消泡剤、ワックス、微細に分割された固体、液体ペルフルオロカーボン、パラフィン油及び長鎖脂肪酸が含まれる。
【0050】
上記の添加物は、一般的に、少量、例えばポリイソシアネート成分の約0.01重量%〜約1重量%で使用される。
【0051】
本発明に従った発泡体は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを混合し、そして反応剤を反応させて、発泡体を形成することによって製造される。本発明は如何なる理論にも制限されないが、プレポリマーがポリオール成分と反応したとき、放出される熱が、アクリレート及び/又はメタクリレート基を重合させ、そうしてプレポリマー分子の間の橋を形成し、そして硬化発泡体中のポリマーの全体ネットワークに寄与すると思われる。本発明の利点は、成分を、環境乃至適度に上昇させた温度、例えば約20〜約70℃、好ましくは約35〜65℃で混合したとき、反応が急速に進行することである。これによって、発泡体の取り扱い及び応用が単純化される。本発明の他の利点は、ポリオール成分とイソシアネート成分との低い体積比のために、種々の一般的に利用可能な混合及び分散装置を使用できることである。特別の関心のある応用に於いて、混合したイソシアネート及びポリオール成分を、局在化強化、防食、遮音又は振動減衰が望まれる部分又は組立体の上に付与する。次いで、配合物は、一般的に硬化のための追加の熱又はエネルギーの更なる適用なしに、その場で硬化するが、硬化を促進させることを望む場合、加熱を使用することができる。その代わりに、発泡体を別個に形成し、次いで構造部材に接着するか又は他の方法で取り付けることができる。完全な膨張及び硬化を実施するために、通常は熱を適用する必要はない。
【0052】
本発明の非常に好ましい態様に従って、イソシアネート指数は好ましくは1よりも小さい。即ち、本発明の発泡体の形成の間に、官能性イソシアネート基の量に比較したとき過剰の官能性ヒドロキシル基が存在することが好ましい。
【0053】
限定されない例により、本発明の発泡体を製造する際に、二成分(即ち、イソシアネート及びポリオール)の比は、有利には、約0.5、好ましくは約0.6、更に好ましくは約0.7、なお更に好ましくは約0.8、なおまた更に好ましくは約0.9、そして最も好ましくは約1.0未満のイソシアネート指数(NCOのイソシアネート反応性基(例えば、OH)に対する比)を与えるように選択される。これらの範囲外のイソシアネート指数を同様に使用できることが認識されるべきである。
【0054】
ポリオール成分及びイソシアネート成分は、10:1未満、好ましくは約1:2〜8:1、更に好ましくは約1:1.5〜6:1、なお更に好ましくは約1:1〜4:1の体積比で混合される。生成物発泡体の密度は、好ましくは、10ポンド/立方フート(pcf)以下、好ましくは約5pcf以下、更に好ましくは約3pcf以下、なお更に好ましくは2pcf以下、そして最も好ましくは1pcf以下である。
【0055】
本発明の発泡体は、自動車応用に於いて使用するために特に適しており、従って、自動車コンポーネントと共に使用するために特に適しており又はその代わりに、自動車コンポーネントとして使用するために造形することができる。
【0056】
下記の実施例は、本発明を例示するために提供されるが、その範囲を限定することを意図していない。全ての部及び%は、他の方法で示されていない限り、重量基準である。
【0057】
下記の表IA中の材料を、本発明のプレポリマー成分を形成するために下記の実施例に於いて使用した。しかしながら、本明細書に記載されたような、本発明のプレポリマー成分を製造するために、追加の材料を使用できることが認識されるべきである。
【0058】
【表1】

【0059】
下記の表IB中の材料を、本発明のポリオール成分を形成するために下記の実施例に於いて使用した。しかしながら、本明細書に記載されたような、本発明のポリオール成分を製造するために、追加の材料を使用できることが認識されるべきである。
【0060】
【表2】

【0061】
発泡体処方1のためのプレポリマー配合を下記の表IIに記載する。
【0062】
【表3】

【0063】
プレポリマー当量は170であり、ここでNCO%は24.65であった。
【0064】
発泡体処方1のためのイソシアネート成分及びポリオール成分を含む発泡体配合物を、それぞれ、下記の表III及び表IVに記載する。
【0065】
【表4】

【0066】
【表5】

【0067】
発泡体当量は227であり、ここでNCO%は僅かに18.47であった。
【0068】
発泡体処方2のためのプレポリマー配合を下記の表Vに記載する。
【0069】
【表6】

【0070】
プレポリマー当量は170であり、ここでNCO%は24.65であった。
【0071】
発泡体処方2のためのイソシアネート成分及びポリオール成分を含む発泡体配合物を、それぞれ、下記の表VI及び表VIIに記載する。
【0072】
【表7】

【0073】
【表8】

【0074】
発泡体当量は227であり、ここでNCO%は僅かに18.47であった。
【0075】
発泡体処方3のためのプレポリマー配合を下記の表VIIIに記載する。
【0076】
【表9】

