説明

バッテリパック

【課題】ベアセルの一面に配設される2次保護素子をベアセルに対して安定的に絶縁させると共に、絶縁部材の組立生産性を向上させたバッテリパックを提供する。
【解決手段】バッテリパック100に関するものであって、ベアセルと、前記ベアセルと電気的に接続されて充放電を制御する保護回路基板と、前記ベアセルと前記保護回路基板との間に接続され、前記ベアセルの一面に配設される2次保護素子130と、前記ベアセルの一面に前記2次保護素子よりも広幅に設けられる絶縁部材140と、を含むバッテリパックを提供することにより、2次保護素子の絶縁性能と絶縁部材の組立性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリパックに関するものであり、より詳しくは絶縁性能と組立生産性の向上に適したバッテリパックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、ノート型パソコン、ビデオカメラなどのコンパクトで軽量化された携帯用電気/電子装置が活発に開発および生産されている。従って、携帯用電気/電子装置は、別途の電源が備えられていない場所でも作動できるように電池パックを内蔵している。前記電池パックは、経済的な面を考慮して充放電が可能な二次電池を採用している。代表的な二次電池としては、ニッケル‐カドミウム(Ni‐Cd)電池とニッケル-水素(Ni‐MH)電池およびリチウム(Li)電池とリチウムイオン(Li‐ion)二次電池などがある。特に、リチウムイオン二次電池は、携帯用電子装置の電源として多く用いられているニッケル-カドミウム電池や、ニッケル-水素電池よりも作動電圧が約3倍も高い。また、単位重量当たりのエネルギー密度が高いという点から広く用いられている。
【0003】
二次電池は、主に正極活物質としてリチウム系酸化物、負極活物質としては炭素材を用いている。一般的には、電解質の種類によって液体電解質電池と高分子電解質電池に分類され、液体電解質を使用する電池をリチウムイオン電池と言い、高分子電解質を使用する電池をリチウムポリマー電池と言う。
【0004】
この二次電池は、電極組立体と電解液が収容されている缶を密封した状態のベアセルと保護回路基板が電気的に接続されて形成される。前記ベアセルは化学反応によって電気を充放電し、前記保護回路基板はベアセルの充放電を制御しながら過充放電を防止することにより、ベアセルを保護することができる。
【0005】
また、二次電池は、補助的なベアセルの保護素子として2次保護素子をさらに備える。前記2次保護素子は、ベアセルの温度又は電圧の急激な変化を感知して電流の流れを遮断する機能を持つ。
【0006】
この2次保護素子は、ベアセルの温度又は電圧の変化を容易に感知するためにベアセルの上面に設けられる。この時、前記2次保護素子は、ベアセルとの電気的な絶縁のために絶縁部材を備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ベアセルの一面に配設され、前記ベアセルと保護回路基板との間に接続される2次保護素子を絶縁させる絶縁部材の幅を2次保護素子の幅よりも広く形成し、2次保護素子をベアセルに対して安定的に絶縁させることにある。
【0008】
本発明の他の目的は、前記ベアセルの一面に設けられる絶縁部材の幅をベアセルの幅と同等、又はより広く形成することにより、絶縁部材の組立生産性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ベアセルと、前記ベアセルと電気的に接続されて充放電を制御する保護回路基板と、前記ベアセルと前記保護回路基板との間に接続され、前記ベアセルの一面に配設される2次保護素子と、前記ベアセルの一面に前記2次保護素子よりも広幅に設けられる絶縁部材と、を含むことを特徴とする。
【0010】
前記絶縁部材は、前記ベアセルの一面の幅よりも狭く形成できる。この時、前記絶縁部材の幅は、前記ベアセルの一面の幅に対し51%以上で形成されることが好ましい。
【0011】
前記絶縁部材は、前記ベアセルの一面の幅と同等の幅を有するように形成できる。
【0012】
また、前記絶縁部材は、前記ベアセルの一面の幅よりも広く形成できる。この時、前記絶縁部材の幅は、前記ベアセルの一面の幅に対し109%以下で形成されることが好ましい。
【0013】
前記絶縁部材はテープ形態であることが好ましい。
【0014】
前記2次保護素子は、PTC素子、温度ヒューズ(thermal fuse)又はこれらと等価の性質を発揮する部品から選択されるいずれかであることが好ましい。
【0015】
前記ベアセルは、上部に前記保護回路基板を収容するカバーケースをさらに備えることが好ましい。
【0016】
前記カバーケースは、側面に前記ベアセルの一面に設けられた前記絶縁部材と干渉しないように干渉防止孔が形成されることが好ましい。
【0017】
前記ベアセルは、一面に前記絶縁部材の設置位置が選定される絶縁部材設置部が形成されることが好ましい。
【0018】
前記絶縁部材設置部は、前記ベアセルの一面の幅よりも狭い凹部の形態であり、或いは前記ベアセルの一面の幅と同等の幅を有するように形成された凹状段差の形態であることが好ましい。
【0019】
前記ベアセルは一面に開放部が形成され、前記開放部はキャッププレートによって密封されることが好ましい。
【0020】
前記ベアセルの一面を除いたベアセルの側面はラベルによって覆われることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明は、ベアセルの一面に配設される2次保護素子の幅よりも絶縁部材の幅をより広く形成することにより、2次保護素子をベアセルに対し安定的に絶縁することができる。
【0022】
また、ベアセルの一面において絶縁部材の幅をベアセルの幅と同等、またはより広く形成することにより、2次保護素子がベアセルに絶縁されると共に絶縁部材を設ける組立生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係るバッテリパックの分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るバッテリパックにおいてキャッププレートの上面に2次保護素子が設置された状態を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るバッテリパックの組み立て後の外観斜視図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係るバッテリパックの分解斜視図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係るバッテリパックにおいてキャッププレートの上面に2次保護素子が設置された状態を示す平面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係るバッテリパックの組み立て後の外観斜視図である。
【図7A】本発明の一実施形態に係るバッテリパックにおけるキャッププレートに絶縁部材が付着する状態を示す斜視図である。
【図7B】本発明の他の実施形態に係るバッテリパックにおけるキャッププレートに絶縁部材が付着する状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、上述のような本発明の好ましい実施形態を添付の図面に基づいて説明する。但し、本発明はこれらの実施形態によって限定されるものではない。
【0025】
図1は本発明の一実施形態に係るバッテリパックの分解斜視図であり、図2は本発明の一実施形態に係るバッテリパックにおいてキャッププレートの上面に2次保護素子が設置された状態を示す平面図であり、図3は本発明の一実施形態に係るバッテリパックの組み立て後の外観斜視図である。
【0026】
図1〜図3に示すように、本発明の一実施形態に係るバッテリパック100は、ベアセル110、前記ベアセル110と電気的に接続される保護回路基板120、前記ベアセル110と保護回路基板120の電気的接続部位に配設される2次保護素子130、前記ベアセル110の上面において前記2次保護素子130が配設される部位に設けられる絶縁部材140を含む。また、本発明の一実施形態に係るバッテリパック100は、カバーケース150と、前記カバーケース150を前記ベアセル110に締結するための第1、2スクリュー161、162と、前記ベアセル110の外周面を覆うラベル170とをさらに含む。
【0027】
前記ベアセル110は、正極板(図示せず)と負極板(図示せず)およびセパレータ(図示せず)を巻回して形成された電極組立体(図示せず)を一端部が開放された缶111の内部に収納する。そして前記缶111の開放部は、キャッププレート112を溶接して密封する。前記キャッププレート112の上面の左右両端部には第1、2締結溝113、114が形成される。前記キャッププレート112は中央部に電極端子115が絶縁部材115aにより絶縁されて設けられる。したがって、ベアセル110の電極組立体の正極は、缶111またはキャッププレート112に電気的に接続でき、電極組立体の負極は、電極端子115に電気的に接続できる。この時、キャッププレート112と電極端子115に接続される正極または負極の極性は逆になっても構わない。