【0077】
発泡体処方3のためのイソシアネート成分及びポリオール成分を含む発泡体配合物を、それぞれ、下記の表IX及び表Xに記載する。
【0078】
【表10】

【0079】
【表11】

【0080】
発泡体処方4のためのプレポリマー配合を下記の表XIに記載する。
【0081】
【表12】

【0082】
プレポリマー当量は170であり、ここでNCO%は24.65であった。
【0083】
発泡体処方3のためのイソシアネート成分及びポリオール成分を含む発泡体配合物を、それぞれ、下記の表XII及び表XIIIに記載する。
【0084】
【表13】

【0085】
【表14】

【0086】
発泡体当量は227であり、ここでNCO%は僅かに18.47であった。
【0087】
発泡体処方5のためのプレポリマー配合を下記の表XIVに記載する。
【0088】
【表15】

【0089】
プレポリマー当量は170であり、ここでNCO%は24.65であった。
【0090】
発泡体処方5のためのイソシアネート成分及びポリオール成分を含む発泡体配合物を、それぞれ、下記の表XV及び表XVIに記載する。
【0091】
【表16】

【0092】
【表17】

【0093】
発泡体当量は227であり、ここでNCO%は僅かに18.47であった。
【0094】
発泡体処方6のためのプレポリマー配合を下記の表XVIIに記載する。
【0095】
【表18】

【0096】
プレポリマー当量は170であり、ここでNCO%は24.65であった。
【0097】
発泡体処方6のためのイソシアネート成分及びポリオール成分を含む発泡体配合物を、それぞれ、下記の表XVIII及び表XIXに記載する。
【0098】
【表19】

【0099】
【表20】

【0100】
発泡体当量は227であり、ここでNCO%は僅かに18.47であった。
【0101】
本発明の代替の態様に従って、シリコーン油を含有せず、前記の本発明のバイオポリオールに加えて、パラフィン系油を含有した発泡体を製造した。
【0102】
発泡体処方7のためのプレポリマー配合を下記の表XXに記載する。
【0103】
【表21】

【0104】
プレポリマー当量は170であり、ここでNCO%は24.65であった。
【0105】
発泡体処方7のためのイソシアネート成分及びポリオール成分を含む発泡体配合物を、それぞれ、下記の表XXI及び表XXIIに記載する。
【0106】
【表22】

【0107】
【表23】

【0108】
発泡体当量は217であり、ここでNCO%は僅かに19.36であった。
【0109】
次いで、前記の処方のそれぞれに従って製造した発泡体の水吸収特性を決定した。得られた発泡体を38℃及び100%相対湿度で運転する湿度チャンバー内に、10日間置いた。次いで、発泡体を湿度チャンバーから取り出し、種々の時間間隔で、吸収された水重量の量(発泡体サンプルの全重量を示す)及び露出後の水吸収量(%)を決定するために試験した。
【0110】
発泡体処方1についての結果を下記の表XXIIIに示す。
【0111】
【表24】