【0028】
前記保護回路基板120はベアセル110と電気的に接続される。保護回路基板120の負極は、ベアセル110の負極の電極端子115と第1リードタブ116により接続される。また、保護回路基板120の正極は、ベアセル110の正極のキャッププレート112と第1、2リードプレート118、119により接続される。前記第1、2リードプレート118、119は前記保護回路基板120の両端部を支持する形態で溶接される。
【0029】
前記保護回路基板120は、絶縁基板121、印刷回路パターン(図示せず)、導電パッド122、保護回路部123、124、および充放電端子125を含んで形成される。前記絶縁基板121は、複数の印刷回路パターンが形成された印刷回路基板である。前記導電パッド122は第2リードタブ117と接続される。前記第2リードタブ117は、電極端子115と接続される第1リードタブ116と接続される。前記保護回路部123、124は、抵抗とコンデンサーなどの受動素子と、電界効果トランジスタのような能動素子、PTC素子のような安全素子および集積回路を選択的に形成できる。前記充放電端子125は、バッテリの充放電によってバッテリの内部および外部に電流が流れる通路となる。
【0030】
前記2次保護素子130は、保護回路基板120の負極と電極端子115との間に電気的に接続される。2次保護素子130は、ベアセル110の過度な温度上昇や電流の発生時にベアセル110と保護回路基板120の電気的な接続を遮断する。前記2次保護素子130は、PTC素子、温度ヒューズまたはこれらと等価の機能を発揮する部品中からいずれか一つを選択して用いることができる。
【0031】
前記絶縁部材140は前記ベアセル110の上面に付着する。そして、前記絶縁部材140の上面に前記2次保護素子130が位置する。したがって、前記絶縁部材140により前記ベアセル110と2次保護素子130が絶縁される。前記絶縁部材140は、絶縁材質のテープ形態であることが好ましいが、これに限定する必要はない。
【0032】
前記絶縁部材140は、幅(W1)が前記2次保護素子130の幅(Wp)より広く形成する。前記絶縁部材140は、2次保護素子130をベアセル110の上面に組み立てる時、絶縁部材140の上面に容易に設けるために広幅に形成することが好ましい。
【0033】
前記絶縁部材140の幅(W1)は、ベアセル110の上面を形成するキャッププレート112の幅(Wc)より小さく形成する。すなわち、前記2次保護素子130の幅(Wp)より広く形成するが、キャッププレート112の幅(Wc)より小さく形成する。この時、前記絶縁部材140の幅(W1)は少なくともキャッププレート112の幅(Wc)に対し51%以上で形成されることが好ましい。これは前記絶縁部材140の幅(W1)がキャッププレート112の幅(Wc)の51%より小さいと、前記絶縁部材140をキャッププレート112に付着させにくく、絶縁部材140の上面に2次保護素子130を付着させることも難しいためである。
【0034】
前記カバーケース150は、前記保護回路基板120が内部に収容される状態で前記ベアセル110の上部に結合される。前記カバーケース150により前記保護回路基板120は外部の接触および衝撃から保護される。前記カバーケース150の一側には充放電端子孔151が形成される。前記充放電端子孔151を通じて充放電端子125がカバーケース150の外部に突出する。また、前記カバーケース150の左右両端部には第1、2スクリュー取付穴152、153が形成される。前記第1、2スクリュー取付穴152、153を通じて第1、2スクリュー161、162が挿入される。前記第1、2スクリュー161、162は、前記保護回路基板120を支持する第1、2リードプレート118、119を貫通する。そして、前記ベアセル110のキャッププレート112に形成された第1、2締結溝113、114に締結される。したがって、前記第1、2スクリュー161、162により保護回路基板120とカバーケース150とがベアセル110の上面、すなわち、キャッププレート112の上面に固定された状態となる。前記カバーケース150は、ポリカーボネート材質またはポリカーボネートと等価の樹脂材質を用いて射出成形する。
【0035】
前記ラベル170は主にベアセル110の側面を覆う。この時、前記ベアセル110とカバーケース150との境界部にラベル170が巻き付けられ、カバーケース150はラベル170によりベアセル110に固定することができる。
【0036】
前記ベアセル110の下面には補助ケース180が結合される。前記補助ケース180はベアセル110の下端隅部を覆う状態で結合される。これにより、バッテリの落下時に隅部の衝撃を吸収する。前記ベアセル110は、下面に両面テープ181が付着して補助ケース180との結合力を向上させる。
【0037】
このように構成される本発明の一実施形態に係るバッテリパックの組立過程を説明すると次の通りである。
【0038】
先ず、缶111の内部に電極組立体を収納した後に、キャッププレート112を含むキャップ組立体(図示せず)を組み立てて缶111の開放部を密閉させる。そして、前記キャッププレート112に形成された電解液注入口(図示せず)を通じて電解液を注入し、電解液注入口を密封する。
【0039】
次に、2次保護素子130が備えられた第1リードタブ116を電極端子115と接続する。この時、キャッププレート112の上面には予め絶縁部材140を付着する。そして前記絶縁部材140の上面に2次保護素子130および第1、2リードタブ116、117を設ける。ここで、前記絶縁部材140は、幅(W1)が前記2次保護素子130の幅(Wp)よりも広く形成されるため、2次保護素子130は絶縁部材140上に安定的に組み立てられる。また、前記絶縁部材140の幅(W1)は、キャッププレート112の幅(Wc)より小さく形成され、前記絶縁部材140はキャッププレート112の上面に付着する。
【0040】
続いて、第1、2リードプレート118、119が溶接された保護回路基板120をキャッププレート112の上面に位置させ、2次保護素子130の第2リードタブ117を保護回路基板120の導電パッド122と電気的に接続する。
【0041】
そして、前記保護回路基板120の上部にカバーケース150を覆った状態で第1、2スクリュー161、162を締結する。前記第1、2スクリュー161、162は、カバーケース150の第1、2スクリュー取付穴152、153に挿入され、前記保護回路基板120を支持する第1、2リードプレート118、119を貫通し、前記ベアセル110のキャッププレート112に形成された第1、2締結溝113、114に締結される。これにより、保護回路基板120とカバーケース150は、ベアセル110の上面に該当するキャッププレート112の上面に固定された状態となる。
【0042】
最後に、両面テープ181を用いて前記ベアセル110の下端部に補助ケース180を付着し、ラベル170を使用してベアセル110の側面を覆う。前記ラベル170の上端部は、ベアセル110とカバーケース150の側面とを同時に覆うことにより、前記ラベル170によりベアセル110の前後左右側面が保護される。
【0043】
次に、本発明の他の実施形態に係るバッテリパックを説明する。
【0044】
図4は本発明の他の実施形態に係るバッテリパックの分解斜視図であり、図5は本発明の他の実施形態に係るバッテリパックにおいてキャッププレートの上面に2次保護素子が設置された状態を示す平面図であり、図6は本発明の他の実施形態に係るバッテリパックの組み立て後の外観斜視図である。
【0045】
図4〜図6に示すように、本発明の他の実施形態に係るバッテリパック200は、ベアセル110、保護回路基板120、前記ベアセル110と保護回路基板120とを電気的に接続して配設される2次保護素子130、前記ベアセル110の上面において前記2次保護素子130が配設される部位に設けられる絶縁部材240を含む。また、本発明の一実施形態に係るバッテリパック100は、カバーケース250と、前記カバーケース250を前記ベアセル110に締結するための第1、2スクリュー161、162と、前記ベアセル110の外周面を覆うラベル170とをさらに含む。
【0046】
本発明の他の実施形態は、前記絶縁部材240とカバーケース250の構成以外には本発明の最初の実施形態と同一な構成である。したがって、同一構成に対しては同一符号をそのまま使用し、詳細な説明は省略する。
【0047】
本発明の他の実施形態に係るバッテリパック200は、絶縁部材240の幅(W2)をベアセル110の上面、すなわち、キャッププレート112の幅(Wc)と同等、またはより大きく形成する。好ましくは前記絶縁部材240の幅(W2)は、キャッププレート112の幅(Wc)に対し最大109%程度広く形成することができる。