【0112】
発泡体処方2についての結果を下記の表XXIVに示す。
【0113】
【表25】

【0114】
発泡体処方3についての結果を下記の表XXVに示す。
【0115】
【表26】

【0116】
発泡体処方4についての結果を下記の表XXVIに示す。
【0117】
【表27】

【0118】
発泡体処方5についての結果を下記の表XXVIIに示す。
【0119】
【表28】

【0120】
発泡体処方6についての結果を下記の表XXVIIIに示す。
【0121】
【表29】

【0122】
発泡体処方7についての結果を下記の表XXIXに示す。
【0123】
【表30】

【0124】
従って、表XXIII〜XXIXに於ける結果が示すように、本発明の発泡体配合物は、増強された疎水性(例えば、撥水性)特徴を示し、そして疎水性発泡体を必要とする自動車応用を含む、このような種類の発泡体を必要とする応用のために特に適している。
【0125】
本発明の説明は、事実上単に例示であり、従って、本発明の骨子から逸脱しない変化は、本発明の範囲内であることが意図される。このような変化は本発明の精神及び範囲からの逸脱であると見なされるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリイソシアネート成分をポリオール成分と、ポリオール又は水とポリイソシアネートとの反応用の少なくとも1種の触媒の存在下に、混合し、そしてこの混合物を硬化させて、ポリウレタン発泡体を形成するために十分な条件に付すことを含んでなり、(a)ポリイソシアネート成分が、過剰の有機ポリイソシアネートと(i)少なくとも1種のポリオール及び(ii)少なくとも1種のヒドロキシ官能性アクリレートとを反応させることによって製造されたイソシアネート末端プレポリマーを含み、(b)ポリオール成分が、有効量の発泡剤並びに少なくとも1種の、ひまし油、大豆油及びこれらの組合せからなる群から選択された疎水性ポリオールを含有するイソシアネート反応性材料を含み、そして(c)ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基の、ポリオール成分中のイソシアネート反応性基の数に対する比が1:1よりも小さい硬質ポリウレタン発泡体の製造方法。
【請求項2】
ポリウレタン発泡体が10ポンド/立方フート又はそれ以下の嵩密度を有する請求項1に記載の発明。
【請求項3】
ポリイソシアネート成分のポリオール成分に対する体積比が約1:1である請求項1に記載の発明。
【請求項4】
ヒドロキシ官能性アクリレートがメタクリレートである請求項1に記載の発明。
【請求項5】
ポリオール成分中の少なくとも1種のポリオールが第三級アミン基を含む請求項1に記載の発明。
【請求項6】
触媒が反応性アミン触媒を含む請求項1に記載の発明。
【請求項7】
発泡剤が水又はCO2を放出する化学発泡剤である請求項1に記載の発明。
【請求項8】
有機ポリイソシアネートがMDI又はポリマー性MDIである請求項1に記載の発明。
【請求項9】
発泡体が自動車コンポーネントの中に形成される請求項1に記載の発明。
【請求項10】
ポリイソシアネート成分をポリオール成分と、ポリオール又は水とポリイソシアネートとの反応用の少なくとも1種の触媒の存在下に、混合し、そしてこの混合物を硬化させて、ポリウレタン発泡体を形成するために十分な条件に付すことによって形成された硬質ポリウレタン発泡体であって、(a)ポリイソシアネート成分が、過剰の有機ポリイソシアネートと、(i)少なくとも1種のポリオール及び(ii)少なくとも1種のヒドロキシ官能性アクリレートとを反応させることによって製造されたイソシアネート末端プレポリマーを含み、(b)ポリオール成分が有効量の発泡剤並びに少なくとも1種の、ひまし油、大豆油及びこれらの組合せからなる群から選択された疎水性ポリオールを含有するイソシアネート反応性材料を含み、そして(c)ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基の、ポリオール成分中のイソシアネート反応性基の数に対する比が1:1よりも小さい硬質ポリウレタン発泡体。
【請求項11】
ポリウレタン発泡体が10ポンド/立方フート又はそれ以下の嵩密度を有する請求項10に記載の発明。
【請求項12】
ポリイソシアネート成分のポリオール成分に対する体積比が約1:1である請求項10に記載の発明。
【請求項13】
ヒドロキシ官能性アクリレートがメタクリレートである請求項10に記載の発明。
【請求項14】
ポリオール成分中の少なくとも1種のポリオールが第三級アミン基を含む請求項10に記載の発明。
【請求項15】
触媒が反応性アミン触媒を含む請求項10に記載の発明。
【請求項16】
発泡剤が水又はCO2を放出する化学発泡剤である請求項10に記載の発明。
【請求項17】
有機ポリイソシアネートがMDI又はポリマー性MDIである請求項10に記載の発明。
【請求項18】
発泡体が自動車コンポーネントの中に形成される請求項10に記載の発明。
【請求項19】
ポリイソシアネート成分をポリオール成分と、ポリオール又は水とポリイソシアネートとの反応のための少なくとも1種の触媒の存在下に、混合し、そしてこの混合物を硬化させて、10ポンド/立方フート又はそれ以下の嵩密度を有するポリウレタン発泡体を形成するために十分な条件に付すことによって形成された硬質ポリウレタン発泡体であって、(a)ポリイソシアネート成分が、過剰の有機ポリイソシアネートと(i)少なくとも1種のポリオール及び(ii)少なくとも1種のヒドロキシ官能性アクリレートとを反応させることによって製造されたイソシアネート末端プレポリマーを含み、(b)ポリオール成分が、有効量の発泡剤並びに少なくとも1種の、ひまし油、大豆油及びこれらの組合せからなる群から選択された疎水性ポリオールを含有するイソシアネート反応性材料を含み、そして(c)ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基の、ポリオール成分中のイソシアネート反応性基の数に対する比が、1:1よりも小さく、ポリイソシアネート成分のポリオール成分に対する体積比が約1:1である硬質ポリウレタン発泡体。
【請求項20】
ヒドロキシ官能性アクリレートがメタクリレートである請求項19に記載の発明。
【請求項21】
ポリオール成分中の少なくとも1種のポリオールが第三級アミン基を含む請求項19に記載の発明。
【請求項22】
触媒が反応性アミン触媒を含む請求項19に記載の発明。
【請求項23】
発泡剤が水又はCO2を放出する化学発泡剤である請求項19に記載の発明。
【請求項24】
有機ポリイソシアネートがMDI又はポリマー性MDIである請求項19に記載の発明。
【請求項25】
発泡体が自動車コンポーネントの中に形成される請求項19に記載の発明。

【公表番号】特表2007−522325(P2007−522325A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553192(P2006−553192)
【出願日】平成17年2月8日(2005.2.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/003996
【国際公開番号】WO2005/078000
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】