【0048】
このような大きさにすることで、前記絶縁部材240の上面に設置する2次保護素子130の組立性がさらに向上する。近年、バッテリの技術開発は、ますます小型化、薄型化される傾向にあって、ベアセル110の上面、すなわち、キャッププレート112の幅(Wc)が段々と狭くなっている。したがって、キャッププレート112の上面に絶縁部材240をより容易に付着するために、前記絶縁部材240は幅(W2)の大きさをキャッププレート112の幅(Wc)と同等に形成することができる。または、前記絶縁部材240の幅(W2)を前記キャッププレート112の幅(Wc)よりも広く形成することができる。
【0049】
前記絶縁部材240の幅(W2)がキャッププレート112の幅(Wc)と同等、或いはより広い場合には、ベアセル110にカバーケース250を結合する時に互いに干渉されることがある。前記絶縁部材240の左右両端部がカバーケース250の下端部と干渉される場合は、前記第1、2スクリュー161、162の締結時にスクリューが空回転することがある。または、第1、2スクリュー161、162がキャッププレート122の上面で十分に深く締結されないこともある。したがって、本発明の他の実施形態に係るカバーケース250には、左右両側部に絶縁部材240との干渉を防止するための干渉防止孔254、255を形成する。前記干渉防止孔254、255は、前記絶縁部材240が付着する位置と対応して形成される。
【0050】
このように構成される本発明の他の実施形態に係るバッテリパックの組立過程を説明すると次の通りである。
【0051】
先ず、缶111の内部に電極組立体を収納した後に、キャッププレート112を含むキャップ組立体(図示せず)を組み立てて缶111の開放部を密閉させ、前記キャッププレート112に形成された電解液注入口(図示せず)を通じて電解液を注入し、電解液注入口を密封する。
【0052】
次に、キャッププレート112の上面に絶縁部材240を付着する。
【0053】
そして、ベアセル110の電極端子115と2次保護素子130および第1リードタブ116を電気的に接続した後に、前記絶縁部材240の上面に設置する。
【0054】
続いて、第1、2リードプレート118、119が溶接された保護回路基板120をキャッププレート112の上面に位置させた状態で、2次保護素子130の第2リードタブ117が保護回路基板120の導電パッド122と電気的に接続される。
【0055】
次に、前記保護回路基板120の上部でベアセル110の上面にカバーケース250を結合する。この時、前記キャッププレート112の両側と一致するか、或いは突出幅を有して付着した絶縁部材240は、前記カバーケース250の干渉防止孔254、255を通じて外部に突出する。これにより、カバーケース250は、絶縁部材240と互いに干渉することなく、ベアセル110の上面に安定的に結合される。
【0056】
そして、前記保護回路基板120の上部にカバーケース250を載置した状態で第1、2スクリュー161、162を締結する。第1、2スクリュー161、162は、カバーケース250の第1、2スクリュー取付穴152、153に挿入され、前記保護回路基板120を支持する第1、2リードプレート118、119を貫通し、最後に前記ベアセル110のキャッププレート112に形成された第1、2締結溝113、114に締結される。これにより、保護回路基板120とカバーケース250とは、ベアセル110の上面に完全に固定された状態となる。
【0057】
最後に、両面テープ181を用いて前記ベアセル110の下端部に補助ケース180を付着し、ラベル170を使用してベアセル110の側面を覆う。前記ラベル170の上端部は、ベアセル110とカバーケース250の側面とを同時に覆うが、前記カバーケース250の干渉防止孔254、255はラベル170により外部に露出しなくなる。
【0058】
図7Aおよび図7Bは本発明に係るキャッププレートの実施形態の斜視図である。
【0059】
図7Aは、キャッププレート112の上面に絶縁部材140が設置する凹部112aを形成したものを示す。前記凹部112aはキャッププレート112の縁部の内側に形成される。これにより、キャッププレート112の上面に凹部112aが形成されれば、キャッププレート112の幅(Wc)よりも幅(W1)が小さく形成された絶縁部材140を正確な位置に付着することができる。
【0060】
図7Bは、キャッププレート112の上面に絶縁部材240が設置する凹状段差112bを形成したものを示す。前記凹状段差112bはキャッププレート112の縁部まで段差が形成された溝である。これにより、キャッププレート112の上面に形成された凹状段差112bに、キャッププレート112の幅(Wc)と同等、或いはより広く形成された絶縁部材240の付着位置の選定が容易になる。
【0061】
以上のように、本発明の実施形態によるバッテリパックはいずれも、絶縁部材140、240をキャッププレート112に付着する工程によって不良率が顕著に減少する。すなわち、従来は投入数1,650万個余りに対する不良数が7万4千個余りで、不良率が4,500PPMに近かったが、本発明によると投入数1,135万個余りに対する不良数が6千個余りで、不良率が500PPM程度に減少することができた。
【符号の説明】
【0062】
100、200・・・バッテリパック
110・・・ベアセル
120・・・保護回路基板
130・・・2次保護素子
140、240・・・絶縁部材
150・・・カバーケース
170・・・ラベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベアセルと、
前記ベアセルと電気的に接続されて充放電を制御する保護回路基板と、
前記ベアセルと前記保護回路基板との間に接続され、前記ベアセルの一面に配設される2次保護素子と、
前記ベアセルの一面に前記2次保護素子よりも広幅に設けられる絶縁部材と、を含むバッテリパック。
【請求項2】
前記絶縁部材は、前記ベアセルの一面の幅よりも狭幅に形成されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項3】
前記絶縁部材は、幅が前記ベアセルの一面の幅に対し51%以上で形成されることを特徴とする請求項2に記載のバッテリパック。
【請求項4】
前記絶縁部材は、前記ベアセルの一面の幅と同等の幅を有するように形成されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項5】
前記絶縁部材は、前記ベアセルの一面の幅よりも広く形成されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項6】
前記絶縁部材は、幅が前記ベアセルの一面の幅に対し109%以下で形成されることを特徴とする請求項5に記載のバッテリパック。
【請求項7】
前記絶縁部材はテープ形態であることを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項8】
前記2次保護素子は、PTC素子、温度ヒューズ(thermal fuse)又はこれらと等価の性質を発揮する部品中から選択されるいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項9】
前記ベアセルは、上部に前記保護回路基板を収容するカバーケースをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項10】
前記カバーケースは、側面に前記ベアセルの一面に設けられた前記絶縁部材と干渉しないように干渉防止孔が形成されることを特徴とする請求項9に記載のバッテリパック。
【請求項11】
前記ベアセルは、一面に前記絶縁部材の設置位置が選定される絶縁部材設置部が形成されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項12】
前記絶縁部材設置部は、前記ベアセルの一面の幅よりも狭い凹部の形態であることを特徴とする請求項11に記載のバッテリパック。
【請求項13】
前記絶縁部材設置部は、前記ベアセルの一面の幅と同等の幅を有するように形成された凹状段差の形態であることを特徴とする請求項11に記載のバッテリパック。
【請求項14】
前記ベアセルは一面に開放部が形成され、前記開放部はキャッププレートによって密封されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項15】
前記ベアセルは側面がラベルによって覆われることを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate


【公開番号】特開2010−147021(P2010−147021A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255298(P2009−255298)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】